【ミリマス】琴葉「優等生の癒やし」 (59)


・ミリマスSS
・50程度で終わります

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「どわぁぁぁ~~~!!」



ドタバタドタバタ!



琴葉「プロデューサーおかえりなさ……どうしたんですか!?
    ずぶ濡れじゃないですか!」

P「参った……いきなり雨が降ってくるもんだから」

琴葉「もう~ほら、上着脱いでください」

P「おっととと……すまん」

琴葉「いえいえ」



琴葉「ちょっと待って下さいね。今タオル持ってきますんで」

P「すまんなぁ」

琴葉「あ、プロデューサー宛にいくつか書類来てましたよ」

P「ん?なんだろう」

琴葉「ちょ、ちょっと待ってください!」

P「なんだよ」

琴葉「まだ濡れてるんですから、ちょっとそこでじっとしててください」



P「だって琴葉が書類あるからって言うから。気になるだろ」

琴葉「でもちょっとだけの我慢です。いいですか?」

P「だめ?」

琴葉「だめです。あ、タオルあったあった。」

P「おー、ちょうだい」

琴葉「いいからじっとしててください。拭きますから」

P「自分のことくらい自分で出来るわ」



琴葉「嘘。プロデューサーは全然出来てないですよ」

P「ほんとに?」

琴葉「ほんとうです」

P「どの辺が」

琴葉「私がいないとすぐカップ麺食べるじゃないですか」

P「だめなの?」

琴葉「だめですよ」



琴葉「昨日も食べてましたね?」

P「……なんで?」

琴葉「ゴミ箱ちょっと観ました」

P「いやそれは怖いよ!」

琴葉「ふふ、冗談ですよ。まあさすがにゴミ箱明後日までは観ませんよ。
   でも今の反応は食べてたってことですよね?」

P「はかったな!?」

琴葉「分かりやすいだけです。もっと栄養のバランスとか考えてください」



P「いいか、琴葉? 世界で一番売れてるラーメンが一番うまいとするならば
  世界一美味いラーメンはカップ麺なんだから仕方ないだろ」

琴葉「栄養のバランスを考えてください。ほら、ちょっとしゃがんでください」

P「いいよ自分で拭くから」

琴葉「だーめーでーす」



わしゃわしゃわしゃ



P「ぐわぁぁ~~」



琴葉「うん、これでよし。さあ、入ってどうぞ」

P「お~やっと事務所入るのに許可が降りたぜ。琴葉さあ」

琴葉「はい、なんですか?」

P「俺のことデカイ犬かなにかだと思ってる?」

琴葉「ぷっ、なんですか?急に。ふふ」

P「あー!やっぱり思ってるだろ~。もうタオルの拭き方が完全に濡れた犬を
 拭いてあげるくらいの勢いだったもんね」



琴葉「思ってないですよ。自意識過剰です」

P「自意識過剰かぁ?」

琴葉「そうですよ」

P「じゃあそういうことにしとくか……」

琴葉「あ、ちょっと待って下さい。靴!」

P「ん?」

琴葉「靴も脱いでください。きっと靴下もびしょ濡れなんですよね?」

P「何故分かった」

琴葉「それだけ濡れてれば想像つきますよ」



P「急な雨には困ったものだ」

琴葉「革靴はここに乾かしときますからね。あとで新聞紙つめなきゃ」

P「新聞なんか誰か持ってたっけ?」

琴葉「社長なら持ってるんじゃないですか?」

P「あぁ~そうかもな。あとで貰いに行こう」

琴葉「ああ、いいですいいです。私が聞いてきますから」



P「悪いなぁ琴葉。あとでお菓子買ってあげるからな」

琴葉「ふふ、別に入りませんよ」

P「じゃあ何か欲しいもの買ってあげるよ。いつか。あ、やっぱ多分。
  あの、俺が機嫌良い時に」

琴葉「言ってから次々と予防線貼らないでください。
    私、色々欲しいものはありますけど、今はいいです」



P「そうなの?色々って?」

琴葉「ふふふ、秘密です」

P「なんだよー、教えろよー」

琴葉「だめです。ん~、じゃあヒントだけですよ」

P「やったぜ!さすが琴葉!」



琴葉「ヒントは”今”です」

P「今……? あー分かった」

琴葉「はい、プロデューサーさん、答えをどうぞ」

P「このアイドルをやっている”今”だな」

琴葉「ん~~、まあ、そうですねえ。
   正解ということにしておきましょうか」



P「へへ、やったぜ。優勝者への商品は?」

琴葉「え? えーっと、それじゃあ……そうですね、コンビニのお菓子です!」

P「おお~~~!田中さんさすがですね~」

琴葉「ふふ、もっと褒めてもいいんですよ?」

P「よっ!田中の中の田中!オンリーワン!ナンバーワン!」

琴葉「下手!褒め方が下手ですよ、一体何年アイドルのプロデューサーやってるんですか」

P「すみません」



…………
……




琴葉「社長に新聞もらってきたんで、入れておきましたよ」

P「おお!ありがと、なんかごめんね」

琴葉「いえいえ、なんでそんな謝るんですか。
   好きでやってるんですから別に大したことじゃないですよ」

P「そうなのか。なんか靴くさかったらやだなって思って」



琴葉「えっ? 別にそんなことなかったですよ?」

P「ひぃ、怖いっ心配だ。ファブリーズであとでびしょ濡れにしちゃお」

琴葉「もうっせっかく新聞紙もらってきたのに」

P「はは、うそうそ」

琴葉「ところでプロデューサー宛に来てたお手紙なんでした?」

P「ああ、読まずに食べた」



琴葉「いやいや、黒ヤギさんじゃないんですから……読んでから食べてください」

P「食べるのは止めないのかよ。聞いて驚け琴葉!」

琴葉「は、はい!」

P「あの封筒に入っていたのは……いや、あのクラフトの封筒に入っていたのは」

琴葉「はい」

P「いやいや、あのクラフトの窓付きの封筒に、
  いやクラフトの窓付きの定形外で郵送されてきたあの封筒には」

琴葉「はい」

P「まあ特にこれといったことは入ってなかったな」

琴葉「ずこー! ああ、これすごい恥ずかしいじゃないですか!
    私なんでやったんだろう……」



P「さすが琴葉、1週間くらい前に教えた引き伸ばしてきた時の対応が完璧だ」

琴葉「予想以上に恥ずかしかったです。ちょっと凹みます」

P「何でだ!可愛かったぞ!一生懸命ノリツッコミする琴葉!」

琴葉「もう~、お世辞は別にいいですっ」



P「いやほんとだって。琴葉何してても可愛いからな」

琴葉「何しててもは嘘ですよ。絶対」

P「この前も自分で淹れてドヤ顔で飲んだ紅茶が予想以上に熱くて
  飲んだ瞬間に舌をぺろっと出しながらちっちゃい声で『あちゅ』って言ったの
  あれ最高に可愛かったぞ」

琴葉「うぅぅぅ、あんまり記憶にないけど、そんなこと最近あった気がする……」



P「あれ映像に残してそこだけカットしたツイート流したら10万RTはいけるぞ」

琴葉「あー、あれです。最近、奈緒ちゃんから貰ったカモミールのハーブティがあったから
   それ結構楽しみにして淹れてみたんですよ」

P「舌やけどしてないか?」

琴葉「それは大丈夫です」

P「ちょっと、見せてみ?べーって舌だして」

琴葉「べぇ」

P「あらやだ可愛い」カシャ



琴葉「きゃーー!なんで撮ったんですか!?」

P「可愛いもんだから撮っちゃったよ……ああ、可愛い」

琴葉「だ、だめです。消してください!」ぽかぽかぽか

P「はっはっは、ぽかぽか叩くんじゃないよ。怒ってる琴葉も可愛いぞ~」カシャ

琴葉「あー!また! またですか!?」

P「俺がまだスマホ持ってる時点でちょっと分かってたくせに」



琴葉「くぅ……それでも、最初のはだめです。消してください」

P「はい、それじゃあ、次、ギャルのポーズね。はい、ギャルのポ~~ズ」



琴葉「えへ」


カシャ


P「ノリノリじゃねえかよおおお~~~三回保存した!」

琴葉「もうっ!もう~~!」



P「あー間違えて最初のツイッターあげちゃった」

琴葉「ちょっとぉぉーー!消すって約束したじゃないですか!」

P「したっけ!?そんな約束!?」

琴葉「しました」



P「ほんとに?いつそんな判決がくだされたんだ」

琴葉「田中裁判でもう判決は出てるんです。”削除”って」

P「……田中裁判とは」

琴葉「そこは別にどうでもいいんです」

P「よくないよ。それ、だってそれが分からないと二枚目のぷりぷり怒ってる琴葉も
  ツイッターにあげちゃうよ」



琴葉「脅しですか?担当アイドルを脅しですか?」

P「え、やばい、まさか担当アイドルを脅すと……?」

琴葉「田中裁判です」

P「でたぁぁーー!田中裁判!今日始まって二回目の田中裁判ですよ。常連ですよ、もう」

琴葉「有罪です」



P「あっという間に罪を背負いました。ハックショーン。
 あー今のくしゃみで二枚目もツイッターにあげちゃった」

琴葉「こらーー!だめですって言ったでしょう!?」

P「くしゃみのせいで」

琴葉「棒読みでしたよ、くしゃみ」



P「通知鳴り止まねえ」

琴葉「それは……田中裁判の結果で”通知鳴り止まない刑”です」

P「いつの間に刑罰も執行されてたんだ。怖いなぁ田中裁判」

琴葉「ふふ、怖いでしょう?田中さんは怒ったら怖いんですよ?」

P「まじかー三枚目もツゥィィート!」



琴葉「あー!だめって言ったのに~。また有罪です」

P「可愛かったから。ごめんよ」

琴葉「可愛くないです。プロデューサーそればっかり。
   私にそれ言えば許してもらえると思ったら大間違いですよ」

P「じゃあ俺がツイートしたのはなんだって言うんだよ。何のせいなんだよ」

琴葉「私が可愛いせいと言わせたいんですか?」

P「そうだよ!」



琴葉「でも残念。プロデューサーの自責です。罪を背負ってください」

P「俺のせいかー。なんだよなんだよー世間は俺に冷てえなぁ」

琴葉「プロデューサーの味方は私だけですからね。世界中で」

P「少なっっ!嬉しいけども!何十億といる人類の中で琴葉1人だけなの!?」



琴葉「じゃあ私×3人です」

P「いやあと2人の琴葉って何!?」

琴葉「悪の琴葉と善の琴葉です」

P「あ、ちょっと悪の琴葉と話したいかも」

琴葉「すみません。彼女は留守です」

P「おいおい、どこ行ったってんだよ」



琴葉「プロデューサーの心を奪いに行きました。な、なーんて……」

P「可愛い。可愛いしか感情がわかない。あと1人は?」

琴葉「レッスンにいきました」

P「おー、今日はレッスン入れてないのにエライ」

琴葉「でもまだ雨降ってますよね」



P「もうじゃんじゃん降ってるよ。俺の心のように空が泣いてるよ」

琴葉「プロデューサー泣いてる所みたことないですよ」

P「そりゃあ男ってのは心で泣くものだからね」

琴葉「そうなんですか。じゃ、じゃあ」

P「ん?」



琴葉「わ、私の前では泣いてみるっていうのは……どうですか?」

P「……」

琴葉「あ、いえ、別に嫌ならいいんです。忘れてください。やだ私何言ってるんだろ」

P「つまり琴葉の胸を借りて泣いてもいいという……こと?」

琴葉「えぇっ!? えーと……」



P「こういう時は田中裁判だな。どっちなんだい?」

琴葉「わ、私の胸で泣くってえっと、どういう状態でしょうか」

P「えっ!? あー、えーと、琴葉が……こう、頭撫でてくれたりする……感じ?」

琴葉「ええっ!? そ、そんなこと」

P「いや、嫌ならいいんだけど」


琴葉「わ、分かりました。田中裁判の結果で、”頭を撫でる感じの刑”です」

P「お、おお~~」

琴葉「そ、それじゃあどうぞ」

P「えーと、お邪魔します?」

琴葉「いらっしゃいませ」

P「ぷっ、なんだそりゃ」

琴葉「いいから早くしてください。はい、頭だして。
    まだちょっと濡れてますね」




P「え?」



琴葉「ぎゅぅ~~~」



P「ほ、ぇ、はぁあ、……おぉ?」

P「あれっ? ああ、ああ~~」




琴葉「よしよし……。プロデューサーはいい子、いい子」



琴葉「いつも頑張ってますもんね。たまには、なでなでもしてあげますね」





琴葉「なでなで……いい子いい子」


琴葉「プロデューサー、いつもお疲れ様です。よしよし」



P「こ、琴葉……」

琴葉「はい? ふふ、もう元気でましたか?」



P「いや、あの、琴葉……嬉しいんだけど、俺ただ頭撫でられるだけかと思ってて」

琴葉「えっっっ!!??」

P「ま、まさかそんな頭抱きしめられて、撫でてくれるなんて思ってなかったから……」

琴葉「ええええ~~~~!!」



P「……いや、ほんと、ありがとう。うん。
 なんかこんな人って人に優しくできるんだなって」

琴葉「や、やめ、あ~~~~恥ずかしい~~~~!
    いや、私のなかで頭撫でるってああいうことかと思ったんですよ」

P「いやそれは、ほんと伝わった!
 予想以上だった。ありがとう……」

琴葉「あぁぁ……どういたしまして」

P「顔隠しても耳真っ赤なの見えてるぞ」

琴葉「んん~~~!もう!」



琴葉「……」

P「……」

琴葉「……」

P「……」

琴葉「……なにか言ってください」



P「え……えっと……ンジャメナ」

琴葉「どうして「ん」から始まる言葉を言ったんですか」

P「わかんない」

琴葉「も、もう一回してみますか?」

P「……まじ?いいの?」



琴葉「いえ、嫌なら別に……」

P「……グラッツェ」

琴葉「何故イタリア語」

P「分からない。今、テンションが高い。すごく」

琴葉「分かりました。すぅ~、はぁ~。よし。どうぞっ」

P「お邪魔します」



琴葉「……ぎゅ、ぎゅぅ~~~」

P「琴葉、あったかいね」

琴葉「な、……もう恥ずかしいこと言わないでください」

P「ああ、癒される。週に一回はこうしてたい」



琴葉「そんなにですか?」

P「……ほんとは毎日したい」

琴葉「ふふ、よく言えましたぁ。ご褒美のなでなで、ですよ」



琴葉「よしよし、プロデューサーはいつもえらいですね」


琴葉「いつも頑張ってくれてありがとうございます」


琴葉「いつも頼りにしていますよ」


琴葉「ツラい時はいつでも私のところにきて
    甘えてもいいんですよ。大丈夫ですから」


琴葉「よしよし、明日からもまた一緒に頑張りましょうね」



P「おお~。いやあ、ありがとう」

琴葉「これで雨の中でもがんばれますね」

P「無茶を言いよる。お主は無茶を言う」

琴葉「ふふ、冗談ですよ。本当にして、風邪ひいたら大変です」



P「風邪ひいたら看病してくれるの?」

琴葉「どうして私が?」

P「そりゃそうだ。琴葉が俺にそんなことする理由がないもんな」

琴葉「嘘です。してあげますよ。
   でも確かに、何か理由が欲しいです」



P「……。俺が琴葉にして欲しいから、じゃだめ?」

琴葉「だめじゃないですよ。嬉しいです。いつでもしにいきます。
   蚊に刺されただけでも看病しにいきます」

P「それくらいでは来なくても大丈夫だよ!?」

琴葉「ふふ、そうですか?」

P「そうそう。琴葉、色々大事な時期だからね。
  自分のこともちゃんと大切に考えてあげてな」



琴葉「そうですね……分かりました。あ!じゃあ」

P「ん?」

琴葉「私も今日もう少しだけ自主レッスンしていきたいんですけど、
   よかったら少し付き合ってくれませんか?」

P「そうなの?じゃあ一緒についていかないと鍵開けらんないからね」

琴葉「じゃあ一緒に来てください」



P「そうだな。琴葉はなぁ~がんばり屋さんだからなぁ~すーぐがんばりすぎちゃうからな」

琴葉「そんなことないですよ」

P「俺が見張ってないとな。よし、行くぞ。ちょっと先降りてて」

琴葉「はーい。あ、もう雨もあがったみたいですよ」

P「俺は事務所用のサンダルに履き替えてからいくよ」

琴葉「先降りてますねー早く来てくださいよー」

P「分かった分かった」




P「ふんふんふふ~~ん♪ 今日も琴葉は可愛いなぁ~っと」



恵美「……」

エレナ「……」




P「うおおっ!!いたのか!!」

恵美「もう……何も言わないよ」

P「……逆に気まずいわ」


おわり



お疲れ様です。
終わります。


甘党の皆様へ↓

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週刊↓

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幸せそうで何より……
乙です

>>2
田中琴葉(18)Vo/Pr
http://i.imgur.com/e5Gvrw9.jpg
http://i.imgur.com/yAnufZO.jpg

>>52
所恵美(16)Vi/Fa
http://i.imgur.com/xwbE4EW.jpg
http://i.imgur.com/wAujv7U.jpg

島原エレナ(17)Da/An
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