穂乃果「悩める恋」 (42)

短め、駄文、ほのえり

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放課後の生徒会室にて、ほのえり


絵里「・・・」カキカキ

穂乃果「・・・」ペラッ

穂乃果「・・・ウーン・・・」チラッ

絵里「・・・」カキカキ

穂乃果「・・・」ハァ


穂乃果(・・・窓越しの空はまだ明るいや)

穂乃果(青空に大きい白い雲がある・・・入道雲っていうんだっけ・・・?)

穂乃果(もうすぐ夏なんだ・・・)

穂乃果(入道雲って、止まっているように見えて、ホントは動いているんだよね)

穂乃果(まるで私たちふたりの関係みたい・・・)

穂乃果(私たち達っていつのまに好き同士になってたんだろう、絵里ちゃん?)

穂乃果「・・・」ハァ


絵里「ほーのかっ!」ツン!

穂乃果「ひゃっ・・・!」

絵里「フフッ♪」

穂乃果「むぅ・・・絵里ちゃんびっくりさせないでよ・・・」

絵里「穂乃果のほっぺたはプニプニね♪」

穂乃果「・・・それより生徒会の仕事はしっかりやってくれてるの?」

絵里「怒らないでよ~、ごめんなさい」クスッ

穂乃果「むぅ・・・」

絵里「生徒会の仕事なら、生徒会長さんがぼんやり空を見上げている間にもしっかりやっていたわよ?」

穂乃果「そ、それならいいの・・・」

絵里「その生徒会長さんは、空を見上げてなにを考えていたのかしら?」

穂乃果「・・・なんでもないよ」

絵里「そう?」

穂乃果「それよりも! 絵里ちゃんは口より早く手を動かして! 仕事は一杯たまってるんだよ?」

絵里「はいはい♪ 言われなくてもやってるでしょ? しかしよくここまでためられるわねぇ」

穂乃果「むぅ・・・穂乃果は絵里ちゃんと違って要領が悪い子なの!」

絵里「そうねぇ」

穂乃果「・・・ちょっとは否定してよ・・・」

絵里「どうして? 穂乃果は要領の悪い子。自分で言ったのよ?」

穂乃果「・・・そ、そうだけど」


穂乃果「・・・」

絵里「フフッ」


絵里「でも、そういうところがかわいくて、助けてあげたくなっちゃうのよねぇ」チラッ

穂乃果「・・・///」ピクッ

絵里「だからこうして生徒会室で穂乃果とふたりっきりになって、仕事を手伝ってるんでしょ?」

穂乃果「・・・絵里ちゃんのバカ」

絵里「なんで私がバカなのよ」

穂乃果「いいから手を動かしてー!」ボカスカ

絵里「ふふ、痛い痛い! なによ、やってるじゃない」

穂乃果「いっぱいたまってるんだから、もっと急いでー!」

絵里「はいはい」クスクス

穂乃果「・・・ここで仕事をやってるのは穂乃果と絵里ちゃんのふたりだけなんだからね。海未ちゃんもことりちゃんもいないし」

絵里「じゃあ私だけじゃなくて、穂乃果もがんばらないと」

穂乃果「やってるでしょ! 絵里ちゃんのバカ!」

絵里「え~、ホントに? さっきから口しか動いていないと思うけど?」

穂乃果「やってるのー!」

絵里「そういうことにしておきましょうか」

穂乃果「むぅ・・・」

絵里「なによ、ほっぺたなんか膨らませて。またつついてほしいの?」

穂乃果「むぅぅ・・・」

絵里「それだけじゃ不満? それともお姫様はキスをご所望?」

穂乃果「き、キスなんて・・・///」

絵里「あ、赤くなった」

穂乃果「なってない! 生徒会室でキスなんて絵里ちゃんハレンチだよ!」

絵里「顔を赤らめてる方がよっぽどハレンチよ」クスクス

穂乃果「いいから仕事に戻って!!」

絵里「だからやってるでしょ?」

穂乃果「・・・」



絵里「・・・」カキカキ

穂乃果「・・・」ペラッ

穂乃果「・・・」チラッ

絵里「・・・」カキカキ

穂乃果(絵里ちゃん・・・)ハァ

穂乃果(私たちは好き同士だよね・・・?)

穂乃果(でも、どうして私たちってこんな関係になったのかな・・・)

穂乃果(私たちっていつからこんな関係になったんだろう・・・)

穂乃果(絵里ちゃんに生徒会の仕事を手伝ってもらってるうちに、いつのまにか絵里ちゃんとの距離が縮まってて・・・)

穂乃果(そしてやっぱり『いつのまにか』私たちは好き同士になってた・・・)

穂乃果(ウーン・・・ホントにいつのまに好き同士になってたの・・・?)

穂乃果(穂乃果もいつのまに絵里ちゃんのことが好きになってたんだろう・・・)

穂乃果(穂乃果は絵里ちゃんのことが好き。それはわかる)

穂乃果(でも・・・)チラッ

絵里「・・・」カキカキ

穂乃果(・・・絵里ちゃんはどうして穂乃果のことなんか好きになったんだろう・・・)

穂乃果(絵里ちゃんは、穂乃果の不器用なところがかわいくて、まっすぐなところが好きって言ってくれてるけど・・・)

穂乃果(それってようするに穂乃果がバカってことじゃないの?)

穂乃果(絵里ちゃんの気持ちがわからない・・・)

穂乃果(あー、もう!)

穂乃果(考えれば考えるほど、わけがわからなくなってくるよ~・・・)


絵里「穂乃果?」

穂乃果「! な、なに、絵里ちゃん?」

絵里「なにじゃないわよ。また手が止まっているわ。なにかわからないことがあったら私に聞いてちょうだい」

穂乃果「そ、そういうわけじゃないけど・・・」

絵里「・・・穂乃果?」

穂乃果「絵里ちゃん・・・」

絵里「ん?」

穂乃果「・・・」ウツムキ

絵里「・・・」


絵里「穂乃果・・・」スッ

穂乃果「・・・え、絵里ちゃん?」

ニギッ

穂乃果「・・・」

絵里「・・・穂乃果の手、柔らかいわ」

穂乃果「・・・」

穂乃果(絵里ちゃんの手はすべすべしてて、キレイだよ)


穂乃果「・・・どうして急に手を握ったの・・・?」

絵里「理由なんて必要なの? 私たちは好き同士なのよ? 両想いがわかったのは最近だとしてもね」

穂乃果「・・・」

絵里「穂乃果・・・私は穂乃果の要領が悪くて感謝してるわ」

穂乃果「?」

絵里「でないと、私はきっとこうして生徒会室に頻繁には来なかっただろうし、だから、私たちのこの関係も出来上がらなかったと思うの・・・」

穂乃果「・・・」

絵里「私と穂乃果の仲が急速に縮まって、海未やことり、他の子たちも気を遣ってくれるようになって、こうしてふたりきりの時間ができた・・・」

穂乃果「うん・・・」

絵里「その結果、私は自分の気持ちに気づくことができて、それはとっても嬉しいことなの」

穂乃果「・・・」

絵里「穂乃果?」

穂乃果「ううん。なんでもない・・・」

絵里「・・・」

穂乃果「・・・」ウツムキ

絵里「・・・」ハァ

絵里「・・・穂乃果」

穂乃果「なに、絵里ちゃん?」

絵里「・・・目をつぶって?」

穂乃果「・・・!」

絵里「・・・顔を動かさないでね」スゥッ

穂乃果「だ、だめだよ・・・こんなところで・・・」

絵里「いいのよ。私はもう生徒会役員じゃないんだから」

穂乃果「穂乃果は現役だよ・・・」

絵里「無理矢理キスされちゃったって言えばいいのよ。不可抗力だったってね」

穂乃果「え、えぇ・・・」

絵里「・・・」スゥー

穂乃果(え、絵里ちゃんの顔が穂乃果の顔に近づいてくる・・・)ドキドキ

穂乃果(絵里ちゃんのまつげ長い)

穂乃果(唇も柔らかそうだし、鼻筋も通ってる)

穂乃果(絵里ちゃんの顔って本当にキレイなのに)

穂乃果(顔だけじゃなくて、本当に絵里ちゃんのことが好きなはずなのに・・・)

穂乃果(どうしてだろう・・・)

穂乃果(もうちょっとで唇と唇が触れちゃう──)

ドンッ


絵里「・・・!」

穂乃果「はぁ、はぁ・・・」

絵里「・・・穂乃果?」

絵里「どうして──」

穂乃果「なんで私たちって好き同士になったの?」

絵里「え?」

穂乃果「穂乃果は好きだよ。絵里ちゃんのこと、大好きだよ」

絵里「ええ・・・」

穂乃果「おんなじように、絵里ちゃんも穂乃果のことが好きって言ってくれるけど・・・」


穂乃果「絵里ちゃんは本当に穂乃果のことが好きなのかなって・・・」

絵里「・・・」

穂乃果「絵里ちゃんのことを疑うわけじゃないよ」


穂乃果「本当は絵里ちゃん、穂乃果のことなんか好きじゃなくて・・・ほら、絵里ちゃんって優しいから、穂乃果に気を遣ってくれてるだけなんじゃないかって、そんなことばっかり考えちゃう・・・」

絵里「・・・」

穂乃果「・・・」ポロポロ

絵里「穂乃果・・・」

穂乃果(穂乃果なんで泣いてるんだろう。ただ絵里ちゃんに穂乃果への想いを確認したかっただけなのに・・・)

穂乃果(絵里ちゃんに穂乃果のこんな情けない姿なんて見せたくないのに・・・)

穂乃果(けどダメだ・・・泣いちゃうよ・・・)

穂乃果「・・・」グスッ


絵里「・・・穂乃果、バカなのはあなたの方よ?」

穂乃果「え・・・?」

絵里「バカは穂乃果よ」クスッ

穂乃果「絵里ちゃん・・・?」

絵里「動かないで」ボソッ

穂乃果「え?」

チュッ


穂乃果「ん・・・!」

絵里「・・・」

穂乃果(キス──)


絵里「・・・」スッ

穂乃果「・・・」

絵里「フフッ」

穂乃果「え、絵里ちゃん・・・」

絵里「穂乃果は私に突然キスされてみてどんな気分になった? 嫌だった?」

穂乃果「・・・そんなわけない」

絵里「うん」

穂乃果「恥ずかしいけど、ドキドキして、嬉しくなった」

絵里「どうして?」

穂乃果「それは・・・絵里ちゃんのことが好きだから・・・」

絵里「そうやって自分の気持ちにはっきり気づいていることで、もう十分なのよ」

穂乃果「十分?」

絵里「ええ。それだけでいい」

穂乃果(私は絵里ちゃんの気持ちがわからなくて悩んでるのに・・・自分の気持ちなんてどうでもいいのに・・・)

絵里「さっき穂乃果は、私の気持ちがわからないって言ってたわよね?」

穂乃果「うん・・・」

絵里「それって無理な話だわ」

穂乃果「え?」

絵里「だって他人の心なんてわかるわけないでしょ?」

穂乃果「・・・そうだね」

絵里「でしょ?」

穂乃果「・・・じゃあ、穂乃果はどうすればいいの?」

穂乃果(絵里ちゃんの気持ちがわからなくてつらい・・・)

絵里「信じるだけよ」

穂乃果「信じる・・・?」

絵里「ええ。ゆっくりでいいから、穂乃果は私のことを信じてくれればいいのよ」

穂乃果(信じるだけで、本当にいつか穂乃果のこの悩みは消えてくれるの?)

絵里「ええ。穂乃果は一番大きな問題がないんだから全然大丈夫なのよ」

穂乃果「一番大きな問題?」

絵里「ええ。一番大きな問題は、自分の気持ちがわからなくなることだわ」

穂乃果「え・・・?」

絵里「自分の気持ちがわからなくなることが一番つらいの・・・」

穂乃果「絵里ちゃん・・・?」

絵里「それがないから穂乃果は大丈夫! 私が保証するわ!」

穂乃果「・・・」

穂乃果(自分の気持ちがわからなくなること・・・)

穂乃果(絵里ちゃんはもしかして・・・)

絵里「穂乃果がさっき言ってくれたみたいには、私は全然優しくなんかないの」

穂乃果(・・・)

絵里「自分にウソをついて、迷ってばかり・・・」

ギュッ

絵里「!」

穂乃果「・・・」ギュウッ

絵里「ほ、穂乃果? 急に抱きしめてどうしたの?」

穂乃果「絵里ちゃんの体あったかい・・・」

絵里「・・・ふふ、なによそれ」

穂乃果「えへへ・・・」

絵里「・・・穂乃果の体も温かい」ギュッ

穂乃果「不思議だね。お互いあったかく感じ合うなんて・・・」

絵里「たしかにね」

穂乃果(急に抱きついたのは、さっきの絵里ちゃんのマネっこ。さすがにキスは穂乃果にはまだ恥ずかしいや)

穂乃果「・・・絵里ちゃんは私に抱きしめられて、ドキドキしないの?」

絵里「・・・するわ。心臓が破裂しそうなほど・・・」

穂乃果「じゃあ迷う必要なんかないじゃない。絵里ちゃんは穂乃果のことが好きなんだ」

絵里「・・・ええ、私は穂乃果が好き・・・どうやら疑う余地のないくらい」

穂乃果「うん・・・」

穂乃果(絵里ちゃんも不安だったんだね・・・きっと私とおんなじくらいに)

穂乃果(そう考えると、いつのまにか体が勝手に動いていたんだよ、絵里ちゃん)

穂乃果(だから、急に抱きついてごめん、なんて言わないから)

穂乃果(そして、ありがとう絵里ちゃん)

穂乃果(絵里ちゃんのことを思っていたら、いつのまにか穂乃果の不安も消えていたよ)

穂乃果(きっと、これが好き同士ってやつなんだね)

穂乃果(今、穂乃果はとっても幸せな気分だよ)

穂乃果(そして、きっと絵里ちゃんも)



絵里「でも、生徒会室で急に抱きつくなんて、穂乃果は恥ずかしい子ね」クスクス

穂乃果「・・・それ絵里ちゃんが言う?」

穂乃果(突然キスするハレンチな上級生のくせに・・・)

絵里「だって穂乃果は生徒会長なのよ?」

穂乃果「絵里ちゃんが黙っとけばバレないよ」

絵里「そうかしら」

穂乃果「そうだよ」



穂乃果(絵里ちゃんの肩越しにふと空を見上げたら、さっきの入道雲はもうかなり遠くのほうへ行ってしまってた・・・)

穂乃果(知らない間に動いてしまっているもの)

穂乃果(恋なんてそんなものだと言ってしまえば簡単だけど)

穂乃果(これからも、不安になったり、とまどったりするはずだよね)

穂乃果(でも、きっと絵里ちゃんと一緒だったら、こうしてまたふたりで乗り越えていけばいい・・・)

穂乃果「そうだよね、絵里ちゃん♪」

絵里「え? なによ」

穂乃果「ううん。なんでもない」

絵里「ヘンな穂乃果ね」

穂乃果(私たちは恋人同士なんだから!)ギュゥッ

絵里「い、痛いわ、穂乃果・・・」

穂乃果「我慢して!」ギュウッ

絵里「えぇー・・・」

穂乃果(絵里ちゃん大好きっ!)

おわりです
お読みいただきありがとうございました
駄文失礼しました

センス無いな

>>34
うるせー

>>34
センスないとか下手とか当たり前のことをバカみたいに言うとかいらんねん
中身に関する感想を書けバカ

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