【ミリシタ】P「【ば】のつく日常」 (34)

 
このSSは「アイドルマスター ミリオンライブ! シアターデイズ」のSSとなります。
 
台本形式です。
 

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1499607805

紬「もしかして、あなたは……バカなのですか?」

P「いや、違う……とは思うんだけど」

紬「全く……では何故私が呆れているのかご理解いただけていますか?」

P「ええと……何でだろう」

紬「今日は一緒に、再びあの店に和スイーツを食べに行く約束をしていたではありませんか」

P「あっ、そうだった! すぐに用事を片づけるからちょっと待っていてくれ!」

紬「全くもう……」

 
このみ「今日のライブの打ち上げは……ここにしましょうか!」
 
http://imgur.com/FXEHE05
 

 
 
紬「もしかして、ここは……バーなのですか?」

 
 
このみ「あっ、そうだったわね。今日は紬ちゃんがいるのよね」


P「ですね。なので今日はファミレスにしましょうか」

このみ「うーん、でも今日はせっかくいい気分なんだし、お酒飲みたいわねー」

P「だったらそうですね、少し高いですがこの辺りに美味しいイタリア料理のお店があるんですよ。そっち行きましょうか」

このみ「さっすがプロデューサー! たまにはワインもいいわよね~♪」

P「紬は大丈夫か?」

紬「はい、私もそこで構いません」

P「それじゃ行きましょうか。あ、紬の分はある程度俺が持ちますけど、このみさんは自分の分は自分でお願いしますよ」

このみ「え~、紬ちゃんだけズルい~。ね、紬ちゃんもそう思うわよね?」

紬「そうですね。私は大丈夫ですので、全員で自分で食事した分は自分で払うべきかと」

このみ「そっち~?!」

 
 
真「あちゃー……また女の子からのラブレターが大量に……」

 
 

 
 
紬「もしかして、あなたは……バイなのですか?」

 
 
真「ち、違うよ!?」


紬「では何故、このようなお手紙を沢山」

真「うーん、やっぱりボクのルックスが問題なんじゃないかなぁ」

紬「ルックス?」

真「ほら、ボクってさ。男の子っぽいじゃない?」

紬「そうは思いませんが」

真「……え?」

紬「確かに非常に凛々しいとは思えます。その凛々しさを活かした仕事なども、沢山お受けしている場面も、見た事があります」

紬「しかしあなたは愛らしくありたい、と努力を続けている。その姿は大和撫子に通じるものを私は感じます」

紬「ですので私は男性らしい、とは感じません。むしろその姿勢から、アイドルとしての立ち振る舞いを、学びとっていかなければと感じております」

真「……!」

紬「……真さん?」

真「紬さん……ううん、紬師匠!」

紬「し、師匠!? う、うちはそんなんじゃなくて」

真「こちらこそ、精一杯、学ばせていただきます! よろしくお願いします!」

紬「やから、うちはそんな……なんなん……」


響「プロデューサー、見てくれ! この前のアメリカロケで撮ってきた写真だぞ!」

P「おお、凄いじゃないか。色んな動物と触れあえたんだな」

紬「こんにちは、プロデューサー。……あら?」

響「はいさいっ、紬! この前のアメリカロケの写真、紬も一緒に見て欲しいな!」

 
 
http://imgur.com/2mrSAk4

 
 

 
 
紬「もしかして、この子は……バクなのですか?」

 
 
響「よくわかったなー! バクのバク彦だぞ!」


P「野生か?」

響「動物園での触れ合い体験だったから、残念だけど野生ではなかったぞ」

紬「触れ合い体験、ですか」

響「んー? どうしたんだ紬?」

紬「いえ……動物にはあまり、いい思い出がなくて。子どもの頃から、私が触れようとすると、動物達が逃げてしまうのです」

響「そうなのかー? 自分は逆に寄ってきちゃって大変なんだけどな」

紬「ですから、響さんのように、多くの動物に好かれる方は少し羨ましいとも感じます。……何かコツがあるんですか?」

響「コツ? コツなんてないぞ?」

紬「そうですか……やはり、体質なのでしょうか……」

響「うーんとね、動物と触れ合う時に、体質だとか、あんまり難しく考えたらダメだと自分は思うぞ」

紬「では、どうすれば」

響「思いっきり、『好きだー!』とか『可愛い!』って思いながら触ってあげるのが一番! 動物達は賢いから、こっちが何か考えてると警戒しちゃうんだ」

紬「思い切り、好きだー、ですか……」

響「うんうん、ほら、じゃあ早速練習だぞ! 自分に続いて大きな声で叫ぶんだ!」

紬「え、ええっ?」

響「せーのっ、好きだー!」

紬「す、好きだー……」

響「そんなんじゃ全然ダメ! もっとライブの時みたいに!」

紬「好き、だー!」

響「あともう一声! 紬なら大丈夫、行けるぞ!」

紬「好き、やー!!!」

美咲「……つ、紬ちゃん?」

紬「はっ!?」

美咲「ええと、プロデューサーへの愛の告白をするのはいいんですけれど……その、出来れば場所を選んで欲しいな……と」

紬「ち、違うんです美咲さんこれはその、あの、とにかく違、違いねー!!!」

響「おおっ、その調子だぞ紬っ!」

P「いや、まずは美咲さんの誤解を解かなくちゃ……」

 
紬「……あら?」

 
 
http://imgur.com/h222TqQ

 
 

紬「ひっ……もしかして、これは……ば、バグなのですか……?」

杏奈「あ……紬さん……それ……一回アプリ……落とさないと……直らない……」

紬「お、驚きました。まさかいきなりあのような……」

杏奈「このゲーム……リリースされた……ばかり……だから……まだ……不安定……」

紬「なるほど……」

杏奈「でも……意外……紬さんが……ゲーム……するなんて……」

紬「そう、ですか?」

杏奈「うん……そういうの……やらない人……かなって……思ってた……」

紬「そうですね。いつもならば、このようなゲームには手を出す事はありません。しかし……」

杏奈「しかし……?」

紬「私が悩んでいる時、百合子さんに勧められたんです。このゲームでリズム感を磨いていたのがライブで役に立った、と……」

杏奈「……そっか」

紬「あの……このゲームを、杏奈さんもやっていらっしゃるのですか?」

杏奈「うん……百合子さんに……勧めたの……杏奈……」

紬「そうだったんですか。でしたら、その……フレンド、というものになっていただけませんか?」

杏奈「杏奈も……そう……言おうと……思ってた……よろしく……お願いします……」

紬「こちらこそ、よろしくお願いします。杏奈さん」

杏奈「……えへへ」

紗代子「~♪」

紬「ここから……?」

紗代子「あ、紬さん。こんにちは!」

 
 
http://imgur.com/onaWg0h

 
 

 
 
紬「もしかして、この音色は……バスなのですか?」

 
 
紗代子「うん! 今度のライブ……ううん、音楽フェスティバルで交響曲をみんなで演奏する事になって! コントラバスを練習していると所なの」


紬「あ、アイドルというのはそういった仕事もなされるのですか!?」

紗代子「ま、まぁ私たちの事務所は色々特別らしくて……でも、挑戦しがいがあって気合いが入るよっ」

紬「そ、そうなんですか……ちなみに、紗代子さんはコントラバスのご経験は?」

紗代子「ないよ?」

紬「え、ええっ!?」

紗代子「でも大丈夫、気合いで何とかするから!」

紬「流石に無理があると思うんですが……」

紗代子「そうでもないよ、気合いっていうのはとっても大事」

紬「それでも、難しい物は難しい物です。演奏経験のない紗代子さんにコントラバスを任せるとは、プロデューサーは一体何を考えて……」

紗代子「あ、コントラバスを志望したのは私からだよ」

紬「何故、ですか? 演奏経験がない、練習時間も限られている、非常に難しい事はわかっていたはずです」

紗代子「だからこそ、だよ。紬さん、アイドルってどんな存在だと思う?」

紬「どのような存在……それこそ、元となった言語である、偶像のような」

紗代子「私はそうは思ってない。アイドルっていうのは、みんなに希望を与える存在だと思ってる」

紬「希望……」

紗代子「私達はいつだって挑戦してる! 私達はいつだって頑張ってる! それを証明する事で、私達はみんなに希望を与え続けるの」

紬「ですが……紗代子さんは、失敗する事が、怖くはないのですか?」

紗代子「怖いよ。でも、失敗してしまうから挑戦しないっていうのは違うと思う。だって世の中に、失敗が存在しない事なんて一つもないんだから」

紬「……なるほど」

紗代子「だから今回も絶対に成功させるつもり。紬さん、もし時間が空いてたら……」

紬「もちろんです。紗代子さん達の演奏会、紗代子さん達の努力の結晶を、是非拝見させていただきます」

紗代子「うん! じゃあ更に練習、頑張らないと!」


紬「……何か、落ちていますね」


http://imgur.com/IHsyKAs


 
 
紬「もしかして、これは……撥、なのですか?」

 
 
エミリー「あ、紬さん。お疲れ様です!」


紬「お疲れ様です、エミリーさん。こちらの撥なのですが、どなたの物かわかりますか?」

エミリー「Wow! すみません紬さん、それは私のものなんです……」

紬「エミリーさんの物でしたか。しかしどうして、レッスン場に」

エミリー「実は、様々な日本文化に触れる一環として、千鶴さんや美奈子さんに、余った時間に三味線を教わっているのです」

紬「千鶴さんと美奈子さん? あの二人は三味線が弾けるのですか?」

エミリー「そうですね。なんでも、新春ライブのために練習したとか……」

紬「……何でもするのですね、この事務所は」

エミリー「あはは……それで、今日もお二人のお稽古を受けようと思っていたのですが、準備している最中に電話がかかってきてしまい……」

紬「なるほど。そこで私と入れ違いになってしまった、という事ですか」

エミリー「そういう事だと思います。でも、電話がかかってきたからと言って、お稽古の道具を放置するのはいけませんよね」

紬「そうですね。少なくとも、踏まれないような場所に移動はしておいた方がよいかと思います」

エミリー「申し訳ありません……」

紬「……ただ、エミリーさんが、この撥を大事にしてきたのだということはわかります。手入れも行き届いていますから」

エミリー「はい! お稽古のない日も、毎日チェックしています!」

紬「なるほど……そうですね、ではこれから時間もありますし、三人の稽古を見学させていただいてもよろしいですか?」

エミリー「紬さんも、ですか? とても嬉しいです! よろしくお願いします!」

紬「こちらこそ、よろしくお願いします。エミリーさん」

亜美「……」

真美「……」

紬「……」

亜美「ね、ねーねーつむつむ、そろそろ足が限界なんだけど……」

紬「……」

真美「真美も、足がビリビリして全身痺れちゃいそうだよ……」

 
 
http://imgur.com/cAGB1Ls

 
 

 
 
紬「……これは、罰ですから。もう少し反省していただかないと」

 
 
真美「抹茶プリンを勝手に食べちゃったのは謝ったじゃーん……」


亜美「そ、それにちゃんと新しいのを買ってくるって約束したよね?」

紬「それとこれとは話が別です。私はあなた達が人の物を勝手に食べた事に対して、罰を与えています」

亜美「だってぇ、美味しそうだったんだもん」

真美「レッスン後の疲れて甘いものを欲しがるカ・ラ・ダ、冷蔵庫を開けたらそこには抹茶プリンが! これは食べるしかないっしょ→」

紬「だらんなっとんなまいやぁ!!」

亜美&真美『ひぃっ!?』

紬「……こほん。プロデューサーから聞いています。あなた方二人は、この事務所のトラブルメーカーであると」

真美「えへへ、照れますなー」

紬「褒めてませんから。そしてプロデューサーもそろそろ一度、お灸をすえるべきであると言っていました」

亜美「あれ? お灸って気持ちいいんじゃないの? このみんがそう言ってたよ?」

紬「慣れてる人じゃないと辛いんです。……とにかく、二人にはもっと反省していただかなければなりません」

真美「うえー。正座以外にまだ何かするのー?」

紬「というワケで美奈子さんに来ていただきました」

美奈子「どうもどうもー」

亜美「みな」

真美「りん?」

紬「はい。亜美さんと真美さんは、どうも甘いものがお好きなようでしたので」

美奈子「なら私の出番ですね! と」

亜美「待ってみなりん、その手に持ってるのは」

美奈子「ゴマ団子です! 沢山作ってきたので、たっくさん食べてね!」

真美「うあうあ→そんなに沢山、二人じゃ食べきれないYO!」

美奈子「大丈夫! 亜美ちゃんも真美ちゃんも、成長期だから!」

亜美「根拠になってないよー!!」

 
 
 
紬「……美奈子さん」


美奈子「なんですか?」

紬「その……あとでお一つ、いただいてもよろしいですか?」

美奈子「もっちろん!」
 

朋花「どうしましょうか~……」

紬「朋花さん。こんばんは」

朋花「紬さん、こんばんは~」

 
 
http://imgur.com/igzewXv

 
 

 
 
紬「その手に持っているのはもしかして……バラ、なのですか?」

 
 
朋花「はい~。騎士団の一人からいただきまして~。ただ、これ以上、部屋に持ち込むのも……」


紬「でしたら、少しでも長持ちするように生け花にして、事務所に飾っておくのはいかがですか? もちろん、プロデューサーに飾る許可を得るのは必要ですが」

朋花「その辺は、朋花の好きにしたらいいとおっしゃっていましたので問題ないかと~。そうですね、それなら生け花にしてあげましょう~」

紬「朋花さんは生け花の心得が?」

朋花「はい~。世界を華やかにするのも、君臨者の役目ですから~」

紬「なるほど……ただ、君臨者関係なく、生け花などの作法に通じているのは素晴らしい事かと思います」

朋花「いえいえ、それほどでも~」

紬「よろしければ、朋花さんの生け花の様子を拝見させていただいてもよろしいでしょうか? 私も多少の心得はありますので」

朋花「……多少どころではない気がするのですけれども?」

紬「時々実家に送られてくる花を生けていた程度ですから。多少、ですよ」

朋花「本当にそうでしょうかね~……そういえば、紬さんのご実家は呉服屋さんだそうで~」

紬「そうですね。こちらの事務所に着物を貸し出した事も何度か」

朋花「はい~。その件ではプロデューサーさんともども、お世話になりました~」

紬「やめてください。仕事、ですから」

朋花「謙遜なさらないでも~。あの着物をお選びになったのは、紬さんなのでしょう?」

紬「……そうですね。皆さんの写真をいただいて、ライブのイメージなどに合った着物を用意しました」

朋花「ですから、お世話になりました、ですよ~。例え人の上に立つ人間であっても、感謝の心を忘れてはいけませんから~」

紬「お言葉、ありがたく受け取らせていただきます」

朋花「さて、時間も遅いですし、手早く終わらせないとお花も悪くなってしまいますし、すぐに準備に取り掛かりましょうか~」

紬「はい!」

P「……zzz」

紬「プロデューサー? ……寝ているのですか」

P「ん……」

紬「っ……よかった。起きてはいないみたいですね」

P「……zzz」

紬「目の下のクマ、隠せてませんよそれじゃあ。今日もみなさん、裏で心配していましたよ」

P「トップ……アイドルに……」

紬「夢の中でも仕事ですか。全く、呆れて物も言えません」

P「紬……」

紬「……私の夢ですか。そんなに私が心配なんですか」

P「大丈夫だ……俺が支えてやる……」

紬「……支える、ですか。支えなくてはならないのは、私達の方だというのに」

紬「全く……」

 
 
紬「本当に、あなたは……バカなんですから」

 
 
 

本当は【ば】のつく言葉で紬ちゃんがボケ倒すSSだったのですが、それよりも、色んな子達とどんどん絡ませていきたいと思い、このような形になりました。

紬ちゃんから愛のある「バカ」を言われたい。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

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