春香「信じようと、信じまいと」 (31)

収録が終わって、事務所に戻ったときのこと。
扉の前に立つと、中からあずささんの歌声が聞こえてきた。
それは異常なほど綺麗な歌声で、しばらく扉の前で何もできず、ただ聞き入っていた。
私が、扉越しではなく、直に聞きたいと思って扉に手をかけたとき、後ろからあずささんが「春香ちゃん、ずっと立ってるけど、どうしたの?」と言った。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498220576

あずさ「信じようと、信じまいと」

初めて一度も迷わずに事務所にたどり着いたときのこと。
私はとても嬉しくて、誰か事務所にいないかなと期待しながら扉を開けたが、誰もいなかった。
ふと律子さんのデスクに目をやると、そこには何十匹もの蛸が蠢いていて、律子さんの手らしきものが私を指さしているのが見えた。
悲鳴を上げながら扉を閉じると、私は自分の部屋に戻っていた。

律子「信じようと、信じまいと」

町中を歩いていたときのこと。
目の前を通り過ぎる女の子に、私は、いわゆる「ティン」ときたのだった。
スカウトをするのは初めてで、最初はかなり不審がられたが、何とか名刺を受け取ってもらえた。
次の日、昨日オフだった美希が嬉しそうに私に名刺を返してくれた。

美希「信じようと、信じまいと」

いつものように事務所のソファーで眠っていたときのこと。
何か嫌な感じがして目を開けると、やよいが鼻先を近づけくらいの距離で、じっと股間を見つめていた。
怖くてなって目を閉じて、しばらくそのままでいた。
もう一度目を開けると、やはり、やよいは股間をじっと見つめていた。

やよい「信じようと、信じまいと」

伊織ちゃんをもやし祭りに招待した後、「今度はこの伊織ちゃんがパーティーに招待してあげるわ」と言われたときのこと。

パーティーで出された料理は、伊織ちゃん特製のシチューだった。
それはとてもおいしかったのだけれど、どうしても飲み込めないワタが入っていた。
シャルルを煮込んだのよ、と嬉しそうに伊織ちゃんが私に言った。

伊織「信じようと、信じまいと」

レッスンが終わって、更衣室に戻って着替えようとしたときのこと。

探しても探しても、ロッカーの鍵が見当たらない。
困っている私に、響が入ってきて、どうしたのかと尋ねてきた。
私が事情を話すと、響は一言「ロッカー子、開けるんだぞ!」と言った。
ギギギと音を立てて、ロッカーは開いた。

響「信じようと、信じまいと」

あまりにラーメンを食べ過ぎる貴音に「次のライブが終わるまでカップラーメン禁止令」を出したときのこと。

貴音がラーメンをしまっている事務所の棚の前に犬美を置いて、ずっと見張らせていたが、あるとき一つなくなっていることに気がついた。
貴音を問い詰めると、白状して、我慢できずに一つだけ食べてしまったという。
犬美が見張っているのにどうやって棚からカップラーメンを出してきたのかと尋ねると、貴音は「犬美に見つからないよう、小さく分裂したのです」と答えた。

何を言っているのかよく判らなかったが、取りあえず貴音の鎖骨あたりをグーで殴った。

(あげてしまいました。ごめんなさい)

貴音「信じようと、信じまいと」

雪歩から、たるきやのご主人が飼っている「犬」が怖くて、事務所に来るのも怖いと相談を受けたときのこと。
私は「そんな動物は存在しないのだと思って、無視するのはどうでしょう」と答えた。
その後しばらくして、雪歩が顔を青ざめさせて「犬なんていない、って思ったら本当に犬がいなくなったんです」と言い出した。
確かに私は「犬」という動物を知らない。今度響に知っているか尋ねようと思う。

雪歩「信じようと、信じまいと」

私が穴を掘っているときのこと。
スコップに固い何かがあたったので、手で丁寧に掘り返すと人間の頭部のようなものが見えました。
私は慎重に土を払って、取り出しました。やはり人間の、それも女性の頭部のようでした。どこかでこの顔は、と思ったら、それは三年前に行方不明になっていた真ちゃんでした。
私が「真ちゃん、おひさしぶり。こんなところで会うなんて奇遇だね」と真ちゃんにくっついている泥を丁寧に手の平で拭いながら、話しかけました。
「うん、本当にひさしぶり。雪歩は、今もアイドルやってるの?」真ちゃんは目をつむったまま答えました。

真「信じようと、信じまいと」

ランニングを終えて事務所に戻ったときのこと。

亜美と真美がトランプで神経衰弱をしていた。
「それ終わったら、一緒に大富豪やろう」と言うと、二人は「面白くないからやりたくない」と答えた。
亜美は真美の、真美は亜美の手札が何となく判ってしまうから、とのことだった。

亜美真美「信じようと、信じまいと」

千早お姉ちゃんが「双子ってどんな感じなの?」と尋ねてきたときのこと。

真美がしばらく黙ってしまった後、「真美、小学校二三年生くらいまで、ずっと一人っ子だと思ってたんだ」と呟いた。
そして「ある朝起きたら亜美がいて、みんな私たちのこと双子って言うんだ。ずっと不思議だった」と続けた。
反論しようとしたとき、小さいころの記憶がないことに気がついた。

千早「信じようと、信じまいと」

三ヶ月前ほど、春香と一緒に河原を歩いているときのこと。

春香が「川上から小さな笹舟が流れてくるよ」と言い出した。
私は春香に「そんな笹舟は見えないわ」と答えた。
春香は「その笹舟には小さな人が乗っていて、祭り囃子か何かを歌っているよ」と続けた。
やはり私は「そんな音は聞こえないわ」と答えた。

春香は次の日からしばらく連絡がとれなくなった。
いきなり帰ってきて大騒ぎになったが、その間どこにいて、どうしていたのか答えようとはしなかった。
ただ、それ以来、たまに春香はポーチから何かを大切そうに取り出して、何もない手のひらをじっと見つめていることがある。

最後ネタが切れました。
また思いついたら、ということで、html化依頼してきます。

面白かった

「信じようと、信じまいと」ではないので、タイトルで期待した人ごめんやで。あと、不快になった人もごめんやで。

あと、書いてあることにとくに深い意味はないので、「これこういうことなんかなあ」と思ってくれたらええな。
「どういう意味やねん」おもたら、意味ないねんなおもてな。

かんにんやで。

↑の『「信じようと、信じまいと」ではないので』ていうのは、ネットで昔流行ったスレみたいなんとは、ちごてるちうことやで。

ごめんな、酔うてもうとるからな。

かんにんやで。

ちなみに、ほんまもんは下見たらええんやないかな。おもろいで。

http://ende.s53.xrea.com/netlore/

>>18

おおきに。

あんまだらだら書いたらかっこわるいんやろうけど、「信じようと、信じまいと」ちうのは、本当みたいな嘘を書いて、本当の方を変えてまえ、ちう趣旨のスレなんやな。

だから、そもそも フィクションのアイマスでやるのはおかしいんや。
嘘みたいな嘘を書くわけやなくて、変えるべき本当なんぞないから、趣旨を没却するのもええとこなんやな。

でもこういう薄っ気味悪い、なんやよう判らん文章書くのが好きでなあ。
で、アイマスのSS読むんも好きでなあ。

二つ一緒になったのあったら読みたいなおもて、それで書いてもうたんやで。

かんにんやで。

嘘みたいな嘘を書くわけやなくて ×
嘘みたいな嘘を書くわけで ○

え?なに?わざとやってるのこの感じ?

>>24
えー、「知ってて、敢えて趣旨に反することやってるの?」という質問ととらえて答えるわな(ちごたらごめんな、指摘してな)

全くその通りやで。
自分の意図は「アイマスの人物に奇妙な話をさせたかった」ちうだけでな。
ふとその語り口に「信じようと、信じまいと」が浮かんで、ボーッとして思いつくまま書いたんやね。

そっちか

いや、まとめブログのコメントで「信じようと、信じまいとじゃない」ってのが多かったから、酔うた勢いでくだまいてるだけやね。

書いた後で色々考えるのが好きでな。考えるとなんか書きたくなってな。
そらうるさい思うやろうから、一人でやるわな。
もう書き込まんから、かんにんやで。

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