京太郎「イチャイチャ」 (56)

息抜き咲スレ


京太郎
「あの、部長……なんで俺の膝の上に乗ってるんすか」


「重い?」

京太郎
「そういう訳じゃないんすけど、もうただ不思議で」


「何故かって言われると、そうねぇ……。乗りたくなったから、かしら」

京太郎
「ビックリするほどなんの答えにもなってねー」


「良いじゃない……ね?」

京太郎
「椅子に座ってる俺の近くに来たと思ったらいきなり乗られると思いませんでしたよ。しかも」

京太郎
「なんで対面?」


「顔が見たいから?」

京太郎
「やっぱり答えになってねー」


「別に良いじゃない。減るもんでもないんだし」

京太郎
「俺の精神力ゴリゴリ減ってますから」


「あら……良いのよ?」

京太郎
「すいません何が良いのかサッパリわかんないっす」


「……このまま……いれても……」ヒソッ

京太郎
「誰か来ますからもう降りてくださいお願いします」


「来ないわよ? 鍵かけてるもの」

京太郎
「おい」


「咲と和、優希は三人で遊びに行ったわ。まこはバイト」

京太郎
「ファー詰んだ」


「というわけで……観念しなさい」ガッ

京太郎
「く……! 諦めるしかないのか……」

ガチャガチャ

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「京ちゃんここにいるんだよね。私知ってるよ。だってここから京ちゃんの匂いがするんだもん。ねぇ京ちゃん開けて。部長もいるんだよね。二人で何してるの? ねぇ開けて。開けて開けて開けて開けて開けて」ドンドンドンドンドン

「絶対に許さないじぇ。嘘ついて京太郎を手篭めにしようとするなんて人間のやることじゃないじぇ。東も南も関係ない、ただ潰す。それしか頭にないじょ。圧倒的に潰して京太郎を取り戻す」ドンドンドンドンドン

「須賀くんなんてどうでもいいんですけど、いくらなんでも卑怯だと思います。本当に心のそこからどうでもいいんですけど周りを欺いて無理矢理肉体から籠絡しようなんて同じ部員として吐き気がします。須賀くんの為ではありませんが徹底的にやります」ドンドンドンドンドン


「チッ、バレたか……仕方ない、愛の逃避行よ」

京太郎
「(あぁ、なんでこんなことになってしまったのか……最初は皆、気の良い仲間たちだった)」

京太郎
「(皆で戦い、勝ち抜き、絆を深めて行った俺達は……今はこんなんなっていた)」

京太郎
「(きっかけは些細な事だったように思う。なんか咲もすごい感じだし、俺には座ってやる奴よりも身体動かしてる方が向いてる気がするってんで退部しようとした俺は、部長に押し倒された)」

京太郎
「(なんか俺のこと気にかけていてくれたらしい。部長も引退して元部長になって、それじゃあ俺の教育でも……と思ってた矢先の俺の退部発言で気が動転してしまったらしい)」

京太郎
「(気が動転したら制服脱ぎ捨てたり俺の俺を握りしめたりするのか、と問いたいがそんなことはあまり重要ではない)」

京太郎
「(もっと重要なのはだ。何故か女子たちから好意を寄せられていたということだ。それも染谷先輩を除いた全員から)」

京太郎
「(和も口では滅茶苦茶に否定しているがほぼ確定だろ。須賀くんの為じゃ無いんですからとか言いながら脱ぎたてのパンツをくれたから)」

京太郎
「(あれが俺のためじゃなかったらなんの為なんだと問いつめたい。丁重にお返しした)」

京太郎
「(お馬鹿な優希の口を滑らせて、大会が終わるまで抜け駆け禁止という条約を結んでいたことを聞くことに成功した)」

京太郎
「(まさかそこまでとは思ってなかった。なんせそんなに想われる程のことをした記憶がない)」

京太郎
「(だか聞いてしまった以上逃げる訳にもいかないので、麻雀部に在籍することになったのだが……)」

京太郎
「(次の日から強烈なアプローチが始まり、これというわけだ)」

京太郎
「とりあえず開けますからね」


「えー」

ガチャ……ドンッ!

京太郎
「ぐぇっ」

優希
「京太郎! 無事だったか!」


「部長……こんなやり方ありえません」


「やー……ごめんごめん。ほら、まこがいない今がチャンスかなーって」


「京ちゃん、大丈夫?」

京太郎
「あぁうん、ありがとう。大丈夫だから手を離してくれ」


「あぁ……京ちゃんから部長の匂いがする……」

京太郎
「お前本当どうしたんだ。前までちょっとドジ入ってる普通の鬼畜系麻雀娘だったろ」


「そんなことないもん! 京ちゃんのこと好きだったもん!」

京太郎
「いやー。まぁ良いんだけどさ。良いんだけどね」

優希
「むー! 咲ちゃんとばかり喋っててずるい! 私とも話せー!」ガバー

京太郎
「分かった分かった」

京太郎
「(結局その後部長を省いた四人で麻雀をすることになったが部長が『特等席♪』とかいって俺の膝に座るもんだからまたひと悶着起きた)」

京太郎
「(ちなみに俺は飛んだ)」

京太郎
「さて……いつまでもこのままってのもな。正直な話、ハーレム状態って死ぬほど疲れる」カチカチ

京太郎
「そりゃ少し前までは和であんな妄想したりこんな妄想したりしていたけど、いざこうなってみると面倒臭い」カチカチ

京太郎
「というか、絶対なんか裏があると思うんだよなぁ……こう、誰か一人を選んだ瞬間に」カチカチ


『へー、須賀くんはそっちなんだぁ。あ、みんなお疲れ様~♪』

優希
『うへぇ……嘘でも京太郎のこと好きなんて言うの、怠いじぇ』


『NDK? NDK?』


『あ、京ちゃんはもう帰っても良いよ』

京太郎
「……とか。そうなると染谷先輩マジ天使ってことになる訳だけど」カチカチ

京太郎
「だーまた負けた……やっぱり俺麻雀の才能無いよなぁ」

京太郎
「はー……若干みんな病んでる気がするんだよなぁ……こういうのアニメのSSとかで見たことある気がするわ……」

<ウーゥーキットクルーキットクルー♪

京太郎
「ハギヨシさんだ。なんだろ」ピッ

ハギヨシ
『なんで私の着メロが貞子なんでしょうな』

京太郎
「なんで分かったんす?」

ハギヨシ
『まぁそれは良いでしょう。最近の調子はどうですか?』

京太郎
「んー……ハギヨシさん、俺ってモテるような男に見えますか?」

ハギヨシ
『……そうですね……男の私からの意見が役に立つかは分かりませんが、京太郎くんは魅力的な男性だと思いますよ?』

京太郎
「いまいちピンと来なくて」

ハギヨシ
『自分だと分からないものですよ。何かありましたか?』

京太郎
「やー、まぁ大丈夫っす。あ、電話かけて来たってことは何か用事あったんじゃ?」

ハギヨシ
『はい。実はお嬢様と衣様が京太郎くんに会いたがっていまして』

京太郎
「なんでですか?」

ハギヨシ
『おや? それは京太郎くんが一番詳しいのでは?』

京太郎
「え? いやまったく。そもそも俺、龍門渕さんとも天江さんともロクに話したこと無いですよ?」

ハギヨシ
『えっ』

京太郎
「え?」

ハギヨシ
『……失礼ですが、お嬢様と最後に話したのはいつでしょうか?』

京太郎
「んー……県予選の時かなぁ。なんか話した記憶はあるんですけど内容覚えてなくて」

ハギヨシ
『そうですか……』

京太郎
「一人で泣いてたから、気になって声かけたんですよね。ってこれだけ聞くとナンパみたい。泣き止ませようと必死に喋ってて自分でもどんな話したか思い出せないなぁ」

ハギヨシ
『なるほど』

京太郎
「天江さんは……迷子になっているところを見つけたんだったかな。確かそんな感じですね、うん」

ハギヨシ
『(さて、どうしたものでしょうか。京太郎くんは自分のやったことの重大さについてまるで分かっていないようですね……)』

京太郎
「あぁそうだ、最初は小学生だと思ったんだよなぁ。後で驚きましたよ、あの天江衣だったなんて……」

ハギヨシ
『(忘れてました、と素直に言われてしまうとお二人が悲しまれる……かといって一から教えるのも……)』

京太郎
「それにしても最近多いんですよね、この手の話題。私のこと覚えてる? とか、あの人のこと覚えてる? とか」

ハギヨシ
『え?』

京太郎
「昔から困ってる人見ると無意識に助けちゃう性分で……そこら辺記憶曖昧になることも多くて困っちゃうんですよねー」

ハギヨシ
『分かりました。次の日曜日にでもどうですか?』

京太郎
「まぁ行くのは構いませんけどね?」

京太郎
「……はー、にしてもでかい。本当に同じ日本なのか気になるな」

京太郎
「えーと、チャイムは……」

ハギヨシ
「案内致します」

京太郎
「色々言いたいことはありますが不問にします。よろしくお願いします」

ハギヨシ
「こちらへ」


京太郎
「本当すごい豪邸だ。迷うなこりゃ」

ハギヨシ
「京太郎くんは住んでみたいと思いますか?」

京太郎
「俺ですか? いえまったく。まず俺の身の丈に合ってないってのもそうですけど、いらないでしょここまで」

ハギヨシ
「そうですか」

京太郎
「両親の部屋、できれば俺の部屋。もっと許されるならカピーにも部屋やりたいな。あと台所風呂トイレ物置きありゃ十分です」

ハギヨシ
「もしお金持ちになれてもですか?」

京太郎
「俺が金持ちにですか? それこそ今の条件以上は望みませんよ。そんなにあっても使いきれないし使いきれなかったら無駄ですからね」

京太郎
「もし自立したって設定なら両親の部屋削って俺とカピーの部屋に台所風呂トイレ物置き……だけで良いですね」

ハギヨシ
「なるほど……」

………………

「なんて謙虚なんでしょう……! ガツガツとした男性も素敵ですが、私の夫になる男性ならこれくらいが最適かも知れませんわね!」

「よし、とーかとはいずれ決着を着けなければならないと思っていたんだ」ゴォッ!

「上等ですわ!」ゴォッ!

「僕にはあの男がそんなにすごいやつなのかわかんないんだけどなぁ」

「俺も同感。そんなつぇぇの?」

「清澄一寂」

一寂→一弱

ハギヨシ
「失礼します。須賀様をお連れしました」ガチャ

京太郎
「おじゃ」


「きょうたろー!」バッ!

京太郎
「ぐぇっ!!」ドサッ


「会いたかったぞ! ようやく再会できたな!」

京太郎
「いたた……えーと……天江さん?」


「水臭い奴だな、衣で良いぞ!」

京太郎
「あ、はい……」

透華
「お、お久しぶりですわね……その節はありがとうございました」

京太郎
「はぁ……いえ、そんな。今日はハギヨシさんから、お二人が俺のことを呼んでると言われて来たんですけど……」

透華
「ええ! 是非お礼をせねばと常々思っていたのですが、名前を聞きそびれてしまっていて探すのに少しだけ手間取ってしまいましたの」

京太郎
「あーその、それなんですが……実は俺その時のことをよく覚えてなくて」

透華
「…………え?」

ハギヨシ
「あ……」

京太郎
「泣いてる人がいたから慰めなくちゃー、って頭がいっぱいで……なんで別にお礼なんてしていただかなくても大丈夫ですよ」

透華
「…………は、ハギヨシ? どうなっていますの?」

ハギヨシ
「須賀様は厚意でしたことに対価を求めない方です。つまり遠慮をしているんです、礼はいらない、と」

透華
「まぁ! そうでしたの!」

京太郎
「え?」

ハギヨシ
『話を合わせてください』

京太郎
「(直接脳内に……!?)」

京太郎
「あ、あぁ……ばらさないでくださいよーハギヨシさん」

ハギヨシ
「申し訳ありません」ニコッ


「きょうたろーは偉いな……」ナデナデ

京太郎
「いえ。泣いてる女性を放っておくなんて、男としてやってはいけないでしょう?」ニコッ


「う、うむ! その通りだ!」


「絶対素で忘れてるよね……」ヒソヒソ


「間違いねぇな」ヒソヒソ

透華
「衣も世話になったと聞きました。それで……何か京太郎さんは欲しいものはありませんか? なんでもご用意致しますよ」

京太郎
「いえ、本当にお礼は大丈夫なんで」

透華
「そんな……私が欲しいなどと言われても……困りますわ」テレッ

京太郎
「言ってませんよね!?」

透華
「でも京太郎さんがそう言うのなら……」

京太郎
「誰と話してるんですかいったい!?」


「ダメだぞとーか!」

京太郎
「衣さん……」


「きょうたろーは衣と結婚するって約束したと何度も言っているだろう!?」

京太郎
「言ってませんよ!?」

透華
「衣……ですから子供の頃に交わした約束は無効だと」


「つい最近の話だ!!」

ワーワー! ワーワー!

京太郎
「何がどうなってるんだ……?」


「あーあ始まっちまったか……ま、とりあえずそこ座れよ」

京太郎
「あ、はい……失礼します」スッ

ハギヨシ
「やはり話しておくべきでしたね……申し訳ありません、京太郎くん」

京太郎
「ええと……つまりこれって、あの二人に何故か好意を寄せられているって認識でいいんですかね?」

ハギヨシ
「はい、それで間違いありません」

京太郎
「うーん……心当たり無さすぎて辛い」


「透華の話は聞いてるけど、本当にあんなことした癖に忘れてるの?」

京太郎
「あんなこと……? うーん……俺なにしたんですか?」

ハギヨシ
「簡潔に答えますと、お嬢様に求婚されていましたね」

京太郎
「……はっ!? 俺が!?」

ハギヨシ
「はい。泣いているお嬢様に京太郎くんがフラッ……と近付いて、それはもうナンパ男のような口説き文句で」

京太郎
「嘘ですよ! 俺が龍門渕さん口説くとか正気」

ハギヨシ
「おっと」バッ

京太郎
「もご!?」

ハギヨシ
「仕方ありません……思い出してもらうのが一番ですが、どうにも時間がかかりそうですから私が見ていた一部始終を伝えさせていただきます」

京太郎
「むぐ……は、はい、よろしくお願いします」

体調悪いのでここまで


「ごめん……衣が頑張らなければいけなかったのに……」


「気にすんなよ。楽しかったんだろ?」


「そうそう。そりゃ負けたのは悔しいけどさ、楽しめたならそれで良いんだよ」


「二人とも……」ウルウル

透華
「衣。ハッキリと言いますわ」


「……うん」

透華
「超!!!! 悔しいですわ!!!」バンッ!!


「っ」ビクッ!?

透華
「結局原村和より目立つことができませんでした! 滅茶苦茶!! 悔しい!!!」ドタンバタン


「えぇぇぇぇ……」


「と、トーカ……」オロオロ

透華
「ですが」スッ

透華
「一も言っている通り、衣が楽しめたのでしたらそれが一番の収穫ですわ」ナデナデ


「…………トーカぁ!!」ガバッ

透華
「良かったですわね、衣。貴女と遊んでくれる友達が増えて」ナデナデ


「衣は……つ、次は負けないぞ! 今回は勝ちを譲ってやっただけだ!」グスッ

透華
「えぇ、分かっていますわ。衣は誰よりも強いのですから」


「…………次は勝とうね」グスッ


「おっ、泣き虫はこっちにもいたか」ハハッ


「ち、違うから! ちょっとなんか、感慨深くなっただけだよ!」ゴシゴシ


「よーし! 帰ったら早速麻雀を打つぞー!」

透華
「さて……帰る準備をしましょうか。私は少しお手洗いに行ってきますわ」ガチャ

………………

スタスタ……

透華
「……………………~~~ッッ!!」

透華
「(もっと全員で練習を……いえ、私があの時……! もう一歩……届かなかった……)」

透華
「(悔しい……! みんなで全国に行けなかったことが、何より……!!)」ポタッ……ポタッ……

ドンッ

透華
「あ……」

京太郎
「おっ……と……え?」

透華
「ご、ごめんなさ」

ギュッ

透華
「え……!?」グッ

京太郎
「ごめんなさい。今は気が済むまで泣いてください。俺が隠してあげますから」

透華
「(だ、誰……ですの……?)」

京太郎
「よく頑張りましたね。貴女の頑張りは、きっと届かなかったのでしょう。今は泣いて……そしてまた頑張りましょう」ナデナデ

透華
「(……なんですの……知らない男性に抱き締められているのに……暖かい……)」グスッ

京太郎
「大好きな人達の前で泣くわけにはいかなかったんですね。大丈夫です、今は泣いて、そして笑顔で戻りましょう」ナデナデ

透華
「……お母様……」ヒック……グスッ……

ギュッ

京太郎
「貴女は一人じゃありません。今だけは悲しくても、また明日から笑顔で一緒に歩いて行きましょう。今度はみんなで喜べるように」ナデナデ

透華
「ぐす……! う、ぅ……」ギュゥゥ

京太郎
「………………」(゚д゚)

ハギヨシ
「いやぁ、私も驚きました。いきなり抱きついたので変態かと思ったのですが、お嬢様を慰め始めたんですから」

京太郎
「ちょ、ま……え? え!? 俺が!? 俺がやったんですか!? 今の恥ずかしいの!?」

ハギヨシ
「はい、間違いなく」

京太郎
「なぜ!?」

ハギヨシ
「そんなことを聞かれましても」


「あまりの恥ずかしさに記憶を封印しちまったのか?」ハハッ

ハギヨシ
「京太郎くんの顔は母性すら感じさせるような微笑みを浮かべていました。あんな包容力で包まれれば、あっという間でしょう」ハッハッハ

京太郎
「ぐぉぉ!! 猛烈に恥ずかしい……微かに……微かに泣いている人を見つけて何とかしようと思い立ったような記憶だけはあるのに……!!」

京太郎
「俺はそのあとどうしたんですか……?」

ハギヨシ
「その後はですね」

透華
「も、もう大丈夫ですわ!」///

京太郎
「それは良かった。ふふ、そう可愛らしく照れなくても大丈夫ですよ。今日のことは俺と貴女だけの秘密ですから」

透華
「かわっ!?」

京太郎
「貴女は泣いているよりと、笑顔の方が素敵だと思います。だから勝手なことをしちゃいました、ごめんなさい」ペコ

透華
「そ、そんな……私こそ、ありがとうございました。恥ずかしい話ですが、とてもその……晴れやかな気分ですわ……」///

京太郎
「俺なんかがお役にたてて良かった。それじゃあ失礼します」

透華
「お待ちになって! なにか、お礼を……」

京太郎
「…………ふふ」ナデナデ

透華
「あ……」

京太郎
「貴女の感謝の気持ちが、俺にとって一番のお礼ですよ。もうひとつワガママを言わせてもらえるなら……貴女の笑顔が見たいですね」

透華
「…………~~」///

京太郎
「そちらの顔もとても素敵ですよ。それでは」スタスタ

透華
「ぅ……ぅぅぅ……~~!!」///

京太郎
「うごごごご……」ガンガンッ


「恥ずかしいのは分かるけど机に頭をぶつけるのは止めなって……怪我するから……」


「いやー改めて聞いてもよくもまぁそんな臭すぎる台詞をポンポン吐けるもんだ」

京太郎
「俺の方が不思議ですよ! なんですか! 少女漫画の王子様かなにか!? 自惚れが過ぎる!」ブンブン

ハギヨシ
「落ち着いてください京太郎くん。私としてはお嬢様が元気になりましたので良かったと思っています」

京太郎
「というかハギヨシさん! どこにいたんですか!」

ハギヨシ
「ずっとお側に。もし変態ではないと気づくのがあと二秒遅ければ素敵な出会いも無かったでしょうね」フフ

京太郎
「…………待てよ……待て待て……もしかして俺、衣さんにも何かしてるんですか?」


「現場見てたら百パーお前のことロリコン認定してるわ」


「同じく」

京太郎
「本当に何やらかしたんですか!? いえもう聞きたくもない!」

ハギヨシ
「私は素晴らしいと思いますよ?」

京太郎
「やめて! 追い討ちやめて!」

透華
「あぁぁ! 京太郎さんを取るのはズルいですわ! ようやくお話しできるチャンスなのに!」ギュッ


「そうだぞ! 卑怯だぞ!」ギュッ

京太郎
「……何故お二人とも俺に抱きつくんですか……」

ここまでにします
書いてて砂糖吐くかと思いました

俺はイチャイチャを書きたくてこのスレを建てたと思ってたらSFだった……
何をいってるか分からないと思うがもう書いたし書き直したら失踪する予感があるので投稿する
エタるのだけは嫌だ……

京太郎
「よし! 飛んだ!」本日五回目

透華
「本当に初心者なんですのね」フフ


「今回は良い感じだったぞ! 最後まで投げ出さずによく頑張ったな!」ナデナデ

智紀
「どんな手でも構わず押すのはダメ。見極めが大事」

京太郎
「アハハ……引いたら負けかなって」

智紀
「1300の為に危険牌を三つも切ったときは心臓が止まるかと思った」


「あーあれな。やられたこっちもたまったもんじゃなかったわ」

京太郎
「ごめんなさい……基本ネトマか他の部員のやつ見てるだけなんで……」

透華
「それでしたら是非ご指導を! 手取り足取りお教えしますわ!」

京太郎
「手取り足取り……? あ、いえ、大丈夫です! ってもうこんな時間!? そ、そろそろ帰ります!」ガタッ

透華
「えっ。も、もうですか?」

京太郎
「ごめんなさい! 色々やることもあるんで……」


「むぅぅ……なら仕方ないな……」

透華
「ですわね……ハギヨシ」

ハギヨシ
「かしこまりました。行きましょうか」

京太郎
「あ、はい」

透華
「………………今日で決めることは無理でしたわね」


「時間はまだあるぞ」

透衣
「フフフフフ……」

智紀
「……補食される」


「だな」ハハ

京太郎
「ひどい目に遇った……肉体的にも精神的にも……」

京太郎
「……俺、どうなってんだ? 今までもよく意識が飛んだりすることはあったけど……」

京太郎
「……二重人格?」

京太郎
「でなければドッキリ?」

京太郎
「…………はは、そんな訳無いよな……うん」カチカチッ

京太郎
「よし、飛んだ」ロンッ

京太郎
「やっぱり俺って弱いよなぁ……最近みんなも教えてくれてるのに、まるで成長していない」

ピコッ

京太郎
「ん、チャット? ってすこやんか……」

すこやん
こんばんは
良かったら麻雀、どう?

きょう
こんばんは
さっきまで友達と麻雀やって五回
今ネトマで三回
飛びました

すこやん
ごめん

きょう
謝らないでよ!
やってもいいけどすこやん鬼だからなぁ

すこやん
そこまでじゃないよ

きょう
プロにあるまじきマジで殺しにくる姿勢
嫌いじゃない

すこやん
愛ゆえにだよ

きょう
そんな愛は犬にでも食わせてどうぞ

すこやん
なんでそんなにいじわるなの?

きょう
俺だけを狙って10連続で飛ばした自分に聞いたほうが早いよ

すこやん
デレデレしてるのが悪い

きょう
二人を呼んだのはすこやんだろ!
俺は悪くない!

すこやん
ふーん

きょう
あ、そうやって拗ねるんだ
また始まるんだ
拗ねたら俺が構うと思ったら大間違いだからな!

すこやん
なるほど

きょう
屈しない! 俺は屈しないぞ!

すこやん
今度京太郎くんの学校に行くね

きょう
やめてよ!
なんでそういうことするの!?

すこやん
いじわるな京太郎くんへのいやがらせ

きょう
最低すぎる!
分かったよ! やればいいんだろ!

すこやんに招待されています
参加しました

きょう
ちーす今日も元気に飛ばされに来ましたー

うた
やるやん

きょう
何がですか?

はやりん☆
麻雀って楽しいよね?

きょう
今日合計八回飛んだ人にそれを聞きますか?

はやりん☆
弱い

うた
よわ

きょう
なんで俺ここにいるんすか?

うた
サンドバッグ

はやりん☆
数合わせ?

きょう
最初はあんなに良くしてくれたのに……

はやりん☆
すこやんの知り合いだから強いのかと思ってたんだよねー

うた
実際クソ雑魚だったから知らんけど

すこやん
二人とも可哀相だよ!
京太郎くんも頑張ってるんだから!

きょう
帰っていいすか?

すこやん
とりあえずやろ?
一局やってみたら楽しくなるって

きょう
何考えてるの? ねぇ?

すこやん
ごめんて

きょう
五分も持たなかったんですけど

うた
酷すぎる

はやりん☆
流石に無いんじゃないかなぁ

きょう
もう寝ますおやすみなさい

すこやん
ごめんって!
次は手加減するから!

きょう
麻雀で手加減って何考えてるのかしら

すこやん
今度麻雀教えてあげるから

きょう
俺に教えられるような麻雀してないじゃん
人間になってから出直してきてよ

うた
はいはい喧嘩しないの

はやりん☆
本当仲良いんだから、羨ましいなぁ

きょう
くそー! 一生勝てない気がするけど絶対倒してやるからなぁ!!

退出しました

京太郎
「はぁ……へこませるだけへこませて……」

ピリリリ! ピリリリ!

京太郎
「んお、すこやんか……」

健夜
『もしもし……ごめんね京太郎くん、怒ってる?』

京太郎
「怒ってないとでも?」

健夜
『……ごめん』

京太郎
「なんて冗談だよ。別に今さら一回二回飛ばされようが関係無いって」

健夜
『あはは、そうだよね。……あのさ、最近どう?』

京太郎
「どうって言われても……いつも通りとしか」

健夜
『学校楽しい?』

京太郎
「親戚のおばさんかよ……親戚のおばさんだった」

健夜
『おばさんってなに?』

京太郎
「しまった口が滑った」

健夜
『明後日遊びに行くね』

京太郎
「分かったって……。別に怒ってないから。本当にさ」

健夜
『うん……あのさ』

京太郎
「ん?」

健夜
『……明後日遊びに行ってもいい?』

京太郎
「別に聞かなくてもいいよ」

健夜
『ありがとう』

京太郎
「うん」

ピッ

京太郎
「……はぁ、また人外麻雀に付き合わされるのか……」

京太郎
「こんちはーっす。って今日も部長だけっすか」


「ええ。まこはちょっと遅れるわよ、三人は?」

京太郎
「いや、知らないですけど」


「…………二人っきりね」

京太郎
「よし、皆が来るまでその辺歩いてます」


「つれないわね。良いじゃないちょっとくらい」

京太郎
「また襲われたらたまんないです」


「えー。少しくらい先輩立てようとか思わない?」

京太郎
「そもそも部長、俺のどこが好きになったんです?」


「え?」

京太郎
「……ええと……優しさ?」


「自分で言っちゃうんだ? まぁでもそうね……あんな臭い台詞ばかり言って……思い出すだけでも恥ずかしいわ」///

京太郎
「(何をしたぁ……何をしたぁ俺……!)」


「でも口説いた訳じゃなかったみたいで、一人で空回りしてる気分よね?」

京太郎
「いえそんな……なんかごめんなさい」


「謝らないでよ……余計悲しくなるわよ?」スタスタ

京太郎
「………あの」


「私のこと、弄んだのかしら」キュッ

京太郎
「いえ、決してそのようなことは……」


「私だって、傷つくんだからね?」ギュゥ

京太郎
「……………………(あれ、部長ってこんなに可愛かったっけ? てか柔らかい)」

京太郎
「(なんか急にモテだしてビビってたけど、これもういいんじゃないか? 良いよな? 良いだろこれ)」


「………………好き」

京太郎
「…………部」

ガラッ


「…………京ちゃん……」

京太郎
「ふぁ……!? さ、咲!」


「ひ、酷いよ……! 私にあんなことした癖に……!!」ポロポロッ

京太郎
「え、あ」

………………

京太郎
「咲。泣くな。俺の可愛い咲……お前には綺麗に咲いていて欲しいんだ」


「き、京ちゃん……」

京太郎
「久。俺はお前達二人を愛している。だから分かってくれ、選ぶことのできない俺の立場を。俺はお前達みんなの為にいたいんだ……」ギュッ


「きゃ! す、須賀くん……」

京太郎
「どうか京太郎と呼んでくれ……それがせめてもの、俺の償いだ……」チュ


「ひゃあ!!」///


「あ……」グスッ

京太郎
「咲もおいで。大丈夫だ、仲間はずれになんてしないよ。俺は咲のものでもあるからね……分かってはくれないかい?」


「……京ちゃん……」

京太郎
「自分でもどうかしてるのは分かっているんだ。でも誰か一人の俺になってみんなを泣かせるなら……俺はクズにでもなんでもなる覚悟がある」

京太郎
「咲……俺の所に来てはくれないかい?」


「京ちゃん!」タタッギュッ

京太郎
「咲……俺の可愛い子……お前を傷つける無力な俺を許してくれ……」チュ


「良いの……京ちゃんの側にいられるなら……」

京太郎
「俺はなんて幸せ者なんだ……俺のワガママに付き合ってくれる子が二人もいるなんて!」グィッ!!


「京ちゃん……!」ギュッ


「京太郎……!」ギュッ

………………

京太郎
「…………? ???」

京太郎
「あれ……俺なにしてたんだっけ?」

京太郎
「……部長? 咲?」


「えへへ……えへへへ」ニヤニヤ


「ふふ……うふふ……」ニヤニヤ

京太郎
「(………………ま、またなのか? そういえば今までにもこんなことがあった……確かにあったぞ……!)」

京太郎
「あの、ごめんなさいちょっと用事があるので……!」


「あ……うん……」ショボン


「わかった……」ショボン

京太郎
「はわわわわ」タタタッ


京太郎
「ハギヨシさん!!!」

ハギヨシ
『はい、なんでしょうか』

京太郎
「やっぱり俺なんかおかしいです! 意識とんで気がついたら二人がメロメロになってました!」

ハギヨシ
『……なるほど、把握しました。今どこですか?』

京太郎
「あ、学校から出て……」

ハギヨシ
『分かりました』ピッ

京太郎
「えっあっちょ……切れた……」

京太郎
「お、俺はどうすれば……」

ハギヨシ
「お待たせしました」

京太郎
「ふぁ!?」

ハギヨシ
「偶然近くにいたものですから。とりあえずこちらへ……近くに衣様と井上さんもいます」

京太郎
「は、はい……すいません……」



「京太郎。話はすべてハギヨシから聞いたぞ」

京太郎
「すいません……騙すような真似をして……」


「構わん。覚えてないというのは確かに悲しいが……お前の言葉は確かに衣の孤独は瓦解氷消した。それが全てだぞ!」


「にわかには信じらんねぇけど……とりあえず嘘をついてるって可能性は捨てとくぜ」

京太郎
「ありがとう……」

ハギヨシ
「それでは何があったのか、詳しく話してください」

京太郎
「はい……咲が泣いてるのをみたら、急に意識が飛んで……次に気がついた時には部長と咲の二人がデレデレしてて……」

ハギヨシ
「ふむ……」


「それだけだとよくわかんねぇな……何かきっかけみたいなのは無いのか?」

京太郎
「きっかけ……わかんねぇ……」

ハギヨシ
「………………」


透華
「………………」ポタッ……ポタッ……


「ひっく……! ひっく……!」ポロポロ


ハギヨシ
「涙……ではないでしょうか?」


「あー、あーなるほど」

京太郎
「涙、を見て? ってことですか?」

ハギヨシ
「京太郎くんが衣様、透華お嬢様と出会った時……そのどちらも京太郎くんは涙を見ています」

京太郎
「そして咲……そんな秘密が……」

ハギヨシ
「早速泣いてみましょうか」

京太郎
「泣いてみましょうと言って泣けるものなんですか!?」

ハギヨシ
「執事ですから」ポタッ……ポタッ

京太郎
「あ……」

……………………

京太郎
「……ハギヨ」

一瞬で手を取り背後に回るハギヨシ
……そのつもりだったのだが、触れた感触はあるものの何も掴めてはいなかった
それどころか、背後に回った筈なのに目の前に京太郎の背中は無い

京太郎
「……酷いな、ハギヨシ」ギュッ

ハギヨシ
「…………!?」

京太郎
「いきなり腕を掴もうとするなんてマナー違反だよ? ……でも……流石ハギヨシだ、俺の信じるハギヨシならすぐに答えを出すと思っていたよ」ナデナデ

ハギヨシ
「は、ぁ……!!」グッ!!

京太郎
「だけどねハギヨシ……俺はお前を傷つけるつもりはないんだ。それだけは分かってくれ……俺の大切なハギヨシ……」

そしてハギヨシがしようとしたように瞬時に腕を取り、背後に回って腕を極めた

ハギヨシ
「ぐ……!!?」


「………………」(゚д゚)

「………………」(゚д゚)

京太郎
「だからハギヨシ、敵意を向けないでくれ……悲しくなる……」

ハギヨシ
「……分かりました」

京太郎
「ありがとう。流石俺のハギヨシだ、きっと分かってくれると信じていた」スッ


「……京太郎……?」

京太郎
「衣。大事な話があるからハギヨシと二人にしてもらってもいいかな?」


「…………うむ。分かったぞ」

京太郎
「ありがとう。……いつも構ってあげられなくてごめんな。でも俺はいつでも衣の側にいるから……それを忘れないでくれ……」ナデナデ


「分かってる!」ニコッ


「その話ってのはオレ達には言えないことなのかよ?」

京太郎
「分からない。だがハギヨシはきっと大丈夫だ、と俺の勘が言ってるからね」


「行くぞ、純」


「……おう」

スタスタ

京太郎
「…………ハギヨシ」ギュッ

ハギヨシ
「……あ、あの……何故抱きつくのですか?」

京太郎
「それは後で話すよ。今はお前を感じさせてくれ……」ギュゥ

ハギヨシ
「………………」ギュ

京太郎
「…………まず、俺が何者かを話す必要がある」スッ

ハギヨシ
「よろしくお願いします」

京太郎
「俺は……別の世界の須賀京太郎だ」

ハギヨシ
「…………なるほど」

京太郎
「と言ってもどこかの世界から来た、というような単純な話じゃない」

ハギヨシ
「というと?」

京太郎
「俺は……須賀京太郎ではある。だが異なる同一の立場を持って生まれてきた俺達なんだ」

京太郎
「ごめん、今のは説明というにはあまりに難解だな……」

京太郎
「とても簡単に説明すると、俺はお前の兄だった俺でもあるし、衣の兄だった俺でもあるし、透華の兄だった俺でもあるんだ」

ハギヨシ
「…………理解しました」

京太郎
「俺はお前の兄であった俺もいる。もちろんそうではなく他の子の兄であった俺もいる」

ハギヨシ
「……何故、あなたはここにいるんですか?」

京太郎
「繰り返さないため。失敗しないため。やり直すため。終わらせないため。言葉で表しきれないほどの想いがあるんだよ」

ハギヨシ
「どんな失敗を……したのですか?」

京太郎
「……………………」

世界の終わり……

言い訳はしない
やっちゃった以上最後までやるよ
それではまた

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