モバP「クールなアルバイター」 (37)

書き溜めあり
今回妙に長い

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モバP「この日の撮影……どうしても手が足りませんね」

ちひろ「ええっと、うーん……都合がつきそうな人は居ないですよね」

モバP「そうなると短期のバイトでも雇いますか」

ちひろ「そうですね。ある程度の力仕事になるのでそれで募集かけておきます!」

モバP「そうしましょう。それじゃあそろそろ帰りましょうか」

ちひろ「ですね。今日、一緒にご飯でもいきませんか?」

モバP「いやーすみません。しばらく友人が遊びに来てまして……」

ちひろ「あら、そうなんですか? それじゃあ無理ですねぇ」

モバP「ですね。申し訳ないです」

ちひろ「いえいえ」

モバP「ただいまー」

桐野アヤ「おう。おかえり」

モバP「飯作るから待っとけ」

アヤ「ああ? もう作ってあるよ」

モバP「本当か? 助かるよ。ありがとう」

アヤ「よせよ。今アタシただの居候だしそのくらいはやるって」

モバP「お、自覚はしてたんだな」

アヤ「……いや、転がり込んだのは悪かったって」

モバP「分かってるならよし。たださ……いや、カップラーメンだしてるのは料理とは……」

アヤ「文句あるなら食うなよ!」

モバP「……いただきます」

アヤ「召し上がれ」

アヤ「あー、腹いっぱい」

モバP「食べてすぐ横になると太るぞ」ゴロン

アヤ「そんな簡単に太るようなぬるい鍛え方はしてないっての」

モバP「というか寝っ転がるにもそれ邪魔だろ。うちは狭いアパートなんだしさ、その荷物いい加減整理してくれないか?」

アヤ「別にいいだろ。寝る分には困らないんだから」

モバP「俺が寝られないんだよ」

アヤ「カワイイ妹分だろ? 我慢してくれ!」

モバP「都合のいい時だけそういうこと言わない」

アヤ「はいはい」

モバP「そもそもこの趣味は秘密じゃないのか?」

アヤ「……あんたならいいだろ」

モバP「いやぁー……だってなあ?」

アヤ「似合ってないのはわかってるよ。別にいいだろ」プイッ

モバP「拗ねるな拗ねるな。撮影会だっけ? があるまで押入れに入れてちゃダメか?」

アヤ「はぁ? 狭い中に閉じ込めるなんて可哀想だろ」

モバP「いや、俺が狭いんだけど……」

アヤ「あーもう! こっち寄っていいから!」

モバP「はい。すみません……いや、俺が謝るのおかしくないか?」

アヤ「おかしくないな! うし、風呂入ってくるわ」

モバP「おー、広々していいな」

アヤ「勝手に人形に触るなよ!」

モバP「はい。いってらっしゃい」

アヤ「全く……扱い方がわかってねーなー……」

アヤ「もっと大切にするもんだろうがよ……」

アヤ「人形のことだからな……本当に」

アヤ「むー……」ブクブク

アヤ「はぁ、のぼせる前に上がろう」ザバァ

ーーーーーー

モバP「…………zzzZZZ」

アヤ「どこで寝りゃいいんだよ。仕方ねえな」

アヤ「悪いな。朝までこの中で我慢してくれ」

モバP「おい! なんで俺押入れの中で寝てるんだよ!」

アヤ「あんたが場所とってたからだけど?」

モバP「いや、その心底不思議みたいな顔やめてくれよ……」

アヤ「まあまあ、気にしない気にしない。ほら飯だぞ」

モバP「納得いかないんだけどな……ま、いいや」

アヤ「難しく考えずに食え食え。んで忘れてくれ!」

モバP「……いただきます!」

アヤ「それでいい。気にしてるとハゲるぜ」

モバP「アヤ、今日はどこか出かけるか?」

アヤ「あー、せっかくの東京旅行だしな。観戦とドール撮影会だけじゃもったいないだろ」

モバP「そうか。あまり遅くなるなよ」

アヤ「ガキじゃないんだからそんなに心配するなよ。あんたが帰ってくる頃には家にいるって」

モバP「そうしてくれ。それじゃあ行ってきます」

アヤ「おう。気をつけてな」

アヤ「こりゃ参ったな……」

アヤ「遊びに行こうにも撮影会の参加費にボクシングのチケット、移動費……」

アヤ「ていうか東京の物価高すぎるよな」

アヤ「こりゃこっちでも日雇いのバイト入れるか」

アヤ「はぁー、遊びに来てまでバイトかよ……お前も労ってくれよ……」

アヤ「どうすっかな……この近くで単発のバイトは、と……」

アヤ「テレビ局スタッフ。機材運搬、設置その他雑用。これ良いんじゃないか?」

アヤ「よし。応募しておくか」

アヤ「お前の服のためにも稼いでくるからな待ってろよっ!」

モバP「なんだそりゃ。弾丸ツアーで飛び出してお金足りないのかよ」

アヤ「う、うるさいな。思ったよりいろいろ高いんだよ」

モバP「計画的に使えよ。はい、お小遣い」

アヤ「あっ、いいって! こっちでバイト入れたんだよ」

モバP「そうか? でもせっかく来てるのになぁ」

アヤ「自分の面倒くらい自分で見れるっての。心配しなくていいぜ」

モバP「じゃあそうする。仕事頑張れ」

アヤ「こういうのは慣れてるからそれも大丈夫!」

アヤ「ところでさ、今日の飯はどうだった?」

モバP「美味しかったけど、あれアヤが作ったのか?」

アヤ「そ、そうだよ! 文句言われたから見返してやろうと思ってな!」

モバP「ここまで出来るとは思ってなかった。ご馳走様」

アヤ「認めればよし。アタシだってこんくらいは出来るんだよ」

モバP「いや……悪かったよ」

アヤ「へへっ……明日からも作ってやるから楽しみにしとけよっ」

モバP「はいよ。気分良くさせてるんだろうけど、今日は床で寝させて貰えるんだろうな?」

アヤ「……仕方ないからアタシが押入れだ」

ちひろ「桐野さんですね。今日はこちらの皆さんと神谷さんについて貰います」

アヤ「おわっ、神谷奈緒に会えるのか」

スタッフ「よろしくね。基本は他のスタッフの指示通りにしておけばいいから」

アヤ「はいっ!」

スタッフ「とりあえずは神谷さんについていって荷運びだね。さ、乗って乗って」

アヤ「うす! テレビ局とかに行くんですか?」

スタッフ「いやいや。今日は雑誌の撮影」

アヤ「そうでしたか。そういうのもあるんですね!」

スタッフ「うん。まあアルバイトだとどっちも基本は衣装の検品とダンボール運びだけどね」

メイク「スタッフさん? よろしくね」

アヤ「はい! よろしくお願いします」

メイク「とりあえずこのあたりのものを控え室に運んで貰えるかしら」

アヤ「はいっ!」

ーーーーーー

アヤ「失礼します!」

奈緒「どうぞー」

アヤ(わっ、本物の神谷奈緒じゃん!)

奈緒「メイク道具と小物か? ならそこの鏡台のところに置いてください」

アヤ「わかりました!」

メイク「それじゃあ奈緒ちゃん、始めますねー」

奈緒「おうっ! か、可愛く頼むな!」

メイク「はーい。ね、スタッフさん。ハンガーラック運んできて貰える?」

アヤ「はい。行ってきます!」

ーーーーーー

アヤ「いやー、オーラとか凄いな……女の子って感じだ……」

アヤ「衣装ってこれか……フリフリだ……人形の衣装みたいで、いいな……」

アヤ「いやいや! こんなのアイドルだから着られるだけでしょ!」

アヤ「仕事仕事!」

スタッフ「お疲れさん。撮影始まったら撤収まで少し楽だよ」

アヤ「うす……にしてもアイドルって凄いっすね」

スタッフ「ああ、雰囲気変わるよね。神谷さんは特に顕著だからなぁ」

アヤ「みんな変わるものなんですか?」

スタッフ「個人差はあるけど……ほとんどの人は仕事ってなったら気合入るね」

アヤ「へぇー……もしアタシも……」

スタッフ「さ、邪魔にならないように引っ込んでるよ」

アヤ「わ、はい!」

ちひろ「今日はお疲れ様でした。また機会があればよろしくお願いしますね」

アヤ「こちらこそ、お疲れ様でした」

ちひろ「今日の分のお給料です」スッ

アヤ「え、こんなに貰っても良いんですか?」

ちひろ「はい。もちろんですよ?」

アヤ「ありがとうございます! それでは失礼します」ペコ

アヤ「地元の倍近く貰えちまったぜ……どうしよ……」

アヤ「これなら後1、2回やれば十分だな」

アヤ「…………無駄遣いは……いや」

アヤ「忘れられねえな。最悪家に持ち帰らなければ良いだろ」

ーーーーーー

マタノオコシヲー

アヤ「勢いで、か、買っちまった……」

アヤ「……帰ったら、着るか」

アヤ「どうだろ……いや、アタシには似合わない……けど」

アヤ「……めっちゃくちゃカワイイよな! お前の分の服見て一度似たようなの着たいと思ってたんだよー!」

アヤ「なあ! どうだろ! アタシも人形みたいにフリッフリでカワイイかな?」

アヤ「ふっふーん♪」クルックルッ

アヤ「えへへ……良いなぁ……」

モバP「ただい……ま……」

アヤ「…………」

モバP「…………」

アヤ「ムリムリムリムリ!!! でてけっ!」

モバP「理不尽!」

アヤ「その……さっきはごめん」

モバP「なんも見てないからいいよ」

アヤ「……なんかそれも腹立つな」

モバP「だって、アヤはそういう趣味は隠してたし見られたら嫌じゃないか?」

アヤ「誰も見られないんじゃしょうがないじゃんかよ。せっかく着飾ったんだから、見りゃ良いだろっ!」

モバP「そりゃ……一体どんな心境の変化だ?」

アヤ「今日、ちょっといろいろあったんだよ!」

モバP「へぇ。カワイイよ」

アヤ「そ、そうか! よし、どっか飯食べに行こうぜ」

モバP「ん、飯作ることも忘れるほど浮かれてたのか?」

アヤ「う、うるせ!」

ちひろ「それで、その子に連れまわされて寝不足なんですか?」

モバP「ええ、まあ」

ちひろ「はー、やだやだ。私昨日は飲み会でしたしそんな話聞かされても羨ましくなんかないですよー」

モバP「いや、すみません。今度はちゃんとちひろさんと行きますから」

ちひろ「いえ、私と行かなくて良いので私の代わりに飲み会に行ってください」

モバP「……メンバーは?」

ちひろ「もちろんいつもの人たちです♪」

モバP「多分酔い潰されるんですけど」

ちひろ「だから私の代わりに犠牲になってください♪」

モバP「……はい」

ちひろ「しっかしプロデューサーさんがそんなに褒める程かわいいならスカウトすれば良いじゃないですか」

モバP「昔っから男勝りな子で……カッコ良い服装なら来てくれるんですけど」

ちひろ「美玲ちゃんとか悠貴ちゃんみたいなのはどうでしょうか?」

モバP「そういうのだけなら良いんですけどね……」

ちひろ「やっぱり難しいですかー……」

モバP「一度やらせてみるのも良さそうですよね」

ちひろ「……モデルの募集、かけちゃいます?」

モバP「……ちひろさんも悪ですなぁ」

アヤ「なんだ、このメール?」

アヤ「お、この間のところからか……モデルの仕事?」

アヤ「いやいや、アタシがモデルなんて……なんてなぁ……」

アヤ「学校にも読モとかならやってるやついたよな……」

アヤ「東京ならアタシのこと知ってるやつなんていないし……」

アヤ「参加……する!」ポチッ

アヤ「な、なんであんたがいるんだよ!」

モバP「俺の働いてる会社だし」

こずえ「ぷろでゅーさー……? だれー……?」

モバP「俺の友達のアヤだよ」

こずえ「あや……こんにちはー」

アヤ「こんにちは。なあP、この子は?」

モバP「うちのアイドル。今日アヤと一緒に仕事する子だよ」

アヤ「なあ、あんたロリコ……」

モバP「そんなことはない」

アヤ「……おう」

アヤ「で、アタシは何をすれば良いんだ?」

こずえ「まずはー、おきがえー……」

モバP「スタイリストさんとこずえに話聞きながら着替えてくれ。説明は後でカメラマンさんがしてくれるから」

アヤ「おっけー。それじゃあ覗くなよ?」

モバP「バカ言うなよ。捕まるっての」

アヤ「そうだな。それじゃ出てった出てった」

こずえ「あや、ぷろでゅーさーとー……なかいいのー?」

アヤ「ん、まあな。昔っからお世話になってんだ」

こずえ「いいなー……こずえも、おせわするー」

アヤ「する側なのか……」

こずえ「だめぇー?」

アヤ「だめじゃないさ」

こずえ「ほんとー? うれしー……」

アヤ「おう! 今日は一緒に頑張ろうな」

こずえ「がんばるー……」

アヤ「こ、これを着て撮影するのか!?」

こずえ「そうだよー」ヌギヌギ

アヤ「いや、カワイイ服ってのはともかく……ちょっと露出とか」

こずえ「そうー? だいじょうぶだよー」

アヤ「うっ、さすがに慣れてるんだな」

こずえ「こずえー……あいどるだからー」

アヤ「アイ……アイドルか……アイドルならこんなに可愛く……」

こずえ「あやもーかわいい……よー……?」

アヤ「おおー? 嬉しいこと言ってくれるなー」ワシャワシャ

こずえ「えへへへー……」

スタッフ「そろそろ撮影はじめまーす!」

アヤ「おっと。はーい!」

アヤ「お疲れ様でした!」

モバP「お疲れ様。ほい、飲み物」

アヤ「お、サンキュー。いやー、疲れたよ」

モバP「慣れない仕事だもんな。楽しかったか?」

アヤ「まあ、そこそこな」

モバP「その衣装脱いだら置いておけ」

アヤ「はいよ。その、アタシの顔緩んでないか?」

モバP「普段通りだよ」

アヤ「そうか。人前に出られる顔してるか不安だったんだ」ハハッ

モバP「アヤは良くやってたよ。本当にアイドルやってみるか?」

アヤ「……いや、いいよ。流石に向いてないって」

モバP「そうか。じゃ、帰るぞ」

アヤ「おう。着替えるから出てくれ」

こずえ「あやー……おつかれさまー……」

アヤ「おう! こずえもお疲れ様」

こずえ「たのしかった……ねー」

アヤ「……うん。これからも頑張れよ!」

こずえ「あやも……がんばれー」

アヤ「うん。まーモデルなんてもうできないと思うけどな」

こずえ「そうなのー? ……あや、たのしそう……だったよー?」

アヤ「た、楽しそうでも恥ずかしいんだよ……」

こずえ「どうどうとしてなきゃ、だめー……」

アヤ「堂々と、ねえ……」

モバP「よーし、帰るぞ」

こずえ「はーい……」

アヤ「あいよ」

こずえ「じゃあ……あや、またねー」

アヤ「また、ね。うん。またな! こずえ」

ーーーーーー

モバP「1日で随分仲良いな」

アヤ「なーんか放っておけないっていうか、守ってあげたいっていうかさ」

モバP「言いたいことはわかる」

モバP「んで、はいこれ」

アヤ「給料と、なんの袋だ……これ衣装か!? 持ってきちゃダメじゃないのか?」

モバP「買い取りしてきたんだよ。お前が気に入ってたって話をこずえから聞いて」

アヤ「ちょっ……マジかよ……」

モバP「どんどんお人形さんみたいな服が増えていくな!」

アヤ「本当にもう。アタシにこんな服着せようなんて……」

モバP「アヤなら間違いなく似合ってるよ。こずえも可愛いって言ってたから安心しろ」

アヤ「いやいや! こずえの方がよっぽどカワイイしアイドルだし……アタシなんかよりずっと……」

モバP「そのセリフ。新人だったころの奈緒がほとんど同じこと言ってるんだよ」

アヤ「……だからなんだよ」

モバP「騙されてみないか?」

モバP「お前なら一人前のアイドルになれるよ」

アヤ「……騙されてなんかやらねえ」

アヤ「選ぶなら自分で、だ」

モバP「そうか。なら考えておいてくれ」

アヤ「ん。でも今はそんなことより飯だ。着飾ってた反動かな……肉が食べたいぜ」

モバP「はいはい。じゃあどこか行こうか」

アヤ「おう! ハンバーグもいいしトンカツもいいかもなー」

モバP「肉なら見境い無しか……」

アヤ「そういう気分なんだよっ」

モバP「太るなよ」

アヤ「太らないってば!」

アヤ(アイドル……アイドルねぇ……)

アヤ(やれないわけじゃない。いや、やりたくないわけじゃない……)

アヤ(こんなアタシが出来るのか……と、迷惑かけないか……)

アヤ「……アタシらしくもないわな」

アヤ(出来なくても……やるならやるんだ)

モバP「……おはよ」

アヤ「おはよう。アタシアイドルやるわ」

モバP「……そんな簡単に決めていいのか?」

アヤ「こっちは一晩考え込んでたんだっての!」

モバP「そうか。アヤが考えた結果なら嬉しいよ」

アヤ「じゃ、必要な手続きさっさと済ませようぜ」

モバP「今日か? 別にいいけど……お前がやるなら地元でじゃないか?」

アヤ「目指すんならトップだろ? 本気でやるんだ。ここでやった方が良いぜ」

モバP「自分で親に説明できるか?」

アヤ「Pと駆け落ちって言っておくよ」

モバP「本当にやめてくれ……」

アヤ「真顔になるなよ!」

アヤ「あー、学校も休学か転校だな」

モバP「おいおいそこまでするなんて」

アヤ「中途半端で続けるのが、自分にもアイドルにも……失礼だろ?」

モバP「ふふっ……そうだな」

アヤ「あんたが保証してくれるんだ。安心だろ」

モバP「おう! よーし……トップまで行くかな!」

アヤ「もちろん! ま、アタシをアイドルにしようなんてトチ狂ったこと考えるあんたなら安心だ」

アヤ「その熱意に負けてやるけど、きちんと仕事してくれよな、プロデューサー!」

終わりです
html依頼出してきます

アヤのギャルゲヒロイン感は異常
アヤと学園ラブコメを送りたい人生だった
あと長谷川穂積の試合を見て

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