海未「なんだかお腹が空いてきました……」 (74)

【はじめに】
このスレに投稿するSSは、作品番号1~10までそれぞれ違う作者さんのSSです。
一つ一つで完結だと思って読み進めてください。
それでは↓

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1

海未「今日は両親も外出していませんし…かといって自分で作るのも面倒ですね…」

海未「せっかくですし何か食べに行きましょう…」

海未「といっても何を食べましょうか…ん?」

凛「にゃあ…」グデー

海未「…凛?」

凛「あっ、海未ちゃん…」

海未「どうしたんですかこの世の終わりみたいな表情して」

凛「そんな顔してた…?」

海未「えぇ、とっても」

凛「そっかぁ…」

凛「凛ね…最後にラーメン食べてからもう1ヶ月経つの」

海未「それでそんなやつれた顔してたんですか…」

凛「このままだと凛は干からびてしまうにゃ…」

海未「まあ最近確かに忙しかったですしね」

海未「…よかったら一緒に食べに行きます?」

凛「えっ、ほんと!?」ガバッ

海未「ちょうどわたしも何か食べに行こうとしてたところですし」

凛「やったぁ~!いこいこ!」

海未「急に元気になりましたね…」クスッ

………

凛「それにしても珍しいね、海未ちゃんが外食なんて」

海未「そうですか?今日は両親もいませんし、たまにはと思って…」

凛「海未ちゃんっておうちでご飯食べてるイメージあるにゃ」

海未「まあそうですね、あまり外食はしないかもしれないです」

凛「じゃあ今日はその数少ない外食を凛と食べに行くってことだね!」

海未「ふふっ、そうですね」

海未「いつもは花陽とかと行ってるんですか?」

凛「うん、最近は真姫ちゃんとも行くことが多いかな」

海未「真姫もですか…」

凛「なんだかんだ言って真姫ちゃんは付き合ってくれるから好きにゃ」

海未「きっと真姫も楽しんでると思いますよ」

凛「だよね~、クールぶってるけどニヤケてるの隠しきれてないもん」

海未「なんだか今日の凛もいつもより楽しそうですね」

凛「そうかな?やっぱり海未ちゃんと一緒にラーメンに食べに行くからかも」

凛「ラーメンそれ自体も美味しいけど、誰かと食べるともっと美味しいにゃ!」

海未「そうですね、わたしもそう思います」

海未「食事で楽しむのは食べることそのものだけでもないですしね…」

凛「お話ししてたらもっとお腹すいてきたにゃ!」

凛「早くいこ!海未ちゃん!」グイッ

海未「もう…そんな急いでもラーメンは逃げませんよ」クスッ

2

少し前のこと。

海未「…ふあぁ~」

海未(眠いです…)

海未(部室に私だけ早く着いてしまったのですが、ちょっとだけ仮眠を取りましょうか)

―――――

ことり「こんにちは~」

穂乃果「あれ、誰もいないの?」

海未(少し悪い気もしますが、寝させてください…)

穂乃果「あ、海未ちゃん!寝てるのかな?」

ことり「しぃ~っ!穂乃果ちゃん、起こしちゃダメだよっ」

穂乃果「そうだね、でもこれどうしよっか?」

ことり「う~ん…とりあえず海未ちゃんが起きてからにしようよ」

海未(何のことでしょう…?)

穂乃果「せっかくだから最初は海未ちゃんがよかったんだけどなぁ~」

ことり「でも、時間もあるからねぇ」

穂乃果「みんなの反応も聞かないとだからね、仕方ないか」

穂乃果「うちの新作、『プレミアムほむまん』」

海未(……それは本当ですか!?)

(タイトルへ)

海未(いえ、しかしここで起きては…きっと笑われてしまいます)

海未(タイミングを見計らって、いい感じに…)

穂乃果「ことりちゃん、先に食べる?」

ことり「えっ、でもみんなが来てからの方がいいかなぁ」

穂乃果「そっか…」

穂乃果「海未ちゃん、うちの新作食べる?」ササヤキ

海未(どうしましょうか…ここはもう一度言われるまで待ちましょう)

ことり「海未ちゃん、すっかり眠ってるみたいだね」

穂乃果「みんなもまだ来ないし、先に食べようよ~」

ことり「穂乃果ちゃんが言うなら…」

穂乃果「じゃあさっそく…って、この箱3個入りって書いてある!」

ことり「みんなで分ける?」

穂乃果「それじゃダメだよ!こういうのは1個で完成品だから」

ことり「そうだね、なら今日は3人だけかな」

海未(この話からすると、とても大きいほむまんがすぐそこに…)

ことほの「「いただきま~す」」

穂乃果「おぉ、これは…」

ことり「プレミアム…!」

ことり「あれ、もしかして穂乃果ちゃんも初めて?」

穂乃果「うん、実はそうなんだ」

海未(その反応、気になります…!)

穂乃果「このボリューム…これは人気間違いなしだねっ!」

海未(さて、ことりならそろそろ声をかけるはず…)

ことり「海未ちゃん、まだ眠ってるのかな?」スタスタ

穂乃果「海未ちゃんもたまにはゆっくり休みたいだろうから、今はそっとしておこうよ」

海未(なっ…!穂乃果、今はその優しさが嬉しいのに悲しいです…!)

花陽「遅れてすみませんっ!」

ことり「あ、花陽ちゃん!」

花陽「あれ?まだみんなはいないの?」

穂乃果「うん、ところで花陽ちゃん、お腹空いてない?」

ことり「穂乃果ちゃんのうちの新作があるんだけど…」

花陽「もしかして、食べていいの?」

穂乃果「はい、どうぞ!」

花陽「それでは、いただきま~…」
海未(あぁ、花陽ぉ……」

花陽「…すっ!」パクッ

ことり「海未ちゃん、起きちゃった?」

花陽「もぐもぐ…美味しいです~!」

穂乃果「海未ちゃん残念だったね、新作食べられなくて」

海未「いいのです、プレミアムほむまんはまたの機会にします…」

花陽「えっ、もしかして花陽、何か悪いことを…?」

ことり「花陽ちゃんは悪くないよ!でも海未ちゃん、どうしてその名前を…?」

穂乃果「ひょっとして起きてたの?」

海未「そ、それは…」

海未(ああ、これぞまさに『児のそら寝』ですね)

今回の教訓はチャンスの前髪をつかむ…離さない…でしょうか?
これは使えます!

こうして『No brand girls』が生まれることとなるのだが、それはまた別のお話。

3

ザーザー

海未「うみゅーん……」

海未「すごい雨ですね……遠足の前の日に、穂乃果とことりと、てるてる坊主を量産しましたっけ」

海未「むぅ」グー

海未「何か食べるものありましたかね」ゴソゴソ

海未「マ〇ーがありますが、今は和食の気分なんですよね。和風パスタにするにしても野菜類がないので諦めましょう」

海未「冷蔵庫には牛乳とドレッシングと梅干しと……あんこ?穂むらからいただいたのでしょうか。この組み合わせで出来そうなものは……ないですね」

海未「野菜室にプチトマトがあったので食べておきましょう」パクッ

海未「……すっぱいです」

海未「雨なので出かけるのも億劫です……突然リリホワ食事会になったり、ことりが手料理を持ってきてくれたら万事解決なのですが」

海未「ん……戸棚の奥にホットケーキミックスがありますね。お母様が買われたのでしょうか?珍しい」

海未「ってこれ賞味期限が明後日じゃないですか!」

海未「決めました。これを使いましょう」

海未「ホットケーキ……でもいいのですが、タマゴないんですよね。スマホでレシピを探してみましょう」

海未「意外とありますね。ガレット……ことりが好きそうです。メロンパンは穂乃果が喜びそうですね」

海未「あんぱん……?そういえばあんこがありましたね。卵も使わない。これにしましょう!」

~材料~ (4個分)
ホットケーキミックス…200g
牛乳……100ml
サラダ油……大さじ1
こしあん……100g
炒りゴマ……適量

~用意するもの~
電子レンジ(オーブン機能つき)
天板
クッキングシート
ボウル
ゴムベラ
気合い

海未「まず初めに、ホットケーキミックスと牛乳とサラダ油をゴムベラでかき混ぜます」

海未「粉っぽさがなくなったら、パンの要領でこねていきます」

海未「うーん、水っぽくて全然まとまらないですね……牛乳と油はもう少し少なめでもよさそうです」

海未「こねた生地を八等分してまるめます。あんこも八等分して、オーブンを170℃で予熱しておきます」

海未「最近のオーブンは予熱機能がついていて便利です」

海未「そして生地であんこを包んでいきます」

海未「レシピはこしあんですが、今手元にあるのはつぶあんですね……まあなんとかなるでしょう」

海未「包んだら肉まんのようにキュッと閉じて、そこを下にして、クッキングペーパーをしいた天板に並べていきます」

海未「オーブンの予熱が終わるまで待って……ちょうど終わりましたね!オーブンアタックです!焼いちゃいますよ~」ガタン

海未「ちなみに170℃で15分です」

海未「この間に洗い物をしますよ~」ジャー

海未「我が家にも食洗機があればいいのですが。食洗機って本当に落ちるのでしょうか?人間がますます怠惰になっていくような気がします」

海未「それにしてもすごい雨ですね……庭の草木も喜んでいることでしょう」

海未「残り3分くらいで天板の向きを変えると、焼きむらが少なくなります」

電子レンジ「2:55」

海未「」ジー

電子レンジ「2:32」

海未「」ウズウズ

電子レンジ「2:09」

海未「」カミノケクルクル

電子レンジ「1:58」

海未「あー!じれったい!はやく!はやくしなさい!」

海未「お腹すいたー!うみちゃんはお腹すいてるんだぞー!!!」チラ

電子レンジ「1:33」

海未「うみゅ……」

海未「瞑想しながら待ちましょう」

海未「」チラッ

電子レンジ「1:17」

海未「……」

タララ タララ タララララン

海未「!」

海未「できました!出しましょう!」パカッ

海未「ん、あまり焼き色がついていませんね……ホットケーキミックスを使ったからでしょうか?」

海未「でもいい匂いですね!出ておいで~」ズズズ

海未「見た目は普通のパンですね……あっ」

海未「ゴマをのせわすれました」

海未「……」

海未「後からでも大丈夫でしょう」パラパラ

※本来いりごまは焼く前にのせるものです。

海未「余熱をとります。予熱と発音が同じなのでややこしいですね。粗熱ともまた別ですし」

海未「いいかんじにさめましたね!それでは……」

海未「あんぱんアタックです!」パクッ

http://imgur.com/9b0V5NQ


海未「」モグモグ

海未「……?」

海未「うーん……美味しいことは美味しいですが、味はホットケーキですね」

海未「なんとなく自分で作ったのでものすごく美味しくいただけそうな気がしたのですが」

海未「例えるならば、手塩にかけて育てた息子がキモオタニートになってしまったような」

海未「あんこは普通に美味しいです」

海未「これは……」

海未「うん……」

海未「代用メニューってあまりいいもんじゃないですね」

海未「また一つ学びました」

海未「まあ、空腹は満たすことが出来たのでよしとしましょう」

海未「ふぅ……」ガラケースッ

海未「L〇NEがきていますね、どれどれ」

ことり(・8・)『海未ちゃん、肉じゃが作りすぎちゃったし、ことりの家にお昼ご飯食べにこない?』

海未「……」

リリホワ(3)
希『焼肉行く人ー!』
凛『行きたいけど、、、金欠にゃ(´+ω+`)』
希『3人食べ放題無料券あるで』
凛『行くー!!!』
凛『海未ちゃんはー?』
希『おーい』
凛『見てないね』
希『せやね、海未ちゃんに悪いし今度にしよか』
凛『そうだね』
希がスタンプを送信しました
凛がスタンプを送信しました

海未「……」

海未「ははっ。タイミングって大切ですね……」

海未「思い込みに囚われてその他の選択肢を見いだせない。よくあることですよね」

海未「結果としてあまり美味しくないあんぱんが残り3つ。悲しいなぁ」

海未「うみゅーん……」

※作者が参考にしたメニューは10年くらい前の料理本で、実際にネット上にあるメニューとは関係ありません。

4

海未「なんだかお腹が空いてきました……」

海未「軽食でいいですね、その辺の喫茶店にでも行きますか…」


………………

カランカラン

店員「いらっしゃいませ……えっ!!?」

海未「あ、一人ですが空いていますか?」

店員「あ、どうぞこちらへ…」

海未「せっかくなら穂乃果とことりも呼びましょう」ポチポチ

店員「……」ダラダラ

ごめんなさい
>>21はミスです

海未「なんだかお腹が空いてきました……」

海未「軽食でいいですね、その辺の喫茶店にでも行きますか…」

カランカラン

店員「いらっしゃいませ……えっ!!?」

海未「あ、一人ですが空いていますか?」

店員「あ、どうぞこちらへ…」

海未「せっかくなら穂乃果とことりも呼びましょう」ポチポチ

店員「……」ダラダラ

穂乃果「海未ちゃん…?あ、いたいた!おーい!」

海未「穂乃果!静かにしてください…、ことりは来ないのでしょうか?」

穂乃果「確かメイドカフェの店長さんに頼まれて、他の喫茶店のヘルプに回ってるんだって!」

海未「そんなことがあるんですね…ならもう注文してしまいますか、すみませーん!」

店員「ぴぃ!?はいっお伺いします!!」

海未「私はロイヤルミルクティー…「ロイヤルミルクティーとオレンジジュースにアイス乗せパンケーキですね!かしこまりました!!」ビューン

海未「行ってしまいました…、何故いつも三人で頼むメニューが分かったのでしょう?」

穂乃果「えっ…?あれことりちゃんだったよね?」

海未「ことりがここにいるわけないじゃないですか…ことりは喫茶店でお仕事中でしょう?」

穂乃果「えぇ…、穂乃果でも分かったのに…」

店員「お待たせしましたぁ!お、お連れ様は二時間後に来られますので少々お待ちください!」

穂乃果「うん!ありがとうこと…店員さん!」

海未「はて…」

ことり「お待たせー!お仕事長引いちゃって…」

穂乃果「お疲れ様!ことりちゃんもロイヤルミルクティーだよね?さっき頼んだからもうすぐ来るよ!」

ことり「ありがとう穂乃果ちゃん♪」

海未「ことりが来る前に不思議な店員さんがいたんですよ、気になります……」

ことり、穂乃果「あはは……」

5

海未「うみゅ……」グー

(・8・)「ウッミ、おやつの時間ちゅん!」

海未「…そうですね」

(^8^)「チーズケーキがいいちゅん!」

海未「では、トッリはこちらを…」スッ

(;・8・)「これはなにちゅん?」

海未「ミルワームですよ」

(´;8;)))「虫は嫌ちゅん!」ピイィィィィ!!!

海未「冗談ですよ」フフ

海未「確か冷蔵庫の中に…」ノゾキー

海未「…」

(・8・)「…」

海未「…ないですね」

(´・8・)「ちゅんなぁ…」ションボリーヌ

海未「…では、買いに行きます!」

∑( ・8・)「トッリのために行って来てくれるちゅん!?」

海未「えぇ…まあ…」

(^8^)「嬉しいちゅん!やっぱりウッミ大好きちゅん!」

海未「トッリは留守番お願いしますね」

(`・8・)「分かったちゅん!気をつけて行ってくるちゅん!」

───
──


海未「速く行って、早く帰りましょう…」

ことり「あ!海未ちゃん!」

海未「こ、ことり!?私の家の前でどうしたのですか?」

ことり「…ひょっとして、これからお出掛け?」キョトリ

海未「はい。ケーキを買いに行こうと…」

ことり「本当?…じゃあこれ♪」スッ

海未「…これは?」

ことり「実は海未ちゃんにあげようと思って、チーズケーキ作って来たの!」

海未「ありがとうございます。一緒に食べましょう!」

ことり「うん♪」

海未「さ、上がってください」

ことり「おじゃましまーす」

(^8^)「お!ウッミ、おかえりちゅん。早かったちゅんな!」

海未「えと…」

ことり「え…?」

(´・8・)「…誰ちゅん?」

海未「ことりですよ」

ことり「海未ちゃん、あの…」

海未「私の友達のトッリです!」

ことり「え?鳥さん??でも喋って…」

(^8^)「細かいことは気にするなちゅん!仲良くして欲しいちゅん!」

ことり「よ、よろしく…?」

∑(;・8・)「あ!ウッミ、チーズケーキどうしたちゅん!?」

ことり「それならここに…」スッ

海未「お茶用意してきますね」

(^8^)「とっても美味しそうちゅん!早速食べるちゅん!」

(*´8`)「う~ん」モッチョモッチョ

(*^8^)「とっても美味しいちゅん!お店のと遜色ないちゅん!」

ことり「本当?良かった」

海未「ことりはお菓子作りが上手いんですよ」

ことり「それほどでもないよー♪」

(^8^)「そうちゅん?ならまた作って来て欲しいちゅん!」

海未「トッリ、無理強いはいけませんよ」

(´・8・)「そうだったちゅん…」

ことり「…また作ってこよっか?」

(゜8゜)「本当ちゅん?」

海未「良いのですか?」

ことり「うん♪」

6

海未「そういうことです」

ことり「...」ジトッ

海未「さっ、早くあがってください」

ことり「ことり帰ります」スタスタ

海未「逃がしません」グイッ

ことり「うごっ!?」

海未「お腹が空きました」ポンポン

ことり「...まさかとは思うけどさ」

海未「?」

ことり「それだけのためにことりのこと呼んだの?」

海未「そうですが?」

ことり「おばか!!」クワッ

海未「おこですか?」

ことり「おこだよそりゃ!!いま何時だと思ってるの!?」

海未「うぅ...だって、ことりの手料理が食べたかったんです」ウルウル

ことり「うっ、そう言われると」

海未「シチューがいいですね...どっさりと鶏肉が入ったやつを」スンッ

ことり「知らないよ!!」

海未「それでですね、デザートは...こ、ことり本人をいただくということで...///」

ことり「は?」

海未「ふふふ、完璧です...トリ尽くしアタックです...!!!」

ことり「ふふふ...じゃないよ!やかましいよ!!」

海未「まぁ冗談はさておき」

ことり「冗談だったの!?めんどくさっ!!今日の海未ちゃんめんどくさっ!!?」

海未「絶好調ですねことり、ツッコミの切れが凄まじいです」クスッ

ことり「うん、海未ちゃんのせいだからね?」

海未「正直鬱陶しいです」

ことり「あーそうですか!!それもこれも全部海未ちゃんのせいだからね!!?」

海未「そうでしょうか」

ことり「あれ?これことりが悪い?ことりが悪いのこれ???!?」

海未「まぁ、今からあなたはシチューの具材になるのですから...ピーピー鳴いてられるのも今のうちです」ニヤッ

ことり「する側じゃなくて調理される側で呼ばれたのことり!?恐いよ!!?」

海未「...」

ことり「え、黙らないで???すごい恐いから今...え、冗談だよね!?」

海未「まぁ...冗談です」

海未「...」

海未「はんぶん」ボソッ

ことり「聞こえてる聞こえてる!!ぼそっ、じゃないよ!!半分ってなんなの!!?」

海未「どこから半分がいいですか?」

ことり「え?選ばせてくれるの?もう全部冗談であってほしいんだけど!!?」

海未「半分で手を打ちましょう」

ことり「はぁ...もういいよ、とりあえずことりが調理されない生存ルートでお願い」

海未「ふむ、なら...」ニギッ

ことり「?、...手握ってなに?」

海未「こっち来てください」

ことり「台所そっちじゃないよね?」

海未「もうそれはいいです、私の部屋行きましょう」

ことり「いいんかい!!」

...

ことり「はぁ...なんか疲れた」ボスンッ

海未「ん」グイグイ

ことり「?」

海未「...デザート」ボソッ

ことり「でざーと?」

海未「冗談じゃない残り半分...したいです...///」

ことり「...」

海未「いいですか?///」ギュッ

ことり「やだ」

海未「がーん!!」

ことり「あはは、冗談だよ」ニコッ

海未「むぅ...嫌いです、ことり」ムスッ

ことり「ことりも嫌いだよ、海未ちゃんのこと」グイッ

チュッ

7

海未「作詞をしていたらこんな時間になりましたが、少し小腹が空きましたね」

海未「何かあったでしょうか…。カップ麺はこの前食べましたし…でも眠いし…」

海未「うーん…」

???「わかめのお味噌汁とかいいんじゃない?」ニコッ

海未「確かにあっさりしていて夜遅くに食べるにはちょうどいいですね!」

???「決まり!他はどうする~?」

海未「そうですね…。でしたら、ご飯も少し余ってましたし、おじやにしてもいいのでは?」

???「いいね♪」

海未「それでは…一緒に作りますか?」ニコッ

???「うん♪」

海未「まずは、お出汁から取りましょうか!昆布と鰹節とどちらがいいですか?」

???「ん~…昆布かな!」

海未「わかりました。では、お湯を沸かして…」ピッ

???「わかめ増やしとくね~」

海未「量はしっかり考えてくださいね」

???「は~い♪」ニコッ

海未「よし、それではお味噌を解いていきましょう!あっさりがいいので白味噌にしましょうか!」

???「わかめ切り終えたよ~!お豆腐もあと少しだったから使ったよ!」

海未「ありがとうございます。では、味見をしていきましょうか…火の威力を弱めて…」ピッ

海未「ん~!お味噌のいい香りが漂ってきました!もう少しですね!」

???「ご飯は準備オッケーだよ~!」

海未「了解です!では…ご飯投入です!」

海未「あ!花陽に怒られそうですね…」

???「ま、まあ大丈夫じゃないかな?」

海未「ですよね?とりあえず、ちょうどいい具合になるまで煮込んでいきましょう…」グツグツ

海未「できました!わかめのおじや完成です!」

???「わ~い!」

海未「早速、いただきましょうか…」テアワセ

???「うん!」テアワセ

2人「いただきます!」

海未「あーん…。ちょうど良い配分でした!味噌の味もしっかり染み込んでいます!」

???「朝食べるお味噌汁も美味しいけど、この時間に食べるのもほっこりしていいね!」ニコッ

海未「そうですね!………おや?ほっぺにご飯粒がくっついていますよ?」

???「え?嘘?」

海未「取ってあげますからじっとしていてください。よいしょっと…」

???「あ、ありがと…『海未姉』//」

海未「気にしないでください」ニコッ

海未「さ、残していたらお母様たちに怒られますから、ちゃんと食べましょう!」

???「はーい!」

海未「ふふふ♪『───』?また一緒に作りましょうね?」

???「うん♪」ニコッ

─────────
─────
──

海未「………は!」

海未「結局何も食べずに寝ちゃいましたか」

海未「食欲は睡魔に食べられてしまったようですね?うふふ」

海未「それにしても…」

海未「何か不思議な夢を見ていた気がします。誰かと一緒に何かを食べていたような…」

海未「…ってもう朝稽古の時間です」

海未「急がなければ…!」タタタッ

8

海未「22時ですか…夕飯はしっかり頂いたというのになんだかお腹が空いてきました…」

海未「ご飯を食べた後と言えば宿題と勉強と作詞しかしていないのですが何故でしょう?」

海未「そういえば頭を使うだけでもカロリーを消費する、みたいな事を某Lが言っていましたね」

海未「それはそれとしてお腹が空いてきました…」

海未「こんな時間に食べるものどうかと思いますし、ここは早々に寝て空腹を誤魔化す事にしましょう」

海未「海未ちゃんは今日はもうおやすみします」

海未「23時35分ですか…マズいです、お腹が空きすぎて眠れません…」

海未「こんな事になるならあの時に少しだけ食べてしまえば良かったですね」

海未「しかし今から食べるとなると…寝る前に食べると太ると言いますし…でも一度くらいなら…?」

海未「いや、ダメに決まってます!その一度の甘えがキッカケで人間はダメになってしまうのです!」

海未「それに穂乃果や花陽に日々厳しく言っている私が太るワケにはいきません!」

海未「何より穂乃果に知られたらきっと鬼の首を取ったかのように色々と…!」

海未「あ、想像したら少しイラっとしました」

海未「穂乃果に八つ当たりのLINEを送っておきましょう」スマホ ポチポチ

海未「ふぅ、少しスッキリしましたね」

海未「だからと言って空腹がどうにかなるワケでは無いんですけどね」グゥ~

海未「…鳴りましたね///」

海未「アレじゃないですか、もうここまで来たら我慢してる方が体に毒じゃないですかね?」

海未「それに食べてすぐに寝るのがダメと言うならいっその事しばらく起きてれば良いのでは?」

海未「幸い明日は土曜、そして部活も午後から!夜更かしして9時頃まで寝れば大丈夫ですよね、ね?」

海未「よし、そうと決まれば…え、これから何か作るんですか?」

海未「たまたま今日は家の人は出払っているのでこれから何をしようと迷惑にはなりませんが…」

海未「もう日付けも変わるというのに何か作るのも少々億劫です…」

海未「人は我儘な生き物ですね」

海未「あぁぁぁ!食べると決めたからには食べないと気が済みません!」

海未「しかし何か作るのも面倒です…どうしましょう…」

\~♪/

海未「凛からのLINE…リリホワのグループですね、こんな時間に何でしょう?」

(希withラーメンの画像)

海未「」プツンッ

スッ

海未「」Prrrrr

凛『もしもし、海未ちゃん?』

海未「今、二人でラーメンを食べているんですか?」

凛『え、何で知って…』

リンチャン! リリホワノグループニオクッテルヤン!!

凛『嘘!?だから海未ちゃんにバレて…あ』

海未「今どこですか?」

凛『あの…海未ちゃんの家のすぐ近くのお店、です…』ガクガク

海未「今から行きます、それでは」

凛『え、ちょっ、待っ』

プー プー プー プー

海未「財布サイフ~♪」ルンルン

凛「どどどどどどどうしよう!これから海未ちゃん来るって!」

希「凛二等兵、ここは腹を括るんや…!」

凛「…つまり?」

希「うむ…潔く謝って、そして素直に怒られよう…夜遅くにラーメンを食べてしまった事を…!」

凛「希隊長…!」

希「じゃあその前にウチお花を摘んでくるね」スッ

凛「ちょっと待つにゃ」ガシッ

希「な、何かな凛ちゃん?」

凛「トイレに行くのに何で鞄も上着も持っていく必要があるのかにゃ?と言うかそっちは出口でトイレは逆にゃ」

希「べべべべべべ別に凛ちゃんを置いて逃げようだなんてこれっぽっちも思ってないにこよ?」

凛「動揺しすぎにゃ!」

希「いやや~!こんな時の海未ちゃんめっちゃ怖いもん!怒られたくない~!」

凛「それは凛も一緒にゃー!」

ガラガラ
ッシャーセー!!

希凛「あ」

9

絵里「三つ数えるとあなたは催眠状態に入ります――」

絵里「ひとぉつ・・・ふたぁつ・・・・・みっつ」チラッ


海未「・・・・・・・・」スヤスヤ

絵里「・・・さて、あなたには恋人がいます。いま、恋人とデートをしています」

海未「・・・・・っ///」


絵里「さて、隣の恋人は誰、・・・いえ、どんな感じの人、ですか?」ドキドキ



海未「・・・どうやら、おなかが空いているみたいです」スヤスヤ

絵里(えっ、いや、そういうことじゃなくって、)

海未「・・・なんだか私もお腹が空いてきました。ランチにしましょうか」スヤスヤ

絵里(私が聞きたいの、そこじゃないからぁっ!?)

絵里(ま、まあいいわ・・・どこかで聞き出せればいいわよねっっ)


絵里「それでは、あなたは恋人とレストランに入りました」

海未「はて、甘味処はレストラン、に含めてよろしいのでしょうか・・・?」

絵里(どっちでもいいわよ!!)


絵里「それで恋人が店員さんを呼んで注文しています」

海未「・・・私は、抹茶白玉ぜんざいセットをお願いします」スゥスゥ

絵里(海未の好み、覚えておこうかしら・・・)

海未「それから・・・こちらの方に、ブランデーを一杯」

絵里(お酒っ!? 甘味処って言ったでしょう!?)


海未「っ!、そんなっ、他人が見てますからっ・・・///」モジモジ

絵里(海未の恋人、何やってるのよ・・・)

海未「そんなっ・・・甘味の分け合いだなんて・・・///」

絵里(それだけ!? あなたたち本当に付き合っているの!?)


海未「ごちそうさまでした。支払いは・・・いえ、いいのです」

絵里(そうそう、そのぐらい出してあげなさいよね? 誰だか分からないけれど)

海未「なんと、スマートフォンでクーポンですか・・・!」パアァ

絵里(なんとも庶民的ね・・・別にいいけれど、私も使うもの)


海未「お待たせしてすみません。外で馬車が待っています。どうぞ」

絵里(いつの時代!?)

絵里(ま、まあこれは海未の夢の中なわけよね・・・)

絵里(・・・ふふっ、白馬に乗った王子様、といったところかしら?)クスッ

絵里(って、当初の目的を忘れちゃダメよ、私はあくまで海未の好きな人を)ブツブツ

絵里「それじゃあ、ええと、あなたはこれから恋人とどちらへ向かい――」


海未「ようやく天守閣に着きました!」

絵里(日本のお城だったの!? どういう設定なのよ?!)

海未「その・・・すみません、Tポイントカードは持っていません」シュン

絵里(だからいつの時代なのよっ!)


海未「・・・ふふっ、そうですね。もう遅いですし、部屋でゆっくりしましょうか」クスッ

絵里(泊まりの旅行だったのね・・・私もいつかは、海未と――)ドキドキ

海未「・・・今日はお付き合いいただき、ありがとうございました」

海未「いえいえ! お礼を言わなければいけないのは私の方ですよ。
   それに、まだ明日もあるのですから・・・」///

海未「・・・このようなことを面と向かって申し上げるのも、
   いささか気恥ずかしいものですね」クスッ


絵里(海未・・・好きな人には、そんな表情もするのね)

絵里(なんだか私、横取りしているみたい・・・ううん、違うわ)

絵里(海未の未来を、大切な人から横取りしているのは、私の方・・・)


海未「ひゃ・・・だめです、そんな・・・いけません・・・・」

海未「・・・ぅあ、・・・恥ずかしいです・・・」

海未「そんなこと・・・言わないでください」///


絵里(・・・それはきっと、私じゃなくって・・・)


海未「・・・ん・・・はい・・・その、・・・いい、です・・・」

海未「あなたが、私でよろしければ・・・」


絵里(・・・・・っ)

絵里「・・・だめよ、そんなの、いや・・・・・」


海未「その・・・・あなたの、すきに・・・・・」


絵里「――ダメぇっ!」

海未「っ!」ビクッ

絵里「三つ数えたらあなたは目覚めます! さんにーいちっ、はい!!」パンッ

―――――――
――――
――

.
  ◆  ◆  ◆


海未「――それで、私の深層心理・・・でしたっけ、分かったんですか?」

絵里「っ、分かったと言えば分かったけど・・・あんまり参考にならなかったわ」プイッ

海未「そうですか・・・・・」シュン


絵里「・・・でも、意外と海未ちゃんったら、えっちなことも考えてるのね?」ニヤニヤ

海未「なっ・・・何をいいだすのですかっ///」

絵里「だってその、この園田さんがぁ、あんなこと言い出すなんてね♪」

海未「いったい私は何を・・・っ、いいですいいです! 言わなくって!」

絵里「ふふっ、私だって海未のあんな姿、誰にもいえないわよねぇ♪」

海未「・・・っ///」


絵里「でも、・・・そうね、海未ならきっと、いい人が見つかると思うわ」

海未「・・・? それは、ありがとうございます・・・?」


絵里「それじゃあ、もう遅いから、気をつけてね」

海未「はい。それでは失礼します、・・・っ」

ガチャッ


海未「・・・・・」

絵里「・・・?」


海未「・・・あの、変なことを申し上げますが、」

絵里「えっ、忘れ物? いいわ、さがしてくる――」


海未「・・・・・なんだか、お腹がすいてきましたね」ボソッ



絵里「え、・・・・・えっ?」

海未「っ、なんでもありません! それでは失礼します!」バタンッ


絵里「ちょっ・・・・え、それって・・・さっきの、まさか全部わざと・・・」


絵里「・・・~~っ!///」ジタバタ

10

園田家 お昼

海未「……」カキカキ

海未「……うーん」

海未「!……」カキカキ

海未「……?」

海未「……」

海未「……」

海未「ダメです、歌詞が書けません!」グゥ

海未「……お、お腹空きました」

海未「家に何かあるといいのですが」

冷蔵庫 パカッ

海未「目ぼしい物は見当たりませんね」

海未「……出掛けましょうか」

───
──


海未「出掛けたは良いものの目的地を決めてませんでした」

海未「……」トボトボ

絵里「ん?海未じゃない」

海未「おや?どうしたのですか?絵里」

絵里「私?私はお昼ご飯の買い出し。食材冷蔵庫にあると思ってたんだけどなあ……海未はどうしたの?」

海未「私は食欲を満たしに」

絵里「??」

海未「お腹が空いたのです……」

絵里「ふふふっ」

海未「?何かおかしかったですか?」

絵里「いえ、別に……ふふ」

海未「なぜ笑うんですか!?」

絵里「あ、そうだ!」

海未「?」

絵里「うち来ない?」

絢瀬家

海未「ほんとに良かったのですか?」

絵里「いーのいーの♪」

海未「ですが……」

絵里「なによ?私の手料理じゃ不満?」

海未「い、いえ、そんなことは」

絵里「いいのよ、気にしなくて。亜里沙は遊びに行ってるし、私一人でご飯食べても……ね?」

海未「ありがとうございます」

───
──

海未は絵里のロシア料理を食べた!


海未「やはり絵里は料理が上手ですね」

絵里「まあね」ドヤチカ

海未「ボルシチ、美味しかったです」

絵里「ありがとう」

海未「今度は私が手料理を振る舞いますね」

絵里「楽しみにしてるわ」



海未「お腹いっぱいです!」

おわりです。


読んでいただきありがとうございました。

言葉足らずで申し訳ないです。

これは企画でtwitterで募集して、参加された作者の作品を私が受け取りまとめて投稿しました。
なので、私を含め10人分の作品です。

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