アナスタシア「──たくさん!」 (11)

初スレ立て
初投稿です。

大目に見てやってください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496850041

その夜は、とても、寒かったです。

私の住んでいた所は、北海道の中でも特に寒くて、凍った雪に月の光が当たって、とても、綺麗でした。

気温が低い時は、星が良く見える。って昔、パパが言ってました。
なのでその夜、私は星を見に行きました。

プロデューサーと出会ったのは、そんな、ロシアのような寒さと、とても美しい星たちが輝く夜でした。

私が知らなかった世界。星に憧れた私に見せくれた、輝きの世界。
アイドルの世界。

プロデューサーは、私の手を取ってその世界に、連れて行ってくれました。



それから1年経って、私にもたくさんのファンと、アイドルの仲間ができました。

もう少しで、私の1周年を記念した単独ライブ、開かれます。

ちょっと、ドキドキとワクワク。
それから、たくさんの嬉しいで私の心はいっぱいになりました。

この嬉しいを、みんなに伝えたくて…でも、どうやったら伝えられるでしょう?

私は考えました。でも、答えは出ません。

友だちのランコに相談、しました。

ランコは同じ部屋に住む、ルームメイトです。
まだ、ちゃんと話せない私に、ランコはいっぱい日本語、教えてくれます。

やみにのまれよ、いい挨拶ですね。

ランコは私の話を聞いてくれて、一緒に考えてくれました。
「魂の真言を解放し、下僕達に安らぎの鐘の音を届けん。」

…………まだちょっぴり日本語、難しいです。


どうやらランコは感謝の言葉をありのままファンのみんなに届ける、と言ったようです。
素晴らしい考え、ですね!
感謝の言葉。ライブでは歌い終わるといつも、スパシーバ、ありがとうを込めて言ってます。
やっぱり言葉にして届けるのが1番でしょうか。

でも……ありがとうだけでは、私の感謝、伝えきれません……。
言いたいことがありすぎて、ライブ、終わってしまいます。


私は、悩みました。

お休みの日に事務所のソファで1人悩んでいると、仕事を終えて、事務所に帰ってきたミナミと会いました。

ミナミは、私がアイドルになって初めてユニットを組みました。
大きなライブでも、心臓が出てしまうくらい緊張しても、ミナミと手を握ったらどんなステージでも平気になります。
ミナミの手には不思議なおまじない、ありますね。


プライベートでもミナミは私や、ランコと一緒によくお出かけします。
ミナミは私たちの、お姉さんみたい、ですね。

ミナミにも一緒に考えてもらいました。
ミナミは言いたいことがたくさんあるなら、それをひとつひとつまとめて詩のようなものを作るのはどうかと、言ってくれました。

詩……。私にもできますか……?



私はまた、悩みました。

悩みすぎて、頭がクラクラします。
でも、私が伝えたい気持ちを想うと立ち止まっていられません!
頭をふるふると振って、もう一度考え直します。


と、横から冷たい何かが、私の首に当たりました。
私は思わず、大きな声を出してしまいました。少し、恥ずかしいです。
冷たい何かは缶ジュースで、それを持ってる人は私のプロデューサーでした。

……もう!最近のプロデューサー、私に少し、イジワルです。

でも、ごめんごめんと謝るその姿を見たら許してしまう私も、悔しいです。

プロデューサー。私の知らない世界に連れてきてくれた人、私の知らない私を見つけてくれた人。
ちょっぴりイジワルだけど、でも、やっぱり優しい人。

ダンスが上手くできなくてつまづく日も、お仕事で失敗してしまった日も、プロデューサーはいつも、私のことを励ましてくれて、いつの間にか悩みも消えてしまいます。
もしかしてプロデューサーは魔法使い、なんでしょうか。

今回のこともプロデューサーに話しました。
するとプロデューサーは少し考えてから
「出掛けよう」とそう言いました。



事務所を出て、車に揺られて。プロデューサーはどこに行くのでしょう。
私がそう言うとプロデューサーは
「昼に見える星を見に行くんだよ」そう言いました。
プラネタリウムに、行くんでしょうか。


そう1人で考えて、着いたところは公園でした。
私の考え、はずれてしまいました。
でも、昼の公園に星、ありますか?

私がまた考えだすと、プロデューサーはベンチに座って上を見てごらんと言いました。
言うとおりに隣に座って上を見上げたら、わかりました。

上では、木が風に揺られていて、その合間から太陽の光がキラキラと私とプロデューサーに降りかかってきます。
いくつものキラキラは、ほんとうに星の輝きを見ているようでした。

プロデューサーは何か悩み事や考え事がある時、ここに来て、このキラキラを見ていると、考えがまとまると、言ってました。
プロデューサーは私の知らないこと、たくさん知ってます。


そうして過ごしている内に、私にも1ついい考え、思いつきました。
言葉……詩。今の私が出来ること。みんなに届けたいこと。

ランコとミナミと考えたアイデアを、プロデューサーが繋げてくれました。


…………やっぱり、プロデューサーは魔法使い、です。




そして私の単独ライブの日が来ました。
ランコとミナミに、手伝って貰って。プロデューサーにお願いして。そうして出来た私の想いの形。
プロデューサーと出会って、アイドルになって、みんなと出会って。

今、たくさんのありがとうを込めて、歌います。


「聴いてくださいっ!───」

以上で終わりです
遅ればせながらたくさん!聴きました。
少し泣きました。

そのうちHTML化します。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom