咏「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだねっ!」えり「準決勝後半編です」 (797)



古今東西の女子高生雀士が集まり、№1の雀士を決定する“全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ”本選は、準決勝の第二卓までが終了…!

ファイナルステージ決勝戦に駒を進めたのは、愛媛大生院女子3年戒能良子… 神奈川妙香寺高校3年三尋木咏!

そして残り二つの枠をかけ、いよいよ第三卓・白虎の間の闘牌が始まろうとしていた…


えり「さて、この大会の準決勝も半分が終了いたしました。 ここまでの対局で、決勝進出を果たしているのは戒能良子選手、三尋木咏選手の二人…!」

えり「先ほどの三尋木選手は本当に強かったですね? さすがは三尋木プロの女子高生時代…!」

咏「褒めたって何も出ないよw まあ、まぐれじゃねーの? 知らんけど!w」

えり「いえ、まさに“迫り来る怒涛の火力”に恥じない豪快な闘牌でした… 高打点にこだわったあの打ち筋は本当にカッコ良かったですよ」

咏「いや、でもねぃ… 本当は私は倍満以上を和了るつもりでいたんだと思うんだけどね。 裏ドラがあんまりのらんせいで、イマイチだったねぃ」

えり「え? あれでイマイチ・・・ですか?」

咏「ハネ満くらいならぶっちゃけ誰でも運が良きゃ和了れるっしょ? 一回戦でも倍満以上の手は一度も和了れなかったし、すこーし消化不良気味かもね」

えり「そ、そうですか… 決勝戦では倍満以上の手を和了れるといいですね」

咏「そーね! 決勝はあの戒能さんと… あと誰が上がってくるか分っかんねーけど、手強い相手には違いないだろうからねぃ」

えり「その決勝に進む選手の枠は残りわずか二つだけ…! そのうちの一つをここで決定いたします」

えり「では、選手の紹介に参りましょう! まずは・・・!」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498564311


・ミスコン・モチコンシリーズ
玄「全国咲-saki-おもちコンテスト(ドラフト部門・後半編)なのです!!」
玄「全国咲-saki-おもちコンテスト(ドラフト部門・後半編)なのです!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1469532409/)  の続編なのです。

・第一スレ→久「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップよ!」咲・慕「「え?」」
       久「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップよ!」咲・慕「「え?」」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1485685602/)

・第二スレ→恒子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだアァ―ッ!」健夜「私も?」(前哨戦)
      恒子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップだアァ―ッ!」健夜「私も?」(前哨戦) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486037996/)

・第三スレ→えり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです!」咏「だねぃw」(1回戦前半)
       えり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです!」咏「だねぃw」(1回戦前半) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1489231941/)
     
・第四スレ→みさき「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです」のよりん「一回戦後半!」=3
       みさき「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップです」のよりん「一回戦後半!」=3 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491999549/)

・第五スレ→裕子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ!」良子「一回戦第七・八戦です」
      裕子「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ!」良子「一回戦第七・八戦です」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493898752/)

・第六スレ(前スレ)→健夜「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ…」はやり「準決勝前半編だぞっ!☆」
           健夜「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ…」はやり「準決勝前半編だぞっ!☆」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1496490092/)

・ちょっと大がかりな読み手参加型闘牌SSなのです

・「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ」とは、竹井久提案主催のイベントで、古今東西の様々な「女子高生雀士」を集めて最強決定戦の個人戦を行うものです。 大人や中学生も、過去や未来から「女子高生」として参加しています。

・このスレでは、一回戦を勝ち上がった16名による準決勝の第三卓・第四卓の試合を行います

・みんなで楽しんでいけたらいいなと思います。 >>1は運営に徹しますので、どうぞよろしくお願いします

・2日に一回、1日おきに更新していきます(奇数の日に更新) 


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≪準決勝組み合わせ≫

・第一卓(青龍の間) 『S戒能良子』A獅子原爽  B雀明華   Bハオ・ホェイユー (実況:福与恒子 解説:小鍛治健夜) 

・第二卓(朱雀の間) 『S三尋木咏』A石戸霞   B天江衣   B片岡優希      (実況:村吉みさき 解説:野依理沙)

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・第三卓(白虎の間) S白築慕   S野依理沙  A善野一美  B愛宕洋榎      (実況:針生えり 解説:三尋木咏)

・第四卓(玄武の間) S小鍛治健夜 S宮永照   A神代小蒔  B稲村杏果      (実況:佐藤裕子 解説:戒能良子&瑞原はやり(28))


※各卓で半荘を闘う。 トップ通過者が決勝進出。 『』でくくってある選手は決勝戦進出決定者。

立て乙

立て乙


えり「まずは、総合ランキング2位! 10年前の世界から来てくれました朝酌女子3年生・・・“鳥使い”の異名を持つ“元祖牌に愛された子”白築慕選手!!」

えり「一回戦では激闘の末、同じ朝酌女子のメンバーである森脇曖奈選手、本藤悠彗選手らを退けてこの準決勝に駒を進めてきました」

咏「慕ちゃんは、一回戦はハッキリ言ってちょぉーっと調子悪かったねぃ」

えり「そうですか? 確かに、有珠山の獅子原選手にはかなりの点差をつけられ、2位通過という結果でしたが…」

咏「点差もそうだけど、あの人らしさがあまり出てなかったからねぃ… この準決勝では慕ちゃんらしい“魅せる”闘牌を期待したいとこだねっ!」


えり「な、なるほど… えっと、とりあえずまず全員紹介していきますね。 続いて二人目はランキング13位、“浪速の超特急”・・・姫松高校3年生にして主将、“氷帝”善野一美選手!!」

えり「一回戦ではそのディフェンシブ且つトリッキーな打ち筋を遺憾なく発揮… ほぼ半分の局で和了を決め、その圧倒的なスピードを生かして勝ち上がってきました」

咏「善野さんは打点は高くないけど、それを補って余りある速度、和了率の高さがあるからね。 この人が勝ち上がったらイヤだな…」

えり「は? な、なぜ?!」

咏「だって私善野さん苦手だもん! あの人が決勝に来たら、さっき勝ち上がった私も相当苦労することになるだろうからねぃ」

えり「ちょ、三尋木プロ、解説者がそういうこと言わないで下さいよ…」

咏「めんごめんごw♪」フリフリ


えり「続きましてはランキング24位、先ほど紹介しました善野選手の後輩である姫松高校3年生にしてやはり主将! “最強の血筋の系譜”・・・愛宕洋榎選手です!!」

えり「一回戦では他家もうまく利用する非常に巧みな打ち筋で、先ほど決勝進出を決めた三尋木選手にも勝ってトップで通過してきました。 前哨戦も含めてただの一度も振り込んでおらず、その安定感抜群の打ち筋を見せつけてくれています」

咏「うん、一回戦の愛宕ちゃんは本当に強かったね… あの打ち方がもう一回出来るんなら、このメンツが相手でもトップを取れんじゃねーかと思うよ?」

えり「善野選手との世代を超えた先輩後輩対決・・・“師弟対決”にも注目が集まっています。 しかも両方とも姫松の主将…!」

えり「果たして“現代”と“過去”のどちらが勝利を手にすることになるのか? 一瞬たりとも目を離せません!」


えり「そして最後! この白虎の間に姿を現したのは、ランキング7位…! 新道寺女子2年生、“完全無欠の盾”を持つぷんすこ少女野依理沙選手!!」

えり「一回戦では染谷まこ選手や宮守のエイスリン選手の捨て身の闘牌に苦戦を強いられましたが、その鉄壁の防御を生かし、後半の倍満一撃で見事にトップを取って準決勝に進出してきました」

咏「“守備力”の一点だけで見るなら、野依さんは間違いなく今大会参加者でナンバーワンの力を持ってるぜ。 もしあの人が振り込んだら最早それは“事件”だね!」

えり「圧倒的ディフェンス力を誇る北九州のレジェンド…! この準決勝ではどのような闘牌を見せてくれるのでしょうか!」

えり「善野選手との再対決も気になるところです。 一回戦ではほぼ互角の勝負でしたが…今回はどうなるのか? 興味が尽きませんね!」


えり「以上四名! 実に層々たるメンバーですが、決勝に行けるのはただ一人です!」

えり「麻雀の勝利の女神は、一体誰をファイナリストとして認めることになるのか…? 準決勝第三卓白虎の間・・・闘牌、スタートです!!」

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☆対局前に、能力に関するルールなどまとめときます↓


※能力には「常時発動系」、「ステージ発動系」、「特殊発動系」の3種類があります

・「常時発動系」→基本的に東一局から南四局まで常に発動している能力

・「ステージ発動系」→本選では全ての局が“ノーマルステージ(常時発動系と特殊発動系以外は能力が発動されない局)”と“能力ステージ(特定の誰かが能力を発動する局)”に分かれています。
           基本的には東一、東三、南一、南三が“能力ステージ”。 東二、東四、南二、南四が“ノーマルステージ”。 連荘の一本場、二本場などはオーラス以外は全て“能力ステージ”です。
           「ステージ発動系能力」とは、その能力ステージにおいて四人が順番に、あるいはコンマ等で誰が発動できるかが決められて、一人ずつ発動される能力です。
          
・「特殊発動系」→ある特定の条件をクリアした場合に発動される能力


※「ステージ発動系」の能力の発動される順番は、東一局の「北→西→南→東」という順番です。

※ノーマルステージでは毎回誰かが「主役」になります。主役が巡る順番は「能力の発動される順番と逆(基本、東→南→西→北)」。

※特殊発動系能力が発動されると、せっかくステージ発動系能力を発揮する順番がやって来たのに、ツブされて次局に回されるということも有り得ます。
 ただし、能力がかぶっても問題なければ、一局で二人以上の能力が同時に発動されることもあります。

※二人以上の能力が発動され、どちらかの能力を優先しなくてはならない場合は、基本ランキング上位者の能力が優先されます(特殊能力が二つ以上発動され、それらがなんらかの事情により発動できない場合、基本、次局でランキング上位者一人の特殊能力が発動される(一回戦第八戦東三局の状況))。

※自分が能力を発動しておらず、主役でもない場でリーチをかけた時は、打点が1ランクアップする。 和了できなければ1000点を失う。

※準決勝での基本和了率は、「SABB」の卓ではS35%、A25%、B二人は20%。 「SSAB」の卓ではS30%、A20%、B20%。


≪準決勝第三卓出場者の能力詳細≫

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『S2 白築慕(高三)』

<常>→「フォーゲルセット(鳥さんいらっしゃい)」
    一索が集まる。 チャンタ系、イッツーなど和了しやすい。 常に打点が1ランクアップする。

<ス>無し(南三局で必ず「プリマヴィント」を発動する)

<特>→「プリマヴィント(最上の風)」
    南三局で和了率が70%、南四局では必ず一向聴からスタート出来る。 和了できれば満貫以上で和了れる。 (親が和了した場合の南三局一本場では発動されない。しかし南四局で連荘があった場合は発動される)

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『S7 野依理沙(高二)』

<常>→「プンプンディフェンス」(南四局だけは発動されない)
    牌の匂いを嗅ぐなどして、危険牌を本能的に察知する力がある。 表情と牌が読みにくく、他家が特殊能力で手牌を読もうとしてもできない。
    また、一試合で二度、他家に振り込みを押し付けることができる。 (自動的に発動。 ただし南四局だけは振り込み回避の能力は発動されない)

<ス>→「ハイパープンスコモード」
    完全無欠の防御。 自分の振り込みと他家のツモ和了りを完全に封じる。(和了確率は全員25%になるが、自分の振り込みは他家に押しつけられ、他家のツモ和了りは自分のツモ和了りになる。また、この「ハイパープンスコモード」での振り込み回避は、「プンプンディフェンス」の二回の振り込み回避としてはカウントされない)

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『A13 善野一美(高三)』

<常>→「浪速の超特急」
    常に基本和了率が15%アップした状態で闘える。 ただし倍満以上はハネ満へとランクが下がる。
   (ただしオーラスだけは倍満以上で和了ることも可能。「倍満以上を和了する必要がある」場合は、「基本和了率15%アップ」のアドバンテージを捨て、代わりに倍満以上も和了可能になる。どちらのモードにするかを選ぶこともできる)

<ス>→「浪速のスナイパー」
    選んだ特定の相手を狙い撃ち。 70%で七対子ドラドラ(子のロン和了りで6400)か満貫かハネ満を出和了る。 

<特>→「浪速の氷帝」(南四局だけは発動されない)
    他家が大物手(満貫以上)を作っているのを察知し、安手(1~3翻)を和了って流すことができる。(他家の打点を決めるコンマが満貫以上で下二桁が「ゾロ目」だった場合、その和了は流される)

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『B24⑨ 愛宕洋榎(高三)』

<常>→「格の違い」(南四局だけは発動されない)
    他家のテンパイ及び当たり牌を察知する。
    振り込みを、相手がSランカーの場合は40%、Aランカーの場合は60%、Bランカーの場合は80%の確率で回避できる。(他家に押しつける)

<ス>→「出バナくじきリーチ」
    トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。相手とのタイマン勝負(洋榎がロン和了りできなければ、その相手に振り込む)。
    和了率70%。


<打点表>(2つのレスのコンマ以下の合計)

01~30→1翻

31~70→2翻  
71~100→3翻  
101~130→4・5翻(満貫) 
131~160→ハネ満   
161~180→倍満    
181~190→三倍満   
191~200→役満     

※ツモかロンか決まってない場合は、和了点のコンマが偶数ならツモ、奇数ならロン
ロンの場合、コンマが3の倍数なら和了者の下家、3の倍数+1なら対面、3の倍数+2なら上家からの出和了り


<その他細々したルール>

※コンマ以下の数の大小を競う場で、同点が二人以上いた場合は「秒」の大小で決定。

※牌表記
一ニ三→萬子
①②③→筒子
123→索子

※点数の符は基本30符で固定です。暗刻や明刻などあっても、符は増やしません。
 そして30符4翻は7700ではなく満貫8000になります。
 ただし、カンをしていて3翻以下だった場合だけは、符を増やして計算します。

 また、ピンフツモ(20符)と七対子(25符)の4翻以下は基本出てきません。(能力発動や、もう勝敗が決定している場合などには出てくることもある)

※準決勝はトビ無しの箱下清算有り


えり「さあ、いよいよ始まりました準決勝第三卓、まずは場決めから…!」

咏「慕ちゃんはよく知られてるように南3局と4局で爆発的な力を発揮するからねぃ。 出来れば西家か北家になりたいんじゃねーかな? 知らんけど」

えり「姫松の先輩後輩同士が、お互いどのような位置になるのかなども気になる所です。 さあ、果たして・・・?」


※場決め

慕→>>14

善野→>>15

洋榎→>>16

のよりん→>>17

(コンマ以下の大きい順に東→南→西→北)

はい


第三卓白虎の間・場決め
東 善野(91)
南 のよりん(88)
西 洋榎(68)
北 慕(57)

     洋榎
     (西) 
   ――――――

   |    |
  慕 |    |のよりん 
 (北)|    | (南)
   |    |
   ――――――

     善野
     (東)


※ステージ発動系の能力は「北→西→南→東」の順だが、慕の「プリマヴィント(最上の風)」が南三局で必ず発動するので、この試合は「洋榎(東1)→のよりん(東3)→善野(南1)→慕(南3)」の順になる。

※ノーマルステージでの「主役」の巡る順番は、「能力の発動される順番と逆」なので、「慕→善野→のよりん→洋榎」。

※基本和了率は本来は「慕30%、のよりん30%、善野20%、洋榎20%」だが、善野の「浪速の超特急」の能力により、この試合では「善野35%、慕25%、のよりん25%、洋榎15%」。

※各自の能力詳細及び細かいルールについては>>8>>9>>10>>11を参照下さい。


えり「場決めが終わりましたね! 白築選手は北家…! そして姫松の二人はお互い向かい合う形になりました」

えり「では三尋木プロ、この試合の展開などを占って欲しいのですが・・・如何でしょうか?」

咏「そうねぃ… 全員百戦練磨の猛者だからね。 いろいろお互いにハラの探り合いをしながらの勝負になんだろーけど…」

咏「如何にして相手を出し抜くか、逆に張られたワナをかいくぐって和了るか、自分の波をつかんで少ないチャンスを生かせるか・・・っていう、シビアな試合になんじゃねーかな? ま、分っかんねーけどね!」

えり「そういえば三尋木プロは、小学生の時に全国大会の決勝の卓で、白築選手と善野選手と対戦しているんですよね」

咏「そうだねぃ。 善野さんとは準決勝含めて二回対戦して二回とも負けたんだよね… 慕ちゃんにも狙い撃ちされて振り込んだのは今でもよく覚えてるよ」

えり「この二人はそれ以来の6年ぶりの対戦のようですし、お互いに意識し合ってるかもしれませんね」

咏「うん、あん時は結果的に善野さんが稼ぎ勝ってたけど… 安定感抜群の善野さんか、一点集中の爆発力の慕ちゃんか、今回はどっちが上回るのか見物だね♪」


えり「野依選手と愛宕選手はどうでしょう?」

咏「野依さんはねぇ、どこで仕掛けてくるのか… そして仕掛けた時にきっちり大きいのを和了れるか、が勝負のポイントだろーね」

えり「野依選手は大変守備が堅いですから、どこかでトップに立ってしまいさえすればこっちのもの、というかんじでしょうか」

咏「そーね。 ぶっちゃけこの人は“まず振り込まない”と言ってもいいくらいのディフェンス力があるから、どこかでトップになれば他家には相当のプレッシャーになると思うよ?」

咏「愛宕ちゃんは、他家の手格好や考えてることを察知する力がすごい強いけど… 果たしてそれがあのメンツに通用するかどうか、が大きな勝負のポイントになるだろーね」

えり「白築選手はともかく… 善野選手と野依選手は非常に手が読みにくい、何をしてくるのかよく分からない、とよく言われていますね」

咏「うん。 愛宕ちゃんはツキや波やセオリーで闘うというよりは、卓を野性的なカンで正確に把握してうまく立ち回るのがその打ち筋だからねぇ… 是非、あのメンツがびっくりするような“上手さ”を見せて欲しいもんだねっ!」


【東一局 親:善野】


善野のよりん洋榎慕「「「「 よろしくお願いします!!!! 」」」」


 チャッ、ピシッ、タンッ、  チャッ、パシッ、トンッ・・・・


 えり『さあ! 遂に始まりました準決勝第三卓… 先制の一発を決めるのは誰になるのでしょうか?』


善野(起家… できれば連荘して牽制しときたいとこやな)チャッ

洋榎(監督が対面か… さー、どう仕掛けるか…?)パシッ

慕(ラス親は嬉しいな♪ まずはここは早和了りで善野さんの親を流しておきたいとこだけど…)タンッ

のよりん「……!」プンプンプン=3


3巡目

慕「ポン!」→「②②②」

のよりん「…ムッ?」プンスコ=3


 えり『おや、初めに仕掛けたのは白築選手…! 野依選手の出したニ筒を鳴き戻しました』

 えり『これは… トイトイ狙いでしょうか? 如何ですか三尋木プロ?』

 咏『さあ? 分っかんねーなこりゃ、マジでw』イヤサッパリ


慕(タンヤオトイトイ… 出来れば染め手…! 様子見は無し、攻めるよ!)チャッ


慕「……」ニコニコ

洋榎(下家の白築… ほんま楽しそうに打つ人やな。 こら人気も出るわけやわ)フム

洋榎(ほならうちも… その意気に乗っかって、いっちょ景気づけして存在感示しとくか!)チャッ!

洋榎「出バナくじきリーチや!!」ドォッ!

洋榎「先んずれば人を制す・・・やで!!」ニタッ


 えり『出ました愛宕選手の先制リーチ…! あれ? でも、いや、これは・・・?』

 咏『有り得ねーっ!w なんつー待ちだこれww』

 えり『三メンチャンを捨てての単騎待ち… 一体これは、どんな意図が…?』


洋榎「さあさあ! うちのリーチはすごいでっ!!」

洋榎「ベタオリ大いに結構! ツモるで問題無しや!!」

善野「うるさいで洋榎、もうちょい静かに打ってくれんか。 気が散るわ」

洋榎「あ、はい…」


洋榎「さあ一発くるでー?」チャッ!

洋榎「かーっ! なんで三筒やねん!」タンッ!→「③」

洋榎「またや! 全然ちゃうで!」タンッ!→「②」

洋榎「なんやこりゃ、このツモどうかしとるでっ!?」タァンッ!→「④」


善野の注意もなんのその… トラッシュトーク全開の洋榎…!


慕(…? なんだろうこの人。 “全然違う”なら、待ちは筒子ではないって信じていいのかなぁ…?)


 えり『愛宕選手、なかなか引けません』

 咏『そりゃ単騎待ちだからねぃw でも、こりゃもしかすっと・・・』

 咏『〇〇の手牌から出るのを待ってんのかもしんねーな』

 えり『えっ、〇〇選手ですか…?』


※〇〇は誰?(洋榎の「出バナくじきリーチ」発動)

「出バナくじきリーチ」
トラッシュトークや後ひっかけで特定の他家からロン和了りを取れる。相手とのタイマン勝負(洋榎がロン和了りできなければ、その相手に振り込む)。 和了率70%。

1、慕
2、善野
3、のよりん
4、コンマ

最も早く3票を獲得した人で

4、コンマ
>>30コンマ以下
01~33→慕
34~66→善野
67~99→のよりん
00→やり直し、下のコンマ

33慕

慕(…愛宕さんの捨て牌は…)チラッ


洋榎捨て牌:南8⑨⑦3東
      一③②④

慕(7巡目で一萬切りリーチ。 素直に捨て牌を読むなら、多分萬子の染め手…)

慕(二-五萬あたりかな? やっぱり筒子が待ちってことはまずなさそう…)チャッ

慕(あ、シュンツが出来た。 じゃあ、ここはもうタンヤオで…)スゥ…


慕、トイトイを考慮して残しておいた一筒の対子に手をかける・・・

そして!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>33コンマ以下(和了った方が相手を直撃)
01~70→洋榎(「出バナくじきリーチ」発動)
71~00→慕

打点
>>34>>35コンマ以下(打点表>>10

47洋榎 90+100=190(ロン限定なので三倍満ロン)


慕「…」トンッ→「①」


慕、なんのためらいもなく、一筒を河に出す…!

その、刹那!


善野(! あ、白築さん、それ…!)

のよりん「!?」プン=3


慕の一筒に視線が集中… そして慕の背筋にゾクリと悪寒が走る…!


慕(え? まさか、これ・・・?)



洋榎「 ロン 」


慕「・・・・は?」


“何言ってるの?”といったような、唖然とした表情で洋榎のそのタレ目を見つめる慕・・・


洋榎「なんや? なんかうちの顔に付いとるか?」

洋榎「それ当たりや。 リーチ・西・えーっとドラが6・・・」パララララァ・・・

洋榎「おっと! 裏ドラ3丁や。 っちゅーことは… 11翻の三倍満やなぁ…w」ニタアアァ…


洋榎手牌:①二三四五六七西西西⑤⑤⑤ ロン「①」 ドラ[西]赤[五・⑤(二つ)]裏ドラ[西]  


慕「・・・・・・・」ガクゼン


 えり『こ、これは・・・!?』

 えり『なんということでしょう! 愛宕選手見事に一筒単騎であの白築選手を撃ち取ってしまいました!』

 えり『考えられません… こんな麻雀が成立していいものなのでしょうか? リーチの時に一萬を残しておけば一-四-七萬待ちの三面待ちだったのに、わざわざ一筒単騎で待って、それで和了ってしまうなんて…?』

 咏『とんでもないことになったねぃw でもね、愛宕ちゃんには一筒を誘い出す自信があったんじゃねーかな?』

 えり『え?』

 咏『3巡目に慕ちゃんが二筒をポンしてたっしょ? だからあえて三面待ちじゃなくて一筒単騎に受けたんだよ』

 えり『…あ、なるほど・・・“カベ”ですね?』

 咏『そっ。 その後に愛宕ちゃんはツモった筒子をこれ見よがしに文句を言いながら捨ててたけど、あれも罠だったんだよ』

 咏『③②④筒と立て続けに捨てて、二筒のカベが完成… 一-四筒待ちは有り得ないんだから、まず普通に考えたら一筒待ちは無い』

 咏『そういう他家の考えを逆手に取った戦法だね… 善野さんと野依さんは、あのあからさまなトラッシュトークで、かえって一筒は臭いって感じてたみたいだけど、慕ちゃんは引っかかっちゃったねぇ…』

 咏『しかし凄いよ! いくら一筒の一点狙いがいい、と思っても、普通三面待ちを捨ててあんな平然と待てる子はそうそういないよ。 とんでもない強心臓をしてるね、あの子は…!』


慕(信じられない… この人、私の二筒ポンを見て、それに合わせてわざわざ待ちを一筒単騎にしたんだ…)

慕(完全に狙い撃たれた… すごい・・・すごいよこの人!!)


洋榎「ふふ…w マグレ当たりとか…思っとらんよな?」

洋榎「これが愛宕洋榎の力なんや! さぁーこっからも手は抜かんで! ジャンジャンバリバリ和了ったるわっ!!w」クワッ!


白虎東一局

東 善野  30000   
南 のよりん30000  
西 洋榎  30000→54000 
北 慕   30000→ 6000


本日ここまでや
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

流石は洋榎姉さん!
あの慕ちゃーからロン上がりを奪うとは
ま…防御力が売りののよりんと雅枝監督の姉妹が監督をして居た頃の姫松の主将の善野さんが同卓者だから洋榎姉さんに振り込むのは慕ちゃーしか居なかったって所でしょうか?
コンマ新も慕ちゃーを選んで居ましたし

乙です

>>44
前にも伝えたように、長文でぐだぐだ毎回感想書き込むのやめて欲しい。  

ほんとは長文がイヤというより、過剰でくどい丁寧・説明口調と文章の雰囲気がイヤなんだけどね。 漢字の使い方も不自然で違和感を感じる、不快。

あと指摘する時に、「~ですが、~筈ですが」って連発するの、皮肉られてるみたいで鼻につく。 気を遣ってるつもりなのかもしれないけど嫌味ったらしい。

最初はなんとも思わなかったんだけど、繰り返し書き込まれてくうちにだんだん不快に感じるようになってきた。 今はもううざったくて仕方ない。


どんなに気をつけても>>1は必ずミスをするので、読み手には指摘をしてもらわなきゃ困るんだけど、もうあんたの指摘はこりごり、うんざりする。 とにかくくど過ぎる。

前スレの353もお前だろうけど、指摘ならああいうかんじか「〇〇違うよ」で十分。 余計なことまでぐだぐだ書くな。 


不快に思ってるのにずっと黙ってて悪かった。 そのうちいなくなるか書き方変えるかしてくれるんじゃないかと思ってたんだけど、そうでもなさそうだから…

スレを運営する上で、誰にも不快な思いはさせたくないけど、もうこっちが穏やかではいられない。

申し訳ないが>>44はもう書き込みは遠慮してくれ。 あるいはあんただと分からないように書き込みしてくれ。

乙あざす
進めてくにょ


~会場・観客席~


 ウワアアアアアアアアアアァァァァ――――ッッ!!!  マ、マジカアレ?  イキナリサンバイマン…? アタゴアネツエエエエェェ!!ww  イヤ、デモアレハフリコムワナァ…  ガヤガヤワイワイザワザワザワ・・・・


愛宕洋榎の三倍満和了・・・!

開戦直後、浪速の英雄の突然の超大物手炸裂に、地上の観客たちも沸きに沸いていた・・・


絹恵「わあああぁぁやったで漫ちゃん! おねーちゃんがやったでっ!!」ギュウウウウッ!

漫「そっ、そ、そやな・・・ って、ちょ、うちの、首、絞めんといて・・・!」ガクガク

由子「ドラ9って… インチキみたいな手なのよー…」

恭子「…あれ、洋榎も多分心ん中で“マジかいな!w”って思っとるで…」


セーラ「ムチャクチャやなあいつ…! 何かヘンなもん憑いとるんちゃうか?!」

怜「ドラはまぐれや… でも、あの単騎待ちの撃ち取りはさすがと言わざるを得んな…」スリスリ

竜華「洋榎ちゃんはうちのエースを破ってあそこに座っとるんやからな… これぐらいはしてもらわんと!」ナデナデ


閑無「うわああぁちょっ! 慕っ!! 何やってんだよおおおおぉぉっっ?!!」=3

悠彗「自分が鳴いた二筒の明刻を利用されて単騎で撃ち取られるなんて… これはショックおっきいんじゃないかな… さすがの慕も…」

曖奈「初っ端から厳しい展開になっちゃったわねぇ…」

真深「やべーなコレ… 私が“元気出せっ!☆”してあげないと立ち直れないんじゃないかなー…?」

はやり「いや… 大丈夫ですよ真深さん! 慕ちゃんは・・・これくらいじゃヘコたれません」

真深「はやりちゃん?」

はやり「その証拠に… ほら、慕ちゃんの顔、見て下さいよ!」

真深「!?」


“慕「……ふふっ♪」ゴゴゴゴゴオオオォ・・・!!”


真深「え、あれは・・・ 笑ってる?」


そう… 真深たちが見上げた巨大スクリーン… そこには、口元に笑みまで浮かべ、目を爛々と輝かせた慕の顔が映し出されていた。

“むしろ何か始まっている・・・!!”

見ている者に、そんなことを感じさせるような慕の表情だった・・・


【東二局 親:のよりん】


2巡目

洋榎「……」チャッ、パシッ、タンッ

洋榎(・・・ふう。 しかし、まあ… ドラ9って… なんやそれw うちは松実玄かっちゅーの!w)ドキドキ

洋榎(こんなドラ爆の手ぇ和了んの、半年ぶりくらいやろか…? 裏ドラがピンポイントで3つのった時は目ん玉飛び出るかと思ったわ…)ドキドキ

洋榎(あかんあかん! まだ動悸が収まらへん… 顔に出とったらどないしよ…!///)ドキドキドキ…

洋榎(もし赤面なんかしとったら、うちのこの南極並にクゥ~ルなイメージに傷がつくで…! き、気付かれとらんやろな…?)キョロキョロ


目だけ動かして、他家の顔をこっそり覗き見る洋榎…


慕「~~♪」ニコニコ

のよりん「……!」チャッ、パシッ、プンスコ=3


洋榎(・・・大丈夫や。セーフやで… って、なんで白築はまだニコニコしとるんや…)

洋榎(ま、まあええわ。 さー気付かれんように深呼吸でもしてこの動悸を・・・ ん?)

善野「……」ジイィーッ…

洋榎(な、なんや? 監督、そないジーッとうちの顔見て・・・ はっ、まさか・・・!)

善野「…… フフッ」ニタッ

洋榎(…!/// やっぱりや! 監督、うちが大物手和了って興奮してまってること見抜いとる…!///)ドキドキ

洋榎(くぅ… この人にはやっぱなんもかんも見透かされとるんやろか…?)


善野(なんや洋榎、顔赤くしよって… 思わぬ大物手ゲットで、興奮しとるんか…?)

善野(ふうん… 口ではこんなん当たり前やみたいなこと言うとったけど、内心ドキドキしとるわけか。 かわいいとこあるやんか…)フフッ

善野(でも、さっきの直撃は大したもんやで。 白築さんはそこまで守備は堅くないけど、ほとんど無警戒で切り出しとったからな…)チャッ

善野(これが10年後の姫松の主将か…! さすがはあの愛宕雅枝先生の長女やな…!)パシッ

善野(頼もしい限りや。 でも… 先輩としてそう簡単に後塵を拝すわけにはいかんからな…)トンッ

善野(一回和了ったくらいで調子に乗るんじゃないで…! すぐに私が辛酸を舐めさせたるわ…!)ギラッ…!

善野(それと・・・)

善野(洋榎、あんたが今三倍満を和了った人はな・・・逆転の申し子みたいな人なんや。 少しでも隙を見せたら寝首をかかれる… せいぜい気をつけるんやな…!)フフフ…


3巡目…

慕「………」

慕(三倍満の直撃なんて、試合でもらうのいつぶりだろう…? インターミドル以来かな…?)チャッ

慕(いきなりトップに48000点差…! とんでもない事になっちゃったなぁ…)パシッ

慕(でも・・・)

慕(楽しいっ…! こんなに強い人たちと闘えるなんて、それだけで嬉しくなっちゃうよ…!)ニコニコ

慕(直撃は痛いけど、おかげで何か目が覚めたみたい。 さあ・・・まだ7局もあるんだから、ここからがんばってくよっ!)タンッ!


振り込んだことで逆にその麻雀魂に火がついた慕…!

白築慕は麻雀狂い… ストイックな麻雀求道者…! 誰よりも深く麻雀を愛する少女の、怒涛の反撃が始まろうとしていた……


慕(さてと、私のこの手だけど…)チラッ…

慕(これは・・・どう攻めていけばいいかな…?)


慕手牌:七八③⑦479發南???? ドラ?


※13牌中9牌は、下のコンマ牌表をもとに>>4>>5>>40>>46の乙レスから取ったものです。 直近の5レスで残りの4牌とドラを決めます。 まずはレスをして牌を引いて下さい。 

ーーーーーーー
<コンマ牌表>

1~3→一
4~6→二
6~9→三
~12→四
13→赤五
~15→五
~18→六
~21→七
~24→八
~27→九
~30→①
~33→②
~36→③
~39→④
40→赤⑤
~42→⑤
~45→⑥
~48→⑦
~51→⑧
~54→⑨
~57→1
~60→2
~63→3
~66→4
67→赤5
~69→5
~72→6
~75→7
~78→8
~81→9
~84→白
~87→發
~90→中
~93→東
~96→南
~98→西
~00→北

※「5枚目の牌」が引かれてしまった場合は、一つ上の牌(大きい数の方)にズレる

>>57~59&>>61・62 

43、40、88、76、17→⑥[⑤]中8 ドラ六 []=赤


慕手牌:七八③[⑤]⑥⑦4789發南中 ドラ六


慕(シュンツが二つ、リャンメンターツが一つ… 字牌はもう切っちゃった方がいいかな… それとも重なるのをもうちょっと待ってみるか…?)

慕(赤五筒があるからチャンタ手はないかな? この赤を生かしてピンフ手テンパイでリーチをかけるのがベストかな…)

慕(ツモ次第では三色もアリかもだけど… さてさて、どうなるかな?)チャッ…


※あと3巡手を進めます。

捨てる牌と引きたい牌を一つずつ書き込んで下さい。 書き方は例えば「北→1」のように、左に「捨てる牌」、右に「ツモりたい牌」を書いて下さい。

三つ書き込まれた時点で慕の3巡後の手牌が決定されます。

ルールは、「ドラである六萬と赤ドラ」のみは引くことができません。 また、一度ツモった牌を捨てることもできません。 それ以外は自由に捨て牌を選び、欲しい牌を引くことが出来ます。

ゆっくりで構わないので、牌が他の人とダブらないようにお気をつけを。 手牌に一つしかない牌がダブって捨てられた場合は二つ目のレスが無効となります。

南→九
中→⑧
発→⑨

慕手牌:七八九③[⑤]⑥⑦⑧⑨4789 ドラ六


慕「…」チャッ

慕(…ん?)チャッ!

慕(わ、これ…)チャッ!!

慕(すごい! 789の三色…! 一シャンテンまで手が進んだ…!)パアアアァ…!

慕(あと四筒でも来れば、三-六-九筒待ちの高め三色でテンパイできるけど… どうなるかな…?)ワクワク


☆どうなる?(直近4レスのうち、「最もコンマ以下の数の大きいレス」が選んだ番号でイキマス。 慕の常時発動系能力「フォーゲルセット」は打点に折り込み済み)

1、一発で四筒を引き、三面待ち即リーチ(和了率15%アップ。打点満貫orハネ満)

2、ここから鳥さん2連続&一筒引き。ジュンチャン三色カン二筒待ちでまずはダマ(和了率25%のまま。打点ハネ満or倍満or三倍満)

※基本和了率は善野35%、慕25%、のよりん25%、洋榎15%

1、一発で四筒を引き、三面待ち即リーチ


7巡目

慕「……」チャッ!

慕(わ、来た…!)パアアァ・・・!


慕、カン四筒を引いて赤五筒を生かせるシュンツを確定させる…!

――――――

 はやり「わっ、すごい慕ちゃん…!☆」

 閑無「絶好のとこを引いたな… ここは即リーだろっ! 行けっ!慕ォ!!」

―――――

慕(よぉーっし、じゃあ、行っちゃうよ…!)バッ

慕「リーチ!」ドォッ!→「4」


すかさず牌を曲げる慕…!


慕手牌:七八九③④[⑤]⑥⑦⑧⑨789 


慕(三-六-九筒待ちの三面チャン… 九筒以外が来れば三色もつく。 さあ・・・おいでっ!!)


しかし!


善野「チー!」パシィンッ→「234」

慕「!?」


慕のリーチ宣言牌の四索を、善野がさかさず拾い上げる…!


善野「……」ゴゴゴゴォ・・・

慕(速攻のわりにはあまり鳴かない善野さんが鳴いてきた… テンパイ・・・かな?)

慕(ううぅ… 当たり牌つかみませんように…! 三-六筒来いっ!)ドキドキドキ…


洋榎(白築のリーチ… 多分筒子の多面チャンやな。 早そうや…)

洋榎(それに対して監督がすかさず鳴いてきた。 あれは一発消しやなくて、手を進める鳴きや… 恐らく監督もテンパイしとる)

洋榎(うちは一シャンテン… 親の野依は動くんやろか?)チラッ


のよりん「…♪ フンフム…!」プンスコ=3


洋榎(・・・分からん。 こいつだけはどうもよう分からんな… 何考えとるんや…?)


そして… 3巡経過、10巡目!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>78コンマ以下(和了者)
01~40→慕
41~70→善野
71~90→のよりん
91~00→洋榎

打点
>>79>>80コンマ以下(打点表>>10

慕の打点表
02~100→満貫
101~200→ハネ満

47善野 83+57=140(ハネ満ツモ)


善野「ツモ」トンッ

慕「え」


静かな… しかしよく通る声で和了の声を上げた善野…


善野「タンヤオ三色ドラ4… ハネ満3000・6000です」パラララァ・・・


善野手牌:二三四六六②③④55 ツモ「六」鳴き「234」 ドラ[六]赤[5]


慕(う…! 六萬と五索のシャボ待ち…? 私の4索で三色を確定させちゃったんだ…)グムム…

洋榎(きっちりドラの方引いてハネ満かいな。 セーラみたいな和了りやな… これが監督の通常モードなんやろか…?)

のよりん「……オシイ!」プンプン=3


白虎東二局

東 のよりん30000→24000  
南 洋榎  54000→51000 
西 慕    6000→ 2000

北 善野  30000→43000


【東三局 親:洋榎】


 えり『東二局…! 白築選手のリーチをかわして和了を手にしたのは浪速の超特急善野選手!』

 咏『やっぱカンがいいよね、善野さんは。 あの手は普通は面前で進めたくなるもんだと思うんだけど、四索が出た時は間髪入れずに鳴いたからねぇ… さすがだよ』

 えり『トップの愛宕選手に、10年前の大先輩がじりりと迫ります…! しかしそれに対して、白築選手はなんとわずか2局で残り2000点…!』

 えり『トビ終了は無いとはいえ、かなり厳しい展開となってまいりました』


慕(リー棒も持ってかれてマイナス4000か… でも、大丈夫。 トップとの点差はほとんど変わってないんだから…!)


洋榎「よっしゃうちの親番や! サイコロ振るで――っ!!」ピッ、カラカラカラ…


 えり『そしてここでトップ愛宕選手の親番です… 現姫松の大黒柱が、さらに点差を広げていくのでしょうか…!』


威勢よくサイコロを回す洋榎… 大先輩たちが相手だろうと関係ない! まるでその勢いのままツキまでも呼び寄せてしまうよう…!

ところが、


のよりん「……!」プンスコ=3

のよりん「… フンムゥ・・・!」プンプンプンプン・・・!!=3=3

のよりん「ウ、ウ・・・!  フミュミュミュミュミュウウウゥ・・・!!」プンプンプンプンプンプシュウウウゥゥ~~・・・!!=3=3=3


 えり『え!? おや、おや? あれは・・・?』


のよりん「………!!」プンプンプンプンプンプンプンプンプンプン・・・!!!=3


 えり『こ、これは… 野依選手、まるで湯沸かし器のように体から湯気を出し始めてしまいました… 大丈夫でしょうか?』

 咏『普段からいつもぷんぷんは出てるけど、オーバーヒートし始めてるねぃw』


洋榎「…ん?」
慕(え、これは・・・?)
善野(野依… 一回戦の南三局で使うてたやつやな…?)


そして配牌… 

のよりん以外の他家三人の表情が一様に曇る…!


 えり『これは… 野依選手だけが手が軽く、他家3人の配牌はバラバラ…! 白糸台の大星淡選手の“絶体安全圏”と同じ状態になっていますが…』

 えり『そういえば一回戦で瑞原プロが野依選手の能力を説明していましたね。 確か体内のバイタルパワーで特殊な電磁波を発して、自動卓の中の牌に偏りをつくっているとかという話でしたが…』

 えり『一回戦ではこの力を発揮した時は見事に倍満を和了していました。 この局でも、配牌の勢いのまま一気に和了することになるのでしょうか?!』



しかし… 1巡目、のよりんの第一打を見たえりは目を丸くした。


のよりん「……!」タンッ→「四」


 えり『へ?! なっ、四萬切り??』

 えり『な、なんと野依選手、せっかくの一向聴の早い手牌なのに、三四萬とあるリャンメンターツの片割れを落としてしまいました!?』

 えり『しかも四萬はドラですよ?! 一体… 何をするつもりなんでしょうか?』

 咏『ふぅん・・・?』


洋榎(な、なんや? いきなりど真ん中、しかもドラの四萬切りやと?!)

善野(・・・ブラフ… とかするタイプとはちゃうよな…?)

慕(なんだろう? 染め手の決め打ち…?)


いぶかしがる他家3人…

しかし… しばらく何事もなく牌は巡り、8巡目…!


のよりん「リーチ!!」プンスコドオォッ!!=3


野依理沙、ぷんすこの気合いと共に千点棒を場に出すっ!


洋榎(来よったか野依… しっかし・・・ なんやぁ? あの捨て牌は…?)チラッ


のよりん捨て牌:四⑧72五6
        北三


洋榎(きもい捨て牌やな… こういうトンチンカンな捨て牌の時にまず注意するべきなんは国士やが、国士なら普通リーチはかけへんし、北が河に四枚出とるんやからそれは無い…)

洋榎(次に疑うべきは七対子… あるいは…筒子の染め手の可能性も無きにしも非ずやが…?)チラリ


のよりん「… フムゥーッ…」プンプンプン=3


洋榎(・・・あかんわ、さっぱり分からへん。 うちの当たり牌感知センサーが働かん…!)

洋榎(普通の打ち手なら、何かしらの情報… 打牌のリズムやら視線の動きやら表情の変化やらで手牌の様子をある程度教えてくれるもんなんやけど… こいつはいつもぷんすこしとるだけでナニ考えとるんかサッパリ分からんで…!)

洋榎(ちゅうても、うちも親やし、せっかく一向聴まで手が進んだんやから逃げるわけにも・・・ん?)チャッ

洋榎(九萬・・・?)ムム…?


洋榎、のよりんのリーチ直後にツモったのは九萬… タンヤオ手を作っている洋榎にとっては不要牌である…


洋榎(・・・もし野依が七対子なら、ヤオチュー牌の九萬は有り勝ちな待ちやが…)

洋榎(くっそ! どないしたらええんや… オリるにしても野依の現物は無し… 絶対に当たらない牌は一つも無いで…!)

洋榎(まあ・・・ええわ。 点棒には余裕あるんやから、こんなん押せ押せや。 当たったらそん時や!)タンッ→「九」


洋榎、九萬強打… その、直後!


のよりん「… フゴッ!」プン=3

洋榎「え?」


>>89コンマ以下(和了者)
01~25→のよりん
26~50→洋榎
51~75→慕
76~00→善野

>>90>>91コンマ以下(打点表>>10
(のよりんの「ハイパープンスコモード」発動。 のよりんの振り込みは自動的に他家に押しつけられ、他家のツモ和了りは全てのよりんのツモ和了りとなる )

06のよりん 33+22=55(二翻ロン 3の倍数+1で対面慕振り込み)


のよりん「………スン」プン…


のよりん、洋榎の出した九萬を一瞥するが、スルー…


洋榎(…な、なんや、驚かすんじゃないわ! ったく…)


そして、3巡経過…


慕「……」チャッ

慕(! 六筒! うーん…)チラッ

慕(野依さんのあのリーチ… 筒子の染め手かもしれない。 だとしたら、この六筒は危ない…)ムム…

慕(でも… 私自身は萬子の染め手を作ってるし、この牌をおさえたら、もうこの局で和了るのは厳しい…!)

慕(善野さんもまたテンパイしてる気配があるし、六筒は善野さんには現物なんだから… ここは…)

慕(点差もあるし、勝負するしかない!)タンッ→「⑥」


のよりん「・・・ ロン」プン=3


慕「え…」

のよりん「リーチ・・・裏ドラ1、二翻2000…」パラララァ・・・


のよりん手牌:一一七八九123999⑦⑧ ロン「⑥」 裏ドラ[七]


慕(! 全然染め手じゃない… ジュンチャン狙い…?)

洋榎(ははあ… そういうことかいな。 九萬やなくて九筒が出るのを待ってたんやな?)

慕(…仕方ない。 まだ九筒をつかまなくて良かった。 もし九筒を出してたらリーチジュンチャンの満貫に振り込んでたよ…)


 えり『野依選手、二翻和了り…! 高めジュンチャンの手でしたが、ここは堅実にリーチのみでの出和了りを選びました』

 咏『ちょっと迷ったみたいだねぃ。 でも見逃したらフリテンで他家から九筒が出ても和了れなくなっちゃうからね』

 えり『もし九筒を自分でツモれば、リーチジュンチャンツモ裏ドラ1でハネ満でしたが… ここは確実に和了っておくことを選びましたね』

 咏『善野さんもテンパイしてたからね! 和了らなきゃ多分また善野さんが和了ってたよ。 それにしても慕ちゃんやっべーな! さすがにこれはちょっと厳しいぜ?』

 えり『白築選手の点棒はちょうど0点…! ここからの起死回生の復活劇を見せて欲しいところですが、果たして…?』


慕(みんなやっぱり強い…! でも、大丈夫、まだ前半も終わってないんだから、ここからだよ!)


白虎東三局

 
東 洋榎  51000 
南 慕    2000→    0

西 善野  43000
北 のよりん24000→26000

本日ここまでですのだ
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙あざす
進めてくにょ


【東四局 親:慕】


 えり『準決勝第三卓白虎の間! 場は東四局まで進んでいますが、ちょっと、意外な展開となっております…』

 えり『ランキング上では一番格上である白築慕選手が大ピンチ…! なんと現在の点棒、ちょうど0点です!』

 えり『白築選手と言えば後半追い上げ型であるということはよく知られていますが、既にトップ愛宕選手との点差は5万点を超えました』

 えり『そしてここでやっと、白築選手の親番が回ってきました… この親で少しでも点差を縮めておきたいところだと思いますが、果たしてどのような展開が待っているのでしょうか…?』


慕「………」ズモモモモォ…


善野「……」

善野(白築さん… 0点までへこむとは思っとらんかったけど、私にはこの展開は十分想定内…)

善野(彼女は序盤中盤も決して弱いわけではないけど、持っている“本来の力”を見せることは殆どない。 まるでエネルギーを温存するかのようにゆったりと走って、終盤で一気にアクセルを踏んでごぼう抜きをする、というのが白築さんの王道パターン…)

善野(そう、まるで前半は後半での劇的な逆転のための“お膳立て”をしているかのような打ち筋… もちろん彼女自身はそんなつもりは全くないんやろうけど…)

善野(たとえ残り0点、4万点以上の差があっても、絶対に油断はできん。 むしろ白築さんの中の鬼が目覚める南三局までに、もっと点差を広げとかなあかんくらいや)


善野(以前… インハイで当たる可能性があったから、白築さんの牌譜を過去に遡って調べたことがあったけど…)

善野(記録のある小学4年生の時から、勝った試合のほとんどが…後半の逆転で勝利している。 大体8~9割くらいかな?)

善野(特に白築さんが中学1年の時、全中県予選決勝の先鋒戦では、トップまで5万点以上あった点差を南二局と三局だけで引っくり返して逆転していた…)チラッ…


慕(うん、まだまだだよ…! どんな時も、笑顔で私らしい麻雀を…!)キッ!


善野(目にも全く力を失っとらん。 逆境でもブレることのないこの精神性の高さが彼女最大の武器…!)

善野(そして繊細でいて大胆、比較的デジタルな打ち方でありながら時に想像を超える勝負に出る… 経験と度胸を併せ持った柔軟でしなやかな打ち筋……)

善野(この東四局、やっぱり誰よりも和了らせてはいけないのはトップの洋榎やなくて親の白築さんや。 せっかく出来たこの点差を縮めてはならん)

善野(南三局になればもう私の力は通じんと思った方がいい… 白築さん、この東四局は一切手を抜かず全力で叩き潰させてもらいますよ…!)ゴゴゴゴオオォ・・・!


慕「…!?」ゾクッ


善野「さて… 一つ、二つ、三つ・・・やな」パタッ、パタッ、パタッ・・・


慕「…ん?」
のよりん「…!」プンスコ=3
洋榎(ははん… 来よったな、監督…?)


 えり『おや…? 善野選手、配牌であった対子3つを全部… 伏せてしまいましたね? これは・・・』

 咏『うん、一回戦でも使ってた七対子伏せ牌戦法だねぃ』

 えり『善野選手が、一回戦第七戦…南二局で使っていた戦型ですね。 自分の手の進み具合をあえて教えることで、他家にプレッシャーをかけるという…』

 咏『プレッシャーもあるけど、“本当に対子を伏せているのかどうか”は、他家には分かんないからねぃ… 要は“芝居かもしれない、でも本当に七対子だったら…?”っていう風に、相手を疑心暗鬼に陥らせてペースを崩すのが主な目的なんだと思うよん♪』

 えり『一回戦ではこの戦法で他家全員をほぼ完全に降ろす形にし、結果的にうまく卓上を支配して和了を得ていました。 果たして・・・この準決勝でも通用するのでしょうか?』


2巡目

善野「四つ目…」パタッ…


のよりん「…!」プンスコ=3


4巡目

善野「…あ、五つ目…!」パタッ…


慕(! 対子が五つになった… ていうことは、七対子一向聴?)


善野「ふふ……w」ゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・!


 えり『これは… 善野選手早い! 順調に対子を仕上げて、4巡目で七対子一シャンテンまで来ました! さすがは浪速の超特急…!』

 咏『ま、七対子は一向聴まではわりと早く作れることもあるけど… テンパイはなかなか出来ないもんだけどねぃ、どうなるかな?』


そう、咏が言うように七対子は一向聴からテンパイまでが遠い…! 

しかし!


6巡目

善野「ふふっ、これで六つ目…!」パタッ…!


善野、遂に牌を12牌伏せ、裸単騎のように残った1牌に人差し指をのせてにたりと微笑む…!


慕(う… テンパイしたのかな?)
のよりん「…!」プンスコ=3
洋榎「……」


善野「… ウフフ」ヒョオオオオオォォ…!


その微笑みは、他家に対する強力なプレッシャーとなって圧し掛かり、卓上を凍りつかせていく…!


慕(善野さん、捨て牌に一枚のかぶりもないノーミスの七対子…? でも…私だって親だし、ここで引くわけにはいかない…!)


そして8巡目

慕「…」チャッ

慕(! よしっ、来たよ、テンパイ…!)


慕、タンヤオ手をテンパイ… 二-五索のリャンメン待ちである!


慕手牌:四五六八八八②②⑤⑥346 ツモ「⑦」


慕(ここは攻めるべきだよね。 六索を切ってリーチだ!)チャッ!


手牌右端、浮いた六索を切りだそうとつかんだ、その時…!




“『ロン! 七対子ドラ2、9600!』カッ!”




慕「!?」ビクッ!


突如慕の脳裏によみがえる、苦い思い出…!


慕(・・・そうだ。 全小の決勝で対戦した時、私、善野さんに七対子振り込んじゃったんだよね…)

慕(確かあの時、善野さんは出やすい字牌で待つこともできたのに、私の対子落としを狙い撃ちしてきた… 今って、あの時と全く同じだ…!)

慕(私が前巡に捨てたのは六索… そして、その直後に善野さんはツモった牌を残っている牌と入れ替えた。 つまり… あの六索が対子落としだと読んで待ちを入れ替えた可能性がある…)

慕(う…! ああもう、せっかくテンパイしたけど… ここはいったん、こっちを捨てるしかない…!)タンッ→「3」


慕、一度手にした六索を下ろし、三索切り… リーチは保留でとりあえずカン五索待ちに受ける…


善野「……」


慕(善野さんが残してるあの最後の1牌は六索かもしれない。 この手ならまだ四筒が来れば三色にもできるし、六索は残して様子を見よう…)


洋榎(… 白築、テンパイしよったな…? でも、今の間は… 監督のプレッシャーに日和ってリーチと待ちを妥協したってところやろか…)

洋榎(ふん…さすがは監督や… しかしなぁ・・・・)

洋榎(うちには通じんで! この愛宕洋榎が、監督の七対子戦法を破ってみせるわ!!)カッ


~会場・観客席~


  ザワザワガヤガヤガヤ・・・・


絹恵「ほんまにすごいわ監督は…! ただ牌を伏せるだけで、相手にプレッシャーをかけて卓上を支配しとる…」

恭子「せやな。 善野監督の、他家の余り牌を察知する能力の高さがあるからこその技やな」

漫「これにはさすがの主将もビビッて・・・んぉっ?!」

絹恵「え? お、おねーちゃん?!」

由子「!? ひ、洋榎!?何やってるのよーっ?!」


おののく姫松メンバー一同… その時、愛宕洋榎は…!


洋榎「さーて… じゃ、これがアタマ… んで、面子が2つっと…♪」パタッ、パタッ、パタッ…


慕(…え?)

善野「!?」


突然… 自分の手の牌を2個、3個、3個と揃えて、伏せてしまった洋榎…


善野「・・・洋榎、あんた… 何しとるんや…?」

洋榎「ん? あ、いやー… 監督だけ手の進行を教えてくれとるんじゃ、フェアじゃあらへんなぁ、って思ってw」

洋榎「うちもこの局、面子が出来しだい揃えて伏せていきますよ。 それなら条件一緒ですよね?」ニタァ…

善野「… なんやて…?」


 えり『こ、これは…? なんだか、おかしなことになってきましたね…?』

 えり『なんと、善野選手に続いて後輩の愛宕選手まで手牌の一部を伏せてしまいました… こちらは七対子ではなく普通の一般手ですので、雀頭の2牌、シュンツの3牌というようにわざわざ揃えて伏せています…』

 咏『ははっw、面白いことになったねぃ! 善野さんを挑発するつもりなんじゃねーの?』

 えり『し、しかし… これでは愛宕選手、相手の土俵にわざわざ乗っかって闘うようなものではないでしょうか? 明らかに不利だと思うのですが・・・』


善野(なんや洋榎… 私と正面から殴り合いをしようっちゅうんか? ええ度胸しとるやないか…!)ゴゴォ…

善野(先輩として… そして将来の監督としても、勝負の厳しさを教えてやらなあかんようやなぁ…)ギロ…!

洋榎(はん! 意地だけでこんな事やっとると思ったら・・・大間違いやでっ! うちはちゃんと勝算があってやっとるんや。 なぜなら・・・)ズモモモオオォ…

洋榎(監督のあの伏せ牌・・・ 最後の六つ目の対子は、実は・・・・)

洋榎(ブラフや!!)カッ!


洋榎(五つ目まではおそらく本当に対子が出来とるんやろう… しかし、あの6巡目に伏せた六つ目の2牌… あれは恐らく対子にはなっとらん。 あれは“テンパイしとる”と見せかけることで他家の手を遅くするためのブラフや…!)

洋榎(ほんで、ほんまにテンパイした時は、最後のあの立てとる1牌を入れ替える形で、“待ちを変える”ように見せかけてテンパイすればええだけの話…)

洋榎(白築はその監督の手にまんまとはまって自分の手を妥協したようやが、うちは騙されへんで…!)

洋榎(うちの当たり牌感知センサーが言うとるんや。 “監督はまだテンパイしとらん”って…! だから…今はまだなんでも通るはずなんや。 例えこの超危険牌でもな!)タァンッ!→「發」


善野「!?」

慕(えっ、ドラの字牌切り…?)

のよりん「!?」プンスコ=3


慕(七対子テンパイに対して字牌のドラ打ちなんて・・・何考えてるの、愛宕さん?)

のよりん(ムチャクチャ!)プンスコリン=3


洋榎の暴牌に驚く慕、のよりんの二人… ところが、善野は…!


善野「……」


動かず…! 洋榎の發に対して手牌を倒すことが出来ない!


洋榎(ふふw 当然や。 なんせ監督はまだテンパイしとらんのやから。 34種ある牌のどれを打っても当たるわけないんやw)

洋榎(監督のあの伏せ牌戦法の主な目的は他家を降ろさせること… 要は相手をビビらせることなんや)

洋榎(牌を二つずつ、6セット伏せれば、もう七対子をテンパイしたと見せかけることが出来る。 そして相手がビビッて手を回してるうちに・・・)

洋榎(監督自身はゆっくりこっそりテンパイに持っていって、和了ればええんや。 相手をビビらせてまえば、何も恐れずのんびり当たり牌が来るのを待つだけなんやから、楽なもんや…)

洋榎(監督は今、既にテンパイしとるという“幻影”をうちらに見せているだけ… だが、そんなブラフにはこの愛宕洋榎は引っかからんで!)


洋榎(ブラフである以上、あの残ってる牌を入れ替えん限りは監督は100年たっても和了れんのや・・・ん?)チャッ…

洋榎(お、ここで五索か…)


洋榎手牌:①②②24 ツモ「5」 伏せ牌「???」「???」「??」


洋榎(二索が浮くな。 七対子の待ちで多いのは字牌と数牌の端、つまり1・2・8・9やが・・・)

洋榎(テンパイしとらん相手には当然これも通るわけや!)タンッ→「2」


洋榎、發に続いて二索切り…!


善野「……!」


※掛け算コンマバトル!(コンマ以下の数に基本和了率の比率を掛けた数の大小で勝負。 積が偶数にしかならない雀士もいるので、ロンかツモか及び振り込み者などは打12 点の方で決定)
・洋榎→>>115×3
・のよりん→>>116×5
・慕→>>117×5
・善野→>>118×7

打点
>>119>>120 コンマ以下(打点表>>10 ※善野は主役なので、和了した場合は打点1ランクアップ)

いよっ

はい

洋榎(83×3=249) のよりん(20×5=100) 慕(93×5=465) 善野(75×7=525)

37+78=115 善野の満貫ロン(3の倍数+1なので対面洋榎振り込み)


洋榎(テンパイしとらん相手には当然これも通るわけや!)タンッ→「2」


洋榎、發に続いて二索切り…!


善野「……!」

善野「・・・それ、」

洋榎「へ?」


※洋榎の「格の違い」発動(善野はAランカーなので、60%の確率で振り込み回避)
>>123コンマ以下(振り込み者)
01~30→のよりん(「プンプンディフェンス」の一回目を発動し、慕が振り込み者となる)
31~60→慕
61~00→洋榎

50慕振り込み >>121一部訂正、善野は主役で打点は1ランクアップなので、満貫ロン→ハネ満ロン


善野「・・・それ、」

洋榎「へ?」

善野「ポン!」カシィンッ→「222」

洋榎「!」


善野、伏せていた対子の一つをくるりとひっくり返し、洋榎の二索をすくい上げる…!

そして…


善野「……」ジャッ!!


残りの伏せていた牌10牌を全て起こし、普通の状態に並べなおした善野…


洋榎(ポン… ちゅうことは… トイトイへの移行?)

洋榎(そうか… 当たり牌でなくても、そうやって河に出た牌を生かす方法があったか…!)ギリッ

善野「……」ニタアァ…


さらに、

善野「ポン」→「999」

善野「ポン!」→「中中中」


連続で二鳴き…! アッという間にその手牌の様相を変える!


 えり『こ、これは…?? 善野選手、七対子のフェイクテンパイの一シャンテンから、連続三鳴き・・・ 一瞬にしてトイトイテンパイへと切り替えてしまいましたっ!』

 咏『でぇ…? すっごいねこりゃ…!』


そして、12巡目…

慕「…」チャッ

慕(う・・・ 南?)


慕の親指にぞりっとした彫りの深い感触… オタ風の南!


慕(善野さん、3回も鳴いて… トイトイだと思うけど、何で待ってるんだろう…?)

慕(んー・・・ 危ない気もするけど、この南を抱えたら私のタンヤオ手は死んでしまう…)

慕(親だし、この点差でオリちゃいられない。 通れ!)タンッ→「南」


慕、祈りを込めての南切り…!

しかし、その瞬間、慕の下家の白い女がふうと息を吐いた。


善野「ロンです、それ…」

慕「え…」

善野「南・中・ホンイツトイトイ…! ハネ満12000です」パラララァ・・・

慕「!??」


善野手牌:南南44 ロン「南」 鳴き「222」「999」「中中中」


 えり『ぜ、善野選手またハネ満…! 今度は白築選手からの出和了りです!』

 えり『なんということでしょう…! 51000点も点棒がある愛宕選手をまくって、先輩の善野選手がトップに立ってしまいました!』

 咏『ああいう風にトイトイやらタンヤオやらにわりとスムーズに手変わりできるのも七対子の長所だからねぃ… まさに臨機応変、鮮やかな打ち筋だったね!』


洋榎(まくられた…! さすがは監督や… でも勝負はここからやでっ!)ゴゴゴオォ・・・!

のよりん「……!」プンプン=3


白虎東四局
   
東 慕       0→-12000
南 善野  43000→55000
西 のよりん26000
北 洋榎  51000


【南一局 親:善野】


 えり『大変なことになってきました…! 姫松の師弟コンビが共に5万点越え! それに対して… 朝酌女子の白築選手、遂に点棒がマイナスになってしまいました!』

 咏『慕ちゃん火だるまだねぃ… 今んとこ姫松のATMになっちゃってんな』

 えり『しかもここで巡ってきた南一局は善野選手の親番です。 さらに点差を広げていくことになるのでしょうか…?』


善野「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・!


浪速の氷帝善野一美、絶好調…!

その勢いは衰えず、ここでさらにその双眸を妖しく光らせる…

攻防一体の麻雀イージスシステム搭載の沈黙のスナイパー“ZENNO”・・・

他家を蹂躙するべく、本格始動!!


5巡目

善野「……」チャッ、パシッ、タンッ!


 えり『善野選手はまた七対子を狙っているようですね。 5巡目で対子五つ… 一シャンテンまで来ました。 やはり早い!』


〇〇「ポン!」カシィンッ!→「北北北」


 えり『む、おや、これは…? 〇〇選手もいい手ですね!』

 咏『そうね。 こりゃチャンタからホンイツ… ホンロートイトイまで狙えそうな手だねぃ』


〇〇手牌:899⑨⑨白白發發發 鳴き「北北北」


 えり『發を暗刻にし、一鳴きで一シャンテン…! 白・⑨・9・7のどれかを引くか鳴くかすればテンパイです! さあどうなるか…?』


善野(・・・〇〇の手がどうも高そうな気配やな…)チラッ

善野(理牌のクセや目線、捨て牌、打牌のリズム… 総合的に判断するに、〇〇の手牌は右側に役牌が暗刻、そして左側が・・・)ピキィーン・・・!

善野(・・・索子…の上やな。899ってところやろか…?)

善野(ふふ、それなら… 当たり牌をあぶり出してみるのも面白そうやな…!)ニタアァ…


浪速のスナイパー善野一美… ライフルのスコープを覗き込み、ゆっくりと〇〇に照準を合わせる…!


※善野の「浪速のスナイパー」発動(最も早く3票を獲得した番号で)
〇〇は誰?
1、洋榎
2、のよりん(善野が和了れば「プンプンディフェンス」を一回使わせることになる)
3、慕

1、洋榎


7巡目

善野「……」チャッ


 えり『! 善野選手も七対子テンパイです! さあ、どの牌で待つのか・・・お?!』


善野「…」タンッ→「9」

洋榎「! それポン!」パシィンッ→「999」


 えり『善野選手の出した九索を愛宕選手すかさずポンです!』


洋榎手牌:8⑨⑨白白發發發 鳴き「北北北」「999」


 えり『さあ、これで八索を出せばホンロートイトイのテンパイですね。 白と九筒のシャボ待ち…!』

 咏『いや、えりちゃんでもこれ、振り込むぜw』

 えり『えっ…? あ、ほ、ほんとです! 先ほど七対子をテンパイした善野選手・・・待ちは八索! これはまずい!』

 咏『善野さんは愛宕ちゃんにわざと鳴かせて、あぶれた牌を撃ち取ろうとしてんだよ…w こりゃさすがに振り込むんじゃね?』


洋榎「……」チャッ!


善野の当たり牌、八索を手にする洋榎… その、瞬間!


“ドシュウゥッ!!”


遂に善野のイージスシステム発動!!

アサルトライフルが火を噴き、凶悪な弾丸が真っ直ぐ洋榎に向かって飛んでいく・・・!


洋榎「……ん?!」


洋榎、かわせるか?
>>135コンマ以下(和了者)
01~70→善野(「浪速のスナイパー」発動)
71~80→のよりん
81~90→洋榎
91~00→慕

(※善野が和了れば洋榎から出和了りだが、同時に洋榎の「格の違い」も発動される)

打点
>>136>>137 コンマ以下(打点表>>10) 

善野の打点表
02~70→七対子ドラドラ
71~130→満貫
131~200→ハネ満

はい

03善野 22+11=33(親の七対子ドラドラ)


 ピキイィ――ン・・・!!


洋榎「……ん?!」


八索を河に出そうと牌をつかんだ洋榎のこめかみに… ピリッとした痛みが走る…!


洋榎(・・・なんや? もしかして… この八索が危ないんか?)


※洋榎の「格の違い」発動(善野はAランカーなので、60%の確率で振り込み回避)
>>140コンマ以下(振り込み者)
01~30→のよりん(「プンプンディフェンス」の一回目を発動し、慕が振り込み者となる)
31~60→慕
61~00→洋榎

97洋榎振り込み


洋榎(・・・いや、気のせいやろ… 多分昨日夜更かししてこっそりチューハイ飲んだせいや… これが二日酔いってやつなんやろな…)

洋榎(この八索を切ればホンロートイトイ、白と九筒の絶好のシャボ待ち… しかも白の方が来ればハネ満で和了れるんや!)

洋榎(この手をちょっと頭痛がしたくらいで捨てるなんて… ただのヘタレやろ! こんなん通るはずや!)タァンッ!!→「8」


洋榎、迷ったものの、ホンローのテンパイを優先して八索を河に出す・・・!

その、刹那!


善野「ロン!」グサァッ!!

洋榎「! がっ、あ・・・?!」


放たれた弾丸は、正確に洋榎の心臓を撃ち抜いていた・・・


善野「七対子ドラドラ、9600や、洋榎…!」ズモモモモオオォ・・・!!

洋榎「ぐうぅ・・・?」


善野手牌:①①④④⑨⑨六六八八668 ロン「8」 ドラ[六]


 えり『ま、またもや善野選手! 今度は“守りの化身”とまで呼ばれているあの愛宕選手を撃ち取りましたっ! 愛宕選手、この大会初めての放銃です!』

 咏『ほえー… うん、やっぱり今のはさすがの愛宕ちゃんもかわせんわなぁ…』

 
洋榎(・・・なんちゅうこっちゃ… あの九索は… うちを鳴かせて、八索をあぶり出すワナだったんや…!)ギリ・・・!

洋榎(っく…! 強い…! さすがは監督としか言いようがないわ…)

洋榎(まんまと引っかかってまったな… でも、それでこそうちのほんまの先生や… それでこそ、倒し甲斐があるってもんやないか…!)ニタアァ…

洋榎(まだまだや。 必ずやってみせるで! 師匠超えを…!!)ギラリ…!


白虎南一局
   
東 善野  55000→64600
南 のよりん26000
西 洋榎  51000→41400
北 慕  -12000


【白虎南一局一本場 親:善野】


 えり『強い強い強い善野選手! まったくスキがありません! 攻守共に非常に安定しています!』

 えり『そして点棒は遂に6万点越え…! しかもその親はまだ続行です! 一体どこまで点数を伸ばすことになるのでしょうか?!』


善野「……フフッ」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・

洋榎(負けんで… 今度は逆にうちが直撃を取ったるわ!)カッ

慕(やっぱり強い、善野さん…! まるで卓上の全てが見えてるみたい… すごい…! でも私も負けないよ!)キッ

のよりん「…!!」プンスコリン=3


※一本場なので能力ステージ、誰の能力が発揮されるか…?
>>145コンマ以下
01~25→善野
26~50→のよりん
51~75→洋榎
76~00→慕

14善野

本日ここまでやでーぇ
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙あざす
進めてくにょ


~会場・観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  ナ、ナンンダヨコレ?  シノチャー…  ゼンノガツヨスギンゾ!w  バケモンダナアリャ… ガヤガヤワイワイ・・・・


漫「つ、つよ・・・! 監督強過ぎや! アッという間に主将に2万点以上も点差つけてトップかいな・・・!」

由子「昨日の一回戦も強かったけど、今日はそれに輪をかけて強いのよー…」

絹恵「ですね… 昨日も和了率が5割に近かったけど、今日はここまで5回の和了のうち3回が善野監督の和了り… 他家が気の毒になってくるくらい強いですね…」

恭子「……」


自らの師の強さに驚嘆する姫松メンバー…

その表情には、尊敬、憧れといった感情以外に、“あきれ”や“畏怖”の念までもが表れていた…


恭子(ほんまに強いわ善野監督…!/// さすがは私の一番の師匠や…!)

恭子(普段の部活の練習で、当然監督と打ったことも何度もあるけど、ここまで強くはないんじゃないやろか…? 試合に出とる分、一切の手抜き無しで本気で打っとるっちゅうことなんか…?)

恭子(絹ちゃんが言うようにここまで5局、そのうち3局で善野監督が和了しとる。 打点も低くないし、もはやこれは圧倒的と言える数値や)

恭子(洋榎もトンパツの三倍満は見事だったけど、そのあとは完全に監督に力負けしとる。 いくら洋榎が監督の裏をかこうと色々仕掛けても、監督はさらにその仕掛けを逆に利用して和了ってまう… まるで掌の上で転がされとるようや…)

恭子(洋榎でも・・・監督が相手では、しょせん子ども扱いっちゅうことなんやろか・・・?)


恭子は… 憧れの人の驚異的な強さを喜びつつも、どこかもやもやとした、ジレンマのような気持ちを抱えていた…


恭子(・・・いくら強いっちゅうても、あそこにおるんは大人の監督やない… 私らと同じ“高校生”なんや…)

恭子(それが… 私たちの中で最強の洋榎ですら、こんなにも差があるもんなんやろか?)

恭子(善野監督が強いんは当たり前なんやけど… なんか、こうして洋榎が目の前でボコられとるとこ見ると、なんというか・・・なんやろ? 恥ずかしいような、悔しいような気分になってくるな・・・)

恭子(監督は10年前の… そして洋榎は現代の姫松の主将や。 同じ学校の主将同士、違うのは世代だけ…)

恭子(洋榎がもしこんまま監督に手も足も出んまま負けたら… なんか、“うちらの世代”を否定されとるような気分になりそうやな…)

恭子(洋榎… そんまま負けるんやないで。 監督に一矢でも報いて、私らの世代もなかなかやるな!って、思わせてくれな・・・!)ギュッ…


悠彗「……」

はやり「……」

閑無「……」

曖奈「……」

真深「ちょ… みんなしっかりしろって! お通夜かよまったく…」ハア


開局と同時に洋榎の三倍満の直撃を喰らったものの、めげない様子の慕を見て、“むしろ何か始まっている…!”という期待感をもった朝酌女子のメンバーたち…

しかし、始まったのは慕の怒涛の反撃ではなく、さらに削られて火だるまになる慕の姿だった…


真深(さすがにみんなショックでかいみたいだな… 何しろわずか5局でトップとの点差が7万点以上になっちゃったんだから… そりゃ無理もないよね…)

真深(麻雀は、4万5万くらいの差はまだよくある。 まだ逆転への希望をもっていられる。 倍満を直撃させてから親満でもツモれば、それで十分逆転できんだから…)

真深(でも、“7万点”という点差はもうこれは圧倒的、絶望的点差だ。 何しろ役満を直撃したってこれは引っくり返せない…)

真深(しかもトップの善野さんの親は継続中。 さらに点差が開きそうな気配だし… さすがの白築ちゃんも心が折れちゃうんじゃないかな…?)


~白虎の間~


5巡目…

慕「……」チャッ、・・・タンッ…

慕(う…? 配牌4向聴のまま、手が進まない…! とにかく善野さんの親を流さなきゃいけないのに…!)ギリッ…

慕(お願い… 有効牌来て!)チャッ!

慕(… また無駄ヅモ…? うーん、辛いなぁ…)タンッ…


一人だけ点棒がマイナスとなり、一度も和了れずにいる慕…

そんな慕をまるで嘲笑うかのように、牌までもが慕の期待を裏切ってゆく…


慕(私の点棒はマイナス12000点… トップの善野さんとの差は76600点…! 一回戦のルールだったら、私もうトバされて終わっちゃってるんだよね…)ハア


中盤までは不利な展開を強いられることの多い慕だが、個人戦の試合で7万以上もの点差をつけられたことは、初めての経験だった…


慕「……」パカッ


自分の点棒ケースをそっと開いてみた慕… そこには、先ほど係員から借り入れた3万点の点棒からマイナス12000… 18000の点棒が入っていた。


慕(・・・どうしよう… 私、もしかして、このまま一回も和了れずに終わっちゃうんじゃないかな…? この借りてる18000点も溶かされちゃうかもしれない…)

慕(もしそんなことになったら、応援してくれてるみんなに申し訳ないな… なんだか… 牌を持つのが怖い…!)


頭の中に悪いイメージしか浮かんでこない…

焦りの気持ちから、慕はぎゅっと唇を噛んだ。 その首筋を、気持ちの悪い冷たい汗が流れていく…


慕(打ってても楽しくないなんて… ましてや怖いだなんて…! こんな感覚、個人戦では初めてじゃないかな…?)


眉間にシワを寄せて牌をツモる慕… その表情には、誰よりも麻雀を愛し、牌に愛された奇跡の麻雀プリンセスの面影はなかった…


~会場・観客席~


 ザワザワ・・・  シノチャーヤベエナ… サスガニモウムリデショ…? アレジャカテナイヨ… ガヤガヤワイワイ・・・・


 閑無「………」ギリッ

 閑無(・・・・慕、お前・・・)

 閑無(なんてツラしてんだよ! ショボくれてんじゃねぇ――っ!!)

 閑無(麻雀を打ってりゃこういうこともあるさ… でも… どんな時もバカみたいに笑顔で打つのがお前じゃねーのか?)

 閑無(負けたっていいさ慕… 誰もお前をバカにする奴なんていねーよ。 そんな奴がいたらこの私がブッ飛ばしてやる…!)

 閑無(お前はお前らしくいろよ! 最後まであきらめんじゃねーっ! どこまでもまっすぐ・・・何があっても自分の麻雀を貫けクソッタレェッ!!)カッ!


~白虎の間~


慕「・・・ん?!」ピキィ――ン・・・!

慕「……?」キョロキョロ

善野「? 白築さん? どうかしましたか?」

慕「あ、いや… えと、なんでもないです…///」

慕(・・・なんだろう今、閑無ちゃんの声が聞こえたような気がした…)

慕(で、でも、気のせいだよね? こんな地下の対局室で… みんなの声が聞こえるわけないんだから…)チャッ

慕(! あ、手が進んだ…!)


慕、7巡目にしてやっと、初めて手が進む…!

バラバラだった手に、初めてシュンツが一つでき… その3つの牌は、慕の手牌の中で輝いているように見えた。


慕(・・・よし、もう・・・ 点差のことはいったん忘れよう。 とにかくいつも通り… 私らしく、楽しんで打つんだっ!!)カッ!!


気持ちを入れ替え、前を向いていつもの穏やかな表情になった慕…

しかし! 


慕「…うっ?!」ゾクッ!


そんな慕の右側から、もやっとした冷たい冷気が流れてきて、思わず身を震わせる…!


善野「 リーチ 」ドォッ!  ヒョオオオオオオオォォ・・・・!!


慕のよりん洋榎「「「・・・・!!!」」」


卓上・・・のみならず、他家三人の心までをも凍りつかせる善野一美のリーチ!


洋榎(トップなのにリーチやと…? なんや、役が無いんやろか…?)チラッ


善野捨て牌:⑦五東六白⑨
      5⑧


洋榎(・・・いや、違う。 これはまた七対子や。 それなのにリーチっちゅうことは・・・)

洋榎(監督… もしかして、当たり牌を絶対に撃ち取る自信があるんか・・・?)


善野「……」フフ…


 えり『! トップ善野選手、8巡目でリーチ! またもや七対子です。 しかし、これは・・・?』

 えり『トップで役もあるのに、なぜリーチをかける必要があるんでしょう… これでは七対子の、待ちを自在に変えられるという特性を生かすことができません』

 えり『それに、常に防御を重視している善野選手はリーチをかけることはほとんど無いはずですが… これは、一体…?』

 咏『えりちゃん、あれは脅しのリーチだよ。 ありゃわざとだ』

 えり『へ?』

 咏『ほんとにしたたかな人だよ善野さんは… 今度は、わざとリーチをかけてプレッシャーをかけることで、〇〇から当たり牌を出させるつもりだねぇ…』

 えり『え、〇〇選手ですか…?』


※善野の「浪速のスナイパー」発動(最も早く3票を獲得した番号で)
〇〇は誰?
1、洋榎
2、のよりん(善野が和了れば「プンプンディフェンス」を一回使わせることになる)
3、慕

1、のよりん


 えり『え、野依選手ですか…?』

 咏『うん、善野さんは野依さんの手牌を見切った上で、リーチをかけて脅せば当たり牌を出してくるって読んだのさ…w』ニタアァ…

 えり『え、いや、しかし… 仮に手牌を見切っているとしても、そんな、一発で一つしかない七対子の当たり牌を出させるなど、出来るもんなんですかね…?』

 咏『不可能・・・ってか? 確かにね、私もそう思うよ。 でもねぇ・・・』

 咏『善野さんなら出来るんかもしれない。 あの人の撃ち取り・・・“スナイプ”の技術の高さはもはや神業だからねぃ・・・』


のよりん(リーチ…? 不気味…! とりあえず、現物、来いッ!)チャッ…

のよりん(コレは・・・?!)プンスコ=3

>>168一部訂正
×1、のよりん → 〇2、のよりん


のよりん、残念ながら引いた牌は現物に非ず…! それどころか、そのツモで手を進めてタンヤオ三色の一向聴まで来ていた…


洋榎手牌:②②④⑥234677二三四  ツモ「③」


のよりん(……)プンス…

のよりん(・・・こいは、どがんすればええとやろか… 本来なら234の三色ば確定させる絶好のツモやけん、文句なしで二筒か六筒を切り出せばええとやけど…)フンフム

のよりん(二筒と六筒は危なか。 何故なら・・・善野サンのリーチ… アレは私の余り牌ば狙っとう可能性が高か・・・!)

のよりん(昨日の一回戦の時も、善野サンの他家の手の余り牌ば察知する力はもな凄かったけん。 きっと、もう私が234の三色狙っとうことも筒子の余り牌のあるこっも見切っとう…)

のよりん(少なくとも、リーチ一発がついてまうこん巡目では二筒と六筒は切れんわ。 ばってん、切るべきは・・・?)プンスコ=3


のよりん、脳内では実は饒舌…! 冴えわたる大分弁!


善野「………」ジイイィ――・・・

のよりん「…!」ビクッ、プンスコ=3


獲物を狙う猛禽類・・・というより、か弱いヒナ鳥に狙いを定めた毒蛇のような目でのよりんのぷんすこほっぺを見つめる善野・・・


のよりん(…三色の余剰牌ば狙われとるんやとしたら、切るべきはあとは三色構成牌以外の六索か七索… こんどっちかを切って手ば回すしかなか…)プンプン=3

のよりん(いくら善野サンでも、私の手牌の全てば見透かしとうわけじゃなかやろ… 三色以外のメンツまでは分かっとらんはずや)

のよりん(六索か七索のどっちか… となると、やっぱりここは・・・七索やな。 七索は対子やけん、物理的に言うても善野サンが持っとう可能性は低かし、一度の危険で二回の安全ば買うことができる…)チャッ…


のよりん、手牌の七索の対子に手をかける・・・

と、その時!

対面に座っている超A級スナイパーゴルゴ13・・・ 否、氷帝善野の目がギラリと光る!


のよりん、かわせるか?
>>173コンマ以下(和了者)
01~70→善野(「浪速のスナイパー」発動)
71~80→のよりん
81~90→洋榎
91~00→慕

(※善野が和了ればのよりんから出和了りだが、同時に「プンプンディフェンス」の一回目が発動。 振り込みは慕か洋榎に押しつけられる)

打点
>>174>>175コンマ以下(打点表>>10) 

善野の打点表
02~70→リーチ一発七対子
71~130→満貫
131~200→ハネ満

うぃ

09善野 08+19=27(親のリーチ一発七対子)


 “ダアァンッ!!”


再び・・・善野の38口径大型ライフルの銃口から飛び出す鉛玉!!

音速を超えて空気を切り裂き、真っ直ぐのよりんのぷんすこほっぺに向かって飛んでいく・・・!


のよりん(…ん?! もしかして…!)プンスコリン=3


※のよりんの「プンプンディフェンス」発動
>>178コンマ以下
01~50→洋榎振り込み
51~00→慕振り込み

うりゃ

洋榎振り込み


のよりん(・・・・やっぱりコッチ!!)プンスコタァンッ!→「6」


のよりん、直前で判断を変え、隣の六索を切り出すッ!


 “スカァッ!!”


善野「なっ?!」


目を疑うスナイパー善野…! 弾丸はのよりんのほっぺをかすめただけで、空振り、後方へ…!


 えり『こ、これは…? 野依選手、直前でかわしました! 一度当たり牌の七索を出そうとしましたが、六索にチェンジ! 振り込み回避ですっ!!』

 咏『マジかw さすがは野依さんだねぃ…!』


そして・・・!


 “ビュオオオオオオオオォォォッッ!!”


洋榎「・・・あん?」


なんと、流れ弾が今度は真っ直ぐ洋榎に向かって飛んでいく・・・!!


※洋榎の「格の違い」発動(善野はAランカーなので、60%の確率で振り込み回避)
>>181コンマ以下(振り込み者)
01~30→のよりん(「プンプンディフェンス」の二回目を発動し、慕が振り込み者となる)
31~60→慕
61~00→洋榎

71洋榎振り込み決定


“ドッシュウゥッ!!”


洋榎「がッ!? あぁ・・・??」バタリ…!


流れ弾が洋榎の体を貫く!!


善野(お…? なんや、野依を狙ってかわされたと思うたら、洋榎から出よったわ… ま、結果オーライやな…)

善野「ロン。 リーチ一発七対子、9600の一本場は9900!」パララララァ・・・!!

洋榎「あばばば・・・」マッサオ


 えり『えっ? いや、なんと! 野依選手がかわした直後、愛宕選手が七索を出してしまいました!』

 咏『間が悪いねぇまったくww ま、七対子の待ちはそう簡単に分っかんねーからね…』

 えり『姫松の主将対決… 先輩が後輩をボッコボッコにし始めました! 善野選手完全に一人浮き状態、しかもまだその親は続きます!!』


白虎南一局一本場
   
東 善野  64600→74500
南 のよりん26000
西 洋榎  41400→31500
北 慕  -12000


【南一局二本場 親:善野】


 えり『善野選手、愛宕選手から二連続で出和了り…! これで愛宕選手は最初の三倍満のプラスをほぼ吐き出して原点近くまで落ち込んでしまいました…』

 咏『善野さんの独壇場だねぃ… 6回のうち4回も和了ってんぜあの人?w』

 えり『もはやあきれた強さ!浪速のレジェンド善野一美…! たった一人が周りを蹂躙しています! この人を止めることは出来ないのでしょうか?!』


善野「……」カチャカチャ

のよりん(やっぱい七索… ギリギリかわせたけん良かった…)カチャカチャプンスコ=3

洋榎(うちが二連続振り込みやと…? くそ、今頃セーラたちとか笑っとるんやろな…)カチャカチャ

慕(ううん和了れない… 善野さん早過ぎるよ…!)カチャカチャ…


※二本場なので能力ステージ、誰の能力が発揮されるか…?
>>185コンマ以下
01~25→善野(既に二回使っているので、選ばれればノーマルステージ)
26~50→のよりん
51~75→洋榎
76~00→慕(ステージ系能力は無いので、選ばれればノーマルステージ)

はい

33のよりん


善野「…う?」カチャ…

洋榎「…ふん」カチャ…

慕(うぇ… また重そうな配牌…)カチャ…


のよりん「……♪」プンプンプンプンプンプン・・・!!=3=3


 えり『おっとこれは… ここに来てまた野依選手の絶対安全圏が発動でしょうか? 野依選手ただ一人が手が軽いという状態…』

 えり『浪速のレジェンドの連荘を止めるのは、九州のレジェンドになるのか…? それとも配牌の悪い他3人が盛り返すのでしょうか?!』


慕(配牌で鳥さん二枚だけど、和了まで通そう… どう育てればいいかな…?)


重い配牌が続き、またテンションが下がりかける慕…

しかし、1巡目…!


慕「…」チャッ

慕(・・ん? これって… もしかして、アレを狙える…?)


慕手牌:11①①③⑤⑦一四七東中北 ツモ「一」


1巡目で一萬をツモった慕の頭に・・・ある特殊役が思い浮かぶ…!


2巡目

洋榎「おっとポンや!」パシッ!→「西西西」

のよりん「!」


 えり『愛宕選手自風牌ポンです! 手格好は悪いですが和了への切符は手にしました』


洋榎「…」タンッ→「一」

慕「あ、それ… ポンです!」パシィッ!→「一一一」

洋榎「…ん?」


3巡目

洋榎「チー!」パシッ→「②③④」

慕「チーです」カシィン→「⑤⑥⑦」


 えり『愛宕選手と白築選手が連続でカンチャンターツを生かして鳴いてきました… 悪配牌を副露でカバーしようという作戦のようです』


のよりん「…チー!」プンスコパシィンッ=3→「七八九」


 えり『あっとしかし配牌一シャンテンだった野依選手も鳴き! アッという間にテンパイです!』


洋榎鳴き牌:「西西西」「②③④」

慕鳴き牌:「一一一」「⑤⑥⑦」

のよりん鳴き牌:「七八九」


善野(・・・鳴き合戦か。 手牌を晒してくれるんは助かるけど…)チラッ

善野(洋榎は恐らくホンイツ狙い… 野依はイッツーかチャンタが濃厚…)

善野(…しかし、白築さんはなんやろか。 三色か… 役牌?)

善野(野依はテンパイ、洋榎と白築さんも順調に手が進んどる様子…)

善野(ここはオリてもええかもだけど、もう一回ここで和了っとけば他家には相当のプレッシャーになる。 私も少し・・・無理してみよか!)

善野「ポン!」パシィンッ→「八八八」


 えり『鳴き合戦となってまいりました南一局二本場…! 和了を手にするのは誰になるのでしょうか?』


>>192コンマ以下(和了者)
01~25→のよりん
26~50→洋榎
51~75→慕
76~00→善野

>>193>>194コンマ以下(打点表>>10
(のよりんの「ハイパープンスコモード」発動。 のよりんの振り込みは自動的に他家に押しつけられ、他家のツモ和了りは全てのよりんのツモ和了りとなる )

ふむ

63慕 16+77=93(三翻ロンだが、「フォーゲルセット」の能力により1ランクアップで満貫ロン。 3の倍数なので下家善野振り込み)


 チャッ、パシッ、タンッ、 チャッ、パシッタンッ…!


のよりん先制テンパイ… そして残りの三人もあきらめずに追いかける…!

徐々に緊張感が高まっていく卓上… そんな中… ソレは、9巡目に起こった。


善野「……」チャッ

善野(一筒… 私のタンヤオには不要…)フム

善野(筒子で染めてる洋榎には危険やが… 私の視点からでは、洋榎はまだテンパイには到達していない)

善野(そして、鳴き牌と私の手牌含めて、二筒はもう4枚見えとる。 まあ鳴かれることもないやろ…)タンッ→「①」


善野、一筒をツモ切り…

しかし、その直後、対面の洋榎ではなく、上家の少女が声を上げる!


慕「 カン! 」

善野「え?」


慕、手牌から一筒を3枚ばらりと倒し、善野の一筒を拾い上げる…!


慕手牌:???? 鳴き「一一一」「⑤⑥⑦」「①①①①」


善野(大明槓?! え、これ、もしかして…?)


氷帝善野の目に、この試合始まって初めて、驚きの色が現れる…!

そして!


 タアァンッ!


善野洋榎のよりん「「「 !?? 」」」


慕が嶺上牌の一索を卓上に叩きつけると共に、ふわりとその背後に天使の羽が幾枚も舞った・・・!


慕手牌11東東 嶺上ツモ「1」 鳴き「一一一」「⑤⑥⑦」「①①①①」 カンドラ[⑦]


慕「ツモ! 嶺上開花三色同刻ドラ1・・・!」


慕「満貫8000の二本場は8600です!!」フワァッ!!


善野「・・・・!」


 えり『っき、決まりました! 白築選手、嶺上ツモで見事に一索を引き寄せました!』

 咏『善野さんちょっと不用心だったねぃ。 でも、三色同順はよくあるけど三色同刻は役満並のレア役だからね、さすがに頭になかったのかな?』

 えり『ヤキトリだった白築選手、ここに来て遂に本領発揮、トップ善野選手から責任払いの直撃で満貫を和了りました。 さあ、これが反撃の狼煙となるのでしょうか?』


白虎南一局二本場
   
東 善野  74500→65900
南 のよりん26000
西 洋榎  31500
北 慕  -12000→-3400

本日ここまで☆
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙あざす
進めてくにょ


~会場・観客席~


スクリーン「えり『っき、決まりました! 白築選手、嶺上ツモで見事に一索を引き寄せました!』咏『善野さんちょっと不用心だったねぃ』」


 ドッオオオオオオオオオオオォ―――ッ!! シノチャーアガッタァー!!  リンシャンカイホー…! トップニチョクゲキダヨ…!  ヤルヤンッ!!  ザワザワザワ・・・・!!


可憐なる麻雀シンデレラ白築慕の初の和了に沸く観客席・・・!


閑無「よぉーっしいいぞ慕ォ! デバサイだッ!!」グッ

悠彗「やっと和了れた・・・」ホッ

曖奈「でも、慕ちゃんにしては珍しい手順だったわねぇ… 暗槓はともかく、大明槓なんて」

はやり「そうですね… でも慕ちゃんのことだから、一索が嶺上にあるのを感じてたのかもしれないですねっ!☆」ハヤヤ

真深(トップから直撃取れたんは大きいな… 善野さん、ここまではほぼ完璧で全くスキがないってかんじだったけど、そこに初めて楔を打ち込むことができた…)

真深(これで少し流れが変わったかな? あと3局… まだ何が起こるか分からなくなってきたね…!)


 パチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!  サアココカラダァッ!  スコシズツツメテコーゼシノチャー!  ガンバレシラツキサァンッ!!  パチパチパチパチパチ・・・・!!


穏乃「ふあ・・・ すっげー人気だな白築慕!!」

憧「白築さんはプロの時も人気あったもんね。 老若男女を問わず好かれるのよこの人」

灼「白築プロの麻雀カードS-03は一番人気…」

玄「嶺上開花で三色同刻とかスゴすぎなのです!」

宥「まだラスだけど、白築さん頑張ってほしいね…」ホワワン

綾(高3)「ねえ… なんか、ずっと思ってたんだけど… 白築さんって玄ちゃんに似てない?」

桜子(高2)「似゙でる゙ぅ゙!!」=3

ひな(高1)「ひなもそう思う所存…」

憧「そーね、白築さんの髪の毛を少し伸ばして胸を少し大きくして、アホっぽさを加えたのがクロ、てかんじ?」

玄「アホ? 何を言ってるのです憧ちゃん! “お茶目”と訂正するのです!」

憧「冗談よw ムキにならないでw」


晴絵(16)(白築さん… 全小とインターミドル、合わせて二回対戦したけど、結局私は二回とも逆転負けだったんだよな…)

晴絵(16)(一索で和了るのが多いのと、後半追い上げ型なのは今でも変わってないみたいだ。 未だ絶望的点差ではあるけど… ここから魅せて下さいよ、白築さん!)


絹恵「監督が… 初めて放銃しましたね…」

由子「さすがの監督も、あの手が三色同刻だとは気づけなかったみたいなのよー…」

恭子「そうやな… 三色同刻の出現率はおよそ0.04%… これは役満四暗刻と同じ数値や。 普通あの局面で三色同刻を狙っとるなんて考えん… 役牌か567の三色同順だと思ったんやろな」

漫「…でも、ま、監督はまだ6万以上も点棒があるんですから、ラスに満貫振ったくらいどってことないですよね?」ホジホジ

恭子「アホか! 白築さんは極端な後半追い上げ型やからな。 今の監督の振り込みは流れを変えられてまう一撃になり兼ねんで…」


“常に最悪の展開を考慮し、最善をを尽くす… だからこそ強い!”と評される智将末原恭子は、まだ善野の楽勝だとは思っていなかった。


恭子(監督も洋榎も… 野依理沙にはもちろんのこと、白築慕に対してもまくられる可能性を考慮しとる筈や… 最後まで油断するんやないで、洋榎、監督…!)


友清「トップ善野の満貫の放銃…! こいは野依先輩にとっちは悪か展開やなかですね!」

哩「そやな… ばってん、先輩はまだ2000の安和了りが一回あっただけやな…」

煌「いえいえ、なんの! ここからですよ! 昨日も最終盤の一撃で試合を引っくり返してトップになったんですから…!」

姫子「やけど、今日はまだ4万点以上点差があっけん、そう簡単ではなかよ…?」

仁美「さすがに一撃でまくるんは難しかな」チュー…

美子「でも、この南二局の親番を生かして、連荘ができれば…」

煌「野依先輩は守備が非常に堅いですからね… トップになりさえすれば非常に有利になる筈です! 必ずあの方はすばらな逆転を見せてくれるはずです!」スバラッ


【南二局 親:のよりん】


 えり『善野選手、初めての振り込み…! しかしまだまだ2位との点差だけでも3万点以上あります。 果たしてこのまま逃げ切れるのか、それとも他家の誰かがトップをまくる展開があるのか…? 目が放せません!』

 咏『バイオレンスな展開になるといいねぃ!w』フリフリ


慕(やっと和了れた… このまま、とりあえず点差は考えずに楽しんで行こう!)ニコニコ

洋榎(この…! 監督から初めて直撃を取るんは、うちになるはずやったのに…! 先を越されたか)

善野(白築さんのまとっとる空気が変わった… そろそろこの人の中の鬼が目覚める…! とにかく振り込みだけはしないように・・・ん?)

のよりん「………」モゾモゾ

善野「…? どうしたんですか野依さん、親ですよ? 早くサイコロを…」

のよりん「… ギュッギュ…!  フギュギュウウゥ…!!」プンプン=3

善野「え?」


 えり『おや? これは、野依選手が・・・?』


のよりん「ムゥ・・・!  ウニニニニニィ・・・!!」ハアハアハアプンプン・・・!!=3=3


 えり『どうしたんでしょう野依選手、突然… 目をつぶって、何か… な、涙目になっているようですが?』

 咏『ほえ? 涙?』


息を荒くし、額からは玉のような汗を浮かべ、呻き声のようなものをあげ始めたのよりん…


洋榎(…な、なんや? また何か仕掛けてくるんやろか…?)

善野「…?」

慕「だ、大丈夫? 野依さん、どうかしたの…?」

のよりん「・・・・・い」ピタッ…

慕「い?」

のよりん「…い、いたいっ!!」プンスコ=3

慕「えっ、は!?」

のよりん「お腹が痛いッ!!」プンスコリン=3


のよりん「トイレ! 行ってくる!!」プンスコタタタタタタッ・・・・!!


洋榎善野慕「「「………」」」ポカン…


 えり『こ、これは… 野依選手が突然席を立ち、トイレに行ってしまいました……』

 咏『麻雀の試合って長いからねっ! トイレはしょーがねーよw』

 えり『そうですね、一応局の合い間ならトイレに行くことは認められていますが…』

―――――

 姫子「だ、大丈夫とやろか? 野依先輩…」

 美子「お腹痛いの我慢してたみたいだね…」

 仁美「試合中の腹痛はきつか…」チュー・・・

 哩「今朝食堂でバイキングのアイスば大量に食べとったけん… きっとそんせいや」

 煌「出すもの出せば頭もスッキリしてきますからね! きっとここから野依先輩のすばらな反撃が始まりますよっ!」スバラッ






10分後…

のよりん「ただいま!」プンスコ=3

慕「おかえり野依さん、おなか大丈夫?」

のよりん「大丈夫! スッキリ!!★」プンスコニコニコ=3


洋榎(・・・なんか雰囲気が変わって… 少し饒舌になったみたいやな)

善野(一回戦では野依に南三局で倍満を和了られてまくられたんやったな… 野依が親の時に、和了られるわけにはいかへん…!)


 えり『さあ、ちょっとインターバルがありましたが始まりました南二局… 野依選手はラス親、ここはなんとしても和了りたいところだと思いますが、果たして…?』


1巡目

のよりん配牌:一三②③⑦⑧⑨5東東南西白白


のよりん「…」タンッ→「西」


 えり『これは・・・配牌がなかなか良さそうですね、野依選手』

 咏『そうねぃ。 最初に西を切り出して… こっから白か北を引ければチャンタの一シャンテンだね!』


と、咏が言った直後、


洋榎「……」トンッ→「白」


 えり『え? さ、早速白が出ました! ここは、親だし鳴いて手を進めるのもありかと思うのですが…?』


のよりん「……」


のよりん、白を鳴く?(先に2票を獲得した方で)
1、鳴く
2、鳴かずに面前

1、鳴く


のよりん「ポン!」パシィンッ→「白白白」

洋榎「ぬ」


のよりん、白を即鳴きし、浮いていた五索を打ち出す…!


のよりん手牌:一三②③⑦⑧⑨東東南 鳴き「白白白」


のよりん「……!」プンスコプンプン=3

善野(ふぅん…? 野依にしては軽い仕掛けやな。 連荘の早和了り狙いか、それともよほど手がいいんやろか…?)

―――――

 哩「…これはよさげやな」

 姫子「ですね! 北か南を重ねればホンイツチャンタもありそうですね」


さらに3巡目

のよりん「…」チャッ…

のよりん「…!」パシッ、タンッ→「南」

―――――

 姫子「あっ!」

 哩「カンチャンの二萬ば引いて南の切り出し…!」

 美子「一-四筒待ちでテンパイだね」

 煌「3巡目で高めチャンタをテンパイ! これはすばらですね!」

 仁美「やけど、この巡目なら筒子のホンイツ目指した方がよか気もするけど…?」チュー…

―――――

のよりん手牌:一二三②③⑦⑧⑨東東 鳴き「白白白」


後輩たちが見守る中、順調に手を伸ばしてテンパイを果たしたのよりん…!

そして、4巡目!


〇〇「…」タンッ→「④」

―――――

 煌「おやっ?!」


なんとアッという間に当たり牌の四筒が場に出る!

―――――

 煌「あ、和了っちゃいましたね! これはすばら…!」

 友清「〇〇に直撃ですね!」

 姫子「…いや、これ、和了るべきやろか…?」

 煌「へ? 姫子?」

 姫子「あの四筒で和了っても白のみ… 親で1500の和了りしかなかよ?」

 煌「いや、でも、あの四筒を見逃したら、あとで一筒が河に出てもフリテンで和了れないでしょ… ここはやはり確実に和了って連荘を目指すべきでは…」

 哩「んー… そやけど、一筒はまだ十分山に残っちょる上にドラやけん… ここはもうちょい待ってチャンタのツモ和了りば目指すんも一つの方法やな」

 仁美「いやまだ早い巡目やけん、あの四筒を鳴いて強引にホンイツに持っていくのもアリや」チュー…

 美子「・・・野依先輩は… どうするんだろう…?」

―――――

のよりん「……」


☆のよりんどうする?(直近4レスのうち、「最もコンマ以下の数の大きいレス」が選んだ番号でイキマス。 ゆっくり選んでね!)

1、〇〇から1500をロン和了りする(〇〇はあとでコンマで決定)

2、四筒を鳴いてホンイツに移行(和了率そのまま。ハネ満or倍満)

3、一筒をじっくり待ってツモ和了りを目指す(和了率15%アップ。打点3翻or満貫)

※基本和了率は善野35%、慕25%、のよりん25%、洋榎15%

3

>>224の3、一筒をじっくり待ってツモ和了りを目指す


のよりん「……」プイッ

―――――

 姫子「あ…!」

 友清「スルーですね! もっと高めを狙う気なんや…」

 煌「で、でも、和了れるんでしょうかこれ…?」

―――――

 えり『おっと? 野依選手見逃し…! せっかく出た四筒をスルーです。 これはあくまでチャンタを目指すつもりでしょうか?』

 咏『だねぃ。 一筒はドラだからねっ! さぁーでも引けるかな?』


後輩たちが心配そうに見守る中、のよりんの右手が山に伸びる…!


のよりん「…!」チャッ!


 えり『あっ、これは・・・!』


>>228コンマ以下(和了者)
01~40→のよりん
41~50→洋榎
51~70→慕
71~00→善野

打点
>>229>>230コンマ以下(打点表>>10

のよりんの打点表(ツモ限定)
02~100→3翻
101~200→満貫

27のよりん 74+08=82(三翻ツモ)


6巡目!

のよりん「…!」チャッ!


牌をツモったのよりんのぷんすこほっぺがさらにぷくりと膨らむ…!


のよりん「ツモ!!」プンスコタァンッ!!=3

のよりん「白・チャンタドラ1、三翻2000オール!!」プンプン=3


のよりん手牌:一二三②③⑦⑧⑨東東 ツモ「①」 鳴き「白白白」 ドラ[①]


 えり『こ、これはすごぉいっ! 野依選手、安めの出和了りを拒否し、見事その2巡目に目的の牌を引いてみせましたっ!!』

 咏『さっすが野依さんだねぃ! いいヒキしてんじゃん!』

 えり『この和了りで野依選手が愛宕選手をまくり、2位に上がってきました。 この親で一気にトップ善野選手への猛追を見せてくれるのでしょうか!』


善野(来よったか野依…! これは流れをなんとかせなあかんな…)

洋榎(ち…! うちが和了支援してまった上に、まくられた… 屈辱やな…)

慕(すごい…! 私が2巡前に出した四筒を見逃したんだ… それでしっかり高めをツモるなんて、なかなか出来ないよ…!)


のよりん「一本場ッ!!」プンスコリン=3


白虎南二局
   
東 のよりん26000→32000
南 洋榎  31500→29500
西 慕   -3400→-5400
北 善野  65900→63900


 姫子「あ、和了った…! 見逃してから2巡で…?」

 煌「す、すばらぁ・・・!」

 美子「これで1500の和了りを6000に変えて、一発で2位まで上がってきたね…!」

 友清「さっすが野依先輩! 伊達にぷんすこしてませんね!!」

 仁美「トイレに行って流れば変えたんやろか…」チュー…

 哩「大したもんや… 次局で倍満ばツモれば、一発で善野もまくれるぞ!」

 煌「すばらです! ここからは私たちの野依先輩の独壇場ですよぉ!!」


【南二局一本場 親:のよりん】


 チャッ、パシッ、タンッ、  チャッ、ピシッ、タンッ!・・・


4人の最高峰の雀鬼たちの意地とプライドが交錯する卓上…! その中で再び牌を打つ音が響き始める…!


 えり『さあ、この第三卓も終盤に差し掛かろうとしています。 ここで和了れるかどうかは大きく勝負の天秤を左右させることになりそうです!』

 えり『やや重い場となっていますが… 8巡目で、全員が2~3向聴まで来たようです。 さあ、ここはツモり合戦でしょうか? 誰が最も早くテンパイするのか…?』


慕(さあ、おいで…! 私の有効牌!)チャッ

洋榎(東一局以来和了れとらん… こん局こそは…!)ピシッ

善野(…手が遅い。 しかし他家も手が進んでない様子… とにかく野依の親を流す!)タンッ

のよりん「……!」プンスコ=3


そして、12巡目・・・!


〇〇「リーチ!!」ドォッ!


 えり『来ました! 最も早くテンパイしたのは〇〇選手! すかさず牌を横に曲げました!』


※リーチしたのは誰?(有効牌獲得バトル)
コンマ以下
01~25→のよりん
26~40→洋榎
40~65→慕
66~00→善野

★直近6レスで有効牌獲得バトル。自分の有効牌を二枚以上引いた雀士がリーチ。二人以上リーチも可能。リーチをかけた雀士は和了できた場合、「打点1ランクアップ&裏ドラが1~3つのる可能性あり」

49、85、21、24、11、17 のよりんのみリーチ


のよりん「リーチ!!」プンスコドォッ!=3


 えり『来ました! 最も早くテンパイしたのは親の野依選手! すかさず牌を横に曲げました!』

 咏『今回はじっくり手作りしてきたねぃ… これを和了ればもしかしたらトップまくれるかもしんねーぜ!』


慕(親リー…!)

善野(く… また先手を打たれた…)

洋榎(なんの、うちも一シャンテンや! ここは突っ張るで…!)チャッ・・・!


そして… 15巡目!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>242コンマ以下(和了者)
01~25→のよりん
26~40→洋榎
40~65→慕
66~00→善野

打点
>>243>>244コンマ以下(打点表>>10

※のよりんが満貫以上を和了した場合の翻数は、最も少ない翻数

そい

77善野 53+14=67(二翻ロン 3の倍数+1なので対面洋榎から出和了り)


洋榎「…」チャッ

洋榎(っく… ここで赤五かいな!)


12巡目、洋榎がツモったのは赤五萬! チャンタ手をやっている洋榎には不要牌…!


洋榎「…」チラッ

善野「……」ズモモモモモオオォ・・・

洋榎(やっぱり… 野依だけでなく、監督もテンパイしとる。 五萬は野依には現物やが、監督に当たる可能性があるで…!)

洋榎(でも、今更こんな牌を抱え取ったら、うちの和了り目はもうナシや… く…! どないする・・・?)


※洋榎の「格の違い」発動(善野はAランカーなので、60%の確率で振り込み回避)
>>247コンマ以下(振り込み者)
01~30→のよりん(「プンプンディフェンス」の二回目を発動し、慕が振り込み者となる)
31~60→慕
61~00→洋榎

47慕振り込み


洋榎(もう局数が少ない。 監督に追いつくんには、突っ張るべきなんかもしれんが……)ポワポワポワーン・・・


この時… 洋榎の脳裏に、10年以上前の幼き時の日々が蘇る…!

ーーーーーー
ーーーー
ーー

雅枝「それロンや! タンピンドラドラ、8000!!」

幼洋榎「どひっ?!」=3

雅枝「洋榎、ワキが甘過ぎるで。 捨て牌を見るだけじゃあかん。 相手のリズムや目線、雰囲気・・・とにかく全体的に見て直感的に危険を察知できるようにならなあかん」

幼洋榎「う、うううぅ… またトビ…!」ガタガタ…

雅枝「クク…w 分かっとるな? “トンだら夕飯抜き”…! これが愛宕家の鉄の掟やで…!」クックック…

幼洋榎「ひ、ひどいでオカン! うち昨日も夕飯抜きやったんやで!?」

雅枝「関係あらへんわ。 振り込んだ洋榎が悪いんやろが」

幼洋榎「この鬼! 悪魔!! ヘンな髪型のBBA!!!」=3

雅枝「やかましい!! 夕飯食いたいなら振り込まん方法を覚えんかいっ!!」クワッ!

ーーーーーー
ーーーー
ーー


そう… 洋榎のあの本能的な危険察知能力は、幼少時代の、鬼母雅枝のスパルタ教育によって醸成されたものなのだった…


洋榎(あまりにもオカンが厳しいもんで、キヌは途中で麻雀が嫌いになってやめてしまった… しかし、うちはあの地獄の特訓を最後まで耐え抜いて… オカン相手でもほとんど振り込まなくなったんや)

洋榎(この試合、監督には既に二回も振り込んどる… いくらなんでもこれ以上振り込むわけにはいかんで!)

洋榎(残念やが… うちの当たり牌感知センサーが、8割方これは当たりやと言うとるんや… 悔しいが、ここは、オリる…!)タンッ→「一」


洋榎、ツモった五萬を手牌に入れ、大事なシュンツを崩して一萬を河に出す…!


 えり『おっと愛宕選手! 善野選手のタンピン手の当たり牌をつかみましたが、止めました…! これはオリたようですね』

 咏『よく止めたねぃ…! さすがは愛宕ちゃんだよ』
 

善野(ん…? 洋榎、うちの待ちを看破しよったか…?)


ギリギリで善野のスナイプをかわした洋榎… しかし、その直後、


慕「…」タンッ→「二」

善野「! ロン!!」

慕「え…」


善野「タンヤオピンフ、二翻の一本場は2300です」パララァ・・・

慕「う…!」


善野手牌:三四③④⑤⑦⑦344556 ロン「二」


洋榎(! やっぱり五萬は当たりやったんやな… 出したらタンピン三色ドラ1の満貫に振っとったわ…)ホッ


白虎南二局一本場
   
東 のよりん32000→31000
南 洋榎  29500
西 慕   -5400→-7700
北 善野  63900→67200


 えり『野依選手の親を蹴ったのは、やはりこの人、善野一美選手…! これで実に4回目の和了! 半分の局を一人で制圧しています!』

 えり『再びトップと他家との点差が開いてきました。 残すところあと二局… これはさすがに、善野選手が大分有利になってきたでしょうか…?』

 咏『えりちゃん、だからそーゆーことアナウンサーが軽々しく言うんじゃないよ。 “南三局”は… あの人の得意な場だぜ?』

 えり『え? …おや、白築選手が…?』


慕(あと二局… ラス親なんだから、まだあきらめない。 まずはここで大きいのを和了る…!)ビュオオオオオオオオォォ…!!


洋榎「!?」

善野(ふう… 遂に来たか)

のよりん「!」プンスコ=3


【南三局 親:洋榎】


慕「……」ゴゴゴゴゴオオォ・・・


 えり『白築選手は南三局からの追い上げが凄まじいと言われていますが… トップとの差は現在7万点以上あります。 果たして、どこまでこの点差をつめることが出来るのでしょうか…?』


耐えて耐えて、遂に到来、白築慕の南三局…!

しかし、場は比較的何も起きず、平穏に進み・・・

9巡目

洋榎「…」チャッ

洋榎(お…! キタで! テンパイや!)


洋榎手牌:三四23456④⑤⑥⑧⑧⑧ ツモ「五」


洋榎(…このあともし六萬引けたら三色になるけど、まあええ… ここは即リーやな!)

洋榎(問題は何を切ってリーチするかやが… 六索を切って二-五索待ちのノベタンで受けるか、それとも八筒の刻子を落としてまって一-四-七索待ちに受けるか…)チラッ…

洋榎(八筒の刻子を落とした方が待ちは少しええけど、こん局、上家の野依が筒子のホンイツをやっとる気配… 八筒切りは危ない…!)

洋榎(テンパイしとらんまでも、鳴いて手を進められる可能性が高い。 ここは・・・タンヤオ確定の、コッチや!)タァンッ→「6」

洋榎「リーチや!」ドォッ!


洋榎、六索を切り出して横に曲げる!


慕善野のよりん「「「!!!」」」


9巡目での親リーに、卓上の緊張感が一気に上昇・・・!


洋榎手牌:三四五2345④⑤⑥⑧⑧⑧ (2-5待ち)


洋榎(見とれや…! この親の連荘で一気に監督をまくったるわ!!)カッ


が、しかし・・・! 次巡、10巡目!


洋榎「……」チャッ!

洋榎(うぉっ!? 一索…?)

洋榎(ちっ… さっき六索やなくて八筒の方を無理にでも通しとれば、一発ツモやったか…)ギリ…


洋榎、歯ぎしり…! 愛宕洋榎とて、次のツモを読めるわけではない…!


洋榎(…まあしゃあない、こういうことも往々にしてあるんが麻雀や…)タンッ→「1」


洋榎が、その一索を河に捨てた、その時だった。


 “ゴオオオォッ!!”


洋榎「!?」

善野(あ、洋榎! その牌は・・・!)


突如洋榎の右手側から一陣の風が吹く・・・!


慕「ポン!」パシィンッ!→「111」

洋榎「うっ?!」


慕が一索を拾い上げ、卓の角に叩きつけると、そこからふわりと白い羽が舞ったように見えた。


慕「・・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオォォ・・・!!


そのセピア色の瞳を爛々と輝かせ、ざわざわと髪を浮き上がらせていく慕…!


洋榎(な、なんや…? 突然雰囲気が変わりよった?!)

善野(洋榎… 白築さんがいる卓で、しかも南三局で一索を河に出すんは御法度や!)

善野(お前が… 目覚めさせてまったんやで、彼女の中の麻雀の鬼を…!)


“元祖牌に愛された子”白築慕・・・ここで遂に覚醒!!


慕手牌:?????????? 鳴き「111」


善野(この巡目での一索ポン… 捨て牌は…?)チラッ


慕捨て牌:西九9一發中
     7六東2


善野(素直な捨て牌… 一見タンピン手に見えるけど、一索をポンということは、トイトイか役牌…)

善野(一萬を出している以上さっきみたいな三色同刻はない。 ・・・そういえば、河に場風の南が一枚もない…? ということは…)

善野(ダブ南を暗刻にして役を決定した鳴きかな…? トイトイが複合すれば満貫もあり・・・か)


慕手牌:①①①⑤⑤五六南南南 鳴き「111」


善野の読み通り、慕の手牌はダブ南暗刻…!


 えり『ダブ南で役を確定させた白築選手、親リーに対して攻めてきました! これで四-七萬待ちのテンパイですね』

 咏『いや、えりちゃん、これは・・・ 慕ちゃん、とんでもない手を狙ってるかもしれんぜ…!』

 えり『え? とんでもない手?』

 咏『和了れるか分っかんねーけどね! これは多分麻雀の古役の・・・』


と、その時、


慕「……」チャッ!


 えり『あっと? 白築選手ここで・・・!』


?「ロンorツモor〇×!!」


>>259コンマ以下(和了者)
01~70→慕(「プリマヴィント」発動)
71~80→善野
81~90→のよりん
91~00→洋榎

打点
>>260>>261コンマ以下(打点表>>10) 

44慕 16+01=17(一翻ロンだが、「プリマヴィント」の能力により満貫ロンに繰り上がり。 3の倍数+2で上家洋榎から出和了り)


※洋榎の「格の違い」発動(慕はSランカーなので、40%の確率で振り込み回避)
>>264コンマ以下(振り込み者)
01~20→善野
21~40→のよりん(「プンプンディフェンス」の二回目を発動し、善野が振り込み者となる)
41~00→洋榎

53洋榎振り込み決定


慕「……」チャッ!


 えり『あっと? 白築選手ここで五萬を引き・・・六萬を捨てました! 四-七萬待ちから五筒と五萬のシャボ待ちにチェンジです!』


慕手牌:①①①⑤⑤五五南南南 鳴き「111」


 咏『やっぱりだね! 慕ちゃんが目指してるのは麻雀の古役・・・“花鳥風月”だっ!!』

 えり『花鳥風月? あの、ローカル役で役満として採用する場合もあるという・・・?』

 咏『そっ。 五筒を花、一索を鳥、自風牌を風、一筒を月に見立てた艶やかで華麗な役…! この手に五筒が入れば完成だねっ!』


そして、14巡目…!


洋榎「…」チャッ

洋榎(ん? これは・・・)


 五筒


洋榎が引いたのは五筒! 丸が五つ開くように描かれたその模様から、花に見立てられることのある牌…!


洋榎(・・・あかん、めっさ嫌な予感がすんで…)


ビンビンに危険を察知する洋榎のセンサー…! しかし、リーチをかけてしまっている以上、ツモった牌が当たり牌でないのなら出すしかないっ!!


洋榎(・・・このっ! 通れっ! 通ってくれっ!!)タンッ!→「⑤」


思い切りよく五筒をツモ切った洋榎・・・

しかし!


慕「ロン!!」


洋榎「う゛ぃっ?!」

慕「ダブ南・トイトイ赤1・・・満貫8000です!」パラララァ・・・


慕手牌:①①①⑤⑤五五南南南 ロン「⑤」 鳴き「111」 赤[⑤(1つ)]


洋榎(なっ、か・・・花鳥風月やとぉ?!)=3

洋榎(親を流されて、リー棒も持ってかれて9000のマイナスかいな…!)ギリィ…

慕(ふう… ツモれれば三暗刻もついてハネ満だったけど、まあしょうがないよね…)

慕(さあ、ラス親! 簡単には終わらせないよっ!!)ゴォッ!


白虎南三局
   
東 洋榎  29500→20500
南 慕   -7700→ 1300
西 善野  67200
北 のよりん31000

本日ここまでですばら
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から


<オーラス打点表>

コンマ以下
01~10→1翻
11~30→2翻
31~50→3翻
51~70→4・5翻(満貫)
71~80→ハネ満
81~90→倍満
91~98→三倍満
99、00→役満

※和了点のコンマが偶数ならツモ、奇数ならロン。

ロンの場合、コンマが3の倍数なら和了者の下家、3の倍数+1なら対面、3の倍数+2なら上家からの出和了り(ただし役満ロンだけはあとで振り込み者を決める。だが、三倍満ロンが役満ロンに繰り上がった場合は普通に3の倍数にて振り込み者決定)

乙あざす
進めてくにょ

オーラスなので、打点表は>>10(2コンマ合計制)ではなく、上の一発勝負形式を使用します



 えり『白築選手の満貫和了! 麻雀の古役・・・“花鳥風月”での和了りです!!』

 咏『本当に和了っちゃったねぃw』

 えり『リーチをかけて無防備になっていた愛宕選手、運悪く振り込み…! これで白築選手は、オーラス前に点棒マイナスの状況から抜け出すことができましたね』


洋榎「じゃ、一万点で… リー棒で釣りもらいますわ」チャッ

慕「うん♪」チャッ


9000点の出費… 慕に一万点棒を渡し、自分のリー棒を引っ込める洋榎…

と、その時、


善野「洋榎」

洋榎「え?」

善野「あんた… どんなリーチやったんや? 私にちょっと見せてみい」

洋榎「……」


洋榎「はい…」パタッ…


善野に手牌を見せるよう促され、素直に牌を倒す洋榎…


洋榎手牌:三四五2345④⑤⑥⑧⑧⑧


善野「ほぉ… なるほどな、二-五索待ちのノベタンか…」

善野「リーチする前は…、この手↓から六索を切り出してリーチかけたわけやな」


洋榎手牌:三四五23456④⑤⑥⑧⑧⑧ 


洋榎「…そうです」

善野「八筒を切り出してピンフ確定の一-四-七索待ちにせえへんかったのは、野依さんの筒子の染め手を警戒したからか。 でも…」

善野「なんでリーチかけたんや? 親やし、三色への手変わりも考慮してダマの方が良かったんやないか」

洋榎「理論的にはそれが一番ええんかもしれません。 でもうちには、この待ちなら多分和了れるっちゅう予感みたいなもんがあったんです」

善野「……」


善野「……」チラッ


洋榎の打牌の理由を聞き、改めて自分の手牌に視線を送る善野…

そこには、洋榎のリーチの当たり牌である二索と五索が一枚ずつ入っていた。

慕が一索をポンしてツモ順がズレたために、善野がつかんだ牌だった…


善野(なるほど… 私は洋榎のリーチを警戒して、この二索と五索は止めたけど… あの鳴きがなければ、つかんでいたのは白築さんやった)

善野(つまり… この局が“南三局”でなければ、きっと洋榎は白築さんからリーチ一発タンヤオ赤2… 裏が乗ればオヤッパネっちゅう手を和了っていたんやろうな…)

善野(さすがは雅枝さんの長女… 10年後の姫松の主将、愛宕洋榎か…!)


善野「……フフッ」クスッ

洋榎「・・・監督?」

善野「…いや、なんでもあらへん。 洋榎の打ち方が面白いなぁと思ってな…」

洋榎「…よう言われます。 でも、これがうちの打ち方なんで…」

善野「あんたみたいのが、将来私の生徒になってくれるんかと思うとワクワクするわ… でも、洋榎はまだ、私からは一度も直撃を取っとらんなぁ…?」ニタアァ…

洋榎「………」

善野「最後くらい根性見せてみい。 この私を振り込ませて・・・まくってみなっ!!」

洋榎「・・・!!」


洋榎「当然や! 見とれや監督… うちのハートに火をつけたんを後悔させたるわ!」ギロ…!

善野「そうか。 そりゃ楽しみやなぁ…w」ニコォ…

洋榎善野「「………!!」」バチバチバチバチ…!!


 えり『おおお…! 名門姫松の現代と過去の主将同士が、笑いながら睨み合っています! 凄まじい視殺戦です…!!』

 咏『いいねいいねこういうのって! いろんな世代から集まってる大会ならではだよね♪』


慕(善野さん楽しそう… いいなぁ…)ホワァン

のよりん「……!」プンスコリン=3


善野(さて… 楽しいオーラスになりそうやけど、やっぱり一番の問題は親の白築さんや…)

善野(私はなんでもいいから和了れば勝ちやけど、白築さんが目覚めてしまっとる南四局に限っては、スピード勝負でもきっと敵わん…)

善野(一瞬のスキを突いて出し抜いて和了るしかない。 厳しいミッションやろうが・・・必ず勝ってみせるでっ!)


~会場・観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  シノチャーマタアガッタァ!  カチョウフウゲツ…!!  コッカラギャクテンダァ!  アタゴネエモガンバレェ!!  ノヨリンファイトォッ!!  ゼンノサンニゲキレェーッ!! ガヤガヤワイワイ・・・・


絹恵「監督… おねーちゃんいじって遊んでますね…w」タハハ…

由子「王者の余裕なのよー」

漫「主将と監督の点差って、これでもう4万以上もありますもんね… それを一局でまくれなんて、いくらなんでも無理ゲーですわw」

恭子「………」

恭子(あのリーチを和了れんかったんは確かにキツイな… 洋榎は、リーチをかけた時の和了率が異常に高いんが十八番の一つなんやけど…)

恭子(普通は、まあ巡目にもよるけど、先制良形テンパイでもリーチの和了率は50%くらいのもんや…)

恭子(それなのに、洋榎は愚形であってもリーチをかけると何故か和了ってしまう… 先制リーチ時の和了率は8割を超えるやろうな。 インハイの5決で有珠山の岩舘に追っかけリーチされてハネ満ツモられた事があったけど、あんなんは極稀や…)

恭子(でも今回は和了を抑えられた上に、さらに振り込んでしまった… これはやはり、白築慕が南三局から見せるっちゅう妖しい流れが関係してるんやろな…)


恭子(…しかし、このオーラスは、白築さんのその妖しい流れを“味方”にすることができる)

恭子(現状では、洋榎は監督から三倍満以上を出和了りするしか勝つ方法は無い。 いくら洋榎でもあのガードの堅い監督から三倍満を直撃するんは不可能に近いやろ…)

恭子(でも条件が整えば、さほど無理せんでも洋榎がトップになることが出来るんや…!)

恭子(例えばこの局、親の白築さんが監督から親倍を出和了ったとする… そうなれば、監督と洋榎の点差は2万ちょいにまで減る)

恭子(そうなれば、洋榎はハネ満を監督に直撃するか、三倍満のツモか監督以外の誰かからの出和了りでもまくることが出来るようになる。 それなら、洋榎なら十分可能のはずや)

恭子(洋榎、簡単に終わらせるんやないで…! うちらの世代の意地、見せてやるんやでっ!!)


真深「花鳥風月…! すごい手和了ったな!」

悠彗「ルールによっては役満なのに… 惜しいな」

はやり「でも、これでやっと慕ちゃんに火がついたみたいだね…! まだまだ勝つ可能性はあるよねっ!☆」ハヤヤ

曖奈「幸いラス親だから… 和了り続ける限り負けることはないものね」

閑無「……」

閑無(遂にここまで来たか… トップの善野までは65900… まだ相当な点差があるけど…)

閑無(慕ならまだ分かんねーぞ! アイツのラス親の勢いの凄まじさは、この私が身をもって知っている…!)

閑無(いくら善野でも、南四局の慕を止めるのはかなりキツいはずだ。 それに、愛宕と野依もトップの善野に和了られるわけにいかねーから、状況次第で慕のフォローをしてくれる可能性もある)

閑無(慕・・・ お前の底力を見せつけるための最高のステージになったじゃねーか…! 見せてくれよっ! 私たちに奇跡の大逆転をよっ!!)


姫子「遂に来ちゃいましたね、オーラス…」

美子「そうだね。 野依先輩と善野さんとの点差は、36200…」

友清「倍満・・・いや、三倍満を直撃させんと勝てなかですか…」

仁美「こいはさすがに厳しかな…」チュー…

煌「いえ、ラス親の白築さんの動向次第では、トップとの点差が縮まる可能性もあります! まだまだ野依先輩にもチャンスはあるはずですよ!!」

哩「……」

哩(花田ん言う通り、“スイッチ”の入った白築が善野から直撃ば取り、点差ば縮めてくれる展開は十分考えられる…)

哩(野依先輩も愛宕も、自分の手が悪か時は善野の妨害と白築の和了支援に回るはずやけん、あの超速攻の善野もそう簡単には和了れなかやろ…)

哩(そいに、野依先輩はここまでずっと防御重視の打ち方で来よった。 ばってんこのオーラスだけはポテンシャルの全てをオフェンス… 攻撃に回してくるはずや)

哩(あん人の、一か八かの本気の攻撃なら善野とて振り込むことはあるはずや…! まだまだ、結果は分からんぞ!!)


【南四局 親:慕】※洋榎は主役なので、和了できれば打点1ランクアップ


 えり『さあ、遂に準決勝第三卓もオーラス… 南四局に突入です! 果たして誰がこの場を制し、三人目のファイナリストとして名乗りを上げることになるのか…?』

 えり『現在トップは姫松高校善野一美選手! “浪速の超特急”の実力を遺憾なく発揮し、ここまで9局のうち実に4回も和了! ほぼ圧倒と言っていい強さを見せつけてくれています!』

 えり『点棒は実に67200点…! 準決勝最高得点での決勝進出まであと一歩となっております!』

 えり『そして2位は新道寺女子の野依理沙選手…! 持ち前のディフェンシブな打ち筋で、ここまで振り込みゼロは彼女だけですが… 二回和了した際の打点が低く、点数では善野選手に後れをとっています』

 えり『しかし一回戦では、その善野選手を最終盤でまくる見事な和了を見せてくれました。 あの逆転の再来となるのか、注目です!』

 えり『3位には姫松高校“現代”の大黒柱愛宕洋榎選手! トンパツでの三倍満和了は実に見事でしたが、残念ながらそれ以降は和了りを手にできていません』

 えり『しかし、先ほど大先輩であり自らの師でもあるトップの善野選手自身から発破をかけられ奮起! “師匠超え”を成すために虎視眈々とその牙を研いでいる様子です!』

 えり『そしてラストは朝酌女子白築慕選手…! 一時は点棒がマイナスになってしまうという苦境に立たされましたが、二回の満貫和了で徐々に取り返し、このオーラスでやっとプラスまで戻してきました』

 えり『トップまでは6万点以上の点差がありますが、彼女にはあきらめた様子は微塵もありません! このラス親での奇跡の逆転勝利に期待が集まっています!』


 えり『以上四名による死闘の決着まであとわずか…! 感奮、緊迫、激昂、焦燥渦巻く南四局… 最後の闘いの、スタートです!!』


慕「……」チャッ、パシッ、タンッ

善野「……」チャッ、ピシッ、トンッ!…

のよりん「……!」チャッ、タンッ、プンスコ=3

洋榎「……」チャッ、パシッ、タンッ …


モニターを通して、たくさんの仲間たちが固唾を飲んで見守る中、再び、四人の少女たちが自らの魂を込めて牌を打つ…!


 えり『さあ… いよいよ三人目の決勝進出者が決まります。 ラス親は白築選手ですが… さすがにこれは善野選手がこのまま勝負を決してしまう可能性が高いでしょうか?』

 咏『そりゃねぃ、これだけ点差があんだから、当然善野さんが一番有利だとは思うけどさ…』

 咏『でも、いくら善野さんでも、この南四局だけはそう簡単に和了れねーかもしんないよね』

 えり『そうですか? 善野選手はトップなんですから、どんなに安い手でもとにかく和了れば勝利ですが…?』

 咏『その“とにかく和了れば”が荊の道なんだよ…w このオーラスだけは善野さんにとって条件が全く違うからねぃ』


 えり『条件が違う・・・と言いますと?』

 咏『簡単に言えば“3対1”になってる、ってことだよ。 善野さんは一人で三人を同時に相手しなくちゃいけねーんだ』

 咏『まずこの南四局は、慕ちゃんの得意な場だからね。 あの人が独自の流れを作ってしまっている以上、善野さんの早和了りもそう簡単には発揮できない』

 咏『そんで、愛宕ちゃんと野依さんも、善野さん一人に狙いを定めてくるからね… この二人はたとえ慕ちゃんが当たり牌を出しても絶対に和了らないだろうさ。 ラスから和了っても勝てねーんだから』

 咏『さらにこの二人は、自分の手が悪ければ和了りをいったんあきらめて、善野さんの和了り阻止と親の連荘支援を全力でするはずだ』

 咏『善野さんが和了りそうになったら、親に差し込むっちゅうことも平気でするだろうね。 だから、この南四局、勝負は簡単には決しないかもしんねーぜ?』

 えり『なるほど… そのアドバンテージをうまく利用すれば、ラストの白築選手が怒涛の追い上げを見せる、という展開も十分有り得るということですね?』

 咏『そーね。 点差は圧倒的に善野さんが有利だけど、それ以外の条件は全て親の慕ちゃんの方が有利なんだ。 他の二人が味方になってくれる公算が大きいからね』

 咏『そんで、愛宕ちゃんと野依さんも、慕ちゃんの親を利用しながら、どこかで自分自身が抜け出す方法を考えてるだろーからね… まだまだ誰が勝つかは分っかんねーぜ?この勝負は…!』ニタアァ…


のよりん「ポン!」プンスコパシッ=3

のよりん「それもポン!!」プンスコカシィンッ=3

善野「…!?」


 えり『ん…? これは、序盤から野依選手が鳴いてきましたが…?』

 咏『ちょっと無理した鳴きだねぃw さっき言ったように、これは善野さんの手を遅くするためにわざと鳴いてんだよ』

 えり『なるほど… 確かに野依選手は善野選手の下家ですから、白築選手から鳴けば善野選手のツモを飛ばすことができます』


洋榎(ナイスアシストやで野依…! あんたが鳴いてくれれば、監督のツモは飛んで代わりに白築とうちのツモが増えることになる…!w)

洋榎(さてさて、この手… 和了るんなら三倍満以上を作らなあかんわけやけど… お? テンパってまったわw)チャッ…!


3巡目洋榎手牌:④⑤⑥24566888東東 ツモ「3」


 えり『おっと…愛宕選手早い! わずか3巡目でテンパイ…! 六索を切れば一-四-七索待ちの三面チャンですが、しかし、これは・・・?』

 咏『そうだねw こんなの今テンパイしてもしょーがねーよw 少なくともここは索子の染め手にしないと三倍満には届かないからね。 筒子を切るんじゃねーかな?』


洋榎「……」


洋榎(…索子のメンチンなら、確かに他の役を複合させてリーチをかければ、三倍満に手が届くこともある… しかし…)チラッ

善野「……」

洋榎(うちの現時点での勝利条件は、監督から直撃を取ることなんや…! この人が、ミエミエの染め手なんぞに振り込むわけがない…!)

洋榎(ならばここは… これや!)タンッ→「2」


 えり『へ? りゃ、二索切り? な、なぜ…?』
 
 咏『へえ…?』

―――――

 絹恵「なっ、お、おねーちゃん?」

 漫「なんてとこ切っとるんや… ワケが分からんで…?」

 由子「一応シャボ待ちでテンパイだけど… これじゃ和了れないのよー」

 恭子(! 洋榎、それ、まさか…!)

―――――

洋榎(ふふw 信じられん悪手に見えるやろな、今のは…w)

洋榎(でもな、二索は既に河に二枚出とるから、もううちには必要ないんや)

洋榎(染め手は無理… それに牌を横に伸ばす手は絶対に監督は待ちを看破してまうはずや。 ならば・・・強引でもこっちの手にかけるしかないんや!)カッ


4巡目

慕「ポン!」カシィンッ→「中中中」

善野「!」


 えり『あ…! 親の白築選手も役牌を鳴いてテンパイです!』


慕手牌:五六556777999 鳴き「中中中」


 えり『五索か六索を切れば四-七萬待ちのテンパイですね』

 咏『そうだねぃ。 親だからホンイツはあきらめてその待ちでもいいかもだけど… どうすっかねぃ?』


慕「……」


慕(どうしよう。 この巡目でテンパイなら、四-七萬待ちも十分出るとは思うけど… それじゃあ役は中のみ…)

慕(点差を考えるなら連荘するにしても大きいのを狙っていきたい。 やっぱりここは萬子を捨てて索子のホンイツ…?)

慕(でも、もたついてる間に善野さんに和了られちゃったら…… ん?)


 “スウウウウウウゥゥ・・・・・!!”


慕(? …なんだろう、空気が変わった…? まるで、風が凪いだような……)

慕(この感じ… おかあさんと打ったときにも、よくあったな……)

ーーーーーー
ーーーー
ーー

慕(小2)「ねえ、おかーさん、ああいうときどうするの?」

ナナ「どーするのって… そうねぇ、麻雀に限らずすべてにおいてだけど… 迷ったら一歩引いてまわりを見てみるのよ」

慕「? 麻雀だと一歩引いても見えるものは変わらないよ?」

ナナ「おっしゃるとおりですけどw でもね、なんというか…」

ナナ「卓上より広く見て、ほかの打ち手のまとう空気… それぞれのバックボーン… 自分のバックボーン… 世界全体を見るのよ」

慕「・・・??」

ーーーーーー
ーーーー
ーー


慕(・・・ふふw 時々思い出すんだよね、おかあさんのあの言葉…)

慕(あの時はどういうことなのかよく分からなかったけど、今なら、ちょっと、分かる―――!)サアアアアアアァァァ・・・!!


その時… 慕の意識が、まるで幽体離脱をするかのように、彼女の体から離れ… 後方へと浮き上がる…!!


慕(あ・・・見える・・・!!)


“鳥瞰”・・・!!

ここで白築慕のゾーン発動・・・!!


洋榎(…ん? な、なんや?)

善野(白築さんの後ろに… 羽のはえた白築さんがもう一人…?!)

のよりん「…!?」プンスコ=3


慕(・・・分かった。 これは… まず、ここ…!)トンッ→「六」


 えり『…! 白築選手テンパイを崩しました! 六萬切りです!』

 咏『うん、やっぱりホンイツ目指すみたいだねぃ。 さあでも、これが吉と出るか凶と出るか…?』


善野「チー!」パシィッ→「五六七」

慕「!」


ホンイツ路線に変更の慕…

しかし、その捨て牌の六萬を善野がすかさず拾い上げる!


慕(…大丈夫! ここは… 私の見えた通りになるはず…!)チャッ…!


慕、次巡で一索をツモり、五萬を捨てる…!


慕手牌:1556777999 鳴き「中中中」


 えり『白築選手、ここで得意の一索引き…! えっと… 一応ホンイツの一シャンテンですが…?』

 咏『…!? いや、えりちゃん、これは… 慕ちゃんまたやっべー手を狙ってるんかもしんねーぜ…!』

 えり『…え?』


※各自の現時点(5巡目)でのシャンテン数を決定します。
慕→1向聴(「プリマヴィント」発動)
善野→>>299
のよりん→>>300
洋榎→>>301

それぞれコンマ以下が、
01~20→5向聴
21~40→4向聴
41~60→3向聴
61~80→2向聴
81~00→1向聴

※シャンテン数が少ないほど、和了のチャンスが早く来る可能性が高まります。 

慕→1向聴 善野→4向聴(21) のよりん→4向聴(24) 洋榎→3向聴(49)  


 咏『慕ちゃんは、また麻雀の古役・・・今度は“紅孔雀”を狙ってるぜ!』

 えり『紅孔雀…! 確かその役も、ローカルルールでは役満になることもあるんですよね』

 咏『そう… 索子の赤い色が使われてる牌…1・5・7・9索と中だけの組み合わせで手を作るんだけど… 花鳥風月に続いて紅孔雀なんて、トリ料理のフルコースだよっ!w』

 えり『現在、まだ5巡目ですが白築選手がホンイツ紅孔雀の一向聴…! それに対して無理鳴きをした野依選手とツモをトバされた善野選手は大きく手が遅れています』

 えり『愛宕選手だけ何をやってるのかよく分かりません。 一度テンパイはしたものの、大きく手を崩してしまっています』

 えり『ここは… まずは親の白築選手が和了ることになるのでしょうか?』


慕「……」チャッ!


 えり『おや? 白築選手、その牌は・・・!』


※有効牌獲得バトル! 自分の有効牌をツモるか鳴くかして「テンパイ」まで到達した雀士が和了のチャンスを得ます。レス一つ一つが誰かの有効牌になります。

コンマ以下
01~25→慕
25~60→善野
61~85→のよりん
86~00→洋榎

レスをして有効牌を引いて下さい。 まずは4回!

※しかし、親の慕かトップの善野がテンパイした場合はそこで終了。それ以降のレスはカウントされません。 

のよりんと洋榎は、テンパイしてさらにプラスで有効牌を引いた場合は2回和了チャンスを得ます。(早くテンパイした雀士から順番に和了チャンスが来る)

間違えたw
>>302一部訂正
コンマ以下
01~25→慕
26~60→善野
61~85→のよりん
86~00→洋榎

慕は25%、善野は35%ですから、善野は26~60です

46善野、53善野、25慕、86洋榎(ノーカウント) 

慕(1向聴→テンパイ) 善野(4向聴→2向聴) のよりん(4向聴のまま) 洋榎(3向聴のまま) 


慕「……」チャッ!


 えり『おや? 白築選手、その牌は・・・!』


慕が引いた牌は…?

和了の声が和了ったのは7巡目だった。


慕「ロンorツモ!!」


打点
>>310コンマ以下 (打点表>>277

うぃ

36、三翻ツモだが、「プリマヴィント」の能力により満貫ツモ


慕の引いた牌は・・・!


 二索

 
 えり『白築選手、一索に続いて二索を引きました! これで、紅孔雀ではありませんが中ホンイツのテンパイです!』


そして、7巡目…! 慕の軽やかな声が響き渡る!


慕「ツモ!!」タァンッ!

慕「中・ホンイツ赤1、満貫4000オールです!」パアアァ・・・!


慕手牌:1255777999 ツモ「3」鳴き「中中中」 赤[5]


善野(う… 早い…!)


 えり『白築選手和了です! 紅孔雀ではありませんでしたが、中ホンイツでこの試合3回目の満貫和了です!』

 咏『惜しかったねぃ! もう1個一索か五索を引ければ紅孔雀テンパイだったけどね。 でも一索二索三索って順番にツモって和了ったのは凄いよっ!w』


慕「一本場です!!」チャッ!


白虎南四局
   
東 慕    1300→13300
南 善野  67200→63200
西 のよりん31000→27000
北 洋榎  20500→16500


【南四局一本場 親:慕】※一本場なので洋榎はもう主役ではない


 えり『白築選手の親満ツモ! これでトップまでの点数は5万点を切りました!』

 咏『なんかゾーンに入ってるみたいだねぃ。 あの慕ちゃんを止めるのはかなりしんどいぜ…?』


慕(よし… まずは一回! 次も“高く早く”を目指していくよ…!)チャッ、パシッ、タンッ

洋榎(手を縦に伸ばして三暗刻… あわよくば四暗刻、と思っとったけど、こんな早く和了られたら作れるわけないわ…)チャッ、パシッ

洋榎(でもまだ監督との点差は変わっとらんのや。 この局も暗刻を揃えてく戦法で行くで…!)タンッ

善野(ツモを削られる上に、7巡でツモられたらしんどいな… でも、これは想定内や。 必ず追いつかれるまでにチャンスがあるはずや…!)チャッ、トンッ

のよりん「……!」プンスコタンッ!=3


そして4巡目…

天使の羽をもつ麻雀シンデレラがさらにその本領を発揮する…!


慕「…!」チャッ


 えり『え、おや、これは・・・?』

 えり『白築選手今度はジュンチャン一向聴! えっと… 下の三色もついてますね?』

 咏『薄いとこよく引くねぃ!w ジュンチャン三色は慕ちゃんの十八番…! コイツを和了ったら一気に卓の雰囲気が変わるぜ…?』


慕手牌:11223一二三七八九①③


 えり『しかし、ジュンチャン三色テンパイに到達するには、カンチャンの二筒を引かなくてはいけません… 果たしてこのピンポイントの牌を引けるのでしょうか?』


※各自の現時点(4巡目)でのシャンテン数を決定します。
慕→1向聴(「プリマヴィント」発動)
善野→>>315
のよりん→>>316
洋榎→>>317

それぞれコンマ以下が、
01~20→5向聴
21~40→4向聴
41~60→3向聴
61~80→2向聴
81~00→1向聴

※シャンテン数が少ないほど、和了のチャンスが早く来る可能性が高まります。 

さあ

慕→1向聴 善野→2向聴(74) のよりん→2向聴(77) 洋榎→2向聴(70)  


 えり『現在、向聴数で言うなら、白築選手が一向聴で一歩リード… その他の3人の選手は全員二向聴で横並びです…!』

 えり『さあ、まずは誰がテンパイへと到達するのでしょうか…?』 


※有効牌獲得バトル! 自分の有効牌をツモるか鳴くかして「テンパイ」まで到達した雀士が和了のチャンスを得ます。レス一つ一つが誰かの有効牌になります。

コンマ以下
01~25→慕
26~60→善野
61~85→のよりん
86~00→洋榎

レスをして有効牌を引いて下さい。 まずは4回!

※しかし、親の慕かトップの善野がテンパイした場合はそこで終了。それ以降のレスはカウントされません。 

のよりんと洋榎は、テンパイしてさらにプラスで有効牌を引いた場合は2回和了チャンスを得ます。(早くテンパイした雀士から順番に和了チャンスが来る。)

84のよりん、22慕

慕(1向聴→テンパイ) 善野(2向聴のまま) のよりん(2向聴→1向聴) 洋榎(2向聴のまま) 


5巡目…

慕「…!」チャッ!


牌をツモった慕の口角がわずかに上がる…!


 えり『わっ?! これは凄い! 白築選手一向聴から一発でカンチャンの二筒をツモりました! これでジュンチャン三色テンパイです!!』

 咏『マジかww 絶好調だねぃ!』


慕手牌:1123一二三七八九①②③


 えり『さあ、この手を成就させるためのピースはあと一つ・・・一索!』

 えり『果たして和了ることは出来るのでしょうか?!』


打点
>>323コンマ以下 (打点表>>277

20二翻ツモ、「プリマヴィント」の能力により満貫ツモに変更


6巡目

慕「リーチ!」チャッ!


 えり『おや? 白築選手ここでツモ切りリーチ…!?』

 咏『一索を引く予感があんのかな?』

 えり『もし一索を引ければ、リーヅモピンフジュンチャン三色の倍満ですね…! しかし、残り一枚の一索…引けるでしょうか…?』


そして7巡目

慕「…ツモです」トンッ

慕「リーチ一発ツモ・ピンフ… 裏ドラ1で満貫、一本場は4100オールです」パララァ・・・


慕手牌:1123一二三七八九①②③ ツモ「4」 裏ドラ[③]


 えり『白築選手、連荘! 残念ながら引いたのは安めの方の四索でジュンチャン三色にはなりませんでしたが… ここはさすがに牌を倒しました』

 咏『一索に固執しすぎれば他家に和了られちゃうかもしれんからね。 ま、一発だし裏ドラのって満貫なら結果オーライっしょ♪』


白虎南四局一本場
   
東 慕   13300→25600
南 善野  63200→59100
西 のよりん27000→22900
北 洋榎  16500→12400


【南四局二本場 親:慕】


慕「二本場です…!」チャッ!


 えり『白築選手の怒涛の追い上げ! 二連続の親満ツモで、2位にまで順位を上げてきました!』

 咏『大分つまってきたねぃ… これなら、慕ちゃんは善野さんにオヤッパネ直撃させれば一発でまくれるぜ?』

 えり『そうですね… しかし、愛宕選手と野依選手は逆に厳しくなってきましたね?』

 咏『そーね。 トップとの点差は変わってないけど… もうこの二人はとにかく三倍満を善野さんにブチ当てる…! その一点だけに集中するしかなくなってきたねこりゃ』


洋榎(まだや… まだやで…! 四暗刻狙いは変えん! これで監督から直撃を取るしかないんや…!)

善野(早い… 私でも追いつけへんとは…!)

善野(でも今の和了り、当然本当は一索を引いてジュンチャン三色で和了るつもりやったんやろうけど、四索を引いて妥協してそのまま和了ったわけや…)

善野(これは白築ブーストの効果が弱まってきてるっちゅうことや…! この局や… この局で出し抜いて勝負を決めるでっ!)

のよりん「…フヌヌ…!!」プンスコリン=3


5巡目…

慕「…」チャッ!

慕(…よし! また一シャンテンまで来た…! あともう一枚鳥さんが来てくれれば、自風の東と鳥さんのシャボ待ちにできる…!)


慕手牌:一二三⑦⑧⑨11235東東


 えり『白築選手の勢いが衰えません! またもや5巡目で一向聴まで来ました!』

 咏『今度はチャンタか… 東待ちでテンパイできれば、善野さんを振り込ませることもできるかもしんねーぞ?』

 えり『東待ちですか? では… ここもやはり一索を引いてテンパイするのがベストでしょうか…?』

 えり『残り二枚の一索はまだ山の中に隠れていますが… “鳥使い”の名にかけて引き寄せることができるでしょうか?!』


善野(やっぱり白築さんの手が進んどる… でもこの局は追いついて見せるで!)

洋榎(慌てるな… とにかく自分の手に集中や!)

のよりん「…!!」プンプンスコスコ=3=3


※各自の現時点(5巡目)でのシャンテン数を決定します。
慕→1向聴(「プリマヴィント」発動)
善野→>>329
のよりん→>>330
洋榎→>>331

それぞれコンマ以下が、
01~20→5向聴
21~40→4向聴
41~60→3向聴
61~80→2向聴
81~00→1向聴

※シャンテン数が少ないほど、和了のチャンスが早く来る可能性が高まります。 

慕→1向聴 善野→3向聴(49) のよりん→4向聴(21) 洋榎→4向聴(27)  


善野「ポン!」パシィンッ!


 えり『善野選手が鳴きを入れてきました。 いくら白築選手がオーラスで爆発的な力を発揮すると言っても、これ以上先に和了られるようでは“浪速の超特急”の名がすたるというものでしょう』

 えり『しかし、白築選手が1向聴なのに対して善野選手は鳴いてもまだ3向聴… 追いつくのは厳しいでしょうか?』

 咏『いや、分っかんねーよ? 受けは善野さんの方が抜群に広いからねぃ… 慕ちゃんがちょっとでももたついてれば、善野さんが一気に抜いてしまう展開もありそうだぜ』


※有効牌獲得バトル! 自分の有効牌をツモるか鳴くかして「テンパイ」まで到達した雀士が和了のチャンスを得ます。レス一つ一つが誰かの有効牌になります。

コンマ以下
01~25→慕
26~60→善野
61~85→のよりん
86~00→洋榎

レスをして有効牌を引いて下さい。 まずは4回!

※しかし、親の慕かトップの善野がテンパイした場合はそこで終了。それ以降のレスはカウントされません。 

のよりんと洋榎は、テンパイしてさらにプラスで有効牌を引いた場合は2回和了チャンスを得ます。(早くテンパイした雀士から順番に和了チャンスが来る。)

25慕、36善野(ノーカウント)

慕(1向聴→テンパイ) 善野(3向聴のまま) のよりん(4向聴のまま) 洋榎(4向聴のまま) 


6巡目!

慕「…!」チャッ!


 えり『わ、ひ、引きましたっ! 白築選手今回はきっちり一索を引きました! これで一索と東のシャボ待ち…! 理想形です!!』


慕手牌:一二三⑦⑧⑨11123東東


 咏『今度はチャンタ確定だね。 残り枚数は少ないけど… さー出るかな?』
 
 えり『南四局に入ってから、白築選手の独壇場…! 他家は全く追いつけません!』

 えり『打点によってはここでトップをまくるという展開も有り得ます…! さあ、どうなるのか…?』


打点
>>337コンマ以下 (打点表>>277

83倍満ロン、「フォーゲルセット」の能力により1ランクアップ、三倍満ロン。3の倍数+2で、上家洋榎から出和了り。(南四局のため、防御系能力「格の違い」は発動されない)


慕「………」スウウウウウウゥゥゥ・・・!!


洋榎「!?」
善野(また…?)
のよりん「… フギュッ!?」プンスコリン=3


再び… 慕の体から抜け出し、ふわりと浮き上がる両翼の天使…!

白築慕の… 最後の力を振り絞った“鳥瞰”発動―――!!


慕(・・・・よし! 見えたよ・・・!)ゴゴゴゴオオォ・・・!!


長い死闘の幕が… 遂に、降ろされる瞬間が近づいていた…


14巡目

洋榎「カン!」パシィッ!→「⑨⑨⑨⑨」

洋榎「リンシャン・・・リーチや!!」ドォッ!

洋榎「新ドラめくっとくで!」ピシッ!


善野「え!?」
のよりん「フゴッ?!」プンスコ=3
慕「…!」


洋榎、暗槓からの嶺上リーチ…!

しかし、洋榎が人差し指で新ドラ表示牌を引っくり返した時、卓上に戦慄が走った。


 八筒


善野(ど、ドラ4…? カンドラモロ乗りやと?)


 えり『あ、あ…! 愛宕選手追いつきましたぁ! しかし、これは・・・凄まじい手になっています!』


洋榎手牌:②②②⑤⑤⑤西西九九 暗槓「⑨⑨⑨⑨」 赤[⑤(2つ)] カンドラ[⑨]


 えり『リーチ・トイトイ・三暗刻赤2・・・! そしてカンドラ4! 三倍満です!!』

 咏『やるねぃ…! 裏ドラのりゃあ数え役満もあるぜ!』


名門姫松の大黒柱愛宕洋榎、渾身のリーチ…!! 

それは… 姫松の仲間たちだけでなく、現世代の女子高生雀士たち全ての想いの乗ったリーチだった…


洋榎「……」ハアハアハア…

洋榎(ど、どうや…! これが愛宕洋榎の本気や…!!)

洋榎(九筒晒してのリーチ… 三倍満以上を出和了りせなあかんこの状況… 誰がどう見ても、筒子の染め手やと思うやろう…)

洋榎(しかしうちの待ちは西と九萬のシャボ待ちや! いくら監督でも、西はともかく、九萬の待ちは絶対に読めへん!)

洋榎(タンヤオを作っとる監督は、九萬を掴めば絶対に出してくるはずや。 親の白築にテンパイ気配がある以上、これ以上親に和了らせたら監督自身がまくられる…!)

洋榎(ならば監督にオリの選択肢は無い! 無理をしてくるはずや… そこを、うちのこの九萬で撃ち取る!!)キッ!


起死回生の大物手を張った洋榎…!

嗚呼、しかし!!


慕「リーチ」トンッ

洋榎「は?」


洋榎がリーチをかけた直後、慕が、ツモった牌で追っ掛けリーチをかける…!


慕「………」ゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・


 えり『え、え…? 白築選手またツモ切りリーチ? 6巡目にテンパイしていたのに、何故今さらリーチ棒を出すのでしょう…?』

 咏『……』


洋榎(な、なんや? テンパイ気配はあったけど… なんで今リーチなんや? 園城寺みたいに未来でも見えるっちゅうんか…?)

善野(・・・まずい。 これは… ズラしたいけど、鳴けない…!)

のよりん「フニュウゥ…?!」プンプン=3


そして15巡目… タンヤオをテンパイしている善野が牌をツモり、そのまま河に出す…! しかし、残念ながらそれは九萬でも西でも非ず!


洋榎(くっそ… だがまだ3巡ある!)チャッ!


そして、洋榎がツモった牌は・・・!


 東


洋榎(・・・うっ!?)


生牌で、今リーチをかけた慕の自風牌の東!!


 ゾクリ・・・!!


洋榎「ひっ?!」


凄まじい怖気が洋榎を襲う・・・!


洋榎(あ、あかん… 当たり牌やこれ… 100パー白築の当たり牌やでコレ…!)

洋榎(な、なんで…? なんでこんなことに…? どうしてリーチかけた直後に掴まされるんや!!)ギリ…

洋榎(こんな、理不尽なことがあっていいんか…? う、うちは、こんな所で終わってまうんか…?)ガタガタ・・・!


あまりの悔しさに、唇をぎゅっと噛み、牌を持ったまま震え始めた洋榎・・・!

しかし、その時、


善野「・・・洋榎」

洋榎「え?」


対面から静かに洋榎に声をかけた善野・・・


洋榎「監督…?」

善野「ええか… 麻雀はな… まあ麻雀に限らずやけど、勝負事は・・・勝ち負けよりも、誰かの心に残るような勝負をすることが大切なんや」

洋榎「……」

善野「最善を尽くして闘ったんなら、胸を張るんや。 負ける時は・・・堂々と負けてみせろっ! 洋榎が・・・血道をあげて闘ったこの勝負の、価値を、証明するんや!!」

洋榎「………」


洋榎(ああ・・・)

洋榎(うちは… 監督には、まだ全然、何もかも敵わへん… また、一から修行し直しやな…)トンッ…


静かに東を河に出した洋榎…

そして、洋榎の右手にいる少女が、この闘牌の終わりを告げる言葉をゆっくりと発声した。


慕「ロン…」

慕「リーチ一発・東・チャンタ・ドラ3・・・裏ドラ3!」

慕「三倍満! 二本場は36600です!!」フワアァッ!!


慕手牌:一二三⑦⑧⑨11123東東 ロン「東」 ドラ[1]裏ドラ[1]


 えり『った・・・・?』

 えり『なっ、なんということでしょう!! 親の白築選手、ここで三倍満を和了!!』

 えり『決着! 決着です!! 信じられません! 大逆転です!!』

 えり『準決勝第三卓・白虎の間・・・ この対局を制したのは・・・・!』


 えり『島根朝酌女子3年生! “元祖牌に愛された子”・・・白築慕選手です!!!』


南三局からの四連続和了… 奇跡の大逆転…!

姫松の大黒柱、“最強の血筋の系譜”愛宕洋榎・・・!

同じく姫松のレジェンド“浪速の超特急”善野一美・・・!

新道寺女子、“完全無欠の盾”を持つぷんすこ少女野依理沙・・・!

準決勝にて・・・敗退!!


白虎南四局二本場(終局)
   
東 慕   25600→63200
南 善野  59100
西 のよりん22900
北 洋榎  12400→-25200


順位
1位 S2白築慕(ファイナルステージ決勝戦進出決定)
2位 A13善野一美
3位 S7野依理沙
4位 B24愛宕洋榎

今日はここまでですわ
安価・コンマ対応あざした!

次は少し準備をしたいので、間を空けます。 一応4日後の11日20:00から。遅れるかもしれない。
準決勝最終戦第四卓のメンツ(玄武の間 すこやん・照・小蒔・杏果)の能力貼っておきます↓ 一部追記・変更されています。 また何か変更・調整・追加等の意見あったら、試合開始までにお願いします。

※あと、この第四卓は「順位予想」を募りたいと思います。
もし良かったら1位と2位が誰になるのかを予想して書き込んで下さい。

1〇〇
2□□

てかんじで。 佐藤アナが観客の予想として試合前に発表します。

もちろん実際の勝負とは関係ないので、気軽にドウゾ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『S1 小鍛治健夜(高三)』

<ス>→「ゴッドハンドリーチ」
    他家3人のうち2人を降ろす。残った1人とタイマン。コンマバトルで、健夜はコンマ以下数に50ポイント足して勝負できる。和了れば裏ドラが二つのる(満貫4翻、ハネ満6翻、倍満8翻、三倍満11翻)。
    尚、自分が振り込むことはない(その場合流局になる)。

<特>→「魔王の呪い」
    自分が満貫以上を振り込むと、次の局でその振り込んだ相手から、振り込んだ打点より1ランク高い打点でロン和了りすることができる。
    ただし、一試合で同じ雀士には一度しか効かない。

<特>→「ファイナルオールクラッシャー」
    自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。 最下位を一発でマイナス(0点以下)にする。

ーーーーーーーーーーーー

『S8 宮永照(高三)』

<ス>→「連続和了」
    自分が親の時に発動される。 「100%の確率で1翻」→「90%の確率で2翻」→「80%の確率で3翻」→「70%の確率で満貫」→「60%の確率で…」という具合に打点が上昇していく。
    基本は半荘の間に2回発動されることになるが、もし場決めで起家になった場合は、東一局は連続和了を発動できないので、南一局の1回しか発動する機会はない。
    ちなみに、南四局(オーラス)で発動することは可能である。 その場合他家は、自分の和了条件を満たした和了でないと和了れない。 満たしていない和了をした場合は、その他家と照のテンパイ流局になり、照の「連続和了」の効力は次局からは消え、普通のオーラスになる。


<特>→「照魔鏡」
    東一局を“見”することで、他家3人の能力や打ち筋を全て看破できる(良子のみ無理)。 東一局で和了することはできない。
    相手の力を見越した上で打つことができる。場合によっては相手の能力の効力を弱めることができる。(他家の力によって、どう対応するか、どのようなアドバンテージを得られるかはその都度変化する)

    ※この試合における「照魔鏡」の能力のアドバンテージは、「他家のステージ系能力で振り込むことは無い(ツモ和了りに変更になる)」とする。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『A11 神代小蒔(高二)』(全ての神は、一試合で一度しか降ろせない)

<ス>→「三種の神器」
    鍛治と鋳物の守護神イシコリドメが降臨。
    草薙の剣、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)を使用。
    鏡で卓上の状況を把握し、勾玉のパワーで自己に幸運を呼び、剣の力で他家をバッサリ斬る。 選定した相手から40%の確率でロン和了りをとれる。

<特>→「神降ろし」
    “局の点棒状況”が掲示された時のレスのコンマ以下が、“ゾロ目”の時、小蒔は眠りに入り、以下の四神のうちのいずれかを降臨させる。

    「最高神アマテラスオオカミ」
    70%の確率で役満和了。

    「創世神イザナミ」
    70%の確率で三倍満和了。   

    「豊穣の女神オオゲツヒメ」
    70%の確率で倍満和了。

    「伝説の美神クシナダヒメ」
    索子が集まる。 70%の確率でチンイツハネ満和了。

ーーーーーーーーーーーー

『B24⑤ 稲村杏果(高三)』

<ス>→「マザーキョウカ」
    超集中状態。 手牌にある牌の同種牌を次々と引くことができる。 
    和了率40%。 和了すれば1ランク上の打点で和了できる。 また、和了れなくても振り込むことはない(流局になる)。

<ス>→「マッドリーカンナー(閑無狂い)」
    閑無のために勝ち上がりたいという思いが最高潮に達し、和了率が一時的に70%になる。    

<特>→「前髪パッツンプロテクション」
    刻子手を多く作り、読みの精度も高いため、振り込みを最小限に抑えることができる。
    一試合で一度だけ、振り込みを「相手のツモ和了り」に変更できる。



1位 宮永照
2位 稲村杏果
3位 神代小蒔
4位 小鍛治健夜

予想っつーか願望

あ、ごめん! 「1位と2位だけ」予想して書いて下さい。 
次の書き出しの時まで受け付けてるので、あとで読んだ人も気軽にドウゾ。

閑無狂いでロンあがりの場合すこやんの放銃率が照姫様より高かったりしたら面白いかも

1位 健夜
2位 照

1照
2健夜

>>187一部訂正
×慕(配牌で鳥さん二枚だけど、和了まで通そう… どう育てればいいかな…?)
〇慕(配牌で鳥さん二枚だけど、和了まで遠そう… どう育てればいいかな…?)

>>335一部訂正
×咏『今度はチャンタ確定だね。 残り枚数は少ないけど… さー出るかな?』
〇咏『今度はチャンタだね。 残り枚数は少ないけど… さー出るかな?』  

乙あざす
進めてくにょ

善野さんは和了り潰しの「浪速の氷帝」を発動させて安和了りで勝つ方法もありましたが、結局準決勝では一度も発動できなかったですね…

>>354の意見があったので、杏果の閑無狂いは以下のように変えたいと思います↓


<ス>→「マッドリーカンナー(閑無狂い)」
    閑無のために勝ち上がりたいという思いが最高潮に達し、和了率が一時的に70%になる。    

※この試合では、杏果がこの能力でロン和了りした場合は、3の倍数によって振り込み者を決めるのではなく、和了者を決めるコンマが01~50なら健夜が、51~60なら照が、61~70なら小蒔が振り込み者となる。


順位予想あざした。
>>350>>359の間の9つの予想を元に、モチコンのおもち競馬の時と同じようにオッズを作ってみました↓(1位5点、2位3点、3位以下1点として期待値を数値化、控除率などは引かずにそのままシンプルに計算)


第四卓玄武の間・順位予想(オッズ)

1番 宮永照  (2.31倍)
2番 小鍛治健夜(3.91倍)
3番 神代小蒔 (6倍)
4番 稲村杏果 (6.92倍)


各自の能力、また加筆したので、改めて全て貼っておきます↓ 変更・調整は試合開始(21:30頃)までにお願いします。


≪玄武の間・各雀士能力詳細≫

ーーーーーーーーーーー

『S1 小鍛治健夜(高三)』

<ス>→「ゴッドハンドリーチ」
    他家3人のうち2人を降ろす。残った1人とタイマン。コンマバトルで、健夜はコンマ以下数に50ポイント足して勝負できる。和了れば裏ドラが二つのる(満貫4翻、ハネ満6翻、倍満8翻、三倍満11翻)。
    尚、自分が振り込むことはない(その場合流局になる。「残った一人」はツモ和了りしかできない)。

<特>→「魔王の呪い」
    自分が満貫以上を振り込むと、次の局でその振り込んだ相手から、振り込んだ打点より1ランク高い打点でロン和了りすることができる。
    ただし、一試合で同じ雀士には一度しか効かない。

<特>→「ファイナルオールクラッシャー」
    自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。 最下位への直撃で一発でマイナス(0点以下)にする。

ーーーーーーーーーーーー

『S8 宮永照(高三)』

<ス>→「連続和了」
    自分が親の時に発動される。 「100%の確率で1翻」→「90%の確率で2翻」→「80%の確率で3翻」→「70%の確率で満貫」→「60%の確率で…」という具合に打点が上昇していく。
    基本は半荘の間に2回発動されることになるが、もし場決めで起家になった場合は、東一局は連続和了を発動できないので、南一局の1回しか発動する機会はない。
    ちなみに、南四局(オーラス)で発動することは可能である。 その場合他家は、自分の和了条件を満たした和了でないと和了れない。 満たしていない和了をした場合は、その他家と照のテンパイ流局になり、照の「連続和了」の効力は次局からは消え、普通のオーラスになる。

<特>→「照魔鏡」
    東一局を“見”することで、他家3人の能力や打ち筋を全て看破できる(良子のみ無理)。 東一局で和了することはできない。
    相手の力を見越した上で打つことができる。場合によっては相手の能力の効力を弱めることができる。(他家の力によって、どう対応するか、どのようなアドバンテージを得られるかはその都度変化する)

    ※この試合における「照魔鏡」の能力のアドバンテージは、「他家のステージ系能力で振り込むことは無い(ツモ和了りに変更になる)」とする。

ーーーーーーーーーーーーー

『A11 神代小蒔(高二)』(全ての神は、一試合で一度しか降ろせない)

<ス>→「三種の神器」
    鍛治と鋳物の守護神イシコリドメが降臨。
    草薙の剣、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)を使用。
    鏡で卓上の状況を把握し、勾玉のパワーで自己に幸運を呼び、剣の力で他家をバッサリ斬る。 選定した相手から40%の確率でロン和了りをとれる。 (照が相手の時はツモ和了りに変更になる)

<特>→「神降ろし」
    “局の点棒状況”が掲示された時のレスのコンマ以下が、“ゾロ目”の時、小蒔は眠りに入り、次局で以下の四神のうちのいずれかを降臨させる。

    「最高神アマテラスオオカミ」
    70%の確率で役満和了。

    「創世神イザナミ」
    70%の確率で三倍満和了。   

    「豊穣の女神オオゲツヒメ」
    70%の確率で倍満和了。

    「伝説の美神クシナダヒメ」
    索子が集まる。 70%の確率でチンイツハネ満和了。

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『B24⑤ 稲村杏果(高三)』

<ス>→「マザーキョウカ」
    超集中状態。 手牌にある牌の同種牌を次々と引くことができる。 
    和了率40%。 和了すれば1ランク上の打点で和了できる。 また、和了れなくても振り込むことはない(振り込みはその他家のテンパイ流局になる)。

<ス>→「マッドリーカンナー(閑無狂い)」
    閑無のために勝ち上がりたいという思いが最高潮に達し、和了率が一時的に70%になる。    

※この試合では、杏果がこの能力でロン和了りした場合は、3の倍数によって振り込み者を決めるのではなく、和了者を決めるコンマが01~50なら健夜が、51~60なら照が、61~70なら小蒔が振り込み者となる。

<特>→「前髪パッツンプロテクション」
    刻子手を多く作り、読みの精度も高いため、振り込みを最小限に抑えることができる。
    一試合で一度だけ、振り込みを「相手のツモ和了り」に変更できる。

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※それぞれの特殊能力は、基本、南四局での発動も可。 ただし各自の持ち点の状況によっては発動できない場合もある。(トップになれないのなら発動できない)

・杏果の「前髪パッツンプロテクション」は、健夜の「魔王の呪い」と「ファイナルオールクラッシャー」には通用しない。

・小蒔の「神降ろし」は照の「連続和了の最中」や、「連続和了が始まる直前」でも発動可能。
 その場合、照の和了確率は10%になるが、和了れば上昇してきたその打点で和了る。(連続和了発動直前に神を降ろされた場合は、和了っても1翻でしか和了れない)和了れば照は連続和了を継続することが出来る。



 えり『準決勝第三卓…! 長い死闘を制したのは朝酌女子高校白築慕選手! 三人目のファイナルステージ進出者として名乗りを上げました!!』

 えり『白築選手は・・・トップと最も差のあった南一局一本場の時点では、善野選手に実に86500点もの大差をつけられていたのですが… まくってしまいました! これぞまさに空前絶後の大逆転・・・!!』

 咏『八万点差ってw いくらトビ終了無しでも、半荘一回の勝負でそんな大差がつくこと自体が珍しいのに… それをまくるなんてねぇ… 漫画かっつーのw』

 えり『これが逆転の申し子白築慕の真骨頂…! しかし、四人全員が力の限りを尽くして精一杯闘った・・・実に素晴らしい試合だったと思います!!』 


洋榎「はぁ――・・・ 負けた負けた! 点棒マイナスにされて負けるんなんて、いつ以来やろなぁ・・・?」

洋榎「東一局の振り込みを、そんまま親ん時にやり返されたらタマらんわ。 もー気持ちいいくらい完っ敗やわ…」ハア…


全身の力が抜けきったように、椅子の背もたれにぐったりとその身をあずける洋榎…


慕「いや、でも、たまたまだよ、多分… 愛宕さんも凄い強かったもの」

洋榎「気遣いありがとな、白築さん。 でも慰めはいらんで。 うちが未熟やった。 だたそれだけや…」

慕「………」


神懸かり的な闘牌を見せて卓上を蹂躙した慕… しかし勝負が終わると、憑き物が取れたように、ただの気の良い少女に戻っていた…


善野「洋榎… 腐っとらんで、また手牌見せてみ…」

洋榎「はいはい… ほな、監督も手牌見せて下さいよ」


声をかけ合って、お互いに自分の手牌を開いてみせる善野と洋榎…


善野手牌:③③③④⑤34567888 

洋榎手牌:②②②⑤⑤⑤西西九九 暗槓「⑨⑨⑨⑨」 赤[⑤(2つ)]カンドラ[⑨]


慕(!? ぜ、善野さんの方は… タンヤオの三-六筒、二-五-八索待ちの変則五面チャン…!)

慕(愛宕さんの方はリーチトイトイ三暗刻ドラ6の三倍満…! ふぅ… やっぱり、ギリギリだったんだな…)


洋榎「えっぐい待ちやな、監督… その待ちなら、うちが振り込んで止めてしまわんかったら、18巡目までのどこかで和了ってたやろな…」

洋榎「どうやらうちが、監督の決勝進出を邪魔してもうたみたいやな。 ほんま、すみません…」

善野「謝ることなんかないやろ、それに・・・」スウゥー・・・ピシッ!

洋榎「!?」


善野が山に手を伸ばし、次の自分のツモ牌を弾くと、そこには・・・


 九萬


洋榎(九萬・・・! うちの手牌の当たり牌・・・!?)

善野「…見ての通り私の手はタンヤオや。 それに私は洋榎の手は筒子の染め手やと読んどったから、コレをツモったら間違いなく振り込んどった… あと一歩で決勝行きを逃したんは、お前やな、洋榎…」ニコ…


善野「それに… この中で一番ヤバい手を張っとったのは、野依さんでしょう?」チラッ

のよりん「………」プンス…

洋榎「野依は萬子の染め手やろ? でも三倍満までは届いとらんのとちゃうか?」

善野「…て言うてますけど、野依さん、手牌見せてくれませんか?」

のよりん「・・・ これっ!」=3プンスコパラララァ…


洋榎「なっ?!」
慕(わぁ…?!)


のよりんが手を開くと同時に、目を丸くする洋榎と慕・・・


のよりん手牌:二二三三四四五五六六七七八 


慕(ち、チンイツ・タンヤオ・ピンフ・リャンペーコー赤1・・・リーチ無しでもツモれば数え役満!? まさに奇跡の手・・・!!)

慕(しかも… 私がリーチする前に出した八萬を見逃してる…! 私から和了っても善野さんをまくれないから、スルーしたんだ…)

慕(もし、善野さんの点がもう少し少ないか、野依さんの点がもう少し多ければ、私は逆に三倍満振り込んで負けてたんだろうな… 本当に、ギリギリだった…)


善野「野依さんは私からの振り込みやなくて、ツモの一点に賭けとったわけですね…」

洋榎「な、なるほど… うちは役満ツモでも監督をまくれへんかったけど、野依は役満をツモればトップに立てたもんなぁ…」


全員がまさに紙一重… それは、まるで麻雀の勝利の女神が、誰を勝者とするべきかをぎりぎりまで迷ったかのような様相だった…


慕「はは…w やっぱり、私が勝てたのって、まぐれだったみたいですね… なんか、ごめんなさい…」タハハ…

善野「それは違うでしょう。 確かに紙一重の勝負ではあったんかもしれないけど… 最終的に勝ったのは白築さんやった。 白築さんの勝利への執念が、私たちの誰よりも上だったんですね…」

善野「白築さん… 楽しい勝負でした。 一歩及ばんかったのは悔しいけど…決勝も頑張って下さい」

慕「も、もちろんです!」

洋榎「うちらに勝った以上、優勝してもらわな困るで!」

のよりん「… ガンバレッ!!」プンスコリン=3

慕「・・・はいっ!」ニコッ!


善野洋榎のよりん慕「「「「 ありがとうございました!!!! 」」」


 えり『準決勝第三卓、白虎の間、死闘終結…! 選手の皆さんは、スタッフが地上の会場へと引率しますので、そのまま少しお待ちくださいね』


~会場・観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  シラツキサンカッタァ! ダイギャクテン!!  ゼンノサンオシカッタヨモー  ノヨリサンモザンネンダッタネ…  ヒロエノヤツモヨオガンバッタデ!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・


スクリーンの中で最後の挨拶をする四人を見て、観客席から自然と拍手が沸き上がる…


閑無「すっげーな慕の奴… マジで逆転しちまいやがった…!」ブルブル

悠彗「ほんとだね… ぶっちゃけいくら慕でも無理なんじゃないかと思ってたけど…」

はやり「私たちの想像を超えちゃうのが慕ちゃんだもんね!☆」

真深「驚いたな… 人間あきらめなきゃ奇跡も起こせるんだね…」

曖奈「さすがね。 稲村さんもこの流れにのって、二人で決勝に行けるといいけど… どうなるかしらねぇ…?」

閑無(…杏果の相手は、小鍛治と、この時代のインハイチャンピオン宮永照…)

閑無(そして“姫様”とか呼ばれてる鹿児島の巨乳巫女さんか…)

閑無(みんな、杏果より格上の相手なのかもしんねーけど… 勝負はやってみなきゃ分かんねーぞ!)

閑無(あいつは優し過ぎて、いつも無意識に力をセーブしてるからな… お前が本気になれば誰にだって勝てるんだってとこ・・・見せてやれよっ!杏果!!)


煌「野依先輩…! 残念でしたが… 大変、すばらな試合でした!!」パチパチパチ

美子「最後の数え役満、もう少しでツモれてたかもしれないのにね…」

仁美「こいも勝負のアヤちいうもんやけん、仕方なか」チュー…

哩「ばってん、最後まで粘り続けたいい対局やったと。 ただの一度も振り込まんかったんは野依先輩だけやった」


姫子「でもこれで… 私たち新道寺一門は全滅・・・ですね」

哩「そん通りやが、今回こがんして過去の大先輩の闘牌ば直に見ることができたんは良かったな…」

煌「ですよね! 新道寺麻雀部は、野依先輩のような偉大な先輩方によって脈々と受け継がれてきた… 私たちもその誇りを胸にこれからも頑張っていかねばなりませんからね!」

哩「そん意気や花田。 姫子と花田がおれば、私も安心して引退できる」

姫子「なんば言いよっとですかぶちょー! ぶちょーは今まさに、5決で絶賛闘牌中じゃなかですか!」

友清「そうですよ! 私、部長が9月にリザベーションシックスば決めてハネ満和了るんを楽しみにしとるんですから!」

哩「…しいゆっないそがんメタな発言はやめてくれんか…」


漫「たっはー…! 主将が振り込んでもうたせいで、監督まで負けちゃいましたね… 最悪や…!」

恭子「スズちゃん! そんな言い方ないやろ。 主将も監督も最善を尽くした結果なんやから…」

絹恵「でも…噂には聞いてましたけど、“南三局からの白築慕”があんなに強いなんて…」

由子「宮永照もビックリの連続和了だったのよー…」

漫「ぶっちゃけ場決めが全てだったんじゃないですか? 白築慕が東家か南家だったら、絶対監督が勝ってましたよ」

由子「元も子もないのよー」


恭子「場決めの運も実力のうちや… 確かにこつこつ和了って積み上げたもんを、あんなオカルティックな連荘で潰されてまうんは、ちょっと、まあ・・・なんつーか、いたたまれん気分になるっちゅーのが本心やけど…」

恭子「そういう理不尽な事が起きるのが麻雀なんや。 監督が白築慕より実力で劣っとるとは思わんけど、勝負は勝負や。 今回は負けを認めるしかないやろ…」

由子「洋榎もよく頑張ったのよー」

絹恵「おねーちゃん、最後まであきらめてなかったですもんね… 今回は負けたけど、やっぱりおねーちゃんの麻雀は私の憧れや! いつか…追いついてみせんで!!」


~白虎の間・実況室~


えり「さあ、遂に終局しました準決勝第三卓・・・ 最終的に決勝進出を決めたのは、前半大きくヘコまされていた白築選手でした…!」

咏「終盤の慕ちゃんはもう、神か悪魔でも憑いてるようだったねぃ」

えり「そうですね… 私もそれなりに長く麻雀の対局の実況をしていますが、これ程の大逆転は初めて見たかもしれません」

えり「そういえば対局前に、三尋木プロが“一回戦の慕ちゃんは調子悪かった。 この準決勝では慕ちゃんらしい「魅せる」闘牌を期待したい”ということをおっしゃってましたが、今回はまさにその白築選手の真骨頂が見れた試合だったのではないでしょうか」

咏「ほんとだねぃw まさかアレほどだとは思わなかったけどねw」

咏「やっぱり南三・四局の慕ちゃんは最強だよ。 アレを正面から止めるのは私だってすこやんだって無理だろーさ」

えり「いや、しかし… 三尋木選手は、決勝であの白築選手と対戦するんですよ?」

咏「慕ちゃんが北家にならねーことを祈るしかねーだろーな。 どうしようもねーよあんなのw」


えり「終わってみると、白築選手のあの怒涛の連続和了があまりにも印象が強くて、他のことを忘れてしまいそうになりますが…」

えり「改めて全体を振り返れば、四人の選手それぞれが持ち味を十分に発揮した好試合であったように思います」

咏「そーね! 愛宕ちゃんも最後はヤラれちゃったけど、あの東一局の三倍満の出和了りは見事だったし、終盤の粘りも最高にカッコ良かったよ」

えり「そして“浪速の超特急”善野選手も、白築選手の連荘が始まるまではほぼパーフェクト・・・まさに“氷帝”の名に相応しい実にテクニカルでスキの無い打ち筋でしたね」

咏「善野さんはブレなく強いからねぇ… ミスがあったとしたら、あの南一局二本場、慕ちゃんに大明槓をさせちゃったことだけだからね。 最後にはまくられたけど、本当に強かったよ」

えり「野依選手も、持ち前の鉄壁の守りを生かした打ち筋が光りました。 結局一回戦、準決勝と、二半荘の間一度も振り込むことはなかったですね。 そんな人は野依選手ただ一人しかいません」

咏「うん。 野依さんも決して調子悪かったわけじゃないと思うんだけどねぃ… やっぱり和了った時の打点がイマイチだったのが、最後まで響いちゃったかんじかな?」


えり「これで決勝進出者は戒能良子選手、三尋木咏選手、白築選手、と、三人までが決まりました。 今のところ全て過去から来た雀士ですね」

咏「そうだねぃ。 ま、たまたまなんじゃねーの? 一回戦の結果を見ても、現代の子たちが過去の子たちより弱いってことはないと思うんだけどね。 ま、知らんけど」

えり「白築選手は、決勝ではどのような闘牌を見せてくれることになるでしょうか?」

咏「んー…? 決勝ってルールはどーなってんのよ?」

えり「え? えっとですね… 基本的なところは準決勝と大差ありませんが、前・後半ありの二半荘の試合になります」

咏「ふぅん… そうだね、慕ちゃんにとっては… 今思ったけど、もしかしたら準決勝以上に厳しい試合になるかもしれないね」

えり「? なぜです?」

咏「ふふ…w 決勝には戒能さんがいるっしょ? あの人がクセ者だからねぃ… もしかすっと、慕ちゃんの終盤の爆発は通用しないかもしれないぜ」ニヤ

えり「ああ… 戒能選手の様々な魔物の力が、白築選手の起こす“波”を潰してしまうかもしれないということですか?」

咏「そーゆーこと。 戒能さんは自らが最強のオカルト遣いであると共に、他の人のオカルトの力を封じる力もあるからねぃ…」

咏「慕ちゃんは戒能さんとは相性が悪いかもしれないよね。 ま、あと一人が誰になるのかにもよると思うけどね!」


えり「なるほど… では、その決勝進出の最後の一人を決める玄武の間に、声をかけてみましょうか…!」

えり「佐藤さん! どうですか? 試合の方は始められそうですか?」


“裕子『はーい、こちら玄武の間は・・・・』”


ーーーーーー
ーーーー
ーー


約50分前・・・

~玄武の間~


 裕子『あ…! ついに四人目の選手の登場です! あの巫女服姿は・・・永水女子、六女仙の姫神代小蒔・・・!』

 良子『ほお、これは…! 凄まじい卓になりましたね…』


小蒔「す、すみません、遅くなりました! 永水女子二年、神代小蒔です、よろしくお願いします!」ペコリン

健夜(17)「ど、どうも、こんにちは… 遅かったね? 大丈夫?何かあったの?」

小蒔「ご…ごめんなさい、私歩いてる途中で少し寝てたみたいで…」

杏果「ね、寝てた?」

小蒔「すみません、疲れてるとたまに… でも、本当に申し訳ないので、これからの対局は―――」

小蒔「全力以上で、あたらせてもらいます!」パアアアアアアアァァァ・・・!!


健夜「!!」ピクッ

杏果(ひ…!? ま、またこんな人が相手…?)

杏果(小鍛治健夜に一矢報いるなんて意気込んでたけど… 大丈夫かな、私… 生きてこの部屋出れるのかな…?)


照「…まあ神代さん、まだここの対局始まんないみたいだから… クッキーでも食べて休んでなよ」スッ

小蒔「あ、ありがとうございます」

健夜「第三卓の対局始まったみたいだから… みんなで一緒に観戦しようよ」ポチットナ


モニター『えり「こ、これは…なんということでしょう! 愛宕選手見事に一筒単騎であの白築選手を撃ち取ってしまいました!」咏「とんでもないことになったねぃw」』 


健夜「この試合が終わったら、やっと私たちの出番だね…」

照「うん…」モグモグ

小蒔「わぁ… 愛宕さんが三倍満を和了りましたね! さすがです…!」

杏果(ちょ…! 大丈夫かな慕ちゃん…?)ハラハラ






モニター『えり「なっ、なんということでしょう!! 親の白築選手、ここで三倍満を和了!! 決着! 決着です!! 信じられません! 大逆転です!!」』


杏果「や、やった…!」グッ

照「…!?」ピクッ

健夜「へえ… さすが…!」

小蒔「み、見事な大逆転ですね…!」


慕の劇的な逆転勝利は… 観戦していた照たちの目の色をも変えていた…


照(すごい… 尋常じゃないこの人…! 私の連続和了やギギギをぶつけたらどうなるんだろう…?)

健夜(白築さん… インハイの個人戦で対戦した時より、強くなってるかも…! これは… 面白いことになってきたね…)

小蒔(この方…強い…! 最高神を降ろさないと、この連続和了は止められないかもしれませんね…)

杏果(ふふ…w 小鍛治健夜も、現インハイチャンピオンも、オカルトの頂点さんもさすがに驚いてる…! そうだよ、私はこの慕ちゃんと毎日卓を囲んできたんだ…!)

杏果(このバケモノさんたちが相手でも・・・負けない! きっと私にもチャンスはあるはず…! 勝って慕ちゃんと闘うのは、私だ!!)カッ!


三人の最高峰の魔物たちと、闘志を燃やす一人の温泉旅館の看板娘…!

誰も想像のつかない、超常の麻雀バトルの幕が開こうとしていた…


ーーーーーー
ーーーー
ーー

~玄武の間・実況室~


 “えり『佐藤さん! どうですか? 試合の方は始められそうですか?』”


裕子「はーい、こちら玄武の間は… 準備満タン! じゃなくて万端です!! ここからはこちらに実況室を移してお送りさせていただきます」

裕子「さあ! この全世代女子高生麻雀チャンピオンシップの準決勝も、最後の試合になりましたね…! 実況はわたくし佐藤裕子でお送りさせて頂きます。 よろしくお願いしますね♪」ドタポヨン♪

裕子「そして解説は毎度お馴染み… 一人目の決勝進出者でもある戒能良子プロです! 改めてよろしくお願いします、戒能プロ」

良子「イエス、こちらこそよろしく。 セミファイナルラストの試合… グッドでマーベラスでワンダフルな闘牌を期待したいですね」

裕子「さらに、この試合だけ特別ゲストとして… 瑞原はやりプロにも来ていただいています。 瑞原プロ、本日もW解説の方、よろしくお願いします」

はやり(28)「おまかせあれ!だYO!☆ 杏果ちゃんの試合の解説できるなんて、はやりちょぉ―――楽しみだなっ!♪」ハヤヤ

裕子「では早速、選手の紹介にまいりましょう! 一人目は・・・!」


裕子「一人目は、満を持して遂にこの人が登場…! 総合ランキング堂々の第1位! 茨城土浦女子高校3年生・・・“グランドマスター”小鍛治健夜選手!!」

裕子「一回戦では、阿知賀の新子選手に満貫を振り込むという場面もありましたが、その直後から圧倒的な力を発揮…! こちらが思わず目を逸らしたくなるような凄まじい支配力で、東場だけで他家をトバして勝ち上がってきました…!」

良子「あのラストのトリプル役満はクレイジーでしたね… 先ほどの白築選手もそうでしたが、やはり小鍛治さんも反則級のチートな力の持ち主だと言えるでしょう」

裕子「一回戦の時のような他家を蹂躙するような魔王の力をもう一度見せるのか… それとも勇者たちの反撃に遭うのか? どちらにしろエキサイティングな展開になるのは間違いなさそうですね」

はやり(28)「すこやんは確かにめっちぁつおいケド、あそこにいるのはまだ女子高生で麻雀初心者のすこやんだからね! スキはあると思うよ?」

裕子「瑞原プロは10年前のインハイ団体戦準決勝で、あの小鍛治選手と対戦しているんですよね?」

はやり(28)「そうだねぇ… あの時はすこやんがトップで理沙ちゃんが2位、はやりが3位だったなぁ… 決勝でも個人戦でも対戦したけど、結局高校生の時は一度も勝てなかったんだよね…」

はやり(28)「だから今日は是非杏果ちゃんにすこやんをボッコボコにしてもらって、はやりの恨みを晴らして欲しいなっ!☆」ハヤヤ


裕子「な、なるほど… では、続きましてはその瑞原プロの同郷の御友人…! 朝酌女子高校3年生、稲村杏果選手の紹介です」

裕子「ランキングは24位… 10年前に瑞原プロや先ほど決勝進出を決めた白築選手と共にインハイで一大旋風を巻き起こし、準優勝を成し遂げたチームの一員…!」

裕子「前哨戦、一回戦と、昨日は2回試合に臨んだのですが、未だ一度も振り込まず… 打点も和了率もなかなかのものを見せて、姫松のブレイン末原恭子選手、阿知賀のレジェンド赤土晴絵選手、新道寺のスーパーエース白水哩選手などを退けてきました」

裕子「先ほど愛宕洋榎選手が敗れてしまったので、前哨戦を闘った36名で生き残っているのはもう彼女ただ一人なんですね。 “格上”たちが相手のこの準決勝で、どれだけ粘りを見せることができるか…? 注目が集まっています」

良子「確かにこのメンツでは彼女が格下になってしまうのはその通りですが… 私は稲村選手も勝つチャンスがあると思っています。 類稀なセンスを持った選手ですね」

はやり(28)「杏果ちゃんはねぇ、闘争本能があまり無いもんだから、あんな前髪パッツン怖くねえ!wみたいに見られがちだけど… 本気になると物凄く強いんだから!☆ 杏果ちゃんをただの旅館の娘だと思ったら、すこやんも照ちゃんも痛い目見ることになるYO!」ハヤッ!


裕子「続きまして3人目はこの方… 現世代インハイチャンピオン! ランキング8位、前人未到のインハイ3連覇を達成した西東京白糸台高校の絶対エース・・・宮永照選手!!」

裕子「一回戦では、満月の力を得た絶好調の天江衣選手に大苦戦…! あわやトビ終了か?というところまで追いつめられましたが、南場に入ってから覚醒…!」

裕子「その本来の力を発揮し、疾風怒涛の6連続和了を決めて実に6万点以上もの点差があったのを引っくり返し、堂々の1位通過でこの準決勝に進んできました」

良子「荒川憩、辻垣内智葉という強豪も同卓していたあの一回戦第八戦は、各自が最後までトップを争ったベリーエクセレントな試合でしたね。 その厳しい試合を制してきたチャンピオン… この試合でもあの勢いのままに闘うことが出来れば、勝利はディスィションだと思いますよ」

裕子「この準決勝最終卓… やはりなんと言っても、“現世代インハイチャンピオン宮永照”VS“10年前のインハイチャンピオン小鍛治健夜”という、チャンピオン同士のドリームマッチというのが注目されています」

はやり(28)「マスコミの間じゃ白糸台のチーム虎姫って“インハイ史上最強”って呼ばれたりしてたんでしょ? そのチームの大エースなんだから、照ちゃんの方が強いのカナ?☆」

裕子「どうなんでしょう… しかしランキング上では小鍛治選手が1位、宮永選手が8位ですから、宮永選手の方が格下であるということになっています」

良子「福与恒子アナが、以前小鍛治さんに対して“チーム虎姫は小鍛治プロの20年前より強いのか?”というクエスチョンをしていたことがあったと思うのですが…」

はやり(28)「インハイの実況中にそんな話してたよね! すこやんは“いや、それは比べられないので…”なーんてゴマかしてたけど、この試合でドッチが強いのかバッチリクッキリハッキリさせちゃえるねッ!!☆」ハヤヤッ


裕子「そうですね。 しかし!闘いは何もこのチャンピオン同士だけではありません…! もう一人、とんでもない選手がこの闘いに参加しているのです…!」

裕子「総合ランキング11位! 永水女子高校2年生・・・鹿児島の霧島神境“六女仙”を束ねる姫・・・! 神代小蒔選手!!」

裕子「一回戦では戒能良子選手、龍門渕透華選手、福路美穂子選手という今大会最高峰と言ってもいいオカルト遣いとテクニックの持ち主たちを相手に、終盤南三局で数え役満を炸裂…! 見事に1位通過で準決勝に駒を進めてきました」

良子「ええ… しかも神代選手は一回戦ではまだ奥の手を使っていませんでしたからね… チャンピオンたちのバトルに、この選手がどうからんでくるかは試合の展開を大きく左右させることになると思います」

はやり(28)「良子ちゃん! 杏果ちゃんの事も忘れないでYO! この試合の台風の目はぜったい杏果ちゃんなんだからッ!☆」

良子「は、はい、もちろんです…」


裕子「一体どのような試合になるのか…? 興味の尽きないところですが、実はこの試合、観客の方々に結果予想のアンケートを実施したのです」

裕子「1位と2位が誰になるのかを予想して頂き、それを集計してオッズとして出したのが、こちらになります↓」


第四卓玄武の間・順位予想(オッズ)

1番 宮永照  (2.31倍)
2番 小鍛治健夜(3.91倍)
3番 神代小蒔 (6倍)
4番 稲村杏果 (6.92倍)


はやり(28)「ん…? コレはどーゆーことなの?☆」ハヤヤ?

裕子「基本は競馬などのオッズと同じです。 もちろん賭けをしてるわけではないので、控除率などは引かずにシンプルに計算されたものですが…」

良子「仮に宮永照に1000円を賭けたなら、2310円になって返ってくる… 小鍛治さんに1000円賭けたなら3910円になってリターンされるということですね」

はやり(28)「じゃあはやりは杏果ちゃんに一万円! これで69200円ゲットだねっ!!☆」ハヤッ!

良子「大穴狙いですか。 では私は神代さんに・・・」

裕子「だから賭けをしてるわけではないので… これはあくまで観客の方々の予想、期待値として見て下さい」


~会場・観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  ホオ、ナルホド…?  テルーガイチバンカ! ランキングノジュンイトチガウネ  ワイワイガヤガヤ・・・・


淡「しおりん先輩! テル―が小鍛治さんより上だよっ!」

栞「そうだね。 さすが宮永さん…!」

菫「しかし、これでラスを引いたりしたら、かなりブーイングが来そうだな…」

尭深「有り得る…」ズズ…

誠子「ちょ… あんま不吉な事言うのやめましょうよ…」


和「お義姉さんが一番ですね…! まあ、この予想通りになるとは限りませんが…」

咲「う、うん、そうだね…」

久「チャンピオン同士の対決… “過去”VS“現代”の意地のぶつかり合いになりそうね…」

優希「私もこうなったら宮永照を応援するじょ!!」

咲(おねーちゃん… がんばってよっ!!)ドキドキ


悠彗「オッズでは杏果が最下位… まあでも、こんなもんかな?」

閑無「分かってねーよなみんな… ま、試合が始まればこんなオッズなんかアテになんねーって、みんな思うことになるだろーけどな!」

曖奈「稲村さんにも十分チャンスはあると思うけど… どうなるかしらねぇ…?」

はやり(18)「予想なんか覆しちゃえ杏果ちゃん!☆」ハヤッ!

真深(…私は、稲村さんがボッコボッコにヤラれる気がして仕方ないんだけどな… ま、頑張っては欲しいけど…)


巴「姫様は6倍ちょうど… 3位か…」

霞「あらあら… でも皆さんの予想の平均値なんだから、こんなものじゃないかしら…?」

初美「ふふふふふ…!w 何も分かっていませんねー、観客の方々は…!」

霞「初美ちゃん?」

初美「この対局は一つ、姫様にとって有利な条件があるんですよー…! それは・・・!」

春「宮永照がいるから、局数が増える…」ポリポリ

初美「はるる! 私の言葉を取らないで下さいよー!!」

巴「そうか… 確かに局数が多ければ多いほど、姫様の神様が降りてくる可能性は高くなるもんね…」

霞「相手がチャンピオン二人っていうのも… 姫様にとっては、神様を降ろしやすい環境かもしれないわね」

春「一回戦ではイシコリドメ以外は降ろせなかったけど… 今度こそは、四つ神様を…」ポリポリ

初美「ふふふ…w 私は一つ、この試合について予言をしておいてあげますよー…」

初美「この準決勝…! 姫様は四つ神様を二人降ろす…! そして、姫様がトップで決勝進出するのですよーっ!!」


~放送スタッフ用モニタールーム~


咏(24)「へえ…? すこやん2位じゃん! ナメられてんぜ?」

健夜(27)「え、いや、別に… 十分だと思うけど?」

えり「ここまで決勝進出者は、全員“過去”の雀士ですから…“現代”の雀士にも決勝に行って欲しいっていう期待が込められてるんじゃないですかね…」

恒子「“現代のチャンピオンVS20年前のチャンピオン”・・・! まさに究極の対決だね…!」

健夜(27)「ねえこーこちゃん、だから10年前だって言ってるじゃん? 7歳でインハイに出れるわけないでしょ?」

みさき「野依プロは誰がトップになると思います?」

のよりん(27)「・・・イナムラ!」プンスコ=3

みさき「朝酌の稲村選手ですか。 …その心は?」

のよりん「大穴!!」プンスコリン=3






~玄武の間実況室~


裕子「さあ! 玄武の間、卓上ではただ今席決めが始まりましたね」

良子「宮永選手は、起家だけにはなりたくないでしょうね… 照魔鏡を使う“捨て局”で親になるのは致命傷に成りかねませんから…」

裕子「先ほどの第三卓の試合では、白築選手が北家…ラス親になったことが、最終的に勝負の結果に大きく関わることとなりました。 さあ、今回は・・・?」


※場決め

健夜→>>388

杏果→>>389

照→>>390

小蒔→>>391

(コンマ以下の大きい順に東→南→西→北)

はい

ーーーーー
第四卓玄武の間・場決め
東 杏果(30)
南 照 (42.26)
西 健夜(22.26)
北 小蒔(24)

     健夜
     (西) 
   ――――――

   |    |
小蒔|    | 照 
 (北)|    |(南)
   |    |
   ――――――

     杏果    
     (東)


※ステージ発動系の能力は「北→西→南→東」の順だが、照の「連続和了」が東二局と南二局で発動されるので、この試合は「小蒔(東1)→照(東2)→健夜(東3)→照(南2)→杏果(南3)」の順になる。

※ノーマルステージでの「主役」の巡る順番は、「能力の発動される順番と逆」なので、「杏果(東4)→照(南1)→健夜・小蒔(南4)」。

※基本和了率は「SSAB」なので「健夜30%、照30%、小蒔20%、杏果20%」。

※各自の能力詳細及び細かいルールについては>>8>>362>>10>>11を参照下さい。

ーーーーーーー


裕子「席が決まりました! 宮永選手は南家… 本人にとっては丁度良い所に収まったかんじでしょうか」

裕子「さあでは、いろいろと予想について言及はしてきましたが、最後に、この試合のポイントについて、お二人の意見をお伺いしたいのですが・・・?」

良子「そうですね、大きなポイントは三つあると思います。 まずは宮永選手の十八番の連続和了… これが一体、このメンツの中でどれだけ続けることができるのか…?」

良子「満貫以上に到達する前に止められてしまった場合は、宮永選手は大きく不利になるでしょう。 逆にハネ満程度まで連荘が続いた場合は、もう誰も彼女には追いつけないような展開になるかもしれません」

良子「二つ目は、やはり小鍛治健夜… この人は、一回戦でも見せたように“スイッチ”が入るかどうかで、その打ち筋は大きく異なってきます。 果たしてこの試合のどのタイミングで“本気”になるかは、大きく試合の流れにエフェクトしてくるでしょう…」

良子「そして三つ目は神代小蒔。 彼女は一回戦では一度だけ神を降ろしましたが、本来はもっとクレイジーでパワフルな神を降ろすことができます。 この半荘のどこかでそのレベルの高い神が降りてくれば、彼女はそこで試合を決定させる一撃を炸裂させることになるかもしれませんよ」

裕子「なるほど… では瑞原プロは稲村選手を推してらっしゃいますが、稲村選手がこのメンツでトップになるには、何が必要でしょうか?」

はやり(28)「う~ん… やっぱ打点カナ? 杏果ちゃんは守りが堅いから、この卓でもそう簡単には振り込まないと思う。 だから、和了った時の打点がどれだけ高いか・・・が、杏果ちゃんの勝利を決めることになると思うなっ!☆」ハヤヤ


【東一局 親:杏果】


 「「「「 よろしくお願いします!!!! 」」」」


 チャッ、ピシッ、タンッ!  チャッ、パシッ、トンッ・・・


 裕子『さあ、遂に始まりました! 見所盛りだくさんの準決勝最終戦玄武の間…!』

 裕子『宮永選手が“見”に回っている東一局… まずは誰が仕掛けることになるのでしょうか?』


杏果(起家… 無理はしないけど、安手でいいから出来れば和了っておきたい…)チャッ

照(いつも通り様子見…)パシッ

健夜(このメンツ… 下家と上家の子は、本気でヤッても壊れなさそう…)タンッ

小蒔(新旧チャンピオンと同卓できるなんて、光栄なことですね…)チャッ…

小蒔(霞ちゃんは負けてしまったようですし… とにかく全力以上で、最初からあたらせてもらいますよ!!)パアアアアアアアァァ・・・!!


 ズモモモモモモモモモモモモモモモオオオオオオオォォォ・・・!!


照「ん?!」
健夜「……」ピクッ
杏果(ひゃ… やっぱりヘンなの出てきた!)


開局直後、小蒔の背後に現れたるは… 弥生時代の衣装に身を包み、剣、鏡、勾玉の三種の神器を携えた卑弥呼を彷彿とさせるような女神…! 

―――――

 初美「あ… 姫様、早速降ろしましたよー!」

 巴「うん。 あれは… 一回戦でも降ろした鍛治と鋳物の守護神・イシコリドメだね…!」

 巴「八咫鏡(やたのかがみ)を使って卓上の状況を把握し、勾玉のパワーで有効牌を呼び込んで、草薙の剣で他家にトドメを刺す…!」

 霞「あらあら… 小蒔ちゃん、ヤル気満々ね…! 早速誰かを真っ二つにするつもりなのかしら?」ウフフ…

 春「… 今度こそぶっ殺せ!」ポリポリ

―――――

小蒔(さあ、ではまずはターゲットを決めるとしますか…)

小蒔(まだ点差は平らですが… ここは、〇〇さんを狙ってみましょうか?)


※姫様、誰を狙う?
1、杏果
2、照
3、健夜
4、コンマ

早く2票を獲得した番号で

4、コンマ

※姫様、誰を狙う?
>>401コンマ以下
01~33→杏果
34~66→照
67~99→健夜
00→やり直し、下のコンマ

58照

小蒔(ここは… やはり現チャンピオンの宮永さんを狙ってみましょう!)クフフ…

小蒔(宮永さん、申し訳ありませんが、手牌をのぞかせてもらいますね…!)ピカアアアァァ―――…!


小蒔、まず八咫鏡を発動…! 青銅鏡の碧い光が対面の照の手牌を照らし出す!


小蒔(どれどれ、では失礼して・・・ ん? これは・・・?)


照手牌:①6九5一西⑦2二9北④六


小蒔(・・・は? なんですかコレは・・・? 完全にバラバラ… しかも理牌すらしていない??)


小蒔(…そういえば、宮永さんは東一局は必ず“見”をして様子を見るんでしたね… つまりこの局は和了る気は全く無い…!)

小蒔(ということは、完全なオリ打ちですか… 困りましたね… これはどうやって狙い討ったらいいんでしょ・・・ん?)チラッ


照捨て牌:4五⑤③


小蒔(中張牌の連打… つまり、当たりやすい牌を先に処理している…?)

小蒔(ならば… 中盤以降に安牌として字牌を切り出す可能性が高いはずです… よし、それなら・・・!)キイイイィィ―――ン・・・!!


鏡に続いて、小蒔の胸元に翡翠の勾玉が現れる…! 


小蒔(さあ… 勾玉の幸運の力で有効牌を引き寄せて、宮永さんがハマる落とし穴を掘ってみましょう…!)ウフフ…


9巡目…!

小蒔「…」チャッ!

小蒔(! よし、間に合いました…! これで宮永さんが北か西のどちらを出しても討ち取ることができます!)


小蒔手牌:???四五六七八九西西北北


 裕子『神代選手、先制テンパイです! 西と北のシャボ待ちに受けましたね…』

 良子『これは… 宮永選手に狙いを定めているみたいですね…』

 はやり(28)『照ちゃんは東一局和了らないからね! ここはチャンスだYO!!☆』


小蒔(さあ… そろそろ出すでしょう? 宮永さん…?)

照「………」

ーーーーーー
ーーーー
ーー

 照「……」テクテクモグモグ

 ?「おい、そこの菓子を食いながら歩いている女、ちょっと待て!」

 照「え、私?」ピタッ

 ?「ぐふふふふふ……!w」ヌウウ…


クッキーを頬張りながら下校していた照… 電柱から突然姿を現したのは、麻の衣装を着込んだ古代人のような妖しげな女だった…


イシコリドメ「貴様に恨みはないが… コンマ神の裁きの元に、その命、貰い受ける!!」クワッ!

照「は?」


照「え? ダレ? コンマ神…??」

イシコリドメ「コンマ神はこの世界の最高神…! 何人もこの神に逆らうことは出来ないのだっ!!」ヌラリ…ッ!!

照「!?」ギョッ


腰の鞘から、重そうな青銅の剣を抜いたイシコリドメは、照を真っ二つにせんとばかりに上段袈裟切りに構える・・・!


照「えっ、ちょ、ちょちょちょ・・・ なんですか? 人違いじゃ・・・」

イシコリドメ「問答無用!!」ブワアァッ!!

照「ひゃああああぁっ?!?!」=3


※照、いきなり真っ二つ…?
>>407コンマ以下(和了者)
01~40→小蒔(「三種の神器」発動。 和了れば照から出和了り。 照は本来はステージ系能力で振り込むことはないが、それは照魔鏡によって得られるアドバンテージ。 東一局ではまだ照魔鏡を発動していないので、ここでは振り込む)
41~60→杏果
61~80→照(東一局では和了らないので、小蒔のテンパイ流局)
81~00→健夜

打点
>>408>>409コンマ以下(打点表>>10

10小蒔 14+62=76(三翻ツモだが、ここでは照からの三翻ロン)


 バッサアアアアァッ!!


照「ぐっ! はぁ・・・っ?!」バタリ・・・

イシコリドメ「クク…w 今宵もこの草薙の宝剣は良く斬れる…!w」グフォフォ…


憐れ照…! 突然の辻斬りに遭い、コークスクリューブローを出す間もなく、バッタリと地にひれ伏す・・・

と、その直後、



小蒔「ロン!!」

照「へ?」

小蒔「ホンイツのみ、三翻3900です!」ニコッ

照「……」


小蒔手牌:二二二四五六七八九西西北北 ロン「西」


 裕子『決まりました! 開局一発目は神代小蒔選手のホンイツ! なんとチャンピオン宮永照選手からの出和了りです!』

 良子『宮永選手は東一局はいつもベタオリですが… 中盤まで残していた安牌の字牌を狙い撃たれてしまいましたね…』

 はやり(28)『うまくやったね、神代さん!☆ 実はけっこーズル賢いんじゃない?』キャハハ


玄武東一局

東 杏果 30000   
南 照  30000→26100  
西 健夜 30000 
北 小蒔 30000→33900


本日ここまでですのだ
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

試合始まってからで申し訳ないが1つ質問
今回はトビ終了無しだけど、すこやんの「ファイナルオールクラッシャー」は最下位が既にマイナスのときはどうなるの?

>>418
質問あざす
どうしようか?w
そんな状況考慮しとらんよ…


<特>→「ファイナルオールクラッシャー」
    自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。 最下位への直撃で一発でマイナス(0点以下)にする。


既にマイナスになってんのに更に追い討ちかけるなんてすこやん鬼過ぎる…w でもそんだけ悪魔的なのがすこやんかな。

1、「自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。 その最下位に満貫を直撃する。」に変える。

2、「自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。 最下位への直撃で一発でマイナス(0点以下)にする。 ただし既にマイナスになってる場合は発動されない」に変える。

3、その他(提案併記)

※3票を獲得した番号で行きたいと思います。3の提案があって、それに一つでも賛同レスがあればそれに決定。

レスあざす
すこやんの「ファイナルオールクラッシャー」は、以下に変更します↓

「自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。 その最下位に“満貫”を直撃する」

自分も気になったことがひとつ
すこやんの「魔王の呪い」って満貫以上の直撃を受けたら、振り込んだ打点より1ランク高い打点でロン和了し返すのって
親の役満の直撃とかで上の打点が無いときとかどうなるの?

乙あざす
進めてくにょ

>>425
すこやんのことだから多分ダブルやトリプル役満をブチ当てるのでは…?
この大会では点は一緒だけど


 
 裕子『準決勝第四卓玄武の間、魔物たちの狂宴開幕…! まずはオカルトの頂点・神代小蒔選手のメンホンが炸裂です!!』

 裕子『東一局は徹底して“見”に回っている宮永選手から見事に出和了りを取ってみせました!』

 良子『一回戦でも使っていたゴッドを早速降ろしてきましたね。 打点はそれほどではありませんが、この先制の一発はのちのち効いてくるかもしれませんよ』


照(う、ううぅ… 怖かった…! 本当に刀で斬られたのかと思ったよ…)ハアハア…

照(神代さん… 私が照魔鏡を出す前の、見に回ってるところをわざわざ狙って撃ち取りにきたんだ…)

照(確かに東一局は私はほぼ100%和了らないから、他家にとっては怖くないんだろうけど… でも、あんまり振り込むことはないんだけどなぁ…?)

照(神代さん何か能力使ってたのかな? 変な幻覚見えたし、絶対ヒラじゃないよね…?)

照(…ま、まあ、とりあえず照魔鏡で皆サンの健康チェックを…)ゴゴゴゴゴオオォォ・・・!


 ブワアアアアアアアアァァァ・・・・!!


小蒔「…ん?」
杏果「…え?!」
健夜「……」


照の目が紫色に光ると同時に… 他家3人の背後に、円形の巨大な鏡が浮き上がる・・・!


照「……」ジイイィ――・・・

照(…ん? こ、これは?!)


杏果「!?」クルッ

杏果(…? なんだろう、今… 後ろに何かあったような…? 気のせい?)キョロキョロ

小蒔(ふふ…w これがチャンピオンの照魔鏡ですね。 自分の内面を見られるのはちょっと恥ずかしいですね…///)フフフ

健夜「……」フン


照(これは・・・)

照(まず上家の稲村さんは… 打ち方の特徴としては手が縦に伸びやすい… つまり同じ牌を重ねてトイトイや三暗刻、七対子なんかで和了ることが多い…)

照(その分、手が読みにくくて、守りが堅い。 さらに、気持ち次第でテンパイ速度が上がる・・・か。 ちょっと厄介そうだな…)

照(そして対面の神代さんは、神を降ろして自分に憑依させることが出来るということ… さっきもやっぱり神様の力を使ってたんだ。 でも一回降ろした神様はもう使えないみたいだから、あの怖いのはもう降ろせないはずだけど…)

照(だけど、まだ四柱の、見せてない神様を降ろす準備がある… この神様たちはいずれもさっきの神様よりもレベルが上…!)

照(降ろすタイミングは神代さん自身も分からず、いつ、誰が、何柱降りてくるかは完全な神頼み…)

照(もし降りてきちゃったら、ほとんど対抗手段はない。 …どうかもう、誰も降りてきませんように…!)ナムナム

照(そしてついでに神代さんのスリーサイズは・・・ むおおぁっ?!)=3

照(・・・う、上から、98! 54・・・82?! マジで…? ウエストとヒップは私と大差ないのに、バストだけ26センチも多いよ!)

照(大きいとは思ってたけどこれほどとは…! 桜島級のオッパイ… 神代さん、あんた、巫女服の下にそんな… そんなにけしからんカラダを・・・!)ハアハアハア…

健夜「・・・あの、配牌早く取ってくれる…? 私の分が取れないんだけど…」

照「あ、す、すみません」カチャッ


照(ふー… 落ち着け落ち着け私! 余計な情報に惑わされてたら、また東場で大量失点しちゃうよ…)カチャッ、カチャッ

照(でも… 一番よく分かんないのが、やっぱり小鍛治さんだな… この人の力は・・・“未来を創りだす力”??)

照(未来を創るってどういうこと…? 園城寺さんみたいな未来予知とは違うのかな?)

照(もし本当に自分の都合の良い未来を創ることが出来るんなら… つまり自分のツモすら自在に有効牌に変えられる…?)

照(そんな事ができたら完全に無敵じゃん! ただ… その力を、小鍛治さん自身もうまく扱えてるわけじゃないみたいだけど…)チャッ

照(何か… 能力に“取り憑かれてる”? それに一部分、黒い靄がかかってて、よく見えないところがあるんだよね…)パシッ

照(っと… テンパイできた。 さあ! じゃあ親だし、ここで取り返していこうかな!)タンッ


照、先制テンパイ… そしてその2巡後、和了の声が静かに上がる…!


照「ロンorツモ」パタッ


※照の「連続和了」発動
>>431コンマ以下(打点は1翻限定。ツモかロンか、振り込み者等を決める)

35ロン(3の倍数+2で上家杏果振り込み)

※「前髪パッツンプロテクション」を使いますか?(一試合で一度だけ振り込みを相手のツモ和了りに変えられる)
1、使う
2、今は使わない

先に3票を獲得した方で

2、今は使わない


照「ロン」パタッ

杏果「!」ビクッ

照「ピンフのみ、1500…」パララァ…


杏果(! よ、4巡目…? 一翻和了り… 一回戦で見せたアレが始まったみたいだね…)

小蒔(なるほど、始まったんですね… 噂の宮永さんの連続和了が…! 楽しみです!!)ワクワク

健夜「……」


 裕子『稲村選手振り込み! 一翻の安手ですが… 彼女はこの大会初めての振り込みです!』

 裕子『現インハイチャンピオン宮永選手が親の連荘モードに入ったようですね… さあ、今回はどこまで和了りを重ねることになるのか…? そして止めるのは誰になるのでしょうか?』


玄武東二局

   
東 照  26100→27600  
南 健夜 30000 
西 小蒔 33900

北 杏果 30000→28500


【東二局一本場 親:照】


2巡目

杏果「チー!」パシィンッ→「567」

小蒔「!」


 裕子『おや、稲村選手がチー…? しかし、瑞原プロ、この鳴きは…?』

 はやり(28)『うん、手が進まないわけではないけど… 普段の杏果ちゃんなら有り得ない鳴きだね!☆』ハヤヤ

 はやり(28)『557ってあるところから、わざわざ六索を拾い上げたから… いつもの杏果ちゃんなら、五索が重なるのをじっくり待つはずなんだけど☆』

 良子『自分の打ち筋を曲げての早鳴き… 宮永選手の親の連荘をとにかくストップしようというタクティクスのようですね』


杏果(…宮永さんが親の時は、とにかく連荘を止めるのが最優先。 打点は二の次…!)

杏果(一回戦の時は、荒川さんは宮永さんの下家を鳴かせてツモを削ったり、他家と有効牌を鳴き合って手を進めたりしていた… 私も同じようなことができればいいんだけど…)

杏果(神代さんを鳴かせれば、私自身のツモを増やすことができる。 とりあえず… ここらへんなら、どうだろう…?)スッ…→「七」


杏果、小蒔が鳴くのを期待しての、七萬出し…

ところが、


小蒔「……」


小蒔、ちらっと七萬に視線を送るものの、動かず…!


杏果(・・・あれ、巫女さん鳴けない? 私の読み違いかな…? いや・・・)

杏果(もしかして、共闘しようっていう気持ちがない…?)


小蒔「………」


 裕子『神代選手… 七萬の対子があるので、今の牌は鳴こうと思えば鳴けたんですが… ピクリともしませんでしたね…?』

 はやり(28)『そうだねぇ… 多分杏果ちゃん今のは、一回戦で荒川さんと辻垣内さんがやってたように、お互いに有効牌を融通し合うのが目的だったんだろうけど…』 

 はやり(28)『フラれちゃったみたいだね!☆ 神代さんには神代さんなりの考えがあるのカナ?☆』


杏果(んー… それなら自力で… とにかく宮永さんより先に和了るしかない!)

杏果「ポン!」パシィンッ!


 裕子『稲村選手連続副露! 強引に鳴いて手を進めていきます…! 果たして宮永選手の親を蹴ることができるでしょうか?』


照「……」


そして6巡目…!

?「ロンorツモor〇×!!」


>>440コンマ以下(和了者)
01~90→照(2翻限定)
91~93→健夜
94~96→小蒔
97~00→杏果

打点
>>441>>442コンマ以下(打点表>>10

41照 73+64=137(二翻ロン、3の倍数+2で上家杏果振り込み)

※「前髪パッツンプロテクション」を使いますか?
1、使う
2、今は使わない

先に3票を獲得した方で

2、今は使わない


照「ロン、白ドラ1、2900の一本付けは3200…」パララァ・・・

杏果(う…? 間に合わなかった…!)ギリッ


 裕子『宮永選手、まずは二連続! 徐々に打点が上がっていくあの恐るべき倍々ゲームが始まってしまいました…!』

 裕子『稲村選手は残念…! タンヤオの三面チャンテンパイまで行っていましたが、一歩届かずでしたね…』

 良子『強引に手を進めようとしたのが裏目に出てしまいましたね…』

―――――

 閑無「!? きょ、杏果が二連続振り込み?」

 悠彗「珍しいね… てか、二連続とか初めて見るかも…」

 はやり(18)「今はまだ安手だからいいけど、これ以上は危ないよ…?」


 裕子『稲村選手、一人で果敢に攻めていったのですが、さすがに宮永選手のスピードには追いつけませんでした…』

 良子『ええ… しかし、恐るべきは稲村選手より神代選手と小鍛治選手ですね』

 裕子『え?』

 はやり(28)『ゆーこちゃん見てごらんよ!☆ 神代さんとすこやんの手牌を…!』

 裕子『えっと… これは…?』


小蒔手牌:二三四五六七七七西西東東東

健夜手牌:12356789中中中北北


 裕子『こ、これは… 神代選手の方が役牌ホンイツ… 小鍛治選手の方は役牌ホンイツの高めイッツーをテンパイ?!』

 裕子『これは失礼しました… 神代選手は、2巡目の時、稲村選手が出した七萬をポンしていれば和了っていたのでは…?』

 良子『いや、それはないですね』

 裕子『戒能プロ?』

 良子『神代選手が鳴けば、その下家の稲村選手のツモが増えます。 ですから、あの七萬を鳴いていれば、逆に稲村選手が喰いタンを和了っていたでしょう…』

 裕子『… しかし、それもこの状況ならアリなんではないでしょうか? とにかく3人のうちの誰かが和了れば、宮永選手の親と連荘を止めることができるんですから…』

 良子『確かにノーマルの雀士なら、チャンピオン宮永照の連荘を止めることをファーストに考えるでしょう… しかし、この二人は、まったく別のことを考えているんだと思います』

 良子『神代選手と小鍛治選手は、宮永選手の連続和了を“脅威と感じていない”のです、メイビー』


 裕子『脅威と感じていない・・・? つまり、宮永選手のあの連続和了が怖くないというんですか?』

 良子『他の… 普通の雀士は皆、宮永選手を“自分より格上”だと考えています。 だからこそ、あの連続和了が始まってしまったら、他家と共闘でもなんでもして、とにかくストップを掛けようとする… しかし…』

 良子『神代、小鍛治の二人は、チャンピオン宮永照のパワーを知っている上で、“自分と同等、あるいは自分の方が格上”なんだと思ってるんでしょう』

 良子『つまり、“自力であの連続和了を止められる”と思っているんです。 一翻の安和了りから始まる連続和了なんか、テリブルに値しないということですね』

 裕子『・・・な、なるほど…? つまり… 多少連荘されても、それくらい一発で引っくり返す自信がある… ということですね?』

 良子『はい… むしろ連荘で局数が増えれば、自分の和了チャンスも増える… ザッツワイ、宮永選手の連続和了を安手で流そうなどということは考えに無いんでしょう…』

 裕子『は、はあ… しかし、宮永選手の連続和了はここからが恐ろしいところです…! 早めに止めないと大変なことになるはずですが、果たして、神代選手、小鍛治選手のいずれかが止めることになるのでしょうか…?』


玄武東二局一本場

   
東 照  27600→30800  
南 健夜 30000 
西 小蒔 33900

北 杏果 28500→25300


【東二局二本場 親:照】


健夜「……」カチャカチャ

小蒔「~♪」カチャカチャ…


照(・・・なんか、いつもと違うな… 普段なら、私の親番はとにかく流そうって、他家が無理をしてくるはずなんだけど…)

照(稲村さんはともかく、神代さんと小鍛治さんは全然動かない。 なんか・・・私、ナメられてる?)

照(まあいいけど… でも、そう簡単にこの親をやめるつもりはないよ!)チャッ!

照「リーチ!」ドォッ!→「發」


 裕子『で、出ました! 宮永選手のダブルリーチ! これは… さすがの神代・小鍛治両選手も、なんとかしなくてはと焦ってくるのではないでしょうか…?』


杏果(お、親のダブリー…?! 天和寸前だったってこと??)

杏果(もー… メチャクチャ過ぎるよこの麻雀…! 一体どうな・・・へぁ?!)


健夜「…」トンッ→「五」

小蒔「……♪」タンッ→「⑥」


おののく杏果を尻目に、全く動揺することなく平然と危険牌ど真ん中を手出しで捨てる健夜と小蒔…!


杏果(・・・??? こ、この人たち、親リーが怖くないの…? も、もしかして、私がおかしいのかな…?)


杏果(うう… 河に出たのは發、五萬、六索… 安牌無し…)

杏果(こんなの分かるわけないんだから、普通にいくしかない。 当たったら事故だよこれ…)チャッ、スウゥ…


杏果、手牌で浮いている南をそっと場に出す…

と、


?「ロンorツモor〇×!」


>>453コンマ以下(和了者)
01~80→照(3翻限定)
81~87→健夜
88~94→小蒔
95~00→杏果

打点
>>454>>455コンマ以下(打点表>>10

>>451一部訂正
杏果(うう… 河に出たのは發、五萬、六索… 安牌無し…)
杏果(うう… 河に出たのは發、五萬、六筒… 安牌無し…)

89小蒔 39+56=95 三翻ロン(3の倍数+2で上家健夜から出和了り)


小蒔「ポン!」パシィッ→「南南南」

杏果「ひゃっ」


杏果の出した南を、上家の小蒔が元気の良い発声で拾い上げる…!


杏果(お、オタ風ポン? なんだろ、またホンイツ…?)


さらに、


小蒔「チー」→「二三四」

小蒔「チー!」→「234」


小蒔、アッという間に連続三副露!


小蒔手牌:???? 鳴き「南南南」「二三四」「234」


照(ちょ、ちょっと! あんまりかき回さないでよ… 私の当たり牌がどっか行っちゃったよ…!)

杏果(・・・なにこれ? 三色?)

健夜(三色…)チャッ


6巡目… 健夜が掴んだのは自身にはオタ風の西…!


健夜(場に一枚切れの西…)

健夜(下家の巫女さんは、234の三色か役牌暗刻の単騎待ち…)

健夜(ドラは私が持ってるし、仮にこれで当たっても一翻…)トンッ→「西」


健夜、西をツモ切り… そして、その途端左手の小蒔が嬉しそうな声を上げる。


小蒔「ロンです♪」

健夜「……」


振っちゃったか。 まあ安いし、親も流れるし別にいいや…


そんな思考が健夜の頭を巡る。 しかし、小蒔が倒した残りの4牌は、健夜が、いや、他家3人が全く想像していなかった牌姿だった…


小蒔手牌:⑤⑤西西 ロン「西」 鳴き「南南南」「二三四」「234」 赤[⑤(2つ)]


健夜「・・・え?」

小蒔「西・赤2、三翻の二本場は4500です!」ニコッ


杏果(!? 自風の後付け? しかも地獄待ち…??)


 裕子『神代選手6巡目で和了! なんと… 今度は小鍛治選手からの出和了りです!』 

 はやり(28)『でもめちゃくちゃな手順の和了りだったねぇ… いきなりオタ風をポンした時は何をやらかすんかと思ったYO!☆』

 良子『かなり強引な和了りですが… 本人はどこ吹く風、といったかんじですね…』

 裕子『戒能プロの言った通りになってしまいましたね… 宮永選手、わずか二回で連続和了ストップ! 六女仙の姫が絶好調です!』


小蒔「~~♪」

照(うぅ、リー棒まで取られた…)シオシオシオ…

杏果(考えられない… 配牌で⑤⑥ってあって、そこから第一打で六筒を出したのかな…? まるで未来が見えてるみたいだよ…)

健夜(…凄いな。 この巫女さんなら、少しは楽しめそう…)

健夜(次は親だし… 私もそろそろ“使って”いこうかな…!)ゴゴゴゴゴオオォ・・・!


玄武東二局二本場

   
東 照  30800→29800  
南 健夜 30000→25500 
西 小蒔 33900→39400

北 杏果 25300


【東三局 親:健夜】


 裕子『さあ、場は東三局へ…! まだそれほど大きい点数の移動はありませんが、稲村選手とグランドマスター小鍛治選手がやや凹まされています… 挽回なるでしょ・・・うぉっ?!』


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・!!


照「え?」
小蒔(…あら?)
杏果「!」


東三局開始と同時に、おののく裕子と他家3人…


健夜「………」ズモモモモモモモオオオオオォ・・・!!


そう… 健夜の体から、一回戦でも見せたあの黒いオーラが放出され… 周囲の空間がぐにゃりと歪み始めていたのだ…


杏果(これ… これだ…! 閑無がやられた時の…!)グゥッ

照(何これ…? なんか、空気が重苦しい…?)

小蒔(禍々しい… この方の中には、一体、何があるんでしょうか…?)


 チャッ、 ピシッ、 タンッ…  チャッ… パシッ、トンッ・・・・


照(手が、進まない… それに、なんか、体が物理的に重い…! ちょっと、天江さんの一向聴地獄に似てるけど…)

照(あれとはまた異質… 何か、不吉な事が起きるような、嫌なかんじがする…)チャッ

小蒔(何か霊的なモノが取り憑いているようですね… しかし、この尋常じゃない力は…?)チャッ

杏果(う… 頭が痛い…! くそ、集中しなきゃ…!)チャッ…


異様な空気が充満する卓上… そんな中、杏果、なんとか手を進めようと汗ばむ手で牌をツモるが…


健夜「 リーチ 」ドォッ!!

杏果「うっ?!」


他家の希望を打ち毀し絶望に染めるかのようなリーチ棒が場に出される…!


 裕子『小鍛治選手の親リー…! まだ5巡目です!』

 良子『染め手の超多面チャン… これは、和了るのは時間のプロブレムですね…』

 裕子『小鍛治選手以外はまだ軒並み三シャンテンくらいでしょうか…? これはさすがに、降りた方が良いかもしれませんね…』


健夜「………」ズモモモモモモモモオオオォ・・・!!


照「っくぅ…?」
杏果「う、うぅ…」
小蒔「……」


圧倒的支配力で卓上に圧力をかける健夜…

しかし!


〇〇「ポン!」


健夜「!?」


健夜の支配に楔を打ち込む一声…!


 裕子『おっとこれは…! 〇〇選手が鳴いて果敢に前に出てきました!!』

 良子『勇気ある攻めですね…! しかし、強引に前に出れば振り込むリスクも高まりますが…?』

 はやり(28)「がんばれ〇〇!!☆」ハヤッ!


※〇〇は誰?
>>465コンマ以下
01~33→小蒔
34~66→杏果
67~99→照
00→やり直し、下のコンマ

28小蒔

 はやり(28)『がんばれ神代さん!!☆』ハヤッ!


小蒔「チー!」パシィッ!

健夜「…!」


 裕子『神代選手さらに鳴き…! 一向聴まで手を進めてきました!』

 裕子『残りの二人はどうやら降りたようです。 この局は小鍛治選手と神代選手の一対一の対決になってきました…!』

 裕子『神代選手果たして追いつけるか? それとも、やはり先行している小鍛治選手がそのまま和了るのでしょうか?』


小蒔(独走はさせませんよ…!)ジリ…!

健夜(楽しませてくれる巫女さんだね… でも、私と正面からヤリ合うのは、無謀だよっ!)カッ!


?「ロンorツモ!!」


 裕子「なっ?! これは・・・!」


※コンマバトル!(健夜の「ゴッドハンドリーチ」発動。小蒔と健夜のタイマン。ロン和了りの場合は相手に振り込むことになるが、健夜は振り込まずに流局となる)
小蒔→>>468
健夜→>>469+50

打点
>>470>>471コンマ以下(打点表>>10

うぃ

小蒔68 健夜28+50=78 05+98=103(健夜の満貫ロン、「ゴッドハンドリーチ」の能力により裏ドラが二つ乗り、ハネ満に繰り上がり。 振り込み者は相手の小蒔)


健夜「ロン!!」ドォッ!!

小蒔「う゛っ?!」


 パラララララララァ・・・!!


左から、右へ・・・ 小気味よい音を立てて、健夜の牌姿が現れた時… 振り込んだ小蒔だけでなく、杏果と照までもが目を丸くした。


健夜手牌:2223456777北北北 ロン「4」


小蒔(!? っず・・・! 1・2・3・4・5・6・7・8索待ちの・・・八面チャン!??)

小蒔(そんな…? 九索以外、索子は全て当たりなんて…? そんな、まさか・・・??)ガク…


さらに… 健夜が弾いた裏ドラ表示牌が、小蒔を真っ青にした。


 三索


小蒔(さ、三索…!? では、私が振り込んだ、四索が裏ドラ・・・?)ガクガク・・・


健夜「・・・リーチ・ホンイツ・裏ドラ2・・・・」ズモモモモモモモモオオオオォォ・・・!!

健夜「オヤッパネ18000!!」クワッ!!

小蒔「ぐぅ・・・!」


魔王降臨・・・! 

霧島神境の姫・神代小蒔を奈落の底に叩き落とす!!


健夜「一本場です…」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオォ・・・!!


玄武東三局

     
東 健夜 25500→43500 
南 小蒔 39400→21400

西 杏果 25300
北 照  29800

※一本場、誰の能力が発動されるか?
>>475コンマ以下
01~25→健夜
26~50→杏果
51~75→照(連続和了は親の時にしか発動しないので、選ばれればノーマルステージ)
76~00→小蒔(「イシコリドメ」は一度しか降ろせないので選ばれればノーマルステージ)

61照(ノーマルステージ)

今日はここまでなんじゃー
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙あざす
進めてくにょ

一つ相談したいことが。

健夜と小蒔の特殊能力が「同時に発動された場合」にどうするかについてです。

ルールでは、二つ以上の能力が発動した場合は基本的にランキング上位者の能力が優先されることになってるので、

1、健夜の能力だけを発動し、小蒔の能力は発動されない

2、まず健夜の能力を発動し、その次の局で小蒔の能力も発動する

のどちらか。

先に3票を獲得した方で決めます。

以前戦った時だと「健夜の特殊能力は
小蒔にだって止められない」て設定に
なってたような……安価下

>>487
それ良子と闘った時の、神の力を使ってもテスカトリポカを破って手牌をのぞくことはできないってやつじゃないかな?

レスあざす。

「1、健夜の能力だけを発動し、小蒔の能力は発動されない」に決定で。


もう一つ、変更した方が良さそうなことが…

杏果のステージ系能力を発動する局についてです。

今のところ各自のステージ系能力の発動局は、「小蒔(東1)→照(東2)→健夜(東3)→照(南2)→杏果(南3)」の順になっています。

しかしこれでは、終盤で健夜や小蒔の特殊能力がもし連続で発現した場合、「杏果の能力が一度も発現せずに試合が終わる」という事態が起こりかねません。

ズレて南四局でステージ系能力が発動してしまうというのも望ましくない。

なので、ステージ系能力は早目に、杏果は南一局で発動してもらおうと思います。「小蒔(東1)→照(東2)→健夜(東3)→杏果(南1)→照(南2)」の順ですね。
 
「北→西→南→東」の順で、照が特殊なだけなので、杏果は南一でも南三でもどっちでも良かったんだけど、南三の方がバランスがいいかなと思ってそっちに決めちゃってた>>1のミスです。

このまま変更して進めていくので、もし何か意見あったらレスお願いします。


また、東三局一本場、最初のノーマルステージなので、杏果を主役とします。

主役は「杏果(東4)→照(南1)→健夜・小蒔(南4)」の予定になってましたが、現時点では「杏果(東3局一本場)→照(東4)→健夜(南3)→小蒔(南4)」に変更ということになります。

このメンツはどこで特殊能力が発動されて局が消費されることになるか分からないので、早目に各自の主役も回していきます。


【東三局一本場 親:健夜】


健夜「一本場です…!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオォ・・・!!

小蒔「うぅ…!」


 裕子『出ましたっ! グランドマスター小鍛治健夜選手のオヤッパネ一閃! 神代選手への直撃で一気にトップに躍り出ました!』

 はやり(28)『今のは凄かったねぇ… ホンイツ八面チャン!☆』

 良子『はい… 国士十三面待ちと純正九蓮宝燈九面待ちを除けば、最高の多面チャンですから… 神代選手も、あれだけメニ―な待ちに気づいていれば降りたのかもしれませんが…』

 良子『強引に攻めて突っ張ったのが、今回は裏目に出てしまいましたね』

 裕子『神代選手もチンイツのテンパイまで進んでいましたが、残念ながら和了なりませんでした』

 良子『ここまで比較的穏やかな点棒のやり取りが続いてましたが、これをきっかけに大きく荒れていくかもしれませんよ…』


~会場・観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  ヤットデカイノキマリヨッタナ! ヤッパスコヤンキタカー  ジンダイサンガンバッテタノニモー! ワイワイガヤガヤガヤ・・・・


閑無「ふぅ… 杏果は今のは降りといて正解だったな」

悠彗「でも、これでトップとの差が2万近く… まだ小鍛治さんの親だし、ちょーっと雲行きが怪しくなってきたね…」

閑無「なーにまだまだこれからだろ! 杏果ならどこかでデカいのを一発決めて…」

?「そうだね、杏果ちゃんならどこかで逆転してくれるはずだよね!」ヌッ

閑無「うぉっ?!」


閑無「慕!」

慕「ただいま♪ 杏果ちゃん頑張ってるね!」

真深「おっと… 奇跡の逆転娘のお帰りか」

はやり(18)「おかえり慕ちゃん! 決勝進出おめでとう!☆」ハヤヤッ

慕「うん、ありがとう。 ギリギリだったけどね…」ハハハ…

曖奈「終盤での連荘で大逆転…! 本当に、いいモノ見せてもらったわ♪」


スクリーン『裕子「さあ… 朝酌女子の稲村選手だけは現在のところまだヤキトリ…! やはりそう簡単に魔物たちの牙城を崩すことはできないのでしょうか?」』


観客たちが見上げるスクリーンに、裕子の実況と共に、杏果の額に汗を浮かべた苦しそうな表情が映る…


慕「……」

慕(杏果ちゃん… いつも周りのことを考えて、自分自身は目立たないようにして友達を“立てる”ことを第一に考える、優しい杏果ちゃん…)

慕(そんないつも控えめな杏果ちゃんだけど、一度本気になれば、誰よりも強くしたたかな力を発揮する…)

慕(それが私たちの部長、稲村杏果…! この大舞台で・・・みんなに見せてあげてよ!本当の杏果ちゃんの力を・・・!!)グッ


~玄武の間~


杏果「……」カチャカチャカチャ・・・チャッ!


配牌を取り、なめらかな手つきで理牌を終えた杏果は、ふうと一つ息を吐いた…


杏果配牌:[五]七⑤⑤11[5]79南南東北 ドラ「④」 []=赤 (>>477>>483>>412>>418のコンマで>>60のコンマ牌表を基に配牌)


杏果(…悪くない。 赤ドラが二つあるし、対子が三つ、カンチャンターツが二つ… 七対子で3向聴、一般手でも3向聴…)

杏果(いつも通り同種牌が重なってくれれば七対子や三暗刻を狙っていけるし… オタ風だけど南が出たら鳴いて、ホンイツに見せかけながらトイトイを狙うのも面白いかもしれない…)

杏果(出来れば赤を生かして、出来るだけ高い打点に仕上げたいとこだけど… さて、どうしようかな…?)

杏果(…まず、3巡くらい待ってみよう。 どんな手を目指すかは、その3つのツモ次第で決めようかな!)チャッ!


※3巡目まで手を進めます。

捨てる牌と引きたい牌を一つずつ書き込んで下さい。 書き方は例えば「北→1」のように、左に「捨てる牌」、右に「ツモりたい牌」を書いて下さい。

三つ書き込まれた時点で杏果の3巡目の手牌が決定されます。

ルールは、「ドラである四筒と赤ドラ」のみは引くことができません。 また、一度ツモった牌を捨てることもできません。 それ以外は自由に捨て牌を選び、欲しい牌を引くことが出来ます。

ゆっくりで構わないので、牌が他の人とダブらないようにお気をつけを。 手牌に一つしかない牌がダブって捨てられた場合は二つ目のレスが無効となります。

北→6
東→六
9→1

3巡目杏果手牌:[五]六七⑤⑤111[5]67南南 []=赤


杏果「…」チャッ

杏果(…ん、カンチャンズッポシ…)チャッ

杏果(わ、またカンチャンが埋まった…)チャッ

杏果(! 一索暗刻…! すごい、三巡でテンパイしちゃった)


 裕子『おや、この局は… 稲村選手が早い! 3巡でテンパイ… 五筒と南のシャボ待ちです!』

 良子『共にまだ生牌… ここは即リーでもいいかもしれませんね』


杏果(ふむ・・・)


杏果(うーん… もうちょっと待ってみようかな?)


杏果、リーチは保留… そして、4巡目…!


杏果「…」チャッ

杏果(むむっ、六筒?)


杏果、対子になっている五筒にくっつく六筒を引く…!


4巡目杏果手牌:[五]六七⑤⑤111[5]67南南 ツモ「⑥」 []=赤


杏果(…絶好と言ってもいいツモ… 五筒を切って四-七筒待ちのテンパイで、七筒が来れば三色になる…!)

杏果(五筒と南のシャボ待ちでは、リーチをかけても役はリーチのみ、せっかく赤が二つあってもあまり旨味がない…)

杏果(ここでダマ三色の二翻は魅力…! 三色っていったら、慕ちゃんとはやりちゃんの十八番。 私が三色で和了るなんてレアだけど… たまには目指してみるのもいいかな…?)


杏果(・・・でも)

杏果(三色狙いでリーチかけたいのは山々だけど… 北、東、九索と捨てていきなり五筒切りリーチなんかしたら、まずこのメンツで裏スジの七筒が出るとは思えない)

杏果(出和了りを狙うなら南と五筒のシャボの方が出やすいはず…)

杏果(むむむ… どうしようかな?)


☆杏果どうする?(直近4レスのうち、「最もコンマ以下の数の大きいレス」が選んだ番号でイキマス。 ゆっくりどうぞ)

1、三色狙いの五筒切りリーチ(和了率そのまま。ハネ満or倍満。ツモ限定、出和了り不可)

2、六筒切りのシャボ待ちリーチ(和了率15%アップ。三翻or満貫。三翻でツモの場合はロンに切り替わる)

※基本和了率は健夜30%、照30%、小蒔20%、杏果20%

>>503の1、三色狙いの五筒切りリーチ


杏果(うーん・・・ よし!)チャッ

杏果(ツモ狙いでいい! 引いてみせる!!)カッ

杏果「リーチ!」ドォッ!!


 裕子『! 4巡目で六筒をツモった稲村選手… 待ちを変えてリャンメン待ちでリーチです!』

 良子『なるほど… この待ちではロン和了りはあまり期待できませんが、高め三色を選びましたか…』

 はやり(28)『杏果ちゃんファイトッ! ツモっちゃえっ!!☆』


だが!


健夜「リーチ」ドォッ!

杏果「へ?!」


杏果のリーチの直後… 対面の健夜も千点棒を場に出す!!


杏果(つ、ツモ切りリーチ…? 小鍛治さんテンパイしてたの…?)

杏果(まるで誰かがリーチをかけるのを待っていたかのような追っ掛け…!)


 裕子『親の小鍛治選手も即座に追っ掛けリーチ! 二人とも早い! 神代選手と宮永選手、さすがに一歩出遅れ… この局は稲村VS小鍛治の様相を呈してきました…!』


健夜「………」ゴゴゴゴゴオオォ・・・


杏果(っく…! 負けない! 次のツモでツモってやる!!)チャッ!

杏果(! これは・・・!)


>>508コンマ以下(和了者)
01~20→杏果
31~50→照
51~80→健夜
81~00→小蒔

打点
>>509>>510 コンマ以下(打点表>>10

杏果の打点表
02~100→ハネ満
101~200→倍満

はい

57健夜 38+31=69(三翻ロンだが、自分の主役でも能力ステージでもない場でリーチをかけているので1ランクアップ、満貫ロン。3の倍数なので下家小蒔振り込み)


杏果(! これは・・・!)

杏果(赤五筒?!)


なんと・・・! 杏果がリーチ直後に掴んだのは赤五筒! 南と五筒のシャボ待ちで受けていれば和了れていたのである…!


杏果(うぐ… 裏目った…! さっきシャボ待ちでリーチかけてれば、リーチ一発ツモ赤3で、ハネ満和了ってたのに…!)ギリ…!


健夜「……」ニタァ…

69は2翻じゃなかったっけ

>>512キャーッ!あざす!! もう少しで取り返しのつかないミスをするところでした

>>511一部訂正
×三翻ロンだが、自分の主役でも能力ステージでもない場でリーチをかけているので1ランクアップ、満貫ロン
〇二翻ロンだが、自分の主役でも能力ステージでもない場でリーチをかけているので1ランクアップ、三翻ロン


歯ぎしりする杏果の正面で、気弱な女子高生を装った魔神の口角が上がる…!

そして…


小蒔「……」チャッ

小蒔(ん…? 一向聴まで来ましたが… これは…)

小蒔(安牌がありません… 五筒切りリーチの稲村さんには、筒子は危ないし… そして…)チラッ


健夜捨て牌:65⑥東②


小蒔(六萬を切りたいところですが、小鍛治さんのリーチに萬子は切りづらい…)

小蒔(ここは… いったん、稲村さんの現物で小鍛治さんのスジの、この牌で…)タンッ→「9」


小蒔、手牌のシュンツを崩して、最も安全と思われる牌を切る…

しかし、


健夜「…ロン」

小蒔「え…」


 パララララララアアァ・・・


小蒔の前で… また、不可思議な牌姿が現れる…


健夜手牌:二三四③④⑤⑦⑧⑨白白白9 赤[⑤]


小蒔(?? 九索単騎ですか? 3巡目の六筒を残しておけば三面チャンなのに…?)


健夜「リーチ・白・赤1… 5800の一本場は6100…!」


杏果(な… なんでそんな単騎待ちで…? こんなの理不尽だよ…!)

小蒔(未来が見えてるとしか… いえ、私の心の中まで見透かしているとしか思えません…!)ガタガタ…

照「……」


健夜「二本場・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・!!


玄武東三局一本場

     
東 健夜 43500→50600 
南 小蒔 21400→15300

西 杏果 25300→24300
北 照  29800


【東三局二本場 親:健夜】


 裕子『小鍛治選手の連続和了…! 現インハイチャンピオンの連荘のあとに、旧インハイチャンプの連荘です! なんともゴージャスな試合ですね…!』

 良子『まるで、“これくらい私にも出来る”と言ってるみたいですね…』

 裕子『神代選手は不運にも二度目の振り込み… なんとか流れを変えたいところです』

 はやり(28)『杏果ちゃん残念…! でも次だよ次!☆』


杏果(ううぅ… なんだか、掌の上で踊らされてる気がする…)

小蒔(先ほどまでは調子が良かったのに… 和了れる気がしなくなってきました…)

照(支配力だけなら小鍛治さんの方が私より上なのかな…? とにかく親を流さないと…)


健夜「……」ズモモモモモオオォ・・・


※二本場、誰の能力が発動される?
>>518コンマ以下
01~25→健夜
26~50→杏果
51~75→照(連続和了は親の時にしか発動しないので、選ばれればノーマルステージ)
76~00→小蒔(「イシコリドメ」は一度しか降ろせないので選ばれればノーマルステージ)

38杏果


~会場・観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  ヤッパスコヤンツエーナ…  ゲンダイノジャンシニモガンバッテホシイヨモー!  ワイワイガヤガヤ・・・


洋榎「戻ったでぇ!」バァンッ

善野「みんな、ただいま…」

絹恵「あ、おかえりなさい監督! おねーちゃん!」

恭子「二人ともお疲れ様でした…」

漫「監督、惜しかったですね… あと一歩で決勝進出できたのに…!」

善野「まあ仕方ないわ。 これも勝負の妙ってやつや…」

洋榎「なんや漫、お前、うちには“惜しかったですね”はないんか?」

漫「主将は監督の足引っ張っとっただけじゃないですか。 あれならきっとまだうちが出といた方が…」

洋榎「シャイニングウィザード!!」ドゴォッ

漫「いやぁおっ!?」=3


 イツカラソンナナマイキコケルヨウニナッタンヤ!  ギリギリギリギリ… ギブッ! ギブッ!! ギブギブギブ・・・!!  ジタバタジタ


由子「他の観客の人もいるんだから暴れないで欲しいのよー」

恭子「………」

絹恵「…ん? 末原先輩、どうかしました?」

恭子「あ、いや… 試合の… 稲村さんが、ちょっと気になってな…」

由子「稲村さん?」

絹恵「末原先輩は… 前哨戦で、あの稲村さんと闘ったんですよね」

恭子「うん、そやな…」

恭子(前哨戦… 東場のみの勝負とはいえ、この早和了りが武器のうちが、一回も和了れんかった…)

恭子(そしてほとんどの局をあの稲村杏果が和了ったんや。 手を縦に伸ばすことが多いのに、あのテンパイ速度は異常と言えるもんやった…)

恭子(いくらダブルチャンピオンと神代が同卓しとるからって、あの人がこのまま何も出来んとは思えん… そろそろ、何か仕掛けてくるんやないかと思うけど……)


スクリーン『杏果「……」ハアッ、ハアッ、ハア…』


※杏果の能力ステージ。何を使う?(早く「3票」を獲得した方でイキます)

1、「マザーキョウカ」 和了率40%。 和了すれば1ランク上の打点で和了できる。 また、和了れなくても振り込むことはない(流局になる)。

2、「マッドリーカンナー(閑無狂い)」 和了率が一時的に70%になる。
  ※ロン和了りの場合、和了者を決めるコンマが01~50なら健夜が、51~60なら照が、61~70なら小蒔が振り込み者となる。

1、「マザーキョウカ」

短いけど今日はここまでにします
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

171: omochi ◆/Pbzx9FKd2 [sage]
乙です
闘牌の安価システムの勉強をしたくて、読ませてもらったんですが…

なぜこんなに闘牌が淡白なんですか?

どう読めば面白く読めるのか分からない…

闘牌SSは色々なモノがあるし、書き方も様々あると思うんですが、これじゃほとんどただ点棒が移動するだけだと思うんだけど…

これだけ主人公湊の個性や環境を幅広く詳細に設定したんだから、もっと面白くすべきなんじゃないでしょうか

不思議で仕方がないので答えて欲しい。 コンスタントに書き続けるのは大変だしすごいと思うけど、何故こんなやり方で延々と書き続けてるの?

読み手の人たちにも聞きたい。 本当にこれを面白いと思って読んでるの?

なんかすげぇ大口叩いてたから読んだけど大したことなくて草
楽しめないこともないけど十把一絡げの凡作で片付けられて終わりだぞこれ

>>586
うん、>>1も、このスレはいまいち面白くない… 何か臨場感やら、各キャラの背景やら勢いやら… どこかしらうすっぺらい感じがして、なんとかなんねーかなと思ってる。

どこをどうすればもっと面白く出来るか考えてるんだけど、正直行き詰ってます。

もし良かったら、足りないと感じる部分や、なんか良くないとことか… あと最高に面白いと思う闘牌SSなんかを、教えてもらえると嬉しい。

気を悪くさせたことは謝るので、マジでお願いします。 

身も蓋もない言い方をすれば闘牌って文章だけだとそこまで面白いもんでもないし…
残りは二試合だけだしまあてきとーにがんばれ

まあ結構な数のSS書いてるから調子乗ったんじゃないの

>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者>>1は犯罪者

乙あざす
とりあえず進めてくにょ

継続していく上で、みんなが楽しめないようであれば、このスレは閉じる方向で行こうと思います

>>515一部訂正(④はドラ)
×健夜手牌:二三四③④⑤⑦⑧⑨白白白9 赤[⑤]
〇健夜手牌:二三四③④⑤⑦⑧⑨西西西9 ドラ[④]赤[⑤]

×健夜「リーチ・白・赤1… 5800の一本場は6100…!」
〇健夜「リーチ・ドラ2… 5800の一本場は6100…!」


~玄武の間~


 裕子『準決勝第四卓、場は東三局二本場へ… これまで6回の和了がありましたが、その全てがロン和了りとなっています。 ちょっと珍しい展開ですね?』

 良子『そうですね… インファイトの殴り合いのような闘牌になっていますね』

 裕子『今のところ、その殴り合いを優勢に進めているのは…やはりランク1位、小鍛治健夜選手! 神代選手に手痛い一発を喰らいましたが、直後にその神代選手に対して猛烈な連撃…! これぞ倍返し! いや、四倍返しくらいでしょうか?』

 はやり(28)『すこやんは振り込むと、その相手をわざと狙って直撃取ることが多いからね… ジャブ一発に対してドロップキックでやり返してるみたいだねッ!☆』


小蒔「……」ウウゥ…

―――――

 霞「あらあら… やっぱりヒラ打ちじゃ、チャンピオンたち相手には厳しいみたいねぇ…」

 初美「巴ちゃん! 四つ神様はいつ降りてくるのですかー? このままでは私の予言が当たらないじゃないですか!」

 巴「そんなの知らないよ… 最強グループの神様たちは、姫様でも自在に降ろせるわけじゃないんだから…」

 春「知るはコンマ神のみ…」ポリポリ

みんなが楽しめないようであればって、こうなった原因である自分の発言が悪いとは思ってないのね


3巡目…

杏果「…」チャッ

杏果(ん… 来た、一向聴…!)


杏果手牌:⑤⑦⑧六七八6777888 ツモ「6」

―――――

 恭子(お、稲村さん… 六索を重ねよった)

 恭子(この手、イーペーコー… そして三色濃厚の手格好やが、このまま重ねていけば三暗刻の可能性もある)

 恭子(まだ3巡や。 焦らずじっくり手を進めるべきやろ…)

―――――

スクリーン越しに、恭子がそう思うや否や…


健夜「チー!」カシィンッ→「七八九」

照「!」

健夜「ポン!」パシィンッ!→「北北北」

小蒔「…ん」


対面の健夜が一瞬で二副露! 強烈にテンパイを匂い立たせる…!


健夜捨て牌:④4二南中 鳴き「七八九」「北北北」


杏果(…小鍛治さん、この局は早仕掛け… オタ風ポン… 索子の上は私が固めてるから、上の三色は恐らく無い…)チラ…

杏果(萬子のホンイツ… いや、チャンタかな? どちらにしろ、二鳴きならテンパイ、悪くても一向聴…)

杏果(ふぅ… いい加減にしてよ…! これ以上あなたに親を続けさせてたまるか!)キッ

杏果(今の私に押し引きの引きはないっ! さあ、来いっ、六索!)スウゥーッ…!


杏果、三暗刻確定となる六索ツモを念じながら、山に手を伸ばす…!


  チャッ!


杏果「!」

―――――

 恭子「なっ!?」


 慕(! 杏果ちゃん!)

―――――

息を呑む恭子と慕…

杏果がつかんだ、その牌は・・・!


 八索


六索に非ず、八索…! なんと杏果、4巡目にして八索を四枚揃える…!


杏果手牌:⑦⑧六七八66777888 ツモ「8」


杏果「……」

―――――

 恭子(八索か… 稲村さんは、三暗刻確定の六索をもう一枚引きたかったんかもしれんが…)

 恭子(これは結果オーライや。 この手、七索を切れば六-九筒待ちのテンパイ… ピンフイーペーコー確定、六筒の方が来ればタンヤオ三色もつく! ここは七索切りリーチやな!)

―――――

が、、、


杏果「カン」チャッ、パシィッ→「8888」


 恭子「なっ! にいぃっ??!」=3


杏果、考えられない悪手…!

イーペーコー、ピンフ、三色をまとめて捨てての八索暗槓!!


杏果手牌:⑦⑧六七八66777 暗槓「8888」

―――――

 恭子(ば、ばばっ、バカな! なんでや? なんでここで暗槓なんや!?)

 恭子(ここは十人おれば十人が七索切りのはずや… なんであの良形テンパイを捨てて暗槓せなあかんのや?!)


 慕(・・・善野さんの後輩さんがびっくりしてる… まあ、当然だけど…w)

 慕(でも、あれが本来の杏果ちゃんの打ち筋なんだよね… さっきの局は三色を目指してたけど、ああいうことは珍しい…)

 慕(杏果ちゃんは… 重なった同種牌を手放すことは殆どしない。 たとえ手を崩すことになっても、刻子や槓子を崩すことはない…!)


 慕(杏果ちゃんは友達に“マザーキョウカ”って呼ばれることがある… 杏果ちゃんのあの聖人ぶりと、ちょっとお母さんっぽい雰囲気からついた仇名だけど…)

 慕(その名の通り、杏果ちゃんの元には、まるで慕い寄り添うように同じ種類の牌が集まってくる)

 慕(そうやって集まった牌たちを、杏果ちゃんはとても大切にする。 だからこそ、槓子や刻子を崩して“仲間外れ”をつくることはしない…!)

 慕(そして・・・・)

 慕(今の杏果ちゃんには、きっと・・・あの嶺上牌が、見えてる!)

―――――

杏果「嶺上・・・!」スウゥー…!


 チャッ!


 慕「あ…!」


暗槓をし、杏果のその細い指がつかんだ、嶺上牌は・・・!


>>626コンマ以下(和了者)
01~40→杏果(「マザーキョウカ」発動)
41~60→照
61~80→健夜
81~00→小蒔

打点
>>627>>628コンマ以下(打点表>>10

さて

いちおー

12杏果 16+26=42(二翻ツモだが、「マザーキョウカの」能力により打点1ランクアップ、三翻ツモ)


杏果「…!」チャッ!


 六索

―――――

 慕「す、すごい! 六索ツモ! 三暗刻確定だっ!」


 恭子(んなアホな…?)

―――――

杏果、執念の六索引き! すかさず健夜のスジの七筒を捨てる…!


そして、次巡… 杏果のチャームポイントのあの頭の黒いお団子がふわりと揺れた。


杏果「ツモ!」タァンッ!

杏果「ツモ・三暗刻・・・!」

杏果「三翻の二本場は1200・2200です!!」クワッ!


杏果手牌:⑧六七八666777 ツモ「⑧」暗槓「8888」


健夜「…!」


玄武東三局二本場

     
東 健夜 50600→48400 
南 小蒔 15300→14100

西 杏果 24300→28900
北 照  29800→28600

>>629しまったタンヤオがついちゃう、訂正します

>>629一部訂正

×そして、次巡… 杏果のチャームポイントのあの頭の黒いお団子がふわりと揺れた。
〇そして、二巡後… 杏果のチャームポイントのあの頭の黒いお団子がふわりと揺れた。

×杏果手牌:⑧六七八666777 ツモ「⑧」暗槓「8888」
〇杏果手牌:1六七八666777 ツモ「1」暗槓「8888」


【東四局 親:小蒔】


 裕子『稲村選手、十八番の三暗刻炸裂! ヤキトリ回避、これで宮永選手をまくって2位に上がってきました』

 はやり(28)『やったぁ杏果ちゃん!☆』ハヤッ

 良子『八筒で待てればタンヤオもつきましたが… 宮永選手と神代選手に使い切られてましたからね。 結果オーライです』

 裕子『小鍛治選手の連荘にストップをかけたのは朝酌女子稲村杏果…! そして場は東四局、仕切り直しです!』


杏果「・・・よし!」グッ

小蒔(一索単騎… リーチはかけないんですね…)

健夜(やっぱり慎重な打ち手… カンドラがのらなくて良かった…)

照(やべえ… いい加減大きいの和了っていかないと、私の存在感示せない…!)

照(よし! じゃあここは思い切って…!)グッ


 ギィ・・・


杏果「ん?」


~会場・観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・  ワイワイガヤガヤガヤ・・・・


閑無「よぉーっしいいぞ杏果ァ!」

悠彗「これでまずは一発だね…」

はやり「まるで慕ちゃんみたいな一索単騎だったね!☆」

慕「う、うん…///」


煌「稲村さん… すばらです!」

哩「強引に三暗刻で和了りよったな。 一回戦でもあげんこつあったが…」

姫子「それぞれ和了りやすか得意技ってありますもんね」

仁美「ばってん、現世代の二人は調子悪かね」チュー・・・

煌「そうですね… 決勝進出してるのは今のところ皆過去の方たちですから、宮永さんと神代さんにも頑張って欲しいところですが…」

美子「野依先輩は… このあと、どんな展開になってくと思います?」

のよりん(17)「・・・・ぎぎぎぎぎっ!」プン=3

美子「へ?!」

のよりん「ミヤナガ! ぎぎぎぎぎぎぎっ!!」プンスコ=3

姫子「ど、どがんしたとですか野依先輩?」


そう… その時、卓上では…!

  
 ギ・ギ・ギ・ギ・ギ・ギ・ギ・ギ・ギ・ギギギギギイイイイィィ・・・・!!
 

健夜「!?」
小蒔(これは…)
杏果「わぁ…?」


照「……」ギギギギギギギイイイィ・・・!!


照、満を持して“ギギギモード”発動…!

凄まじい歯ぎしり・・・! ではなく、照の背後に巨大な動く“岩の壁”が現れるッ!!


 ギギギギギギィ・・・ピカアアアァ―――ッ・・・!!


ゴリゴリと下の地面を擦りながら横にズレた岩の後ろから… 眩いばかりの光がほとばしり、卓上を照らす…!!


小蒔(この幻影は、一回戦でも見せていた、かつてアマテラスオオカミが隠れた“天の岩戸”…!)

杏果(宮永さんの連続和了は、局を重ねるごとに打点を上げていくけど… この“ギギギの力”は、荒川さんが言うには・・・)

健夜(“一局の中で牌をツモる度に打点を上げてくる”・・・! さすがに、これを和了らせるわけにはいかない…!)


 裕子『出ました! 宮永選手の“連続和了”に並び立つもう一つの能力… 通称“ギギギの力”…!』

 裕子『確かこの能力は、一つの局の中で、巡目が進むたびに一気に打点を上げていくことが出来るんでしたよね?』

 良子『イエス。 宮永選手の連続和了は、支配力はベリーストロングですが、どうしても最初は打点が低いというデメリットがあります』

 良子『ですから、高打点に到達する前に誰かに和了られてしまうと、大してプラスに出来ないということもありますからね…』

 裕子『東二局の宮永選手の親番は、まさにそんな感じでしたね』

 良子『はい。 バット… アレが決まれば、南入する前にトップが入れ替わる可能性も十分ありますよ』

 はやり(28)『照ちゃんもがんば♪☆』


4巡目…

照「…」チャッ


 裕子『おっと早い! 宮永選手、早速タンヤオのテンパイです!』


照手牌:24566④⑤⑥⑧⑧七七七 ツモ「3」 


 裕子『カンチャンの三索… 絶好の所を引いてきました。 六索を切れば一-四-七索の三面待ちの高めタンヤオ… ここはやはりリーチでしょうか?』

 良子『いえ… “ギギギモード”の宮永選手は、まだこの手で満足はしないでしょう』

 裕子『? しかし、ここから打点を上げると言っても、一体どうすれば・・・ん?!』


照「……」タンッ→「3」


 裕子『は?! さ、三索ツモ切り?』

 良子『……』


 裕子『宮永選手、せっかくのテンパイを崩してしまいました…? い、一体、何故・・・??』

 良子『恐らく、宮永選手が思い描いている手に、あの三索は必要ないのでしょう。 メイビー、今宮永選手が欲しいのは・・・』


照「…」チャッ

照「カン」チャチャッ、パシィッ!→「七七七七」


 裕子『え?!』


照、次巡で七萬引き… 一瞬のためらいもなく暗槓!

そして、めくったカンドラが・・・


 五索


 裕子『! これは… 宮永選手七萬のカンで六索の対子にドラをのせてしまいました! 確かに… これは、先ほど六索を切らなくて良かったかもしれませんね…』

 良子『やはり、今回はドラを乗せて打点を上げるメソッドで来ましたね…!』ニタッ…


照「…」チャッ!


そして… 照、さらに嶺上牌で二索を引き寄せ対子にする…!


照手牌:24566④⑤⑥⑧⑧ 嶺上ツモ「2」 暗槓「七七七七」  


 裕子『嶺上で二索ツモ…! …これは… カンドラの六索を切ってしまえば、二索と八筒のシャボ待ちテンパイですが……』

 裕子『宮永選手、ここからどうするのでしょうか?』


照「……」


照、次なる一手は・・・?(直近4レスのうち、「最もコンマ以下の数の大きいレス」が選んだ番号でイキマス。 ゆっくりどうぞ)

1、六索切りテンパイ(打点三翻or満貫。 和了率は15%アップする)

2、四索切りテンパイ崩し。更に二索、六索、八筒のどれかが重なるのを待つ(打点ハネ満or倍満。和了率はそのまま)

3、四索を切り、六索を重ねて、更にリーチせずにはいられないな!(打点三倍満or数え役満。和了率15%減)

※基本和了率は健夜30%、照30%、小蒔20%、杏果20%

2

>>638の60、2、四索切りテンパイ崩し。更に二索、六索、八筒のどれかが重なるのを待つ


照「……」トンッ→「4」


 裕子『! 宮永選手四索切り…! テンパイを崩しました!』

 良子『なるほど… まだ満足できないみたいですね…』

 
そしてさらに次巡…!


照「…」チャッ


 裕子『!? ひ、引きました宮永選手カンドラの六索を刻子にしました!!』

 はやり『さっすがギギギモード! 和了れるかな?☆』ハヤッ


照手牌:22666④⑤⑥⑧⑧ 暗槓「七七七七」  


健夜(? 上家の∠頭さん… 三索ツモ切りのあと、四索、五索と手出し…?)

杏果(つまりシュンツ崩し? 何をやってるんだろう…)

小蒔(不気味ですね… どんな手牌になってるんでしょうか…?)
 

照「……」ズモモモモモモモオオォ・・・


照の体から、紫色のオーラが現れ、うねうねと卓上にまで及び始めた…


 裕子『宮永選手先制テンパイ! 二索と八筒のシャボ待ちです!』

 良子『二索は出るかもしれませんよ。 三、四、五索と捨てて、まさか二索で待ってるとは誰も思わないでしょう』


照(これで和了れれば… うまくいけば一気に小鍛治さんをまくれる…!)チャッ!


そして9巡目!


?「ロンorツモor〇×!!」


>>645コンマ以下(和了者)
01~30→照
31~60→健夜
61~80→小蒔
81~00→杏果

打点
>>646>>647 コンマ以下(打点表>>10

照の打点表
02~100→ハネ満
101~200→倍満

 

50健夜 65+33=98三翻ツモ


健夜「ツモ」トンッ

照「ゑ」

健夜「ツモ・タンヤオドラ1… 1000・2000」パララァ…


健夜手牌:三三三六七八34567⑧⑧  ツモ「2」 赤[5]


照(・・・私の当たり牌3枚もガメられた…? なんで…?)

健夜「……」


 裕子『宮永選手残念ながら和了ならず! 小鍛治選手が追いつき… 宮永選手の当たり牌で和了ってしまいました!』

 裕子『場はいよいよ南入…! このままグランドマスター小鍛治健夜が独走を続けるのか…? それともどんでん返しがあるのでしょうか?』


杏果(また小鍛治健夜…?)クッ

小蒔(ふぅ… 親が流れてしまいましたか…)


玄武東四局
     
東 小蒔 14100→12100
南 杏果 28900→27900
西 照  28600→27600
北 健夜 48400→52400


【南一局 親:杏果】


 裕子『やはり強いですランキング1位小鍛治健夜! 現インハイチャンプ対旧インハイチャンプの対決は今のところ一歩も二歩も小鍛治選手がリードです!』


照「……」シュン…


杏果(…宮永さんシュンとしちゃった… あんまりメンタル強くないのかな?)

杏果(いやいや… 一回戦ではこの人、トビ寸前までいきながら、南場で6連荘して最後にはトップに立ったんだよね… 油断はできない)

杏果(とにかく私の最後の親… ここで和了れなければ、トップに追いつくのはかなり厳しくなる…)カチャ、カチャ…

杏果(まず配牌・・・ さあ来いっ!)チャチャッ!

杏果(・・・う゛っ?!)


杏果配牌:①①③⑧14899二七東北中


杏果(うわ… は、破滅的な配牌…! よくもまあこんなバラバラに… 最後の親番なのに…!)ギリッ

杏果(でも… 配牌を嘆いたって、どうしようもないんだ… この手牌でも… 前に進むしかないっ!)タンッ!


照「…」トンッ

健夜「……」タンッ→「9」

杏果「っつ…! それポン!!」

健夜「!」


杏果、一巡目で健夜の出した九索を、目を見開いて鳴く!

―――――

 閑無「どぇ…? 杏果?」
 
 はやり「ちゃ、チャンタ狙い…? いや、役牌が重なるのを待つ気かな…?」

 悠彗「まさか… ここからトイトイ?!」

 慕「……」

―――――

杏果の打ち筋をよく知っている仲間たちですら、この早仕掛けには、さすがに心配そうな声をあげる…


杏果(・・・強引でも、なんでも・・・ この人たちを相手に勝つには、攻めるしかないんだ!)

杏果(見ててよ、みんな・・・ 私の・・・稲村杏果の・・・本気の打牌を!)カッ!


杏果「ポン!」カシィンッ→「①①①」


3巡目でさらに一筒をポン…

そして、徐々に… 徐々に牌を重ねていく!


7巡目

杏果「……!」チャッ!


汗ばんだ杏果の親指に、ぞりっとした字牌特有の感触が伝わる…


杏果(東…! 来た!!)


杏果手牌:③1145二東 ツモ「東」 鳴き「①①①」「999」

―――――

 悠彗「お、わぁ…? 形になってきたよ?」

 閑無「まさか… 行けるか?」

 はやり「! いや・・・」

 慕「小鍛治さんの方が早い!」


健夜「リーチ!」ドォッ


強引に進めた杏果より一手早く、魔王健夜、この試合3度目のリーチ!


健夜捨て牌:北中1南八⑦
      四


杏果(…タンピン手… 親の私の手が悪いと見て、積極的に来たね…)

杏果(ナメるな…! この手で、あなたから直撃を取ってやる!)


が…、


小蒔「チー!」パシィッ!→「二三四」

杏果「!」


小蒔「……」ゴゴゴゴオオオォ・・・


杏果(神代さんは、萬子の染め手気配… 小鍛治さんのリーチの一発消しをしながら手を進めてきた… 今のでテンパイかな…?)


そして8巡目…


照「…リーチ」コトッ


照も静かに千点棒を場に出す!


照(上家の、オハギを頭に乗っけてるような子… 随分小鍛治さんばっかり意識してるみたいだけど……)

照(私のことも忘れてもらっちゃ困るよ…!)ゴォッ


杏果(うっ、しまった、出遅れた…!)

杏果(でも… リーチをかけてきたのは好都合…! 追いついて、当たり牌をつかませさえすれば、直撃を取ることが出来る!)

杏果(閑無…! お願い、私に… 力を貸してッ!!)チャッ!


この局、和了の声が上がったのは11巡目だった…


>>655コンマ以下(和了者)
01~70→杏果(「マッドリーカンナー(閑無狂い)」発動)
71~80→照
81~90→健夜
91~00→小蒔

打点
>>656>>657コンマ以下(打点表>>10

えい

87健夜 30+23=53(二翻ロンだが、健夜は主役でない場でリーチをかけているので1ランクアップ、三翻ロン。3の倍数+2で上家照から出和了り)


健夜「ロン…」

照「え…?」

健夜「リーチ・タンヤオ・イーペーコー… 3900です」パラララァ・・・

照(? 今度は掴まされた…? リーチが早かったかな…?)


 裕子『またまた小鍛治選手…! 今度はチャンピオン宮永照から出和了りです!』
 
 良子『打点は低めですが… 和了率がかなりのモノになってきましたね』

 裕子『親の稲村選手も悪配牌から強引に進めて、自風含みのトイトイをテンパイしていましたが… 残念ながら和了ならずです…!』


杏果(んん~… ごめん閑無… やっぱり、私じゃ力不足みたいだね…)

杏果(次は宮永さんの親番… またあの連続和了が始まる可能性が高い…)

杏果(宮永さんが小鍛治さんを削ってくれればまだ楽になるけど… そんな他人任せじゃ、勝てるわけないよね…)

杏果(残り三局…! 精一杯、私の力を、出すんだ…!)


小蒔(残り12100点の、ラス… でも… まだ、四神の誰かを降ろせれば…!)ギュッ


玄武南一局
     
東 杏果 27900
南 照  27600→22700
西 健夜 52400→57300
北 小蒔 12100

本日ここまでです
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

>>618
全部>>1の責任です、ごめんなさい

乙あざす
進めてくにょ


~会場・観客席~


 ザワザワガヤガヤ・・・ マ、マタスコヤンカヨ?  ツヨスギル…! スゲーナヤッパ…  ワイワイガヤガヤガヤ・・・・


小鍛治健夜の連続和了… 点棒はただ一人浮き上がりの6万点近くにまで到達…!

地上の観客席では… 健夜を賞賛する声と共に、どこか微妙な、重苦しい空気が流れていた…


淡「て、テル―…」

栞「宮永さん…」


初美「姫様…」

霞(小蒔ちゃん…)


咲(おねーちゃん…)

衣(照、どうした…!)

智葉(宮永…)

玄(宮永さん・・・)

憩(チャンピオン… やられっぱなしかいな?)


哩(神代… あいつ…)

姫子(ぶちょーと九州の二枚看板ば支えとる、神代小蒔が…!)

シロ(・・・神代さん)ダルゥ…


仲間たちだけでなく、普段は照や小蒔の敵である者たちが、何か心に、もどかしいジレンマのような気持ちを抱えていた…

そう… やはり、彼女たちにとって、宮永照と神代小蒔はなんと言っても“現世代の誇り”…! 

“私はこんなバケモノを相手に闘っているんだ”“史上最強、最高峰の高校生雀士と同じ時代にいる”という事が、彼女たちの一つのプライドでもあったのだ…


セーラ「…神代は、打ち筋に大きなムラがあるでしゃーないにしても、宮永がここまで完全に押し負けるとはなぁ…」

フナQ「小鍛治健夜… ポテンシャルの底が見えませんね…」

竜華(怜を…あれだけ苦しめた宮永照が、あっさり振り込んだ… ほんまにあの小鍛治健夜は、チャンピオンより強いんやろか…?)

泉「このまま、小鍛治さんが最後まで優勢に進めて終わることになるんですかね…」

怜「…いや、次はチャンピオンの親やろ。 うちに10万点以上も点差をつけよったあの怪物が… そう簡単に終わるわけないわ」

怜「積み木と同じや。 どんなにコツコツ点数を積み重ねても、崩れるときは一瞬なんやで? 魔王小鍛治健夜とてそれは変わらへん…」スリスリ

竜華(んー… でも、現状では圧倒的に小鍛治さんが有利やで…?)ナデナデ…


スクリーン「照『ロンorツモ!』パタッ」


竜華「あ…!」


※照の「連続和了」発動
>>672コンマ以下(打点は1翻限定。ツモかロンか、振り込み者等を決める)

うぃ

79ロン(3の倍数+1で対面小蒔振り込み)


照「ロン、イーペーコー、1500…」パララァ…

小蒔「ん…」


 裕子『南二局、まずは親の宮永選手和了…! わずか5巡で出和了りゲットです』

 良子『一翻の安和了り… 親なのでまた連続和了モードにチェンジしてきましたね』

 はやり(28)『東場では二回しか和了れなかったからねぇ… 今回はどーなるかな?☆』ハヤヤ


小蒔(始まりましたか… 宮永さんの十八番の連続和了が…)

杏果(まずは振らないように… ここは焦らず無理をしないでいこう)

健夜「……」


玄武南二局
     
東 照  22700→24200
南 健夜 57300
西 小蒔 12100→10600
北 杏果 27900


【南二局一本場 親:照】


照「リーチ」ドォッ!


 裕子『やはり速い宮永選手! 今度はわずか4巡で牌を曲げました!』

 良子『カンチャン待ちですが… 確実に和了る自信があるようですね』


小蒔(早過ぎます…! うう、安牌が無い…)

健夜「……」トンッ→「三」

小蒔(! と思ってたら助け舟…! 良かった、まずここは合わせ打ちですね)トンッ→「三」

健夜「ポン」ピシィッ→「三三三」

小蒔「・・・は?」

杏果(!? 何今の…? 自分で捨てた牌を鳴き返した?)

照「……」

―――――

 怜(あん? アレは・・・)


 怜(うちがチャンピオンと対戦した時… 一発ツモを防がれた時の鳴きと、まったく同じやんか…)

 怜(なんや? つまり… 逆に今、小鍛治健夜がその方法でチャンピオンの和了を邪魔しようとしとるんか…?)

―――――

照(私が園城寺さんの一発ツモを防ぐために使った方法… 手牌の刻子をわざと崩して、合わせ打ちしてきた牌を鳴いてツモ順をズラす…)

照(ふん… でもね、一つズラしたくらいで、今の私の和了を止めることはできないよ!)チャッ!


?「ツモorロンor〇×!」


>>677コンマ以下(和了者)
01~90→照(2翻限定)
91~93→健夜
94~96→小蒔
97~00→杏果

打点
>>678>>679コンマ以下(打点表>>10

はい

 

05照 21+10=31(二翻ロン、3の倍数+1で対面小蒔振り込み)


照「ロン!」ガタッ

小蒔「!」ビクッ

照「リーチ・タンヤオ、裏なし、2900の一本場は3200…!」パララァ…


 裕子『宮永選手また神代選手に直撃です! さあ、一回戦の南場では、親の4連荘で一気に点棒を稼いだ宮永選手ですが… 今回はどこまで積み棒を重ねることになるのでしょうか?』

 良子『小鍛治選手が、自分の手牌を崩してまでして鳴いて、ツモ順をズラしましたが… ここは宮永選手の支配の力が上回ったようですね』


小蒔「はい…」ジャラ

照「…」チャッ


そして、それは… 照が小蒔から3200の点棒を受け取った時だった。


健夜「… 鬱陶しいなぁ…」ボソッ

照「・・・え?」

健夜「…いや、なんでもない…」

照「……」


玄武南二局
     
東 照  24200→27400
南 健夜 57300
西 小蒔 10600→ 7400
北 杏果 27900

※小蒔が一万点を切り、健夜がトップの位置にいるため、次局で健夜の「ファイナルオールクラッシャー」発動。


【南二局二本場 親:照】


照(・・・今、この人… “鬱陶しい”って言ったよね… え?私のこと?)

照(どうゆうこと… 私の連続和了が鬱陶しいってこと…?)


もちろん… 照は自分の代名詞でもある連続和了を、賞賛や恐れをもって見られることはあっても、“鬱陶しい”などと評価されるのは初めてだった…


照(感じ悪いなぁ… でも…)

照(止められるものなら止めてみなよ! すぐにそんな事言ってられなくしてあげるから…!)キッ


自分の能力をナメられてると感じた照、奮起…!

しかし… このあと、魔王健夜は、誰も想像だにしていなかった方法で照の連続和了を止めてみせるのだった……

>>680一部訂正
×玄武南二局
〇玄武南二局一本場


5巡目

照「チー!」カシィッ!→「五六七」


 裕子『宮永選手、今度は鳴きを入れてきました! これで役牌ホンイツテンパイですね…』

 良子『ほとんど無駄ヅモ無しでテンパイしましたね。 しかも捨て牌を見ても、ホンイツとは悟られにくいグッドな手牌です』

 はやり(28)『普通にヤオチュー牌連打してるから、タンピン系に見えるもんね!☆』


照手牌:四五六七八八八東東東 鳴き「五六七」


照(ふふ…w 隠れ自風暗刻の三-六-九-四-七萬待ちの五面チャン… しかも、次の私のツモは当たり牌の九萬の匂いがする… この局ももらったね…!)フフフ


和了をほぼ確信し、密かにほくそ笑む照…

ところが、


健夜「…カン」バラッ

照「ん?」


照の鳴きの直後、手牌から二筒を四つ、バラリと倒して角に寄せる健夜…


 裕子『ん? 小鍛治選手… ②②②②③④と二メンツ揃ってるところから、突然二筒暗槓? これは・・・?』

 良子『……』


照(…暗槓? 暗槓じゃ別にツモ順はズレないから、問題は何も・・・んんっ?!)


照、この時ある事に気がつく…!

そして、照の次のツモ・・・


照「……」チャッ


 裕子『あ! ツ、ツモりました!宮永選手… 見事に当たり牌の九萬を引いてツモ和了りです! これで三連続和了!』


照手牌:四五六七八八八東東東 ツモ「九」 鳴き「五六七」


そう、裕子の言うように、紛れもなく役牌ホンイツツモ…

「ツモ」と発声して手牌を倒せば和了りである!

しかし…


照「… …!」プルプル


 裕子『…ん? 宮永選手、どうしたんでしょう。 手牌を倒しませんが…?』


照「……」トンッ→「東」


 裕子『は?! み、宮永選手、牌を倒しません! 和了拒否…! ど、どうしたんでしょうか一体?』

 はやり(28)『ゆーこちゃん… さっきすこやんがめくった新ドラ表示牌を見てごらんよ…』

 裕子『え…?』チラ…


 北


 裕子『っと… めくられたのは北・・・ あ、ということは東が新ドラ…? 宮永選手の手牌にドラが3つ乗っていたわけですね』

 良子『イエス。 ですので、宮永選手のあの手は、東ホンイツドラ3のハネ満… 段階的に打点を上げていく宮永選手は、ここでハネ満を和了ることはインポッシブルなんです』

 裕子『・・・いや、しかし・・ 和了っちゃえばいいんじゃないですか? 別にそんな、三翻の和了りにこだわらなくても… これは結果オーライということで…』

 良子『普通ならもちろんそうすればいいんですが… 宮永選手のあの連続和了という強力な能力は、打点の制約を守るからこそ、発揮できるものなのです』

 はやり(28)『照ちゃんのあの小刻みな打点上昇の制約は絶対みたいだね。 それを守らないで和了っちゃったら、牌がもう持てなくなっちゃうとか、なんかペナルティみたいなのがあるんじゃない?☆』

 良子『“打点制限”という、宮永選手の連続和了の弱点を突いた、小鍛治選手のアメイジングな作戦ですね…!』


照、和了できず…! そしてそのスキに、健夜をはじめとした他家が着々と手を進めていく…


健夜「……」フフッ

照(くぅ… まさか、私の手にドラを乗せて、打点を上げることで和了れなくするなんて…)タンッ→「東」

照(ナメるな…! これくらいで、私のアイデンティティの連続和了を止められてたまるか!)タンッ→「東」


照、せっかく手に入れた自風の東を、泣く泣く全て叩き切る…!


杏果(?? じ、自風の刻子崩し? またおかしな事を… 何やってんだろう?)

小蒔(…? 打点調整のために切らざるを得なくなった… ということでしょうか…?)

小蒔(ならば… 今がチャンスです! ここでヘコんだ分を一気に取り返しますよ…!)チャッ


意気込む小蒔…!

しかし… この直後、オカルト現象には慣れっこの小蒔ですらが、背筋を凍らせてしまうほどの… 奇々怪々な現象が卓上に現れることになるのだった…


10巡目…

小蒔「…」チャッ!

小蒔(よし来ました…! メンチンテンパイです!)


小蒔手牌:1223445678999


小蒔、起死回生の一撃テンパイ…! 索子のメンチンペンカン三筒待ちである!


小蒔(点差を考えれば、リーチをかけた方がいいかもしれませんが…)

小蒔(まだ待ちが良くなる可能性があります。 ここはまだダマで…)

>>687一部訂正
×索子のメンチンペンカン三筒待ちである!
〇索子のメンチンペンカン三索待ちである!


そして、次巡… そんな小蒔の元に、絶好の牌が舞い込む…!


小蒔「…!」キュッ

小蒔(来ました! 四索…!)パアアァ…


小蒔手牌:1223445678999 ツモ「4」


小蒔(ここから二索を切り出せば、三-四-五-六-七-八-九索待ちの七面チャンのテンパイ… これはリーチですね!♪)カチャッ


一気に待ちが7倍に膨れ、嬉々として二索をつかんだ小蒔…

ところが、


小蒔(・・・あれ? ん、ん・・・? は、牌が、動かない・・・??)グイッ、グイ・・・!


健夜「……」


小蒔(え…? い、一体、何が…? 牌が重くて、動きません…!)グイグイグイ・・・!!


そう… 何故か、手牌の二索だけが、突然鉛のように重く… いや、まるで卓に貼りついたかのように、ビクともしなくなってしまったのである…!


小蒔(?? ちょっと… 動いて下さい! この牌を切れないと、リーチが…!)グイグイ


渾身の力を込めて二索を切り出そうと頑張る小蒔…


杏果「…? あの、早く牌を…」

小蒔「あ、はい! ご、ごめんなさい… も、もうちょっと、待って下さい…!」フンフンフン…


額に汗を浮かべて、必死に二索を持ち上げようとするが、やはり、二索は微動だにしてくれない…!


小蒔(な、なぜ…? 一体、何が起きているんですか?? ・・・・アッ!!!)ギョッ!!


目を見開き、座ったまま思わず後じさりした小蒔・・・


小蒔(こ、これは・・・・!?)


小蒔が見たモノ・・・

それは、卓上のマットからニュッと生えている、“人間の右腕”だったのだ・・・

そして、その腕が、小蒔の手牌の二索をがっちりと掴んでいたのである。


小蒔(こ、これは・・・子どもの腕? なぜ、雀卓の中から・・・?)

小蒔(・・・周りの方は何も反応していない… 私にだけ見えるという事は、何か異形の… 霊によるものでしょうか……)


健夜「……」ジイィ…


小蒔(・・・いえ、小鍛治さんだけはこの手が見えている? まさか、この方が何かした…?)


小蒔(…仕方ありません… じゃあ、とりあえずテンパイ維持で、こちらを…)タンッ…→「4」


謎の腕との牌の引っ張り合いに負けた小蒔、仕方なく、ツモってきた四索を切る…

直後、小蒔の上家の女の眉毛がへにょっと八の字に曲がった…


健夜「…ロン」フウ…

小蒔「え…」

健夜「タンヤオ三色赤1・・・」ズモモモモモモモモモオオオオオォォ・・・

健夜「満貫8000の二本場は8600!!」ゴォッ!


健夜手牌:三四五③④⑤3588 ロン「4」 暗槓「②②②②」 赤[⑤]


小蒔「そ、そんな・・・??」グニャアアアアァァ・・・

照「…!」グウゥ…!

杏果(また小鍛治健夜…!)ギリ…


 裕子『小鍛治選手の満貫和了! なんと… 宮永選手の連続和了が、またもやたったの2回で止められてしまいました!』

 裕子『しかし… 今の神代選手の振り込みは、かなりおかしなかんじでしたよね…? 二索を切れば七面チャンに受けれたのに、わざわざ四索をツモ切って、あのカンチャン待ちのピンポイントの牌を出してしまいました…』

 良子『・・・憑いてますね』

 裕子『え? …あ、神代選手ですか?』

 良子『いえ… 小鍛治選手にです』

―――――

 初美「ひ、姫様ァ?!」

 巴「な、なんであそこで四索切り…?」

 春「まるで吸い込まれるように、二索を…」ポリポリ

 霞「モニター越しでよく分からなかったけど… 今、卓上に何か“居た”みたいね…」


玄武南二局二本場
     
東 照  27400
南 健夜 57300→65900
西 小蒔  7400→-1200
北 杏果 27900


【南三局 親:健夜】 ※打点表掲示の>>693のコンマが66でゾロ目のため、小蒔の「神降ろし」発動


 裕子『やはり強いグランドマスター小鍛治健夜・・・! 現インハイチャンプ、オカルトの頂点、強豪朝酌女子の部長の3人を相手に、まったく寄せ付けません!』 
 
 裕子『点棒は遂に6万点を突破…! 残り二局、しかもこの局はまた小鍛治選手の親番です! もはや他家3人には絶望的な状況となってきました…』


 良子『「不確実」というスリルに身を委ねエンジョイするのが麻雀というゲームですが… この卓では、小鍛治選手が一人で巨大なツキの偏りを生み出してしまっていますね…』


健夜「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオォ・・・!!


照(そんな…? 私の力が、本当に通用しない…?)ガクガク…

杏果(く…! とにかく… この親を速攻で流して、オーラスで勝負をかけるしかない!)

小蒔(・・・腕は消えましたが… アレは一体、誰の・・・? ・・・あら… なんだか、急に、眠気が・・・・)ウトウト…

小蒔(…い、いけません… まだ… 対局中… なの、に……)スウウウゥ…

―――――

 初美「あ、寝た…!」

 霞「あら」

 巴「つ、遂に降りますよ! 最高レベルの神様の一人が…!」

 春「逆転の序章…!」ポリポリ


 衣「…ん?」ドクンッ

 咲「!!」ゾクッ!

 淡「… へー…?」ピクッ

 ネリー「げっ、あれは…?」

―――――

観客席の魔物たちが、一斉に反応…!

卓上に異様な何かが降りようとしているのを感じ取る…!


 良子『・・・憑いてますね』

 裕子『へ? また、小鍛治選手ですか?』

 良子『ノー… 今度は神代選手です!』


小蒔「…… zzz…」スースー

杏果(え? ちょっと… この巫女さん、居眠り始めちゃった?)

杏果(こ、これって… 声かけてあげた方がいいよね…?)

杏果「あ、あのー・・・」スウゥ…


杏果が、小蒔の肩に触れようと、手を伸ばした、その時!!


小蒔「…!!」カッ!

杏果「え?!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオォォォォ・・・・・!!!!!


杏果「ひぃっ?!?」=3

照「えっ?!」

健夜「!?」ピクッ


 裕子『なっ! これは・・・』

 良子『ここで来ましたか…! “オカルトの頂点”神代小蒔!!』


※小蒔が降ろしたのは…?

>>698コンマ以下

01~25→「伝説の美神クシナダヒメ」 索子が集まる。 70%の確率でチンイツハネ満和了。

26~50→「豊穣の女神オオゲツヒメ」 70%の確率で倍満和了。

51~75→「創世神イザナミ」 70%の確率で三倍満和了。   

76~00→「最高神アマテラスオオカミ」70%の確率で役満和了。

07「伝説の美神クシナダヒメ」


 ピカアアアアアアァァ―――――――・・・・!!


照「う…!」
健夜「…!!」
杏果「ちょっ、まぶしい…!」


目もくらむばかりの光と共に、小蒔の背後に現れたのは・・・


クシナダヒメ『・・・・・』シュウウウウウウゥゥゥ~~~~~・・・!!
   

絹の羽衣のような衣装を身にまとい、その長い黒髪を赤い和櫛で留めた、この世のものとも思われないほどに美しい女神だった…

―――――
  
 初美「あ、あれは… “クシナダヒメ”ですねー?」

 巴「そうだね… 日本神話の中でも最も有名な伝説、『ヤマタノオロチ』の逸話の中で、スサノオに救い出された姫…!」

 霞「しめたわね。 あの神様さえ降りてくれれば・・・」

 春「この局は姫様のもの…!」ポリポリ


小蒔「・・・・・・」ズモモモモモモモオオオォ・・・


杏果(う… この感じ… 一回戦で闘った巨乳巫女さんが怖くなった時と似てる…!)

照(神代さんが覚醒したか… ここは、私は大人しくしてた方がいいかな…?)

健夜(凄いな… これ、東一局で降ろしてたのよりも、はるかに強力だ…!)


小蒔「…」チャッ、パシッ、タンッ

小蒔「……」チャッ、パシッ、タンッ

小蒔「………」チャッ、パシッ、タンッ


 裕子『おや、これは…?』

 裕子『神代選手、ここまでずっと索子を引き続けています! 配牌で6牌しかなかった索子が、アッという間に11牌…! 完全にメンチン狙いの手牌になってきました!』

 良子『ええ… 神代選手が今降ろしているのは“クシナダヒメ”… あの女神が、索子を呼び寄せているんでしょう』 

 はやり(28)『? なんでクシナダヒメが索子を呼び寄せるの?☆』

 良子『クシナダヒメは、自らのボディを櫛に変える能力があったそうです。 そして、「古事記」の国産み神話では、イザナギが黄泉の国からエスケープする時に、追っ手に向かって櫛を投げたところ・・・』

 良子『その櫛がタケノコに変わって追手を妨害したんだそうです』

 裕子『タケノコ… だから、竹を模している索子を引き寄せているという訳ですね』

 良子『イエス。 古来から櫛は、女性の髪の美しさのシンボルであると共に、呪術的なパワーがあると信じられてきました。 神代選手は、今まさにその力で、チンイツを和了ろうとしているのでしょう…』


小蒔「………」チャッ、パシッ、タンッ・・・!


杏果(巫女さん、この局… 一巡目からずっとツモ牌を手牌に入れてる…! 完全に無駄ヅモ無し…? 一体どうなってるんだろう…?)


 裕子『さあ、配牌ではとても染め手にできるような牌姿ではありませんでしたが、神代選手、8巡で遂にメンチンをテンパイしてしまいました!』

 良子『序盤で一索を切ってますからね… これは染め手には見えません。 振り込みもあるかもしれませんよ…!』


そして9巡目…!


?「ロンorツモ!!」


>>703コンマ以下(和了者)
01~70→小蒔(「神降ろし」発動)
71~80→杏果
81~90→照
91~00→健夜

打点(小蒔が和了した場合はハネ満限定、ツモかロンかのみを決定)
>>704>>705コンマ以下(打点表>>10

さあ

17小蒔 30+89=119(ハネ満ロン。 3の倍数+2で上家健夜から出和了り)


小蒔「・・・ロン」

健夜「…!?」ピクッ

小蒔「メンチン・ピンフ・・・ ハネ満12000」ゴォッ!


小蒔手牌:2234556777889 ロン「6」


 裕子『あ・・・和了りました神代選手! しかも、トップの小鍛治選手に直撃です!!』

 はやり(28)『すっごぉ…! すこやんがハネ満振り込むなんて、多分赤土さん以来だよ?!☆』

 良子『捨て牌からも索子の染め手には見えませんし、クシナダヒメの神力によって、手牌が読めない何らかのオカルトが発動されてたのかもしれませんね』


 初美「やった! 姫様がやっとヤッてくれましたよー!」

 巴「良かった…」ホッ

 霞「トップへの直撃で、これで逆転の目が出てきたわね…!」

 春「しかもラス親は姫様…」ポリポリ

 初美「姫様のラストの連荘で、すぐに追いついてみせますよー!」

――――― 

照(ナイス神代さん…! これで小鍛治さんとの点差が縮まった…!)

杏果(ラス親は神代さん… 場合によっては親の和了りをフォローしながら…一瞬の差し足で、小鍛治健夜を、まくる!)


小蒔のハネ満和了に喜ぶ永水メンバー… そしてオーラスに向けて新たに気合いを入れ直す照と杏果…!

しかし・・・ この時、魔王が密かに覚醒・・・!

照、小蒔、杏果の3人は、もう既にまとめて棺桶に入れられてしまっているという事に、気付いていなかった・・・


健夜「・・・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオォォォ・・・・!!!


玄武南三局
     
東 健夜 65900→53900
南 小蒔 -1200→10800
西 杏果 27900
北 照  27400

※健夜が満貫以上を振ったため、次局で「魔王の呪い」発動(南四局でも各自の特殊能力は発動可能)
   

本日ここまでだよもー
安価・コンマ対応あざした!
また明後日20:00から

乙あざす
進めてくにょ
今日は安価、コンマはありません

>>693一部訂正
×春「まるで吸い込まれるように、二索を…」ポリポリ
〇春「まるで吸い込まれるように、四索を…」ポリポリ


~会場・観客席~


スクリーン「裕子『遂にオカルトの頂点神代小蒔が覚醒! トップ小鍛治選手に対してハネ満直撃! まだまだこの試合、どう転ぶか分かりません!』」


 ワアアアアアアアァァァァァ――――――ッッ!!!   ツイニヤッテクレタヨモー!   サスガヒメサマァ!!  コレガジンダイノホンキヤ!!  ジンダイサンチョーカッコイイヨー!!  パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・・!!!


沸き返る歓声と拍手…!

小蒔の満を持しての神降ろしからの、魔王健夜へのハネ満直撃は、先ほどまでの観客席の微妙な空気… 重苦しい雰囲気を払拭させるのに十分だった…


淡「さっすが神代さん! これでテル―も少し楽になったよね?」

菫「そうだな… これで照と小鍛治との点差は26500… 倍満直撃か三倍満以上ツモが逆転条件だが、あいつなら十分可能だろう」

栞「頑張って宮永さん…! 私がついてるよ!!」ハラハラ


閑無「よっしゃ! 小鍛治がハネ満振り込み… 杏果にもチャンスが出てきたぜ!」

悠彗「そうだね… オーラス、まだ何が起きるかは分からないよね!」

はやり「杏果ちゃんの粘り強さは、私たちが身をもって知っているもんね… まだまだ試合はここからだよ!☆」

慕(・・・がんばれ! 杏果ちゃん・・・!)ドキドキ…


初美「どんなもんですかぁ! これが私たちの姫様の本気なのですよー!」=3

巴「ラス親でまた四つ神様が降りてくる可能性もあるし… 点差はあるけど、まだ逆転の目はあるよね…!」

春「大逆転に期待感MAX…」ポリポリ

霞「………」

初美「…ん? 霞ちゃん? 浮かない顔してどうかしましたかー?」

霞「いや、えーっと… 画面越しだからよく分からないんだけど・・・」

霞「なんだかヘンじゃないかしら? あの小鍛治さん…」

初美「へ?」


スクリーン「健夜『・・・・・・・・』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオォォォォ・・・・!!」


卓上でまた真っ黒なオーラを発し始めた健夜… それは空間を歪めて画面の向こう側にもじわじわと伝わり… これから何か恐ろしい事が起きるのを、予感させずにはいられなかった……


~放送スタッフ用モニタールーム~


咏(24)「ひょーっ! さっすが神代さんだねぃ! すこやんハネ満振っちゃったじゃん!w」

健夜(27)「そ、そうだね… まあ、別に、私だって振り込みくらいすることあるよ…」

えり「しかしこれで、流れが変わるかもしれませんね… ラス親は神代さんですし…」

みさき「他の二人も目の色が変わったみたいですね」

のよりん(27)「イナムラッ! 根性見せろっ!」プンスコ=3

健夜(27)「……」フウ…

恒子「…ん? どったのすこやん? タメ息なんかついて…」

健夜(27)「え、いや、別に… ちょっと、疲れてて……」ハハハ…


準決勝の最終戦、これから最終盤という場面を観戦する大勢の者たちの中で… ただ一人、小鍛治健夜(27)だけは、全く違う視点で試合を見ていた…


健夜(27)(やっぱり… この試合も私が勝っちゃうんだな… 宮永さんと神代さんなら、私のこと止めてくれるんじゃないかってちょっと期待してたのに…)

健夜(27)(また… 相手のこと痛めつけながら、勝っちゃうんだろうな…)ハア…


そう… あまりにも強大な力を持っているが故に、仮に負けたくても勝ってしまう…

努力を重ねてコツコツと力を身につけた雀士たちが、必死になって自分に向かってきても、それをことごとく目も当てられないほどにコテンパンにしてしまう…

そんな自分の力に、健夜自身は嫌気が差していたのである…


健夜(27)(私は大した努力もせずに、麻雀が強くなってしまった… 青春をかけて向かってくるあの子たちの夢を、自分が木端微塵にしちゃうのを見るのは、ほんとに気が引けるよ…)

健夜(27)(それにあの高校生の私は、まだ力の調整がうまくできない… 完全に“あの子”・・・いや、“もう一人の私”に体も心も乗っ取られちゃうんだよね…)

健夜(27)(本気で闘って、その上で負ける・・・! それが出来たら、どんなに気持ちいいだろう。 あの頃の私は、いつもそう思ってたな…)

健夜(27)(“敗北を知りたい”・・・ それがあの時の私の夢だった。 誰か… 私の夢を、叶えてくれないかな…?)フウ…


~玄武の間~

【南四局 親:小蒔】


 裕子『さあ、準決勝最終戦玄武の間も、遂にオーラス… 最終局面です!』

 良子『依然として小鍛治選手が有利なことには変わりませんが… まだ他家にも逆転のチャンスはありますよ』

 はやり(28)『ガンバレ杏果ちゃん!☆』


小蒔「………」ボーッ・・・

杏果「? あ、あの、神代さん、親なのでサイコロを…」

小蒔「・・・え? あ、あ… ご、ごめんなさい、ちょっと、寝てました… あら? 点が増えてる…?」

照「…神代さん、さっきハネ満和了ったんだよ… 今は南四局、神代さんのラス親だよ」

小蒔「あ… そうでしたか。 また寝ちゃって、ご迷惑をお掛けしたみたいですね…///」

小蒔「でも、本当に申し訳ないので、ここからは・・・」

小蒔「全力以上で、あたらせてもらいます!」パアアアァァ・・・!

杏果(う、うん、頑張ってよ神代さん… 私の勝利はもしかしたらあなたにかかってるから…)

照(目が覚めちゃったか… 寝てたまんまで良かったのに…)

健夜「………」


 チャッ、パシッ、タンッ  チャッ、ピシッ、トンッ!  チャッ、キュッ、ピシッ・・・・


全力以上であたることを宣言し、懸命に牌をツモる“普通の頑張り屋さん”神代小蒔・・・

そして… そんな小蒔の元に、この土壇場に来てとてつもない手が舞い降りる・・・!


9巡目

小蒔「…」チャッ

小蒔(よ、よし、来ました…! 萬子のチンイツテンパイ! しかも、これは・・・)

小蒔(九蓮宝燈が見えます!!)


小蒔手牌:一一一二三四五六六七八八九


 裕子『萬子のチンイツへと向かっていた神代選手… えっと… これ、テンパイしてますよね?』

 良子『そうですね… 七萬待ちテンパイです』

 はやり(28)『でもこれ、もし九萬引けたら九蓮宝燈テンパイになるよ!☆』


そして11巡目…

小蒔「……」チャッ!

小蒔(ひ、引けました! 九萬…!)


 裕子『! これは・・・! 神代選手九萬を引きました! ちゅ、九蓮宝燈テンパイですよね?』

 はやり(28)『うん九蓮テンパイだYO! すごぉーい神代さん!!☆』ハヤヤ


小蒔、九萬引きで六萬手出し…! 役満九蓮宝燈九萬待ちである!!


小蒔手牌:一一一二三四五六七八八九九


 良子『これは… とんでもないことになりましたね。 もし九蓮を和了れば、神代選手は親ですから48000…! ツモ和了りはもちろん、誰からの出和了りでも一発で小鍛治選手をまくってトップになれますよ!』


さらに12巡目…

照「…」チャッ


 裕子『おおっ?! そして、宮永選手の方が・・・』

 裕子『国士無双をテンパイです! 發待ち!!』


照手牌:東南西北白中一九①⑨⑨19


 裕子『なんと神代選手に続いて宮永選手までもが役満をテンパイ! 本当にとんでもないことになってきました…!』

 はやり(28)『ふつーは配牌時点で11種ないと国士を和了るのは確率的に難しいんだけど… 照ちゃんは9種10牌から強引に国士に持ってきたね… サスガ!☆』

 良子『宮永選手も發さえ出れば、ツモでもロンでも一撃でトップですね…!』


そしてなんと13巡目…!

杏果「……」チャッ!

杏果(よしキタッ!)クワッ

 
 裕子『えっ、わっ、えええ・・・?!?』

 裕子『こ、これは・・・ 稲村選手までもが役満をテンパイです! 四暗刻単騎待ち!!』


杏果手牌:222777八八八①③③③


 裕子『なんということでしょう! 四人中三人が役満をテンパイしています!!』

 良子『クレイジー…! これはもう… ノーマルな定石や確率は通用しない流れ… あの卓だけ時空がねじ曲がっているとしか思えません』

 はやり(28)『それぞれの待ち牌の九萬、發、一筒はみんなあと残り一枚…! 山のどこにあるかで勝負が決まりそうだね…!☆』ドキドキ

 裕子『それに対して、トップ小鍛治選手はタンピン手を狙っていますがまだ二シャンテンと出遅れています! これは・・・奇跡の大逆転が現実味を帯びてきました!』

 良子『小鍛治選手の手牌には、九萬も發も一筒も不要ですからね… 掴めば河に出すポスィビリティーは十分に有り得ますよ…!』


健夜「………」


小蒔(さあ九萬… 来て下さい!)チャッ!

照(あと一歩… 来いッ!)チャッ!

杏果(勝てる… 決勝に行くのは私だッ!)チャッ!


“天運は我にあり”・・・!

“あきらめずに最後まで牌にくらいつく者にこそ、勝利の女神は微笑む”・・・!

そう信じて疑わぬ真っ直ぐな目で牌をツモる三人の少女たち・・・

―――――

 淡(テルー、引け…! お願い、發来て!!)ギュッ

 慕(杏果ちゃん… もう少し、もう少しだよ…!)グッ…

 霞(小蒔ちゃん、魔王退治完遂まで、もうちょっとよ… 頑張って!)ドタポヨン


 咲(・・・もう、みんな… 全員勝ちでいいじゃんこんなの…! みんな決勝に行かせてあげてよぉ…!)ポロポロポロ…


会場では大勢の観客たちが、固唾を呑んで四人のツモを注視していた…

もう誰もしゃべる者はおらず… 実況室の3人すらが、いつの間にか黙りこくって対局の様子を見守っていた。

シィンと水を打ったように静まる中、四人の牌を操作する音だけが、時を刻む振り子のように、場内に響き渡る・・・

しかし・・・!!


健夜「 リーチ 」ドォッ!!

小蒔照杏果「「「 !!? 」」」ビクッ!


15巡目…! そんな静寂を打ち破り、あらゆる希望を打ち砕く千点棒が場に出される…!!


小蒔(来ましたか…!)

照(望むところ…! 先に引くのは私だ!)

杏果(リーチをかければ逃げることは出来ない… 小鍛治健夜… 私があなたを撃ち落とすッ!)


四角い宇宙を支配する魔王健夜の圧倒的圧力にも屈せず、闘志を失わない三人・・・!

そして・・・・・


小蒔(さあ、いらっしゃい! 九萬!!)スウゥ…


 チャッ


小蒔「・・・あっ!」


15巡目、神代小蒔が引いた牌は・・・・!





 九萬


小蒔(ひ、引けた…! やりました! 勝ちました!!)

小蒔「ツモ! 九蓮宝燈!! 役満16000オールです!!」クワッ!


息を吐いて、一気に倒した、その小蒔の手牌は・・・


小蒔手牌:一一一二三四五六七八八九九 ツモ「九」


紛れもなく九蓮宝燈ツモ! 別名天衣無縫… 役満の中でも最も美しいと言われる牌姿が卓上に咲く!!


照「う…?!」
杏果「くぅ…!」
健夜「……」


逆転…! 神代小蒔の空前絶後の大逆転!!


・・・ところが!


 ピキイイイイィィ――――ン・・・!!



小蒔「・・・え?」


突然… 周りの空間が、まるでセロハンを張りつけたかのように、水色に染まり…

その空間自体に、ピシピシとヒビが入ったかと思ったら、ガラスのコップが割れるような音を立てて、景色が粉々に砕け散ってしまったのだった。


小蒔「・・・・???」


 ザザザァ・・・  ザザザザザザアアアァ・・・・・


周りの“景色”が砕け散り、現れたのは…

静かに波の音が響く、美しい浜辺だった…


小蒔「こ、ここは…?」キョロキョロ


人は誰もいない。

海の向こうに日が沈もうとしている…


小蒔「・・・おかしいですね。 私はさっきまで麻雀を打っていたはずでは…」テクテク…

小蒔「一体ここは… どこなんでしょ・・・ ん?」ピタッ


 ウエエェ・・・  エエエエエエェェン・・・・!!


どこからか… 子どもがすすり泣くような声がする。


 エエエエェェーン・・・   ウエエエエエェェ・・・・


小蒔「子どもの声…? 一体、どこから…」キョロキョロ…


小蒔が周りを見渡すと、遠くの波打ち際に…

白いワンピースを着た、小学低学年くらいらしい小さな少女が、背中を向けてうずくまっているのが見えた。


小蒔「・・・どうしたんですか? なぜ泣いているんですか?」


歩み寄り、後ろから声をかけてみる小蒔…


少女「・・・さくやちゃんが、戻ってこないの…」エグッ、エグゥ…

小蒔「さくやちゃん? お友達ですか?」

少女「ううん… 私の、双子の妹…」スゥ…


泣きながら、小蒔の方に振り返る少女…


小蒔(・・・ん? 何でしょう、この八の字眉毛… どこかで見たような…?)


小蒔「妹さんが迷子なんですか?」

少女「・・・うん」グシュグシュ…

小蒔「泣かないで下さい。 では、私と一緒に探しに行きましょう」

少女「…おねえさんが、見つけてくれるの?」

小蒔「はい、私が手伝ってあげますから… ほらだから、元気を出して…!」


少女を励ます小蒔… 

ところが… その少女は、急に泣き止んだかと思ったら、真顔で小蒔の顔を覗き込んで、こう言ったのだった。


少女「それは無理だよ。 おねえさんは、探すことは出来ないよ…」

小蒔「? なぜですか?」

少女「だって・・・・」









幼健夜「おねえさんは、本当はここにはいないから」

小蒔「!?」


ーーーーーー
ーーーー
ーー


一瞬、ふわっと、体が浮いたような気がした。

そして、次の瞬間、




 「ロン」



小蒔「…え?」


健夜「…リーチ・タンピン三色イーペーコー… 赤1裏1、倍満16000です」

小蒔「・・・??」


いつの間にか、小蒔は、海辺の砂浜から対局室に戻ってきていた…

しかし…


健夜手牌:四五③④⑤⑧⑧334455 ロン「三」 赤[五]裏ドラ[③]


小蒔(…? え、何が…? 私がツモったのは九萬だったはず… なぜ三萬を出してるんですか?)


 裕子『・・・き、決まりました! トップ小鍛治選手が神代選手に倍満直撃…!』

 裕子『準決勝第四卓玄武の間、決着…! 最後の決勝進出者は土浦女子3年、小鍛治健夜!!』

 裕子『宮永、神代、稲村の三選手も、起死回生の役満をテンパイしていましたが、残念ながら和了ならずでした…!』


小蒔(え… そんな… 私が和了ったのは… ゆ・・・め・・?)

照(?? おかしい… 私の、国士無双は…?)

杏果(なんで…? 私、確かに四暗刻ツモったのに…?!)


小蒔だけでなく、照と杏果も、放心したように健夜の開いた手牌を見ていた…

照と杏果も小蒔と同じように、確かに自分の役満が一度成就するのを見たのである。

しかし… まるで時間が巻き戻されたように、自分の和了は消え… それとすり替わるように健夜が和了っていたのだった…


健夜「…お疲れ様でした」スッ…


健夜が、一言挨拶をして立ち上がると・・・

まるでそれが合図のように、放心していた他家3人は、一斉に気を失い・・・

バッタリと顔面から、自分のその役満をテンパイしていた手牌の上に倒れ込んでいた・・・



玄武南四局(終局)

東 小蒔 10800→-5200
南 杏果 27900
西 照  27400
北 健夜 53900→69900

順位
1位 小鍛治健夜(ファイナルステージ決勝戦進出決定)
2位 稲村杏果
3位 宮永照
4位 神代小蒔


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ーーーーーーーー
ーーーー

~館内医務室~


 ガヤガヤガヤ・・・  ザワザワガヤガヤガヤ・・・・!


試合終了と同時に失神者を出した玄武の間… 憩の医務室には小蒔、照、杏果の三人が運び込まれ、その仲間たちもドヤドヤと医務室に入り込んで騒然となっていた…


初美「荒川さん! 姫様は大丈夫なんですかー?!」クワッ

憩「だ、大丈夫やで… 軽い脱水症状と貧血が起きとるだけやから… しばらく休んどれば、目ぇ覚ますと思うで?」

憩(・・・ほんまは、神代さんは一時ショック状態で心肺停止しとったんやけど… 余計な心配させたらあかんで、今は黙っとこ…)


巴「まさか… 終局と同時に、失神しちゃうなんて…」

春「頑張り過ぎ…」ポリポリ

霞「……」


霞(いや… 私には一瞬だけ見えたわ… 小蒔ちゃんが九蓮宝燈を和了るところを…)

霞(また… あの小鍛治さんが何かやったんじゃないかしら…?)


閑無「チキショウ…! 小鍛治の奴、杏果にまで手ぇ出しやがって…!」ギリ…!

悠彗「い、いや、別に手は出してないでしょ… 麻雀打っただけなんだから…」


杏果「………」グッタリ…


小蒔だけでなく杏果と照も、やつれた表情でベッドに横たわり… まだ目を覚まさずにいた。


曖奈「一時的なショック状態みたいだから… 少し眠れば目覚めると思うけど…」

真深「おっかないなーまったく… なんだあの小鍛治ってのは…? 私が対戦してたら、私もベッドに寝かされてたんかな…?」

はやり「私… 一瞬、杏果ちゃんが勝ったような気がしたんだけど… 何か、幻みたいの見てたのかな…?」

慕「……」

慕(はやりちゃんも見たんだ… 杏果ちゃんが四暗刻和了ったところを…)

慕(アレを見て、やった! って思った瞬間、急に体がふわっと浮き上がったような気がして…)

慕(次の瞬間には、小鍛治さんが和了っていた… あの人、何かやったんじゃないかな…?)


照「… う、うぅ… ん…」パチッ

淡「あ、テルー! 気がついた?」

照「あ・・・淡?」

淡「わぁーんもう! テルー死んじゃうんじゃないかと思ったよーっ!」ダキッ

照「ちょ… くるっし… はな、して…」





憩「チャンピオンはもう大丈夫みたいやねーぇ。 点滴はずしときますね」キュッ

照「・・・えっと… 何が、あったの?」


ベッドから体を起こして、仲間たちの顔を眺める照…


菫「お前は準決勝の対局が終わった途端、気を失ったんだよ… それで医務室に担ぎ込まれてきたところだ」

栞「きっと過度の緊張とかで、疲れたんだよ… 無理しないで休んでね、宮永さん…」

照「・・・お腹すいた。 誠子… 私のドーナツ持ってきてくれる?」

誠子「え? あ、はい…」

菫「だ、大丈夫なのか? 今、そんなもの喉を通るのか?」

照「うん、多分私が倒れたのって、糖分切れが原因だから…」

尭深「とりあえずお茶どうぞ…」スッ

照「ありがとう、尭深…」ズズ・・・

照(………)

照(さっき…)

照(私は確かに、国士を和了った… アレは幻なんかじゃない…!)


照(小鍛治さんが絶対何かやったんだ。 あれは、きっと・・・・)モグモグ…


~放送スタッフ用モニタールーム~


咏(24)「ひゃー… まーたとんでもないことになったねぃ… すこやん! だからヤリ過ぎだっつーのw」パタパタ

健夜(27)「私に言われても…」

えり「対局後に3人倒れるなんて… 前代未聞ですね」

のよりん(27)「ブッコワス! クラッシャー!!」プンスコ=3

みさき「麻雀って怖い競技なんですね…」

恒子「いや、違うでしょ村吉さんw あのすこやんがどうかしてるんだって!」

健夜(27)「……」


恒子「でもまあ… なんですこやんが“麻雀デストロイヤー”なんて呼ばれてるのか、理由が分かったよ」

恒子「文字通り対局後にブッ倒してたら… そりゃ牌が持てなくなっちゃう人が続出するのも、頷けますよね…」

健夜(27)「そ、そこまで言わなくてもいいでしょ…?」ジロ…

えり「でも確かに… 小鍛治さんはただ麻雀を打ってるだけなんですから… 負けた方が悪いっていう見方もできるかと思いますけど…」

咏(24)「ま、そーさね。 悔しかったらあのすこやんに勝ってみろって話だもんね♪」フリフリ

みさき「決勝では女子高生の三尋木プロがあの小鍛治さんと対決するんですよ」

咏(24)「あ、そーか! 忘れてたわw」ニタッ


咏(24)「でもすこやんさぁ… さっき“アレ”を使ったんだろ? あんなチートな反則技使うんなら、決勝の私ももうなんでもアリですこやん叩きに行くぜ? 知らんけど」

健夜(27)「……」

恒子「“アレ”?」

えり「なんですか三尋木プロ、“アレ”って」

咏(24)「一回戦の時にも話したけど、すこやんの力は“因果律を捻じ曲げて別の未来を創る”ことなんだよね…」

えり「ああ… そういえば瑞原プロが説明してくれてましたね。 確か、“絶対に起きるべき事”を起こさずに、“起きるはずがない事”を起こしちゃうとかって…」

咏(24)「そっ。 で、この力が極限に高まると、“実際に起きてしまったことを無かったことにする”こともできちゃうんだよね…」

みさき「…? さっきの対局で、小鍛治さんがその力を使ってたんですか?」

咏(24)「そうだよ。 あの南四局… すこやんの他家3人はみんな役満をテンパイしてたけど、アレはね、みんな一度“実際に和了った”んだ」

咏(24)「幻を見せられたとかそういうんじゃなくって、本当に現実の中で和了ったんだ。 でも、すこやんが全部その“現実”をキャンセルして、別の“現実”に作り変えたんさ」


恒子「ほ、ほんとなのすこやん?」

健夜(27)「ま、まあ、多分…」

えり「確かに、そんなことをしてしまったらもうゲームが成立し得ない… 勝負にはならないですね…」

恒子「実際に和了ったのにそれをキャンセルされちゃうなんて… かわいそ過ぎるよ! すこやん鬼過ぎるってやっぱり!」

健夜(27)「い、言い訳するようだけど… 私はその力を、自分で使ってるわけじゃないんだって… アレは私自身もどうしようもないんだよ…」

みさき「? どういうことですか?」

健夜(27)「あの力を発動してるのは、私じゃなくって、私の中の“もう一人の自分”だから…」

恒子「もう一人の自分? なにすこやんって二重人格者なの?」

健夜(27)「ま、まあそんなようなもんだよ。 ごめんね、ちょっとこれ以上は… 内緒にさせて…」


健夜(27)(私の中の“あの子”が… 私が負けるのを許さないんだよね… はあ… 誰かあの私を負かせあげてよ…)フウ…


~玄武の間・実況室~


 裕子「さあ…! 終局直後に倒れる選手が出るというトラブルが起き、、ちょっとバタバタしておりましたが…」

 裕子「ただ今選手の皆さんの状態に心配はないという連絡が入ってきました。 一時中継を中断してしまい、大変失礼いたしました…」

 裕子「とりあえずまずは、この対局をざっと振り返ってみたいと思います。 戒能プロは、いかがでしたか?」

 良子「そうですね… 四人の雀士それぞれが持ち味を生かした、グッドな試合だったとは思いますが…」

 良子「結局は… 小鍛治選手が他家3人の能力をほぼパーフェクトに封じての完勝という結果になりましたね」

 裕子「小鍛治選手は、この試合14局のうち実に6回も和了… 他家全員を原点以下に沈めてのAトップでしたからね」

 良子「イエス。 宮永選手のあの連続和了とギギギの力を正面から止めてみせ、稲村選手の和了をわずか一回に抑え… 神代選手の神降ろしに対しても倍返しで対応しましたからね…」

 裕子「この試合は、“現インハイチャンプVS旧インハイチャンプ”の対決というのが注目されていましたが、宮永選手は最後まで小鍛治選手を攻略することができませんでした」

 良子「そうですね。 ワンモア対局をしたらどうなるかは分かりませんが、このファイトは誰が見ても小鍛治健夜の実力が他3人を上回っていた・・・」

 はやり(28)「杏果ちゃんもずーっと頑張ってたんだけどね… でもこの負けは無駄じゃないYO! きっと杏果ちゃんの力になってると思うな!☆」

 
 良子「ええ、はやりさんの言う通りですね。 この試合は終わってしまいましたが、彼女たちの闘い自体が終わったわけではありません。 この闘牌を良い経験として、自らの糧としてこれからも頑張って欲しいものです」

 裕子「この第四卓は試合前に、観客の方々に順位の予想を募っていましたが… 予想では1位宮永照、2位小鍛治健夜、3位神代小蒔、4位稲村杏果ということでしたが、やはりなかなか予想通りにはならないものですね」

 良子「麻雀はなんといっても運のファクターが大きいですから、プロでも正確に予想するのは困難です。 “運すらも左右することが出来る者が勝つ”・・・それが麻雀というゲームだと言えるでしょう」

 裕子「なるほど… 確かに、この準決勝の四つの闘いを制し、ファイナリストとなった雀士たちは皆… 何か運の神に愛されていたと言っても良いかもしれません。 ここで準決勝全ての対局の結果を表示してみたいと思います」

 裕子「リストにすると、こちらですね↓ 『』でくくってある選手が決勝進出を決めた選手たちです」


≪準決勝対局結果≫

・第一卓(青龍の間) 『S戒能良子』 A獅子原爽  B雀明華   Bハオ・ホェイユー 

・第二卓(朱雀の間) 『S三尋木咏』 A石戸霞   B天江衣   B片岡優希     

・第三卓(白虎の間) 『S白築慕』  S野依理沙  A善野一美  B愛宕洋榎     

・第四卓(玄武の間) 『S小鍛治健夜』S宮永照   A神代小蒔  B稲村杏果     


 裕子『こうして見ると… 準決勝は全て、ランキング上位者が試合を制した… という結果になりましたね』

 はやり(28)『ホントだね!☆ 一回戦ではAランクやBランクの子もたくさんトップになってたから、こんなランキングなんかかんけーないっ! って思ってたけど…』

 はやり(28)『やっぱ最後はホントにつおい子が決勝に行ったってカンジなのかな? はやりはAやBの子も誰か決勝に行って欲しかったんだけどなー☆』

 良子『いえ… 先ほどの第四卓はともかくとして、残りの三試合はかなりの接戦でしたから… ファイナリストが全員ランキング上位者になったというのはたまたまでしょう…』

 裕子『しかし… 決勝卓は“戒能良子VS三尋木咏VS白築慕VS小鍛治健夜”という、どこをとっても実に層々たるメンバー… この大会の最終戦として相応しい闘いになりそうですね』

 はやり(28)『完全にセオリーや理論無視の超人麻雀になるだろーね!☆ 雀卓がブッとんだりするかもしれないよ?』ハヤヤ

 裕子『戒能プロは、二年前のご自身も選手として参加するわけですが… どうですか? 決勝はどのような展開になると思います?』

 良子『・・・えっと… 決勝戦のルールは、準決勝とはディファレントなのですか?』

 裕子『ルールですか? えっとですね、少し異なるところがあるのですが、まずは・・・』

本日ここまでなの
次回はまた間があき、再来週の土曜(8/5)の20:00から進めていきたいと思います

決勝戦は前後半ありの二半荘戦。 ルールは準決勝と基本は変わらないと思いますが、今のところ以下のことを変更しようかと思っています↓


・和了点を“三翻以上”限定とする(打点表改変。 もしかしたらダブル役満あり)

・四人全員に、オリジナルのステージ系能力を一つ追加する(慕は現時点ではステージ系能力が無いのが前提なので、レベルが変わらないように調整)

・「ここまで闘ってきた相手の能力を一度コピーできる」という力を全員に付加(良子の「ネクロマンシー」と基本は同じ)


何か意見等あればなんでもどうぞ。 

ルールと能力はまとめて、試合開始二日前くらいに貼ろうと思います。

乙、提案あざす

慕には「天衣無縫の極み(麻雀が純粋に楽しいという気持ちに立ち戻っての覚醒状態)」の能力を追加する方向で考えていきます

決勝は二半荘戦ですが、前半の席決めを先に行ってしまおうと思います


※席決め(決勝卓前半)

良子→>>758

咏→>>759

慕→>>760

健夜→>>761

(コンマ以下の大きい順に東→南→西→北)

はい

レスあざした

決勝卓・場決め(前半)
東 健夜(96)
南 咏 (64)
西 慕 (61)
北 良子(31)

     慕
     (西) 
   ――――――

   |    |
良子|    | 咏 
 (北)|    |(南)
   |    |
   ――――――

     健夜    
     (東)


※ステージ発動系の能力は「北→西→南→東」の順だが、慕の「プリマヴィント」が南三局と四局で発動されるので、この試合は「良子(東1)→咏(東3)→健夜(南1)→慕(南3)」の順になる。

※ノーマルステージでの「主役」の巡る順番は、「能力の発動される順番と逆」なので、「慕→健夜→咏→良子」。

※基本和了率は全員Sランカーなので全員25%。

(準決勝までと同じならこうなるけど、能力の関係で少し変わるかもしれない)

決勝戦の和了点を“三翻以上”限定ルールだと、ちょっと今のままの咏の火力だと物足りなくかんじますね
常時発動の「業火の火力」をちょっと底上げしてもいいんじゃないかな


17日にいろいろ意見をもらっていたので、今さらですがちょっとまとめてみます。


・作風が闘牌と合ってないのでは → 全体的に雰囲気を変えた方がいい?

・熱い闘牌とか求めてない → もう少しシンプルなかんじに戻した方がいい?

・麻雀部分も会話部分も下手くそ → すぐには対応不可


なるべく意に沿うようにはしたいので、試行錯誤、考えてはいるんだけど… ちょっと難しいかもしれない。

また改めて、書き方、進め方等について、率直な意見をもらえると嬉しいです。


>>763
もし条件が変われば、能力等は調整されるので大丈夫

>>592
余計なお世話です

>>593
別に自分がSSを書いてるから批判したわけじゃない
批判するのに、SSを書いてるとか書いてないとかは関係ないでしょう


いろいろ考えてるんだけど、ちょっと、>>1が書くよりも、他の人が代わりに書いた方がいいかもしれない

誰か、運営を交代してくれる人はいないでしょうか?

もちろん、ここまで進めてきて、最後だけ他の人が書くというのは難しいかもしれないけど、もし誰かやってみたい人がいたらお任せしたいんだけど…

誰もいなければ>>1が引き続き運営しますが、ちょっと、期待に添えられるか分からない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とりあえず>>1が引き続き運営していきます。

遅くなりましたが、決勝戦でのルール及び能力についてまとまったので貼っておきます。


≪ルール≫

・決勝は二半荘戦

・打点表は今までと一緒(三翻以上縛りとダブル役満ありは無し)

・前半は準決勝と同じ流れだが、後半は主役(ノーマル)ステージ無しの全て能力ステージになる予定


なるべくシンプルで分かりやすく、熱い展開よりもスピーディーであっさりした感じの方がいいのかもしれないけど…

ここまでの流れも生かして、より楽しめる試合になるようにしたいです。

下に各自の能力詳細を貼ります↓

決勝戦は二半荘で少し条件が変わるので、それぞれが持っている能力のアドバンテージの総量は変わらないように、ちょこちょこ調整してあります。

≪決勝戦出場者の能力詳細≫

『S5 戒能良子(高三)』

<常>→「テスカトリポカ」
    “煙を吐く鏡”を意味するアステカの全知全能の神。
    他家に自分の能力の正体や手牌を察知されるのを防ぐ。(照の照魔鏡だけでなく、美穂子や憩など、手牌を特別な能力で読んでくる相手に対しても有効)

<ス>→「ソロモン第4柱ガミジン“ネクロマンシー”」
    他者の魂を強制的に召喚できる魔神。
    この大会に参加していない雀士の能力をどれでも一つ完全にコピーできる。 具体的には桃子の“ステルス・モモ”やダヴァンの“デュエル”、誠子の“フィッシャー”など。
    和了率は誰を選んでも70%、満貫以上。

    「ソロモン第42柱ウェバル“強制遭難”」
    人魚の姿をしており、海洋に嵐を起こしたりして船を遭難させる。
    特定の他家を“遭難”させ、確実に振り込ませることができる。和了者は未定だが、良子の和了率が50%。

    「ソロモン第56柱グレモリー“時の魔神”」
    過去、現在、未来の全てを掌握できる魔神。
    5巡目くらいまでの自分のツモ牌を知れるため、淀みなくテンパイできる。 和了率70%。

    「ソロモン第72柱アンドロマリウス“千里眼”」
    他者の企みを看破できる魔神。
    一巡目から他家の手牌を完全に看破。 リーチをかけない限り振り込まない。 なお、テンパイが早いため和了率60%。

<特>→「ソロモン第29柱アスタロト“能力殺し”」
    右手に巻きつけた毒蛇の力で相手の能力を塞ぐ。
    一半荘で一度(一局)だけ、他家の常時発動系か特殊発動系の能力を完全に封じることができる。 他家が振り込みそうな時などにも使用可。

※「ネクロマンシー」が、「他の選手の能力をコピー」から「大会に参加していない雀士のコピー」に変更。この能力だけ特別に前半と後半で各一回ずつ使用可能。
 決勝戦では、「テスカトリポカ」は実質効力はありません。 しかし「アスタロト“能力殺し”」は非常に強力です。 咏、慕、健夜の常時発動系と特殊能力のどれかを一半荘で一回、つまり最高で二回完全に無効化できます。

ーーーーーーーーーーーーー

『S3 三尋木咏(高三)』

<常>→「業火の火力」
    1・2・3翻は全て満貫和了となる

<ス>→「迫り来る怒涛の火力」
    和了率70%。 ハネ満or倍満。

<ス>→「迫り来る神域の火力」
    和了率40%。 三倍満or役満。 

※「迫り来る怒涛の火力」が、“ハネ満以上”から“ハネ満or倍満”に変更(平均打点はほぼ同じ)。 また「怒涛の火力」と「神域の火力」は、他家の和了率を含めて考えた場合の得点期待値は大体同じ。

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『S2 白築慕(高三)』

<常>→「フォーゲルセット(鳥さんいらっしゃい)」
    一索が集まる。 チャンタ系、イッツーなど和了しやすい。 常に打点が1ランクアップする。

<ス>無し(南三局で必ず「プリマヴィント」を発動する)

<特>→「プリマヴィント(最上の風)」
    南三局で和了率が70%、南四局では必ず一向聴からスタート出来る。 和了できれば三翻以上で和了れる。 (親が和了した場合の南三局一本場や南四局一本場では発動されない)

<特>→「天衣無縫の極み」
    麻雀が純粋に楽しいという気持ちに立ち戻っての覚醒状態。 コンマバトルで自分だけ30ポイントプラスした状態で闘える。
    打点表を掲示したレスのコンマがゾロ目の時、次局で発動。 発動回数に制限は無い。

※慕は変わらず自分のステージ系能力は無し。 しかし特殊能力の「天衣無縫の極み」が加わったため、「プリマヴィント(最上の風)」を、打点満貫以上から三翻以上へとランクダウン、更にオーラスでの連続使用は不可に変更。
 また、「プリマヴィント(最上の風)」と「天衣無縫の極み」が重複した場合は、どちらかを選択して使用する。

ーーーーーーーーーーーーーーー

『S1 小鍛治健夜(高三)』

<ス>→「ゴッドハンドリーチ」
    他家3人のうち2人を降ろす。残った1人とタイマン。和了率80%。和了れば裏ドラが二つのる(満貫4翻、ハネ満6翻、倍満8翻、三倍満11翻)。
    尚、自分が振り込むことはない(その場合流局になる。「残った一人」はツモ和了りしかできない)。

<ス>→「メガディザスターリーチ」
    黒い牌(風牌と二・四・八筒)が集まる。 和了ればローカル役満黒一色の形で和了れる。 実際の打点はハネ満or倍満or三倍満or役満。 
    コンマバトルで、自分だけコンマ以下の数を2倍にできる。

<特>→「魔王の呪い」
    自分が満貫以上を振り込むと、次の局でその振り込んだ相手から、振り込んだ打点より1ランク高い打点でロン和了りすることができる。
    ただし、一試合で同じ雀士には一度しか効かない。

<特>→「ファイナルオールクラッシャー」
    自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。 その最下位に“ハネ満”を直撃する。 一人につき一度だけ発動できる。

※二半荘で試合が長いため、「魔王の呪い」が「一試合で同じ雀士には一度しか効かない」のは健夜にとって不利。 なのでその代わりに「ファイナルオールクラッシャー」を満貫からハネ満へとランクアップ。 また、慕と特殊能力がかぶった場合は、健夜の方が優先され、慕の特殊能力は発動されない。


<決勝戦におけるステージ系能力使用のルール>

・各自、自分のステージ能力は二半荘の試合の中で「3回」まで使用可能。 ただし良子だけは4種類各一回ずつ、更に「ネクロマンシー」のみ二回使用可能なので合計「5回」まで使用可能。

・尚、それぞれ一回戦と準決勝で闘った相手のステージ系能力を一回ずつ使うことができる。 良子は「小蒔・美穂子・透華・ハオ・明華・爽」、咏は「洋榎・怜・靖子・優希・衣・霞」、慕は「爽・曖奈・悠彗・善野・洋榎・のよりん」、健夜は「憧・優希・閑無・照・小蒔・杏果」。
 かぶってる小蒔と洋榎は、一度どちらかに使われたらもう使用不可。

・前半の半荘は準決勝と同じだが、後半の半荘は主役ステージ無しの「全ステージが能力ステージの殴り合い」の予定。


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とりあえず以上です。 何か意見、提案、質問等あればなんでもどうぞ。

書き出しは明日からの予定でしたが、まだまとまらないので一週間遅らせます。 予定としては来週8/12(土)の20:00から

少なくともこのスレのキャラクターはもう1の言う通り薄っぺらい感じで固まっちゃったから今更後付けで付けられても反応に困る
とりあえず新しくやり直すのがいいと思う
あと余計なお世話かもしれないが雀荘で打ってみたらどう?いきなり賭けはきついかもしれないけど闘牌に厚みは出ると思うよ
もし既に打ってるなら闘牌シーンの描写のレベルが低くて才能ないと言わざるを得ない

>>269
意見あざす

闘牌の描写については、少し複雑になりすぎてややこしくなっちゃってるかな? と思ってたけど、そうでもないかな

>>269が不満に思った点は、闘牌ではどのあたり?

なんかレス番間違えてたw ごめん

>>769が不満に思った点は、闘牌ではどのあたり? 新しくやり直すってのは、最初から? 決勝戦やらないの?

乙あざす
進めてくにょ

このあと新スレが立つのが9時頃、決勝戦開始が9時半頃になると思います

各自の能力、また一部変更があるので、改めて下に貼っておきます
変更・調整は、必ず試合開始までにお願いします

>>769はもういないのかな…
遠慮せず、何か思うところがあったら書き込んで下さいね


<決勝戦における「ステージ系能力」使用のルール>

・各自、自分のステージ能力は二半荘の試合の中で「3回」まで使用可能。 ただし良子だけは4種類各一回ずつ、更に「ネクロマンシー」のみ二回使用可能なので合計「5回」まで使用可能。

・尚、それぞれ一回戦と準決勝で闘った相手の「ステージ系能力」を一回ずつ使うことができる。(最初は、それぞれ自分自身の能力から使用する) 

良子は「小蒔・美穂子・透華・ハオ・明華・爽」
咏は「洋榎・怜・靖子・優希・衣・霞」
慕は「爽・曖奈・悠彗・善野・洋榎・のよりん」
健夜は「憧・優希・閑無・照・小蒔・杏果」
 
かぶってる小蒔、洋榎、爽は、一度どちらかに使われた能力はもう使用不可。

・前半の半荘は準決勝と同じだが、後半の半荘は主役(ノーマル)ステージ無しの「全ステージが能力ステージの殴り合い」の予定。

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≪決勝戦出場者の能力詳細≫

『S1 小鍛治健夜(高三)』

<ス>→「ゴッドハンドリーチ」
    他家3人のうち2人を降ろす。残った1人とタイマン。和了率80%。和了れば裏ドラが二つのる(満貫4翻、ハネ満6翻、倍満8翻、三倍満11翻)。
    尚、自分が振り込むことはない(その場合流局になる。「残った一人」はツモ和了りしかできない)。

<ス>→「メガディザスターリーチ」
    黒い牌(風牌と二・四・八筒)が集まる。 和了ればローカル役満黒一色の形で和了れる。 実際の打点はハネ満or倍満or三倍満or役満。 
    コンマバトルで、自分だけコンマ以下の数を2倍にできる。

<特>→「魔王の呪い」(オーラスで振り込んだ場合は発動されない。前半の南四局で振り込んだからといって、後半の東一局で発動したりはしない)
    自分が満貫以上を振り込むと、次の局でその振り込んだ相手から、振り込んだ打点より1ランク高い打点でロン和了りすることができる。
    ただし、一試合で同じ雀士には一度しか効かない。

<特>→「ファイナルオールクラッシャー」(「魔王の呪い」と一緒で、オーラスで発動条件を満たしても発動されない)
    自分がトップで、最下位が残り一万点を切った場合に発動。(「最下位が既に一万点を切っており、健夜が和了ってトップになった」場合は発動されない) 
    次局でその最下位に“ハネ満”を直撃する。 一人につき一度だけ発動できる。

※二半荘で試合が長いため、「魔王の呪い」が「一試合で同じ雀士には一度しか効かない」のは健夜にとって不利。 なのでその代わりに「ファイナルオールクラッシャー」を満貫からハネ満へとランクアップ。
 また、慕と特殊能力がかぶった場合は、健夜の方が優先され、慕の特殊能力は発動されない。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『S2 白築慕(高三)』

<常>→「フォーゲルセット(鳥さんいらっしゃい)」
    一索が集まる。 チャンタ系、イッツーなど和了しやすい。 常に打点が1ランクアップする。

<ス>無し(南三局で必ず「プリマヴィント」を発動する)

<特>→「プリマヴィント(最上の風)」
    南三局で和了率が70%、南四局では必ず一向聴からスタート出来る。 和了できれば三翻以上で和了れる。 (親が和了した場合の南三局一本場や南四局一本場では発動されない)

<特>→「天衣無縫の極み」
    麻雀が純粋に楽しいという気持ちに立ち戻っての覚醒状態。 コンマバトルで自分だけ30ポイントプラスした状態で闘える。
    打点表を掲示したレスのコンマがゾロ目の時、次局で発動。 発動回数に制限は無いが、オーラスでゾロ目になっても発動されない。

※慕は変わらず自分のステージ系能力は無し。 しかし特殊能力の「天衣無縫の極み」が加わったため、「プリマヴィント(最上の風)」を、打点満貫以上から三翻以上へとランクダウン、更にオーラスでの連続使用は不可に変更。
 また、「プリマヴィント(最上の風)」と「天衣無縫の極み」が重複した場合は、どちらかを選択して使用する。

ーーーーーーーーーーーーーーーー

『S3 三尋木咏(高三)』

<常>→「業火の火力」
    1・2・3翻は全て満貫和了となる

<ス>→「迫り来る怒涛の火力」
    和了率70%。 ハネ満or倍満。

<ス>→「迫り来る神域の火力」
    和了率40%。 三倍満or役満。 

※「迫り来る怒涛の火力」が、“ハネ満以上”から“ハネ満or倍満”に変更(平均打点はほぼ同じ)。 また「怒涛の火力」と「神域の火力」は、他家の和了率を含めて考えた場合の得点期待値は大体同じ。


『S5 戒能良子(高三)』

<常>→「テスカトリポカ」
    “煙を吐く鏡”を意味するアステカの全知全能の神。
    他家に自分の能力の正体や手牌を察知されるのを防ぐ。(照の照魔鏡だけでなく、美穂子や憩など、手牌を特別な能力で読んでくる相手に対しても有効)

<ス>→「ソロモン第4柱ガミジン“ネクロマンシー”」
    他者の魂を強制的に召喚できる魔神。
    “この大会に参加していない雀士”の能力をどれでも一つ完全にコピーできる。     

※ネクロマンシーで呼べる雀士(例)↓

1、東横桃子「ステルス・モモ」 和了率70%、ロン和了り限定。 ただし三倍満以上は倍満に繰り下がり。 また自分自身は絶対に振り込まない(その場合相手のツモ和了りになる)。

2、メガン・ダヴァン「デュエル」 選定した特定の相手とタイマン。 和了率60%。ハネ満or倍満。 和了れば相手から出和了りを取れるが、和了れなければ自分が相手に振り込む(相手の打点は通常)。

3、亦野誠子「フィッシャー」 和了率90%、ただしハネ満以上は満貫に繰り下がり。

4、その他。 和了率70%、三翻以上。

    「ソロモン第42柱ウェバル“強制遭難”」
    人魚の姿をしており、海洋に嵐を起こしたりして船を遭難させる。
    特定の他家を“遭難”させ、確実に振り込ませることができる。和了者は未定だが、良子の和了率が50%。

    「ソロモン第56柱グレモリー“時の魔神”」
    過去、現在、未来の全てを掌握できる魔神。
    5巡目くらいまでの自分のツモ牌を知れるため、淀みなくテンパイできる。 和了率70%。

    「ソロモン第72柱アンドロマリウス“千里眼”」
    他者の企みを看破できる魔神。
    一巡目から他家の手牌を完全に看破。 リーチをかけない限り振り込まない。 なお、テンパイが早いため和了率60%。

<特>→「ソロモン第29柱アスタロト“能力殺し”」
    右手に巻きつけた毒蛇の力で相手の能力を塞ぐ。
    一半荘で一度(一局)だけ、他家の常時発動系か特殊発動系の能力を完全に封じることができる。 他家が振り込みそうな時などにも使用可。

※「ネクロマンシー」が、「他の選手の能力をコピー」から「大会に参加していない雀士のコピー」に変更。この能力だけ特別に前半と後半で各一回ずつ、合計二回まで使用可能。

※決勝戦では、「テスカトリポカ」は実質効力はありません。 しかし「アスタロト“能力殺し”」は、咏、慕、健夜の常時発動系と特殊能力のどれかを一半荘で一回、つまり最高で二回無効化できます。
 >>1の方からは、“良子が振り込んだ時”“良子が親っかぶりをした時”に「能力殺し」を使うかどうかの呼びかけをしますが、それ以外の状況でも書き込みがあれば使用する可能性はあります。

具体的には…

・「魔王の呪い」「ファイナルオールクラッシャー」→発動時にキャンセル
・「プリマヴィント」「天衣無縫の極み」→振り込みなら、他家に押しつけられる。 親っかぶりは、流局か他家へのロン和了りに変更できる。






裕子「戒能プロは、二年前のご自身も選手として参加するわけですが… どうですか? 決勝はどのような展開になると思います?」

良子「・・・えっと… 決勝戦のルールは、準決勝とはディファレントなのですか?」

裕子「ルールですか? えっとですね、少し異なるところがあるのですが、まずは・・・一回戦と準決勝は半荘一回の勝負でしたが、この決勝戦のみは二半荘の前後半アリの試合となっています」

はやり(28)「二半荘かぁ… ウマやオカはあるのカナ?☆」

裕子「いえ、順位によるウマやオカは一切ありません。 前半の点棒をそのまま後半に引き継ぐ形で、純粋に得点の多寡だけで勝敗を決します。 準決勝と同じ3万点スタートのトビ無し箱下清算有りですね」

裕子「決勝のみ打点を満貫縛りあるいは三翻以上縛りにするという案もあったのですが、結局その点は今まで通りで変えずに行うことになりました」

はやり(28)「満貫縛りなんかにしたら咏ちゃんが断然有利だヨ! あの人殆ど満貫未満で和了ることなんかないもん☆」


裕子「あとは、赤4枚、ダブロンなしダブル役満なし、大明槓の責任払いありなどといった細々したことは、今まで通りインハイのルールに準拠…という形になっています」

良子「なるほど… 小鍛治健夜、白築慕、三尋木咏、そして私、の4人の二半荘勝負ですか…」

良子「経験値で言ったら、幼少の頃より全国の舞台で闘っている三尋木選手がダントツですが… やはりここまでの試合の経過を見るに、小鍛治選手一人がヘッド一つ抜けていると思います」

裕子「… この決勝戦ででも・・・ですか?」

良子「イエス。 白築、三尋木、私、の3人は一回戦では一度敗れています。 ここまでほとんどピンチらしいピンチもなく決勝に上がってきたのは小鍛治選手オンリーですから」

裕子「なるほど… ではやはり決勝戦でも、小鍛治選手が優勢に試合を進め、それを他三人が追いかける、という展開になりそうでしょうか」

良子「ええ、メイビー…」

はやり(28)「いや、はやりはそーは思わないケド?☆」

裕子「瑞原プロ?」


はやり(28)「はやりはね、この決勝戦、カギを握ってるのは良子ちゃんだと思ってるんだよね!☆」

良子「……」

裕子「ほお… なぜですか?」

はやり(28)「だって、確かに純粋な雀力だけならすこやんが一番強いのかもしれないけど、オカルト的な能力ならなんてったって良子ちゃんが一番だもん☆」

はやり(28)「すこやんのあの悪魔みたいな和了りも、良子ちゃんなら正面から止められんじゃないの? 何しろ本物の悪魔を召喚できるんだからさ!☆」ハヤヤ

良子「そうですね… あの二年前の私の力が、どこまで小鍛治さんに通用するかは分かりませんが…」

はやり(28)「それにぃ、あの女子高生のすこやんはまだ麻雀始めて数か月程度の初心者なんだからッ! はやりは慕ちゃんや咏ちゃんもそー簡単にヤラれるとは思わないけどなー☆」

裕子「なるほど… しかし瑞原プロは、インハイの準決勝であの小鍛治選手と対戦した経験があるわけですが… 団体でも個人でも勝つことはできなかったんですよね」

はやり(28)「うるさいYO!☆」


裕子「では! 準決勝も全て終了し、ただ今時刻はちょうど正午を回ったところですが…」

裕子「これから90分ほどお昼休みをとり、13:50より1回戦を行った大ホール中央ステージにて、いよいよ最終決勝戦に出場する選手たちの紹介… そして14:00に闘牌スタート、という流れになっております」

裕子「それまで、実況室の方も閉じさせていただきます。 ではここまで、実況は私、佐藤裕子… そして解説は、」

良子「戒能良子と、」

はやり(28)「宇宙一カワイイ永遠不滅の美少女クイーン!☆ みんなのはやりーんでお送りしましたッ!☆」ハヤッ

裕子「決勝戦は、実況を四人のアナウンサー全員で交代しながらお送りさせていただく予定です。 それでは皆さん、少しの間だけ、さようなら!」

はやり(28)「お昼ごはんしっかり食べるんだぞッ!☆」


  プチッ





12:45(昼休み)

~館内ラウンジ~


 ザワザワザワ・・・  ワイワイガヤガヤ・・・・


優希「スキありだじぇ! マホ!」サッ

マホ「ア―ッ! ゆーき先輩! マホの玉子焼き取らないで下さいよ!」=3

優希「むほほ…w 後輩は先輩に貢ぐもんだじぇw さっきの準決勝で体力をしょーもーしたからな! えーき養うじぇ!」モグモグ

和「優希… マホは未来から来たんですから、今は高校2年生、私たちの先輩ですよ」

京太郎「それにお前、英気養うって、もう負けたんだからその必要もねーだろ」

優希「なにおぅ!? 清澄で一番イイ所まで行ったのは私なんだじょ? もっとみんな私をあがめるべきだじぇ」

まこ「だからって人の弁当のオカズを取っていい理由にはならんじゃろ…」

マホ「ゆーき先輩スキありです!」サッ!

優希「ぬああぁマホ! おぬし私が最後まで残してた唐揚げを…!」=3


 ナラコッチノヤキニクヲモラウジェ!  チョ、ユーキセンパイ!  オマエラエエカゲンニセンカイ!


咲「……」モグモグ

京太郎「…ん? なんだ咲、お前購買で買ったおにぎりだけか?」

咲「え? う、うん… お弁当もう売り切れてたから…」

和「咲さん、良かったら私の茶巾寿司いかがですか? 宿舎の調理場で多めに作ってきたので…///」

咲「あ、ありがとう和ちゃん… でも私、今あんまり食欲なくって… あとでいただくよ」

和「そ、そうですか…」

久「………」


久(優希はすっかり平常運転に戻ったけど… 代わりに咲の元気がなくなっちゃったわね…)

久(さっき、宮永照が小鍛治さんに完膚無きまでにヤラれたことがショックだったのかしら?)

久(もともとこの大会は、咲が活躍できるイベントを… っていう事が一つの切っ掛けで始めたことだから、自分が本選に行けなかったことも気にしてるのかもしれないわね)

久(それにしても… この大会、参加者の内訳は、過去の雀士が16名… 現代が40名… そして未来から来た子たちが3名、の全59名だったわけだけど…)

久(結局未来と現代の子たちは全滅、残った4人は全て過去の雀士… 正直、“現代”の雀士としてはちょっと悔しい結果になっちゃったわね)

久(まあ、4人のうちの3人には、一回戦で現代の選手が勝ってるわけだから、小鍛治さん以外が優勝してくれれば私たちのメンツも保てそうだけど…)

久(どうなるのかしらね…? 小鍛治さんが無敗のまま優勝を決めちゃうのか、それとも他の3人の誰かがあの大魔王を打ち破るのか…)

久(まあ、どちらにしろ、このイベントの最終戦として相応しい闘牌を期待したいわね!)


決勝戦についていろいろと思いを巡らせる、今大会の発起人の久・・・

二日に亘って繰り広げられてきた熱い闘牌を締めくくる、ファイナルステージ開幕の瞬間が、刻一刻と迫ってきていた・・・






13:40

東京国際フォーラム館内、円形大ホール
 

 ガッ、ガッ、ピー・・・

館内放送『・・・え、えー… 本日は麻雀日和… 本日は麻雀日和…』

放送『さああァ館内の皆さん! 私の美しい声は聞こえているかな?!』

放送『いよいよ決勝戦を開始いたしますので! 試合に出場する四選手は、中央ステージのスタンバイエリアまで来て下さい! 遅刻は厳禁だぞ!!』

放送『観客のみんなも今のうちにトイレとかすましといてね! 約10分後に選手たちの入場が始まりますので!』


 ガヤガヤガヤ・・・ コーコチャンノコエヤ!  イヨイヨハジマルナ  ドキドキスルヨモー…  チョータノシミダネ!  ザワザワガヤガヤガヤ・・・・


閑無「さあ慕! 遂に最後の仕事だぞ!」

杏果「頑張ってね、慕ちゃん」

はやり「全力で応援するからね!☆」

曖奈「楽しんでらっしゃいねぇ♪」

真深「みんなの無念、晴らしてきてくれよな」

悠彗「慕… 一発かましたれ!」

慕「う、うん、じゃあ、行って来るね///」スッ…


仲間たちに声をかけられ、慕が椅子から立ち上がると、その腰まで届く長い黒髪がふわりとなびく…

彼女の穏やかなセピア色の目には、一切、不安や気負いはない…!


慕(よし…! これが最後の試合なんだ。 いっぱい、楽しんでくるぞ…!)ドキドキ


と、その時、


?「白築さん」
?「白築ィ!」
?「……!」プンスコ=3
?「よーぉ白築ちゃん!」


慕「え、あなたたちは・・・」


善野「見送りに来ましたよ、白築さん」

洋榎「うちらに勝ってここに来とるんや。 負けるんやないで!」

慕「! 善野さん、愛宕さん…!」

のよりん(高2)「… ファイト!」プンスコ=3

爽「白築ちゃん、イザって時は私の顔を思い出せ。 そーすりゃきっと力が出っからさ!」

慕「野依さんに、獅子原さんまで・・・」


そう… 一回戦、そして準決勝で対戦した戦友たちまでもが、慕の見送りに駆けつけてきてくれたのだ…!


 シラツキサンナラキットサイゴニハカテマスヨ…!  マアキバラズタノシンデコイヤ   プンプンプンスコ!=3  ユウショウシタラオイワイデマタデートイコウゼ!!


慕「……」

慕(一回戦も準決勝も、私はギリギリで勝ち上がってきた… ここにいる4人の誰かが決勝に進んでいても、全然おかしくはなかった…)

慕(私は… この人たちの代わりにここに立っているんだ。 ・・・負けられない!)

慕「ありがとう、皆さん… 行ってきます!!」


インハイ準優勝校朝酌女子大将・白築慕…! 仲間と戦友たちの想いを胸に・・・最後の闘いへ、いざ出陣―――!!


良子(18)「さてそれでは… 行ってくるとしますか」スッ…


その豊満なるおもちをユサリと揺らして立ち上がると、紫色の瞳の中に、ボッと緑色の炎が宿る魔人戒能良子・・・!

その背後に、ゆらゆらとまるで陽炎のように、様々な恐ろしい“異形”の姿が立ち現れる・・・!


漫(す…すんごいオーラや…! さすがは女子高生兼中東の傭兵…! うちとは住んどる世界がちゃうで…)ブルブル

絹恵(将来弱冠20歳でトッププロの仲間入りを果たす戒能コーチ… この人の本気の本気が、遂に見れるんやな…!)ドキドキ

恭子(ううぅ… なんつーオーラや…! やっぱりこの人の魔物レベルは、宮永咲やヴィルサラーゼの数段上やで…!)カタカタ


良子のあまりの迫力に、見送りの姫松高校のメンバーたちも、声をかけることすらできない…


由子「・・・か、戒能さん… 頑張って下さいなのよー… ソロモン王の力で役満を和了るところを見せて欲しいのよー!」

良子「ないない、ノーウェイノーウェイ… この決勝、相手は皆私よりも格上です。 そう易々と役満など和了れはしませんよ」


 バアアァンッ!
 

?「フフッ、戒能さん… そんな謙遜する必要などありませんわ!!」ドドーン

良子「ん? アナタは・・・」


突然、ドアを開けるような効果音と共にそこに現れたのは、頭頂にピーンと一本、金色のアホ毛を生やしている美少女だった…


透華「あなたはこのわたくしに勝ってここに来てますのよ? 優勝してもらわないと困りますわ!!」カッ

良子「アナタは… 一回戦で対戦した、龍門渕、透華さん…?」

美穂子「戒能さん、私も応援していますからね!」

小蒔「絶対優勝して下さいね」

明華「戒能さんに、最良の追い風が吹くことを祈っています」

ハオ「私たちの代表として… 精一杯、闘ってきて下さい」

良子「皆さん…!」


透華の背後に、美穂子、小蒔、明華、ハオまでが現れる…

そう、皆、一回戦や準決勝で良子と死闘を繰り広げてきた戦友たちである…!


良子(これは… そうイージーに負けられなくなってしまいましたね…)

良子(インハイの個人戦決勝卓に出た時のことを思い出します… あの時、私は予選ではディフィートしていた宮永照に最後まくられて、優勝を逃しました…)

良子(この卓、その宮永照を破った小鍛治健夜をはじめ、凄まじく強力なメンバーたちですが・・・)

良子(やれるだけのことはやってみましょう! この人たちの為にも、燃え尽きるまで、私は闘いますよ…!)

良子「任せて下さい、皆さん… 必ず、ここに優勝トロフィーを持ち帰ってみせますから!」ゴッ


数多の異形を憑き従える稀代のオカルト遣い・戒能良子…!

自らが全世代の女子高生の中で、最強の雀士なのだということを証明するべく・・・いざ、出撃―――!!


咏(高3)「ほんじゃー行こうかねぃ! 小鍛治さん!」

健夜(高3)「う、うん…」

靖子(高3)「行ってらっしゃい、三尋木さん、小鍛治さん…」

貴子(高2)「応援してますからね…」

咏(高3)「ほいほい♪ しっかしまぁ… 決勝なのに見送りが二人だけとかw さびしーもんだねぃ、小鍛治さんよぅ」

健夜(高3)「しょうがないよ。 私たちは自分の学校のチームメイトはここに来てないんだから…」

咏(高3)「慕ちゃんはいいよねぇ、あんなに沢山の人たちに見送ってもらえてさ… 戒能さんも姫松の子たちに囲まれちゃってさ、羨ましい限りだよマッタク…」


?「…三尋木さん、私たちのことを忘れてしまっては困りますよ♪」ドタポヨン

咏「む? こ、この、スイカみたいなオッパイは・・・!」


霞「準決勝ではお世話になりました… 決勝戦も頑張って下さいね♪」ウフフ

衣「衣に勝った以上、神算鬼謀の限りを尽くし… 鏖殺して頂点に立つのだぞ!」

優希「今日のところはおぬしに優勝の栄光は譲ってやるじぇ… 負けたら承知しないからな!」

怜「うちもおんで~… ま、一回戦で闘ったよしみや。 応援しとるで頑張ってな」

咏「おやおやこりゃまぁ… 見送りかい? 照れちゃうねぃマッタク!w」

咏「ま、勝てるか分っかんねーけどさ、てきとーに頑張ってみるよ。 麻雀なんてしょせんは運だからね!ww」ヘラヘラ


 ソレヲイッチャアオシマイダジェ!  ヤルキガナイノナラコロモガカワリニデテヤルゾ!  ア、ソウ?ジャ、タノモウカネィww  ジョウダンイッテナイデ、ホントウニガンバッテクダサイヨ…  タノムデホンマニ  ワハハハハハハ…w



健夜「……」ポツン…


対戦した戦友たちに囲まれる咏をよそに、一人淋しそうにたたずむ健夜(17)…

そう、彼女の元には、対戦した照や憧、閑無たちの姿は現れなかったのだ…


健夜(・・・まあ、そりゃそうだよね… あんな勝ち方すれば、誰も私のことなんか応援してくれるわけないよね…)シュン…

健夜(別にいいけどね、いつものことだから… 決勝戦は、圧勝したらまた興ざめして白い目で見られそうだから、うまく力をセーブして…)

?「ねえ、すこやん!」ポンッ

健夜「ふぇっ?!」


突然、後ろから健夜の肩を叩いてきたのは… 右手にマイクを握り込んだアナウンサーらしき女だった…


恒子「何一人でたそがれてんの? ほら、案内してあげるからステージまで一緒にいこ♪」ギュッ

健夜(18)「えっ、だ、誰ですか?///」

恒子「んー…? 私のこと覚えてないかな? ほら私、中2の時にインハイ会場ですこやんにサインもらった、静岡の…」

健夜「…!? え、あの時の・・・ファンの子?」→http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/a5/b31e136753cdca0375af49abc44ec95b.jpg


健夜「すごいね、あの時の子かぁ… アナウンサーになったんだね。 全然気がつかなかったよ…」

恒子「おかげさまで! 今は巡り巡って10年後のあなたと一緒に仕事してるんだけどね♪」

恒子「私ね、あの時テレビでインハイ見てて、土浦女子の活躍にすっごく興奮してさぁ…」

恒子「居ても立ってもいられなくなって、決勝戦は友達連れて会場まで見に行ったんだよ。 その時あなたにもらったサイン、まだ私の部屋に飾ってあるんだから♪」

健夜「は、はあ、そりゃ、どうも…///」

恒子「決勝戦も、人外の強さ見せてくれるの期待してるからね! 私アナウンサーだからほんとはエコヒイキできないんだけど、心の中ではすこやんのことダンッゼン応援してるから!」ニコッ

健夜「……」


健夜(私のこと… 応援してくれる人がいたとはね… でも、それなら…)

健夜(最後だし、手抜きとか考えないで全力で闘ってみてもいいかもね!)ゴオオオォッ!


三尋木咏、そして小鍛治健夜… 将来麻雀界の頂点に君臨することになる偉大なる二大巨頭…!

満を持して最強の竜虎相まみえる…! 四角い宇宙の真の支配者は誰か?

四人の“神に許された力”をもった少女たちの、最終最後の闘いが始まろうとしていた……






13:50

円形大ホール、中央闘牌ステージ…
 

 パッ

 オッ、クラクナッタデ! イヨイヨハジマルナ…  ドキドキスルヨモー…! ザワザワガヤガヤ・・・・ 


会場内が暗転すると、観客席の期待感は否応なしに高まり… 真っ暗な空間に異様な熱気が充満していく…!

そして、ステージに一本のスポットライトが当てられ、その中にアナウンサー福与恒子の姿が浮かび上がった。


恒子『・・・・・』スウゥ――…

恒子『ゥレエェイデェィイイイイイイイイィィィッス・・・!』

恒子『ウウェエェェ~~~~ンドゥォ・・・・!』

恒子『ジィッウェエエエエエェェントゥルマアアアアアアアアァァァァンッッッ!!!』

恒子『大変長らくお待たせしましたァ! 今大会の総合司会を務めておりますスーパーミラクルアナウンサー福与恒子です! これより!!』

恒子『“全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ・決勝戦”を執り行いますッ!!』カッ



いったんカン
次スレ↓
はやり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ!☆」恒子「決勝戦だアァーッ!!」
はやり「全世代女子高生麻雀チャンピオンシップ!☆」恒子「決勝戦だアァーッ!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1502537568/)


このスレはこれでカンです
毎回安価・コンマ対応あざした!
引き続き決勝戦をお楽しみください


ちょっと話変わるんだけど… >>584>>609←この人は、一体何をしてたのかな? 

たまにこういうの見るし、怒っているのは分かるんだけど、>>1に何を求めてたんだろう。何を訴えたかったのか…

返答すると読み手の人たちに怒られるかもしれないので無視したけど、何を考えて書き込んでいたのか気になる。

もし良かったら、意見聞かせて下さい… 良かったらでいいので…

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年02月11日 (日) 17:44:51   ID: nfPxVRU1

1の沸点が低すぎる
スルーすればいいのにああいうこと書くから
荒らされる
最初だかも選択かなんかにツッコミいれた人に勘違いから突っかかってし

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