【安価】住人(♀)「白百合荘で過ごす日々」【百合】 (947)

◆注意

スレタイにもある通り、このスレは百合スレです


なぜか女性だけが住むとあるアパートの住人の日常を観察し、あるいは安価で導き、女の子と女の子をくっつけるのが主な目的です

恋愛対象は同じアパートの住人同士……だけでなく、それぞれの住人の職場や学校などの人物も対象となります

R板ですが、エロはメインではありません
女の子同士のイチャラブを見て、いい雰囲気になれば情事にも及ぶ、程度のものです
男性の登場はありですが、男性とは行為に及びません(展開上必要そうなら書きますが……)


◆安価について

安価の連取りは不可
コンマは連取りには含みません
ただし、コンマによる判定が1レス内に2つ以上存在し「コンマ↓、コンマ↓2」となった場合は、連取りは控えてもらえると嬉しいです
安価→コンマ→安価は連取りとみなします

あまりに唐突な展開になる安価は最安価
長文安価や、安価を受けての結果まで書かれても全ては採用しません
必要な部分だけを抜き取り安価として採用、もしくは最安価します

グロ、リョナ、スカトロ(大)、アナル責め、ハードSMは書けませんので、そういったものも最安価します
(後出しのようになりますが、他にも書けないと思ったものは書きません。とりあえず上に書いたものは不可です)


◆ちなみに

「白百合荘」で調べると老人ホームが出てきますが関係ありません
この白百合荘は架空のアパートです

住人「駅からほど近く、家賃も安いこのアパート」

住人「私はここ、白百合荘に越してきた。一人暮らしだ」

住人「季節は春。入学とか就職とか、出会いの季節だよね」


パサッ


住人「おっと、落ちちゃった。……これは入居するときに書いた書類か」ヒョイッ

住人「いろいろ事細かに書かされたけど、必要あったのかな……?」

住人「まあいいか。面白い書類だったし少し読み返してみよう」


一人目の住人のプロフィールを作ります

テンプレート↓
【名前】(漢字でお願いします。ふりがなもあると助かります)
【年齢】(16~25歳程度で)
【職業】(ファンタジーなもの、SFちっくなものは不可です)
【容姿】(顔や髪、体の大きさだけでなく、服装なども書いてください)
【性格】(「ツンデレ」とか「不思議ちゃん」のような一言でも、細かに書いてもらっても大丈夫です)
【好きなこと、もの】(趣味でも特技でも。食べ物でもスポーツでも。少なくとも何か一つ以上。理由もあれば)
【入居理由】(学校or職場が近いから、家賃が安いから、現実的な理由ならなんでもありです)
【備考】(その他付け足したいことがあれば)

安価↓から3つほどでてくるまで
何個か集まったら、コンマを使用しての投票になります

【名前】澄野 渚(すみの なぎさ)
【年齢】18歳
【職業】美大生
【容姿】美人というよりかわいい系 髪の長さはセミロングでポニーテール 小柄で貧乳 服装はロングスカートなど極力肌を見せない服装 
【性格】内向的で引っ込み思案
【好きなこと、もの】 絵を書くこと  読書(ジャンル問わず) 体力トレーニング
【入居理由】大学に近いから 
【備考】 小さい頃は病弱だったが、今は人並みに健康 趣味の体力トレーニングはその反動でもある

1、峰子
2、渚
3、日奈緒
4、初音

↓から投票
投票レスのコンマの合計が最初に200を超えたキャラが住人となります
18時までに誰も200に到達しなかった場合、その時点での最高コンマキャラが住人となります

>>13みたいに自分のに投票するのはありですか?
それなら自分も2に投票したいけど

>>13->>14
ごめんなさい、前に建てたスレではこういうことがなかったので考えてなかったのですが、自キャラへの投票はなしです

住人は澄野渚となりました
設定は>>5を参照

渚「……って、自分の書類読んだって意味ないよね」

渚「引っ越ししたらすることは……あ、そうだ。お隣さんに引っ越しそばを持ってかないと。き、緊張するけど……」

渚「管理人さんにはあげたし、他の住人にもあとで配るけど……何よりお隣さんだよね」


ガチャッ


渚「私の部屋は1号室。1階の角部屋だ。つまりお隣さんは2号室に限定される」テクテク

渚「うん、アパートって隣と近いね。すぐついちゃう」ピタッ


ピンポーン


お隣さん「はーい?」


渚「あ、あのっ、はじめまして、隣に越してきた澄野渚といいます。これどうぞ」ペコッ


お隣さん「お蕎麦? ああ、引っ越しそばね。わざわざありがとう」ペコッ

お隣さん(今どき引っ越しそばね……珍しい)


渚「あ、あの……」

渚「ご迷惑でなければ自己紹介させてくれませんか? これから何度も顔を合わせるでしょうし……あの、ほんとご迷惑じゃなければなんですけど」


お隣さん「ん、そうね……。いいわよ」


テンプレート↓
【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【入居理由】
【備考】

安価↓から3つほどでてくるまで
何個か集まったら、峰子、日奈緒、初音を混ぜてコンマを使用しての投票になります

【名前】 東谷 理緒(あずまや りお)
【年齢】 20
【職業】 大学生
【容姿】 黒髪赤目、髪型はロングポニーテール、高身長でスレンダー。貧乳だが美尻美脚。シャツにジーパンなど動きやすい格好を好む。
【性格】 素直クールで知的。
【好きなこと、もの】
 好きなこと: 読書・フィールドワーク・博物館巡り
 好きなもの:豆腐・歴史小説・大河ドラマ
【入居理由】 通っている大学が近いから。
【備考】 元は地方に住んでおり、進学を機に独り暮らしを始めた。大学では歴史学を専攻している歴史マニアで日本史世界史なんでもござれ。休みの日は読書か博物館、長い休みの日はフィールドワークに出掛けている。
将来は教員になりたいと考えている。

1、峰子
2、日奈緒
3、初音
4、京子
5、桜森楓
6、天羽楓
7、東谷理緒
8、水代翠香

↓から投票開始です
投票レスのコンマの合計が最初に200に到達したキャラがお隣さんとなります
30分経っても誰も200に到達しなかった場合、その時点での最高コンマのキャラがお隣さんとなります

お隣さんは東谷理緒となりました
設定は>>26を参照

渚「えっと、私の名前はさっきも言いましたが澄野渚です。さんずいに登るの澄、野原の野、さんずいに者……役者とか患者の者です」

渚「美大生で、近くの美術大学に通うために一人暮らしで引っ越ししてきました」


理緒「私は東谷理緒。東の谷、理科の理に一緒の緒で理緒」

理緒「私も大学生で、ハタチ。3年前に私も同じ理由で越してきたの。大学が近くて。似た者同士かもね、私たち」


渚「ですね。えへへ」


理緒「じゃ、これから隣人としてよろしく」


渚「はい、よろしくお願いします」ペコリ


バタン


渚「……」テクテク


ガチャ バタン


渚「お隣さん、クールだけどいい人そうでよかった……」ハー…

渚「やっぱり隣人トラブルとか怖いもんね。仲良くしないと」

渚「あと今日しとくのは……荷解きの続きか。学校あるし、用意だけはしとかないと」


ガサガサ ガサガサ


渚「意外と手間だ……これ今日中には終わんないかもなあ」フウ


ピンポーン


渚「? 誰だろ……」


1、出る
2、出ない
3、覗き窓から確認する

あ、安価↓です
初っ端からすみません

渚「は、はい……」


ガチャッ


理緒「あ、よかった。出かけてなかった」


渚「あ、東谷さん? どうしたんですか?」


理緒「えっとね……これ、はい」パサッ


渚「チラシ……ですか? えっと……」

渚「白百合荘、お花見のご案内……?」


理緒「うん、毎年やってるんだ。ここの人たち割りといい人多いし仲良しだし……こういうイベントもときどきね」

理緒「それで澄野さんさえよければ、来たばっかだけど参加してもらいたいなって」


渚「えっと、あの……」


理緒「ああ、ごめん。急に来て困らせちゃったかな」

理緒「正直参加不参加の表明もいらないんだ。その日に空いてる人だけが集まって楽しむだけだし」

理緒「それよりもさ……」チラッ


ゴチャゴチャ


理緒「荷解き手伝うよ。まだ全然進んでないみたいだしさ」


渚「そ、そんな、悪いです」


理緒「ほんとに嫌なら手伝わないけど……遠慮してるだけならやらせてほしいな」

理緒「私も越してきたとき大変だったの覚えてるから……力になれたら嬉しいんだ」


渚「東谷さん……。……じゃあ、お願いします」ペコリ


理緒「ん、任せて。まずは布団敷けるくらいのスペースはつくらないとね」

理緒「まずはそうだな……部屋のレイアウトとか決めてるの?」


渚「あ、あんまり決めてないです……」


理緒「玄関、短い廊下の真ん中右手側にトイレとお風呂。部屋は広めのワンルームで、手前にキッチン、奥にはクローゼット。……当然だけど私の部屋と左右対称なだけか」

理緒「しかし物少ないね……家電がほとんどないよ」


渚「あ、えっと、いろいろと買ってはいるんですけど、手続きに不備があったせいで業者さんが持ってくるの遅れてて……」


理緒「そっか。後から来る物のスペースも開けとかないとね。何が遅れてるの?」


渚「えっと……机と椅子と、本棚と、テレビと……あとお布団ですね」


理緒「結構あるね。……てことは本棚に入れる本とかはダンボールにしまったままでいいか」

理緒「……」

理緒「……ん?」


渚「?」


理緒「布団来てないの? 実家から持って来なかったの?」


渚「は、はい。お父さんが「せっかくの一人暮らしなんだから新しい布団買いなさい」……って」


理緒「じゃあ今日どこで寝るの?」


渚「……あ」


理緒「考えてなかったんだ。……しゃーない、私の貸すよ」


渚「そ、そんなっ、そうしたら東谷さんはどこで寝るんですか」


理緒「うちは布団二組あるからさ。一つ貸すだけだし気にしないでよ」

理緒「後で持ってくるからさ、まずは片付けられるやつから片付けてこう」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「ごちそうさまでした」


渚「ご、ごちそうさまでした」

渚(東谷さんの部屋で晩御飯までいただいてしまった……)


理緒「じゃ、布団持ってくね。明日も日曜で休みだし、手伝うよ」ヨイショ


渚「東谷さん、ほんとにありがとうございます。助かります」


理緒「お礼なんていいよ。困ったときはお互いさま」

理緒「あ、ドア開けてくれる?」


渚「は、はいっ」


ガチャッ


渚「うっ……」ブルッ


理緒「まだ少し肌寒いね。布団も被らないで寝たら風邪引いちゃうよ」


渚「ですね」フルフル


ガチャッ


理緒「よいしょ……っと」バフッ

理緒「じゃあ今日のところはこれで。また明日」バイバイ


渚「は、はい」

渚「……あ、あのっ!」


理緒「?」


渚「お、おやすみなさいっ」


理緒「ん、おやすみなさい」ニコッ


バタン


渚(帰っちゃった……)

渚(することもないしな……どうしよう)

渚(とりあえず布団をこのスペースに敷けるか確認しておかないと)


バサッ


渚(……うん。大丈夫)

渚(20時前か……本でも読もうかな。でも椅子もないし……)キョロキョロ

渚(少しお行儀悪いけど、お布団の中で読もう。先にお風呂入って着替えてからだけど)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚(よし、準備完了。部屋の電気は消して、スタンドライトで読もう)


パチッ


渚(まさかお布団を忘れるなんて……大失態だな)モゾモゾ

渚「……!」

渚(こ、この布団東谷さんの匂いがする……甘い匂いだ)クンクン

渚(東谷さん……最初見たときビックリしたけど、話してみたらすっごくいい人だったな……)

渚(東谷さんがお隣さんでよかった……。年も近いみたいだし、仲良くなれたらな……)

渚(明日も東谷さんと会えるんだよね……えへへ、楽しみ……)ウト…

渚(そういえばお花見って……東谷さんは参加……する……のか……な)カクン

渚「ん……すぅ……」



翌日以降、渚と理緒の身に起きたイベント安価↓から
明日書き始めるまで募集します
その中から1つか2つのイベントをこなした後で、お花見イベントに移行します

翌週ーー


ピンポーン


理緒「はーい」ガチャッ

理緒「あ、澄野さん。どうしたの?」


渚「やっと遅れてた家具が届いたので、また手伝ってもらえたらなー……と」


理緒「ああそうなの? じゃあ手伝うよ」


渚「すみません……」


理緒「? なんで謝るの」


渚「先週からずっとご迷惑かけてばかりで……申し訳なくて」


理緒「私、澄野さんに頼られるの嫌じゃないよ。澄野さん背小さいし、むしろ何も言われなかったらこっちから心配して手伝いに行ってたかもだからさ」ガチャッ

理緒「……っと、びっくり。本棚が部屋の真ん中で鎮座してらっしゃる」


渚「あ、本棚なんですけど……どこに置こうか迷ってて部屋の真ん中に……」


理緒「クローゼットの横か、逆側の壁かな。窓側にくっつけちゃうと日差しも入らなくなるし」


渚「じゃああの、クローゼットの横にお願いします」


理緒「了解、澄野さんも手伝ってね。私こっち持つから、澄野さんはそっちで」


渚「は、はいっ」


理緒「せーのっ」グッ


渚「お、おも……」プルプル


理緒「すぐそこだから大丈夫。もう少し、あと一歩……はい、降ろすよ……っと」

理緒「……うん、ここでいいかも。ただ、耐震マットとか天井につっぱり棒かなんかあれば安心なんだけどな」


渚「あ、つっぱり棒一緒に買ったのでありますよ」


理緒「お、ホントだ。つけようか」

理緒「小さい椅子とかある?」


渚「あ、あります。私ちっちゃいのでこれがないと不便で……」


理緒「ありがと。つけちゃうからさ、本棚に入れる本とか用意しておいてくれる?」


渚「はいっ」


理緒「しょ……っと」

理緒(少しこの椅子ぐらつくな……まあ大丈夫か)

理緒「できるだけ奥側で、垂直に使用……こうか」グッグッ

理緒「よし、もう一個も……」グッグッ


渚「東谷さん、できましたか?」


理緒「うん、バッチリだと思っ……!?」ガクンッ


ドタン!


理緒(ぐらつくのに足元見ないで降りようとしたから足滑らせたのか……びっくりした……)


渚「あ、あの……」


理緒「ごめん。ケガない?」


渚「それは、その……大丈夫、です」


理緒「ああ、私が覆いかぶさってたら起きれないよね。ごめん」スクッ

理緒「立てる?」


渚「はい……」ヨロ…

渚(東谷さんの目って赤いんだ……あんな間近で見ちゃった)


理緒「じゃ、本いれよっか」


渚「あ、はいっ。本はこれです」


理緒「ダンボール二箱分か……すごいね」ガサガサ

理緒「……! こ、これって……」


渚「どうしました?」


理緒「国盗り物語に燃えよ剣! どっちもあの司馬遼太郎の歴史小説! す、好きなの!?」


渚「ひっ、あ、あの……!」


理緒「あ、ごめん……嬉しくってつい……」


渚「う、嬉しい?」

理緒「私さ、歴史が好きなんだ。大学の専攻も世界史だし。でも日本史も同じくらい好きでね、本もたくさん読んだんだ」

理緒「それで、本持ってたから澄野さんも歴史好きなのかなって思って……」


渚「好き、ですよ」


理緒「ほ、ホントに?」


渚「でも、東谷さんの言うほどじゃないと思います。私が好きなのは小説で、歴史小説もその中に含まれるだけで……」


理緒「それでも全然嬉しい。歴史小説を読む人が隣に来てくれたんだ……嬉しいな……」


渚「あの……よかったら、おすすめの歴史小説教えてください。東谷さんの好きな本、読んでみたいです」


理緒「! うん、ぜひ!」パアアッ


渚「じゃあ、入れていきましょうか。大判の本が下の方に入ってるので、本棚の大きく空いてるところは最後まで空けといてください」


理緒「うん」ニコニコ


渚(東谷さんって、クールで世話焼きなだけじゃないんだ……ニコニコ笑ってる。ほんとに歴史が好きなんだろうな)


理緒(司馬遼太郎は持ってる……なら池波正太郎の剣客商売とかどうかな。でもあれかっこいいけど……あー、悩むなあ)モンモン

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


スーパーマーケットーー


渚(今日は晩御飯どうしよう……)ウロウロ

渚(確かお豆腐がセールだったっけ。お豆腐ハンバーグにでもしようかな)


理緒「あ、澄野さん」


渚「あれ、東谷さん、こんにちは」ペコッ

渚「すごい量のお豆腐ですね」


理緒「安売りしてたから買い溜めしようと思って」


渚「お豆腐好きなんですか?」


理緒「うん。今日は豆腐ハンバーグにでもしようかなって」


渚「えっ」


理緒「?」


渚「わ、私もです。豆腐ハンバーグ……」


理緒「奇遇だね。……そうだ、一緒に食べる?」


渚「えっ、いいんですか?」


理緒「同じもの作るってわかってるなら、一緒に作業した方が早いしね。澄野さんさえよければ、どう?」


渚「お、お願いしみゃす!」

渚(か、噛んだ……)


理緒「ふふっ、そんな噛むほど張り切られても美味しくできるか分かんないよ?」


渚「そ、そんなことないです! 先週初めてつくってくれた料理も美味しかったし、豆腐ハンバーグだって……!」


理緒「澄野さん澄野さん」


渚「は、はいっ」


ひそひそ ざわざわ


理緒「他の人見てるよ、もう少し声量抑えよう」


渚「あ、あ……!」カアアッ

渚「失礼しますー!」ダーッ!


理緒(ちゃっかり自分の分の豆腐は買ってくのね……私も精算済ませよ)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「ごちそうさまでした」

渚(美味しかった……)


理緒「おそまつさま」カチャカチャ


渚「あ、お皿洗うくらいはやらせてください。一緒に料理するはずだったのにほとんど東谷さん任せで……」


理緒「いやいいよ、うちの食器だしパパっと洗っちゃうからさ」


渚「……。……東谷さんがいいなら」


理緒「それよりさ、今週末にお花見あるんだけど、どう? 来れる?」ザブザブ


渚「学校始まりましたけど、宿題も大して出てないので大丈夫です。土曜日ですよね」


理緒「うん。6時くらいかな、夕方の。河川敷でやるから私と行こうか」


渚「はい。案内お願いしますね」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


河川敷ーー


理緒「おーい、澄野さーん」


渚「東谷さん、お花見はいいんですか?」


理緒「そっちこそ。急に抜け出すからびっくりしたよ。何か嫌なことでもあった?」


渚「あ、いえ。そんなのは全然。皆さん良くしてくれてます。ただ少し食べ過ぎちゃったので、散歩がてら河川敷の桜を見ていこうかなと」


理緒「なるほどね。桜、満開で良かったね」


渚「はい。とっても綺麗です」


てくてく


渚「東谷さんはどうして抜け出して来たんですか?」


理緒「他の人に『ハタチになったんだし飲め』って言われてお酒飲まされてさ……軽い酔い醒ましと散歩を兼ねてね」


渚「ああ、それで少し顔が赤いんですね。……ちょっと屈んでもらえますか?」


理緒「?」スッ


渚「……」ペタッ


理緒「……おでこに手を当てて何を?」


渚「少し熱ありません? はしゃぎすぎたんですかね……大丈夫ですか?」


理緒「……うん、大丈夫……。ありがとう、なぎさ」


渚(渚? 今まで澄野さんって……)

渚「それならいいんですけ……んっ!?」


ちゅ、ちゅう……


理緒「ん……っ」


ドンッ!


渚「はっ、はっ……な、何を……して……」


理緒「……ご」

理緒「ごめんっ」タッタッタッ…


渚「な……なんで……キス、なんか……」ドクン ドクン

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


翌日ーー


ガチャッ


渚「あっ」


理緒「あ、澄野さん。澄野さんも今から学校?」


渚「は、はい、そうです」

渚(「澄野さん」に戻ってる……)


理緒「そか、気をつけてね」


渚「はい。東谷さんも」


てくてく


渚(まさか……覚えてない、のかな)

渚(顔赤かったし、酔ってた……んだよね)

渚(私も……忘れよう。あれは事故で、ノーカンで、なかったこと)

渚(なかったこと……)


理緒『ん……っ』


渚「!」ボンッ

渚(ほ、本当になかったことにしていいのかな……)


安価↓から↓5程度まで(それ以降も一応安価は募集します)
これから渚が取る行動(あまりに突飛なものを除き、高コンマのものを優先的に採用します)

帰宅ーー


ピンポーン


理緒「はーい? あ、澄野さん」ガチャッ


渚「あ、あのっ、また頼み事してもいいですかっ?」


理緒「ん? いいよ、何したらいい?」


渚「人物デッサンの課題が出たので、それのモデルになってくれたらなー……って」


理緒「わかった、いいよ。澄野さんの部屋で描くんだよね? なんか持ってくものとかある?」


渚「えっと、割と長い時間拘束しちゃうんですけど大丈夫ですか?」


理緒「大丈夫。今日はすることもないし。とりあえず部屋行こうか」


渚「は、はい……」

渚(まただ……また無条件に頼まれてくれてる……)

渚(なんでだろう……あ、いや。今はこんなこと考えてる場合じゃない。集中してデッサン終わらせないと)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


シャッ シャッ


渚「……」

渚(私の鉛筆の音だけが部屋に響いている)

渚(東谷さんはほとんど身じろぎもしないで、黙ったまま椅子に座りっぱなし)

渚(……静かだ)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「ふう……」コトッ

渚「東谷さん、できました。ありがとうございます」


理緒「それはよかった」コキコキ


渚「あの、東谷さん」


理緒「ん?」


渚「今度なにかさせてください。いろいろ手伝ってもらってばっかで……」


理緒「いやー、いいよいいよ」


渚「料理……は、東谷さんの方が上手だし……お部屋の掃除……するほど汚くないか……えっとえっと……」

渚「……あ、そうだ美術館とかいきませんか! 興味あるか分かりませんけど日本画とかも置いてて……」


理緒「ホントにいいって」


渚「でも、私東谷さんに何も返せてな……」


理緒「……いいって言ってるでしょう!」

理緒「私が好きでやってることなんだからほっといてよ! 見返りなんていらない!」


ガチャッ バタンッ!


渚「あ、東谷……さん……」

渚(ど、どうしよう……追いかけた方がいいのかな……)


1、追いかけて問い詰める
2、日を改める
安価↓
(2を選んだ場合、その↓3までのレスでこれからの行動を指定。コンマの高いものを比較的優先)

ピンポーン


理緒「……なに」ガチャ


渚「あの、お話、させてください」


理緒「……上がって」


渚「……聞いてもいいですか」


理緒「答えられることなら」


渚「なんで私には……何もさせてくれないんですか」

渚「私、なにか東谷さんにお返ししたいのに……」


理緒「だから、それは私が勝手にやってることだからお返しとかいらなくて……」


渚「なら私にも勝手にお返しさせてください」


理緒「ぐ……そうじゃなくてさ」


渚「キスのことが……何か関係あるんですか。責任でも感じてるんですか」


理緒「キス……ってなんのこと」


渚「とぼけないでください。お花見の日、私にキスしたじゃないですか」

渚「他の人に聞いたら、記憶をなくすほど飲んでないって。せいぜい酔ってテンション高くなる程度だったって」

渚「東谷さん、覚えてるならそう言ってください」


理緒「……」

理緒「覚えてるよ」

渚「なんで、キスなんかしたんですか」

渚「私のこと……好きなんですか」


理緒「わ……」

理緒「分かんないんだ……私……あの日酔ってて……」


渚「それで顔が近かったから勝手にってことですか」

渚「私のこと名前で呼んで……雰囲気にあてられたんですか」


理緒「あれは……澄野さんのことじゃない」


渚「え……」


理緒「……私、中学のとき……好きな人がいたんだ。……でもその人は女の子でね……」

理緒「凪沙っていうの。漢字は違うけど澄野さんと同じ読み」

理緒「でも、どう接したらいいか分からなくて、告白もできなくて。友達のままだったんだけどさ……」

理緒「ある日凪沙がね。「理緒は私に頼りすぎ、いい加減うざい」って……それで、自分でも引くくらいの量を凪沙に頼んでたことに気づいたんだ」

理緒「昔の私は凪沙にする頼み事だけが二人を繋いでると思っててさ。……それで鬱陶しがられて、疎遠になって」

渚「じゃあ……私は……凪沙さんのやり直しなんですか?」


理緒「そんなこと……!」


渚「ないって言えないでしょう! また頼って離れられるのが嫌だからお返しさせてくれないんですもんね!」


理緒「違うよ! それは、違う……!」


渚「私、東谷さんにキスされてから、あのことが頭から離れなくて……! 忘れられなくなったんですよ……!? 同性愛者なんかじゃないのに……っ!」

渚「その当の本人は私じゃなくて昔の誰かのことばかり考えて……っ! ひくっ、ぐすっ、私はなんなんですか……っ! 凪沙さんの代わり……!?」グスグス


理緒「違うよ、澄野さんは……! うっ……澄野……さん、はぁ……! ひっく、うう……!」


渚「東谷さんのばかぁ……! 私、もう、おかしくなりそうなんですよ……! ぐすっ」


理緒「ごめん……澄野さん……! なぎさ、ごめんねぇ……! うえええ……」


五月のある日、私達は抱き合ったまま泣き続けました。
暗い朧月夜に、二人の鳴き声だけが木霊する夜。
静かに、ゆっくりと時間は流れていきます。


『四月と五月のなぎさ』

ここで渚と理緒の話は一区切りです。

ここからはさらに登場人物を増やし、渚と理緒の話を並行しつつ別の組み合わせも動かしていきます。
春が終わり、残りは夏と秋と冬。
一年でこの白百合荘はどれだけのカップルを生み出せるでしょうか。


ちょっとシリアス?な終わり方になりましたが、>>1はハッピーエンドにする気まんまんです。
これからの安価もよろしくお願いします。


使うか分からない設定。
白百合荘は防音バッチリ。
ペット可。
管理人さんも白百合荘に住んでる。
季節ごとにイベントを催す。
春はお花見、夏は庭で花火、秋は秋の味覚フルコース、冬はクリスマスと新年にパーティー。

他にもなにか設定をくださる人がいれば随時募集しています

ではここで、白百合荘の重要人物、管理人さんのプロフィールを募集します。

テンプレート↓
【名前】
【年齢】(20以上。3ケタいかなければ、現実的な年齢で何歳でも)
【職業】管理人
【容姿】
【性格】
【備考】

重要人物なので安価↓から5つほどでてくるまで
何個か集まったら、コンマを使用しての投票になります

【名前】天使 早苗(あまつか さなえ)
【年齢】26
【職業】管理人
【容姿】黒髪ロング、ゆったりとした服装を好む
糸目でおっぱいは大きい
【性格】あらあらうふふなおっとり系。語尾を伸ばして(「~」で)喋る癖あり
しかし締めるところはきっちり締める仕事のできる女で、問題解決能力は高くトラブルの仲裁も得意
【備考】元々都内でOLをしていたが、先代管理人の母親が急死したことで急遽後を継ぐこととなった
管理人の仕事は大変だがやりがいがあり、充実した日々を送っているらしい
学生時代はガリ勉で、仕事が恋人だったこともあり恋人いない歴=年齢だとか

19でも大丈夫ですよ
テンプレのかっこ内はあくまで目安と考えてもらえれば

ひとまず20という設定で考えますが、採用後でも戻したくなったら言ってくれれば戻します

1、かまど
2、百合華
3、結愛依
4、光
5、早苗
6、萌

↓から投票レスのコンマが最初に【300】を超えたキャラを管理人として採用します
18時までに誰も到達しなかった場合、その時点での最高コンマのキャラが採用されます

また、今までの住人投票で採用されなかったキャラ、この投票で採用されなかったキャラも、投票コンマが高いキャラを優先的に友達やヒロイン候補として登場させる可能性があります

管理人は天使早苗となりました
設定は>>78を参照

しまった…
好きなこと、ものをテンプレから間違って外してしまいました

安価↓~↓3で早苗の好きなこと、ものを募集します

【好きなこと、もの】
各種資格の習得、勉強
料理
編み物、編みぐるみ

となりました

渚(あの日から、私は無理に東谷さんにお返しをしようとは言わなくなった)

渚(でも、ただの協力的なお隣さんという関係は間違いなく越えている)

渚(お花見の日のキス。あのときの東谷さんの真意と、私の気持ちの整理をつけるためにも交流は不可欠だからだ)

渚(6月に入り、今は梅雨。雨がしとしとと降り続いてる)

渚(だからこうして部屋の中で)


ガンガン ガンガン


渚「……」

渚(部屋の中で静かに本を)


ガンガン ガコンッ きゃああっ


渚「ああもう……」ガチャッ

渚「なにやってるんですか管理人さん」


早苗「あ、あら渚ちゃん。見ての通り雨どいの修理をしようと……」


渚「雨降ってる最中に雨どいの修理は無理です。せめて晴れ間を見つけてそのときにやらないと」


早苗「それもそうねえ……。それじゃあ渚ちゃんのお部屋にお邪魔してもいいかしら~」


渚「……別にいいですけど」


早苗「ふふ、お邪魔します」

渚「どうぞ、タオルとコーヒーです」コトッ ポフッ


早苗「ありがと~。ずず……。どう? 他の住人の方とは仲良くやれてる?」フキフキ


渚「はい。みなさん良くしてくれます」


早苗「それは良かったわ~」

早苗「お隣の理緒ちゃんとも仲良さそうだし、わたし安心したのよ」

早苗「入居書類に正直に引っ込み思案なんて書いてたけど……理緒ちゃんとは最近もお部屋に来たり行ったりしてるみたいだし~」


渚「それは……その……理由があって……」


早苗「理由?」


渚「……聞かないでくれると助かります」


早苗「そう、じゃあ詮索はしないわ」

早苗「でも、何かあったらすぐ言ってちょうだいね~。きっと力になるから~」


渚「……あのっ」


早苗「なあに? 早速相談?」


渚「……」コクン

渚「ど、同性にキスする……って、どんなときですか?」


早苗「まあ♪」

早苗「もしかして渚ちゃん……」


渚「あ、いや私じゃなくて……」


早苗「恥ずかしがらなくていいのよ。そうねえ~……」

早苗「やっぱり同性とか異性とか関係なく、相手が好きならしたくなるんじゃないかしら~」

早苗(わたしは経験ないけどね~)


渚「好き……やっぱりそうですよね……」

渚(東谷さんは私になぎささんを重ねて見てたってこと……)ズキン

渚(またこの痛み……わけわかんないよ。最近ずっとこうだ……)


早苗「どうしたの? どこかケガでもしたの? 顔色が……」


渚「いえ……最近ときどきなるだけで、少し休めばすぐ治りますから」


早苗「そう……?」


渚「あ……雨、今止んでますよ」


早苗「あら本当ね。じゃあ雨どいの修理に行ってくるわ~」

早苗「もし何か相談したいことがあったらいつでも言いに来ていいからね~」


バタン


渚「……」ズクン ズクン

渚(痛い……よ)


安価↓から↓5程度まで(それ以降も一応安価は募集します)
これから渚が取る行動(あまりに突飛なものを除き、高コンマのものを優先的に採用します)

エロいいかな?
衝動的に[田島「チ○コ破裂するっ!」]、ひとしきり終えて我に返った後
無意識のうちに理緒の名を呼んでいたことに気づく

渚(「好きな人とならキスしたくなる」……かあ)

渚(私はどうなんだろう。東谷さんとキスって……)

渚(えっと……部屋の中に東谷さんがいて、肩に手を置く私。ゆっくり顔を近づけて……)

渚(……)

渚(……う、あ)カアアアッ

渚(や、やばい。全然嫌じゃない……むしろいい、かも……)

渚(なにこれ……なにこれっ)

渚(わ、私東谷さんのこと好きって……こと?)

渚(え、いや……ええ……?)


ピンポーン


渚「ぴゃいっ!」ビクッ


ガチャ


渚「ど、どちらさまですか……」


理緒「本、持ってきた」


渚「あ、東谷さん……!」


理緒「? 上がっていい?」


渚「ど、どうぞっ!」

渚「あ、暖かいお茶淹れました……良かったらどうぞ」コトッ


理緒「ありがと。夏が近づいてはきたけど、こう雨に降られると肌寒くてさ……暖かいのは助かる」

理緒「ん……ずず……」


渚(東谷さんの唇……)ドキドキ

渚(ぷるぷるしてて、きれいな形で、それが私の普段使ってる湯呑みに触れて……)カアアアッ


理緒「ふぅ……美味しい」コトッ


渚「東谷……さん」


理緒「ん?」


渚「も、もう一回キスしてもらえませんか」


理緒「え……な、なんで……?」


渚「東谷さんとのキスが忘れられないから……自分の気持ちを確かめたいんです」


理緒「あ、あれは酔ってただけ。澄野さんも時間が経てば忘れるよ」


渚「あれから一ヶ月も経ってるのに、まだ鮮明に覚えてるんです。今だって、東谷さんの唇から目が離せないくらいで……」


すとんっ


理緒(目の前に座られた……どうしよう。どうしたらいいんだろう……)


渚「……」ドキドキ


がしっ


渚「します……ね」


理緒(顔が近……い)


1、キスする
2、寸前で拒む
安価↓

>>102
展開上違和感がなければエロ安価でも書きます
今回は高コンマ2つを採用したのでオナニーは書きませんでした

また別のタイミングで安価を取ってみてください

安価↓にずらします

ぐいっ


渚「っ」


理緒「ごめん、やっぱりできないよ……」


渚「なんで、ですか」

渚「お花見のときはそっちからしたくせに……!」


理緒「今澄野さんとキスしても、凪沙のことを思い出しちゃうと思うんだ」

理緒「キスしたいほど好きな人なんて凪沙だけだったから。女の子とキスしたら凪沙のことを考えちゃう」

理緒「そんな状態で澄野さんとキスなんてできないよ」


渚「なぎさなぎさって……私だって渚って名前なんですよ? 名前を呼ばれながらキスなんてされたら……勘違いだってします」


理緒「それは……」


渚「……もういいです。私は無理矢理なんて趣味じゃありませんし」


理緒「ごめ……」


渚「いえ、謝らないでください。変な頼み事だっていうのは分かってますから」

理緒「いつか……さ。きっといつか澄野さんのことを澄野さんとして見られるようになると思うから……。そうしたら、もう一度私とキスしてほしい」


渚「そしたら、きっと私の気持ちも分かりますよね」


理緒「うん」


渚「じゃあ、頑張って振り向かせてみせます。私のことだけを見てもらえるように、いろいろ頑張りますから」


理緒「うん」


渚「東谷さんからもどんどんしてほしいこととか……って、それは無理なんでしたよね」


理緒「うん……まだ、やっぱり怖い」


渚「気休めにもならないかもしれませんけど……私は頼られたって離れていったりしませんからね」


理緒「ん……ありがと」

理緒(澄野さんはこんなにいい子なのに……私、ひどいことしてばっかだ)

理緒(私も頑張って凪沙のこと忘れないと……)

理緒「それじゃあ、今日のところはこの辺でおいとまするね」

理緒「もし何か手伝ってほしいことあったらすぐ言いに来てよ」


渚「またそれ。ズルいですよ、東谷さん」フフッ


理緒「ん……ズルいんだ、私」クスッ


渚「でも、ありがとうございます。お手伝いは助かりますから」


理緒「うん。……それじゃあ、またね」


渚「はい」


バタン


渚「……」ズクン ズクン

渚(キスできないって言われてから……ずっと胸が痛い)

渚(でもどうしようもない……よね)


安価↓から↓3の中から最高コンマ採用
澄野渚と東谷理緒の二人に起きたハプニング(天使早苗(管理人)の登場もありです)
梅雨に関係するイベントだと嬉しいです

渚(とりあえず東谷さんの持ってきてくれた小説を読もうかな)

渚(「マリー・アントワネット」か……パンがなければケーキを食べればいいじゃない、だっけ)


ちょろっ ちょろろ……


渚(やっぱり小説っていいな。読んでると、まるで人の人生を体験してるみたいで……)

渚(いろんな世界を旅してるみたいって言う人もいるけど、私は主人公に感情移入しちゃうのかな)


じょばっ! どぼぼぼぼっ!


渚「な、なにっ!?」

渚「あ、雨漏りっ!? ここ1階なのにー! タオル……じゃなくてお鍋持ってこないと!」タタタッ


どたどたどた


渚「えっと、照明の真下、かな? ここに……ああっ!」

渚「本、本! 東谷さんの本がびしょびしょにー!」バッ

渚「と、とりあえずこれで……」ゴトッ


びちょびちょ……


渚「水受けはできたけど……先に垂れてきたの拭かなきゃ……」ズーン

渚「本も乾かさないと……でもあの濡れ具合はダメかな……」フキフキ


ごおおおおおおお……


渚「……ダメだ。ドライヤーあててもふにゃふにゃになっちゃう」

渚「はあ……謝らないと……」

ピンポーン


理緒「あれ、澄野さん」ガチャッ


渚「ごめんなさい、東谷さん……これ」


理緒「あ、濡れちゃったのか。お風呂で読んでたの?」


渚「いえ……急に雨漏りしちゃって、気づいた時にはもうびしょびしょに」


理緒「雨漏り? 見てもいい?」


渚「はい。構いませんけど……」


ガチャ


じょぼっ じょぼぼっ


理緒「ひどいね……とりあえず管理人さんに伝えないと」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「あらあら~……ひどいわね、これは……」

早苗「とりあえず業者さんには連絡してすぐ来てもらうようにはするけど……よりによってお部屋のど真ん中だものね~」

早苗「ね、理緒ちゃん。渚ちゃんのこと預かってあげられないかしら」


理緒「え、いいですけど……。管理人さんのところじゃ駄目なんですか?」


早苗「私の部屋でもいいけど、渚ちゃんの一番仲良しさんは理緒ちゃんだし……ね?」


渚「東谷さん……」


理緒「……分かりました。うちで預かります」


早苗「ありがと~」

早苗「それと、私のことは早苗って名前で呼んでもいいのよ~」


理緒「じゃ、部屋に行こうか」


早苗「無視は辛いわ~」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「今日はもう遅いので作業できないですけど、明日のうちに直しちゃうそうです。ちょうど2階と1階の間に亀裂ができて、そこから流れた雨が電灯の根本の隙間から漏れ出したみたいです」



理緒「そっか。じゃあ今日はうちで寝るんだ」


渚「そうなります……ね」


理緒「…………」ドキドキ


渚「…………」ドキドキ

渚(ついさっきキスどうのこうのって話してたから気まずい……)


理緒「あ、あのさ」


渚「は、はいっ」


理緒「本のことは怒ってないからね。古い本だし、元から汚れてたのをタダで引き取ったやつだからさ」


渚「そう言ってもらえると助かります……」ホッ


理緒「それとさ、ちょっと考えてたことがあるんだ」


渚「?」


理緒「頑張ってさ、私も頼み事してみようと思うんだ。怖いけど、澄野さんも勇気出してくれたんだし、年上の私も頑張らないと……」


渚「! は、はいっ、なんでも言ってください!」


理緒「>>安価↓」


1、名前で呼んでもいい?
2、今日一緒に寝ない?
3、今度どこかに行かない?

理緒「こ……今度どこかに行かない? 一緒に……」


渚「は、はいっ! ぜひっ!」


理緒「場所とかプランとか任せてもいいかな……」

理緒「それで今までの手伝いの礼ってことにしてもらえる?」


渚「はい! 今までお手伝いしてもらったり料理してもらったり、今日も泊めてもらえたり……。全然お礼したりないくらいですけど、まずはお出かけで楽しませてみせます!」


理緒「ん。じゃあ今日はご飯食べて寝ようか」


渚「はい!」

渚(うう、嬉しい……! どこに行こうかな……)


1、美術館
2、お城
3、その他(自由安価)
安価↓

お城(隠語)

そういえばお城ってラブホテルの隠語でしたね…完全に失念してました

でもいいですね
理緒の古城探索に付き合った後お城(ラブホテル)に向かうとか
仲良くなったらそんなイベントもありだと思います

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


美術館ーー


渚「今日は土曜日、雨も止んでいい感じの天気。というわけでこの美術館に来ました!」

渚「私の見たい絵画や彫刻作品も置いてるし、日本画コーナーもあるんですよ!」


理緒「へえ……。確かに歴史を語る上で芸術っていうのは切り離せないものだしね……見てみるのもいいかも」


渚「それじゃあ行きましょうっ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「『百合の咲く風景』。作者不明? 変なの……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「おお……。これ、風刺画ってやつだ。戦争の絵だよね……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「うわわ、すごい……」


理緒「んー……ガタガタな絵に見えるけど……」


渚「キュビズムってやつですよ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「これはすごいの分かるよ。写真みたいだ」


渚「ハイパーリアリズム、ですね」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「う」ブルッ

渚「ごめんなさい、お手洗いに行ってきますね」


理緒「ん。じゃあ中にある食堂の前で待ってるね」


渚「はい」タタタッ

ジャー


渚「ふう」フキフキ


???「うーっ!」ダダダッ


どんっ!


渚「いてっ」


???「ご、ごめんなさい急いでて……!」


渚「あ、お、お手洗いですか。私なら大丈夫なので……」イソイソ


???「ごめんねー!」バタンッ


渚「びっくりした……」テクテク

渚「えっと……食堂……」キョロキョロ


だだだっ


???「あのっ!」


渚「うわっ!」ビクッ


???「さっきはごめんなさい!」


渚「ああ、さっきの人ですか……。べ、別に気にしてませんから……」

渚(トイレ済ませるの早いな……)


???「でも結構な力でタックルしちゃったし……あ! そこの食堂でご飯奢らせてくれない? それでさっきのタックルは許してほしいな」


渚「そ、そこまでしてもらわなくても……」


???「こっちの気が済まないから! 行こう!」グイグイ


新しく出て来た「???」の設定を募集します
澄野渚、もしくは東谷理緒に関係ありそうなキャラクターでお願いします
美術が好き、もしくは歴史好き、あるいは今のところ名前だけ出てきている「凪沙」でも構いません(ただし凪沙の場合、年齢を20±1歳に限定します)
このキャラは白百合荘には住みません
テンプレート↓
【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【備考】
各項目の説明は>>2を参照
()内はあくまで参考程度にお考えください
安価↓~↓3で募集します

【名前】 三永 梨子(みなが りこ)
【年齢】 21
【職業】 大学生
【容姿】 ピンク髪のゆるふわセミロング、目は青色。背が低く中学生ぐらいに見られるが、Fカップの巨乳。
【性格】明るいがおっちょこちょいのドジッ娘
【好きなこと、もの】
 絵画・音楽鑑賞、創作料理、読書
【備考】
 理緒の大学の先輩で同じサークルに属している。美術史を専攻しており、度々美術館に訪れている。
 調子に乗りやすい性格で軽率な行動をしてドジを踏むことが多く、先輩としての威厳はないがサークルのマスコットとして扱われている。

【名前】放神 雷華(ほうじん らいか)
【年齢】19
【職業】大学生
【容姿】クリクリとよく動く目が特徴的、栗色のボブカットで渚より身長が低いが出るところは出ている、パンツスタイルの動きやすい服装を好む
【性格】本能で行動するタイプ、ストレートに感情を表現する
【好きなこと、もの】食べること動くこと寝ること
【備考】美術館には食堂のご飯目当てで来てた

【名前】神ヶ原 亜利砂(かがはら ありさ)
【年齢】 30
【職業】 教師
【容姿】青みがかった黒髪を腰辺りまで伸ばし、うなじ付近で束ねている。背は平均より高めで胸はCカップ。目は茶色で銀縁の眼鏡を掛けている。
【性格】面倒見のいいお母さん気質
【好きなこと、もの】
 歴史散策、散歩、写真撮影、晩酌
【備考】
 理緒の中学時代の担任で、担当は社会。当時の理緒と凪沙の関係を知っている人物。

1、梨子
2、雷華
3、亜利砂
↓から投票レスの合計が最初に150に到達したキャラを採用
発案者は自分のキャラに投票できません

3

新しい登場人物は神ヶ原亜利砂となりました
設定は>>133を参照

理緒「あ、来た……」


渚「ご、ごめんなさいお待たせして……」


亜利砂「あら」


理緒「えっ」


渚「?」


亜利砂「東谷理緒さん……よね?」


理緒「そうです。……お久しぶりです、神ヶ原先生」


渚「し、知り合いですか?」


理緒「えっと……中学のときの担任で……」


亜利砂「神ヶ原亜利砂(かがはらありさ)って言います。よろしくね」


渚「えと、澄野渚です。どうも」ペコッ


亜利砂(なぎさ?)ピクッ


理緒「先生はなんでここに?」


亜利砂「お散歩がてら寄ってみたの。授業中の話のネタにもなるしね」


理緒「そうでしたか」


亜利砂「そんなことより中に入りましょうよ。お腹ぺこぺこなの」


渚「は、はい」テクテク

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「ごちそうさまでした」


渚(そこそこ美味しかったけど、東谷さんの料理の方が美味しいな)フキフキ


亜利砂「ねえ、渚さん」


渚「は、はい」


亜利砂「少し、席を外してもらえるかしら。昔の生徒と積もる話もあるし……ね?」


渚「あ、はい。そうですよね。久しぶりに会ったみたいですし、ゆっくり話しててください」

渚「えと、私また作品見てるので、東谷さんも後で来てくださいね」


理緒「ん」コクン


渚「じゃあ、失礼します」タタタッ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


亜利砂「行ったわね。……あまり長引いてもアレだし、単刀直入に聞くわ」

亜利砂「ねえ、あの子に昔の凪沙を重ねてる?」


理緒「……先生、やっぱり気づいてたんですね」


亜利砂「私も学生時代に女の子に恋したことのある人間だったから気づいてはいたのよ……でも、なんの手助けもできなくてごめんなさいね」


理緒「それはいいんです。あの時の私も酷かったから……」

理緒「でも、澄野さんに凪沙を重ねてるとは思ってません。初めて会ったときは雰囲気が似ててびっくりしたけど、今はちゃんと澄野渚として見るようにしてます」


亜利砂「そ。それなら良かったわ」ニコッ

亜利砂「あ、それともう一つ聞きたいことが」


理緒「?」


亜利砂「理緒さんはなんで美術館に来たのかしら?」


理緒「私が澄野さんにお出かけしようって頼んだんです。今までのお礼に何かしたいって言ってくれたので」


亜利砂「へえ……。中学のとき、凪沙さんに甘えてばっかだと思ったらある日突然誰にも頼らなくなったのにね……」


理緒「人に頼って鬱陶しがられるのが怖かったんですよ」


亜利砂「ふふ、渚さんはそうじゃないわけだ」

理緒「んー……澄野さんが近づこうと努力してくれてるのがわかるから、こっちも応えたくなるんですよね」


亜利砂「それはいいことだわ。誰にも頼らずに生きていくなんて不可能だもの」


理緒「ですね。……それで、聞きたいことってそれだけですか?」


亜利砂「そうね。あの子に凪沙さんのことを投影してないのと、その人と一生懸命向き合おうとしてるのが分かって安心したわ」


理緒「じゃあ……私からも質問していいですか?」


亜利砂「ええ。答えられることなら」

亜利砂(昔の理緒さんなら私に質問なんてしなかったわよね。先生相手だろうが、鬱陶しがられたくなかったみたいだし……)

亜利砂(この子をここまで変えた澄野渚さんって……。一体どうやったのかしら)


理緒「あのですね……」


亜利砂「なにかしら?」


理緒「>>安価↓」


1、私と凪沙ってどうでした?
2、澄野さんが何を思ってるかわかりますか?
3、私、澄野さんに無理矢理キスしたんです。どう接したらいいですか?

理緒「澄野さんが何を思ってるかって……分かりますか?」


亜利砂「あら。私ほんの数十分前に会ったばかりよ?」


理緒「で、ですよね……」


亜利砂「でもそうね……理緒さんともっと仲良くしたそうにはしてたわね」


理緒「そう、ですか?」


亜利砂「ええ。食事中も何か言いたそうにしてたわ。私に遠慮して結局黙ってたけどね」

亜利砂「それに、理緒さんに頼み事をさせるまで仲良くなったんだもの。渚さん、きっとまだ仲良くなりたいと思ってるわ」


理緒「それは……多分、そうです。今まで何回もお礼をさせてくれ、って言ってきてて……私が根負けしましたし」


亜利砂「じゃあほら、早く行ってあげないと」


理緒「……ですね」スクッ


亜利砂「あ、そうそう。焦っちゃ駄目よ。無理して渚さんに頼ってもあなたの精神上よくないし……頼りすぎは昔の凪沙さんと同じことになるからね」

亜利砂「ゆっくり、二人だけのペースで頑張ればいいの」


理緒「……はいっ。ありがとうございました、先生」タタタッ


亜利砂「がんばれ、理緒さん」ボソッ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「あ、東谷さん」パアッ


てててっ


理緒「澄野さん、待たせてごめんね」


渚「いえ、大丈夫です。先生とは何を話したんですか?」


理緒「焦ることはないって話」


渚「?」


理緒「ゆっくりでいいんだってさ。私たちは」


渚「よく分かりませんけど……美術館をゆっくり見て回るってことですか?」


理緒「そう。二人でゆっくりね」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「へえ……! こんな日本画もあったんだね」


渚「東谷さん、目が輝いてますね」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「こんな彫刻作品……私も造ってみたい……」ウットリ


理緒「ただ石を削っただけに見える……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「価値観の違う人と見ると、なんか楽しいね」


渚「はい。楽しいです」


理緒「? これは?」


渚「窓の前に椅子が置いてありますね……」

理緒「『窓に映る景色そのものが作品です。椅子に座り、この作品を心ゆくまで眺めてください』……だって」


渚「面白い作品ですね」ストン


理緒「中庭の緑の中に、石とか花を置いてるみたい」ストン

理緒「光の加減と風の強さで作品の印象が変わるんだって。あそこの説明に書いてたよ」


渚「へえ……いいですね、これ……」


理緒「和むねえ……」


ぽつ ぽつ


理緒「……あ」


ぽっぽっぽっ……


渚「雨……」


さああああああああ……


理緒「しまった。まさか雨が降るなんて……」ガタッ


渚「東谷さん、せっかくなのでこの雨の景色も楽しみましょう」

渚「ゆっくり、でいいんですよね?」


理緒「……そうだね。ゆっくりしてこうか」ストン

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「今日は楽しかったよ。ありがとう」


渚「いえ。ただ美術館を見て回っただけですし……」


理緒「それより……」


ざあああああああああっ


理緒「どうしようか。雨も強くなってきちゃったし」


渚「あ、えと……」ガサゴソ

渚「折り畳み傘で良かったら持ってきてます」


理緒「準備いいね。私も売店で傘買って……」


渚「ま、待ってっ」クイッ


理緒「?」


渚「ち、小さいけど……その、二人で一緒に……入りませんか……?」


理緒「……ん、いいよ。一緒に帰ろうか」


渚「はいっ!」パアアッ


カチッ ぼんっ


渚「肩を寄せれば二人でも入れますから」


理緒「うん。このまま駅まで行こうか」ニコッ


さああああああああ……


六月。梅雨の真っ最中。
小さな赤い傘が、二人をぐっと近づけました。
「二人でゆっくり」
私たちはそれでいいんです。


『六月の雨漏り、そして美術館』

梅雨の話はここで終わります。

次からは夏編。夏祭りが一番の目玉になります。
いよいよ新しいキャラクターだけでなくカップル候補の住人を作りたいと思います。

◆今後の展開によっては、渚と理緒ではなく、渚と新キャラ、理緒と新キャラがくっつく可能性もあります。

連続で二人作るので、参加お願いします。
まず一人目。

テンプレート↓
【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【入居理由】
【備考】
各項目の説明は>>2を参照
安価↓~↓3で募集します

【名前】大岸 茅(おおぎし かや)
【年齢】17
【職業】高校生、コンビニでバイトしてる
【容姿】自分で染めた赤茶色のポニーテール(ほどくと肩甲骨くらいまでのストレートヘア)。ツートーンカラーのトップスを好んで着、ボトムスは足に布が触れるのが苦手なため膝上のスカートやホットパンツばかり履く。明るくはっきりした色のものが多い。
素の顔立ちがきつく見えると思っているのでそれなりのメイクで緩和させている。しっかりと谷間が確認できる胸があり、ほかは平均的な体型。
【性格】受動的なことや退屈を嫌い、常に能動的(座学はあしらうが実技は集中する等)。興味を持ったらとりあえず試す。苦い経験をしても何かしら得たものがあれば良しとし、あまり深く悩まない。
【好きなこと、もの】ツナマヨ(コーン入りは邪道としている)、チョコレート、ハイティーン誌購読、新商品のチェック、歌うこと、だだっ広い場所で思う存分走ること
【入居理由】一人暮らしを経験してみたかったから
【備考】本人は意識していないがギャルだと思われがち。
同性愛にも興味があるものの友人らにそれとなく尋ねた際「よくわかんないけどキモいよねー」との意見が大半で、以来なるべく考えないようにしている。

【名前】 阿笠 蓮美(あがさ はすみ)
【年齢】 19
【職業】 フリーター(自称ミュージシャン)
【容姿】黒髪のショート、前髪に金色のメッシュをいれている。モデル体型で理緒と同じようにスラッとした印象だが出るところは出ている。
【性格】活発で前向き、少しの事ではへこたれない精神力を持つ。
【好きなこと、もの】
 音楽(特にロックやメタル、ジャズなど)、ギターの演奏、スケボー
【入居理由】防音設備がある部屋を探していた。
【備考】
 ミュージシャンを目指す女の子。家は元はかなりの名家だが、親の反対を押しきり家出同然でここを訪れた。才能はあるもののいまいち機会に恵まれず、燻っている。白百合荘のイベントでは演奏会を開くことも。
 元が名家のお嬢様だけに各種礼儀作法や茶道などの芸能にも見識がある。

1、茅
2、霞
3、蓮美

↓から投票レスのコンマが最初に200に到達したキャラを採用
採用されなかったキャラは次の住人投票に参加

すみません、今日はもう寝るので二人目は明日の朝に募集します
投票は受け付けてます

おつ
投票は3

これ設定で一人暮らしじゃないといけないのかな
投票は2

>>161
ワンルームのアパートなので、3人以上は厳しいと思います
2人ならなんとかなると思うので、同棲やルームシェアの場合はその旨を備考や入居理由に書いてください
その際は、もう一人のキャラの設定もテンプレートを使用して一つのレスにまとめてください

ただ、あまり多人数登場してしまうと誰が誰だか分からなくなるので、二人暮しキャラが多すぎるようならこちらで止めさせてもらいます

新しい住人は大岸茅に決定しました
設定は>>151を参照

次に二人目の新住人を決めます

テンプレート↓
【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【入居理由】
【備考】
各項目の説明は>>2を参照
安価↓から3つほど募集します
3つほど集まった時点で霞、蓮美を交えて投票します

>>151の【入居理由】なんですが『いくつか候補物件があって、あみだくじを作って引いた結果ここだった』を追加しても構いませんでしょうか
だめであればこのレスは無視してください

【名前】桃山 真央(ももやま まお)
【年齢】19
【職業】大学生
【容姿】桃髪ショート、童顔で低身長なせいでよく○学生に間違われる。胸はまったいら
シャツ系の動きやすい服装を好む。スカートはミニ以外認めない派
【性格】一人称は「真央」。明るく人懐っこくて感情がすぐ顔に出るタイプ、と文字通り子供のような裏表のない性格だが、お子様呼ばわりされると怒る
【好きなこと、もの】ハンバーグ、オムライス(美味しいから)
失せ物探し(勘がよく、信頼性は高い)
百合系の漫画蒐集&観賞(可愛い女の子が沢山出てくるので好き)
【入居理由】通っている大学が近い&独り暮らしに憧れていた
【備考】可愛いもの大好き。その縁で可愛い女の子が沢山出てくる百合漫画をよく読んでおり、同性愛に抵抗感がない
色恋には今まで縁なく過ごしてきたが、できるなら素敵な恋をしてみたいと思っている

二人暮しです

【名前】神馬 薫(じんば かおる)
【年齢】 26
【職業】 漫画家
【容姿】 ウェーブのかかったセミロング。髪の色はダークブラウンで目は明るい茶色。巨乳だが着やせするタイプ。服装は常に緩いジャージである。
【性格】ものぐさでマイペース
【好きなこと、もの】
 漫画を描くこと、昼寝、花の香り
【入居理由】
 勘で決めた。
【備考】
 月刊誌で少女漫画を書いている漫画家。現在親友の操子(みさこ)とルームシェアをしながら住んでいる。彼女の漫画は過激なシーンが多いようだ。
 生活力は皆無で、綺麗な部屋を2、3日も掛からずに汚部屋にするほど。

【名前】梁川 操子(やながわ みさこ)
【年齢】26
【職業】OL
【容姿】明るい茶髪で碧眼、スレンダーなモデル体型で貧乳。スーツを着こなす。
【性格】 しっかりものの委員長で面倒見がよい。
【好きなこと、もの】
 仕事、掃除、料理、誰かに頼られること
【入居理由】
 薫の生活態度をみかねて
【備考】
 薫とは小学生の頃からの腐れ縁。本人はバリバリのキャリアウーマンで会社でもそれなりの位置を保っている。
 独り暮らし時の薫の生活習慣があまりにも酷かったので見張りも兼ねて同居を開始した。

>>169
すみません、理由の追加はできればなしにしたいです
設定の追加や変更をありにしてしまうと後から好きな設定を付け加えられてしまって、投票時のキャラと違う人物像になってしまうので…
投票前であれば設定の追加変更は受け付けます

【名前】 レイラ・リトルビーチ
【年齢】 21
【職業】 留学生(ダンサー志望)
【容姿】 褐色肌で黒髪茶眼。巨乳、美尻の抜群のプロポーションを持つ。露出の多い服を好んで着る(動きやすいため)。
【性格】 明朗快活
【好きなこと、もの】
 ダンス、水泳、海、太陽、お祭り
【入居理由】
 留学に辺り、家賃の安い部屋を探していた。
【備考】
 南国からやって来た留学生。将来はダンサーを志望している。
 故郷では『巫女』として踊り子をしており、その魅惑的な踊りと明るい性格から男女共に憧れの的だったらしい。
 本人も男女共にいけるバイセクシャルで、性経験は豊富。

ID変わりましたが169です

>>172
投票前なら追加変更あり、投票後はなしとのこと、了解です。
確かに、まったく仰る通りです。
追加ありだと後から後から何でも付け加えられる事になってしまいますね。
大変に浅はかなお願いをしてしまい恥ずかしい限りです。
回答ありがとうございました。

それから、操作ミスだったとはいえキャラ募集中に割って入って書き込んでしまい申し訳ありませんでした。
次からはスレを慎重に見たいと思います。重ね重ね失礼致しました。

【名前】遠州 透(えんしゅう とおる)
【年齢】23
【職業】大学院生
【容姿】黒髪のストレート。光を通すと若干青みがかっている。目も黒で、典型的大和撫子。まつ毛が長い。全体的に細く、指さきがとても綺麗というのは友人の談。
【性格】超クール、超物静か……に思われがちだがただの人見知り。実際は結構なビビリ、可愛い物好き、涙もろい。
【好きなこと、もの】読書、小動物、日陰(直射日光がニガテ)、ごろごろ(だらしない訳ではない)、足湯
【入居理由】大学に通うため(他の子たちと同じ大学でもいいかなと思います)
【備考】・冷ややかな目で物事を見ていると思われがちだが、そんなことはない。
・近寄りがたい雰囲気をしているが、本当は声をかけてもらいたい(こちらから声をかけられない)。
・文学に精通しているが、活字を読むより図鑑を読む方が好きだったりする。渚とは話が合うかもしれない。
・近くの本屋でバイトをしている。店長さんは結構なおじさんで、顔が広い快活な人。たまに本をくれる。

おっと、3人もう出てたか

>>174
いえ、関係ないレスだと判断すれば無視しますし、基本的に質問や感想はいつでも受け付けてます
あとになってから「そんなの聞いてない」と言われるのも嫌なので、疑問点があればどんどん聞いてください

>>176
厳密に3人で固定してるわけではありません
あまり多くならなければ、一度の募集に5人くらい集まってもいいと思ってます
ただ、制限をかけないとどこまでも集まる気もするので「3人ほど」と書いてます

1、霞
2、蓮美
3、真央
4、薫と操子
5、レイラ
6、透

↓から投票レスのコンマ合計が最速で200に到達したキャラを採用します
次に投票コンマの合計が大きいキャラを友人枠、アパート外ヒロイン枠で採用します

うーん、4

5

押し間違えた
6

4かな

3

新住人は桃山真央に決まりました
設定は>>170を参照

また、決定時(>>190)のコンマ合計がレイラと透とでほぼ僅差だったため、機会があればどちらも出したいと思います

本屋ーー


茅「これお願いします」パサッ


ぎゃいぎゃい


店員「はい。ええと……雑誌二点で1402円になります」


茅「ん」ヂャラッ


やいのやいの


店員「ちょうどお預かりします。レシートです」


茅「ども」

茅(さっきからなに? なんか騒いでる客がいるみたいだけど……)


「だからあ! 真央は19歳なんだってばあ!」


茅(あ、この声……しかも真央って……)

茅「あのー……」


「なに!? あんたも買えないって言う……つも……り……?」


茅「あ、やっぱ真央ちゃんじゃん」


真央「か、茅ちゃん! 助けてよ、この人たちが本売ってくれないの!」


店員「ですから、年齢確認できない方にこの本は売れないんですって」


茅(エロ本か……。真央ちゃんも堂々とよくやるね)

茅「真央ちゃん身分証持ってきてないの?」


真央「……忘れた」


茅「あちゃー……」

茅「……あの、お騒がせしてすみません。この人確かに19なんですよ。今あたしが身分証取ってくるんで、それまで待っててください」


店員「は、はあ……」


真央「え?」


茅「自転車乗ってきたからそれで一旦帰る。あ、真央ちゃんの部屋の鍵貸してくれる? 物盗ったりはしないからさ」


真央「うん……あ、机の横のバッグに入ってると思うから」チャリッ


茅「おっけ。うし、じゃひとっ走り行ってくる!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「ほい、持ってきた」パス


真央「あ、ありがと……」


茅「てわけで、真央ちゃんはれっきとした19歳です。その本売ってもらえます?」


店員「え、ええ。年齢確認さえできれば……」


真央(買えた……)ホッ


茅「じゃあ帰ろうか、真央ちゃん」


真央「あ、うんっ」タタッ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


シャーッ


真央「自転車の二人乗りなんていいのー!?」


茅「警察いないとこ通るから大丈夫ー!」

茅「ってか、あの店員たちの顔ウケたねー! 真央ちゃんがマジで19って思ってなかったんだよー!」


真央「ひどいよねー!」


茅「あ、真央ちゃん、坂! 掴まっててね!」


真央「うん!」ギュウッ


シャーッ!


真央「かやちゃーん!」


茅「なーにー!?」


真央「ありがとーねー!」


茅「どういたしましてー! ひゃっほー!!」

白百合荘ーー


渚(暑い……最近暑さが日増しに酷くなってる……)

渚(窓開けてこれか……そろそろクーラーも考えようかな……)


ピンポーン


渚「は、はーい」トテトテ


ガチャッ


渚「あ、大岸さん……と、桃山さん」


茅「あっついから帰りがけにアイス買ってきた! おひとつどうぞ!」


渚「え、でも……あ、お金……」


茅「いやいや、そんな無粋な。あたしと真央ちゃんの純粋な好意なんで。受け取ってください」


渚「じゃあ……これ」


茅「まいどー。よし真央ちゃん、次は理緒さんとこだ!」


真央「あ、待ってよー!」


バタン


渚「大岸さんはいつでも楽しそうだな……」

渚(お花見のとき言ってたっけ。「楽しそうなことはすぐ行動に移したくなる」って。あの性格は少し羨ましいな……)

真央の部屋ーー


真央「あがってあがって!」


茅「おっとっと……そんな引っ張らんでも」


真央「真央も暑くてたまんないよー! アイス食べようアイス!」


茅「ほいよ」ポイッ


真央「わーいアイスー♡」


茅「あたしも食べよっと」バリッ


シャクシャク


茅「そういえばさ、さっきは何の本買ってたの?」


真央「ふっふっふ……子供にはまだ早いのだよ」


茅「えー、気になるー。年齢確認するってことはエロ本だってのは分かるんだけどさ……」


真央「見せられないけど教えてあげよう。ずばり、可愛い女の子同士のえっちな本なのだ!」


茅「ほえー……え゛っ!?」

茅(いや、真央ちゃんが可愛い女の子の出てくる漫画が好きなのは知ってるけど……え、えっちって……ってか言っていいのかそんなこと……!)


真央「って言っても描写は薄いんだけどね。これはあくまで可愛い女の子を見るために買いたかったの」


茅(だ、だよね。がっつりえっちなのとか聞くだけで恥ずいし……)


真央「そういう茅ちゃんこそ、何買いに来てたの?」

茅「セブンティーンって雑誌。JKの必読書みたいなもんだよ」


真央「ああ、高校生向けにファッションのこと書いてたりする雑誌ね。真央は読んだことないなあ」


茅「真央ちゃんには必要ないよ。メイクしなくてもいいくらい……可愛い顔してるもん」

茅(危ない。ちっちゃいもんって言いそうになった……)


真央「そうかなー……」


茅「……」

茅(この部屋にいるとき、あたしは一番あたしらしくなれる)

茅(友達に「同性愛ってキモい」って言われてからあまり考えないようにしてる、けど……)

茅(あたしは、多分女の子も好きなんだと思う。でもこの部屋にいれば「同性愛は気持ち悪くない、間違ってない」ものだって思えるから)

茅「真央ちゃん」


真央「んー?」


茅「またこの辺の漫画読んでもいい?」


真央「お、茅ちゃんやっぱり百合に目覚めましたかな?」


茅「そうじゃないけど……読んでたいんだ」

茅(自分を肯定するために)


真央「いいよいいよ、好きに読んで」ニコッ

真央(いやあ、着実に百合に染まってる気がするなあ……)ニコニコ


安価↓から先着3つ
今までの登場人物のこれからの行動安価
安価1つにつき行動を指定できる人物は1人のみ
○○が□□に会いに行く、お出かけに誘う、など1人の行動によって誰かを巻き込むことは可能

◆参考
澄野渚:1号室の住人。東谷理緒にキスされたことあり。最近は理緒と仲良し。胸の痛みの原因を探るため、理緒ともう一度キスしたがっている。
東谷理緒:2号室の住人。春のお花見のときに澄野渚にキスした。ゆっくりだけど、頑張って渚と仲良くなろうとしてる。
天使早苗:白百合荘の管理人。あらあらうふふでふわふわしてるが、住人に愛される良き管理人。相談に乗ったり、アパートの修理をしたりする。
神ヶ原亜利砂:東谷理緒の中学のときの担任。昔とある女の子が好きで、同じ境遇の理緒のことを気にかけていた。
大岸茅:白百合荘の住人。ギャルっぽいが、見た目が派手なだけで楽しいことを楽しみたいだけの元気な子。
桃山真央:白百合荘の住人。可愛いもの、可愛い女の子が好きで、部屋に百合漫画なども置いている。最近は茅にも漫画を読ませている様子。

渚、真央が同性愛に詳しいと聞きレクチャーを受けにいく

乙です

展開によって管理人さんとくっつくこともあるのかな?

>>204
もちろん管理人さんも恋愛の可能性があります
安価で幸せにしてあげましょう

ピンポーン


理緒「はい」ガチャッ


茅「どもっ! また勉強教えてもらいにきた!」

茅「今度は十字軍とからしいんだけどサッパリで」


理緒「ん、どうぞ上がって」


茅「おっじゃま~」

茅「教師の卵がいるとほんと助かるよー」


理緒「こっちこそ勉強を教える練習になるし、お互い様」

理緒「じゃ、やろうか」


茅「うっす。ここかな」ペラッ


理緒「えーっと……そもそも十字軍は、キリスト教の聖地エルサレムを奪回するために送られた軍で……」カリカリ


茅「ほうほう」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「何度も遠征して、結局エルサレムは奪回できなかった、と」


茅「ええーっ、負けたの? 意味ないじゃん」


理緒「まあまあ。ここの面白いところは……」


ピンポーン


理緒「あ、ごめん。待ってて」


ガチャ


早苗「こんにちは~」


理緒「あ、管理人さん。どうしました?」

早苗「久しぶりにみんなにお話を聞いて回ってるの~。理緒ちゃん、何か最近困ったこととかない?」


理緒「んー……いえ、特には……」


早苗(理緒ちゃんはやっぱり私のこと頼ってくれないわね~)

早苗「そう……あら? 茅ちゃんもいたのね」


茅「うっす早苗ちゃん!」


早苗「茅ちゃんは何か困ったこととか、ない?」


茅「それならテストがムズくてさー……夏休み前に少しでも勉強しとこうと思ってるんだけど」


早苗「あら~。だったら私にも聞きに来ていいわよ~。こう見えて私頭はいいから~」


茅「うっそ!」


理緒「ほんとみたいだよ。学生時代ほとんど勉強してばっかだったって」


早苗「そうなのよ~。昔は学生は勉強してなんぼだと思ってたから~」


茅「想像つかないわ……」


早苗「うふふ~。それじゃ、理緒ちゃんでも教えられないところは私が教えるから、いつでも来てね~」


茅「おー、頼りにしてるよ早苗ちゃん!」


バタン


理緒「……さ、続けよっか」


茅「おー!」

ピンポーン


渚「はい……」ガチャッ


早苗「どうも~、渚ちゃん」


渚「あ、管理人さん。どうしました?」


早苗「たまにやってるんだけどね~、住人のみんなに私が直接悩みを聞いて回ってるのよ~」

早苗「渚ちゃんは初めてよね~。何か悩みごととかあるかしら~?」


渚「悩み……。……あの、上がってもらっていいですか」


早苗「ええ。失礼するわね~」


渚「えと……あの……」モジモジ


早苗「言いにくいことなら無理に今言わなくてもいいのよ~。いつでも相談になら乗るから~」


渚「いえ、言います。自分から相談はもっとハードル高いし……」

渚「すー……はー……」


早苗「……」ニコニコ


渚「こ、恋の悩みだと思うんですけどっ!」


早苗「だと思う?」


渚「えっと、あの。き、キスをしたくてたまらない人がいるんです。女の人で……でも同性だし、キスとかハードル高いし……」

渚「それに、キスしたいだけで……好きとか嫌いとかは分からないんです」


早苗「そうねえ……それなら私より適任の子がいるわよ~」


渚「え……?」


早苗「うちの住人の桃山真央ちゃん。あの子ならそういうことに詳しいと思うわ~」

早苗「恥ずかしながら私恋愛の経験がなくて……」テレテレ


渚「……じゃあ、桃山さんに相談してみます」


早苗「ええ、それがいいわ~。悩みを聞きに来たのに役に立てなくてごめんなさいね~」


渚「いえ、そんな。私、桃山さんがそういうことに詳しいって知らなかったし、それだけでも助かります」


早苗「あ、そうだわ~。ついでに真央ちゃんの悩みも私聞きに行くわね~」


渚「はい。じゃあ行きましょう」

ピンポーン


真央「はいはーい」ガチャッ


早苗「こんちには~真央ちゃん」


真央「てんしさんキターーーーーー!!」


早苗「天使(あまつか)よ~。まったく、もう……」


真央「今日も一段と可愛いねえてんしさん」


早苗「も~。そうじゃなくて、いつもの悩み相談に来たのよ~」


真央「えー? てんしさんが天使コスしてくれないことが悩みかなあ。こんなにエロエロボディで女から見ても羨ましい体してんのにもったいない……」


早苗「それはだーめ。もう、悩みがないなら次行くわよ~?」


真央「んー……。特に悩みはないかな。いつもアパートの管理してくれてありがとね!」


早苗「うふふ。そう言われると嬉しいわ~。じゃあ私は次のところに行くけど……渚ちゃん」


渚「は、はい……」


真央「? 渚さんどうしたの?」


早苗「渚ちゃんが真央ちゃんに相談したいことがあるって~。じゃ、任せたわね~」バイバーイ


真央「ふむん……。ま、上がんなよ」


渚「お、おじゃまします……」

真央「で、相談ってのは?」


渚「えっと……あの……その……」モジモジ


真央「言いにくいのか。……ずばり恋の悩みと見た!」


渚「!」カアアッ


真央「しかしなあ。恋の悩みかあ……。具体的な話聞かせてくれる?」


渚「は、はい」

渚「その……き、キスしたい人がいるんです」


真央「飛ばすねえ。好きな人がいるとかじゃなくて?」


渚「好きかどうか分かんなくて……でも、キスはしたいんです」


真央「ふーん……」


渚「でも、相手が女の人で……」 


真央「女ぁ!!?」ガタッ


渚「ひっ」ビクッ


真央「あ、ご、ごめん……」ストン

真央「なるほどねえ……。てんしさんが真央を頼るわけだ」


渚「ま、まさか桃山さん同性愛者……とか?」


真央「んー。ちょっと違う。可愛い女の子を見るのが好きでさ、それが高じて百合作品をよく見るんだよ」


渚「ゆ、百合……?」


真央「簡単に言えば女の子同士の恋愛、かなあ」


渚「な、なるほど……」


真央「真央はね、そういう漫画とかたくさん持ってるんだ。正直漫画とリアルじゃ全然違うけど、他の人よりかは相談に乗れると思うから」

渚「じゃああの……女の子にキスしたいのって、どうしたらいいですか」


真央「ふむ。他の子にはキスしたくなる? 例えば……真央とか」


渚「いえ。それはない、です。桃山さんはいい人だけど、キスしたいとかはなくて……」


真央「ってことはだ。気になってるのはその人一人だけなんだよね?」


渚「はい」


真央「じゃあしちゃえ、って言うだけなら簡単だけど……。キスなんて簡単にできるものでもないしなあ」

真央「キスするだけなら、何かの罰ゲームにするとか、王様ゲームで指示されるとか? それなら遊びの結果で流せるし」


渚「た、確かに……」


真央「しかしなあ……そのゲームに持ち込むまでが難しい」ムムム

真央「あとはそうだなあ……いい雰囲気に持ち込んでマジでキスしちゃうとか」


渚「ま、マジで……」


真央「こっちはめちゃムズいけどね。漫画なら簡単にちゅっちゅーってするんだけどなあ」

真央「真央がアドバイスできるのはこんなとこだよ。……あ、よかったら漫画読んでみる? もしかしたら何かヒントになるかもだし」


渚「じゃあ、何冊か……」

真央「にしてもまさかこのアパートに女の子に興味ある人がいるなんてね」

真央(茅ちゃんは漫画読んでくれるし、二人目だよ)


渚「お、女の子に興味あるわけじゃ……それより桃山さんこそ自分は好きな女の子とかいないんですか」


真央「真央は可愛いものを見るのが好きなの! そこに混ざろうだなんて思わないよ!」プンプン


渚「そ、そうなんですか」

渚(よく分からないけど、ちゃんとした信念があるんだ)


真央「じゃあ、また悩んだら相談しに来てね。応援してるから」


渚「そう言ってもらえると頼もしいです」


真央「んじゃーね! 頑張ってね!」


渚「はい。失礼します」


バタン



安価↓以降自由イベント安価
誰がどうした、誰と誰がどうした、といったものを書き込んでください
コンマが高いものを優先的に採用し、キャラが上手いことバラけるようにこちらで調整して採用します

明日書き始めるまで募集

茅「真央ちゃーん」ドサドサッ


真央「あ、本持ってきたの?」


茅「うん。借りてるの全部読んじゃったから」


真央「なんか気になったのとかあった?」


茅「気になったの? そうだなあ……」

茅「『とにかく明るい記憶喪失』とか『ひまわりと瀬歌さん』とかは読んでてドキドキしたり笑ったりしたかな」

茅「『そのうちあなたになる』とか『聖母様がみてる』は……ドキドキっていうより、ハラハラしたり見ちゃいけないものを見てるみたいな気がしたよ」


真央「なるほどなるほど。茅ちゃんは楽しい作品の方が好きなわけだ」


茅「かなあ」


真央(ちゃくちゃくと茅ちゃんが染まっていく……)

真央「あ、そうだ。同性愛について話したいならてんしさんと渚さんとかいいかもよ?」


茅「早苗ちゃんと渚さん?」


真央「そ。あ、でもてんしさんは違うかも。恋したことないとか言ってたし……」


茅「渚さんは?」


真央「この間相談受けたんだ。だから真央の本もオススメの貸したりしてるの」


茅「へえ……」

茅(なら渚さんに話聞いてみようかな……)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ピンポーン


渚「はい」ガチャッ


茅「ども。相談したいことあるんだけど……上がってもいい?」


渚「はい……ど、どうぞ」


茅「失礼しまーす」


渚「で、えと……私に相談って?」


茅「えと……恥ずかしい話なんですけど、同性愛について聞きたくて」


理緒「……」


茅「うわぁっ!!? 理緒さん!?」


理緒「いや、ごめん……。立ち聞きする気はなかった。さっきまで澄野さんと歴史小説のおしゃべりしてて、今お手洗いを借りてたんだ」


茅「うぁー恥ずいー……////」

茅「こうなりゃ理緒さんにも聞くよ! 理緒さんは同性愛ってどう思う?」


理緒「え、いや……いいんじゃない?」

理緒(凪沙のこと好きだった手前、同性愛はありえないとかキモいとか思わないし)


茅「渚さんは!?」


渚「私も悪いこととは思わないけど……世間一般から見れば変かも……?」

渚(桃山さんから漫画を借りてる私は変とか思わなくなってきてるけど……)


茅「お、おお……!」

理緒「聞いてどうするの? 好きな女の人でもいるの?」


茅「いや、そうじゃないけど……。今まで女の子にも恋愛感情を何度か抱いたことがあってさ」

茅「学校の友達に聞いたら「気持ち悪い」って言われて、それなら一生黙ってようと思ってたんだよ」

茅「でも白百合荘のみんなは変じゃないって言うからさ……それならあたしも隠さないで女の子のこと好きになってみよっかなって」


理緒「勇気あるね。応援するよ」


渚「わ、私も応援しますっ。いい恋できるように頑張ってくださいね」


茅「うんっ!」

茅(聞いてよかった……。すごい心が軽くなった気分)

茅「それじゃあ聞くこと聞いたんであたしはこの辺で失礼します! お邪魔しました!」


バタン


ガチャッ


早苗「どうも~」


渚「今度は管理人さんですか……どうしました?」


早苗「これを渡しに来たのよ。はい、理緒ちゃんもどうぞ~」


渚「『ダンスレッスンのご案内』……?」


理緒「またなんか資格取ったんですか?」


早苗「そ。ダンス講師の資格……みたいな~?」

早苗「具体的にはね、夏祭りでダンスしようと思うのよ~」


理緒「ああ、そういう……」


渚「?」


理緒「ああ、澄野さんは初めてだもんね。説明するよ」

理緒「近くの神社で、毎年夏祭りをやるんだ。それでカラオケ大会ってのがあって、白百合荘からも毎年何人か出てるの」

理緒「去年は管理人さんが優勝。綺麗な歌声だったよ」


早苗「そうそう。それで、今年はみんなに協力して歌に踊りをつけようと思って~」


渚「む、無理無理! 無理です! 人の前で踊るなんて……!」


早苗「後ろの方で小さく踊るだけよ~。人も大して集まらないし、渚ちゃんも踊りましょ~?」


渚「ひ、人がいないならいいですけど……」


理緒「私も踊るから大丈夫だよ。管理人さん、レッスンお願いしますね」


早苗「任せて~。可愛くて踊りやすい振り付けを考えるから~」


理緒「管理人さんはぽわっとしてるけど、仕事は完璧だから。安心していいよ」コソコソ


渚「そうなんですか?」コソコソ


早苗「さー、頑張るわよ~!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ある日の夜ーー


渚(まずいまずい……夏休みになる前にいろいろ手掛けようと思って作業してたらこんな時間に……)


ガチャッ


渚(ええと、もう夜遅いしシャワー浴びて寝ようかな……)クツヌギヌギ


ガチャッ


渚「っ!?」

渚(誰!? へ、変質者!? なんで部屋に入ってーー)


理緒「…………」

理緒「……あれ」

理緒「……なんで澄野さんが……わたしのへやに……」


渚「え、東谷……さん?」


理緒「……ああ、そっか……なにかたのみに……きたの……?」


渚「いえ、あの……」


理緒「……でも、ごめん……今日はねむいから……あした……」フラッ


渚「あ、あぶないっ」ギュウッ


理緒「んぅ……すう……」


渚(お、お酒の匂いが……酔っ払って部屋間違っちゃったのかな……)

渚(鍵を勝手に開けて部屋に入るわけにも行かないし……私のお布団で寝かせてあげよう)

ぽふん


理緒「んー……くぅ……」


渚「……」ナデナテ

渚(こうしてると東谷さんの方が年下に思えてくるな……)

渚(……あ)

渚(今なら、キス、できそう……)


理緒「ん……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真央『あとはそうだなあ……いい雰囲気に持ち込んでマジでキスしちゃうとか』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚(ダメだ)ブンブン

渚(東谷さんとは、罰ゲームとかこっそり勝手にとか……そういうのでしたくない)

渚「おやすみなさい……」ボソッ

渚(私も寝よう……クッション並べてタオルケットかけるだけの簡易ベッドだけどね)


ごろん


渚「ふぁ……」

渚(おやすみ……なさい……)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「ぅ……」ガンガン

理緒(頭痛い……)


渚「あ、東谷さんおはようございます」


理緒「んぇ……? あ、あれ?」キョロキョロ


渚「昨日、東谷さんが部屋を間違えて入ってきたんですよ。東谷さん寝ちゃったので、そのまま寝てもらいました」ジャー

渚「はい、お水です」


理緒「ありがと……んっ」コクコク

理緒「……ふぅ、少し落ち着いたよ。ありがとね」

理緒「それじゃあ私は部屋に戻るから……」


ぐらっ


渚「っ!」ギュッ


理緒「す、すごい反射神経だね……」


渚「今のは体が勝手に……っていうか、そんな状態の東谷さんを帰らせられませんよ」


理緒「でも……」


渚「また「頼りたくない」とか言わないでくださいね。部屋で倒れられたら私が嫌なんですから」


理緒(最初に会ったころに比べて澄野さんがどんどん強情に……)


渚「二日酔いの対処法を知らないので……おかゆとか作ってみたんですけど、食べれますか?」


理緒「……ん、いただくよ」


渚「よかった。卵がゆにしてみたんです。あっついので気をつけてください」コトッ


理緒「ふー、ふー……あぐっ」


渚「ど、どうですか?」


理緒「……ん、美味しい。これなら全部食べられそう」モグモグ


渚(よかった……)


理緒「食べたら、また少し寝かせてもらってもいいかな……そしたら今度こそ部屋に戻っても大丈夫なくらいに回復すると思うから」


渚「分かりました。ゆっくり休んでくださいね」

渚「……あ、そうだ。少し外に出てきます」


バタン

理緒(東谷さん、いい子だな……)

理緒(凪沙とはまた違う……って失礼だな。また東谷さんに凪沙を重ねようとしてた)

理緒(……よし、決めた)

理緒「……ごちそうさま」


ガチャッ


渚「管理人さんにお薬もらってきました! これ飲んで寝てください」


理緒「……ありがと」ニコッ


渚「……」


理緒「んくっ」ゴクン

理緒「……。……あのさ、さっき考えてたんだ」


渚「は、はい」


理緒「……夏祭り、なんだけど……」

理緒「一緒に行こう……?」


渚「!」

渚(東谷さんから、頼み事……!)

渚「はい! ぜひ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「夏祭り? 行くけど……」


真央「一緒に回ろうよ! 真央一人だったらすぐ大人の人に迷子センターに連れてかれるんだもん!」


茅「わかった、いいよ。あたしが真央ちゃんの保護者になったげる」


真央「む、それもなんかやだな……」


茅「保護者じゃなくて友達?」


真央「それだ! 友達と回ってることにすればいいんだよ!」


茅「じゃあそれで行こっか」


真央「うん!」


七月も終わりに近づき、学生は次々と夏休みに突入していきます。

  女の子を好きになるのはおかしくないんだって。ちょっと自信が持てた七月。

顔が熱いのは、気温が上がったから? 東谷さんと夏祭りに行けるから?

  隣に同性愛の良き理解者。そんな心強い味方と一緒に夏祭りに行くことに。

少し高鳴る心臓。

  自然とほころぶ顔。

『七月の恋相談』

短いですが七月編はここまでです。
八月は一大イベントの夏祭りとなります。

そろそろどこかの組み合わせをくっつけて、エロにも入れたらと思います。
渚と理緒が今のところ一番仲良しなので八月中にくっつくかも。

どこかの組み合わせがくっついたら、その二人は出番を抑えめにして別の住人も出していきます。

では、八月編を少し書き溜めてきます。

夏祭り会場ーー


ガヤガヤ ガヤガヤ


早苗「盛り上がってるわね~」


渚「な、な、な……!」

渚「なんですかこの人の数! こんな中で踊るんですか!?」


早苗「そうよ~」


渚「うう……無理だ……無理ですもう……」


早苗「そ、そんなこと言わないで、ね? 一通り回って来たらきっと楽しくなって踊れると思うから~」アセアセ


カランカラン


理緒「管理人さん、どうしました?」


早苗「あ、理緒ちゃん……渚ちゃんが恥ずかしがっちゃって……」


理緒「澄野さん」トントン


渚「はい……」クルッ


理緒「とりあえず、出店見て回ろうよ。ステージ前に人いるか確認してさ、それで後になってダメそうだったらやめてもいいから」


渚「……」


理緒「……澄野さん?」


渚「え、あ……はい、そうですねっ」

渚(いつものポニテじゃなくて、後ろで髪をまとめてるからうなじが……! しかも浴衣すごい似合ってるし……)


理緒「じゃ、行こうか」ニコッ

真央「さー行こう!」


茅「おおー!」


真央「しかし夏祭り、いいなあ……」

真央「浴衣姿の可愛い子がたくさん……ほんと目の保養になるよ……」


茅「あはは、真央ちゃんはどこにいても真央ちゃんだね」


真央「もち! 真央から可愛いものを取ったら何も残んないよ!」


茅「……お! あれって……」


真央「りんご飴! 食べたい!」


茅「あたしも! おじちゃん、2つちょうだい!」


おじさん「あいよー!」


茅「ありがとー!」


真央「んまんま」ペロペロ


茅「さーどんどん楽しもう!」

亜利砂「……」キョロキョロ


理緒「あ、先生」


亜利砂「あら、理緒さん。来てたのね」


早苗「あら、お知り合い?」


亜利砂「……!」


理緒「はい。私の中学のときの担任で……」


亜利砂「神ヶ原亜利砂といいます」


早苗(かがはらありさ……?)

早苗「ご丁寧にどうも~。私は天使早苗です。理緒ちゃんの住んでるアパートの管理人です~」


理緒「先生は何を?」


亜利砂「え、ああ……うちの生徒が遊んでないか見回りよ」

亜利砂「中学生は19時までに帰らないとダメだからね。見つけたら帰らせるのよ」


理緒「先生って大変ですね……」


ステージが始まるまでのみんなの行動
誰がどうするといった安価でお願いします
安価↓から↓4程度

ちなみにお祭り関係のタイムテーブル
18:30 現在
19:00 中学生の門限
20:00 ステージ開始
20:50 ステージ終了、結果発表
21:00 花火大会開始
21:30 花火大会終了
22:00 夏祭り終了

花火大会を背景にすごくいい雰囲気の中、渚が理緒に告白する

おっと本当だ、見てなかったすいません

亜利砂がたまたま一人でいる真央を○学生と勘違いしてはよ帰れと指導、ガチ論争に
に変更で、無理なら安価下で

>>234
めっちゃいい安価なんですけど指定時間の範囲外なので>>237を採用します

茅「やばいやばいやばいっ」

茅「目離したらすぐ真央ちゃん消えちゃったよ、どこ行ったー?」

茅「早くしないと勘違いした大人の人に補導されちゃう……」


「真央は19だっつってんでしょー!!」


茅「そうそうこんな風に……」

茅(……本屋のときのデジャヴが)


「なんなのあんた! いきなりしゃしゃり出てきて帰れって!」


「私は教師です! 学生を見過ごすわけにはいきません!」


茅「ちょ……ちょっと通してくださーい」グイグイ

茅「真央ちゃーん」ヒョコッ


真央「茅ちゃん! こいつ真央のこと中学生だと思ってるんだけど!」


亜利砂「どう見ても子供でしょう! 早く帰らないと親が心配しますよ!」


真央「19だし! 子供じゃないもん!」


茅「……身分証は?」


真央「……こんなことになると思ってなかったから持ってきてない」


茅「……しゃーない。また取りに帰るか……」


早苗「あら~真央ちゃん、どうしたの~?」


真央「てんしさん!」


亜利砂「……早苗さんのお知り合いですか?」


早苗「ええ、この子もうちの住人よ~。子供じゃないわ~」


亜利砂「……ならいいですけど」


真央「はあ!? なにそれ! ちゃんと謝んなさいよ!」


茅「ち、ちょっと真央ちゃん落ち着いて……!」

亜利砂「……ごめんなさい。私の早とちりでした」ペコリ


真央「ふんっ」


茅「あー……」

茅(完全に不機嫌モードだ……)

茅「あ、真央ちゃん。巫女さん探しに行こうよ! ここ神社だし、可愛い巫女さんいるかもよ! ね?」


真央「……うん、行く」


茅「もうはぐれないように手繋ごっか」


真央「……うん」ギュッ


早苗「亜利砂さん、あまり決めてかかるのはよくないわよ~」


亜利砂「……うん、反省してる」


早苗「そうね~。私と見回りしますか~? 私この辺りの人に顔利くし、さっきみたいな間違いは減ると思うけど~」


亜利砂「お、お願いしてもいいですか。正直私一人だと不安で……」


早苗「決まりですね~。ステージがあるからそれまでだけど、一生懸命手伝います~」


亜利砂「はい、お願いします」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚(うう、人が多い……)

渚(まずい……人波で酔ってきちゃった……)クラッ


理緒「澄野さん、大丈夫?」


渚「だ、大丈夫で……」フラッ


理緒「おっと」ガシッ


渚「あ、あはは……ちょっとよろけちゃいました……」


理緒「んー……」

理緒「澄野さん、手繋ごうか。これなら倒れなくて済むし、はぐれたりもしないでいいからさ」


渚「うう、すみません……」ギュッ


理緒「行こっか。何か飲み物置いてる出店があればな」


渚(左手が熱い……あとほっぺたも赤くなってる気がする……)ドキドキ

渚(鼓動が早くなってるのが酔いのせいなのか手を繋いでるせいなのか分かんないよ……)


理緒(小さい手……力は弱いけど、離さないように指を絡めてきてる)

理緒(なんか……変な気分だ)ドキドキ

理緒「あっ。ドリンクありますだって。何飲む?」


渚「えと、スポーツドリンクとかあれば……」


理緒「じゃあこれ、お願いします」


店員「はいよ」


理緒「はい。これ飲んで一旦落ち着こう」


渚「はい……」

中学生's「!」


早苗「ぁ……」

早苗「ね、亜利砂さん。型抜きってやったことあるかしら~」


亜利砂「ええまあ……昔は上手かったですね」


早苗「そう? じゃああそこでやってみましょうよ~」


亜利砂「型抜き屋さんなんてあったんですね。……いいですよ、やりましょう」


早苗「……」ニコッ


中学生's「!」ペコペコ

おい早く帰るぞ 見つかる前にどっかから抜けろ
 そっちから出れば駅近いはず 走れ走れっ


亜利砂「あら……割れちゃった」


早苗「次は私もしますね~」

早苗「……」


ぱきっ


早苗「あら~……難しいですね~」


亜利砂「ですねえ……ってこんな場合じゃない! 見回りしないと!」


早苗「あんまり根を詰めすぎてもダメですよ~。適度に屋台も楽しみましょうね~」


亜利砂「そ、それもそうですね。屋台も少しくらいなら……」


早苗「そういうわけで次はヨーヨーすくいですよ~」


亜利砂「あ、待ってください! 早いですよー!」

ステージ前ーー


渚「……」


理緒「結構な数の椅子だね……」


渚「もう今から緊張で胃が……」キリキリ


理緒「よ、よしよーし」ナデナデ


渚「うう……無理ですよこんなところで……」


理緒「大丈夫だって。たくさん練習したじゃんか」


渚「そうですけど……」


理緒「んー……あ、そうだ」


渚「?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


神社前ーー


真央「いない……」


茅(まあお祭りだしね……巫女さんは必要ないし)


真央「ちぇっ。つまんないのー」


茅「つ、つまんないかー」


真央「せっかく可愛い巫女さんが見れるかと思ったのにな」プクー


茅「じゃあさ、冒険でもしてみる? きっと楽しいよ」


真央「冒険?」

茅「神社の裏まで回ってみるの! なんか面白いものありそうじゃん!?」キラキラ


真央「おお! 面白そう!」


茅「レッツゴー!」


真央「おー!」


ガサガサ ガサガサ


真央「しかし神社でやるお祭りなのに、神社に参拝にくるような人はほとんどいないんだね」


茅「確かに……。あたしも今まで露店で食べ物買うしか知らなかったしなあ。神社の夏祭りなのに変なの」


ガサガサ ガサガサ


茅「ここが裏かな?」


真央「なんもないねー」


茅「そだね。でもさ……多分あっちだと思うんだけど」


真央「?」


茅「今日の花火大会。あっちの方で花火上げるんじゃなかったかな」


真央「おお! てことはここに来たら誰にも邪魔されずに花火が見れるかも!?」


茅「かもよ! すげー! テンション上がってきたー!」


真央「あとで見にこようね!」


茅「うん!」


ぴぴぴっ


茅「っと。セットしたアラームが鳴ったってことは……19:30か。そろそろステージに向かおうかな」


真央「おお、そうだった。今回は真央も歌うんだよ!」


茅「今回のカラオケ参戦はあたしと真央ちゃんと早苗ちゃんか」


真央「だね。負けないよ!」

ステージーー


司会「あーあー、マイクテストマイクテスト」

司会「ごほんっ」

司会「これより! ステージ発表のお時間です! はくしゅー!」


ワアアアアアアアッ!


司会「近くの大学や個人的な出場者を募り、今回は15組の参加者が集まりました!」

司会「採点はこちら、様々な年代の方を全部で10名集め、各発表ごとに採点していただきます。その平均点が得点となり、もっとも点の高かった参加者には商品が送られます!」

司会「代表の方に挨拶をしていただきましょう」


透「どうも……。遠州透です……。参加者の方たち、頑張ってくださいね……」


司会「物静かなクールビューティ遠州透さんでした! はくしゅ!」

司会「ではでは早速ステージに移りましょう! エントリーナンバー1! レイラ・リトルビーチ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真央「緊張してきた……」


茅「ドーンといけばいいんだよ! バックダンサーに渚さんも理緒さんもいるんだから!」


真央「そ、そか。二人は3ステージ全部でダンスするんだったね」


渚「はーっ、はーっ」


理緒「はい、澄野さん」


渚「は、ははははい。こ、これでなんとか……」


茅「お面?」


渚「か、顔を見られたら恥ずかしくなっちゃうので、お面をつけようと……」


茅「なるほどなるほど」


司会『では続いてエントリーナンバー6! 桃山真央さん!』


真央「い、行ってくるね!」


茅「おう! ダンサーの二人も頑張れ!」


安価↓真央が歌った歌(できれば可愛い歌で)
該当レスのコンマ2ケタが得点

真央「あいうぉんちゅー! あいにーぢゅー! あいらーびゅー! はあーとーの、おーく!」


渚(お、お面……苦しい……)フリフリ


\可愛いよー/ \頑張れー!/


真央「じゃーんじゃんあーふーれーるいとしーさーはー! へびーいーろーてーしょーん!」

真央「へびーいーろおていしょおおおんっ!」


ワアアアアアアアッ!


司会「可愛い歌声でしたねー。得点は……」


24点


透「可愛い……けど、歌はあまり……」


司会「厳しい! それでも可愛い歌をありがとうございました! はくしゅー!」


パチパチパチパチ……


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真央「うう……完全にアガっちゃったよう……」


茅「まあまあ、あたしがカタキをとるよ!」


司会『じゃんじゃん行きましょう! エントリーナンバー9! 大岸茅さん!』


茅「うし! 行くぞー!」


安価↓茅が歌った歌
該当レスのコンマ2ケタが得点

茅「『ずーうっとまーえーかーらきみーが好きーでした』! おおう、せいいっぱいのおもいをぜんぶ、いますぐつたえたーいのー!」


理緒(すごい……歌上手い……)フリフリ


茅「おおう、はやくいかなきゃ! ちゃんといわなくちゃ! 誰かにうばわれちゃうまーえにー! ゆうきをだしてっ」


\ごーごー! ごーふぉーいっと!/


茅「明日こそきみをーさそえーるかなー」


\える! おー! ぶいいーわいおーゆー!/


茅「うぉうううぉーいぇえー!」


ワアアアアアアアッ


司会「ものすごい盛り上がりでしたが点数は……!?」


3点


透「……ほんとに恋してる……? 歌は上手いけど……心に……響かない……」


司会「辛口! でも観客はとても盛り上がってました! ありがとうございました! はくしゅー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「だー! ちくしょー!」

茅「恋をしたらほんとに歌上手くなんのかよー……」


真央「さあ……」


渚「く、苦しい……」ゼハー


理緒「もう一曲。頑張ろう」


司会『大トリを飾るのは去年の優勝者! エントリーナンバー15! 天使早苗さん!』


早苗「はっ……はっ……! せ、セーフ……?」


理緒「ぎりぎりですけど……。何かありました?」


早苗「あのね……亜利砂さんとお店回ってたら楽しくなっちゃって……はあ……」

早苗「……ふう、よしっ」


茅「早苗ちゃん! あたしの分も頑張って!」


安価↓早苗が歌った歌
該当レスのコンマ2ケタが得点

早苗「そうーよっ やさしくとーもだーちーむかえる ようにーわらーうわー」


渚(す、すごい……ふわふわした歌声だ)フリフリ


早苗「きいっとーやくそくーよー♡」


\きょうこさん! 好きじゃー!/


早苗「不意に悲しみはやあーってくーるけーど 仲良くなーってみせーるわー」


亜利砂「!」テフリフリ

亜利砂(頑張れ天使さん!)


早苗「だあってーやくそくーよー♡」ニコッ


ワアアアアアアッッ


司会「アパートの管理人らしい選曲でした! 点数は!?」


25点


透「……一部の人は世代ドンピシャみたいだけど……よく分からなかった……」


司会「ジェネレーションギャップ! そこまで古い歌でもないはずだが厳しい!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


司会「さて、すべての発表が終わりいよいよ優勝者の発表です!」

司会「優勝は!」


安価↓コンマ2ケタ
100-25=75以上で天使早苗が優勝
74以下でレイラ・リトルビーチが優勝

(レイラの点数100-14=86点)


司会「エントリーナンバー1番! レイラ・リトルビーチさんです!」


レイラ「やったーっ!」


司会「86点というぶっちぎりの高得点での優勝、おめでとうございます! 優勝商品の商店街で使える割引券1万円分です!」


レイラ「いえーい!」


透「……おめでとう」


レイラ「ありがとー! 嬉しいからちゅーしちゃう! ちゅっ!」


透「……!」プシュー


司会「ステージは終わりますが、この後は花火大会があります! みなさん最後まで楽しんでください! 出場者のみなさん、ありがとうございましたー!」


ワアアアアアアアッ
パチパチパチパチ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「けっこう上手く歌えたと思ったのに~。厳しいわ~」


茅「あたしもそう思う! 今年の審査員厳しすぎだよ!」


渚「み、みなさんお疲れ様です……これ、飲み物買ってきたのでどうぞ」


真央「ありがとー」ゴクゴク


早苗「このあとはまたみんな別行動ね~」

早苗「茅ちゃんはまだ高校生だから、あまり遅くならないうちに帰ること。いいわね~?」


茅「うん、分かってる」


早苗「それじゃ、かいさ~んっ」


安価↓から↓4程度
花火大会開始~夏祭り終了までのみんなの行動
誰がどうするといった安価でお願いします

理緒、渚と出店を回っていたらレイラに「ダンスよかったよー!」話しかけられる。

お祭り関係のタイムテーブル張り直し
20:50 ステージ終了、結果発表←現在
21:00 花火大会開始
21:30 花火大会終了
22:00 夏祭り終了

花火をゆっくり眺めるんでもいいですし、出店巡り再開でもいいです
ただし、安価同士で矛盾が起きる行動の場合は高コンマのものを優先的に採用します

今のところは>>259を採用とします

茅サイドーー


茅「……」ズカズカ


透「……?」


茅「ちょっとあんた」ズイッ

茅「あの採点はなに? ふざけてんの?」


透「……ああ、さっき歌ってた……」


茅「3点ってなによ! あんな低い点数生まれて初めてとったわ!」


透「……さっきも言った。あなたの歌には気持ちが篭ってない……」

透「……あなたは、恋したこと……あるの?」


茅「ぐ……っ」


透「……恋したいと思いつつ……できもしない恋愛に憧れてる……」

透「……それじゃあ歌は上手くても……心に響かない……」


茅「こ、恋したからって歌が上手くなんのかよっ!」


透「……好きな人のことを思いながら歌う歌は……聞く人をドキドキさせる……」

透「……あなたの歌は盛り上がってたけど……それだけ。……観客ももうあなたの歌を忘れてると思う……」


茅「な……あ……!」


透「……ラブソングを歌うなら、恋してみるといい……。歌詞に込められた意味を……自分で理解することが大事……」


真央「茅ちゃーん……あ、いた」


茅「ま、真央ちゃん……」


透「……じゃ」クルッ


真央「茅ちゃん……」


茅「あはは……ボロクソ言われちゃったよ……」


真央「……行こう、茅ちゃん」


茅「行くって……どこに」


真央「出店。引きずっててもしょうがないし……楽しもう?」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「……」トボトボ


ドンッ


茅「あ……すみません」


通行人「気をつけてなー」テクテク


真央「……ふむ」

真央「……あー、茅さんや。ひとまずわたあめでも食べようか」


店員「わたあめかい? 1つ400円だよ」


真央「ほい。ありがとー」

真央「はい、茅ちゃん」ズイッ


茅「……いい。気分じゃない」


真央「そうか」モグモグ

真央「……あんま気にしない方がいいよ。真央は茅ちゃんの歌好きだし」


茅「でも……」


真央「でもじゃなくて! 点数低いだかなんだか知らないけどね、真央が! 茅ちゃんの歌を! 好きなの!」

真央「歌上手いし、歌ってるとき楽しそうだし……」

真央「歌ってる茅ちゃんのこと、真央は可愛いなって思ってるんだよ?」


茅「……そか」

茅「……うん、なんか元気出てきた!」


真央「おお! じゃあなんか食べに行こう! 茅ちゃんチョコ好きだったよね? チョコバナナとかどうかな」テクテク


茅「うん! チョコバナナ……って」


ガヤガヤ ガヤガヤ


茅「真央ちゃーん?」キョロキョロ

茅(またはぐれちゃった……)

茅(あ……まずい)ジワッ

茅(一人になったら、また悲しくなってきた……)

茅「真央ちゃーん……」ウロウロ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗サイドーー


亜利砂「お疲れ様でした、早苗さん」


早苗「亜利砂さん……負けちゃいました」アハハ


亜利砂「レイラさんがすごかっただけですよ。……多分」


早苗「ふふっ、私達結局ステージ何にも見れませんでしたね~。私の発表もギリギリ滑り込みでしたし~」


亜利砂「ええ。出店であんなに楽しめたの久しぶりです。おかげで時間が経つのが早くて」


早苗「それじゃあ……また二人で行きます?」


亜利砂「ええ、行きましょう」ニコッ


早苗「では、ご~♪」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚サイドーー


理緒「お疲れ様」ピトッ


渚「ひゃう!?」ビクッ

渚「あ、かき氷ですか……びっくりした」


理緒「頑張ったから、ご褒美」


渚「東谷さんこそ、お疲れ様です」


理緒「すごい、可愛く踊れてた。練習の成果が出てたよ」ナデナデ


渚「っ」ドキッ


タタタタッ


レイラ「見つけたー!」


渚「!?」ビクッ


レイラ「さっきステージで踊ってた人だよね! よかったよー!」


理緒「ん、ああ……どうも」


レイラ「可愛いダンスだったね! どこで覚えたの?」


理緒「管理人さん……あ、住んでるアパートの管理人さんが教えてくれた」


レイラ「へえ! すごいね、ちゃんと踊れてたよ! こうだっけ」フリッフリッ


理緒「おお」


レイラ「そいえば、もう一人のお面の子ってどこ?」フリフリ


渚「あ、わ、私です……」


レイラ「きみかー! きみもすごかったよー!」

レイラ「素敵なダンスをありがとうね! 楽しかったよ!」


渚「ど、どうも……」ペコリ


理緒「こっちこそ。レイラさんのステージ楽しかったよ」


レイラ「おお、名前を知ってもらえてるとは!」


理緒「優勝してたしね。名前は覚えてたよ」

レイラ「私はダンサーの二人の名前知らないなあ。歌ってる人しか名前紹介されてなかったし」


理緒「そうだね……私は東谷理緒。こっちは澄野渚さん。覚えた?」


レイラ「リオとナギサね! 覚えた!」

レイラ「今度はガッコウサイでダンスするから見に来てね! それか一緒に踊る?」


渚「む、無理です! 無理! 今日でさえ緊張しっぱなしだったのに学校祭なんて……」


レイラ「そかー、残念。でも機会があれば一緒に踊ろうね!」

レイラ「あ、ステージ楽しかったからちゅーしてあげる! ちゅっ」チュッ


理緒「んっ?」

理緒(ほっぺたか)


レイラ「じゃね!」


タタタタッ


渚「あ、東谷さん……! き、キス……!」


理緒「気にすることないよ。外国の人だし挨拶みたいなものだと思うから」


渚「そう、ですよね。挨拶ですよね」

渚(やば、い……胸が痛すぎる……)ズキズキズキ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅サイドーー


茅「真央ちゃーん……っ」

茅「真央ちゃん……どこ……?」


ガヤガヤ ガヤガヤ


茅「……真央ちゃーん!!」


がしっ


真央「……やっと見つけた」ギュッ


茅「真央……ちゃん……」


真央「……また悲しくなったの? よしよし」ナデナデ


茅「ううん……真央ちゃんが来たから悲しくないよ……」ギュウッ


真央「今度ははぐれないように手繋ごっか。ね?」


茅「……ぅん」コクッ


真央「よーし、じゃあチョコバナナ買って神社の裏に行こー!」オー!


茅「……っ」ドクン

茅(ああ……)

茅(あたし……真央ちゃんのこと……)ドクン ドクン

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗サイドーー


亜利砂「ここ、いいですねえ……」


早苗「ええ。会場を外れて少し坂道を上がっただけだけど、ここはあんまり人が来ないのよ~」


亜利砂「……そろそろ、花火が上がりますね」


早苗「そうね~」


亜利砂「それじゃあ……」スッ


早苗「ええ」スッ


パンッ ヒューーーーーー……


亜利砂「カラオケ大会お疲れ様でした」


早苗「見回りお疲れ様でした」


ドーーーンッ


亜利砂「乾杯」


早苗「ええ、乾杯」ニコッ


コツン


ヒューーーーーー……ドーーーンッ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚サイドーー


ドーン! パラパラパラ……


理緒「花火大会始まったみたいだね」


渚「は、はい」

渚(消えろ消えろ消えろっ! なんでこんなときまで胸が痛くなるの!?)ズキンズキン


理緒「……」

理緒「澄野さん、ちょっと抜けよう」グイッ


渚「え……」テッテッテッ…


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「どうしたの? さっきから辛そうにしてるけど」


渚「わかんない……です」

渚「さっき東谷さんがレイラさんにキスされてからずっと胸が痛くて……」


理緒「……」


渚「こ、こんなこと言われても困りますよねっ。戻って出店を回りましょう!」


理緒「澄野さん……」

理緒「……キス、しよう」


渚「……へ」


理緒「……もうハッキリさせよう。このままじゃ……ダメだ」

理緒(お花見から3ヶ月以上も澄野さんにモヤモヤさせっぱなし……)


渚「それはどういう……」


理緒「私はこれから澄野さんを「渚」って呼ぶから」

理緒(私も前に進まなきゃ。……もうこれ以上はゆっくりなんてできないよ)


渚「!」


理緒「私は今、渚と、キスしたい。凪沙じゃなくて、渚と。……意味、分かるよね」


渚「分かり……ます」

渚(なぎさって……音は同じなのに、私のことを呼んでるって分かる)


理緒(このキスで凪沙のことを思い出すようなら……私に渚を好きになる資格は無い)


渚(このキスで……今までの胸の痛みの原因が分かる気がする)

理緒「……なぎさ」ドキドキ


渚「……っ」ドキドキ


……ちゅっ

理緒「……は」プハ


渚「……っ」


ドクン ドクン


理緒「渚……私……」


渚「分か……った……」


理緒「渚のこと……!」

渚「私、理緒さんが……!」


理緒「好きだ……!!」
渚「好き……!!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅サイドーー


ドーーーンッ! パラパラパラ……


真央「たーまやー!」


茅「かーぎやー!」


真央「おお、茅ちゃん元気出てきたね! たーまやーー!!」


茅「真央ちゃん! ありがとーー!!」


真央「ぷはっ、なにそれ!? なんで急に真央にありがとうって言うの?」


茅「なんでもいいから叫びたい気分なのー!」

茅「遠州透の! ばかやろーーー!!!」

茅(なんだよなんだよ!)


真央「言ってやれ言ってやれ! 透のばかやろーーーーっ!!」


ドーーーンッ ドドーーーーンッ


茅(真央ちゃん可愛いくせにかっこいいじゃんか! 真央ちゃん……!)

茅「好きだーーーーーーーーっ!!!」


真央「おお!? またも突然だね!?」


茅「へへ、ツナマヨおにぎりが食べたすぎて愛を叫んじゃったよ」


真央「じゃあ真央も!」

真央「ハンバーグが好きだーーーーーっ!!」


ヒューーーーーー…… ドーーーン!

茅「……くっ」


真央「ふふっ」


茅「あははははは! 叫ぶとスッキリするね!」


真央「するする! もっと叫ぼう!」


茅「チョコレートが好きだーーーーーっ!!」


真央「オムライスが好きだーーーーーーーっっ!」


ドーーーン ドンッドーーーン


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真央「はーー……」

真央「結構スッキリしたねー……そろそろ帰ろうか?」


茅「うん! あたしもスッキリした!」


真央「よーし、じゃあ一緒に帰ろう!」ギュッ


茅(て、手!?)ドキッ

茅(もうお祭りじゃないんだから手繋がなくてもいいのに……)ドキドキ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚サイドーー


ぎゅうっ


渚「私、ずっとこうしたかったんだと思います」

渚「理緒さんに、触れてほしかった」


理緒「私も……渚に触りたかった」

理緒「今までずっと昔の凪咲を重ねて見てたから、心が拒絶してたのかもしれない。……でも」

理緒「今……すごく幸せ」


渚「私もです……。胸が暖かくて……気持ちいいです」

渚(今なら分かる。会ってすぐいろいろしてくれた理緒さん……私、あのときにはもう惚れてたんだ)

渚(お花見の日にキスされて、無意識で自覚して……だから理緒さんがそっけなかったり他の人に取られそうだって思うと胸が痛んだんだ)


理緒「渚、帰ろう」ニコッ

理緒(一生懸命私のことを理解しようとしてくれて。渚はそんないい子なのに、私が逃げてただけだ)

理緒(渚のことをしっかりと見つめられることが……すごく嬉しい)


渚「……はいっ」ニコッ


ぎゅっ


てくてくてく……


♡安価↓から渚と理緒の初体験の内容を募集(セックス時のしてほしいプレイ募集)
コンマの高低は関係なく、安価の中から書けそうなものを採用します
エロシーンは地の文ありでいきます

前スレなら翌日までにはエロシーン書いて上げられたのに、今回全然筆が進みません…
もう少しで書き上げるのでお待ちください

私たちは浴衣の裾から指だけを出すようにして、ほんの少しだけ絡めるようにしながら手を繋いで帰りました。
堂々と手を繋いでいては、変な目で見られるかもしれないからです。
それめも、そのほんの少しだけ触れた指先から、理緒さんの熱が伝わってきます。
ときどき強く握ってみたり、指の腹で相手の手を撫でてみたり。
言葉数は少なくあれど、私たちは幸せでした。

そして幸いにも、人とほとんどすれ違うことなく白百合荘に辿り着くことができました。
名残り惜しいですが、そっと手を離します。

「それじゃあ……また明日」

理緒さんに別れの言葉を告げて、自宅の鍵穴に鍵を差し込みます。

「……やだ」

ぐい、と。
後ろへ強引に引っ張られました。
驚きに硬直した体ではなすすべもありません。
しかし、倒れるかと思いきや後頭部に柔らかな感触。
理緒さんの腕が肩から回り込み、私の胸の前で手を組みます。

背中全体がじわりと暖かくなり、理緒さんの匂いに包み込まれ、そこで私はやっと後ろから抱きしめられたことに気づきました。

「理緒……さん?」

「……今まで触れなかった分、もっと渚に触ってたい」

回された腕に力が込められ、そうすると一層理緒さんの甘い匂いが強くなります。

「じ、じゃあ……うち、来ますか?」

うなじに理緒さんの頭が擦れる感触。どうやら頷いたみたいです。
刺さりっぱなしの鍵を捻り、ドアを開けます。
下駄を玄関に脱ぎ捨て、まっすぐに部屋へと向かいました。

互いに正座で向かい合い、部屋の中央で見つめあいます。
右手に理緒さんの左手が乗っかり、やさしく手の甲を撫でてきました。

「ずっと、こうしたかった。……渚に、触れたかった」

なぎさ。
かつて理緒さんは私と同じ音の名を持つ女の子に恋をしていたと言いました。
でも、今理緒さんの口から発せられた「なぎさ」という音は間違いなく「渚」であり、つまりは私のことを呼んでいるということです。
お花見のときとは違い、耳に入る「なぎさ」という音が脳を揺さぶります。

「渚……もっと、触りたい」

理緒さんが腰を浮かせたかと思うと、今度は膝立ちで正面から抱きすくめてきました。
そのまま後頭部を抱えるようにすると、優しく撫でてきます。

「渚……なぎさ……っ」

「……っ」

突然首にキスを落とされ、ゾワリと鳥肌が立ってしまいます。

「び、びっくりしました……」

未だに首に顔を埋め続ける理緒さんの頭を撫でます。
すると、うっすらと汗ばんだうなじが目に入り、ちょっとした好奇心が沸き起こりました。

「……ちゅ」

私も首にキスを仕返してあげます。

「!」

びっくりして顔を上げる理緒さん。
目が合います。

「んっ……」

引き寄せられるように触れ合う唇。
それだけで、全身に熱が回るようです。

理緒さんは角度を変えて何度もキスしてきます。

「なぎさ、ちゅ……んっ、なぎさ、すき……っ」

これは、まずい流れな気がします。
このままでは襲われるような。そんな雰囲気。
嫌ではありませんが告白して当日に、なんて節操がなさすぎる気も。

「理緒さ……とまって、くださ……い」

「……なん、で……もっと渚に触りたいよ……」

肩を押すと案外簡単に止まってくれましたが、その顔は切なそうです。

「き、今日はもう寝ましょう? ね、お願いです」

しぶしぶ、といった感じで頷きます。
ほっと胸を撫で下ろし、ささっと布団を敷いてしまいます。
もちろんこの部屋には布団は一組しかありませんが、理緒さんとなら同衾しても構いません。

「ほら、お布団敷きましたから。お風呂入って寝ましょう」

理緒さんが自身の帯を緩め、浴衣を着崩します。

「……」

その姿が妙に艶っぽくて。私は知らず、理緒さんへと手を伸ばしていました。
じっとりとした肌に張り付いている下着。
そこに手が向かいかけます。

「渚……?」

声をかけられ、寸前で手が止まります。
止めておいて自分から触ろうとするなんて。自分の顔が熱くなるのが分かりました。

「あっ! ご、ごめんなさい、お風呂入りましょう! ね!」

ふっと笑う理緒さん。
その理緒さんの手が私の右手を掴んできます。

「いいよ、触っても」

手はいつの間にか理緒さんの胸に添えられていました。
小さいけれど、確かな柔らかさを下着の上からも感じます。

「り、理緒さ……っ」

手が止まりません。
手のひら全部で包み込むようにして胸を揉んでしまいます。
手の中でふにふにと形を変える乳房。

「……っ、あ……」

不意に、理緒さんの口から息が漏れます。
色っぽい声。ほんの少しの吐息でしたが、私の脳を揺さぶります。

「なぎ、さ……んっ……」

ゾクゾクと背中を駆け抜けるものがありました。
それが、私も理緒さんに触りたがっている欲望の現れだと気づくのに、大した時間は入りませんでした。

今度はもう止まりませんでした。
敷いてある布団に二人でなだれ込むと、浴衣を脱ぎもせずに体を触り合います。
私も浴衣を前だけはだけさせ、外気に肌を晒しました。

「渚、きれいだよ」

理緒さんの手が柔らかくお腹を撫で上げて、私は口を抑えて声を殺します。
肌に触れられている。それだけのことなのに鼓動が加速します。
触れられたところが熱を持って、わけが分からなくなります。

「ぁっ……んぅ……!」

3ヶ月以上も我慢すると、どうやら「触る」という行為だけで興奮することができるようです。
なんて冷静に考えてみますが、実際は余裕なんてありません。
頑張って触り返しますが、気持ちよくできてるのか不安です。
手だけでは足りない……。私はそう考え、首を伸ばしました。

「ちゅうぅ……」

「ひ、ぅ……! な、ぎさ、それ……! んぅっ!」

理緒さんの鎖骨のあたりにキスをします。
二度、三度。
すると、理緒さんからもまた甘い声が出始めました。
舐めたり、吸ったり。
どうやら理緒さんは吸われる方が好きなようです。
ちゅうっと吸うと、目を閉じる程に感じてくれるようでした。

「なぎさ、なぎさ……っ」

理緒さんからもキスが返ってきます。
首、胸元、へそ。
キスをしたりされたりすると、浴衣が邪魔になってきました。
どちらが言うでもなく、互いの浴衣を脱がせます。

とうとう下着姿。体中の血がドクドクと音を立てているような錯覚に陥るほどに興奮してしまいます。
この布さえ取り去ってしまえばどちらも裸。
理緒さんの背中に手を回し、ブラジャーのホックに手をかけると、私のブラジャーにも手が回されました。
ぷちっと小さな音が二つ重なり、ブラジャーが胸から少し浮きます。
そして、私たちは同時にブラジャーを外しました。
その下から現れたのはきれいな双丘。なだらかな膨らみの頂点には、小さなピンク色の突起も見えます。

「渚……」

「理緒……さん」

きゅっと抱き合うと、ピッタリと胸同士がくっつきます。

「すごい……ドキドキしてる」

「私も……してます」

「うん、伝わってくる。ドク、ドク……って」

余分な膨らみがないことに今は感謝しました。
理緒さんの鼓動が伝わってくる。それがたまらなく幸せです。

背中に回された腕が開放され、頭を撫でてきました。

「んぅ……」

あまりの気持ちよさと幸せに眠ってしまいそうになります。
なんとか反撃しようと、目の前の喉元に吸い付きました。
強めに吸ってみると、そこがうっすらと赤みを帯びます。

「なぎさ、さっきから吸いすぎ……んぁっ!」

こんどは首と肩との境目に吸い付きます。
口を離すと、今度はあまり赤くなっていません。
もう一度同じ箇所に。
……今度は上手くいきました。

「キスマークつけてるの……? なぎさ可愛いなあ……」

なでなで。
やはり撫でられるとトロンとして眠ってしまいそうになります。

「んー……ひゃっ!?」

うとうとしていると、今度は理緒さんが首に吸い付いてきました。
吸い上げられたあと、口が離れます。

「……これ、いいな。キスマークつけると私の渚って感じがする」

「理緒さんの……」

ドクドクと、心臓がまたも跳ねます。
「理緒さんの渚の証」首元につけられたので見えませんが、なぞると確かにそこにあるのが分かりました。
改めて私が理緒さんにつけたキスマークを見ると、言い知れぬ興奮が身を包みます。
理緒さんも、私のものである。その事実にクラクラしてしまいそうです。

「……ね、渚。もっとキスマークつけっこしようよ」

今度は腕を取られ、二の腕にキスマークをつけられます。
お返しにへその近くに印をつけると、次は太ももにつけられます。

「は、あ……! りお、さん……」

なんででしょう。
なんで性感帯と呼ばれる部位には触れてもいないのに私は達しそうになっているんでしょう。

「なぎさ……わたし、もう……っ」

目の前の理緒さんが辛そうな顔をしています。
キスをしてやると、理緒さんの体がぶるりと震えました。

「なぎさ、なぎさっ……もっとして? キス、して……んうぅっ」

「ちゅ、ん……ちゅう……!」

体の中から熱が溢れます。

「は、あ……イきます……もうっ……」

「私も、イきそう……なぎさ、なぎさぁっ」

必死に互いの体を抱きしめ合い、求め合います。
そして、また唇をくっつけた瞬間。

「ん、んうう……っ!!」

「なぎしゃ……んうっ、んんん……!」

目の前が真っ白になるかのような絶頂が私を襲いました。
震える体をくっつけて、長い絶頂に浸ります。

やがて私たちは体の緊張を解き、ゆったりとした空気に身を任せました。

「なぎさ……なぎさ、好きだよ……」

恋人との甘い時間。
理緒さんは過去のなぎさなる人物を振り払い、今は私だけを見てくれています。
音は同じでも、それが誰に向けての言葉なのか。今の私には分かります。

「理緒さん……私も、理緒さんのことが大好きです……」

ある夏の夜。
熱帯夜にも関わらず、私たちはくっついたまま眠りに落ちました。

なでなで


渚「ん……」モゾ


理緒「あ、おはよう」ナデナデ


渚「おはようございます……」クシクシ


理緒「渚、おいで」


渚「ん……」ポフン


ぎゅうっ


渚(あったかい……)


理緒「好きな人に触れるって、幸せだね」ナデナデ


渚「はい。すごく……」


理緒「……渚、これからもよろしくね」


渚「はい」


理緒「これから頑張って渚に頼れるようになるから……」


渚「頑張らなくていいんですよ。……ゆっくりでいいんです」


理緒「……そうだね。私たちはゆっくりでいいんだ」


渚「はい。そうです」


理緒「……んっ」チュッ


渚「んっ……ふふ」ニコッ


理緒「大好きだよ、渚」


渚「私もです……理緒さん」


渚と理緒編『なぎさという音』 完

真央(変だ……)

真央(夏祭りが終わってから茅ちゃんが本を見に来なくなった)

真央(貸してた本は返ってきたけど……それっきり)

真央(部屋に来るどころか、外でもすれ違わないし)

真央(……まさか)

真央(……いや、まさかね。とりあえず茅ちゃんの部屋に行ってみよう。遊びに来たよーって)ガチャッ


てくてく


真央「……」ドクン ドクン


ぴんぽーん


真央「……」

真央(出ない……?)


ぴんぽーん


真央(まさか……)


ぴんぽーん


真央「茅ちゃーん?」


早苗「……」テクテク


真央「あ、てんしさん!」


早苗「あ、あら、真央ちゃん」


真央「ねえ、最近茅ちゃん見ないんだけど大丈夫? 風邪とか引いてるの?」


早苗「……あのね真央ちゃん。落ち着いて聞いてくれる?」


真央「ん? うん……」

早苗「まず……部屋を見てもらうわね」ガチャッ


真央「……え」

真央「何もない……けど。なに、これ? 茅ちゃんは?」


早苗「茅ちゃんはね、ご実家に帰られたわ」


真央「……は?」

真央「な、なに? どういうこと? なんで? 真央聞いてないよ……?」


早苗「茅ちゃんがね、真央ちゃんには黙ってて……って」

早苗「でも、バレちゃったものね。全部話すわ」


真央「うん……」


早苗「最近茅ちゃんが同性愛の漫画を持ってたのは知ってるわよね」


真央「そりゃ……貸したの真央だし」


早苗「それがね、ご両親に見つかったのよ。夏休みに入って、突然茅ちゃんを訪ねて来たの。『夏休みだからって怠けてないかー』って」

早苗「最初こそ楽しく家族で過ごしてたんだけど……茅ちゃん自身が買った同性愛の本が見つかったのよ。「同性を好きになること」っていうタイトルで、すぐにそういう本だって分かったみたい」

早苗「そしたらあとは芋づるで……真央ちゃんの貸した本が見つかって、茅ちゃんは全部正直に話したらしいの」


茅『あたしは女の子のことを好きになることがおかしいなんて思わない』


早苗「って。そしたらご両親が怒っちゃってね。そんな子に育てた覚えはないだの、精神科に連れて行きましょうだのって話になっちゃって」

早苗「それで親には逆らえずに、実家に戻ることになったって。ご両親が家で監視するらしいわ」


真央「なにさ……それ。真央のせいじゃん……真央があんな漫画貸したから……精神科……って」


早苗「真央ちゃんに正直に話したら自分のせいだって思い込むから黙っててって言われたのよ。茅ちゃんを責めないであげて……ね?」


真央「……こ」


早苗「え?」


真央「どこ、茅ちゃんの家……」


早苗「えっと……」


真央「真央のせいで家族と喧嘩したんでしょ? そんなの……そんなの……!」


早苗「落ち着いて、真央ちゃん」

早苗「……もう、どうしようもないの。茅ちゃんはここにはいないし、私にも茅ちゃんのご実家の場所は分からないのよ」


真央「……」

真央「なんで……」ポロッ

真央「なんで何も言わないで行っちゃうんだよぉ……!」ポロポロ


触れてほしい人に触れてもらえる。触れたい人に触れる。それだけのことが幸せ。

  話したい人と話せない。一緒にいたい人がそばにいない。こんなに辛いことがあるなんて。

私と理緒さんの話はこれで一段落。

  あたしと真央ちゃんの話は……きっともう終わる。

幸せの絶頂。

  不幸のどん底。

『八月の夏祭り』

八月終了となります。
突然の茅の引っ越し申し訳ありません。後出しになりますが、たまにこういった確定イベントを起こしていこうと思います。
メタいですが、こういったイベントがないとストーリーの盛り上がりに欠けそうなので…。

ここからは渚と理緒は準主役程度の出番となり、新たに別の住人が登場します。

条件さえ整えば渚たちもまたセックスする可能性があります。
条件が整わなくても書きたくなったらどこかのタイミングで特別編として書きます。

九月からは秋編です。今回はキャラ募集が3回あると思います。

茅と真央が引き合うことを重点的に、新しい住人たちにも行動を起こしてもらいたいと思っています。

今から病院の診察なので、診察が終わり次第キャラ募集を始めていきます。


すばらしい……

くれぐれも無理はせんようになー

勝手に登場人物まとめちゃうね
大きなお世話だったらゴメンね

>>5
理緒>>26
早苗>>78
亜里砂>>133
>>151
真央>>170
レイラ>>173
>>175

おお、まさかの展開
しかし幸せな結末は保証されてるみたいで安心したよ、今後が楽しみ

>>302
お尻にできものができて痛かっただけなので病気とかではないですよ
粉瘤とかいうやつだそうです

>>304
まとめありがとうございます
ついでなので、まとめを使って現在の状況説明をします

澄野渚>>5
白百合荘1号室の住人。お花見の日に突然理緒にキスされた後、紆余曲折を経て夏祭りで理緒とカップルになった。

東谷理緒>>26
白百合荘2号室の住人。かつて凪沙という女の子に恋をしていたが、吹っ切って渚への恋を自覚。夏祭りで渚とカップルになった。

天使早苗>>78
白百合荘の管理人。みんなの相談にのったりなど、住人の良き理解者。夏祭りで亜利砂と気が合ったらしい。

神ヶ原亜利砂>>133
理緒の中学時代の担任。昔女の子に恋をしたことがあるらしい。最近は早苗と仲がいい。

大岸茅>>151
白百合荘の住人。同性愛を自覚し、関連の本を自分で集めるなどしていた。しかしそれを親に見つかり現在実家で軟禁されている。真央のことが好きな様子。

桃山真央>>170
白百合荘の住人。可愛いものが大好きで、可愛いキャラクターが出てくるために百合漫画などを集めている。それを茅や渚に貸し出し、知らずのうちに白百合荘の百合度を上げている。

レイラ・リトルビーチ>>173
夏祭りのステージで優勝。ダンスの心得があり、次はどこかの学校の学祭に出るらしい。テンションが上がると誰かれ構わずキスする。

遠州透>>175
夏祭りのステージの採点係。ストレートに感想を言ったために茅には嫌われている。レイラにキスされて真っ赤になっていた。

では新たな住人を募集します

テンプレート↓
【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【入居理由】
【備考】

安価↓から3つほどでてくるまで
何個か集まったら、コンマを使用しての投票になります

【名前】琴崎 綾子
【年齢】23歳
【職業】水泳選手
【容姿】茶髪のショート、整った体に高身長、Dカップ。
【性格】明るく前向き。体と服装には結構気を使う
【好きなこと、もの】泳ぐこと、温泉、着物、資格勉強
【入居理由】練習場のプールに近かったから
【備考】
・最近、タイムが伸び悩みがちで悩んでいる。(胸の大きさのせいにはしない)
・頭も良く、引退後のことも考えて有用な資格を習得中
・恋愛というものに憧れを持っていて、あまり分け隔てはない。

【名前】尼原 久々利(あまはら くくり)
【年齢】24歳
【職業】私立探偵
【容姿】ダークブラウンのセミロングで瞳の色は蒼。グラマーな体つきで『大人の色気』を体現したかの人物。鹿撃ち帽を愛用している。
【性格】 普段は落ち着いた物腰の淑女だが、根っからのミステリーマニア。人生の目標を『ホームズのような探偵』としており、『引き受けた仕事は必ず果たす』を信条としている。
【好きなこと、もの】
 ミステリー小説、イギリス旅行、ワインとチーズ、糠漬け作り
【入居理由】
 家を追い出されて路頭に迷っていた所を早苗に拾われた。
【備考】
 気立てがよく家事全般に精通しているが、酒癖が悪い上に酔うとホームズが如何に素晴らしいかを延々と語ってくる残念美人。
 酒癖の悪さが災いし結婚相手もおらずついに実家を追い出された所を大学の先輩であった早苗に偶然拾われた。
 一応事務所(自室)を建てているがお客は一人もおらず、殆ど早苗に養ってもらってる状態。家事手伝いや管理仕事のお手伝いを家賃や飯代にしている。
 その為早苗には頭が上がらない。

1、綾子
2、久々利
3、ソフィー

↓から投票レスのコンマの合計が最速で200に到達したキャラを新住人として採用
20分経っても誰も到達しなかった場合、その時点での最高コンマキャラを採用

ところで質問
キャラメイクが間に合わなかったんだけど、残り2回あるというキャラメイクはどのタイミングでやるの?
この後?それとも後日?

そういえば前スレでは大丈夫だったがこのスレは落選キャラのリサイクルって大丈夫?

1かな

うーん、1で

>>315
もう一人はこの後で、さらにもう一人は九月編が始まったら確定イベントで登場する予定です
ですので、3人目のみ後日(多分明日の朝から昼)となります

>>316
アリですが、前スレでは安価によるリサイクルはほとんど採用されなかったところを見るにリサイクル採用は難しいと思われます
言い方が悪いですが、投票されなかった=魅力を感じなかったとも取れるので、単純なリサイクルではなくどこかに改変を入れて貼り直すといいかもしれません

(前スレの話を持ち出して恐縮ですが、カトレアはリサイクルの度に安価で指定されているだけで採用されませんでした。しかしミュリエルは設定の貼り直しによって採用されました。安価による指定ではなく、設定を丸まんまコピペでもいいので貼り直した方がちゃんと設定を見てもらえるかもしれません)

新住人1人目は琴崎綾子となりました
設定は>>309を参照

もう一人新たな住人を募集します

テンプレート↓
【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【入居理由】
【備考】

安価↓から3つほどでてくるまで
何個か集まったら、久々利、ソフィーを交えてコンマを使用しての投票になります

【名前】沖上 要(おきがみ かなめ)
【年齢】24歳
【職業】会社員(キャリアウーマンと呼ぶに相応しい働きぶり)

【容姿】身長170㎝ほど。ヅカ系の端正な顔立ちをしている。茶色みがかったショートカット。胸は結構あるが、スーツを着ていると目立たない。細身。

【性格】生粋のビアン。女子校の王子様的存在。優しく、人当たりがいい。他人の心配ばかりしている。

【好きなこと、もの】女の子、酒類、サラダ類

【入居理由】会社に入った時に入居したが、思いの外可愛い子が集まってきたのでそのまま暮らしている。本当ならイイトコのマンションで暮らすことも全く問題ないくらいには稼いでいる。

【備考】
 可愛い女の子を見るとすぐ口説く。といっても、誰かから奪うことはしない。その子が幸せならばそれでいい、というスタンスである。しかし、奪う気は無くとも彼女がいようがいまいが可愛い子は愛でてしまうので、修羅場にも何度も遭遇している。
 老若男女問わず優しく、人当たりがいいという所にやましい気持ちは全くなく、心の底からの優しさである。
 自分の弱さを見せることを極度に嫌っている。口説いたり、何人もの女の子と付き合ったりしてきたのは事実だが
どこか自分に近寄らせないような、他人と距離を置いているようなところがある。
 父子家庭で育った。稼ぎは良くなかったが、とても優しく、いつも心配してくれた。父は20歳ごろに他界した。要の優しさは、父に似たと思われる。ただ、どうしても家では一人になってしまうことが多く、心の中では常に孤独感を抱えていた。

【名前】サラ・ミナヅキ(水無月)
【年齢】16
【職業】高校生
【容姿】モデルと言っても違和感のない、スラリと背の高いグラマラスな体格
綺麗なプラチナブロンドのロングヘアー、瞳の色は透き通るような青
【性格】「母性」という言葉が服を着て歩いているかのような、慈愛に満ち溢れた性格
落ち込んでいる人がいると、優しく抱き締めて慰めずにはいられない(昔ママがよくやってくれたらしく、その影響らしい)
他者を甘えさせるのが得意だが、自分も誰か芯の強い人に甘えたいという願望を持っている
【好きなこと、もの】笑顔、読書(主に恋愛小説)、料理(得意レシピはママのお手製シチュー)
【入居理由】転校先の学校が近い
【備考】イギリスからやってきた交換留学生
母親が日本人で子供の頃からずっと日本に憧れていたので、日本語は問題なく話せる
昔から悲しいことがある度に母親に優しく抱き締められていたので、ハグ等のスキンシップに抵抗感がない

【名前】久家 瑞乃(くげ みずの)
【年齢】17
【職業】高校二年生(誰かの同級生になるかな?)
【容姿】・赤っぽいロングのツインテール
・身長は160センチくらい
・若干猫目で、常にしかめっ面?睨んでいる感じ?
・胸はB~Cくらい
・かるい
【性格】・ツンデレのデレを抜いたような性格
・裏表がない
・良くも悪くも正直で、思ったことをすぐ口に出す
・お節介焼きな部分がある
・健啖(だが太らない)
【好きなこと、もの】◯こと……買い食い
◯もの……家族、猫、他人の作った料理、柔らかいもの、ふかふかしたもの
◯苦手なこと、もの……虫、裁縫、泳ぐこと、冗談
【入居理由】学校が近い
【備考】・「嫌い」「無理」など、年上だろうと思ったことははっきりと言うタイプなので、友達はあまり多くない
・「ありがとう」などの感謝の言葉、「大丈夫?」などの気にかける言葉もはっきりと言うので、仲が良い子や教師からの評判は良い
・言いたいことは言う、というのは小学生の頃、親友と喧嘩をして、謝れないままその子を事故で失ってしまったことに由来している
・男子から結構モテるがバッサリと断っている。理由は「私は別に好きじゃないから」
・弟と妹が何人かいるが、その子らには甘い
・ありとあらゆることがそれなりに出来てしまうのだが、裁縫と泳ぐことはてんで駄目
・能力は高いが、それを自慢したりはしない
・他人を見た目などで辱めたりするのは大嫌い
・自分で料理は作れるのだが、誰かが作った料理の方が好きらしい。理由は「他人の料理は自分では作れないから」

1、久々利
2、ソフィー
3、要
4、サラ
5、瑞乃

↓から投票レスのコンマの合計が最速で200に到達したキャラを新住人として採用
20分経っても誰も到達しなかった場合、その時点での最高コンマキャラを採用

5

なんか理緒と早苗除いて白百合荘ティーンしかいない気がするので3

3かな

新住人2人目はサラ・ミナヅキとなりました
設定は>>328を参照

次いでコンマの大きかった沖上要も展開上登場可能なら登場させます
設定は>>327を参照

新住人が決まったので、明日から九月編をやっていきます

それと、展開に組み込むかは分かりませんが、見てみたい展開や絡みなどあれば書いていってください
参考にしつつこれからの進行に役立てたいと思います

綾子(もう9月か……。昨日白百合荘のみんなでやった花火大会面白かったなあ)

綾子(……茅はいなかったし、真央も悲しそうだったけどね。その分渚と理緒が楽しそうだったからいいか)

綾子(私も大会に向けて頑張りますかー)ノビー


ガチャッ


???「あ、おはようございます」ペコリ


綾子「おはよ、サラ」


サラ「綾子さんはこれからまた練習ですか?」


綾子「そ。再来週に大きな大会があるから、それに向けて調整中」


サラ「わあ、頑張ってくださいね。応援に行きますから」


綾子「うん。今度こそはどっかの種目で表彰台乗りたいよ」

綾子「……で、サラは今日から学校だっけか」


サラ「はい。日本の学校楽しみです」


綾子「サラなら上手くやれると思うよ。先月来たばっかりなのにもうここのみんなと打ち解けてるし、サラいい子だし」


サラ「はいっ。楽しんできますね。では行ってきます!」


綾子「行ってらっしゃい!」

綾子「……よし、私も練習場向かうか」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


てくてく


綾子「お」バッタリ


サラ「あ」バッタリ


綾子「あれ、高校ってすぐそこ?」


サラ「はい……。綾子さんの練習場は……」


綾子「そっち。あの角のとこにある」


サラ「近いんですね……」


綾子「だね。一緒に帰ろうか」


サラ「はい」


てくてく


綾子「学校はどうだった?」


サラ「そうですね……とても楽しかったですよ。ただびっくりしたのは、いきなり告白されてしまったことですね」


綾子「告白されたの!?」


サラ「もちろんお断りしましたが……日本人にもあのような方がいるのですね」


綾子「あのような……って、どんなだったの?」


サラ「ブロンドヘアの方で、女性慣れしていそうな方でした」

サラ「日本の男性はみんな黒髪でサムライのような方たちだと思っていたので、少しびっくりしてしまいました」


綾子「そういうのはロクな男じゃないからフって正解」


サラ「ですよね。ワタシ、ああいう方は苦手です」

綾子「あとは何かあった?」


サラ「あとはそうですね……みなさん外国のお話を聞きたがりましたね。イギリス出身と言っているのにピザ好きなの? とも言われてしまいました」


綾子「イギリスとイタリア間違えてたってことか。私も昔同じだと思ってたなあ」


サラ「綾子さんはどうですか? 今日はなにかありました?」


綾子「変わらずだよ。タイムは縮まなかった」

綾子「まあこの時期までくるとタイムを縮める練習よりも、大会に目標を定めてコンディションを調整するメニューに移ってくからね」


サラ「そうなんですか……あら」


綾子「もう白百合荘か。喋ってるとあっという間……あれ?」


???「…………」


サラ「あの子、一人きりで白百合荘の前に立ってますけど……」テクテク


綾子「んー……ねえ、こんなとこで一人ぼっちでどうしたの?」


???「…………」


綾子「ここの知り合いに会いに来たとか?」


???「…………ぅ」フラッ


サラ「!」ダッ


がしっ


???「……」カクン


サラ「……気を失ってます」


綾子「んー……やばいかもね。見捨てる訳にもいかないし、私の部屋で寝かそうか」


サラ「はい」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「見た目子供だけど、なんでここに来たんだろうね」


サラ「早苗さんに聞けば分かるかもしれません。誰かの知り合いかも」

サラ「ワタシ、聞いてきますね」


ガチャッ バタン


???「…………」


綾子(気を失うような状態で知り合いに会いにくる……)

綾子(まさか家出してきた……とか?)

綾子(それなら家を出てから何も食べてなくて、ここの知り合いに匿ってもらいにきたけど、会う前に空腹で倒れたって筋は通るけど)

綾子(まあ、早苗に聞けば分かるか。誰の知り合いでもないなら救急車を呼んでちゃんと処置してもらわないとかもだし、用意だけはしとこうかな)


???「う……」ピク


綾子「あ、起きた?」


???「ここって……」キョロキョロ


綾子「私の部屋。んで、君は? なんでこんなところに?」


???「その……家を飛び出して外を歩き回ってたらこの辺りまで来ちゃって……」


綾子「家出……ってこと?」


???「……はい」


綾子「んー……そっか。あんまり他所の家庭の事情には突っ込みたくないけどしゃーない」

綾子「今日くらいはうちにいていいよ。行くあても他にないんだろうしね」


???「……助かります」


???のキャラ設定を募集します

テンプレート↓
【名前】
【年齢】(10~15歳で)
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【家出理由】(親との喧嘩、虐待、すでに天涯孤独、捨てられた。なんでもいいです)
【備考】

安価↓から3つほどでてくるまで
何個か集まったらコンマを使用しての投票になります

【名前】若宮 奏(わかみや かなで)
【年齢】12
【職業】中学生
【容姿】整った黒のセミロング。両親の厳しい教育の賜物で、この年にして既に「落ち着いた大人の女性」のような風格を漂わせている
今までずっと母親の選んだ地味目の服を着てきたのでお洒落には無頓着だったが、最近興味が湧き始めている
【性格】真面目で勤勉、物腰丁寧で誰にでも敬語を使う
曲がったことが許せないまっすぐな性格だが、最近は少々反抗期気味
【好きなこと、もの】勉強、ピアノ(しかし現在は嫌いになりかけている)、音楽鑑賞(特にクラシックに造詣が深い)、モンブラン
【家出理由】両親と喧嘩し衝動的に家出。なお両親は娘の初めての反抗に困惑しつつ、彼女の事を本気で心配している
(両親はスパルタだけどクズではなく、娘の事は心から愛している感じで)
【備考】音楽家の両親の元に生まれ、幼少期から音楽に囲まれて過ごす
自身もピアニストになることを期待されて厳しいレッスンを受け続けてきたが、ふと両親の言いなりになって生きている現状に疑問を持ち、激しい口論の末に衝動的に家を飛び出した
現在頭の中がぐちゃぐちゃになっていて、自分とは何なのか、これからどうしていけばいいのかわからなくなってしまっている

【名前】 朝倉 アスカ(あさくら ー)
【年齢】 11歳
【職業】 小学生
【容姿】 金髪碧眼のロングヘア、身長は中学生に見えるぐらいに高め、スラッとした印象を受けるが発育がよく胸はこの時点でcカップほど。
【性格】 おどおどとしていて自分に自信がない。
【好きなこと、もの】
 雪、音楽鑑賞(クラシック)、マトリョーシカ、ボルシチ
【家出理由】
 テストで悪い点数をとったことを叱られた。
【備考】
 ロシア人とのハーフ、身長が高いことがコンプレックスとなっており、自分に自信がない。また、日本語にも不慣れで所々片言で漢字が読めず、学力テストでは苦戦している。

>>352
すみません、大切なことを忘れてました
まだ間に合うなら、奏の胸は平坦でお願いします

1、奏
2、みゆり
3、篠
4、アスカ

↓からの投票レスのコンマ合計が200に到達したキャラを採用
人少なそうなので、時間制限は設けません

んー、3

1

家出少女は若宮奏となりました
設定は>>352を参照

ガチャッ


サラ「あの子、なんですけど」


早苗「あら~小さな子ね~」

早苗(あの子確か……)


???「……」ペコリ


綾子「んー……起きて早速で悪いんだけどさ、色々聞かせてもらえるかな」


???「はい」


サラ「ここの住人に、知り合いの方っていますか?」


???「……いえ。今はいないです」


早苗「二人とも、そんな怖い顔しちゃダメよ~」

早苗「ね、お名前教えてくれる?」ニコッ


???「奏……。若宮奏、です」


早苗「そう。奏ちゃんね~」

早苗(やっぱり……)


綾子「んーと、私が綾子で、こっちがサラ。こっちが早苗。よろしくね」


奏「よろしくお願いします」ペコリ


綾子「それで……本題」

綾子「……家出した理由を聞かせてくれる?」

奏「っ」ビク

奏「それは……あの……」


サラ「……」テクテク


ぎゅっ


奏「!」


サラ「言いたくなかったら、言わなくてもいいんですよ」

サラ「ゆっくり休んで、ワタシたちに言っても大丈夫だと思えたら言ってください」ポンポン

サラ「ワタシにも手伝えることがあれば手伝いますから」


奏「……はい」


早苗「……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「すぅ……すぅ……」


綾子(流れで私の部屋に泊まることになってしまった)

綾子「……ま、いっか」ボソッ

綾子(それよりも)


ガチャッ バタン


綾子(早苗に会わないと)


ぴんぽーん


早苗「は~い」ガチャッ


綾子「ねえ、奏のこと知ってるの? なんか気づいてたよね」


早苗「そうねえ……知ってるといえば知ってるわよ」


綾子「ハッキリしないなあ……」


早苗「……茅ちゃんを覚えてる?」


綾子「? うん。茅がどうかしたの?」


早苗「奏ちゃんね、茅ちゃんの知り合いなのよ」


綾子「え……」

綾子「な、なら真央に知らせて……」


早苗「それは……ダメよ」

早苗「奏ちゃんは今自分のことで精一杯だし、あんな小さな子をこんなことに巻き込めないわ」


綾子「それもそうだけど……」

早苗「真央ちゃんに茅ちゃんを会わせるにしても、まず奏ちゃんの問題が先」


綾子「……分かった」


早苗「サラちゃんなんかはいい子だし、きっと奏ちゃんの助けになるはずだから」


綾子「早苗は心当たりないの? 奏ちゃんの家出の理由」


早苗「そうねえ~。ここに来るのは茅ちゃんに会うときだけだったし、あまり直接話したことはないのよ~」

早苗「でもね、家出をするような子ではなかったはずなの。茅ちゃんとは対照的に、大人しさを突き詰めたような子だったから」


綾子「やっぱり何か理由があるってことだ。不良が家に帰らないってのとはわけが違うみたいだね」


早苗「奏ちゃんのご両親に連絡したいところだけど、私も奏ちゃんの自宅の電話番号を知ってるわけじゃないし……」


綾子「んー……やっぱまずは奏の問題を解決してあげないとなのかな」


安価↓から白百合荘の住人+茅、亜利砂、奏の行動
コンマが高いものを優先して採用
ただし、渚と理緒は優先度が下がります

外出と帰宅繰り返してるせいでIDころころ変わってすみません
また出かけてきます



早苗が自身から見た、奏が茅に会いにきた時の様子を語る



頑なに黙秘を続ける奏だったが、とうとう我慢の限界(お腹が鳴る)
何か作ってあげることに

早苗の部屋に遊びに来る亜利砂、そして亜利砂の姿をみて隠れる奏。

あの日以来塞ぎがちになっていた真央、偶然奏に遭遇
えらい気迫で茅の居場所を知らないか詰め寄り他の住民に止められる

サラが奏のために得意のシチューを持ってくる
行き倒れるほどお腹が空いていたためちょっと遠慮がちながらもおかわりまでもらう奏、美味しそうに食べてもらい笑顔のサラと見守る綾子

茅が真央に会えない辛さで枕を濡らし、いかに真央の存在が大きかったか実感する

>>372
>>373
>>374(部分採用)
>>375
>>376
を採用します

綾子「最後に茅に会いに来たときの様子とか覚えてない?」


早苗「うーん……」

早苗「夏休み中に会いに来たのが最後だと思うけど……そのときは笑顔だったし、何かあったとは思えないわね~」


綾子「てことはやっぱ……家族との問題かな」


早苗「だと思うけど……本人から聞かないことにはね~」


綾子「んー……だね。とりあえず私は部屋に戻るよ」


早苗「ええ。奏ちゃんのことよろしくね~」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


バタン


奏「あ、おかえりなさい……」


綾子「起きてたか。体調はどう?」


奏「体の方はなんとも……」グウウウウッ

奏「っ!///」バッ


綾子「お腹空いてるんだね。ちょっと待ってて……」


ガチャッ


サラ「失礼しまーす」


綾子「あ、サラ。どしたの?」


サラ「奏ちゃんお腹空いてるんじゃないかと思って、食事を持ってきたんです。ほら」ホカホカ


綾子「ナイスタイミング! 今ちょうど奏にご飯作ろうと思ったとこだったんだよ」


奏「……」グウウウウウウ


サラ「すごい音……ほら、シチューを持ってきたんですよ。食べてください」

奏「……いただきます」

奏「……んっ」パクッ

奏「……!」モグモグ ゴクン

奏「お、美味しい……!」


綾子「おー。好評みたいだよ」


サラ「お口にあってよかったです」ニコニコ


奏「あちっ。ふーふー……」


ぱくぱく もぐもぐ
ぱくぱく もぐもぐ


奏「……」カラン


綾子「あっという間に完食したねー。そんだけお腹空いてたんだ」


奏「あの……」ボソッ


サラ「はい?」


奏「お、おかわり……もらえませんか?」


サラ「もちろんいいですよ。今お部屋から持ってきますね」ニコッ


バタン


綾子「美味しかった?」


奏「……はい、とっても」


綾子「いいなあ。私もサラのシチュー食べたいよ」


バタン


サラ「持ってきましたよ。綾子さん、台所借りますね」


綾子「どうぞー……って鍋ごと持ってきたの?」


サラ「はい。せっかくなので綾子さんにも食べてもらおうと思って」ニコッ


綾子「まじで!? 食べたい食べたい!」


サラ「それじゃあ暖めますから、綾子さんは座って待っててください」


綾子「うん! あ、お皿はそこのやつ使っていいからね」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「いざ……!」


奏「改めて……」


サラ「いただきます」


綾子奏「いただきます!」


ぱくっ


綾子「……美味しい!」

綾子「なにこれ! 私の作るシチューなんかより全然美味しいじゃん!」ガツガツ


サラ「ふふ、ママ特製のレシピなんですよ」


綾子「何か特別なことしてるの?」


サラ「隠し味にバターを少し。それが効いてるのかもしれません」


奏(バター……なるほど)モグモグ


サラ「それと、愛情です♡ ……なーんて」テヘヘ


綾子「なんだよサラー! 可愛いなーもー!」ワシャワシャ


サラ「きゃっ! 髪ぐしゃぐしゃにしないでくださいよ?」


奏「……」ポロッ


綾子「ありゃ……」


サラ「どうしました? 大丈夫ですか?」ギュッ

奏「な、なんで涙が……」ポロポロ


綾子「んー……とりあえず今はサラに甘えときなよ」

綾子「大丈夫。ここには奏の敵はいないからさ」


サラ「はい。たくさん泣いてください。抱きしめててあげますからね」ナデナデ


奏「っ、ぅ……くっ……」グスッ

奏「うう……! ぐずっ、おかあさんっ、おとうさんごめんなさい……! えぐっ」

奏「ひっく……う……っ、ううう……!」


サラ「よしよし……」ポンポン


綾子(やっぱりご両親と何かあったんだな……どうしたものか)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


サラ「落ち着いた?」ナデナデ


奏「は、はい……すみません、服を汚してしまって……」


サラ「大丈夫ですよ。洗えばいいんですから」ナデナデ


綾子「ね、奏。今日のところはもう寝ようか?」

綾子「気づいたらもう9時近いしさ。今さら家にも帰れないでしょ?」


奏「はい。でも……」


綾子「でもはなし! こういうときは大人を頼っていいんだよ」


サラ「そうですよ。私たちは奏ちゃんのこと迷惑だなんて思いませんから」


綾子「そうそう。茅の友達なら私の友達も同義だからね!」


奏「……ふふっ」クスッ

奏「それじゃあお言葉に甘えて、今日は泊めさせてもらっていいですか?」


綾子「もちろん!」

綾子「布団はさっき寝てたの使っていいからね。うちはもう一組あるし、私はそれ出して寝るから」


奏「はい」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「で、なんでサラも寝てるのかな」


サラ「二人よりも三人で寝たほうが暖かいからですよ」


綾子「たしかに二人きりよりはいいかもだけどさ……さすがに狭くない?」


サラ「そうですか? 私はそうは思いませんよ」


奏「暖かい……です」


綾子「……二人がいいならいいか」ニコッ

綾子「それじゃ、おやすみなさい。明日のことは明日考えよー……ふあぁ……」


サラ「はい、おやすみなさい」


奏「お、おやすみなさい」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ピピピピ ピピピピ


綾子「ふあ……」グググ


奏「あ、おはようございます綾子さん」


サラ「おはようございます」ニコッ


綾子「二人とも早起きだねー……私スマホのアラーム7時半にセットしてるんだけどな……」


サラ「ワタシが7時に起きたときには奏ちゃんはもう……」


奏「いつも6時起きなので体が勝手に目覚めちゃったんです」


綾子「6時起きかー。えらいえらい」ナデナデ

綾子(子供すごい……髪がサラサラふわふわ……)ナデナデ


奏「あ、綾子さん。髪ぐしゃぐしゃになっちゃいます」


綾子「ごめんごめん」

綾子「んー……今日はどうしようか。今日は土曜日だから学校は休みなんだろうけど……」


サラ「ワタシは学校に来てくれと先生に言われてますし、綾子さんはまたトレーニングでしたっけ」


綾子「そうなんだよねえ……」


奏「……」


綾子「しゃーない。早苗に頼むか」


サラ「ですね。早苗さんなら一日中ここにいますし」


綾子「じゃ、朝飯食べたら頼みに行こうか」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「ってわけで奏を預かってもらいたいんだけど」


早苗「そういうことなら喜んで~」


綾子「だとさ。良かったね」


奏「はい」


サラ「それじゃあワタシたちは行きますね」


奏「はい、お気をつけて」


綾子「行ってきまーす」


サラ「行ってきます」


早苗「は~い、いってらっしゃ~い」


奏「行ってらっしゃい」ペコリ


早苗「それじゃ、部屋に行きましょうか~」


奏「はい」


ガチャッ バタン


奏「……あの」


早苗「なあに?」


奏「なんで皆さん私に何も聞かないんですか……?」


早苗「無理して聞くのも変よ~。言いたくないなら言わなくていいの」

早苗「確かに見たところ小学生か中学生だし、できることなら警察に相談して親を探さないとなんだけどね~」

早苗「奏ちゃんは茅ちゃんのお友達でしょう?」


奏「はい……」コクッ


早苗「なら、私たちも茅ちゃんの友達だもの。茅ちゃんの代わりになるかは分からないけど、私たちがここで守ってあげようかなって~」


奏「……お人好しばかりなんですね、ここの住人は」クスッ


早苗「そうよ~」フフッ

早苗「さて、それじゃあ……奏ちゃんは好きに過ごしてていいわよ~」

早苗「朝ごはんは食べてきたみたいだから、お散歩してきてもいいし。ただ、お昼ごはんまでには戻ってきてね~」


奏「はい。ありがとうございます」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


お昼ーー


奏(一人で公園遊びはつまらないな……いつもここに来るときは茅お姉ちゃんが遊んでくれたし)

奏(管理人さんのところに帰ろう……)テクテク


ガチャッ


真央「……」


奏(……? あれ、この人……茅お姉ちゃんの友達の人……だよね)

奏「おはようございます」ペコリ


真央「かな……で……ちゃん?」


奏「はい……」


ガッ!


奏「い……っ!」

奏(痛い……! なに……!?)


真央「茅ちゃんの友達……よね」


奏「そう……ですけど」


真央「茅ちゃんはどこ」


奏(なに……怖い……!)

奏「あ、あの……」フルフル


真央「答えてっ!!」


奏「ひっ!」


バタンッ!


早苗「奏ちゃん!?」タタタッ

早苗「ま、真央ちゃん駄目よ! 離してあげてっ」グイッ


真央「奏ちゃん……! 教えてよ……!!」


奏(真央さん、こんな人じゃなかったのに……)

奏「な、何があったんですか?」


早苗「茅ちゃんがいなくなってからずっとこんな調子なのよ……ごめんね」

早苗(どうしましょう……一番会ってほしくない二人が……)


奏「……茅お姉ちゃんに会いたいんですか?」


早苗「か、奏ちゃん?」


真央「……」コクッ


奏「……いいですよ」


真央「ほ、ほんとっ!?」


奏「私が二人を会わせない理由はありませんから。……ただ、茅お姉ちゃんは真央さんに会いたがってはいませんよ」


真央「それって……」


???「……」テクテク


早苗「あ、あら……」


奏「!」ビクッ

奏「ま、真央さん! 部屋に隠れさせてください!」


真央「え? あ、うん?」


ガチャッ バタン


???「どうも、早苗さん」


早苗「こんにちは~。亜利砂さん」ニコッ

早苗「今日はどうされたんですか? こんな昼から……」


亜利砂「うちのクラスの子がね、一人始業式に来なかったんです。たしかに一年に一人くらい、長期休み明けに来たくない子はいるんですけどね……」

亜利砂「その子の家から電話がかかってきて……家に帰ってないらしくて。それで、いろんな人に聞いてまわってるんです」

亜利砂「背は中学生にしては少し高いくらいで、髪は黒のセミロング。えーっとあとは……そうだ名前! 名前がですね」

亜利砂「若宮奏っていうんです」


早苗「!」


亜利砂「早苗さんはこの辺りの人に顔も効くからもしかしたらと思って……よかったら探してもらえませんか?」


早苗「ええ、子供が家出だなんて大変だものね。もちろん探します」ニコッ


亜利砂「お願いしますね」ペコリ

亜利砂「では、私は心当たりをいくつか探して来ますので!」タタタッ


早苗「は~い」バイバーイ

早苗(奏ちゃんの担任が亜利砂さんなのね~……。世間って狭いわね~)

真央の部屋ーー


真央「なにごと? とっさに部屋に入れちゃったけど……」


奏「担任の先生が来たので、つい……」


真央「ふーん……」

真央「ま、いいや。それで、真央のこと茅ちゃんに会わせてくれるの?」


奏「それは構いません。別に私は茅お姉ちゃんが真央さんと会っても困りませんから」

奏「茅お姉ちゃんが真央さんと会うのが嫌なのは、茅お姉ちゃんのお父さんお母さんだけです」


真央「お父さんお母さん……か」

真央「どんな人なの? 茅ちゃんの両親って」


奏「いい両親ですよ。茅お姉ちゃんがギャルっぽくなっても家族仲良く過ごせるくらいですし、家族仲はとてもいいです」

奏「ただ、同性愛には理解がないみたいですね。茅お姉ちゃんを家に帰らせたときなんてすごく怒ってましたから」


真央「……」


奏「……なので、茅お姉ちゃんに会っても何もできないと思います」


真央「……それでも、会いたいんだもん」


ガチャッ


早苗「奏ちゃん、先生は帰ったわよ」


奏「……はい」


早苗「……」

早苗「真央ちゃん、茅ちゃんの家は分かった?」


真央「んーん……今から奏ちゃんに教えてもらおうかと」

早苗「ねえ、奏ちゃん」


奏「はい」


早苗「確か……奏ちゃんは茅ちゃんと仲がいいだけじゃなくて、家もご近所だったわよね」


奏「はい。私の家からすぐです」


早苗「だったら、今茅ちゃんのところに真央ちゃんが行くのはマズイんじゃないかしら?」


真央「え……」


早苗「茅ちゃんなら『どうやって家の場所を知ったの』って聞いてくると思うの。真央ちゃんはなんて答える?」


真央「そりゃ、奏ちゃんに教えてもらったって……」


早苗「そうね。そうなると茅ちゃんのご両親もきっとそれを聞くことになるわ。そしたら……奏ちゃんの家に連絡がいくことになる」


真央「? それのなにがマズイの?」


早苗「奏ちゃん、今家出してるのよ」


奏「……」


真央「えっ……ほんと?」


奏「……」コクッ


早苗「奏ちゃんがなんで家出をしてるのかはわからないけど、それが解決するまでは……」


真央「……わかった。待つよ」


早苗「よかった」ホッ


真央「茅ちゃんには会いたいけど……そのせいで奏ちゃんが嫌な思いするのは違うし」


早苗「そうね。じゃ、奏ちゃん」


奏「っ」ビクッ


早苗「すぐに話せ、なんて言わないから。私たちが信用できるようになったら話してくれる?」


奏「……はい」コクン


安価↓から
・奏の現在の心境
・奏と仲良くなるための具体案
・真央が茅に会った際の展開、両親の説得方法
などを安価で募集します
その他の行動安価も募集します
基本的に高コンマ採用

これからは>>383のようにどれが採用した安価かを分かるようにしたいと思います

sageてた…
一週間も空いてしかもグダグダですみません

わーい、更新来てた!嬉しい!


安価は「奏、サラ・綾子らに少しずつ心を開き始め、この人達になら自分の事情を話してもいいかも…と思うが、どういう感じで切り出せばいいのかがわからない」で


更新楽しみしてたぜ

安価は奏が早苗に白百合荘の雑務(掃除とか)を手伝わせてほしいと提案する

奏の心境
ピアニストとしての生き方に疑問を持つ自分と、両親に生き方を強制されている茅を重ねて見ている

更新楽しみに待ってた

奏が学校に行ってないので白百合荘でも勉強できるよう中学生用問題集をいくつか買ってあげる。ただ強制はせずやるやらないは奏に任せ、解らない所は住民で教えてあげる

もう一週間経った。
……いや、まだたった一週間しか経ってないのか。

部屋の中、ベッドの上で膝を抱えて体育座り。
覚悟はしたつもりだったけど、喪失感で胸に穴が空いたような気分。

「真央ちゃんに……会いたいな……」

つい先週。漫画を返したときの会話が最後。
真央ちゃんはまた明日も会えると信じて疑わず、またねと笑って言ってくれた。
あの最後の笑顔が頭から離れない。

あの時、白百合荘から離れることを伝えていれば何か変わっていたのだろうか。
夏祭りの日、真央ちゃんに告白していれば何か変わっていたのだろうか。
してもしょうがない後悔ばかりを繰り返している。

「好きな人に会えないって辛いなあ……」

誰にともなく部屋の中で独りごちる。
そう言ってから、改めて真央ちゃんのことが好きなんだとまた再認識する。
ここ数日はずっとこうだ。

独りで寂しくなって、真央ちゃんに会いたくなって、会えないことを思い出して、好きな人に会えないことが辛いと認識する。

部屋の中にも可愛いものをたくさん置いているのに、その中で一際可愛い真央ちゃん。
祭りの人混みの中からあたしを見つけ出して力強く引っ張っていってくれたかっこいい真央ちゃん。
ありありと真央ちゃんのいろんな姿が思い出されては消えていく。

「もう、会えないんだもんね……」

でももし。
もしもあたしが真央ちゃんに告白して受け入れられていたら?

夏祭りのときのように強引に引っ張って、あたしのことを引き止めてくれたかもしれない。
ぐっと体を引き寄せてくれて、そしてキスしてくれて……。

「……っ」

胸の中にざわっとさざなみが立つ。

手も小さいのに、掴む力は強くて。
背も小さくて壊れそうな真央ちゃんにあたしは抵抗なんてできるはずもなくて。簡単にベッドに押し倒される。

そして、その小さい手をあたしの服の中に入れてきて。

「ぁ……んっ」

下着も器用に外されて胸を揉まれるんだ。
そうなったら、あたしはーー。

真央ちゃんの手がスカートの下から入り込み、ショーツへと手をかける。
腰を浮かせると、するっといとも簡単にショーツを剥ぎ取られてしまった。
濡れてるよ、と真央ちゃんのころころとした声が脳に響く。
く、と指をあそこに添えられたと思ったら、次の瞬間には指が侵入してくる。

「んぁ……ぅ……ふ……っ」

くにくにと入り口のあたりを擦られ、甘い声が漏れてしまう。
もう片手は再び胸にまで伸び、遠慮なしに揉んでくる。

「あ……あぅ……!」

体の奥がジワジワと熱くなり、やがてそれは限界を迎えた。

「っ、ふ、ーーーーーーっ!」

背中を丸めて絶頂に体を震わせる。
ややあってから体を伸ばしてベッドへと全身を放り出し、脱力する。

「はっ……はぁ……また、やっちゃった……」

また真央ちゃんのことを妄想しながら自分を慰めてしまった。
行為の後で襲ってくるのは激しい後悔と罪悪感だ。
本人の預かり知らぬところで本人を汚す、あまりに最低な行為。

(ごめん。ごめんね、真央ちゃん。気持ち悪いよね)

本人には届くことのない謝罪。

「っく……」

シーツへと涙が落ちる。

「会いたいよぉ……!」

会って、何かしたいわけじゃない。
突然白百合荘からいなくなったことを謝っても意味がなんてないし、何か特別話したいことがあるわけじゃない。
それでも。

大好きな人に会いたい。

その思いだけは何日経とうとも消え入ることはなかった。

>>377を使って、調子取り戻しがてら茅の現在を書きました
妄想のオナニーなので描写はわざとかなり手を抜いてます

まだ>>393の安価は募集してます
どんどん参加してください

おお……すごい
時間差で安価が拾われるとは思ってなかったことと自慰描写が来てて、驚きとうれしさとで胸がいっぱいだ、ありがとう
きっと今の茅なら透が唸るようなラブソングを歌えるな

安価は真央が茅の両親を説得する方法で
同性愛がおかしいと思うのであれば娘を、ひいては今まで関わってきた両親の存在をも否定することになるとして、寛容さを求めてみる

>>395
>>396
>>397
>>398
を採用します

綾子「ただいまー。奏、いい子にしてたか?」ナデナデ


奏「あぅ」ワシャワシャ


早苗「ええ、と~っても大人しかったわよ~。……ふふ」クスッ

早苗「会って何日しか経ってないのに、姉妹みたいに仲良くなったのね~。そんなに撫でちゃって~」


綾子「んー……奏の髪がさらさらなのが悪いよこれは」ナデナデ


早苗「あらそう?」ナデナデ


奏「さ、早苗さんまで……」ワシャワシャ


サラ「ただいま帰りました」


奏「お、おかえりなさいー」ワシャワシャ


サラ「はい。ただいまです、奏ちゃん」ニコッ

サラ「ほら二人とも、奏ちゃんが困ってますよ。離してあげてください」


綾子「はーい」スッ


早苗「あら、残念」スッ


綾子「うし。じゃあ部屋戻るか、奏」


奏「はい」


サラ「あ、ワタシも少しお邪魔してもいいですか? 奏ちゃんに渡したいものが……」


綾子「もち。あ、先入ってる? 鍵渡しとくよ」チャリッ

綾子「私ちょっと早苗と話してからいくからさ。くつろいでてー」


サラ「はい、わかりました」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


バタン


サラ「えっと、これなんですけど」ガサガサ

サラ「はい、どうぞ」


奏「問題集……ですか?」


サラ「はい。どれだけここにいることになるか分かりませんから、とりあえず買ってきました。ずっと学校に行かないとお勉強にもついていけなくなっちゃいますから」

サラ「あ、強制はしませんからね。お勉強しなきゃ、って思ったときにやるくらいでいいです」


奏「あ、ありがとうございます。助かります」


サラ「もしお勉強で分からないところがあったら聞いてくださいね。頑張って教えますから」ニコッ


奏「はいっ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子サイドーー


綾子「今日の奏はどうだった?」


早苗「さっき言ったとおり、彼女はとてもいい子にしてたわよ~」

早苗「ただね、真央ちゃんが気づいちゃったの。奏ちゃんが茅ちゃんのお友達だって」


綾子「大丈夫だったの?」


早苗「最初は怖い顔して詰め寄ってたけど、説得したら「まずは奏ちゃんの問題が解決するまでは待つ」って言ってくれたわ。大丈夫よ~」


綾子「それはよかった……」


早苗「あとはそうね……担任の先生がここまで来たのよ」


綾子「えっ……それまずくない?」


早苗「とりあえず隠れてくれたからバレてはないと思うけど……」


綾子「バレてないなら……まあ大丈夫かな?」


早苗「……私ね、先生に奏ちゃんのこと相談しようと思うの」

早苗「これ以上大事になって警察事にでもなったら奏ちゃんも大変だし……だから、先生の口から直接親御さんに今の状態を話してもらおうかなって」


綾子「そんなことしたらお父さんたちが来ちゃうんじゃ……」


早苗「ええ……これは賭け。上手くいけば奏ちゃんはしばらくここにいられるはずだから」


綾子「……その担任の先生は、早苗が信頼できるくらいの人なの?」


早苗「ええ。生徒や保護者からも好かれてるみたいだし、とてもいい人よ」


綾子「早苗がそういうなら……任せる。ただ、もし無理やりにでも奏を連れてかれるようなことがあったら、私怒るからね」


早苗「ええ、わかったわ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


翌日ーー


奏「早苗さんっ」


早苗「あら。おはよう、奏ちゃん」


奏「おはようございます、早苗さん」

奏「あのですね、何かお手伝いできることってありませんか?」


早苗「お手伝い?」


奏「ここに居させてもらってる以上何かして返したいので……迷惑でしたか?」


早苗「そんなことないわ~。そうねえ……」

早苗「あ。今は茅ちゃんがいなくて、6号室が空き部屋になってるのよ。2階の1番手前ね」


奏「はい。よく遊びに来てたので分かります」


早苗「そこを軽く掃除してもらえるかしら~。現状維持のための掃除だから、そんなに丁寧じゃなくてもいいわ~」


奏「分かりました」


早苗「掃除用具はお庭の倉庫に入ってるから、好きに使っていいわよ~」

早苗「あと鍵ね。えーっと……はいこれ」チャリッ


奏「ありがとうございます。では、掃除してきます」タタタッ

6号室ーー


奏(ほとんど掃除する箇所はなさそうだけど……)キョロキョロ

奏(全体的に雑巾がけとかしたらいいかな)

奏(……その前に上の方からホコリを落とすんだっけ。最後に上の方をやると結局床にホコリが落ちる……とかで)

奏(脚立とパタパタを用意して……)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏(……ここ、いい人ばっかりだな)パタパタ

奏(特に……綾子さんと、サラさん)パタパタ

奏(お掃除頑張ったら、サラさんまた抱きしめてくれるかな)パタ…

奏(……頑張ろ)パタパタ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏(……それと、いい加減話さなきゃだよね。家出の理由)ゴシゴシ

奏(私の家出の理由なんて他の人にしてみたら大したことないかもしれないけど……私にとっては人生の大問題だもん)ゴシゴシ

奏(綾子さんたちなら、きっと茶化さないでくれる……そんな確信がある)ゴシゴシ

奏(でも、どうやって切り出そう……)ゴシゴシ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏(あとはクローゼットの中かな……)


ギイィ


奏(……二段になってるんだ。上が広くて、下は狭い。上がよく着る服で、下は物を詰めた段ボールとかを置くスペースなのかな)


ゴシゴシ ゴシゴシ


奏(下のスペースの奥の方とか……私とかじゃなきゃ届かないんじゃ……)ググ…


ゴシゴシ ゴシゴシ


奏(……? 奥に何かテープで紙が留めてある……)

奏(なにこれ。手紙?)ペリッ

 桃山真央さん以外の人がこの手紙を見つけた場合、すぐに捨ててください。


奏(表に注意書き……)

奏(……ごめん、茅お姉ちゃん。読むね)ペラッ


 真央ちゃんへ
 この手紙、真央ちゃんが見つけてくれるといいな。

 早速だけど、突然引っ越してごめん。まずはあやまるね。
 あたしが本を隠すの下手くそだったせいで父さんに百合マンガが見つかって、それで「そんな変なものは二度と持たないようにうちでかん視する」って言われちゃって。
 正直に真央ちゃんに言ったら自分のせいって思い込みそうだから、言わずに引っ越しちゃった。

 今さらかもだけど、真央ちゃんのせいなんかじゃないからね。
 あたしが女の子を好きなのは、真央ちゃんにマンガを見せられたからとかじゃなくて、元からそういう人間だっただけのこと。
 だから変に思い詰めたりしないでね。

 それとね、もっと今さらだけど伝えたいことがあるんだ。


 大岸茅は、桃山真央のことが好きです。


 可愛いものを見てテンションが上がる真央ちゃんが好き。
 夏祭りのときのかっこいい真央ちゃんも好き。

 なんて、ほんと今さらだよね。
 いつ見つかるか分からない手紙に書いてもどうしようもないのに。

 でも、書きたいことは全部書いたから、この辺で終わるね。
 ばいばい、真央ちゃん。

 大岸茅より

奏(え、え、えっ?)カアアッ

奏(茅お姉ちゃんって、真央さんのことが好きなの?)

奏(うわ、うわーっ。これ見ちゃダメじゃんっ)

奏(……でもそっか、好きな人だから迷惑かけたくなかったのかな)

奏(だから茅お姉ちゃん、家でも真央さんの名前出さなかったのかな)

奏(……私も今手紙で知ったくらいだから、家でも当然黙ってるよね)

奏(……そういえば)

奏(茅お姉ちゃん「も」……なんだ)

奏(茅お姉ちゃんもお父さんとお母さんに生き方を決められてるんだ)

奏(「同性愛はダメ」「お前はピアニストになれ」……否定と強制の違いはあるけど、私と同じ……)

奏(……いや、今はそんなこと考えてる場合じゃないっ。この手紙だよ)

奏(どうしよう……真央さんに見せるべきか、否か……)


安価↓
1、真央に見せる
2、見せない
3、早苗に相談する
4、その他の誰かに見せる、相談する(人物指定)

奏「早苗さん」


早苗「あら。お掃除は終わったのかしら」


奏「はい。それで、クローゼットを掃除してたらこんなものが……」スッ


早苗「手紙? 『桃山真央さん以外の人がこの手紙を見つけた場合、すぐに捨ててください』……」

早苗「これは……そうね~……」

早苗「とりあえず今は見ないでおいて、全部解決したら茅ちゃんに渡してみましょうか」

早苗「読んでほしかったら真央ちゃんに渡すと思うし、読まなくてもいいならこっそり捨てると思うわ~」


奏「そう、ですね」

奏(……読んだことは黙っておこう)


早苗「さ、奏ちゃん。お掃除お疲れ様。休憩にしましょう」ニコッ


奏「あ、はいっ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「……」ズズッ


早苗「コーヒー飲めるのね~……」


奏「ええ……砂糖とミルクは入れますけど……。んく……美味しいです」


早苗「お口にあってよかったわ~」


奏(……そうだ。早苗さんに言ってみようかな)

奏「あ、あの……っ」


早苗「なあに?」


奏「家出のことをサラさんたちに相談したいんですけど、どうしたらいいか分からなくて……」


早苗「あら」

早苗(私じゃなくてサラちゃんたちにね~。思ったよりサラちゃんたちに懐いてるみたい……)

早苗「難しく考えることないわよ。あの子たちなら、どんなタイミングでもちゃんと答えてくれると思うわ」


奏「へ、変に思われませんか?」


早苗「思わないわよ~。現にこうして私には相談のための相談はできてるじゃない?」


奏「たしかに……」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


晩御飯後ーー


サラ「お話、ですか?」


綾子「それって……」


奏「家出のこと……です」


綾子「話しても大丈夫なの?」


奏「はい。お二人になら話してもいいです」


サラ「辛くなったら途中でやめてもいいですからね」


奏「はい。……じゃあ、話しますね」

奏「……って言っても、他の人からしてみたら大したことじゃないと思うんです」

奏「親に、生まれてはじめて反発して。それで自分でも分からないまま家を飛び出したんです」


綾子「反発の原因は?」


奏「私、ピアノを習ってて……でも、親の言うがままにピアノを弾いてきたけど、それが正しいことなのか分からなくなったんです」


サラ「……」


奏「それで『なんでピアノなんて弾かなくちゃならないの』って言ってしまって……喧嘩を」


綾子「私も昔あったなー……水泳が嫌になった時期」


奏「綾子さんはどうやって乗り越えたんですか?」


綾子「んー……私のはちょっと状況が違うかな。親と喧嘩とかしたわけじゃないけど、スクールに行くのがバカらしく思えたんだよ」

綾子「ただまあそれでも行って泳いでるうちに楽しくなって、いつの間にか悩んでたことなんて忘れちゃったけどね」


奏「やってるうちに……」


綾子「ピアノは嫌い?」


奏「ピアノは好きです。……でも、強制されて弾くのは好きじゃない、です」


サラ「……」


綾子「サラ、どしたのさっきから。怖い顔してるけど……」


サラ「……勘違いならごめんなさい。でも……」

サラ「ピアノだけ、じゃないですよね」


奏「っ!」

綾子「どういうこと?」


サラ「ピアノはあくまで喧嘩の原因で……今の悩みはそれよりもっと別の、深いところにあると思うんです」

サラ「家出の話をしてるのに……ごめんなさい、邪推して」


奏「いえ……」

奏(今の悩みが別の場所にある……?)


サラ「奏ちゃん自身も分かってないと思いますが、いくつか質問させてください」


奏「は、はい」


サラ「では。ピアノは続けたいですか?」


奏「……分かりません。今は」


サラ「ご両親と仲直りしたいですか?」


奏「……それは、仲直りはした方がいい……」


サラ「いい悪いじゃなく、したいしたくないで答えてもらえますか?」


奏「わ……分かりません。な、仲直りしても、またピアノを強制されるのはいや、だし……っ! でも仲直りしたくもあって……っ」グズッ


サラ「責めてる訳じゃないですから、泣いても大丈夫ですよ。ただ、最後にもう一つだけ」

サラ「今、自分がどうしたいか、何をしたいか分かりますか?」


奏「わかんな……っ! わかん、ない……ですっ! ひぐ……っ、あたまのなか、わかんないことばっかで……!」


ぎゅっ


サラ「……ごめんなさい、こんなに泣かせるつもりはなかったんです」ナデナデ

サラ「落ち着いてから、ゆっくり話しましょうね」ポンポン


奏「は、はい゛……っ、うう、うぅぅ……!」ボロボロ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


サラ「……」ナデナデ


奏「あ、あのもう……」


サラ「大丈夫ですか?」スッ


奏「っ」

奏「だ、大丈夫です、けど……」ソワソワ


綾子「まだ抱きしめてほしいんじゃない?」


サラ「そうなんですか?」


奏「は、はい……」カアッ

奏「抱きしめてもらえれば、話しやすい……気がします」


サラ「では、後ろから失礼しますね」


ぎゅう……


サラ「ええと、今までの質問から察するに……」


綾子「『今どうするべきなのかも、自分が何をしたいのかも分からない』んだね」


奏「た、多分……そう、です」


綾子「んー……私ならとりあえずピアノは続けるかなー」

綾子「これは私の意見だから聞き流してもいいけど、何かに没頭してる間って悩みから介抱されるじゃない? 私の場合は泳いでるときね」

綾子「だから、ピアノを逃げ道にしてもいいんじゃないかなー、とは思う」


サラ「結論は急がなくてもいいんじゃないでしょうか。ここに居ながらゆっくり答えを見つけても……」


ピンポーン


綾子「誰だろ? ちょっと待ってて」

綾子「はいはーい」ガチャッ


早苗「綾子ちゃん……ごめんなさい」


綾子「早苗じゃん。どったの?」


早苗「先生にできる限り交渉してもらったわ。でも……」


綾子「ああ……やっぱり連れ帰るのか……」


???「こちらです」


???「ああ、ありがとう」


早苗「来たわね……。奏ちゃんのご両親と、担任の先生よ」

奏父「初めまして。奏の父です」


綾子「どうも。琴崎綾子です」ペコリ


奏父「奏と話させてもらってもいいかな」


綾子「……嫌がることはしないであげてくださいね」


奏母「ええ、そんなことはしないから安心して?」


奏父「奏、いるんだろう。まずは顔を見せてくれ」


奏「……」ギュッ


サラ「か、奏ちゃん……手は離した方が……」


奏「……ゃだ」フルフル


奏母「ああ、よかったわ奏……変質者に誘拐なんてされたらどうしようかと……」


奏父「なんだ、その……すまなかった。私達もムキになって、娘と口喧嘩などと……」


綾子(あれ……いい人っぽいぞ?)

綾子(てっきりひどい暴力親とかなのかと……)

綾子「そうだ。ここじゃ狭いですし、場所を移しませんか? この部屋に7人はちょっと……」


奏父「ああ、そうだな。どこか話せる場所……」


綾子「私の行きつけのお店に個室がありますけど……そこでいいですか?」


奏父「そうだな。店の場所は?」


綾子「『華』って名前の料亭で……ちょっと待っててください。一応個室の予約しておきます」タタタッ


奏母「華……って、あの高い料亭かしら……」


奏父「んむ……お金はあまり持ってきていないのだが……」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


料亭「華」ーー


綾子「ここの個室を好きに使ってくれ、だそうです」

綾子「『いつもよくしてくれてるから、何も頼まないでもゆっくりなさってください』とも言ってました」


奏父「そ、そうか……」ホッ


亜利砂「ええと……」


早苗「まずは……そうですね、奏ちゃん?」


奏「はい」


早苗「おうちに帰りたいかしら?」


奏「……今は、綾子さんやサラさんといたいです」


奏父「……そうか」


奏母「あのね、奏。私達もあなたが家を出てから話し合ったのよ」


奏父「こんなに追い詰めてしまうならピアノを辞めさせよう……って」


奏「!」


奏母「だから、ね? 家に帰ってきても嫌なことなんてないのよ?」


奏父「ああ。嫌なことは無理にさせたりしないようにしよう、って」


奏「ち、ちが……」


サラ「奏ちゃん」ギュッ

サラ「大丈夫です。言いたいことを言ってあげてください」ボソボソ


奏「……」グッ

奏「……ちがうっ!!」


奏父「っ!?」


奏母「ど、どうしたの奏……」オロオロ


奏「私はピアノをやりたくないわけじゃなくて……! お父さんやお母さんに言われてピアノをやるのが嫌なの!」

奏「私は……! 私の意志でピアノを弾きたいっ!!」

奏「……」ハアハア

奏(い、今私……何も考えてなかった……)

奏(今のが……本心……?)


サラ「よくできました」ナデナデ


奏父「そうか……」


奏母「ごめんね、奏……私少し泣きそうよ……」ウルウル


奏「な、なんでっ?」


奏母「あんなにいい子にしてたから、本当にやりたいことをやれてるのかって心配はしてたの。本心を隠して私達のために……って」

奏母「でも今、奏が自分の意志でって言ってくれて……うぅ……っ」


亜利砂「び、びっくりしたわ。クラスでもあんな大声出したことないものね」


奏父「分かった。奏がそうしたいならピアノは続けてくれ」

奏父「……だがな、親としては娘が家に帰ってくれないのは寂しいぞ」

奏父「奏が一緒にいたいと言うくらいなんだから、みんないい人なんだろう」


奏「うん」


奏父「それでもな、私は綾子さんたちのことをまだほとんど知らないんだ」


綾子「そうですね」


奏「でも私、綾子さんたちと一緒にいたい……」


サラ「奏ちゃん」ギュッ

サラ「帰ってあげてください。ワタシたちなら白百合荘にいつでもいますから……ね?」ニコッ


奏「サラ……さん」


奏父「もちろんあのアパートに遊びに行くのは止めたりしない」

奏父「綾子さん、サラさん、早苗さん……どうかこれからもうちの娘に構ってやってください」


綾子「はい、もちろんです」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


外ーー


奏「……」


サラ「それじゃあ、また白百合荘に来てくださいね」


綾子「待ってるからね」ナデナデ


奏「あぅ」ワシャワシャ


早苗「そうそう、真央ちゃんも待ってるしね~」


奏父「真央? まだ友達がいたのか」


奏「うん」


奏母「さ、奏。車に乗って」ガチャ


奏「それじゃあ、また」ペコリ


綾子「またね」


バタン


奏「……」テフリフリ


サラ「やっぱり、少し寂しいですね」


綾子「まあ数日とはいえあんなに仲良くなったしね」


早苗「またすぐ来るわよ~」


亜利砂(解決してよかった……)ホッ


奏父「それでは、失礼します」ペコリ


早苗「はい」


ブロロロロ……


綾子「さ、私たちも帰ろうか!」


サラ「はいっ」


早苗「帰ったら真央ちゃんにも話さないとね~」


安価↓から翌日以降のみんなの行動
奏は自由に白百合荘に来ることができます
早苗たちの帰宅後、真央にも奏の問題が解決したことは伝わってます

奏の行動
手紙を茅に渡し、読んでしまったことも伝える
その上で自分の気持ちを抑え込まないでと訴える



奏が茅と遊びたいと駄々をこねる振りをして茅が外出する許しを貰い、共に白百合荘へ向かう

乙、奏の両親いい人だなぁ

茅、意を決し真央に告白するで

真央が奏から茅の家の場所を聞いて、正面突撃しにいく

>>424
>>425
>>426
>>427
を採用します

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ピンポーン


ガチャッ


茅母「あら、奏ちゃん。久しぶりねえ」


奏「お久しぶりです」ペコリ


茅母「茅と遊びに来たのかしら? 上がってちょうだい」


奏「失礼します。茅お姉ちゃんはお部屋ですか?」


茅母「ええ」


奏「それじゃあ、茅お姉ちゃんに会ってきます」テテテッ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


コンコン


奏「茅お姉ちゃん?」


ガチャ……


茅「お……おー! 奏! 久しぶりー!」

茅「……って言っても二週間ぶりくらいか。白百合荘で会ってたもんね」


奏「そう、ですね。二週間ぶりです」


茅「それで、何しに来たの? なんか勉強で分からないとこでもあった?」


奏「違います。この手紙を……」カサッ


茅「え、あ……!」


奏「真央さんには見せてないです。早苗さんにも……」


茅「奏は……見た?」


奏「……ごめんなさい、読みました」


茅「そうかー……まあ、書いてある通りなんだよ。あたしが家に帰らされた理由はさ」

茅「親戚のお姉ちゃんが同性愛者とか……幻滅した?」


奏「いえ……それはないです」

奏「まだ私が恋とか愛とかよく分かってないだけかもですけど……好きになるのってどうしようもないことなんですよね?」


茅「そうだねー。確かにどうしようもないことだ」

奏「それで、えっと。真央さんに会いに行ったりはしないんですか?」


茅「無理無理。白百合荘行くーなんて言ったらまた怒られるし」


奏「行きたくないんですか?」


茅「できることなら行きたいよそりゃ。真央ちゃんに会いたいもん」


奏「じゃあ行きましょうよ」


茅「どうやってさ。今のあたし、家出るのも簡単じゃないんだよ?」


奏「どうって……私を利用してください」


茅「?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「お、お母さん」


茅母「なあに?」


茅「奏と外で遊んできていいかな。久しぶりに」


茅母「いいわよ、もちろん。奏ちゃん、茅のことよろしくね?」


茅「はい。行きましょう、奏お姉ちゃん」


ガチャッ バタン


茅「マジで行けたし……」ホッ


奏「私が茅お姉ちゃんと真央さんのこと知らないと思ってるんでしょう」

奏「さぁ、大チャンスですよ。会ったらちゃんと言いたいことを言ってあげてくださいね」


茅「お、おうっ!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


白百合荘8号室ーー


真央(あれから何日か経つけど……まだ奏ちゃんは来ない)

真央(ど、どうしよう。奏ちゃんに茅ちゃんのおうちを教えてもらったらもちろん家に行くけど……)

真央(両親をどうにか説得しないと、茅ちゃんは一生好きなように生きられないんだよね。うあー、大役だよー……)


ピンポーン


真央「!! は、はーい!」


ガチャッ


奏「お久しぶりです、真央さん。それと……」


茅「ご、ごめん……」


真央「か、や……?」


茅「来ちゃった……」


ぎゅうっ


真央「茅ちゃんだ……! 茅ちゃん……!!」ギュウウウ


茅「く、苦しいよ真央ちゃん」


真央「うっさい……少しくらい黙って抱きしめられててよ……」


茅「……うん、黙ってる」ナデナデ


奏「こ、こほんっ」

奏「茅お姉ちゃん、私は少し外してますから、真央さんと好きにお話ししててください」


茅「うん。ありがとね、奏」


奏「いえ。白百合荘の方にはお世話になったのでこれくらいは」


茅「ね、真央ちゃん。一回部屋に入れてくれる?」


真央「うん……」ギュウウウ…


茅「……」ナデナデ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


部屋の中ーー


茅「落ち着いた?」


真央「うん」


茅「じゃあ、えっと……まず謝るね。……ごめん」

茅「何も言わず出てって……ほんとにごめん」


真央「……うん」


茅「でも、また会いたくて……会いたくてどうしようもなくなって……」


真央「ほんとに自分勝手すぎだよ、茅ちゃん……」


茅「うん」


真央「でも、いいよ。真央も会いたかった。会えた。だから許す」


茅「ありがと。優しいね、真央ちゃん」


真央「真央に会うために無理して来たんでしょ? 軟禁されてるとか聞いたもん」

真央「そこから抜け出してでも会いに来てくれた、っていうのはやっぱり嬉しいし」


茅「……真央ちゃん」


真央「うん?」


茅「あたしね、真央ちゃんのことが好き」


真央「うん……ありがとう?」


茅「……」


真央「?」キョトン


茅「……伝わってる?」


真央「え、うん。好きって今……」

真央「……?」

真央「え、あ、す、好きって……好き!?」


茅「うん」


真央「それって友人としてとかじゃなくて……」


茅「れ、恋愛的な意味で……」

真央「そっ、か」


茅「うん。だからね」


真央「だから、会いたかった?」


茅「……ん」コクッ

茅「会いたくって泣いちゃう程度には……真央ちゃんのことが好き」


真央「それなら、真央も」

真央「会いたくて泣いたし、取り乱したし、奏ちゃんに迫りすぎて取り押さえられたりもした」


茅「それって、自惚れてもいいのかな」


真央「いいんじゃないかな」


茅「……ならさ、真央ちゃん。ぎゅってしていい?」


真央「いいよ、どんとこい」


ぎゅっ


茅「ま……真央ちゃん、好き。大好きだよ」


真央「真央も。茅ちゃんのことが大好き」


茅「あは、嬉しいな……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真央(あれ)パチッ

真央(真央、寝てた?)

真央(茅ちゃんとぎゅってしてたら、今までの疲れがきて……)

真央(うとうとしてたら茅ちゃんが「寝ていいよ」って……)

真央「茅ちゃん……」ムクッ

しーん……


真央「茅……ちゃん……」

真央「茅ちゃん!」ダッ


ガチャッ!


真央「くそ……くそ……!」

真央(また、勝手に消えた……!! 茅ちゃんのバカ! 真央の大バカ!!)


ピンポンピンポーン


真央「あまつかさん! あまつかさん!」ドンドン!


ガチャッ


早苗「な、なに!? どうしたの!?」


真央「茅ちゃんは!?」


早苗「み、見てないけれど……まさか来たの?」


真央「来た。奏ちゃんが連れてきて……さっきまでうちに」


早苗「なら奏ちゃんを探せば……奏ちゃんは?」キョロキョロ


真央「少し外すって言って、最初からいなかったよ」

真央「もしかしたら二人とも帰っちゃったかも……」


早苗「そうね……その可能性もあるかもしれないわ。でも、とりあえず探した方がいいところは検討がつくわよ」


真央「?」

白百合荘5号室ーー


ピンポーン


サラ「はい?」ガチャッ


早苗「こんにちは~」


サラ「あ、天使さん。こんにちは」ペコリ


早苗「早速で悪いんだけど……奏ちゃんって来てるかしら~?」


サラ「はい、来てますよ。奏ちゃん」


奏「はい」トテトテ


真央「奏ちゃん!」


早苗「真央ちゃん、落ち着いて。奏ちゃんは逃げないから」


真央「う……はい」


奏「どうしたんですか? 茅お姉ちゃんは……」キョロキョロ


真央「また……消えたの。真央が寝ちゃって起きたら……もう」


奏「ふむ……」

奏「じゃあ、茅お姉ちゃんのおうちに行きましょうか?」


早苗「!」


真央「い、いいの?」


奏「私は今そうすべきだと思ってます。それが、真央さんだけじゃなくて茅お姉ちゃんにも必要だと」


真央「こ、この子ほんとに真央より一回り以上年下なの? しっかりしすぎじゃない?」


奏「そう言ってもらえると嬉しいですね」


早苗「え、ええっと……」オロオロ

サラ「あ~……こほん」

サラ「まずは現状を整理しましょう。皆さん一度お部屋にお入りください」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「……そして現在に至る、というわけ~」


サラ「なるほど、お二人の話も聞きましたし一度まとめてみましょうか」

サラ「順を追って整理します」


1、同性愛の本を真央さんが茅さんに貸し出した

2、それを受けて茅さんは自身が同性愛者と自覚

3、自分でもその類の本を集めることを始める

4、そして夏休み中、それをお父さんに見つかる

5、激昂した父の手により、茅さんはご実家に軟禁

6、その少し後に奏ちゃんが家出

7、茅さんの家を知るために、まず奏ちゃんの問題を解決

8、無事解決したため、奏ちゃんが茅さんをここに連れてきた

9、そして今日、再び現れた茅さんは真央さんの気づかないうちに消失(おそらく帰宅)


サラ「まず第一に考えるべきことは、茅さんと呼ばれる方の自宅に向かうかどうかですが、これは……」


真央「行くよ、当然」


サラ「はい、当然ですね。……ただし問題がひとつ」


早苗「茅ちゃんのご両親をどう説得するか……」


サラ「その通りです」


奏「そんなの言いたいことを言えば……」


早苗「奏ちゃんのご両親はそれでも良かったけど……。きっと茅ちゃんの方はそうもいかないのよ」


奏「……難しい」

真央「……少し時間かけて考えないと難しいかな」


早苗「そうね~」


サラ「他の住人の方にも協力してもらいましょう!」


奏「私もできることはします」


真央「うん。ありがとうね、みんな」


安価↓から茅両親の説得方法
それ以外にも各住人の行動

久しぶりなので>>436に今までの流れをまとめてあります
参考にしつつ説得方法をお考えください



茅の両親は頭ごなしに否定してるっぽいし言葉の通用する相手と思えないから
キスするなり、(本心かはともかく)プロポーズするなり力技での混乱に乗じて強引に認めさせるような、突飛なやり方しか思い付かん

両親が心配してるのは世間によく見られないだろうって辺りだと思う
その親心が娘の幸せを否定してるんだ、と面と向かって伝えるとかかな

そんなことになってるとは露知らず、渚と理緒のイチャラブデート
途中で凪沙ばったり会うハプニング

奏いわく同性愛に理解がないだけで基本家族仲は良好かつとても良い両親らしいしやっぱり茅自身が本当の気持ちを話して理解してもらうしかないんじゃないかな

同性愛の性癖は元々あって本の影響からみたいな軽い気持ちじゃなく今までは悩みながら隠してきたこと、真央と一緒に真央の部屋にいる時が一番自分らしくいられること、同性愛とかキモいみたいに言われたこともあるけど渚や理緒には同性愛でも応援すると言われて嬉しかったこと、ここ一週間の真央に会えない間は何回も泣く程辛くてそれだけ真央のことが本気で好きなこと等、話し合いの場を設けてこのへんのことを改めてきちんと話した後真央からも茅への思いを両親にぶつける
両親と面識のある奏も白百合荘の住人は良い人達ばかりで皆さんきっと応援してくれるし助けになってくれるはずと話す
あとは両親だからこそ他人にはあまり打ち明けられないであろう茅の同性愛に向き合ってあげるべきで問答無用で軟禁なんて全否定は間違ってると指摘するとか

>>442
を採用し、いよいよ茅の親との対決になります

>>404
>>440
>>441
>>443
などを参考にしつつ進めていきます

渚サイドーー


駅ビル内の雑貨屋ーー


理緒「なぎさー」


???「?」クルッ


渚「なんですか、理緒さん」テテテッ


理緒「これ。可愛いよ」


渚「わあ……! もふもふしてますね!」モフモフ


理緒「うん。イヌ? のぬいぐるみなんだって」


渚「イヌですか? うーん……クマっぽくないです? これ」モフモフ


???「ねえ、今なぎさって……」


理緒「え……あ」

理緒「なぎ……さ」


???「やっぱ理緒だ!」


渚「ど、どちらさまですか?」


理緒「えっと……凪沙、って言えばわかる?」


渚「凪沙……あのなぎささんですか?」


理緒「うん」コクッ


凪沙「どーも。そっちは?」


渚「えと、澄野渚といいます」ペコリ


凪沙「なぎさ、ねえ……ふーん……」


理緒「な、なに……」


凪沙「次はその子?」


理緒「な……っ」


凪沙「渚さん、あんまりこの人の近くにいると大変だよ? 頼み事ばっかしてくるし、めっちゃ構ってオーラ出してくるし」

理緒「渚……」


渚「それ、いつの話ですか」


凪沙「中学のときだから……5年くらい前かな」


渚「そんな前の話を今しないでください」

渚「理緒さんは昔とは違います」キッ


凪沙「……へえ」


理緒「な、なぎさっ」アセアセ


渚「凪沙さん、よかったら今から一緒に歩きませんか? 今の理緒さんは昔とは違うって知ってください」


凪沙「いいよ。理緒が今どんなんなのか個人的に気になるし、それにあなたにも興味出てきたから」


渚「理緒さん、いいですよね」


理緒「うん、いいけど……」


凪沙「……で、ずっともふもふなイヌのぬいぐるみを持って凄んできたけど、それは買うの?」


渚「な、あっ」カアアアッ

渚「か、買います……」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


凪沙「つまり、お隣さんのよしみで仲良しなわけだ」


渚「はい。理緒さんにはよくしてもらってます」


理緒「……」テコテコ


凪沙「しかし頼み事しなくなったってのはびっくり。昔ほんとすごかったんだから」


渚「昔の理緒さんってどんな子だったんですか?」


凪沙「いっつも私の後ろ歩いて「なぎさぁ、なぎさぁ」って言ってた」


渚「それはちょっと見てみたかったですね」


理緒「……///」テコテコ


凪沙「逆に最近の理緒はどうなの?」


渚「うーん……頼み事をするのに勇気が要るらしくて、普段はクールなんですけど、頼み事する時だけは小動物みたいになりますね」


凪沙「はー……私の一言でそんなになるまで思い詰めてたのか……」

凪沙「理緒ー、そんな離れてゆでだこになってないでこっちきてー」


理緒「……///」テコテコ


凪沙「理緒、昔あんなこと言ってごめんね。まさか頼み事するのも一苦労いるようになるだなんて思ってなかった」


理緒「いいよ、そのおかげで渚と仲良くなれたようなもんだし……」


凪沙「それならよかった」

凪沙「渚さんいい人みたいだし、私みたいなことにならないようにね」コショコショ


理緒「……うん」コクッ

凪沙「さてと、理緒のことは分かったし、もう帰ろうかな」


渚「え、帰っちゃうんですか?」


凪沙「そもそも最初は理緒と渚さんが二人だったわけだし、あんまり邪魔したくないからね」

凪沙「あ、そだ。私この駅ビルの地下にある喫茶店でバイトしてるんだ。よかったら今度遊びに来てよ」


渚「はい、ぜひ。また昔の理緒さんの話聞かせてくださいね」


理緒「な、なぎさ。私の話はもういいよ」


凪沙「来てくれたら話してあげる。それじゃね!」タタタッ


渚「行っちゃいましたね」


理緒「うん。……よかった、変なムードにならなくて」


渚「いい人みたいでしたけど……」


理緒「凪沙がいい人だから私も依存しちゃったんだろうね……。うん、いい人だよ、ほんと」


渚「また会えるといいですね」


理緒「昔の話をされるのは勘弁だけどね」アハハ

白百合荘ーー


ピンポーン


真央「はーい?」ガチャッ


渚「桃山さん、お久しぶりです」ペコリ


真央「おー、渚ちゃん! どしたの? あ、中入って」テクテク


渚「えと、そのですね……」ゴソゴソ

渚「これ、プレゼントです」


真央「か……っ! かわいい! なにこのぬいぐるみ! イヌ!? クマ!?」モフモフ


渚「イヌらしいです、一応」


真央「可愛いよう……」モフモフ

真央「……って、なんでプレゼント?」


渚「えっと……耳貸してください」


真央「?」


渚「桃山さんのおかげで理緒さんとお……お付き合いできることになったので、そのお礼です」コショコショ


真央「お、おおー!」

真央「……真央のおかげ?」ハテ


渚「相談に乗ってもらったじゃないですか。あれ、とても助かりました」


真央「そういえばそうだったねえ……」

真央「あ、そだ。それならさ、ちょっと話聞いてもいい?」


渚「なんでしょう?」

真央「親に自分は同性愛者だって言った?」


渚「いえ……」


真央「じゃあさ、バレたとしたらどうする? なんて言う?」


渚「真央さん、まさかこの百合漫画のことバレたんですか?」


真央「ああいや、真央のことじゃないんだけどね。そもそも真央の親はそういうの別に気にしない人だし」

真央「ただ茅ちゃんの方がバレて今大変で……」


渚「お、大岸さんがですか……うーん……」

渚「説得はダメなんでしょうか?」


真央「難しいと思う。同性愛はダメ! って否定されてるみたいで」


渚「両親ともですか?」


真央「え? あ、うーん……話を聞いた限りはどっちもな気がするなー」


渚「両親どちらもが明確に拒否反応を示すっていうのも珍しくないですか?」


真央「どゆこと?」


渚「つまり父、あるいは母どちらか一人だけなら説得の余地はある気がするということです」

渚「いくら夫婦と言えども、全てのことで共通の見解を示すことはないと思うので」


真央「なるほど……」


渚「あとはそうですね、私が親に言うときは自立できてからだと思います」

渚「理緒さんと二人で暮らしていけることが証明できれば、お母さんたちにダメだと言われても最悪駆け落ちでもしてどこかで暮らせますからね」

渚「……できることなら応援してほしいですけど」

真央「なるほどなるほど……」フムフム


渚「お役に立てましたか?」


真央「うん、すっごく!」


渚「それはよかったです。……そういえば、大岸さんは今すでに好きな方やお付き合いしてる方がいるんですか? バレたということは」


真央「えと……真央」


渚「?」


真央「……真央のことが好きみたい」カアアアッ


渚「知ってるってことは告白されたんですか?」


真央「……」コクッ


渚「それで、桃山さんは……」


真央「真央も好きだよって言った……」


渚「あら」

渚「桃山さんは前「混ざるんじゃなく見るのが好き」と言ってましたけど……」


真央「そ、そういえばそうだね」

真央「でも、なんだろ。もうそんなんじゃないんだ。そんなポリシーなんてどうでもよくなるくらい、茅ちゃんのことが好き」


渚「ふふ、聞いてるこっちが恥ずかしくなりそうなセリフですね」


真央「うう……」カアアア…


渚「それをしっかり大岸さんや大岸さんのご両親に伝えてあげるのがいいんじゃないですか?」

渚「そしたら……きっと理解してもらえると思いますから」


真央「……うん、ありがと。すごく参考になったよ」


渚「それは何よりです。大岸さんとのこと、応援してますね」


真央「うんっ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


数日後ーー


真央「すー……はー……」


奏「大丈夫ですか? できるだけ早くとは言われましたが……こんな早くに話し合いをしなくても」


真央「一日でも早くしなきゃ茅ちゃんが苦しむ時間が伸びちゃうでしょ」


奏「……ごもっともです」

奏「……では」


ピンポーン


「はーい」


出たのは? 安価↓コンマ2桁
01~80 母親
81~95 茅
96~00,ゾロ目 ???

茅母「はーい」ガチャッ


真央「あ、あの真央……じゃない、私、大岸茅さんの友人で……」


奏「私の友達でもあって、茅お姉ちゃんに会いたいそうです。なので連れてきました」


茅母「そうなの。上がってちょうだい」


真央「お、お邪魔します」


茅母「茅の部屋は……」


真央「あ、いえ、その前に……」


茅母「?」


真央「茅さんのことについてお話しがあります」


茅母「な、なにかしら?」


真央「茅さんの……恋愛の対象についての話です」


茅母「……そう。貴女は知ってるのね」


真央「はい。そのことについてお話しを……」


茅母「こちらへいらっしゃい。廊下で立ち話するようなことでもないでしょう」


真央「は、はいっ」

茅母「さ、座ってちょうだい」


真央「失礼します」ストン


奏「……」ストン


茅母「奏ちゃんも驚いてないところを見るに、知ってたのかしら?」


奏「はい」コクッ


茅母「そう……」

茅母「それで、真央さん、だったかしら」


真央「はい」


茅母「貴女は茅のどういった友人なのかしら」


真央「茅さんがこの間まで住んでいた白百合荘の住人で、よく部屋を行き来していました」


茅母「そうなの。それは娘がお世話になりました」ペコリ


真央「あ、いえそんな。頭なんて下げないでください」


茅母「でも、謝らないとね。急に娘をまたうちに帰らせちゃって……別れの挨拶もできなかったでしょう?」


真央「それは……はい」

真央「でも、いいです。事情が事情ですから」


茅母「そう。それじゃあ茅のことだけれど……」


真央「ごめんなさい!」ガバッ


奏「!?」


茅母「?」


真央「きっかけは私なんです!」

茅母「どういうことかしら」


真央「私が……私がそういう本を貸したんです」

真央「それで、茅さんは同性愛に対して興味を持って……」


茅母「そう……」


真央「……」ドキドキ


茅母「……私はね、同性愛に変な偏見は持ってないつもりなのよ」

茅母「だから、貴女のことを責めたりはしないわ」


真央「ほ……ほんとですか!」


茅母「ええ。実を言うと私女子校出身で……その、先輩と付き合ってたこともあるのよ」


奏「じゃあなんで茅お姉ちゃんを閉じ込めてるんですか」


茅母「それは旦那が同性愛を許せない人だからよ」


真央「なら旦那さんを説得して……」


茅母「しようともしたわ。でもその話になると頑固そのものでね」

茅母「旦那が『精神病かなんかじゃないのか』なんて怒鳴るから、私も『だったら精神科にでも連れて行きましょうか』って叫んだり」


真央「てことは……味方?」


奏「ニュアンス的には……そうかもしれません」

真央「じ、じゃあ! 旦那さんを説得するチャンスをください!」


奏「私からもお願いします!」


茅母「いいけれど……茅の友人というだけで耳を貸すかしら」


真央「それは……」


奏「目の前でキスでもしてみますか?」


真央「ん゛っ!!?」


茅母「あはは! それいいかも!」


真央「ち、ちょっと!」


奏「キスは冗談にしても、それくらいの強引さは必要だと思いますよ」


真央「そうだけど……」


茅母「そうだ。ここまでしてくれるってことは貴女……」


真央「?」


茅母「茅のこと好きなの?」


真央「は……はいっ、好きですっ」


茅母「そう……」ジッ


真央「……」タジッ


茅母「貴女のことはまだよく知らないけど、貴女に賭けてみるしかないわよね」フウ

茅母「うちの娘のことをよろしくお願いします」ペコリ


真央「……はい! 任せてください!」

真央(よ、よし! 渚ちゃんの言うとおり、母親は説得できた!)

真央(残るは本丸……父親だけだ)


安価↓から
茅の父親を説得する方法の最終安価
話し合いに同席予定なのは
真央、茅、奏、茅母、茅父
の五人です

コンコン


ガチャッ


茅「?」


真央「茅ちゃん!」


茅「うわ!? 真央ちゃん!」


真央「なんでこの間勝手に帰ったの!」


茅「いや、それはその……やっぱりお父さんが怖くて」


真央「……わかった、そういうことにしとく」

真央「それより、今日が山場だからね」


茅「なんの話?」


真央「今日、茅ちゃんの両親を説得する。まあお母さんの方はもう説得できたけどね」


茅「そ、それ本当!?」


真央「うん。だから今夜上手くいけば茅ちゃんは晴れて自由の身になれる」


茅「じ、実感湧かないよ……」


真央「まだ成功するか決まったわけじゃないからね」

真央「そうだ。ものは相談なんだけど……真央にキスできる?」


茅「きっ! き、キス!?」


真央「真央は茅ちゃんとならできる。というかしたい」


茅「あ、あたしもしたいけど……」

真央「じゃあさ、もしお父さんを説得する中でキスが必要な場面になったら……」


茅「す、するの?」


真央「うん。茅ちゃんが同性愛者だって分かる一番手っ取り早くて、尚且つ説得力のある行為だと思うから」


茅「……わかった」


真央「よし。じゃあ今日のところは夜まで待機……」クイッ


茅「……」


真央「茅ちゃん? 袖掴んでどうしたの?」


茅「するのはいいけど……初めてが親の前でとか……ヤだ」


真央「か……っ」キュウウウ

真央(可愛い!!!!!)


茅「初めては二人きりがいい……」


真央「わ……分かった。いいよ」


茅「……真央ちゃん、好きだよ」クイッ


真央「うん、真央も……」ドキドキ


茅「……っ」


ちゅっ……


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

夜ーー


茅母「あなた」


茅父「ん?」


茅母「茅のことで、お話があります」


茅父「……俺が話すことはない」


茅母「あなたになくても、茅の友達にはあります。……入っていいわよ」


ガチャッ


真央「失礼します」ペコリ


茅父「……ふん」


茅「……」


奏「……失礼します」


茅父「奏ちゃんと……そっちは?」


真央「桃山真央といいます。前に白百合荘で茅さんと仲良くさせていただいていました」


茅父「……話を聞くくらいならしてやる」


真央「ありがとうございます」

真央「では手短に申しますが……『茅さんを束縛するのをやめてあげてください』」

真央(ダラダラ時間をかけるのはダメだ。話を聞く気がある内に畳み掛けないと……!)

茅父「……我が家の教育方針に他人が口を出すのかね」


真央「おかしいと思えば」

真央「……では聞きますが、その教育方針に奥様や茅さん本人は賛成しているのですか?」


茅父「……」


真央「茅さん」


茅「あ、あたしは……やだ。毎日ずっと監視されてるみたいなんだもん」


真央「……だそうです。そもそも監視の目的は同性愛に関係するものを茅さんに近づけないためだと思いますが……『治りませんよ、これは』」

真央「生まれつき、そういうものだから。治す治さないではないんで」


茅父「黙れ」

茅父「世間一般にしてみれば同性愛は異常なことなんだ。それを正すのは親の役目だろ?」


真央「それは親のエゴです。同性愛は異常なことじゃない」


茅父「……お前になにが分かる。娘が同性愛者などと周りにバレたら……」


真央「なにか不都合が?」


茅父「その親まで白い目で見られかねんだろう」


真央「……ふっ」

真央「『他人から白い目で見られるかもしれないから娘に生き方を強制する』? それこそ親としては最低なんじゃないですか?」

真央「自分のために娘を犠牲にしているだなんて知られたら、それこそあなたは世間から後ろ指を指されることになる」


茅父「黙れッ!! 同性愛者は子を成せない! 孫娘を見られない親の不幸がお前に分かるか!?」


真央「知らないよ! 親が幸せになりたいからって子供に不幸せを強制するのは間違ってる!」

真央「茅が好きでもない人と結婚して子供を産むのと、好きな人と一生を添い遂げるのはどっちが親にとっての幸せなんだ!!」


茅母「……私は茅が好きな人と付き合えるならそれが幸せよ」


茅父「お前……」


奏「私の両親だって、もし仮に私が同性愛者だったとしても祝福してくれます。そこに明確な自分の意志があるなら、それを応援してくれるのが親だと思いますから」


茅父「奏ちゃんまで……」

茅父「……」

茅父「……お前はどうなんだ、茅」


茅「……あたしは、今は真央ちゃんといるのが幸せ」


茅父「……俺はな、今でも同性愛者の存在が信じられないんだ」

茅父「今までそんなことを考えたこともなかった。だからもし今までのことが嘘だと言われたらそれこそ信じる」

茅父「茅は普通に男の人が好きです、今までのは思春期特有の思い込みです。そう言ってくれるのをまだ心のどこかで期待してる」

茅父「だが……もし、もしもだ。もし本当に桃山さんといることが幸せだと言うなら……」


茅「……いいよ。証明してあげる」

真央「……」コクッ


茅「……ちゅっ」


真央「んっ」


奏「!!」キャー


茅母「あら」


茅父「……そうか」

茅父「茅は本当に、女の子が好きなんだな」


茅「うん」


茅父「すまない。桃山さん、奏ちゃん。少し席を外してくれないか?」


真央「っ」ピクッ


茅父「家族だけで少し話しがしたい」


茅母「大丈夫よ。今度は私も茅の味方だから」


茅「ごめん、真央ちゃん。少しだけ……」


真央「……分かりました。奏ちゃんと待ってます」


バタン


真央「ーーーーーっはぁ~~~……」ズルズル

真央「怖かった……」


奏「私、全然会話に入れませんでしたよ。真央さんの話し方がとても上手でしたから」

奏「援護しようとも思ったんですが、不要でしたね」


真央「いやーもう必死で……でもなんか思ったよりもあっけなかったなあ……」


奏「現実なんてそんなもんです。ドラマや小説みたいな長引く言い合いなんてそうそうないですよ」


真央「そんなもんかー……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


◆◆◆◆◆◆◆


◆◆◆

すみません
ちょっと用事ができて席を外してました
続き投下します

バンッ


真央「な、なに!?」タタタッ


奏「い、今の音なんですか!?」


茅母「あ……二人とも」


真央「茅ちゃんは!? 茅ちゃんはどうしたんですか!?」


茅母「落ち着いて。茅はもう大丈夫よ」


奏「それって……!」


茅父「聞かされたよ……全部」

茅父「あいつは……昔から悩んでたんだな」


茅母「それで、もう好きに外に出てもいいし、好きに生きていいよって話をして……」

茅母「そしたら喜んで……」


真央「まさか外に?」


茅母「……ええ」


真央「……ふふっ」


奏「茅お姉ちゃんらしい……」


真央「探してきます!」


茅父「桃山さん」


真央「?」クルッ


茅父「……茅のことを、頼みます」


真央「……はい! 任せてください!」


ガチャッ


たったった……

茅「はぁっ、はぁっ」タッタッ

茅(こんな時間に外に出るなんて……大して久しぶりでもないのに嬉しいな)タッタッ

茅「はあ……はあ……」ピタッ

茅「あれ、ここどこだ? 夜だから暗くてよく分かんない……」

茅(スマホで地図を……)スカッ

茅「……あっ」サーッ

茅(テンション上がりすぎてスマホ家に忘れてきた……!)

茅(え、ヤバい。普通にマズい。どうしよう、どうしたらいいの!?)

茅(とりあえず引き返して……)


???「……」スタスタ


茅「ひっ」

茅(いや、普通の人だ。普通の人……。なにを怖がってるんだ大岸茅!)

茅「よしっ」ザッ


野良猫「にゃあお」


茅「ぴっ……!」

茅(ね、猫! ただの猫!)バクバク

茅「……」キョロキョロ

茅(こ、怖い……)


たったった……


茅(なに!? 今度はなに!?)


真央「茅ちゃん……見つけた……!」ハアハア


茅「へ……真央……ちゃん?」キョトン


真央「女の子がこんな時間に一人で外に出ちゃダメでしょー……」ハアハア


茅「探しに来てくれたの?」


真央「まあね……探しものは得意だし……ふう」


茅「どうしよう……真央ちゃんめっちゃかっこいい……」キュンキュン


真央「へ?」

茅「なんで迷子になる度に見つけてくれるのさー……もー……」


真央「……はぐれないように手繋ごっか?」


茅「……うん」ギュッ


てくてく


真央「……ねえ、誰も見てないよ」


茅「……うん」


真央「二人っきりだよ」


茅「うん」


真央「もう少しで家に着いちゃうよ」


茅「うん」


真央「……」


茅「……」グイッ


真央「おっと」ヨロッ


茅「帰る前に一回だけ……」


真央「ん。いいよ」パチッ


茅(真央ちゃん……あたしのために親と話して、走って迎えに来てくれて……)

茅「……ありがと」


ちゅうっ

今日はここまで
次からはこちらで用意した固定イベントを2つほどこなして9月が終わりとなります

水泳大会会場ーー


ガヤガヤ ガヤガヤ


サラ「意外と人多いんですね……」


奏「曲がりなりにも全国から強い人が集まってますから、観客も多いんだと思います」


サラ「こんなたくさんの人に見られながら綾子さんは泳ぐんですねえ……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


観客席ーー


早苗「綾子ちゃんは平泳ぎ100メートルに出るから、もう少しかかるわね~」


サラ「そういえば……本人に聞くのはどうかと思って聞かなかったんですけど、綾子さんのタイムってどうなんですか?」


早苗「そうね~……」ウーン


奏「あ、ありました」スマホポチポチ

奏「前回大会の記録、1位1分5秒97。2位1分6秒21。3位1分6秒92。そして4位が綾子さんで1分7秒04です」


サラ「ギリギリ負けちゃったんですね……」


早苗「あら……でも確かサラちゃんが来る前に『7秒切れた』とかなんとか……」


サラ「ということは勝てるかも知れないんですね!」


奏「頑張ってほしいですね……応援はたった3人ですけど、一生懸命応援しましょう」


サラ「はい、もちろんです!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


アナウンス『成年女子100メートル平泳ぎの予選を開始します』


サラ「来ました!」


早苗「全部で3組あって、綾子ちゃんは1組目みたいね~」


綾子「……」


奏「さすがに怖い顔してますね……」


サラ「緊張してるんでしょうか」


綾子「……」スッ


アナウンス『用意』


綾子「……」グッ


ピーッ!


サラ「頑張れー! 綾子さーん!」


早苗「頑張って~!」


奏「頑張れー!」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


綾子(体が軽い)

綾子(今日は調子いいぞ……!)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ぱしっ!


サラ「い……! 1位です! 綾子さんすごい!」


奏「タイムは……」


早苗「1分6秒20!」


サラ「すごく早いじゃないですか!」


早苗「これなら決勝にもいけるわね~」


サラ「あっ……」

サラ「そ、そうでした。これは予選でしたっ」


奏「残り2組が終わるまでは確定ではないですが、ほぼ間違いなく大丈夫だと思いますよ」

サラ(2組目、3組目と終わり、当然綾子さんは決勝へ)

サラ「き、緊張しますね」ドキドキ


アナウンス『成年女子100メートル平泳ぎの決勝を開始します』


奏「去年綾子さんより早かった3人はみんな決勝に来てますね」


早苗「やっぱり強いのね~……」


綾子「……」


アナウンス『用意』


綾子「……」グッ


ピーッ!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


綾子(……)

綾子(ああ)

綾子(応援が聞こえる)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


サラ「あやこさんっ! がんばれーーーっ!!」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


綾子(去年は来てくれたの早苗だけだったもんな)

綾子(会ってまだ1月足らずの他人同士なのに)

綾子(サラがあんなに声を張り上げてくれてる)

綾子(勝ちたい、な)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ぱしぃっ!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


◆◆◆◆◆◆◆


◆◆◆

早苗「お疲れさま~」


綾子「うん、ありがと」


奏「あ、これお水です。どうぞ」 


綾子「ありがと。助かるよ」ゴクゴク

綾子「……ふう」


奏「……サラさん」


綾子「もー、いつまで泣いてんのさ」フフッ


サラ「だっであや゛こさんが~……!」


綾子「うん。2位だった」


奏「月並みなことしか言えませんけど、その、凄かったです」


早苗「サラちゃんは綾子ちゃんが勝てて嬉しいのよね~?」


サラ「はい゛……」コクコク


綾子「あれだけ調子よくっても2位なんだもんな……やっぱ代表選手は強いね」


早苗「今は1位になれなかったことを悲しむときじゃないと思うわ~」

早苗「2位になって泣くほど喜んでくれてる子がいるんだもの。ほら、胸を張って」


綾子「……うん」


ぎゅっ


綾子「サラ。私のためにあんなに応援してくれてありがとうね。プールまで聞こえたよ」

綾子「それに、サラの応援で勝ちたいって思えたし、実際に勝てた。2位になれたのはサラのおかげ」

綾子「だからさ、その。また応援しに来てくれないかな? 来てくれたらすっごく……嬉しい」


サラ「いきます……っ、絶対にいきますっ」エグエグ


綾子「そか。よかった」ニッ


奏「……」モヤッ

奏(……?)


早苗「さ、じゃあみんなで帰りましょーっ」オーッ


綾子「おー! ……ってサラ大丈夫? 手繋ごうか」ギュッ


サラ「ありがとうございます……」エグエグ


奏「……」モヤモヤ

奏(また……)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


白百合荘ーー


早苗「というわけで!」


綾子「無事に2位入賞することができました!」


真央「おおー!」パチパチ


早苗「というわけで今日はパーティーよ~。たくさん料理作ったから、どんどん食べてね~」


亜利砂「あの……私も来てよかったんですか?」


早苗「もちろんよ~。これはね、綾子ちゃんのお祝いと、私のお祝いでもあるの」


亜利砂「というと?」


早苗「誕生日なのよ~。私が」


亜利砂「え……あ……」


早苗「それで、お酒を呑む相手が欲しくて……迷惑だったかしら?」


亜利砂「そ、そんなことありません! ありがたいお誘いです!」


真央「まあ正確には今日が誕生日じゃないけどね。来週じゃなかったっけ」


早苗「せっかくだから私もみんなに祝ってほしいもの~」


渚「お誕生日だったんですね。おめでとうございます」


早苗「歳は取りたくないけどね~」

茅「いくつになるんだっけ?」


真央「こら。失礼だよ」


早苗「いいのよ。そうね~……今年で27ね~」


亜利砂「っ!」


綾子「いいからご飯食べようよー。冷めるよー?」


早苗「そうね。じゃあ……」

早苗「綾子ちゃん!」


綾子「それと早苗も!」


早苗「おめでとー! かんぱーい!」


全員「かんぱーい!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

茅「あ、これ美味しい」モグモグ


真央「ほんと?」


茅「ほら、あーん」


真央「あむっ……むぐむぐ。確かに美味しいねえ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「……」ポヤー


渚「り、理緒さん?」


理緒「んう……?」


渚「っ! よ、酔ってますね理緒さん」

渚(雰囲気がエロい……)ドキドキ


理緒「かも……。お酒やっぱ苦手ぇ……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


サラ「綾子さん、これでいいです?」ヨソイヨソイ


綾子「おお、いいね。ありがと」


奏「さ、サラさん。私のもお願いします」


サラ「はいっ」ニコッ

サラ「ええと……これでどうでしょう」ヨソイヨソイ


奏「あ、ありがとうございますっ」マンゾク-


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「それじゃあ……」


亜利砂「はい。お誕生日には少し早いですが……おめでとうございます」


早苗「ありがとう。……乾杯」


カチンッ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚「それじゃ、理緒さん連れて戻りますね……立てますか?」


理緒「ん……抱っこぉ……」


渚「無理ですよっ。肩貸しますから頑張ってください!」


理緒「んぅー……」ヨタヨタ


バタン


茅「それじゃ、あたし今日は真央ちゃんのとこ泊まってくから」


真央「うん! 料理美味しかったよ、ありがとうね!」


バタン


サラ「それじゃあワタシは奏ちゃんを送ってきますね」


綾子「サラだけじゃ帰りが危ないし、私も行くよ」


奏「はい……お願いします……」ウトウト


サラ「眠いのですか?」


奏「いつも9時くらいに寝るので、眠くなってきちゃいました……」ウトウト


サラ「それじゃあ急がないとですね」


綾子「それじゃね早苗! パーティー楽しかったよ!」


バタン

早苗「二人きりですね~」


亜利砂「ですね……」


早苗「あ、明日は日曜日ですけどお仕事とか……」


亜利砂「それは大丈夫です。明日は休みですし、することはもう済ませてますから」


早苗「それは良かった。じゃあ晩酌といきま」グイッ


ドサッ


早苗「あ、亜利砂さんっ!? 押し倒したりして何を……」


亜利砂「……花園大学」ボソッ


早苗「……?」


亜利砂「早苗さん。花園大学の出身ですよね?」


早苗「そ、そうですけど……。それがどうかしましたか……?」


亜利砂「……私も……なんです。花園大学」


早苗「あ、あら。それは偶然ですね~」


亜利砂「10年近く前……私が四年のときです。新入生にとても綺麗な子がいました。恥ずかしい話、一目惚れをしてしまったんです」

亜利砂「キャンパス内で友達に聞いて、後輩に聞いて。その子のことを知りました。『成績優秀。ただし勉強に熱を入れているせいで浮いた話はない。名前は……」

亜利砂「……天使早苗』」


早苗「え、えっと……?」


亜利砂「同性だし、接点がなさすぎたから大学ではすぐに諦めました。でもまさかこんな歳になって再開できるなんて思ってなかった……っ」

亜利砂「それでも『歳が5つ違うし、よく似た他人かも。違ったら迷惑かもしれない』って考えて手は出しませんでした。……でも違った」

亜利砂「あなたは私の大好きな天使早苗だった」

亜利砂「8年越しに貴女と会えた。だからその奇跡の証が欲しい」


早苗「亜利砂さん……」


亜利砂「……っ」


ぐっ……!


亜利砂「……好きです。早苗さん」


早苗「!」


亜利砂「んっ……」


早苗「んぅ……っ!」

早苗「……ぷぁっ! はぁ……! はあ……っ」


亜利砂「……!」

亜利砂「……ごめんなさい」スクッ


早苗「あ、亜利砂さんっ!?」


亜利砂「……ごめんなさい。帰ります」

亜利砂「今度会ったとき、殴っても蹴ってもいいです。でも今日はもう……」


ガチャッ


亜利砂「私の顔も見たくないでしょう?」


……バタン


早苗「亜利砂……さん」ドクン ドクン

早苗(好きって……どういうこと……。私の先輩で、一目惚れして……)

早苗(分からない……よ)


やっぱりあたしと真央ちゃんの話はすぐに一段落ついた。

  綾子さんに奏ちゃん。こちらに来てから、素敵な人たちと仲良くなれました。

    突然8年も前の話をされて。先輩だと告げられ、キスされた。

真央ちゃんと一緒にいるときが一番の幸せ。お父さんもお母さんも分かってくれたのかな。

  綾子さんはとっても強いです。肉体的にも、精神的にも。最近はワタシをいろいろと引っ張っていってくれます。

    今度からどう接するのが正解なのか、今までの知識を総動員しても分からない。

ほんとはまだ女の子同士の恋愛に反対かもしれない。けど。真央ちゃんと幸せになった後でもいい。いつかは心から祝福してほしい。

  奏ちゃんは小さな体に似合わない大きな勇気の持ち主。最近はワタシにくっついてくるような……。

    初めての経験にどうにもならない足踏みを繰り返して、九月が終わろうとしていた。

『九月の恋騒動』

長くなりましたが、これにて九月は終了です。
綾子の水泳大会と、早苗の誕生日のイベントを別々に処理する予定だったのですが、まとめられそうだったので一続きのイベントにしました。
早苗の誕生日は指定がなかったので確定イベントに組み込みました。
他キャラも機会があれば誕生日イベントを入れたいと思います。

それと、更新日が飛び飛びになって申し訳ありませんでした。

これからは茅と真央はメインから外れ、綾子・サラ・奏、早苗・亜利砂がメインになります。

予定では年を越えて三月までをやるつもりなので、その内の半分が終了したことになります。

残り半分もよろしくお願いします。

ついでに現在の部屋状況です。

早真綾
苗央子?
管876(2階)

5321(1階)
サ?理渚
ラ 緒

管は管理人室。6号室には茅が居ましたが、今は実家なのでここにはいません。
新しい6号室の住人と3号室の住人は、綾子達か早苗達のどちらかがくっついたあたりで募集します。

茅と真央のエロも近いうちに書こうと思うんですが、未成年の性行為を文章で描写するってセーフですよね?

こんなSSで気にするのもあれですが、児童ポルノに引っかかったりしないでしょうか
何せ変なところでビビリなもので、みなさんの意見を聞かせてくださるとありがたいです

みなさんご意見ありがとうございました
調べてみたところ、視覚情報でなければ引っかからないみたいです
小説とかの文章上であれば児童ポルノは適用されないとかなんとか

そもそも二次元の作品や創作を児童ポルノ法で規制するという記事や記述が見つからないので、おそらく大丈夫だと思います

でも一応念のため書いておきます

このSSは架空の作品であり、登場人物は全て18歳以上です

早苗「……」ボーッ


ピンポーン


早苗「っ」ビクッ

早苗「は、は~い」


ガチャッ


真央「誕生日おめでとー!」


早苗「!!」


真央「プレゼント持ってきたんだけ……ど……」

真央「……ねえ、てんしさん大丈夫? 顔色悪いよ?」


早苗「だ、大丈夫よ~」


真央「それならいいけど……」

真央「あ、これプレゼントね。お酒は買えないけど、お酒に合いそうなオツマミとお猪口買ってみたんだ」ハイ


早苗「ありがとね~真央ちゃん」


真央「どういたしまして!」ニコッ

真央「それとさ……迷惑じゃなかったら話くらい聞くからね? 悩みがあるなら相談してね」


早苗「ほ、ほんとに大丈夫よ~。ただちょっと寝不足なだけ」


真央「……そっか。わかったよ」

真央「じゃ、プレゼント渡したし帰るね」スクッ


バタン


早苗「……」


安価↓からこれからの白百合荘住人+亜利砂、奏、茅の行動
基本的に高コンマ優先
渚、理緒、茅、真央は優先度が下がります

奏が「最近先生の様子がおかしい」とサラや綾子に相談してくる。

大学の講義で遅くなった理緒が夜の公園で呆けてるの亜利砂を発見。
様子がおかしい事に気づいた理緒が気を効かせて近くのバーに誘い酒を酌み交わしながら相談に乗る。
可能なら二人とも酔っぱらって綾子か早苗に迎えに来て貰うまでセットで。

早苗が亜利砂に連絡とろうとする

奏、サラが他の女の子とふれ合うと感じる謎のモヤモヤが日増しに大きくなり
ある日衝動的に声を荒げてやめてください!と言ってしまう(なぜそう言ってしまったかは自分でもわからない)

奏が服装に気を使う綾子を見て自分もお洒落な服装をしてみたいと相談、サラも交えて休みの日にみんなで服を買いに行くついでにぶらぶら
大人数可能ならファッション誌愛読で詳しそうな茅にも声をかけ、そこにみんなの可愛い私服姿が見たい真央も同伴で

学校ーー


奏「先生、あの」


亜利砂「……」ポケー


奏「先生?」


亜利砂「……」ボー


奏「神ヶ原先生!」


亜利砂「!」ビクッ

亜利砂「あ、ああ若宮さん。どうしたの?」


奏「……いえ、なんでもないです」


亜利砂「そう?」


奏(なんか……先生ずっとボーッとしてる……)


亜利砂「……」ボー


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「……ということがあって」


綾子「んー……それなら早苗に言ったほうがいいかもね。今一番奏の先生と仲良いの早苗っぽいしさ」


奏「そうですよね。それじゃあ管理人さんに会ってきます」


綾子「私もついてくよ」スクッ

ピンポーン


早苗「は~い」ガチャッ

早苗「あら。奏ちゃんに綾子ちゃん。どうしたの?」


奏「相談したいことがあって……。少しいいですか?」


早苗「いいけど~……。綾子ちゃんやサラちゃんじゃダメなのかしら?」


奏「管理人さんに相談したいんです」


早苗「そう……。なら上がって?」


奏「失礼します」


早苗「それで……相談って?」


奏「ええと……先生のことなんですけど。最近なんだかボーッとしてることが多くて……。管理人さん何か知りませんか?」


早苗「え、あー……」

早苗「なんて言えばいいのかしら~……」


綾子「? 言いづらいこと?」


早苗「多分……私のことだと思うわ~……」


奏「何かあったんですか?」


早苗「それは……その~……」


綾子「おっけー。言いづらいなら言わなくてもいいよ」


奏「そ、それじゃ先生は……」


綾子「二人とも子供じゃないしさ。まずは当人達に任せようよ」

綾子「それでも駄目なら私達が解決する。それでいいでしょ、早苗」


早苗「そ、そうね~。その内連絡でも取ってみるわ~」


綾子「うし。じゃあ今日はひとまずここまででいいか」


奏「はい」


早苗「あ、奏ちゃん」


奏「はい?」


早苗「亜利砂さんのこと教えてくれて、ありがとうね」


奏「いえ。今の私は教えるくらいしかできませんから」

奏「先生のこと、よろしくお願いしますね」ペコリ


早苗「……ええ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒(今から帰るね、っと。送信)スマホタプタプ


プァーーーッッ!!


理緒「!」ビクッ


運転手「変なとこあるいてんじゃねえぞー!」ブオオオオン


理緒「なんだクラクションか……あっ」


亜利砂「……」フラフラ


理緒「ち、ちょっと神ヶ原先生!」グイッ


亜利砂「……? あら、理緒さん」


理緒「どうしたんですか。道路なんか歩いてたら危ないですよ」


亜利砂「え? あ、ほんと。危ないわね」テクテク


理緒「……何かあったんですか? 私でよければ話くらい聞きますよ」


亜利砂「なんでもないのよ。大丈夫……」ポロッ

亜利砂「ほんとに、だいじょうぶ、だから……」ボロボロ


理緒「泣きながらそんなこと言われても説得力ありませんよ。ほら、どこかお店でも入りましょう」

理緒(渚に遅くなるってメールしとかないとかな……)

早苗サイドーー


早苗「……」ドキドキ

早苗(や、やっぱり話し合わなくちゃ何も解決しないわよね)セイザ

早苗(って携帯の前に正座してもどうにもならないのだけど……)

早苗「ええいっ」バッ

早苗(えと、電話帳……)ポチポチ


プルルルル! プルルルル!


早苗「!」ビクッ

早苗(ち、着信? 誰かしら……)ピッ

早苗「も、もしもし~」


???「夜分遅くすみません。私、沖上要という者です」


早苗「はあ……」


要「ええと、それで要件なのですが……バーの方で酔いつぶれている女性が二人いまして、その内の一人がここに電話してくれと」

要「名前は東谷理緒、というらしいのですが心当たりはありますか?」


早苗「あら、理緒さんが……分かりました。迎えに行きますね」


要「助かります。バーの住所は……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


バー「リリアン」ーー


早苗「……」キョロキョロ


要「あ、あまつかさん、ですか?」


早苗「あ、はい。そうです~」


要「こっちです。奥の部屋を借りて寝かせてて……」ガチャッ


理緒「うんん……」


早苗「理緒ちゃん……あっ」ピタッ


亜利砂「んぅ……」

早苗「えっえっ……あり、さ、さん……?」


要「どうしますか? タクシーでも……」


早苗「あ、いえ。車で来たので乗せて帰ります」


要「そうですか。手伝いますよ」ニコッ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「ありがとうございます。助かりました」ペコリ


要「いえ。見過ごして帰るのも後味が悪いですから」

要「あ、お代は理緒さんがボーッとしながらなんとか払っていたので安心してください。それじゃ、私はこれで」ペコリ


早苗「はい。本当に助かりました」ペコリ


バタン ブウウウウウウン……


早苗「とりあえず白百合荘に……でいいのかしら~……」

白百合荘ーー


早苗(理緒ちゃんは渚ちゃんに引き取ってもらったけど……)


亜利砂「んん……」モゾ


早苗(亜利砂さん、起きたらビックリするわよね……でも今更どうしようもないし……)

早苗(夜中に起きても大丈夫なように、お店で潰れてたことを書き置きしておいて……)カキカキ

早苗(薬も置いておこうかしら。「飲んでください」……っと)カキカキ

早苗「……」


亜利砂「んー……」ゴロン


早苗「!」ドキッ

早苗(私この唇にき、キスされたのよね……)ドキドキ

早苗(先輩で、私のことが好きで……)

早苗(なんで……なんで私のことを……? 一目惚れって言ってたけど……)ウト…

早苗(好きになるって……どういうことなのかしら……)ポフン

早苗「んー……」ウトウト

早苗「わかん……ない……」コテン

早苗「……すー……すー……」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


am6:30ーー


ピリリリリリ ピリリリリリ カチッ


早苗「ん~……!」ノビー

早苗(朝ね……朝ごはんはどうしようかし……)ピタッ


亜利砂「……! ……!!」パクパク


早苗「あ、えと……おはようございます?」


亜利砂「なん……な、ここ……え、ええ……!?」ワタワタ


早苗「お、落ち着いてください。説明しますから~」


亜利砂「お、お願いします……」


早苗「えと、昨日のことはどこまで覚えてますか~?」


亜利砂「昨日……。えと、理緒さんと道端で会って、近くのお店で飲むことにして、飲んで……そこまでは」


早苗「あ、そこまで覚えてるなら簡単です。その後お店の方から連絡があって、私が迎えに行ったら亜利砂さんは潰れてたんです~」

早苗「私、亜利砂さんの自宅を知らないので送ることもできなくて……なのでうちで寝てもらいました~」


亜利砂「な、なるほど……」

亜利砂「どうやらご迷惑をお掛けしたみたいで……申し訳ありません」ペコリ

亜利砂「お詫びは後日しますので、今日のところはこれで……」スクッ


ガシッ


早苗「か、帰っちゃダメですっ」

早苗「私、亜利砂さんに聞きたいことがたくさんあるんですからねっ」


亜利砂「ぅぐ」ピタッ

亜利砂「分かりました……なんでも聞いてください」ストン

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏サイドーー
am9:00ーー


ガチャッ


サラ「おはようございます、奏ちゃん」ニコッ


奏「お、おはようございますっ」


綾子「やー、奏ー」ワシャワシャ


奏「やめてくださいー」ナデラレ


サラ「ほら、綾子さんストップですよ」

サラ「それで、洋服でしたっけ?」


奏「はい」


綾子「確かに今まで地味な感じの服しか着てるの見たことないもんなー」


奏「オシャレというのが分からなくて……」(←無地の白シャツにグレーのカーディガン、暗めの青いロングスカート)


サラ「それなら茅さんの方が詳しいのでは……」


奏「あ、茅お姉ちゃんも途中から合流してくれるみたいです」

奏「ただ、行列のできるスイーツなるものを真央さんと食べてから、らしいですけど」


綾子「ああ。近くの洋菓子屋さんか。確かに毎朝何十人も並んでるもんな」


奏「開店が10時で、食べてから来るそうなので、合流はお昼過ぎくらいになるかと」


サラ「なるほど、分かりました」

サラ「では奏ちゃんのお買い物に行きましょう!」

てくてく てくてく


綾子「あ、あの店は?」


サラ「大人っぽすぎますね……奏ちゃんはまだ中学生ですからもっと別のお店がいいです」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


サラ「ここはどうでしょう」


奏「キャラ物はちょっと……分からないですし、少し子供っぽいです」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「ここは……?」


綾子「す、ストップストップ!」ガシッ

綾子(コスプレショップはさすがにまずいよ!)


奏「な、なんですか? 何のお店なんですか?」


綾子「えと……奏にはまだ早いお店だよ!」


奏「はあ……」

ファッションセンターーー


綾子「やっぱこういうとこに落ち着くのか」


サラ「奇をてらって専門店を巡ったのは駄目でしたね」


奏「少しお腹も減ってきました……」


綾子「んー……あ、じゃあ一人ワンセット奏に似合いそうな服持ってこようよ!」

綾子「その中から一つ選んで買って、それ着て午後から過ごそう」


奏「おお……」


サラ「確かにそれなら時間もあまり掛からずに済みそうですね」


綾子「制限時間はそうだな……今11時半だから、12時までにしよう。それからご飯を食べて、茅達と合流だ」


サラ「了解です!」


綾子「それじゃあ用意……スタート!」


奏が自分で選んだコーディネート安価↓
サラが選んだコーディネート安価↓↓
綾子が選んだコーディネート安価↓↓↓
3つの内最高コンマが奏の服になります

>>497
>>498
>>499
>>501
を採用しました

安価を一つずつ下にずらします

サラ「ではまずは私のから……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「き、着替えました」


綾子「似合うねー。もうちょっと背があればモデルさんにも見えるよ」


サラ「よくお似合いです」


奏「あ、ありがとうございますっ」


綾子「じゃあ次私のねー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「どうでしょうか……」


サラ「似合ってます! なんだかクールでかっこいいですよ!」


綾子「いいじゃんいいじゃん。可愛いとなんでも似合って得だね」


奏「……私の選んだの見ます? どっちかから選んでもいいような……」


綾子「ダメだよ。せっかく選んだんだし見せてくれなきゃ」


サラ「そうですよ! 着替えてきてください♪」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

シャーッ


奏「……」


サラ「……」


綾子「……」


奏「な、何か言ってくださいよ」


サラ「に、似合ってます……」


綾子「あー……ごめん。綺麗で見惚れてた」


奏「た、ただのワンピースですよ?」


綾子「黒髪に麦わら帽子で白ワンピース……いい取り合わせだね」


サラ「これがいいです! 一番似合ってます!」


綾子「だね。優勝は奏選手ー!」


サラ「あ、でもこれから冷えますし、ノースリーブのワンピースじゃ風邪を引いちゃいます」

サラ「ケープとか、何か羽織るものも一緒に買った方がいいですね」


奏「わ、分かりました」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


昼食後ーー


茅「やっほー奏ー」テクテク


真央「やっほー!」


奏「あ、茅お姉ちゃんと真央さん」


茅「おお? そんな可愛い服持ってたっけ?」


奏「買ってみたんです。どうですか?」クルッ


真央「可愛いよ!!」


奏「!」ビクッ


茅「真央ちゃん落ち着いて。……うん、似合ってるよ」


奏「そ、そうですか」パアッ


茅「あとは普段着に何着か見繕えばいいのかな」


奏「はい。よろしくお願いします」ペコリ


真央「ミニ……いやロングスカートも……いやいやデニムも履きこなせそうだし……」ブツブツ


サラ「真央さーん! 置いていきますよー?」


真央「あ、待ってー!」タタタッ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗サイドーー


早苗「……」セイザ

早苗(ひとまず亜利砂さんにシャワーに入ってもらったり、食事をとったりでなんだかんだでお昼……)


亜利砂「……」セイザ


早苗「すー……はー……」

早苗(聞かないと……!)


①大学時代の早苗のどこに惚れたのか
②いつ惚れたのか
③大学時代に接点はあったのか
④早苗にどうしてほしいのか
⑤今お付き合いしてる人はいないのか
⑥今でも好きなのか
⑦自由安価(安価の内容は質問のみ。質問に対する答えを書かれても採用しません)
安価↓から3つ

1→6→4の順で採用します
続きで>>500も採用します

早苗「あの~……」


亜利砂「……はい」


早苗「そんな怖がらないでください~。怒ってはないので、話を聞かせてくれれば~」


亜利砂「……分かりました」


早苗「そうですね~……。大学時代の私のどこを好きになったんですか~?」


亜利砂「一目惚れ……って言ったような」


早苗「そうですけど~……。一目惚れだけで何年経っても覚えてるのもすごいな~って」


亜利砂「そうですね……。白状します」

亜利砂「って言っても、一目惚れは事実なんですよ。その後……覚えてるかな」

亜利砂「サークル勧誘のときに私、早苗さんのところに行ったんです」


早苗「……」


亜利砂「でも、断られて。『大学には遊びに来たんじゃないので』って」

亜利砂「それがこう、なんか……胸に響いたというか、たまらなかったというか……」


早苗(え……M? なのかしら~?)


亜利砂「そんなわけで、それからときどき早苗さんのことを見てたらますます好きになって……」


早苗「ま、待ってくださいっ、少し恥ずかしいです~……!」

早苗「……///」

早苗「……その、今も、好き……なんですか?」


亜利砂「好き……です」

亜利砂「再会してからどんどんまた好きになって……」


早苗「あ、ありがとうございます……」カアア


亜利砂「……早苗さん」


早苗「は、はいっ」


亜利砂「この状況分かってるんですか?」


早苗「状況……?」


亜利砂「自分のことを襲った相手と二人きりなんですよ? 怖くないんですか?」


早苗「ああ、確かに~……」

早苗「でも、相手が亜利砂さんですし~……優しい人だって知ってるから怖くはないですね~」


亜利砂「っ」ムッ

亜利砂「ま、また襲いますよ」

亜利砂「言っておきますけど、こっちは吹っ切れてるんですからね」


早苗「ふふっ」


亜利砂「わ、笑わないでくださいっ」


早苗「ごめんなさい、必死な感じがなんだか小さい子供みたいで可愛くって~」

亜利砂「……」ズイッ


早苗「……するんですか~?」


亜利砂「ほ、ほんとにしますよ」


早苗「……」

早苗「違いますよね?」ボソッ


亜利砂「っ」ビクッ


早苗「亜利砂さんは、私にどうしてほしいんですか~?」


亜利砂「それ、は……!」

亜利砂「えっと……」

亜利砂「あの……」


早苗「……えいっ」


ぎゅっ


亜利砂「!! さな、え、さん!? な、なにを……!」


早苗「深呼吸してください。吸って~、吐いて~」


亜利砂「す、すー……はー……」


早苗「落ち着いて……。頭の中をスッキリさせて……」

早苗「どうです、言えますか? 私にどうしてほしいか……」


亜利砂「……な」

亜利砂「なか、よく……じゃなくて」

亜利砂「私のこと、好き、に……なってほしい……です……!」

早苗「はい、よくできました」ナデナデ

早苗「……ただ、好きになるっていうのは難しいですね~」


亜利砂「……はい。分かってます」


早苗「でも、嫌じゃないんですよ~」


亜利砂「!」


早苗「こうして迫られるのも、びっくりしましたけど、キスされたのも、嫌じゃないんです。……なんででしょうね~?」

早苗「私「そういうこと」に疎いので……教えてくれますか~?」

早苗「せ、ん、せ、い……♪」


亜利砂「は……はいっ!!」


早苗(年上……よね~?)


亜利砂「へへ……えへへ……」


早苗(ちっちゃい子が喜んでるみたいな……)


亜利砂「あっ」


早苗「?」

亜利砂「さ、早苗さんっ!」


早苗「は、はい」


亜利砂「女同士……なん、ですけど」


早苗「? はい……」


亜利砂「変じゃない、ですか?」

亜利砂「気持ち悪いとか……思ったりしませんか?」


早苗「別に思いませんよ~」

早苗「うちには真央ちゃんもいますから、そういうのに抵抗はありませんね~」

早苗「それとも、嫌だって私が言ったら諦めちゃうんですか~?」


亜利砂「あ、諦めないですっ! 絶対!」


早苗「だったら心配することないですよ~。安心して、私のことを振り向かせてください~」


亜利砂「は、はいっ!」


早苗(心配することないのは私もでしたね~)

早苗(亜利砂さんが怖い人でも嫌な人でもないのは分かりきってたことなのに、必要以上に怖がって……)

早苗(恋愛とかあまりよく分からないけれど……結婚とかした方がいい年齢なのは確かだし)

早苗(結婚……ねえ。一緒にいて苦痛じゃない人、一緒にいて楽しい人なら……)チラッ


亜利砂「? どうしました?」


早苗「なんでもありませんよ~♪」

早苗(大丈夫。私もきっと亜利砂さんを好きになれる)

早苗「……そうだ」スマホポチポチ


プルルルル プルルルル

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏サイドーー


プルルルル プルルルル


奏「あ、すみません電話が……」ピッ

奏「はい、もしもし」


早苗『もしもし~』


奏「あ、管理人さん。どうしました?」


早苗『亜利砂さんのことはもう大丈夫よ~。なんとかなったわ~』


奏「そうですか……! よかった……」


早苗『ええ、だからもう心配しないで今日は楽しんで……』


サラ「どうですか、これ。似合いますか?」フリフリ


綾子「似合ってるよ! すっごい可愛い!」


奏「……!」


早苗『あれ、奏ちゃん? 聞こえてる?』


綾子「サラはこっちも似合いそうだね。大人っぽいロングコートだけど……着てみる?」


サラ「はい! ……どうです?」クルン


綾子「やっぱ似合うね。ほんとにモデルみたいだよ」


真央「えー! サラちゃんにはもっと可愛い服のが似合うよー!」


奏「……めて」


早苗『もしもし~? 奏ちゃーん?』

茅「サラさんならこういうのも似合うよ」


綾子「これとかは?」


真央「こっち! 絶対これ!」


サラ「ち、ちょっとみなさんそんな一度に……!」



奏「やめてくださいっ!!!」



早苗『っ!?』キーン


綾子「わっ!?」


茅「ど、どしたの奏……」


奏「…………」


サラ「か、奏ちゃん……?」


奏「いま……私……」

奏「ごめんなさい……なんで……っ」


サラ「大丈夫ですよ、落ち着いてください……」ギュゥ


奏「また、頭の中分からなくて……!」


サラ「大丈夫、大丈夫です……」ポンポン

サラ「みなさん、今日はもう帰りましょう。奏ちゃんの服は何着か買いましたし、それに本人がこうじゃ……」


綾子「んー……そうだね。よく分からないけど、このまま買い物続けられそうにはないし」


茅「奏ー、なんかあったらあたしに言えよー? 助けてもらった分、今度は相談乗るからさ」


奏「はい……」

白百合荘ーー


早苗「そう、それで大声出したと思ったら電話が切れちゃったのね~」


綾子「今はサラが付いてるからさ、親に連絡しといてよ」


早苗「ええ、任せて~」


綾子「……なんでなんだろうね。奏が叫んだの」


早苗「私はその場にいなかったからなんとも~……」


綾子「大人の私がしっかりしなきゃなのに、ちっとも分かんないんだよ」


早苗「綾子ちゃんまで抱え込むことはないわよ~。悩んだらいつ誰に相談したっていいんだから~」


綾子「……だね」

綾子「せっかく仲良くなった訳だしさ、奏の助けになってあげたいよ」


早苗「じゃあ綾子ちゃんが相談に乗ればいいのよ~。ついでに綾子ちゃんの悩みも奏ちゃんに伝えれば一石二鳥だし~」


綾子「確かに……それいいかも」


早苗「奏ちゃんの問題、解決できるといいわね~」


綾子「うん。解決するよ」ニッ

綾子「じゃ、私も部屋に戻ろっかな。連絡よろしくねー」


早苗「は~い」

8号室ーー


茅「奏大丈夫かな……」


真央「大丈夫だと思うよー」


茅「そう?」


真央「真央はそういうことに敏感だからね」


茅「そういうこと……? ……え、それって」


真央「奏ちゃんはサラちゃんのことが好きなんだと思う。自覚はなさそうだけどね」

真央「嫉妬……というか独占したいんだけど、どうしたらいいか分からない感じ」


茅「へー……」


真央「向こうから相談してきたら手伝うし、アドバイスもする」

真央「だけどさ、やっぱ好きな人くらいは自分で気づいた方がいいじゃん」


茅「それは……そうかも」


真央「だから真央はひとまず静観。……それよりさ、今日買ったスイーツ食べようよ!」


茅「そうだね! 食べよう食べよう!」カパッ


真央「お店で見たときも思ったけどほんと美味しそうだよね……!」


茅「あたしはショートケーキにしよっと」


真央「じゃあ真央はアップルパイ食べる!」


茅「いただきます! あむっ」パクッ

茅「~~~っ! 美味しい!」


真央「あむっ……」パクッ

真央「美味しい……!!」

茅「真央ちゃんもケーキ食べてみてよ! はい、あーん」


真央「あー……んぐっ」

真央「かやひゃん、ひとくひはおおひいよ……(茅ちゃん、一口が大きいよ……)」モゴモゴ


茅「あ、あはは……ごめんごめん」

茅(真央ちゃんが口の周りベタベタにして……あ、太ももにクリーム落ちた)ゾクッ


真央「ごくんっ……。はー、茅ちゃんティッシュ取って~」


茅「真央ちゃん」ズイッ


真央「ん?」


茅「動かないで」


真央「なにー、どうしたのさー?」


ぺろっ


真央「んっ!?」


茅(甘……)


ぺろっ ちゅう


真央「ちょ、かやちゃ……」


茅「ごめん……我慢できない」


どさっ


茅「今から真央ちゃんのこと食べちゃうからね……?」


♡安価↓から茅と真央のプレイ内容を募集
コンマの高低は関係なく、安価の中から書けそうなものを採用します
エロシーンは地の文ありでいきます

エロで完全に手が止まってる…
久しぶりだからって気合いれすぎて投下できないのは本末転倒ですよね
途中まではできたので、一度できてる分だけ投下します

両手首をあたしの手によって固定され眼前に寝転がる真央ちゃんの口元が、ぬらぬらと妖しく光っている。
ゆっくりと顔を近づけると、真央ちゃんは目を閉じて受け入れる意思を見せた。

「れろ……」

唇には決して触れないよう、口の周りに伸びたホイップクリームを舐めとる。まずは右側からぺろり。
舌の上でじんわりとした甘さが広がる。
これが真央ちゃんの甘さなのかと思うと、口から頬を通り、頭までが真央ちゃんの甘さに染められたような感覚に囚われた。
向かって右半分を舐めきり、とうとう唇に舌を這わせる。

「んっ……!」

ぴくんと体を弱く跳ねさせ、目を固く閉じる真央ちゃん。
が、そのまま唇は通過し、今度は口の左半分に溢れたホイップに舌をつける。
舐めるついでに唇で頬をちゅうっと吸い上げる。もちり、とも、ふわり、とも取れる柔らかさの真央ちゃんのほっぺたがふにょんと沈む。

「ちゅう……っ」

口を離すと、すっかりホイップクリームは取れていた。

先程よりもあたしの唾液によりどろどろになった口周りを拭うこともせず(あたしが腕を抑えてるので不可能なのだが)、熱の篭った目線であたしを見つめてくる。

「まおちゃん……」

舌足らずにあたしの名前を呼ぶ。
舐められている間必死に息を止めていたのか、かすかに息を切らして頬もうっすらと赤く染まっていた。

「ん?」

「き、きす、してよ……ほっぺた舐めてばっかり……」

どうやらじっくりと舐めたのは真央ちゃんにもどかしさを与えていたらしい。

「わかった。……んっ」

改めて真央ちゃんにキスをひとつ。
小さな口が甘さと熱とを伝えてくる。

舌でつんつんと唇をつつくと、ふるふるとした感触のあとでゆっくりと真央ちゃんの口が開いた。
キスを止めて真央ちゃんを見下ろしてみると、口だけでなく顔全体がふるふるしている。
目を閉じきり体を強張らせている真央ちゃん。そんなに緊張しているのだろうか。

「かや……ひゃん?」

口を小さく「あ」の形で止めていた真央ちゃんがいくら待ってもキスが来ないことに疑問を感じ始めたようで名前を呼んでくる。
ふるふるの原因も分かったので、遠慮なくもう一度口付けた。

「はぶっ……んく、んっ!」

口の中にはケーキのスポンジもクリームも残っていない。のに。
口の外よりも何倍も甘く、そして美味しかった。

「ぢゅ……れろ、ぐじゅ……ちゅぷ」

熱い舌同士がまるでひとつの生命体のように絡んで、やたらと耳につく水音を響かせる。
歯列をなぞり、歯茎に舌を這わせ、上顎を舐め回す。
しばらく口内を蹂躙していると、真央ちゃんの押さえつけられている腕がもがくように動き始めた。
キスをやめ口を離すと、真央ちゃんはさっきよりも赤く染まった顔で苦しそうに息を吐いた。

「っはあ……はあ、はっ……ん、けほっ、けほっこほっ!」

むせはじめてしまったので、体を起こして背中をさすってあげる。

「キス苦手?」

「こほっ……へ、下手なだけ……だと思う」

涙目でこちらを上目遣いに見ながら素直に告白。かわいい。
やはり緊張しているのだろう。体の強張りは未だに取れず、縮こまるように背中を丸めている。

「なんで茅ちゃんはそんなにキスが上手いのさ」

「えー……」

「誰かとしたことあるの……?」

恐る恐る真央ちゃんが聞いてくる。

「どう思う?」

「ありそう……。だって茅ちゃんかわいいし、モテるでしょ?」

ならキスくらい、と小声で付け足したあと、真央ちゃんは黙ってうつむいてしまった。
その背中を撫でながら声をかける。

「初めてだよ。ファーストキス」

告げる。

「真央ちゃんの口の中が甘いから止まらなくて」

撫でる。

「ね……脱いでくれる?」

囁く。
こくん。

真央ちゃんはまずシャツを脱ぎ、次にスカートを下ろした。
水色のジュニアブラにショーツ。
知らない人が見れば10人中10人が中学生と見間違える容姿の彼女が、あたしの目の前で下着姿になっている。
後ろから抱きすくめ、すべすべのお腹に指を這わす。

「んっ」

おへその周りをくるくると撫でていく。
五週ほどしたあとで手を止め、今度は上下にさする。

「は、く……! ん……んぅ……!」

真央ちゃんは首を仰け反らせて、左手の甲を口に当て声を押し殺している。
後ろから抱えるようにしているあたしにはその白い首筋が目の前に見えるわけで。
かぷりと、優しくそこに噛み付いた。
真央ちゃんはびっくりしたのか体を跳ねさせたが、拒否することはない。
吸ったり舐めたりをしながら、お腹を撫でている手を徐々に上昇させていく。

肋骨を通り、ブラの縁へ。指を滑り込ませるように中へと手を侵入させ、力を込めてみる。

「んんぅ……!! あ、かや、ちゃん……!」

びくびくと震える真央ちゃん。
その真央ちゃんがあたしの手首を掴んで引っ張った。

「真央ちゃん?」

「つ、次は真央の番っ」

向き直ってあたしの薄手のパーカーを剥ぎ取る。
その下には大きく胸元の空いたvネックのシャツ。
その姿を見て真央ちゃんが動きを止める。

「で、でかいね」

でかい?

「胸?」

こくり。
確かに真央ちゃんに比べれば大きいと思う。
胸元に指を引っかけ、胸を見せつけるようにシャツを引っ張ると、真央ちゃんが唾を飲み込むのが分かった。

「……さわる?」

「いいの?」

答える代わりにシャツを脱ぐ。
しかし脱いですぐに「しまった」と思った。
今日の下着は可愛くないものなのだ。
ライトグリーンの、ただのノーマルなブラ。
どうしようかと慌てて、もう脱いでしまっていて手遅れだと気づいた。

脱ぐまでの威勢が消えて変に思ったのか、真央ちゃんが不審がった。

「どうしたの? やめたくなった?」

「そうじゃないけど……下着、可愛くないし……恥ずかしい……」

数秒置いて、真央ちゃんがため息を吐く。

「そういうとこ気にする茅ちゃん可愛い……!」

どうやらため息ではなく陶酔したような吐息だったようだ。
爛々とした目を向け、体を舐め回すように見回してくる。

今度は真央ちゃんの小さな手があたしのブラの中に潜り込んできた。
腫れ物を触るかのような優しいタッチに、じれったい快感が膨らんでいく。
胸なんて、自分で触ったって大して気持ちよくない。いや、触るには触るがこんなに弱くは揉まない。多少は気持ちよくなるために強くつねったりする。
なのに、なのに。

「きも、ちぃ……! まお、ちゃん……! ぅあっ!」

どうしようもなく気持ちいいのだ。
弱く触られて、今までにない快感に襲われて、頭の中が白くなっていく。

ぼうっとしているうちにブラは外され寝転がらせられ、ショーツも引き抜かれる。
唯一残ったのはミニスカートだが、ほとんど体を隠す役目は果たしていない。

「濡れてるよ、茅ちゃん」

その言葉で、ある日の光景がフラッシュバックした。
白百合荘から引き離され、自宅に帰らされていたとき、真央ちゃんを想って自慰にふけっていた光景だった。

あの時想像していたシチュエーションのような流れに燃えるような興奮が沸き立ち、それがまたとろりとした愛液を分泌させる。

「あは、垂れてきた。可愛い」

指が熱くたぎった割れ目に添えられ、すりすりと愛液を馴染ませるように指を動かされる。

「挿れるね」

「ーーーっ!!」

ぐぷりと真央ちゃんの指が入り込んでくる。
声もなく仰け反り、快感に耐える。
動きはゆっくりだが、内壁を丁寧になぞるような動きに翻弄される。
その快感は秘所から全身を巡り、体中の自制が効かなくなるのが分かった。
快感を逃がそうと手が何かを掴みたがるが、布団も敷かれておらず、シーツを掴むことは叶わない。しばらく手をばたつかせて何かに手が触れたと思うとそれは真央ちゃんの首で、抱きつくように真央ちゃんにすがりつく格好になる。
足も言うことは聞かず、ピンとつま先まで伸ばしきられている。
極めつけは顔だったが、あたしは口を閉じて快感に耐えてるつもりでも、どうやらだらしなく開いた口の端からよだれを垂れ流しているようで、真央ちゃんが何度もよだれを舐めとるようにキスをしてくる。
涙もなぜか溢れ出て、それも真央ちゃんが舌で拭ってくれる。

真央ちゃんはその小さい指を一生懸命に前後させ、あたしの浅いところをこすり続ける。
その間も止むことのないキスの雨。
まるで全身を真央ちゃんに支配されているようでたまらなく幸せになる。

「は、あっ……んうっ、まおちゃん、まおちゃん、すき、すき……っ! あぁっ!」

体の中心から快感が爆ぜ、全身がビクつく。
無我夢中で真央ちゃんの頭を抱き寄せると、唇がぶつかった。

「ふ、ん……! んぅ! んんうううううううっ!!」

熱が、体温が、肌が、体が、心が、全てが真央ちゃんを求めるようにきゅう、と締め付けるような感覚に陥る。
腰が、いや全身が跳ね、あたしはかつてない快感に身を震わせて絶頂へと達した。

何秒そうしていたのか、なんとか力を抜いて真央ちゃんと離れる。
脱力させると、真央ちゃんが頭を撫でてくれる。

「気持ちよかった?」

「……うん」

まだ少し息が整わない。
熱はまだ体の奥底で燃えている。

「よかった。じゃあお風呂に入って寝よっか」

疲れたもんね、と真央ちゃんは優しく撫で続けてくれる。

いや。
いやいや。
真央ちゃんはまだ気持ちよくなってないじゃん。

なんとか腕に力を込め、上体を起こす。
驚いている真央ちゃんの肩に手を置いて、キス。

かつんっ。

「っ!」

歯がぶつかってしまったが、気にせずキスを続行する。
やられた分はやり返さなければ。

ここまで
次は茅反撃なので、その際にしてほしいこと、プレイがあればどうぞ書き込んでください

次はできるだけ間があかないように投下したいと思います

幸い、真央ちゃんは口内の責めには弱いようで、すぐにおとなしくなった。
今度はブラジャーを脱がせ、ショーツも剥ぎ取る。
真央ちゃんを産まれたままの姿にすると、その綺麗さにクラクラしてしまう。
小ぶりな胸、なだらかな曲線を描くお腹、それでいてふくよかな腰つき。しかしその姿から醸し出されるフェロモンは大人の色気としか形容できない。そのアンバランスさは限りなく淫猥で、そして犯罪的だった。

そっと真央ちゃんの胸に手を当てる。
ほとんど沈まないほど平らな胸だったが、手のひらにくっついて離れないような肌触りだ。
その手の奥から、心臓の音が響いてくる。

とくん、とくん。と。

他の何者も触れたことのないであろう胸に、今あたしが初めて触れている。
顔を寄せ耳を当てる。
心音が大きくなった。
上目遣いに真央ちゃんの表情を確認すると、恥ずかしいのか目をそらされてしまう。

「はぷっ」

ならばと、ピンク色の頂点を口に含んだ。
すでにそこはピンと張り詰めており、興奮していたことが伺える。
もう片方の胸は手を添え、つねるのではなくやわやわと揉んでいく。

しばらくそうしていると、頭上から聞こえる声が高くなってきた。
押し殺すように甘い息を漏らし、必死に快感に耐えている。
口を離すと、真央ちゃんの乳首からあたしの下唇へと唾液の橋がかかった。
顔を上げてその橋をぷつりと切り、真央ちゃんの耳元で囁く。

「気持ちいい……?」

手は止めない。手のひらで乳首を転がし、胸のラインをなぞり、揺する。

「んっ、ふ……っ、んんっ!」

「答えて……? 真央ちゃん、気持ちいい……?」

弱くしたり強くしたり。
真央ちゃんは胸も弱いのか、体をがくがく揺すり始めた。

いや、どうやら体を揺すっているのではなく、頭を振っているようだ。
上下にこくこくというよりは、がくんがくんと振っている。

「気持ちいいんだ?」

がくんがくん。
声も出ないほど気持ちいいのか、頭を振るだけだ。
これで下を触ったらどうなるのだろう。イッてくれるだろうか。

右手を下まで運んでみると、そこはどろどろに濡れきっていた。
熱い液体がぬるりと指に絡み、爪の間までをも侵食してくる。
む。
そこで気がついた。あたしの爪は現在軽くネイルされており、それがなくても長く伸びているのだ。
真央ちゃんの奥深くまで感じたかったが、これでは指を挿れることはできない。
どうしようかと一瞬考えて、別のものを使えばいいのだと考えついた。ペンみたいな細長いものを挿れるのではなく。

「真央ちゃん、舐めるね」

「な、なめっ……?」

耳元から顔を離し、真央ちゃんの下半身に顔を近づけられる位置に移動。
まずは太ももに舌をつけ、唾液で道をつくっていく。
すべすべもちもち。
大体全身に触れたと思うが、その全てが気持ちいい。触っているだけでこちらも興奮が高まっていく。

太ももをがっちりと掴むと、指が柔らかく沈み込む。その奥の筋肉さえもが柔らかくて、つい撫でてしまう。

「ひぅ……っ! あ、あぅう……! んぅ!」

とろり、と。目の前で真央ちゃんの秘部がひくつき、そこから透明な汁を溢れさせる。

「……!」

背筋にぞくぞくとした興奮が走る。
あたしが触っているからこんなにも真央ちゃんは蕩けている。その事実を再確認すると同時に、いよいよあたしも我慢が効かなくなった。

「ちゅう……っ」

「ひっ! は、あぁ……!!」

とうとうあたしは真央ちゃんの「そこ」に口付けた。
熱くて、ぐちゃぐちゃで、どろどろで、たまらなくいやらしい。
舐めれば舐めるほどつゆが溢れてきて、吸えば吸うほど震えて反応してくれる。
じくじくとあたしの下腹部に熱が篭もる。
真央ちゃんのかわいく高い声が耳を刺激し、あたしの官能を高めてくる。
舐めながら尚あたしは自身の内ももを擦りあわせ、興奮に耐えながら真央ちゃんを刺激し続けた。

「あっ、あぁっ! んぅっ、だめ、かやちゃんっだめっ……だめだめだめぇ……っ!!」

その言葉を最後に、真央ちゃんは腰を跳ね上げた。

「っ!! ~~~~~~~っっ!!!」

目の前で「そこ」がくぱくぱと収縮している。
突き上げられた腰は何度もびくびくと上下動を繰り返し、絶頂したことを証明していた。
それを見て、あたしは自分のスイッチが再び入ったことを自覚する。

数秒間たっぷり腰を突き上げてから、ぺたんと床にお尻を落とす。
まだ微かに全身をピクつかせ、涙目になりながらあたしを見て、ゆっくりと微笑む。

「あは、イッちゃったぁ……」

その一言が、一動が、あたしを突き動かす。

「かやちゃん……?」

仰向けで寝転がる真央ちゃんに四つん這いで近寄り、その顔に自身の股を近づける。

「なめて」

「え……」

「なめて、真央ちゃん」

すでに息がかかる距離だ。
真央ちゃんのお腹が出たり引っ込んだりする度に真央ちゃんから漏れ出す息が、あたしのことを潤ませる。
少し考えて、真央ちゃんは分かった、と呟いた。
舌が伸びてきて、あたしに触れる。

「んっ」

舌が前後し、舐ってくる。見えないところに与えられる不規則な刺激が、あたしをどんどんと高みへと連れていく。

耐えきれなくなり、倒れ込むように体を寝かす。
すると、眼前には先程も見た真央ちゃんのあそこが。
いわゆるシックスナインの形になったと気づいたあたしは、ならばと仕返しのように真央ちゃんのことを舐め返した。
びくりと反応するが、真央ちゃんの舌が止まることはない。
なんだかムッとして、それなら続けられないくらいに気持ちよくしてやろうと、イタズラっ子のような発想に至る。

「んっ、ぢゅる、んく、れろ」

「んう! ん、ぢゅ、ちゅう……!」

互いに顔を押し付けるようにして、声を押し殺しながら舐め合う。
真央ちゃんの足がぱたぱたして、太ももでぎゅうっと頭を挟むみたいにして、いよいよ絶頂が近いことを教えてくれる。

そういうあたしも限界は近い。
さっきの指とは全く違う刺激に、あたしの頭はぐらぐらしていた。

「ふーっ、ふーっ! ん、れろ、じゅぱ、ぢゅうううっ」

「んぅうう! かやひゃん、そ、な……! んああっ!」

だめだ、あたま、しろくなって。
もう、きもちよすぎて。

「だ、め……っ!」

腰が爆発するような快感に襲われ、体が跳ねる。
必死に真央ちゃんのあそこへと口を押し付けて、声だけでも我慢しようとする。

「っ! っっ!!」

目の前のチカチカが止まらない。
さっきよりも快感が大きすぎて、対処しきれない。
全身がぶるぶる震えて、快感が駆け巡る。

それでもしばらくすれば熱は収まり、真央ちゃんにぴったりとくっつくようにして息を吐いた。

「ふぅ、ふうっ、ふ、はぁ……っ」

ああもう!

「じゅる、じゅ、ちゅうううっ!」

「ふぇっ!? だめ、かやちゃん、だめえっ!」

先にイかされた!
なんか悔しい!

「れろ、イッて、真央ちゃん。イッていいよ、ぢゅ、れろっ」

「う、うぅ~~~~っ!」

ひくんひくんと真央ちゃんの腰が跳ねる。
舐めまくったんだから絶頂は近いはずだ。
真央ちゃんの可愛い声を股の下から聞きながら舌を動かし続ける。
真央ちゃんのそこはきゅううっと閉じたり、ひくひくと開いたり、忙しなく反応を見せてくれる。

「だめ……! も、かやちゃん、おしまっ、い……!!」

声が一際高くなり、秘部の動きも限界を知らせる。

「分かった、おしまいにしてあげる」

最後だ。

「ーーーーーっ!!?」

全力で舌を突き入れ、口いっぱいに真央ちゃんを感じる。
と。
大きく真央ちゃんの腰が跳ね上がり、ぶしゃっ、という音と同時に何かが顔にかかった。
しゃっ、ぷしゃっ、ぷしゃあっ。

「ごぇ……ごえんん……まお、がまんれきなくてぇ……! んうぅ……!」

潮を吹いたのか。
そばに散らかっていたあたしのシャツで目元を拭い、改めて見てみる。
真央ちゃんの秘所からはくぱ、くぱという動きとともに透明な液体が繰り返し飛び出していた。

「ふぁあ……」

気の抜けた声をあげるとほぼ同時にそれは収まりを見せ、なんとか終わったらしいことを察することができた。が。

「ふぇ……! あ、ひゃめ、ひゃめえっ!」

次はちょろ、という音がまず聞こえた。
先程とは違う黄色い液体。
ちょろ、ちょろろっ、じょぼぼぼぼ。
それは勢いを増し、フローリングの床に大きな水溜りを広げていく。

「やぁ……やぁあ……! とまんな、い……!」

ツンとしたアンモニアの匂いを嗅ぎながら、あたしは充足感に笑顔を浮かべるのだった。

真央「もう! 茅ちゃんなんでタオルとか用意してくれなかったのさ!」


茅「突然すぎたじゃん! いきなりは動けないよ!」


真央「んむむ……!」


茅(真央ちゃんの体液で濡れた床を片付けたあとあたしたちはお風呂に入り、今は一緒の布団で横になっている)

茅(ちなみにだが、お風呂でもう一回戦ヤッた)

茅「次は気をつけるからさ」


真央「つ、つぎっ!?」


茅「ん? 変なこと言った?」


真央「いや、そか。次もあるのか……」モジ


茅「照れてるの? 可愛いなぁ」ナデナデ


真央「子供扱いしないで……いや、やっぱいいや。茅ちゃんになら撫でられてもいいよ」


茅「それは嬉しいな」ナデナデ

茅「ね、真央ちゃん。これからもよろしくね」


真央「……うんっ」


茅と真央編『かわいい!』 完

早苗(もう10月も終わり……ふふ、先月亜里沙さんにキスされたのが随分昔みたい)

早苗(まだ一月しか経ってないのに……)


たたたっ


亜里沙「お待たせしました。……? どうしました?」


早苗「なんでもないですよ~」フフッ

早苗(いわゆる、デート……に行くことになるなんてね~)


亜里沙「そうですか?」

亜里沙「あ、これコーヒーです」スッ


早苗「ありがとうございます~」


亜里沙「いろいろ考えたんですけど、いいプランが思いつかなくて……公園なんかですみません」


早苗「いえいえ、とっても気持ちいいですよ~。こういうゆったりした時間、大好きですから~」


亜里沙「ん゛っ」ゲホッ

亜里沙「げほっ、けほっ、こほっ」


早苗「ど、どうしました~?」サスサス


亜里沙(大好きって、私に言われたわけじゃないのにこの破壊力……!)

亜里沙「なんでもないです、なんでも……」


早苗「そうですか~」サスサス

早苗(平和というかなんというか~……)

早苗「こういうの、いいなあ……」ボソッ


奏ちゃんがまた叫んで。

  亜里沙さんが告白してくれて。

なんでなんだろうって考えて。

  幸せだなって思えて。

不安。

  笑顔。

『十月の前進』

短いですが、10月終了です
11月は学祭となります

ここらで次の組み合わせもくっつけたいですね
早苗と亜里沙が先になるか、綾子サラ奏の中から誰かくっつくか

どっちかがくっつけば新キャラ募集もありますので、そのときはキャラクリエイトや投票の参加お願いします

*閑話休題*


バー「リリアン」ーー


亜里沙「あのう……」


マスター「はい? あ、先日の……」


亜里沙「お、覚えてますか? 酷い酔いっぷりだったって聞いて……」


マスター「もちろん覚えてますよ。泣きながら飲んでたのでばっちり記憶しています」


亜里沙「お恥ずかしい……。あ、それでこれ……」ガサッ

亜里沙「迷惑かけてしまったので、お詫びを持ってきたんです。どうぞ」


マスター「おや、ありがとうございます。ありがたく頂きます」ニコリ


亜里沙「それで、えっと……沖上さん? はどちらに……」キョロキョロ


マスター「沖上さん? ああ、要さんですね」


亜里沙「はい、そうです。その方に介抱してもらったと聞いたので、その方にもお詫びをと」


マスター「要さんはうちの従業員ではありませんから、今はいませんよ」


亜里沙「え?」


マスター「近くの会社で働いているただのOLだ、と自分で仰っていました」

マスター「常連さんなので、今夜もまた来ると思いますよ」


亜里沙「そうなんですか……。じゃあ、また夜来ますね」


マスター「承知しました。お待ちしております」ペコリ

夜ーー


からんからん……


要「こんばんは」


マスター「いらっしゃいませ」


要「あ」


亜里沙「?」


マスター「神ヶ原さん、こちらが沖上要さんです」


亜里沙「あ、ああっ!」

亜里沙「こ、これ!」ズイッ


要「おおっと」


亜里沙「先日は酔っていたところを介抱していただいたようで、ほんとにありがとうございました! これ、お詫びです!」


要「おお、ありがと。もらっとく……」

要「……」ジロジロ


亜里沙「な、なんですか?」


要「かわいいね……食べちゃいたい」


亜里沙「は、はあ?」


要「マスター、私とこの人になんかお酒ちょうだい」


マスター「ダメですよ要さん、神ヶ原さんは車で来てるんですから」


要「私がタクシーで送るからいいの」


マスター「送り狼になるつもりですね?」


要「いやー……それは、ねえ?」

亜里沙「話が見えて来ないんですが……」


マスター「この人、綺麗な女性を見つけるとすぐこういうこと言い出すんです。本気にしなくていいですよ」


亜里沙「そう、なんですか?」

亜里沙(レズビアン……なのかな)


要「あ、そだ。めんどくなる前に聞くけど彼氏とか旦那さんとかいる?」


亜里沙「それは……いませんけど」


要「もったいない……見たところ25、6歳って感じだし、男がほっとかないと思うんだけどな」


亜里沙「それはありがたいですけど私もう30ですから」


要「30? 見えないな……」

要「じゃあほら、30になった記念に女に抱かれてみない? 20台の自分にサヨナラーって」


マスター「要さん、捕まりますよ」


亜里沙「遠慮します」プイッ


要「残念、振られちゃった」アハハ


マスター「この人自分の顔がいいこと自覚して口説いてますからね。仕事ができて頭もキレる分たちが悪い」


亜里沙「なんとなく今のやり取りで分かりました」


要「ま、それはなくてもまた来てよ。大概いるからさ。今度は一緒に飲もう」


亜里沙「それなら喜んで」

亜里沙「……酔ったからってどこかに連れ込んだりしないでくださいね」


要「善処しまーす」

わいわいがやがや


理緒「すごい大所帯だね……」


早苗「お祭りって言ったらほとんどみんな集まっちゃって~」


亜里沙「わ、私は早苗さんが行くって言ったから……」


奏「……」ススス


サラ「ふふ、奏ちゃん。先生も今日はお客さんで来てるんですから隠れなくても大丈夫ですよ」ナデナデ


綾子「そっか。奏の担任だったね、亜里沙さんって」


茅「楽しそうだったし、誘われたら行くしかないじゃん!」


真央「もちろん真央は茅ちゃんについてくよ! 補導とかされたくないし!」


渚「今日はみんな自由に動いていいんですよね?」


早苗「そうね~。夏祭りはステージがあったけど、今回はそういうのもないし~」


綾子「それじゃあここで解散する? あ、奏は誰かと一緒にいなきゃ駄目だからね」


奏「はい」


理緒「はい、解散でいいですよ。皆さん楽しんでくださいね」


茅「よーし、じゃあ真央ちゃんあっち行こう!」


真央「おうともさー!」


安価↓からそれぞれのみんなの行動安価
出店やタイムテーブルは詳しく決めていないので、自由に考えてください
大学の学祭に行ったことがないので、変なところがあれば教えてください

ちなみに
理緒のサークルの出し物は歴史喫茶
江戸時代の茶屋をイメージした和菓子やお茶を提供する
着物を着たり、武士のような和服を着たりもできる

屋外ステージの発表は
漫才
演劇
ダンス
ライブ
カラオケ
ミスコン

カラオケ大会はエントリーすれば一般客も参加可能

理緒の歴史喫茶で白百合荘メンバーがのんびりしているところに屋上ステージでダンスを披露する予定だったレイラが合流。
グループの様子を見て故郷が懐かしくなり故郷の友達の話から恋愛、性体験の話をしだす。

サラがナンパされている姿を目撃してショックを受ける奏
胸のモヤつきと動揺で割って入れない中、白百合荘の誰かが助けに来る
可能なら助けに来た人にモヤつきを打ち明けるもセットで

茅&真央が出店を回っていると透と遭遇、夏祭りのリベンジとして透を引き連れ茅がカラオケ大会に参加して真央を想いラブソングを熱唱
透は一般客でも理緒と同じ大学の院生として参加でもやりやすいようにして下さい

渚と理緒の仲の良さを見て二人の関係性に勘付く亜利砂
自分も早苗ともっと仲良くなろうとして夏祭りの時とは打って変わって早苗をひっぱり回す

>>572
>>574
>>575(途中まで)
>>576
を採用します

理緒「なんで解散したのにまた皆で集まってるんですか……」


真央「理緒ちゃんの着物姿が見たくて! 可愛いね、その着物!」


早苗「ほんとね~。青色の着物、とっても綺麗だわ~」


理緒「ありがとうございます」ニコッ


渚「む」

渚「理緒さん理緒さん」クイクイ


理緒「?」


渚「に、似合ってます。可愛いですっ」コショコショ


理緒「……ん、ありがと」

理緒「渚にそう言われるのが一番嬉しい」テレッ


亜里沙「……」

亜里沙(あれって……まさか)

亜里沙(いや、私がアドバイスしたのも半年近く前だし……ってことは)

亜里沙(そっか、上手くいったんだ、理緒さん)


理緒「せっかくですから、皆さんも体験してってください。和菓子もありますし、あとは着物も着れますから」


サラ「キモノ! 着てみたいです!」


亜里沙(私も頑張らなきゃ……!)

亜里沙「さ、早苗さん!」


早苗「は、はい?」


亜里沙「今日は楽しみましょうね!」


早苗「……ふふっ」クスッ

早苗「はい、亜里沙さん。楽しみましょう」ニコッ

???「あ!」


理緒「いらっしゃいま……」


???「リオ! ……とナギサ!」


理緒「え、あ……!」


渚「レイラさん!?」


レイラ「二人も踊りにきたの?」


渚「いえ、私たちは踊りは……」


レイラ「しないのかー……残念」


理緒「レイラさんはまた踊るの?」


レイラ「うん!」


理緒「なら後で見に行くよ。その前にさ……」


レイラ「?」


理緒「時間あるよね? よかったらここでゆっくりしていって」


レイラ「おお! オナサケイタミイル!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「サラさん、着物も似合いますね」


綾子「ブロンドの美女は何着ても絵になるねー」


サラ「もう、おだてても何も出ませんよ」テレテレ


レイラ「この人たちは?」


理緒「同じアパートの住人。みんないい人だよ」


レイラ「へー……」


真央「茅ちゃんの着物姿が可愛すぎる件」カシャカシャカシャカシャ


茅「真央ちゃん連写はやめよう?」


レイラ「いやー……故郷を思い出すなあ」


理緒「レイラさんの故郷?」


レイラ「こんな感じでさ、みんな仲良くって」

レイラ「毎日のように集まってたなーって」


渚「ホームシック……ですか?」


レイラ「そういうんじゃないよ。ただちょっと懐かしいだけ」


理緒「興味あるな……。レイラさんの故郷の話聞かせてよ」


レイラ「おお、いいよー!」

レイラ「って言っても取り立てて話すようなことあったかな……」

レイラ「まず朝集まって、皆で朝ごはん食べて」

レイラ「その後は仕事だったり学校だったりでバラバラ。私はダンススクールで講師したり他のバイトしたり。まあ終わったらまた皆で集まるんだけどね」

レイラ「それからそうだなー……。晩御飯食べて気分が乗ってきたら皆とセックスしたなー」


渚「ぶっ!」ブハッ

渚「げほっ! げほ、えほっ!」


理緒「い、いきなりなんの話してんの!?」


レイラ「故郷じゃそうだったんだよー。なんか皆曰く「ダンスがヤラシイ」らしくてね。女の子からも抱いてくれって言われたことあるよ!」


渚「~~~ッ!」カアアアッ


理緒「そ、そういう話はなしで! なんかもっと地域の話とか聞きたいんだよ!」


レイラ「えー? それこそ何もないよー」

レイラ「私が巫女だとか、そういう話は面白くないし……」


理緒「え、それは気になるよ」


レイラ「そう? 興味の対象が分からないなー」


綾子「なになに、なんの話?」


レイラ「わあ! おっぱい!」


綾子「おお、挑戦的な奴だな」


レイラ「いやあ、ごめん。あまりに大きいからつい……」

レイラ「それで、私の職業の話だっけ?」


理緒「そうそう」


レイラ「厳密にはシャーマン。日本風に言えば巫女」

レイラ「巫女の仕事は、その身に神を降ろしたり、霊界や神霊とコンタクトをとったり……ただ、これはもう形式で残ってるだけで、霊との交流は目的じゃない」

レイラ「地域の特色として、数年置きに若い人にダンスを伝えてるってだけだね」


綾子「ダンス?」


渚「レイラさん、前の夏祭りでダンスを踊って優勝したんですよ」


綾子「へー……」


レイラ「それで、私は小さい頃からダンスを踊ってて、尚且つ踊るのが好きでね。だからダンサーとして働きたいんだ」


理緒「それがなんで日本に?」


レイラ「タイミングよく留学の話が来たからってのもあるけど、日本舞踊なんてのがあるって聞いて、日本に興味が出てきたの」

レイラ「しかも来てみたら思ったより気に入っちゃってね。日本語喋れるのもたくさん練習したからなんだよ!」


理緒「なるほどねー」


綾子「はい!」シュピッ


レイラ「はいおっぱいさん!」ビシッ


綾子「ダンスが見てみたいです!」


レイラ「お、見る? いいよー」


理緒「そうだ。踊るなら着物着てみる?」


レイラ「着る!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


レイラ「~♪ ~♫」フリフリ


綾子「おお……」


理緒「夏祭りのときはじっくり見れなかったけど……」


渚「すごい……綺麗ですね……」


レイラ「♪ ♪♫ ~~♪」クルッ


早苗「……素敵ですね」


亜里沙「……はい」


レイラ「~♫ ♪ ♪ ♫」フリフリ クルリン


茅「おー……」


真央「……すごいね」


レイラ「♪ ♫♪ ~♪」フリフリ ピタッ


奏「おおー……」パチパチパチ


サラ「オミゴト……」パチパチパチ


綾子「すごいね……なんか、こう……うあー、言葉が出てこないよー」


レイラ「ありがとー! 楽しかったー!」ノビー

レイラ「気分転換になったし、そろそろ私は行くね」


理緒「うん。引き止めてごめんね」


レイラ「いいよいいよ。あ、ダンスステージは午後2時からね! 応援よろしく!」タタタッ


亜里沙「よ、よしっ。早苗さん、私達も行きましょう!」


早苗「はい」ギュッ


亜里沙「! て、手……!?」


早苗「人が多いので、はぐれないようにしましょう」ニコッ


亜里沙「は、はいっ!」


てくてくてく


綾子「じゃあ私達もだな。サラ、奏、行こう」


サラ「はいっ」


奏「はい」


てくてくてく


真央「着物……」


茅「真央ちゃん、ずっとここにいても意味ないでしょー、行くよー」ズルズル


真央「あーん、理緒ちゃんの着物姿がー……」ズルズル


ずるずるずる……


渚(やっと二人きりになれた……)


理緒「これで少しゆっくりできるね」ストン

理緒「喜ばしいことじゃないけど、今は他にお客さんもいないし」


渚「ほんの少しの時間でもいいです。理緒さんとゆっくり過ごせるなら……」コテン


理緒「ん……そだね」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅サイドーー


茅「!」ピクッ


真央「どしたの?」


茅「遠州透!」ズイッ


透「……誰?」


茅「ほー……覚えてないと……。夏祭りであんなに低い点数出しておいて……?」


透「……ああ。あの時の3点の人……」


茅「お、お、ぎ、し、か、や! 3点の人じゃない!」


透「……そう。それで、茅さんはなんのためにここに? まさかわたしにリベンジするためだけに来たの……?」


茅「んなわけ……って、リベンジ? まさかまたなんかの採点すんの?」


透「……この後のカラオケ大会。OG枠で採点係になってる……」


茅「ほー……そりゃいいこと聞いた」

茅「あたし、参加するから。今度はその鼻明かしてやる!」


透「……へえ、楽しみ……」


茅「よし、宣戦布告したわけだしエントリーしに行こう! 真央ちゃん!」


真央「おお! 行こう行こう!」


てくてくてく

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏サイドーー


奏(ど、どうしよう……)


サラ「ーーーっ」


大学生「ーーー? ーーー」


奏(私がお手洗いに行って、綾子さんがジュースを買いに行ってる間にサラさんがナンパされるなんて……)

奏(遠くて声が聞こえにくいけど……)


大学生「ーーーいこーぜ? ーーーだから、ーーー」


サラ「人をーーーるんです、すみーーー」


奏「や……」

奏(止めなきゃ、止め、てーー)

どうして男の人はサラさんをナンパできるの

奏(止めーー)

私じゃ駄目なの?

奏(止ーー)


綾子「おい!! サラから手ぇ放せてめえ! 嫌がってんだろ!」


奏「!!」ビクッ


大学生「な、なんだお前……ちっ、しらけたわ」クルッ


奏「さ、サラさん……」フラッ


綾子「大丈夫か、サラ。怖いことされなかったか?」


サラ「大丈夫ですよ、少ししつこいだけで変なことはされませんでしたから」グッ


奏「サラさん、ごめんなさい……」ギュッ


サラ「おっと。奏ちゃん、どうしました?」


奏「見てたのに、絡まれてるの見てたのに、止められなくて、ごめ、ごめんなさいっ」


サラ「いいんですよ。奏ちゃんは子供じゃないですか。体が動かなくて当然です」ナデナデ


綾子「ったく、サラがこれだとおちおち一人にできないな」

綾子「これからはできるだけさらに固まろう。変なやつに絡まれたくないしね」


サラ「はい、そうしましょう」


奏「ーーはっ、はっ」ドクンドクン

ーー私じゃ駄目なの?ーー

奏(なに、さっきの……)

綾子「ーーなで、奏!」


奏「! は、はい? どうしました?」


綾子「どうしたもこうしたも……呼びかけてもぼーっとして反応しないんだもん。大丈夫?」


奏「だ、大丈夫ですよっ。次どこに行くんですか?」


綾子「んー……」

綾子「あんまり大丈夫には見えないなー。何かあった?」

綾子「あー、いや、今はさすがに学祭中だし相談乗れないけどさ、帰ったら話聞かせてよ」

綾子「ひとまず今は楽しもう?」


奏「は……はい」


サラ「二人ともー、置いていきますよー」


綾子「だーからー、一人になるなってー」テクテク


奏(そうだ、前だって二人に相談したんだ。今回も相談に乗ってもらって……)

奏(うん、大丈夫。私には頼りになる人がいる)

奏「置いてかないでくださいよー!」タッタッタ


安価↓
①昼までイベントなし
②誰かが行動を起こす(自由安価)

②を選んだ場合、さらに安価↓3くらいまでの行動をこなします

2
亜利砂が早苗にいいところを見せようとするも輪投げ等のチャレンジ系出店を訪れるが尽く空回りして失敗しまう。
落ち込む亜利砂に「意外な一面がみれて良かった」と微笑む早苗(あと弱冠のSが開花)。

②再び綾子を見つけたレイラが「おっぱいさーん!」と後ろから抱きつき胸を揉みしだく

②渚と理緒が人目を偲んで互いにキスしてドキドキするイベント

エロが…エロが書きたい…!

すみません、更新はもう少しかかります

19日に簿記の試験あるので勉強してました
終われば更新できるのでもう少しだけお待ちください

ほんとにお待たせして申し訳ない

>>589
Sの開花が書けなかったのでそこのみ不採用
>>590
>>591
を採用します

早苗サイドーー


亜利砂「縁日通り……」


早苗「お祭りをイメージした出店が何店か並んでますね~」


亜利砂「よし、行きましょう早苗さん!」


早苗「はいっ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


亜利砂「サバゲ部協力、近代射的……面白そうですね」


サバゲ部員「お、お姉さんやりますか? これ、射的用の銃です」ズシッ

サバゲ部員「見た目は本物のショットガンそっくりにしてますが、中身は屋台で見る射的用銃のまんまですからご安心ください」


早苗「頑張ってくださ~い」


亜利砂「とりゃっ!」パンッ

亜利砂「えい、いけっ!」パンッパンッ

亜利砂「あれ、上手く行かない、なっ」パンッパンッパンッ


サバゲ部員「お姉さん残念! 全弾外れちゃいましたねー。これ、残念賞です!」


亜利砂「く、う……!」

亜利砂「つ、次です!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


亜利砂「物理部開発、激ムズ輪投げ……」


早苗(激ムズ……)


物理部員「やりますか? この輪投げは見た目こそ普通の輪投げですが、この輪がですね」スッ

物理部員「片側だけ重くしてあるので、置くように真っ直ぐ投げると縦に回転してしまうんですよ。しっかりクルクルと回るように投げないといけませんが、そうなるとコントロールが難しいのです」

物理部員「やっていきますか?」


亜利砂「ええ、もちろん」

亜利砂(なんだかんだ言ってもたかが輪投げ。輪投げなら私の得意分野!)ヒョイッ


カシャンッ


亜利砂「あら?」ヒョイッ


カシャンッ


亜利砂(す、すぐに縦になる……!)クンッ


すぽーんっ


亜利砂(かといって力を入れて回転させたらすっぽ抜けるし……)ヒョイッ


カシャンッ


亜利砂「もー!」ヒョイッ


カシャンッ


物理部員「残念! 5つ全部外れです!」

物理部員「リベンジお待ちしてますよ。これ、参加賞です」スッ


亜利砂「うう、ありがとうございます……」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


亜利砂「クイズ研提供、なぞなぞくじ」

亜利砂「クイズの難度、解いたスピードにより景品を差し上げます」

亜利砂「変わったくじですね……やってみましょう!」


クイズ研部員「やりますかー? くじボックスどうぞー。お好きなのをひとつ引いてくださーい」


亜利砂「よし、これっ」バッ

亜利砂「……『5000に線を一本足して、半分を表わせ。難易度★★☆ ひらめき★★★』」

亜利砂「……? 半分って……半分?」


早苗(……あっ)ピコーン


亜利砂「500θ……いやこれじゃダメだ」

亜利砂「線って曲がっててもいいのよね……25000……いやこれじゃ5倍……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


(10分後ーー)


亜利砂「わ、分からない……」ズーン


早苗「ちょっといいですか~?」ヒョイッ

早苗「こう……0と0の間に線を引いて……」スーッ

早苗「50%……ね?」


亜利砂「!!!」


クイズ研部員「おおー、おみごとー。どうぞ、景品ですー」


亜利砂「うぅ……」ショボン


早苗「げ、元気だしてくださ~い」ナデナデ


亜利砂(な、なでなで……! 落ち着く……)


早苗(泣きそうな亜利砂さん……)

早苗「かわいい……っ」ボソッ


亜利砂「?」ナデラレナデラレ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


亜利砂「調理部監修、カラフルわたあめ……」


早苗「やりますか~? お昼ごはんまだですけど~……」


亜利砂「いえ、やめましょう……。今の私ならこれすらも失敗しかねませんから……」ショボン


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


がやがや がやがや


亜利砂「あ、ここ空いてますよ!」ストッ


早苗「やっぱり混んでますね~」ストン


亜利砂「ですね。私達も食べたらすぐに離れましょう」


早苗「それじゃあ早速……いただきます」


亜利砂「いただきます」


もぐもぐ


亜利砂「……」

亜利砂(射的はボールペン、輪投げはポケットティッシュ……唯一の景品はクイズ研のお菓子詰め合わせ……)

亜利砂(しかもこれは早苗さんが手に入れたようなものだし……)

亜利砂「あの、つまらない、ですよね……こんな、失敗ばっかで」


早苗「? そんなことないですよ~」


亜利砂「でも私、いいところ見せたくて頑張ったのにだめだめで……すごく恥ずかしいです」


早苗「そうですね~……でも、私は亜利砂さんの新しい一面が見れて嬉しかったですよ……?」


亜利砂「!」キューン


早苗「なんでもできる人なんていませんし、亜利砂さんのそういうところを好きになった訳ではありませんから~」


亜利砂「す、好き……!?」


早苗「あ……ひ、人として、ですよ~。ありのままの亜利砂さんを見せてくれる方が、私は嬉しいです」


亜利砂「!」コクコクコク


早苗「元気が出たみたいでよかったです~。それじゃあ、食べちゃいましょうか~」


もぐもぐ

綾子サイドーー


レイラ「おっぱいさーん!」ドーン


綾子「うおっ……!?」


レイラ「あ、やっぱでかい」モミモミ


綾子「おい」グイッ


レイラ「あう」


サラ「あ、さっきの……」


綾子「いきなり人の胸を揉むんじゃない」


レイラ「だってでかかったから……」


綾子「あのなあ、さっき会ったばっかりの人に胸揉まれて喜ぶ奴がいるか?」


レイラ「いないね!」


綾子「そういうことだ。もう揉むんじゃないぞ」

綾子「……それで? 何か私に用?」


レイラ「あーいや、用はないよ。おっぱい揉んでみたかっただけだから」


綾子「なら早くステージ行った方がいいんじゃないの? 私に構ってたら出番に遅れるよ」


レイラ「確かに! じゃあ私はこれで失礼するね!」

レイラ「良かったらステージも見に来てねー!」タッタッタ


綾子「嵐みたいな奴だな……」

綾子「さ、サラ、奏、私達も行こっか」


サラ「はい!」

渚サイドーー


理緒「ふう……少し落ち着いてきたね」


渚「そろそろお昼ですし、皆さんどこか別の場所でご飯を食べてるんだと思いますよ」


理緒「そうだね。私の当番はお昼で終わりだから、もう少しだけ待っててくれる?」


渚「はい、もちろん待ってます!」

渚「……」ソワソワキョロキョロ

渚「り、理緒さん理緒さん。ちょっとこっち来てください」チョイチョイ


理緒「?」


渚「んっ」チュッ


理緒「なっ! 渚……!?」


渚「大丈夫です、誰も見てません」ボソボソ


理緒「……」キョロキョロ

理緒「……ちゅ」チュッ


渚「!」

渚「えへへ、ドキドキしますね……」


理緒「……ちゅう」


渚「んっ、んう……!?」

渚(く、口に……!?)


理緒「ちゅ、んく……ぷぁ」

理緒「……どう? もっとドキドキした?」


渚「す、すごく」ドキドキ


理緒「……誰も見てないよね?」


渚「見てない……と思います。誰もこっち気にしてませんし」

歴研部員「理緒ー交代するよー」


渚理緒「「!!」」ビクッ

理緒「あ、ありがと。あと頼むね」


歴研部員「任せてー。あ、着替え裏にあるからね」


理緒「わかった、着替えてくる。渚もこっち来て」


渚「あ、は、はい」トテテ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


更衣室ーー


理緒「……ねえ」


渚「は、はいっ」


理緒「なんであんなところでキスしたの?」


渚「あの……我慢、してたんですけど……着物姿が色っぽくて、我慢できなくて……それで、つい」


理緒「……そっか」


とんっ


理緒「じゃあ私も我慢しなくていいよね……?」


渚「へ? 我慢って……んっ」


理緒「小動物みたいな顔してずっと待ってるんだもん。私だって渚に触りたいの我慢してたんだよ?」


渚「ま、待ってくださいっ、ここじゃ誰か来ちゃ……」


理緒「先にしてきたのはそっち……ちゅう」


渚「ひ、あ……っ!」


理緒「ふふ、渚が悪いんだからね……?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


◆◆◆◆◆◆◆


◆◆◆

屋外ステージーー


司会「ーーさあ次はダンスパフォーマンスです!」

司会「我が大学のダンスサークルが集まり、様々な踊りを見せてくれるようです。また、その後には日本でも活躍する外国人ダンサー、レイラ・リトルビーチさんにも踊っていただきます。では、ミュージックスタート!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


レイラ「ふー……」


綾子「おい」


レイラ「うわひっ!?」ビクウッ

レイラ「あ、ああなんだおっぱいさんか……」


綾子「綾子って名前で呼べよな……。まあいいか」

綾子「ね、さっきまであんなに笑ってたのに緊張してるの?」


レイラ「あはは、ちょーっとね。そういえばステージ裏入ってきて大丈夫なの?」


綾子「関係者って言ったら通してくれたよ」


レイラ「へー……あ、あの二人は?」


綾子「奏とサラのこと? あの二人ならさっき会った早苗と亜利砂さんに任せて一緒にステージ前で待っててもらってる」

レイラ「そっかそっか。えっと、じゃああのさ、お昼は? 食べたの?」


綾子「食べたけど……あ、そういうことか」


レイラ「?」


ムニュッ


レイラ「ッ!!!?」


綾子「緊張したら口数多くなるタイプなんだね」ムニムニ


レイラ「な、なん、胸っ!?」バッ


綾子「いやね、緊張解してあげようかと思って。……あとさっきの仕返し」


レイラ「……確かに緊張どころじゃなくなったけどさ」


綾子「しかし何度も踊ってるのに緊張するんだな」


レイラ「まあこればっかりはなんとも……。踊りはじめたら楽しくなって緊張も吹き飛ぶんだけどね」


綾子「なら緊張解す必要なかったかな」


レイラ「んーん、助かったよ。ありがと」

レイラ「……ね、なんでさっき会ったばっかの私のこと気にかけてくれるの?」


綾子「なんでって……ステージの隙間から顔見えちゃったからね。いかにも緊張してますー、みたいな顔がさ」

綾子「そしたら「あー、助けなきゃなー」って思って。サラの癖が移ったのかもしれないな」


レイラ「サラ……」


綾子「そ、サラ。私の友達」


レイラ「……よし!」スクッ

レイラ「しっかり踊ったあとで、サラさんにもお礼言うよ!」


綾子「おう、その意気だ」


レイラ「じゃあそろそろ行くよ」


綾子「ああ、見てるからな」


レイラ「いってきます、アヤコ」ニッ


綾子「……ん、いってらっしゃい、レイラ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


司会「さあ続いて、先程も言ったとおりこの方に登場してもらいます! レイラ・リトルビーチ!」


レイラ「どうもー!」


司会「それでは早速踊っていただきましょう! ミュージック、スタート!」


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


レイラ「♪ ~♪」


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


綾子「……」ジーッ


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


レイラ「♫」クルッ


♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪

♪♪♪♪♪♪♪

♪♪♪


パチパチパチパチ


司会「見事な踊りをありがとうございました! レイラ・リトルビーチさんにもう一度拍手を!」


パチパチパチパチ!


レイラ「楽しかったよ~! ばいばーい!」タタタッ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


レイラ「アヤコ!」


綾子「おかえり、レイラ。いいダンスだったよ」


レイラ「いえい!」

レイラ「そうだ、この後ってどうするの?」


綾子「この後? カラオケ大会に茅が出るらしいからそれ見ようかなとは思ってるけど……」


レイラ「ほほー、カラオケ大会……」


綾子「せっかくだしレイラも見てく? 他の人の発表はまだ見てないだろうしさ」


レイラ「うん! そうする!」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真央「茅ちゃん、頑張ってね!」


茅「任せてよ。今度こそ遠州透にぎゃふんと言わせてやるんだから……!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


司会「さてさて、お次はカラオケ大会となります。うちの生徒からだけでなく一般の参加者も受け付けての大会となります」

司会「得点はカラオケマシーンの得点と審査員の得点の平均となり、優勝者にはこの学祭のみで使える引換券をプレゼント! 参加者の皆さん、優勝目指し頑張ってください!」

司会「ではエントリーナンバー1番から行きましょう! どうぞ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「あ、あ~♪ ……よし、準備完了!」


真央「ファイト、茅ちゃん! ……あ、そうだ!」

真央「茅ちゃんにおまじないしてあげる。少しかがんで?」


茅「?」


ちゅっ


真央「元気がでるおまじない、だよ」ニコッ


茅「……やばい、めっちゃ元気でた」

茅「よーし、いくぞー!」


安価↓茅の歌う曲
コンマ↓~↓3の中から最高値が茅の点数
01~50の場合コンマに+50
51~00の場合コンマをそのまま採用
00は100扱い

間が空きすぎたので、今までのあらすじ
>>601の前にこれを入れときたかったんですが、まとめるのに思ったより時間がかかってしまいました

四月と五月(>>2->>70
澄野渚が1号室の住人に。
アパート主催のお花見を開催。
お花見から抜け出した渚は2号室の東谷理緒と遭遇。「なぎさ」と呟かれた後、キスされてしまう。
依然として渚からの頼みは聞く理緒だが、理緒から渚へは何も頼まない。
渚がその事を詰め寄ると、かつて理緒は凪沙という子に恋をしていたが、頼み事をしすぎたせいで嫌われたと発覚。

六月(>>99->>149
渚、管理人、天使早苗にキスのことを相談。
理緒が渚と出かけたいと頼み事をする。行き先は美術館に。
美術館で理緒の中学時代の先生神ヶ原亜利砂に遭遇。
美術館を見たあと雨に降られる。渚と理緒は相合傘で帰宅。

七月(>>196->>226
6号室の住人、大岸茅が本屋で8号室の住人、桃山真央と遭遇。
百合本を集める真央と、密かな同性愛者茅は真央の部屋で一緒に百合本を読む。
茅は同性愛の相談を渚や理緒にする。白百合荘の人たちから肯定され、同性でも隠さずに好きになってみようと思う茅。
早苗、ダンス講師の資格を取得。夏祭りに向け住人にダンスレッスンをする。
理緒、翌月の夏祭りに渚を誘う。
真央、翌月の夏祭りに茅を誘う。

八月(>>230->>300
夏祭り開催。
渚と理緒、茅と真央、早苗、亜利砂で行動開始。
茅と真央が逸れてしまう。
中学生と間違えられた真央、亜利砂に補導されかける。
茅と早苗がその場にやって来てことなきを得る。
早苗、亜利砂と行動を共にすることに。
ステージ大会にて、遠州透が審査をすることに。
ステージ大会にて、白百合荘のメンバー茅、真央、早苗は惨敗。外国人ダンサー、レイラ・リトルビーチが優勝。
茅、点数の不服を透に申し立てるも反論され徒労に。
茅と真央、再び逸れるも真央が茅を発見。
茅、真央への恋を自覚。
花火をバックに渚と理緒が再びキス。互いの好意を自覚し付き合うことに。
茅、家族に同性愛者と気づかれ、自宅に軟禁されることに。

九月(>>348->>488
7号室の住人、琴崎綾子、5号室の住人、サラ・ミナヅキ、白百合荘の前で家出少女、若宮奏と遭遇。
奏は茅の知り合い。だが、真央には奏の存在をまだ知らせず、奏の家出問題を解決することを優先する。
綾子、サラ、積極的に奏の世話を焼き、少しずつ心を開いてもらう。
しかし真央と奏が遭遇。現状を話すことで茅の問題は少し待ってもらうことに。
奏の担任が亜利砂と判明。
亜利砂を経由し、奏が親と直接話すことに。
話し合いの結果、奏は親と和解。
奏の問題が解決したので茅の問題へ。
真央、茅母親、茅父親を説得。納得はしてもらえていないが、一定の理解は示してもらい軟禁を解除。自由な行動を許される。
晴れて茅と真央は付き合うことに。
綾子、水泳大会で2位に。
入賞記念と早苗の誕生日を祝うパーティを白百合荘で開催。
亜利砂、早苗と年齢の辻褄が合うことで大学時代に1年間だけ共に在学していたことが判明。
亜利砂、大学時代に早苗に惚れていたことを話しキスをする。

十月(>>496->>564
奏、サラや綾子らと出かけるほど仲良くなる。
奏、買い物の最中、サラが取られたと(無自覚に)感じ、嫉妬から叫んでしまう。
早苗、亜利砂と話し合うことで不安を払拭。亜利砂からの好意に応えられるようになるだろうと思い直す。

十一月(>>571-)
理緒の大学で学祭が開催。
夏祭りで出会ったレイラと再会。
理緒の在籍する歴史研究部の出し物を全員で堪能した後、解散。
渚、理緒と残る。
茅、真央と行動。
奏、綾子とサラと行動。
早苗、亜利砂と行動。
サラ、ナンパされかけるも綾子に助けられる。
レイラ、綾子に勇気づけられステージへ。
茅、ステージ発表のカラオケ大会に一般枠として参加。

現在ここまで
人物紹介は
澄野渚>>5
東谷理緒>>26
天使早苗>>78
神ヶ原亜里砂>>133
大岸茅>>151
桃山真央>>170
レイラ・リトルビーチ>>173
遠州透>>175
琴崎綾子>>309
サラ・ミナヅキ>>328
若宮奏>>352
(要>>327
です

司会「続いては一般参加者、大岸茅さんの歌です。どうぞ」


透「……」


茅「……すぅ」


~♪


ーー心の通わぬやりとりばかりこれ以上繰り返すよりも


奏「…………」


ーーあなたの心が答え出すまでこのまま二人会わない方が


真央(茅ちゃん、そんなつもりで黙って引っ越ししたのかな? ……なんてね♪)


ーーそれが明日でも五年先でも、いつでもここで待ってるから


亜利砂(八年先……でも)


ーー約束しようよ。そして二人、心に赤い糸をしっかり結んで


早苗「……」


~♪


パチパチパチパチ


司会「さあ得点の方見ていきましょう!」


カラオケマシン……82
審査員1……65
審査員2……73
審査員3……70
審査員4……100


司会「一人100点が出ましたが、得点は平均点です。平均点は……」


78点


司会「78点です! 大岸茅さん、ありがとうございましたー!」


茅「ありがとうございましたっ」ペコリ


コンマ↓
(100-78=)22以上で茅優勝
21以下で他の人が優勝

司会「さあ、すべての参加者が歌い終わり、いよいよ結果発表です!」

司会「優勝は……78点! 大岸茅さんです!」


パチパチパチパチ!


茅「わ、私!? やったー!」ワーイ


司会「こちら優勝特典の学祭で使える引換券となります! どうぞ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「ねえ」


透「……」ピタッ


茅「なんで100点なんか入れたの」

茅「……なんかえこひいきで勝ったみたいで正直嬉しくないんだけど」


透「……それは……」


茅「まさか夏祭りの時の償いかなんかのつもり?」


透「……ちが……」

透「……かったから」ボソボソ


茅「なに?」


透「……すご! かった、から……! だから、100点……を……」


茅「ふーん……」


透「……あの時と違って、ほんとに恋してるって伝わってきて……だから、私は100点だと思って……」


茅「……そう。じゃあとりあえず素直に喜んどく。ありがとね」


真央「茅ちゃーん!」タタタッ


ギューッ!


真央「優勝おめでとー! すごかったよー!」


茅「あ、真央ちゃん! へへ、まあねー。あたしにかかれば余裕だよ!」


透「……え……ねえ、まさか、さ……。好きな人って……」


茅「ん? あー……」


真央「?」


茅「想像に任せるよ」ニッ


安価↓から自由安価
誰がどのような行動を取るか
現在14:00~学祭終了17:00
※参考※行動を共にしてる人たち
渚ー理緒
茅ー真央
奏ーサラー綾子ーレイラ
早苗ー亜利砂

少々やり過ぎてしまいむくれてしまった渚のご機嫌とりに奔走する理緒

人数の少ないところで真央と茅が談笑
途中真央のアンコールで、一緒に「永遠にともにを歌う二人」
(真央が茅の肩に頭のせながら)

亜利砂が出店の三角クジで『テーマパークペア招待券』を当て、早苗とクリスマスデートの約束を取り付ける。

>>624
>>625(途中まで)
>>626
を採用します

茅サイドーー


真央「茅ちゃん、こっちこっち」クイクイ


茅「?」テクテク


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


茅「お? 休憩用のベンチがこんなとこに……」


真央「ささ、座って座って」ポスン

真央「えー、改めて。優勝おめでとう!」パチパチパチ


茅「ん、ありがと」ニッ

茅「やっぱおまじないが効いたのかな。こうやって……」チュッ


真央「! えへへ……」


茅「あ、そだ。引換券って何に使えるんだろ……」ペラペラ

茅「ジュース、たこ焼き、クレープ……いろいろあるねー」


真央「もう引き換えに行く?」


茅「んーん、もう少し他のとこ回ってからにするよ」


真央「そっか」


茅「真央ちゃんどこか見たいところある?」


真央「うーん……特にはないかなあ」


茅「じゃあしばらくはブラブラ歩きながら何かあるか探してみよっか」


真央「うん!」

真央「……ね、茅ちゃん」ギュ


茅「ん?」


真央「伝わったからね、歌」


茅「……そりゃ、真央ちゃんを想って歌いましたから」


真央「えへへ、嬉しいな」


茅「じゃ、もう一曲……」


♪♪♪♪♪♪♪

渚サイドーー


理緒「なぎさー……機嫌直してよ~……」


渚「知りませんっ」プイッ


理緒「謝るからさ~……」


渚「謝られてもキスマークは消えませんっ」


理緒「じ、じゃああれ! クレープ食べよう! 屋台あるし!」グイグイ


渚「……行きます」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒「……おいしい?」


渚「おいひいでふ……」モクモク


理緒「……ごめん、渚。ほんとに。やりすぎた」


渚「……もういいですよ。……私も意地を張りすぎました」

渚「……ごめんなさい」ペコリ


理緒「……よかった」ニコッ


渚「むぐっ?」

渚「クレープの袋に何か……」ペリッ


理緒「クジ券?」


渚「ああ、出店で何か買うとついてくるんですね。なんだかほんとにお祭りみたい」


理緒「せっかくだし引きに行こっか」


渚「はい、行きましょう!」

早苗サイドーー


早苗「あら、二人とも」


渚「あ、早苗さん」


早苗「クジコーナーの前にいるってことは~……クジ引いたの~?」


理緒「はい。……まあハズレのボールペンだったんですけどね」


渚「早苗さんもクジを引きに来たんですか?」


早苗「私は亜利砂さんを待ってるのよ~。いろいろ出店を回ったらクジ券が集まっちゃって……「どうせ当たらないので一人で引いてきます」って、亜利砂さん一人で引きに行っちゃったから~……」


カランカランカラーン!


係員「出たー!! 出ました! 特賞ですー!!」カランカランカラン!


理緒「あ、特賞出たんだ。すごい運の持ち主だね」


渚「特賞って確か……テーマパークのペア券とかでしたっけ?」


理緒「そうそう。……でもよく用意できたよね。ただの学祭の景品なのに……」


亜利砂「さ、さなえさん……」フラフラ


早苗「あ、おかえりなさい亜利砂さん……って大丈夫ですか~? 人酔いしちゃいましたか?」サスサス


亜利砂「これ……」スッ


早苗「?」

早苗「え、これって……」


亜利砂「と、特賞当たっちゃいました……」


理緒「さっきの先生だったんですか!?」

亜利砂「なんか、ビックリしすぎてまだ実感が……」


早苗「そうですね~……信じられないです……」


亜利砂「よ……よし。早苗さんっ」


早苗「はい?」


亜利砂「行きましょう、これ。一緒に」


早苗「……はいっ」ニコッ


理緒「お邪魔虫みたいだから、私たちはどっか行ってようか」ボソボソ


渚「ふふ。はい、そうですね」コショコショ


安価↓からそれぞれの行動を自由安価
学祭終了まで残り僅か
帰宅するもよし、残って出店を回るもよしです

帰る際に人ごみに流され、綾子・サラ、レイラ・奏と二組が離れ離れになる。携帯も繋がらないようで・・・(しばらくしたら合流)

早苗が亜利砂を部屋に招き、部屋にて早苗お手製のお摘みで晩酌

茅と真央の姿を見て同性愛について悶々と考えながら歩いている透に渚と理緒が接触(可能なら顔見知りにしてください)
透は二人の姿と会話を通して同性愛について理解を深めると同時になぜか夏休みにレイラからされたキスを思い出す

>>632
>>633
>>634
を採用します

お待たせして申し訳ない

綾子サイドーー


綾子「もう四時か……そろそろ帰る?」


サラ「そうですね。奏ちゃんなんかは学校から早く帰るよう言われてましたし」


レイラ「いろいろ見れて満足だし!」


奏「歩き疲れてきましたし……」


綾子「じゃあ帰ろ……うわっ!」ドンッ

綾子「いてて……なんだよ、ぶつかったのに謝りもしないで」


レイラ「だいじょーぶ?」トテトテ


綾子「うん、大丈夫」

綾子「……あれ? 二人は?」キョロキョロ


レイラ「そういえば……どこだろ」


綾子「はぐれたか? ドジッたなぁ……」


レイラ「探そっか?」


綾子「当然。あの二人ちっちゃいし、変なことに巻き込まれてなきゃいいけど……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏サイドーー


サラ「ふ、不思議なこともあるものですね」

サラ「ちゃんと綾子さんについていったつもりなのに、一瞬目を離しただけで逸れてしまうなんて……」


奏「とりあえず探しましょう。それほど離れてはいないはずですから」


サラ「そうですね。……あ、そうだ」

サラ「奏ちゃん、手を繋ぎましょう。これ以上逸れては大変です」スッ


奏「はい」ギュッ


サラ「えーと、出口に向かってましたし……」テクテク

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「そうだ電話だ!」


プルルルル プルルルル


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


サラ「? 電話……」スッ


ブツッ


サラ「あ、電池が切れてしまいました……」


奏「あ、綾子さんからかも!」


サラ「ど、どうしましょう……連絡の手段が……。奏ちゃん、ケータイ持ってませんか?」


奏「すみません、うちの方針でまだ持たせてもらってなくて……」


サラ「それじゃあやっぱり自力で探すしかないですね」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「電話繋がらないし……」


レイラ「電池切れか、落として壊したか……なんにせよ歩いて探すしかないねー」


綾子「そうだなー。まずは……出口に向かってた訳だし、正門に行ってみるか」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奏「……あの」


サラ「はい?」


奏「今日、助けられなくて……ごめんなさい」


サラ「そんなの気にしなくていいんですよ。結果的に無事だった訳ですし、問題ありません!」グッ


奏「違うんです……! あの時、私……」


ーー私じゃ駄目なの?ーー


奏「あの男の人が私だったらってっ……考えて……っ!」

奏「なんで男の人はサラさんをナンパしても不自然じゃないのかとかっ、止めようと思ったのにっ……!」


サラ「奏ちゃん、落ち着いてください。深呼吸です」ナデナデ


奏「はい……っ、す、う……はあ……すぅ……はあ……」


サラ「落ち着きましたか?」


奏「は……い」

サラ「んうー……言いたいことはいろいろありますがまず一つ。ワタシはあまりナンパというものを好みません」

サラ「もちろん見た目を気に入って声をかけてくださるんですから、そこは嬉しいですよ。でも、ナンパをする人って大抵は自分にも自信がなくちゃやらないじゃないですか」

サラ「そういうナルシストな方とはあまり……というかまったく仲良くなりたくないですね」


奏「……はい」ホッ


サラ「それとその……奏ちゃん?」


奏「は、はいっ」


サラ「奏ちゃんはワタシのこと……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


綾子「いたっ! 見つけたーっ!」タッタッタ


サラ「!」ビクッ


綾子「よかったー。二人とも変な人に変なことされたりしなかった?」


奏「あ、ええ……大丈夫でしたよ」


レイラ「ケータイ通じなかったのって……」


サラ「ごめんなさい、電池が切れてしまって……」


綾子「ああ、いーよいーよ。よし、じゃあ今度こそ帰ろうかー」


奏「はいっ」

奏(……サラさん、何を言いかけたんだろう)

透サイドーー


茅『想像に任せるよ』


透(あれって……やっぱり“そういうこと”だよね……)テクテク

透(ど、同性のカップルなんて初めて見た……)テクテク


どんっ


渚「あうっ……。す、すみません。ぼーっとしてて……」


透「……こっちこそ、考え事してて……」


理緒「渚、飲み物買ってきたー……って、あれ」


透「……」ペコリ


理緒「遠州先輩……ですよね?」


透「……」コクリ


渚「お知り合いですか?」


理緒「うん。院に行ったから最近は会ってなかったけど、去年まではよく図書館で会ったりしてて……」


透「……あ」

透「……東谷ってたしか白百合荘? に住んでたよね……?」


理緒「え? ああ、はい」


透「……大岸茅って知ってる?」


理緒「大岸さん? 知ってますけど……」

透「……あのさ、あの人って……レ……レズ? の人、なのかな……」


理緒「え、あー……」

理緒「……どこまで知ってるんですか?」


透「……仲のいい中学生くらいの女の子と一緒にいて……意味ありげなこと言ってて……」


理緒「えっと……」チラッ


渚「……」コクリ


理緒「……そう、ですよ。その人と付き合ってるハズです」


透「……そう、なんだ」

透「……」モンモン


理緒「軽蔑とか、しないでくださいね。あの子だって普通の女の子で、普通にカラオケ大会に出て……」


透「……そういうのは、しない。大丈夫」

透「……あの子の歌、心に響いた……から。ほんとに好きな人がいるって分かったし……相手が女の子なだけだもんね」


理緒「よかった」ホッ


透「……分かってよかった。……それじゃあね」

透「……それと、ぶつかってごめんなさい」ペコリ


渚「いえ、気にしてませんよ。大丈夫です」


透「……ん。じゃあね」テクテク

透(……同性カップルか……)


レイラ『ありがとー! 嬉しいからちゅーしちゃう! ちゅっ!』チュッ


透「!!」

透「っ!」ブンブン

透(……私は違う、私は……)


レイラ「……」テクテク


透「あっ……!」


レイラ「……! ……っ」テクテク


綾子「……。……?」テクテク


透「ま、待って……! 通して、通してください……!」グイグイ


どんっ


レイラ「うおっ……!? っとと」


透「ご、ごめんなさ……」ヒリヒリ

透(なんか、さっきからぶつかってばっかだ……)


レイラ「ああ、だいじょぶだいじょぶ。急いでるのか知らないけど、気をつけてね?」


透「……あのっ」


レイラ「ん?」


透「……その、えっと……!」


レイラ「うん」


透「……ぁぅぁぅ……」パクパク


レイラ「んー? 用事ないんなら行ってもいい?」

綾子「おいレイラ、逸れるなって……」テクテク


レイラ「ごめんごめん、なんかこの子が用事あるらしくてさ」


透「……え、あ」

透(し、知らない人……)タジ


レイラ「それで、何かな?」


透「……ぅ、その……」キョドキョド

透「な、なつまつり……で……」


レイラ「ん? んー……」

レイラ「ああ! 思い出した! 夏祭りの大会で表彰してくれた人!」


透「!」コクコクッ


レイラ「うん……それで?」


透「それで……?」


レイラ「だから、何か用事あるの?」


透「え……あ……!」


綾子「あー……その、なんだ? ここじゃなんだし……どっか別の場所で話すんじゃ駄目なのか? ずっと立ち止まってるから他の人の迷惑になってるし……」


透「……べ、別の場所……で、話す」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


喫茶店ーー


綾子「ーーで、聞きそびれたけど貴方は誰?」


透「……遠州透、です」

透(ど、どうしよう……一対一ならまだしも四人も人がいたら……!)グルグル


サラ「レイラさんのお知り合い……でしょうか?」


レイラ「んーん。会ったことは確かにあるけど、知り合いってほどじゃあ……」


奏「でしたら何か落とし物を届けに来てくれたとか?」


透「……」ブンブン


奏「……違うんですね」


透(……言うしか、ない……よね)

透(言ってどうなるでもないけど、言わなかったら次いつ会えるかなんて分からない……!)

透「れっ! レイラ、さん……っ!」


レイラ「は、はいっ」


透「夏祭りのとき……キスしたの……! な、なんで……?」プルプル


レイラ「?」


綾子「キス?」


サラ「したんですか?」


奏(き、キス……!)カアアッ

レイラ「んー……」

レイラ「したけど……」

レイラ「意味はないっていうか……感情表現の一種というか……」


綾子「話が見えてこない……」


レイラ「つまり、トオルは私にキスされてドキドキしちゃった訳だ」

レイラ「そんで、私が実はトオルに一目惚れしてて、夏祭りのときキスしたのはそれの現れなんじゃないかと思ってーー」

レイラ「もしそうなら私とデートにでも行こうと思った。違う?」


綾子「なるほど……? でもよく分かるね」


レイラ「今まで何人かいたからねー。キスしただけで好かれてるって勘違いしちゃう人」


透「……そう、なの……かな」ボソッ


レイラ「?」


透「……そんなつもりはなくて……ドキドキしたのは確かだけど、自分でもこんなの初めてだったから……」

透「……だから知ってそうな人に聞こうと思った……のかも」


レイラ「……へー」

レイラ「じゃあ確かめてあげるよ」ガタッ


綾子サラ奏「!!」


透「! ま、待って……!」ビクッ


レイラ「待たない」グイッ


ちゅうっ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆

夜ーー


早苗「今日も楽しかったですね~」トクトクトク…

早苗「……はい、どうぞ」スッ


亜利砂「ありがとうございます。……では、乾杯」チンッ


早苗「そういえば、あの券っていつ使えるんですか~?」


亜利砂「えっと……」ゴソゴソ

亜利砂「12月中はいつでも使えるみたいですね」ピラッ

亜利砂「……いつ空いてます?」


早苗「私はいつでも空いてますよ~。亜利砂さんの都合のいい時に誘ってください」


亜利砂「そう言ってもらえると助かります。……そうね……」

亜利砂(クリスマス……は混むし……いっそ12月に入ったらすぐとか……ああでも期末テストがあるから忙しくなるし……)ムムム


早苗「ふふっ」スクッ


亜利砂(第二週のあたりがちょうどいい? それを過ぎちゃうとクリスマスが来て、年末が来て……やっぱり混みそうだものね)


早苗「~♪」トントントン

早苗「♪」ヨソイヨソイ


コトッ


亜利砂「はっ、すみません考え事をしていて……」

亜利砂「……これは?」


早苗「すごく簡単なものですけど、おつまみを作ってみたんです。食べながらお酒を呑んで、ゆっくり考えましょう?」


亜利砂「……とても魅力的な提案ですね」ニコッ


早苗「ふふ、でしょう?」クスッ

奏サイドーー


綾子「さて、と。オレンジジュースでいいか?」トポトポ

綾子「はい」スッ


奏「あ、ありがとうございます」


綾子「えっとなんだっけ……。そうだそうだ、サラがナンパされた後に思い詰めてたから、それを聞きたかったんだ」


奏「……」


綾子「すごい怖い顔してたから心配してたんだぞ?」


奏「……あの」


綾子「おう」


奏「そのときはなんでなのか分からなかったんです。自分でも何が嫌だったのか……」

奏「でも、今は分かるんです。それで……今から変なことを言うかもしれません。……それでも聞いてくれますか?」


綾子「もちろん。聞かせてくれ」


奏(……やっぱり綾子さんは優しいな。優しくて、すごくしっかりした大人だ)

奏(そんな人だから、私も何もかもをさらけ出して自分の悩みを相談できる)

奏「……」ギュッ


綾子「奏……?」


奏「好き……なんです」

奏「サラさんのことが……好きなんです……!」

綾子「そっ……か」


奏「ナンパされていたのを見て、『あの男の人が私だったら』って思ったんです」

奏「ただそのときは正直、なんでそんなことを思ったのか分かりませんでした」

奏「でも、今日レイラさんが透さんにキスしたのを見て……『ああ、私はサラさんとこういうことがしたかったんだ』と納得できたんです」


綾子「……」

綾子「そうか。奏が……」


奏「変なことを言ってるのは分かってます。でも……!」


綾子「分かった! 私は奏を応援する!」


奏「……へ」


綾子「まあ正直中学生に恋愛は早いと思うけど……奏ぐらいしっかりした子なら大丈夫でしょ」ニッ

綾子「協力できることがあればするしさ。頑張んなよ」


奏「……はいっ!」

サラサイドーー


サラ「……」

サラ(奏ちゃん……)

サラ(『ナンパしてきた男が自分だったら』……)

サラ(自惚れてもいいなら……いえ、自惚れますが……)

サラ(奏ちゃんはワタシのことを恋愛対象として見ている、ということですよね)

サラ(つまり、今まで何度かあった奏ちゃんの思い詰めた顔や叫んだりというのは……)

サラ(無意識にワタシの周囲の人物に対して嫉妬をしていたのでは?)

サラ(そう考えると、奏ちゃんのワタシに対する好意は非常に強い……そう結論づいてしまいます)

サラ「……」

サラ「……あぅ」カアアア

サラ(冷静に考えてみましたけど、恥ずかしいですね)

サラ(……奏ちゃんはワタシのことが好き)

サラ(……じゃあ、ワタシは?)


人からの好意に気づいてしまったら、どうするのが正解なのでしょう。

  一歩ずつ、確実に距離が近づいています。

まして、それも年下の……。

  年甲斐もなく嬉しくて、幸せな気持ち。

ワタシは彼女を好きになれる?

  私は彼女を好きになれる。

『十一月の学祭』

長々やってきましたが、やっと11月が終わりです。
12月で早苗と亜利砂、奏とサラどっちかがくっつけば、1月を始める前に新キャラを募集します。

ほんとお待たせして申し訳ない。
時間はあるのでこれからペースあげてこうと思います。

早苗「うぅっ」ブルルッ

早苗「……さむい~……」


ガチャッ


渚「あ、早苗さんおはようございます」


早苗「ええ、おはよう。今日は学校?」


渚「はい。といってもすぐ帰ってくる予定ですけど」


早苗「そう。気をつけて行ってらっしゃいね~」


渚「はい。行ってきます」タタタッ


亜利砂「おっと」


渚「おっとと……!」


亜利砂「……ごめんなさい。ぶつからなかった?」


渚「はい。大丈夫です亜利砂さん」


亜利砂「学校かしら? 行ってらっしゃい」フリフリ


渚「はい、行ってきます」

渚(最近よく亜利砂さんが白百合荘に寄っていく)テクテク

渚(少し回り道をするけど、自宅から学校までの間にあるから大した手間ではないらしい)ピタッ

渚(なんだかんだ私も仲良くしてもらってるし……)チラッ

渚(それよりも……)


早苗「あ、亜利砂さんっ!」パアアッ


渚(早苗さん、嬉しそうだなあ……)


安価↓から12月中に起こるイベントを自由安価
誰かの行動を安価で指定してもよしです

綾子、文化祭からレイラと透の姿を思い出してモヤモヤ。
気分転換に温水プールで泳いでいた所レイラと遭遇する。

早苗と亜利砂がテーマパークで童心に帰りジェットコースターなどで遊び回る
その夜にテーマパーク近くのバーで飲んでいるといつのまにか二人とも寝てしまい終電を乗り過ごす
手持ちも心もとない為、安く泊まれるところを探して『お城』に行きつく

クリスマスデートのためのプランやらサプライズやらを考えることに一生懸命になりすぎる誰か
恋人の対応も疎かになって怒った恋人と衝突し、ギスギスしたまま日が過ぎ去り…

レイラとのキスを思い出してドキドキで夜も眠れない日々を過ごす透が理緒に相談するために白百合荘を訪問

綾子サイドーー


綾子「あーあ……」

綾子(私らしくないなあ)

綾子(他人同士のキスが頭から離れなくなるなんて)

チャプ……

綾子(忘れるために泳ぎに来たけど……ダメだ)

綾子(どうしてもレイラと透のキスを思い出しちゃう)

綾子(……もう少し泳ごう)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ざばぁっ


綾子「ふう……」

綾子(少しスッキリしたかな)ペタペタ


レイラ「あっ! おっぱいさん!」


もにゅもにゅ


レイラ「久しぶりー!」


綾子「レ、レイラっ!? てか胸を揉むな!」


レイラ「いやあ、つい」


綾子「ついじゃないだろ……」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ガコン


綾子「はい、コーヒー」ポイッ


レイラ「Oh thanks!」パシッ


綾子「で、なんでこんなとこに?」


レイラ「泳ぐと痩せるからねー」


綾子「痩せるほど肉付いてないくせに」


レイラ「そうでなくても体を引き締めるのにいいからさ。私だってこのプロポーションを維持するために努力してるんだよ?」


綾子「ふーん……」


レイラ「で、アヤコはなんでここに?」


綾子「水泳選手がプールにいたらおかしい?」


レイラ「うーん……。それはおかしくないけど、アヤコはもっと別な理由で来てる気がする……」ジッ


綾子(なんでコイツはたまに鋭いんだ……)

綾子「……分かった。白状するよ」


レイラ「お、やった♪」ニヒヒ


綾子「学祭の帰りにさ、透って人と会っただろ?」


レイラ「うん」


綾子「その人とレイラのキスが頭から離れなくてさ。泳げばスッキリするから……だから来たんだ」


レイラ「ふーん……」

レイラ「それで、スッキリした?」


綾子「まあ、多少は」


レイラ「そっかそっか、なるほどー……」


綾子「? なんだよ……」


レイラ「ねえ」

レイラ「アヤコも私とキスしてみる……?」ジッ


綾子「は、はあ!?」


レイラ「いや、あくまで想像だけど、アヤコも私とキスしたいのかなーって。だから頭から離れないんじゃない?」


綾子「んなわけ……」


レイラ「なーんて。んなわけないか。まあ会ったのもあの日が初対面だしね」

レイラ「多分初めて同性同士のキスを目の前で見たから動揺してるんだと思うよ。きっとその内忘れるって」


綾子「そっ……か。……そうだよな」


レイラ「そうそう」ノビーッ


綾子「……なあレイラ。今日この後用事あるか?」


レイラ「? ないけど」


綾子「じゃ、うち来いよ。せっかく会ったんだし料理でも振る舞わせてくれ」


レイラ「マジで!? 行く行くー!」

理緒サイドーー


渚「あ、理緒さん。あの、今お時間大丈夫ですか?」


理緒「ああ、ごめん渚。このあと先輩がうちに来る予定なんだ。あとでいいかな」


渚「はい、大丈夫ですよ。それじゃあ後で」


理緒「うん。後でね」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ピンポーン


ガチャッ


理緒「どうぞ先輩。上がってください」


透「お邪魔します……」バタン


理緒「えっと、相談したいことがあるんでしたっけ……」コポコポ…

理緒「……どうぞ、お茶入れました」コトッ


透「……うん、そう」コクリ

透「……あの、レイラ・リトルビーチっていう外国人のみまなんだけど……」


理緒「レイラさん? 知り合いだったんですか?」


透「知り合いというかなんというか……。東谷も知ってるの?」


理緒「ええまあ。確かこの間の学祭でも踊ってましたよね」


透「そう、そのレイラさん」


理緒「そのレイラさんがどうかしたんですか?」

透「……その、東谷をそういう偏見のない人だと信頼して言うけど……」

透「……き、キス……された」


理緒「レ、レイラさんにですか?」


透「……」コクリ


理緒「それで……それに私はどう答えれば……」


透「あのね……その、キスが頭から離れなくて……ドキドキして……」

透「……わ、私ってレズビアン……なのかな。どう思う?」


理緒(半年前の渚みたいな……)

理緒「……そう、ですね。……そんなすぐに断定するべきでもないことのような気がします」

理緒「しばらく時間を置いて……それでもダメなら確かめてみてはどうですか?」

理緒(なんて、渚のやったことと同じことしか思いつかないもんな……)


透「確かめる……って?」


理緒「もう一度キスするってことです。難易度は高いかもしれませんが……」


透「もう一度……」

透「っ!」カアアア


理緒「なんにせよ、今すぐに答えを出すのは早計だと思いますよ」


透「そ、そうだね……。参考になった」ドキドキ

透「……き、今日はもう帰るね」スクッ


理緒「はい。また何かあったら連絡くださいね」


透「……うん、ありがと」


ガチャッ

綾子サイドーー


ガチャッ


綾子「あ」


透「……あ」


レイラ「おー!」


透「ど、どうも」ペコリ


理緒「? 誰かいるんですか?」ヒョコッ

理緒「あっ、琴崎さん。おかえりなさい」


綾子「やっほー、理緒。ただいまー」


理緒「先輩、レイラさんの連絡先とか知ってるんですか?」コソコソ


透「し、知らない……」コソコソ


綾子レイラ「?」


理緒「なら聞いとかなきゃ。次会うのがいつになるのか分かりませんよ」コソコソ


透「そ、そうだね」コソコソ

透「レ、レイラさんっ」


レイラ「なに?」


透「あ、あのっ、連絡先、教えてもらえませんかっ」


レイラ「あはは、なにテンパってるのさ。もちろんいいよ」

レイラ「えーとスマホスマホ……」タップタップ


綾子「なんだ、レイラもケータイ持ってたのか」


レイラ「原始人じゃあるまいし持ってるよ……っと。よし、登録できた」


透「あ、ありがとう……!」パアアッ


理緒「良かったですね」


透「うんっ」


綾子「もういい? じゃあ部屋行くか、レイラ」


レイラ「おー!」

レイラ「トオル、バイバーイ!」


透「ば、ばいばい……」

透「……えへへ」

理緒サイドーー


理緒(先輩も帰ったし、渚と話を……)


プルルルル プルルルル


理緒「電話……。はい、もしもし」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ガチャッ


渚「理緒さん、先輩さんは……」


理緒「先輩は帰ったけど……ごめん、バイトに欠員でたから私が今から出ることになってさ」

理緒「話って明日でも大丈夫かな?」


渚「欠員……大変ですね。話は明日でもいいので、行ってあげてください」


理緒「うん、ほんとごめんねっ」タタタッ

早苗サイドーー


ガヤガヤ ガヤガヤ


亜利砂「早目に来たつもりでしたけど、テーマパークって凄いですね……」


早苗「本当……。人がたくさん来てますね~」


亜利砂「とりあえず、今日は楽しみましょう! せっかく来たんですから、いろいろ回りましょうね!」


早苗「はい~」ニコッ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「ジェットコースターも久しぶりですね~」


亜利砂「さ、最初っからジェットコースターですか……飛ばしますね……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「きゃ~~~~!♪♪」


亜利砂「わ、わああああああああっ!!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


亜利砂「つ、次はもっと軽いのにしときましょう……」ゼエゼエ


早苗「そうですね~。ミラーハウスなんてどうですか~?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「うわ、うわわわ……」フラフラ


ぎゅっ


亜利砂「! か、鏡ばっかりだと酔っちゃいそうですねっ」ドキドキ


早苗「ですね~」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「お化け屋敷……」


亜利砂「!!」ゾクッ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


亜利砂「キャーーーっ!! おば、おばけえっ!」ギュウウウ


早苗「怖いですね~♪ きゃ~♪」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗「あら、もう暗くなってきましたね~」


亜利砂「冬ってやっぱり日が沈むの早いですね……。まだ楽しみたいのに……」


早苗「最後にゆっくり観覧車でも乗りましょうか~」


亜利砂「そうですね。最後くらいゆっくりしましょう」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


係員「次の方どうぞー」ガチャッ


亜利砂「よいしょ」ストッ


早苗「ふう、少し歩き疲れましたね~」ポスン


バタン


ごうん…… ごうん……


早苗「外、もうだいぶ暗いですね~……」


亜利砂「ほんとですね……。あっちの空なんかもう真っ暗ですよ」


早苗「あっ……! 下! 下見てください!」


亜利砂「?」


早苗「テーマパークのアトラクションがイルミネーションで光ってます!」


亜利砂「ほ、ほんとだ……」


早苗亜利砂「きれい……」


早苗「……ふふっ」


亜利砂「くすっ」


早苗「町も見えてきましたよ~。こっちもきれいです~」


亜利砂「……本当に」

亜利砂「きれいです、ね……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆◆◆◆◆

◆◆◆◆

亜利砂「楽しかったですねー、遊園地」


早苗「ええ。とっても楽しかったです」


亜利砂「そうだ。明日も休みなんですけど、このままどこかで飲みませんか?」


早苗「それはいいですね~。ぜひ行きましょう♪」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗(……あれ)ムクッ

早苗(ここどこかしら~……)キョロキョロ

早苗(亜利砂さんとテーマパークから出て……バーを見つけて……)


亜利砂「すぅ……くぅ……」


早苗(亜利砂さんが一緒にいる……)

早苗(でも家って雰囲気じゃないし~……)

早苗(ホテル……? とりあえずテレビでもつけて……)ポチッ


テレビ「イク~、イッちゃう~」アンアン


早苗「!!?」ブチッ


亜利砂「んんぅ……」


早苗(よかった……起きてない)

早苗(……まさかここって~……)

早苗(ラ……ラブ、ホテル……?)

早苗(え、ええと……)

早苗(服は……)チラッ

早苗(着てますね。シワになってしまいますけどこの際それは目をつぶって……)

早苗(体に異変は……)

早苗(……体がダルいですね~……。これは二日酔いのせい……よね~?)

早苗(し、しちゃったから、とかじゃない……わよね?)

早苗(あとは……)

早苗「あ、亜利砂さ~ん……」ユサユサ


亜利砂「んぅ……?」パチッ

亜利砂「……」ゴシゴシ キョロキョロ

亜利砂「!?」ガバッ

亜利砂「こ、ここここ、ここどこですか!?」


早苗「わ、私も記憶がなくて……」


亜利砂「っ!」バッバッ


早苗(すごい勢いで体を確認してる……)


亜利砂「とりあえず異変はない……ですね」ホッ


早苗「そうみたいですね~」


亜利砂「……」


早苗「と、とりあえず出ましょうか~」


亜利砂「は、はい」ドキドキ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


理緒(せっかくのクリスマスだし、デートのプラン考えとかないと……)カキカキ

理緒(お城とかどうかな……私は見てて楽しいけど、渚はどうだろう……)ウーン

理緒(渚にも行きたいところ聞かないと……)ウト…

理緒「……すぅ……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


渚(理緒さん起きてるかな……)

渚(メールしておこう)ポチポチ


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ピロリンっ♪


理緒「っ」ガクッ

理緒(あ……机に突っ伏して寝てたのか……)

理緒(メール……は明日でいいや……布団入ろう……)モゾモゾ

理緒「……くぅ……」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


翌日ーー


渚「……」ツーン


理緒「……」アセアセ


渚「……」

渚「……はぁ」


理緒「……」ビクッ


渚「……ごめんなさい、理緒さん」

渚「理緒さんが悪くないのは分かってるんです。用事がタイミング悪く入ってるだけで……」


理緒「でも……」


渚「そう、「でも」なんです。でも、それでもやっぱり妬いちゃいます」

渚「来週はもうクリスマスなのに、デートの話し合いもできなくて……」


理緒「渚のことをないがしろにしてるわけじゃないんだよ! でも、中々時間が取れなくて……」


渚「分かってます。分かってますから」


理緒「……」


渚「……クリスマス、デートには行ってくれるんですよね?」


理緒「も、もちろん」


渚「ならいいです。クリスマスまではみんな忙しいものでしょうし……」

渚「代わりに、クリスマスはしっかりエスコートしてくださいよ?」


理緒「……うん!」

理緒「そうだ、渚とお城に行こうと思うんだけど……クリスマスにお城って変かな……?」


渚「お、お城ですか?」

渚(お城って……まさかラブホテル……!?)

渚「い、いいんじゃないでしょうか!」ドキドキ


理緒「そか、じゃあクリスマスは楽しみにしててね。しっかりエスコートするから」ニコッ

早苗サイドーー


早苗「……はぁ」モンモン

早苗(亜利砂さん……)


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


亜利砂「早苗さん……見たいですか……?」

亜利砂「私の……裸……」スル…


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


早苗「!!」ボンッ

早苗(も、も~! あの日から変な妄想してばっかり……!)

早苗(でも……見てみたい……かも)ゴクリ


亜利砂「早苗さーん」ヒョコッ


早苗「ひゃいっ!?」ビクッ

早苗「あ、亜利砂さん!? どうしましたか~?」


亜利砂「近くまで来たので、少しお話でもどうかなと……お邪魔でしたか?」


早苗「いえいえ、倉庫の整理をしていただけなので大丈夫ですよ~」


亜利砂「そうですか、よかった」

亜利砂「……?」

亜利砂「早苗さん、顔赤いですよ。風邪ですか?」


早苗「え、えっ!?」バッ

早苗(うう、顔が熱い……! なんなのかしらこれ~……!)

早苗「だ、大丈夫です! 大丈夫……。外にいて冷えただけですから、中に入りましょう?」


亜利砂「そうですね。あまり無理はしないでくださいよ?」


♡安価↓から自由安価
クリスマスの性夜に合わせて
渚と理緒
茅と真央
早苗と亜利砂
(レイラと誰か?)
で、エロシーンを書こうと思います
それぞれのカップルにしてほしいこと、プレイをレスに書いてもらい、その中から書けそうなものを選んで書きます
エロシーンは地の文ありでいきます

忘れてた

>>655
>>656
>>658(渚と理緒)
>>659
を採用しました

早苗と亜利砂

酔った勢いで亜利砂に告白する早苗
そのままの勢いで亜利砂を脱がしにかかる
困惑と求められる嬉しさから言いなりになる亜利砂
そのまま亜利砂の胸を「かわいい」といい乳首を舐めて亜利砂をイかせる
その後、お返しとして早苗がワカメ酒をしそれをペロペロと舐める亜利砂
その姿も「かわいい」といいながら亜利砂の頭を撫で撫で

一応一通りの組み合わせでレスもらいましたが、まだ募集してますー
奏とサラにもエロが絡まなければクリスマスイベントとして何かあってもいいです
案があれば安価に含めて書き込んでください

全員分書き終わってから投下しようと思ってましたが時間がかかりすぎるので渚理緒だけ先に投下します
もうクリスマスどころか年明けてますがクリスマス編ということで

渚サイドーー


車中。助手席に座った私は一息つき、そしてそんな場合じゃないことを思い出しました。
お城のデートと聞き、ラブ……ラブホテル……のことだと意気込んだものの、行ってみれば本当にお城のデートだったのです。
イルミネーションは綺麗だったし、プロジェクションマッピングも凄かったです。特に、手を繋いで同時にセンサーに触れると絵が変わる仕掛けにはびっくりしました。

でも!

一度思い込んでしまっていた以上このままでは不完全燃焼で終わってしまいます。

「渚、あと帰るだけだけど……どこか寄りたいところある?」

車を走らせながら理緒さんが聞いてきました。
そしてふと窓に目をやると、少し遠くに小さな「お城」が見えました。

「あ、あそこに……」

指で目的地を伝えます。
少ししてから「え、あ。わ、分かった」としどろもどろの返事が返ってきました。
静かな車内に微かな緊張感が満ちていくのが分かります。

「……したい、の?」

こくり。

「だ、だって。お城に行くって理緒さんが言ってたから私、てっきり……」

「ああ、そっか。そういえばあれもお城って言ったりするもんね」

こくこく。

そこで会話はプツリと途切れ、言い知れぬ期待感と興奮とがない混ぜになったまま目的地に近づきます。
そして十数分後、私達はお城に辿り着きました。

『同性の方入室可』

行ってみて初めて知りましたが、同性の方の入室をお断りしているところもあるようです。
幸いにも私達の目の前の案内板には断るような文言はありませんでした。

クリスマスということもあってかほぼすべての部屋が埋まっていましたが、唯一空いていた部屋を選択し鍵を受け取ります。
そのまま部屋へと向かい、扉を開けました。

まず目に飛び込んできたのは大きなベッド。ダブルサイズで、二人で横になっても余裕のある大きさです。
そしてやや暗めに設定されている明かりに照らされ、様々なアメニティや道具が棚に陳列されていました。
ゴムやローターといったものを見つけてしまうと、やはりここはそういう場所なのだと気付かされます。

「お風呂……先入ってきていいよ」

緊張の伝わる声で理緒さんがそう言います。

「は、はいっ」

固くなった体をギクシャクと動かしどうにか荷物を置いてから、私は逃げるようにバスルームへと向かいました。

ガラス張りのバスルーム。内側からはもちろん、外からも見えてしまいます。
理緒さんに目をやると、こちらを見ないようにしているのか、ベッドに腰掛け逆側を向いていました。
そのちょっとした配慮に少しホッとし、すぐさま体を洗う準備を整えます。
熱いお湯を肩から下にかけ、丹念に体を洗います。
臭いと失礼だし、恥ずかしいし、理緒さんに幻滅されてしまうかもしれません。
顔や髪までしっかりと洗いたかったのですが、体が期待してしまっているのかすでにスイッチが入ってしまっています。
我慢もできない私は丁寧に、かつ手早く入浴を済ませバスルームを出ました。
バスローブの下に下着を着けようか着けないか少し迷って、どうせ外すのだから着けなくてもいいと気づき、肌の上にバスローブだけを羽織り理緒さんの元へと戻りました。

顔を伏せ、目を合わせないように理緒さんがバスルームへと入ります。

さあああああああああ。

シャワーの音だけが耳に入り、いよいよその時が近いことを知らせてきます。

あああ、なんでこんなところに私はいるんでしょう。
自分自身で言ったのは確かですが、もう、もう……!
瀬戸際まで来てことさらに緊張が高まり、心臓が爆発しそうなほどに脈打っています。

きゅっ。

シャワーが止まり、ドアの開く音。

そして、うっすらと桜色に染まった肌を晒し、理緒さんが出てきました。
何も身に着けず、ぺたぺたとこちらへ歩いてきます。
視線をどこに向けたらいいか分からずあたふたしている内に、いよいよ理緒さんもベッドへと辿り着きました。
隣に腰掛け、肩に肩を押し付けてきます。
バスローブを一枚だけ隔てたその先、触れた部分だけが理緒さんの熱を伝えてきます。

「渚、こっち見て」

顔を向けると同時にゆっくりとした口づけ。
ちゅ、ちゅ、と何度も唇が合わさります。
それだけでうっとりとするほどの多幸感に包まれ、同時にもっと気持ちよくなりたいという欲望も鎌首をもたげ始めました。

舌を突き出してみると、ぬるりと理緒さんの口内へ侵入します。
しかし即座に理緒さんの舌で絡め取られ、唾液を塗り込まれるように舌がくるくると動き回ります。
と同時に、理緒さんの右手が私のうなじをくすぐるように撫でてきました。
優しい手つきなのに、やっぱり理緒さんに触られるとそれだけで堪能が高まってしまいます。

「んく、ふ、ぅ……!」

あ、まずい……。

「んぅ……! んあ、ぁう……!」

なんか、キスだけで……。

「ぃ、く……ぅ……!」

ゆっくりゆっくりと体の内からきゅううとした感覚が巡ります。
ふるふると指先が震え、かくんと理緒さんの方に倒れ込んでしまいました。

「渚……大丈夫?」

「は、はい……」

い、イッちゃった……。キスだけで……。

ぽふんと優しくベッドに寝かされ、頭を撫でられます。

「あ……」

私の胸元に視線を落とした理緒さんが硬直しています。
はだけたバスローブの下には下着を付けておらず、つまりは……。

その可愛らしい反応を見せる理緒さんを見た私は頑張って体を起こし、逆に理緒さんを押し倒します。

「理緒さん、私の体を見て興奮してくれたんですか……?」

私の下の理緒さんが小さくこくり。
ああ、私の彼女かわいすぎます。

「え、な、なに?」

耳を塞いであげて、それからキスを落とします。
確かこうすればキスの音が頭の中で響くとかなんとか……。

ちゅ、ちゅう、ちゅぱ、ちゅうう。

「や、なぎさ、なぎしゃ……! ん、ぁあ……! んぅ、んむ、んん……!」

わ、わあ。理緒さんすごいトロンとしてる。
もっと見てみたい、かも。
さらにわざとらしく音をたてて口内を責め立てます。
そうこうしているうちに理緒さんが目を固く閉じて泣きそうな顔になりました。
というか、目尻から涙が数滴垂れています。
ああ、こんな姿すらも愛おしく感じます。
ここで右耳からだけ手を外し、口をそこへ寄せます。

「理緒さん、可愛いですよ」

そして耳にキス。少し耳の穴に舌を入れてみたりして。

「っ!!? あ、ぅあ……! は、ぁぁぁああああ……!!」

あ、イッた。
腰を軽く震わせて、力が入りすぎて肩まで固くなっています。
覆いかぶさっているからこそ分かるそんなことを一つひとつ確認すると、ぞくぞくとした征服感が体を駆け抜けます。

未だに熱い息を吐いて体を震わせている理緒さん。
呼吸の度に震える胸がいやらしいです。

「理緒さん」

理緒さんの下の方へ手を伸ばすと、そこはすでに潤みきっていました。
ちゃんと感じてくれていた、それが嬉しいです。
私もいそいそとバスローブを脱ぎ去り裸になりました。
そして改めて理緒さんに覆いかぶさり、体を触っていきます。

「ま、待って渚……今触られたら……」

そっと指を這わせると、ぴくんと反応してくれます。
そのままつうっと下に降り、そこに触れました。

「なぎ、さ……!」

いやいやと首を振る理緒さん。
仕方ないので指を離します。
その代わりにと自分の下半身をそこにくっつけました。

「え、え……?」

腰を揺すってみると、思った以上の快感が襲ってきました。
いわゆる貝合わせという体勢。
押し付けたり擦ったりして快感を得るための体位です。

「ふ、あ……っ」

……すごい、繋がってるみたい。

溶けそうなほどの熱が互いを濡らし、全身を快感で染めていくかのようです。

いつかしたように首元を吸い上げると、やはり理緒さんは気持ちよさに震えました。
そこにできた赤い痕を舌で舐めながら、腰の動きを加速させていきます。

「なぎさ、なぎさ……っ!」

綺麗な顔を快感で歪ませて、いやいやをする子供のように頭を振る理緒さん。
それを押さえつけるかのように腰を掴み、さらに責めていきます。

「りおさん、りおさんっ」

「あ、んうぅ! は、くぅあ……!」

絶頂が近いのか、息を切らせてより高い声で喘ぐ理緒さん。
それに合わせて、私も息を吸って、吐いて。
呼吸を合わせると一緒に達しやすくなるらしいというのを脳のどこかから引っ張り出し、実践してみます。

「は、はっ、りおさん……!」

「も、だ……! だめぇ……!」

そしてとうとう白い光が脳内で爆ぜ、体を痙攣させました。

「あっ、んく、あああああっ!」

「なぎ、さ……! んうぅ……っ!!」

かくかく、びくんっ。
ぎゅううう。
……はあはあ。

「っ、あ、んぁ……っ」

「はぁ、あ……!」

ぜえぜえと息を切らせ、しばし見つめあい、そしてどちらからともなくゆっくりと唇を合わせます。
まだ体の奥がじんじんとして、触れているところが熱くてたまりません。

「……今日の渚……激しいね」

ぽやんとした表情でそう零します。
うう、エロい。

ぎゅっと抱きしめてみると、優しく包むように抱きしめ返してくれました。

「期待してたんですもん……。クリスマスにお城行こうなんて言うから、こういうことするんだと思って……。下着だって勝負下着を付けてきて……」

あ、赤の、紐のやつ。
……結局理緒さんには見てもらえませんでしたが。

「クリスマス? 何か関係あるの?」

え。

「り、理緒さん性の六時間って聞いたことありませんか?」

「聖の六時間? なんか神聖な響きだね。……でもごめん、聞いたことないや」

そんな。まさか本当に一方的に期待していただけなんて。
こんなの、私だけ変態さんみたいな……。

「そ、その、クリスマスイブの夜九時からクリスマスを跨ぐ六時間は、一年の内でもっとも性行為をしているカップルが多い時間だそうで、ですから私だけがこんなえっちなこと考えてたわけじゃなくて、そういう人たちも多いんだーっていうのを知ってほしくてですね」

がーっと言葉を並べ立てて弁明しようとしますが、何を言ってるのか自分でも分からなくなってきました。

「ま、待って待って。ストップ渚」

ちょうどいいところで理緒さんから静止がかかります。

「そういうのよく分からないけど、求められるのは嬉しいからさ……。またしよう……ね?」

理緒さんからのお願い。お誘い。

もっと恥ずかしいことをさっきまでしていたのに、かーっと顔が熱くなるのが分かりました。
こくこくと頭を上下に振り、肯定の意を示します。

「よかった。……じゃ、お風呂入って寝ようか」

起き上がり、そのまま私の手を引っ張って行く理緒さん。
え、え。まさか一緒に?

しかし、すんでのところで私のスマートフォンが通知を鳴らし、理緒さんの手から逃れることができました。
クリスマスフェアと書いてあるアプリの通知が一つ来ただけで、重要なものではなかったようです。
ふと画面右上に視線をずらすとそこには22:12の文字が。

性の六時間はまだ始まったばかり。

ごくりと鳴る喉を抑えて、通知も来ないようスマートフォンの電源を切ります。
それからまっすぐにお風呂に向かい、理緒さんの後を追うように入室します。
当然そこには裸の理緒さん。
また興奮しつつある私は、それを悟られないよう理緒さんに近づきます。

「渚、おいで」

洗ってあげる、なんて呑気に腕を広げています。それを私は正面から抱きとめてぽつり。

「まだ性夜は始まったばっかりですよ」

ぽかんとする理緒さんに口づけをし、二回戦へ。
……まだまだクリスマスは終わらなさそうです。

早苗サイドーー


クリスマス。世間が恋人との甘いムードに包まれる日。

というのが一般的であると知ってはいたものの、自分自身にそういった相手ができたこともない私は、子供の頃は家族と過ごす日、大人になってからは一人で過ごす日でしかありませんでした。

でも今年は違う。
私のことを好いてくれている人がいて、その人と一緒に過ごす日になったのです。

そわそわと落ち着かない気持ちのまま少しばかりのご馳走とお酒の用意。
特別な日に一緒にいる。そう改めて考えると、自分と亜里沙さんはやはりすでに特別な間柄になっている気さえします。
……実際、私が返事をしさえすれば紛うことなく特別な関係になれるのですが。

正直、私自身亜里沙さんのことを好きになってはいると思うのです。
一緒にいて楽しいし、ドキドキするし、もっと一緒にいたいとすら思う。
でももう一歩。その一歩を踏み出す勇気が私にないせいで、曖昧な関係を今までずるずると引き伸ばしているのです。

と、そこまで考えてたところでインターホンから機械音が響きました。
亜里沙さんの来訪を告げるその音を聞くだけで、年甲斐もなく胸が高鳴ってしまいます。
ノブを捻りドアを押し、その会いたくてたまらない人の顔を見たとき、私はつい笑顔をこぼすのです。

「いらっしゃい、亜里沙さん」

テレビでやっているクリスマススペシャルの特番を流し、それを見ながら早速パーティーを開始。
高めのワインを栓抜きでポンと空け、グラスに注ぎます。

「メリークリスマス」

コップを当て、チンと小気味よく音を鳴らしてからゴクリと一口。
辛口のワインが舌の上で踊ります。

「おいしい……」

どんどんと飲めてしまいます。
しかし、せっかく料理もあるのでこちらも一口。
チキンをローストし、甘辛く味付けをしたもの。
口に放り込むと、柔らかくほぐれたお肉がとろけていきます。
うん、我ながら上出来。

美味しいご飯、お酒、楽しいテレビ。

「しあわせですねぇ~……」

酔いが回り、ふわふわとした気分のまま素敵な時間が過ぎていきます。
今年一年の内、会ってからまだ半年足らず。
にも関わらずここまで安心して一緒の時間を過ごせる。
気づかない内にずいぶん亜利砂さんに心を開いていたようです。

ぱくぱくと美味しそうに私の料理を口に運ぶ亜利砂さん。
その笑顔にこちらまで癒されます。

そんな姿を見ながら私はお酒を飲んで……。

ガクンっ。

一瞬意識を失い、ハッとして周りを見渡します。
部屋の時計の針はいつのまにかてっぺんをとっくに過ぎていました。
そこで肩に掛けられていた毛布がぱさりと落ちて少し身震い。亜利砂さんが掛けてくれたんでしょうか。

「あ、起きました?」

亜利砂さんは台所に立ち、お皿を洗っていました。
机を見てみると料理は下げられ、ゴミもすでにまとめられています。

「すみません~……寝てしまったみたいで……」

「いえ、だいぶ飲んでましたし仕方ありませんよ。体は大丈夫ですか?」

「ええ、なんとも~」

それならよかった、と笑う亜利砂さん。

「うわ!? っとと……」

そのままこちらへ来ようとして、少しバランスを崩しました。
ゆるゆると手をついて自分でくすくすと笑っています。
少し笑い上戸が入っているのかしら。

「酔ってるのは亜利砂さんの方じゃないですか~。気をつけてくださいね?」

肩を掴んで立ち上がらせま……。
……!!

「? 早苗さん、どうかしました……?」

せ、セーターの胸元が緩いからかしら。
喉、鎖骨、胸元……そして。
あれ、シャツの向こうの「アレ」。

白い、下着……!

「……!!」

気づいてしまうと顔が熱くてたまりません。

顔が熱い……? まさか照れている?

だって、同性の下着なんて今まで見たことがないわけじゃありません。
それでも、お酒のせいか亜利砂さんがとても色っぽく見えて。
食欲も睡眠欲も意図せずだいぶ満たされていて。
だからたぶんこういう気持ちになるのは必然なのだと思います。

「亜利砂さん、お布団敷きましょうか~……」

「え、ああ。そうですね。もう寝たほうがいいですよ」

机を脇に寄せ、パパっと二人分の布団を敷きます。
これも一組は、よく泊まるようになった亜利砂さんの物。
たくさん使うようになったせいで亜利砂さんの香りが移り、布団を敷くだけでふわりと鼻を刺激します。

「着替えも持ってきてるので、着替えだけして……」

セーターをぐいっとたくし上げて脱ごうとする亜利砂さん。
きれいなお腹が見えたところで布団に押し倒してみました。ぼふん。

「早苗さんもふらついてるじゃないですかー、あはは」

ケタケタと可愛らしく笑う亜利砂さん。
どうやら私もバランスを崩しただけとしか見られていないようです。
まあいいでしょう。
右手でぐっとセーターを押し上げ、さっきの衝撃で隠れてしまったお腹をもう一度露出させます。

「早苗さんが脱がせてくれるんですかぁ……?」

私の右手に亜利砂さんが左手を重ねてすりすり。
ああもう、この人は行動が可愛すぎる。言え。言ってしまえ、天使早苗。

「好きです、亜利砂さん」

そうだ。

「可愛い亜利砂さんが好き。大好きです」

言ってしまえ。

「だから、抱きます」

「え? あ、え……?」

呆然とした表情で、じわじわと頬が赤く染まっていく亜利砂さん。
その顔を上目遣いに伺いながらセーターをさらに上までたくし上げます。
さっき上から覗き込んでしまった白い下着。それに今度は正面から向き合います。
小さなお花のアップリケやレースのついた可愛らしい下着。

「可愛い下着ですね~」

つんつんと突くととてつもない柔らかさに指が沈み込んでいきます。
やわやわと揉んでみたり、揺すってみたり。
亜利砂さんの反応を伺いつつ少しずつ触っていきます。

「ま、まってさなえさん……!」

「なんですか~?」

「な、なんで急に……こんなこと……」

あら……。亜利砂さん泣きそう。
ちゃんと言わないと不安みたいです。

「少し前、一緒にホテルに泊まりましたよね~」

「え、はい……」

ホテルとは言ってもラブホテル……でしたが。
あ、話し始めたら亜利砂さん服を直してしまいました。

「その時からず~っと、亜利砂さんのことが頭から離れないんです」

「へ」

「『ここでもしかしたら亜利砂さんと一線を越えてしまったのかも』なんて考えてしまって、それからはずっと……」

亜利砂さんのことを想うたびにその服の下の素肌をいやらしく妄想してしまう。
触れて、どんな感触なのか知りたくて、たまらない。

「動機は不純ですが、自信を持って言えるのは私は亜利砂さんが好き、ということです」

亜利砂さんの顔がまたもみるみるうちに赤く染まっていきます。
その頬に手を添え、顔を近づけて。

「します……ね」

その言葉を合図に、私は亜利砂さんに口づけをしました。
柔らかい肉がとろけそうな熱を伝えてきて、幸せに打ち震えます。
キスがこんなにも気持ちのいいものだなんて思いもしませんでした。
じっくりと亜利砂さんの唇を味わってから、そっと顔を離します。
それだけの行為のはずなのに、じわじわと胸の中に温かいものが広がっていきます。

「好き……好きです、亜利砂さん」

「わ、わたしも……」

その亜利砂さんの言葉を遮るように、再び押し倒します。
上から覆いかぶさるように抱きつき、もう一度キス。
そのまま右手をセーターの下から潜り込ませ、胸を揉んでいきます。

「ふんぅぅ!? ん、んうぅ……!」

ああもう、可愛い。声も、反応も、全部可愛い。

手を背中まで回し、片手でホック外しに挑戦。なんと一発で成功しました。
障害がなくなったところで、今度は直接揉んでいきます。
やわーっ。むにぅーっ。ふるふるふるっ。

「ふっ……くぅ……! んん……っ!」

口を閉じてこらえる亜利砂さん。
こういうことをされると声を聞きたくなってしまいます。
私、思ったよりもSっ気のある人間みたいですね。

「はぷっ」

「んひゃあっ!?」

セーターの上から乳首を探し当ててちゅうっと吸ってみると、予想外の動きに声を上げてくれました。
舌でなぞってみると、やや厚手のセーターの下にピンと張った突起を感じます。

「上から、だめ……っ!」

だめだなんていいつつ、頭を押しのけようとする力はほとんど腕にこめられていません。これはもはや合意です。
セーターを捲りあげ、一気に脱がせます。二つの丘が目の前で一度たゆんと弾み、完璧な丸さで留まりました。
頂点もきれいな桜色で、今度はそれを直接口に含みます。

「はぁう……! さ、さなぇさ……あぁっ!」

噛んでみると、びくんと跳ねて反応してくれました。
あらあら。亜利砂さん、よだれを垂らしてしまっています。
人差し指で拭って……。

「ちゅぷ……」

自分で舐めてみます。
他人の唾液なんて汚いものと思っていましたが、亜利砂さんのものを舐めてもなんともありません。
んぱっと口から出してみると、つばでどろどろになった指が。まあ自分で舐めたので当然ですが。
あ、そうです。

「亜利砂さん、舐めてください~」

「え……」

「いいから、ほら~……」

口元に近づけてみると、恐る恐る口を開いてくれました。そこにゆっくりと人差し指をくっつけます。
くぷ。
その空気が漏れる音だけで、ゾクッとした快感が襲ってきました。

「あはっ、少し興奮してしまいますね~……」

「んぢゅ、ぐぷ、れろ、ぢゅぷっ」

指を進めるほど、一心不乱に舐めてくる亜利砂さん。

「経験のない私に言いなりにされて……悔しくないんですか~?」

「ん、んふー、んーん! ぢゅ、ぢゅぱっ、ぢゅるるっ」

ああもう、そんな興奮した顔で見ないでください。
可愛すぎて、もっと苛めたくなります。
指を強引に引き抜くと、はあはあと息を切らした亜利砂さんが涙目で物欲しそうに見上げてきます。
ちょっとご褒美をあげましょう。

唇に指を当てて、また食べられる前に今度は下へ。顎、喉、鎖骨を通り過ぎ、胸へと辿り着きます。
その可愛らしい乳首を指でくるくるとなぞると、唾液がちょうどいい潤滑剤となりぬるぬると動きます。
もう片方はまた口に含み、今度は両方を一気に責めていきます。

「だめっ、さなえさんだめぇっ! それイっちゃう! イっちゃうか、ら……! やあぅっ! ~~~っ!!」

……あは。

「かわいい」

「っ!」

「かわいい、大好きです、亜利砂さん」

「みみ、だめっ、もうイってるかりゃ……!」

「もっとイっていいんですよ~……?」

「だめ……! すごいのきちゃうからぁ……!」

指は強く摘み、前歯でぎゅうっと噛む。
たぶん亜利砂さんはこういうのが好きだから。

「はぁうっ! く、あ、ふっ、んぅううううううっ!!」

びくんびくんと大げさなほど体を震わせて達する亜利砂さん。
それと同時に、私にもかつてないほどの達成感? 充足感? が駆け抜けていきました。

絶頂が終わり、はふ、はふ、と息を吐きながら、亜利砂さんは横になっています。

「亜利砂さん、のど、渇きませんか~?」

力なく頷くのが精一杯のようで、それがまた先程の絶頂の大きさを物語ります。
喉が渇いたらしい亜利砂さんに飲み物をあげるために、私は服を全て脱ぎ去りました。

「さ、さなえさん、なにを……」

冷蔵庫にしまわれた酒瓶をもう一度取り出し再び布団へ。すっと正座をします。

「はい、どうぞ」

酒瓶の蓋を外した状態で亜利砂さんにパス。
少しだけ上半身を後ろに反らせて待機します。

「これ、って……」

察したらしい亜利砂さんが瓶を傾けます。

「んっ」

ひやっとした感覚に声が出てしまいましたが、それも最初だけ。
太ももとお腹の間にお酒が注がれて、私はお酒用の器となってしまいました。

瓶を脇にトンと置き、亜利砂さんが顔をそこに近づけます。

「ん……」

それがどっちの声だったのかは分かりません。
反応した私の声だったのか、飲みこんだ亜利砂さんの声だったのか。

音は立てず、静かに飲み干していく亜利砂さん。
小さく喉の鳴る音だけが部屋に響きます。
少し体制はキツいですか、片手をあげて頭を撫でてあげます。わあ、さらさら。

「いいこ、いいこ」

撫でている内にふとそう零してしまいましたが、あながち間違ってもいない気がします。
亜利砂さんは年上のハズなのに、接しているとだんだん私が優位に立ってしまって。
それこそいい子いい子と頭を撫でるのはごく自然のような感じ。
亜利砂さんも特に拒否することもなく、気持ち良さそうに撫でられながらお酒を飲んでいきます。

そうしている内にお酒は飲み干され、太ももまでも綺麗に舐め取られてしまいました。

「のどはうるおいましたか~?」

「は、はい」

顔を上げた亜利砂さんは幾分か元気を取り戻したように見えます。
というよりかは、喉が潤って落ち着いたことで少し眠そうです。
この時間まで起きてて、お酒も回って、それにあれだけの絶頂を体感したのだから無理もありません。

もう一ラウンドと洒落込みたかったのですが、亜利砂さんに無茶はさせられません。
横にさせ、布団の中に一緒に潜り込みます。
裸の上半身を擦り付けるようにくっついていると、程よい暖かさにすぐに眠気はやってきました。
亜利砂さんはもう目を閉じて眠っているようにも見えます。

「おやすみなさい……大好きです、ありささん」

それだけを告げて、私も深い眠りへと落ちていきました。

これが、私の初めて体験した恋人とのクリスマスとなったのです。

綾子サイドーー


「はぶっ、ん、ぢゅ、ちゅう」

おい。
アパートの陰でなにやってんだ。

「ん、んう……! ~~~~~っ!」

「ぷは。……満足した?」

くそ、なんだよこれ。見せつけてんのか?

「ね、トオル」

「……う、ん。……すごかった、レイラ」

なんで。
なんでレイラと遠州透がうちのアパートの前でキスなんかしてんだよ。

「んじゃ、私はこれで……」

「ま、待って……腰、抜けて……」

「えー? そんなの私に言われても……」

なんか話してるけど、内容自体はもう頭に入ってはこない。
レイラを呼んで、アパート近くまでついたと連絡が来たから迎えに行こうとドアを開けて、すぐだ。
アパートの陰から変な音が聞こえて、覗いたら……既にしていて。
わけがわからない。
なんで透が?
なんで透と?
いろいろな疑問が浮かんでは霧散していく。
ぐるぐると考え事をしている内に透は立ち上がり、帰ろうとしているようだった。
ひとまずは逃げるように自室へ引き返し、とにかくレイラが来るのを待つ。
数分もせずにインターホンが鳴り、何事もなかったかのようにレイラはやってきた。

「やほ、アヤコ」

「あ、ああ。よく来たな」

とりあえず部屋へとあげ、コーヒーを淹れる。
一度落ち合ってからクリスマスケーキでも食べようと前々から話しており、洋菓子店から購入しておいたケーキもスタンバイする。

「うわ、イチゴでっかい!」

シンプルなショートケーキ、チーズケーキにストロベリーケーキ。
様々な種類のものをたくさん買って、好きなものを好きなだけ食べる。バイキング形式だ。
とりあえずチーズケーキを取り口に運ぶ。

「美味しい!」

レイラはチョコレートケーキを頬張り笑顔を浮かべている。
でも、私にはイマイチ味が分からなかった。
ケーキよりももっと大事なことが目の前にある気がして、食べることに集中できない。
時折訝しげにレイラが顔を伺ってくるが問い詰めたりはしてこない。多分、ケーキを食べることの方が今のレイラにとっては大事なのだ。

気づけば一つのケーキをぺろりと平らげており、ひとまずはどちらも休憩する。
コーヒーを啜って、ここでやっとレイラが聞いてくる。

「ね、今日のアヤコなんか変だよ? どうしたの?」

変。
言葉を柔らかくすることもなくストレートにおかしいと指摘してくるレイラ。
うん、変な理由なんか一つしか思いつかない。

「レイラさ……さっき透とキスしてただろ?」

「ああ、うん。見てたの?」

悪びれもせず肯定する。
いや、実際レイラが透とキスしようが悪いことではない。
なのに、その反応に心が少しざわめきを覚えたのは確かだった。

「透と付き合ってるのか?」

「付き合ってないよ? トオルにしてくれって頼まれたからしただけ」

「そっ……か」

レイラは性に関してはかなり開放的な方だ。そこそこ仲が良くなれば、誰とでもセックスをするのだろう。

「ならさ」

身を乗り出す。

「私にもしてよ」

口をついて出たのはそんな言葉。
ずっともやもやしていた。
キスをしてもらえば何か分かるのかもしれない。

……何にもやもやしているのかも、なぜもやもやしているのかも自分自身で分からないのだが。

「……いいよ?」

レイラがすっと近づいてくる。
両耳を掴まれて顔を動かせなくなる。
そしてそのまま顔を寄せてきて。

「んっ」

唇同士が触れ合う。
柔らかい。
何度も離れてはくっついてきて、そのたびに小さなリップ音が断続的に鳴る。
透には舌を入れてたように見えたけど、まだ入れてこないのかな。

「ちゅ、ちゅ……ふふっ」

目元が怪しく動き、舌が私の唇を割り開いてくる。
ずるりと侵入してくるそれに遅れるようにして口を開けて対応する。

と言っても、大したことはない。
舌で舌を舐めたり、くるくると動かしてきたり、息継ぎに口を離すついでに軽くキスをしてきたり。
上手いが、この程度のキスでは透のようにはならないだろう。

「ちゅ、ぢゅぱ、れろ、れる……」

「ぢゅう、れろ、ちゅうっ」

「れろ、んちゅ……っ」

ゆっくりと口内を蹂躙され続け、頭の中に水音しか響かなくなる。
だんだんと意識が熱にうかされて、自分の中のスイッチが入っていくのが分かる。
これは、やばい。

手遅れになる前に止めさせようと両腕に力を込めるが、ぴくりともしない。
あ、あ。レイラ、止まれ。
なんで、こんな、ちから、はいんな。

「んぅう……っ!」

やばい、今軽くイった。
嘘だ、キスだけでこんな、こんなのない。

「ぢゅ……ふふ、ぢゅぷ、れろ、ぢゅる……」

腰が震えてどんどん力が入らなくなる。
気づいたら私は床に尻もちをついていて、逃げども逃げどもレイラの唇が迫ってくる。

「ふんんぅ……! ふぁ、れいら、だめ……もぅ……っ」

だめだと言ってもレイラは止まらない。
そのうちに白い光が目の前で二、三瞬いて、私の意識は一度そこで途切れた。

「……っ」

次に気づいたのは自分のベッドの上。
レイラは何事もなかったかのようにケーキを食べていた。
壁の時計に目をやると、すでに数十分が経過していた。

「……おい」

「あ、起きた?」

「なんだよ、さっきの」

キスだけでイって、挙げ句に意識を失った。
よく分からない手品でも見せられた気分だ。

「なにって、キスしただけだよ? 私上手いからキスだけでイかせられるんだ」

ぺろりと舌で自身の唇をなぞる。
それだけの動きでさえ淫隈な雰囲気を感じる。

「でも……キスだけで失神するなんて聞いたことないぞ」

「ああ、それね。好きな人たまにいるんだ。ここを止めると気絶するの。意識が無くなるのが癖になるんだって」

ここね、と両耳の下をとんとんと示す。

「そんなの……なんで私に」

「好きそうだったから」

「気絶するのがか?」

「うん。実際気持ちよかったでしょ?」

確かに気持ちよかった。
癖になる人がいるというのもまあ……頷ける。

「もうやんな。危ないだろ、失神とか」

「やるなって誰に?」

「誰にでもだ」

とにかく、こいつは上手い。
それは分かった。

しかし、だからなんなのだ。
私はこいつのキスに興味があっただけで、女の人が好きだとかそういうのではない。ノーマル……だと思う。

どっかりと座り直し、自分の分のケーキを選ぶ。次はモンブランだ。

「またしたくなったら言ってねー。いつでも気持ちよくしてあげる」

ふん。
ばくりとモンブランを口に運ぶ。
するもんか。認めてたまるか。
友人として一緒にいるのは楽しい。でも、行為を迫るのは違う。

「…………」

レイラに目線をやる。
美味しそうにイチゴを味わって、口の端のクリームを舐め取っている。
それだけで私の脳内ではさっきの光景がフラッシュバックする。
赤い舌がまるでしつこい蛇のように私の口内を責め立てて……それは言いすぎか。
でも、レイラの舌から目が離せない。

行為はしない。絶対に誘わない。
……けど、キスは気持ちよかったからまたしてもらおうか。
なんて変なことを考えるクリスマス。
夜は更けていく。

奏サイドーー


奏「め、メリークリスマス!」


奏母「あらあら、どうしたのその格好は……」


奏「き、今日学校の行事で近くの小学校まで行って……サンタさんの格好をして小学生と遊んで、それで、お土産? に、この帽子とケープを貰って……」

奏「それで、せっかく貰ったんだし役立てようと思って……着てみた」


奏母「似合ってる。可愛いわよ、奏」

奏母「そうだわ、せっかくだし……」ゴソゴソ


奏「?」


奏母「これ、茅ちゃんに渡してくれるかしら?」


奏「これ……チキン?」


奏母「そうそう。いつも大岸さんのところとクリスマスパーティーをしていたけど、茅ちゃんがいないし……でも何もしないのもつまらないから作ったのよ」

奏母「どう? 茅お姉ちゃんに渡してくれる?」


奏「うん。任せて」

白百合荘ーー


奏(この部屋だよね……)


ピンポーン


真央「はーい……。……い、いやったあああああああぁぁぁぁ!!!」


奏「!?」ビクッ


真央「神は真央を見捨てていなかった……天使の如きサンタクロースを遣わせてくれた……!!」


茅「落ち着け真央ちゃん」ヒョコッ


奏「あ、茅お姉ちゃん」


茅「やほ、奏。やかましくてごめんね」


真央「ほんともう……破壊力高すぎる……」


奏「あ、あの、これっ」ズイッ

奏「お母さんが作ったグリルチキンです。クリスマスなので食べて、と」


茅「おおー! おばさんの料理! 美味しんだよねー、ありがとー!」


奏「そうだ。茅お姉ちゃん」


茅「ん?」


奏「メリークリスマス、です」


茅「ん、メリークリスマス!」


真央「メリー……クリスマス……!!」


茅「まだ可愛さ噛み締めてる……」

茅「しかしなー。お返しがないぞ」


奏「お返しだなんてそんな。お母さんの勝手ですから」


茅「いやいや、そうもいかない……そうだ!」


奏「?」


ーーーーーーー

サラ「あ、奏ちゃんに茅さん! いらっしゃいです」


茅「ども、サラさん」


奏「お、お久しぶりです、サラさん」


茅「物はあげられないけど、それなりに上等な時間をあげるよ」

茅「サラさんに任せることになるけど、一年に一度の日だし……楽しんでね!」


サラ「ふふ、任されました」ニコッ


奏「あ、ありがとうございます。茅お姉ちゃん」


茅「お礼は言いっこなし。じゃ、あたしはこれで失礼するね!」


バタンっ


サラ(……ど、どうしましょう)ドキドキ

サラ(ワタシのことを好きな人と……ふ、二人きり)ドキドキ

サラ(いえ! 変に意識するからいけないんです。ここは普段通りのクリスマスを……)チラッ

サラ「……ぁ」


奏「……?」


サラ「奏ちゃん、その格好……」


奏「え、あ、これ。学校の行事で使ったものなんです。終わったあとに貰って……」


サラ「……とても、似合ってますよ」ナデナデ

サラ(……これくらいはセーフ。ですよね? だって、本当に似合っているんですもの。可愛くないなんて嘘をつく理由はありません)

奏(どきどきして、ふわふわする)

奏(人を好きになるって……こんな感じなんだ)


サラ(か、奏ちゃんが黙ってしまいました……)


奏「……」


サラ「……」


奏「……あの」


サラ「は、はいっ」


奏「やっぱり迷惑だったでしょうか」

奏「突然来て、構え、だなんて」


サラ「そんなことありませんよ! 来てくれて嬉しいですっ」

サラ「やっぱりクリスマスに家族に会えないのは寂しいですからね」


奏「家族……」


サラ「だから、今日は来てくれて嬉しいんですよ」

サラ「あ、でもでも、家族の代わりとかそういうことじゃなくて、奏ちゃんが来てくれたことが純粋に嬉しいって意味でーー」


奏「分かってますよ。サラさんはそんなひどい人じゃありませんから」

奏「……サラさん」


サラ「はい?」


奏「私も、クリスマスにサラさんに会えて嬉しいです」


サラ「ふふ、どういたしまして、ですかね?」


奏「……」グッ

奏(今日……いっそ告白してしまおうか)

奏(この気持ちに気づいてから、幸せだけど苦しくて……すぐにでも打ち明けたいような、ずっと黙っていたいような、変な気持ち)

奏(どう……しよう)


安価↓から
告白するorしない3票先取

奏(ーーしよう。こんなこと、先延ばしにしたって仕方ない)

奏(サラさんを困らせることになるだろう。でも、それでも……)

奏(ほんとに、好きなんだ。この気持ちを知ってほしい、聞いてほしい)


サラ「? どうしました?」


奏「……いえ、なんでもありません。それより、何かしませんか? ずっとぼーっとしているのはもったいないですよ」


サラ「それもそうですね。んー……せっかくクリスマスなんですし、出かけてみましょうか。きっと楽しいですよ」


奏「はい、行きましょう」


サラ「クリスマスフェアを駅前でやっていたはずです。行ってみましょうか」


奏「はい」


ーーーーー


サラ「寒くありませんか?」


奏「少しだけ……サラさんこそ大丈夫ですか?」


サラ「ワタシは寒さに強いので平気です!」ムンッ


奏「羨ましいです……へくちゅっ」


サラ「あ、あらら。どこか暖かいところに入って暖をとりましょうか」


奏「うう……はい……」

雑貨屋ーー


奏「あったかい……」


サラ「あったかいですねー」


店員「いらっしゃいませー! ただいまクリスマスフェアをやっておりまーす!」


サラ「クリスマスフェア……」キョロキョロ


奏「確かにクリスマスチックなグッズが多いですね……」


サラ「せっかくなので少し見ていきましょうか」


ーーーーー


~♪


奏「わっ」ビクッ

奏(びっくりした……オルゴールか)


サラ「……♪ ~♪」


奏(歌ってる……)


ーーーーー


サラ「おおー」


奏「スノードームですね、キレイです……」


サラ「スノードーム……ふむふむ」


ーーーーー


サラ「このマフラー可愛いですねー」クルクル


奏「あ、あの、なんで私に巻いてるんですか?」


サラ「似合うかなーと。……うん、とっても似合ってますよ」


奏「……ありがとうございます」

スーパーーー


サラ「か、奏ちゃん本当にいいんですか? 晩御飯が私の料理なんかで……」


奏「『なんか』だなんてそんな! 私、サラさんの料理大好きですからっ」


サラ「……そういうことなら、腕によりをかけて作らせてもらいます。何か食べたいものはありますか?」


奏「し、シチューが食べたいです。サラさんのシチュー、ほんとにすごく美味しいので」


サラ「分かりました! では、食材を手分けして買いましょう。牛乳が切れてたはずなので牛乳と……バターもついでなので持ってきてもらえますか?」


奏「はい、分かりました」


ーーーーー


奏「……あ」

奏(スーパーの端っこ……お花屋さんがある……)

奏「……」キョロキョロ

奏「あの……」


店員「はい?」


奏「お花をプレゼントであげたいんですけど……」


店員(今どき珍しい……。クリスマスに、親にかしら?)

店員「じゃあ……これ、ガーベラなんかいいと思うわ」


奏「じゃあそれを……一輪だけください」

奏(一輪だけならコートの内側に入れておけばバレない……よね。潰れないように気をつけておけば……)


店員「はい。気をつけて持って帰ってね」


奏「はい。ありがとうございました」ペコリ


ーーーーー

白百合荘 5号室ーー


サラ「さて、早速シチューを作っていきます! 奏ちゃんはテレビでも見て待っていてください」


奏「いえ、手伝いますよ。何もしないのは性に合いませんから」


サラ「そうですか? じゃあ一緒に作りましょうか」

サラ「んと、奏ちゃんは野菜を切ってください」


奏「はい、任せてください」


ーーーーー


ジャー


トントントン


コトコト


ーーーーー


サラ「完成ですっ!」


奏「おお……!」グウウ…

奏「!」バッ


サラ「ふふ、お腹空きましたよね。早速食べましょうか」


奏「は、はい……///」

奏「あむ」モグ

奏「……おいしい」


サラ「手伝ってくれた奏ちゃんのおかげですね」ニコッ


奏「あ、ありがとうございます。そう言ってもらえると、嬉しい、です」テレテレ


サラ「ではせっかく美味しいシチューですし、冷めないうちに食べてしまいましょう」


奏「はいっ」


ーーーーー


奏「ごちそうさまでした」


サラ「はい、お粗末様でした」

サラ「~♪」カチャカチャ


奏(……もう夜だ。家には泊まるって連絡してあるけど……)

奏(いい雰囲気になったら告白して、ガーベラを渡して……)

奏(……いい雰囲気? いい雰囲気ってなんだっけ……)

奏(なんか、こう、仲良し? な感じで……それで、えっと)

奏(……わ、分からない)ズーン

奏(どうしよう、『いい雰囲気』が分からないのに告白なんてできるの?)


サラ「奏ちゃん?」


奏「わっ!? な、なんですか!?」


サラ「お、おどかしてすみません。でも奏ちゃんボーッとしてて……考え事でも?」


奏「あ、その、えと……こ、これ!」ガサガサバッ

サラ「お花……ですか?」


奏「す、す、す、すきです!!」


サラ「…………」


奏「……っ……」


サラ「そう、ですか」

サラ「それは多分「人として」とかではなく……「恋愛的な意味で」の「好き」……なのですよね」


奏「は、はい……っ」


サラ「なんとなく、知ってはいました」

サラ「学園祭のときの奏ちゃんの態度で、なんとなく」


奏「……」


サラ「いえ、ここでうだうだ言っても仕方ありませんね。お返事をさせてください」


奏「っ」ビクッ



サラ「奏ちゃんとは付き合えません。ごめんなさい」ペコリ

奏「そ……」

奏「そう、ですか」


サラ「ワタシも奏ちゃんのことは好きです。でもそれは友達として、です」

サラ「そもそも奏ちゃんもワタシも若すぎます。高校生と小学生……こんなカップル聞いたことありませんよね」


奏「それは、そうですが……っ」


サラ「……普通に、お友達でいましょう? この話は聞かなかったことにしますから」


奏「は……いっ」ポロポロ

奏「ぐずっ……えぐ……っ」


サラ「もう……」ギュッ ナデナデ

サラ「焦ることなんかないんですよ。ゆっくり大人になって、それから好きな人を見つけたらいいんです」ポンポン


奏「はい゛……っ」グスグス


サラ「……」ポンポン ナデナデ


ーーーーー

朝ーー


奏「……」ムクッ

奏(泣きすぎた……頭痛い……)コツンッ

奏「……?」

奏(なんだろ、この箱。……『奏ちゃんへ』って書いてあるけど)カパッ


~♪


奏「っ」ビクッ

奏(お、オルゴール? びっくりした……)

奏(メッセージカードも入ってる。えっと……)


サラ『Merry Christmas!
   このオルゴールの曲はイギリスでも有名な曲です。つい買ってしまいました。
   ぜひ奏ちゃんにも聞いてほしいので、クリスマスプレゼントとしてさしあげます! Sarah Minadzuki』


奏「……」


♪ ♪ ♫


奏「『木星』……」


♫ ♫ ♫


奏「……」


サラ「んー……」ゴロン


奏(フラれた……のに、こういうことされたら……期待するじゃないですか)

奏「……ばか」ボソッ

茅サイドーー


時を少し遡りーー。
奏と別れたあと、茅の部屋。

たべたたべたー。お腹をぽんぽんさすりながら真央ちゃんが呟く。
テキパキとお皿をさげて水に漬けて、こういう細かいところで少し尊敬してしまう。
あたしは面倒くさがってお皿も下げないでいるタイプで、お母さんに怒られることも何度となくあった。
真央ちゃんはさも当然のように家事をこなすし、苦労だとか面倒だとか思っていないんだと思う。
そんな人の彼女である以上、あまりにものぐさだと捨てられかねない。
つい今しがた真央ちゃんがしたように、満たされたお腹をぽんぽんとさすり、そしてあたしもお皿を流しへと持っていく。

「あ、置いといてー」

真央ちゃんはすでに手を泡まみれにして、自分のお皿を洗っていた。
あたしもお皿を持ってきてくれると信頼しているからこそ、さっさと皿洗いに取り組んだのだろう。
ちょっと意思疎通できたようで、嬉しくなる。

「ごめん茅ちゃん、袖まくってくれる?」

「あ、うん」

見ると、真央ちゃんの右腕がシャツの袖によって隠れていた。
右手で手首を、左手で袖を手首のあたりで掴んで、肘まで持ち上げる。
ずるっと露わになる真央ちゃんの細くて白い腕。
雰囲気もなにもないのに、ドキッとしてしまう。

「ありがとー」

その言葉にハッとして手を離し、あたしは一度部屋に引っ込む。

ああもう。変態な自分がいやになる!

去年はクリスマスに誰とセックスをしたかと嬉々として語るクラスメイトが何人もいた。
デリカシーがないなと聞き逃していたが、いざそれが可能な立場に置かれるといやでも意識してしまう。

性の六時間……と言ったか。
ややそれには早い時間だが、時間帯はそこまで問題ではない。
好きな人と、二人きりである。
彼女と、二人きりである。
彼女と、クリスマスに、二人きりである。

……ああ、やっぱり考えちゃう。

「茅ちゃん?」

「は、はいっ!?」

うわ、今自分でも分かるくらい肩跳ねた。驚きすぎでしょ。

「いや、ボーっとしてるからどうしたのかなーって。眠い?」

「いや、そんなまさか。まだ7時だよ?」

「だよねー。なになに、なんか考えごと?」

考えごと、と言われてついさっきのことを思い出す。
性の六時間……。
いやいや。

「んーん、なんにも。ボーっとしてただけだよ」

「そっか」

それ以上追求してくることもなく、二人で並んでテレビ前に座る。
バラエティ番組を笑いながら見て、どんどん夜はふけていった。

が、真央ちゃんの様子がおかしい。
九時を過ぎたあたりから、しきりに時計を気にするのだ。
そのたびに性の六時間という言葉が脳裏をよぎるが、なんとかして堪えていく。

「ま、真央ちょっとおトイレ行ってくるね」

「うん、行ってらっしゃい」

とてとてと愛らしくお手洗いに向かう後ろ姿を見送って、机の上に放置されたスマホに気がついた。
画面の電源が入りっぱなしで、何かのお悩み相談サイトのようなものが表示されている。
大した差はないだろうが、充電ももったいないなと電源ボタンに手をかける。
その寸前、画面に目をやって。

「クリスマスのカレの誘い方……?」

そう。ディスプレイにはそう表示されていた。
え、え、と脳内が慌て始める。
これはつまり、真央ちゃんも期待していたというーー。

その数瞬の思考は小さな手によって阻まれることになる。
トイレから戻ってきた真央ちゃんが赤い顔をしてスマホを取り上げたのだ。

「み、みた……?」

スマホを胸に抱きかかえるようにして隠し、赤い顔で涙目で上目遣い。可愛いのフルコース。

「ご、ごめん……見た」

その言葉を受けて、真央ちゃんはベッドへと勢いよく潜り込んだ。
ホコリが舞う中、枕で顔を隠している。

「も、もう寝る! 恥ずかしいから寝る!」

わーっと叫び、掛け布団にくるまってしまう真央ちゃん。
いや、もうこれ……。我慢しなくていいよね。

ベッドに片膝を立て、真央ちゃんに被さるように腕をつく。
もぞっとシーツがうごめいて、赤い顔の真央ちゃんが顔を出した。
言葉も交わさずに黙って顔を近づける。

「……んっ」

ふに、と唇が柔らかく触れる。

「ん、んぅ……」

数ミリだけ離して、くっつけて、何回も何回もキスをする。
真央ちゃんはリップクリームもグロスもほとんど塗らないのにいつもつやつやの唇で、瑞々しさがそのまま溢れてしまったかのような錯覚に陥ってしまう。

「はぅ……かやちゃん……」

ぽーっとした顔の真央ちゃんが身じろぐ。
厚着した服のままでベッドに潜り込んだせいか暑いらしく、すでにうっすらと額に汗が浮かんでいる。
とりあえずベッドから降り、真央ちゃんをシーツから開放する。
真央ちゃん自身で厚手の長袖シャツを脱ぎ去り、上はヒートテック一枚となる。
その間あたしがジーンズのベルトを外し、下も触りやすくする。

服の上から胸に優しく触れると、ぴくんと小さく体を跳ねさせたあと声を圧し殺すように唇を固く結んでしまった。
それでは面白くないので、キスをして口を強制的に割り開く。

「んぅ……! ちゅ、ぢゅう……! あぅ……っ!」

服の下に手を侵入させ、そのまま下着もずらす。
ぴんと張った頂きを探り当て、軽くつまんでみる。

「ひゃあっ! あ、んあぁっ!」

がくがくと体を震わせ感じてくれる真央ちゃん。
力の抜けた体を寝かせ、ジーンズも一気に脱がせて床に落とす。
いつもの下着とは違う、濃いピンク。レースが全面にあしらわれたちょっぴり派手なものだ。
お気に入りの、勝負下着。
真央ちゃんの期待を感じるたびに、ぎゅうと胸が締め付けられる。
あたしを萌え殺す天才なのかもしれない。

下着の上から指を当てると、すでにうっすらと湿るほどにそこは潤んでいた。
そのまま上下に軽く擦ると小さな水音が聞こえてくる。

「は、く……んっ! あ、あ……!」

すでに腰は軽く震え、絶頂が近いことを示している。
いつもならここでスパートをかけるのだが、今日はもっと長く楽しみたかった。
真央ちゃんに覆いかぶさり、首筋にキスを落とす。
もちろんその間も下をいじるのはやめない。

「は、はあっ、かやちゃん、かやちゃんっ……! ん、ふ……あ……!」

かくかく、かくかく、と腰が震え、ついに真央ちゃんはあたしにしがみつく。

「ん、う、ぅうう……!! はあぁうう……!」

きゅううとあたしの頭を抱えるようにしながら真央ちゃんは体を震わせ続ける。

くてんと体から力を抜いた真央ちゃん。
はあはあと胸を上下させながら荒い息を吐き、その額には汗がじっとりと浮かばせている。
むあ、とやや汗ばんだ真央ちゃんの臭いが鼻をつく。

「……っ」

その臭いを浴びただけで胸の奥底がざわつく。

「かやちゃん、真央にも触らせて……?」

ああ、もう。ほんとうに。
愛らしくて、愛おしい。

互いに着ていた服は全て脱ぎ去り、裸で向き合う。
我慢できずに抱きつくと、あたしの胸がむにゅりと形を潰した。
抱き合ったまま深いキスをしながら、お互いに背中を撫であう。
背中を指でなぞられているだけなのに、ふわふわと気持ちいい。

「んふ、んう……! んっ、ふやぁ!?」

真央ちゃんが頭を下げて首を舐めてきて、あたしは間抜けな声を上げてしまう。
ちゅ、ちゅと頭をゆっくりと下げながら、キスをすることは忘れない。
そしてそのままてっぺんにたどり着き、ぱくりと咥えられてしまった。

「ん、まおちゃ……そこ、だめ……っ!」

「えー? それならー……」

つい口をついて「だめ」だなんて言ってしまったが、そんなつもりはちっともなかった。
やってしまったと思ったが、真央ちゃんは少しニヤけている。多分わざと胸を責めるのを止めたのだ。く、くそう。

悔しがっていると、真央ちゃんはさらに頭を下げてきた。
とりあえずキスをしやすいように寝転がると、真央ちゃんは四つん這いになって追撃してくる。

「な、なぁ!? そこ、はぁ……!」

真央ちゃんが動きを止めたそこは、あたしのおへそだった。
舌をくるくると穴の周りに走らせて、ちゅううっと吸ってくる。

「く、う……! はあ、まおちゃん、そこ、だめ……!」

ほんとにだめだ。おへそは、なんかだめだ。

「んー?」

聞こえないふりをする真央ちゃんは、躊躇なくつぷっと穴へ舌を突き入れてきた。

「あ、ああぁぁぁっっ!? な、んうううう、だめ、だめほんとだめっ!! あ、うぁあう!」

軽く出し入れされているだけなのに、とてつもない衝撃が体を走り抜ける。
ほんの数回、時間にして数秒のことだったが、舌を離す頃にはあたしは息が上がっていた。
おへその下がきゅうきゅうと疼く。

「わー、濡れ濡れだよ茅ちゃん」

おもしろ半分にあたしの下を割り開いて実況してくる真央ちゃん。
曰く、くぱくぱひくひくして、とっても具合がよさそう、らしい。
まさかおへそでそんなことになるなんて……。

「挿れるねー」

その声と共に、真央ちゃんの小さな指があたしの中に入ってくる。
ゆっくりとした動きだが、二本の指が的確に擦ってーー。

「に、にほんっ!?」

「え、うん。ほんとにすっごい濡れてるから最初っから二本でもいいかなーって」

「な、なああ……!」

今まで体を重ね合わせたときは、絶対に最初は指一本から始めていた。
なんとなく最初から二本も入れるのは怖かったし、一本でも充分に気持ちよかったのだ。
でも、そんな。そんなに濡れてるだなんて。

「ーーっ!!? あ、まお、ちゃんっ、まっ、まって……!」

考え事もなんのそのと、真央ちゃんは指を動かす。
何を考えていたかなど即座に吹き飛んで、気持ちいいことしか考えられなくなる。

「あ、あっ、あぁ……! まおちゃん、ぎゅー、ぎゅーして……!」

腕を伸ばすと、ふわりと体を被せてくれる。
全身で真央ちゃんの温もりを感じると、すごくイきやすいのだ。

体の奥から熱が溢れて、いよいよ爆発しそうになる。
それを見計らったのか真央ちゃんは頭を下げていく。

やだ、やだ、まおちゃんぎゅーして、ぎゅーしてイきたい。

そんなことしか考えられない。
頭がバカになって、気持ちよくイくことだけしか頭にない。

それを上目に見ながら真央ちゃんは舌を出す。

ずぷっ。

そんな擬音が脳によぎって。

「あ゛ぁっ! おへそ、おへそだめえっ!!」

体が大きく跳ねる。
とっくに脳の処理能力は限界だった。

「んぶ、ぢゅ、ぢゅぶっ」

「お゛っ、あ゛あっ! ん、ぐ……ぅぅう……! う、あ、あぁあ゛……!」

全身が気持ちいい。頭の中は真っ白で、まるで空を飛んでいるかのような浮遊感がつま先まで。
全然収まらなくて、きもちよくて、ちからはいらないのにびくってなって、あ、ああ。

「ふぁ、あ、あああああぁぁ……」

なんかちょろちょろきこえる。おしっこみたいなにおいして、でももうわかんなくて。

「おもらししちゃったね、茅ちゃん♪」

まおちゃんがなにいってるかわからないまま、あたしはいしきをてばなした。

今日はここまで
明日、12月イベントを終了させたらキャラメイクをします

投下が遅れて本当に申し訳ありませんでした

早苗サイドーー

早苗(さむ……)ブルッ

早苗(あ、あら。裸……)


亜利砂「ん……」モゾ


早苗(そうでした。わたし、とうとうやってしまったんでした……)

早苗「……」ドキドキ

早苗「お、起きてくださーい……起きないとキスしちゃいますよー……」


亜利砂「んー……」


早苗「……んっ」チュッ


亜利砂「ん……?」パチッ

亜利砂「ふあ……」ノビー

亜利砂「……あ……!///」カアアア


早苗「おはようございます、亜利砂さん」


亜利砂「お、おはようございます……」


早苗「えーっと……」テレテレ


亜利砂「あ、あの、確認ですけど……」

亜利砂「私達……付き合う、ってことで……いいんですよね?」


早苗「は、はい」


亜利砂「そ、そうですか……」モジモジ

早苗「と、とりあえずシャワー浴びて着替えましょう」


亜利砂「え、あ……!」バッ


早苗「もうたっぷり見せてもらいましたから、今さら恥ずかしがらなくていいんですよ~?」


亜利砂「む、無理です。まだ恥ずかしいですっ」


早苗「ではわたしは目を閉じてますから」パチッ

早苗「先にシャワー浴びてきてください。裸のままじゃ風邪を引いてしまいますよ」


亜利砂「それもそうですね……」ブルッ

亜利砂「じゃあお先に……」


早苗「あ、亜利砂さん」


亜利砂「?」


早苗「これからよろしくお願いします、ね?」


亜利砂「あ……は、はいっ!」


早苗と亜利砂編『八年』 完

綾子サイドーー


綾子(今年も終わりか……)

綾子(いろいろあったけど、いい一年だった)


レイラ「アヤコー! 遊びに来たよー!」


綾子「はいはい、よく来たな」

綾子(……来年はどうなることやら)


告白、されてしまいました。

  とうとう、告白しました。

好きです。たった四文字。それだけで、確かに何かが変わってしまう。

  好きで、大好きで、この人にずっと愛されていたことが嬉しい。

友達でいれたら。

  友達のままではいられなかった。

『十二月のクリスマス』

22時から新キャラを募集します(2キャラ)

テンプレート↓
【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【入居理由】
【備考】

22時になったら改めて募集開始の宣言をします

では募集します
安価↓から3人程出るまで

【名前】 千場 翼(ちば たすく)
【年齢】 22
【職業】 大道芸人
【容姿】 明るい茶髪のショートで碧眼、かわいい系の見た目。胸は大きく、背は低めのトランジスタグラマー。
服装は普段はジーパンとシャツ、ステージ衣装は黒いミニスカートの魔女っ娘のような格好にスパッツを履いている。
【性格】 ボーイッシュなボクっ娘、飄々としたいたずらっ娘
【好きなこと、もの】 手品、ドッキリグッズ集め、ジャグリング、サプライズ、人の驚いた顔と笑顔
【入居理由】 独立のための拠点を探していたら『師匠』から紹介された。
【備考】 家の事情が複雑であり、幼い頃は『男子』として育てられた。一人称がボクなのはその影響。その後紆余曲折あり『師匠』に引き取られてからは『女性』として生きているが、未だにスカートはスパッツを履かないと恥ずかしくてはけない。
最近売りだし中であり、路上公演や地域のイベントなどを中心に参加している。
暇なときは住民に対して手品やドッキリグッズを使ったいたずらを仕掛けて遊んでいる。

2人暮らしです、少し重たいです

【名前】轟 由(とどろき ゆう)
【年齢】20
【職業】大学生
【容姿】金髪ロング、日によって髪型はコロコロ変える、低身長、流行物な服装
【性格】男と妹の敵以外には饒舌、少しドジだが良いお姉ちゃん、むっつりスケベツンデレ
【好きなこと、もの】妹、料理、我が家、人肌、会話
【入居理由】大学に近くて女性しかいないアパートを選んだ
【備考】双子姉、あの時にもっと妹を守れたらといつも後悔している、妹が心配でたまらない
常に妹を守るように行動してるが、男と暴力がトラウマなので逆に守られることも多々
    すごいかっこつけたがり、中2病、ドヤ顔がチャームポイント、不安から来るスキンシップ過多が原因でその手の人を勘違いさせやすい

【名前】轟 貝(とどろき かい)
【年齢】20
【職業】大学生
【容姿】黒髪ゆるふわロング、低身長、ちょっと心配な細さ、男に媚びる服装
【性格】一見愛想良く見えるが内心黒くて冷めてる、2人きりの時のみ姉に素直に甘える、隙あらば姉とヤろうと考えてる
【好きなこと、もの】姉、姉との性行為、ネトゲ
【入居理由】姉に引っ付いてきた
【備考】双子妹、元ツンデレだが不信(姉除く)が原因でデレが消え去った、姉が心配でたまらない
    過眠症も患っていて外でもよく寝るために姉に背負われる日々、恥ずかしいけど満更でもない
    言わないだけで不信を治したいと思っている、生粋の変態、姉をディスる人に手を出すのが早すぎで容赦もないためにかなりの問題児

【双子備考】中学の時に誘拐、監禁、数週間に渡る暴行と強姦の後に救出されたロリ体型双子姉妹、これが原因で双子の人生が狂った
    依存し合い、何かがあると頻繁に姉妹間性行為に走る、恋愛的な意味合いは薄く歪んだ姉妹愛の結果
    姉がレズにモテるために頻繁に付き合う、が依存気味で不安定な本性を見るとすぐに逃げられる、なので最近は恋愛自体諦め気味

1、千葉翼
2、轟由、轟貝
3、熊沢空

↓からの投票レスのコンマ合計が150に達したキャラを採用
人少ないのでコンマ下げます

1

1

新住人1人目は千葉翼となりました
設定は>>759を参照

時間も遅いのでもう一人は明日改めて募集します
18時スタートです

乙です

では二人目の新住人を募集します

テンプレート↓
【名前】
【年齢】
【職業】
【容姿】
【性格】
【好きなこと、もの】
【入居理由】
【備考】

安価↓から3つほどでてくるまで
何個か集まったら、由&貝、空を混ぜてコンマを使用しての投票になります

二人暮らしです

【名前】 語部 霞(かたりべ かすみ)
【年齢】 24
【職業】 小説家
【容姿】 紫がかった黒髪に茶眼、ボサボサの黒髪に眼鏡をつけている。巨乳で安産型の巨尻の持ち主、自作の日本語Tシャツを愛用している
【性格】めんどくさがりでズボラ
【好きなこと、もの】
 日本語Tシャツ作り、睡眠、お酒、脱稿した瞬間
【入居理由】 都心に近く、静かで集中できて尚且つ家賃の安い場所を探したらここだったので
【備考】 売れっ子小説家で、SF、ミステリー、歴史など様々なジャンルに手を出している、最近は新ジャンルの開拓として官能小説を執筆しているがいまいちイメージが固まらないらしい。
 ズボラな性格のため掃除などの家事が苦手、綺麗な部屋を数日かからず汚部屋にするほど
 なのでお金遣いも荒く、多額の印税があるにも関わらず菫が来るまでは生活に困窮していた

【名前】甲斐 菫(かい すみれ)
【年齢】18
【職業】高校生
【容姿】黒髪で三つ編みのお下げに眼鏡、気が強そうな眼をしている
 背や胸は平均的だが、体には気を使っている
【性格】真面目で融通が効かないが面倒見がいい
【好きなこと、もの】
 掃除、裁縫、料理、少女漫画、コスプレ、アニメ鑑賞
【入居理由】
【備考】霞の親戚であり、近くの有名進学校で生徒会長をしている才女
 実家から学校までが遠いため、近くに住んでる霞の部屋に住まわせて貰っている
 ズボラな霞に代わり部屋の家事や家計の管理を行っている
 周囲には隠しているが重度のアニメオタクであり、コスプレイヤーとしても活動している
 周囲の期待からプレッシャーを常に感じており、唯一気が安らぐのはアニメや漫画を見ている時である
 霞は自分が唯一体面を気にせず話せる相手であるため気楽に接している

人いないので21時まで他に来なければ霞&菫、由&貝、空で投票します

1、語部霞、甲斐菫
2、轟由、轟貝
3、熊沢空

↓から投票レスのコンマ合計が150に達したキャラを採用

【名前】一条 奈々(いちじょうなな)
【年齢】18
【職業】高校生(春からの進学先は推薦内定済)
【容姿】凛とした美人系、髪は黒髪ロング、背は高めだが胸は平均以下(目立つ程でもないが若干の貧乳を気にしている)
全体的に和物を好む、部屋着で着物を愛用
【性格】とても真面目で何事にも一生懸命だが抜けてる面もあり空回りしてしまうことも、クールに見られがちだが根は面倒見がよく自分よりも他人のことを優先してしまうほど優しい
【好きなこと、もの】読書 日本舞踊 和菓子 お茶 ジャンクフード(秘密)
【入居理由】大学が決まりいい機会なので家を出て気の抜ける場所が欲しい
【備考】言葉遣いや所作等が丁寧で気品が感じられ口調も敬語口調だが絵に描いたような優等生という周りの勝手なイメージを裏切れなくなり気を張って生きる外面をつくり本人が意識してやっている。普段の自分を知っている人の前ではゆっくり出来ないため新しい環境で一人暮らしを始めた
高校では生徒会長として慕われていたが特別な友人と呼べる間柄の人はおらず、普通の自分が出せる気の置けない親友と帰りに仲良くこっそり買い食いみたいなシチュに密かに憧れている

4、一条奈々

まで含めます

今日いっぱいを投票期限にします
それまでにコンマ合計が150に達したキャラがいなければ、その時点での最高コンマキャラを採用します

新住人2人目と3人目は語部霞と甲斐菫となりました
設定は>>772を参照

奏(年が明けて……私はサラさんに会いに行かなくなってしまった)

奏(友達でいたい……その気持ちももちろんある)

奏(だけど、まだ好きだし、こんな状態で会うのも辛いし……)


???「むむっ、どうしたそこ行く女の子」


奏「? はい?」クルッ


翼「新年早々そんな暗い顔してちゃもったいない! ボクが笑顔にしてあげよう!」

翼「そうだな……じゃあ、この100円玉をーー」ピンッ パシッ

翼「さあどっちの手に入ってるでしょう!?」


奏「え、えっと……こっち?」


翼「ハズレー!」パッ

翼「正解はこっ……ち?」パッ

翼「あれ? 入ってない……おかしいな」

翼「ポケット? ……になんか入ってないし……」ゴソゴソ

翼「ちょっとごめんよ」ズボッ


奏「な、なんですか!? 私のポケットに入ってる訳……」


翼「あったあった! 出てきたよ100円玉!」


奏「え、ええっ!?」


翼「いやあごめんごめん、その100円玉は君のことが気に入ったみたいだ。……うん、君のポケットに入ってたしその100円はあげるよ。お菓子でも買うといい」ナデナデ


奏(今のどうやったんだろう……いきなりだったけどなんか凄い……)キラキラ


翼「うんうん、いい顔だね。やっぱり人間笑顔が一番だよ」

翼「それと、あんまり悩みすぎないよーに。嫌なことがあったらボク、千葉翼のショーでも見に来るといい」

翼「それじゃあね! 元気出せよー!」


奏「あ、ありがとうございましたっ、お金、大事にしますっ!」


翼「大事にしなくていいよー! 使ってやってー!」タッタッタ…


奏(悩んでも仕方ない……か)

奏(よしっ)

白百合荘ーー


霞「やだよ~外出たくないよ~」


菫「初詣も行かないで何日だと思ってるの! 不健康すぎるから少しは歩いて!」


霞「や~だ~、担当と会うわけでもないのに外出たくない~」


奏「……こんにちは、霞さん、菫さん」


菫「あ、奏ちゃんこんにちは。ほら、奏ちゃんに変な目で見られてるから早く立って!」


霞「んぶぇ~……」シブシブ

霞「こんちは~、かなっち~」


奏「今日はお仕事ですか?」


菫「いえ。ですが流石に正月料理をたらふく食べてそのままでは……少しお肉もつきますから、ね」


奏「ダイエット……ですか?」


霞「わたし食べても太らないのに。ってか太っても仕事に支障ないじゃん。つまり出かけなくていいよね」


菫「だめです」


霞「ひ、ひどい……否定が早い……」


奏「あはは……頑張ってください」


霞「ん? ん~……なら、かなっちも頑張れ」

奏「な、なんのことですか?」


霞「なんとなく。女の勘。小説家の本能。かなっち最近元気ないけど、今ちょっとやる気出してたみたいだから」

霞「だから、ま、頑張れ。頑張りすぎなくていいけど」


菫「あーもう。奏ちゃん引き止めてごめんね? 深い意味はないから気にしなくていいよ」

菫「ほら、とりあえず公園まででいいから歩いて」


霞「んなぁー」


菫「なにその返事」


霞「返事すんのもめんどくさーい」


奏「……いってらっしゃい」


安価↓から1月中のイベントを募集
誰かの行動を指定してもいいです(ただし渚、理緒、茅、真央、早苗、亜利砂の優先度は下がります)

白百合荘新年隠し芸大会にて翼のマジックショー、アシスタントに奏が選ばれる

綾子が一人で初詣に行くと透とばったり
何故か御互いに牽制しあう気まずい雰囲気の中神社に向かうとピンチヒッターとして巫女のバイトをしているレイラと出会う

こたつを引き出してだるだるしてる霞を無理矢理引き出して初詣に行く菫をみて「なんか夫婦みたい」と呟く真央

菫、ひょんなことから真央にオタク趣味がバレてしまうが
真央もたまたま同じ作品を好きだったことから打ち解け、仲良くなる

自分はノーマルと思いながらもレイラとのキスを思い返してしまうので早苗に同性とのキスを相談する綾子、以前に渚からキスで相談され自分も亜利砂からキスされ悩んだ時期があるのでみんな同じ悩みを持つのね~と内心ほほえましく思いながら相談にのる早苗

あと新キャラの翼がキャラシートでは千場となっているのが千葉で進んでいるようなので一応間違い指摘

>>787
>>788
>>789
>>790
>>791
を採用します

>>792
指摘ありがとうございます!
完全に勘違いしてました

綾子サイドーー


神社ーー


綾子「ほいっ」チャリン

綾子「……」ペコペコ パンッパンッ

綾子(今年一年いい年でありますように……)ムムム

綾子「……」ペコリ


透「あ……」


綾子「あ」

綾子(透……なぜかレイラにキスされてた奴だ)

綾子(付き合ってはいないみたいだけど……)キッ


透(琴崎……さん。レイラさんをよく家に呼んでる人……)

透(特別な関係ではないみたいだけど……)ムムッ


綾子「……どうも」ペコリ


透「……」ペコリ


ーーーーー


綾子(せっかくだしおみくじでもやってくか)

綾子「すみません、おみくじ一回……」


レイラ「おお、アヤコ! オミクジ?」


透「れ、レイラ……さん!」


レイラ「トオルもいる! なになに、二人でデート?」


綾子「ちがう!」


透「っ!」ブンブン


綾子「ってかなんでお前がここに!?」


レイラ「バイトだよバイト。日本の巫女を見学してたら声かけられてさー」


綾子「だから巫女服なのか……。あ、ならおみくじ頼むよ」


透「あ、わ、わたしも……」


レイラ「はいよー!」

ーーーーー


綾子(中吉……まずまずだな)

綾子(待ち人……来る)

綾子(透は……)チラッ


透(吉……やった)

透(待ち人……来る……!)

透(琴崎さんは……)チラッ


綾子(吉か。ふっ、私の方が上のようだな)ドヤ


透(ーーとか考えてるのかな……。中吉より吉の方が上なんだけどね……)ドヤ


綾子「そうだレイラ、バイト終わったらうち来いよ。白百合荘のみんなで新年会するんだ」


レイラ「いいの!? いくいく!」


透(なっ……!?)

透「わ、わたしも……行きたい……!」


綾子「んー……? んー……まあいいか。じゃあ透は先に私と戻ろう」


レイラ「あ、もう行くんだね。こっちも終わったらすぐ行くからー!」


綾子「おー!」

白百合荘ーー


ピンポーン


真央「……」

真央「あれ」


ピンポーン


真央「……出ない」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


早苗『真央ちゃん、霞さんたちを呼んできてくれる~?』

早苗『どこかに出かけた様子はないから、多分お部屋にいると思うの~』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


真央「うーん……開いてたりするのかな……」グッ


ガチャ……


真央「あ」

真央(開いた……)

真央「かすみさーん? 入りますよー?」


???「な、え、ちょ、ちょっと待っ……!」


真央「……な」


菫「なあ……!///」


真央「『七色乙女☆彡』! 魔法使いピンクちゃんっ!!」


菫「な、え……!?」


霞「おお~、まおまお当たり~」パチパチ


真央「ど、どうしたのそのコスプレ! すっごい似合ってる! アレンジ完璧じゃん!」

菫「こ、これは私が……作り……ました……」モニョモニョ


真央「ほ、ほんと!? すごい! すごいすごい!! 身近にこんな奇才が潜んでたなんて……!」


菫「そ、それほどでも……///」テレテレ


真央「え、でもそうだ……なんで七色乙女のコスプレなんかしてるのさ?」


霞「それはわたしの要望~。本格異世界ファンタジーものの小説を書こうかって話になって~……」

霞「でも魔法使いのイメージが湧かないから、菫にイメージの取っ掛かりを作ってもらおうとコスプレしてもらったわけさ~」


真央「なるほど……。それでアニメのコスプレをしてたのか……」


菫「////」


真央「そのカッコじゃドア開けて外に出られないし、霞さんはいつも通り面倒くさくてドアを開けに来なかったと……だから無反応だったんだ」


霞「おお~、名探偵まおまおまたもだいせいか~い」


真央「そんなことより!」ビシッ

真央「そのコスプレを作る技術、今までに何度も作ってきて培われたものと見た!」

真央「いったい七色乙女以外になんのコスプレをしているのか! ぜひ! 聞きたいっ!」ズイッ


菫「うぇ……!? あ、あの……『ゆるっとピクニック』とか……『おらおら迷路帳』とか……」


真央「くぁー! どっちも好きな作品だよー! ね、ね、誰のコスプレしてるの!?」


菫「『ゆるック』の方は尾崎千春……『おらおら』は立木幸……」


真央「分かってる! 菫ちゃん分かってる!! 菫ちゃんにピッタリだよ! あのねあのね、真央のお気に入りのシーンの再現とかーー」


霞「こらこら、わたしの菫をあんま困らすんじゃないよ~」

霞「なんか用があるんじゃないの? 呼びに来たってことはさ~」


真央「はっ、そうだった……」

真央「えーっと、そろそろ新年会の用意ができるから天使さんの部屋に集合、だそうだよ」


霞「りょうか~い、菫のこと着替えさせたら行くね~」


菫「あ、あの真央さんっ」


真央「ん?」


菫「よかったらあとでお部屋に伺ってもよろしいでしょうか! ぜひ、語りたいです!」キラキラ


真央「もっちろん!」

ーーーーー


早苗「それでは~、白百合荘新年会、開催しま~す!」


一同「おー!」パチパチ


早苗「それではみなさ~ん……」スッ

早苗「かんぱ~いっ!」


かんぱーい!


ーーーーー


奏「あの……」


翼「ん?」


奏「翼さんって、ここの住人さんだったんですね。知らなくて……」


翼「あーいいよいいよ、ボクそれなりに外泊多いから家にいない時間長いんだよね。だからボクも奏のこと見たことなかったし……」

翼「そんな話よりそうだな……。ボクの手品のお手伝いしてくれない?」


奏「へ? 手品……ですか?」


翼「そそ。このあとみんなに見せるんだけど、お手伝いさんがいてくれると助かるなーって」


奏「私でよければ手伝います」


翼「まじ? じゃ、頼んだよ。何をするかはそのとき教えるからねー」

翼「さーそれではみなさんお待ちかね! 千場翼のマジックショーのお時間でーす!」


綾子「待ってましたー!」


翼「っとその前に……奏くん、こっちへ」チョイチョイ


奏「はい」スクッ


翼「君にはこれから手紙を書いてもらおう。この場にいる誰かに宛てた手紙を頼むよ」


奏「手紙……それがお手伝い、ですか?」


翼「うむ。ささ、書いてくれ」

翼「ではではその間マジックショーをやっていきますよー!」


ーーーーー


奏(誰かに……手紙)チラッ


サラ「ハートの4! なんで分かったんですか!?」キャイキャイ


奏(どうせ手品にしか使わない手紙だし……)

奏(「サラさんへ、やはりあなたを普通の目で見ることはできません。
   きっと好きにさせてみせます。もう一度私と話し合ってくれませんか。」)カキカキ

奏(なーんて……)


翼「お、できた?」


奏「はい……」


翼「ではこの手紙を畳んで……ここにサインを書いてくれる? なんでもいいよ。丸でも星でも」


綾子「丸と星は書かない方がいいな。なんかタネがあるかも」


奏「じゃあ……音符で」カキカキ


翼「おっと音符か……まあいいよ。じゃあこの手紙は後で使うからとりあえず置いておくね」

翼「さて、じゃあ次はコインのマジックだよ。普通のお金でもいいんだけど……あ、サラさん。イギリスのお金ない?」


サラ「あ、あります」ゴソゴソ

サラ「……消したりしないでくださいよ?」ハイ


翼「お任せあれ」

翼「右手にコインを持ってーー」グッ

翼「左手に持ち替える」


トントン


翼「でも手を開くと……」パッ

翼「まだ右手の中」


理緒「おお……」


翼「おっと」グッ

翼「恥ずかしがり屋のコインさんは消えてしまいました」ヒラヒラ

翼「でもこの子振動に弱いので」グッグッ

翼「はい出てきた」


霞「お~」


翼「ああまた消えちゃった」ヒラヒラ

翼「今度は投げればーー」ヒョイッ

翼「ーーっと」チャリンッ

翼「出てきてくれました」


茅「おおお……」パチパチ


翼「さ、このコインはサラさんに返そう。外国のお金なんて初めて触ったよ」ハイ


サラ「? コインはどこに……」


翼「あれー? また消えちゃったか……ちょっと失礼」ズボッ


サラ「ひゃっ!?」


翼「あったあった。一足先にサラさんのポケットに帰ってたみたい」ハイ


奏(さっき私がやられたやつ……! 指の間でコイン挟んで見えないようにしてたのか……手品のタネ気づいちゃった)ドキドキ

翼「じゃあ次はこの奏くんのお手紙を使おう。これをーー」


ビリィッ!!


奏「なっ!? なんで破っちゃうんですか!」


翼「ストップストップ。みなさん、ポケットに何か入ってませんか?」


渚「特に何も……」


早苗「……入ってないわね~」


サラ「! は、入ってます! 手紙!」


奏「えっ!?」


翼「どうやら手紙はサラさんのところに行きたかったみたいだ。サインは付いてるかい?」


サラ「音符マークがついてます……」


翼「うんうん。じゃ、それは後で読んであげてね」

翼「……さ、こんなところでボクのマジックショーはおしまい。みなさんご覧いただきありがとうございました!」


パチパチパチパチ

ーーーーー


霞「帰りたくな~い……」


菫「ああもう、早くこたつから出てよ! お部屋戻らないと……」


霞「戻らないと?」


菫「さ、早苗さんの迷惑になるでしょ?」


霞「あとまおまおと語る時間が少なくなるね~」


菫「なっ……! わ、分かってるなら協力してよ!」


霞「はいはい、仕方ないな~」モゾモゾ


真央「……なんかさ」


霞「うん?」


真央「二人って夫婦みたいだね」


菫「夫婦……?」


霞「わたしはダメ旦那~?」


真央「うん。それに対してなんだかんだ手を焼く奥さんみたいな」


菫「うーん……?」


霞「確かに菫が奥さんならいいね~。菫の旦那さんになる人が羨ましいよ~」

霞「ほんじゃ、わたしは部屋で寝てるから、菫もまおまおの迷惑にならない内に戻ってくるんだよ」


菫「あ、うん……」

早苗「あら、茅ちゃんは~?」


真央「帰っちゃった。新年だし家で少しゴロゴロしたいんだってさ」


早苗「それで菫ちゃんなのね~」


真央「そそ。菫ちゃんとお話するんだ♪」


渚「あ、あの早苗さん。私達もそろそろ失礼しますね。理緒さんが寝ちゃって……」


早苗「あら。ゆっくりおやすみなさい。じゃあね~」


渚「はい、失礼します」


レイラ「楽しかったー! 手品面白かったよー!」


翼「それはなにより。楽しんでもらえたならやった甲斐があるよ」


綾子「帰るのか?」


レイラ「うん、ついでに透と散歩でもしてくるよ」


綾子「あ、ああ、そうか」


サラ「それじゃあ、ワタシも奏ちゃんのことを送ってきますね」


翼「あ、ボクもいくよ。帰りがサラさん一人じゃ危険だし」


早苗「わかったわ~」


ーーーーー


亜利砂「早苗さん、片付け終わりましたよ」


早苗「ありがとうございます、亜利砂さん」

早苗「それでは、飲み直しといきますか~?」


亜利砂「ばっちこいです」

ピンポーン


早苗「あら? 誰かしら~……」ガチャ


綾子「……ごめん、さっき出てったばっかりなのに」


早苗「別にいいわよ~、どうしたの? 忘れ物?」


綾子「いや、その……早苗に相談というかなんというか……」モゴモゴ


亜利砂「お邪魔……かしら」


綾子「あ、いや、別に急ぐことでもないんだ。また今度にするよ」


亜利砂「早苗さん、私おつまみ買ってきますよ。30分くらいかかりますけど……」


早苗「ええ、お願い。……さ、綾子さん上がって? 聞かせてくれると嬉しいわ」


綾子「……うん」


ーーーーー


綾子「簡単に言うとレイラにキスされたってことなんだけど……」


早苗「あら」


綾子「なんかもう分かんないんだよ。嫌とか気持ちよかったとかはどうでもよくて……気になるんだ」

綾子「キスの経験なんか多いわけじゃないけど、アイツのキスだけイヤに印象に残って……」

綾子「なんか、ほんとによく分かんなくて……とにかく誰かに聞いてほしかった」


早苗「そう……」

早苗(渚ちゃんも私も悩んで……ふふっ、キスって不思議ね~)

早苗「こういうとあれかもしれないけれど、レイラちゃんならいつでもキスしてくれるんじゃないかしら~」

早苗「だから、頭のどこかで『またしてくれるかも』って思っちゃって、ソワソワしちゃうんじゃないかしら」


綾子「うん……かも」


早苗「う~ん……それならいっそ遠ざけちゃうのは」


綾子「それはやだっ!」

綾子「あっ……お、大きい声出してごめん。……でも……それは……や、やだ……」

早苗「『やだ』……って」ハッ

早苗「ふふっ」クスッ

早苗「じゃあそうね~、逆にもっとくっついてみるのはどう?」


綾子「くっつく?」


早苗「またしてみたくなった時すぐにしてもらえるようによ~」


綾子「き、キスを?」


早苗「ええ~、モヤモヤ~ってしたときすぐに確かめたら、もしかしたらあっさり解決しちゃうかもしれないじゃない?」


綾子「そうかな……」


早苗「どうにかしたいなら離れるかくっつくかしてアクションを起こしてみた方がいいと思うわ~」


綾子「……わかった、やってみる」

綾子「……うん、じゃあ先生が戻って来ない内に部屋に帰るよ。相談乗ってくれてありがとね」


早苗「いいのよ~、また来てね~」


ーーーーー


カシュッ


早苗「んく、んくっ……ぷはっ」


亜利砂「それで、さっきの人はどうなったんですか?」


早苗「好きな人ができたけど、誰かに取られそうでヒヤヒヤしてるって感じかしら……?」


亜利砂「難儀ですね……」


早苗「あの子水泳ばっかりで浮いた話全然聞かなかったから、不謹慎かもだけど今少し楽しいんですよ~♪」


亜利砂「ふふ、上手くいくといいですね」


早苗「そうですね~♪」

奏宅前ーー


奏「送ってくれてありがとうございました」ペコリ


サラ「いえいえ、おやすみなさい」


翼「新年早々風邪引かないようにねー」


奏「はい。それでは」


バタン


翼「よし、じゃあボクたちも帰ろうか」


サラ「はい」


てくてく


翼「そういえばさ、手紙読んだ?」


サラ「いえ、まだ……」


翼「読んであげるといいよ。きっとサラさんに宛てて書いた手紙だからさ」


サラ「……」ガサ


奏『サラさんへ、やはりあなたを普通の目で見ることはできません。
  きっと好きにさせてみせます。もう一度私と話し合ってくれませんか』


サラ「……」


翼「どう?」


サラ「確かに……ワタシへの手紙です」


翼「……ねえ」


サラ「……っ」ギュウ


翼「なんでそんなに辛そうな顔をしてるの?」

サラ「翼さんに話しても……分かりませんよ」


翼「かもね。でも、ボクのマジックが原因でその手紙を読むことになって、そのせいで暗い顔になってしまった……」

翼「だったらボクは責任を持って明るくさせてあげなくちゃじゃない?」


サラ「ずるい……ですよ」


翼「へへ。ま、どうかな。話してもいいなら話してほしい」


サラ「……じゃあ、聞いてください」


翼「うん」


サラ「……奏ちゃんに、告白されたんです」


翼「奏くんに……? 女の子同士じゃない」


サラ「それは……そうですが。女の子同士だとかそういうのを越えて、その、好きになってしまったのかと」


翼「ふーん……。ああそうか、茅くんの漫画みたいなことか」


サラ「そうですそうです」コクコク


翼「で、OKしたの?」


サラ「いえ。お断りしました」


翼「ふむ」


サラ「女の子同士というのは関係ないんです。でも、年の差……言ってしまえば奏ちゃんが若すぎると思うんです」

サラ「まだ中学生で……。……それに、奏ちゃんならもっといい人を見つけられるから……」

翼「……手紙見せてもらってもいいかな」


サラ「……はい」


翼「ふむ……」ガサガサ

翼「……」

翼「……なるほどねえ」


サラ「……」


翼「サラさんはさ、奏くんが嫌いなわけではないんだよね。むしろ好きな方だ」


サラ「はい、それはもちろん」


翼「それで……少なからず恋もしている」


サラ「なっ……!?」


翼「サラさんは、奏くんに恋してる。違うかな? サラさんがフッた方なのにすごく辛そうだし……」

翼「でも多分、素直になれない事情かなんかがある」


サラ「やめて……言わないでください……」


翼「あ、そうか。留学生ってことは……」


サラ「やめてっ!!」

サラ「やめてください……! それ以上、言わないで……!」


翼「……ごめん」

翼「……このままだとボクたちの方が風邪を引いちゃう。……一度帰ろう」


サラ「……」コクッ

奏宅ーー


奏(て、手紙どうしよう……読まれないと思ってたから気持ち悪いこと書いちゃった気がする……)

奏(普通の目で見れないって何!? 引かれるよそんなの!)

奏「あうあうあ~……」ボフン

奏(いっそ開き直る……?)


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


奏「サラさん大好きです~! ちゅーしましょー!」


サラ「もー、奏ちゃん。仕方ないですねー……」


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


奏「むっ……!!」カアアッ

奏(無理! 無理無理無理!!)ブンブン

奏(でも、だからってどうしようも……多分手紙は読まれちゃうし……ああもう……)

奏(……寝よう)


翌日以降の行動を安価↓から募集

新年どころか新年度になってしまった
完結まであと少しお付き合いください

言われて意識してしまうようになったために会話や表情には出さないが奏から避けるようにして過ごすサラと
それを知ってか知らずかイケイケドンドンに突っ込んでいく奏

偶然入った喫茶店で透と相席になった綾子
透から「レイラが好きなのか」と切り出されて困惑する

綾子の部屋に遊びに行った際にどこかぎこちなくも珍しく綾子から寄って来るがぎこちないので解すために悪戯で胸を揉むレイラ
嫌とは思わず自分の気持ちがよく分からない綾子がなすがままなのでそのまま悪ノリしてテクを発揮

喫茶店ーー


カランカラン……


綾子「あの、一人なんですけど……」


店員「申し訳ございません、ただいま大変混み合っておりまして……相席となりますがよろしいでしょうか?」


綾子「あ、はい、大丈夫です」


店員「ではご案内しますね。こちらへどうぞ」


綾子「え」


透「あ」


綾子「……カフェモカ一つお願いします」


店員「はい、ただいまお持ちいたしますね」


透「……」


綾子「……」ストン


透(相席って……よりによってこの人と……)


綾子(んー……なんかこの人苦手なんだよなあ。レイラと仲いいし……)


透「……」チラッ


綾子(あー、練習終わりだからってこんなとこで休憩しなきゃ良かったかなー……)


透「……あの」


綾子(レイラと相席だったら楽しいんだけどな……上手くいかないもんだ)


透「……あのっ」


綾子「わっ、え、なに?」


透「……聞きたい、こと、が……」


綾子「聞きたいこと?」


透「……あなたは、レイラさんが好きなん……ですか?」


綾子「は、はあっ!?」ガタッ


店員「きゃっ!」


綾子「あ、す、すみません……」オズオズ


店員「いえ……あ、こちらカフェモカになります」コトッ

店員「し、失礼しましたっ」ピュー

綾子「れ、レイラを好きって……」


透「レイラさんといると、笑顔が多いから……わたしといても楽しくないからかもしれないけど……そういうのを抜きにしても、綾子さんはレイラさんといる時が一番嬉しそう、だから」


綾子「ま、待って。考える」

綾子(好きって、いや……あいつといるのは楽しいけど、キスも気持ちいいけど、いや、ええ?)

綾子(好き、好きってなんだ? キスして、え、えっちしたりしたくなることか? それって私がレイラに感じてること……か?)グルグル


透「……あの、ごめんなさい、そんなに悩むとは思ってなかった」


綾子「ん、ん? もういいの?」


透「うん、もういい。……また時間取れるときにでも聞くかもしれないけど、今は早く席空けてあげた方がいいと思うし……」


綾子「そ、それもそうだな。さっさと飲んで帰ろう」ガバッ ゴクゴク

綾子「ぅあちっ!」


透(焦りすぎ……)


ーーーーー


カランカラン


店員「ありがとうございましたー」


綾子(あーもー……透の奴が変なこと言うからレイラのことしか考えられないじゃないか)

綾子(……レイラの唇気持ちよかったな……)

綾子(じゃなくて! あーもー!)

白百合荘ーー


レイラ「あ、おかえりー」


綾子「れ、レイラ!? なんでここに……」


レイラ「近くまで来たからせっかくだし寄ってみた。都合悪かった?」


綾子「いや、それは大丈夫だけど……」


レイラ「よかったー。じゃ早く部屋に行こうよ。寒くてかなわないや」


綾子「あ、ああ……」


ガチャ


綾子(こんな状態でレイラに会うなんて……どうしたらいいんだ)モンモン


レイラ「コーヒー淹れるねー」


綾子「あ、ああ……私にも頼む」


レイラ「はいよー」コポコポ


綾子「……なあ」


レイラ「んー?」


綾子「あー……なんだ、その……」

綾子「んと……」

綾子「……な、なんでもない」


レイラ「んー。はい、コーヒー」


綾子「あ、ああ……ありがとう」


レイラ「……」ジーッ


綾子「……」ポケーッ


レイラ(……変なの。アヤコがこんなにぼーっとしてるの初めて見たかも)


綾子「な、なあレイラ……き、キスしてくれないか?」


レイラ「おおう、突然だね。したくなっちゃった?」


綾子「したくなったっていうか、確かめたくなったっていうか……」ゴニョゴニョ


レイラ「してもいいけど……そうだな、アヤコからしてみてよ」


綾子「私から……?」


レイラ「そ。アヤコから私にキスするの」

レイラ「できないならー……今回はなしかな?」


綾子「す、するっ、するよ」

レイラ「ではいつでもどーぞ」


綾子「……っ」ギュッ


ちゅっ


綾子(……柔らかい。あったかい)


レイラ「……おしまい?」


綾子「……うん、もういい」


レイラ(なんだ、つまんないの)

レイラ(イタズラでもしてあげようかな)ニヒッ

レイラ「ア、ヤ、コー」スリスリッ


むにゅむにゅ


綾子「な、お、おい!」


レイラ「対価対価ー。キスしてあげたんだからちょっとぐらいいいじゃん?」


綾子「はぁ……っ、レイ、ラ……!」


レイラ「……っと、イタズラはこんなもんでいいや。あんまりしつこくして嫌がられてもあれだしねー」ピタッ


綾子「……ゃじゃない」


レイラ「ん?」


綾子「いやじゃ……ない」


レイラ「……アヤコ、それはずるい」

レイラ「今拒否しなかったらまた最後までしちゃうよ?」スリ…


綾子「……っ」ギュッ

レイラ「ふー……」


綾子「っ!」ゾクゾクッ


レイラ(あー、これはマズい……。私も止まれない……)スルッ


ふにっ、むにゅっ


綾子「は、あ……っ」


レイラ「ほんと、でかいね」


もにっ、きゅっきゅ


綾子「ちくび、だめ……っ」


レイラ「もっとして、でしょ……?」


綾子「あ、う……!」ゾクゾクッ

綾子「も、もっと……して……」


レイラ「よくできました♪」


ぎゅうぅっ


綾子「あぁっ! は、あぁんっ!!」ビクビクッ


レイラ「でっかくて感度もいいとかお得だねー」クニクニ

綾子「れいら、れいら……っ」ギュウウッ


レイラ「……っ」


するっ


レイラ「したも触るよ……?」


綾子「っ」コクコクッ


くちっ くちゅっ


綾子「あっ……ぅ……」フルフル


ぐちゅっ、ぬちゅっ


綾子「あ゛っ……は、あ……!」ビクン


レイラ(すご……どろどろだ……)


ぐぢゅ、ぶちゅ、ずちゅ


綾子「あ、んぁ……!! ひ、っ、ーーーっ」ビクビクッ


レイラ(イった……)


綾子「はっ、はっ、はぁ……っ」フルフル

綾子(こんな、また、簡単に……)ヒクッヒクッ


レイラ「あー、えっと……ご、ごめん帰るねっ」

レイラ「なんかさ、どっちも冷静じゃなかったし、ね、一回落ち着こう!」バタバタ


レイラ「じ、じゃあねっ!」


バタンッ

奏サイドーー


奏「サラさん、おはようございます」


サラ「あ、奏ちゃん。お、おはようございます」


奏「サラさ……」


サラ「す、すみません奏ちゃん。ワタシもう行くので、失礼しますねっ」タタッ


奏「……」

奏(えーっと……)

奏(この反応は手紙を読んだってことで間違いない……ですよね)

奏(嫌われた……かな)


ーーーーー


綾子の部屋ーー


綾子「突然どうしたの、奏。あ、お茶どうぞ」コトッ


奏「ありがとうございます……」ズズ…

奏「……サラさんのことで、相談があります」


綾子「お、おう」ゴクリ


奏「実は、去年のクリスマスに告白をして……」


綾子「お、おお! ど、どうだった?」


奏「……振られてしまいました。友達でいましょうって」


綾子「そっか……」


奏「それは、まあいいんです。気持ち悪いとか、そういうことを言われなかっただけでも嬉しかったです」

奏「でもその……最近サラさんが冷たい……っていうより、避けられてるみたいで」


綾子「そうか……」

綾子「サラが奏のことを嫌いになったわけではないもんな」


奏「嫌われた……かもしれません」

奏「新年パーティのとき書いた手紙に、もしかしたら引かれてしまったのかも……」

綾子「手紙? 何書いたんだ?」


奏「ええと……『私はまだサラさんのことが好きです、きっと私のことを好きにさせてみせます。もう一度お話しさせてくれませんか』みたいなことを書きました」


綾子「ふむ……随分大胆な……」


奏「ま、まさかサラさんのところに手紙が行くなんて思ってなくて……手品ってすごいです」


綾子「でもそうだな……サラが奏を嫌ってるのはないと思うぞ」

綾子「ここで何度か会ってるけど、むしろ奏のことを心配してて……ああ、振ったから奏が落ち込んでないか不安だったのかな」

綾子「まあつまり、サラは奏を避けてなんかいない。むしろ奏のことは気にしてるよ」


奏「ほ、ホントですか?」


綾子「不安になる必要なんてないさ。友達でいようって言うくらいだから、奏と一緒にいたくないってわけじゃないんだ」

綾子「それよりさ、もう一回話そうって手紙に書いちゃったんだから、どうせだしもう一度話し合ってみたらいいと思うよ」

綾子「なんで避けるのか、とかやっぱ本人に聞いた方が早いもんね」


奏「そう、ですね……。うん、そうですよねっ」


綾子「お、いい返事だ。頑張れ」


奏「頑張ります! 綾子さんも何かあったら……いや、中学生になんか相談しても意味ないかもですけど、お話し聞くくらいならできますから!」


綾子「わ、私!? 私はいいよ、そんな、相談なんてないし、うん」


奏「と、とにかくっ私行かないと! サラさん!」


綾子「そんなに焦らなくても……。ま、行ってらっしゃい」


奏「はいっ、行ってきます!」

ーーーーー


奏(サラさんのお部屋に来たけど……)


サラ「……」


奏(何も喋らない……)

奏「……サラさん?」


サラ「は、はいっ!?」ビクッ


奏「えと、そんなビックリされると……」


サラ「それは、あの、手紙の……」モニョモニョ


奏「手紙……」

奏(や、やっぱり読んでるよね……)


サラ「そう、です」


奏「えーっと」

奏(完全に嫌われたわけではないんですよね……。友達ではいてくれるって……)

奏「……サラさん」

奏「なんで避けるんですか。手紙、気持ち悪かったですか」


サラ「そ、そんなことありませんっ」


奏「だったらなんで……」


サラ「それは……」


奏「それは……?」ジッ


サラ「っ」ドキッ

サラ(変にドキドキしてしまうから……なんて言えませんよ)


奏「……言えないならいいです。無理には聞きません」

奏「私はまだ、サラさんのことが好きですから。……無理に聞いて嫌われたくありません」


サラ「っ」


奏「確かに、何年も経ったら他に好きな人もできるのかもしれません」


サラ「そう、そうですよ。それでいいんです。ワタシのことなんてその内忘れてーー」


奏「いえ、逆です。今はサラさんのことしか考えられません。だから……」

奏「だから、私のことを好きになってもらえるよう努力します」


サラ「奏……ちゃん」


奏「私の言いたいことは以上です。明日からよろしくおねがいします」ペコリ


サラ「は、はい」


奏「では、失礼しました」


がちゃ……ばたん


サラ「ーーーっ」カアアッ

サラ「奏ちゃん、奏……ちゃん……っ」ドキドキ


ーーーーー


奏(い、言いましたっ、言いましたよ、綾子さん!)

奏(これで避けられたりはしなくなる……はずです。やった、やった!)


奏ちゃんの行動にドキドキします。

  なんでレイラなんかにドキドキするんだろう。

きっとワタシはもう……。

  まさか私がレイラを……?

『一月のパーティ』

奏「私はまだ、サラさんのことが好きですから。……無理に聞いて嫌われたくありません」


サラ「っ」


奏「確かに、何年も経ったら他に好きな人もできるのかもしれません」


サラ「そう、そうですよ。それでいいんです。ワタシのことなんてその内忘れてーー」


奏「いえ、逆です。今はサラさんのことしか考えられません。だから……」

奏「だから、私のことを好きになってもらえるよう努力します」


サラ「奏……ちゃん」


奏「私の言いたいことは以上です。明日からよろしくおねがいします」ペコリ


サラ「は、はい」


奏「では、失礼しました」


がちゃ……ばたん


サラ「ーーーっ」

サラ「奏ちゃん、奏……ちゃん……っ」ドキドキ


ーーーーー


奏(い、言いましたっ、言いましたよ、綾子さん!)

奏(これで避けられたりはしなくなる……はずです。やった、やった!)


奏ちゃんの行動にドキドキします。

  なんでレイラなんかにドキドキするんだろう。

きっとワタシはもう……。

  まさか私がレイラを……?

『一月のパーティ』

最後連投してしまいました…

>>813
>>814
>>815
を採用しました

霞「……さむ」

霞「さむいさむいさむい~っ」ブルルッ

霞「菫も学校始まっちゃったからいないし~……」

霞「ていうか受験生だもんね。もうなかなか来れないよな~……」

霞「……ネタ探し行くのもめんどいなあ~……」


安価↓から2月中のイベントを募集
誰かの行動を指定してもいいです(ただし渚、理緒、茅、真央、早苗、亜利砂の優先度は下がります)

おつ

サラ、故郷のママに好きな人ができたかもしれない、でもこの気持ちが本当に恋なのかわからない、相手にどう伝えるべきかもわからない、と電話で相談

2、3日来れなかった間に汚部屋と化してしまった霞の部屋を掃除する菫だが受験勉強の疲れから途中で寝てしまう
目が覚めたら霞が膝枕してくれていた

綾子との関係でモヤモヤしているレイラを偶然見かけた翼がマジックでレイラを笑顔にする
その後レイラの恋愛相談に乗りアドバイス、レイラは綾子への想いを自覚する

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>>830
>>831
を採用します

霞の部屋ーー


菫「あーもー! また! 汚い!」


霞「お~、久しぶり菫~」


菫「なんでまだ三日も経ってないのになんでこんな汚くできるの……」


霞「不思議だね~」


菫「もー……片付けるからゴミ袋出してくれる?」


霞「はいよ~」


ーーーーー

ーーー




菫「っ、あ、あれ……」ゴシゴシ


霞「おはよ~」ナデナデ


菫「わたし、ねてた……?」


霞「ん、寝てたね。ちょっとソファに腰掛けた瞬間に横になってたよ~」


菫「ごめん、片付けの途中で……」ムクッ


ぐいっ ぽすんっ


霞「たまには寝てな~。掃除させてたわたしが言っても説得力ないけど、とりあえず掃除はいいからさ~」

霞「……もう少しで受験……ってかセンターももう終わってるんだもんね~。せめて試験までは余計なこと考えなくていいよ~」ナデナデ


菫「……そんなこと言うなら最初から部屋を汚くしないでくれればいいのに」


霞「これは手厳しい~」


菫「でもま、ありがと。少し楽になったかも」

菫「……私がこうして片付けに来れるのもあとちょっとなんだね」


霞「……うん」

霞「……寂しくなるね~……」ナデ…

サラサイドーー


プルルルル……プルルルル……


サラ母「もしもし、サラ?」


サラ「もしもし、ママ、久しぶり」


サラ母「元気にしてるかしら?」


サラ「うん、元気。……あのねママ、お話があるの」


サラ母「どうしたの?」


サラ「ワタシね、好きな子ができたの」


サラ母「あら」


サラ「でも、ホントに好きなのか分からなくて、それに、告白すべきなのかも分からなくて……」


サラ母「うーん……」

サラ母「『好きな子』って……女の子かしら? 普通男の人に『子』なんて使わないわよね?」


サラ「あっ」

サラ「……うん、そう。女の子」


サラ母「ふふ、日本語って難しいわよね」

サラ母「ま、それは置いといて……女の子ねえ……」


サラ「変……かな」


サラ母「別に変じゃないわよ? というより変だって言われても好きなことには変わりないでしょう?」


サラ「うん」


サラ母「ならいいじゃない。私は応援するわよ」

サラ母「あ、ホントに好きなのか分からないんだったかしら。あと、告白するかも迷ってる」


サラ「うん、そう」

サラ母「じゃあ聞くけど、あなたの留学の期限はいつまでかしら?」


サラ「……3月いっぱい」


サラ母「もう残り2ヶ月もないけど、伝えないで帰ってきても後悔しない?」


サラ「……する」


サラ母「はい、決まり。告白しなさい。で、私にその子の写真の一つでも見せてちょうだい」


サラ「……ママ、さっき言わなかったけどその子ね、まだ中学生なの」


サラ母「……」


サラ「きっと困らせちゃうよ……」


サラ母「……あーあ。私のサラがこんなに乙女になるなんて……」

サラ母「いい? サラはすごく良い子なの。そんなサラが理由もなく中学生を好きになるはずない」


サラ「……奏ちゃんは……」


サラ母「カナデちゃんっていうのね。そのカナデちゃんはサラから見て素敵な人?」


サラ「うん。小さいけど一生懸命で、すごく素敵な子だよ」


サラ母「サラにそこまで言わせる子よ。きっと応えてくれるわ」

サラ母「とにかく、残された時間は大してないんだから、後悔しない内に告白する! いいわね?」


サラ「……うん、ありがとうママ。スッキリした」


サラ母「ふふん、ママは強いのよ。じゃあね、しっかりやんなさいよ」


ブツッ


サラ「……よしっ」

翼サイドーー


翼(まずった……)


レイラ「……」


翼(手品見せて調子に乗ってたらいつの間にか恋愛相談されることになった……)

翼(どうしてこうなった。いやほんとに)

翼「あー、レイラさん? なんで僕に相談を?」


レイラ「なんとなく?」


翼「そうですか……」

翼「……まあいいや。それで、相談って?」


レイラ「んーと、アヤコのことが好きなのかどうか分からないの」


翼「……はい?」


レイラ「だから、アヤコのことを好きなのか分からないの」


翼「あー、うん分かった。分かんないけど分かった」


レイラ「初めてなんだよ、こんな、自分から誰かに触りたいと思ったの」

レイラ「何人も抱いたことはあるけど……こんな感情はじめてで」


翼「だ……っ」

翼「……他の人に抱いたことのない感情を抱くって、それだけで特別なことなんじゃない」

翼「それが好意なのかどうかはボクには分からないけど、充分恋する人の顔してるように見えるよ」


レイラ「特別……アヤコは特別なのか……」

レイラ「なんかスッキリしたかも! ありがとう!」


がちゃっ ばたんっ 


翼「……ま、ボクに相談するのは違う気もするけどね」

翼「恋ねー……ボクもいずれするのかなー……」


安価↓からバレンタインのイベントを募集
誰かの行動を指定してもいいです(ただし渚、理緒、茅、真央、早苗、亜利砂の優先度は下がります)

翼が白百合荘面子なチョコを配って回る
うち一つに『激辛チョコ』を混ぜており、見事に真央が引き当ててしまう

透がレイラにチョコを渡している所を目撃する綾子
見るからに本命のチョコに自分のチョコと比較して落ち込むがレイラは綾子から貰った方が嬉しいと発言する

チョコをひたすらサラにアタックする奏とそれを避けるサラ

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>>838
>>839
を採用します

綾子サイドーー


透「れ、レイラさん……こ、これっ」


レイラ「お、チョコくれるの!? そういえば今日バレンタインだったっけ」


透「っ」コクコク


レイラ「あーでもお返しするものないや……どうしよう」


透「お、お返しとか、そんな、いらないからっ」


レイラ「んー……じゃ、ちゅーしたげる。お返しになるかな」チュッ


透「……!!!」カアアッ


レイラ「ほんじゃね! 私これからアヤコのとこ行くから!」バイバーイ


綾子(アイツはまた家の前で……)


レイラ「アーヤコー」


ぴんぽーん


がちゃっ


綾子「はいはい、いらっしゃいレイラ」


レイラ「やほ。で、用事ってなにかな」


綾子「あー、その、私もチョコを用意したんだが……」


レイラ「!!」


綾子「なんか、透のやつの後だとどうしても見劣りするっていうか……」


レイラ「ほしい! ちょうだい!」ガバッ


綾子「あ、ああ……そんなに言うなら……これ」スッ


レイラ「わぁ……!」

レイラ「ふへ、なんか、アヤコからもらうと嬉しいねえ」ニヨニヨ


綾子「っ」ドキッ


レイラ「トオルのも嬉しくないわけじゃないけど、アヤコのがすごく嬉しい。ありがとね!」


綾子「……それは良かったな。ま、用事はそんだけだ」


レイラ「おー、じゃあ帰って大事に食べるよ」


綾子「ん。じゃあな」


ばたん


綾子「……へへ」ドキドキ

奏サイドーー


奏「サラさん」


サラ「!」ビクッ


奏「あの、これ」


サラ「し、失礼しますっ」ピューッ


ーーーーー


奏「チョコ……」


サラ「……」ダダッ


ーーーーー


奏(また避けられ……いや、それはない)

奏(だって、ついこの間話し合ったばかりだし、変な事だってしてない……はず)

奏(……もしかして)

奏「サラさんっ!」ガシッ


サラ「! な、なんですか奏ちゃ、けほっ」


奏「お部屋に入ってください!」グイグイ


サラ「げほっ、こほっ」


奏「咳してるじゃないですか! なんで歩き回ってるんです!」


サラ「だ、って、こほっ。熱は出てないから、けほっ」


奏「あーもー! 薬! 薬はどこですか!」


サラ「そ、そこの棚の下に薬箱が……」


奏「あった、咳止め……」ガサガサ

奏「とりあえず熱も測ってください」スッ


サラ「は、はい」


……ぴぴぴっ ぴぴぴっ


サラ「……38度1分……」


奏「熱あるじゃないですか……。食欲はありますか?」


サラ「はい、大丈夫です……」


奏「おかゆ作りますから、待っててください。すぐできますから」

ーーーーー


ことっ


奏「どうぞ」


サラ「ふー、ふー……あむっ」

サラ「……あむ……んぐっ」


奏「食べたら薬飲んでくださいね。咳止めと、解熱剤と」

奏「病院……明日平日だし……学校はお休みしてもらって……」ブツブツ


サラ「……奏ちゃん」


奏「はい?」


サラ「……なんでここまでしてくれるんですか?」


奏「?」キョト

奏「……理由なんていりますか? 好きな人が苦しんでたから、すこしでも楽にしてあげようと……」


サラ「……」ギュッ

サラ「奏ちゃん……こっち、来てください」トントン


奏「? はい……」ストッ


ぎゅうっ


奏「っ!? なぅあ!?」ビクッ


サラ「少しだけ、こうさせてください……」

サラ「今は誰かに甘えたい気分なんです……」ギュウ


奏「……」ナデナデ

奏「私でよければ、甘やかしてあげますよ」

奏(……今までサラさんが私にしてくれたように)

翼サイドーー


翼「あ、早苗さん! チョコどうぞ!」


早苗「あらいいの~? いただきま~す」パクッ

早苗「ん~、甘くて美味しいわね~」


翼「ハズレかー。次つぎー」


早苗「ハズレ……?」


ーーーーー


翼「あ、お二人! チョコどうぞ!」


渚「あ、ありがとうございます……」パクッ


理央「いただくね、あむっ」パクッ


渚「おいしい……」


理央「甘いねー」


翼「またもハズレか。そろそろ誰か当たらないかなー」テッテッテ…


渚理央「?」


ーーーーー


ぴんぽーん


翼「……あれ?」


ぴんぽーん


ーーーーー


奏サイドーー


ぴんぽーん


奏「あの、インターホン……」


サラ「いいです、出なくて」ギュウ…


奏「……」ナデナデ


ーーーーー


翼サイドーー


翼「出てこないや。別のとこ行こっと」

ぴんぽーん


がちゃっ


真央「はーい?」


茅「あ、手品師の人」


翼「あ、二人ともいた! チョコあげる!」


真央「おー! いいの!?」パクッ


茅「ラッキー。いただきまーす!」パクッ

茅「ん、んまっ!」


真央「……っ!!」

真央「かっ、っ!! ん、んんぅっ!!」ジタバタ


茅「ま、真央ちゃん!?」


翼「お、当たった当たった! 激辛ロシアンチョコレート!」


真央「ふん゛んん~~~!!」ダンダン


茅「あああ……! だ、出して出して! あたしの手に出していいから!」


真央「んべっ! ひ、からっ! からいっ!」


翼「いひひ! じゃーねー!」


茅「アイツ……! と、とにかく部屋戻ろう! 水飲んで水!」


真央「ッ!」コクコクッ


茅「はいっ、お水!」


真央「んくっ、んぐっ……ぷはっ!」

真央「……まりゃひりひりする……」

茅「あ、甘いの食べたら治るかな……」


真央「? なにかあるの?」


茅「いや、ほんとはもっと後でかっこよく渡そうと思ってたんだけどさ……」ゴソゴソ

茅「その、チョコ、あたしも作ってきたから。これ食べて口直しして?」


真央「! うん! いただきます!」

真央「あ……」ピタッ


茅「?」


真央「茅ちゃんが食べさせてくれたらもっと効くかなー、なんて……」


茅「……ふふ、いいよ。あーんして」


真央「あー……」


茅「あむっ」パクッ

茅「んっ」チュッ


真央「んむっ!? ん、んぅ……」


茅「れろ、ちゅ……」


真央「んぁ、む、ちゅう……」


茅「……ぷはっ、どう? 甘かった?」


真央「……ん、甘かった。……もう一回して……?」


茅「っ」キューン

茅「お望みなら何度でも」パクッ


ちゅうっ


安価↓から2月のイベントを募集
誰かの行動を指定してもいいです(ただし渚、理緒、茅、真央、早苗、亜利砂の優先度は下がります)

師匠命令でミニスカサンタ(スパッツ無し)のコスでマジックショーの宣伝をさせられてる翼を見つけた白百合荘メンツ+亜利沙
恥ずかしがってる翼に対し真央は仕返しとばかりに写真を撮ったりするがその後マジックショーを観覧する

雪が降った事でテンションMAXなレイラを発見した綾子と偶然居合わせた透
ふざけたレイラに雪玉をぶつけられて童心に帰り三つ巴の雪合戦が始まる

サラの風邪も無事全快したので当日でなくなってしまったけど改めてチョコを渡しまた自分の気持ちを伝えようとする奏、しかし奏が言おうとするのをやんわりと止め今度は自分から告白するサラ

>>848
>>849
>>850
を採用します

茅「あ」


真央「あー!」


翼「お、おねがいしまーす……っ! マジックショー、見てってくださーい……!」モジモジ

翼(す、スースーする……!)モジモジ


茅「どうする、真央ちゃん」


真央「んへへ……」スチャッ

真央「激辛チョコの恨みもあるけど……それを差し置いてもあの子も美少女だからねえ……」フヘヘ


カシャッ! カシャカシャ!


翼「!」ビクッ


真央「あ、こっちは気にせずどうぞー♪」


翼「んぐぐ……!!」モジモジ

翼「これからマジックショーやりまーす! 見てってくださーい!」


ーーーーー


早苗「マジックショー……」


亜利砂「見に行きますか?」


早苗「そうですね~、うちの住人の晴れ舞台だし、見に行ってみましょうか~」


ーーーーー


理央「渚、こ、これ……」


渚「マジックショー? あ、翼さんの……」


理央「い、一緒に見に行かない……?」


渚「っ」キュン

渚「理央さんの頼み事ならぜひっ、行きましょう!」

ーーーーー


菫「おーきーてー!」


霞「や~だ~……!」


菫「翼さんに来てって言われてるんだから、早くー……!」グイー


霞「あ~も~……。わかった、わかりましたよ~」シブシブ


菫「まったく……早く支度してよね」


ーーーーー


綾子「サラ、大丈夫か?」


サラ「お医者さん曰く『心労から来る発熱なので、少し寝てれば治る』と。お薬も貰いましたし、大丈夫です」


綾子「そうか……。私は翼のとこ行ってくるけど、何かあったら連絡入れてくれよ」


サラ「ふふ、それも大丈夫です。なんたって奏ちゃんがいてくれますからね」


奏「わ、私ですか?」


綾子「ああ、確かにそれは安心だな。奏ってホントしっかりしてるよな。いろいろと」


奏「あ、ありがとうございます……」テレテレ


綾子「じゃ、行ってくるな」


サラ「はい、行ってらっしゃいです」

ーーーーー


翼(師匠はどっかズレてるんだよな……もう2月も終わるのにサンタの服って……)

翼(とりあえずやるか……)モジッ


ーーーーー


翼「どうもー! 今日はボク、千場翼のマジックショーに来てくれてありがとうございまーす!」

翼「さてでは、あいさつ代わりにこんなものを……」ゴソゴソ

翼「……あれ、名刺がここに……あ、あったあった」ズルッ

翼「お、おおっ」ズルズルズル

翼「おおーーーー」ズルズルズルズルズルズル


観客「あはははっ、すごいすごーい!」ドッ


翼「いや失敬失敬。ではちょっと名刺をばら撒かせてもらおうかな」グイッ


ばっ!!


翼「はっ!」


ふわっ


観客「あれ、名刺は!?」

観客「なにこれ、雪?」

観客「溶けた!? すごーい!」


翼(なんだ、ミニスカでもやれるじゃないかボク!)


ーーーーー


真央「パンツ見えてるね、チラチラ」


茅「うん……恥ずかしくないのかな」


ーーーーー


翼「まだまだいきますよー!」ワーッ


ーーーーー


渚「気にしてなさそうですし、いいんじゃないでしょうか……」


理央「良くはないけど、どうもできないもんね……」

ーーーーー


翼「ありがとうございましたー!」


ぱちぱちぱちぱちぱち


翼「へへっ、大成功だったな♪」


ーーーーー


しんしん……


綾子「……雪?」


早苗「あら、少し寒いとは思ってましたけど~……」


亜利砂「一度帰りましょうか」


渚「……」ギュッ


理央「!」

理央「……」ギュウ


茅「外にいちゃ冷えるよ、帰ろう!」


真央「うん!」タタッ


ーーーーー


レイラ「うわはー! 雪ー!」


透「……きれい」


綾子「お、二人とも家の前でなにやってんだ」


レイラ「雪がすごいから外出てきたの! そしたらトオルもいた!」


透「……」ペコリ


綾子「んー……外じゃ寒いだろ、中入っ」ボスッ


レイラ「Yes! 命中!」


綾子「レーイラー!」ギュッギュッ


ひゅっ


透「んぶっ!?」


綾子「あ……」

透「……」ギュッギュッ


ひゅっ


レイラ「うおっ!?」

レイラ「トオル私のこと狙っ」ボスッ


綾子「油断大敵だぞレイラ! ははは!」


レイラ「ぬー!」ギュッギュッ


ひゅっ ひゅっ


透(……ちょっと楽しい)ワクワク


綾子「でりゃっ!」


レイラ「あまい!」


透「そこっ」


ひゅっ ひゅっ わーわー


ーーーーー


綾子の部屋ーー


綾子「あー……年甲斐もなくなにしてたんだ私たちは……」


レイラ「顔痛いよー」ジンジン


透「手が……」ジンジン


綾子「楽しかったけど、もうこりごりだな……」コポコポ


透「……同感」


レイラ「トオルー、手貸してー」ヒョイッ


ぴとっ


レイラ「うひゃー、私のほっぺよりトオルの手の方が冷たいー」


透「っ」ドキドキ


綾子「ほら、コーヒー淹れたぞ。二人とも飲め」


レイラ「わーい、いただきまーす」


透「……えへへ」ドキドキ

奏サイドーー


ぴぴぴっ ぴぴぴっ


奏「……36度7分。……良かった」


サラ「奏ちゃんの看病のおかげですっかり良くなりました!」ムンッ


奏「そうだ、あの、ほんとはバレンタインに渡そうと思ってたんですけど……」

奏「これ、チョコレートです。正真正銘、本命です」


サラ「あ、ありがとうございます」ドキッ


奏「サラさんっ、やっぱり私……」


サラ「……奏ちゃん、待ってください」


奏「は、はい?」


サラ「その続きは、ワタシに言わせてください」


奏「え……」


サラ「……すぅ」

サラ「……好きです。奏ちゃんのことが、大好きです」


奏「あ、え……!」


サラ「こんなにお返事が遅くなってごめんなさい」

サラ「ホントは、あの告白されたときにでもオーケーしたかったくらいです」


奏「……」


サラ「でも……」

サラ「ワタシ、もう少しでイギリスに帰ってしまうんです」

サラ「だから、別れることが分かっているなら最初からオーケーしないでおこうと……でも、ダメでした」

サラ「このまま帰ったら、絶対に後悔するなって思ったんです」

サラ「それくらい、好きなんです」


奏「っ!」ガバッ

奏「サラさん……っ」


サラ「ほんの2ヶ月もありませんけど……それでも、お付き合いしていただけますか?」


奏「はい、はい……っ」グスッ


サラ「あはは、なんか照れますね……」


奏「サラさん、好きです、好き……っ」


サラ「っ」キュウ…

サラ(どうしましょう……ワタシ、思ったよりも奏ちゃんのことが好きみたいです)

サラ(ドキドキして、すごい……っ)


自分の気持ちに素直になれば、なんてことはありませんでした。

  多分私はレイラのことが好きなんだろう。

奏ちゃんのことが好きで、とても暖かい気持ち。

  奏の恋愛は上手くいったのかな。今度は私が相談してみようか。

『二月のバレンタイン』

いよいよ最終月です。

現状誰とも付き合っていないのは
琴崎綾子
語部霞
甲斐菫
千場翼
(レイラ・リトルビーチ)
(遠州透)
(沖上要)
となっています。
()は白百合荘外の人間です。

それと最終的な部屋状況はこうなっています。

早真綾
苗央子翼
管876(2階)

5321(1階)
サ霞理渚
ラ&緒
 菫

誰がどうなるかはみなさんの安価次第です。
ぜひハッピーエンドに導いてあげましょう。

翼サイドーー


翼(年度末って少し暇だなー)

翼(催し物も少ないから、パフォーマーとしても呼ばれないし……)

翼(どこか遊びにでも出かけようかな……)


安価↓から3月のイベントを募集
誰かの行動を指定してもいいです(ただし渚、理緒、茅、真央、早苗、亜利砂、奏、サラの優先度は下がります)

遂にこのスレもラストか…

奏、今更ながらサラの「もう少しでイギリスに帰る」という言葉を反芻し、彼女ともっと一緒にいるためにどうにかできないか考える
最終的に「サラを引き留めるのではなく、自分が彼女についていけばいいのでは?」と考え、将来的にイギリスに留学することを検討し始める

そういえば、スレが終わり次第それぞれのカップルに最後にセックスでもさせようと思ってます
今の内からでも見てみたいシチュエーションとかあればレスしていってください

透が意を決してレイラに告白、それを目撃した綾子も勢いのまま告白し、どちらが選ばれるのかドギマギしていたがレイラは両方と付き合うと宣言
レイラの文化圏は一夫多妻とか一妻多夫なり同性カップルと愛人など普通に存在していた為「だれか一人を選ぶ」といえ価値観がわからなかった
「無駄に緊張して損した」と笑う綾子と透はその関係を承諾する

エロシュチュとしては
レイラの熟練テクになすすべなくイカされ続ける二人
二人同時手マンやキスなどで思考をドロドロに溶かされる

翼の部屋を訪れた菫
どうやら受験に成功したら前々から想いを寄せていた翼に告白しようと考えていた
突然の告白に思わず承諾してしまう翼であるが、どうやら満更でもないようだ

3月は一度にストーリーを進めようと思います
ラストにダラダラと時間をかけてもレスを無駄に消費してしまいますし

よって今回の安価をストーリー上ラストとします
もう少し募集するので、みなさんガンガンレスしてください

イギリスに帰るサラのお別れ会が開かれる
奏、意を決して「いつか必ず迎えに行くから、少しの間待っていてほしい」とサラに伝える

理緒&渚、茅&真央が『ダブルデート』と評して理緒の運転する車で桜の名所まで旅行に行き旅先で浴衣エッチ
その頃、白百合荘で亜利沙&早苗は窓から見える夜桜を肴に晩酌からのホロ酔いエッチ

霞に百合カップル面子が集められネタ集め協力のためみんなそれぞれどんな付き合い方をしてるのかとか相手を好きになったきっかけ等を話し合う、そこから渚・真央・奏等による自分の彼女が一番可愛い論争に発展

>>861
>>863
>>865
>>867
>>869
を採用します

菫サイドーー


某大学前ーー


ざっ……


菫「……」ドクン ドクン


じぃ……


菫「……っ、よしっ、よしっ!」


霞「お、その反応は~」


菫「うん、あった! 私の番号!」


霞「合格おめでと~!」ワー

霞「それじゃ、見たいものは見たし、さくっと帰ろうか~」


菫「ごめんね、霞ちゃん。車出してもらって……」


霞「いいのいいの~、こういうとこは大人に甘えなさいな~」


ばたんっ ぶろろろろ……


菫「……」ドキドキ


霞「さ、帰ったら翼っちに告白するのかな~」


菫「な!? なんで、それ、を……!」


霞「何年見てると思ってんの~。大人舐めちゃいけないよ~」


菫「……うん。合格したら告白しようって決めてたから……」


霞「おお、菫ちゃんが大人になってゆく~」


菫「もう、茶化さないで!」


霞「ごめんごめん~」


ぶろろろろ……

ーーーーー


霞「さ、ついたよ。……頑張れ」


菫「……」コクッ


翼の部屋ーー


ぴんぽーん


翼「はいはーい」ガチャッ


菫「こんにちは、翼さん」


翼「およ、菫くん。どしたの? あ、上がって上がって」


菫「失礼しますね」


翼「珍しいね、菫くんがうちに来るなんて」


菫「ちょっと、言いたいことがありまして」


翼「ん、なになに?」


菫「大学、合格しました」


翼「おお! おめでとー!」パチパチ


菫「それで、合格したら言おうと思ってたことがあるんです」


翼「ふむ?」


菫「……好きです、翼さん」

菫「……それだけです」


翼「す……は、へっ!!?」カアアッ


菫「いつの間にか、惹かれてました。理由は……よく分からないんですけど」

菫「好き、です」


翼「あ……うん……///」

翼「でもそんな、今更言われたって……」


菫「そうですよね、今更です。私は来月にはまた引っ越してしまいますから」

菫「でも、だからこそそれでいいんです」


翼「……?」


菫「翼さんを困らせることは分かってましたから。でも、気持ちも伝えたかった。だから、絶対に離れることが分かってから告白したんです」


翼「……そか。ホントにキミはしっかりしてる子だね」


菫「ただ……」


翼「ただ?」


菫「思い出として、最後に抱きしめてくれませんか?」


翼「……ん、いいよ」スクッ


ぎゅう……


菫「……ふふっ、幸せです」


翼「菫くん」


菫「?」


ちゅっ


菫「んっ、んぅ……!?」


翼「……へへ、これがボクの、菫くんにできる最後のドッキリだ」ニコッ


菫「……っ」ギュッ

菫(ありがとうございます……翼さん)

菫(ホントに……大好きです)

菫(……さよなら)

綾子サイドーー


綾子(雪合戦をしてから、透も交えてよく三人で遊ぶようになった)

綾子(今は喫茶店で平和にお茶をしている)ズズ…


レイラ「……」モジ


綾子透「「どうした?」の?」


レイラ「二人とも私のこと見すぎ……」


綾子「あ……悪い」プイッ


レイラ「見られるのは好きだけど、見つめられ続けたらさすがに恥ずかしいなー、なんて」


透「ご、ごめん……」


綾子(……今のレイラ可愛かったな)


透「……あ、あのねっ!」


レイラ「お、おお? トオルが大声なんて珍しいね」


透「す、しゅ……き、だからっ、み、見ちゃう……」ボソボソ


綾子「!?」


レイラ「ん? ありがとー」


綾子「れ、レイラ!」


レイラ「今度はアヤコ?」


綾子「今お前、こ、告白されたんだぞ!?」


レイラ「え? あ、好きって……ええっ!?」

レイラ「お、おー、そっか。そっかそっか」テレッ


綾子「てか待て! 私もお前のこと……! す、好きだぞ!」


透「!!」

レイラ「ふ、二人ともか……!」


綾子「っ」ドキドキ


透「……」ドクンドクン


レイラ「えっと……よろしくお願いします」ペコリ


綾子「……?」

綾子「……レイラ?」


レイラ「ん?」


綾子「今のはどっちに対して……?」


レイラ「どっちにって……どっちもだけど」


綾子「は、はあ!?」


レイラ「え、あ、そっか! 日本って一夫一妻か! てことは付き合うのも一対一……?」


透「え、ま、まさか……故郷は一夫多妻……とか?」


レイラ「一夫多妻っていうか、付き合うことに対して制限がないっていうか……二人が好きなら二人ともと付き合えばいいし、五人と結婚したければ結婚したらいい、みたいな?」


綾子「な、なんだよそれ……」ヘナヘナ


レイラ「えと、だから……二人ともと付き合えるなら付き合いたい。……どっちも好きだし」


透「私は……それでいいなら、いい……」

透「好きだって言ってくれるなら、嬉しいし……」


綾子「……私もそれでいいよ」

綾子「ま、現状私の方がレイラに好かれてるみたいだしな」フフン


透「そんなの関係ない……これからもっと仲良くなる……」


レイラ「あー、喧嘩しない喧嘩しない。ね?」


綾子透「「……レイラ(さん)がそう言うなら」」

奏サイドーー


奏(本当に……本当にあっという間に三月の終わりが近づいてきました)

奏(それはつまり……サラさんとの別れが近づいているということ)

奏(もっと……もっと一緒にいたいよ……!)


ーーーーー


早苗「それでは、年度末パーティーを開催しま~す!」ワーッ


ぱちぱちぱちぱちぱち


早苗「まず、菫ちゃん。大学合格おめでとう」


霞「おめでと~」


渚「おめでとうございます」


菫「ありがとうございますっ」


早苗「そして、サラちゃん」


サラ「はい」


早苗「サラちゃんとは今月でお別れになっちゃいます」

早苗「でも、最後だからこそ、楽しんでね~!」


サラ「はいっ!」


早苗「では……かんぱーいっ!」


「「「かんぱーいっ!!!」」」

ーーーーー


わいわい がやがや


亜利砂「んー……! おいひい……!」


霞「元気でやるんだよ~」


菫「大丈夫だよ」チラッ


翼「……」コクンッ


菫「それより、霞ちゃんの方が心配。ちゃんと片付けられるようになるの?」


霞「あ~、うん~」モグモグ


菫「ちょっと! 無視しない!」


真央「菫ぢゃ~ん゛……最後にコスプレについて語ろうね~……」


菫「あ、はい、ぜひ!」


ーーーーー


奏「……っ」

奏「サラさんっ!!!」スクッ


みんな「!!」ビクッ


しーん……


サラ「は、はい……?」


奏「私、いつかピアノで有名になります。絶対にです」


ーーサラさんは故郷に帰ってしまう


奏「そして、世界中をツアーで回れるくらいのピアニストになります」


ーーとても、とても遠いところに


奏「そしたら、そしたらっ、一番にイギリスに行きます……っ!」


ーー来月には、サラさんはもういない


奏「だからっ、待ってて……っ、待っててください……!!」グスッ


ーーそんなの嫌だ、けど。きっと


奏「いつか……迎えにいきますからっ! それまで、少しだけ待っててください……!!」ニコッ


ーーきっと、また会えるから


ぎゅっ


サラ「……待ってます。……ずっと」

真央「……お、おお! かっこいいぞ奏ちゃん!」パチパチ


茅「奏ぇ……! そんなに立派なこと……!」ウルッ


亜利砂「ま、まさか目の前で自分の生徒の告白を見ることになるなんて……」ドキドキ


奏「え、あ……」カアアッ


サラ「ふふ、お部屋に行きましょうか」


奏「っ」コクコクッ


サラ「それじゃあ、失礼しますね」ニコッ


ばたんっ


渚「わ、わー……//// 情熱的でしたね……////」


理緒「うん、すごかった……」


早苗「ほらほら、みんなあんまり騒いじゃ奏ちゃんが可哀想よ~」


綾子「ん、それもそうだ。サラはいなくなっちゃったけど、菫のお祝いもちゃんとしないとね」


わいわい がやがや

ーーーーー


サラの部屋ーー


奏「……もう荷物もほとんどないんですね」


サラ「はい。出発はもう数日後ですから」


奏「……あんな、みんなの前で、ごめんなさい。恥ずかしい思いをさせて……」


サラ「恥ずかしくなんてありませんでしたよ。むしろ嬉しさと幸せで胸がいっぱいです」

サラ「……ふふ」ニコッ


奏「う」ドキッ

奏(微笑んでるだけなのに……綺麗すぎる)


サラ「奏ちゃん、キス、しましょうか」


奏「へ……」


サラ「思い出と、証と。両方のために」


とんっ


奏「……っ」ギュッ


サラ「そんなに固く目をつぶらなくても……」クスッ


なでなで……


サラ「……んっ」


ちゅう……


奏「ん……!」

奏(あった、かい……柔らかくて、幸せで……)


サラ「……ぷは」

サラ「……どうでしたか?」


奏「……す、すごかった……です」ポヤン


サラ「この続きは、いつか奏ちゃんが大人になったらにとっておきましょう」


奏「続き……?」


サラ「ふふ、分からないなら分からなくて大丈夫ですよ」ナデナデ

サラ「それより、せっかくなのでハグもしましょう。そして、今日はお泊りです!」


ぎゅうっ!


奏「は、はいっ!」

奏(も、もう今日のことは一生忘れないようにしよう……!)

霞サイドーー


霞「え~、諸君に集まってもらったのは他でもありません」


渚「……」


真央「……」


奏「……」


綾子「……」


早苗「……」


霞「実はみなさんが女性の方とお付き合いしているのは調べがついているのです~」

霞「そこで~……え~っと? そうそう、女性同士のお付き合いをテーマに本を書きたいので、お力をお貸しください~」

霞「ということでお呼びしました~」


早苗「え、っと……」


霞「好きになったきっかけとか~、相手が女性だからこその話とか~、そういうのを聞かせてもらえたらな~と」


渚「それは……」


真央「あのね、茅ちゃんはね、向こうから告白してきてくれたの! でもでも真央もその時には茅ちゃんのことが好きになっててね!」

真央「あーもー、何話そう! 何話したらいい!? 茅ちゃんの可愛いところとか話したらどこに惹かれたか分かるかな!?」


綾子「お、おい真央……」


霞「ぜひぜひお話しください~」メモメモ

真央「なんといってもね! やっぱり年下だから時々困ることがあると年上に頼るの! まあそれは真央のことなんだけど、そのときの「迷惑じゃないかな……?」みたいな目線がもうね……!」


渚「ま、待ってください! 頼み事をするときの可愛さなら絶対に理緒さんの方が上です! 私より大人なのに眉尻を下げて肩もすくめて「なぎさ……」って……! あんなの可愛いに決まってるじゃないですか!」


早苗「大人なのに、っていうなら亜利砂さんが一番よ~? 褒めてあげると子犬みたいに目を輝かせて喜ぶの~。きっと亜利砂さんが本物の犬だったら尻尾も振ってるわ~」


綾子「いや、レイラを差し置いてそういう話はできないでしょ。元気印だけかと思ったら大事な舞台ではちっちゃくなって緊張したりさ、ギャップってやつ? そういうのズルいよね、レイラは」


奏「可愛さという話ならサラさんが一番に決まってますよ。ていうかみなさんよくあの美貌を前に普通でいられますね」


真央「サラちゃんは確かにすごい可愛いけど、真央的には茅ちゃんの方が上だなー」


奏「むっ……茅お姉ちゃんだって確かに可愛い系ですけど、サラさんには敵いません!」


早苗「大人の魅力っていうのをやっぱりみんなは分からないのよね~」フウ


綾子「色気とは無縁だからじゃない? やっぱレイラくらいアクティブだとみんなクラっとくるよ」


早苗「むむ~……!」


霞「おお~、みんな彼女さんが好きなんだね~」


渚「当然です!」
真央「当たり前でしょ!」
早苗「もちろんよ~!」
綾子「決まってるだろ!」
奏「無論ですっ!」


ぎゃいぎゃい!


白百合荘は季節を巡る。
そこにほんの少しの恋の風を乗せて。

『三月の白百合荘』



 

ーーーーー

ーーー

「ここが白百合荘か……」

「5号室……ここが私の部屋か」ガチャッ

「よし、荷解きして……あ、隣の人にあいさつくらいしなきゃ」


がちゃっ


「5号室は一階の角部屋。つまり隣は3号室一つだけ……っと」


ピンポーン


霞「は~い……」ガチャッ


「はじめまして、私、隣に越してきた者です」ペコリ


霞「おお、お隣さんか~。ん~と、お名前は……」


「私の名前はーー」


白百合荘は季節を巡る。
何度でも、何度でも。


『四月からの日々』


「ーーみかん」


霞「……へ?」


「漢字は美しいに甘い、で美甘。両親曰く、長生きできるように、人生という物語が完結してしまわないように、なんて大仰な理由でつけられたみたいですけどね」


霞「そっか、美甘ちゃんか」


この物語は完結しない。


霞「じゃ、これから隣人としてよろしくね~」


白百合荘で過ごす日々は続いていく。
今までも、これからも。

以上でこのスレの本編終了となります。
十ヶ月もの間のお付き合いありがとうございました。

残りのレスは>>862でも言ったようにエロシーンに充てようと思います。

奏とサラで書く場合は数年後の設定になると思われます。

見たいシチュエーションをどんどんお書きください。

あらためて、長々とお付き合いありがとうございました。

乙乙、良い百合でした
菫の通う大学の文化祭でマジックショーをすることになった翼
終了後の控え室で菫との『一生忘れない思い出』を作る為に百合セックス(貝合わせ、手マンなど)
翼の器用な手さばきに散々イカされる菫

サラと再会を果たす奏。外で食事を終わらせた後サラの家に行き「あの日の続きをしましょう」と奏がサラに言うが、サラは恥ずかしさもありはぐらかしてしまう。
そこで奏はサラがしたいと言うまでディープキスをする。
そしてサラが自分もずっとやりたかった我慢してたと言う姿に奏がキュンとしサラを押し倒し奏攻めで百合セックスをする

すみませんちょっと意味がわからない文章になってしまったかもしれないです....
主さん乙でした。このスレが建てられた時から追っていましたが、とうとう終わってしまうということで少し残念です。主さんの月終わりの所に書かれる文がとても好きでした。日常パートはもちろんエロ描写も濃厚で良い百合を書いて頂きありがとうございました。また書かれることがあれば是非読ませて頂きたいです。
長文失礼しました。

>>864
投下します

「わ、私、抱いてもらってない……」

透の発言に私の部屋が凍りつく。

なぜ抱くだのという話になったかと言えば、それはレイラの身の上話にある。
透はレイラの故郷のことを聞いたことがなく、興味深々に話を聞いていた。
私はまたセックスしまくってたどうのという話を聞くのもあれだったので、コーヒーを淹れるふりをしてその場から離れていた。

しかし、レイラは悪びれもせず言い放ったのだ。

「アヤコとも何回かやったよ!」

と。

それがどう透に響いたのかは知らないが、どういうわけか冒頭の言葉へと繋がったのだ。

「確かに。彼女になったのに抱いてないね。する?」

「おいレイラ!」

すでにレイラは立ち上がり透のすぐそばまで近寄っていた。
というより肩に手をやり今にもキスせんという距離だ。

「どしたの、アヤコ。あ、アヤコもしたい?」

「はあ!? さ、三人でなんかするかよ!」

透もこくこくと頷いている。

「またそれ……。二人じゃないとしないって神経がよく分からないんだよなー。んっ」

「ひあっ……!」

こ、こいつ目の前でキスしやがった!
あ、すご、舌も……。透気持ち良さそう……。

「じゃなくて! ここ私の部屋だぞ!」

「何か問題が?」

「なんで私の部屋で私以外の奴らが、セッ……し、しようとしてるんだよ!」

「いいじゃない別に。んっ、ぢゅ……。どこでしてもさ」

ああ、ダメだ。レイラに貞操観念とかそういうものを教えるのは不可能だったんだ。
諦めて家から出ようとする。一時間も外で時間を潰せばさすがに終わってるだろう。

「ひ、ん……! ん、くぁ……!」

「あは、トオルの声かわいーんだ」

う。
後ろからぴちゃぴちゃというキスの音と同時に衣擦れの音も聞こえる。
私も胸、触ってもらったとき……。
レイラの手付きを思い出すと、下腹部に熱が籠もるのを感じてしまう。

「はぁ、そこ……だめ……っ」

あ、あ。ヤバい、下着濡れちゃう。
な、なんで。興奮してる? 私が?

くるりと後ろを振り向くと、そこにはすでに全裸の二人がいた。
透は赤い顔を蕩けさせ、よだれまでだらしなく垂らしている。

「……ふふっ」

ばちりとレイラと目が合うと、意味深に笑みを浮かべてくる。
多分もう私はレイラから逃れられないのだろう。

するするとまるで自動人形のように服を脱ぎ去っていきながら、私はなんの迷いもなくレイラたちに近づく。

「レイラ、私も……」

私の声に驚いた透が顔を跳ね上げるが、レイラのキスによって容赦なく口を塞がれる。
その状態のままちょいちょいと手招きをして、自分のそばに来いと命令してくる。
大人しく脇に腰を降ろすと、私の腰を優しく抱き寄せ、そのまま上まで手を上げていく。

「くっ、ふぁ……っ」

「んぢゅ、ん、んぅ……!」

ふにふにと優しい手付きではあるものの、私の体は正直に反応してしまう。
胸を軽く揺すられるようにされると、私のやや人より大きい胸はたゆんと弾む。

「この大きさは……ん、ほんと羨ましい……れろ、ぢゅ……」

透とのキスを継続しながら私にも手を伸ばし続けているレイラ。
レイラは余裕な顔で私達を責めているが、逆に私達二人はもう息も絶え絶えだった。

「ぷはっ、はっ、はっ……!」

やっと透が口を離してもらい、存分に酸素を吸い込む。
そのときレイラが私の背中をグイと押しーー。

「ーーはぶっ!?」

「んぁっ!?」

左胸が上手いこと透の口の中に吸い込まれていってしまった。

「ほらトオル、舐めてあげて?」

私を跳ね除けようとしたのか、透は腕が上がっていた。
しかしその腕がゆるゆると私を抱きしめ、より密着させようと力をこめてくる。

「ん、れろ、れる……ぢゅ」

「とお、る……やめ……ぇ! あぁんっ!」

「んへへ、こっひも舐めへあげう、ん、ぺろ、んー……」

透だけかと思いきや、もう片方にレイラが吸い付いてくる。
左右バラバラの刺激にぐんぐんと快感が高まってしまう。

「ひ、だ、め……! ふ、ぅーーーーーっ……!」

きゅうううっと、自分の胸の奥から快感が爆ぜるのをゆっくりと感じる。
腰がカクカクと跳ね、やがて数秒してからへたりと座り込んだ。

「ひっ、はっ、あっ……」

舌もうまく動かない。
よく分からない音を発しながらなんとか胸に酸素を取り入れる。

「トオル、えっちの才能あるかもね」

「そ、それはいらない……」

くたりと倒れ込んだ私を放置し、二人が行為を再開させる。
レイラがくにくにと透の胸を揉みながら首を舐めて……あ、イッた。
透はぎゅっと目をつぶり、びくびくと体に溢れる快感に耐えていた。

「うはは~、二人ともイキやすいんだねー」

呑気に声を上げるレイラは私の肩を掴むと、優しく抱き上げ壁に寄りかからせるように座らせた。
同じように透のことも隣に座らせる。
そして何もできないでいる私達の様子を見て、軽く足を広げさせソコを観察し始めた。

「わ、すご。アヤコ太ももまでベタベタじゃん。って透もすごい。床に糸引いてるよ」

くぱくぱと広げたりして遊んでいたが、不意にレイラが笑みを浮かべた。

「えいっ♪」

「「あぁっ!!?」」

透と嬌声のハーモニーを奏でてしまう。
見ると、片手ずつで私達へ指を挿入しているようだった。

「お゛っ、あ、あぁっ! は、あ゛っ!」

奥までゴリゴリと責められ、喘ぎ声とともによだれも飛び出してしまう。
視界の端に映る透も同じように指を咥え入れ、情けない声を出していた。
しかし透に気をやっている場合でもなかった。
レイラは中指と薬指を挿入しつつ、親指の腹でクリトリスをなで上げてくる。

「ひっ、ああぁぁ……!」

ぞわぞわと全身が再び快感に染まっていく。
足先までがピンと張り、いよいよ絶頂が近づいてくる。

「二人とも……イっちゃえ!」

ぢゅぷぢゅぷぢゅぷ!
レイラのその声とほぼ同時に、膣内を激しく擦られる。
そして、喉を反らせるようにして私達二人はほぼ同時に達した。

「く、ひっ……! ん、あああああああっ!」

「ん、んんんんっ! や、やぁあ……! あ、ぁぁぁあ……っ!!」

ぶじゃっ、と何かが噴き出す音と同時に下腹部の収縮を感じる。
飛びかけた意識ではあるが、それが私の潮吹きではあると理解できた。

「おお、トオルの方が遠くまで潮吹いたねー」

なんだそれ、と心の中でレイラにツッコミを入れながら私は気だるい快感に飲まれて、ゆっくりとまどろみに落ちていくのだった。

短いしエロくないし…
エロ書かなすぎて完全に力落ちてますね
明日以降も書き溜め完了し次第投下していきますが、エロくなるよう頑張って書こうと思います
シチュエーションもまだまだ募集中です

それと次スレも建てようと思ってるんですが、ここは番外編のみで更新頻度少なくなると思うので、もう次スレ建てても大丈夫ですかね
2スレ同時進行が迷惑なようならここをしっかり書ききってから建てようと思います

シチュリク
クリスマス以降弱点のおへそを責められると真央にエッチの主導権を握られてしまう茅、負けっぱなしは悔しいのでディープキスしつつ押し倒してまた真央がお漏らしイキするくらいに激しく責める。

>>868
渚理緒の方は完成して、全員分書き終えてから投下しようと思ったのですが、それだとクリスマスの二の舞になりかねないので先に渚理緒だけ投下します

トンネルを抜けるとそこはトンネルでした。
意味不明でしょうか?
しかしこの視界の先の先まで続く桜並木、トンネルを抜けども抜けどもトンネルに入っていくようです。

「おー!」

後部座の大岸さんと桃山さんが声を上げます。
そう、今日は私と理緒さん。そして大岸さんと桃山さん四人でのお出かけなのです。

「渚、大丈夫? 大分走ったけど酔ったりしてない?」

「大丈夫です。こう見えて私酔いには強いので」

桜並木、その下を車が走り抜けいよいよ終わりを迎えます。
桜の木は後方に置き去りにされ、私達はまだまだ進んでいきます。

「あー、さくらー……」

桃山さんが悲しげな声を上げますが心配ありません。
このルートも予定通りですし、私達の目的地にも桜はたくさん咲いているのです。

「真央ちゃん、もうちょっとで目的地つくからさ。ね?」

「うん……」

睦まじい二人のやり取りを聞きながら車はいよいよその公園へと到着しました。

さすがに桜の名所、人がたくさんいます。
車から降りて荷物を降ろし、その公園へと足を踏み入れていきます。
そして、足を進めるたびに視界がピンクに染まっていきます。
車の窓からも見ましたが、自分の足で桜に向かうというのも非常に乙なものです。

「渚」

「はい?」

ぐっと顔を近づけられ、あまりに不意な行動にドキリと心臓が高鳴ります。

「頭に桜が咲いてる」

ひょいと桜の花びらを持ち上げて理緒さんが離れます。
な、な。
私の顔は桜以上にピンクに染まっているでしょう。それくらい頬が熱くなっているのを感じます。

「もー、もー!」

「いたた、なになに?」

カッコよすぎる彼女さんは少しポコポコと痛めつけてあげないといけません!

「……真央ちゃん、何あのいちゃいちゃ空間」

「……周りが見えてないとああなるからね。真央達も気をつけないとね」

となんだかんだしながら歩いている内にスペースを見つけたので、そこにシートを敷きます。
そしてせっせとお弁当を広げて。

「かんぱーい!」

私達は皆お酒は飲めないので、ジュースですが。
紙コップをぶつけて乾杯しました。

花より団子。
皆それぞれが持ち寄ったおかずをとっかえひっかえに食べていきます。
桃山さんの甘い卵焼き。
大岸さんのおにぎり。
理緒さんのからあげ。
どれも美味しいです。

しかし、楽しい時間が続かないのも現実。

「ね、ね、お姉ちゃん達俺らと飲まない?」

いかにも酔っ払った男子大学生と思われる人が五人ほど。
有無を言う前にシートに座り込んできます。
私は声も出せずに理緒さんの陰に隠れることしかできません。

「ちょいちょい、そこの子隠れてないで顔見してよー」

「……ちっ」

理緒さんが凄むとその人は大人しくしてくれました。
でもどうしよう、無理言ってここから出て行かせたら何されるか……。

「いやー、みんな可愛いなー! そんな君らと飲めて俺らは幸せもんだー!」

ガバッとそばにいた大岸さんの肩を抱き寄せる男性。

「離せ」

「……は?」

そこにすぐさま桃山さんが食って掛かります。

「離せっつってんだよ……」

「あー、君はなに? 中学生? 誰かの妹さんかい?」

「黙ってさっさと茅ちゃんから手ェ離せ!!」

小柄な女の子とは思えない腕力で大岸さんの肩から男性の腕を引き剥がします。
そしてそのままスマホを取り出して何やら操作をして……。

「……もしもし、警察ですか? ええ、女の子の誘拐未遂がありまして。……来てもらえます? ああ良かった。場所はーー」

「ゆ、誘拐? 俺達そんなこと……」

「に、逃げるぞ! こんなめんどくさいとこさっさと離れるんだよ!」

大慌てで荷物を抱えてかけだす男性達。
それを横目で冷たく見ながら桃山さんはスマホを降ろします。

「……ってあれ? 通話画面じゃない……」

「いやー、さすがにね。肩抱かれただけで警察は動いてくれないよ」

電話をかける……フリ?
しかしその演技のおかげで私達は平穏を手にしました。

「真央ちゃん……!」

ガバッと。今度は大岸さんが桃山さんに抱きつきます。

「アイツらキモかった……。キモかった……!」

「……くっそ、茅ちゃんのことこんなに怖がらせて許せないな……!」

人目も憚らず抱き合う二人。
スリスリと肩を撫でたり、潤んだ瞳で見つめ合ったりしています。

「……なんか、甘い雰囲気って感じですね」

「……周りのことなんて目に入ってないって感じ……。私達は気をつけよう」

夜になり、私達は近くの旅館へと向かいました。
そう、泊りがけでの旅行なのです。
部屋にたどり着き中を覗くと、そこにはすでにお布団が。夕食の時間は確かにすでに過ぎており、旅館的には夜に向けて準備中なのでしょう。

「ゆっかたゆっかたー♪」

「浴衣茅ちゃんもパシャリ」

部屋に入り早速浴衣に着替えると、大岸さんたちは撮影会をはじめてしまいました。
くるくると楽しそうに回る大岸さん、それを嬉しそうに撮る桃山さん。
本当に二人はいいコンビだと思います。

「渚、少し散歩しよっか」

理緒さんが耳打ちをしてきます。
くすぐったいけど、心地よい声が耳に響きます。

「はい」

「二人ともー、私達少し出かけてくるねー」

はーいと聞こえてるんだから聞こえてないんだか曖昧な返事をして、二人は撮影会を続けています。
それを横目に見ながら私達は部屋を出ました。

外に出ると昼間のうららかな空気は鳴りを潜め、夕暮れの静かな空気が漂っていました。
胸に空気を吸い込むと、肺が微かな温かさで滲みます。

あまり旅館から離れても帰るのが大変だと思い、旅館の周りを巡ることにしました。
裏手に小さな池と椅子を見つけた私達は一度そこに腰を降ろします。
鯉が何匹かたゆたっている池を見つめながら、理緒さんが問いかけてきます。

「渚、楽しい?」

「はい、すごく楽しいですよ」

「そっか、良かった」

ふわりと微笑む理緒さん。
それだけなのに心臓が高鳴ってしまいます。
胸が暖かくなって、この気持ちを理緒さんにも味わってほしくて。

「ん……」

唇をくっつけました。
突然のキスに驚いた理緒さんは少し硬直して、それからゆっくりと腕を回してきました。

「ん……ふ……」

「ちゅぷ……ちゅ……」

そっと顔を離すと、潤んだ瞳の理緒さんが見つめてきます。
浴衣姿と相まってその顔が色っぽくて……。

「は、ん……ちゅ」

「なぎさ……んぅ……」

こんな外ではダメだと分かっているのに、体が止まってくれません。
止めなきゃ、止めなきゃーー。

がっと肩を掴まれ、理緒さんに押しのけられます。
どちらも上気した顔で、息も切れていました。
……ここまできて、やめちゃうんでしょうか……。

「……こっち」

池から離れ、ずんずんと進んで行く理緒さん。
やがてたどり着いたのは駐車場でした。
停めるの下手くそだからさ、とのことで駐車場の端の方、ほとんど車の停められていない所に理緒さんは車を停めていました。
そこに向かいながらどこからかキーを取り出すと、車の鍵を開けて車内で何やらやっています。
作業が終わったのかこちらにやってくると、手首を掴んで車の中に押し込められるように乗せられます。

「あ……」

シートが倒され、寝転がれるようになっていました。
確かにこれなら……。

「ここでなら、いい……?」

ドアを閉め、覆いかぶさってくる理緒さん。
私ももう我慢できそうにありません。
首に腕を回し、理緒さんの顔を降ろさせます。

「ん、ん……」

「ちゅ、は……ちゅう……」

ちゅぷちゅぷと理緒さんの唾液が流れ込み、それを飲み下していきます。
舌はとろける程熱く、互いに無我夢中で絡ませ合います。

帯を緩めるのももどかしそうに、理緒さんは肩から浴衣を外します。
肌着の下から手を滑り込ませ、下着も押し上げて胸を触ります。
決して大きいとは言えないサイズですが、ふにょんとした柔らかさで跳ね返してきます。

「ふ、ぁ……!」

乳首がゆっくりと固さを持ち、やがてピンと張り詰めました。
可愛らしいその乳首を摘むと、より高い声で反応してくれます。

ぐりぐりと、太ももに擦り付けられる感覚。
一生懸命に理緒さんが腰を上下させています。
その下着越しにぬめった水気を感じ、理緒さんの快感を教えてくれました。
体を起こして、逆に理緒さんを押し倒します。
下着を降ろすと、糸が引いているのが見えました。
膝の辺りまで降ろし、そのまま下を触ります。

「ひっ……!」

びくんと一度体を震わせ、次に体を縮めるように背を丸め、理緒さんは快感に耐えていました。
指がぬるりと飲み込まれていき、とろとろの粘液が奥へ奥へと迎え入れてくれます。

「あっ、ぅっ……!」

「理緒さん、しー、ですよ?」

ちらりと外に目線をやり、さも誰かいる風を装います。(実際には誰もいないんですけどね)
しかし理緒さんには効果てきめん。
口に手をあて、ふーふーと息を漏らすばかりです。

「ほら、ぐちゅぐちゅしてあげます」

わざと音を立てるよう指を動かすと、膣内が大きく反応しました。
理緒さん自身も体をよじっていますが、膣内はそれの比ではなくうねっていました。

「っ! あっ! く、ぅう……!!」

より一際強く締め付ける動き。
これは……イキましたね。
しかしそこで止まらないのが今日の私です。
指を抜くフリをして、ゆっくりと腕を引いていきます。

「ひぁ……っ、は……っ」

ぜえぜえと息も絶え絶えの理緒さん。

「えいっ」

「うぅあぁっ!!?」

理緒さんが目を白黒させて体を跳ねさせます。
その膣内は私の指を再び奥深くまで咥え込んでいました。

「ふふ、口、塞いであげますね?」

「ひあぁっ!! あ、ぁあっ!! うぁ、んぶっ!? ん、んぅう!」

キスをしながらも指の動きは止めません。
むしろ加速させていきます。

「ひぐっ、んんぅ! んぐ、ぢゅ、んぶぅ……!!」

わ、わ。すごい反応。
収縮を繰り返す膣内がその快楽の大きさを物語っています。
指が溶かされるかと思うような熱さで、ぎゅぷぎゅぷと締め付け続けます。

「ん、んぅう! んんんんっ! ふ、ん、んんんんううううううっ っ!!」

がくんと体を大きく震わせ、背中を浮かせて仰け反る理緒さん。
お腹が面白いほどに上下させ、盛大に達しています。

「ふ、ふー……! ふー……!」

目尻から涙を流しながら、ゆっくりと落ち着きを取り戻していきます。

「なんか、やば……。はぁ……今も腰、ひゅんひゅんって……」

ふるふると体を震わせつつなんとか体を起こした理緒さんは、芳香剤に手をかけ、それをジャバジャバと大きく振りました。

「窓もちょっと開けとこう……。明日帰るとき変な匂いしなきゃいいけど……」

理緒さんを責めることに必死になりすぎていて忘れていましたが、ここは理緒さんの車内でした。
明日帰るときには大岸さんも桃山さんも乗るんですよね……。
あの二人の顔を思いだし、部屋に戻るとき変な顔にならないようにと気を引き締めてから、私達は車から出たのでした。

渚理緒はここまで
次の茅真央は>>896のシチュを混ぜて投下すると思います

お久しぶりです
久しぶりに来てみたら板開けるようになってました

半年近くぶりになりますが、また続きから書いていこうと思います

「たくさん撮ったね」

「うん。画面全部茅ちゃんだよ」

撮影会を終え、真央ちゃんのスマホを覗きこむと、そこにはもののみごとにあたししか写っていなかった。
照れくさいが、その全部が消えない思い出だと思うと嬉しくもある。

「ね、あたしも真央ちゃんのこと撮りたいな」

「わ、私? 私なんか撮って楽しいかな……」

そう言いつつ立ち上がり、い、いぇーいとぎこちなくピースサイン。
撮り慣れてはいても、撮られ慣れてはいないようだ。
スマホを構え、まず一枚。
そのシャッター音にびくりと体を揺らす真央ちゃん。そんなに慣れてないのか。

「もうちょっと自然な感じでさ……」

「自然な感じ……?」

いぇーいと今度はダブルピース。不自然の上乗せだ。
少し歩いてみて、もっと笑って、どんどん注文していくと、徐々にではあるが真央ちゃんを上手く撮れるチャンスが増えてきた。
向こうも慣れてきたのか、ポーズなんて取っている。

「こんなのはどう? うふーん?」

変な語尾で両腕を頭の上で組み、ぎこちないセクシーポーズ。

「あははっ、いいよいいよー!」

笑いながらシャッターを切っていく。
真央ちゃんもにこにことしながら次のポーズに移る。

今度は前かがみになり、胸元を強調するようなポーズだ。
強調する胸も真央ちゃんにはないが、それでも不覚にも一瞬ドキリとさせられてしまった。

お次は浴衣の裾を持ち、すすすと上げていく。
膝まで上げたところでばさっと降ろしてしまった。

ーー“降ろしてしまった”?
もしかしてあたし、真央ちゃんのことをもっと見たがってた?

ふと真央ちゃんを見やると、今度は帯を緩めていた。
帯を外し、前は見せないよう手で抑えている。
シャッター音。
右手がずれ、太ももの間にちらりと白いものが見えた。
シャッター音。
左手がずれ、キャミソールがあらわになる。

「……お腹見せて、真央ちゃん」

その指示で、真央ちゃんはキャミソールの裾を持ち上げていく。
おへそが見えたあたりで止まり、顔は背けられている。

「もっと」

さらに手が上がり、スポーツブラの縁が見える。
シャッター音。
びくりと震えるが、なおも顔は明後日の方向に向いたままだ。

「真央ちゃん、そこに寝て」

すでに敷かれている布団に誘導し、はだけた浴衣のまま仰向けに寝てもらう。
いつの間にか張り詰めた乳首はピンと天井を向いていた。
それも余すことなく写真に収めていく。

「茅ちゃん、そろそろ終わろ? ね?」

真央ちゃんがここにきて抵抗の声を上げるが今更遅い。なにより最初にいやらしいポーズを取ったのは真央ちゃんなのだ。
あたしはそのお手伝いをしているだけ。

「手、どけて」

ショーツを隠すようにしていた手は、存外簡単に外された。
とうとう真央ちゃんは本当に「はだけた浴衣であたしを誘っているだけ」になってしまった。

ここまでやらせておいて何もしない訳にもいかないが、そこであたしはあることを思い出していた。
そう、おへそだ。

いつの日か真央ちゃんにおへそを責められて頭がぐちゃぐちゃになってしまった時があった。
それ以来、主導権を取ろうにも上手くいかなくなってしまったのだ。

となれば取るべき行動は一つ。
逆襲しかない。

スマホを片手に持ったまま、真央ちゃんの脇に手をつく。
顔を近づけ、真央ちゃんがぎゅっと目をつぶったところで一度だけ口づける。

「んっ……」

離してくっつけてまた離して。
時折わざと長くキスをして、呼吸を乱していく。

「ひぅ……! ん、んぅ……、ん、んんん……っ! ぷはっ! え、んむっ!? ん、くっ、んん……!!」

ここで一息つく。
眼前で真っ赤な顔をしてはふはふと息を切らしている真央ちゃん。
今度は向こうから首に腕を回してきて、それに応えるようにあたしがキスする形になる。

「ん、ん……」

あー、すごい。ほんと。
なんでこんなにキスしても飽きないんだろう。いや、飽きても困るけど。
キスの度にほわほわと胸が暖かくなる。

そんな幸せな感覚を噛み締めていると、いつの間にやらあたしも横になっていて、互いに寝転がりながらキスをしている状態だった。
溢れ出た唾液がぽたりと布団へ垂れていく。

「んひひ」

真央ちゃんが意地悪く笑うと、今度はあたしの太ももの上に跨ってきた。
右手はすでにあたしのおヘソの上に。

「ま、待って真央ちゃ……」

ずぷっ。

「んぃぃいっ!!」

く、くそう。気持ちいいけど! いいようにやられすぎ!

ニ撃目を打ち込もうとしてきた右手を捕まえて、それを口元まで持ってくる。

「んっ……くぷっ……ちゅ、ちゅぶ……」

人差し指と中指を舐める。
舌をくるくると回してみたり、奥深くまで咥え込んでみたり。
ちらと上目遣いに真央ちゃんを見てみると、気持ちいいのか目を細めて微笑んでいる。
そう、徐々にだ。徐々にこっちのペースに持っていくんだ。

真央ちゃんの手首をはむはむと甘噛みしながら、顕になっている太ももをさすっていく。
時折ぴくりと体を揺するところを見るに、真央ちゃんも昂ぶってきてくれているみたいだった。

腹筋に力を入れて体を起こすと、対面座位で抱き合う形になった。
柔らかい肌を体正面で受け止めながら、その体勢のままキスをする。
太ももに乗っかっている分ほんの少しだけ真央ちゃんの方が高い位置にいて、普段ならありえない上から降ってくるようなキスに興奮してしまう。

「ちゅ、ぢゅ……。んぶ、んぅ……」

深いキスを繰り返すうちに、再び真央ちゃんに余裕がなくなっていく。
つぱ、と口を離すと寂しそうな顔の真央ちゃん。
今度はもう一度押し倒して、覆いかぶさるようにキスをする。

「んぎゅ、ん、ふぅ、ふ……っ、あっ……! ちゅ、ぷあ……はう、ぅ……!」

倒れ込みながら脇によけられていた帯を手繰り寄せ、それをふんわりと真央ちゃんの両手首に絡みつけていく。
ぽやんとした顔を見るに、何をされるのか分かってはいないようだ。
キスを続けながら、準備もしていく。

「ん、ん、っく、ぁ……んむ、ちゅ、れろ……」

帯を二周ほどさせたところでぐいと引っ張り上げる。すると、簡単に真央ちゃんの腕は固定できてしまった。

「へ、なに……?」

未だぼーっとしている真央ちゃんを眼下に眺めつつ、固結びで帯を締める。これで真央ちゃんの腕は動かなくなった。

「今日はあたしがするから、真央ちゃんに抵抗されないために結んだの」

体重をかけて腕を抑え込んでみると、真央ちゃんはもう両手を使えなくなる。
片手だけでも十分に抑え込めるので、左手で抑えたまま、右手を下へと動かしていく。

ふにんふにんと胸をやわっこくつまんでみると、くぁ、とか、うぁ、みたいな潰れた吐息を漏らす。
その吐息すらも取り入れるように唇を重ね、真央ちゃんのすべてを奪っていく。

「かや、ひゃ……した、さわってよぉ……」

かくかくと腰を震わせながら懇願する真央ちゃん。
目尻に涙を溜めて訴える姿はあまりにも扇情的で、あたしはぞくぞくと興奮してしまう。

「触ってほしいの?」

「ん……さわって、ほしぃ……」

「自分からおねだりするんだ。ふふ」

押さえ込む力を強めて、耳元に口を寄せる。

「真央ちゃんの……へんたい」

びくんっ。

「っ、は、ぁ……! ちが、へんたいじゃ、ないもん……!」

嘘だ。よだれを垂らして笑っているくせに。

「ふー……っ」

「ふひゃっ!? みみ、やめてぇ……!」

身をよじって逃げようとするが、あたしが押さえているのでもちろん逃げられない。

「やめてほしくないんでしょ……? へんたいさん、なんだから……」

こしょこしょと、まるで内緒話をするように囁き続ける。
一語一句ごとに真央ちゃんは反応してくれて、やめ時が分からなくなってしまう。
でも、そうだな。やめてしまうのも面白いかもしれない。

「ちが、ちがぁ……! へんたいさんじゃ、ないもん……! ふぁ……っ!」

「ならやめよっか」

「ふぇ……」

ぱっと離れると、体の前面が一気にひやりと冷める。自分から離れておいて恥ずかしい話だが、あたしの体はきゅうきゅうと真央ちゃんの熱を求めていた。

「……ゃ」

真央ちゃんが太ももを擦り合わせながら、きゅっと控えめに手を取ってくる。

「……やめ、ないで……」

「っ!」

もうだめだ。あたしの理性のダムは決壊した。

「もう止まんないからね……」

左手で腰を抑え、真央ちゃんの奥へと指をめり込ませる。
お腹側の壁をぐりぐりと強く擦り上げると、おヘソの少し下のあたりが持ち上がっているのが分かった。

「や゛ぁ、つよ゛っ、い゛っ! やだぁ! こわ゛れ、るっ……!!」

膨らんだ下腹部を左手でトントンと上から刺激してみると、さらに獣のような喘ぎ声を上げてくれる。

「お゛っっ、かやちゃ、それ、それっだめっ! ひうぅあ゛っ! あ゛っ、ぐ、えぇう……!」

あまりに強すぎる快感に、真央ちゃんは泣きながら髪を振り乱すことしかできていない。
ひくんひくんと中が反応する。これは真央ちゃんのイく前兆だ。
手首が固定されたまま、なんとか腕で顔を隠そうとする。顔の下半分は露出され、蕩けきった口元からはよだれが絶え間なく漏れているのがよく見えるが、とにかく顔を隠したがっているらしい。

「真央ちゃん、だめだよ」

「や、やだぁ゛! かお、へんにな゛ってるっ、からぁ!」

固定されている部分を掴んで、頭上に持っていく。
完全に見つめあっている状態だ。

「このままイくときの顔見せて? ね?」

「や、やだぁ……! 恥ずかしい……!」

ぎゅぽぎゅぽと水音を響かせながら、視線は真央ちゃんの目から逸らさない。

「ひぃ、う、やだ、やだやだやだっ! ぁっ、あ、ぁぁう、うぅぅぅ~~~~~っっ!!」

強く指が締め上げられる。
イっている。
小柄なせいで元からキツキツの膣壁がさらにこれでもかと指を咥え込んで放してくれない。
見つめられたままの真央ちゃんは、あたしと目線を合わせたまま唇をわななかせて、それでもなぜか目はつぶらないでふるふると体を震わせる。

「っひ、は、ぁ……! うぁあうっ!?」

ぬぼ、と濡れきった指を引き抜く。
そうみせかけてもう一度奥まで指をねじ込む。
またきゅうううと強く締め付けてきて、愛液がぶぢゅりと変な音を立てて溢れてくる。

「やぁぁああ! も、だめ、えっ! イって……ふぁうっ! イくの、イく……!!」

目は白黒し続け、抑えている両腕もガクガクと痙攣している。
秘部はまるで壊れたようにあたしの指を締め続ける。

「ひっ、ひぃうっ! も、おしまっいっ、ね、おしま、いぃっ!?」

止まらない。
もっと。

「あ゛っ、う……! あ、ぁああああ! また、イ、ーーーーーーーーっっっ!!」

びくん! と真央ちゃんの腰が反り返る。
それと同時に指の隙間からぶしゅうと潮が吹き出した。
腰だけを突き上げたまま、二度、三度と腰を震わせる。
合わせてぷしゃ、ぴしゃっ、と潮も吹き出てくる。

たっぷり腰を突き上げてから、真央ちゃんはへたへたと力を抜いた。

「ひ、あ……。もぅ、もうむり……しんじゃう……」

あたしの指は未だ真央ちゃんに咥え込まれたままだ。
真央ちゃんが落ち着いたのを見計らってからゆっくりと指を引き抜いていく。

「ふ、ふぅ……! あっ、う……!」

ぴく、ぴくと指を引き抜くだけで反応してくれる。
ちゅぽんという音とともに指が抜け出し、引っ張られるように愛液の糸が伸びてくる。

結局、最後まで真央ちゃんと目を離すことはなかった。
顔を赤くし、涙をぽろぽろと零しながらも、あたしにイキ顔を晒してくれたのだ。

汗でベタついている前髪を整えてあげつつ、手首を固定していた帯を緩めてあげる。

「真央ちゃんってイクときあんなにかわいい顔してるんだね」

「う、うるさいうるさいっ! ほんとに恥ずかしかったんだからね!」

ぷうっとあざとく頬を膨らませているのに可愛く見えてしまうのは真央ちゃんのなせる技か、それともあたしの惚れた弱みなのか。
……ま、なんにせよ。

「早いとこ片付けよっか。二人ともいつ戻ってくるか分かんないし」

「二人とも……? あ、ああ……!」

ハテナを浮かべていた真央ちゃんはゆっくりと焦りの表情へと変わっていく。

「真央たち二人で来たんじゃなかった! 渚ちゃんたちもいるんだった!」

慌てに慌てて片付けをしながら、出先での行為をちょびっとだけ後悔する。
でもまあ、可愛い真央ちゃんも見れたし、普段の反撃もできたし、満足かな。

「? 茅ちゃんどうしたの?」

「さっきの真央ちゃんかわいかったなーって思って」

「またそれ……帰ったら覚えといてよね」

ジトっとした真央ちゃんの声音に少し背筋が寒くなる。
……これはもしかしたら、もっと手痛い反撃を食らう……かも。

お久しぶりです
>>868の早苗と亜利砂から投下していきます

理央さん達をお見送りしてしばらく後、とっぷりと日は暮れて、涼やかな夜風が部屋に入り込んできました。
開け放たれた窓からは雲間が切れた空が見上げられ、月や星が煌々と輝いています。
ぼうっと外を見ていると、後ろからことんことんと固いもの同士がぶつかる音が二つ。
振り返ると、小さなローテブルの上にお猪口が二つ置かれたところでした。

「ありがとうございます、早苗さん」

それとお手伝いできなくてすみませんと謝ると、彼女は笑って言う。

「いいんですよ、一緒に呑めるのが嬉しいんですから、準備くらいは勝手にさせてください」

なんて健気に。

せめて最初の一口は先に呑んでもらおうと、早苗さんの持っている徳利を受け取ろうと手を伸ばす。
それをやんわりと受け止められて、気づくと私の手にはお猪口が握らされていました。
ととっと軽い音がして、お猪口に燗酒が注ぎ込まれます。
注がれてしまった以上仕方なしに一口で煽ると、それだけで体がぽっと熱くなった気が。
でもきっとこれはお酒のせいだけじゃありません。
にっこりと微笑む目の前の彼女に見つめられるだけで、どきどきと心臓が跳ねてしまうのです。
ほうっと熱い息を吐いて窓の外を見つめると、ほんの少し熱が冷めたような気がしました。

「早苗さん、月が綺麗ですね」

ちょうど窓からまっすぐの位置に月が見えました。
暗闇の中でそこが一際輝いていて、まるでそこにスポットライトを置いて、私達の部屋まで光を届けているかのようです。

「……早苗さん?」

何も喋らない早苗さんが気になりそちらに顔を向けると同時に、早苗さんが私の胸元に顔を埋めてきました。
小さく「うぅ~……」と唸っていて、少し震えているようにも見えます。

「早苗さん……? 大丈夫ですか?」

背中をさすりながら声をかけます。

「ん……亜利砂さん……」

少し間を置いて、早苗さんがゆっくりと顔を上げました。
その瞳は潤んでおり、熱っぽく見えます。
まさか……。

「風邪……引いてます?」

「へ……?」

きっとそうです。
頬も赤いし、まさか無理してたんじゃ……。

おでこに手のひらを当ててみると、どうやら少し熱っぽい気がします。ぽやんとしているし、なんだか本格的に風邪な気がしてきました。
一緒に呑むのは魅力的ですが、それよりも何よりも早苗さんの体調を優先しなければ。

「お布団しいちゃいましょう。早苗さん、無理しちゃだめでーー」

「ち、違いますっ、熱なんかありませんよ~っ!」

ぽやんとしていた早苗さんがぱたぱたと腕を振って抗議してきました。
でもさすがにそれは聞けません。

「だめですよ早苗さん。熱があるのに動いたら」

さっさと布団を敷いていきます。
慣れたもので、ものの数十秒で布団はセット完了。あとは着替えてもらって、早く横になってもらいましょう。

「早苗さ、んむっ!? ん、ふあ、む……っ」

へ?
振り向いたら早苗さんが目の前にいて、急にキス、されて……?

「んく、ちゅぴ……」

舌がぬるっと入り込んできて、温かな液体を流してきます。唾液じゃない……。

(お酒だ……)

じんじんと頭が痺れてきます。
布団に押し倒されても、まだキスをやめてくれません。

「ぷはっ! はぁっ、はぁっ……んむ、くっ、んぅ……」

息継ぎの度に早苗さんはお酒を口に含みなおして、それをとぷとぷと私に注ぎ込んできます。
やがて酒瓶が空になり、そこでやっと早苗さんはキスを止めてくれました。

「熱なんか……ありませんっ」

一息にセーターを脱ぎ去ると、そのまま中に着ていたインナーまで放り投げてしまいます。
白い肌に深い青色のブラジャーだけを纏い、どっしりとのしかかってきました。

「顔が赤いのも、体が熱いのも、全部亜利砂さんのせいですっ。……責任、取ってください」

腕を掴まれて、そのまま早苗さんのブラジャーをずらすようにしながら左胸に押し当てられます。
柔らかく形を変える乳房にどぎまぎしていると、早苗さんも私の胸を服の上からなぞり始めました。

「なんで、そんなキュンときちゃうようなこと言っちゃうんですか、亜利砂さんは……」

赤い顔で零すように言ったその言葉を反芻します。
私、何を言いましたっけ……。

「あ……」

月が綺麗ですね。

なんて、そんなつもりはなかったのに、本当に無意識で言った気がします。
いや、愛してる愛してないで言えば間違いなく愛しているんですけど……。

「私も……私にも、月が綺麗に見えますっ」

でも、ゆっくりと顔が近づいてきて、それだけでもう自分の発言の意図なんてどうでもよくなってしまう。
甘い匂いが一瞬香ってーー。

ーーー

ゆったりとした快感に体を任せている。
二人とも裸で、しっとりと汗に濡れて、でもそれも不快ではなくて。

「ふあ、亜利砂、さん……」

彼女の首元に優しくキスをすると、体の下で大きな乳房が弾むのが分かりました。
張り詰めた乳首が私の肌をなぞり、それだけで感じてしまいます。

「さなえ、さん……んっ、すき、すきです……」

考えなんてまとまらなくて、思考がそのまま口から流れ出します。
ふにゃりと微笑んだ早苗さんは私をそっと抱きしめ、きゅっと力を込めてきました。

「わたしも……だいすきです、あいしてます……」

もうこれ以上なく好きなのに、まだ好きになってしまう。愛おしさでどうにかなってしまいそうなほどに。

腰をくねらせ、脚を早苗さんの間にねじこむと、潤んだ割れ目同士がピッタリと触れ合いました。
抱き合ったままに、腰の動きだけでそこをこすり合わせます。

「あ、は……っ……んっ……」

「はぁ……んう、ぁ……」

決して激しくはない、心地の良い気怠い営み。
腕の中に彼女を感じながら、彼女に抱きしめられているのを感じながら。

「早苗さん、わたし、もう……っ」

「わたしも、です……くぅ、ん……!」

じわじわと快感が膨らんで、それが頂点に達して、ゆっくり、ゆったりと。

「は、あぁ……!!」

「ん、んんぅ……っ!」

弱く、でも長い絶頂を感じて、体がふるふると震えます。
目の前の早苗さんが快感を堪えている顔が可愛らしくて、また胸がきゅうっと締め付けられる幸せな感覚。
そんな最愛の人の姿を瞳に焼き付けながら、わたしはゆっくりとまぶたを閉じました。

亜利砂「ん……」パチッ


早苗「あ、起きましたか?」


亜利砂「はい……」グシグシ


早苗「おはようございます、亜利砂さん。んっ」チュッ


亜利砂「っ!」


早苗「ふふっ、おはようのキスです。目は覚めましたか~?」


亜利砂「はいっ、とっても覚めました!」コクコク

亜利砂(なんでこの人はこんなに可愛いんですか……)

亜利砂「早苗さん!」


早苗「はい?」


亜利砂「好きですっ、大好きですっ!」

亜利砂(そんな言葉しか返せないけど)


早苗「……ありがとうございます。わたしも、大好きです」ニコッ


亜利砂(ずっとこうやって笑いあっていましょうね)

>>887
投下します

菫サイドーー


文化祭当日


菫「わあ……」

菫(圧巻です。どこを見ても人、人、人。これ全部がお客さん……)


友人「菫ー、ボーッとしてると危ないよー?」


菫「あ、ごめんごめん。どこから回ろっか?」


友人「食べ物系を端っこから!」


菫「了解」クスッ


ーーー


ガヤガヤ ガヤガヤ


友人「うちの文化祭ってステージパフォーマンス気合入ってるよねー」


菫「うん。ずっと席埋まってるし……」


友人「次はマジックショーやるみたい。見てみる?」


菫「マジック……ううん、私、マジシャンならすごい人知ってるから」


友人「マジック詳しいの? この千場……ちば……つばさ? さんはすごい人なのかな」


菫「……えっ?」


友人「チバツバサさん。分かる?」


菫「ぱ、パンフ見せて!」


友人「おおう」

菫「千場翼マジックショー……」


友人「タスクって読むの? 詳しいんだね」


菫「詳しいっていうか……ごめん、やっぱり見に行こう、これ」


友人「おーいいけど……すごい人知ってるんじゃなかったの?」


菫「この人」


友人「?」


菫「この人が私の知ってるすごい人だよっ!」


ーーーーー


翼「レディースエーンドジェントルメン……」

翼「ようこそ、千場翼のマジックショーへ!!」バッ


バササッ

ワアアアアッ


友人「おーハトだ。マジシャンっぽいねー」パチパチ

友人「……」チラッ


菫「……!」キラキラ


友人(菫のこんな顔初めて見たかも……)パチパチ


翼「やーどーもどーも! ……んえっ!?」


友人(あっ、こっち見た。こっちというより……菫に気づいたのかな)


翼「んんっ」ゴホンッ

翼「ん、んんっ?」ゴホンッ


ぽんっ


友人「うわっ、口から花出てきた」


翼「ごほん、ごほん、ごっほん!」


ぽんぽんぽーん!


友人「おおーすごーい」パチパチ

友人「すごいねー。ね、菫?」


菫「……」ジーッ


友人「聞く耳持たずか……あはは」


ーーーーー

ーーー

翼「以上でボクのマジックショーは終わりまーす!」


ワアアアアッ


友人「面白かったよーっ!」


翼「ありが……とーーー!」


ブワアッ!


友人「うわっ風が……!」

友人「……おさまった?」


菫「い、いない……」


友人「いない? あ、ホントだ。千場さん消えちゃった。最後まですごいねー」


観客「面白かったぞー!」パチパチパチパチ


友人「おお、大盛り上がりだ」


菫「ご、ごめん。私翼さんのところに……」


友人「ん、行ってきなさい。食べ歩きは私一人でやってるからさ」


菫「ほんとごめんねっ」タタッ

ーーー


控室ーー


翼「ふいー……」


コンコン


翼「はーい、どうぞー」


ガチャッ


菫「失礼……します」


翼「菫……くん。……久しぶりだね」


菫「はい。あの……翼さん」


翼「ん?」


菫「翼さんはなんで……ここに?」


翼「偶然だよ。ここの実行委員の人からぜひショーをしてくれって言われて……そしたら菫くんがいてびっくりしちゃった」


菫「そうですよね。私、大学名も教えずに越した覚えがありますから、ほんと、偶然……」


翼「菫くん、こっち来てくれる?」


菫「? はい……」


翼「へへっ」ギューッ


菫「た、翼さんっ!?」


翼「もう何ヶ月ぶりかな。君に告白されてから……だからハグも久しぶりだ」


菫「……」ドクン ドクン


翼「その後は……ボクからキスをして……」


菫「あっ……」


ちゅっ


翼「……菫くん、今付き合ってる人とか、いる?」


菫「い、いません……」


翼「じゃあ、ボクと……忘れられない思い出、作ろうか?」


菫「だめ、ダメです。翼さん、好きでもない人に迫るのよくないですっ」

翼「……なら、付き合おう」


菫「へ……」


翼「菫くん、ボクは確か告白のお返事をしてなかったよね」


菫「うそ、嘘です、だってそんな……私なんか……」


翼「好き……って言っていいのかはホントは分からない。けど、菫くんが告白してきてくれて嬉しかった」

翼「それからずっと考えてたんだ。女の子同士とか、付き合うってどういうことなのかとか、そういうことたくさん」

翼「でも、菫くんが想ってくれているなら、ボクはそれに応えたい。菫くんと一緒に答えを探したい」


菫「そんな、悩ませて、困らせて……ごめんなさーー」


ちゅっ


翼「ん……ボクの恋人の悪口はだめだよ。また言ったらその口塞いじゃう」


菫「……私は、ホント、だめだめで……んっ、んん……」


翼「ちゅ、ん……まだ言うの?」


菫「翼さんの恋人になる資格なんか……んっ」


翼「ぷは……そんなのいらない。ボクは菫くんが……」

翼「……好きなんだから」

じんじんと心が震えて、耐えていたハズなのに容易く想いが溢れて。
抱きしめられるのも、キスされるのも幸せだったのに、まだ多幸感が膨れ上がっていく。

「ちゅっ……ちゅう……」

唇同士をくっつけるだけの幼いキス。
ぷるぷるの唇が離れるたびに次のキスが欲しくなってしまう。
体が熱くなって、もっと翼さんが欲しくなる。

「菫くん……」

ゆっくりと机に寝かされる。
そして覆いかぶさるようにしてまたキスを落とされる。
大きな翼さんの胸が私の胸を押しつぶすように形を変えて。

「翼……さん」

もう、この人が好きだということしか考えられなくなっていく。

「口、開けて?」

「こう、れふか?」

ゆっくりと近づいてくる顔。突き出された舌を見ればなにをされるのかは分かる。
ちゅぷ、と水音を小さく響かせて翼さんの舌が口内へと侵入してきた。
舌を絡めとるようにくるくると動いてきて、動きはそれだけのはずなのに体が跳ねてしまう。

「ちゅぱ……感じてる? 菫くん」

「感じて……ます。気持ち……良すぎて……」

キスだけ。
それだけでここまでどろどろに溶かされてしまう。
これ以上されたらどうなってしまうか怖いのに、でももっともっと触ってほしいと思ってしまう。
そして私は素直に告げてしまうんだ。

「もっと……してください……っ」

すべてを脱ぎ去って、私たちは控室のソファーに横になっている。
触れている箇所が全部気持ちよくて、もはやそれだけで感じている気さえしてくる。

「菫くん、痛かったら言ってね……」

まだ溶かされる。
太ももをなぞる手がゆっくりと上がってくる。

「ひっ、う……!」

指がそこに触れて、体が大きく跳ねる。
擦られて、声が出てしまう。
さっきまで感じていた恐怖はなくなって、もっと気持ちよくなりたい思いだけが肥大化していく。
翼さんの指が入ってくる感覚。

「すご……どろどろだよ」

ゆっくりと押し入れられて、上側をなぞられる。
愛液を掻き出そうと鉤爪のように曲げられた指が抜かれた瞬間、ぬぽっという音とともに、翼さんの熱い溜息が漏れた。

「はあ……っ。菫くん……かわいすぎ……」

溶かされる。

「あっ、ふあ……! たすく、さん……!」

今度はもっと深くまで入り込んできて、指を前後される。
もう体の支配をすべて翼さんに投げ出して、私は快感に身を任せるだけだ。

「っ、く、んんんぅ……!!」

気持ちいいが耐えきれなくなって、全身が打ち震える。
信じられないような幸せが満ち溢れる。

「イ……った? 菫くん、ボクの指で……」

小さく頷く。
もういっぱいいっぱいなのに、翼さんがしたいならまだ受け入れたいとさえ思ってしまう。

「たすくさんも……いっしょに……」

一緒に、気持ちよくなりたい。
翼さんがツバを飲み込む音が聞こえた。
脚を交差させるようにして腰を近づけてくる。

「んっ」

ちゅっと下の唇同士が触れ合う。
決して激しくない動きで、ゆさゆさとそこを擦り合わせる。

「んっんっ……!」

ぬちゅぬちゅと粘ついた水音が空間を支配して、耳すらも犯されているかのよう。
こんなに全身どろどろに溶かされているのに、翼さんはまだ溶かしてくる。

「菫くん……っ、ん、ちゅう……!」

抱きしめて、キスをしてくる。
もう、この人に全身を溶かされて。
心まで、翼さんでいっぱいになって。

「もう、わたし……! ひぅ、く、ふぁうっ……!!」

「ボクも、ボクももう……あっ……!」

容易く絶頂に押し上げられて、でもまだ気持ちいいが止まらなくて。

「たすくさん、こわいっ、やだ、や、やぁぁああああっ!」

「ん、んううううっ!!」

大げさなほど体が跳ねて、視界が真っ白に染まる。
最後まで翼さんに抱きしめられたまま、私は果てた。

ーーーーー


翼「菫くんっ」


菫「は、はい?」


翼「ボクはまた白百合荘に帰るけど……近いうちにまた会いに来るからね」

翼「君の……恋人として」


菫「こいびと……えへへ」


翼「だから、今度はデートしよう。こっちの楽しい場所、美味しいもの、いろいろ教えてくれる?」


菫「はいっ。もちろんですっ!」


翼「……じゃあ、またね」


菫「はい、また」ニコッ

>>888
投下します

十年後ーー


空港ーー


???「……」


「わっ、今の人ちょー美人……」

「あれ、私知ってるかも……たしか……」

「ピアニストの……若宮奏」


奏(ドキドキする……変じゃないよね?)ソワソワ


茅「やっほー、奏」


奏「あ、茅さん」


茅「ほー……もうほんと大人の女って感じだねえ……」


奏「もう、やめてください茅さん。照れくさいですよ」


茅「いやでもほんとに美人さんになった……」


奏「それなら茅さんこそ……モデルの方に容姿を言われると引け目を感じてしまいますよ」


茅「いやーもうモデルもあんまやんなくなったけどね。最近は真央とのブランドの方が忙しくてさ」


奏「いいなあ……」


茅「奥さんがいるといいよー、なんでも捗るよー。……なーんて、奏も今から迎えに行くんだもんね」


奏「……はい」


茅「大丈夫、すごく素敵だよ。自信持って行っといで」


奏「はいっ」

ーーーーー


イギリスーー


奏(ここが……サラさんのお家……)


コンコンッ


サラ「Who……?」ガチャ


奏「久しぶり……です。サラさん」

奏「じゃない……。えと……Long time no see,do you remember me?」

奏(玄関を開けてきたのは、昔と変わらないプラチナブロンドの彼女。背も大人になった私より幾分高くて、む、胸もさらに大きくなっていた)


サラ「Ah...? Sorry.I don't know」


奏「I am Kanade. Kanade Wakamiya」


サラ「Kanade...? カナデ!?」

サラ「Oh! wa,wait and wait!」

サラ「すー……はー……」

サラ「奏ちゃん……なんですか? ほんとに?」

サラ(玄関を開けて立っていたのは、背中の中ほどまである長い黒髪のあまりに綺麗な大人の女性で。奏ちゃんの雰囲気がどことなくあって)


奏「はい。若宮奏です」


サラ「~~~っ!」ガバッ

サラ(本人と気づいた瞬間に、ワタシは彼女に抱きついていました)


ぎゅううう~~~っ!


奏「く、苦しいですよ……!」


サラ「迎えに……来てくれたんですか?」ギューッ


奏「はい、サラさんのために会いに来ちゃいました」


サラ「ほんとに……来てくれるなんて……」


奏「自分でもびっくりです、ほんとにずっと同じ人のことを好きでいられるなんて、ちょっと信じてませんでしたから」


サラ「ワタシだけかと……思ってました。ずっと奏ちゃんが好きで、誰に告白されても断って……こんなおばさんになってしまいましたが」アハハ

サラ「でも、心のどこかで奏ちゃんなら迎えに来てくれる、そんな気がしてたんです」


奏「ご期待に添えたなら何よりです。さ、行きましょう」


サラ「行くって……どこに?」


奏「大人のデートに、です」

ーーーーー


高級レストランーー


サラ「こ、ここすっごく高いお店ですよ……?」コショコショ


奏「大丈夫です。蓄えはたくさんあるんですよ」


サラ「はー……もうなんか……びっくりしっぱなしです。大人になりましたね、奏ちゃん」


奏「ん……その「奏ちゃん」っていうの、やめませんか? なんだか子供の頃を思い出してムズムズしてしまいます」


サラ「なら奏ちゃんも「サラさん」って呼ぶのやめてください。ワタシだけ呼び捨ては不公平です」


奏「……分かりました」

奏「……サラ」


サラ「!」ボンッ

サラ「ま、待って……!」


奏「いーえ、待ちません。次はサラの番です」


サラ「か、か、か、奏……!」


奏「ふふ、可愛い」ニコッ


サラ「あうあうあう……!」

サラ(こんな、こんなあ……! 奏……ちゃん、カッコよくて可愛いのに、綺麗で、もう、もう……!)


奏「そろそろ料理も運ばれてくるでしょうか。食べ終わったらサラのお家にお邪魔しても?」


サラ「は、はいっ! 構いませんっ!」


奏「よかった」フッ


サラ「ふああ……!」

サラ(微笑むだけでこんなに……)ドキドキ


ーーーーー

ーーー

サラ「ーーごちそうさまでした」


奏「……イギリスでもごちそうさまって通じるんですか?」


サラ「あっ。なんだかすごく日本のつもりで言ってしまいました。通じないですよ、もちろん」


奏「ふふ、ですよね」クスッ

奏「……ふう」

奏(緊張する……)


サラ「あ、奏ちゃ……奏は今日うちに泊まっていきますか?」


奏「はい、ご迷惑でなければ、ですが」


サラ「大歓迎ですよ」


奏「よかった」

奏(……よし!)

奏「サラっ」ガタッ


サラ「はい? あ、もう行きますか?」


奏「っ」ブンブン

奏「行く前にこれ……受け取ってください」スッ


サラ「箱……?」

カパッ

サラ「!! こ、これ……」


奏「はい、指輪……です。け、結婚……してください。幸せにします、絶対です」


サラ「……断るわけないじゃないですか……」

サラ「こちらこそ、よろしくお願いします」


奏「!! は、はいっ!」


ーーーーー

ーーー

レストランで食事を奢って、指輪を渡して、歩きながら昔の話をして……気づけばサラの家。
綺麗に整頓されていて、やっぱり素敵な人だなと再確認。
その当の本人は顔を赤くしてうつむいている。

「サラ」

名前を呼ぶだけでビクッと肩を跳ねさせて。

「あの日の続き……しましょう?」

形の良い頭を撫でる。
ふわふわの髪が指の間を抜けて、通り抜けた後は柔らかい感覚だけが手のひらに残る。

「奏、昔はなんにも知らない子だったのに……」

「む、そういうはぐらかしはいいですから」

耳を摘む。
くにくにと耳たぶで遊んで、指で耳の穴をなぞる。

「んく……ふっ……」

真っ赤になって。
家に連れ込んで私から逃げる気も、私を離す気もないくせに、まだためらっている。

「サラ」

またびくりと反応する。
今度はその肩を掴んで、容赦なく唇を奪った。
夢にまで見たサラとの口づけは気持ちよすぎて、ともすればそれだけで満足してしまいそうなくらい。
でもだめ。十年も待ったし待たせた。これ以上は待てない。一刻も早くサラに触れたい。

「サラ……れる、ちゅぷ」

舌で舌を舐めるようにする。
粘ついた唾液をすくって嚥下する。

「ふあ……っ」

そこで一旦停止。
私だけがっつくなんて恥ずかしい。
サラにもその気になってもらって、それから抱きしめ合いたい。

「ん、ふ……ぁむ、ぢゅ……」

くっついて、口内を堪能して、離れて。
それ以上へは進まない。

「奏、ちゃ……んんぅ!」

「れろ、ぢゅる……。「ちゃん」はいりません……んっ」

「ごめ……なひゃ……はむ、ん……!」

どろどろと溢れたよだれがサラの口の端から伝い、胸元まで滑り落ちていく。

「……ぷあ」

「はぅ、はっ……はぁ……はぁ……」

サラは腰砕けになりながらも、私に体を預けるようにしなだれかかってきて、倒れることはない。
力の抜けた彼女を持ち上げるのは簡単で、ひょいとお姫様だっこに移行できてしまう。

「寝室、どっちですか?」

おずおずと指が持ち上げられる。
もう寝室に入ってしまえば、本当の本当に私たちは一線を超えるだろう。
ドアレバーを押し下げて、一歩踏み出す。
それだけのことで、私たちの間の空気は確かに一変した。
そっとベッドの縁にサラを腰掛けさせ、そのまま顔を寄せる。

「かなで……ん、んぅ……」

「ちゅ、ん……」

舌がサラの歯の並びさえ覚えてしまうほど。

「ぢゅ、れろ……ちゅぱっ」

互いの唾液をすべて交換したと錯覚してしまうほど。

「ふぁ、あ……! あ、んむっ、ちゅ、ぢゅうう……ぷはっ、は、ま、待って……! んんぅ! ん、れろ、ちゅう……」

熱い口づけを交わし合う。
でも、延々とそうしていたい気持ちを抑えて、顔を離す。
もはや眼前のサラは私のことしか考えられないような、そんな私だけを見つめる熱い瞳をしていた。

「ワタシだって……我慢……してたんですよ……? ずっと、じゅーねん前から……」

するりと首元に腕が伸びてきて、首の後ろでホールドされる。
一々発する言葉が甘くて、動作が蠱惑的で、そのたびに胸が締め付けられるほどキュンとしてしまう。

「でも、そしたら……こんな素敵な人になってるなんて思ってなくて……尻込みして……」

「尻込みなんて……。サラ、私はあなたの奏です。あなたに触れられたいんです」

ーーだから、私にも触らせてください。

そっと押し倒す。
頭を撫でると、気持ち良さそうに目を細める。
その手を下ろして、首に指先を当てる。

「ひゃんっ」

くすぐったそうに身をよじるけど、逃げるような動きではない。

「いいですよね……」

そっと囁くと、こくんと頷きが返ってくる。
破裂しそうな程に高鳴る心臓を抑えて、服を脱がしにかかる。
ただの白いワイシャツにジーンズ。
限りなくシンプルな服装なのに、サラが着ているととても素敵なファッションに見える。
ぷち。
惚れた弱み……を抜きにしても、やはりサラはとびきりの美人だ。
ぷち。
火照って汗をかいている首筋、薄く肉が乗った鎖骨。
ぷち。
自分とは比べ物にならない、まるで芸術品の如き美しさを醸し出している。
ぷち。
最後の一つ。
ぷち。
全てのボタンを外し、するっと腕を抜き、インナー姿にさせる。
内に着ていたのは無地の白シャツで、うっすらとその奥の赤い下着の影が見える。

「……っ」

息を呑んだのはどちらだったのか。どっちもだったのかもしれない。
ぐいとシャツをまくりあげると、下着にひっかかった反動で大きく一度山が震えた。
そしてその山を覆っている赤い、真っ赤な、下着。
レースがカップの上部と下部を飾っている、よくあるおしゃれな下着だ。
でもこれは、よくあるサイズじゃない。
少なくとも私のものが倍になったとしても到底叶わない大きさだ。
背中に手を回してホックを外そうとする。三つもフックがある。
けっこうな力を込めて外すと、ぶるんと弾くように胸が下着を持ち上げた。

あまりに大きすぎて、下着でキツく締め付けている状態だったのかもしれない。
浮いたブラジャーをさらに上へとずりあげていく。
鎖骨の辺りまで持ち上げると同時に、下着から開放された胸が大きくバウンドした。
プリンのように揺れた山は完全に上向きの球状で留まった。
そこに指を這わせる。

「……っあ」

痛くはなさそうだ。
ただひたすらに声を押し殺している。
右手で下からすくうようにして、頂点をくりくりとこね回す。
大きな乳房に不釣り合いな、綺麗で小さな乳首。
次はそこに舌を伸ばした。

「あっ、ん……!」

ほんのり甘い。気がする。
ころころと転がすようにすると、それだけでたくさんの反応を見せてくれる。
手のひらで口を抑えて、声がもれないようにしたり。
熱く潤んだ瞳から、耐えきれない涙が一筋溢れたり。
左右に頭を振って、どうにかして快感を逃がそうとしたり。
その動き全てを上目遣いに観察する。
可愛い、けど、足りない。
もっと声を聞かせてほしい。

カリッ。

「ふあぁ!? あっ、だめ、かなでっ……!」

だめ。分かりました。
パッと顔を離す。手も止める。

「えっ……」

物欲しそうな顔。可愛くてたまらない。
私よりも四つも年が上のようには到底見えない。

「「だめ」なんですよね……?」

「奏、意地悪です……だめじゃない、ですから……」

指を絡めて、手のひら同士をくっつける。
なんだか本当に意地悪になってしまったのかもしれない。
もっと困らせたくてたまらなくなる。

「じゃあ、もうだめって言っても私が満足するまでやめませんからね?」

こくん。
その小さな頷きに、私はそっと手を離した。

離した手を、今度は下へと持っていく。
ベルトを外し、ジーンズも太ももがあらわになるまでずり下ろすと、ブラジャーと同じレース付きの真っ赤なランジェリーが目に飛び込んできた。
ごくりとツバを飲み込み、その中心に指を這わせる。

(……わ)

すでにしっとりと湿っているのが分かった。
そのまま指を上下に軽く揺する。
こしゅっ、こしゅっと絹を擦る音だけが部屋に響く。
サラが声をあげないので、下着の上からでは気持ちよくないのだろうかとサラの反応を見てみる。
……すごく声を我慢していた。
具体的には、シーツを手が白くなるほどに握って、口も開けまいと唇を噛むようにして、目もぎゅっと力強くつぶっていた。
またも意地悪心が湧き上がってくる。

「ひっ……!? あっ、くぅ……!」

わざと指に力を入れて、押し込むようにする。
下着の上からでも感じるようで、目を白黒させて反応してくれた。

「あっ、く、ん……! んぅ、んん……っ!」

押したり引いたりを繰り返す内に、いつの間にか粘ついた液体が指を濡らしていた。
指を離してみると、少しだけ糸が伸びたあとぷつんと途切れる。
指の腹で伸ばして遊んでいると、サラと目があった。
見せつけるようにして指の先の愛液を舐め取ってみる。
あわあわと顔を赤くして、照れて視線を外されてしまった。
見られていないのをいいことに、今度はさっと下着も下ろす。
綺麗に処理されたそこは彼女自身の出したいやらしい粘液でテカっている。
指をあてがい、少しずつ進めていく。

「あぁ……っ! かなで、ぎゅー、ぎゅーしてください……!」

ずくんと心に甘い快感が走る。
なんでこの人はこんなに可愛いのだろう。

「これで、大丈夫ですか……?」

お望みどおりに上から抱きしめる。
するとイヤイヤと首を振るので何事かと聞くと。

「……かなでも、脱いで」

恋人から上目遣いにお願いされて無理ですと言えるほど私は強くないようだった。
サラにも手伝ってもらって互いに裸になっていく。
サラの洋服はほとんど脱げているようなものだったのですぽんすぽんと脱がして。
私の服もサラの拙い手付きで脱がされていく。
私の下着姿は貧相そのもので、興奮なんてできるとは思っていなかった。
でもサラは私を脱がしているということに緊張したらしく、震える手でブラジャーとショーツを脱がされた。
ふよんと小さく震える私の胸を見て、でもすぐに顔を逸らされる。
恥ずかしいのはお互いさまだ。脱いだのに何も言われないのはそれはそれで傷つく。

「どう、ですか。私の裸は」

そっと両頬に手をあててこちらを向かせ、強制的に私を見せる。
視線が二度上下させたあと、サラは口を開いた。

「……すごくきれい……です。なんだかもうワタシ緊張で……」

ぷるぷると震える手を見せてくる。
正直私も似たようなものだ。ここまできてもまだ夢みたいで、勢いとカンだけでなんとかしている。
でもそれをサラには伝えない。緊張をサラに教えてしまえば、また子供扱いされるような気がするのだ。
だから。

「大丈夫です。私に任せてください。ね?」

そんなことを言ってキスをして、また押し倒すのだ。

裸で抱き合うと安心感が違うようで、ぎゅううと首に鼻筋を埋めるようにして抱きついてきた。
サラの肩しか今は見えないので、太ももに手を置いてからそろそろと上に持ち上げていく。
ベタついた太ももを抜けると、さっきまでと変わらない潤みを携えた秘所が指を受け入れた。

「あっ……かなで……!」

抱きしめられる腕に力が入るのが分かった。
ふうふうと漏れ出す熱い息が首をくすぐってきてこそばゆい。

「んぅ……!」

サラがびくんと体を強張らせる。
そのたびに私の体の下で大きな胸が形を変えて、私にも興奮を与えてくる。

「大丈夫です。力を抜いてください」

ちゅっと首に優しくキス。
力が段々と抜けるのを感じて、しばらくしてから指を進ませる。
サラの中は熱くて、指が溶けそうなほど。
そして。

「全部……入りましたよ」

指の付け根がぴったり入り口に触れて、それ以上進めないことを示していた。

「痛くはありませんか?」

「だい、じょうぶ……です」

こんな聞き方をしたら大丈夫と返すに決まってる。
大丈夫なはずないのに。
愛液とも違う、ぬるくてドロリとした液体。純潔の血。
それがつう、とシーツを汚している。
痛くない訳がない。

「サラ、少しこのままでいますから、深呼吸してーー」

「かなで」

ぴしゃりと言葉を止められる。
サラが顔を持ち上げて、目尻に涙を溜めた瞳と視線が交わり合う。

「かなでに気持ちよくしてもらえたら大丈夫、ですから」

痛いはずなのに、十年前と変わらない笑顔でそんな優しい言葉を。

「……じゃあ、動かしますよ」

そこまで言わせて行為をやめるほど、空気の読めない女じゃない。
でも、痛みがひどくならないようにできる限り優しく指を動かす。
顔をあげてくれたので、キスも混ぜつつ続けていく。

「うっ、く……!」

やはりまだ痛いのだろう。
苦しげに息を漏らし、痛みに耐えているのが見て取れる。
浅く、ゆっくりと動かさなければ。

「あっ、は……ぁ……!」

くちゅ、ぷちゅ、と愛液の溢れる音を聞きながら、サラの中をほぐしていく。

「気持ちいい、ですか……?」

「は、っい……」

少しずつ気持ちよくなってくれてるのだろうか。
声に甘さが含まれてきて、それを聞いて少し指を奥まで入れていく。
さらに高い声で反応してくれて、動かす指に力が入る。

「あっあっ、かな、っで、んう、ふあっ……あぁ……!」

がくがくと腰が震えてるのが分かる。
イってくれるかな。イってほしいな。
でも、指を突き入れたり、力任せにしたりはしない。
優しく、でも気持ちよくイってほしい。

「サラ、イケそうですか?」

「聞かっ、ないで……んっ……!」

きゅうきゅうとサラが指を締め付けてくる。
水音が大きくなって、サラから溢れたものが手のひらを濡らしていく。

「ふっ、くっ、っあ、あ、んっ! かな、かなで……! きます、きちゃいます……!」

ぶるぶると震える体を精一杯しがみつかせながら、快感に耐えている。
汗ばんだ顔に涙混じりの声、揺すられる乳房の感触。

「……っ、サラ……!」

もうこれ以上は私が耐えきれなかった。

親指の腹で、クリトリスを潰すようにこねる。
その瞬間サラの中が大きくうねり、がくんがくんと腰が跳ねた。

「いぅうっ!? う、ふぁああああっ!! や、かな、かなれ、やあああ!」

ぎちぎちと指が千切れそうなほどに締め付けられる。
震えは止まらず、肩口に顔を埋め、息を吐き出すことしかできていない。

「ふう、ふうう……! とまんにゃ、ふやぁああ……!!」

びくびくと脚が痙攣している。
浅くなった呼吸に合わせて胸が小さく上下して、固くなった乳首同士が擦れあった。

「はあ……はあ……っ、かなで……」

快感の波が去るまで抱き合って、そのままこてんと優しく隣に倒される。
目線が絡み合って、どちらからともなくくすくすと笑いがこみ上げてきた。

「サラ、気持ちよかったですか?」

「はい、すっごく……。こんなにすごいの初めてで……ちょっと怖かったです」

「気持ちよくできてよかったです」

汗で張り付いた前髪を整えてあげて、そのまま頭を撫でる。
十年前は全くの逆で、甘やかされるばかりだった。
今こうしてサラを甘やかしてあげられることに、胸の内が少しばかりくすぐったい気持ちになる。

「奏、シャワー浴びましょうか」

「はい」

ぎゅっと手を握って、二人で浴室に向かう。
ベタついた体とは真逆の、さっぱりした気持ち。
サラへの愛しさが心の中に爽やかな風を吹かせて、これからを祝福しているかのようだった。

お待たせして本当に申し訳ありませんでした!

これでこのスレは本当に終わりになります
もしまだ読んでくれている方がいましたら、その方達には感謝しかありません

またもう一つ謝罪になりますが、もう一つ書かせてもらっているスレ
【安価】勇者(♀)「百合で冒険しろって?」【百合】
【安価】勇者(♀)「百合で冒険しろって?」【百合】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1527513144/)
の方は更新停止を宣言させていただきます
一つのスレに時間がかかりすぎたこと、キャラ設定が複雑になりすぎていたこと等々理由はありますが、これ以上はこのスレを続ける気力が沸かないというのが一番大きいです
代わりにではありませんが、別のスレを建てるつもりです
百合スレになるので、もしスレを建てた際にはよろしくお願いいたします

本当の本当にお待たせして申し訳ありませんでした!!

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