【艦これ安価】北上「大変だよ提督!」 提督「どうした?」 (249)

北上「大井っちが……」

提督「大井がどうしたんだ」

北上「↓2」

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北上「菊月に襲われてたんだよ!」

提督「襲われてた? 怒らせたのか?」

北上「事情はよく分かんないけど……とにかく来てよ!」

提督「分かった」

スタタタッ



『大井の部屋の前』


菊月「……」

北上「ほら、大井っちの部屋の前で待機してる」

北上「きっと追い詰められたんだよ」

提督「んー、ここからだと怒ってるかどうか分からないな……」スッ

北上「何する気?」

提督「理由を聞いてくるよ。手っ取り早いだろ」スタスタ

北上「あたしも行く!」スタタタッ


スタスタ

提督「菊月」

菊月「!」

菊月「司令官か……私に何の用だ?」

提督「北上から聞いたんだが、お前大井を追いかけてるんだってな」

菊月「……」

提督「よければ理由を教えてくれないか」

菊月「↓2」

菊月「……まあ、司令官になら話してもいいな」

提督「その顔、何か重大な事のようだな」

菊月「大井さんと約束したんだよ」


菊月「ヒップホップで一緒に食べて行くって」

提督「……は?」


菊月「なのに、さっきその話をしたら」

菊月「『え? あれ冗談じゃなかったの?』って」

北上(そりゃそう思うよ)

提督「あー……悪いんだが、ヒップホップって」

提督「ラップとかブレイクダンスのことだよな?」

菊月「その通り」

提督「それで食べて行くって、算段はあるのか」

菊月「やってみなきゃ分からないだろう!!」

提督「無いんだな……」

北上(熱い)

提督「艦娘をやめて挑戦するのか」

菊月「いや……深海棲艦との戦いが終わったらの話だ」

提督「なるほど。それなら文句は…」


大井「あるわよ!!」バンッ

北上「あ、出てきた」


菊月「大井さん! 捕まえたぞ!」ガシッ

大井「しまった……!」

菊月「さあ今から練習をしよう。DJでもダンスでも何でもいいから」

菊月「私たちの夢を叶えるために!!」

大井「だから言ってるでしょ!? あれは冗談かと思ったのよ!」パシッ

菊月「あっ」

スタタタッ

提督「うわ! 俺を盾にするな!」

大井「て、提督からも説得してください! 私は話に乗る気はないの!」コソコソ

提督「けど……話を聞く限りだと、大井が真剣に受けなかったのが悪いような」

大井「ヒップホップで食べていこう、なんて急に言われて信じられます?」

提督「まあそれも一理ある」

菊月「どいてくれ司令官、私たちのビッグドリームを邪魔しないでくれ」

北上(何故英語)

大井「提督! 説得してください!」

提督「……」

提督(これは……どうすればいいんだ)↓2

提督「……菊月……」

提督「お前には申し訳ないんだが、大井のことは諦めて欲しい」

大井「!」

菊月「どうして!? 司令官には関係のないことだろう!」

提督「いやある」


提督「大井は俺と結婚して主婦になるんだ」

大井・北上・菊月「!?」


大井「なっ……!」カァァ…

北上「何言ってんの提督……」

菊月「う、嘘だ! そんなの信じないぞ!」

提督「本当だよ、なあ大井?」

大井「へ?」

提督「俺とお前は将来を誓い合っている。だから菊月の話には乗れない。そうだろ?」

提督(話を合わせろ)ヒソヒソ

大井「!」

大井「え……ええそうよ! 私たちラブラブなの!」ニコッ

提督「もうあんなことやこんなことまでしてるんだぞ」

ギュッ

提督「痛っ」

大井(調子に乗らないでください……!)ヒソヒソ

菊月「……」

菊月「……できる」

大井「?」

菊月「主婦になってもヒップホップはできる!」

菊月「最近は両親共働きという家庭も多い! だから大井さんは主婦兼ヒップホッパーで生きていけばいい!」

北上(すごい肩書きだなぁ)

大井「そんな無茶なことできないわよ!」

菊月「できるさ!」

大井「もー往生際が悪い……!」

大井(提督、助けてください!)ヒソヒソ

提督「そ、そうだな」↓2

提督「とりあえず、お前のラップを見せてくれないか」

菊月「え?」

提督「熱い気持ちをラップで表現すれば、大井のハートも揺れ動くかもしれない」

大井(絶対に動かない自信があるわ)

菊月「……わ、分かった」コホン

北上(汗すごい。大丈夫なの?)


↓1 コンマ二桁で菊月のラップの完成度

一旦休憩します

菊月「人に披露するのは初めてだから、上手くいかないかもしれないが」

菊月「聞いてくれ大井さん、私のヒートな気持ちを」

北上「ぶっ!」

提督「こら笑うな」

北上「ご、ごめん……」

菊月「スマホでBGMを流すよ」ピッ


ズン♪ チャッ♪ ズンズンチャッ♪ ズン♪ チャッ♪ ズンズンチャッ♪


菊月「大井さんに捧げるこのラップ♪ 聞けばたちまち体踊り出す♪」

菊月「ヒップホップで織り成すぜ今♪ 明るい未来の序章だHey Yo♪」

菊月「何でこんなことが分からない?♪ 私たち組めば敵などいない♪」

菊月「どいつもこいつも怖くない♪ 最強タッグで恐れはグッバイ♪」


~~~~~~~~


菊月「以上が私の気持ちの全て♪ 異常なほどやりたくなってきたかも♪」

菊月「さあさあ返事を聞かせてよカモン♪ 共に道を行こうぜ相棒♪」


提督・大井・北上「……」

菊月「ど、どうだった……?」

提督「うん、良かった」パチパチ

菊月「そうか……安心した」

北上「相棒だってさ大井っち」

大井「やめてください」

菊月「そ、それでどうだ? 大井さんに気持ちは伝わったのか?」

提督「どうだ大井」

大井「……」↓2

大井「提督と式を挙げた後でよければ……」

提督・北上「!?」

菊月「本当か!」

大井「で、でもいつになるかは分からないから」

菊月「いつまでも待つ! その日まで特訓しないとな!」ワクワク

提督「おい大井」

大井「安心してください。これでずっと式をあげなければ、そのうち諦めますよ」

北上「……それはどうかと思うなぁ」

大井「え?」

北上「あんなに喜んでる菊月を、後に悲しませることになるんだよ?」

北上「あたし許せないなー」

大井「で、でも……」

提督「俺もだ。引き受けられないなら引き受けられないで、ちゃんと伝えないと」

大井「……」

菊月「ブレイクダンスも頑張らないと!」キラキラ

大井「分かった……」スタスタ

大井「ねえ菊月?」

菊月「大井さん! DJはできるか?」

大井「え」

菊月「私はまだ未経験なんだ、どんどん知識を詰め込まないと!」

大井「そ……そう……頑張ってね」

菊月「何を言ってるんだ、大井さんも頑張るんだ」

大井「……うん」


北上「負けた」

提督「負けたな」



『数年後』


提督「ふぅ……疲れたー」

コンコン

大井「お疲れ様、コーヒー淹れて来ました」

提督「おお、ありがとう」

提督「しかし俺は幸せ者だな……こんな可愛い嫁がいて」

大井「か、可愛いとかやめてください」カァァ…

提督「ははは」

大井「あ……もうこんな時間!」

提督「用事でもあるのか?」

大井「昨日言ったじゃないですか、今日は……」

提督「ああ、そうだったな」

大井「今日は菊月とヒップホップの日です!」

提督「頑張れよ」

大井「はい、行ってきます!」ガチャ


提督「……しかし、まさかあの日の出来事通りになるとは、思いもしなかったな」

提督「今や2人は大人気だもんな。世の中何が起こるか分からん」



菊月「大井さん、今日もクールに決めよう!」

大井「ええ! やってやるわ!」


おわり


『菊月とヒップホッパーEND』



~~~~~~~~


提督「……はっ!」

提督「いつの間にか寝ていたのか……変な夢だな」

提督「さて、仕事しないと」


ガチャ

北上「提督!」

提督「北上?」

北上「大変だよ、大井っちが……大井っちが……!」

提督「落ち着いてくれ。大井がどうしたって?」

北上「↓2」

明日の夜にまた始めます

北上「ノンケになったんだよ!」

提督「ノンケ?」

北上「いつもみたいに私に言い寄って来ないの!」

提督「……あいつレズだったのか。今初めて知った」

北上「他の艦娘へのスキンシップとかヤバかったじゃん。あたしも何度かお尻触られたしさ」

提督「マジかよ」

北上「一線は越えてないけどね」

提督「なんか衝撃だな」

提督「で、ノンケになったっていうのは本当なんだな?」

北上「間違いないね。いつもは抱きついてくるタイミングで抱きついてこないし」

北上「駆逐艦の訓練の時間に双眼鏡で観察しないし、巨乳の艦娘にダイビングしておっぱいに埋もれたりしないもん」

提督「……」

提督「驚きの連続だよ。あいつそんなに変態なのか」

北上「うん」

北上「あとノンケになった理由で決定的なのが、提督の写真を隠し持ってることなんだよね」

北上「時々じっと見つめて、ため息ついたりしてる」

提督「俺に気があるのか?」

北上「それは本人に聞いてみないと分からないけど」

北上「とにかくノンケになるなんておかしいよ。原因を調べて欲しい」

提督「なんか残念そうなんだが、レズに戻って欲しいのかお前」

北上「まあね。だって普段あんなに欲望を振りまいてるんだよ」

北上「それが提督一人に向けられたら、大変なことになると思わない?」

提督「なるほど、俺のためでもあるってことか」

提督「分かった。調べよう」


『大井の部屋の前』


コンコン

提督「大井、いるか?」

シーン

北上「返事がないね」

提督「大井ー、聞きたいことがあるんだ」

ガチャ

大井「す、すみません……ちょっと部屋の掃除をしてました」

大井「北上さんも一緒ですか。聞きたいことって何です?」

提督(見る限りいつも通りだけど)ヒソヒソ

北上(いいから原因を聞いて)ヒソヒソ

提督「実は、北上から聞いた話なんだが……」

提督「お前、男が好きになったらしいな」

大井「え?」

提督「前まではレズビアンだったんだろう。けど今は男が良いと聞いた」

提督「本当なのか?」

大井「……」


大井「はい」

北上(やっぱり)

提督「……そうか」


提督「よかったら理由を聞かせてくれないか」

大井「……」↓2

大井「夢を見たんです」

大井「ある男性と結婚をして、幸せな家庭を築いている夢を」カァァ…

大井「目が覚めたら、その人の顔が頭から離れなくて」

大井「女性を見ても何とも思わなくなってたんです」

提督「会ったことのある人物なのか」

大井「気になりますか?」

提督「ああ、差し支えなければ教えて欲しい」

大井「……」

北上(まさか)


大井「目の前にいます」ポッ

提督「!」


提督「……俺?」

大井「……」コクリ

提督「そ、そうか」

大井「……」

提督「……」

提督(北上、原因は分かったんだがどうすればいいんだ)

北上(んー、提督のことが好きだから女の子に興味が無くなったんだよね)

北上(じゃあどうしようもないかもね。あとは提督と大井っちの問題だよ)

提督(何でそうなる)

北上(気づいてないの? 提督今、大井っちに告白されたも同然なんだよ)

提督(それは分かってる)

北上(じゃあ尚更自分で考えないと)

提督(……)

提督(どうする、俺)↓2

提督「大井、俺のことが好きなのか?」

大井「……多分」

提督「よく分からない?」

大井「とにかく頭から離れないんです。胸もドキドキして」

大井「だから、好きということなんだと思います」

提督「……」

提督「とりあえずデートしてみるか?」

大井「!」

提督「デートすれば、本当の気持ちが分かるかもしれないだろ」

大井「いいんですか?」

提督「ああ。明日の昼に、部屋に迎えに来るよ」

大井「はい」


パタン

北上「なるほどねー、いい選択肢かもね。提督自身の気持ちの確認にもなるし」

北上「っていうか、提督は大井っちのことどう思ってるの?」

提督「可愛いと思ってる」

北上「一応脈ありなんだ」

提督「キツイ態度しか見たことないから、新しい顔が見られるといいな」


↓2 デートの場所



『翌日の昼・大井の部屋の前』


大井「あっ、こんにちは」

提督「部屋の前で待ってたのか」

大井「待ちきれなかったんです」エヘヘ

提督「……可愛いな」

大井「えっ」

提督「その服も似合ってるし、化粧でさらに可愛くなってる」

大井「あ、ありがとうございます」モジモジ

提督「ふふ……よし、じゃあ行くか」

スタスタ


~~~~~~~~



『水族館』


大井「わあ、素敵……!」

提督「水中トンネルは、いつ見ても飽きないな」

大井「見てください、マンタです! あっ、サメがいるわ!」

提督(はしゃいで可愛いな)

~~~~~~~~

大井「小さな魚ですね。可愛い」

提督「あっちにはクラゲがいる」

大井「ライトで照らされて、幻想的ですね」

~~~~~~~~

提督「アザラシか」

大井「移動の仕方が可愛いですね」

提督「うちのアザラシは飛んでもないスピードだけどな」

大井「どちらかというとオットセイじゃないですか。おうおう言ってますし」

提督「そうだったか?」


~~~~~~~~


『夕方・鎮守府』


大井「今日はありがとうございました」

提督「いいんだよ。俺もすごく楽しかったし」

大井「私もです」ニコッ

提督「……それで、どうだった? 俺に対する気持ちは」

大井「↓2」

大井「やっぱり好きです」

大井「そして今日のデートで、もっと好きになりました」

提督「……」

大井「提督はどうですか?」

提督「大井の色んな顔が見れて、やっぱり可愛いなとしみじみ思ったし」

提督「俺も好きだよ」

大井「嬉しいです……」

提督「……」

提督(さて、これからどうするか)↓2

大井「……提督」ギュッ

提督「!」

大井「私、その……したいです」

提督「え?」

大井「提督と夜戦がしたいです」

提督「な、何を言って…」

大井「これ以上言わせる気ですか?」

大井「はぁ、はぁ……素直になったら気持ちが高ぶって来たわ……」

提督「大井……?」

大井「あ……あんなところに休憩所がありますよ。ちょっと休んで行きましょう」グイッ

提督「大井!?」

提督(休憩所って、あれどう見てもラブホじゃないか!!)

大井「さあ提督! ゆっくり休みましょう! ついでに提督の主砲を見たいです!」グイグイ

提督「何を言ってるんだお前!?」

大井「逃しませんよ。提督も私のことが好きなんでしょう?」

提督(くっ、北上が言ってた大井の本性がここに来て!)

大井「さあさあさあ!」グイグイグイ

提督「待ってくれ、まだ心の準備が……!」


アッーーーーーーー……


~~~~~~~~


『翌朝・ホテルベッドの上』


提督「」ピクピク

大井「提督、大好きです」ギュッ

提督(し……死ぬかと思った……)

大井「提督?」

提督「……?」

大井「子供、何人欲しいですか」

提督「……大井の望み通りに」


おわり


『二人の愛は永遠にEND』



~~~~~~~~


提督「……ん?」

提督「しまった、眠ってたか。なんか凄い激しい夢を見ていた気がする」

提督「体も心なしかダルいな……が、書類を片付けないと」カキカキ


ガチャ

北上「提督! 大井っちが!」

提督「北上……大井がどうしたって?」

北上「え、えっとね……」↓2

北上「えっと……」

提督「落ち着け」

北上「うん……聞いて驚かないでね?」

北上「大井っちがね……子供になっちゃったの」

提督「……」

北上「あれ、予想ほど驚いてない。っていうか驚いてすらいない」

提督「寝ぼけてるのか」

北上「あ、信じてないのか」

北上「まあそうだよね、信じるわけないよこんなこと」

北上「でも本当なんだよ。ちょっとついて来て」

提督「……」

北上「お願い! あたしもどうすればいいか混乱してるんだよ!」

提督「イタズラだったら許さないからな」スッ

スタスタ

明日の夜に続きを



~~~~~~~~


大井「……」

提督「お、お前……本当に大井なのか」

北上「だから言ったじゃん」

提督「これ何歳くらいだ?」↓2

北上「んー、多分12歳くらいじゃないかな」

北上「確かこんな背丈だった気がするし」

提督「……なあ大井」スッ

大井「!」ビクッ

ササッ

北上「おっと」

提督「どうして北上の後ろに隠れる?」

大井「……」ジー

提督「黙ってないで何か言ってくれ」

北上「……ねえ提督」

北上「ひょっとして大井っち、思考も12歳になっちゃったんじゃないの」

提督「は?」

北上「見た感じ提督のこと人見知りしてるし」

提督「いやいや、そんなことあるはずないだろ」

北上「子供になってる時点でおかしいし、ありえるんじゃない?」

提督「……」

北上「というか、提督やあたしの記憶もあるのか分からないよね」

提督「……」

スッ

提督「大井、質問があるんだが」

提督「俺のことは知ってるか?」

大井「……」↓2

大井「……提督?」

提督「!」

大井「さんって方ですよね。は、初めまして」ペコリ

提督「」

北上「あらら、やっぱり」

北上「ねえ大井っち? あたしのことは覚えてる?」

大井「↓2」

大井「くちくかんうざいのひと」

北上「そこは覚えてるんだ。名前は知らないのね」

提督「おい北上、明石か夕張のところへ行くぞ」

北上「何でさ?」

提督「こんなヘンテコな現象が起きる時は、決まって2人のどちらかが原因なんだよ」

北上「でも証拠もないし、すぐに疑うのはよしたほうがいいよ」

提督「日頃の行いってやつだ。違ったら違ったで謝ればいい」

北上「んー……あ、そうだ」

北上「大井っち。聞きたいことがあるんだけど、いいかな」

大井「なれなれしいです」

北上「えっ」

大井「はじめて会うのに、にっくねーむで呼ぶのはどうかと思います」

北上「……そっか、そうだよね。ごめんね」

北上(ちょっぴり傷つくなぁ)

北上「じゃあ、大井ちゃんでいい? あたしのことは北上って呼んで」

大井「北上さんですね。わかりました」

提督(変わらない)

北上「気を取り直して、大井ちゃんは、ついさっきまで何をしてたか分かる?」

大井「わかりません……気がついたらここに立ってました」

北上「なるほど。そこから前は、何してたか思い出せないかな」

大井「……」↓2

大井「め、目の前で……」

大井「お父さんやお母さんや、友達が……化物に……!」

大井「いやああああ!」

北上「ええ!? ちょっ、大丈夫!?」

提督「どうしたんだ大井!」

大井「いや……こないで……」ブルブル

提督「大井! 俺の目を見ろ!」

提督「落ち着くんだ、深呼吸して」

大井「……」

提督「そうだ。ゆっくりと」

大井「……」

北上「ご、ごめん……あたし、何かしちゃったみたいで」

提督「お前は何も悪くないだろ。こうなるとは俺も予想ぢてなかった」

大井「うう……お父さん」ギュッ

提督「!」

大井「お父さん、こわいよ……」ギュー

提督「……」

提督「よしよし」ナデナデ

大井「お父さん……そばにいて」

提督「大丈夫、ここにいる。俺がついてるから」ナデナデ

大井「うん」

北上「……」



~~~~~~~~


『執務室』


大井「zzz……」

北上「さっきのって、どういうことなの」

提督「分からない。ただの幻覚かそれとも」

北上「それとも?」

提督「過去を思い出そうとしてああなったということはだ」

提督「大井の中に眠っていた記憶が、一時的に呼び起こされたのかもしれないな」

北上「大井っちの子供の時の記憶?」

提督「ああ、それもトラウマものだ。両親や友人が化物に襲われるなんて悪夢、心の奥に閉じ込めておきたいものだろう」

北上「化物って、深海棲艦?」

提督「十中八九」

北上「……あたし」

北上「今までずっと大井っちと一緒に過ごしてきたのに、全く知らなかったよ」

提督「俺もだよ。艦娘の生い立ちは詮索しないようにしてるし」

北上「すごく辛い過去があって、それを抱えながら生きてきたんだね」

北上「あんなに可愛い笑顔の裏では、ひっそりと泣いてたんだ」

提督「いや、心からの笑顔も見せてくれてるよ」

北上「?」

提督「特に、大井がお前に見せる笑顔は本物だ」

提督「確かに辛いことはあった。悲しみで涙を枯らす時期もあったはずだ」

提督「だが北上と出会って。艦娘のみんなと出会って」

提督「大井は希望を見出した。幸せだと感じられる場所を見つけた」

北上「うん……そうだといいね」

大井「……んー……」

北上「これからも支えてあげないとね」

提督「ああ」

北上「大井っちの仇を討つ手伝いしなきゃ!」


ガチャ

夕張「あのー、大井ちゃんってここに…」

大井「zzz」

夕張「よかった! いた!」

提督「夕張」ゴゴゴゴ

北上「犯人からやって来てくれるとは、探す手間が省けたねー」ニヤリ

夕張「あ、あははは……」

提督「大井の変化に心当たりがあるんだよな?」

夕張「はい……実は、若返りの薬というものを飴にして作っていたんですけど」

夕張「大井さんが今朝挨拶に来た時に、こっそり持って行ってしまったみたいで」

北上「いつ戻るか分かるの?」

夕張「効き目はそんなに長くないはずです」

北上「そっか、よかったー」

大井「すー……すー……」

提督「しかし、この大井……可愛いな」

北上「ホントだよね、いつもの大井っちも可愛いけど。ほっぺも柔らかいし」ツンツン

北上「写真撮っていいかな? っていうか撮っちゃお」パシャッ

提督「怒られるぞ。俺は知らないからな」

夕張(あれ? 思ったより怒られなかった)


大井「……ふふふ……」ニコッ


おわり


『前を向いてEND』



~~~~~~~~



提督「……ふわぁぁ……」

提督「不思議だ……何回も夢を見ているような……気のせいかな」

提督「あれ、仕事がいつの間にか終わってる。よし、間宮に…」


北上「提督ーー!!」バンッ

提督「うお!? 何だ!!」

北上「ヤバイよ、大井っちがヤバイよ!」

提督「な、何がどうヤバいんだ」

北上「↓2」

眠すぎて誤字が

明日に続きをやります

北上「練習巡洋艦になったんだよ!」

提督「意味が分からない」

北上「百聞は一見にしかず、見れば分かると思うからついて来て!」スタタタッ

提督「おい!」

提督「……はぁ……間宮はもうちょっと後にするか……」スタタタッ


~~~~~~~~


香取「という感じで、この後の演習お願いします」

大井「はい!」

鹿島「ふふっ、大井さん張り切ってますね」

スタタタッ

北上「発見! 大井っちー!」

大井「北上さん?」

提督「本当に香取たちといるな」

大井「それに提督」

大井「二人して一体どうしたんですか?」

提督「どうしたもこうしたも北上に呼ばれてここに来たんだ」

提督「お前、練習巡洋艦になったんだって?」

大井「……」

提督「本当なのか」

大井「はい」

北上「大井っち、あたしの知らない間に何かあったの?」

北上「練巡になった理由聞かせて欲しいよ」

大井「……」↓2

大井「声を聞いたんです」

提督「声?」

大井「はい。昨日の夜のことです」

大井「天から降ってきた謎の声に、駆逐艦の素晴らしさを長々と聞かされて」

大井「君は選ばれたんだ。今すぐ練巡になって、幼き駆逐艦たちを導けと」

北上・提督「……」

大井「そしたら急に使命感が出てきて、練巡にならなきゃって」

大井「駆逐艦の娘たちを導かなきゃって…」

北上「もういいよ大井っち、間違いなく疲れてるよ。少し休んだ方がいいよ」

提督「同感だ」

大井「いえダメです。すぐにでも演習をしなきゃ」

大井「駆逐艦が私を待っているわ!」フフフ

北上「大井っち……」

香取「わ、私たちと一緒に行動したいとお願いしてきたのは、そういう経緯があったからなんですね」

提督「知らなかったのか?」

鹿島「はい。これっぽっちも」

北上「提督、あたしこんな大井っち見たくないよ」

北上「何とかしてよ」

大井「ふふふ」

提督「……」↓2

提督「引っかかることがある。大井の聞いた声とは何なんだ」

北上「きっと幻聴だよ」

提督「そうとは限らないぞ。もし大井の言っていることが本当だとしたら……」

北上「どうするの?」

提督「問いただしてみる」


提督「おい天の声の主! 聞こえるか!」

提督「大井をこんな風にした理由を教えてくれ!」

北上「て、提督」

提督「おい! おーい! ……聞こえないな」

北上「もうやめてよ! 提督までおかしくなるのは見たくない!」ギュッ

提督「試しにやってみただけだよ」

提督「返事がない、となると……次は……」↓2

提督「うっ!?」ズキッ

北上「提督? どうしたの?」

提督「う……うぅ……み……み……」


提督「みんなしあわせ」

北上「!!」

提督「駆逐艦が育てば、みーんなしあわせ!」

提督「俺も練習巡洋艦になりたくなってきたぞー! 駆逐艦を育てたーい!」アハハ

北上「ウソ、でしょ……そんな……提督まで……!」

大井「あはは!」

提督「うふふ!」

香取「これは、何が起きてるんです!?」


???「……」ガサゴソ


鹿島「!! そこにいるのは誰!?」

北上「え?」

???「……」↓2 謎の人物の正体

大井「北上さん」スッ

北上「お、大井っち!! そんな馬鹿な!」

香取「大井さんが2人!」

鹿島「これは幻覚……?」

大井「いいえ、現実よ。そこで飛び跳ねてる大井は偽物」

大井「私が本物の大井!」

北上「ちょっと待って、理解が追いつかない。どういうことなのか説明して」

大井「↓2」

大井「ふふ……たった一言で片付くわ」

大井「この世界は北上さんの夢よ」

北上「私の夢?」

大井「だってそうでしょう。こんなおかしな事、夢じゃなきゃ怖いわ」

北上「それはそうだけど……やけにリアルだね」

大井「ふふ、そうね」

北上「……はは」

北上「でも良かった。夢ならほっぺでもつねって起きちゃえばいいもんね!」


ガシッ

北上「え?」

香取・鹿島「……」

北上「香取、鹿島……あたしの腕を掴んで何を……」

大井「そんなの決まってるじゃない」ニヤリ

北上「えっ」

提督「北上! お前も一緒に!」

大井(偽)「駆逐艦を育てましょう!」

北上「!」

香取「こうして腕を掴めば、頬をつねることはできない」

鹿島「ずっと夢の中」

北上「!!」

大井「ふふふ……さあ北上さん」

大井「あなたも練習巡洋艦になって、駆逐艦たちを愛でるのよ」

北上「い――」



北上「いやああああああああああ!!」ガバッ

北上「はぁ……はぁ……はぁ……!」

北上「……ここ、あたしの部屋……?」

北上「……ゆ、夢……だった……」

北上「はぁぁぁぁ……よかったぁぁぁ……」

北上「もー、めちゃくちゃ怖かった……なんであんな夢を見たんだろ」

北上「はー……」

北上「……汗でびっしょりだ。シャワー浴びてこよっと」


ガシッ


北上「!!」

大井「北上さんどこに行くの? 練習巡洋艦になりましょう」ニコッ

北上「うわああああああああ!!!!」


おわり


『終わらない悪夢END』



~~~~~~~~


提督「うわあ!?」ガバッ

提督「……夢か……」

提督「ど……どうして北上の夢を見たんだ……?」


ガチャッ

北上「大変だよぉぉぉ!」

北上「って、何かすごい汗かいてるね」

提督「ちょっと夢を見ていてな。というか、そんな慌ててどうした」

北上「うん……実は大井っちのことなんだけど」↓2

今日はここまでにします

あと2回で終わる予定

北上「なんか……大井っちじゃないんだよね」

提督「どういうことだ?」

北上「大井っちであることには違いないんだけど、見た目が大井っちじゃないの」

提督「……」

北上「あーもう! 見れば意味が分かるよ! ちょっと来て!」グイッ

提督「うわ、押すなって!」


~~~~~~~~


『大井の部屋』


ガチャ

北上「大井っち、連れてきたよ」

大井「え!? どうして……!」

北上「だって解決策が見つからないし」

大井「だからと言って提督を…」

提督「何で布団を被ってるんだ?」

大井「……」

北上「ほら大井っち、提督に見てもらわないと」

大井「お……驚かないでくださいね」

提督「ああ」

大井「……」スッ


パサッ


提督「!!」


↓2 大井の絵柄

提督「お前……なんか、電たちみたいな風貌だな」

大井「朝起きたらこんな感じになってたんです」

大井「どうすればいいでしょうか。このままじゃ外に出ることができないですし」

提督「何で」

大井「何でって、どう見ても私じゃないじゃないですか」

提督「これはこれで可愛いと思うけどな」

大井「!!」

北上「確かにそうだけど、大井っちは元に戻りたいらしいから」

提督「うーん……そうだな。昨日、変わったことは無かったか?」

大井「変わったこと?」

提督「原因が隠れているかもしれない。よく思い出すんだ」

大井「そうですね……そういえば……」


大井「うっ!?」ビクッ

北上「大井っち、どうかした?」

大井「な、何か……急に鼻がムズムズして……」

大井「へくちっ!」

ボフンッ

提督「うお!? 大井から急に煙が!」ゲホゲホ

北上「大井っち! 大丈夫!?」ゴホゴホ

大井「は、はい……ちょっとくしゃみが出ただけです」

北上「煙も出たけど!」

提督「ん? お、大井……お前また風貌が変わったぞ」

大井「えっ」


↓2 大井の絵柄

大井「鏡、鏡……こ、これ私?」スッ

北上「なんか少年漫画みたいになってる」

提督「というか丸っきり少年漫画だ。うしおと○らや、からくり○ーカス描いてる人の絵柄だ」

提督「んー……これもいいな」

北上「また違った可愛さだね」

大井「二人共頷かないでください! 私、どうなっちゃったんですか!」

提督「落ち着け。もう一度聞くが、昨日変わったことは無かったか」

大井「あ、そうです。実は演習終わりに、明石さんにジュースを貰って飲んだんです」

北上「……」

提督「……」

大井「……原因それですね」

提督「もっと早く気づけばよかったのに」

大井「だ、だって……自分の見た目が変わって混乱してましたし」

北上「じゃ、犯人を連れてくるね」ガチャ

提督「よろしく」

大井「あ……またくしゃみが出そう」

提督「!」

大井「は、は……くしゅっ!」

ボフンッ

提督「そしてまたこの煙!」ゲホゲホ

大井「提督、私分かりました! くしゃみがトリガーなんです」

大井「私がくしゃみをする度、見た目が変わってしまうんですよ」

提督「みたいだな」

大井「……今の私、どんな感じですか」

提督「……」


↓2 大井の絵柄

提督「……」

大井「?」

提督「そ、そうだな……これもまあ可愛い、かな」

提督「時代を感じるけど」

大井「一体どんな姿なんですか」

提督「デビュー当時のゆでたまご」

大井「は?」

提督「キン肉○ン描いてる人だよ。鏡、見てみろ」

スッ

大井「……時代を感じますね」

提督「だろ?」

大井「私としてはさっきの方が良いです」

提督「いや、自分を見失うなよ」

大井「でも……ちょっと不安なんです」

大井「明石さんが来ても戻る保証はないですし」

提督「あいつがそんな大事になる物を作ると思うか?」

大井「はい」

提督「そうだったな、ごめん」

提督「でも必ず自分で尻拭いをするだろ。だから今でも発明を許可してるんだ」

大井「そうですね」

提督「大丈夫だよ」ナデナデ

大井「はい」

大井「……提督、その」

提督「?」

大井「あ、ありがとうござ……くしゅんっ!」

ボフンッ

提督「このタイミングで!?」


↓2 大井の絵柄

大井「こ、今度はどうなりました?」

提督「おお……これは……」

大井「何です?」

提督「ケロロ○曹を描いてる人の絵柄だ。最近ではけもの○レンズに携わった」

大井「けもの○レンズはちょっと知ってますけど」

スッ

大井「あ、可愛い」

提督「自分で言うか。可愛いのは事実だけど」

大井「違います! この感じが可愛いと言っただけで、私自身を可愛いと言ったわけじゃ…」


ガチャ

北上「連れてきたよー」

明石「ごめん大井ちゃん! ジュースを渡したつもりが発明品を渡しちゃったみたいで……」

明石「おお、何か見た目が違う」

大井「明石さんのせいでしょ!」

明石「その通りですごめんなさい」

大井「それで、どうすればこの現象が収まるんですか」

明石「この液体を飲めば治るよ」スッ

大井「……」ジー

明石「大丈夫、飲みやすいようにイチゴ味だよ」

大井「味を気にしてるんじゃないです! 本当に戻るんですか!?」

明石「信じて!」

大井「はぁ、全く……分かりました。飲みま……っくしゅ!」

ボフンッ

北上「またか!」

明石「へー、こんな変わり方するんだ」

提督「お前、どんな時でも研究熱心だな……」


↓2 大井の絵柄

大井「……」

北上「うわ、綺麗!」

提督「美人だな。これは劇画……北○の拳か?」

大井(美人って……)

明石「すごーい!」パチパチ

大井「拍手はいいです! 早く液体を渡してください!」

明石「ごめんごめん」スッ

大井「いただきます」ゴクゴク

提督「けど、絵柄が変わるとイメージもガラッと変わるんだな」

北上「そりゃそうだよ」

ボフンッ

大井「……」ドキドキ

提督・北上・明石「……」

大井「ど、どうですか?」

提督「ああ、何というか……色んな大井を見たけどな」

北上「どの大井っちも良かったけどね」

提督「やっぱり、いつもの大井が1番可愛い」

大井「!」

大井「ということは、戻ってる?」

明石「鏡どうぞ」スッ

大井「……あ……」

大井「私! 私だわ! いつもの私よ!」

北上「よかったね!」ニコニコ

明石「本当に!」ニコニコ

提督「お前はもう少し反省してろ」

明石「はい、すみません」ペコリ


北上「いやー、やっぱ大井っちは大井っちだねー」ギュー

大井「ちょっ、北上さん!? そんな大胆な!」

提督「ふふ……」

提督(……できれば、もうちょっと色っぽいのも見たかったな)


おわり


『何だかんだしばふ絵が1番END』



~~~~~~~~


提督「……またまたおかしな夢を見た」

提督「夢を何回も連続して見てる気がするな……変な気分だ」



ガチャ

北上「提督ーーー!!」

提督「どうした? 大井に何かあったのか」

北上「え! どうしてそれを!?」

提督「当てずっぽうだよ」

北上「何でもいいや、話を聞いてよ! 大井っちが……」↓2

ここまでにします

明日で最後、夜8時くらいに

ちょっと遅れます

北上「髪を切ったんだよ」

提督「髪を?」

北上「髪を」

提督「別に普通だろ。長くなれば切るのが当然…」

北上「ヘアスタイルが変わったんだよ。バッサリ肩まで切ったの」

提督「なんと。気分転換か」

北上「そんな軽いものじゃないと思うけどね」

北上「あたしビックリして、大井っちに何かあったのか聞いたんだけどさ」

北上「何でもないですよって、ちょっと切なく笑ったんだ」

提督「お前の気のせいじゃないのか」

北上「だといいんだけど……不安だから提督に相談したの」

北上「お願い! 大井っちに原因を聞いてくれない?」

提督「……」



~~~~~~~~


大井「……」

提督「本当だ、誰だか分からなかった」

北上「それは言い過ぎでしょ」

提督「見た感じいつも通りの雰囲気だぞ」

北上「直接話してから判断してよ」

提督「分かった」スタスタ


提督「大井」

大井「提督……何ですか?」

提督「いや、一瞬誰か分からなくてな。髪を切ったのか」

大井「はい」

提督「似合ってるよ」

大井「どうも」

提督(うーん……言われてみれば、少し元気が無いような気がしなくもない)

提督「でも前の髪型も似合ってたのにな。何で切ったんだ?」

大井「……」

提督「言えないなら、それでいいんだ」

大井「いえ、大丈夫ですよ」

大井「髪を切った理由は……」↓2

大井「……」

提督「?」

大井「あの人への想いを断ち切るためです」

提督「あ……わ、悪い。恋愛絡みだったのか」

大井「大丈夫と言ったじゃないですか。相手は私の気持ちに全く気づいてないみたいですし」

大井「所詮私の中だけで消化されることですから」

提督「なんか怒りが見えるぞ」

大井「はい、思い出してまたイライラしてきました」

大井「いくらアピールしても気づかないんですよ? ラノベでありがちな超鈍感主人公かって話ですよ」

提督「気づかないのか?」

大井「微塵も」

提督「はー、酷い奴だな」

大井「……本っ当に酷いですね。頭が痛くなります」

提督「しかし驚いた。大井にも好きな相手がいたんだな」

提督「整備士さんか? それとも本土にいる誰か?」

大井「もう過ぎたことなので、これ以上の詮索はやめてください」

提督「そうだな、ごめん」

提督「……なあ大井。俺に何かして欲しいことはないか」

大井「して欲しいことですか」

提督「提督として何かしてやりたいんだ」

大井「提督として、ですか」ハァ…

大井「それじゃあ」↓2

大井「いえ、やっぱりいいです」

提督「そうだよな。俺にできることなんて限られてるし」

提督「でも何かあったら言ってくれよ。聞き入れるから」

大井「……」

スタスタ

大井「ま、待って!」

提督「?」

大井「お願いしてもいいですか……?」

提督「ああ、もちろん」

大井「あすなろ抱き」

提督「え?」

大井「あすなろ抱き、して欲しいです」

提督「あすなろ抱きって……後ろから抱きしめるあれだよな」

大井「そうです」

提督「俺が大井に?」

大井「お願いします」

提督「……分かったよ」スタスタ

提督「いくぞ」

大井「はい」

ギュッ

大井「……」

提督「こんな感じでいいんだよな」

大井「はい……」ドキドキ


~~~~~~~~


提督「そろそろいいか?」

大井「え」

提督「通路でずっとこうしてるわけにもいかないし」

大井「そ、そうですね」

スッ

大井「……」

提督「あとは?」

大井「?」

提督「他に何かして欲しいことはないか?」

大井「いいんですか」

提督「できる範囲内なら」

大井「じゃあ……」↓2

大井「一緒に遊びに行きたいです」

提督「遊びに? 分かった、どこへ行きたい」

大井「どこでもいいです」

提督「それなら……↓2へ行くか?」

提督「浜辺へ出かけるか。今の時間は風が涼しい」

大井「仕事は終わったんですか?」

提督「まだ残ってるけどいいよ、行こう」ギュッ

大井「!」

大井(て、手を……)

スタスタ

北上「……あたし置いてきぼり?」


~~~~~~~~


提督「やっぱり、風が気持ちいいな」

大井「そうですね」

大井「あ、見てください。綺麗な貝殻」

提督「本当だな。集めて首飾りにしたいな」

大井「ふふっ、まるで女性みたいな感想ですね」

提督「そうか? 男だって綺麗なものは好きだよ」

大井「提督が言うとおかしいです」クスクス

提督「普段どんなイメージなんだ……」

大井「ふふ」

提督「……なあ大井」

提督「お前が好きな男というのは、ひょっとして」

大井「えっ」

提督「いや、何でもない」

大井「気になるじゃないですか。教えてください」

提督「違ったら恥ずかしいし」

大井「いいから言って」

提督「……」

提督「お前が好きな男は、もしかして」

提督「俺か?」

大井「!!」

提督「勘違いならそれでいいんだ」

提督「だが笑わないでくれ、他の艦娘に言いふらしたりも…」

大井「そうです」

提督「!」

大井「私が好きなのは、提督です」

提督「そ……そうなのか。全然気づかなかった」

大井「鈍感でしたね。というか、何で今頃気づいたんですか」

提督「お前があすなろ抱きして欲しいって言ったから、まさかと思って」

大井「なるほど。最終手段が功を成したわけか」

提督「ん?」

大井「何でもないです」

大井「けど、今更遅すぎます。もう私は髪を切って提督のことを忘れたので」

提督「何故あすなろ抱きを要求したんだ」

大井「あれは……本当に踏ん切りをつけるためというか」

大井「とにかく綺麗さっぱりしました」

提督「そ、そうか……」

大井「残念そうですね?」

提督「そりゃあ……せっかく自分を好きになってくれたのに、もう好きじゃないと言われるのは……」

大井「ちなみに提督は、私のことどう思ってたんですか」

提督「可愛いと思ってた」

大井「つまりカップルになってみたいと、そう思ってたんですね?」

提督「……まあ」

大井「そんな提督に、良いお知らせがあります」

大井「今から私が出す課題をクリアできれば、私と付き合うことができます」

提督「俺を忘れたんじゃないのか?」

大井「また思い出してあげますよ」

大井「どうですか? やりますか?」

提督「……よし。挑戦しよう」

大井「分かりました。では課題の発表です」

提督「……」


↓2 課題の内容

大井「今度は正面から優しく抱きしめて」

提督「!」

大井「……」

提督「……」


ギュッ


大井「はい……課題クリアです」

提督「お前のアピール、気づかなくて本当にごめん」

大井「全くですよ。これからは、私のワガママたくさん聞いてもらいますからね」フフ



パシャパシャ!

提督・大井「!?」

青葉「良い画が撮れました!」ヒヒヒ

提督「青葉!?」

大井「写真撮られた!」

青葉「明日の新聞は2人が主役ですよ! お楽しみに!」スタタタッ

大井「こらぁ!! 待ちなさーーい!!」スタタタッ

提督「あいつは……仕方ないな……」

北上「ごめんね。止めたんだけど防ぎきれなくてさ」スッ

提督「北上!? いつの間に……」

北上「ずっと居たよ。あたしを放って、大井っちとドンドン話を進めちゃうなんて」

提督「悪かった」ペコリ

北上「いいよ。大井っちの顔色、元に戻ったし」

北上「ってか前より生き生きしてるかも」

提督「……」ギュッ

北上「どしたの? ほっぺた抓って」

提督「確かめたんだよ。夢かどうかをな」

北上「そんなベタな」

提督「現実でよかった」


大井「よっしゃ捕まえた!」

青葉「大井さん、動きがいつもより速い!」

大井「今の私は100回出撃してもキラキラしてるわよ!」

青葉「誰か助けてー!!」


おわり

お付き合いありがとうございました

大井っちのssを久々に書きたかった、依頼を出してきます

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