【FGO】マシュ「星に願いを」 (12)


【カルデア 7/7】

マシュ「七夕、ですか?」

ロマン「うん、折角だしね」

マシュ「知識としては知っているのですが……」

ロマン「僕も初めてだけど、季節毎の行事をやってみたくてさ」

\バーン/
ダ・ヴィンチちゃん「はいはーい!呼ばれてないけど出張版ダ・ヴィンチちゃん工房だよ!」

ロマン「レオナルド!?ホントに呼んでないんだけど」

ダ・ヴィンチちゃん「君たち、七夕といったね?」

ロマン「清々しいほどにスルーしてくるな!?」

ダ・ヴィンチちゃん「そんな君たちにいい知らせだ。なんと!私の新しい発明品を御披露目しちゃいます」

ロマン「嫌な予感しかしないんだけど……」



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ダ・ヴィンチちゃん「恋人もいない可哀想な男は黙っていなさい」

ロマン「余計なお世話だよ!」

マシュ「あの、ダ・ヴィンチちゃん。その発明品というのは?」

ダ・ヴィンチちゃん「いい反応だよマシュ。いやー、これくらい素直なら私もサクサク進められるんだけどね?」チラッ

ロマン「ひねくれてて悪かったね」

ダ・ヴィンチちゃん「だがしかーし、天才はそんなこと気にしない!さて、早速これを御覧くださーい♪」

マシュ「これは……ロケットですか?」

ロマン「どうみても小型のロケットだよね」

ダ・ヴィンチちゃん「そう!これこそが我が叡智の結晶!『オーニソプター77号キュクロス・ギャラクティカ号』さ!!」デデーン

フォウ「フォーウ……」

ダ・ヴィンチちゃん「うんうん!フォウ君にもこの素晴らしさがわかるようだね!」

ロマン「……それで、これは一体なんなんだい?」

ダ・ヴィンチちゃん「見てわかるだろ?ロケットだよ」

ロマン「何に使うのかを聞いてるんだよ!?」


ダ・ヴィンチちゃん「七夕のお話は知っているよね?」

マシュ「はい。織姫と彦星が自らの職務を放棄してしまった結果、年に一度しか会うことが叶わなくなったというお話です」

ダ・ヴィンチちゃん「Exactly」

ロマン「それとこのロケットに何の関係が!?」

ダ・ヴィンチちゃん「七夕では短冊に願い事を書いて飾る風習があるだろ」

マシュ「はい!とても素敵だと思います!」

ダ・ヴィンチちゃん「そう!その素敵で純粋なお願いごとを直接天の川にぶち込む為のロケットなのさ!」

ロマン「うわー、情緒もへったくれもないな……」

ダ・ヴィンチちゃん「知らないのかいロマニ。夢や願い事というのは最後まで貪欲に願ったもののみ叶えられるのさ」

ロマン「えー……」

ダ・ヴィンチちゃん「さぁマシュ!短冊に願い事を書けるだけ書くんだ!」

マシュ「はい!」

ロマン「マシュも乗り気だし……」



ダ・ヴィンチちゃん「さぁそこの独身者も書いてきなさい」

ロマン「僕も!?」

ダ・ヴィンチちゃん「折角の機会なんだから」

ロマン「……はぁ」

ダ・ヴィンチちゃん「私は発射を所長に見つからない様に準備してくるよ!」

ロマン「バレたらどやされる所じゃすまない!!」


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マシュ「こんな感じでいいんでしょうか」

ロマン「好きなことを書くといいよ」

マシュ「ドクターはどんなことをお願いしたんですか?」

ロマン「あははは、それは秘密」

マシュ「後でこっそり見ますね」

ロマン「ダメだよ!?あと、せめて本人のいない所で言おうよ!」

マシュ「なら今みます!」

ロマン「ダメダメ!こういうのは見られたら叶わないんだから」

マシュ「そういうものなんですか?」

ロマン「そういうものなの」

マシュ「なるほど!」



ダ・ヴィンチちゃん「おーい、できたかい?」

マシュ「はい!書けました!」

ダ・ヴィンチちゃん「それ一つでいいの?」

マシュ「あんまり欲張るとダメそうなので……」

ダ・ヴィンチちゃん「マシュは謙虚だね。で、何をお願いするんだい?」

マシュ「それは秘密です!言ったら叶わなくなってしまいます!」

ダ・ヴィンチちゃん「そっかそっかー。それでロマニは?」

ロマン「言うわけないよね!?」

ダ・ヴィンチちゃん「どーせモテたいだとか結婚したいだとかだろー。天才だからロマニの考えなんて読めるんだよねー」

ロマン「ふん!」

ダ・ヴィンチちゃん「まぁいいさ。さ、外に行こうか」

マシュ「外ですか?……吹雪いてますけど」

ダ・ヴィンチちゃん「流石に室内じゃ飛ばせないからね。カルデアの近くの比較的高いところから一気に打ち上げるよ」

ロマン「はぁ……」



【カルデア 外】
ゴオオオオオ

ロマン「うわぁぁぁぁぁ!!寒いぃぃぃぃ!!」

マシュ「ダメです!前がみえません!」

ダ・ヴィンチちゃん「ほら、マシュは私に捕まって。ロマニは頑張れ!」

ロマン「レオナルドォォォォォ!」

ダ・ヴィンチちゃん「こっちこっち」



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ダ・ヴィンチちゃん「よーし、それじゃ二人とも短冊を搭載してくれたまえ」

ロマン「こんな中でロケットを飛ばすなんてバカだよ!」

マシュ「入れました!」

ダ・ヴィンチちゃん「それじゃ下がってくれ。魔力充填……」

ロマン「こんなのでホントに大丈夫なのかい?」

ダ・ヴィンチちゃん「問題ないさ!私の設計だと発射して10秒後には第三宇宙速度に達する計算だよ!」

ロマン「ホントに太陽の重力を振りきれるよね!?」

ダ・ヴィンチちゃん「これが才能というものだ。あぁ、天才過ぎて怖い」

マシュ「早くしましょう!凍えてしまいます!」



ダ・ヴィンチちゃん「魔力充填完了!いくよ!『オーニソプター77号キュクロス・ギャラクティカ号』発射!」

ゴゴゴゴゴゴ!!!

マシュ「飛びました!」

ロマン「やれやれ」

ダ・ヴィンチちゃん「こういう時はなんていうんだっけ?ステラー……だったかな?」

マシュ「たまやーですダ・ヴィンチちゃん。そしてそれは花火の掛け声です」

ロマン「どこかの英雄に怒られるぞ」


チュドーーーーーン!!

ロマン「」

ダ・ヴィンチちゃん「あらら」

マシュ「ロケット……爆散しました」

ダ・ヴィンチちゃん「あれー?スピード優先しすぎて耐久性が落ちてたのかなぁ」

ロマン「願い事が無惨に散ったんだけど!」

ダ・ヴィンチちゃん「あ、でも見て御覧!まるで天の川の様に輝いてるよ!」

マシュ「吹雪ですぐにかき消されてしまいました」

ダ・ヴィンチちゃん「……」

ロマン「……」

マシュ「……」

ダ・ヴィンチちゃん「ささ、風邪を引く前に帰ろうか」

ロマン「レオナルド」

ダ・ヴィンチちゃん「やっぱり短冊は笹に飾るべきだよね」ダッ

ロマン「あ、待て!逃げるな!」ダッ

マシュ「待ってください!」



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【カルデア 2017年7/7】

マシュ「……」

ぐだ子「どうしたのマシュ?」

マシュ「!い、いえなんでもありません!」

ぐだ子「そう?なら早く飾り付けを終わらせちゃお」

マシュ「はい!お任せください!」

ワイワイ
ぐだ子「そこー!遊んでないでやってー」

ダ・ヴィンチちゃん「やぁ、調子はどうだい?」

ぐだ子「全然進まないよ!こらー!ジャックとナーサリーは笹持って走らないのー!」タタタ

ダ・ヴィンチちゃん「……いつぞやの七夕と比べると凄く賑やかになったもんだ」

マシュ「あの時は結局所長にバレて大変なことになりましたよね」

ダ・ヴィンチちゃん「全部ロマニのせいになってたもんね」

マシュ「……えぇ」

ダ・ヴィンチちゃん「マシュの願い事は叶ったの?」

マシュ「はい!大切な人と、世界を回ることができました!」

ダ・ヴィンチちゃん「そっか」



マシュ「あの時のドクターの願い事は」

ダ・ヴィンチちゃん「どうだろう。叶ったのかもしれないし、まだかもしれない。結局のところ私たちにはわからないさ」

マシュ「爆散しましたからね」

ダ・ヴィンチちゃん「爆散したからね」

マシュ「……今度のお願いごとはもう決まってるんです」

ダ・ヴィンチちゃん「おや?それって」

マシュ「勿論秘密です!」

ダ・ヴィンチちゃん「それは残念♪」

ぐだ子「ダメだ……終わる気配が見えない」ゼェゼェ

ダ・ヴィンチちゃん「お疲れ様!そんなぐだ子ちゃんにとっておきの発明品を用意してきたよ!」

ぐだ子「なになに!?」

ダ・ヴィンチちゃん「じゃじゃーん!『オーニソプター77号改キュクロス・ギャラクティカ・エクストリーム号』だ!」

ぐだ子「なにこれすごーい!!」

ダ・ヴィンチちゃん「素晴らしい反応をどーも♪」

ぐだ子「ん?でも改っていうのは」

ダ・ヴィンチちゃん「以前の失敗を踏まえてね。今度こそ天の川に届くよ!いや、天の川を更に越えられるだろうね!!」

マシュ「!」

ダ・ヴィンチちゃん「……そうすればきっと届くよ」

マシュ「はい!私もそう想います!」

ぐだ子「……うん!早速短冊を書かないと」

マシュ「はい先輩!星に……願いを」




終わり


彼の願いは時を越えて想いを伝えて
きっと未来に届きますように


短いものでしたが、お目汚し失礼しました。

小蒔ちゃん&イケメン金髪王子須賀京太郎様「我私に叶えられる願だったら料金次第で叶えてやる」

ギルガメッシュ「浜風マシュ鹿島蘭子犯す数兆円だす」

全治夫婦「願いは幼馴染の天の鎖の受肉かのう」

ギルガメッシュ「えっ」

エルキドゥ「ギール」

ギルガメッシュ「何でさ」

完結

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