紗南「え?服のこと?」 (48)

※オリジナル設定がありますので不快な方はご注意を。
 紗南ちゃん誕生日おめでとうございます。

モバP(以下P)「なぁ紗南、前から思ってたんだけどさ」

紗南「んー? どうしたのさPさん改まって」

P「お前ってゲーマーじゃん? オタッキーじゃん? ギーグじゃん?」

紗南「いや、否定はしないけど色々な差別的なアレが見えるんだけど……」

P「スカウトした時から思ってたんだけど、お前のそのファッションセンスなんなの?」

紗南「なんなのって何さ! ゲーマーとして完璧じゃない?」(ドットキャラプリント

P「いやほら、杏とか見てるとそういう人種は無頓着な印象が強くてなぁ……」

紗南「いやいや、色々敵に回しそうだからやめない? というか杏さんの服ってむしろ凝ってるじゃん」


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P「じゃあ直球で言うよ、なんでチェック柄と黒が基本じゃないのお前」

紗南「あまりに直球すぎる! というかそれって悪い意味での、しかも男のオタクのイメージじゃん!」

P「じゃあ無駄にフリッフリな衣装で黒目な感じ?」

紗南「デフォコスがゴスロリの選択肢は14歳には厳しいと思うんだけど!?」

蘭子「えっ」

紗南「え、あ、いや蘭子ちゃんの話じゃないんだよ!? って無言で走り去らないで!」

P「もー、何やってんだよ紗南」

紗南「Pさんのせいだよ!?」

紗南「で、服の出処だっけ?」

P「そうそう、そんな『THE・ゲーム』みたいな服、そこらじゃ売ってないだろ?」

紗南「まーね、私お小遣いのほとんどゲームに使っちゃうし!」

P「じゃあどうすんだよ……あれか、おかーさんか! おかーさんなのか!? ならなんでチェック柄を買ってこない!?」

紗南「母親の買う服のイメージが酷すぎるよPさん!?」

P「『お前はもっと明るい柄が似合うと思って……ほら、黒ばっか着ないで、ね?』」

紗南「それ間違いなくPさんの話だよね!? いつもスーツだったのってまさかチェック柄しか持ってないの!?」

P「い、いや……さすがに服くらい自分で……買うよ、うん、一人暮らしだし」

紗南「うそだよね!? なんか私の中のPさんのイメージがすごいことになってる!」

紗南「あーもう、わかったよ。服はもらってるの。知り合いに」

P「知り合い? お前アイドル始める前からそんな感じのファッションだったよな? スカウトの時も」

紗南「そうそう、アイドルになる前からの知り合い。最近じゃあんまり会えないんだから」

P「ふーん……、服屋の店員とか?」

紗南「んー、内緒、かなー?」


~後日ゲーセン~

美玲「よっし、もうすぐ取れそうだ……」

森久保「が、がんばって……うぅ森久保にはこんなガヤガヤした所は……」

紗南「そんな怖がらなくてもいいって乃々ちゃん! ゲーセンってそんな怖い?」

森久保「も、森久保は限定のぬいぐるみがほしいだけなんですけど……」

美玲「それを取りに来てるんだろー? お、いけいけいけー!」

紗南「美玲ちゃんもぬいぐるみ欲しかったみたいだし、たまのオフくらいいつもと違うことしよ?」

美玲「よーっし! 取れた! んー予想通りもふもふしてるな!」

紗南「ゲーセンのプライズだと取るまで触感わかんないからねー」

森久保「お、おめでとうございます、美玲さん」

美玲「ん、ありがとな乃々。んじゃほい」

森久保「え?」

美玲「ほら、これ乃々の分。ウチはもう一個取るからさ」

森久保「そんなの申し訳なくて消えたくなるんですけど……」

美玲「いーんだよ!ウチがとりたくてやってるんだから!」

※森久保を乃々に修正しました

紗南「あ、でも美玲ちゃん、せっかくだから私にやらせてよ。私が美玲ちゃんのとってあげる!」

美玲「え? んー……なら紗南の分は乃々が取らなきゃダメだな」(ニヤリ

紗南「あー、そうだね! 乃々ちゃんお願い!」

乃々「え? も、森久保には責任重大過ぎるんですけど……」

紗南「大丈夫大丈夫! 私がしっかり教えてあげるからさ!」

美玲「まぁとりあえず新しいぬいぐるみ入れてもらわないとな」

紗南「あ、ちょっと待ってて二人とも。店員さん呼んでくるよ」

乃々「え? そこの呼び出しボタンを押せばいいんじゃ……」

紗南「いいからいいから!」

紗南「おっまたせー! 店長さん呼んできたよー」

美玲「いや、何やってんだよ紗南」

店長「んーと……お友達か? 三好ちゃん」

紗南「アイドル仲間、かな。レアイベントだよ!」

店長「大きな声で言わないでくれよ。一応お忍びだろ? なぁ?」

乃々「も、森久保はべ、別に……えっと……あの……」

店長「とりあえずクレーンの商品の補充だろ? なんだい、またか?」

紗南「そーゆーこと♪ 乃々ちゃんクレーンゲーム初心者だからさ、ちょーっとでいいから!」

店長「あのな、クレーンゲームってのはあれこれ頑張って取るから意味があるのであって……」

紗南「わかってるわかってる! だから私の分はハードモードでいいからさ!」

店長「いや、そうじゃなくてだな……せいぜいお小遣い使い切らないようにな、使い切っても後払いは許さないぞ」

紗南「ちょ、ちょっと!ふたりの前でそういうの言わないでよ! カッコつかないじゃん!」

美玲「えっと……?」

紗南「ここのゲーセン、私がアイドルやる前から常連でさ。店長さんとも知り合いなんだよね」

美玲「ぬいぐるみすげぇ取りやすそうな位置に置いてったな……」

紗南「店長さんツンデレだからねー。あと乃々ちゃんのファンだよ」

乃々「えっ」

紗南「美玲ちゃんも調べてるって言ってたし、光ちゃんにあいさん、大和さんにむつみちゃんに……あの人アイドルオタだよねー」

美玲(それってみんな紗南とユニット組んだ連中じゃ)

紗南「美波さんとネネさんのプロマイド隠し持ってたとこを抑えた時なんて大慌てでさー!」

乃々(それはサマーライブの紗南さんのプロマイドを隠し通したんじゃ……)

紗南「と、いうわけで。乃々ちゃんクエスト開始だよ! レッツインサートコイン!」

乃々「え? えっと森久保は……二人の重圧に押しつぶされそうなんですけど……」

美玲「手伝ってやるからやってみよう、な?」


※一応ゲーセンでは店員に言えばある程度取りやすい位置に動かしてもらえるところもあります。

紗南「ぐぬぬぬ……」

美玲「なんだよー、取れたんだからいいだろ?」

紗南「ハードモードとは言ったけどあれはちょっとインフェルノくらいだった!」

乃々「も、森久保をイージーにしたばっかりに……ごめんなさいぃ」

紗南「乃々ちゃんは悪くない! あの店長が悪い!」

美玲「みんな取れたんだからいいじゃんか。……ふふ、みんなでお揃いかー……」

紗南「お、美玲ちゃんのレア顔ゲット」

美玲「なっ! なんだよ! ニヤけてない! ニヤけてなんかないからな!?」

乃々「二人とおんなじぬいぐるみ……あ、でもあっちの人が同じのを」

紗南「そういうのはいいの! ほーら、みんなでお揃いー! 部屋に飾ってよ?」

乃々「は、はい、頑張ります……」

美玲「頑張るところなのか……」

ヤンキー「………」

乃々「な、なんかあの人こっちをじっと見てるんですけど……」

美玲「気のせいだろ、……気のせいだよな?」

ヤンキー「………」

乃々「見てる、睨まれてるんですけど!? 森久保は小動物なのでやめてほしいんですけど……!」

美玲「気のせいじゃないな、紗南、さっさと出よう」

紗南「ん? なんで?」

ヤンキー「………」ズンズンズン

乃々「向かってきたぁ! こっち来てるんですけど!?」

美玲「おい紗南! 逃げるぞ! ぬいぐるみも取ったしいいだろ!?」

ヤンキー「………」ズンズンズン

乃々「………」(声も出ない叫び

美玲「行くぞ乃々! 怖くない! べ、別に怖いわけじゃないぞ!」

ヤンキー「よう、久しぶりだな、ミッシー!」

紗南「久しぶり、就職できたんだ? ヤーちゃんさん」


美玲&乃々「「へ?」」

~その後の事務所で~

美玲「ってことがあったんだけど」

P「紗南、どういうことだ?」

紗南「いや、普通にゲーセン仲間だよ……?」

P「そうかもしれないが一応相手は男だろ? まぁ関わるなとは言わないけど」

紗南「ヤーちゃんさんは格ゲー得意でさ、まぁ毎回連勝してるとこをいつもアタシに止められるんだけどね」

P「いや、そうじゃなくてアイドルとしてだな……」

紗南「あー、スキャンダラスなことあるもんね。ごめん」

P「ということは前に話した服に関する知り合いもアレか?」

紗南「……当たり。ヤーちゃんさんの彼女さんが選んでくれてる」

P「紗南に服を見繕ってくれると?」

紗南「そうそう。気づいたら服飾が趣味になっててオーダーメイドまで……」

P「紗南のために?」

紗南「うん」

P「んー……どうなんだろうなぁこれ。さすがになぁ」

美玲「友達ってことならいいんじゃないのか?」

P「まぁさすがにNGではないだろ。紗南の年齢だしな」

紗南「ありがとPさん」

P「いいよいいよ、でも気をつけろよ? 一応アイドルなんだから」

紗南「一応って何さ!」

乃々「あのぉ、紗南さんは店長さんといいああいう側の人……? も、森久保は」

紗南「いや、昔からのゲーム仲間だよー。ヤーちゃんさんはそれこそ最初の頃からの知り合い」

乃々「えっと……ヤーちゃんさんってえっと……?」

紗南「ん? 本名とかは知らないよ? 何してる人か知らないし、ゲームのニックネームだからね」

美玲「え? 相手の素性知らないで話してるのか!?」

紗南「いや、ヤーちゃんさんもアタシがアイドルやってること知らないんじゃないかな?」

P「すまん紗南……俺が目立つ仕事を持ってこないばっかりに」

紗南「え!? いやPさんは悪くないよ!?」

美玲「とはいえ、どうやって仲良くなったんだよ?」

紗南「んー、格ゲーで連勝してるとこに割り込んで勝って顔見て驚かれて……あとは流れ?」

乃々「びっくりするくらいのコミュ力なんですけど……森久保にはむーりぃ……」

P「まぁ同じゲームやってるってだけで会話できるからなぁ」

紗南「Pさんのスカウトもそんな感じだったしね!」

P「そう言われると悪く言えないのがつらい……」

紗南「えっとねぇ……」


~アイドルになる前のこと~

ヤンキー「ってミッシー! またお前かよ!?」

紗南「クセ直さないヤーちゃんさんが悪いでしょー」

ヤンキー「身内プレイにもほどがあんぞお前!? 明らかに専対組んでるじゃねーか!」

紗南「そんなことないって! ほら、私強いし!」

ヤンキー「お前のメインキャラそいつじゃねぇだろ……」

紗南「練習中なんですー、ほら、乱入してきなよ」

ヤンキー「だぁー! 吠え面掻かせてやるから見てろよ!」

紗南「よっし、ニューチャレンジャー! ボッコボコにしてあげる!」

ヤンキー「だぁぁぁぁ! 畜生、ミッシーお前もう本当に……あぁぁー!」

紗南「頭に血登りすぎでしょ」ケラケラ

ヤンキー「あーもー、アレだ。止めだ、止め! 今日は終わるわ!」

紗南「そうするといいよー。ほら、ヤーちゃんさんが連コするから他の人乱入できないじゃん」

ヤンキー「自分で煽っておいてそれかよ」

紗南「ほらー、新しい人来た! ね? ヤーちゃんさんが悪い」

ヤンキー「いや、お前がちんまいから初心者のカモだと思われてんだろ」

紗南「ははは、セクハラで訴えようか?」

ヤンキー「実際そうだろ……あー、露骨に動き舐められてるじゃねーか」

紗南「あー、よっしフルコン行けた!」ユーウィーン

ヤンキー「お前もナメプじゃねーか、落としたら反確だぞ」

紗南「ラウンドでージリセットなんだから全部使い切らなきゃ、ね?」

※ージ→ゲージ

紗南「よっし、勝利! ニューチャレンジャーこーい!」

オタッキー「強いんだね……子供だったからてっきり」

ヤンキー「堂々と初狩り宣言するとはやるな」

オタッキー「いやだって……ねぇ?」

ヤンキー「まぁな」

紗南「随分な言い様だね二人とも、で、初めて対戦した気がするけどこの辺の人じゃない感じ?」

オタッキー「あー、遠征だわ。近くでアニメのイベントがあってさ」

紗南「へーっ。そういうのわかんないからなぁ」

ヤンキー「いや、ミッシーくらいの年齢でハマるのはどうよ?」

紗南「いやいや、そこはヤーちゃんさんくらいの見た目でカワイイ女の子を見てる方がアブナイ」

オタッキー「ナチュラルにこっちに傷つけるのやめてくれよ……」

オタッキー「しっかし強いね。さっきも言ったけど」

ヤンキー「こいつなー、ほんとなー」

紗南「何さー。勝てないのが悪いでしょ! あたしだって努力してるんだから」

ヤンキー「あれだ、他の連中にわかるようにしよう。こいつが初狩りしそうだ」

オタッキー「ある意味最大の初見殺しだからね」

紗南「ちょっと待って、あたしの扱い酷くない?」

ヤンキー「おめでとう、【初心者狩り】と【初見殺し】の2冠だぜ、うらやましい」

紗南「ちょ、ちょっと人聞きが悪いってレベルじゃないよそれ!?」

紗南「と、いうことがあってね?」

P「いや、今の会話の中に関係ある話あったか!?」

乃々「あんな怖い見た目の人と……むーりぃ」

美玲「というかヤンキーとオタクっぽいヤツが紗南を囲って話してるって」

P「犯罪の臭いがすごいな」

紗南「いや、Pさんもホントそのこと言えないからね?」

美玲「んで結局服もらったのはなんでなんだ?」

紗南「それがさー! 聞いてよ! ほんとに『ミッシーが強いってわかるようにしよう』とか言い始めてさ?」

P「それで……服なのか?」

紗南「そう! 最初はまぁそういう理由だったんだけど途中からみんな面白くなってきたみたいでね」

乃々「紗南さん……ゲームセンターのマスコットだったんですね」

P「というかひm(ry」

紗南「Pさん!? 今そういうの浮かんだけど違うからね!? アタシは接待プレイなんで望んでないし!」

P「いやーでも話聞いてるとそういう風にしか見えねぇよ、貢がれてんじゃん」

紗南「うぅ……」

一旦休憩です、お昼くらいに再開予定
紗南ちゃん誕生日おめでとう!

再開します。

~もらった時のこと~

ヤンキー「というわけでこれ着ろ」

紗南「何? ヤーちゃんさんホントにロリコンだったの?」

ヤンキー「ちがーつの! 前に話したろ!?」

紗南「え? アタシの目印って話? あれ本気だったの?」

ヤンキー「なんつーか俺よりマジになったヤツがいてな」

彼女さん「そういうこと!」

紗南「あ、ミーちゃんさん!」

彼女さん「ミッシーちゃんに似合いそうなの持ってきちゃったの、Mでよかったよね?」

紗南「いや、あってるけど……いいの?」

彼女さん「Tシャツにプリントして自作Tシャツ!とかあるっしょ? そーれ、ほら? Tなら10クレで買えるし?」

ヤンキー「コイツ最近そういうの趣味にし始めててな、あれだ、在庫処理してくれ」

彼女さん「ちょっと!? ミッシーちゃんにそういうこと言わないでくれる!? それに今回は違うし!」

紗南「えっと……あ! このプリントすごい!」

彼女さん「でしょー!? 『I LOVE GAME!』なんてミッシーらしいなーって! 今回はお店の既製品だけどね?」

紗南「あ、ありがとうミーちゃんさん! 今はアレだから……明日! 明日着てくるよ!」

彼女さん「と、ゆーか……お仕事関係でもそーゆーのやる的な? どうよ?」

紗南「んー……楽しみにしてる!」

オタッキー「それなら……これとかもどうかな?」

紗南「あれ、エズさん。……ってなにこれー!? 自機のヘアピン!?」

オタッキー「アニメショップの下のガチャポンに入ったからつい、ね」

ヤンキー「やっぱ考えることは同じかー、つーかお前遠征組じゃなかったか?」

オタッキー「ホームのゲーセンもこっちもあんまり距離変わんないんだよ。アニメショップもこっちにあるし」

彼女さん「カワイイ女の子とゲームができるし?」

オタッキー「そ、そういうのじゃないしー!? り、利便性が高いだけだしー!?」

紗南「声裏返ってるよエズさん、とはいえありがと! へーこういうのもあるんだー!」

彼女さん「今度一緒に行ってみようか、ガチャガチャタイムだよ!」

紗南「それいい! アタシが出したヤツをミーちゃんさんがつけて!」

彼女さん「ミッシーが出した奴を私がつけて!」

ヤンキー「金は自分で出せよ」

彼女さん「そこはかいしょーってヤツを出すとこっしょー!?」

ヤンキー「そこに甲斐性を求めんなよ……」

店長「お前ら、頼むからウチの景品以外の話なら外でやってくれ」

ヤンキー「いいじゃないっスか店長」

彼女さん「そうだよー、悪いことしてるわけでもないじゃん?」

店長「言っちゃ悪いがそういう風に見えることもあるんだよ。嫌なご時世だけどな?」

紗南「そういう風?」

店長「あー……子供には言いたかねぇけどな、あのー……春を云々っていう」

紗南「春? ………っ!?」

彼女さん「店長セクハラ」

店長「言いたくて言ったんじゃねぇ、あとは盗品の受け渡しとかな」

オタッキー「このゲーセンは監視カメラ結構ありますけどね」

ヤンキー「治安いい方だろ? ここって」

店長「どうしたってそういうのは流れてくるんだよ、だから店の外でやれ」

紗南「あぅ……ごめんなさい店長さん」

店長「……こいつらが持ってきたもん受け取っただけだろ?」

ヤンキー「贔屓だ」

彼女さん「贔屓だね」

オタッキー「店長、犯罪は良くないと思うけど」

店長「お前ら出禁にしてやろうか?」

紗南「って感じだったかな」

美玲「今更だけど素性詳しくない相手からよく服なんてもらえるな……ウチには無理だ」

紗南「ゲームで仲良くなってるからね! 前から一緒に遠征に行ったりしてたし!」

P「遠征って泊まりじゃないだろうな? 親御さん許してんの?」

紗南「いくらあたしでも泊まり遠征は親が許さないよ。せいぜい隣町くらいかな? ゲームの大会があってさ!」

乃々「大人に混じって大会なんて……紗南ちゃんは怖くないんですか?」

紗南「楽しいよ? そりゃ大会だからみんな熱入ってるけどさ! だからこそ燃えるー!っていうか!」

P「それな! なんつーかアレだよな。戦うことで互いに理解が得られるっていうかな!」

紗南「そうそう! なんというか勝っても負けても仲良くなれるのがいいよね!」

美玲「Pさんが丸めこまれるなよ……。まぁ今更だし合意の上ならいいんじゃないか?」

紗南「当初の目的覚えてる人なんてもういないしねぇ」

乃々「……覚えてないんですか?」

紗南「ミーちゃんさんは完全に服作るのが趣味になってレイヤーさんになっちゃってるし。エズさんはなんて言ったかな……自作でなんか作ってるとか」

P「余り物もらってるってことか?」

紗南「そうそう。ミーちゃんさんに一緒にコスプレしよう!って誘われたけど……さすがに断ったよ?」

美玲「あの時のヤンキーは?」

紗南「ヤーちゃんさんは……ダンスゲーが凄い上手いってことしか覚えてない……前はみんな学生だったみたいだし」

美玲「でも久しぶりって言ってなかったか?あのヤンキー」

紗南「そうそう、あたしアイドルになった時に「しばらく来れないかもー」って話したんだけどさ?」

乃々「あ、アイドルになるとか……言ったんですか?」

紗南「言わないよー! さすがにそういうのはね?」

P「で? どうしたんだよ?」

紗南「見事に全員就活が被ったみたいでさ。実際みんな来なくなっちゃったんだよねー」

P「ふぅん……まぁゲーセンの関係ってそんなもんだよなぁ」

紗南「深い関係も結構アッサリなくなっちゃうよねー」

美玲「なんだそれ……ウチにはよくわかんねー」

乃々「い、一期一会というやつでしょうか……?」

P「ま、その知り合いにまた会えたんだ。いいことじゃないか? いや、正直あんまりよくないけど」

紗南「大丈夫だってみんなスキャンダルやってないって!」

一旦休憩します、夜再開予定

ちひろ「Pさーん、紗南ちゃーん、そろそろ打ち合わせですよー? お客様がもう来てます!」

P「え!? あ、ほんとだよ! 紗南いくぞ!」

紗南「え!? う、うん!」


仕事相手「と、いうことでゲームのキャンペーンガール兼テストプイヤーをお願いするということで」

紗南「まっかせてよ! バグとか見つけちゃうからね!」

P「いや、そういうあれじゃなくてだな……いや、いいんですかね?」

仕事相手「えぇ、開発中のゲームをプレイしていただくわけですし……そういうものを見つけてくださればありがたいですよ?」

紗南「ふふーん、今から楽しみ! 新作ゲームの研究はゲーマーの醍醐味だよねー」

仕事相手「期待してますよ。三好さんのゲームの腕を信じていますから」

P「……紗南のこと随分買ってるんですね?」

仕事相手「そりゃあ、ゲーマーアイドルとして売っているのでしたら期待はしますとも」

P「それまたプレッシャーのかかる言い方をしますね……」

仕事相手「配信及びブログに映像や画像のアップロードはやめてくださいね?」

紗南「わ、わかってますよー……ね? Pさん?」

P「そりゃそうだよ。気をつけろよ? こういう仕事って著作権とかメンドイんだから」

仕事相手「……メンドイ?」

P「す、すみません!」

紗南「もう……とはいえまたしばらくはゲーセンはお預けかなぁ?」

P「仕事優先、諦めろとは言わないけど仕方ないだろ?」

仕事相手「大丈夫ですよ、テストプレイはこちらに来てやっていただきますから、スケジュールはお渡しします」

紗南「そっか、開発中だもんね。事務所には持ち込めないかー」

仕事相手「では、後ほどスケジュールについてはメールで連絡いたしますので」

P「ありがとうございます。紗南、お前も」

紗南「あ、ありがとうございます!」

仕事相手「……なーんで、気づかねぇかなぁ」(ボソッ

紗南「は? ……ってその声!ヤーちゃんさん!?」

仕事相手(もといヤンキー)「いや、2時間会議してて気づかなかったのかよ……」

P「ん?さっき言ってた知り合いさんか。えっと……お世話になっております?」

ヤンキー「いやー、どっちかと言えばこちらがお世話になってますといいますか……敬語やめていいですかね?」

P「え? あぁ……事務所出たしいいんじゃないですかね?」

ヤンキー「いやー、やっとねじ込めたわ、わかってて無視してると思ったんだけど」

紗南「いや、ゲーセンの時と見た目違い過ぎでしょ。他人じゃん」

ヤンキー「そりゃ仕事の時はオンオフ切り替えるだろ? これでも真面目って言われてるんだぞ」

P「んーと、紗南が就職活動がどうこういって言ってたけど……」

ヤンキー「あぁ、待合室からちょいちょい聞こえてましたからわかってますよ。ありゃ嘘です」

紗南「嘘ぉ!? ど、どういうことさ!」

ヤンキー「お前がアイドルになるって聞いてな。俺らがゲーセン来なきゃお前もアイドル真剣にやれるだろ?」

紗南「いや、ヤーちゃんさん達いなくても」

ヤンキー「嘘つけ、対戦相手いなきゃ格ゲーなんてやらねーだろお前」

紗南「ってことはミーちゃんさん達は?」

ヤンキー「普通に仕事だ、仕事。お前、勝手に俺らを学生だと思ってたみたいだけどな」

紗南「だっていつも暇そうだったし」

P「おい紗南。その言い方は酷い」

紗南「だっていっつもゲーセンにいるんだもん! しかもアタシがゲーセンに入れる時間に!」

ヤンキー「営業職だしな!」

紗南「真面目とは一体……」

P「いや、それでも無理でしょう……」

紗南「まぁ、これでまたゲーセンで会えるってことでいいのかな?」

ヤンキー「いや、そこはウチの仕事優先しろよ。頼むから」

紗南「えーっ、さっきの話の通りならみんなゲーセンに戻ってくるんでしょ?」

ヤンキー「とりあえずしばらくは仕事してくれ」

P「またスケジュール調整で会うこともありそうだし、いいだろ紗南?」

紗南「うん。でも今日はゲーセン行こうねPさん! ヤーちゃんさんも!」

P「絵面がすごいけどな」

紗南「スーツ二人組とアタシかぁ……確かに」

ヤンキー「私はいいですけど……というかプロデューサー?だっけ? 前大会で会ってるよな?」

P「え? 何のゲームです? 最近出た大会ってなんか……」

ヤンキー「そうだ、この前のお前の仕事あったよな? アイツが話聞きたがってたから話してやってくんね?」(ケーダイトリダシポパピプペ

紗南「え? この前のゲームマスターの話? ……いい? Pさん」

P「いいんじゃないか? 別に。まぁ仕事に踏み込んだ話じゃなければいいぞ」

紗南「わかった! えーっとミーちゃんさんだよね? 何?コスプレってこと?」

ヤンキー「まぁ、その辺でいい。ほれ」

紗南「もしもしー!? ミーちゃんさん!?」

P「……えっと?」

ヤンキー「電話してる間に……とりあえず、一言だけ」

ヤンキー「アイツをアイドルにしてくれて、ありがとうございます」

P「あ、頭をあげてくださいよ!」

ヤンキー「ゲーセンにいた頃から、アイツはうちらにとってのアイドルみたいなもんだったんです」

P「スカウトした時も人だかりが出来てたしなぁ」

ヤンキー「新人アイドルデビューってここのプロダクションが大々的に言ってるのにわからねぇわけないんですけどね」

P「あはは……そういやそうだ」

ヤンキー「実際アイツがゲーセン来なくなって、アイドルとして動いてるかわからない時は色々心配したんですよ」

P「……申し訳ない」

ヤンキー「でも、すげぇ楽しそうにしてるのが見れた。ゲーセンで格ゲーにアホみたいに突っ込んでる時と同じ顔だった」

ヤンキー「だから、アイドルやってるのが楽しいんだなって安心したんですよ」

P「喜んでくれたなら……何よりです」

ヤンキー「ま、アイツがアイドルを辞めさせられたら……」

P「やめさせられたら?」

ヤンキー「この辺のゲーセンに近寄れなくなるんじゃねぇかな? アンタ」

P「……そりゃ怖い」

紗南「ヤーちゃんさん!電話終わったよー! どうしたのPさん? 顔青いけど」

ヤンキー「いや、『お話』してたんだよ。アイドルのお前の話」

紗南「ヤーちゃんさんが言うと喧嘩にしか聞こえないよ?」

P「終わったから大丈夫。さて、行くか」

紗南「よっし! こっからはアイドルとしての三好紗南もゲーマーとしての三好紗南も両方で行くよ!」

P「いや、もう今日の仕事は終わったからアイドルはもういいぞ?」

紗南「何言ってるのさ!」


紗南「みんなとゲームするんだから! ゲーセンのみんなとも、ファンのみんなとも!」

紗南「ヤーちゃんさんのとこのゲームを手伝って! ゲーセンにも行って勝負して!」

紗南「それでもってファンのみんなに宣伝してさ! ゲームの感想言い合って!」

紗南「アイドルやる前のゲーマーのアタシと、アイドルとしてゲームしてるアタシを両方知ってもらうんだ!」

P「……そっか」

紗南「そうだよ! ま、ヤーちゃんさんと昔から知り合いだー、なんて言わないけどね?」

ヤンキー「やめてくれよ? うちの会社が燃えちまうよ」

紗南「アタシのファンはすごいからね! ね?Pさん」

P「ファン一号が認めるよ、紗南も、紗南のファンもすごいさ」

ヤンキー「一号? そいつは聞き捨てならないな。こっちはアイドルやる前からファンなんだけども」

紗南「……えっ、ヤーちゃんさんやっぱりロリコン?」

ヤンキー「なんでそうなる」

紗南「ま、いいや! さぁ行こうよ、こっからゲームスタートなんだから!」


紗南「三好紗南のアイドルゲームはまだまだ続くんだから、ね? Pさん?」


おわり。

何度も区切って申し訳ありません。
三好紗南ちゃん誕生日おめでとうございます。

紗南ちゃんはアイドルやる前からファンというかゲーセン仲間が大勢いそうだよなって考えから書き始めました。
オリジナル要素多めになってしまいましたが、誕生日終わり前に書ききれてよかったです。
HMTL化依頼してきます。

余談ですが、ゲーセン仲間はホントに素性聞かないので予想外のことがあります。

「そろそろ受験なんでしばらく来れませんわ」と言われたので「大学受験?」って聞いたら「え?高校ですけど?」と言われたり
職場の下の階に会議に行ったらいっつもゲーム内ランク低めで教えてる側のゲーセン仲間の一人が窓際の手前の上司ポジの机に座ってたり

実話です。

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