エミナ=イェーガー「砂の雪原?」 (12)

見切り発車でいってみよう。
ぱっと思いついたもので進撃の巨人原作がよくできてることを確認するスレです。

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「エミナちゃんおつかいかい?えらいねぇ」

内地の野菜店で野菜を買った帰り道。
エリナ=イェーガーは調査兵団の兵士に出くわしていた。

「砂の雪原?」

エミナ=イェーガーは調査兵団三番隊隊長ユダ=ラインポートに聞き返した。
男はりんごをかじってこたえた。

「ああそうさ。まぁ俺も見たことはないんだが。壁の外は広いよ。
砂の雪原だけじゃない。塩の湖や、流れる炎や、いろんなものがあるらしい。そこらへんはお前の父親のエレンも知ってることだろうさ」

エミナは少し考えてみた。
そういわれても、父親であるエレンからそのような話を聞いたことはなかった。
エレンは訓練兵団時代にミカサと結婚し、憲兵団として内地で暮らすようになっていた。
自分がそのときにできた子供であることは知っている。
もしかしたら両親は自分を兵士にしたいとは思っていないのかもしれない。

「それは、それはとても興味があるよ。私も外の世界が見てみたい。もうシーナの壁を見るのもあきあきしてるよ」

ユダは笑った

「そうだろうそうだろう。だがなエミナ。調査兵団は生易しいものじゃないんだ。毎回かなり死ぬ。だがエレンとミカサの子供であるお前なら
さぞやいい兵士になるんじゃないかな」

「そういうものかな。私はお母さんほど強くないし、お父さんほど死にたがりでもないよ」

「エミナも訓練兵に志願できる年だろ。まぁ考えてみるといい」

ユダと別れてエミナはイェーガー邸に向かった。


「ただいまーお母さん」

エミナがイェーガー邸の扉を開けると黒髪の女性がエミナを出迎えた。

「おかえりエミナ。少しおそかったようだけど」

エミナは野菜をミカサに渡した。

「うん、途中でユダさんと会って、ちょっと話してたら遅くなっちゃった」

ミカサがピクリとする。

「エミナ、あなた・・・」
「お母さん」

エミナがミカサをさえぎる。

「あの、訓練兵のことなんだけど・・・」

少し言いよどんだエミナの顔を見て、
ミカサは少し考えるとエミナをつれてリビングに向かった。

「エレン、エミナが・・・」

ミカサが声をかけたのはリビングに座っていたエレンだった。
エレンはいすに座って手紙に目を通していた。

「あれお父さん今日は早いね」

憲兵団勤めのエレンは夜遅く帰ることが多かった。
そのエレンが早く帰ってきているのは、読んでいる手紙が原因だろうか。

「ああエミナおかえり。ミカサ、ちょっとこれを読んでみてくれ」

エレンに手紙を手渡されて、ミカサがそれに目を通す。

「どうしたの?」

エミナがたずねる。

「ああ、まぁそこまでたいした事件じゃないんだが。外地の狩猟地でえらくでかい熊がでるってらしいんだよ。
それで現地じゃ手におえないってことで、内地に援軍要請が出てるんだ」

エレンが続ける

「それで、その話は駐屯兵団にまわしてもいいんだが、ちょうどいいからこの問題は俺たちで片付けようと思う」

エレンがエミナのほうを向いていった。
「エミナ、かえってすぐで悪いが出かける準備をしよう。エミナははじめて外地に出ることになるな」

いわれて、エミナは顔を輝かせた。

時は少しさかのぼって外地の狩猟地付近の森



巨大樹に囲まれて狩猟者が三人、森を歩いていた。
手には弓を構え、一人は背中にウサギを背負っている。

「ちくしょうグレンよぉ。俺が先にそのウサギを見つけたんだぞ」

グレンと呼ばれたウサギを背負った男は笑っていった。
「カカカ、そりゃあお前、先に殺したもん勝ちってもんだろう・・・シッ」

言って森の先の暗闇から出てきた鹿を弓で狙う。
狙ったとき、別の男が放った弓が鹿をしとめた。

「やっほおおおおおおう。なんだ?確か先に殺したもの勝ちだったよな?こいつぁ大物だ!」

バキ!!

そのときグレンは何がおこったかわからなかった。
目の前で喜んでいた男に何か黒い塊が衝突し、男の首がちぎれとんだ。
その近くの木にべちゃっとあたり。木が赤く染まった。

「いっひいいいぃぃい!?なんだ!?」

グレンともう一人の男が振り返ると、4M以上の巨大な熊がそびえたっていた。

「いひいいいいっ!?」

もう一人の男が反射的に弓を引き絞り巨大な熊に射掛けた。

男が放った矢が巨大な熊に突き刺さる。


その矢はなにごとでもないかのように、
巨大な熊がその手を矢を放った男にうちつける。

「ぷぎらっ!!」

男は巨大な黒い腕に上からプレスされて血を撒き散らしながら圧縮された。


残されたグレンはしりもちをついてあとずさる。

「ひっ、いいいああああああああああ!!」

巨大な熊がプレスした肉塊を持ち上げてほおばった。
ニチャッニチャッといやな音が聞こえる。

グレンはそれをきいて、はねるように振り返り全力で走り去った。

狩猟地

「ふぅ、やっとついた。エミナは疲れてないか?」

「ううん!ぜんぜん!馬になんてはじめてのったよ!空を飛んでるみたいだった!」

エレンが笑ってエミナの頭に手を置く。
「そりゃあよかったな。馬を好きに使えるんだから憲兵団もまだ捨てたもんじゃないな」

「エレン・・・」
ミカサがエレンの名を呼ぶ。

「なんだよ?」

「・・・」
ミカサがそのまま黙ってしまう。

「なんだよ、何かあるなら言えば・・・」
「・・・」

「・・・ミカサは疲れなかったか?」
「大丈夫。私はこの程度で疲れることはない。それじゃあいこう」
そういってミカサは村にむかった。

「・・・じゃあわざわざ目でうながさなくていいだろ」
エレンは頭をかくと、エミナをつれて狩猟村に向かった。

三人が村長の家を訪ねる。

「誰じゃ、おまえは!!?」

入るなり。老人が怒鳴ってくる。

「私の夫です」
間髪いれずミカサが答える。

エレンが前に出る
「いや、そうじゃねぇだろ。先日の要請を受けてきた憲兵団のエレン=イェーガーです」
言って書状を見せる。

「お、おおおぉぉぉぉ」

老人が書状を確認する。

「おーおーよくいらしてくださいました。そちらの美女は奥様でいらっしゃる?」

「おっしゃるとおりです。あなたとは仲良くなれそうです」
ミカサが答える。

「ではこちらのかわいいお嬢さんはお子さんで?」

「まぁ、はいそうです。なんだか照れますね」
エミナが照れるそぶりをする。

「二人は私の家族です。早速ですが本題をお願いします」

エレンに言われて、村長である老人が承諾する
「そうですな、しかしご家族を連れてくるのはいささか危険だったかもしれません。これグレン」

グレンと呼ばれた男が口を開いた
「いやだっ、俺はいかねぇ。俺はいかねぇからな!」

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