女王「お主は……本当にバカじゃな?」騎士「うはwwおkww」 (23)

とある王国に一人の騎士がいた
孤児だった騎士は幼い頃に騎士団長に才能を見出だされ養子となる
そして今では国内最強の名を欲しいままにしていた

女王「……またもやあやつが手柄を立てたか」

団長「……はい」

女王「……」

団長「……」

女王「……で、いつになったら来るのじゃ?」

団長「すぐに女王様の元へ向かうように伝えたのですが……」

女王「ふぅ……妾を待たせるとはな……」

団長「申し訳ありません……」

その時、謁見の間の扉が勢いよく開かれた

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498879863

開かれた扉から年若い騎士が姿を現す

騎士「サーセンww遅れちゃいましたww」

団長「お前……」

女王「……待っておったぞ」

騎士「いやー、おばぁちゃんが重そうな荷物持ってたんで手伝ってたら……」

団長「俺はすぐに向かえと言ったはずだぞ……?」

騎士「父ちゃん、そんなに怒るなってww」

団長「……」

騎士「んで……何の用ッスか?」

女王「……」

団長「……お前に褒美を下さるそうだ」

騎士「褒美?」

女王「先日も隣国との戦で活躍したじゃろ……その褒美じゃ……」

騎士「いやいや、俺は当たり前の事しただけッスから」

団長「……いいから黙って受けとれ!!」

騎士「……ッス」

女王の手から一振りの剣が騎士に渡される

騎士「何コレ!!マジカッケェ!!」

女王「……」

騎士「コレ……アレじゃないッスか……伝説の聖剣!!」

女王「そんなわけないじゃろ……」

騎士「えっ?違うんスか?」

女王「まぁ……ただの剣ではないが……」

騎士「やっぱり聖剣!!」

女王「違うと言っておるじゃろうが……」

騎士「じゃあ何なんスか?」

女王「それは王国最強の騎士に与えられる剣じゃよ……」

騎士「……へー」

団長「お前……いい加減に……」

女王「本来なら……人格も優れた騎士に渡すんじゃがな……」

騎士「うはwwベタ褒めww照れるぅww」

女王「……」

団長「……」

女王「……のぅ」

騎士「お?何スか?」

女王「以前からずっと気になっておったのじゃがな……」

騎士「スリーサイズは上から……」

女王「お主のその喋り方じゃよ」

騎士「……どうかしたッスか?」

女王「何と言うか……どうも妾と対等の立場で話しておるような……」

騎士「……」

女王「……なんなら妾を下に見ておらぬか?」

騎士「…………あー、マジでダウるわー……」

女王「ん?」

騎士「俺ぇ、マジで女王様の事リスペクトしてんスよ」

騎士「マジ女王様の為に頑張ってるんでぇ……そんなん言われたら激ムナっスわー」

女王(こやつ……何と言っておるのじゃ……?)

騎士「あーぁ……女王様に呼ばれたからテンション爆上げだったのになぁ……」

女王は騎士団長を近くに呼ぶとそっと耳打ちした

女王「あやつは何を言っておるのじゃ?」

団長「おそらく……女王様を尊敬していると……」

女王「……」

団長「なので……女王様を下に見ているなどと疑いをかけられるのは心外である……と」

女王「……本当にそう申しておるのか?」

団長「一応……親子ですので……」

女王「……であるか」

騎士の真意を聞いた女王は姿勢を正す

女王「いや、これは妾が間違っていた……許せ……」

騎士「……マジッスか?」

女王「……ん?」

騎士「マジで俺が女王様をリスペクトしてるって……分かってもらえたッスか?」

女王「お…おぅ……マジ…………じゃよ?」

騎士「……だったらいいんスよww」

女王「そ…そうか……」

騎士「俺ぇ、これからも頑張るんでぇ……4649ッスよww」

女王「……」

団長「……」

女王から直々に剣を賜った騎士はその後も目覚ましい活躍を見せる

女王「なんと……あやつが敵国の砦を陥落させたのか……」

団長「はっ……我々が正面から攻撃を仕掛けた隙に、少数の部下を率いて奇襲を……」

女王「あやつ……それほどまでに有能であったか……」

団長「最近では剣の腕に加えて戦術眼もかなりの物に……」

女王「ふむ……」

団長の話を聞いた女王はおもむろに玉座から立ち上がる

団長「如何なさいましたか?」

女王「なに、妾があやつらに労いの言葉でもかけてやろうと思ってな」

団長「そ……それは……」

女王「……何じゃ?」

団長「……いえ、兵達も喜びます……」

女王「よしっ、参るぞ」

団長「……はい」

女王は兵達の訓練所に着くと言葉をかけながら騎士の部隊へと足を進める
しかし部隊の前に立った女王の顔は驚愕に凍りついた

騎士「あっ……女王様、チーッスww」

兵達「「チーッスwwww」」

女王「なん……じゃと……?」

団長「……申し訳ありません」

女王「ど……どうなっておるのじゃ?」

団長「はい……ヤツの率いる部隊には……あのバカの口調が伝染したようで……」

女王「……」

団長「あのバカは……特に若い兵に人気がありまして……」

騎士「あれ?どうしたんスか?」

女王「あ……いや……」

騎士「女王様……チーッスww」

女王「ち……ちー……っす……?」

騎士「うはwwウケるww」

女王「……」

団長「……申し訳ありません」

激しい動揺を見せる女王に騎士が声をかける

騎士「女王様、何で訓練所に来たんスか?」

女王「う……うむ……」

騎士「どうしたんスか?」

女王「と……砦を陥落させた……ほ……褒美を……」

騎士「マジッスか?」

女王「……何なりと申してみよ」

騎士「女王様……そんな事言っちゃっていんですかい?インザスカイ?」

女王「イン……何じゃと?」

騎士「何でもいいんスか?」

女王「うむ、何でもよいぞ」

騎士「んじゃ、パーリィとかどうッスか?」

女王「……パーリィ?」

騎士「ほら、お隣さんとバトり初めて結構経つじゃないッスか」

女王「……そうじゃな」

騎士「だからマジ皆疲れてると思うんスよ」

女王「ふむ……」

騎士「んで、皆の家族とか呼んでパーリィしたら疲れも吹っ飛ぶんじゃないッスかね?」

女王「……確かに英気を養う事も大切じゃな」

騎士「女王様……ケーキとか最高じゃないッスか!!」

女王「……ケーキ?」

騎士「養うの意味は分かんないけど、ケーキの準備してくるッス!!」

女王「待て!!ちょっと待つのじゃ!!」

騎士「さぁ、忙しくなるぞぉww」

女王「……」

それからおよそ一ヶ月、膠着状態に陥った戦局を打開するため騎士が謁見の間を訪れた

騎士「チーッスww」

女王「……」

騎士「女王様、ちょっとお願いがあるんスけど」

女王「……何じゃ?」

騎士「今、お隣さんとのバトルが五分ってるじゃないッスか」

女王「……うむ」

騎士「んで、このままだと両方とも一般ピーポーがマジダウると思うんスよ」

女王「一般……?」

騎士「だからぁ……俺ちょっとお隣さんに行ってくるッス」

女王「……何じゃと?」

騎士「マジ向こうのボスをやっつければ、このバトルもジエンドだと思うんスよ」

女王「お主……何を言っておるのじゃ?」

騎士「ちょっとお隣さんに行ってボスをやっつけてくるッス」

女王「な……何を……」

騎士「だから許可が欲しいッス」

女王「……」

沈黙を続ける女王に騎士が詰め寄る

騎士「マジお願いッス!!バトルとか早いとこ終わらせないと!!」

女王「……ならぬ」

騎士「ホワイ!?何でダメ何スか!?」

女王「……その様な危険な策を認める事はできんのじゃ」

騎士「俺……女王様の為ならインザファイヤー、インザウォーターッスから!!」

女王「……ん?」

騎士「リアルガチだっつーんスよ!!」

女王「リアル……?」

騎士「とにかく行ってくるッス!!」

女王「ならぬと言っておるのじゃ」

騎士「じゃあ無断で行くッス!!」

女王「いい加減にせんか!!」

騎士「……」

女王「……お主ほどの男を失うわけにはいかぬのじゃ……分かってくれ……」

悲痛な顔を見せる女王に騎士はにこやかに微笑んだ

騎士「大丈夫ッス……俺は必ず生きて帰るッス」

女王「バカを申すな……」

騎士「俺には夢があるんスよ」

女王「……夢……?」

騎士「俺……女王様に俺の子供を産んで欲しいッス!!」

女王「…………えっ?」

騎士「初めて見た時から女王様マジでカワウィーと思ってて……」

女王「……」

騎士「……ガチで結婚して欲しいッス!!」

女王「お主……妾に求婚しておるのか……?」

騎士「ッス!!帰って来たら結婚して欲しいッス!!」

女王「ななな……何を言って……」

騎士「マジなんスよ!!」

女王「ま……まあ……妾もお主を憎からず思っておるが……」

騎士「マジッスか!?」

女王「じゃ…じゃが……結婚となると……」

騎士「うぉぉぉぉぉぉ!!高まってきたぁぁぁぁぁぁぁ!!」

女王「ちょっ……ちょっと待て……」

騎士「燃え出したパッションは止まらない!!」

女王「5秒……いや3秒でよいから落ち着くのじゃ!!」

騎士「ヒャッハー!!行ってくるッス!!」

女王「コラ!!妾の話を……」

騎士「ヴィクトリィィィィィィィィィィ!!」

女王「あぁ……」

騎士は女王の制止を無視してそのまま城を飛び出して行った

その後、騎士は宣言通り隣国の王を捕縛し戦いを終わらせた
そして帰国すると女王に改めて求婚し、二人はめでたく結ばれた
それから6年後
自室で赤子を抱く女王の元に少年が駆け寄る

王子「母上、そのカワウィー生き物何なん?天使なん?」

女王「……お主の妹じゃよ」

王子「うはwwマジ天使すぎるww」

女王「……」

王子「この子は千年に一人……いや十万年に一人の美少女になるはずww」

女王「……」

王子「母上……どしたん?」

女王「お主……見事なまでに父親そっくりじゃな?」

王子「いきなり何なんwwマジウケるww」

女王「……もう少し妾に似てもよかったのではないか?」

王子「俺ぇ、母上そっくりって言われるしww」

女王「外見じゃなくてじゃな……」

王子「ウーメン?」

女王「……内面じゃよ」

その時、女王の部屋の扉が勢いよく開かれた

開かれた扉から騎士の姿が現れた

騎士「チーッスww」

女王「来おったな……諸悪の根源が……」

騎士「オッフwwいきなりディスられたww」

王子「父上wwダセェww」

騎士「息子までwwウケるww」

女王「何を笑っておるのじゃ……」

騎士「サーセンww」

王子「メンゴメンゴww」

女王「はぁ……お主らと話しておると力が抜けるわ……」

騎士「……それでいいんスよ」

女王「……ん?」

騎士「俺は女王様に笑って欲しくて頑張ったんスから」

女王「……」

騎士「だから力抜いて笑って下さいッス」

騎士の言葉に女王は華やかな笑みを見せた

女王「お主は……本当にバカじゃな?」

騎士「うはwwおkww」

終わり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom