成宮由愛「私の絵……」高森藍子「私の写真」 (12)

事務所


藍子「おつかれさまです」

由愛「…………」

藍子「……由愛ちゃん? 何見てるんですか?」

由愛「あ……藍子さん。……おつかれさまです。写真が置いてあったんです」

藍子「わー、可愛い猫さんですねっ。って、この写真……私が撮った写真ですね?」

由愛「藍子さんが、撮った?すごく……綺麗に撮れてます」

藍子「ありがとうございますっ。そういえば写真を整理してる途中でレッスンの時間になっちゃったんでした」

由愛「じゃあ、この机の上にある、写真って全部……?」

藍子「私が撮った写真ですね」

由愛「……すごい」

藍子「全然すごくないですよー。猫さんとか撮りたいなーって思ったのを撮ってるだけですし」

由愛「……でも全部、綺麗。この風景の写真なんて……デッサンしたくなります」

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藍子「由愛ちゃんは水彩画を描いてるんですよね?」

由愛「はい。水彩画しか、描けないですけど……」

藍子「いやいや、絵を描けるだけすごいですよ。何か描いた絵とか見せてもらってもいいでしょうか?」

由愛「え……。それは……ムリ、です。……そんなに上手じゃないですし……。それに」

藍子「それに?」

由愛「……見られるの、怖い」

藍子「怖い、ですか?」

由愛「はい……。感じたままに、描いてますし、悪口……言われたらって思うと、怖いです」

藍子「そんなこと……」

由愛「だから……今は、見せられないです……。ごめんなさい……」

藍子「ううん。もとは私が無理に迫っちゃったからですし、ごめんなさいね、由愛ちゃん」

由愛「あ、藍子さんが、謝ることないです。私が……自信ないのが、いけないから……」

藍子「……そうだっ。もし由愛ちゃんが良かったらですけど、この写真の公園に行ってみませんか?」

由愛「ここに……?」

藍子「はい!さっきこの風景を描いてみたいって言ってましたし、今だったらもっと自然が綺麗かもしれませんからっ」

由愛「……うん。行って、みたいです。そこで感じたことなら、藍子さんは悪く言わないかもしれませんし。絵を見てもらうことも、できるかも……」

藍子「でしたら、今度のオフの日、一緒に行きましょう。ちょっとしたピクニックも兼ねて」

由愛「はい……!」

ーーーーーーーー

公園

由愛「……綺麗……」

藍子「んー。風も気持ちいいですねー」

由愛「緑がたくさんあって、自然……って、感じ」

藍子「ふふっ。気に入りました?」

由愛「はい。ここなら、良い絵が描けそう……です」

藍子「でしたら、あそこのベンチの辺りにしましょうか」

由愛「……あの、藍子さん」

藍子「何ですか?」

由愛「あ……ありがとう、ございます。ここに……連れてきて、くれて」

藍子「ふふっ。どういたしまして、です!」

由愛「絵が描けたら、教えます……から」

藍子「じゃあ、それまで待ってますね。ちょうど、カメラも持ってますから」

由愛「はい……!」


由愛「…………………」カキカキ

藍子「…………」パシャ

由愛「…………………」カキカキ

藍子「…………」パシャ

由愛「…………………」カキカキ

藍子「…………。……!」

由愛「…………………?」チラッ

藍子「パシャり」パシャッ

由愛「!? あ……藍子さん。……私は……撮らないで」

藍子「ふふっ。すっごく可愛く撮れましたよ?」

由愛「っ!……う~~」

藍子「由愛ちゃん、可愛いです」

由愛「そ……そんな……。え、絵が描けても……見せません!」

藍子「あぁ~。も、もう撮りませんから。見せてくれると嬉しいです」

由愛「…………頑張ります」


由愛「…………………」カキカキ

藍子「…………」パシャッ

由愛「…………………」カキカキ

藍子「…………!……」

ニャァー

由愛「…………………」カキカキ

藍子「…………」パシャッ

由愛「…………………できた」

藍子「……にゃあにゃあ」

由愛「あ……藍子さん。………描けました」

藍子「にゃあ?」

由愛「……にゃあ?」

藍子「…………っ!?!?」

由愛「…………もう少し、絵を描いてます……ね?」

藍子「待って!待ってください!」


ニャァ!

由愛「……あっ」

藍子「……あっ」

由愛「…………」

藍子「逃げられちゃいました。……えっと、それでね、由愛ちゃん?」

由愛「……はい」

藍子「さっきの、忘れてくれると嬉しい、かなー」

由愛「……藍子さん。可愛かったですよ?」

藍子「も、もうー」

由愛「……ふふ」

藍子「……。え、えっと!確か絵が、完成したんですよね?」

由愛「……はい」

藍子「見せてくれるんですか?」

由愛「……えっと」

藍子「…………」

由愛「……怖い」

藍子「…………」

由愛「………けど。……見てほしい……です」

藍子「はい!見せてくれてありがとうございます!」

由愛「……ど、どうぞ」

藍子「…………」

由愛「…………」ドキドキオロオロ

藍子「……素敵な絵、ですね」

由愛「!!!」

藍子「ここから実際に見える景色なのに、こうやって絵を通して見るとまるで別世界のようです」

由愛「あ、ありがとうございます……」

藍子「葉っぱの色合いも光で変わりますし、写真じゃこんなに幻想的な風には出来ないですねー」

由愛「わ……わわわ」アセアセ

藍子「どうしても写真じゃ逆光とか光の加減が難しいんですけど、絵ならすごく素敵です。それに……」

由愛「……そ、それに……?」

藍子「由愛ちゃんの目にはこんな綺麗な世界が見えているんだなってすっごく感じました」

由愛「…ありがとう……ございます……」テレテレ

藍子「ふふっ。こんな素敵な絵ならもっと見てみたいです」

由愛「ぅぅう……。こ、今度……今まで描いた絵も、見てくれますか?」

藍子「もちろんです。由愛ちゃんのこと、もっと知ることができそうでたくさん見たいです!」

由愛「こ、今度……。持っていきますから……」

藍子「楽しみにしてますね!」

由愛「はい……。も、もし良かったら、藍子さんが撮った写真も……見せてくれませんか?」

藍子「私が撮った写真ですか?いいですよ。今度アルバム持っていきますね」

由愛「はい……!」

藍子「それじゃあ今日は帰りましょうか。もうすぐで夕方になっちゃいますし」

由愛「……そうですね。時間が経つのが早いです」

藍子「だいぶ日が長くなってるから時間の感覚もわかりづらいですよね」

由愛「…そ、それと。藍子さんは、ゆるふわアイドルですから」

藍子「……ふふっ。それもあるかも知れませんけど、一番は楽しい時間はあっという間に過ぎていくってことですよ」

由愛「そう……ですね。今日は、藍子さんと一緒で楽しかったです」

藍子「私も楽しかったです」

由愛「……あ、あの」

藍子「何ですか?」

由愛「……どうして敬語、何ですか?」

藍子「敬語ですか?大体の人には敬語を使ってますけど」

由愛「……と、歳上の人が敬語を使ってるとなんだか不思議な気分です」

藍子「そうですか?」

由愛「……はい」

藍子「じゃあこれから由愛ちゃんには、もう少し砕いて話しましょうか」

由愛「そうしてくれると、すっきりすると思います」

藍子「わかりました。これからも仲良くしてくださいね、由愛ちゃん。……あっ」

由愛「……ふふっ。こちらこそ、仲良くしてくれると、うれしいです!」

終わりです。

なんかほのぼのしたの書きたいと思ったらできてました。

デレステのMVで由愛ちゃん好きになったんですけど、なかなか書くのは難しいですね。

そのうちまたこの二人で書くと思います。

読んでくださってありがとうございます。

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