【FGO】ジャンヌオルタ「地獄に堕ちましょう」 (16)

前作【FGO】ジャンヌ「貴方と共に」の続きですが、読まなくても問題ありません。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1497746805

私は復讐者。フランスを憎み、フランスの民を憎み、私を凌辱して魔女と断罪した異端尋問官を憎む復讐者。憎悪こそが私の原動力であり、生きる意味でもある。
でも私は何も知らない。聖女である私を焼き殺した焔も、処女を奪われた痛みも何もかも。
だって私は模造品だから。この記憶は創られたものだから。この憎しみは植え付けられたものだから。聖杯によって聖女様を元にした醜いレプリカ。
では私の心はどこにあるの?私は一体何者なの?
ジャンヌダルではないジャンヌダルクには何もない。
こんな嘘にまみれた私はきっといらない人間なのでしょう。







ジャンヌ「マスターおはようございます!」ギュー

ぐた男「ちょっ、ジャンヌ!当たってるから!」

ジャンヌオルタ「……………」イライラ
*以下、オルタで書きます。


ジャンヌ「いいえ、離れません!私はマスターの傍にいたいのです!」

ぐた男「くっつかなくてもいいじゃん!?」

ジャンヌ「マスターを守るために必要なことなのです♪」

オルタ「……………」ブチッ

オルタ「ちょっと!!」

ぐた男「お、オルタ…おはよう」

ジャンヌ「あら、おはようございますオルタ」

オルタ「ええ、おはようございます。それよりも私の目の前でいちゃつかないで欲しいのだけれど!」

ぐだ男「別にいちゃついてなんか…」

オルタ「嘘おっしゃい!燃やすわよ!大体なんですか、朝っぱらから節操もなくは、ハグなんて!ここ最近ずっとそうです!」

オルタ「いつから聖女様はみだりに男に近づくようなふしだらなビッチに成り下がったのかしら?それもこんな男を選ぶなんて頭がおかしくなったのかしら?」クスクス

ジャンヌ「ビッチではありませんよ、マスターにだけです。それに、マスターの魅力は貴方もわかっているでしょう?」

オルタ「…っ!マスター!貴方もです!仮にも私のマスターであるならこんな田舎娘相手に鼻の下を伸ばさないでくれますか!」

ぐだ男「でも、オルタも同じ田舎娘だよね…」

オルタ「っ~~~~!!!うるさいわよバカマスター!!」スタスタ

ぐだ男「あっ、オルタ…」

ジャンヌ「……」

オルタ「なによあんなにデレデレしちゃって!ちょっと抱きつかれただけであんな締まりのない顔して、ああっ!腹立つ!苛つきすぎて朝食も食べずに部屋に戻って来たじゃない!」スタスタ

オルタ「……………」ボスッ

オルタ「なんでこんなに腹が立ってるのよ私…」

ジャンヌ「失礼しますねオルタ」

オルタ「ぎゃー!何勝手に人の部屋に入ってきてんのよ!」

ジャンヌ「ちゃんと許可は求めましたよ?」

オルタ「許可してないでしょうが!」

ジャンヌ「まあまあ、私と貴方の仲ではありませんか」

オルタ「ふんっ!私はあんたのなんてこと大嫌いだけどね!」

ジャンヌ「私は大好きですよオルタのこと」ニッコリ

オルタ「ぐっ…!で、何の用ですか。早く用件を言って出て行ってちょうだい」

ジャンヌ「私はマスターのことが大好きです」

オルタ「はぁ!?なにいきなり…」

ジャンヌ「貴方もマスターのことが好きなのではないのですか?」

オルタ「そ、そんなわけないでしょ!なんで私があんな奴をす、好きになんてなるのですか!?」

ジャンヌ「でも、私がマスターに抱きついていた時の貴方はすごく悲しそうでしたよ?」

オルタ「そ、それは…」

ジャンヌ「それは?」

オルタ「あ、あんたには関係ないでしょ!?」

ジャンヌ「そうですね、私には関係ありません。ですが、マスターには関係あるのでは?」

オルタ「はぁ?意味わかんない。話はもう終わり、もう帰って」

ジャンヌ「では私は朝ご飯を食べに行ってきます。最後にひとつだけ、マスターと話すなら夜がオススメですよ」

オルタ「ふんっ!私には関係ないわねっ!」




ーーーー
ーーー
ーー



オルタ「……夜になったわね」

オルタ「………………ええ、別になんてことありません。ちょっと眠くないだけです。そうです、散歩するだけです散歩」

オルタ「……あいつの部屋はあっちよね…」

オルタ「つ、着いたわね…何を弱気になっているのジャンヌオルタ。ただあのバカにマスターとしての心得を叩き込むだけです。別にあの聖女に言われたからでもなんでもないのです」

オルタ「……ふぅ」

ぐた男「オルタ?」

オルタ「ひゃあっ!!」ビクッ

オルタ「あ、あんたなんでそこにいんのよ!!こんな夜更けなんだから部屋にいなさいよ!!」

ぐた男「そんな無茶苦茶な。オルタこそどうしたの?」

オルタ「あんたに話があんのよ!全く、私のマスターならこれくらい察してくれないかしら!」

ぐだ男「ご、ごめん。とりあえず上がって?」

ぐだ男「それで話って?」

オルタ「今朝のことです!あの聖女様にデレデレしてたことについてです!」

オルタ「本当に納得できないのですが、貴方は私のマスターなのです!その貴方がちょっと女にすり寄られただけで童貞みたいな反応されてはこちらも恥ずかしいのです!」

ぐだ男「ど、どどど童貞ちゃうわ!?」ビクッ

オルタ「えっ!貴方、本当に童貞じゃないの!?言いなさい!どこの女狐にヤられたの!!」ガシッ!

ぐだ男「う、嘘です…童貞です…」

オルタ「そ、そう。ならいいのよ!」

ぐだ男「え?なにがいいの?」

オルタ「っ~~~!!今すぐ忘れなさいっ!」

ぐだ男「お、教えてくれてもいいじゃないか!それになんでジャンヌに抱きつかれただけでそんなに怒ってるんだよ!」

オルタ「そっ、それは…」

undefined

オルタ「それは!なんだっていいでしょ!」

オルタ「あんたが他の女と楽しそうにしているのを見るとムカつくのよっ!私には困った顔ばかりするくせに!私といる時も楽しそうにしなさいよ!嬉しそうにしなさいよ!もっと私を見なさいよ!あんた私の大切なマスターなんだからっ!」

ぐだ男「えっ?」

オルタ「……………」

オルタ「っ~~~~!?!!?」

ぐだ男「あの~オルタさん?」

オルタ「だあぁぁぁあああ!!!忘れなさい今すぐ忘れなさいっ!!私の言ったこと全部忘れなさい!!!さもないと焼き殺しますよっ!!!」

ぐだ男「オルタ」

オルタ「な、なによ…」

ぐだ男「かわいい」ギュ

オルタ「あ、あんた!なにしてんのよっ!離れなさい!////」

ぐだ男「やだ。それと、今のオルタが言ったこと忘れないよ」

オルタ「はぁ!?忘れなさい今すぐっ!!///」

ぐだ男「絶対に忘れない。だってオルタの想いが詰まった言葉だからね」

ぐだ男「俺ずっと、オルタに嫌われてると思ってた。オルタいつも怒ってるし、すぐ怒鳴るし。仲良くしようとしてもうまくいかないし」

ぐだ男「だからすごく嬉しかった。ありがとうオルタ、俺もオルタのこと大切だよ」

オルタ「……ばか」ギュ

オルタ「本当にばかです。その上救いようないくらいに鈍感で愚か者です」

オルタ「貴方のことが本当に嫌いなら、私はここにいないわよ」

ここまできて未だに素直になれない私自身に嫌気が差す。ひねくれた言葉でしか伝えられなくて、罵倒を挟まなければ会話できない自分が情けない。
それでも彼は私を見てくれる。私を私として見てくれる。本当はもっと前から貴方の優しさに惹かれてた。けれど私は所詮創られた存在だからと、気づいた想いに蓋をした。この気持ちも結局は偽物なのだと決めつけて。
でもそれはもうおしまい。もう知らない。後悔しても知らないんだから。全く、こんな憎悪と怨念の塊がいいだなんて物好きにも程がある。こんな面倒な女をその気にさせたんだから覚悟なさい。こっちだって容赦しないんだからバカマスター。


オルタ「ねぇマスター。私は復讐者。憎しみを糧として欲望のままに破壊する竜の魔女。聖杯から生まれた人形で聖女様のホムルンクス。そんな醜い私が本当に必要かしら?」

ぐだ男「必要に決まってるだろ。復讐者だろうが竜の魔女だろうが人形だろうが関係ない。オルタはオルタで他に代えの効かない存在さ。これからもよろしくねオルタ!」

オルタ「ふんっ…仕方ないですね。ほんっっっとうに仕方なく私の傍にいることを赦します。勝手消えるなんて認めません」

オルタ「対価は貴方の人生全て、今さらクーリングオフなんて効きません」

オルタ「地獄の果てまで付いてきなさい!」

以上です。ジャンヌオルタと幼なじみになりたいだけの人生でした。
駄文失礼しました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年07月01日 (土) 22:54:39   ID: poFGpuSy

乙。めっちゃよかった

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom