提督「艦これSSか……」 (69)

提督(素直になれない艦娘とイチャイチャするSS)

提督(明石や夕張の謎開発から発展するドタバタSS)

提督(運やエタが複雑に絡み合う安価コンマSS)

提督(どれも素晴らしく面白い。長編なんて何度でも読み返してしまう)

提督「…俺の鎮守府も、こんな感じだったら良かったのに……」

提督(着任しておよそ一年の時が過ぎた)

提督(その間、意味深な方の夜戦はおろか、ラッキースケベすらない)

提督(現実とは非情なのである)

提督「……いや、待てよ…?」

提督(このSSがもし、『仮想鎮守府物語』としてではなく、『実際の出来事に対しての記録』だったとしたら?)

提督「俺もこのSSのように動けば、この鎮守府はSSの鎮守府になれる…!?」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498970931

球磨「提督、失礼するクマ」

提督「!お、おう、球磨…どうした」

球磨「海上護衛の任務を完了したクマ。その報告クマ」

提督「そうか、ご苦労だった」

提督(球磨。少々ふざけた口調ではあるが、球磨型の一番姉として結構しっかりしている)

提督(SSでは提督LOVE勢兼ぬいぐるみ代用として扱われることが多いが…)

球磨「それじゃ部屋に戻るクマ」

提督(俺に対してはやや冷たい!)

提督「ま、待て!」

球磨「クマぁ?」

提督「コホン…球磨、最近はりきっているようだな」

球磨「??球磨はいつも通りクマ」

提督「だ、だが遠征では毎回大成功を収め、資源も多く採ってきている」

提督「並大抵の艦娘にできることではない」

球磨「普通のことクマ。それに球磨だけの成果じゃないクマ」

提督「ああそうだ、そうだが……えっとその…」

提督「ご、ご褒美だ!ほら、優秀な子には褒美があって然るべきだろう!?」

球磨「そんな必死な顔をしないで欲しいクマ…」

提督「とにかく!!球磨!ちょっとこっちに来なさい!!ほら!!!怖くないから!!」

球磨(不審者クマ)

球磨「まあそこまで言うなら行くクマ…」

提督(ここだ!)

提督「」ナデナデナデナデナデナデナデナデナデナデ

球磨「!」

提督(くぅ~!この肌触り!サラサラして気持ちえぇですわぁ……)ナデナデナデナデ

球磨「提督、『この手は何だ』クマ?」

提督「ああ…これが褒美だ。遠慮せずに受け取るがよい」

提督「おっと、甘えるならせめて抱きしめ程度にしてくれよな」

提督「はっはっは」ナデナデナデナデナデ

提督(確か記録によると、これで球磨は「やめるクマ~」と言い、一応抵抗はするものの)

提督(撫でられているうちにほんわかぽっかぽか状態になり、提督に対する愛がいっそう深まる!)

提督(今日の夜戦は君に決めたァァ!)ナデナデナデナデ

球磨「」パシッ

提督「……」

提督「……」

提督「……え?」

球磨「やめろクマ。掻き混ぜるように触られたら髪の毛が痛むクマ」

提督「あ、ああ……」

球磨「それに」










球磨「提督に撫でられても全く嬉しくないクマ」

提督「」

球磨「失礼するクマ」バタンッ

提督「」

提督「」

提督「は!」

提督「いかんいかん、この程度で挫けていてはいけない…」

提督「そうだな、確かに嬉しくてミキサーの如く触ってしまった」

提督「こういうのはもう少しステップを踏んでからやらなくてはな…」

提督「しかしこのSS…もとい記録は本当のものなのだろうか?」

提督「あの曙とケッコンカッコカリしているものもあるし、到底信じられんが…」

提督「まあまだ決めつけるのは早い。次だ次」

提督「やはりまずは安パイから攻めてみるのが一番だ」

金剛「テートク、入るデース」

提督「おお金剛、よく来てくれた。ま、座ってくれ」

金剛「heyテートク、一体何の用ネ?」

提督(そう…金剛)

提督(絶対に揺らぐことのない聳え立つ大きな山。どの記録でも提督LOVE勢筆頭として活躍している)

提督(……なかにはもちろん例外もあるが……)

提督(しかし、金剛さんなら!金剛さんならやってくれる!やらせてくれる!)

提督「いやなに、不定期ながらもこうして艦娘との個人面談を行っていてな、今日が金剛の日だったんだ」

金剛「oh!そーいうことだったんデスネー」

金剛「いきなり来いって言われたからびっくりシマシタ」

提督「ははは、すまんすまん。まあ気楽にしてくれ。紅茶でいいよな?」

金剛「サンキューデース!」ニコニコ

提督(よしよし…ここまでは記録の金剛とあんまり変わりない…)

提督「それにしても金剛、今までもそうだったが、最近は随分と綺麗になったな」

金剛「」ブッ

金剛「ホ、ホワッツ!?!?!??い、いきなりどうしたんデスか!?」

提督「それにいい匂いだ。いつも使ってる香水じゃないな?」

金剛「!?」ゾワッ

提督「いつも艤装しているのに指も綺麗だ…」

提督「全く、とても綺麗だよ、金剛」

提督(必殺・褒めちぎり!!!)

提督(女性は自分が褒められることが好き!さらに艦娘たちは美容や容姿関係で褒められ慣れていない!)

提督(そして普段は褒めない俺が褒めるというギャップ性!!!)

金剛「アハ、ハハハハ……」

金剛(今日のテートク、凄く気持ち悪いデース…)

提督「さて、金剛…」スッ

金剛「!?な、ななななんで立ち上がったんデスカ?」

提督「ははは、まあ緊張するのは分かるがリラックスしてくれ」

金剛(近づいてくるデース!?!?!?!)

提督「よっ」グッ

金剛「ひえっ」

提督「ふー…さすが戦艦、硬いな…」グッグッグッ

金剛「あ、あのののののテートク…なんで肩を…」

提督「いつも俺たち人類のために頑張ってくれているからな、その恩返しだよ」

提督(『俺のため』ではなく『人類のため』)

提督(これで金剛の俺に対するラブラブドッキュンゲージはうなぎのぼり…ほーら、うなじにたくさん汗を搔いている)

金剛「」ガクガクブルブル

提督(そしてそっと髪の毛に触っていちゃこらモードに…)

金剛「て、テートク!」ガタッ

提督「うおっ!?」

金剛「そ、その…気持ちは嬉しいんだけどサ…時と場所をわきまえなヨ…」

提督(しまった、焦りすぎたか!?)

金剛「テートクが私のこと好きなのはよく分かったデース…」

提督「え?」(え?)

金剛「でも私は妹たちのため、人類のために恋にウツーツを抜かしているわけにはいかないんデス!」スッ

提督「ま、待て金剛!誤解だ!俺は…」

金剛「sorry提督…グッバーイ!」バタンッ

提督「」

提督「」

提督「」

提督「ま、まさかあの金剛から…あの金剛から『恋にうつつを抜かしているわけにはいかない』なんて言葉が…」

提督「あの提督LOVE勢筆頭から」

提督「いつも提督の寝室に忍び込むような艦娘から」

提督「他の艦娘にケッコンカッコカリを申し込むと嫉妬するような艦娘から」

提督「ふられた…………」

提督「きーーーーーっ!」ドンガラガッシャン

提督「何が記録だ!全くあてにならないじゃねえか!」

提督「はあ…鬱だ…死のう…」

那智「司令官失礼するぞ……なんだこの陰気な空気は」

提督(しかも来たのはSSでもほとんどデレることのない那智…終わった…さらば愛しのSS鎮守府…)

那智「貴様、一体どうしたというのだ。20.3cm砲に撃たれたような顔をして」

提督「……少なくとも今の俺は夜戦時に46cm砲を集中砲火されたオーラ無しのイ級だ」

那智「お、おう……」

提督「九一徹甲弾のおまけ付きでな……」

那智「な、なにがあったのかは知らんが、そんなに薄暗い雰囲気を出すのではない。全体の指揮にも関わることだ」

提督「へーへーわかりましたよ…」

提督(もう死のうどうやったら楽に死ねるのかああそうだ殺してもらおう46cm砲なら跡形もなく吹っ飛んで痛みも……)

那智「それより貴様に贈り物が届いているぞ。受け取れ」スッ

提督「……へ?」

提督(!!?!?こ、これは…)

那智「ふふ、貴様も隅には置けないやつだな。恋文を貰うとは」

提督「逆転確変リーチきたああああああああああああ!!!!」

那智「!?」

提督「差出人は!?!!」チラッ


      摩     耶


提督「( ゚д゚) 」

提督「(つд⊂)」

提督「( ゚д゚)」

提督「(つд⊂)」

提督「( ゚д゚)」

提督「(つд⊂)」

那智「いつまでやるつもりだ」ポカッ

提督「いっ……だが信じられるか…?摩耶だぜ…?あの摩耶からだぜ…?」

『「お前、ウザい!」「ぶっ殺されてえか!」「クソが!」「死ねやオラアアアアア!」「夜露死苦ゥ!」』

提督「とか言ってる奴だぜ?」

那智「後半二つは聞いたことがないが…」

提督「いやいやこれあれじゃないっすか。高校、早くて中学の団体様がやる『うわwwwwマジでこいつ来やがったwwww』じゃないっすか」

那智「言っている意味がよく分からんが…」

提督「ドM監督ホイホイSSで培われた俺の勘が言っている。行くなと」

那智「ほう?貴様は相手の恋心を無下にするような奴だったのか」ジャキン

提督「すみません逝ってきます」

某所

高雄『大丈夫、摩耶ならきっと成功するわ』
愛宕『自信を持って!』

摩耶(く、くそっ!やけに緊張しやがる…)

摩耶(王様ゲームなんかするもんじゃねえな)

摩耶(にしても、よりにもよって告白相手があいつだなんて…)ゴクッ

摩耶(うぅーーー!なに緊張してんだあたし!しっかりしろ!摩耶様だろ!)

摩耶「」スゥーハァースゥーハァー

提督(うわ、マジでいた…)

提督(笑いを堪えているんだろうなあ、さっきからやけに震えているし…)

提督(嫌だなぁドM提督SSの奴ら代わりに行かないかなぁ)

摩耶「」ヒッヒフゥーヒッヒフゥー

提督(ラマーズ法までやりだした…)

提督(仕方ない、どうせ嫌な思いをするなら早く終わらそう)スッ

提督「……よう」

摩耶「!?!!?!?!?!?!?!?!!!!!!!!!?!?!?!?!!?!?!?!?!!!!!!!」

提督「だ、大丈夫か?30メートルほど飛び上がったが」

摩耶「は、はあ!?別に驚いてねーし!!!!」

提督「お、おう」

摩耶「そそそそそそそ、そんなことより提督!よ、よく、よく来たな…」

提督「そりゃあ呼び出されれば来るよ」

摩耶「そ、そうだな、ああ……うん……」

提督「……」

摩耶「……」

提督(え、なにこの空気?なにこの沈黙?)

摩耶(クソッ!あたしとしたことが!何を話せばいいか分からねえ!)

摩耶(つーか告白ってどうすりゃいいんだ!?スキデスツキアッテクダサイ?これでいいのか!?)

提督(その内ドリフみたいに横から大勢の艦娘が来るんだろうなぁ…鬱だ…)

摩耶「ええい!あたしは摩耶様だ!!ビビッてんじゃねえ!」

提督「!?」ビクッ

摩耶「提督!!!!」

提督「ひゃい!!」

摩耶「あたしと付き合え!!!!」

提督「はい!!!!」

提督「……」

摩耶「……」

提督「……え?」

摩耶「」←顔真っ赤

青葉(ほほ~う、あの摩耶さんが…)カシャッカシャッ

………
……


那智「そうか、摩耶はあくまで遊戯の一環として貴様に告白したのか」ゴクッ

提督「まあ、摩耶のことだからまさかとは思っていたけどな…」

那智「それにしては摩耶は嬉しそうだったと聞いたぞ?」ニヤリ

提督「まさかぁ。摩耶はツンデレにはもってこいのキャラだけど、摩耶側からデレるSSはあんまり見たことないし…」

那智「なに?」

提督「いや、なんでもない」

那智「そうか」ゴクッ

提督「つうか那智、なんでお前真昼間から飲んでいるんだ」

那智「ふふ、これは戦勝祝いだ。摩耶が遊戯に呑まれず、無事に貴様に告白をしたことに対する、な…」ゴクッ

提督「意味が分からんぞ」

那智(そして…私自身に対する戒めでもある)ゴクッ

提督「はぁ、もうなんか疲れた。SSの数だけ鎮守府があるんだろう。俺の鎮守府は良くも悪くも至って普通の職場だったってことだ」

提督「これをきっかけに、もうちょっと艦娘たちから好意を、それこそ夜這いを仕掛けられるような提督を目指すようにするよ」

那智「動機が不純だが…まあ、いいだろう。皆から慕われるのは良いことだ」

提督「だからこんなのはもういらん」ポイッ

那智「……!」

その夜

妙高「…」

足柄「…」

羽黒「…」

鈴谷「…」

利根「…」

最上「…」

高雄「…」

愛宕「…」

加古「…」

足柄「…」フゥーフゥー

那智「……全員、揃ったようだな」

利根「那智!この文書は誠なのか!?吾輩や他の艦娘たちが……その……提督と……」

那智「この文書に偽りはない。すべて公式の記録として残されたものだ」

愛宕「あらぁ…提督ったら、こんなに大胆に行動するのね…ふふっ♪」

最上「し、信じられないな…僕があんなことやこんなことを…」←鼻血

鈴谷「ちょっと!!鈴谷と熊野の扱い、酷くない!?」

加古「いやあこいつぁとんだお宝物だね…」

羽黒「あ、あの、那智姉さん」

那智「どうした羽黒」

羽黒「足柄姉さんが…」

足柄「フー…フー…テイトク……フヒヒヒッ」

那智「飢えた狼に餌を与えたようなものだ、気にするな」

妙高「それで、那智?こんなに重巡洋艦を集めて…一体何をするつもり?」

那智「夜戦……いや、『夜襲』だ」

重巡's「!?」

那智「皆も見ての通りこの文書…通称『えすえす』には、我々艦娘と提督が愉快に過ごす日常が描かれている」

那智「しかし中には曙、大井、加賀や霞といった、提督と良好な関係を築くのは難しいとされる艦娘たちのあられもない姿が確認されている」

利根「…」ギリッ

那智「そして不愉快極まりないのだが…『夜戦』をしている艦娘のほとんどが、第6駆逐隊を中心とした駆逐艦勢ということ…」

重巡's「」ブチッ

羽黒(私や姉さんが夜戦しているのも見たのですが、言わない方がいいですね…)

那智「諸君!」バンッ

那智「このままで良いのだろうか!いいや、良いはずがない!」

那智「世の殿方たちが求めているのは本当に駆逐艦のような幼少体型の女子(おなご)なのか?」

那智「潜水艦のような破廉恥な売女なのか?」

那智「戦艦のように何もかもが突き出た淫乱な者なのか?」

那智「軽巡洋艦の幼少とも成熟したとも言えない中途半端な輩なのか?」

那智「ただ食堂を喰い散らかす下衆な空母たちなのか?」

那智「勝手に来て勝手に乳繰り合う愚かな外海の者たちなのか?」

那智「否ッ!」バンッ

那智「求めるは我々、重巡洋艦の成熟した身体、精神、そして屈強な魂ッッ!」

那智「毎日資源を集めたりするだけの輩やその資源を大量に食い散らす他の輩とは違う!」

那智「ほどよく、しかし戦闘特化!そしてそれは夜戦も同義であるッッ!」

足柄「」ブンブンブンブンッ

羽黒「足柄姉さん……そんなに頷いたら脳震盪になりますよ」

那智「諸君!今こそ道は拓かれた!」

那智「この腐った『えすえす』に、我々の雄叫びを残してやろう!」

那智「『重巡洋艦は改二までは趣味のレベル』などと蔑んだ奴らに、本物の咆哮を聞かせてやろう!」

那智「新たな時代は重巡洋艦だと他の鎮守府に教えてやろう!」

那智「では諸君……」

那智改二「戦争を始めるぞ…」

羽黒「姉さんの索敵が突然急上昇したのですが、気のせいということにしておきます」

足柄「」ドドドドドドドドドドドドド

鈴谷「な、なんて速さ!」

加古「さすが狼!でもわたしも負けない!」

利根「カタパルトなんざくれてやるわい!待っておれ、提督!」

高雄「私に続いてください!」

愛宕「今日の提督の寝室は大変ね……ふふっ♪」

羽黒「……あれ、那智姉さん」

那智「なんだ」

羽黒「姉さんは行かないのですか?」

那智「ふっ…メインディッシュは前菜のあとだろう」

羽黒(私たちって前菜扱いなんですか…)

  ∧∧ ∩
 ( ´∀`)/ ∧∧ ∩

⊂   ノ  ( ´∀`)/
 (つ ノ  ⊂   ノ  ∧∧ ∩
  (ノ    (つ ノ  ( ´∀`)/
        (ノ   ⊂   ノ
             (つ ノ  ∧∧ ∩
             (ノ  ( ´∀`)/

                _| つ/ヽ-、_
              / └-(____/
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

                  <⌒/ヽ___
                /<_/____/
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.  ∧∧      
  (*・ω・) 
  _| ⊃/(___    
/ └-(____/    

同時刻 執務室

提督「ようやく終わったな…」ハァー

大井「提督、お疲れ様です」

提督「すまんな大井。秘書官の那智がいくら探してもいなかったのでな」

大井「私にとっては提督の近くにいるだけで拷問でしたが」

提督「……え?」

大井「いいえ、なんでもありません」ニッコリ

大井「それでは失礼致します。良い夢を見てくださいね」

大井「……キモッ」バタンッ

提督「……」

提督(なぜか軽巡、特に球磨型の艦娘たちから嫌われている…)

提督(いや原因は分かっているんだが…)

提督(とうとう俺の鎮守府は艦娘といちゃらぶする夢をぶっ壊す、精神汚染鎮守府と化してしまったのだな)

提督(これはこれでSS映えするかもしれんが…俺が求めていたのとは違うよぉ……)ウツダー


コンコンッ

提督「開いてますよーっと」ハァ

摩耶「」バタンッ

提督「!!!!!!」

摩耶「よ、よう」

提督「ま、ままま摩耶様!!!」

摩耶「その呼び名は今はよせ……」

提督「い、一体どうしたんだ!?摩耶がこんな時間に執務室に来るなんて…」

摩耶「いやあ…ほら、さ?昼間のあれだけどよ…」

提督(ん?待てよ、このシチュエーション…)

提督(まさか!?いや、そんなはずは…摩耶だぞ!?)

摩耶「あのな、提督…」

提督(頬を紅く染めた摩耶…潤んだ瞳…)

提督(いかん!これ以上の描写は生々しさを伝えるために一人称で進まなくては!)


俺は激しい鼓動の波に吞まれないように、大きく息を吸った。

目の前には頬を紅葉のように紅く染め、潤んだ瞳で俺を見つめる摩耶がいる――。

俺は気づかれぬように、そっと、股間のチャックを少しだけ下ろした。

「一体どうしたんだって言うんだ摩耶。お前らしくない」

摩耶は俺の声を聞くと、ビクンと肩を跳ねさせた。そして俺の視線から逃げるように顔を俯かせる。

「だ、だからよ……昼間のあのこ、こ、告白なんだけどよ……」

ああ、分かっているさ摩耶。お前のことはよく分かっている。

お前の愛の告白は、罰ゲームでするほど軽率なものではない。

俺は足を寝室の方へと向けた。

「あれさ、罰ゲームでやったってのは多分知ってると思うけどよ、あたしはさ……」

摩耶。一つだけ教えてやろう。

提督の一人称で始まるSSはな、提督が絶対主人公各なんだよ。

だからこれ以上の会話は不ドンドンドンドンドン!!!!!!

提督「なんだよ!せっかく夜戦提督になってたのによ!」

鈴谷「モウ…デナイノ…デナイノヨ…ワカラセテアゲル…ネェ…」

利根「モドレルノカ…テイトクノウエニ…」

最上「シャセイシテ…シズンデユケ…」

高雄「ココデ…ヤリマショウ…ネ…イイ…デショウ…」

愛宕「ヤラセテモ…イイ…ヨ……ッ!」

加古「オカ…セッ…オカセ…ッ…!」

提督「深海化してんぞお前ら!」

摩耶「お、おい!高雄、愛宕!!」

妙高「無駄ですよ」

提督「妙高!」

妙高「『えすえす』の記録に残された重巡軽視の恨みは、そう簡単に消えはしません」

提督「確かに重巡主役はあまり見ないが、それでもレギュラーは存在するだろう!高雄とか利根とかその第一線で活躍しているし」

提督「なにより重巡の奴らはみんな個性的だ(重巡以外もだけど)。SSで出れば結構活躍しているじゃねえか!」

妙高「『クレヨンしんちゃんにはいつもヒロシとみさえが出ている』」

妙高「『だから隣のおばちゃんやまたずれ荘の人々も主役級だ』」

妙高「こう言われて、納得すると思いますか?」

提督「いや、そのりくつはおかしい」

    ・・・・・
  /⌒ヽ ( ̄ ̄ ̄ ̄)
 ( ´ω`)(____)
 (   つつ
 (_ ⌒ヽ
... )ノ`J

      ファサァ・・・
  /⌒ヽ
 ( ´ω`)   ))
 /つ( ̄ヽO⌒ヽ ))
`ノ  )#  # \

(_ノ\ヽ   ノ  )
   ノ キ  □ /
 (( (__ノ―-″



   /⌒ヽ更新少なくてゴメンオ
  (´ω`)
  /  _ノ⌒⌒ヽ_
( ̄(_人//⌒ キ ノ#ヽ)
⊂ニニニニニニニニ⊃



   ∧∧

  (  ・ω・) <寝すぎた…
  _| ⊃/(___
/ └-(____/

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

最上「とにかく提督、僕たちは気づいてしまったんだよ」

加古「あたしら重巡洋艦はただの捨て駒だということ」

愛宕「駆逐艦の子たちによるソロモン諸島もびっくりの夜戦が繰り広げられていること」

鈴谷「鈴谷と熊野がただの頭足りないビッチになっていること」

高雄「おっぱい重巡の座を愛宕が独り占めしていること」

利根「吾輩がおじゃる丸になりつつあること」

妙高「さあ提督、お聞きになられましたか。これが重巡洋艦の叫びなんです」

提督「明らかに私怨混じってるやつがいたような……」

那智「――貴様も往生際が悪いぞ」

提督「那智!お前、今までどこに……」

那智「朝から半勃起で球磨に接近したり、金剛の身体をまさぐったり…」

那智「全てこの那智にはお見通しだ」

摩耶「て、提督…お前…」

提督「待て!半勃起は認めるが色々と誤解だ!頼むからそんな目で見ないでくれ!」

利根「成長しても、所詮は童男(おぐな)。積もる欲を満たさねば、たちまち指揮に影響を及ぼすじゃろう」ジュルリ

高雄「大丈夫ですよ提督?ゆっくりと快楽の海に轟沈させてあげます」ウフフ

加古「眠いでしょ?あたしが添い寝してあげるよ」ギラギラ

鈴谷「伊達にコギャル風のセリフをしているわけじゃないんだから…」ヌメヌメ

愛宕「ぱんぱかぱーんのぱんぱかなーのしましょう♪」ニチョニチョ

提督「ち、近寄るんじゃねえ」

提督(あれ、よく考えたらこの状況ってかなり美味しくね?)

摩耶「なんて思ってんじゃねえだろうなあ?なあ!?」

提督「め、滅相もありませぬ…」

那智「ふっ…案ずるな、提督。既に舞台は整っている」パチンッ








足柄「」ジャーンジャーン

提督「げえっ 足柄」

足柄「キセイジジツキセイジジツキセイジジツキセイジジツキセイジジツキセイジジツ……」ユラァ…

提督「ひっ」

那智「そうだ足柄!既成事実を作ってしまえば大本営も認めざるを得ないだろう!」

那智「『提督は数ある候補の中、足柄を選んだ!』」

那智「『重巡洋艦には他の艦種にはない魅力を持っている!』」

重巡's「『重巡洋艦の時代、来たれり!!』」

那智「そして我々は歴史に名を遺すのだ」

那智「重巡鎮守府、重巡世界の創始者として…」ゾクゾクッ

重巡's「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

提督「It is funny(こいつら頭おかしい)」

那智「標的は右舷だ!しっかり搾り取れ!」

重巡's「TEITOKUUUUUUUUUUUUUU!!!!!!!!」ドドドドドドドド

提督「あ、駄目……そんなところ……あぁっ!」

那智「――さて、貴様はどうする?摩耶」

摩耶「……」

那智「同じ重巡なら我々の思想も理解できるだろう」

那智「この『えすえす』からも分かる通り、我々重巡洋艦はどの鎮守府でも軽視される傾向にある」

那智「提督が抱くのは主に決まった駆逐艦、空母、戦艦、軽巡洋艦……」

那智「我々重巡洋艦が抱かれるのは、安価で出てきたときくらいだ」

摩耶「……だから、無理やり手籠めにしようってのかよ…」

那智「半分クリティカルで、半分中破だ」フフン

摩耶「その例え意味分からねえぜ」

那智「確かにいま我々が行っているのはやや強引な夜戦…」

那智「しかしな、こうせざるを得なかったということでもあったのだ」

那智「『えすえす』には残さなくてはならん。重巡洋艦たちの革命を、奮起を、その有様を」

那智「そして少しでも多くの鎮守府に、提督どもに知らせなくてはならんのだ」

摩耶「まさか、さっきからずっと何か書いてやがるなと思ったが…!」

那智「ふふ、そうだ、『えすえす』だ。どうだ、私にも物書きとしてはなかなかのものだろう?」

摩耶「見せやがれ!」バシッ



- - - - -

那智「ああん提督!凄いです」



途中で送信してしまったorz



- - - - -

那智「ああん提督!凄いです!この那智、提督の主砲に沈没します!」

提督「やっぱ重巡洋艦は最高」

那智「きゃっ!提督…そこは/////」

提督「やっぱ重巡洋艦は最高」



- - - - -

摩耶「」

那智「こうして徐々に私や足柄、妙高姉さんを中心に重巡洋艦との夜戦を連投する!」

那智(羽黒は多かったから書かんが)ギリッ

那智「そうすればいずれは重巡洋艦ばっかりの『えすえす』に――」

摩耶「なるわけねーだろ!稚拙ってレベルじゃねえぞお前の文章!」

那智「ふん、分かっていないな摩耶」

那智「読者が求めているのはやたら小難しい言い回しを多用する『えすえす』ではない」

那智「気軽に、重くなく、ほんわかとした、そしてマスターベーションの捗るものだ!」

摩耶「今更なんだけどよ、その発言はやばくねえか?」

羽黒「多分メタ発言が許されてそこまで重くない話なので大丈夫だと思います」

那智「羽黒、お前いたのか」

羽黒「描写がないだけでずっと那智姉さんの後ろにいました」

摩耶「メメタァ」

羽黒「今更それを言うんですか…」

摩耶「だけどよ…だからって無理やり提督を、あいつを襲うのはあたしは許せねえな…」ガシャン

那智「……ほう?武装してどうするつもりだ?」

摩耶「決まってんだろ!あいつらを止める!」

那智「なぜ止めるんだ?提督のことが好きだからか?」

摩耶「ばっ、ば、ばばっばばbbばbbb」

羽黒(動揺する摩耶様かわいい)

摩耶「ば、馬鹿言ってんじゃねえ!確かにその…提督のことは……」

摩耶「あんまり嫌いじゃねえし……なんつうかその…」

摩耶「あたしのことよく秘書官にしてくれて(リアル提督)」

摩耶「仕事中でも暇さえあればあたしのこと突っついて(リアル提督)」

摩耶「電車の中であたしのボイス集聞いてニヤニヤしていて(リアル提督)」

羽黒「うわぁ」

摩耶「で、でもよ!それでもあたしらの提督なんだ!」

摩耶「その提督が駆逐艦ばっかり愛でるロリコン提督だったとしても」

摩耶「その提督が戦艦ばっかり愛でても、潜水艦を、軽巡洋艦を、空母を愛でても――」

摩耶「あたしらの提督だということに変わりはねえんだ!」

那智「ふん、リアル提督の嫁だからといって急に主人公感を出してきたな」

羽黒「少しだけシリアスが混ざるのは銀〇魂を参考にしたのでしょうか?」

   ∧ ∧  
   ( ^Д^) <<寝る!
  _| m9/(___
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  <⌒/ヽ-、___
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       <<あとハゲじゃないもん  
  <⌒/ヽ-、__
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このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年07月13日 (木) 21:07:07   ID: DaocISg4

このハゲー!!

2 :  SS好きの774さん   2017年07月18日 (火) 08:02:08   ID: aHYztYQD

確かに重巡メインのSSって余り見ないな。
続き待ってる。

3 :  SS好きの774さん   2018年01月29日 (月) 01:04:39   ID: W56XCji_

利根「吾輩がおじゃる丸になりつつあること」

ワロタ

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