男『死が2人を分かつまで』幼馴染「逃げられると思ってるの?」(103)

男『…………』

幼馴染「…………」

男『お前、俺が見えてるわけ?』

幼馴染「見えてる」

男『…………』

幼馴染「…………」


男『……どんな感じに見えてる?』

幼馴染「空中であぐらかいて、ふよふよ浮いてる」

男『うん』

幼馴染「あとスッケスケ」

男『……スケスケかぁ』

男『じゃぁ、やっぱり俺んちの何かあの白黒のシマシマって』

幼馴染「鯨幕」

男『その、クジラマク? ってさ』

幼馴染「うん」

男『俺の……その……』

男『……そ』


男『そ、葬式の飾りつけだったり……なーんて、ハハ』

幼馴染「そうよ」


男『……マァジでぇ?』

幼馴染「マジよ」

男『じゃぁ……これ……やっぱこれもしかしなくともアレだよなぁ』

幼馴染「もしかしなくともアレよ」


 男 『――幽霊』ビッ
幼馴染「――幽霊」ビッ

男『マジかー……もしやと思ってたけどマジかー……』グルングルン

幼馴染「回るな。キモい」

男『俺は気持ち悪くないぞ。……死んでるからかな』グルングルン

幼馴染「…………」―ブンッ

男『おまッ、クッション投げ――』

―スカー…


ボフンッ

男『――る、のやめろ、よなぁ……当たらなかったけど、さ……』

幼馴染「…………」

男『物体もスッケスケか。いよいよもって確定だな』

幼馴染「…………」

幼馴染「……いつ」

男『ん?』

幼馴染「いつからそんな感じだったの」

男『今朝、かな』

男『やたらと眩しいなーって思ったら、朝日が顔面直撃しててさ』

男『カーテン引こうと思ったらねぇの』

男『カーテンどころか部屋ごとねぇの』

男『何事かと思ったら、俺んちの真上で浮いてた次第で』

幼馴染「…………」

男『最初の内は、夢だ! 空飛べる夢だやったったぜ! ってアイアンマンごっこしてたんだよ』

幼馴染「スーパーヒーロー着地した?」

男『いやできなかった。おもっくそ地面にめり込んじゃって』

幼馴染「でしょうね」

男『そっから何か変だなーって思い始めてさ。とりあえずお前の親父さんに挨拶したの』

幼馴染「何がとりあえずなの」

男『いや庭でラジオ体操してたからつい』

幼馴染「で、返事が無いと」

男『おう』

幼馴染「それどころか反応すらしてもらえないと」

男『そうそう。だからヤケクソになって近所中に挨拶しまくったよね』

幼馴染「……迷惑なヤツ」

男『誰も気付いてないから迷惑かかってないよ』

幼馴染「で?」

男『で、思ったわけさ。ハハァ、これは幽体離脱だなと』

幼馴染「他人から感知できないから幽体になったと」

男『だから体に戻ろうとしたよね。遅刻したく無かったし、お前に自慢したいし』

幼馴染「…………」

男『で、そのクジラ幕見たわけさ。なーんかうっすーら嫌ーな予感してさー……』

男『いやぁまさか、まさかねぇウェッヘッヘ――って後ずさってたら――』

幼馴染「私の部屋の壁抜けてきたと」

男『うん、そう』

男『で、お前が俺のこと見えて聞こえてびっくり』

男『幽霊確定で二度びっくりってとこかな』ハハハ

幼馴染「笑えないっての」スンッ


男『……あれお前目ェ赤くない?』

幼馴染「は?」

男『……てか何か全体的に疲れてらっしゃる?』

幼馴染「は? 超元気なんですけど? 元気モリモリなんですけど?」

男『モリモリってお前……何か髪もボッサボサだしさオワーッ!?』スカー…

―ボフッ

幼馴染「…………」

男『お前そのとりあえず何かぶつけてくるのやめろ! 何度も言ってるが悪い癖だぞ! ドアラぐるみが壁に直撃して――まぁドアラならいいか』ポフポフ

幼馴染「……どうすんの」

男『ん? どうするって何を?』

幼馴染「これからの展望の話」

男『あー……ってか今更だけど、お前順応早いんな』

幼馴染「現実だろうと夢だろうと幻覚だろうと話すこと変わらないし」

男『……普通、驚いたりしない?』

幼馴染「信じる、信じないってヒステリックなやり取りしたいの?」

男『したくないです。はい、すんません』

幼馴染「で?」

男『はい?』

幼馴染「…………」グッ

男『ピカチュウ降ろせ! お前見境無いな! 愛らしいぬいぐるみ投擲禁止!』

幼馴染「で?」スッ

男『んー……どうするったってなぁ……』


男『やっぱベタベタだけど……』

男『成仏、かな……』



幼馴染「は?」



男『だって幽霊なわけだろ、俺』ウン

男『順当にいくならまぁ――って顔怖ァッ!』

幼馴染「は?」スカスカスカスカ

男『近い近い近い! あと掴めないのに胸倉掴むのもやめて!』

幼馴染「何で成仏なわけ? 折角消えずに済んでるのに? 何で?」

男『いや、だって。死んでるんだぜ。俺』

幼馴染「だから?」

男『だからって……死んでるのにこの世に残ってるのって、やっぱ不自然じゃね?』

幼馴染「不自然だから成仏したいの? あんたの意思どこよそれ」ズイッ

男『ねぇ待って、怖い。かつてない程お前が怖い。ちょっと下がって、ホント頼む』

幼馴染「…………」スッ

幼馴染「成仏願望、あるの?」

男『成仏願望』

幼馴染「あるのかって聞いてるの」

男『いや、言われてみれば特にない』

幼馴染「あと、そう」

幼馴染「心残り、何かあるの?」

男『……ああ、そっか。幽霊って大抵未練が原因でこの世に留まるんだもんな』

男『んー……』グルグル

幼馴染「…………」

男『ん゛ん~~…………』グルングルン

幼馴染「…………」

男『……いや、思い当たる節ないな……」

男『違うか、なんかこうモヤがかかったような、思い出せないだけのような……』

幼馴染「ベタベタね」

男『いや皆こんな感じなんじゃねぇのか大体』

幼馴染「ふーん」

男『……そもそもさ』

幼馴染「何よ」

男『俺何が原因で死んだの?』

幼馴染「……それすら覚えてないの、あんた」

男『全然覚えてない。まったく分からん』

幼馴染「……交通事故」

男『ベタベタだな』

幼馴染「……居眠運転のトラック」

男『そこまでか』

幼馴染「横断歩道渡り切った後、何故か引き返したところで……」

男『目撃者いたんだ。……あ』


男『まさか、お前、だったり……?』

幼馴染「違う。他のクラスの生徒」

男『……その人、トラウマになってなきゃいいけど』

幼馴染「……別にそいつがトラウマ抱えようが抱えまいが構わないし」

男『いやぁ、事故現場って相当グロいぜ。免許取るときの教錬で見たけど――』

幼馴染「生きてるならいいじゃない」

男『…………』


男『……悪い』

幼馴染「悪いのは運転手でしょ。信号、青だったみたいだし」

男『…………』

男『……現場行けば分かるかな』

幼馴染「……何が?」

男『いや、その未練ってやつが』

幼馴染「そう。じゃぁ事故現場には近づかないようにね」

男『おう。じゃぁ早速――は?』

幼馴染「だって未練解消したら成仏するでしょあんた」


男『あー……』


男『いやまぁ、一般的にその流れだけども……』

男『え、じゃぁどうすんの。俺の死後の目的早速消えたんだけど』

幼馴染「このままでいいでしょ」

男『……はい?』

幼馴染「ここで暮らせばいいじゃない」

男『 What? 』

ここまで
長さ短めです

幼馴染「は? 選り好みできるほど余裕あると思ってるの? そんなにスケてるのに?」

男『スケてるの関係あるかよ。じゃなくて、仮に現状維持だとしても何でお前んちで暮らすんだよ、俺んちだろそこは』

幼馴染「ダメ」

男『なして!?』

幼馴染「……私だから平気なだけで」

幼馴染「おじさんおばさんに見えちゃったら、どうするのよ、あんた」

男『……あー』

男『気まずいな、それ。かなり』

幼馴染「しばらく経てば話は別でしょうけど」

幼馴染「……今出てったら整理つかなくなるでしょ、色々と」

男『……言われてみりゃそうだな』


男『……ん?』

男『お前のおじさんおばさんどうなんのって話にならんそれ?』

幼馴染「不条理な事象すべてをプラズマで片付ける親だから平気」

男『えぇ……』

男『え、じゃぁ何。本当にここで暮らすの、俺』

幼馴染「文句あるの?」

男『いや、俺がっていうか』

男『お前はどうなん、って話で』

幼馴染「今更? ドアノックも無しに入ってくるあんたが?」

男『……う』

幼馴染「ベランダから屋根へ渡って窓勝手に開けるあんたが?」

男『……うー』

幼馴染「遠慮するの? どの口で言うわけ?」

男『さーせん……いやでもさぁ……』

男『今までは最低限物理的な障害があったわけでさ……』

男『どこでも抜けられる今となっては……その、なぁ……』

幼馴染「直接何か出来るわけじゃないんだから、いないと同義よ」

男『…………』カチッ

男『じゃぁ例えばさ』

幼馴染「何」

男『俺がふよふよと家の中漂ってさ』

幼馴染「漂えばいいでしょ、好きに」

男『お前が入浴中の風呂場に出たとする』

幼馴染「…………」

男『……ホラ、マズくね?』

幼馴染「…………」



幼馴染「…………」



幼馴染「別にいいけど」

男『だろ? だからやっぱりここで――今何つった?』

幼馴染「好きにすればいいでしょ」

男『……本気かよ』

幼馴染「あんたが触れられないのと同時に、あんたに制限をかけることも不可能だから」

幼馴染「……それに下手にストレスを感じて成仏したり悪霊化する位なら、好きに動いてもらって構わないわ」


男『……シャンプーして目を瞑ってる時におっぱいとかガン見するぞ』

幼馴染「…………」


幼馴染「どうぞ」

男『なっ……!』

男『…………』

男『……湯船の中に潜航して下半身ガン見するぞ』

幼馴染「……構わないけど」

男『……下半身って濁したけど、股間だぞ。貝だぞ、栗だぞ。分かってるのか』

幼馴染「濁したままじゃない。見たいならどうぞ」

男『お前本気で言ってるのか? モザイクの向こう側見られちゃうんだよ?』

幼馴染「別に減るものでもないし、何かできるわけでもないでしょうに」

男『えぇ~……』

男『……あ』

男『ひょっとしてお前さ』

男『見られて興奮ピカチュウウウウウウウウウウウウウウウッッ!』スカーッ

―ボフンッ

男『ファァァァァック! お前正気か!? こんな可愛いぬいぐるみ全力で投げるとか鬼か!?』

幼馴染「幽霊に言われたくない」

―コンコン

幼母「ねーぇ? 幼馴染ちゃん? お友達来てるの?」

男『あぁほら結構なボリュームで喋ってるから……』

幼馴染「あんたの方がうるさい」

男『俺の声は誰にも聞こえないんだからお前だけだっつの』

幼母「話し声が少し聞こえたから……お菓子とジュース用意しましょうか?」

男『アルフォートとカルピスがいいなぁ』

幼馴染「別にいらない」


幼馴染「今『男』と喋ってるだけだから」

男『バッ――』

幼母「…………」

幼母「男……くん……とお話……?」

男『お前何考えてるんだよ!?』

幼馴染「いいから聞いてなさい」

幼母「……幼馴染ちゃんは……まだ事故から間もない上に……そう……」

幼母「……そうプラズマよ……プラズマですべて説明ができる……」ブツブツ

幼母「幼馴染ちゃんは男くんのプラズマがプラズマでプラズマを称えよ……」ブツブツ

トッ トッ トッ …

男『…………』

幼馴染「言った通りでしょ。これでうちで暮らす不安要素は消えたわ」

男『おばさんの不穏さが爆上がりしたんだけど』

幼馴染「父さんもそんなものだから」ゴソゴソ

男『えぇ……って何してるんだ?』

幼馴染「下着出してるの」

男『へぇ……は、え、何で』

幼馴染「お風呂入るから」

男『おー……』

幼馴染「…………」

男『え、何? 別にパンツって小さい饅頭みたいにして仕舞うのかとか感心してたわけじゃ――』

幼馴染「見るんでしょ」

男『……パンツは見ちゃったけど。カワイイやつ』

幼馴染「そうじゃなくてお風呂」



男『…………』



男『お前は何を言っているんだ』



幼馴染「私のおっぱいとか股見るって言ってたじゃない」

男『いやっ、あれはあくまで例え話であって男性の幽霊を居候させることで起こりうる事態を』

幼馴染「見たくないの? どっちでもいいんだけど」

男『見たいです……』

幼馴染「そう」モソモソ

男『え、何でパンツしまうの』

幼馴染「……別に」ゴソゴソ

男『え、あ、おぉー……今度は随分とまた攻めた感じのエグい……』

幼馴染「見ないで」

男『え、何で』

幼馴染「……先に脱衣所行ってて」グッ

男『OK。可能な限り君の要求は私は答えるつもりだ、だからそのピチューをまず解放しようじゃないか』

幼馴染「…………」ググッ

男『行く! 行きますよ! 行く行く!』フヨ~ッ…

――――
―シュルッ

男『…………』フヨフヨ

―ストッ…

男『…………』フヨフヨ

―プツッ

男『…………』フヨフヨ

―パサッ…

幼馴染「……ねぇ」

男『何でしょうか』フヨフヨ

幼馴染「何でずっと背を向けてるわけ?」

男『あ、今自分が存外チキンだったことにショック受けてる真っ最中なんで、そっとしておいてください』フヨフヨ

幼馴染「……あっそ」
―カララッ

幼馴染「先に入ってるから、あとは好きにすれば」―ピシャッ


男『ぐぬぉぉぉぉぉぉ……!』グルングルングルングルン…

ここまで

――――
―カポーン

男『……チース、お邪魔しまーす』スルーッ…

幼馴染「……とっくに体洗い終わったけど」チャプン

男『ウース、実は見計らってましたー』

幼馴染「…………」ブクブク

男『いやぁー、実際覚悟いるもんだぜ?』

幼馴染「私の了承を得ているのに?」パチャ…

男『そこ。まさにそこなんだよ』ウン

男『結局のところ、お前に俺が見えてる時点でハードル高いわけ』

幼馴染「……要領を得ないわね」フー…

男『個人情報をバッチリ押さえられてる透明人間って、結局無力じゃね?って話』

幼馴染「……さっきも言ったけれど」

幼馴染「私にあんたを止める方法が無い以上」

幼馴染「単なる敗北宣言にしか聞こえないんだけど」チャプ…

男『はーい。負け。負けですー。負けましたー。どーせ俺はチキンですよー』

幼馴染「…………」

男『ま、まぁ、これから徐々に慣らしていけばいずれは……』

幼馴染「……どうだか」

男『お前男子のエロ力なめたらあかんぞ。架空請求やウィルス山ほど踏んで家族バレして一流のトレジャーハンターになるんだからな』

幼馴染「あんたが先延ばしして成功したの見たこと無いんだけど」

男『バカ言え。流石に一つや二つ……ある……はずだ……多分……それなりに……』

幼馴染「無いでしょ」

男『くそぉ……くそぉ……』


男『…………なぁ』


男『1つ質問』

幼馴染「……何?」チャポ…


男『何で裸見てもいいって言ったの?』


幼馴染「…………」

男『俺は嬉しいけどさ、お前にメリット無くない?』

幼馴染「…………」

男『やっぱり露出き』

―グワシィッ…

幼馴染「…………」グ…ググッ…!

男『分かった。悪かった。だからヴィダルサスーンを置こうか。それ投げたら確実に何か壊れるから』

幼馴染「…………」―スッ

チャプンッ―

幼馴染「……………………」プクプクプク…

サパッ

幼馴染「見たいって言われて……」

幼馴染「……悪い気はしないから」

男『…………いや、それってやっぱり』


幼馴染「……見せるなら、多分、あんただけ、だし」…プクプク

男『』

男『…………』

幼馴染『……~~ッ!』ザブンッ!

男『…………』

―グルン…

男『…………』

―グルングルン…

男『…………』

―ギュンギュンギュン…

男『…………』

―ドッギャアアアァァァッ! ギュルンギュルギュルン!!!!


―ビタァッ!!

男『ハアァァァァァンッ!?』ゴォォォォォッ―!

男『お前それってさぁ! どういう意味なのォ!? どうなのさぁ!?』

幼馴染「……ッ」ゴポゴポ…

男『何言ってるか聞こえねーよ! ちゃんと出て言って! お願いします!』

幼馴染「……~ッ」ゴボボッ…!

男『俺だけにってことはつまりさぁ、そういうアレだよねェ! いいのォ!? 勘違いしちゃうよ俺ェ!?』

幼馴染「……~~ッ」ゴボッ―

―ザバーッ!

幼馴染「っぷはっ!」///


男『……パイセン、勘違いしちゃいますよ俺……いいんスか……』


幼馴染「はーっ……はーっ……」///


男『今「うっそー♪」って言われたら確実に成仏できる自信あるッスよ……どうなんスかパイセン……』


―カポーン


幼馴染「…………そういう、意味よ」///

男『顔真っ赤ッスねパイセン……』

幼馴染「これはのぼせたからで――そのパイセンって言うのやめてくれない」

男『潜ったのそういうカモフラージュだったんスねパイセン……』

幼馴染「――ッ!」ザッ―

―バァァァァッ!!

男『熱ゥゥゥゥッ――くは無いな! 何故なら幽霊だから! だけど心はホットだぜ! ナーハッハッハッハ!』―スカーッ…

幼馴染「……~ッ」


幼馴染「…………」ザバッ

男『――WOW!』―グルンッ


幼馴染「……あがる」

カララッ…
―ピシャンッ!

男『…………』

男『まんまるむっちりお尻……』hmm…

――――

ここまで

――――

ブオー…

男『ねー』

幼馴染「…………」ブオー

男『悪かったって。からかってごめんって』

幼馴染「…………」…ブオー

男『いや俺にドライヤーあてても意味ないって。熱くないって』

幼馴染「…………」ブオー

男『謝るからさ』ヒョイッ

幼馴染「…………」プイッ

男『この通り』ヒョイッ

幼馴染「…………」プイッ

――――
モグモグモグ…

幼母「ね、ねぇ幼馴染ちゃん……?」

幼馴染「……何?」モグモグ

幼父「い、いや、何だ。確かにお前の為に買ったケーキなんだが……」

― ド ォ ォ ォ ン

幼馴染「…………」モグモグ

幼父「1ホールすべてを……一度に食べるのは流石にその……」

男『カロリーやべーよ……謝るからヤケ食いするなって……太るぞ』

幼馴染「――――」ギラァッ!

幼父「ひぃぃぃいッ!!」ガクガクガクガク

幼母「やっぱりストレスでプラズマなのよあなた!」ウルウル

幼父「ストレスでプラズマなら致し方ないのかプラズマ……!」プラズマァッ…!

男『なぁなぁ。1カットずつ食おうぜ? 大好きなイチゴさんも味わって食わないとかわいそうだぜ? な?』

幼馴染「あむあむっ」バクバクバクバク

男『おまっ!? イチゴだけ食うとかバランスゥ!』

――――

ペコペコッ――スッ…スッ…

幼馴染「…………」

男『機嫌直してくれよぉ……』

幼馴染「…………」スッ…スッ…

男『……あー、LINEかなー? 幼友ちゃんかなー?』ヒョイッ

幼馴染「…………」プイッ

男『……ぬーん』

幼馴染「…………」スッ…スッ…

男『ハァー……駄目か』フヨフヨ…

フヨー…

男『照れ隠しってかさー……』




男『俺も好きだったから、有頂天になっちゃっただけでさー……』




―ポロッ


ガッ―ガンッ!

幼馴染「…………」

男『ってスマホがーっ! 液晶からモロにいったよ今!?』

幼馴染「…………」

男『ガラスフィルムもタダじゃないんだし……大体、いつも貼り直すの誰だと思って――』
幼馴染「――今」

ズイッ

男『おわァッ!?』ビクッ


幼馴染「好きって」

男『え?』


幼馴染「……好きって、言った」

男『あ、ああ。言ったけど?』


幼馴染「……誰を」

男『そりゃぁ、お前を』



幼馴染「…………」フラ…

―ペタァン


男『……女の子座り、実にカワイイ』hmm…


幼馴染「――――」キッ!

男『パンツを見たわけじゃないぞ! 見たくないわけでもないけど!』アワアワ

ここまで


幼馴染「好きなら……! 何で……!」


幼馴染「もっと早く……!」


幼馴染「…………」

―テクテク

幼馴染「…………」―ボフッ


男『…………』

男『……あー』

男『その……』

男『……寝るなら電気消した方がいい、かなー、なんて』

幼馴染「…………」

男『…………』フヨフヨ


男『うわ耳赤ッ』

幼馴染「――ッ!」―ガバッ

幼馴染「告白」

男『はい?』

幼馴染「しなかった。耳は。何故。怒ってるから。教えて。赤いの」

男『待って。混ぜて喋らないで落ち着いて』

幼馴染「……フー」

幼馴染「何で私に告白しなかったの」

幼馴染「耳が赤いのは怒ってるからよ、勘違いしないで」

幼馴染「……あと言うタイミングとか、少し考えて」

男『タイミングったって、俺死んじゃったし……考えても仕方ない気がするんだけど』

幼馴染「…………」

男『あと告白ならとっくにしてるっての』


幼馴染「は?」


男『そんでフられたよ? 俺』


幼馴染「は?」

幼馴染「告白なんかされた覚えなんか無いわ」

男『したって』

幼馴染「してない」

男『いやしたって』

幼馴染「してたら忘れるはずがないでしょ。してたらこんな足踏みなんか――絶対されてない」


幼馴染「…………」


幼馴染「まさか、誰か別の女の子にしたことを勘違いして……」ギュムゥゥゥゥ…!

男『ドアラが驚くべきスリムな体系に。いや間違えるはずないだろ、確かにお前だよ』

幼馴染「じゃぁいつよ? 私の目を見て言ってみなさいよ」ギュムゥゥゥゥ…!

男『ドアラが過去最低の身長に。小3の時だよ。本当に覚えてない?』

幼馴染「…………」パチクリ


幼馴染「………………」


幼馴染「…………………………」
――――

――――
――


男《オレと今すぐ結婚してくれ!》バッ


幼馴染《…………》


幼馴染《あんたバカなの? できるわけないじゃない》


男《ガァァァァァァン!!》Noooooo!!


――
――――

幼馴染「…………」グタァー…

男『おっ、思い出した?』

幼馴染「……あれがカウントに入るはずないでしょ……」

男『ひでーな。一世一代の覚悟だったんだぜ? それをまぁ綺麗に一蹴されて見事に玉砕よ』アハハ

幼馴染「付き合う前に結婚も甚だ意味不明だし……第一小学生が結婚できるわけないでしょ……」

男『…………』ポクポクポク

男『…………』―チーン


男『ああー! そういう事かー!』

幼馴染「バッッッカじゃないの」ブンッ―

男『ドアラァァァァァァァッッ!!』スカー…

―ストッ

男『ドアラが立ったァァァァァァッ!!』

幼馴染「バカバカバカバカバカバカ」ボコボコボコボコ

男『ド、ドアラァァァァァァァッッ!!』

男『……グルグルパンチする幼馴染クソカワイイな』hmm…

ここまで

――――

幼馴染「…………」ギュゥゥゥ

男『……落ち着いた?』

幼馴染「…………」…コクン ―ギュゥゥゥ

男『落ち着いてもドアラさんは許されないのか』

幼馴染「……ぁ」

男『ん?』

幼馴染「……ぅ」

男『…………』

幼馴染「…………」

幼馴染「……す……」

幼馴染「……ぅー……」

幼馴染「…………」

幼馴染「……き……」

幼馴染「……だから」

幼馴染「…………」ギュッ

幼馴染「……私、も」

男『…………』



男『ごめん、もっかい言ってくんない?』

幼馴染「殺す」

男『ごめんごめん! 聞こえてるから殺さんといて!』アハハ


幼馴染「――あっ」ハッ

男『……ん?』


男『……あー』

幼馴染「…………」

男『や、気にすんなって。いつも言ってたし、いつも怒らせてる俺のせいでもあるし』

幼馴染「…………」

男『まぁ既に死んでるから殺す手間省けたな! とかそんな感じでアハハ――』
幼馴染「笑えないから」

男『……悪ぃ』

幼馴染「…………」

男『…………』


―チッ チッ チッ チッ…


幼馴染「……ねぇ」

男『……何?』

幼馴染「……お互い、その――なんだから」

幼馴染「…………」

幼馴染「……付き合う」

幼馴染「……付き合っても」

幼馴染「…………」

幼馴染「問題ないわよ、ね」クリクリ


男『…………』

男『………………』


男『え』

幼馴染「…………」クリクリ

男『いや、俺幽霊なんだけど』

幼馴染「……だから?」

男『え……いや、だから死んでる……』

幼馴染「……気にしないけど」

男『いやいや、気にしようよ。だって本体はお隣の棺桶の中だよ?』ピッ

幼馴染「お互い意思疎通が取れて」

幼馴染「お互い――なんだから」

幼馴染「……問題ないでしょ」

男『あるよ! いやじゃぁ仮に付き合ったとして』

幼馴染「///」ボンッ

男『うわ顔赤ッ』

幼馴染「続けて、仮に付き合ったとして?」///

男『……付き合うとするじゃん?』

男『デートしようとするじゃ――お前大丈夫か?』

幼馴染「……ハァ、フー」//////

幼馴染「……ふぅーー」


幼馴染「……デートするなら、何?」

男『ほら、手を繋ごうとしたりした時とか』

―バフッ

男『何故枕を顔に装備する』

幼馴染「気にしないで」モゴモゴ

男『顔赤くたって別に』
幼馴染「気にしないで」

男『…………』

幼馴染「続けて」


男『手ぇ、繋げないじゃん』

幼馴染「…………」

男『な?』

幼馴染「繋ぐ振りをして、手を重ねればいいじゃない」

男『……いやまぁ、そういうことでなく』


男『……マジメな話。既にいない人間と、関係を進めるのはどうかなって話でさ』グルゥーン…

幼馴染「…………」

―バッ

男『おわっ』


幼馴染「……逃げるつもり?」

男『に、逃げる? いやそうでなく、お前のこの先を考えるなら――』

幼馴染「私の未来は、私が決めるわ」

男『で、でもさ。遠距離恋愛ってうまくいかないって言うじゃん?』

幼馴染「これだけ近いならうまくいくでしょ」ズイッ

男『生と死って遠距離恋愛の最長距離だと思うんだけど……』

幼馴染「じゃあその前例を塗り替えるまでよ」

男『……ものっそい禁忌に触れてそうなんですがそれは』

幼馴染「……逃がさないから」スカッ

男『えぇ……』

ここまで

――――

男『今日は疲れたからもう寝よう。までは理解した』

幼馴染「…………」ポフポフ

男『幽霊って寝たり起きたりするのか気になるから検証しよう。も理解した』

幼馴染「…………」ポフポフ

男『でもさ』


男『同じ布団で寝る必要ってある?』

幼馴染「…………」ポッフポッフ

男『さっきからベッドをポンポンしてるそちらの女性の方?』

幼馴染「…………」ボッフボッフ

男『埃立つからやめんさい』

幼馴染「…………」

男『いや、確かにお互いの気持ちが分かった訳だし』

男『俺だってやぶさかではない、とは思うよ?』

幼馴染「……なら」

男『ただその、告白したその日にってのは性急過ぎるような』


男『――エロマンガじゃあるまいし』

幼馴染「…………」―ピクッ

幼馴染「……エロマンガ、持ってるんだ」

男『……そりゃぁ、健全な男子ですからそれなりに』

幼馴染「……前に捜索した時は無かった」

男『ハハハ、そう簡単に見つかって――捜索してたのかよ』

幼馴染「……燃やさなきゃ」

男『何で!?』

幼馴染「もう男には必要ない」

男『反論できないロジックで殴りつけないで! でも頑張って集めたお宝達を燃やさないで! 生前大事にしてたものだよ!? ねぇ!?』

幼馴染「…………」

幼馴染「……内容によっては」

男『え?』

幼馴染「内容によっては燃やさない」

男『……え?』


幼馴染「どんな内容のエロマンガか今ここで教えて。できるだけ詳細に」


男『どんな拷問だよ……』

幼馴染「教えないならすべて燃やすわ。塵は塵に」

男『何その好きな死に方を選ばせてやる的な2択』

幼馴染「…………」

男『……えーと』

幼馴染「…………」

男『……その、ですねぇ』

幼馴染「塵」

男『待って! 分かった! 言うから!』

男『……お』

幼馴染「……お?」

男『お、おさ……』

幼馴染「オサ?」


男『幼馴染モノがメインで……て言うかそれしか持ってない……』カクンッ

幼馴染「…………」


幼馴染「………………」



幼馴染「……………………ふぇっ」

男『そこからまぁ……イチャラブモノから……わりかしハードなプレイまで手広く……』

幼馴染「――ッ、~~ッ」

男『髪型とか体型とか性格とか……お前に似てる部分あったら全残しみたいな』

幼馴染「……分かった」

男『あとエロマンガだけじゃなくてグラビアとかも』
幼馴染「分かったから」

男『……燃やさない?』

幼馴染「…………」フー…

幼馴染「燃やさないから」


男『……気持ち悪い?』

幼馴染「…………」


幼馴染「……別に」クリクリ

男『なら良かった』ホッ


幼馴染「……じゃぁ」


幼馴染「……寝る?」

男『……そこは変わらないのか』


幼馴染「…………」ポフ…ポフ…

幼馴染「……ェロマンガみたいってことは」

幼馴染「……してみたかった、ことじゃない、の?」


幼馴染「…………」///



男『……ン゛ン゛ッ』オホン

男『えぇと……んじゃまぁ……』

男『お言葉に甘えて……うん』フヨフヨ…


――――

――――

幼馴染「……キモい」

男『キモいじゃねーよバカヤロー!』

男『壁抜けできる時点である程度予想できた事だろうがー!』

―スカー

幼馴染「右半分だけ布団の上に出てるの、すごくキモい」

男『布団被れないから当たり前だろ!? ちくしょう浮けばいいんだろ浮けば!』スゥッ―

幼馴染「ダメ。同じ布団の中じゃないと意味がないから」

男『どないせっちゅーんじゃ……』スカー

ここまで

――――

男『……相も変わらず諦めの悪い』

幼馴染「殴るよ」スカッ

男『殴る方が早いあたりホント流石だよな』

幼馴染「……はい」ポンポン

―モッコォ


男『布団にぎっしりぬいぐるみ達が……』ウワァ…

幼馴染「これで丁度あんたが寝る場所は布団盛り上がる。キモくならない」

男『いやぬいぐるみの集合体キモくない……? パーツごとにえげつない攻撃してきそうだよ……?』

幼馴染「うちの子達をモンスター扱いしないで。ホラさっさと入って」

男『はいはい。こんな感じかな』ヌッ


幼馴染「…………」

ドアラ「…………」


幼馴染「ねぇ。私ドアラと向き合って寝なきゃいけないわけ?」

男『俺もドアラで視界塞がって何も見えない』

幼馴染「ふんっ」ポーイ

男『今日もドアラは空を舞う』

男『よっ、はっ、よっと……。意外と座標を固定するの難しいな。こうか?』

幼馴染「うん。違和感な……い……」

男『ん? まだめり込んでる?』


幼馴染「……近い」

男『はい?』


幼馴染「顔が近すぎる」

男『同じ布団に入ったらこうならざるを得ないだろうが』

幼馴染「…………」


幼馴染「…………」///

男『…………』

幼馴染「…………」///

男『……反対向こうか?』

幼馴染「……いい。このままで」

男『…………』

幼馴染「…………」

男『思い出した』

幼馴染「……何を?」

男『昔さ、こうやって一緒に寝たことあったろ』


幼馴染「…………さぁ」

男『何だっけかな……あぁ! そうだそうだ! ホラー映画見た後だった気がするな!』

幼馴染「…………」

男『スーパーボール窓にボンボコぶつけられて、真夜中に起こされてさ』

幼馴染「…………」

男『眠い目こすって窓開けたら開口一番『寝れないから、来なさい』ってやったら上から目線でさ』

幼馴染「…………」

男『そっち渡るの面倒臭いから嫌だって言ったら、無言でスーパーボールをビー玉に持ち替えてきたろ?』

幼馴染「…………」

男『ガラス割られちゃ敵わないって根負けしてこの部屋来たの――あれ? 覚えてない?』

幼馴染「…………」

幼馴染「…………」

幼馴染「忘れるわけ、ないでしょ……」

男『……ゾンビ映画だったよな』

幼馴染「ゾンビ映画じゃなくてゾンビそのもの」

男『……えーとドーンなんとか?』

幼馴染「そう」

男『お前の大好物じゃねぇか』

幼馴染「……あの当時は怖かったの」

男『今じゃぁ新作出るたんびに飛びついちゃぁぐちぐち出来に文句言うんだからなぁ……成長したもんだ』


幼馴染「…………」

男『…………』

男『……何話したかまでは覚えてないな』

幼馴染「……覚えてないの?」

男『一緒に寝れるってだけでそりゃ心臓バクバクよ。要はテンパってた』

幼馴染「…………」

幼馴染「大切な人に死んだらもう会えないし」

幼馴染「それがああやって蘇って襲ってきたら……どうしようって」

男『……あー、倒せるかって話だっけ?』

幼馴染「何とか捕らえて一緒に暮らせないかなって話」

男『映画違ってないかそれ』

幼馴染「…………」

幼馴染「……でも、きっともう……私のことが分からないんだろうなって」

幼馴染「死んだら何もかもおしまいなんだなって」

幼馴染「……そう考えたら、眠れなくなって……」

男『……俺は何て言ったの?』

幼馴染「俺だったら生き返るから大丈夫」


男『……は?』

幼馴染「お前のことも分かるし心配するな」

男『説得下手くそ過ぎないか幼少の俺』

幼馴染「誰もあんたの話なんかしてないって、私さんざんあんたの乳首つねって……」

幼馴染「…………」

幼馴染「それで眠れたわ」

男『説得できたからなんだか乳首つねったから寝たんだか』


幼馴染「……嘘つき」

男『え、何が?』

幼馴染「死んだままじゃない」

男『無茶言うなよ! それにお前のこと分かってるんだから半分は達成できてるじゃん!』

幼馴染「…………」

幼馴染「……ねぇ」

―スッ

幼馴染「ここに手を置いてくれない?」

男『……こうか?』


幼馴染「……それでいいわ」

―スッ

男『……おぉ』

幼馴染「手、繋げてるでしょ」

男『……まぁ、見た目だけな』


幼馴染「…………温かい」

男『……そりゃぁ、布団の中だからな』

幼馴染「……うん」ウト…

幼馴染「……ねぇ」

男『んー?』

幼馴染「もう……」


幼馴染「もう、どこにも……」ウト…


幼馴染「行かないで……」

幼馴染「ね……」

幼馴染「…………」


男『どこにもって、行く当ても――もしもし?』

幼馴染「…………」スゥ…スゥ…

男『……よく寝れるな』

男『俺死んでるってのにドキドキして眠くも何とも……』

男『…………』

男『よく見りゃ、すげぇ目のクマだな……』

幼馴染「…………」スゥ…スゥ…

男『…………』

男『……そっか』

男『寝れて無かったんだな』

男『……俺のせいで。多分、自惚れでなければ』

幼馴染「…………」スゥ…スゥ…

男『…………』

男『……どうすっかなー、これから』

男『何が正解なんだろうなー、死んだ後って』


幼馴染「……ん……」


幼馴染「……す……き……」



男『…………』




男『何で死んじゃったかなー、俺』

男『…………』―スッ

幼馴染「…………」スゥ…スゥ…

男『明日起きたら……』

男『…………』

男『……明日起きて、俺がまだここに残れてたら』

幼馴染「…………」スゥ…スゥ…


男『新しいゾンビ映画見ような』

男『……ま、今はそれでいいよな』

幼馴染「……ださ……く……」ムニャ…

男『……ハハッ』

男『……また明日な、幼馴染』

男『…………』

…スカァ―

男『…………おやすみ』

――――

ここまで

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