ガヴリールドロップストーリー (31)

ガヴリール「私の名前は天真=ガヴリール=ホワイト!いずれ天界を統べる大天使です!」

ガヴリール「さあ、サターニャさん今日こそあなたを導きますよ、私と勝負して下さい」

サターニャ「イヤよ」

ガヴリール「なんでですか!?」ガビーン

サターニャ「私はアンタと違って忙しいの、ほっといてくれないかしら」

ガヴリール「でもサターニャさん何もしてないじゃないですか?」

サターニャ「はぁ、見てわからない?私は今暇で忙しいの」ぷい

ガヴリール「暇で忙しいって…そんなぁ、サターニャさん 私と勝負して下さいよー」ぐいぐい

サターニャ「面倒臭いわねー、ガヴリール」

サターニャ「私が遠回しに「ウザいからあっち行け」って言ってる事に早く気付いてくれない」

ガヴリール「えぇ!サターニャさんそんな事思ってたんですか!?酷いです(涙目)」

サターニャ「ああウザったい、酷くても何でも良いから早くあっちに行って頂戴」

ガヴリール「うぅ…ヴィーネ、サターニャさんが構ってくれません」

ヴィーネ「もうサターニャったら、少しくらい付き合ってあげたら良いのに…
そんな風に断ったらガヴが可哀想でしょ?」

サターニャ「うるさいわね、私が何をしようが私の勝手でしょ」

ヴィーネ「サターニャは…またそんな事言って……」

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ガヴリール「あ、そうだ」

ガヴリール「サターニャさん、そう言えば今日の宿題やって来ましたか?」

サターニャ「勿論やって来てないけど、なに?文句でもあるの?」

ガヴリール「いえ、そうじゃなくてですね」

ガヴリール「勝負してくれたら、私の宿題を見せてあげてもいいですよ?どうです?サターニャさん」

サターニャ「…フフ、ガヴリールも甘いわね、その程度の揺さぶりで私が動くと思っているだなんて」

サターニャ「天使の導きも大した事ないわねー、私の意思は固いのよ」

ガヴリール「そ、そんなぁ」

サターニャ「でも、今日は気分が乗ったから勝負してあげるわ」

ガヴリール「本当ですか?」パァ

サターニャ「今日だけだからね」

~~~~~

ガヴリール「うぅ、サターニャさんに負けました…」ショボーン

サターニャ「アンタは少し素直過ぎるのよ、ちょっとしたブラフにもすぐ引っかかるんだから」

ガヴリール「むー、次は負けませんからねっ!」

サターニャ「はいはい、そう言うのいいから、早く宿題を見せなさい」

ガヴリール「はい」

エンジェル珈琲

ガヴリール「いらっしゃいませ!エンジェル珈琲へようこそ」

サターニャ「……………」

ガヴリール「あれ?サターニャさん、サターニャさんですよね?」

サターニャ「……………」

ガヴリール「奇遇ですね、私このお店で働いてるんですよ、サターニャさんどうぞ中へ入って下さい、特別にサービスしちゃいますよ~」

サターニャ「」扉バタン

ガヴリール「さ、サターニャさん!?」

~~~~

サターニャ「はぁ、なんでガヴリールがこんな所にいるのよ…」

ガヴリール「人間界をよく知る為の勉強になるかと思って、少し前からバイトを始めていたんですよ」ニコニコ

ガヴリール「まさかそこでサターニャさんに出会えるなんて…これも神様のお導きでしょうか、ふふふ」

サターニャ「ウザっ……神めいつか絶対に消してやるわ」

ガヴリール「どうしてサターニャさんは、いつもそんな事言うんですか!もー」

サターニャ「アンタがいつも私にベタベタと纏わりついて来るからでしょ!面倒くさい」

ガヴリール「そんな~」

マスター「えっと彼女は天真くんのお友達かな?」

ガヴリール「あ、はい マスターさん、私のお友達のサターニャさんです」

サターニャ「なんでアンタと私が友達になってるのよ」

ガヴリール「いいじゃないですか、私とサターニャさんの仲なんですから」

サターニャ「あー、面倒くさい」

ガヴリール「もう、サターニャさんのいけず」

マスター「あはは、そうかい、そうかい」

マスター「二人は仲良しなんだね」

マスター「天真くんのお友達と言う事なら一杯サービスさせてくれないかな」

サターニャ「え、ホント!?なんでもいいの!?」

マスター「どうぞ、天真くんはいつもよく働いてくれているからね」

ガヴリール「わあ、マスターさんありがとうございます」

マスター「いやいや、これくらいなんでもないよ あはは」

ガヴリール「よかったですね、サターニャさん」

サターニャ「そうね、でかしたわ、ガヴリール」

ガヴリール「やった、サターニャさんに褒めて貰えました。」

ガヴリール「ご注文はお決まりになりましたか?お客様」

ガヴリール「とか言ってみたり えへへ照れますね」

サターニャ「……………」

ガヴリール「な、何か言って下さいよぉ、恥ずかしいじゃないですか///」

サターニャ「じゃあこのお店で一番高いお酒を貰える?」

ガヴリール「お酒なんて喫茶店に置いてませんよ、いじわる言わないで下さい」

サターニャ「えー、ならこのブレンドコーヒーってやつでいいわ」

ガヴリール「かしこまりました」

ガヴリール「マスターさん、ブレンドコーヒー、一つです」

マスター「ブレンドコーヒーだって」ピコーン

マスター「実は私、ブレンドコーヒーには少し自信があってね、味や香りが なんたらこうたらどうたらこうたら……

サターニャ「あ、そう言うのいいんで」

マスター「そ、そうかい?でも一応説明を」

サターニャ「そう言うのいいんで」

マスター「そうかい?」

ガヴリール「マスターさんのコーヒーのお話、素敵なのになんで聞かないんですか?」

サターニャ「いや、だって長そうだったし」

マスター「そうかい」とぼとぼ

~~~~~

ガヴリール「ブレンドコーヒーお持ちしました」

サターニャ「…………」じー

ガヴリール「サターニャさん、そんなに私の事を見つめてどうしたんですか?」

サターニャ「…………」ぴら

ガヴリール「きゃ、なんで私のスカートをめくるんですか!?」

サターニャ「ちょっと気になったから……」

ガヴリール「気にならないで下さい」

サターニャ「えー、いいじゃんケチ」

ガヴリール「ケチじゃありません!」

サターニャ「でもこの店に入る時、サービスしてくれるって言ってたし…」

ガヴリール「そんなサービス、当店では行っていませんから///」カーッ

サターニャ「えー」

ガヴリール「えー、じゃありませんよぉ(涙目)」

マスター(………和む)

サターニャ宅

サターニャ「……zzz」

ラフィエル「サターニャさん」ゆさゆさ

サターニャ「………zzz」

ラフィエル「サターニャさん!ってば 起きて下さい」ゆさゆさ

サターニャ「ん?ラフィエルじゃない むにゃむにゃ」

ラフィエル「「ラフィエルじゃない」じゃなくてですね……はあ」

サターニャ「どうしてアンタが私の家に居るのよ」

ラフィエル「やっぱり覚えてないんですね」ゴゴゴ……

サターニャ「お、覚えているわよ?」

サターニャ「アレの事よね?うん、覚えてる。何の事かと言われれば私の口から言えないけど勿論覚えてるわよ?」

サターニャ「いやー、それの為に今日まで生きていたと言っても過言ではなかったからなー
ラフィエルも覚えていたみたいで私も嬉しいわ」

サターニャ「それでラフィエル、勿論私は覚えているのだけれど、何の事かしら?
一応念の為にお互いの認識が合致してるか確認しないと、ね?」

ラフィエル「やっぱり覚えてないんですね…」やれやれ

サターニャ「お、覚えているわよ!ただ私の口からは言えないだけで」汗汗

ラフィエル「なぜ覚えているのに頑なに口にしないのか意味がわかりません」

ラフィエル「覚えているなら口に出して言ってみて下さいよ」

サターニャ「絶対に言わないわ、例え拷問されようが死のうとも私は口を割らないんだからっ!」キリッ

ラフィエル「そんな言い訳に、なんで無駄に格好付けてるんですか」呆れ

サターニャ「格好の付けられない人生なんて生きてる意味がないわ
どうせ嘘がバレるなら私は格好付けて嘘がバレる道を選ぶ!それだけよ」

ラフィエル「サターニャさん、カッコイイ!?」

ラフィエル「でもそれは結局、ただ嘘がバレたくなくて、自分が見栄を張るために見苦しい言い訳してるだけじゃないですか……」

サターニャ「一部の業界では、そうとも言うわね」

ラフィエル「一部じゃなくて世間一般的にそう言います」

サターニャ「ですよねー」

サターニャ「それで「覚えてる」って何の話?」

サターニャ「私、アンタとなんか約束とかしていたっけ?」

ラフィエル「本当に忘れてるんですね」

ラフィエル「今日は私と二人で映画を観に行く約束をサターニャさんとしていたんですが…」

サターニャ「あー、そう言えばそんな約束していたわね」

サターニャ「ごめん、ラフィエル !全然反省してないけど140円までなら何でも奢るから許して」合掌

ラフィエル「それで私が許すとでも?」ゴゴゴ……

サターニャ「優しい天使のラフィエルならきっと許してくれると信じているわ!」

ラフィエル「なんですか、その謎の希望と信頼は…」

サターニャ「でもなんだかんだ言って許してくれるんでしょ?
いいじゃないどうせ許すんだから そんな意地張らないで、ね?私を許そ?」

ラフィエル「私が意地っ張りの子供みたいに言わないで下さい」

ラフィエル「はぁ、仕方ありませんね、今回だけですよ」

サターニャ「やったー、ラフィエル様の許しが得れた。これで首の皮一枚繋がって今日もまた生き長らえれるわ」

ラフィエル「サターニャさん」

サターニャ「?何かしら、ラフィエル」

ラフィエル「それはそれとして、何ですかこの汚いお部屋は?」

サターニャ「え?」

ラフィエル「この前私がお掃除したばかりのはずなのですが、それをどうすればこんなに汚く……」ゴゴゴ……

サターニャ「やっぱ首の皮は繋がってなかったみたいね キャハ」テヘペロ


この後めちゃくちゃラフィエルに説教されました。

サターニャ「うへぇ、何で私が休日に部屋の掃除なんてしないといけないのよ」

ラフィエル「自分で汚くしたんですから当たり前です」

サターニャ「さいですか……」

ラフィエル「それにしてもこの大量のダンボールはなんですか?すごく邪魔です、捨てて良いですか?」

サターニャ「ダメよ、それは魔界通販で買ったやつなんだから……」

ラフィエル「魔界通販?サターニャさんはまた要らない物ばかり買って」ガミガミ

サターニャ「いいじゃない、私のお金なんだから、そのお金で何を買おうが私の勝手でしょ?」

ラフィエル「お金はそうですね、その通りです」

ラフィエル「でもそれでお部屋が汚れているとあれば話別です。
いつもサターニャさんのお部屋のお掃除や洗濯をしている身にもなって下さい」

サターニャ「ち、違うのよ!」汗汗

ラフィエル「何が違うんですか?私は何も違わないと思いますが」

サターニャ「わ、私はラフィエルがいつも掃除をしてくれるのが嬉しくて、つい部屋を汚しちゃうのよ」

ラフィエル「そうですか」

サターニャ「うん、そうそう、ラフィエルいつもありがとう、感謝してるわ」

ラフィエル「それなら許しましょう」

サターニャ「ホッ」(助かった)

ラフィエル「とでも私が言うと思いました?」ニコォ

サターニャ「ダメだ、そう言えばラフィエル ドSだった」

ラフィエル「一度上げてから落とすのは、やっぱり楽しいですねぇ」

ラフィエル「でもお説教は遊びじゃなくて本気なので覚悟して下さいね?」


この後ラフィエルにめちゃくちゃ説教されました。(二回目)

ガヴリール「ヴィーネ、大変です!」

ヴィーネ「どうしたの、ガヴ?」

ガヴリール「犬さんにパンを持って行かれてしまいました。どうしましょう」

ヴィーネ「それは災難ね、取り返すんだったら私も協力するわよ?」

ガヴリール「えと、そうじゃなくてですね」

ガヴリール「パンを取られた事は別に良いんですが」

ガヴリール「人の食べ物を犬さんが食べても大丈夫なんでしょうか?」

ヴィーネ「何この子、尊過ぎるんですけど!?」グッ

ガヴリール「ヴィーネ、どうしましたか?」

ヴィーネ「ううん、なんでも無いわよ」

ガヴリール「そうですか?」

ガヴリール「それでヴィーネはどうすれば良いと思いますか?」

ヴィーネ「うーん、そうね別にそのままでもいいんじゃないかしら?」

ガヴリール「そうでしょうか?」

ヴィーネ「だって多分その犬は野良犬なんでしょ?
ならそこら辺に落ちてる残飯を食べるより、そのパンを食べる方がよっぽど良いと思うわよ?」

ガヴリール「言われてみればそうですね、流石ヴィーネです。頼りになります」

ヴィーネ「別にそんな事無いわよ」

ガヴリール「そんな事あります」

ガヴリール「ヴィーネはいつも未熟者の私を導いてくれる頼れる親友ですから、もっと自信を持って下さい」

ヴィーネ「そうかしら?」

ガヴリール「そうですよ、私の目標はヴィーネの様な大天使になる事なんですから」

ヴィーネ「あはは、もうガヴったら私は悪魔よ?」

ガヴリール「そう言えばそうでしたっ!」

ガヴリール「なら失礼な事を言っちゃいましたね……」ガックリ

ヴィーネ「大丈夫よ、むしろガヴがそんな風に私の事を思ってくれていて嬉しいわ」

ガヴリール「そうですか、それは良かったです えへへ」パァ

ヴィーネ「あぁもうガヴは可愛いわね」なでなで

ガヴリール「あ、ちょっと、ヴィーネ、私を小さい子みたいに扱わないで下さいよぉ」

ヴィーネ「あはは、ごめんねガヴ、ガヴが余りにも可愛いからつい…また今度からは気をつけるから」

ガヴリール「もうヴィーネは仕方ないですね」ぷりぷり

ヴィーネ「ごめんね」

ガヴリール「ヴィーネ」

ヴィーネ「どうしたの?」

ガヴリール「べ、別に撫でるのまでやめて欲しいとは言ってませんよ?」

ヴィーネ(天使や……)

校門前

ガヴリール「おはようございます。サターニャさん」にっこり

サターニャ「うげ、ガヴリール……」

ガヴリール「うげってなんですか、酷いじゃないですか」

サターニャ「なんでアンタがここで待ち構えているのよ…」

ガヴリール「今日は学校で持ち物検査をしているので、そのお手伝いです」

サターニャ「はぁ、朝っぱらから嫌な奴に会ってテンション下がるわね…」

ガヴリール「むむー、嫌な奴とはなんですか!私はサターニャさんと会えて嬉しいと言うのにっ!」

サターニャ「アンタのそういう所が嫌なのよ」

ガヴリール「サターニャさんの意地悪!もう知りません」ぷい

サターニャ「あ、そ」

ガヴリール「え?」

サターニャ「もう知らないんだったら、これからは私に関わらないでね、それじゃ」とことこ

ガヴリール「あぁ嘘です。今の嘘です。ごめんなさい。これからも仲良くして下さい」だき

サターニャ「あーもうウザい、解ったから抱きつかないで」

ガヴリール「はふぅ、良かったです」

サターニャ「それよりアンタ持ち物検査はどうしたのよ?ちゃちゃと済ませないよ」

ガヴリール「あ、そうでした!持ち物を検査しないとでした」

ガヴリール「ささ、荷物を出して下さいサターニャさん」

ガヴリール「当たり前ですが、変な物を学校に持って来ちゃメっ!ですよ?」

サターニャ「はいはい…」てきとー

ガヴリール「その代わりちゃんと検査を通過出来れば、私が一生懸命作ったこのガヴリールメダルを差し上げましょう」

サターニャ「なにそれ、普通に要らないんだけど」

ガヴリール「酷いです、せっかく一生懸命作ったのに」ガビーン

サターニャ「はあ、そもそも私が学校に変な物なんて持って来るわけないでしょ……」やれやれ

ガヴリール「そうなんですか?」

サターニャ「当たり前でしょ」

サターニャ「なんたって私のカバンの中身はいつも空っぽなんだから!」ドヤ

ガヴリール「な、なんですってぇ!?」驚愕

サターニャ「ふふん、驚いたでしょ?」

ガヴリール「ってダメじゃないですか、ちゃんと他の物も持って来ないと」

サターニャ「いやだってね?教科書とか重いし、プリントとかもごちゃごちゃして持ってくるの面倒じゃない」

ガヴリール「でもそれじゃあお勉強が出来ないじゃないですか」

サターニャ「そもそも私勉強する気がないし……」

ガヴリール「もう、ちゃんとお勉強して下さい」

サターニャ「嫌だ」

ガヴリール「うぅ、サターニャさんのいけず」

グラサン(………和む)

ラフィエル「おはようございます。ガヴちゃん、サターニャさん」

ガヴリール「おはようございます。ラフィエル」

ラフィエル「今日は持ち物検査ですか?」

ガヴリール「はい、そうなんですよ。ラフィエルも荷物を出して下さいね」

ラフィエル「わかりました」

ガヴリール「それじゃあ調べさせて貰いますね」

ガサゴソ ガサゴソ

ガヴリール「?ラフィエル」

ラフィエル「どうかしましたか、ガヴちゃん?」

ガヴリール「筆箱が二つ入ってますがこれは?」

ラフィエル「それはもしもサターニャさんが筆箱を忘れてしまった時にお貸しする用の筆箱ですね」

ガヴリール「それじゃあこの大量の教科書は?」

ラフィエル「半分はサターニャさんが忘れ物をした時の為の物です」

ガヴリール「えっと、ならこの二つあるお弁当箱は?」

ラフィエル「それはお昼休みに、サターニャさんが購買部で何も買えなかった時の為にこっそり用意しておきました」

ガヴリール「…………」

ガヴリール「サターニャさん、ラフィエルに何させてるんですか!」

サターニャ「知らないわよ!?アイツが勝手に持って来てるだけなんだから」

ガヴリール「ラフィエルも流石にそこまでしなくても良いんですよ?」

ラフィエル「すみません、私も気を付けようとは思っているのですが」

ラフィエル「どうしてもサターニャさんの事が気になって、ついついサターニャさんをフォローする準備をしてしまうんです」

ガヴリール「うーん、それは困りましたね」

ガヴリール「これもサターニャさんがもっと真面目になってくれれば良いんですが」チラ

ラフィエル「ですね」チラ

サターニャ「一応言っておくけど、ならないわよ?」

ガヴリール「ですか」ガックリ

ラフィエル「ですよね」げんなり

ガヴリール「わかりました。ラフィエル、明日から教科書や文房具は私がサターニャさんにお貸しするので二人で分担しましょう」

ラフィエル「本当ですか?それはありがたいです」

ガヴリール「はい、と言う訳でサターニャさん、今日からサターニャさんに教科書を見せてあげる為に隣の席にして貰える様に先生に頼んでみますね」にっこり

サターニャ「はあ?なんでそんな!?アンタが私の隣の席とかあり得ないんだけど!?」

サターニャ「そもそも頼んで席が変わる訳……」

ラフィエル「どうでしょうね、ガヴちゃんは普段からの天使的奉仕活動で学校中に人望がありますから、もしかすると…」

サターニャ「嫌過ぎる!!!」

ガヴリール「ならちゃんと教科書や文房具だけでも学校持って来て下さいね」

サターニャ「ぐぬぬ、致し方ないわね」

ガヴリール「やりました!」

ラフィエル「グッジョブです、ガヴちゃん」

ガヴリール「では明日からちゃんと荷物を持って来てくれる事を宣言してくれたサターニャさんには、この特製ガヴリールメダルを……」

サターニャ「だからそれは要らないってば」

ガヴリール「そんな~」ショボーン


ガヴリール「という訳で海に行きましょう!」ムフー

ガヴリール「もうすぐ夏休みです。下界で迎える初めての長期休暇…
これは普段仲良くしている皆さんとより親睦を深めるチャンスですよ!」わくわく

ヴィーネ「ガヴ、海のしおりはもう作成済みよっ!」

ガヴリール「流石ヴィーネですね!グッジョブです」

ヴィーネ「イベント関連の事なら なんでも私に任せておきなさい」

ガヴリール「頼もしいです」

ラフィエル「おもしろそうですね!ぜひ私もご一緒させてください」

ガヴリール「もちろんですよ、ラフィエル」

キャッキャッ

サターニャ(海に行くですって!?)

サターニャ(なにそれ めんどくさい、あついらの事だから、絶対に私を誘う気満々じゃない)

サターニャ(うわー、今からでも断る口実を探さないと……)スケジュール帳ペラペラ

サターニャ(奇跡的に予定がほぼ何も無いですって!?)ガクリ

サターニャ(そうだった、そういえば私普段は家でゴロゴロしながら魔界通販をポチることだけが生き甲斐の暇で忙しいダメ悪魔だったわ……)

サターニャ(しかしそれでも私は諦めないわ!
絶対に夏休みは家から一歩も出ずに普段学校に行ってる間に撮り貯まっていた魔界通販の録画を全部消化するんだからっ!)

サターニャ(とりあえず形だけでも忙しそうにしてみましょう)

サターニャ「あー忙しいわねー、もうすぐ夏休みだけどすごーく忙しいわねー」

サターニャ「特に夏休み中なんて一日も予定が空いてないし本当に忙しいわー」

サターニャ「これは遊びになんて誘われようものなら迷惑極まりないわねー、特に海とか海とか、海とかねっ!」チラ

ガヴリール「どうしましょう、サターニャさんが露骨に行きたくないアピールをしています。私見ていて悲しくなってきました」

ヴィーネ「あとで誘おうと思ってたけど失敗だったかな……」

ラフィエル「安心して下さい、私が伝えてきます」

ラフィエル「サターニャさんっ」ひょこ

サターニャ「なに?なにか用でもあるの」

ラフィエル「実は今度私たち海へ行くんですよー」

サターニャ「へぇ~そうなの、で それがどうしたの?」

ラフィエル「よければサター……

サターニャ「ごめん、その日は予定があるから行けないわね」

ラフィエル「サターニャさん?」

サターニャ「なによ?文句でもあるわけ?でもそれは予定があるんだから仕方のないことでしょ」

ラフィエル「いえサターニャさん、まだ日付を言ってないんですが」

サターニャ「あっ」

ラフィエル「それにその真っ白のスケジュール帳も後ろから見えてましたよ?」

サターニャ「ギクっ!?」

ラフィエル「それで話を戻しますがサターニャさんも もちろん海に行きますよね?」

サターニャ「い、嫌よ なんで私がアンタ達なんかと海になんて…」

ラフィエル「へー、サターニャさん そんな事を言っちゃうんですかー」

サターニャ「ぐぬぬ……」

サターニャ「ほ、ほら私水着とか持ってないし」

ラフィエル「水着はたしかこの前魔界通販でポチってましたよね」ニコ

サターニャ「他にも海に行くにはその他諸々必要な物が沢山あるし…」

ラフィエル「日焼け止めからビーチパラソルにBBQセット、その他諸々必要な物からそうじゃない物まで、サターニャさんはなんでも魔界通販でポチってるから持ってますよね」ニコニコ

サターニャ「でも!頼んだは良いものの いつ届くかはわからないからやっぱり……」

ラフィエル「プライム会員のサターニャさんは注文した物が24時間以内に届くってこの前自慢げに言ってましたよね」ニコニコニコ

サターニャ「えっと、あのその…」

ラフィエル「もう言い訳は打ち止めですか?」

サターニャ「私は絶対に行かないからねっ!海とかめんどすぎだし」

ラフィエル「行かないなんて選択肢はありませんよ~、サターニャさん」ニコォ



数分後


ラフィエル「サターニャさんからOK貰えましたよ」

サターニャ「ほぼ無理矢理だったけどね」げっそり

ヴィーネ「ナイスよ、ラフィ」

ガヴリール「やった、サターニャさん私に泳ぎ方を教えて下さいよ」

サターニャ「想像するだけでも気持ちの悪い提案ね、もちろん却下よ」

ガヴリール「なんでですか!?(泣)」

某日 学校

ガヴリール「大変です、サターニャさん!」

サターニャ「なによガヴリール、今私は机の木目を数えるのに忙しいのだけれども」

ガヴリール「そんな事よりも大変なんですよ!」

サターニャ「はぁ、本当に大変な事なんでしょうね?もしもしょうもない事だったらタダじゃおかないわよ」

ガヴリール「はい」

サターニャ「それでなに?何があったのよ?」

ガヴリール「聞いて驚かないで下さい、なんとヴィーネが不良さんになっちゃったんですよ!!」ドドーン

サターニャ「へー」白けた目

ガヴリール「あ、サターニャさん さては信じてませんね」

サターニャ「うん、信じてないわね 」

ガヴリール「なんでですか!?ひどいです」ガビーン

サターニャ「いやだってね、あのヴィネットが不良になる訳ないじゃない」

サターニャ「どうせあんたがしょうもない事を悪とか不良って言って一人で勝手に騒ぎたててるいつものパターンなんでしょ」やれやれ

ガヴリール「そ、そんな事ありませんよ!
いつももそんな事はありませんし 今回は特にそんな事ありませんよっ!」

サターニャ「え~、本当に?」

ガヴリール「本当です」

ガヴリール「ほらサターニャさんも今日のヴィーネを見て下さいよ」

サターニャ「いつも通りね」

ガヴリール「なにを言っているんですか もっとよく見て下さい」

サターニャ「いや全然わからないんだけどなに?一体なにが違うって言うのよ」

ガヴリール「ヴィーネがセーターのボタンをとめてないんですよ」

サターニャ「はぁ?」

ガヴリール「ヴィーネがセーターのボタンをとめてないんですよ!」

サターニャ「別に聞こえなかった訳じゃないから 普通にだからどうしたって意味合いでの『はぁ』だからね」

ガヴリール「だからどうしたって、セーターのボタンをとめてないんですよ?」

ガヴリール「これはもう不良さんの始まりとしか言えません」あわわわ

サターニャ「へー」白けた目

ガヴリール「しかもそれだけじゃないんですよ」

ガヴリール「いつもよりリボンの位置が少し下がっていて しかもルーズソックスを履いているんです!!」

サターニャ「それただのちょっとしたイメチェンとか着くずしの類いじゃない」

ガヴリール「なんでそんなに反応が薄いんですかあんなに悪そうな格好をしているのに!?」

サターニャ「むしろあの程度でそこまで騒げるアンタになんでと問いたいわよ」

ガヴリール「むむー、大悪魔のサターニャさんにはこの程度の悪さなんて日常茶飯事と言うことですか…恐ろしい」

サターニャ「別に私の事をどう思おうがアンタの勝手だけど その大悪魔なんて言う恥ずかしい肩書きで私を呼ぶのだけは本当にやめて頂戴」

ガヴリール「なんでですか『大悪魔』はちゃめちゃカッコイイじゃないですか」

サターニャ「いや普通にダサいからね?」

サターニャ「そのはちゃめちゃカッコイイって言う言い回しも踏まえて普通にダサいから」

ガヴリール「そんなぁ」

ガヴリール「はちゃめちゃカッコイイはナウでヤングなじぇいけぇが使うはちゃめちゃカッコイイ言葉じゃなかったんですか!?」ガビーン

サターニャ「そんな訳ないでしょ 一体どこからそんな情報を仕入れてくるのよ」

ガヴリール「もちろん下界のテレビジョンからですよ?」

サターニャ「もうあんたの家のテレビだけ昭和時代かなにかと繋がってるのんじゃないの」呆れ顔

ガヴリール「そこまで言いますか(涙目)」

サターニャ「はぁ、それでヴィネットの話はどうしたのよ これで終わり?」

ガヴリール「は!そうでした」

ガヴリール「まだまだ今日のヴィーネの不良エピソードは沢山あるんですよ」

サターニャ「へー」流し聞き

ガヴリール「なんとヴィーネはさっきの授業をサボタージュしていたんですよ!これはもう言い訳の出来ない不良さんですよね?ね?」

サターニャ「サボタージュって ヴィネットなら普通に教室に居たじゃない」

ガヴリール「そこなんですが実はヴィーネ 授業中にノートをとってなかったんですよ!」ドドーン

ガヴリール「これはもう実質サボタージュと言っても過言じゃありません」

サターニャ「あんたそれ本気で言っているの?」

ガヴリール「もちろん本気ですよ?」きょん

サターニャ「それなら毎日ノートとってない私はどうなるのよ?」

ガヴリール「まさかサターニャさん毎日ノートをとってないんですか!?」

サターニャ「もちろんよ」

ガヴリール「そんなのもう魔王の所業じゃないですか!!!」驚愕

サターニャ「一応言っておくけどそれで魔王になれるんだったら、こんな下界の学校で学生なんてやらずに 何処かしらの豪邸でゴロゴロしながら優雅に暮らしてるからね」

ガヴリール「でも私たちの事が好きだからここにいるんですよね?」

サターニャ「普段から私に全力でウザがられてるのに何処からその自信が湧いてくるのよ」

ガヴリール「えへへ、それはもうサターニャさんと私の仲ですから」照れ

サターニャ「褒めてないし、気持ち悪いから照れないで」

サターニャ「そしてアンタと私にそんな仲はない」

ガヴリール「はーい、わかりました。今回はそう言う事にしておきますね」ニコ

サターニャ「」イラ

ガヴリール「それでは次のヴィーネの不良さん話なんですが…これは流石のサターニャさんも戦慄する事間違いなしのとっておきですよ」

サターニャ「はいはい、要するにしょーもないって事ね」

ガヴリール「しょーもないとは聞き捨てなりませんね、今回のは全米が恐怖に震えるくらいすごいんですからちゃんと聞いて下さい」

サターニャ「了解 ちゃんと期待しないで聞いてあげますよー」あくび~

ガヴリール「先程ヴィーネが意図的に私のボールペンの芯を出しぱなしにしていたんですよ!」ドドーン

サターニャ「で?」

ガヴリール「はい?」

サターニャ「だからどうしたの、意味がわからないんだけど」

ガヴリール「放置していたらペン先が乾いちゃいますよ?」

サターニャ「それがどうしたのよ」

ガヴリール「ほらペン先が乾いちゃったら困るじゃないですか」

ガヴリール「これは完全にS級悪魔行為ですよ!」

サターニャ「…………………」呆れた目

ガヴリール「どうしたんですか、サターニャさん?」

サターニャ「はぁ~、そろそろ魔界通販が放映する時間だから私帰るわ」

ガヴリール「え?え?サターニャさんどうしたんですか!?私なにかおかしな事を言いましたか?」

ガヴリール「あ、ちょっと本当に帰っちゃうんですか!?私のお話はまだ終わって……待って下さいよ~」

ヴィーネ(ふふふ、ガヴ達ったら今日の悪な私にすっかり翻弄されていたわね)ニヤニヤ

ヴィーネ(これも昨日マスターさんに悪いことについて教わった成果ね また今度改めてお礼を言わなくちゃ)

ヴィーネ(これで私も今日から立派な悪魔の一員よ!)

ヴィーネ(で、でも流石にこんなに悪い事を毎日するのは難しいから、たまにでいいわよね?)

以上
もしもガヴリールがサターニャ並みのポンコツでサターニャがガヴリール並みにズボラだったらと言うテーマで書いたSSガヴリールドロップストーリーおしまいです。

気が向いたらまた書く

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