僕「マスターボールで」女「つかまえて」 (60)

女「じゃあ、付き合ってくれる?」

僕「付き合いたいよ、でも……」

彼女と会ったのはこれが初めてだった。
空気が冷たく、息が白くなる12月。
ただ、僕たちはお互いに誰よりも側にいて、それなのに手が届かないほど遠くにいた。
誰よりも大切な存在だからこそ、この距離は縮まらない。
それでも、僕はこの日をずっと待ち続けていた。
本当なら、会えるのなんてこれから何年先の話になるのかわからなかったから。

チャラ男「マスターボールで捕まえちゃったッス~www」

>>1「あへぇ」

女「ひ、ひぃっ、変態!」

お互いに大切だと言い合って、それでも僕たちの関係はすれ違いばかりだった。
僕「今の彼女としっかりと別れてからだよ、そうじゃないと付き合えない」

女「分かってるよ…でも、付き合いたいって思ってくれたなら、それだけで嬉しいよ」

こんな事になるのなら、僕は別の道を選んで居たのだろう。
あの時ああしていれば、あの時こうしていれば。
まるでゲームで負けた時のようにグルグル思考が回る。
起こるはずのない奇跡ばかり考えてしまった。
……。
その瞬間、心の奥がズキズキと痛み、まるで「めのまえがまっくらになった」ように感じた。

女「ど、どうしてなの……?男くんっ!」

男「だってぇ、チャラ男くんのマスターボールで捕まえちゃったし?」

チャラ男「そういうことっスよwwwさて男くん一緒にホテル行こうかwww」

……。

僕は新たな冒険に踏み出す。
小学生の時の僕はポケモンが好きだった。
「レックウザ最強!」「カイオーガ最強!」
「お前南の孤島のチケット持ってるの!?レコードまぜてよ」
「幻のポケモン、ジラーチとデオキシスってのがいるらしいぜ!」
当時RSが発売した時は友達内でもすごく流行っていた。
「レコード混ぜよう!」「俺のlv.100に勝てんの?」
あの時の冒険は、キラキラと輝いて見えるくらいに、毎日が楽しかった。
カッコいいポケモン、僕が育て上げたlv.100
ただ夢中でポケモンをやった。


でも、中学生になる頃には友達の中にポケモンをやってる人は居なくなっていた。
僕も「ポケモンなんて子供向けだろ~」なんて言っていた。
本当はどこかでポケモンを捨てきれなかったのに、周りの友達の話に入りたくて、そんな恥ずかしい事なんか言えなくなっていた。

高校に入ってDPPtやHGSSが発売してから少しだけ意見は違った。
プレイもしていないのに知識ばっかりインターネットから寄せ集め、偏ってしまっていた。
周りの友人で、ポケモンをやっている友達は楽しそうだった。
「俺の嫁のグレイシアに勝てると思ってんの?」
「は?俺のライコウの気合玉で一撃だから!」

そんな楽しそうにポケモンをしている友達の横で、僕はなぜか中学の頃のように見えを張っていた。
僕「乱数で高個体値出してテンプレパでWi-Fi潜るだけだろ?」

「まぁ、そうっちゃそうなんだけど…」

この時友達少し嫌そうな顔をしていた。
そんな偏った知識ばかりで、ポケモンをプレイする事をやめたままだった。
本当のポケモンの楽しさは別にバトルとかじゃないはずなのに、その時の僕はまだ知るよしもない。
プレイしてない人間が何を…と思われても仕方ないのだが、この時の僕は「いじっぱり」になっていた。

僕がまた旅を再開したのは大学に入ってからだ。
周りの友達や、サークルメンバーでポケモン好きが大勢いて、初めて本格的にポケモンをやろうと思った。
僕はお財布を握りしめ近くのゲームショップにDSiとポケモンBWを買いに向かい、家に帰り速攻でプレイを開始した。

僕(まぁ、乱数調整して努力値正確に振ればチョロいチョロい…)

そんなことを考えていた自分はすぐにつまづくとは思ってもいなかった。
ストーリーを初めて思った「すごくワクワクする」
僕はまたポケモンの世界が大好きになれた。
しかし、ストーリーをクリアしたが、乱数調整がうまくできなかった。
そもそも強いと言われるガブリアスに進化するフカマルが野生で出てこない。
夢特性なんて聞いたこともなかった。PDWをパソコンでやらないと手に入らないと聞いて必死に夢特性を集め始めた。
まだまだストーリーをクリアした程度ではスタートラインに立っただけだと思い知らされた。

僕「先輩、フカマルください!なんか、すごくポケモンにハマっちゃって…」
先輩「他に欲しいのは?出せるポケモンならいくらでも出すよ」
ポケモンがあったからこそ、僕はより先輩たちと仲良くなれた気がした。
何よりも、あの頃と同じように本当に楽しくポケモンがプレイできていた。
しばらくして、乱数調整を覚えた。
PDWで、加速アチャモも手に入れたし、メジャーポケモンの育成もした。
この時、ポケモンをやらなくなった時期があった事を後悔した。
大学の友人たちからも「強くなったよね」と言われるまでになった。
バトルサブウェイも全スーパートレインのサブウェイマスターも倒して、トロフィーを並べた。
卒業する先輩から、大切にしていた相棒のスイクンを貰った。
その先輩が必ずパーティーに入れてた、大切なポケモンを僕が引き継いだ。
僕はポケモンが好きになれてよかったと、本気でそう思えた。

だからこそ、もう一つの大きな目標を立てた。

僕「全国図鑑の完成を、しっかりと646匹すべてボックスに埋めて達成させる!」

友「俺たちも手伝うよ。今はWi-Fiもあるから根気よく集めればいけると思うよ!頑張れ!」

その年の夏休みはポケモン一色だった。
卵を返し、孵化してタブンネボムをする。
進化したらボックスに並べる。その合間に手に入らないポケモンはWi-Fiで交換して図鑑を埋める。
もちろん、1日1回かならずPDWもする、そんな夏休みだった。
サークルメンバーの協力やWi-Fiもあり、ほとんどのポケモンが埋まっていった。
しかし、どうしても最後の一匹になった「マナフィ」が手に入らなかった。
一応全国図鑑には反映されないので、所持が必要なわけではないのだけれども、1匹なしの状態で図鑑完成の表彰状はもらいたくなかった。
ここまで来て挫折はしたくないと、僕はSNSで交換希望を貼り出した。

数日後、SNSのダイレクトメールに新着が付いていた。

女さん
「初めまして、女と申します。
掲示板を拝見したのですが、よろしければマナフィ交換しませんか?検討お願いします。」

僕は待っていた最後の1匹のマナフィが手に入ると思い、嬉しくなりすぐに交換希望の返事を出した。
返事はすぐ帰ってきた。僕はフレンドコードを打ち込み、すぐにWi-Fiに潜った。
無事にマナフィと交換が終了し、図鑑完成を見事達成した。
この時僕は興奮しすぎて普段であれば長文の返事なんて書かないのに、長文で感謝と嬉しさの返事を「神速」で送っていた。
もちろん、全国図鑑表彰状の画像を載せて。

交換した直後だったこともあり、返事もすぐにきた。
女「全国図鑑完成おめでとうございます!私なんて図鑑完成なんてさせようと思ったことがなかったので、しかも私のマナフィが最後の1匹だったなんて、なんか私まで嬉しくなりました!よければ今後も仲良くしませんか?」

彼女の突然の問いかけに僕はすこし驚いたが、ネットの友人は他にも何人もいたので特別に気にはしなかった。
それに、ポケモンのことを話せる友達が増えるのは今の僕にとっては嬉しいことだった。


僕「いいですよ、僕なんかでよければ!
ぜひ、仲良くしてくださいね!」

それから、たくさん彼女と話をした。
お互いにポケモンが大好きなので話す話題は尽きなかった。
すこしの時間が流れ、気が付いた時には大学の友人…もしかしたら家族よりもたくさんの会話をしていたかもしれない。
ポケモンのキャラクターの中で誰が一番好きか、ポケモンならどのポケモンが好きか、何タイプが好きか。
そんな小さな話題でもすごくたくさんの会話ができた。
お互いに、ポケモンが好きだという共通点しか無かったのに、僕は彼女との会話が楽しくて楽しくてたまらなかった。

彼女と仲良くなるにつれて、話の内容がポケモンの話から変わり、家族の話、抱えてる問題、いろんな事を話した。
僕と彼女の距離は次第にSNSから個人メール、そして電話をするまでになっていた。

女「なんかさ、家族の中に自分の居場所なんてないんじゃないかーって…考えたりさ」

彼女が抱えてる問題は、良くテレビや雑誌で見るような、それでいて答えが難しい問題ばかりだった。
彼女の事を知りたい、彼女の力になりたい。
オスのミツハニーくらいしか、役に立たないかも知れないけれども、それでもすこしでも支えたいと思った。
逆にこっちの相談に乗ってもらう事もあった。
僕もお世辞にもあまりいい生活環境とは言えず、このままでいたらなんの楽しみもなく、何も出来ずにここで死ぬだけだと思っている事も、大学の友達には言えないのに彼女にはすんなり伝えられた。

僕「居場所なんて、求めて出来るものじゃないよ、それこそ家族の輪なんて居場所にすらないない人もいるからね」
女「それ、自分に言い聞かせてる?」
僕「そのうちさ、家でたいからね。このまま死にたくないし」
女「応援してるよ、僕くんなら大丈夫だよ」

季節が流れるのは速い。
彼女と出会い、毎日が楽しくて、小さな言葉一つで勇気がもらえたり…。
うまく言葉にはできないけど…支えるつもりが逆に支えられたりもした。

女「ここに自分の場所がないのは分かってる…分かってるんだけどね、時々どうしても耐えられなくなるんだ…」

その言葉は、いつもの彼女からは想像できないほど弱々しくて、僕の心に大きな波を立てて響いた。

外では桜が咲いている。
部屋の外は暗くて、月だけは静かにキラキラ輝いて、その月明かりに桜の花びらが照らされる。
きっと、こんな言葉が出るのも、月明かりに魅入られたからなんだろう。
きっと「こんらん」しているからだ。

僕「僕はさ、女ちゃんの居場所に慣れないかな?僕は女ちゃんの事が好きなんだよ。」

月明かりが綺麗な夜、熱くなく過ごしやすい天気。
それなのに、それなのに僕の体は熱く、胸鼓はうるさいくらいなっていた。
自分が口に出している言葉の意味は分かっている。
本当ならそんな度胸はない。「浮遊」に交代読みで「地震」を出すくらい無茶苦茶な選択だと思ってるはずなのに、口にしたのは「こんらん」がとけてないからなんだ。

女「私も僕くんのこと好きだよ?誰よりも」

彼女の返事は僕の考えとは違っていた。
確かに嫌いとまではいかないと思てたのだけれど。
だからこそ、彼女が思った質問とはきっと違う。

僕「そうじゃなくて、その、女性として…」

「こんらん」がとければ、自分の言った言葉が恥ずかしくてたまらなくなった。
それ以上に、彼女の答えが怖くて仕方なかった。

女「それって付き合いたいって…事なの?」

彼女の返事は、冷たく、刺さるような声だった。
でも、僕にはなぜか、どこか寂しげに聞こえた。

女「あはは、あった事ないのに何言ってんだか…」

いつもの彼女とは違う、どこか冷たい、まるで知らない人のような声。

僕「それでも…好きになっちゃったんだよ」

気が付いた時には、彼女は僕にとってのかけがえのない人になっていた。
僕は、彼女の声をそれ以上聞きたくなかった。
でも、此処で電話を着れば今の関係は終わると思った。
だからこそ、怖くても電話を着れずにいた。

女「僕くんの事はすごく、すごく大好きだよ?かけがえのない存在で、誰にもとられたくないって思ってる…でも、今は誰とも付き合いたいって思えないんだ…」

彼女から聞いていた話の一つに元カレの話があった。
お世辞にも良い恋愛だったなんて、言えないくらい酷い内容だった。
だからこそ、彼女にとって一番の彼氏になって守ってあげたいって思ったんだと思う。

でも、僕はそれ以上言葉を続ける事ができなかった。
今の関係を壊してしまったかもしれない…もしかしたら、もう友達でいられなくなるかもしれない…。
そんな事ばかり考えていた。

すこしの沈黙の後、先に声を出したのは彼女だった。

女「じゃあさ、80歳になってもお互い好きでいられたら、付き合おう」

彼女から冗談のような、言葉が出た。
もしかしたら、この場を…この関係を繋ぎ止めておくための嘘だったのかもしれない。
でも、今の僕にはその言葉がすごく嬉しくて、暖かい言葉に感じた。

僕「うん、大丈夫だよ。女ちゃんになら、80歳どころか死ぬまで好きな自信あるから」

女「ふ…あはは!私もきっと好きなまんまだと思うよ。他に大切だと思える人出来るなんて思えないもん」

彼女はまた、明るく笑っていた。

途中ですが寝ます…もし明日起きてスレ残ってたら続き書かせていただきます…

僕は大学2年になった。
それからも彼女とは一番近くて、一番遠くにいる関係を続けた。
変わった事は電話の頻度が少しだけ下がった。
理由は携帯代がえらい事になってしまったから。
電話料金の話を時に、彼女からかける事も提案されたが、
「それは、男としてダメだと思うから…」とキッパリ断った。
おかげで僕は彼女のためにバイトに熱を入れていく事になる。

僕「今日さ、こんな事があって~…」

僕「へ~…私の方もさ…」

それでも、毎日どうでもいいような日々の出来事をメールでやり取りできるだけで幸せだった。
たまにする電話が格段に嬉しくなった。
でも、同時に彼女の言葉や反応や思い出すとどこか寂しさを覚えていた。

バイト終わりにたまにポケモンセンターへ行く。
ポケモンが大好きになっていた僕には天国に思える空間で、店員の挨拶だけで現実なのにどこかにファンタジーな要素を感じてしまう。
気が付けば店員さんとも仲良くなりすっかり顔なじみになっていた。
ぶらりと店内を一周した後、決まってユニオンルームへ行く。
そこで対戦や交換など、知らない相手とコミュニケーションをとるのがまた、楽しくてたまらなかった。

天然「あの…よければ対戦しませんか…?」

僕「あ、はい!いいで…すよ」

僕はまさか、同い年くらいの女の子に現実で直接話しかけられるなんて思っていなかった。
いくらユニオンルームにいると言ってもユニオンルームで、DSのユニオンルームに入って通信しかした事が無かったから…。

そうして、彼女とのバトルが始まった。
ルールはシングル6350。
バトル展開は一方的に終わってしまった。
僕の蝶舞ウルガモスで3タテが決まってしまったからだ。
このままだと、あまりにも空気が悪いので話を変てみた。

僕「あの、好きなポケモンってどの子ですか?」

僕は正直やり過ぎた…っと思ってしまった。
相手のレベルを見極めて、もう少し弱いポケモンを連れて来ればと後悔した。

天然「えっと…私ルカリオが好きです!」

さっきのバトルでエッジが外れた上に大文字で瀕死になったポケモンだった…。

僕「正直あそこでエッジを当てられてたら負けてました」

天然「え!そうだったんですか?うーん…このルカリオくんバトルに出したの久しぶりだから拗ねちゃったのかなぁ…」

エッジはやっぱりここ一番の時に外すことが多い。
このバトルでも、やっぱりそう感じた。

僕「そういえば、今日は買い物ですか?何かお目当てのルカリオグッズとか…」

天然「いえ!今日は野良バトルしに来たんです。学校帰りなのでよく来るので…」

彼女は可愛らしい容姿をしていた。
彼女からとはいえ、仲良くなれる機会が出来たのに、何か行動を起こさないと勿体無いと思ってしまった。

僕「正直あそこでエッジを当てられてたら負けてました」

天然「え!そうだったんですか?うーん…このルカリオくんバトルに出したの久しぶりだから拗ねちゃったのかなぁ…」

エッジはやっぱりここ一番の時に外すことが多い。
このバトルでも、やっぱりそう感じた。
しかし、こういう攻撃だからこそ当てた時に本来はないはずな信頼的な物をポケモンから感じることがある。
彼女もその事を言っているのだろう。

僕「そういえば、今日は買い物ですか?何かお目当てのルカリオグッズとか…」

天然「いえ!今日は野良バトルしに来たんです。学校帰りなのでよく来るので…」

彼女は可愛らしい容姿をしていた。
彼女からとはいえ、仲良くなれる機会が出来たのに、何か行動を起こさないと勿体無いと思ってしまった。

僕「よければ、どこかでご飯でもどうですか?」

女の子にこんな風に声をかけたことなんて一度もなかった。
僕はオタクで引きこもってた時期もあったし、そんな勇気なんてないと思っていた。
でも、自然と言葉に出てしまっていた。
不思議と目を逸らしたり、言葉が詰まったり、噛んだり、動揺や緊張はしていなかった。

天然「いいですよ?どこでご飯しますか?この近くだと…マクドナルドとか…」

彼女の言葉を聞き、ポケモンのハッピーセットの事を思い出した。

僕「確か今マクドナルドでポケモンの何かやってませんでしたっけ?」

天然「あ!やってたかも!!じゃあマクドナルドに決定~!いきましょー!」

彼女は元気よくユニオンルームを出て行った。
入り口付近でこちらに振り向き、笑顔を見せた。
その後を僕は追った。

仕事終わったら描きますのでしばしお待ちを…

マクドナルドに着き、気がついたことがある。
ポケモンハッピーセットは先週までだった。

僕「ごめん…もう終わってたみたいだね」

天然「ま、ポケモンが無くともメインは食事ですし、注文しましょうよ」

彼女が僕の気持ちを察してくれたのか声をかけてくれた。
近くにいる人の優しさが、暖かさが心地よくなった。
…でも、心の何処かで女の事を思っていた。

僕「じゃあ、これとこれと…」

天然「そんなに食べるんですか!?」

僕「え?うん、結構食べる方なんだ」

天然「でも、セット2つ食べて、気持ち悪くなったりしません?」

僕「特には…変かな?」

天然「いえ、変じゃないですけど…人は見た目によりませんね」

僕はベーコンレタスバーガーのセット、ハンバーガーのセットを注文した。
彼女はすこし迷いながらもチーズバーガーセットを注文していた。

店内は比較的に空いていて、座る所には困らなかった。

天然「僕さんは好きなポケモンはどの子なんですか?」

僕「全部好きってのは無し?」

天然「ふふ、欲張りですね~。でも私も一匹答えたので僕さんも答えてくださいよ」

僕「うーん、ピカチュウかなぁ、この間のイベントで電気玉も手に入れたし…」

天然「え!!電気玉持ってるんですか?」

BWは電気玉の入手が困難で、ピカチュウを使いたい人は否応無しになんらかのイベントで入手するしかなかった。
だからこそ、電気玉はピカチュウ育成する人には喉から手が出るほど欲しいものだった。

天然「本当にポケモンが好きなんですね」

僕「今はそうなんだけど、一回中学の頃子供向けだ~なんて言って離れたから、今作からの復帰勢だよ」

天然「意外ですね、でもわかります。私の周りもやめてく人結構いて…」

僕「でも、僕は久しぶりに再会したらポケモンの面白さにどっぷりだったよ、友達もできたし天然ちゃんと知り合えたしね」

そう言われた彼女はほんの少しだけど顔が赤くなった…ような気がした。
そんな他愛もない話をしながら食べていたら時間が過ぎるのはあっという間だった。


僕「あ、よかったらメールアドレス交換しませんか?」

ただ、ポケモンが大好きで遊べる人が欲しかっただけだった。
それ以上は特別な感情なんて、本当になかった。
可愛らしい子だと思ったけど本当に、本当にそれだけのことだった。
僕は女ちゃんにしか、そういう感情を持てなかった。

その後彼女がそろそろ帰るとのことだったので僕も帰ることにし、お互い逆方向の電車に乗った。
女ちゃんには、新しくポケモン友達ができたとだけ伝えた。

女「ふーん?それって女の人?」

僕「嫉妬してくれてるの?嬉しいな。女の人だけど、僕は女ちゃん一筋だからね」

女「はいはい…」

そんな会話をした。
それから、何度か天然ちゃんとメールのやり取りをして、天然と何度か二人きりで遊んだりもした。

…そんな時に気がつかなければ良かっただけの事なのに、気がついてしまった。

天然「僕さん…あの…手握ってもいいですか?」

天然「僕さんは恋人いるんですよね…?」

天然「また、会って遊んでくれます?渡したいものがあるので…」

何度か遊んだ時の会話を思い出した。
最初の頃は気にしていなかったし、ただの友達の行動と思っていたけれど、こうして思い返すと…。

そもそも彼女から最初に声をかけて来た時点で、彼女からのアップローチだったのかもしれない。
僕はどうすればいいのか分からずに、女ちゃんに電話していた。

彼から久しぶりに電話がかかって来た。
メールはいつもやり取りしているとはいえ、電話はやっぱり一段と嬉しい。
電話料金の話をされた際に、私からかける事も提案したが
「それは、男としてダメだと思うから…」と断られてしまった。
だから、私はしっかりと彼からの電話を待っているし、それがすごく待ち遠しい。

私は彼からの電話にすぐに出た。
いつものように他愛もない話だと思っていたけれど、違った。
僕「あのさ、もう一度しっかり言わせて欲しいんだけど…」

女「ん?何を?」

僕「僕は、女の事が大好き、付き合いたい。」


女「前にも言ったけど、付き合えないよ。でも、僕の事は本当に大切なの、この関係のままでいたいの。」

紛れも無い本心からの言葉。
私はもうすでに彼に依存してしまっていると思う。
でも、きっと彼氏になってもらったら余計に寂しくなるし、もしかしたら今の関係が崩れてしまうかもしれない。
私はそれが嫌だった。

女「でも、またどうしてそんな事言ってきたの?」

僕「実は、他に気になる子が出来たんだ。女と付き合えるのなら、きっぱり諦めるつもりだったんだけど、結局、友達でしかないんだよね」

女「うん、友達だからね。その子と付き合うなら好きにしたら、じゃあね」

苛立ちと寂しさと切なさ。
結局、彼の言った言葉が嘘にしか聞こえなかった。
大好きなんて嘘。付き合えるのならきっと、誰でも良かったんだ。
私は悲しくてたまらなくなり、そのまま布団に倒れこむ。
自分で止めれば良かったのに、止められなかった。
私はそのまま泣き崩れて、そのまま疲れて寝てしまった。

女との電話の翌日。
僕は天然と遊ぶ約束をしていた、ツンデレと付き合えていたのなら、この日を最後にキッパリ天然とはサヨナラするはずだった日。

でも、そうはならなかった日。
天然とぶらりと歩き始め、色んなところに行ったはずなのに、頭の中は女ちゃんの事でいっぱいだった。
本当に何も覚えてないくらいに…。
日が暮れた公園、隣には天然が座っている。
女ちゃんとは、友達…それ以上には絶対なれない。
本当に大好き人とは一緒になれない、結婚する相手は2番目に好きな人になる…。
そんな事迷信のような言葉を必死に自分に言い聞かせた。

僕「あのさ…僕ってたぶん天然が思ってるほどいい人じゃないし、悪い人だと思う。それでも…いいなら…付き合って欲しい」

どうしても気持ちのどこかで、女ちゃんの事を忘れられなかった。
彼女なら、きっとこの後も友達でいてくれる。
でも、友達でしかいられないなら…。

天然「うん…付き合いたい」

僕は天然と付き合う事になった。
女ちゃんにも、その事をしっかりと伝えた。
女「そっか…」
女ちゃんは今までにないくらいすごく、寂しそうな声をしていた。

それからの彼女とのデートは今までと特に変わりなく、ポケモンセンターに一緒に行ったり、カラオケに行ってポケモンの曲を歌いまくったり、本当に変わりなかった。
彼女が出来たから、女ちゃんとメールの頻度は下がっていた。
月日はまたどんどん流れていく。
それでも、何処かで女ちゃんのことを考えていた。
でも、それを口に出したりは出来なかった。

…。
季節はまた、蝉が五月蝿い夏になった。
暑い夏の日の午後。
彼女から、僕の家に泊まりたいと言ってきた。
駅まで彼女を迎えに行き、家まで一緒に歩いた。
しばらくはポケモンをしたりしていた。

そして、
天然「お風呂借りていい…?」

お互い別々にお風呂に入った。

見てるやで
提案なんやけどいっそ名前決めたらどうだろう

>>52
うーん、名前。イメージなら
女は「ナツメ」で天然は「ヒカリ」がポケモンだと似てるかな…?名前つけたほうが読みやすいですかね?

お風呂から上がったヒカリは体が火照っていて、とても艶めかしかった。

見惚れていると、さらに顔を赤くして俯いた。
こっちまで恥ずかしくなってしまい、僕もお風呂に向かった。

お風呂の中でヒカリの姿を思い出して、悶々とした気持ちでいっぱいだった。
お風呂から上がると、ヒカリはこちらをじっと見つめていた。
恥ずかしくなったのか、ヒカリは布団に潜り込んだ。
後ろから抱きつくような形で僕も布団に入る。
正直、興奮からなのか、この時は頭の中にはナツメの事はなかった。
自分からそういう事を言うのには未経験の僕には出来なかったが、僕の体の一部は「かたくなる」で硬くなっていた…。

その事が恥ずかしくもあり、下心しかないようで嫌で仕方なかった。
それに気がついたのか、彼女が口を開いた。

ヒカリ「あの…しないんですか?」
1人用のグッズで使うためのゴムはあった。
僕は自分の欲望が嫌で素直に話す事を決めた。
僕「ごめんね…。したいんだけど、そう言うのだけだと思われるのが嫌でさ…」
そう言うと、優しくヒカリは抱きしめてくれた。

ヒカリ「大丈夫ですよ…初めては好きな人って決めていましたから。今日はその覚悟できました。」
僕はその言葉を聞き、優しく口づけをした。

エロいの詳しく書いたほうがいい?
苦手だけど書いたほうがよければ頑張るよ!

僕はそのまま、服の上から胸を揉んでみた。
薄いTシャツだけで、ブラジャーは付けていないのか、すごく柔らかく小さくも大きくもない胸の感触はむにゅっとしていた。

ヒカリ「ん…」

ヒカリは口づけをやめ、顔を横に向けた。
その横顔は真っ赤になっていた。
僕は胸から手を動かし、彼女の顔に手を当てる。
とても熱く…それがどうしょうもなく可愛いと思えた。

僕「顔熱い…そんなに恥ずかしいんだ…」

ヒカリ「自分でも熱いのわかります…恥ずかしぃ…」

それを聞きまた、胸を揉む。
しかし、今度は服の下から手を入れじかに揉む。
そのままゆっくりと彼女の胸を揉み、先端をゆっくり摘む。
摘むと同時にヒカリは吐息をもらした。

ヒカリ「ぁ…そこ…」

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