池袋晶葉「日ごろの感謝を込めて」 (33)

晶葉「思えば、私も実験と称してPに無茶ばかりさせていたな……」

晶葉「たまには日ごろの感謝として、何かしてあげるのも良いかもしれない」

晶葉「しかし、そうなると何をすれば良いのか思い浮かばないな……」

晶葉「うーむ…」

晶葉「あ!そういえば最近、肩が凝って仕方がないと言っていたな」

晶葉「ならば、肩揉みロボでも作ってプレゼントしてやれば、きっと喜んでくれるはずだ!」

晶葉「我ながら良いアイデアが思い浮かんだぞ! さっそく取り掛かろう!」

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『こり発見!こり発見!』ズドドドドド

晶葉「……」

晶葉「肩揉みロボを作るつもりが……」

晶葉「何故か削岩機ロボを作り上げてしまった」


ズドドドドドドドドド


晶葉「……」

晶葉「うむ、やはり馬力が違うな……」



晶葉「て、そうじゃない! 何を造っているんだ私は!」

晶葉「完全に出力を間違えているじゃないか!」

晶葉「くっ、どうする、また一から作り直すか……」

晶葉「しかし、そうなると費用がな……」

晶葉「また無駄遣いしたのかと怒られてしまう……」

晶葉「しかし、ロボ以外に方法は……」

晶葉「……」


晶葉「……ハッ!」ピカ-ン








晶葉「ロボじゃなくても、肩ぐらい揉めるじゃないか!」

【事務所】

ガチャ

P「ただいま戻りましたー、あー疲れた疲れた」パタパタ


晶葉「お、おぉ助手!お帰りなさい!」

P「あれ、晶葉だけか? 千川さんは居ないのか?」

晶葉「あ、あぁ…ちひろなら、事務仕事が一息ついたからって、買出しに出かけたぞ」

P「そうか……入れ違いだったのかな…?」










晶葉(よし、上手くいきそうだ……)

晶葉(ちひろにはちゃんと説明をして、無理を言って二人きりにしてもらった……)

晶葉(何故か出て行くとき私を、父に親孝行する娘を見る母親のような目で見たきたが)

晶(きっと気のせいだろう……)

P「いやー、それにしても暑いなぁ……まだ6月だってのに」

晶葉「そ、そうだな……」

P「つーか、顔赤いぞ? 暑いなら白衣脱げばいいんじゃないか?」

晶葉「!」///

晶葉「か、勘違いだろう!クーラーもちゃんと効いてる!」

晶葉「それより、そんな所に立ってないで、早く座ったらどうだ!」

P「? わかったよ…」スタスタ






晶葉(な、何を緊張しているんだ私は……)

晶葉(ただ、肩を揉んでやろうとしてるだけなのに……)///

P「そうだ、晶葉、お前もう昼飯は食べたのか?」

晶葉「え?あ、あぁ…」

P「そうか…ならいいが」

P「ロボ製作に熱中しすぎるのもいいが、しっかり三食きちんと食べるんだぞ?」

晶葉「わ、わかっている!」


晶葉(なんだ…私を心配してくれているのか……)


晶葉「わ、私の事より、自分はどうなんだ?昼食はとったのか?」

P「俺か? 俺にはウ○ダーとカ○リーメイトという心強い味方がいるからな」

晶葉「な!?まさか、それしか食べてないのか!?」

P「ん?心配してくれてんのか?」

P「大丈夫だよ、今までこれでやってきたんだからな」ケラケラ



晶葉(忙しい忙しいとは言っていたが、まさかここまでとは……)

晶葉(このままではダメだ…このままでいつか倒れてしまう……)

晶葉(やはり、私が癒しを与えてあげなければ!)グッ

晶葉(き、今日はまず、肩揉みから……!)

少し寝ます、明日は夕方ぐらいに書きます
誰も見ていなくても、いちおう書きます

なぜこんな時間にたてたんだ私は…

ありがとうございます
再開します

晶葉「な、なぁ助手……」

P「んー?どうしたー」

晶葉「あ……いや、そのな……」モジモジ

P「……?」


晶葉(えぇい!何を躊躇しているんだ私は!少し『肩揉もうか』とでも言えばいいだけではないか!)モジモジ


P「……」

P「なぁ、晶葉……」

晶葉「な、なんだ!?」モジモジ





P「恥ずかしがらなくても、トイレ行ってきていいんだぞ?」




晶葉「……」

晶葉「は?」

P「あんまり我慢しすぎると、体に悪いぞ?」

P「膀胱炎とかになったら大変だし」

P「俺は全然気にしてないから、早く行ってきなよ」

P「あ、それとも別の方だったか?すまない、ちょっと俺の配慮が足りなかったかな」



晶葉「……」



晶葉(あぁ、そうだった……)

晶葉(この男は、デリカシーと言うモノを母体に置いてきてしまった生物だった……)



晶葉「て!違うわぁぁぁぁ!!」ガタッ

P「うお、どうした!もらしたか!?」

晶葉「だから違うと言っている!!」

P「え?だってあんなにモジモジしてたからてっきり…」


晶葉(くっ!恥ずかしがっていたのがバカバカしくなってきた!)


晶葉「助手!」

P「は、はい!?」ビクッ









晶葉「私に、肩揉みをさせろ!!」ビシィ


P「……へ?」


晶葉「……」


モミモミ


P「……」


モミモミ








晶葉「おぉ、これはなかなか……」モミモミ

P「いやー、意外と上手いじゃないか……」モミモミ

晶葉「そ、そうか?それなら良かった」モミモミ




晶葉(やった…喜んでくれている……)

晶葉(ちょっと、いやだいぶ嬉しいぞ……)ニヤニヤ

P「いやーほんとほんと……」モミモミ

P「やっぱロボばっかり作ってるだけあって、手先は器用なんだな」モミモミ

晶葉「そ、そうだな……」モミモミ

晶葉(肘なんだけどな……)



P「あー、気持ちいいなぁ……」モミモミ

晶葉「……」モミモミ

P「こりゃお金払ってもいいくらいだなぁ……」モミモミ

晶葉「……」




晶葉(今まであまり見てこなかったが……)

晶葉(意外と、筋肉があるんだな……)

晶葉(背中も、意外と広くて……)

晶葉(思えば、いつもPには助けられてきたな……)

晶葉(……)


P「あぁぁぁぁぁぁぁ~」モミモミ


晶葉(……)















晶葉(スンスン

晶葉(大人の男の匂い……)

晶葉(ハッ!

晶葉(な、何してるんだ私は!?これじゃ変態じゃないか!)///



P「どうしたー?もう終わりかー?」

晶葉「あっ、す、すまない!」モミモミ



晶葉(無心に…無心に……)



P「……」モミモミ 

P「なぁ晶葉」モミモミ

晶葉「な、なんだ?痛かったか?」モミモミ

P「あーいや、そうじゃないんだが……」モミモミ

P「どうして、急にこんなことしてくれるのかなって思ってさ」モミモミ

晶葉「あ、あぁ、それか……」モミモミ

晶葉「なに、いつも助手には苦労をかけているからな……」スリスリ

晶葉「たまには、こうして労ってやるのも良いかなと思ってな……」トントン

P「そうかそうか」トントン




晶葉「……」トントン

晶葉「…」トン



晶葉「なぁ、助手」

P「ん、どうした?」

晶葉「いや、こんな時じゃないと、ゆっくり話もできないからな……」

晶葉「例えば、私のことをどう思っているのかとか、話して見たくてな……」

P「どう思ってる?」



晶葉「あ、いや、そういう意味ではなくてだな!」



晶葉「いつも疲れているのに、ロボの実験と称して無茶させたり……」

晶葉「こんな性格だから、人との付き合いも上手くいかない時もある」

晶葉「それに、私はまだまだトップアイドルとは程遠い……助手のプロデュースが悪いんじゃない、私の実力が足りないんだ……」


晶葉「だから、どう思っているのかなって」

晶葉「私のプロデュースをして、後悔していないか…?」


P「……」

P「んあー……」

P「後悔はしてる」

晶葉「!」ビク


P「けど、それはお前のプロデュースを引き受けたことじゃない」

P「お前に、そんな事を思わせてしまう、俺の不甲斐なさにだ」


晶葉「……え?」

P「すまない、これは俺の実力不足だ」

晶葉「そ、そんなことは…!」




P「だけど、これだけは言える」




P「俺は、お前のプロデュースを引き受けて、本当に良かったと思ってる」


晶葉「!」

P「それに、俺はドMだからな!」

P「精神的、肉体的に追い込まれた方がむしろ燃えるのよ!」

P「ついでに金銭的にもな……」



晶葉「助手……」



P「だから、これからもいっぱい迷惑かけてくれて構わない」

P「それを受け止めるのは、プロデューサーである俺の特権だからな」ニコ




晶葉「……」

晶葉「ぷ、ふふふ」

晶葉「あははははははっ!」



P「な、なんだ?そんな面白いこと言ったか?」ハテ



晶葉「いや、なに…私も嫌われるのは慣れているとは思っていたが……」

晶葉「随分、誰かのぬくもりに、毒されていたようだ……」

晶葉「こんな私らしくない理由で悩んでいたのが、馬鹿みたいだ」


P「ん?どういう意味だ?」

晶葉「P……」ギュ

P「うお!あ、晶葉さん!?急に何を!?」

P(だ、抱き締められた!?)

P(あ、頭の柔らかな感触はいったい!?)ドキドキ 






晶葉「P……私も、君にプロデュースしてもらえて、本当に良かったと思っている」

晶葉「Pがこれからも後悔しないように……もっと頑張る」

晶葉「だから、いつまでもずっと…私のプロデューサーでいてくれ……」


P「晶葉……」

P「……」

(スッ

晶葉「あ……」

晶葉(手が……)



P「俺からも、よろしく頼むぞ」ギュ


P「お前を必ず、アイドルの頂点まで連れて行ってやるからな」

晶葉「P……」




晶葉「え、えへへ……」///





晶葉「あ、すまない、ちょっと感極まってしまった」パッ

P「あ……」

P(か、感触が離れていく!)

晶葉「ちょ、ちょっと恥ずかしいな……こんな話はなかなかしないからな……」///

晶葉「す、すこしラボの様子を見てくる!」タタタ

P「あ、おい晶葉…」

P「はぁ、まったく……」

P「……」






P(晶葉のぬくもり、頭に当たっていた感触が、今も俺の体に残っている……」

P(つまり、童貞の俺には刺激が強いわけで……)



P「……」

P「鎮まれ、マイ・サン!」グッ 

【後日】


晶葉「この前は大きめのモノを作ってしまったから、もっとミニサイズにしてみれば大丈夫だろうと思ったら……」


小型マッサージ機《こり発見!こり発見!》ズガガガガガ



晶葉「ぐぅ!なぜだ!?なぜ削岩機ができてしまう!」


晶葉「なぜ、床の硬さをこりだと勘違いしてしまうんだ!」カチ



晶葉「いつも肩揉みしてあげられるわけじゃないから、せめてマッサージ機はちゃんと作ってあげようと思ったのに……」ションボリ

(ガチャ

P「晶葉ー?あ、やっぱラボにいたのか」

晶葉「じ、助手!?ど、どうしたんだ!?」

P「いや、仕事だからそろそろ車出そうと思ってな」



P「ん?なんだこれ、P専用マッサージ機?」

晶葉「い、いやそれは違くてな!?」

P「なんだぁ、俺のためにこんなものまで作ってくれるなんて……ほんと、プロデューサー冥利に尽きるな」スッ


晶葉「あ、待て!それはダメだ!大変なことになる!」

P「んー?なんだよー、ちょっとぐらいいいだろ?」カチッ

晶葉「うわぁぁぁぁダメだってぇ!」


ズガガガガガガガガガガガガガガ


P「あ~気持ちいいな~これ、丁度良い力加減で」ズガガガガ


晶葉「」

P「でも、ちょっと音がうるさいかなぁ、もうちょっと騒音対策をしっかりしないとダメだな……」ズガガガガガガガガコリハッケン!


晶葉「あ、あぁ……」


P「そうだ、早く準備しろよー、車で待ってるからなー」ズガガガガガガガガ

ガチャ バタン


晶葉「……」

晶葉「あ……」




晶葉「あれで良いんだ……」

おわり

お目汚し失礼しました


なんか私が書くと、終盤がしんみりというか、臭いというか、そんな感じになってしまう


あと、誕生日に書いてあげられなくてごめんね晶葉

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