モバP「ネネさんに餌付けされる日々」 (28)


モバマスSSです。
プロデューサーはP表記。



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ある日 346プロ事務所


P「よし、昼でも食べるか」

ガサガサッ

P「よーし、じゃあいただきます……」ベリベリッ

ガチャ

栗原ネネ「ただ今戻りましたー」

P「おお、ネネ。おかえりなさい」

ネネ「あっ、プロデューサーさん! ただいま戻りました!」パアッ

ネネ「……って、ああっ!!」

P「ネネ、どうした? 何かあった?」

ネネ「な、何かあったかもなにも……プロデューサーさん、それってお昼ご飯ですか?」

P「うん、そうだけど。どうかした?」


ネネ「だ、ダメですよ! そんなゼリーとブロックの食べ物でお昼ご飯だなんて!」

P「え? ウ●ダーインゼリーとカ●リーメイトじゃダメなの?」

ネネ「よくないです! 栄養を補うためには丁度いいですけど、それだけだと栄養はちゃんと取れません!」

ネネ「あ、あのPさん。もしかして、ゼリーとブロックのお昼ごはんって……」

P「ん? ほとんど毎日かな。これなら食べながらでも仕事出来るからさ」アハハ

ネネ「」ピシッ

P「ネネ、固まってしまったけど……どうした?」

ネネ「ち、ちょっと、給湯室に行ってきます……」フラフラ

P「?」



ヴィイイィィン カチッ

ネネ「よし、っと……」

ネネ「……Pさん、どうぞ」コトッ

P「ありがとう。でも。これは……?」

ネネ「特製のジュースです。ゼリーとブロックだけじゃ栄養も足りないので、上手く補えるように考えて作ってみました」

P「ゴクッ……うん、これは美味しい!」

ネネ「よかったです」ホッ

ネネ「一応腹持ちのいいものも入れたので、お腹もすぐに減らないと思いますよ?」

P「それは嬉しいよ。いつもすぐお腹が減るからさ」

ネネ「あんなお昼ご飯だと当然です! むしろ、よくこれまで倒れないでいたのか不思議ですよ!」

P「うぐっ、それを言われたら……」

ネネ「Pさんが倒れてしまったら、みんな心配するんですよ……?」

P「ネネ……そうだな、ごめん」


ネネ「……よしっ、決めました!」ティン

ネネ「明日から、私がPさんのお弁当を作ってきます!」

P「ええっ? でも流石にそれはネネに申し訳ないよ」

ネネ「いえ、私は何が何でも作ります! Pさんの食習慣をしっかり変えてみせますからっ!」

P(ネネは俺の昼ご飯を作ると高らかに宣言した)

P(流石に朝晩のご飯は作ることができないから、代わりに朝晩も食事の内容をネネに連絡することに)

P(こうして、ネネによる俺の食習慣改善プロジェクトが始まった)

P(それは言わば、ネネから餌付けをされる日々の始まりであった)


・・・・・・・・・・


次の日 事務所


Pちひろ「……」カタカタ

ちひろ「……大分お腹空いてきましたね」

P「もうそんな時間ですか。よし、俺もそろそろお昼にしようっと」

ネネ「あの、プロデューサーさん」ヒョコッ

P「ネネ、どうした? って、もしかして……」

ネネ「はいっ! 昨日言ってた通り、お弁当作ってきました♪」スッ

ちひろ「えっ。ちょっとプロデューサーさん? どういうことですか?」

P「実は……」カクカクシカジカ

ちひろ「なるほど……確かにプロデューサーさんのお昼ご飯って不摂生でしたもんね。何度言っても気を付けてくれなかったですし」

P「面目ないです……」


ちひろ「でも、お弁当作るなんて、恋人同士みたいですね?」

ネネ「ふぇっ」

ネネ「待ってください、違います! 私はそんな……!///」アタフタ

ちひろ「もちろん分かってますよ、ふふっ♪」クスッ

ネネ「……あう」カアァ

ちひろ(かわいい)



ネネ「と、とりあえず、お弁当どうぞ!」

P「うん、ありがとう……よっと」パカッ

P「おお、すごい……」

ちひろ「すごい。彩り豊かで美味しそう……」

ネネ「なるべく沢山の食材を食べてほしかったので、出来るだけ入れてみました」ドヤッ

P「じゃあ早速、いただきます」

P「どれにしようかな……よし、まずはこの筑前煮を……」パクッ

ネネ「……」ドキドキ

P「うん、美味い!」

ネネ「!……ありがとうございますっ!」パアァ

ちひろ(本当に美味しそう。私もネネちゃんに作ってもらいたい……)


P「ふぅ……ご馳走様」

ネネ「お弁当、どうでしたか?」

P「全部とても美味しかったよ、ありがとう」

ネネ「お口に合ってよかったです♪」

P「このお弁当なら昼からも元気に頑張れそうだし、毎日食べていたいくらいだよ」

ちひろ(さりげなくプロポーズしやがった。多分無意識なんだろうけど……)

ネネ「あっ……はいっ! 私も腕によりをかけて作ります!」

ちひろ(ネネちゃんの反応も乙女な反応だし……)


・・・・・・・・・・


あくる日 事務所


響子「ただ今戻りました!」

P「おお、響子。おかえりなさい」

ネネ「響子ちゃん、おかえりなさい♪」

響子「あっ、Pさんにネネちゃん!」

P「響子、今日のレッスンはどうだった?」

響子「『いい感じだ』ってトレーナーさんから褒められちゃいました! それに、苦手だった部分のステップも出来るようになったんですよ♪」

P「よしよし、流石は響子だ」

響子「えへへ……」テレテレ


響子「あれっ。Pさん、お弁当食べてるのにお仕事ですか?」

P「うん。すぐに仕上げないといけない書類のことを、ご飯食べてる途中に思い出してな」ズガガガ

響子「なるほど、それは大変ですね……」

響子(でも、ネネちゃんがPさんのデスクのそばに立ってるのは何でだろう……?)

響子(そもそも、Pさんが手作りお弁当って珍しいような……)

ネネ「次は玉子焼きでいいですか?」

P「うん、お願い」

響子(んっ?)

ネネ「じゃあ……はい、あーん」スッ

P「アムッ……うん、玉子焼きも美味い」

響子「うえぇっ!?」ガタッ


P「ん? 響子どうした?」

響子「ど、どうしたもこうしたもないです! な、何でネネちゃんがPさんにお弁当を食べさせてるんですか!?」

ネネ「えっと……プロデューサーさんはお仕事忙しいけどお腹も空いてるだろうから、それじゃあ私が食べさせてあげようって」

響子「このお弁当も、もしかしてネネちゃんが?」

ネネ「はいっ。プロデューサーさんの食生活を改善するために、毎日こうしてお弁当を持ってきてるんです!」

響子「ま、毎日!?」

響子「えっと、そんな……ちひろさんっ!!」オロオロ

ちひろ「……私はこの一週間に何度もこの光景見てるので、大分慣れてきましたよ」

ちひろ(傍から見たらダダ甘な光景ですけどね。大人組の数名は真っ白な灰になってました)


響子(!)ティン

響子「でもネネちゃん、毎日って流石に辛くないかな? もしよかったら、私が一日おきに……!」

ネネ「前日の夕食も少し使ったりしてますし、意外ときつくないですよ?」

ネネ「それに献立を色々と考えながら作ると、とっても楽しいんです! 次はどういうのを出したらPさん喜んでくれるかなあ、って♪」キラキラ

響子「」

響子(純粋な笑顔が眩しいっ!)

響子(しかしネネちゃん、思わぬ伏兵……!)

響子(私も負けてられないっ!!)ヨーシ!


・・・・・・・・・・


またある日の夜 P宅



P「……」ピピッ カシャ

P「この写真を添付して……よし」ピッ

P「揚げ物ばっかだし、多分怒られるだろうなあ」

P(でも、何だかこれってアレだよな。RIZ●Pみたい)

~♪

P「……んっ。早速ネネからだ」ピッ


P「もしもし、ネネ?」

ネネ『Pさん! あのご飯は一体なんですか!』

P「言われると思ったよ、ごめん。でも今日は忙しくて、スーパーで出来合いのお惣菜しか買えなかったからさ」

ネネ『でも、揚げ物ばかり……お浸しとか買ってもよかったじゃないですか』

P「いやあ、半額シール貼られたから、つい……」

ネネ『もう……』


ネネ『晩ご飯も、Pさんの家に私が作りに行った方がいいのかしら……』

P「それは色々マズいからダメ」

ネネ『むう……』

P「そうだ。ネネ、今日の昼はレッスン見に行けなくてごめんな?」

ネネ『いえ、大丈夫ですよ! メアリーちゃんや星花さんと一緒にレッスンでしたから♪』

ネネ『そうそう! それで、レッスンの途中に亜季さんもやってきて……』

P「うんうん、それで?」



P(夕飯の写真を送ると、毎回ネネから電話がかかってくる)

P(最初は夕飯の内容なんだけど、その後はその日あった出来事や家のことなど、他愛のない話をするのが最近の流れだ)

P(楽しいから、ついつい長電話しちゃうんだよなあ)


・・・・・・・・・・


そのまたある日 事務所


ネネ(今日もPさん、喜んでくれるかしら……♪)

ガチャ

ネネ「こんにちはー……ってあれ? 賑やかだけどどうしたのかな?」



ギャーギャー ワーワー

響子「はいっ、Pさん! 玉子焼きどうぞ!」

まゆ「Pさん、まゆの作ったコロッケもどうぞ♪」

P「ち、ちょっと待って……!」



ネネ「あ、あれ……?」


ちひろ「あっ、ネネちゃん来たんですね」

ネネ「は、はい。でもちひろさん、これは一体……?」

ちひろ「ネネちゃんがプロデューサーさんにお弁当を作ってるってみんなが知ったから、負けじとお弁当を作ってきたみたいです」

ネネ「それでみなさん……」



葵「プロデューサー! 西京焼食べりっちゃ!」

P「ちょっと待って、俺そんなに食べられないから!」

かな子「美味しいから大丈夫です!」

P「大丈夫じゃない! 美味しくても胃袋のキャパシティが限界迎えるの!」



ネネ「これじゃあ、私の作ったお弁当が……!」

ちひろ「プロデューサーさんも、流石にお腹いっぱいで食べれないかもしれないですね?」

ネネ「そ、そうですね……」

ネネ「しかも、ちょっとデレデレしてますし……」

ネネ「……」


・・・・・・・・・・


はたまたある日


ネネ「Pさん、はいっ! 大きく口空けてくださいね?」

ネネ「はいっ、あーん……」

ネネ「どうですか、美味しいですか? ふふっ、よかったです♪」

ネネ「何だかPさんに餌付けしてるみたいです、お母さんになったみたい」クスッ

ネネ「え? どうしてこんなことするんだ、ですか?」キョトン

ネネ「こんなことって……Pさんの手と足を縛って、椅子に座らせてることですか?」

ネネ「……そんなの、簡単じゃないですか♪」ニコッ



ネネ「Pさんは私だけを見たらいいんです」


ネネ「だって、Pさんが悪いんですよ?」

ネネ「みんなからご飯食べさせてもらって、みんなにデレデレして……楽しかったですか?」

ネネ「でも」

ネネ「Pさんは、私の作ったご飯だけ食べて、私のことを見てたらいいんです」

ネネ「……ふふっ、今のPさんの表情、とっても可愛かったですよ♪」

ネネ「そうだ! 足の腱を切って、動けないようにしましょう!」

ネネ「そうすれば、Pさんはずっと私のことを見てくれる。私はPさんにずっとご飯を食べさせてあげられる……」

ネネ「ずっとずっと、永遠に……!」

ネネ「ふふっ、ふふふふっ! あはははは!」

ネネ「楽しみですね。ねっ、Pさん♪」ニコッ


ネネ「……という感じなんですけど……私の演技、どうでしたか?」

P「うん、バッチリだったぞ」

ネネ「本当ですか? ふふっ、よかったです♪」

ネネ「でも、ありがとうございます。Pさんに演技のリハーサルを付き合わせてしまって……」

P「大丈夫。こっちこそ、ネネらしくない役の仕事を取ってきたからなあ」チラッ

『世にも●妙な物語 =台本=』

ネネ「愛の深さゆえに好きな人を監禁してずっと一緒にいようとする女の子の話、ですよね」

P「正直ここまで本格的な演技とは思わなかったよ。めちゃめちゃ怖かった……」

ネネ「実は、色んな人から演技や役柄についてお話聞いたんです。奏さんとか、まゆさんとか……」

P「ああ、なるほど。それで……」



ネネ「でも、どうですか? もし、私が本当にこんなことしてしまったら……」

P「ネネが拘束するのか?」

ネネ「ち、違います! 私はあんなしようとは全く思わないですよっ!」

P「あはは、そうだよな」

P「でも……手足縛られなくても、俺はもう既に拘束されてるようなものだからなあ」

ネネ「へっ? わ、私にですか?」

P「うん。もう胃袋ガッチリ掴まれてるし」

ネネ「Pさん、それってどういう……へっ? ええええっ!?」

P「前に行っただろ? 『ネネの弁当なら毎日食べていたいくらいだ』って」

ネネ「た、確かに言ってましたけど……」

P「ネネ。これからもずっと、作ってくれないか?」

ネネ「……はいっ」コクッ


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いつかのある日


ネネ「はいっ、あーん……」

P「アムッ……うん、美味い!」

ネネ「ふふっ、ありがとうございます♪」

P「でも、流石に家でこうして食べさせる必要はないんじゃないか?」

ネネ「そうですか? でも私、Pさんにこうして食べさせてあげるの好きなんです♪」

ネネ「あの時のお弁当と、こうして食べさせてあげたことが、今の日々の始まりなんですから」エヘヘッ

P「確かに、あの時からこうしてネネに餌付けされ始めたんだよなあ」

P「流石に結婚してしばらく経ったから、ちょっと恥ずかしいけど……」アハハ

ネネ「あら、私はずっとしてあげたいくらいですよ?」


ネネ「……そ、それでですね、Pさん」

P「ん? どうした?」

ネネ「結婚してしばらく経ってるじゃないですか」

ネネ「だからですね、その……そろそろ小さい子の餌付けもできたらな、って……」モジモジ

P「……だから今日の夕飯、イカのガーリック炒めにとろろご飯だったのか」

P「それに昼の弁当は里芋が入ってたし、朝も納豆だったな……」

ネネ「……はい」カアァ

P「……ネネ」

P「明日は一日動けないだろうけど、いい?」

ネネ「あ……はいっ♡」




この後めちゃくちゃ種づ(ry


おわり


ネネさんって何だかグッときますよね。
そう思うと書かずにいられなかったです。

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