提督「宝塚記念でキタサンブラックに全財産かける」 (47)

雷「たいへんたいへん。仕事が遅くなっちゃった。早く帰って司令官にご飯作ってあげなきゃ」

店長「雷ちゃん、ちょっと良いかな」

雷「はーい!なんですか?」

店長「いつもお仕事ご苦労様。これは寸志程度だけどボーナスだよ」

雷「いいんですか!?ありがとうございます!これで司令官に美味しいものを食べさせてあげられるわ!」

店長「そのー……司令官?さんは……職業が司令官なんだよね?」

雷「もちろん!でも最近は仕事もしないで競輪と競馬ばかりしてるけど」

店長「……」

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雷「ただいまー。司令官、いい子にし」

提督「クソが!!何やってんだこのゴミクズ野郎!!この展開で差せないなら競輪やめろ!死んで償え!!」

雷「司令官、どうしたの?また外れちゃった?」

提督「あのカス野郎、八百長しやがって!」

雷「よしよし、かわいそうな司令官。こんな時は美味しいものを食べて気分転換しましょ?」

提督「飯なんてもやしでもなんでも良い。だから代わりにまた少しだけ、な?」

雷「昨日3万円渡したばかりなのに……」

提督「頼む!雷だけが頼りなんだ!」

雷「もう……2万円だけよ?」

提督「ふざっ……」

雷「司令官、ご飯できたわよ」

提督「ああ、今行く」

雷「元気ないわねぇ。そんなんじゃダメよ!」

提督「もうさっき入金した金も半分持っていかれた」

雷「えっ……」

提督「こうなったらミッドナイト競輪で取り戻すさ」

雷「そうなんだ……。無理はしないでね?」

提督「あそこであのバカが落車してなけりゃ……」ブツクサ

雷「……ねえ司令官、もうギャンブルは」

提督「うまっ。やっぱ雷の手料理は最高だな」

雷「そう?もーっと私に頼って良いのよ!」

提督「結局全部もってかれたか」

雷「大丈夫よ。お金ならまたあげるから元気出して」

提督「今すぐまとまった金が必要なんだ!!」

雷「今すぐ?どうして?」

提督「明日の宝塚記念、キタサンブラック軸で間違いない。ほとんどノーリスクで金が増えるチャンスなんだよ!」

提督「これを見てくれ。今なら……1.5倍くらいか。当日にはもう少し下がるかもしれないが、チャンスなんだ!」

雷「でも負けちゃうかもしれないんでしょ?馬がどのくらい調子いいかなんて分からないじゃない」

提督「調子とか関係ない!このメンツ、逃げるのはキタサンブラックしかいないんだ!キタサンブラックのマイペース駆け、負けるはずがない!!」

提督「……とは言えサトノダイヤモンドに差されたりもしているからな。俺も馬鹿じゃない。賭けるのは複勝だ」

雷「複勝?」

提督「オッズは下がるけど1.1倍はつくと思う。これは3着以内に入ればいい馬券」

提督「つまり馬体故障や落馬が無ければ必ず当たると言っていい。調教して体重も減ってない。騎手は武豊。間違いなく大丈夫だ」

雷「わかったわ。じゃああと1万円だけよ?」

提督「1万円だけか……」

提督「雷、さっきも言ったがこれはチャンスなんだ。でも安全重視だから配当は良くない。1万円賭けたところで返ってくるのは11000円だけ」

提督「でも10万賭ければ11万、1万の儲けになるんだ」

雷「でもそんな大金……」

提督「たのむ雷、今日の負け5万を取り返すため……いや、倍に増やすために100万貸してくれ!」

雷「100万円!?」

雷「そ、そんな大金急に言われても……」

提督「海上護衛やってた時の貯金とかあるだろ?絶対に増やして返すから!!」

雷「でも…………」

提督「頼む!俺を男にしてくれ!!これで稼いだら何か変われる気がするんだ!!」

雷「司令官……わかったわ。明日郵便局に行ってくるから。多分ギリギリあると思う……」

提督「よし!じゃあ明日、夜は久々に焼肉行こうか!たまには俺が奢るぞ!」

雷「司令官ったら。楽しみにしてるわね」

雷「はぁ……カバンに100万円入ってるなんて落ち着かないわね……正確には101万円だけど」

時雨「雷?」

雷「あっ、時雨。久しぶりね!元気にしてた?」

雪風「雪風もいますよ!」

時雨「なんだか浮かない顔だね。悩み事かい?」

雷「悩みって程じゃないけどね……」

雪風「まあまあ、立ち話もなんですから喫茶店に入りましょう!お代は時雨持ちで!」

時雨「まったく、しょうが無いなぁ。雷、時間は大丈夫かな?」

雷「まだ午前中だし……ええ、少しだけなら」

時雨「すみません、3人なんですけ」

店員「おめでとうございます!当店オープンからだいたい10000人目くらいのご来店です!」

雪風「それって何かいい事あるんですか?」

店員「本日の飲食代は無料、帰りには記念品の贈呈もご用意しております」

雪風「やりましたね!今日はたくさん食べて帰りましょう!」

雷「そう言えばあんた達って運が良かったわね……」

つらい

時雨「じゃあ早速どうしてそんな浮かない顔をしていたのか聞かせてもらおうか」

雷「ちょっと待ってね」

雪風「それ知ってます!スマホですよね!雷ちゃんは大人です!はい!」

雷「そんなんじゃないわ。連絡が取れないと不便だからって会社の人に持たされてるのよ」

時雨「会社の人……?」

雷「あった!確かコレだったわ」

雪風「たから……きねん?」

時雨「これって競馬だよね?これがどうかしたのかい?」

雷「ズバリ聞きたいの!この中でどれが勝ちそうか!」

雪風「雷ちゃんは競馬もするんですか!?大人です!」

時雨「確かに僕たち艦娘はギャンブルやお酒も禁止されてないけど……オススメはしないよ」

雷「一生のお願い!今回だけでいいの!!」

雪風「雷ちゃん……わかりました!雪風達におまかせください!」

時雨「そんな安請け合いして。だいたい僕たち競馬なんて分からないじゃないか」

雪風「このサトノクラウンですね!」

雷「サトノクラウン……?」

時雨「あっ、僕もそれかな。あとこのゴールドアクター?」

雪風「雪風的には、げっ歯類としてミッキーは選ばずにはいられません!ふたりいるのでミッキークイーンで!」

時雨「いいね。僕も3番目はそれが良いと思うよ」

雷「ちょ、ちょっと待って。あの、北村さんブラックって馬は……?」

時雨「北村さん?このキタサンブラックかい?」

雷「そうそれ!すーっごく強くて1番になるかもって!」

時雨「そうなんだ。ごめんね、よく知らなくて」

雪風「キタサンブラックですか……特に気になりませんね」

雷「じゃあ、さっきの3つはどうやって選んだの?」

雪風「なんとなく適当にです!予感がしたので!」

時雨「僕もなんとなく。カンかな」

雷「なんとなく……?カン……?あなた達が言うと恐ろしく説得力あるわね……」

雷「今日はありがとう。参考にさせて貰うわ」

雪風「それだけだったんですか?」

雷「うん。それによく考えたら、もうどんなアドバイスしても無駄だろうし」

時雨「雷……キミ、まだあの司令官と一緒にいるのかい?」

雷「当然よ。私がいなきゃ司令官はダメなんだから」

雪風「ですがあのしれぇからは幸運の女神のキスは感じませんよ?」

時雨「ねえ雷、一度提督の元を離れる気はない?」

雷「な、なに言い出すのよ。そんなのあり得ないわ!」

時雨「少し厳しい言いかたをするけど、このまま雷が提督の世話を焼く限りなにも変わらない。提督はダメなままだよ」

雷「私が面倒を見るから平気よ」

時雨「キミは平気かもしれない。でもね、提督はそれで良いのかな?」

時雨「艦娘と関係ない仕事をキミにさせて、昔と変わらず遊んでばかりでしょ?」

時雨「雷が満足する代わりに提督は人として落ちぶれる一方。キミは提督の面倒を見たいがために」

雷「ちがう!そんなんじゃ…………司令官は元々ダメな人間なのよ!だから雷が面倒を見てあげるの!」

時雨「そうする事でダメな提督がますますゴミクズみたいな人間になるって言ってるんだ!」

雪風「はわわわわ」


提督「へっくし!誰か噂してるな~?へっへっへっ、早く100万円振り込まれないかな~」

時雨「ごめん、大声出して」

雷「こっちこそ……」

時雨「今ね、僕たちは近くの鎮守府でお世話になってるんだ」

雪風「ここの鎮守府のしれぇは若くして少将にまでなった逸材なんですよ!見た目も性格も完璧で幸運の女神のキスを感じちゃいます!」

雷「そう。でも雷には今の司令官しかあり得ないから」

時雨「遊んでばかりでセクハラだらけ。まともに仕事をせずキミ以外の艦娘みんなに出ていかれた提督なのに?階級も金魚売りだっけ」

雷「階級とかそんなのはどうだっていいの!私には……」

時雨「僕たちだって同じ気持ちさ。いつかはあの提督の為に頑張ってあげたい。あれでも僕たちわ建造してくれたのはあの提督だからね」

雷「だったらどうして出て行ったのよ!」

時雨「提督に変わって貰いたかったんだ。自立して、しっかりした人間に。僕達が呆れて出て行けば改心してくれるかなって」

時雨「でも結果は変わらず。雷に泣きついて、結局雷が全部1人で面倒を見ているからね」

雷「……」

時雨「今いる鎮守府の提督は一時的に僕達を預かるって条件で面倒を見てくれているんだ」

雷「一時的に?」

時雨「うん。もちろん衣食住の面倒を見て貰ってる代わりに、艦娘として任務や遠征はこなしているけどね」

時雨「正式な異動だと色々手続きがあるし、そっちの提督の了解も必要になるから」

雪風「ぶっちゃけ今そっちのしれぇが本気で雪風達を取り戻したいなら、あの手この手で取り戻せるんですよね!」

時雨「あくまで所属はそのままだから。全ての権限はそっちの提督にあるからね。でも提督はそれもしないし考えも思いつきもしない」

時雨「提督にとって僕達はその程度の存在なんだ」

時雨「これ、僕達がお世話になってる鎮守府の連絡先」

雪風「大きな鎮守府で仲間も沢山いて楽しいですよ!」

雷「だから私は……」

時雨「電も寂しがってる。良かったら連絡してよ」

雷「電…………」

時雨「ごめんね。意地悪な事言って」

雷「電は元気にしてる?一緒にいる時もずっと元気なかったから」

時雨「それはもう、こっちに来てから凄く元気だよ」

雪風「しれぇに褒められたいから朝5時に起きて毎日洗面所にスタンバイしてますね!」

雷「えっ?」



こっちの鎮守府

電「し、司令官さん、おはようございますなのです」

司令官「おはよう電。今日も早起きで偉いね」

電「そ、そんな事、ないのです……」テレテレ

雷「あっ、司令官から電話。ちょっと待ってね」

雷「もしもし?司令官、どうかしたの?」

提督「雷か?いやー、なんかさ、最近ネット投票で買うから当たらないのかなって思ってさ」

提督「悪いんだけど場外馬券売り場で馬券買って来てくれないか?ゲン担ぎってやつで!」

雷「場外馬券売り場……?でも何処にあるか分からな」

提督「市内まで出ればあるから!んじゃ頼む!3時までには帰って来てくれよ!」

雷「司令官?司令……切れてる」

雷「そろそろ行くわね。ちょっと場外馬券売り場っていうの探しに行かなきゃ」

時雨「場外馬券売り場?」

雷「そこで馬券を買って来てほしいんだって。ゲン担ぎなら仕方ないわよね」

雪風「そんなの自分でかえばいいじゃないですか」

雷「司令官は予想して疲れてるから……」

時雨「雷は仕事で疲れてるんでしょ?それに何処にあるかすらわからないのに」

雷「とにかく行くわ!スマホがあれば見つかるはずよ!」

時雨「雷!連絡待ってるから!」

雪風「行っちゃいましたね。雷ちゃんに幸運の女神の加護がありますように」



雷「場外馬券売り場……場外馬券売り場……」

隼鷹「あれ?雷じゃん!元気にしてたー?」

雷「隼鷹さん、千歳さん達も。みんなでお出かけ?」

隼鷹「今から酒代稼ぎに場外馬券売り場へ行くとこ~♪」

雷「場外馬券売り場!?よかった、雷も一緒に連れて行って!!」

雷「ハァッ、ハァッ……なんとか間に合った……」

雷「た、ただいま……」

提督「雷!遅かったな!馬券は!?」

雷「はい。これであって」

提督「よっしゃあああ!!100万の大勝負じゃー!!」ダッ

雷「司令官……」

雷「ただいま…………」

雷「…………」

提督「よーし、頼むぞー!!」

雷「5万円増えたら何をご馳走してもらおうかしら」

提督「いや、これは負けを取り戻す戦いなんだ」

雷「?」

提督「今日も既に5万負けてるから」

雷「そんなお金どこから……?」

提督「食費を増やしてやろうとしたんだけどさ。ほんと最悪だよあの駄馬!」

提督「まあキタサンブラックで稼いで返すから」

雷「うん……司令官には悪気なかったんだもんね。キタサンブラック応援しましょ」

提督「よし始まった!いけー!!」

提督「あ?逃げないのかよ!でもまぁいい位置!いけるいける!!」

提督「よし直線絶好位!!キタキタキタキタ!!いけー!!」

提督「あ、あれ?おい!!ふざっ……何やってんだ!!なんで伸びねぇんだよ!!」

提督「ばか!!はあ!?八百長だろこんなの!!やらずかよ!!」

雷「し、司令官……?」

提督「なに!?」

雷「ご、ごめんなさい」

提督「マジムカつく。シュヴァルグランだよあいつ、福永のバカ。なにが偉大な馬だボケ!!」

提督「あいつの死に掛けのせいで俺のキタサンが潰されたんだろうが!!」

提督「クソクソクソクソクソクソ!!」

雷「あ、あの……100万円は全部なくなっちゃったの……?」

提督「そうだよ騙されたんだよJRAに。マジで腹立つ。普通にやってりゃ110万だったのに」

提督「ごめんな雷。次は絶対当てるから。また貯金が貯まったら100万1点賭けしよう」

雷「えっ……」

提督「いや、外れたけどまぁかなり興奮したし、ムカつくけど楽しかったのは確かだからな!」

雷「雷の100万円……」

提督「俺も100万が早く貯まるように毎日頑張るからさ!競輪と競馬で!」

雷「ちょっと出かけてくるわね……」

提督「あっ、雷!」

雷「どうしたの?」

提督「今日の負けを少しでも取り戻したいからさ。口座に金振り込んで来てくれないか?できる限りでいいから!」

雷「司令官……」

提督「なるべく早く頼む!さあ予想予想!」

雷「…………」

雷「いってきます」

雷「いってきます……」

雷「また場外馬券売り場……か」

『三連勝単式 サトノクラウンーゴールドアクターーミッキークイーン』

雷「これ、当たってるのよね?」

雷「1万円残ってた分で言われた通り買ってみて良かったわ」

雷「少しでも帰ってくれば……」


係員「ではこちら、704万と2000円になります」

雷「えっ……?ええ!?こ、こんなに」

周り「ひそひそ……」

雷「ど、どうしようこんな大金……持ち歩くなんて怖いじゃない……」

隼鷹「あー!いたいた!」

雷「隼鷹さん!」

隼鷹「ぎゃー!!そ、そんなに稼いだの!?」

雷「うん、なんだかよくわからないけど当たったみたいで」

隼鷹「カァー!馬単1000円賭けたのを当てて喜んでたあたしがバカみたいじゃん!」

隼鷹「鎮守府まで送ってくよ。子供が1人でそんな大金持ち歩いてちゃ危ないでしょ」

雷「ありがとう。助かるわ」

雷「あっ、電話…………もしもし」

提督「雷!振り込み遅い!!今のレース予想当たってたのに買えなかっただろ!!」

雷「ご、ごめんなさい、持ち合わせが無くて……今お金受け取っ」

提督「とにかく早くしてくれよ!ったく!」

雷「…………うっ、うぅ」

隼鷹「ん?雷!?どうした?どっか痛いのか?」

雷「ごめんなさい。ちょっと郵便局に寄っていいかしら」

隼鷹「ああ、そうだな。貯金しちゃうのが1番安全だからな」

雷「うん……」



雷「おまたせ」

隼鷹「おう。まあ貯金はしてもなんか心配だから送ってくよ」

雷「ありがとう。そうして貰えると嬉しいわ」

隼鷹「ん?そっちから来たんだぞ?逆逆!」

雷「みんながいる鎮守府はこっちでしょ?久々にみんなの顔が見たくなっちゃった。案内してくれる?」

隼鷹「お、おう!もっちろん!!みんな喜ぶよ!こりゃ今日はパーティーだねぇ♪」

雷「良いわね。パーティーなんて久しぶり。100万円くらい持って来たから盛大にやりましょ!」

提督「遅い遅い遅い遅い遅い遅い!振り込み遅い!!」

提督「おっ、キタキタ!……は?ええ??」

提督「600万円!?なっ、へ?どこからこんな金が!?」

提督「ちょ……お、おっしゃあああああ!!こんだけ種銭あればFXいくしかねえ!!」

提督「ふぉー!!!!」

数ヶ月後

雷「司令官、そんなんじゃダメよ!」

司令官「ん?」

雷「ほら、制服に糸くずが付いてる!ハンカチは持った?」

司令官「持ったよ」

雷「今日は将校が集まって大切な会議があるんでしょ?司令官はもう中将なんだからしっかりしないと!」

司令官「そうだな。世間では若いと言われてるがもう良い歳だ。見本になる様気をつけるよ」

雷「気をつけてね!いってらっしゃい!」

司令官「いってきます」

雷「……フフッ」

時雨「随分ここの生活にも馴染めたみたいだね。僕が言うのもなんだけどさ」

雷「時雨達のおかげよ。私、気付いたの」

雷「ダメな人間の世話を焼くより、出来る人の世話を焼く方が100倍幸せだって!」

雷「世間では完璧とか言われてる司令官のお世話をするなんて最高だわ!」

時雨「もうむこうの提督の事は吹っ切れたのかい?」

雷「むこうの司令官?誰のこと?」

時雨「それは流石に可哀想だよ……ほら、僕達を…………僕達は……」

時雨「あれ?僕達はどうしてここにいるんだっけ?」

司令官「ただいま」

雷「おかえりなさい!司令官!」

電「なのです!」

時雨「おかえりなさい」

雪風「おかえりなさい!」

『おかえりなさい。おかえりなさい』


司令官「今日はみんな揃ってどうしたんだ?」

雷「あのね、雷達はこの鎮守府でお世話になってるわよね?」

司令官「みんなよく働いてくれてるし世話をしているつもりはないけど、それがどうかしたのかい?」

雷「雷達はどこから来て、どうしてここの鎮守府のお世話になってるのかしら?誰も思い出せないのよ」

司令官「誰も?」

隼鷹「んー、そうなんだよねー。あたし達がここの鎮守府の艦娘じゃないって事は分かってるんだけど」

司令官「そうか……」

雷「司令官?」

司令官「何も心配する事ないさ。みんなは俺の艦娘だ。これからも一緒に戦ってくれるか?」

雷「司令官が……司令官が雷達の司令官……そうよ、雷達の司令官は最初から司令官しかいないじゃない!」

時雨「そう言えばそうだよね。僕達何をいっていたんだろう」

隼鷹「酔いが覚めておかしくなってたに違いない!よーし、飲み直そう!!アハハハ」



大淀「提督、これで宜しいんですか?」

司令官「ああ。彼女達は今日から正式なこの鎮守府の艦娘だ」

大淀「余計な感情を抱かない様、着任した鎮守府の提督が「提督」でなくなった場合、記憶をリセットされ新しい提督の元へ……でしたね」

雷「司令官!お風呂も沸いてるけど食事とお風呂どっちにする?」

司令官「先に風呂に入ろうかな」

雷「分かったわ!着替えとタオルの用意をしておくわね!」

司令官「雷」

雷「なに?どうかした?」

司令官「今、幸せか?」

雷「もちろん!雷は司令官のお世話をするのが大好きなんだから♪」

司令官「そうか。なら良かった」

雷「? へんな司令官」



提督が提督で無くなったら艦娘は提督の記憶をリセットするように作られている。

あの提督が600万を溶かした後、どういう経緯で提督では無くなったのか

誰も知らないし興味も持たれないのでした。


おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  mashmal   2017年07月04日 (火) 08:17:15   ID: hpiB-zDc

黒くて薄いss

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