【モバマスSS】速水奏「天使のように大胆に、悪魔のように細心に」 (414)



~♪

奏「・・・」フム

アナスタシア「・・・」ウーム

奏「七人の侍、かの巨匠の名作・・・何度見ても勉強になるわ・・・」フゥ…

奏「その度に奥深さに魅せられる・・・私はあとどれだけこの作品を見れば真に理解したと言えるのかしら・・・」ウットリ…



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495983941



アーニャ「・・・ダー。鬼気迫るもの、感じました。ビリビリします」

アーニャ「ちゃんとは分からなかったかもしれません。でも、心になにか響いてます」

アーニャ「カナデの教えてくれる映画だからきっと変なものだって聞いていたのでびっくりしてます!」キャッキャッ

奏「あらあら。誰かしら? そんな失礼な人。うふふ♪」





奏「うふふ。訛り、すごかったでしょ? 聞き取れたかしら?」

アーニャ「アー・・・ちょっと、ですね・・・」

奏「気にしないで。ちゃんと教えてあげるから。そうね、今度は字幕もつけましょう。英語もできるのよね?」ピッピッ

アーニャ「ダー。でも・・・え? 今の映画、3時間以上ありましたよ・・・?」

奏「こんなに充実する時間、他には数えるほどよね・・・!」ムフー

アーニャ「・・・はい、そう思います」

奏「プロジェクトルームのスクリーンで休日に映画を見る・・・なんて贅沢なのかしら。この次はこの鮫のとかも―」ガサゴソ

アーニャ「さ、さっそく再生しましょう・・・!」ピッ



~♪



~♪

アーニャ「昔の映画、白黒ですね」

奏「そうね。それでも、この映像は当時の技術と同時期、以前の作品と比べれば破格の美しさを持っているの! それに大きなセットを作って撮影する監督もこれまでいなくて―!」

アーニャ「この馬に乗っている人たち、強盗でした。田んぼにお米、出来てないから帰ったのですね」

奏「野武士ね。ええ、そして収穫の時期にまた来ると。それを聞いた農民たちのシーンが次―!」ワクワク

アーニャ「オー・・・村の人たち、悲しみ、怒り、すごいです・・・! この後のシーンもでしたが・・・!」

奏「とにかくリアリティに拘る監督なの! 今では当たり前のリハーサルとかも当時は重要視されてなかったんだけど、自然に見えるまで追求して!」

奏「天使のように大胆に、悪魔のように細心に」

奏「劇中で読まれない小道具の便箋の中の手紙まで書かせたって信じられる!? それからそれから—!」

アーニャ「ご、強盗と戦うために侍を雇うことになったのですね・・・!」

奏「ええ、その期間の間お腹いっぱいお米を食べさせるという報酬―」

奏「その程度と切り捨てられるものが如何に彼らにとってようやく絞り出した価値であるか、と思わせるあのシーン・・・! そしてあのラスト・・・!」ウンウン


・・・




・・・


アーニャ「この獣のような人、二度目なら、どうして話しかけられなかったのか分かります・・・」

奏「いいシーンよね・・・盗人から人質の子供を助けるために髷を剃り落とし、お坊さんの振りまでした一人の老侍。そんな彼に侍を探す農民、若い侍―」

奏「そして、彼もまた惹かれていたのね・・・」フゥ…

奏「でもこれはほんの始まり。いい、見てて? この時―」ペラペラ

アーニャ(ながいたたかいになりそうです・・・)ウンウン

ペラペラペラ






・・・




~♪

奏「・・・」フム

アナスタシア「・・・」ウーム

奏「かの巨匠の名作・・・何度見ても勉強になるわ・・・」フゥ…

奏「その度に奥深さに魅せられる・・・私はあとどれだけこの作品を見れば真に理解したと言えるのかしら・・・」ウットリ…

アナスタシア「・・・ダー。鬼気迫るもの、感じました。ビリビリします」

アーニャ「ちゃんとは分からなかったかもしれません。でも、心になにか響いてます」

アーニャ(次は鮫でしたか・・・)フー…

奏「せっかくだからもう一度見ましょうか。この感動が胸を満たしているうちに・・・♪」ウキウキ

アーニャ( て ん ど ん ! )

奏「うふふ、映画って本当に素晴らしいものよね♪」

ピッ ~♪



短いけどここまでー
奏さんは映画がお好き
7人の侍、いやぁ映画って本当に素晴らしいですねぇ


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira135777.jpg
速水奏(17)



・・・




奏「CPの方はどうかしら? 二つのプロジェクト両立はやっぱり大変じゃない?」

アーニャ「スパシーバ、大丈夫ですよ。カナデとミナミ、二人とも気にしてくれてますし、それにプロデューサーもいますから♪」

奏「美波と並べるなんて光栄ね。それから、あのチャーミングな彼ね」クスッ

アーニャ「ダー♪ この前もですね~・・・」ペラペラ

奏(これは長くなりそうね)クスクス



・・・



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新田美波(19)



・・・


アーニャ「だからプロデューサーはすごいんです!」ムフー

奏「うふふ、すごい活躍ぶりね。でも、相変わらず誤解されてるみたいで大変ね」

アーニャ「分かってくれる人がそばにいないとですね」フフフ

奏「そうね・・・ねえ、彼ってどの子と一番仲がいいの?」

アーニャ「え?」




アナスタシア「プロデューサーと一番仲がいい人ですか?」


ガチャッ

渋谷凛「お疲れさま・・・何の話・・・?」

奏「あら、お疲れ様。今アナスタシアちゃんからCPのプロデューサーさんのこと聞かせてもらっていたの」

凛「また? 前にも話したと思うんだけど」

奏「オータムフェスで話す機会があったから。ふふっ♪ 本当に、聞いていた通りチャーミングな人だったわね」


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渋谷凛(15)


奏「なんだかもっと気になってきちゃって、またいろいろ聞かせてもらっていたの。でも、アナスタシアちゃんと一番仲が良かったなんて少し意外ね。もっと積極的そうな子が多そうなのに」

凛「え、そうだったの・・・?」

アーニャ「ダー。リンも知りませんでしたか?」

凛「うん。仲が悪いってことはないんだろうとは思ってたけど、あんまり二人で話してるところなんて見たことなかったし・・・」

凛「それに、あのプロデューサーに特別に仲がいい相手がいるっていうのも想像しにくいっていうか・・・」

アーニャ「ニェート、おしゃべりもしていましたよ?クローネのことの相談もミナミだけじゃなくて、プロデューサーとももちろんしましたし」

アーニャ「それにプロデューサー、私のことだけは名前で呼びます」

凛「た、確かに・・・!」

アーニャ「他には・・・そうですね、こんなことありました」


安価下1
したことでもされたことでも

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/23(水) 19:19:07.34 ID:5OkfeDTTo
一緒に北海道へ旅行


・・・

武内P「幾分も涼しいのですね、こちらは」

アーニャ「ハイ、北海道ですから。夏でもこのくらいです」

アーニャ「アー・・・プロデューサー? イズビニーチェ、ごめんなさい。わがまま、言ってしまって・・・」

アーニャ「私のソロCD、パパとママに直接渡したいと・・・」

武内P「いえ、遠く離れて暮らすアナスタシアさんを御両親も心配なさっているでしょうから、近況報告をする良い機会だったかと」

武内P「アナスタシアさんから言われていなければ、私の方から提案していたと思います」

アーニャ「・・・スパシーバ、プロデューサー・・・♪」

アーニャ「二人で同じこと考えている。相思相愛、ですね♪」

武内P「・・・以心伝心かと」

アーニャ「アー・・・そうとも言いますね」

・・・


・・・

プルルルルルル… プシュー… 

ガタンゴトン… ガタンゴトン…

武内P「レンタカーでなくてよろしかったのでしょうか?」

アーニャ「はい、せっかくですから北海道も案内します」

アーニャ「アーニャの故郷、たくさん見ていってくださいね?」

アーニャ「今は夏ですが、雪とレンガの大好きな街です♪」

武内P「はい。とても素晴らしい景色です」

アーニャ「ダー♪」

アーニャ「ンー・・・ミナミ達へのお土産、先に買って行きませんか?」

アーニャ「すぐに帰っても、まだパパもママも帰っていないでしょうから」

武内P「そういうことでしたら、私はかまいませんが・・・」

アーニャ「ダー♪ だったら、ここから少し先の駅を降りると―」



・・・


・・・

武内P「星がよく見えますね」

アーニャ「ダー・・・とても、綺麗です」

アーニャ「久しぶりに二人に会えて良かったです。CDも渡せて・・・いっぱいおしゃべりできました」

アーニャ「スパシーバ、プロデューサー」

武内P「ご両親もアナスタシアさんと会えて喜ばれていましたね」

アーニャ「ハイ♪ それから、プロデューサーの紹介もできました」

武内P「だいぶお待たせしてしまったようですが・・・大丈夫だったのでしょうか? ご両親と過ごされる時間もその分短く・・・」

アーニャ「ダー。私が言ったことですから。それに、パパもママもプロデューサーのこと、とても気に入ってくれました。アー・・・でも、帰る時間はダイジョブ、ですか?」

武内P「はい、念のため翌日のスケジュールも開けておきましたので。本日はこのままご実家でお過ごしくださって問題ありません。私は翌朝迎えに参りますので」


アーニャ「シトー? 泊っていかないのですか? この後ズビィズダ、もっと星がよく見えるところに一緒に行きたかったのですが・・・」

武内P「いえ、私がアナスタシアさんの御自宅に、というのは問題があるかと・・・ホテルを探してとりますので」

アーニャ「でも、プロデューサー?」

武内P「はい・・・?」

アーニャ「この近くにホテルはありませんし、今から終電には間に合わないと思いますよ?」

武内P「・・・えっ」

アーニャ「誰も見ていないから、大丈夫です♪」

アーニャ「月以外は、ね♡」


アーニャ「望遠鏡、とってきますね♪」



武内P「・・・えっ」

・・・


・・・

アーニャ「あと一歩でした」

凛(何があと一歩だったの?!)

奏(この子押し強い!)

凛(こんなキャラだったっけ?!)

奏(というかお泊りデート!? えー! えー! 最近の子ここまで進んでいるの?!)

アーニャ「二人とも、どうかしましたか?」

凛「な、なんでも・・・!」

奏「ええ、大丈夫・・・! それは仲良しさんね・・・!」

アーニャ「ダー♪」


ガチャッ

鷺沢文香「お疲れ様です・・・?」

橘ありす「・・・? みなさんどうかしましたか?」

アーニャ「ドゥーブラエウートラ、フミカ、アリス」


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鷺沢文香(19)


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橘ありす(12)


アーニャ「今、CPのプロデューサーの話をしていました」

ありす「CPの・・・あの大きな人ですか・・・?」

文香「そういえば・・・私はまだちゃんとお礼を言えていませんでした」

アーニャ「それなら、今から一緒に行きましょう」

凛「えっ」

文香「そうですね。もう日が経ってしまいましたが、それでも早い方がいいでしょう」

ありす「あ、私も一緒に行きます・・・!」

文香「ふふ・・・ありがとう、ありすちゃん」



凛「ねぇ、アーニャの話ってありすの耳には入れない方が・・・」ボソッ…

奏「そ、そうね・・・」ボソッ…


凛「それじゃあ案内するよ」

アーニャ「? 二人も一緒に行きますか?」

奏「ええ、せっかくだもの。私もまたプロデューサーさんとお話したいわ」

アーニャ「・・・浮気はダメ、ですよ?」

ありす「うわき・・・?」

凛「な、なんでもないから・・・!」

文香「けっこうな大所帯になってしまいましたね・・・」

ありす「あ・・・だ、大丈夫です・・・!」

・・・



・・・


前川みく「あれ? 凛ちゃんにアーニャちゃん。クローネの3人も・・・」

多田李衣菜「みんなでどこ行くの?」


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前川みく(15)


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多田李衣菜(17)


文香「オータムフェスのこと、改めてCPまでお礼に伺おうかと」

文香「あの時はありがとうございました」ペコリ

ありす「あ、ありがとうございました!」ペコリッ

みく「気にしなくていいにゃ」

李衣菜「そうそう、いいライブに出来たしね」

みく「李衣菜ちゃんはまだエアギターだったけどにゃ」

李衣菜「なっ、練習中なのっ!」


みく「でも、ちょっと大所帯じゃない?」

凛「ああー・・・その、お礼ついでにプロデューサーと話してみたいって。ねっ・・・!?」

奏「え? ええ・・・! とても素敵なプロデューサーさんだったから、もう少し話してみたくて、ええ・・・!」


文香「そうですね・・・私のフォローだけでなく、ライブのあともお見舞いに来ていただいていたとか。とても優しい方なのですね」

みく「ふふん♪ そうにゃそうにゃ? Pちゃんはみくのプロデューサーだからね♪ それくらい当然にゃ!」

文香「みくさんはプロデューサーさんと仲がよろしいのですね」クス…

みく「そうにゃ! 一番の仲良しといっても過言じゃないにゃ」

凛「ちょ・・・!」

アーニャ「・・・」


アーニャ「アー・・・でも、ミクはよくプロデューサーに反発してましたね・・・?」

みく「それがあったからこそにゃ。Pちゃんがちょっといじけてたころからお互いに本音をぶつけ合ったし・・・」

みく「立てこもった後もデビューは一番最後だったにゃ。それだけPちゃんはみくのことを真剣に考えてくれていたってことにゃ」

凛「た、確かに・・・?」

みく「個性が大事だってみくのアイドルに込める思いも受け止めてくれて、今もプロジェクトを守るために頑張ってくれているにゃ」

みく「菜々ちゃんのイベントに行ったのだって、今思えばあれはデートだったにゃ♪」

アーニャ「・・・」

奏「もうそのくらいで・・・!」

みく「他にもこんなことがあったにゃ」


安価下1

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/24(木) 00:56:14.43 ID:sOmJ7NrL0
週ニで一緒に猫カフェに行く


・・・

チョーイチョイ

武内P「・・・?」クルッ

みく「お待たせっ。それじゃいこっか♪」

武内P「はい」


みく「・・・ふふっ♪」

武内P「どうかされましたか・・・?」

みく「あ、ううん。Pちゃんがスーツじゃないのがなんか可笑しくて。夏でもジャケット脱がなかったのに」

武内P「猫アレルギーのアイドルもいらっしゃるので、スーツでは」

武内P「本日は?」

みく「新規開拓! Pちゃんのおかげでみくも有名になってきたし個室のある店探してるの!」

・・・


・・・

ニャー ニャー 

「それではごゆっくりお楽しみくださいませ」ガチャ バタン…

ニャー

みく「にゃああぁぁ・・・かわいいにゃああ・・・!」」スリスリ

みく「ほーらっ、Pちゃんも可愛がってあげるにゃ♪」モフモフ

武内P「は、はい・・・」

武内P「・・・」

ニャー ジーッ

みく「もー、大丈夫! 猫ちゃんたちは頭がいいからちゃーんとPちゃんが優しい人だってわかってるにゃ♪」

武内P「・・・」スッ…

ニャー スリスリ

武内P「・・・!」ナデナデ

ニャー ゴロゴロ

武内P「・・・♪」モフモフ

みく「いやなんか喋ってにゃ。嬉しそうでなによりだけど・・・」ナデナデ

武内P「アイドルに興味はありませんか?」

ニャー フリフリ

武内P「せめて名刺だけでも・・・」

ニャー ペシペシッ

みく「流石にそれが通じたら今頃その子は大スターになってるにゃ」


みく「そ・れ・よ・り・も~・・・」ススス…

ゴロン ポスッ…

みく「はぁ~、膝枕ってなんでこんなに気持ちいいのかにゃあ・・・じゃなくて」

みく「Pちゃんの猫アイドルならもうみくがいるでしょ。浮気はだーめ」

ギュー…

みく「ふふっ♪ いつもみく達のためにお仕事お疲れ様。今日はたーっぷり癒してあげるからねっ」

みく「さあ、好きにぷにぷにするといいにゃ・・・♡」

・・・


・・・

みく「あと一歩だったのににゃー・・・」

みく「とまあ、こんな感じで週2ペースでPちゃんとは猫カフェ巡りをしているのにゃ」

凛(私服デート?!)

奏(プライベートで?! と、というかこの子も随分と大胆なのね・・・)

凛「ちょっと奏・・・いつも思わせぶりなこと言ってるのになに照れてんの」ボソッ

奏「し、しかたないじゃない・・・! 経験があるわけじゃないし・・・そういう映画も、恥ずかしくて避けちゃうし・・・」ボソッ…


アーニャ「1週間に2回も・・・! ミク、いったいどんな理由でプロデューサーを・・・?」

みく「・・・それを、みくが明かすとでも?」

アーニャ「・・・!」

アーニャ「アー・・・そうですね、私なら言いません」

みく「・・・ふふっ」

みく「・・・北海道銘菓、『白い恋人』は美味しかったにゃ・・・」

アーニャ「!」

みく「今度はみくが、大阪名物をお土産に持ってきてあげるにゃ・・・!」

アーニャ「・・・ふふ」

「「ふふふふふふふふふふふふふふ・・・!」」


ありす「あ、あの・・・文香さん? どうして私の顔を挟んで・・・?」

文香「・・・急に、その・・・にらめっこがしたくなってしまいまして・・・」

ありす「はぁ・・・? でもあの、耳を抑えられると他の人の会話が聞こえないのですが・・・」

文香「大したことは話していませんので・・・」

文香(どうしましょうどうしましょうどうしましょう・・・!?)

文香(修羅場・・・知識として知ってはいましたが、と、とんでもないことに巻き込まれてしまいました・・・!)キリキリ

文香(し、しかもプロデューサーさんにお礼を言いに行くという目的上どうあっても私は逃げられません・・・!)キリキリ


ありす「だ、大丈夫ですか・・・?! 文香さん、顔色が・・・」

文香(! い、いけません・・・! それでもありすちゃんだけはここから逃がさなければ・・・!)キリキリ

文香「すみません、少しレッスンの疲れが出たのかもしれません・・・」

文香「ああ・・・そういえば、お土産も何も持ってきていませんでしたね」

ありす「あ・・・」

文香「そうです・・・ありすちゃんは料理が得意でしたね?」

ありす「え? ええ・・・苺料理をいくつか・・・」

文香「よろしければ何か作ってきていただけないでしょうか? 私と、プロデューサーさんに・・・」

ありす「それはかまいませんが・・・」

文香「プロデューサーさんのご都合が分かり次第ご連絡しますので、準備をお願いします。楽しみにしていますね」ニコッ…

ありす「は、はい・・・!」

テテテ…

文香(これでいい・・・)キリキリ


李衣菜「ちょ、ちょっと凛ちゃん! 二人ともどうしたの!?」ボソッ

みく「こうなったら誰がPちゃんと一番親密なのか・・・」

アーニャ「ダー。はっきりさせましょう」

みく「李衣菜ちゃん!!」

李衣菜「は、はい!」

凛(ごめん、李衣菜・・・)

アーニャ「正直に答えてください」

みく「Pちゃんと一番仲がいいのは―」

アーニャ「誰・・・ですか?」


李衣菜「ええ・・・」

李衣菜(なにこのなんて答えても角の立つ質問・・・! ていうか二人ともそういうことなの!?)

李衣菜「そ、そうだな~・・・う~ん、甲乙つけがたいけど・・・」

李衣菜(ど、どうすれば・・・?! どどどどうすれば!?)

李衣菜「わ、私・・・かな?」



李衣菜(何言ってんの私!?)


みく「李衣菜ちゃん・・・? それはちょっとありえないにゃ」

みく「アスタリスクのこととかもだいたいみくと話してたし、というかぶっちゃけPちゃんと一番関わってないのが李衣菜ちゃんにゃ」

李衣菜「そ、そんなことないよ。ほら、アスタリスクの衣装! プロデューサーはちゃんと私の好みとか分かってくれてるし・・・!」

アーニャ「それだけ、ですし・・・」

凛「李衣菜・・・」

李衣菜「なにそのかわいそうっていうリアクション!」


李衣菜「えーっと、えーっと・・・そうだ! 前に―」


安価下1

79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/26(土) 23:11:57.38 ID:/LlCZP3lo
一緒に鍋料理をした


・・・

李衣菜「よっと。ふう・・・暑い・・・」

武内P「多田さん・・・?」

李衣菜「あっ、プロデューサー。お疲れ様です」

武内P「はい、お疲れ様です。今お帰りですか?」

李衣菜「はい。作詞も済んだんで、みくちゃんの部屋に置いてある荷物も持って帰っちゃおうかなって」


李衣菜「プロデューサーは誰かのお迎えですか?」

武内P「いえ、前川さんから多田さんの持ってきた荷物が多かったと聞いていたので」

武内P「よろしければお送りしようかと」

李衣菜「え、あわ、私ですか・・・!?」

李衣菜「えと、あ、ありがとうございます・・・」カァ…

武内P「荷物、おのせしますね」クスッ


武内P「? これは・・・食材のようですが・・・」

李衣菜「あ~それ、料理しようかと思って買い込んだ食材の残りなんです」

武内P「おでん、ですね」

李衣菜「けっこう食事とかの気を付けてるから種類が食べられるのにしようかなぁって考えてたんですけど、みくちゃん魚が駄目みたいで・・・」

武内P「・・・これは、もしかしたらお送りする間に傷んでしまうかもしれません」

武内P「先に食べてしまいましょう」

・・・


・・・

李衣菜「以外と簡単に借りられましたね、女子寮の厨房」

武内P「・・・少し、セキュリティが心配ですね・・・」

李衣菜「ま、まあプロデューサーさんですから」

武内P「あまり長居しないよう簡単に済ませてしまいたいのですが・・・」

李衣菜「おでん、ですからね。味染み込ませようとしたらけっこう・・・」

李衣菜「あっ! でも短時間で作れるいい方法があるんです!」

武内P「そうなのですか?」

李衣菜「はい! 任せてください!」

武内P「分かりました。よろしくお願いします」

・・・


・・・

武内P「大根の下ゆではこんなものでしょうか?」

李衣菜「はい。プロデューサー、けっこう手際いいですね」

武内P「一人暮らしをしていれば、これくらいは・・・それに」

武内P「食には関心がありますので」

李衣菜「へえ~なんかちょっと意外だったかも」

武内P「この後は?」

李衣菜「はい。こんにゃくと卵と一緒に出し汁で煮て、煮立ったら練り物を入れて更に20分―」

・・・


・・・

李衣菜「十分煮たら火を消して―」

ガサゴソ クルクル

李衣菜「お鍋を新聞紙とタオルで包んで1時間放置、で完成です」

武内P「それだけで・・・」

李衣菜「おでんの味って、ゆっくり冷める時に味が染みるんです」

李衣菜「長時間煮込まなくたって、美味しく出来てると思いますよ!」

武内P「なるほど・・・」

李衣菜「はい!」

李衣菜「・・・」

武内P「・・・?」

李衣菜「・・・で、でも1時間あるんですけどね・・・えへへ」

武内P「いえ、お見事です」

李衣菜「あ、はは・・・」


李衣菜(ど、どうしよう・・・プロデューサーと二人なんて全然なかったからなに話していいか分かんないなぁ・・・)

李衣菜(そういえば一緒に料理して、こういうのけっこうよかったなぁ―ってそうじゃなくって!)

李衣菜「な、なにしてましょうかね・・・!?」



日野茜「走りましょう!!!」

李衣菜「!?」


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日野茜(17)


李衣菜「え、あ、茜ちゃん?なんで・・・」

茜「何やら美味しい匂いしてきたもので! ご相伴に預かってもよろしいでしょうか!?」

李衣菜「い、いいけど・・・それより走るって・・・」

茜「空腹は最高のスパイスです!!! たった1時間ではありますが、それでもごはんをより美味しくしてくれるはずです!!!」

李衣菜「いやいや1時間てけっこう―」

武内P「―なるほど。一理ありますね」

李衣菜「ええっ?!」

茜「はい!!! さあ李衣菜ちゃん、プロデューサー!!! あの夕日に向かって、トラーーーーーイッ!!!」ガシッ

李衣菜「え、ちょ、まっ、えええー!?」

ズダダダダダダダダー

・・・


・・・

李衣菜「いやあ、あと一歩で普通の食事だったんだけどなぁ・・・美味しかったけど」

みく「なんでみくを誘わなかったにゃ!」

李衣菜「え、走りたかったの?」

みく「そっちじゃなくてPちゃんとの食事!」

李衣菜「だって魚嫌いだって・・・!」

みく「すり身ならギリいけるにゃ!」

李衣菜「そんなの知るわけないでしょ!」

みく「だいたいおでんてなんにゃ! 今でさえちょっと早いかもしれないのに夏に鍋料理とか何考えてるにゃ!」

李衣菜「いいでしょ別に! 材料売ってるし美味しいんだから!」

「「ふんっ!」」

凛「ま、まあまあ・・・!」


みく(ま、いいこと聞けたしいいかな・・・)

((一人暮らし・・・ね))

アーニャ(ママの料理へのリアクションは悪くなかったはず・・・今度レシピを聞いておきましょう・・・)


・・・

ゾロゾロ…

李衣菜「まあともかく! 私だってちゃんとプロデューサーと仲良くやれてるでしょ?」

文香「はい、十分に。いえ、理想的な仲の良さかと・・・」キリキリ

みく「まあ他のみんなほどじゃないだろうけどちゃんとコミュニケーションとってるようで安心したにゃ」

李衣菜「みくちゃんは私のことどんな奴だと思ってたのさ・・・?」



大槻唯「あっれー、文香たちにアスタリスク!」


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大槻唯(17)


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塩見周子(18)


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宮本フレデリカ(19)


塩見周子「どうしたのー?みんなして」

文香「CPのプロデューサーさんに改めてオータムフェスのお礼をしに参ろうかと・・・」

みく「みく達の部屋まで案内してるところにゃ」

唯「へぇー・・・あ、ねぇねぇ! ゆいたちもそれついてっていい?」

文香「え゙っ・・・」

周子「そうだねー。クローネとしてちゃんとお礼するならそれも―」

文香「だ、大丈夫です!」

宮本フレデリカ「文香ちゃん?」

文香「あ、いえ・・・あまり大人数で行っても迷惑になってしまうかもしれませんし・・・」

文香(巻き込むのは避けたいですしこれ以上増えられると負担が、本当に、もう・・・!)

文香「私が、私たちが代表して逝ってきますので・・・!」

フレデリカ「う~ん、じゃあお願いしちゃおうかな?」

奏「え、ええ。任せて」

周子「そんじゃ、私たち戻ってるね」

唯「ええ~・・・プロデューサーちゃん見てみたかったなぁー・・・」

フレデリカ「はいはーい唯ちゃんごあんな~い♪」

ブーブー マアマア…

文香「・・・ふう」

※66修正

×文香「私が、私たちが代表して逝ってきますので・・・!」


○文香「私が、私たちが代表して行ってきますので・・・!」


カツ コツ…

文香(降りているはずなのに、まるで13階段を上っているかのような気分です・・・)

ガチャッ…

アーニャ「プリヴィエート、お疲れ様です」


三村かな子「アーニャちゃん、お疲れさま~」

緒方智絵里「みくちゃんたちも・・・あれ?」

双葉杏「クローネの・・・どったの?」


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三村かな子(17)


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緒方智絵里(16)


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双葉杏(17)


文香(CANDY ISLANDの3人・・・)

文香「オータムフェスのお礼に・・・プロデューサーさんはいらっしゃいますか?」

かな子「プロデューサーさんですか? 今は打ち合わせがあって出かけちゃっています」

杏「まあ、この後杏達の付き添いがあるからしばらくしたら帰ってくると思うよ~」

奏「なら、待たせてもらっていいかしら?」

智絵里「はい。今お茶入れてきますね」


智絵里「どうぞ」コトッ…

凛「ありがとう」

かな子「お菓子もありますよ♪」

奏「美味しい・・・」

かな子「よかったぁ♪」

文香「五臓六腑に染みわたります・・・」

杏「んなオーバーな」

文香(ああ、キャンディアイランド・・・なんて癒しなのでしょう・・・)


かな子「オータムフェス、楽しかったですね」

文香「はい。とても緊張して、みなさんにご迷惑をかけてしまいましたが・・・」

智絵里「わ、私が、初めてがあんな大きなところだったら、もっと大変なことになってたと思います・・・!」

かな子「ステージの文香さんとっても綺麗でした」

杏「ちゃんとできてたしね~。あんまり気にしなくていいんじゃない?」

文香「みなさん・・・! ありがとうございます・・・!」

文香(私の楽園・・・)

みく「ところで3人は誰がPちゃんと一番仲がいいと思う?」

杏「プロデューサーと?」

アーニャ「ダー。今みなさんに聞いているんです」


かな子「プロデューサーさんとかぁ・・・」

智絵里「そう、ですね・・・」

みく「やっぱりみくだと思うよね♪」

アーニャ「ニェート、私ですよね?」

李衣菜「私ってことも・・・」

みく「それだけはないにゃ」

李衣菜「ちょっとぉ!」

かな子・智絵里「「う~ん・・・もしかしたら私、かな?」」

文香(わ、私の楽園・・・!)


みく「どうしてそう思うにゃ?」

かな子「私はよくお菓子を持ってきてプロデューサーさんともお茶するし、その時たくさんお話したりするから」

智絵里「私はテレビに出るのが決まった時に緊張しない方法調べてもらってたり、一緒にクローバー探してもらったりして・・・」

智絵里「こんな私のことも気にかけてくれて・・・えへへ」

かな子「あ、でも杏ちゃんもプロデューサーさんとけっこう仲いいよね?」

杏「ええ~・・・そう?」

智絵里「あ、うん。なんとなく距離感が近い気がする。プロデューサーさん、あんまり杏ちゃんには遠慮がないよね」

杏「ぞんざいなんだよ。杏としてはもうちょっと甘やかしてくれた方がいいんだけどなぁ~」


奏「みんな、仲良しさんなのね」

奏(という感じでしめたいしめてもらいたい・・・)

かな子「えーっと、他には・・・」



安価下1

141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/30(水) 21:30:55.66 ID:61/pBqzoO
丸一日自宅で身の回りの世話


・・・

ブロロロロロン…

武内P「本日もお疲れ様でした」

武内P「間もなく着きますので・・・双葉さん?」

杏「くかー・・・」Zzz…


武内P「ご自宅まで着きました。起きてください、双葉さん」

杏「・・・んあ? ・・・あー・・・無理・・・もうここで寝る・・・」Zzz…

武内P「いけません。疲れはきちんと取らないと・・・」

チャリン

杏「鍵、これ・・・あとよろし・・・くかー・・・」Zzz…

武内P「双葉さ・・・はぁ・・・」

クスッ… ヒョイ

武内P「お疲れ様です」

杏「すぴー・・・」Zzz…

・・・


・・・

ガチャッ キィ…

武内P「こ、これは・・・!」

・・・


・・・

チュンチュン… 

杏「んん~・・・」Zzz…

杏(・・・あれ・・・なんか布団の感覚違う・・・)

ムクリ…

杏「・・・いや、部屋が違う・・・」


杏(あっれー・・・昨日は確か仕事やらレッスンがあって・・・)

杏(プロデューサーに送ってもらったんだっけ・・・? だめだ、全然覚えてないや・・・)

杏(え・・・? もしかして杏お持ち帰りされちゃったってやつ? ・・・マジで?)


スクッ…

杏(まあ、あのプロデューサーに限ってそんなことないだろうけど・・・)

テクテク ガチャッ

智絵里「あ、おはよう杏ちゃん」

かな子「もう朝ごはん出来てるよ」

杏「でっすよねー。セーフ」


智絵里「セーフ?」

杏「ああいや、こっちの話。いやー危うく次の朝陽が拝めないことになるかと思ったよ」

杏(まあそもそもプロデューサー大好きって人がいるのかも知らないけど)

かな子「夜型の生活は直さないと体壊しちゃうよ?」

杏「いやそういう意味じゃ・・・まあいっか。ここかな子ちゃんの家で合ってる?」

ピンポーン

杏「正解?」

かな子「チャイムだよっ。プロデューサーさんかな? はーい!」パタパタ…

・・・


・・・

杏「ふむふむ、なるほど」

杏「杏の部屋がとても人が住めるように見えなかったから急遽かな子ちゃん達に一晩頼んだら流れでお泊り会になったと・・・あ、ホットケーキうまー」

かな子「よかった♪」

杏「失礼しちゃうよ。杏あそこで普通に暮らせてるし」

武内P「いけません。双葉さんなら乱雑な配置でも物の位置が分かるのかもしれませんが、散らかったままでは掃除が出来ずにいずれ体調を崩してしまうかもしれません」

武内P「食事がすみましたらすぐに掃除に向かいます。三村さん、緒方さん。オフに大変申し訳ないのですがご協力お願いします」

智絵里「はい」

かな子「任せてください!」

杏「ええー・・・」

・・・


・・・

杏「めんどくさい・・・」

智絵里「えと・・・どうしましょうか?」

武内P「では、まず私が大きめのゴミを集めますので、3人で衣類をまとめていただけますか?」

かな子「分かりました」

杏(ああ、だから二人も呼んだのか・・・)


智絵里「下着はこっち・・・Tシャツはそっち・・・」シマイシマイ

かな子「洗濯が必要なのは干し終わったよ」

杏「いやーオフなのに悪いね、二人とも」

智絵里「ううん、お泊り会とかも楽しかったし」

かな子「また今度しようね♪ 今度は杏ちゃんも起きている時に」

杏「・・・そうだね。へへ・・・♪」

杏「―ってちょっとプロデューサー! それは捨てちゃダメ!」

武内P「この箱・・・でしょうか?」

杏「そう、それ。箱までそろってないとダメなんだから」

杏「はぁ・・・しかたない。杏が捨てるもの選ぶから・・・」

武内P「よろしくお願いします」クスッ

杏「ぬぬ・・・」

・・・


杏「えーと、これはいる。こっちはいらない・・・」ヒョイ ヒョイ

杏「とりあえずこんなもんかな。ああ・・・疲れた」

武内P「お疲れ様です」

智絵里「だいぶすっきりしたね」

かな子「ふふっ♪ それじゃあ一旦休憩しよっか。あ、お昼ごはん用意しますね」

杏「キッチン好きに使っていいから」


杏「はあ、まさかオフにこんな重労働をするはめになるなんて・・・」

智絵里「えっと・・・よくがんばりました」ナデナデ

杏「ああー癒される・・・」

杏「午後もまだやるなんて・・・」

武内P「これからはこまめに掃除するようにしてください」

杏「はいはい・・・待ってる間何しよっか?」

智絵里「うーん・・・あ、ゲームたくさんあるんだ・・・」キョロキョロ

杏「お? やっちゃう?」

・・・


杏「なっ、プロデューサー、智絵里ちゃん・・・!きさまらこのゲームやりこんでいるなっ!?」タンタンタタタン 

オーネガイ シーンデレラー ユメハユーメデオーワレーナイ

智絵里「答える必要はない・・・です」タタタンタン

武内P「降伏は無駄です、抵抗してください」タンタンタタタンタンタタン

杏「それネタ違―っ・・・!ナイス・・・?!コンボ切れた・・・!」タタタタン

かな子「あの・・・ごはんできたよー?」

・・・


・・・

杏「ねえ、もういいんじゃない?」

武内P「いいえ。ある程度片付け終わったのでこのまま掃除しましょう」

武内P「みなさんはお風呂場とトイレをお願いします」

杏「うへ~・・・」

・・・


杏「おかしい・・・オフにこんな動くなんて・・・」ゴシゴシ

かな子「きれいになってきたね」フキフキ

智絵里「夕食はプロデューサーさんが作ってくれるって」キュッキュ

かな子「楽しみだねー♪」

杏(だけど服、風呂、トイレはプロデューサーはノータッチだと分かった・・・)

杏(最小限ここだけやっておけば後はプロデューサーが今後もやってくれるはず・・・)

杏「ふっふっふ。杏はただでは起きないよ・・・!」

かな子・智絵里「「?」」

・・・


智絵里「わぁ・・・! おでん・・・!」

かな子「美味しそ~♪」

武内P「以前美味しい作り方を教わったもので」

杏「早く食べよ、杏もうくたくただよ・・・」

武内P「そうですね。では、いただきます」

「「「いっただっきまーす」」」


杏「あっつ・・・! うまー・・・あっつ・・・!」

智絵里「はふ・・・はふ・・・」

かな子「美味し~♪」

武内P「・・・」フム…

杏「・・・こういう仕事は持ってこないでよ?」

武内P「・・・・・・・・・・・・善処します」

杏「それ結局聞かない時によくある回答だよねぇ!?」

武内P「善処します」モグモグ

杏「ちょっと!」

・・・


・・・

武内P「それでは我々は失礼します」

かな子「それじゃあまた明日、杏ちゃん」

智絵里「ばいばい」

杏「うん。今日はありがと」

武内P「今後はこうなる前にこまめに掃除するようにしてくださいね?」

杏「善処します」ドヤッ

武内P「・・・双葉さん」

杏「じょ、冗談だって・・・! あっはははは・・・! ・・・はぁ」

・・・


・・・

杏「あと一歩・・・とも言えないか。うーんどうしたらプロデューサーに全部してもらえるか・・・」ウムム

かな子「あ、ははは・・・」

みく(女を捨てすぎててとても真似できない)

アーニャ(寮に呼ぶにはどうすれば・・・)

智絵里「でも、楽しかったよね」

杏「それは、まあ・・・へへ」

かな子「ふふっ♪」


智絵里
安価下1

139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/30(水) 21:29:49.28 ID:ctgFE20co
お互い膝枕


・・・

智絵里(荷物も持って行っていればよかったかな。残って自主レッスンしてたら暗くなっちゃった・・・)

カツ コツ

智絵里(あれ・・・? 光が漏れてる・・・まだ誰か残っているのかな・・・)

ガチャッ

智絵里「お疲れ様です・・・?」


智絵里「あれ? 誰もいない・・・でも電気ついてたし鍵も・・・あ、ソファ・・・」ヒョコッ

武内P「・・・」Zzz…

智絵里(プロデューサーさん寝てる・・・)


智絵里(冬の舞踏会に加えて秋のライブも増えちゃったし、やっぱり疲れているんだ・・・)

武内P「んん・・・」Zzz…

智絵里「!」

武内P「・・・」Zzz…

智絵里「・・・ふう」

智絵里(起こさないほうが、いいよね・・・? お仕事まだあるのかもしれないけど、体壊しちゃうし・・・)

智絵里(あ、でもソファで寝るのもよくない、かな・・・ちゃんと布団で横にならないと)

智絵里(けど、私じゃ仮眠室まで運べないし・・・せめて枕でもあれば・・・あ)

・・・


智絵里(そーっと・・・持ち上げて・・・)

ポスッ…

智絵里(平気、かな・・・?私なんかの膝で・・・)

武内P「・・・」Zzz…

智絵里(全然起きない・・・よっぽど疲れてるんだ・・・)

ナデ…

智絵里「お疲れ様です、プロデューサーさん・・・」


智絵里(なんだかかわいい・・・いつもは見上げるくらい大きいのに、今なら頭を抱えることも―)

智絵里(わ、私ったら何を考えて―!?)ブンブンッ

智絵里「・・・・・・プロデューサーさん・・・」

智絵里(こんな私を・・・見捨てないで、ずっと見守っていてくれる・・・)

智絵里(・・・もし、CPがなくなっちゃったらきっと、私のペースだったらすぐにおいてかれちゃうんだろうな・・・)

智絵里(プロデューサーさんは・・・私のためにこんなに頑張ってくれているんだ・・・)

智絵里(だから・・・こんな気持ちになるのも、おかしくない・・・ですよね・・・?)

智絵里(プロデューサーさん・・・)

智絵里「・・・ん―」


武内P「―はっ!?」

智絵里「!?」

武内P「いけない! 危うく眠るところで―・・・緒方さん?」

智絵里「く・・・くー・・・」

武内P「寝ている・・・この体勢は・・・?」


ズリズリ…

武内P(抜けられた。起こしては・・・いないな)

武内P(少し休むつもりが随分と眠ってしまっていた・・・)

武内P(緒方さんはいつから・・・ご自身も座ったまま眠ってしまうほどお疲れでしょうに、無用な心配をかけてしまった)

智絵里「くー・・・」

武内P(起こすべきか・・・しかし・・・)


武内P「・・・」

スス…

智絵里(!?ひ、引き寄せられて・・・!)

ポスッ…

智絵里(・・・・・・ひゃ~・・・!)

智絵里(プ、プロデューサーさんに・・・膝枕されて・・・!)

武内P「・・・お疲れ様です。ありがとうございます。よく、休むことができました」

武内P(せめて緒方さんが起きるまで、このまま休ませてもらおう―)

・・・


・・・

智絵里「ド、ドキドキしちゃいました・・・!」

杏「け、けっこう大胆な時あるよね、智絵里ちゃん・・・」

智絵里「プロデューサーさん、少しでも休めてたらいいな・・・」

かな子「そうだね」

智絵里「うん!」


智絵里「・・・あと一歩の勇気があったら・・・」ボソッ…

凛(ね、ねぇ・・・智絵里、もしかしてキスしようとしたんじゃ・・・)

奏(お願い、凛ちゃん。何も言わないで・・・)

みく「・・・」

アーニャ「・・・」

杏(あれ・・・なんか雲行きが怪しい・・・)


かな子
安価下1

136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/09/30(水) 21:28:16.62 ID:Eb9VeoA4o
抱きしめてもらった


文香「か、かな子さんはどうですか・・・!?」

凛(文香・・・!?)

文香(すみません、凛さん・・・しかし、この空気を換えるためには何かしらのアクションが・・・!)

かな子「私はその・・・実は・・・」

かな子「抱きしめてもらったことがあって・・・! えへへ♪」

文香「」

・・・


・・・

かな子「あーん、ん~♪ あま~い・・・♡」パクッ

武内P「気にいっていただけたようでなによりです」

かな子「こんな素敵な喫茶店があったなんて知りませんでした。ありがとうございます、プロデューサーさん♪」


ゴロゴロ… 

かな子「わっ、雷・・・撮影、大丈夫でしょうか?」

武内P「予報では撮影開始時刻よりは前に止むとのことでしたが・・・」

武内P「場合によっては撮影順が前後することになるかもしれません」

かな子「はい、任せてください♪」

「お待たせいたしました。チョコレートサンデーでございます」

かな子「わぁ・・・! プロデューサーさんのも美味しそう・・・」

武内P「はい。よろしければ一口いかがですか?」

かな子「いいんですか!? それじゃあ・・・あむ、ん~・・・! 幸せです~・・・♪」

武内P(いい笑顔です・・・)クスッ


かな子「それじゃあ私のも。はい、プロデューサーさん♡ あ~ん♪」

武内P「えっ、あの・・・」

かな子「あ~ん♪」

武内P「・・・い、いただきます」パク…

かな子「どうですか?」

武内P「は、はい。そちらも美味しいですね・・・」

かな子「ねー♪」

・・・


・・・

かな子「本当に止んじゃいましたね、雨」

武内P「はい。撮影ですが、先に屋外の分を撮ることになりそうです」

かな子「はい、頑張ります♪」

かな子「えへへ、やっぱり晴れてるとなんだか清々しい気分になっちゃいますね」

武内P「そうですね。雨上がりは特に、空気も澄んでいるようで・・・」

ブロロロロロン…

かな子「はい・・・あっ、プロデューサーさん見てください! あの水たまりハートマークになってます!」

武内P「本当ですね・・・―ッ! 三村さん!」ガシッ

かな子「ひゃんっ!?」ムギュウ…

バッシャーン!


かな子(え・・・? えっ!? わ、私・・・プロデューサーさんに抱き・・・!?!?!?)

武内P「ふう・・・ご無事ですか? 三村さん」ムギュウ…

かな子「あ、ああああの・・・!」

武内P「―! す、すみません! とっさのこととはいえ・・・!」バッ

かな子「い、いいい、いえ・・・! 嫌だったってわけじゃなくて急すぎて心の準備が―って、プロデューサーさんびっしょりです!」

武内P「申し訳ありません。車が通ったもので、濡れてはと・・・」

かな子「そんなことよりプロデューサーさんが・・・!」

武内P「私なら大丈夫ですので。ですが・・・この後も仕事があるので、よろしければ帰りに替えのスーツを取りに行ってもよろしいでしょうか・・・?」

かな子「そんなことなら大丈夫ですから・・・!もう・・・少しは自分の心配も・・・」

武内P「クスッ・・・ありがとうございます」

かな子「あ、いえ・・・ふふっ、もう。私こそ、ありがとうございました」

かな子(かばってもらっちゃった・・・)

かな子(・・・あれ? 替えのスーツってプロデューサーさんのお家に・・・!? 私も・・・?!)

・・・


・・・

かな子「えへへへ♪」

文香(私は何ということをしでかしてしまったのでしょう・・・)

みく「へ、へえ~・・・」ピキッ 

アーニャ「・・・カナコも仲良し、ですね・・・」ピキッ

文香(お二人は今どんな表情なのでしょうか・・・私に窺う勇気はありません・・・)キリキリ


みく(・・・牽制と敵情視察も兼ねて始めてみたけど)

アーニャ(思わぬ強敵が見つかったようですね・・・正直盲点でした)

智絵里(うう・・・やっぱり、私なんかがプロデューサーさんとなんて・・・)

アーニャ(ですが、プロデューサーの性格から考えても・・・今、既に二人が深い関係になっているとは思えません・・・私というものがありながら・・・)

みく(そもそものトップアイドルになるっていうPちゃんとの二人の夢を叶えるまでに、誰かと一線を越える・・・みくを差し置いて・・?ありえないにゃ・・・)

智絵里(いつか魔法が解けた時、私のガラスの靴はプロデューサーさんに持ってきてほしい・・・けど、夢も一緒に叶えたい。それは他のみんなも同じはず・・・)

(((出し抜く機会はまだいくらでもある・・・)))


みく(でも不穏分子は少ないに越したことはないにゃ・・・)

智絵里(早めに諦めてもらった方が、ショックは少ない・・・よね?)

みく(黒なのはアーニャちゃん、智絵里ちゃん、かな子ちゃん・・・杏ちゃんと李衣菜ちゃんはまだグレー・・・まあ誰がどっちでもいいにゃ)

アーニャ(つけ入る隙はないことを教えてあげましょう・・・)

文香(誰か助けてください)

かな子「それからね~♡」

奏(まだ続くの・・・!?)



ガチャッ

本田未央「おっはよー失礼しましたー!!」

バタンッ

島村卯月「あれ、入らないんですか? 未央ちゃん」


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira139003.jpg
本田未央(15)


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島村卯月(17)


凛(グッジョブ未央!)

かな子「あれ? 今未央ちゃん―」

凛「き、気のせいじゃないかな・・・!?」



未央(な、なにあの空気・・・思わず逃げ出してしまった・・・)

未央(うなだれるしぶりん達、笑顔のみむっち、あ、後は・・・)


未央(なんだろうすっごい修羅場な気がする・・・! だめだ、一目見ただけじゃわかんないなぁ何があったのさしぶりん! っていやいやいや、CPの問題ならあたしもなんとかしなきゃ―! ・・・でも)チラッ

卯月「?」

未央(復帰すぐのしまむーは連れて行きたくないよなぁ・・・)

未央(・・・よし、いったんしまむーを撒いてそれからしぶりん達に合流しよう)

卯月「お疲れさまでーす」ガチャ

未央「待って! 待ってしまむー!」


卯月「あっ、文香さん、奏さん!」

未央「お、お疲れさまでーす・・・」

奏「おじゃましてるわね・・・」

文香「お久しぶりです・・・」

文香(どうする・・・?! 気づいていないようですが空気は最悪です・・・! かといってこの方たちにも話をふって大丈夫なのかどうか・・・!)

奏(凛ちゃん・・・!)

凛(ぐう・・・! せめてもう少し人数が多ければちょっと話をふるだけで別の話題にすり替えてうやむやにできるかも知れないのに・・・!)

未央(出たとこ勝負しかないか・・・!)

凛「お疲れ様、二人とも。今―」

凛(お願い・・・誰でもいい・・・流れを変えて・・・)

凛(誰でもいい・・・悪魔でも・・・!)



神崎蘭子「煩わしい太陽ね」 ガチャ

美波「お疲れ様」

凛(来た! 魔王来た!)


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira139007.jpg
神崎蘭子(14)


未央
安価
2015/10/18(日)22:00:00:00に最も近いレス

261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 21:59:48.51 ID:mAlIAQvAO
ラーメンおごってもらった


奏(人数比が大きく変わった・・・!)

文香(今なら簡単に別の話題で話を流せるはず・・・!)

凛「美波、蘭子も。今プロデューサーとのこと話してたんだ」

美波「プロデューサーさん?」

奏「ええ。オータムフェスのお礼をしに来たのだけど、せっかくだからプロデューサーさんを待たせてもらっている間に聞かせてもらっていたの」

みく「・・・4人はどうにゃ? Pちゃんと一番仲がいいのは・・・誰だと思う?」

蘭子「ふふん。無論、我に他ならぬ」

美波「ふふっ、そうね。プロデューサーさん、蘭子ちゃんとお話しするためにいっぱい頑張っていたものね」

蘭子「うむ♪」

美波「でも、私だってけっこう仲は良いわよ。全体曲とかCP全体のことを相談したり、ソロの活動も始めたから一緒にいる時間も増えたし」

みく「へぇ・・・」

凛「う、卯月はどうかな・・・!?」

卯月「私は・・・あ、風邪をひいた時とかお見舞いに家まで来てもらったりしました!」

アーニャ「家・・・?」

文香「ん゙ん゙! 流石の心遣いですね。そうそう、そういえば―」

卯月「お土産も美味しかったなぁ・・・♪」

かな子「本当? よかったぁ♪」

卯月「え・・・?」

奏「!? やっぱりみんな! みんなのことを大切にしているプロデューサーさんみたいね・・・! ところで―」

卯月「・・・かな子ちゃん、それって―」

未央「は、はいはーい!!! なんとこの未央ちゃんは! プロデューサーにラーメンを奢ってもらっちゃいましたー!!!」

・・・


・・・

未央「ひゃっほーい! 海だー♪」ザブーン

未央「ほらほらプロデューサーも! こっち来なよ♪」バッシャバッシャ

武内P「いえ、私は・・・」

未央「えー、せっかくの海なんだから楽しまないと損だよ! 今なら未央ちゃんの大胆ビキニ姿も一人占めなんだから! なーんちゃって♪」


未央「そうだ! 私一度あれやってみたかったんだ! 浜辺でカップルが追いかけっこするやつ!」

武内P「私と・・・ですか?」

未央「うんうん♪ それじゃあ行くよプロデューサー! ほーら捕まえてごらーん♪」バッシャバッシャ

武内P「ええ・・・その・・・ほ、本田さーん・・・!」タッタッタ

未央「こっちこっち~♪」バッシャバッシャ

武内P「ま、待ってくださーい・・・!」タッタッタ


未央「あっはははは♪ これけっこう楽しいね♪」バッシャバッシャ

武内P「クス・・・」

トントン

「ちょっといいかな、君。水着の女の子を追い回してるスーツの男がいるって通報があったんだけど」

武内P「え・・・?! い、いえ、私は・・・!」

未央「わー! ち、違うんですその人はー!」

・・・


・・・

未央「いやー遊んだ遊んだ♪」

武内P「ラーメンを2人前、お願いします」

「かしこまりました~♪」

未央「いいよね、海の家のラーメン。焼きそばとかカレーも捨てがたいけど」

武内P「はい。泳ぎ疲れ、空腹でもある時に食べる時の美味しさは格別のものでしょう。もしかしたら景観、潮の香りも関係しているのかもしれません。塩分を欲する身体に―」

未央「ちょ、かたいかたい! こういう時は雰囲気とか場所も心のままに楽しめばいいの! ここで、二人で食べるから美味しくなるんだよ!」

武内P「クス・・・はい、そうかもしれませんね」

未央「そうなんだって♪」


「お待たせしました~♪ 熱いので、ふーふーして食べてくださいね?」

未央「うわぁ、美味しそー!」

武内P「はい」



未央「プロデューサー!」

武内P「はい?」

未央「来年の夏も一緒に来たいね♪」

武内P「そうですね。今度は、みなさんとも一緒に」

未央「えへへ♪ 慰安旅行、期待しちゃうよ! それじゃ、いっただっきまーす!」

武内P「いただきます」

・・・


・・・

未央「いやーああいうところで食べるラーメンって妙にお、いし・・・い・・・よね・・・あ゙」

未央(まずった・・・! 流れを止めようとして余計なことまで喋った・・・!)

未央「た、楽しみだね・・・! みんなで旅行!」

みく「・・・ねぇ未央ちゃん」

未央「な、なにかなみくにゃん・・・」

みく「どういう経緯で二人で海へ行ったのか、の申し開きがまだにゃ・・・」

智絵里「私も知りたいな・・・すごく」

卯月「夏ってことはソロ活動を始める前ですよね」

未央「そ、それはほら・・・! 海の家でアイドルが働くって企画を聞いて、プロデューサーに見学できるようにお願いしたんだよ・・・! 勉強として!」

未央(・・・いっそガチンコでぶつからせて・・・お前やるな、お前こそ的友情展開に・・・いやいやいやあたし達アイドル!)

未央「い、いやー愛梨さん達すごかったなー! あは! あはははははは・・・!」


蘭子「いいなぁ、海・・・はっ?!」

蘭子「んんっ・・・! 我が友との魂の絆、後れを取らぬことをここに示さん!」

・・・


蘭子
安価
2015/10/18(日)21:00:00:00に最も近いレス

254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 21:00:00.21 ID:CqT1rvFT0
手作りのハンバーグをあーんで食べさせてあげた


・・・

蘭子「我が友よ・・・」ヒョコ

武内P「?何でしょうか」

蘭子「あの・・・その・・・」

蘭子「・・・我がアテネの園にて禁断の果実の錬成が行われる・・・」

蘭子「しかし、我が魔術は未だ完成に至らず・・・故に友よ」

蘭子「その鍛錬に、貴方の力を貸してほしい・・・!」

武内P「・・・」ペラ…

武内P(・・・学校の調理実習でハンバーグを作るからその練習に付き合ってほしい?)フム…

蘭子「裁定は如何に・・・」

武内P「分かりました。私でよろしければ何でも仰ってください」

蘭子「本当・・・!?」

武内P「はい」

蘭子「わぁ・・・!」

武内P(学業へのフォローも今一度考える必要がありそうですね)

蘭子「ふふふ、では我が友よ。光と闇が交わる時、安息の神殿にて待つ。儀式の贄は我に任せよ!」

蘭子「ハーハッハッハ!闇に飲まれよ!」テテテテテ…

武内P(女子寮・・・また許可を取らなくては・・・)

・・・


・・・

蘭子「ククク、魂が猛るわ・・・!」

武内P「それでは始めましょう」

蘭子「魔導書はここに」ハイ

武内P「拝見します」ペラ…

武内P(煮込みハンバーグ・・・!)


武内P「器具も材料も十分あるようですし、別れて工程を確認しつつ調理していきましょう」

蘭子「それが良さそうね」

武内P「まずは玉ねぎをみじん切りにし、しんなりするまで炒めます」トントントン

蘭子「敗北の一筋・・・!」ザクザク ウルウル

武内P「玉ねぎを切ると涙が出るのは切られた際に発生する物質が目や鼻を刺激するためだそうです。調理実習で出来る対策は・・・鼻栓でしょうか?」ジュー

蘭子「乙女にそれはできぬ・・・!」ジュー


武内P「冷ました玉ねぎ、ひき肉、牛乳で湿らせたパン粉、卵、小麦粉をボウルに入れてよく混ぜます」ムギュムギュ

蘭子「創生の時♪」グチャグチャ

武内P「そうですね」コネコネ

蘭子「団結し時、生命の根源より来る結晶と香る秘薬を与え更に力を高めるわ」ネチャネチャ

武内P「50回以上は混ぜるようにしましょう」


武内P「ではハンバーグの形を整えます。種を小判型丸めましょう」コネコネ

蘭子「八尺瓊勾玉♪」ペタペタ

武内P「・・・生焼けは恐いのでもう少し小さめにしましょう」

蘭子「・・・うむ」シュン…

武内P「丸めたらキャッチボールのようにし内部の空気を抜きます。こうすることで加熱時に割れること防ぎ、肉汁も閉じ込められます」パンパン

蘭子「んっ・・・! ふっ・・・!」ポフポフ


武内P「では・・・」



蘭子「・・・ごくり」



武内P「・・・焼きます・・・!」ジュー



蘭子「両翼を稲荷の色となるまで・・・!」ジュー



・・・


・・・

蘭子「上手に焼けました~♪」

武内P「後はキノコ類を炒めたものにソースの材料を入れ、煮立ったところにハンバーグを入れて更に煮込めば完成です」グツグツ

蘭子「ぐつぐつ。マグマ、どっかーん♪」グツグツ

武内P「大変よく出来ました」

・・・


・・・

蘭子「いざ! 実食!」

蘭子「感謝するわ、我が友よ。貴方とでなければこの境地へはたどり着けなかった・・・えと・・・」

蘭子「これ、プロデューサーに食べてほしくて・・・頑張ったの・・・! だから、プロデューサーに食べてほしい・・・な」

武内P「神崎さん・・・ありがとうございます。喜んでいただきます」

蘭子「じゃ、じゃあ・・・あ、あーん・・!」スッ…

武内P「いただきます」パクッ

蘭子「ど、どう・・・?」

武内P「はい、大変おいしく出来ています。これでしたら本番もきっと上手くいくでしょう」

蘭子「やたっ・・・!」

武内P「では私のものは神崎さんに。どうぞ」スッ

蘭子「わぁ・・・! あむ・・・んふー♪」

武内P(いい笑顔です・・・)

・・・


卯月
安価
2015/10/18(日)23:00:00:00に最も近いレス

265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 22:59:59.82 ID:jQ7+b2V2O
頭を撫でてもらった


・・・

蘭子「甘美なる時であった・・・」

奏(よ、よく分からなかった・・・)

文香「心温まるお話ですね」

奏(分かるの!?)

凛「みんなこのくらいだったらよかったのに・・・」

奏(私だけ分かっていないの・・・!?)

卯月「みなさんけっこうプロデューサーさんといろいろなことしていたんですね」

・・・


・・・

今西部長「それじゃ、私はもう行くよ」

武内P「はい、ありがとうございました」

卯月「おはようございまーす」ガチャ

武内P「おはようございます、島村さん。今日はオフだったはずですが・・・」

卯月「えへへ。なんだかこの前のライブの興奮が抑えられなくて、つい来ちゃいました」

部長「それならちょうどいいじゃないか。最初は彼女にしてはどうかな?」

武内P「そう、ですね」

卯月「・・・?」

部長「はっはっは。まあそう気負わずに」

卯月「あ、お疲れ様でした!」

バタン


卯月「なにかお話しされていたんですか、プロデューサーさん。最初は私って・・・」

武内P「はい、実はこれなのですが・・・」ヒョイ

卯月「箱・・・くじ引き?」

武内P「はい。まだまだ私は皆さんを労うことが不十分なのではないかと相談したところ、これをお貸しいただきまして・・・」

武内P「くじで出た内容を行うという趣向のものだそうです」

武内P(前川さんや三村さんとは度々軽食をとりに行ったりしていましたがそれでも仕事の合間の休憩や仕事の相談として・・・)

武内P(確かに、あまり彼女たちを労うための行動はしてこなかったように思う)

武内P(彼女たちは未成年であり給与の管理はご両親らにしていただいている。アイドル活動を楽しんでいただけているのは良いが、自分の仕事に対する対価、認められているということを実感しにくい状況でもある)

武内P(・・・島村さんの不調の原因の一つにそれもあったのかもしれない)

武内P(あまり・・・いや、まったくわがままを言わない彼女たちを労うにはよい方法ではあるように思う・・・が)

武内P「とはいえ、どんな内容があるのか把握していないので確認しようとしていたところです」

卯月「なるほど~! それで私に」

武内P「よろしければ、一緒にご確認していただけますか?」

卯月「はい、いいですよ! えへへ、なんだか楽しそうですね!」

武内P「では、引きます」

ガサゴソ スッ…

『頭をなでなでする』

武内P「女性の頭に軽々しく触る行為は却下」ビリッ

卯月「ええっ!?」


武内P「まったく・・・申し訳ありません、島村さん。流石にこのようなものを利用するのは―」

卯月「あ、あの!と、とりあえず試してみるのはどうでしょうか?!」

武内P「しかし―」

卯月「た、確かに凛ちゃんやアーニャちゃん達みたいなクールな人たちにはちょっとってなるのかもしれないですけど私はプロデューサーさんにされたらたぶん嬉しいです!」

武内P「そう、なのですか・・・?」

卯月「はい!」

武内P「・・・」

卯月「・・・!」

武内P「で、では・・・失礼します・・・」

卯月「どうぞ!」


ナデナデ

卯月「わっ・・・えへへ・・・♪」

武内P「どうでしょうか・・・?」ナデリナデリ

卯月「はい・・・頭を撫でられて褒められるのとか、ちょっと子供っぽいかなって最初は思ったんですけど・・・」

卯月「おっきくて、温かくて・・・優しくて、なんだか安心します・・・♪」

武内P「・・・お喜びいただけているようでしたら、なによりですが・・・」

卯月「はい・・・♡」


ナデナデ

卯月「あ、あの・・・」

武内P「はい・・・?」

卯月「ちょ、ちょっとその・・・ワンちゃんとかにするみたいに、両手でわちゃわちゃって、してもらっていいですか・・・?」

武内P「わちゃわちゃ・・ですか?」

卯月「お、お願いします・・・!」

武内P「分かりました・・・」

卯月(わっ・・・頭、包まれちゃった・・・)

ワチャワチャ

卯月「わぷっ・・・! ・・・えへへへへ♪」

卯月「これいいですね、すごく・・・」

ワチャワチャ

・・・


・・・

スッ…

卯月(あ・・・終わっちゃった・・・)

卯月「ふふっ、ぐちゃぐちゃになっちゃいましたね」

武内P「すみません、やりすぎてしまったようで・・・!」

ナデリナデリ

卯月「あ、ありがとうございます」

卯月「プロデューサーさんも楽しかったですか? だったらいいです♪」

武内P「ありがとうございました。それで、どうだったでしょうか・・・?」

卯月「はい、とっても気持ちよかったです・・・♡ ありがとうございました、プロデューサーさん♪」

卯月「あっ、でもやっぱり人は選ぶ・・・の・・・かな?」

武内P「そうですか・・・では、あまりこれは使うべきではないようですね」

卯月「あ、あの・・・よければ他の内容も確認してみませんか・・・? 私でよろしければおつきあいしますから・・・!」

武内P(ふむ・・・大丈夫そうなものだけ残せば、いいのでしょうか・・・?)

武内P「・・・では、お願いしてもよろしいでしょうか」

卯月「はい! 島村卯月、頑張ります♪」

・・・


美波
安価
2015/10/18(日)20:00:00:00に最も近いレス

246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 19:59:46.57 ID:XC5VsF5DO
>>238

238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/10/18(日) 19:59:25.85 ID:H2qrZhxGO
雑誌の企画で理想の1日デートをPを彼氏に設定して行った


・・・

卯月「えへへ、次はどんなことしてもらえるのかな~・・・♪」

凛(卯月まで・・・)キリキリ

「「「「「・・・」」」」」

未央「み、みなみんはどうかな・・・!?」

未央(流れを止めたら爆発する・・・!)

美波「私は~・・・ふふっ、実は私もデートしてもらっちゃった♪」

美波「―て、言ってもお仕事だったんだけどね」

・・・


・・・

美波「デート、ですか・・・!?」

武内P「はい。雑誌の企画で、ソロ活動も始め、男女に関わらず高い人気を博する新田さんが理想に思うデートの内容やスポットをコラムとして執筆していただきたいと」

美波「あ、なんだ・・・実際に誰かと行って来いってものじゃないんですね。よかったぁ」

武内P「いかがでしょうか。お受けするかの返事も締め切りもすぐというわけではありませんので、もしお嫌でなければ考えておいていただけると」

美波「あ、いえ。これも新しい冒険ですから。新田美波、頑張ります!」

・・・


・・・

美波(―とは言ったものの・・・)

美波(デート・・・理想のデート・・・? なんだろう・・・)ウーン

美波(困ったわ・・・経験がないから基準が分からないのよね。ただやってみたいことを挙げていっても一般的なものとギャップが大きいかもしれないし・・・)ウーンウーン

美波(やっぱりプロデュ・・・男の人とのを想定よね・・・ということはアーニャちゃんとお買い物に行ったこととかはあんまり参考にならないかもしれないし・・・)ウーンウーン

美波(時期に合わせる必要もあるかしら・・・ハロウィン、クリスマス、お正月・・・混ざったりしちゃ駄目だし・・・)ウーンウーン…

美波(あ、誰に向けたものかも大事よね。やっぱり美嘉ちゃんに莉嘉ちゃんが憧れるみたいに年下の子向けに意識した方がいいかしら・・・? ということはちょっと大人の雰囲気も出しつつ―ってだ、駄目よアイドルなんだからそんなはしたないこと・・・!)ブンブンッ

アーニャ(・・・ミナミ、さっきからどうしたのでしょう)


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira139036.jpg
城ヶ崎美嘉(17)

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira139037.jpg
城ヶ崎莉嘉(12)



アーニャ「ミナミ」

美波「え? あ、アーニャちゃん。ごめんなさい、ちょっと考え事してて・・・」

アーニャ「気にしないでください。それより、焼きイモどうですか?」ホクホク

美波「あら、美味しそうね。それじゃあせっかくだからいただこうかしら」

アーニャ「ダー、どうぞ。となり、座りますね?」

アーニャ「何かありましたか?」モッモッ

美波「うーん・・・実は―」

・・・


・・・

アーニャ「理想のデート、ですか・・・」モッモッ

美波「せっかくプロデューサーさんが持ってきてくれたお仕事だから頑張らなきゃって思うんだけど、知らないままでどうしたらいいのか・・・」モッモッ

美波「―って駄目ね。演技とか、知らなくても努力して上手にこなしちゃう人だっているんだもの。甘えてられないわ」

アーニャ「ニェート、それなら実際にプロデューサーとデートすればいいと思います」

美波「なるほどその手が―ってええ!? だ、駄目よそんなこと!」

アーニャ「デートは経験できることです。やってみればミナミの理想、分かると思いますよ?」

美波「で、でもプロデューサーさんだってお仕事とかあるだろうし、それに・・・・・・いいの? アーニャちゃん、プロデューサーさんのこと・・・」

アーニャ「ダー。でも、ミナミもプロデューサー好き、ですね?」

美波「え?! い、いやその・・・! いつから・・・?」

アーニャ「分かります。でも、遠慮はしてほしくないです。私はミナミのことも好きですから」

アーニャ「私は北海道まで連れていってもらえました。だから、ミナミもデートするべきです」

アーニャ「これからはよきライバルでもありましょう」グッ


美波「アーニャちゃん・・・! 分かったわ。私、プロデューサーさんをデートに誘ってくる!」スクッ

アーニャ「ダヴァイ、ミナミ!」フリフリ

パタパタパタ…

アーニャ「・・・はぁ」

アーニャ(あれでよかったのでしょうか・・・)

アーニャ(ミナミには幸せになってほしい・・・ですが、プロデューサーは私を愛してしまっている・・・)

アーニャ(せめて良い思い出を、ミナミ・・・)

・・・


・・・

美波「ぷ、プロデューサーさん!」バタンッ

美波「わ、私とデートしてください!」

武内P「はい。アナスタシアさんから伺っています。私でできることなら何でも仰ってください」

美波「えっ・・・あ、はい・・・よろしくお願いします・・・」カァァ…

美波(アーニャちゃん・・・ありがとう・・・でも話を通しておいてくれたことは先に言っておいて欲しかったなぁ・・・)

武内P「スケジュールの調整をしておきましょうか」

美波「あ、はい。私はこの日とこの日、それから―」

美波(―ってデートプランを考えることには変わってないじゃないっ!)

・・・


・・・

美波「服、これでよかったかしら・・・」

美波「・・・」

武内P『―そうですね。新田さんの理想を探すことが目的であることですし、考えるのは後にして一度なんでも経験してみるのはいかがでしょうか』

美波(―って言ってもらえたから可能な限り詰め込んでみたけど、やっぱりちょっと忙しいかったかしら・・・? 1日じゃ終わらないし・・・)

美波「・・・あっ、プロデューサーさーん!」フリフリ

美波「すみません、お待たせしました!」パタパタ

武内P「いえ、私も今来たところですので」


美波「ふう・・・」

武内P「まずはどちらに?」

美波「最初はショッピングに。もう冬物も出ているでしょうから見に行ってみませんか」

武内P「分かりました」

美波「はいっ。あ、そうでした」ガサゴソ

美波「実はしおりも作っちゃいまして。プロデューサーさんの分も。どうぞ♪」

武内P「旅行のようですね」クスッ

美波「ちょっとわくわくしちゃいますよね」

・・・


・・・

美波「わぁ、この靴かわいい・・・」

美波「プロデューサーさんは何かいい物見つけましたか?」

武内P「いえ、これといっては・・・」

美波「・・・プロデューサーさんの靴、靴底がだいぶすり減っていますね・・・」ウーン

美波「いい機会だから新調しませんか? あ、もう寒くなりますしコートも一緒に! 選ぶのお手伝いしますから!」

・・・


・・・

武内P「良い買い物ができました。ありがとうございます、新田さん」

美波「いーえ♪ プロデューサーさん、なんでも似合って私も楽しかったです!」

美波「―はっ、もうこんな時間!? 大変っ、次の映画を見逃しちゃったらその後の水族館も遊園地も遅れて予約したクルージングが・・・!」

美波「すみませんプロデューサーさん、ちょっと急ぎましょう!」

武内P「は、はい。分かりました」ガサゴソ

美波(―はっ!? これからいろいろ行くのにお買い物先にしちゃったから荷物が・・・! もう、美波のばかばか!)


美波「ふう、間に合った・・・」

武内P「ポップコーンと飲み物を買ってきました」

美波「わっ、大きい! ふふっ、プロデューサーさんってけっこう食いしん坊だったりします?」ヒョイパク

武内P「そう、でしょうか・・・?」ムグムグ

美波「うふふっ♪ あ、始まりますね」

・・・


・・・

ボー ザブーン

美波「・・・夜風が気持ちいですね」

美波「楽しんでいただけましたか、プロデューサーさん?」

武内P「ええ、非常に密度の濃い1日でした」

武内P「次回は・・・テニスにゴルフ、ピックニック・・・アウトドアですね。そちらも楽しみです。その次は―」ペラッ

美波「ちょ、ちょっと詰め込みすぎちゃいましたねっ。まずはその、定番かなぁというところを選んでみたんですけど・・・!」


武内P「新田さんのお仕事の参考にはなったでしょうか?」

美波「うーん、実はその・・・理想のデートって言われるとまだ少し分からなくて・・・今日もちょっと失敗しちゃったなってことがあって・・・」

美波「あ、もちろん楽しかったんですよ?」

美波「でも、デートって・・・好きな人と一緒に楽しんだりしたくてするものだと思うんです。でも、それだけだったら友達と遊ぶのとそんなに変わりがなくて・・・」

武内P「そうですね・・・」

武内P「私も決して詳しいわけではありませんが・・・」

武内P「男女の交際には時間の共有の他にも、相手を知ることと自分を知ってもらうという役割もあるのではないでしょうか」

美波「自分を、相手を知ること・・・」

武内P「そういったことを加味すれば、今日のことは私にとって大変有意義なものでした。貴女が、バイタリティ溢れるアグレッシブな素敵な人であると、改めて知れたのですから」

美波「プロデューサーさん・・・!」

美波「そっか・・・分かりました。きっと、1回のどんなデートをするかが大事なんじゃないんです」

美波「誰と、どれくらい積み重ねていくかが大切なことなんだなって・・・!」

美波「だからプロデューサーさん? また次も、その次も本番もよろしくお願いしますねっ♪」

武内P「はい」


美波「ふふ、ネオン綺麗・・・あ、車! そうだ、ドライブとかもしてみたいです! オープンカーとかっ!」

武内P「はい。お供させていただきます」クスッ

武内P「それと、忘れないうちに・・・これを」ガサゴソ スッ

美波「これって・・・!」

武内P「お気に召していたようだったので、私の靴とコートと一緒に。そのせいで映画に遅れそうになってしまいましたが・・・」

武内P「本日のお礼に。ありがとうございました」

美波(シンデレラに・・・靴だなんて・・・♡)

美波「・・・プロデューサーさん」

美波「やっぱり今日が理想のデートでした・・・♡」

・・・


・・・

美波「楽しかったなぁ・・・♪」

美波(それに、まさかプロポーズまでされちゃうなんて・・・♡)

美波(はっ・・・! いけないわ、美波。この空気、話の流れから察するにみんなプロデューサーさんのこと・・・)

美波(クルージングのこと、婚約したことはまだ秘密にしておいた方がよさそうね。みんなのモチベーションに影響が出たらあの人の迷惑になっちゃう・・・!)

美波「・・・遊園地の後はディナーをすませてそのままって感じだったかしら」

美波「あと何度かいろいろなところに行って、コラムもちゃんと書けられました♪」

アーニャ「よかったですね、ミナミ」

美波「うん♪ アーニャちゃんに相談して本当によかったわ」


みく(仕事、あくまで仕事・・・みくはもっと行ってるもん・・・)

美波「みくちゃん達はどうだったの? プロデューサーさんと」

凛「!?」

文香(迂闊でした・・・! 後から来た方が再び話を振る可能性を考慮していなかった・・・!)

奏(今までは爆弾を大きくすることを代償に、次の人に話させて爆発を回避してきたけど―!)

未央(もう話を振れる人がいない・・・!)


凛(対抗意識を燃やしてる今話なんてさせたら、絶対さっきの話プラスアルファの何かが来る・・・!)

凛(そんな、ここまでなんて・・・)

文香(・・・仕方ありません。予定より早いですが奥の手をここで―)

奏「ちゃんとみんな仲良くやれていたそうよ。プロデューサーさんと」

凛(奏・・・!?)

奏(まだ・・・私から話した方が影響は少ないはず・・・)


奏「アナスタシアちゃんは北海道のご両親へCDを届けに小旅行」

奏「みくちゃんは猫カフェ巡り、李衣菜ちゃんは一緒にお料理」

奏「杏ちゃん達は一緒にお掃除したりね」

奏「不器用そうなのに優しくて、本当に素敵なプロデューサーさんね」

アーニャ「カナデ、もっと詳しく・・・」

アーニャ(あまり牽制になりません)

奏(話させられないから私が話してるのよ・・・!)

奏「羨ましいわ。私も今度デートに誘ってみようかしら?お礼もかねて、ね」

「・・・は?」

奏(い、いい今の誰が言ったのかしら・・・?!)


奏(で、でも・・・!たとえ矛先を私に向けてでも時間を稼がないと・・・!)

みく(莉嘉ちゃんが言ってたっけ・・・クローネがPちゃんを誘惑してたって)

卯月(本当だったんだ・・・)

智絵里(ひどいです・・・私から、プロデューサーさんまで盗るつもりなんだ・・・)

アーニャ(あれでは釘を刺したりなかったのでしょうか・・・)



奏(・・・泣きたい)


美波「そうよね・・・みんなも好きになっちゃうわよね」

未央「そ、そんなはっきり・・・」

みく「それは・・・美波ちゃんも?」

美波「ええ、私もプロデューサーさんが好き」

美波「でもね、今すぐに深い関係になりたいってわけじゃないの。それは、みんなも同じじゃないかしら?」

美波「プロデューサーさんとの居場所、シンデレラプロジェクトを守りたい―」

美波「プロデューサーさんとの夢、トップアイドルになりたいって」

美波「今私たちがいがみ合ってもただプロデューサーさんに迷惑をかけてしまうだけ・・・」

美波「それに、プロデューサーさんのことだもの。トップアイドルにでもならない限り受け入れてくれないでしょうし、ね」

美波「だから、今はお互い競いつつも協力すべきなんじゃないかしら?」

美波「私たち、これからは良き仲間であり、良きライバルでもありましょう。ねっ♪」


凛(ど、どうなる・・・!?)

蘭子「・・・うむ」

みく「・・・あ~あ、今のうちにライバルを減らしておきたかったんだけどにゃあ~」

アーニャ「勝負は一旦お預け、ですね」

智絵里「負けません・・・でも、今は」

かな子「うん♪」

卯月「はい! 一緒に頑張りましょう!」


文香(ま、丸く収まった・・・! やった・・・!)

未央(すごいよみなみん! もう一生だってついていくよ・・・!)

李衣菜(ど、どうなるかと思った・・・)

杏(あーよかった、本ッ当によかったぁ・・・! ゆ、ユニット内で修羅場とか洒落になんないよ!)

奏(よかった~~~~~~!!!)グスッ




(・・・でも、婚約しちゃっているのよね、私)



(頻度では圧倒しているはず・・・油断している間に突き放してやるにゃ)



(クローネの活動も増やして、いち早くトップに・・・!)



(くじ引きの紙、足しておかなきゃ・・・)



(またお家に遊びに行こうっと)



(信じてます、一緒だって・・・)



(ちゃ、ちゃんと・・・本当の言葉でしゃべれるようになろう・・・!)






(できれば諦めてほしいけど・・・)



(プロデューサーと一緒にいられなくなっちゃうかもしれないし・・・)



(プロデューサーの立場が危なくなってほしくもないし、今だけはこのまま・・・)



(見逃してあげる・・・)




ガチャッ

莉嘉「おっはよー!」

赤城みりあ「あ、みんないる!」

諸星きらり「にゃっほーい!」


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira139042.jpg
赤城みりあ(11)


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira139043.jpg
諸星きらり(17)


莉嘉「みんな一緒なんてひさしぶりー!」

みりあ「ねー♪ あっ、文香さんと奏さんもいる!」

奏「こんにちは。オータムフェスのお礼を言いに来たの」

文香「プロデューサーさんを待たせてもらっている間に、プロデューサーさんとのことを聞かせていただいていました」

きらり「Pちゃん?」

凛「うん、けっこうみんな仲よかったんだなって」

莉嘉「へー、アタシ達もけっこう仲いいよ☆」

みりあ「一緒にデートしたもんねー♪」

きらり「うっきゃー☆」

凛「うんうん」

凛(安心して話を聞けるって、こんなに幸せなことだったんだ・・・)


きらり
安価
2015/11/4(水)20:00:00:00に最も近いレス

382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 20:00:00.75 ID:zW47kQXu0
お姫様抱っこされた事がある


莉嘉「あっ、そうだった! えーっと・・・」ガサゴソ

莉嘉「じゃじゃーん! きらりちゃんのブライダルの仕事が載ってる雑誌買ってきたんだー☆」

未央「おお、すごい! きらりんそんな仕事来てたんだー!」

きらり「うぇへへへ☆ とーっても、楽しかったにぃ♪」

卯月「雰囲気だいぶ違いますね!」ペラ…

アーニャ「私も着てみたいです」ペラ…

智絵里「綺麗・・・」ペラ…



(私の時はどんなのがいいかなぁ・・・)



みく「みくにもこういうお仕事来ないかなー・・・―ッ!? なんでPちゃんが写ってるにゃ!?」ペラ…

きらり「うきゅっ!?」

・・・


・・・

カシャッ カシャカシャッ

「はーい、いいよーきらりちゃん。次、目線こっちねー」

きらり「はーい☆ ―っとと、ドレスだから、おしとやかにしなきゃ・・・」

カシャッ カシャカシャッ

「はいOK~!それじゃ、いったん休憩ね」


武内P「お疲れ様です」

きらり「あっ、Pちゃん! おっつおっつ☆」

武内P「衣装を着替えた後、最後に新郎役の方と教会の入り口正面での撮影となります。機材の準備が整うまで休憩していてください」

きらり「うん☆ ねぇねぇPちゃん。きらり、ちゃんと花嫁さん出来てたかなぁ?」

武内P「はい、諸星さんの新たな魅力も出ていたように思います。残りの撮影もこの調子で頑張りましょう」

きらり「うん!」

きらり「・・・きらり、みんなよりちょっと大きいからこんなかわゆいドレスが着れるお仕事させてもらえるなんて思わなかったにぃ・・・♪」

武内P「そのスタイルも紛れもなく貴女の魅力です。今後もモデルの仕事は多く来ることなると思いますので、よろしくお願いします」

きらり「そっかー・・・うぇへへへ☆」

「失礼します。次の衣装の準備お願いします」ガチャッ

きらり「あっ、はーい! それじゃあPちゃん、行ってくるにぃー☆」

武内P「はい。先に撮影場所まで行っていますので」

きらり「うん! きらりん、頑張るからちゃーんと見ててねー☆」

・・・


「まいったなぁ・・・」

「他のところも確認してきます!」タッタッタ…

武内P「?どうかされましたか?」

「ああ、きらりちゃんのプロデューサーさん。それがさぁ、新郎役の人が天候不良で前の撮影場所から来られないらしいんだよねぇ」

武内P「それは・・・」

「今代役探せないか他の事務所とかにも連絡させてるんだけど、ちょっと難しいかねぇ・・・」

武内P「後日改めて撮影ということに?」

「いやー・・・今日終わらせないとちょっと締め切りがきついかなぁ・・・」

(きらりちゃんに合うのってなるとなかなかいないからなぁ・・・)

(身長もだけどある程度がたいも良くないと・・・)

(そうそうせめてこのプロデューサーさんくらいには・・・・・・ん?)

「・・・」

武内P「・・・?」

(いや、この凶悪な犯罪者のような面はブライダルのモデルに相応しくないだろう・・・手配書じゃないんだぞ)


(しかし他に手も・・・―そうだ、お姫様抱っこをさせて角度に気を付けてきらりちゃんのアップの絵にすれば顔は写らないんじゃないか・・・?)

「あー・・・プロデューサーさん?ちょっとお話が―」

武内P「はい・・・?」

・・・


「きらりちゃん入りまーす」

きらり「おにゃーしゃー☆」

「おっ、いいねー! 新郎役の人もすぐ来るからねー」

「入口の階段のところでお姫様抱っこしたところを撮るから」

きらり「はーいっ―・・・え?」

「おおー来た来た。それじゃ、よろしくねー」

きらり(お姫様抱っこ・・・Pちゃんの前で・・・)

きらり(あっ、ううん・・・! お仕事だもん、ちゃんとやらなきゃ・・・)

きらり(そういえばPちゃんどこにいゆのかな・・・先に来て待ってゆって言ってたのに・・・)

武内P「お待たせしました、諸星さん」

きらり「あっ、もうPちゃんたらどこに―にょわっ!?」

武内P「へ、変でしょうか・・・」

きらり「な、ななななんでPちゃんが・・・!? タキシード着てるにぃ・・・!?」

武内P「それが、新郎役だったモデルの方が来ることができなくなってしまったらしく、急遽代役にと・・・」

きらり「にょわー・・・!」

きらり(Pちゃんとウェディングドレスで撮影・・・!)


「それじゃプロデューサーさん、よろしく」

武内P「は、はい。それでは諸星さん、失礼します・・・!」ガシ ヒョーイ

きらり「うきゃー! きゃー! Pちゃん力持ちー☆」ジタバタ

「そのまま自由でいいよー」カシャッ カシャカシャッ


きらり「うぇへへへ☆ きらりね、お姫様抱っこされるの憧れてたんだー♪」

武内P「そうなのですか?」

きらり「うんうん☆ でも、きらり、みんなよりちょっと大きいから無理なのかなーって」

きらり「だから今すっごくハッピハピしてゆっ♪」

きらり「でもPちゃん、無理しなくていいからね?大きいから重いし・・・」

きらり「・・・・・・断ってくれても良かったんだよ・・・?」

武内P「いえ。大切な、諸星さんの仕事ですから」

きわり「・・・・・・にょわー・・・♡」


カシャカシャッ

「うん、いいかな。一旦確認してきますんで」タッタッタ…


きらり「うぇへへ☆もう、Pちゃんお顔かたいにぃ」

武内P「も、諸星さんがメインですので、私は・・・」

きらり「だーめ☆ 一緒にハッピハピしよ?」

きらり「・・・・こちょこちょ」

武内P「―っ! ぐふっ・・・くっ・・・ふふっ・・・も、諸星さん・・・! 危ないので・・・ふふふっ・・・やめてください・・・!」ククク

きらり「んふふー☆」ギュー


「・・・ん、いい感じに撮れてるな」カチカチッ

「落ち着いたきらりちゃんもかわいいわー」

「じゃあ機材片付けはじめるっすね」

「ああ・・・―いや、ちょっと待った」フッ…

「え?」

「もう一枚撮ってくる」



ウェヘヘヘ フフフ…



「引きの絵も欲しくなった」

      ―カシャッ

・・・


みりあ
安価
2015/11/4(水)21:00:00:00に最も近いレス

385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 21:00:00.53 ID:OOV3wdpAO
一緒にお風呂に入って体を洗いっこした


・・・

きらり「うぇへへへ☆ Pちゃんかっくよかったにぃ♪」

かな子「プロデューサーさんの笑顔、撮り逃しちゃったことあったよね」

美波「素敵な笑顔・・・私も後で買っておかなくちゃ」

莉嘉「ねぇねぇ、Pくんときらりちゃんってけっこうお似合いじゃない?」

凛(!? 莉嘉! それは地雷・・・!)

きらり「うきゅっ!? ええっと、Pちゃんにはきらりよりももっといい人が・・・」

みく「こーら、あんまり困らせちゃダメにゃ」

奏(や、優しくたしなめた・・・!)

文香(平和・・・! 圧倒的平和・・・!!)

みりあ「わたしもねー、動物園に連れていってもらったことあるよー!」

・・・


・・・

ブロロロロロン…

みりあ「あっ、見えてきたー!」

みりあ「えへへ♪ 楽しみだね、プロデューサー!」

武内P「はい。雨もすっかり止んだようで、これならどこも問題なく見て回れそうですね」

みりあ「うん! 連れてきてくれて、ありがとうございます!」

武内P「いえ、取材前に見ておきたいと考えられたことは素晴らしいと思いましたし、これくらいなら」

みりあ「かな子ちゃんと智絵里ちゃんがね、取材前にそうしてよかったーって言ってたから!」

武内P「そうでしたか。次に行く動物園の場所までだいぶ距離がありますのであまり長居はできませんが、楽しんで、お仕事の参考になればよいですね」

みりあ「うん♪」

・・・


・・・

ブロロロロロン… バッシャーン

みりあ「車のまま回れるんだー・・・! あっ、あの車エサあげてる!」

武内P「ええ。サファリゾーンは自家用車でコースを走ることができる他に、バスやナビゲーションカーを利用すればオフロードの走行や金網越しに動物へのエサやりができるそうです」

みりあ「みんなで回ったら楽しそうだねっ♪」

武内P「取材の時には利用して回ることになります」

みりあ「楽しみだな~・・・♪」


みりあ「象さんおっきいー!」

武内P「象は人間には聞こえない程の低周波音で会話ができるそうです。更に足の裏が繊細で数十キロ先の音も捕えることができるとか」

パオーン

ブロロロロロン…

みりあ「きりんさんながーい!」

武内P「キリンの首は非常に長いですが、実は多くの哺乳類と同様に骨は7つなのだそうです。また、1日の睡眠時間がわずか20分で足りるとか」

モー

ブロロロロロン…

みりあ「トラさん寝てるー!」

武内P「トラはネコ科の動物の中では珍しく水浴びを好みます」

みりあ「プロデューサーくわしい!」

武内P「恐縮です」

ガオー

ブロロロロロン…

・・・


・・・

みりあ「運転お疲れ様、プロデューサー」

武内P「いえ。こちらはどこから見て回りましょうか?」

みりあ「えっとね、カピバラさんと一緒に入れる温泉があるんだって! そこ行きたいなぁ」

武内P「はい」

みりあ「えへへ♪ あっちだよ! 行こっ♪」


ジャブジャブ

みりあ「気持ちいいね♪」

武内P「人間用は足湯なのですね」

みりあ「私足湯初めて! あったかーい・・・♪」

みりあ「ちょっと休んでいこうね。今日は遠くまでお疲れ様、プロデューサー」ナデナデ

武内P「はい。ありがとうございます」

みりあ「えへへー♪」

みりあ「カピバラさんかわいいねー♪」

武内P「あのカピバラ、足しかお湯につけていませんね」

みりあ「私たちと同じだー♪」

・・・


・・・

みりあ「帰ってきたー!」

みりあ「わっ、車すごい汚れてる!」

武内P「どこかで泥が跳ねたのでしょう」

みりあ「この車、みんなの送り迎えにも使うんだよね・・・あっ、じゃあじゃあ!今日のお礼に私が洗う!」

武内P「お気持ちは嬉しいのですが、赤城さん一人では・・・」

武内P「一緒にしましょうか」

みりあ「はーいっ♪」


みりあ「ざっぱーん♪」

みりあ「ごっしごっし♪」

みりあ「えへへ♪ また行きたいね、プロデューサー!」

武内P「はい」クス

・・・


・・・

みりあ「えへへ♪楽しかったな~♪」

卯月「この前のとときら学園の取材の前に行ってたんですね~」

美波「プロデューサーさんって、いいパパになりそうよね」

アーニャ「ダー、私もそう思います」

みりあ「ワガママ聞いてくれたり、褒めてくれたり!あと、優しく叱ってくれたりしそう!」

李衣菜「けっこう面倒見はいいよね」

杏「いやーまだまだ」

みく「杏ちゃんはもうちょっと自分のこと頑張ろうにゃ」

かな子「あはは♪」


莉嘉
安価
2015/11/4(水)22:00:00:00に最も近いレス

395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2015/11/04(水) 22:00:01.35 ID:akbJNELFo
一緒にプリクラ撮った


莉嘉「Pくんモテモテだね~」

莉嘉「アタシもデートしたよ☆ ゲームしたり~一緒にプリ撮ったり♪」

みりあ「一緒にゲームセンターに行ったんだよねー♪」

莉嘉「あっ、もう言っちゃダメだって!」

・・・


・・・

ドン ドン ドン ドコドコドン

フルコンボダドン

莉嘉「鬼フルコン!? えー! Pくんすごーい☆」

武内P「ふう・・・プロデューサーですから」

莉嘉「それ関係あるのー? よーし、次はアタシがカッコイイところみせちゃおっかなー☆」

武内P「頑張ってください」

莉嘉「いっくよー☆」

ドン ドン ドンドコ ドンドコ ドンドコ…

・・・


・・・

フルボッコダドン

莉嘉「ぶー・・・」

武内P「音楽ゲームは慣れが必要ですから・・・」

莉嘉「むー・・・あっ、じゃあPくん! 今度は一緒にやってみよっ☆」

武内P「一緒に・・・ですか?」

莉嘉「そうそう☆ えっとね、まずPくんがバチ持って・・・」ハイ

武内P「はい・・・?」

莉嘉「で、アタシがPくんの内側に入って、一緒に持つ!」ススッ…

莉嘉「ほらっ! こうすればPくんのリズムをアタシが覚えられるってわけ」フリフリ

武内P「なるほど・・・?」

莉嘉「いいからいいから♪ それじゃ、鬼にリベンジ!」

ドン ドン ドンドコ ドンドコ ドンドコ…

・・・

フルコンボダドン

莉嘉「やったー! Pくんすっごーい☆」ダキッ

莉嘉「ねえねえ、記念にプリ撮ろう! アタシたくさんデコッちゃうよ~☆」グイグイ

・・・


・・・

莉嘉「ほらほら、Pくんおっきいし狭いんだからもっと寄らないとはみ出ちゃうよっ」

武内P「は、はい・・・」ススッ…

莉嘉「行くよー! ハイ、チーズ☆」ギュー

パシャッ

莉嘉「ほら、Pくんも書いて書いて☆」カキカキ

莉嘉「んー・・・スペース足りない・・・」

莉嘉「よーし、もう一枚撮っちゃおー☆」

莉嘉「ねえねぇ、次はちゅーぷりとかしちゃう? きゃー☆」

・・・


・・・

奏(なぜかしら・・・たじたじになるあの人が容易に想像できてしまう・・・)

莉嘉「PくんもカリスマJCの魅力にメロメロになっちゃったんじゃないかなー☆」

みく「はいはい」

莉嘉「むー!」

凛(あ・・・そうか、敵として認識されてないんだ・・・)

みく「もう、Pちゃん押しに弱くてちょっと心配になるにゃあ・・・」

アーニャ「アー・・・そうですね」

みく「・・・なんでこっち見てるかは聞かないでおくにゃ」


莉嘉「まあ確かにPくんってモテそうだよね。CPの外にもすごく仲いい子とかいるし!」

文香「・・・え?」

莉嘉「例えばほら」

みりあ「えっ? あ、うん」



「「小梅ちゃん」」


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白坂小梅(13)


「・・・え?」



文香(再び空気が冷えた・・・!?)

智絵里「どう、して・・・?」

莉嘉「なんかお互い信頼してるって感じで話してたんだよねー、オータムフェスの帰り」

みりあ「小梅ちゃんすごいんだよ! プロデューサーの顔全然変わってなかったのに嬉しそうなこととか気づいたり!」

莉嘉「時々電話してるって話も聞いたことあるし!」

みりあ「頼りにしてた!」

蘭子「わ、私とも翼を並べている・・・!」

莉嘉「あっ、もしかしてPくんの元担当だったりするとか!」

文香(元担当・・・!?)


美波「・・・そうね、CPはかなり大きなプロジェクトだって聞いたことがあるわ」

美波「それを一人で任されるということは、プロデューサーさんには既に何かしら大きな実績があるということ」

美波「私と逢う以前から親しいアイドルが・・・いる」

卯月「そういえば、前の冬のライブのお手伝いをしてたって言っていました・・・!」

かな子「冬・・・小梅ちゃん、出てた・・・!」

智絵里「つまり、少なくとも小梅ちゃん、川島さん、楓さん、美嘉ちゃん、茜ちゃん、愛梨ちゃん、まゆちゃん、幸子ちゃん、美穂ちゃんは以前からの知り合い・・・」

アーニャ「そう、なりますね・・・」


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川島瑞樹(28)


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高垣楓(25)


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佐久間まゆ(16)


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輿水幸子(14)


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小日向美穂(17)


智絵里「とときら学園・・・」

杏「ち、智絵里ちゃん・・・?」

智絵里「プロジェクトの存続をかけた企画・・・どうして、愛梨ちゃんは引き受けてくれたのかな・・・?」

杏「そ、それは・・・」

智絵里「あやしい・・・」


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十時愛梨(18)


未央「そういえば、美嘉ねぇよくうちらの様子を見に来てくれるよね・・・」

卯月「! 宣材の撮影をしてた時、プロデューサーさんと話してました・・・!」

かな子「じゃあ、美嘉ちゃんが・・・?」

莉嘉「えー、お姉ちゃんはないよ」

莉嘉「だってお姉ちゃんはカリスマギャルだよ? もっと前から仲良かったらとっくにPくんメロメロにしちゃってるって!」

みりあ「そっか、じゃあ美嘉ちゃんは違うねー」


未央「美嘉ねぇのライブ・・・あっ、バックダンサーする私たちに茜ちんとみほちーがアドバイスしてくれる前に、プロデューサーが二人と話してたってスタッフさんが噂してたの聞いたことがある・・・!」

李衣菜「茜ちゃん・・・はっ、おでん作った時に自然に混ざっていた・・・!?」

美波「じゃあ、茜ちゃんが・・・? 美穂ちゃんはどうかしら・・・?」

智絵里「美穂ちゃんは、卯月ちゃんからプロデューサーさんがどういう人かって聞いたって言ってたし、違うんじゃ―」

みく「―待って・・・おかしい・・・」

かな子「お、おかしいって・・・?」

みく「あの時美穂ちゃんは、暗いところでPちゃんを見て驚いて3分気絶してたって言った・・・」

かな子「う、うん・・・」

みく「・・・・・・舞台裏も暗い」

かな子「!?」

みく「美嘉ちゃんのライブ、冬のライブ、どっちでもPちゃんと会ってたのに? 気絶? 絶対におかしい・・・」

かな子「そ、そんな・・・?!」


かな子「でも、それじゃプロデューサーさんも嘘をついたってことに・・・! 私達が来るまでの時間、二人で・・・!?」

みく「そ、外に女がいるってどういうことにゃ!!!」

文香「ひっ!?」

凛「お、おおおお落ち着きなって・・・!」

奏「まだ決まったわけじゃ・・・!」

凛(嘘・・・―はっ・・・?! か、楓さんを初めて見た時、あいさつしたのは同じ事務所だからって・・・)

凛(間違ってはいない・・・間違ってはいないけど、なにかごまかされた・・・!?)

凛(こ、これは黙っていよう・・・! うん、絶対に今言っていいことじゃない・・・!)キリキリ

卯月「そういえば、初めて楓さんを見かけたときも、挨拶したのは同じ事務所だからって・・・! プロデューサーさんがごまかした・・・プロデューサーさんがごまかした・・・」

凛(・・・・・・うづきぃ・・・)



アーニャ「・・・確認、しにいきますか?」

凛「!?」

奏(それだけは本当にまずい・・・!)


文香(まだ・・・まだなんですか・・・!?)キリキリ



美波「そうね・・・聞きに行きましょうか」

美波(過去の関係は綺麗にしておいてほしいし・・・)

智絵里(私にはプロデューサーさんだけ・・・プロデューサーさんには私だけ・・・)



文香(これ以上は、流石にもう・・・!)



ガチャッ

ありす「あの・・・失礼します」



文香「ありすちゃぁあああああああん!!!」ダダダダダッ ギュー

ありす「ふ、文香さん・・・!?」

文香「待って、待っていました・・・! 私、もうお腹が・・・!」キリキリ

ありす(そんなにお腹すいてたんだ・・・)

・・・


・・・

文香「すみません、少々取り乱しました・・・」

凛(逃がしたありすを呼んでいた・・・? どうして・・・?)

奏(これが・・・言っていた策・・・?)

凛(まあ、今ので殺気立ってたのが少し収まったけど・・・)

文香「んんっ・・・実は、ありすちゃんにはこの度のお礼のために得意料理を作っていただいていたのです」

文香「その・・・あまりに空腹だったので私の分もお願いして・・・」


文香(・・・・・・ありすちゃんの料理、なかなかエキセントリックであると聞き及んでおります・・・)



ありす「部屋を探してる間に冷めてしまってはと思って、今は一皿だけしか持ってきていないので・・・」コトッ



凛(文香はいったい何を・・・?)



ありす「皆さんの分はプロデューサーさんが帰ってきたらすぐにお持ちいたします」パカッ



文香(・・・・・・大変なことをうやむやにするのなら、もっと大変なことを起こせばよかったのです・・・)






ありす「お待たせいたしました、文香さん。橘流いちごパスタです」ホッカホカ



凛(テロ・・・!? あ、みんな引いてる・・・!)

奏(爆破オチ・・・!)


文香(私と・・・ありすちゃんと・・・クローネのみんな・・・)



文香(それを救ってくれた恩人を守れるのなら―!)



文香「いただきます・・・!!!」



パクッ



バターン



凛「ふ、文香ああああああああ!!!」



・・・


・・・



文香(実はありすさんが到着する前にはもう凸レーションの方々と蘭子ちゃんはいませんでした・・・きっときらりさんでしょう・・・子供に見せるような事態ではありませんでしたからね・・・)



文香(・・・・・・霞む視界・・・遠のく意識の中で、私は確かに見ました・・・)



文香(私を心配し・・・先ほどまでいがみ合っていたことを忘れ・・・慌て、救助に動かれる様を・・・)



文香(愛に狂わされようとも・・・彼女たちには確かに良心が残っていると・・・私は信じていました・・・






―・・・こうして、一人の文学少女の儚い命と引き換えに争いは終結し、

輝く星を目指す少女たちは、愛する人と、大切な仲間たちと

いつまでもいつまでも、仲良く平和に暮らしましたとさ・・・―



お・わ・り










凛「文香ああああ!!!」ユッサユッサ

文香「やめ、やめて凛ちゃん・・・いま、今ね・・・今綺麗に終われるところだったの・・・あと出ちゃう、出ちゃうから・・・」ガックガック


奏「いいえ、終わったわ・・・」

文香「奏ちゃん・・・」

奏「安心して、医務室よ」

奏「今頃みんな、プロデューサーさんと仲良くやってる・・・・・・はずだから」

文香「・・・間が気になりますが、私たちは勝ったのですね・・・ありすちゃんにもちゃんと埋め合わせをしないと・・・」ウルッ

奏「あれ、意外と美味しかったわよ? 体調が万全だったら、きっとこうならなかったわね。こういうのも怪我の功名っていうのかしら?」

文香「それは・・・余計に申し訳ないことをしてしまいました」


文香「では・・・行きましょうか」

凛「? 行くって・・・?」

奏「確認しに行くのね・・・外にも火種があるって分かってしまったから・・・」

文香「ええ・・・この事態を穏便に片づけられるのは、私たちしかいませんから」

凛「そんな・・・」

奏「凛ちゃん・・・」ポンッ

凛「奏・・・」



奏「私たちの戦いは・・・これからよ」

























           


・・・



奏「コーヒー入れるけど、凛と文香もいるかしら?」コポコポ

文香「では、いただきます・・・」ペラッ

凛「うん、お願い」

奏「はい、どうぞ」コトッ…

凛「はぁ・・・落ち着く・・・」ホゥ

文香「五臓六腑に染みわたります・・・」ズズー

奏「ふふっ、ただのインスタントよ?」


奏「どう、クローネとCPの両立は?もう慣れたかしら」

凛「・・・そうだね。ここも、私にはもう大切な居場所で、みんなも大事な仲間・・・かな」

凛「今ではこんなに安らげるんだから・・・」クピ…

奏「ふふっ、凛てけっこう恥ずかしいことを平気な顔で言うのね」

凛「奏ほどじゃないって」

奏「ふふっ」

凛「ふふふっ」



文香「・・・・・・さて・・・」パタン…



文香「そろそろ、現実と向き合いましょうか・・・」ズーン

凛「・・・・・・うん・・・」ズーン

奏「平和って・・・かけがえのないものだったのね。失ってから気づきたくなんてなかったわ・・・」ズーン


文香「CPの爆発を防ぐことはできました・・・」

文香「ですが、同時にプロジェクト外部にも脅威がある可能性を白日の下にさらしてしまいました・・・」

奏「プロデューサーさんの元担当・・・」

凛「で、でも・・・言うほど危機的状況ってわけじゃない・・・よね?」

奏「そうね・・・聞いた話の限りではプロデューサーさんは一度挫折を経験していて、その苦悩からCPの子達との関わりによって立ち直るに至った・・・」

奏「つまり、プロデューサーさんが挫折以前に担当して成功させたアイドルは、プロデューサーさんの苦悩を知らなかった、若しくは立ち直らせることに失敗している・・・」

凛「そう、CPのみんな以上の深い関係になっている人がいる可能性は低いはず・・・!」


文香「小日向美穂さん・・・」

凛「?!」

文香「も、もしプロデューサーさんも嘘をついていたとしたら・・・!」

文香「一番の問題点は彼女が卯月ちゃんとユニットを組んでいるということです・・・!」

文香「嘘か本当か・・・どちらにせよ、卯月ちゃん達が知るより先に把握している必要があるのです・・・!」

文香「もし本当にみくちゃんの仮説通りだとしたら・・・その事実を知られればまず間違いなく大変なことが起こります・・・!」

文香「これだけは・・・他の方たちが知るよりも早く事実を確認しなければなりません・・・!」


奏「確認した後は・・・・・・どうするの・・・?」

文香「まだ分かりません・・・ですが、知っていれば未然に接触を防ぐことも事前に口止めをすることもできます」

文香「守りましょう・・・私たちで、CPを・・・!」スクッ…

奏「ええ・・・!」

凛「よし、行こう・・・!」



・・・


奏「それで、誰から行く?」

文香「そうですね・・・疑いのある5人のうち、美穂さんと小梅さんは女子寮で暮らしています」

奏「待ち伏せ?」

文香「それもいいと思いますが今は時間が惜しいです・・・」

文香「女子寮は最後にして、トレーニングルームやカフェなど人のいそうなところを回るのはどうでしょう?」

奏「要は手掛かりなしの手あたり次第ってことね・・・」

凛「それでいこう。止まっている暇なんてないんだから」

凛「上手くいけば連絡先を知っている人が見つかるかもしれないし」

文香「はい」

唯「それゆいも行きたいなー」

奏「きゃっ!?」


唯「あははー☆ 奏驚きすぎー♪」

文香「ゆ、唯ちゃん・・・!」ドキドキ

凛「ついてきたいって・・・?」バクバク

唯「よく分かんないけどプロデューサーちゃんの元担当探すんでしょ? ゆいも興味あるなー♪」

唯「あれ? そういえばCPにお礼しに行ったんじゃなかったっけ?」

文香「えっ?! あ、あのそれはええと・・・!」

凛「その、ちょっとごたついてたから簡単に済ませてすぐ帰ってきたんだよ・・・!」

奏「ええ。でも、やっぱり今度なにか別の形でちゃんとお礼しようって考えて、それでこっそりプロデューサーさんの元担当の子に好みとか聞いてみましょうって、ね?」

(((よし、上手く誤魔化した・・・!)))

唯「プロデューサーちゃんの好み! 唯も知りたーい!」

(((墓穴を掘った!)))


凛「え・・・唯って、プロデューサーのこと・・・?」

唯「いや~プロデューサーちゃんガツーンときちゃったね! みんなテンパってどうしよーって時に現れてテキパキ指示出したりしてさ~♪」

唯「プロデューサーちゃんのプロデュース力にゆいはもうメロメロだよ~! なんかもう甘い雰囲気って感じ! わっかるかな~!」

文香「そ、そうですね・・・」

文香(ク、クローネにも・・・!?)

唯「さっきデートしてきたんだけどその時もさっ―」

凛「デート!?」

奏「さっき!?」


唯「え? ああ、周子ちゃん達と別の用事があって別れた後ね、ばったり会えちゃったからデートに誘ったの☆」

凛「あのプロデューサーが受けたの・・・?」

唯「これは脈ありだよねー☆」キャー

文香(唯ちゃんのコミュニケーション能力の為せる技なのでしょうか・・・?!)

唯「まあ二人っきりはダメって言うからちなったんも誘ったんだけどね~。あ、ちなったんっていうのはゆいの親友で~―」

・・・


・・・

唯「この前クローネのために頑張ってくれたプロデューサーちゃんのために、今日はゆいのお気に入りのファミレスにご案内っ☆」

武内P「ありがとうございます」

唯「なーんて、ホントはゆいが一緒にランチしたいだけー♪」

相川千夏「清々しいほど正直ね」

唯「あはは☆ ま、気にしないで食べて☆ ちなったんも♪」


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相川千夏(23)


唯「ここねっ、ドリンクバーも快適なんだ~☆ 二人は何がいい?とってきちゃうよ!」

千夏「エスプレッソあるかしら」

武内P「私も同じものを」

唯「りょーかーいっ☆」テテテ…



千夏「唯ちゃん、可愛くていい子よね」

武内P「はい。余りお話ししたことはありませんでしたが、あの天真爛漫さは彼女独自の魅力であるように思います」

武内P「きっと、どのような方ともすぐに打ち解けてしまうのでしょう」

千夏「私みたいなタイプとも交流があるのは意外だった?」

武内P「い、いえ・・・!」

千夏「ふふ、ごめんなさいね」

千夏「いつでも自分の気持ちに正直になれる人ってクールよね。私も常にそうありたいわ」

千夏「これからも仲良くしてあげてね」クス

武内P「はい」クス



唯「おっまたせ~☆」テテテ…

千夏「走ると危ないわよ」


唯「はいはーい☆ プロデューサーちゃんつめてね~♪」ポスッ ギュウギュウ

武内P「あ、あの大槻さん・・・? 席なら向かいに・・・」

唯「えー隣の方がいいっしょー!」ギュウギュウ

武内P「し、しかし・・・すみません相川さん、少しそちらの方に・・・!」ムギュムギュ

千夏「ごめんなさい、今いいところなの」ペラ…

武内P「ええっ・・・!? あ、相川さん・・・!」

唯「またフランス語の本? シルブプレ? ボンジュール? マンマミーア?」ギュー

千夏「最後のはイタリア語よ」

唯「へー! ちなったんすごーい!」ギュー

武内P「あ、あの・・・!」ムギュー

唯「んふふ~、照れちゃってかわいいなぁモォ~! うひひひひ! うりうり~☆」ギュー

・・・

・・・

唯「もうプロデューサーちゃん真面目すぎ~・・・」ブー

武内P「あまりからかわないでください・・・」

唯「えー、ゆい本気だよ~?」

千夏「ふふ・・・」

武内P「んんっ・・・相川さんも」

千夏「ええ、ごめんなさい」

唯「そうそう、ちなったんすごいんだよ! 超頭いいし!」

唯「ねぇねぇプロデューサーちゃん! ゆいとちなったんがユニット組んだら超すごそうじゃない!?」

武内P「・・・そうですね。方向性など改めて考える必要がありますが確かに面白いユニットに―」フム…

唯「でっしょー! その時はゆい、プロデューサーちゃんにプロデュースお願いしたいな~♪」

武内P「はい。しばらくは専念する仕事がありますが、いつか企画を―」

唯「やったー☆ さっすがプロデューサーちゃん!」


千夏「唯ちゃん、そろそろ食べないと冷めちゃうわよ?」クス…

唯「おっとっと! そ・れ・じゃ・あ~・・・はい、プロデューサーちゃん! あ~ん☆」

唯「遠慮しない遠慮しない! ゆい、プロデューサーちゃんがワイルドにがっつくところ見たいなー♡」

・・・


唯「プロデューサーちゃんかわいいよね~♡なんか大型犬みたいで♪」キャー

凛(おせおせ!)

唯「将来の約束もできちゃったし☆」

文香(言い方!)

唯「でもライバル多そうな気もするんだよね~」

奏(するどい!)

唯「あ、CPの子達と会ってきたんだよね? ねぇねぇ誰が一番仲良さそうだったー?」

文香「ぷ、プロデューサーさんと一番仲がいい人ですか・・・?」


ガチャッ

神谷奈緒「よっ、お疲れー」

北条加蓮「お疲れ様―・・・? みんなでどこかに行くの?」

唯「これからね~ プロデューサーちゃんが担当してた子探しに行くんだー♪」

奈緒「プロデューサーって・・・あ、CPのプロデューサーさんか?」

唯「そうそう☆」

文香(ああっ・・・同じ轍を踏んでいる気がします・・・)


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神谷奈緒(17)


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北条加蓮(16)


加蓮「CPのプロデューサーさんかぁ~・・・ あの人、いい人だよね」

凛「えっ・・・ し、知ってるの・・・?」

加蓮「うん。この前風邪ひいた時ね、奈緒と一緒にお見舞いに来てくれたんだ。ね、奈緒?」

奈緒「お、おう・・・」

・・・


・・・

ザー ザー…

奈緒「参ったな・・・さっきまで晴れてたのに・・・」

奈緒(途中で傘買うか・・・でも今両手塞がってるし・・・)

奈緒(これは今日じゃなくていいか・・・? でも早い方が喜ぶよなぁ・・・)ゴソッ…

武内P「あの・・・どうかされましたか?」

奈緒「え? うおおっ?! なっ、あ、なんだCPのプロデューサーさんか・・・ もう、驚かさないでくれよ!」

武内P「申し訳ありません・・・」

奈緒「ああっ、いやその・・・今のはちょっとびっくりしただけで・・・ごめん」

武内P「いえ。それで、どうされたのでしょうか? 何か、困っているようだったので・・・ 」

奈緒(へぇー・・・なんだ、聞いた通りいい人じゃん)


奈緒「実は今日ちょっと加蓮が風邪ひいて休んでてさ、お見舞いに行こうかなって」

奈緒「あとオータムフェスの時の感想とかファンから手紙が来たからさ、持っていったら喜ぶかなって・・・へへ」

武内P「そうでしたか」

奈緒「まあでも雨降ってきちゃったし、傘持てないからこれは置いていこうかって・・・」

武内P「それでしたら、私にお送りさせてください」バサッ

奈緒「いやいやいや、悪いって! 別にこれは今日じゃなくてもしょうがないっていうか・・・!」

奈緒「あんただって予定とかあるだろ・・・!?」

武内P「いえ、今日は半休を取っていますのでもう」

奈緒「い、いや・・・でも、あ、相合い傘とか・・・!」

武内P「それでは行きましょうか。駅でよろしいでしょうか?」スタ…

奈緒「ちょ、聞けって・・・!」タタッ…

奈緒「こ、これはその、仕方なくだからなっ! 厚意を無駄にできないし、加蓮にも手紙届けたいしで・・・!」

武内P「はい。きっと、北条さんもすぐに元気になっていただけるでしょう」クス

奈緒「お、おう・・・」ドキッ

奈緒(こんな風に笑うんだ・・・)

奈緒(・・・なんかずるい・・・・・・)

奈緒「ス、スーツ・・・仕事で使うんだから濡らしちゃダメだろ? もっとよってよ・・・」



・・・


・・・

プシュー… ガタンゴトン ガタンゴトン… 

武内P「次の次、ですね」

奈緒「ああ、結構混んできたしもうちょっとドア近くの端行こうぜ」

武内P「はい」


奈緒「にしてもけっこうアニメとかも詳しいんだな。やっぱり仕事だから?」

武内P「それもありますね。流行や魅せ方など、学ぶべきところもありますから。勿論それとは別に、楽しんで鑑賞してもいるのですが」

武内P「演出の素晴らしい作品を見つけるとそのまま同じ監督の作品を調べて借りに行ったり―」

奈緒「そうそう! あとさ、作画の人の名前も覚えちゃったり―」

グラッ フラッ

武内P「おっと」ドンッ

奈緒「ひゃうっ!?」

奈緒(こ、これ・・・壁ドンってやつか・・・?!)

武内P「揺れますね・・・大丈夫ですか?」

奈緒「あ、ああ・・・」

奈緒(平気じゃない!近いよ!なんだこれ!)


プシュー… ガタンゴトン ガタンゴトン…

ギュウギュウ…

武内P「っ・・・だいぶ混んできましたね」

奈緒「そ、そうだな・・・」

奈緒(か、庇ってもらえてるのか、これ・・・!)

奈緒(は、恥ずかしくて顔見れない・・・!)

グラッ ダンッ

奈緒(ま、股ドン・・・!)キュン

武内P(足を踏まなくてよかった・・・)

武内P(次開くのは・・・こちら側のドアか。乗り過ごす心配はなさそうです・・・)ホッ…


武内P(こんなに混むことがあるのか・・・赤城さんなどは通勤、前川さんも通学には使っていたはず・・・送迎が必要か一度聞いておこう)

奈緒(こ、この人も、意識してたりすんのかな・・・?)チラッ

武内P「? どうかされましたか?」

奈緒「いやっ!?なんでもっ?!」カァァ

奈緒(うう・・・!なんだよ、意識してるのはアタシだけなのか!?)

プシュー

武内P「ここですね。行きましょうか。・・・神谷さん?」

奈緒「あ、ああ・・・」

奈緒(うー・・・あー!もう!なんなんだよもー!)



・・・


・・・

ピンポーン ハーイ

ガチャッ

加蓮「あっ、奈緒。それに、CPのプロデューサーさん・・・?」

奈緒「ちょ、なんで加蓮が出てくるんだよ!?」

加蓮「いやここ私の家なんだけど・・・」

武内P「もう寝てなくて大丈夫なのですか?」

奈緒「そうそう」

加蓮「お母さん今出てるから・・・取り合えず中入って?」


奈緒「アタシが貸したやつ見てたのか・・・」

加蓮「ずっと寝てるの暇なんだもん。今お茶出すから・・・くちゅんっ」

奈緒「あっ、ほら! いいから寝てろって!」

奈緒「しょうがないな・・・連れて行くぞ。プロデューサーさん、ちょっとこれ持ってて」

武内P「はい」

加蓮「奈緒過保護・・・」

奈緒「病人は黙って寝る!」


奈緒「これで良しっと」ファサッ

加蓮「私お粥温めて食べようと思ってたのに・・・」フカフカ

奈緒「何も羽織らずリビングでアニメ見ながらか?」

奈緒「お粥はアタシが用意して持ってくるから。プロデューサーさんは見張っててくれ」タタタッ

武内P「え? あの・・・」

加蓮「はぁ・・・」


加蓮「なんかごめんね。奈緒ってけっこう面倒見がいいんだけど・・・」

武内P「いえ・・・」ソワ…

加蓮「? どうかした?」

武内P「すみません、私まで女性の部屋にお邪魔してしまって・・・」

加蓮「いいって。ありがとね、奈緒と私のために」


奈緒「持ってきたぞ」ホカホカ

加蓮「ありがと。それじゃ、いただきます・・・」パクッ

加蓮「・・・そういえばその箱なに?」モッモッ

奈緒「あっ、そうそう!ファンレターが来たんだよ!すごいよな!」

加蓮「箱いっぱい・・・わぁ、すごい・・・!」


加蓮「大変じゃなかった?今日外雨降ってるみたいだし」

奈緒「ああ、その・・・それでプロデューサーさんにさ、連れてきてもらったというか・・・」

加蓮「ああ・・・なるほど」

奈緒「な、なんだよ。今度にしようか迷ってたらプロデューサーさんが来てくれて、半ば無理やりというか・・・」ゴニョゴニョ…

加蓮(あ・・・奈緒、もしかしてプロデューサーさんのこと・・・?)

加蓮「ふ~ん、そっか。プロデューサーさん、それ正解」

加蓮「もしかして凛から聞いてた? 奈緒、恥ずかしがり屋だからちゃんとリードしてあげてね」

武内P「はぁ・・・?」

奈緒「ちょっ!な、何言ってんだよ加蓮!」

奈緒「あ、あんたも聞かなくていいからな?!」

加蓮(う~ん・・・これはちょっと大変かな?)

・・・


・・・

加蓮「それにしてもすごいな・・・こんなに喜んでもらえたなんて・・・」ペラッ…

加蓮「私、ずっとアイドルに憧れてたから・・・やっぱりデビューできて、嬉しい・・・」

奈緒「加蓮・・・」

加蓮「凛にも感謝しないとね。それと、プロデューサーさん」

加蓮「ありがとう。凛のことも、ライブのことも」

武内P「いえ、トライアドプリムスはとても良いユニットであると、私も思います」

武内P「そして、その活動を通して渋谷さんも、神谷さんや北条さんも成長できるとも」

武内P「これからも頑張ってください。私も、必要とあれば力を貸しますので」

加蓮「うん・・・!」

奈緒「へへ・・・!」

・・・


・・・

奈緒「けっこう話し込んじゃったか。そろそろ帰ろうぜ」

武内P「はい。北条さんも、お大事に」

加蓮「うん、今日はありがとね」

奈緒「あ、そうだ。加蓮、傘借りられないか?」

加蓮「え? あ~・・・ごめん、ちょっと貸せる傘はないかな?」

奈緒「えっ」

加蓮「ごめんね、プロデューサーさん。帰りも奈緒のことお願い」

武内P「分かりました」

奈緒「ええっ?!」

加蓮「奈緒」チョイチョイ

加蓮「頑張ってね♪」ボソッ

奈緒「な、ななな何をだよ!!」

加蓮「ふふっ♪」



・・・


・・・

奈緒「話すなよ加蓮!」

加蓮「ふふっ、ごめんね?」

唯「むむむ・・・」

奈緒「ち、違うからな!? 違うんだって本当に!」

加蓮「ねぇ、凛・・・」コソッ

凛「な、なに・・・?」

加蓮「奈緒、プロデューサーさんのこと気になるみたい。応援してあげてね♪」ボソッ

凛「」


凛(う、嘘でしょ・・・?!)

奏(NGとTPで板挟み・・・)

文香(凛ちゃん・・・お気を強く持って・・・)

加蓮「元担当探すんだっけ。見つけてどうするの?」

唯「こっそりプロデューサーちゃんとのこととか好み聞いて、この前のお礼の参考にするんだって」

加蓮「へぇ~・・・ね、奈緒。私たちもついていこうよ」

奈緒「ええっ!? い、いいよアタシは・・・!」

加蓮「プロデューサーさんのこと聞けるんだよ? 他の子にリードされちゃってもいいの?」

奈緒「べ、別に特別な感情とかないし・・・! いや、感謝はしてるけど・・・」

奈緒「・・・・・・い、行くか・・・」

加蓮「うん♪」

唯「奈緒ちゃん、加蓮ちゃんのお見舞いの帰りはどうだった?」

加蓮「あ、それ私も聞きたいなー♪」

奈緒「別に何もなかったって! 途中で傘買ったし!」

加蓮「え~・・・奈緒、へたれ・・・」

奈緒「う、うるせぇ!」

ワイワイ 


凛「ねぇ、本当にどうしよう・・・! どどどどうしよう!」ユッサユッサ

文香「おち、落ち着いてください凛ちゃん・・・」ガクガク

奏「まずはそうね・・・仕事でなければレッスンをしているかもしれないし、レッスンルームあたりにでも―」

凛「そんな悠長なこと言ってらんないんだって!」ユッサユッサ

奏「さっきそれでいこうって・・・」


唯「行かないのー?」

文香「す、少し準備があるので先に出ていただけますか?」クラクラ

ハーイ ゾロゾロ…

凛「―そうだ、未央!未央なら演劇の関係で茜の連絡先を知っているはず!」

凛「例えそこで途切れてもラジオ番組を持っている藍子に繋げられれば他の候補者も検討がつくはず・・・!」

ピッピッ プルルルルルル… プルルルルルル…

凛「お願い、出て未央・・・!」

プルルルルルル… ガチャッ

凛「み、未央・・・!? あのね―」



・・・


・・・

ツカツカツカツカツカ…

加蓮「ちょ、凛達早いー・・・!」



文香「未央ちゃんはなんと?」

凛「ちょうど藍子と茜の二人で練習してるって・・・!急ごう・・・!」

奏「・・・CPの様子はどうだったのかしら?」

凛「・・・休戦協定のルール作ってるって」

凛「もし他にプロデューサーを好きな人を見つけたらあっちに混ざってもらおう。協定に巻き込めば、大丈夫、みんな仲良し・・・!」

奏「ちなみに・・・向こうに様子は?」

凛「・・・聞きたい?」

文香「い、いいです・・・!」


ガチャッ

茜「おや? おはようございます!」

凛「ごめんね、ちょっといい?」

高森藍子「はい?」


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高森藍子(16)


凛「茜・・・」ガシッ

茜「え? あの、凛ちゃん?」

凛「正直に、正直に答えてね?」グググ…

茜「は、はい・・・!」

凛「CPのプロデューサーと何かあった? 何もなかったよね? ね!?」

茜「な、なにもありませんでした!!」

凛「ふう・・・」

奏「こら」


奏「ごめんなさいね。今CPのプロデューサーさんの元担当だとか、仲がいい子を探しているところなの」

凛「ごめん・・・」

茜「そ、そうでしたか・・・」ホッ…

藍子「CPのプロデューサーさんと仲がいい方ですか?」

唯「うんっ。オータムフェスのお礼にね、なにかプレゼントしたいから~プロデューサーちゃんの好きなものとかこっそり調べてみよーって☆」

文香「それで、どうでしょうか? 茜さんは冬のライブや美嘉ちゃんのライブですとか、以前にもプロデューサーさんと交流する機会があったそうですが・・・実は、元担当だったりするのでしょうか・・・?」

茜「いえ、私がCPのプロデューサーさんの担当だったことはありません」

茜「もちろん一緒にお仕事をしたので面識はありますが―あっ、夏に一緒におでんを食べました!」

凛「李衣菜と作ったのを食べたんだって?」

茜「おや、ご存知でしたか!」

唯「夏におでん? それくらい好きとか?」

奈緒「我慢大会とか・・・?」

茜「なんでも消費する必要のある食材があったとかなかったとか」

文香(よかった・・・私たちが知っている以上のことは何もなかったようですね・・・)ホッ…



・・・


・・・

武内P(前川さんのお話だとそろそろ多田さんが寮を出る時間でしょうか)スタスタ

武内P(ちょうど時間はある。荷物が多かったとのことですし、お迎えに行きましょうか)スタスタ



ヒョコッ

茜(ああ、CPのプロデューサーさん・・・!)コソッ…


茜(堂々たる体躯! 鋼のようなボディ!! 美嘉ちゃんのライブで見せたNGの皆さんへの献身!!!)ウズウズ

茜(私には激励を! スタッフさんには発射合図の延長指示!! 何という心遣い!!! ワンフォーオール!!! さぞや名のあるラガーマンだったのでしょう!!! この胸の高鳴り!!!! 間違いありませんっ!!!!!」

茜「ああ!!! 是非一度お話をうかがってみたい!!! なのに!!! なんと話しかければ良いのか分かりません!!!」ピョンピョン

茜「私といえばラグビー・・・! ですが、いきなり話しかけて変に思われないでしょうか・・・?」ウー…



バタンッ ブロロロン…



茜「はっ―!? ま、また何もできませんでした・・・!」

茜「・・・はぁ、いつになったら話しかけられるのでしょうか・・・おかしいですね、こんなこと今までなかったのに」

茜「誰かに相談した方がいいでしょうか・・・? うーん・・・」トボトボ



・・・


・・・

茜(・・・ん? んん!? 寮にプロデューサーさんの車が!? い、いらっしゃるのでしょうか・・・!?)



スス… ススス… キョロキョロ…



アハハ フフ…



茜(食堂でしょうか? 他にも人が・・・あれは確か、李衣菜さん? 何を・・・この匂い、おでん・・・?)コソッ


李衣菜「十分煮たら火を消して―」

ガサゴソ クルクル

李衣菜「お鍋を新聞紙とタオルで包んで1時間放置、で完成です」

武内P「それだけで・・・」



茜(うっ・・・ごくごく自然に話せています・・・)ガーン

茜(あんなに仲の良さそうに・・・! 自分の不甲斐なさにもやもやしますっ・・・!)

茜(何か、何か話しかけるきっかけは―!?)キョロキョロ


李衣菜「・・・で、でも1時間あるんですけどね・・・えへへ」

武内P「いえ、お見事です」

李衣菜「あ、はは・・・」

李衣菜「な、なにしてましょうかね・・・!?」



茜(!!!)

茜「走りましょう!!!」

李衣菜「!?」

李衣菜「え、あ、茜ちゃん?なんで・・・」

茜「何やら美味しい匂いしてきたもので! ご相伴に預かってもよろしいでしょうか!?」

李衣菜「い、いいけど・・・それより走るって・・・」

茜「空腹は最高のスパイスです!!! たった1時間ではありますが、それでもごはんをより美味しくしてくれるはずです!!!」

李衣菜「いやいや1時間てけっこう―」

武内P「―なるほど。一理ありますね」

李衣菜「ええっ?!」

茜「はい!!! さあ李衣菜ちゃん、プロデューサー!!! あの夕日に向かって、トラーーーーーイッ!!!」ガシッ

李衣菜「え、ちょ、まっ、えええー!?」

ズダダダダダダダダー

茜(や、やりました! 胸のもやもやも消えて、実に清々しい! 今ならどこまでも走れそうです!!!)



・・・


茜「美味しいです!!! 李衣菜さん!!! おかわりをお願いします!!!」モッモッ

李衣菜「あ、うん。ちょっとまってねー・・・よっ、はいどうぞ」

茜「はふっ! はふっ! 美味い!! もう一杯!!!」モッモッ

武内P(いい笑顔です・・・)

李衣菜「はいはーい、いくらでもあるからね。プロデューサーさんも遠慮しないでくださいね」

武内P「はい。では、私にもおかわりを」

李衣菜「はーい♪」

茜「もう一杯!!!」



・・・


・・・



茜「はっ―!? け、結局まだお話できていません!!!」ガーン

茜「しかもあんなにガツガツと・・・! わ、私は・・・! 私はーっ!!!」ダッ ズダダダダダー…

藍子「あ、茜ちゃーん!?」


奏「・・・」

文香「・・・」

凛「・・・た、担当じゃなかったし白・・・」

加蓮「あれは黒だね。まだ無自覚みたいだけど」


加蓮「でも油断できないからね、奈緒。スタートは分があっても先は長いんだから。リードを守って、チャンスは逃ないようにねっ!」

藍子「え!? わ、わぁ・・・! 奈緒ちゃんて、そうなんだぁ・・・!」キラッキラッ

奈緒「ち、違う!! 言いふらすなよ加蓮っ!」

唯「ゆいは好きだよ、プロデューサーちゃん☆」

藍子「ええ!? そ、それって・・・」ドキドキ

奏「んんっ! それで、藍子ちゃんにも聞きたいのだけど・・・」

藍子「あ、はい。なんでしょう?」

文香「CPが発足する以前に、藍子さんのラジオ番組にプロデューサーさんと当時の担当アイドルが来たということはなかったでしょうか?」

藍子「CPができる前だと・・・9ヶ月くらい前のことでしょうか? どうだったかな・・・」

凛「ないならないで全然いいんだけど・・・!」

藍子「う~ん・・・あっ、カメラとかに残してあるかもしれません! 写真も見たら思い出すかも! ちょっと待っててくださいね」ピッピッ


藍子「え~っと・・・あ、そうです! 楓さんと、小梅ちゃんと、愛梨ちゃんと、それから美穂ちゃんと来てくれたことがありました!」ピッピッ

奏(ビンゴ・・・)

凛(本当にもう謝るから許して・・・)

文香「れ、連絡をとることは可能でしょうか・・・?」

藍子「はい、できますよ」



・・・


・・・



十時愛梨「CPのプロデューサーさんですか? はいっ、私のプロデューサーさんですっ♪」


奈緒(わ、私の・・・!? 私のって・・・今はCPの担当だろ・・・)ムー…

奏(悪気なんて微塵もないのでしょうけど・・・というかこれ、CPの会議に混ぜて本当に大丈夫なのかしら・・・?)キリキリ

文香(こ、こんなはずでは・・・プロデューサーさんと元担当の方が疎遠でないということがあり得るなんて・・・)キリキリ

凛(卯月と奈緒のこともあるのに・・・ああ本当に私はどうしたら・・・!?)キリキリ

愛梨「プレゼントなんて素敵ですねっ♪ プロデューサーさんもきっと喜んでくれますよ!」

唯「それでどうどう愛梨ちゃん! プロデューサーちゃんの好きなもの! ゆいに教えてー☆」

愛梨「えーっと~プロデューサーさんはですね~・・・食べることが好きでしたっ! 私が作ったケーキもよく美味しそうに食べてくれて! えへへっ♪」

唯(ケーキか~・・・甘党だったりもするのかなぁ? でもちなったんと一緒にコーヒー飲んでたし食べた量もそんなに・・・遠慮しなくてもよかったのに・・・)ブー


加蓮「へぇ・・・仲、良いんですね。CPの担当になってから、担当も外れたんだしもしかしたら詳しいお話聞けないんじゃないかって、ちょっと心配だったんです」

凛(か、加蓮・・・!?)

加蓮(・・・この人がプロデューサーさんとどれだけ親密かはまだ分からない。でも、あのプロデューサーさんの性格を考えれば特別な一線を越えているとは思えない)

加蓮(奈緒の差を詰めるためには、相手を知らなくちゃいけない・・・!)

愛梨「う~ん・・・確かに、一緒にいられる時間はものすごく減っちゃいましたけど、時間を見つけて二人で逢ったりはしてたんですよ?」

凛(あ、会ってたの!?)

愛梨「その~・・・あんまり詳しいことはプロデューサーさんが嫌がるからお話しできないんですけど、プロデューサーさん、お仕事についてすごく悩んでた時期があって・・・」

奏(そのことも、知っているのね・・・)

愛梨「結局、私はプロデューサーさんがお仕事辞めちゃったりしないように慰めることしかできなかったんですけど・・・」

文香(なるほど・・・確かに、辞職されることも検討していたでしょう、あの方なら・・・それを繋ぎ止めていたのが、かつての担当の方々・・・ありえない話ではないのかもしれません・・・)

愛梨「だから、CPのみんなには私もすっごく感謝してるんですっ! プロデューサーさんも元気になって、とときら学園が始まってまた一緒にお仕事もできるようになって♪」

加蓮(プロジェクト存続をかけた大事な時期の企画、とときら学園・・・当然プロデューサーさんからの信頼も・・・うーん、これはけっこう差があるかなぁ・・・)ウムム…

凛「あ、会ってたりしたんだ・・・知らなかったなぁ・・・」キリキリ

愛梨「えへへ♪ 私、これでもプロデューサーさんによく頼りにされてたんですっ。とときら学園の前にも、未央ちゃんにお仕事の見学をさせてあげられないかって頼まれたりもして!」

・・・


・・・



愛梨「あっ・・・♪」



テテテ・・・



愛梨「えいっ♡ だーれだー?」ピタッ



武内P「・・・十時さん、ですか?」



愛梨「はいっ、正解でーすっ! えへへ♪ すぐ分かっちゃうなんてプロデューサーさんすごいです~!」パッ

武内P「よく聞く声でしたから」


武内P「本日はありがとうございます。・・・? 十時さんの入り時間にはまだ早いようですが・・・?」

愛梨「プロデューサーさんが久しぶりに私のお仕事見てくれるのが嬉しくって・・・もう来てないかなって、つい早く来ちゃって・・・♡」

武内P「先にスタッフの方達にも挨拶をしておこうかと思いまして。本田さんは事務所よりご自宅から近いということもあって、もう少ししてから直接こちらにいらっしゃいます」

愛梨「そうなんですねっ。よーしっ、先輩らしいところ見せられるように頑張っちゃいますからっ♪」

武内P「頼もしいお言葉です」

愛梨「えへへー♪」


愛梨「それにしても・・・うーん、暑いですね~・・・もう脱いじゃって水着になっちゃおうかなぁ・・・」ヌギ・・・

武内P「こ、ここでは・・・! あちらに更衣室がありますので・・・!」

愛梨「あっ、はーい」テテテ

武内P「ふう・・・」



・・・


・・・



愛梨「じゃじゃーんっ! どうですか~? この水着、フリルとか、胸のリボンとかっ、すっごく可愛いと思うんです~!」ヒラヒラ クルクル

武内P「はい、とても素敵だと思います」

愛梨「えへへ、褒められちゃいました~♪」ピョンピョンッ

愛梨「はぁ・・・でも、あれ? なんだかさっきよりも暑く・・・」フゥ…

武内P「日差しが強いですからね・・・パラソルを用意しておいたのでそちらに。それから、もう日焼け止めも塗っておいた方がよろしいと思います。お持ちですか?」

愛梨「あっ、はいっ! ちゃんとポーチに入れて・・・はいっ、持ってきてます!」ガサゴソ テテーン


愛梨「こういうの、塗るのけっこう大変なんですよね~。柔軟もちゃんとやってて手は届くんですけど、背中とかちゃんと塗れているか見えないじゃないですか~」

武内P「そうですね。・・・? 十時さん、それはサンオイルでは・・・?」

愛梨「えっ? サンオイルって、日焼け止めですよね?」

武内P「そう、ですね・・・物にもよりますが、日焼けを予防する日焼け止めとは異なり、サンオイルは皮膚へのダメージを軽減して日焼けできるようにすることを目的にしたものなので、日焼け自体を防ぐことは・・・ああ、これもできないようですね」ヨミヨミ

愛梨「そ、そんな~! 間違えて買ってきちゃいました~・・・」ガーン

武内P「・・・念のため、私も用意してきたのですが、お使いになられますか?」

愛梨「さ、さすがプロデューサーさん・・・! はいっ、お願いしますっ!」



・・・


・・・



愛梨「それじゃ、ごろーんっ♪」ゴローン

愛梨「えへへー♪ やっぱりプロデューサーさんはすごいですっ。私に必要なもの、何でもすぐに用意してくれてっ」パサッ

愛梨「一緒だと何でも楽しくて、お仕事だって上手くいっちゃうんですっ!」

武内P「いえ・・・たまたま十時さんの時に失敗しなかっただけで、私も何度も失態を・・・余計なことをしてしまったことも・・・」ポリ・・・

愛梨「じゃあ私たち、とっても相性がいいんですねー♪」

武内P「・・・ふふ。そう、ですね・・・」

愛梨「そうなんですっ♪」

武内P「・・・はい」フフ…


武内P「用意できましたが、どちらから?」

愛梨「じゃあ背中からっ。プロデューサーさんにお任せしちゃいまーす♪」

武内P「分かりました」


愛梨(ふふっ♪ プロデューサーさん、元気になってくれてよかったなぁ・・・)

愛梨(・・・たまにお話しか、私にはできなかったけど・・・それでも・・・)


武内P「少し冷たいかと思いますので・・・」

愛梨「は~い♪」


愛梨(すごく暑いからちょうどいいです・・・ドキドキしちゃって・・・)

愛梨(プロデューサーさんが触ったらどうなっちゃうのかな・・・? 鼓動、伝わっちゃうかも・・・)



プシュー



愛梨「ひゃんっ・・・?! えぇ・・・!? スプレー!? そんな~!」

武内P「? はい。こういったタイプなら、時間が経って塗り直す際に一人でも全身むらなく出来るかと思いまして」プシュー


武内P「背中側は終わりました。立っていただけますか?」プシュー

愛梨「はい~・・・・」スクッ…

武内P「前も・・・これでよいですね。差し上げますので1、2時間おきに塗り直すようにしてください」プシュー

武内P「顔だけはメイクの上からでも使用できるパウダータイプのものを・・・あの、十時さん? 頬を膨らませられなくても塗れますので・・・」ポフッ ポフッ

愛梨「む~・・・」プクー

愛梨「!」ピコーン

愛梨「プロデューサーさんっ! お礼に私もサンオイル塗ってあげますねっ!」

武内P「私にですか? いえ、特に必要はないと思うのですが・・・」

愛梨「だめですよ~っ。お仕事でいろんな人に会うんですからっ! お顔だけでもしないと!」

愛梨「でも~、いつも大変なお仕事頑張ってるんですから、ちょっとくらい遊んで焼いちゃってもいいと思いますっ! だから、サンオイル♪ それっ♪」ピタッ

武内P「はあ・・・では、お願いします・・・? 積極的に焼きはしないと思いますが・・・」

愛梨「は~いっ♪」ヌリヌリ スリスリ



愛梨(・・・こんな時間、いつ以来かな・・・? ・・・もう、寂しかったんですからね?)


愛梨「せっかくの海なんだから遊ばないなんて損ですよっ。未央ちゃんも見学だけじゃつまらないかもしれないですし、ちゃーんとエスコートしてあげなくっちゃ♪」ヌリヌリ…

武内P「つまらないということはないでしょう。これほど間近で十時さんを見ることが出来るのですから」

愛梨「えっ?! そ、そうでしょうか・・・? それは・・・プロデューサーさん、も・・・?」

武内P「もちろんです」

武内P「貴女をプロデュースできたことは、私にとってかけがえのない経験です。道を見失いかけていた時期も、ご活躍を通して、確かに貴女という光が照らしていてくれました」

武内P「私は、いつまでもあなたの輝きを見ていたいと、そう思っています」

愛梨「・・・そっか♡」

愛梨「じゃあ、ずっと私のこと見ててくださいねっ! よそ見なんてしちゃ、嫌なんですからっ♪」



・・・


・・・

藍子「そ、そ、そっ・・・それから・・・?!」ドキドキ…

愛梨「それから~・・・うーん・・・な・い・しょ♡ ですっ! うふふっ♪」

藍子「え~教えてくださ~い!」キャーキャー

愛梨「内緒なんで~すっ♪」キャッキャッ



奈緒「・・・ふうん」

凛(藍子! 藍子! 空気読んで藍子!)キリキリ


加蓮「大丈夫大丈夫。信頼は高いけどアイドルとしてだし、そこまで押しが強いわけでもないから。他の子にも無警戒だし巻き返すのはそんなに難しくないって」コソ…

奈緒「・・・・・・うん・・・」

凛(・・・・・・ふぅー・・・)キリキリ



愛梨「みなさんはまだプロデューサーさんが担当していた他のアイドルにお話を聞きに行くんですよね? 私はどうしよっかなぁ・・・あっ、一度ちゃんとCPのお部屋に遊びに行ってみようかなぁ♪」

奏「!?」

文香「なんっ・・・!? え、ええ・・・!?」


文香(問題を一つにまとめるために行って頂きたくはありましたが、果たしてどうお話ししようかと考えていましたが・・・)

愛梨「? とときら学園の収録でみんな会いますけど、プロデューサーさんのことちゃんとお礼しておきたいですし、私も今のプロデューサーさんのこと聞いてみたいなぁって♪」

奏「そ、そう・・・ちょうど今ならみんな、プロジェクトルームにいると思うわ。・・・さっき、会ってきたし・・・」

愛梨「あっ♪ ならちょうどいいですねっ! ありがとうございますっ!」

奏(これ本当に大丈夫なのかしら・・・)

凛(美波と未央、杏に李衣菜もいるだろうし・・・うん、任せよう・・・)

加蓮「あそっか、今の話かぁ・・・私たちも後で行ってみよっか?」

奈緒「ええ・・・!? いや、でも・・・」

凛(・・・・・・土下座で済めばいいなぁ・・・)


文香「あっ・・! と、ところで・・・」

愛梨「?」

文香「プロデューサーさんが愛梨さんの他に担当されていた方がどなたかご存知でしょうか・・・?」

愛梨「うーん、実は知らないんですよねぇ・・・」

凛「知らない・・・?」

愛梨「CPみたいな大きなプロジェクトじゃなかったから、プロデューサーさんとだけのお部屋とかありませんでしたから。他の人と会う機会が全然なくって」

愛梨「いつか聞こう聞こうって思ってても、プロデューサーさんと逢ってお話ししているといつも忘れちゃって・・・えへっ」

愛梨「特にユニットも組んでなかったし・・・あっ、もしかして一緒にライブに出た人達の中にいたりしたのかな・・・?」

文香「そ、そうでしたか・・・」



・・・


・・・



愛梨「それじゃ、ばいばーいっ♪」

パタパタパタ…

文香(ダイナマイトを思わせる衝撃でした・・・)

奏「・・・次は、どこで誰と会うアポを?」

小梅「ばあ・・・」ニュッ

「「「きゃあああああああ!?」」」


加蓮「び、びっくりした・・・3人ともこういうの苦手だっけ?」バクバク

小梅「だ、大丈夫・・・?」

文香「す、すみません・・・お騒がせいたしまして・・・」ゼェーハーセェ゙ーハー

奏「も、もう大丈夫だから・・・!」ドッキンドッキン

凛「今だけは・・・今だけはこういうのホント無理・・・」キリキリ

楓「ばあ♪」ニュニュッ

「「「ひゃぁあああああああああ!?」」」


楓「あ、あら? ご、ごめんなさい・・・! 大丈夫ですか?」オロオロ

文香「はぁー・・・! はぁー・・・!」

奏「・・・?! ・・・!?」

奈緒「し、死にそうじゃねぇか。大丈夫か・・・?」サスサス…

凛「ごめん。ちょっと・・・ちょっとでいいから落ち着かせて・・・」

奈緒「お、おう・・・」



・・・




小梅「CPの・・・プロデューサーさん、が?」

楓「担当だったか、ですか?」




小梅「えと・・・CPの、プロデューサーさん・・・だよね・・・う、うん・・・担当してもらってたこと、あるよ・・・?」

奏「そ、そうだったのね、やっぱり・・・莉嘉ちゃんとみりあちゃんからとっても仲が良さそうだったって聞いていたから」

小梅「そ、そう・・・かな・・・? そう、だったら・・・いいなぁ・・・えへへ・・・♪」

楓「あらあら。うふふ♪」





凛「か、楓さんも・・・?」キリキリ

楓「ええ♪」

凛「そ、そうなんだ・・・そうなんじゃないかなって、話してたんだ・・・」

奈緒(わー! わー! 楓さんって言ったら346を代表するアイドルじゃん! そんな人までプロデュースしてたなんて!)グイグイッ

加蓮(ふふっ、はいはい。すごいねー♪)コソッ



楓「・・・出会いは運命だったんじゃないかって、今でもふと思うんです。そんなうんめい(旨い)話、なんて―」

楓「元々モデル部門にいた私がなぜかアイドル部門の扉を叩いて、人見知りだったのにアナタとならできるかもって・・・♪」ペラペラ

楓「私に人と飲むお酒の楽しさを教えてくれたのもプロデューサーさんでしたっけ・・・♪」ペラペラ


楓「ふふふ、それなのにひどいですよねぇ。『同じ事務所ですから』、だなんて」モー

楓「男の人ってそういうことあんまり言いたがらないって聞きますけど、それでもやっぱり寂しいですよねぇ」クス

奏(そんな友達に紹介されない彼女みたいな言い回し・・・!)

楓「これはもう、今夜は薄情な理由を白状してもらわナイト、だなんてその日はついにお家まで行っちゃって♡ うふふ♪」クスクス

鷺澤文香(お家にまで・・・?!)



奈緒「・・・・・・家・・・?」

凛(ひっ・・・!)



・・・


・・・



ピンポーン ピピピピピンポーン ピピピピピピピピ

武内P「やめてください・・・」ガチャッ

楓「う~・・・う~・・・! ・・・ヒック」フラフラ

武内P「そんなに酔われて・・・」

武内P「・・・仕方がありません。どうぞ」スッ

楓「うー・・・」トテトテ

パタン



武内P「はい、はい・・・申し訳ありませんが、よろしくお願いします」ピッ ツー ツー ツー

武内P「千川さんが迎えに来てくれますよ、高垣さん」

楓「・・・ヒック」

武内P「しじみの味噌汁ならすぐに用意できるでしょうか・・・」ガサゴソ

武内P「まったく・・・こんなになるまでどうして・・・」イソイソ

楓(・・・だって・・・いつも止めてくれた人がいなかったから・・・)

武内P「・・・」トントントントン




武内P「・・・今の、担当の方は・・・」キュッ ジャー


楓「妊娠したそうです・・・」


武内P「・・・おめでとうございます」カチッ チチチチチ



楓(どうして“同じ事務所だから”なんて言ったんですか~・・・)ゴンッ


武内P「・・・」コトコト


楓(一緒に頑張ってきたじゃないですか~・・・)ゴンッ ゴンッ


武内P「・・・」コトコト


楓(・・・はあ・・・言えない・・・)ゴンッ ゴンッ ゴンッ


武内P「頭をこたつに打ち付けないでください・・・」クル…


楓「・・・」ゴンッ…


楓(もし担当していたと言ったら・・・)


武内P「・・・本当に、お酒が好きになりましたね」コトコト


楓(この人には実績があると、きっとあの子たちはアナタのこともっと早く信頼するようになって・・・)



武内P「勧めてしまった私が言うのもなんですが・・・程々にはしてください」ヨソイ


楓(それで・・・)


武内P「高垣さんは歌も魅力的なのですから、のどを労わって・・・」クイッ


楓(私と比べてしまうかもって・・・心配したんですか・・・?)




楓(おこがましいですよね・・・こんなことでぐずぐずしてる女なのに・・・)


武内P「少なくとも、どなたかと一緒にいられてなら安心なのですが・・・」カチッ


楓(それでも・・・アナタと見た、夢は・・・アイドルの私は、本当に輝けていて・・・)


武内P「泥酔して何かあってはことです。今日のような時は、必ず連絡をするように」ヨソイ


楓(私は・・・アナタの特別には・・・なれないんですか・・・?)



武内P「私が、いつでも貴女を迎えに行きますから」コトッ



楓「・・・!」



楓「なら・・・」ズズー…

武内P「・・・?」

楓「今から・・・付き合ってもらえますか?」

武内P「今から・・・ですか?」

楓「千川さんが来るまでの、ほんの少しでいいんです・・・」

楓「後生ですから、五升だけ・・・」

武内P「・・・それは飲み過ぎです」

楓「・・・ふふふ♪」

武内P「・・・ふふ」

武内P「ちょっとだけですよ」

楓「はーい♪ お猪口でちょこっと―ああっ、減ってる! 二人で飲もうってあげたのに~・・・」ガサゴソ

武内P「す、すみません・・・つい・・・」



・・・




・・・



楓「な~んて・・・お互い不器用で、困っちゃいますよね」フフ



奈緒(・・・なんだよ、誰にでも優しいのかよ・・・別に、あたしには関係ないけどさ・・・!)


奈緒(・・・てゆーか、アイドル部門ができて以来なら精々2年だろ?)


奈緒(それをずーっとお互いす、好きなのに立場とかで進めないこじれた関係みたいに・・・!)

奈緒(まあ!? あたしには?! 関係ねーけどな!!)


凛(分からない・・・奈緒になんて話しかければいいのか全然分からない・・・!)キリキリ

文香(だ、大丈夫、大丈夫です・・・! 大人というアドバンテージはありますがそこまで押しが強いということもありません・・・!)ガタガタ

文香(例え家を知っていようと、担当でなくとも気にかけられていることを確認できたということはお二人の関係は決して深くないということ・・・論破です・・・!)ブルブル

奏(い、いいわ・・・! 付き合っていなければもうそれでいいわ・・・!)



小梅「おお・・・大人・・・だね・・・!」キラキラ


唯「小梅ちゃんはどんなことあったのー? プロデューサーちゃんと仲良くって、今でもよく話すんでしょー?」ナデナデ ウリウリ

小梅「そ、そうだなぁ・・・えと・・・担当代わるけど、お互い頑張ろうねーって、なってからしばらくしたらね、プロデューサーさんから電話があって・・・」

楓「まあ、プロデューサーさん“から”連絡」

小梅「う、うん・・・」


小梅「今度、担当する子がね・・・私と、好きなものが一緒かもしれないから、いろいろ教えてほしいって・・・電話が、あってね?」

小梅「それなら、一緒にDVD借りて、映画見ようよって、誘ったの・・・♪」

唯「えー小梅ちゃんだいた~んっ♪」ヒューヒュー


小梅「ええ・・・そ、そんなこと・・・はう・・・」



小梅「・・・おほん」


小梅「あれはまだ・・・お昼が長くて、風に気持ちいい初夏のころ・・・」ヒュードロドロ


小梅「蘭子ちゃんをプロデュースするために、ゴシックホラーについて調べてようとしたプロデューサーさんと・・・ホラー映画を見ることになった私は・・・」


小梅「私のお仕事のロケ地まで迎えに来てくれたプロデューサーさんの車に乗って、帰りがけにBDを買って、山道を走っていたの・・・」














小梅「・・・それが、あんな悲劇を生むことになるなんて知りもせずに・・・・・・」


・・・





・・・



ブロロロロロロ…



小梅「借りるどころか・・・買っちゃった・・・ね・・・♪」ガサッ

武内P「はい。きっと、何度も見ることになるかと思いましたので」

武内P「それに、返すためにここまで来るのもなんでしたから」

小梅「あんなところに・・・よくレンタルショップ、あったよねぇ・・・」

武内P「そうですね・・・」

小梅「一緒にいっぱい、見ようね・・・えへへ・・・♪」

武内P「ありがとうございます。ですが、白坂さんの時間も使って教えていただくのですから、余り遅くならないうちに本日は終えましょう」

小梅「気にしなくていいのに・・・」



小梅「・・・・・・ふふふ・・・」




武内P「撮影はいかがでしたか?」

小梅「楽しかったよ・・・あのね、昔・・・人体実験をしていた疑惑のある・・・つぶれた診療所で、ね・・・!」キャッキャッ

武内P「そ、そうですか・・・」ゾッ…

小梅「新しい、友達も・・・できたんだぁ・・・♪」

武内P「そ、それは良かったですね」

小梅「うん・・・♪」



武内P(・・・白坂さんだけの撮影だったはず・・・き、きっとスタッフさんですね・・・)






小梅「・・・あっ、うん・・・この人が、そうだよ・・・」



小梅「映画・・・どこで、見るの・・・?」

武内P「CPのプロジェクトルームにしようかと。プロジェクターもあることですし」

小梅「大画面、だね・・・!」

武内P「はい・・・おや・・・?」


ブロロ   ブロロロロ…


小梅「どう、したの・・・?」

武内P「いえ・・・」

武内P(心なしかアクセルの利きが悪い・・・)

武内P(メーターは・・・ガス欠、というわけではなさそうですが・・・?)



小梅「・・・暗くなって、きたね・・・」

武内P「ええ・・・もうすぐ日没ですし、木が生い茂っていますから余計にそう感じます」

武内P(未だ山道の半ば・・・プロダクションどころか市街地へはまだ距離がある・・・)

武内P「あれは、自動販売機・・・すみません、少し寄らせて頂きます」

小梅「? う、うん・・・?」






キキー…



・・・




・・・



武内P「どうぞ」スッ

小梅「あっ、ありがと・・・」カシュッ クピクピ

小梅「・・・車、調子悪い・・・?」

武内P「そのようで・・・すみません、ちゃんと整備していれば・・・」パカッ

小梅「ううん・・・私なら、平気だよ」

武内P「ありがとうございます。すぐに対処いたしますので」カチャカチャ

小梅「うん・・・♪」

小梅(一緒の時間が、増えるんだから・・・♪)


武内P(走行中のエンスト・・・こういう場合、ハンドルやブレーキも重くなると聞いていたのですが・・・そんなことはありませんでしたね・・・)



小梅「・・・え・・・? 車・・・止めちゃったの・・・?」



武内P(電気は変わらず使えている・・・)



小梅「やっぱり降りたくなったって・・・あ、酔っちゃったの・・・? よ、よしよし・・・」



武内P(ダメですね・・・まるで分りません・・・)



小梅「もう、帰る・・・? う、うん。またね・・・ばいばい・・・」



武内P(幸い、電波もとどいていれば自動販売機にここの住所も載っている・・・)



小梅「あっ・・・車は・・・治せない・・・? そ、そっかー・・・」



武内P(ここは無理をせず、ロードサービスを呼びましょう)ピッポッパ



・・・




・・・



武内P「やはりここまでだと、来るまでかなりかかるようです・・・」

小梅「そうなんだ・・・あ、それなら・・・」ガサゴソ

武内P「・・・?」

小梅「これ、映画・・・今見ない・・・?」スッ

小梅「プロデューサーさんの、車のカーナビ・・・これ、見れるよね・・・?」

武内P「見られますが・・・こ、ここでですか・・・!?」

小梅「ふ、雰囲気・・・すごいよねぇ・・・!」ワクワク

武内P「え、ええ・・・あの、本当に・・・?」



・・・




・・・



カー カー



武内P「・・・!」ドキドキ


小梅(うわぁ・・・うわぁ・・・プロデューサーさん、怖がってる・・・♪)ワクワク


     ガサ


武内P(しゃ、車内のスピーカーのせいで後ろからも音が聞こえる・・・)クルッ


小梅(あ・・・そろそろ、この二人の首飛んじゃうけど・・・ど、どうかな・・・?)ドキドキ


      スパッ



武内P「・・・!」ビクッ



小梅(おお・・・いい・・・♪)ウットリ




ザッ ザッ ザッ…



トントン トントン…



武内P(ち、違う・・・気のせいです・・・映画以外の音がするなんて・・・!)



ガサガサッ


小梅「怪談とか、してると・・・寄ってくるって、話あるよね・・・? あれはね・・・?」


武内P「ど、動物たちですよきっと・・・! 大丈夫です・・・!」



武内P(・・・はっ!? い、いけません、神崎さんのためにこの世界観を理解しなければ・・・!)メモメモ


小梅(あ・・・お仕事モード・・・むう・・・)


小梅「!」ピコーン


小梅(・・・お仕事も、大事だけど・・・)ソロソロ


小梅(もっと私をかまっても、いいんじゃないかなぁ・・・?)ソロー


小梅「・・・あーん」


カプ


武内P「!!!」ギクゥッ



ダキッ ガチャッ



小梅「あ、あれ・・・?」ヒョイー



ズダダダダダダー……!



ズダダダダダダー……!



武内P「!!!」



小梅(小脇に抱えながらよく走れるなぁ・・・)



小梅(もうちょっとしっぽりとは・・・いかないかぁ・・・)


         ギュッ



小梅(まあ・・・いっか・・・♪)ギュー



・・・





・・・



小梅「けっきょく・・・無我夢中で、私を抱えながら走るプロデューサーさんが・・・ロードサービスの人の車と会って・・・」

小梅「その時は、それで何もなく終わったんだ・・・」





小梅「でも・・・この話には、続きがあって・・・」



「「「・・・・・・・・・」」」ゴクリ






小梅「実は・・・蘭子ちゃんは・・・ホラーがそんなに好きじゃなかったの・・・!」



「「「きゃー!!!」」」






奈緒「いや、きゃーって」



唯「いやーんプロデューサーちゃんかわい~♪」

小梅「ねー・・・♪」



文香「どうしましょう凛ちゃん・・・! 私・・・! 今夜一人でトイレに行けないかもしれません・・・!」メソッ

凛「う、家に泊まりに来ていいよ・・・!」ガタガタ

奏「わ、私も一緒にいいかしら・・・?」ブルブル


奈緒「いやいやいや、ホラーっぽく話されただけで普通の話だったと思うぞ? おちつけ?」

加蓮(普通の話でもなかった気がするけど・・・まあいっか)




楓「あっ、そろそろいかないと・・・」チラッ

楓「皆さんはこの後もあの人の話を聞きに行くんですよね?」

文香「ええ、そのつもりですが・・・?」

楓「良ければ今度聞かせてください。また悩んだ時は、私も力になってあげたいですから」

凛(いや・・・楓さんは話しちゃいけない方の人だから・・・)

奏(まだ13歳の小梅ちゃんにプロデューサーさんの方から連絡があったってことにも反応していたし・・・ねぇ・・・)

楓「それじゃあすみません。高垣、失礼させていたがきますね」フフフ

楓「小梅ちゃんも、あんまり困らせちゃダメよ?」ウフフ

小梅「はーい・・・じゃあね・・・」フリフリ




小梅「えと、私も・・・お仕事あるから、もう行かないとなんだけど・・・ごめんね・・・」

文香「そうでしたか。いえ、お時間をとっていただきありがとうございます」

小梅「・・・あの」クイクイ

凛・奏・文香「「「・・・?」」」

小梅「な、なにか大変なことになってるみたいだけど・・・が、がんばって・・・ね・・・」

小梅「私にできることなら・・・手伝うから・・・」

文香「こ、小梅さん・・・!」ホロリ

奏「その言葉だけで十分よ・・・!」ウルウル

凛「うん、私達はまだ戦える・・・! ありがとう、小梅・・・!」グスッ



・・・





・・・

小梅「・・・・・・ばいばい・・・」フリフリ


テクテク…




小梅「・・・え? あ、あれでよかったのかって・・・?」

小梅「うん・・・だって、ライバルって・・・思われてない方が、動きやすいし・・・」



小梅「・・・うん・・・そういうこと・・・」

小梅「油断してるところから来るのって、怖くていいよねぇ・・・」

小梅「トップアイドルになって、プロデューサーさんが受け入れてくれるようになったころには・・・いったいみんな、何歳になってるんだろうね・・・」


小梅「ふふふ・・・ふふふふふふふ・・・♪」



・・・





・・・


唯「藍子ちゃんが教えてくれたのってあと美穂ちゃん? 連絡つかなかったんだっけ」

文香「ええ・・・お仕事中かもしれませんし、女子寮で待っていた方がいいかもしれませんね」

奈緒「じゃ、じゃあ・・・CP・・・行くか・・・?」

凛「!? い、今はやめた方がいいんじゃないかな・・・?! た、たぶん誰もいないし・・・!」

唯「あっ、もしもしプロデューサーちゃん? 唯だよー☆」プルルルル ガチャ

奏「!?」




唯「今大丈夫ー? そろそろいい時間だしご飯いかない? え、そこいるの!」

凛(やめてやめてやめてやめて・・・!)

唯「うんっ、唯も行く行くー♡ じゃあ、うん!」ピッ

唯「唯ちょっと行ってくるねー♪」ピューン

加蓮「追うよ、奈緒!」ダッ

奈緒「ええっ!? お、おう・・・!」ダッ

奏「ま、待って、唯・・・!」ダッ

文香「ゆ、唯ちゃん・・・!」テテテ

凛「お、お願いやめてぇ・・・!」ダッ



・・・





・・・



奈緒「おい加蓮、大丈夫か・・・!?」サスサス

加蓮「い、いいから・・・! お、追いなさいって・・・!」ゼェーハーゼェーハー

奈緒「バカ! ほっとけるわけないだろ!?」サスサス

加蓮「ぜぇ・・・もーっ! 見失ったー!・・・げほっ・・・」

奈緒「しっかりしろ加蓮! 今救急車を―」ピッ ポッ

加蓮「ちょ、そこまでじゃないからー!?」



・・・




・・・



文香「わ、私を置いて・・・先を行って下さい・・・」コヒュー コヒュー

凛「大丈夫、文香・・・?」

文香「心配無用です・・・ここから先へは、誰も通しませんから・・・」ゴローン

凛「それは通行の邪魔だからやめよ・・・?」グイー




文香「ですが、それでは奏さんが一人で・・・」スクッ…

凛「・・・・・・大丈夫、私は奏を信じてる・・・」

文香「・・・・・・そう、ですね・・・」

凛「・・・・・・ちょっと、休もうか・・・」

文香「・・・・・・そうですね・・・」



カランコロンカラーン


安部菜々「いらっしゃいませー!」


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安部菜々(永遠の17歳)


菜々「わあ、凛ちゃんに文香ちゃん! ライブ以来ですねー! あっ、2名様ですね? あちらの席へどうぞ♪」

凛「ありがとう」

文香「その節は・・・」ペコッ



凛「ふう・・・でもさ、正直思っていたより―」スワリ

文香「はい。CPの方々からお話を聞いていた時と比べると、あまり事態が逼迫しているような気配はありませんでしたね・・・」スワリ

文香「無論、錯覚なのですが」ズーン

凛「だよね・・・」ズーン



文香「十時愛梨さん、高垣楓さん、白坂小梅ちゃん・・・」

文香「年齢や反応から考えて小梅ちゃんは除外しますが、愛梨さんと楓さんがプロデューサーさんに対して親愛以上の感情、恋慕の情を抱いていることは間違いないでしょう」

文香「ですが、お二人にはこれまでに伺ったCPの方々にあった他のアイドルに対する対抗心のようなものを感じませんでした」

文香「これは、それぞれの担当時の境遇の差異、プロデューサーさんとのコミュニケーション時に第三者からの接触等の要因の有無が関わっているのではないかと考えます」

文香「愛梨さんは他の担当の方を知りませんでしたから」

凛「嫉妬・・・奪われるかもって危機感が今までなかった・・・?」

文香「ええ」コク


文香「元担当の方々にお会いする前に立てていた仮説を覚えていますか?」

凛「かつて担当したアイドルにプロデューサーと親密な仲の人はいない、それはプロデューサーの挫折に対して解決できなかった負い目があるか挫折自体を知らないからっていう・・・?」

文香「はい。ですが実際は異なりました」

文香「自分はプロデューサーさんと共に高みまで来た・・・その自負―」

文香「―これまでの実績、それがあの方をこの業界へ繋ぎ止めていた・・・これもまだ仮説ではありますが―」

文香「職務のため立ち振る舞いを改めるまでもない本来のあの方と相性が良いというのは間違っていないのでしょう」

凛「勝利を確信しているからこその余裕・・・」

文香「そうとも言えるかもしれませんね」



文香「言わばあの方たちは、昨日までのアナスタシアさん達なのです」

文香「あの方と一番仲がいい人は自分であると改めて考えるまでもなく、当たり前のようにそう思っていた・・・」

文香「そのように仮定すると・・・このまま当初の予定通りにCPの休戦協定に加えて良いものか、私には分からなくなってしまうのです・・・」

文香「あの方を想う、他の方の存在を知る度に爆発におびえていたのですから・・・」ガタガタ

凛「うう・・・」ブルブル



文香「ですが放っておいた場合、条約を結んだ方々が離反する可能性もあります・・・」

凛「自由な人がいるなら、自分達だけがルールを守るなんてって・・・?」

文香「恋と戦争においては全てが公正である―まさにその通りになりかねません・・・」

凛「あ、愛梨・・・行かせちゃったよ・・・?」

文香「・・・・・・あの時の私達にはあれが最善だったのです・・・」



「はあ・・・」」



片桐早苗「な、なによなのよ。若い子がそろいもそろってため息ついちゃって」


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片桐早苗(28)



菜々「ご注文はお決まりに―だ、大丈夫ですか・・・?」テテテ

凛「ダメ、なんかもう・・・自分がどんなキャラだったかも思い出せない・・・」

菜々「ああ・・・ナナ、分かります。自分は今こう、こうなんだーって言い聞かせているとごくたまにあれっ? 本当の自分はどうだったっけって―ててて苦悩するシーンドラマとかでありますよねーっ!? ナ、ナナの実体験にはありませんがっ・・・! ええ・・・! まだ17歳ですので・・・!」

早苗「なんの話よこっちは・・・」



早苗「・・・ふう、何か悩み事があるならお姉さんたちに話してみる?」

文香「・・・え?」

早苗「見ての通り、お姉さん達は大人のオンナで凛ちゃん達はまだ子供なんだから。二人ともしっかりいしてるけど、こんな時ぐらい頼っちゃってもいいのよ?」

早苗「菜々ちゃんは~・・・まだ17歳だけど、人生経験はすっごく濃いから! まあ大丈夫ね!」

菜々「ええ・・・で、でも確かに話せば心が少しは軽くなるかもしれませんし、ナナ達で良ければお話聞きますよ? あっ、ウサミン星人は口も堅いですから! 秘密のお話でも守りますよ!」

凛「なんて温かい言葉・・・」ジーン

早苗「そうそう! お姉さん達にどうにもできなくてもきっと良くはなるって! それにもう気になっちゃってるから話してくれないとあたしもモヤモヤしちゃうし!」ケラケラ



文香「・・・・・・その、CPのプロデューサーさんなのですが・・・」

「「プロデューサーさん(君)に何か!?」」



「「・・・ん?」」



菜々「・・・早苗さん、CPのプロデューサーさんと面識があったんですか?」

早苗「・・・ええ。彼、楓ちゃんとか茄子ちゃんとかお酒好きな子達の担当だったことあるからその付き合いの時とか、ね」

凛(ストーカー騒動の時にプロデューサーにオモチャの手錠かけてたっけ・・・流石に知り合いだったんだ・・・)

文香(そんなことより今、今! ここまで候補に出なかった方の名前が出たのですが!?)


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鷹富士茄子(20)


早苗「それに、あたしも彼にスカウトされてアイドルになったから担当だったといえば担当だったし」

凛「スカウト!?」

早苗「ふふん♪ お姉さんも罪なオンナよねぇ・・・」

菜々「・・・わぁ、スカウト! ナナ、そのお話聞いてみたいです!」

早苗「そう? しかたないわねぇ。まあ、いいかしら」

早苗「あれはまだ、お姉さんがバリバリの婦警さんだった頃―」



・・・



・・・



早苗「さーて、本日のパトロールしゅうりょ―うん?」


武内P「・・・」テクテク


早苗(・・・絵に描いたように怪しい・・・)

早苗(殺し屋・・・麻薬密売・・・それとも人身売買・・・?)コソッ

早苗(交通課のお姉さんがまさかこんな巨悪のしっぽを掴んでしまうなんて・・・)ニジリニジリ…

早苗(で、でもこういうの、一度やってみたかったのよねー!)

早苗(おっといけない。見失っちゃうわ・・・!)コソコソ


・・・



菜々「・・・」ジトー


早苗「ほら、よく見ると愛嬌あるけど、よく見ないと不審者じゃない? 彼」


早苗「お姉さん交通課だったからドラマとか警察のイメージにあるような巨悪に立ち向かうなんてこと本当になくってねー」


早苗「この男の逮捕があたしの警察人生を変える、そんな予感を感じていたわ」


・・・


ポロッ…

武内P「? あの、落とされましたよ?」ヒョイ

「えっ・・・? ひっ・・・!」

早苗「ちょっといいかしら? あたしこういうものなんだけど。あ、お姉さんはもう行っていいわよ?」パカッ

「は、はい・・・!」スタコラサッサ

武内P「え? ま、待ってください。これを・・・」

早苗「はいはいあんまり困らせないでねー」ガシッ



早苗「ちょっと署までいいかしら? 拒否したらシメちゃうけど」

武内P「ご、誤解です! 誤解なんです刑事さん!」

早苗(刑事・・・悪くない響き・・・!)


・・・


・・・


早苗(なぜあたしは始末書を書かされているんだろ・・・)カキカキ

早苗(かつ丼まで奢ったのに・・・! あの男~!)カキカキ

早苗(麻薬も危険物も所持してないなんてそれでも悪党!? 絶対尻尾を掴んでやるんだから~!)カキカキ



・・・


武内P「あの、アイドルに興味は―」スッ

「あわわわわ私そういうお仕事は・・・!」ガタガタ

早苗「その女の子から離れなさい!」ザッ


・・・


早苗「・・・」カキカキ



・・・


「君なかなか面白そうだね~・・・ねーねー志希ちゃんつまんなーい! 遊んでほしー♪」キャッキャッ

武内P「では・・・ボーカルレッスンなどいかがでしょうか」


早苗「今度こそ言い逃れさせないわよ!」ザッ


・・・


・・・


早苗「・・・」カキカキ



・・・


早苗(あたし、刑事の才能ないのかしら・・・?)

早苗(・・・あ、いた)コソッ

武内P(アイドルのスカウト・・・本当に上手くいかない・・・)

早苗(今度という今度は確たる証拠を・・・!)



「お父さんアイス買ってくるから、ちゃんとここで待ってるんだぞ?」

「はーい!」

「風船、放さないようにな」ヨシヨシ

「だいじょうぶー!」ニギッ



早苗(家族と公園か・・・刑事になったらいつになるんだか・・・)フッ…


「あっ・・・風船・・・!」パッ


フワー


早苗(あ・・・木に引っかかっちゃた・・・)


「んっ・・・と、とどかない~・・・」メソッ



武内P「・・・」


テクテク ヨジッ ヒョイ


武内P「どうぞ・・・」スッ

「え・・・あ・・・」

「アイス買ってきたぞ~・・・え? あ、ああ風船拾っていただけたんですか! は、放しちゃだめだって言ったろ~! ありがとうございますそれじゃあ失礼します!」アセアセ

スタコラサッサ



「危ないから、ああいう人には近づいちゃだめだからな・・・?」コソッ




武内P「・・・」シュン…


ポンポン

早苗「見ていたわ、全部・・・」

武内P「刑事さん・・・」

早苗「今日は飲みましょ? お姉さんが奢ってあげる」


・・・



・・・


早苗「ぷはーっ!」ドンッ

早苗「おっちゃんおかわりー!」

コトッ

早苗「もうお姉さんは本当に恥ずかしい! あなたみたいな人をずっと疑っていたなんて!」グビグビ

武内P「慣れていますから・・・もうそのあたりにされた方が・・・」ゴクッ

早苗「これが飲まずにいられる!? あなたも足りないわよ! おっちゃん、この人にビールおかわりー!」

コトッ

早苗「腐っちゃだめよ! 大丈夫! あなたを分かってくれる人がきっといるから!」グビグビ

早苗「なんかあったらこの早苗お姉さんに言いなさい! なんでもしてあげるから!」グビグビ

武内P「片桐さん・・・」ジーン

早苗「偏見がなんだー!」グビグビ


・・・


・・・


早苗「ぐう・・・」Zzz…

武内P「もう閉店ですよ、片桐さん」ユサユサ


「送ってやんな、いつもこうなんだ」


武内P「・・・はい。すいません、お代は・・・」


「早苗ちゃんが寝る前にもう貰ったよ」


武内P「そうでしたか・・・片桐さん・・・」ユサユサ

武内P「仕方がない・・・ごちそうさまです」ヒョイ


「またおいで」


ガラガラ ピシャ


「・・・今日は俺の奢りだ」




テクテク

武内P「私を、分かってくれる人・・・か・・・」チラッ

早苗「う~ん・・うふふ~・・・♪」Zzz…


・・・



・・・


早苗「あいたたた・・・署に届けることないじゃない・・・」カキカキ

早苗(はあ・・・なんだかんだ楽しんでちゃったけど、あの追いかけっこももう終わりねぇ・・・)


武内P「おはようございます、片桐さん」ヌッ

早苗「へっ? あ、あなたどうしたの? もうここに用はないはずじゃ・・・ま、まあ今までもあたしが無理矢理引っ張り込んでただけなんだけど・・・」

武内P「折り入って片桐さんにお話がありまして」

早苗「お、お話? お姉さんに?」ドキッ

武内P「はい。片桐さん」



武内P「アイドルに、興味はありませんか?」スッ



・・・




・・・


早苗「―ていう、お姉さんがタイホされちゃったお話」ポッ

凛「へ、へぇー・・・そんなことがあったんだ・・・!」

早苗「でも、ここからがひどいのよ」

早苗「ちょうど新しいユニットが企画されてるってことでレッスンもそこそこでぽんって異動させてくれちゃって」プクー

早苗「まあ・・・セクシーギルティは楽しいユニットだからいいんだけど」

早苗「・・・それに、その後もけっこう気にしてくれて、今でも一緒に飲んだり話聞いてくれたりして、ね・・・♪」テレッ

文香(惚気にしか聞こえません)




早苗「ね、ねえ・・・これってやっぱりそういうことよね!?」

文香「そ、そういうこと・・・ですか?」

早苗「懐いちゃってる子も多少いるみたいだけど彼あんなんだし、これはお姉さんが貰ってあげなきゃかなー♪ なーんて!」キャー キャー




菜々「だ、ダメですよぉ! そんなのっ!!!」




凛「な、菜々さん・・・?」ビクッ

菜々「はっ・・・! い、いやあのナ、ナナ達はアイドルですし! それにプロデューサーさんにも立場というものがありますからっ!」

早苗「え~・・・でも前例あるわよ?」

菜々「あれはトップアイドルだからで―じゃなくて! トップアイドルになってもCPのプロデューサーさんはダメなんですぅ!」

早苗「? 菜々ちゃんって彼とどういう・・・ああ、プロジェクトに加わったんだっけ?」

菜々「・・・はい。道に迷いかけたあの時、救いの手を差し伸べてくれました・・・」

菜々「ナナが今のナナのままでいられるのは、みくちゃんとプロデューサーさんのおかげなんです!」

菜々「それにナナには、プロデューサーさんの人生に責任があるんです!」

文香(せ、責任・・・!?)



・・・


・・・



菜々「いらっしゃいま―ああっ、プロデューサーさんじゃないですかぁ!」

武内P「どうも」ペコ

菜々「もーぜんぜん来てくださらないんですからー! お一人ですか?」

武内P「ええ」

武内P(私が常連になると、他の方が来にくいでしょうし・・・)

菜々「分かりました! カウンターへどうぞ♪」


菜々「はい、メニューをどうぞ♪ 今日の『店長の気まぐれパスタ』はマルゲリータピザになりまーす♪」

武内P「では・・・『メイドのガチパフェ』を」

菜々(はぁ・・・ついにピザにまで変えたのに誰も頼んでくれない―)

菜々「—じゃなかった! はい『メイドのガチパフェ』ですね♪ 少々お待ちを~」イソイソ

武内P「・・・それから、『店長の気まぐれパスタ』も」

菜々「! は~い、『店長の気まぐれパスタ』ですね! ただいま~!」パタパタ



武内P「さて・・・」ペラ…

菜々「お水とおしぼりをどうぞ♪ それから、当店自慢のブレンドコーヒーになりまーす♪」コトッ

武内P「? 頼んでいませんが・・・」

菜々「店長からサービスだそうで」ヒソッ…

武内P「ありがとうございます・・・?」

菜々「いえいえ。ところで、なんだかお悩みのご様子ですね?」

菜々「はっ! や、やっぱりナナのことでなにかありましたか!? こ、この度は本当になんとお礼してよいやら・・・!」アタフタ

武内P「い、いえ・・・! その件は何の問題も・・・! それに、これも悩みというほどでは・・・」ペラ…

菜々「同窓会のお知らせ・・・? ―ってええ~!?」

菜々「お、おな、同じ高校じゃないですか~!?」



・・・



凛「ちょ、ちょっと待って!」

菜々「? はい」

凛「そ、それって、プロデューサーもウサミン星人ってこと!?」

菜々「え゙っ」

早苗「ぐふ・・・!」プルプル

文香「ま、待ってください凛さん。この場合、菜々さんの地球上での学校の卒業生だったのではないでしょうか?」

凛「! そ、そうだよね・・・! びっくりしたぁ・・・」

菜々(ナナはお二人の反応にびっくりです・・・)



早苗「それで、同じ高校だったことがどうプロデューサーくんの人生の責任につながるのよ?」

菜々「そ、そっちじゃなくて拾ってもらえたことです! た、ただでさえプロデューサーさんは上の方針に反発するアイドルたちのために頑張っているのに菜々のことまで加わって、そもそも―ってこの話はげっふんげっふん!」

菜々「な、ナナだって複雑なんです~!」ウワーン

早苗「え~・・・」

菜々「うう~・・・!」


・・・



武内P「今回は行けそうにないなと・・・しかし、安部さんが高校の後輩だったとは・・・」

菜々「え!? あ、ああっ、び、びっくりですねぇー! ままままさか地球の勉強の為に転入した学校がプロデューサーさんの母校だったなんてー!」アハハハハ!

武内P「そうだ、あの先生はまだいらっしゃるでしょうか?」

武内P「名前が出てこないのですが・・・ドナじいというキャラクターに似た、数学の・・・」

菜々「あ、ああ~! いましたいました! ご結婚されたそうですよー!」

武内P「そうでしたか。私が三年生の時の夏に初めて結婚されて、しばらく前の同窓会で離婚されてしまったと聞いていたものでしたから」

武内P「よかったですね」

菜々「そ、そうですね・・・!」

菜々(・・・同い年だこれー!?)

菜々(あああそういえば聞いたことある! 別のクラスに一見超怖いけど意外といい人って友達が噂してた人・・・!)

菜々(というか、ええー・・・離婚しちゃったんだ・・・いい先生だったのに・・・)

菜々(同窓会なんて、全然いけないしなぁ・・・)


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ドナじい(画像左下)



菜々(はぁ~・・・まさか同級生とこんな形で会っていたなんて・・・)

菜々(・・・あれ? もしかして、プロデューサーさんも気づいてない? な、なんかショック・・・)

菜々(別の形ですけど、同じ業界を夢見た人、か・・・お話したかったなぁ・・・)

菜々「・・・プロデューサーさんは、その・・・いつからプロデューサーさんになりたいって、思っていたんですか?」

武内P「私、ですか・・・?」

武内P「そうですね・・・昔からテレビで歌うアイドルの方を憧れて見たりしていましたが・・・ああ―」



武内P「そういえば、まだ高校生だった頃、学校内に密かに人気だった女性がいたんです」




武内P「特定の部活には入っていなかったそうなのですが、遠めに見ても小さい体でなかなかパワフルに動かれていて、体育祭などの学校行事でも、彼女のいるクラスはとても楽しそうでした」

武内P「何が好きとか、どんな話をしていたとか、私のクラスの男子でも話に出すほどで」

菜々「へぇ・・・そんな人が・・・」

菜々(誰だろう・・・?)

武内P「ある日、教室の移動に歩く彼女の後ろ姿とすれ違ったことがあるのですが、その時―」


『メルヘン、チェーンジ・・・』


菜々「!」

武内P「確か、当時のアニメだったか、他に誰もいないのを確認してそんなセリフを呟くのを聞きまして」

菜々(・・・そ、それって・・・)



武内P「思わず隠れてしまったのですが、そうか、そういうものが好きだったのか。その話を誰かとはしないのだろうか―」

武内P「もし、はばからず好きだといえるもの、なりたいと憧れるものに導けるとしたら、それは素敵なことなのではないかと・・・」

菜々(ナナがきっかけ・・・?)キュゥン

武内P「・・・そういえば、あれはどなただったのでしょうか? 思えばそれが、私のプロデューサーを目指す・・・―安部さん?」

菜々「え、ええっ!? あ、ああー! そ、そろそろピザ焼けたかなー!? ちょ。ちょっと見てきますねー!!!」カァ

ダダダダダ・・・



・・・



菜々(こんな話は言うわけにはいかないですしっ!)ワーン

早苗「?」




ギャー ギャー

凛「ま、まあまあ・・・!」

文香(それにしても、気になるのはこれまで名前の出なかった担当していた方、鷹富士茄子さん・・・)

文香(も、もしや・・・他にもいるのでしょうか・・・?)

文香(もう一度、ちゃんと調べなくては・・・)

文香(奏さんは大丈夫でしょうか・・・?)



・・・



かな子「あ、奏さ~ん!」フリフリ

奏「どうも、お邪魔させてもらうわね・・・」

杏「や、やっほ~・・・」

智絵里「・・・お疲れ様です」

唯「お、奏ちゃんも来ちゃったか~・・・みんなは?」

奏「・・・追いつけなかったみたいね。あ、凛からメール・・・」

奏「そっちは任せた・・・と。来なさそうね」


武内P「お久しぶりです、速水さん」


奏「!・・・ええ、お久しぶり」



奏「不思議ね・・・ずっと貴方のことばかり考えていたわ」

武内P「え・・・?」

奏「やっと恋焦がれた人に再開したみたい・・・いっそここでエンディングロールでも流れてくれないかしら・・・」ハァ…

武内P「? それはどういう・・・」

智絵里「・・・」

杏「ま、ままままあいいじゃん! それより立ち話もなんだし早くお店入っちゃおうよ!」

武内P「と、そうですね」スタ…

かな子「ここ、私のおすすめなんですよ? 事務所からも近いですし♪」

武内P「楽しみですね」

杏( く う き よ ん で ! )パクパク

奏(ご、ごめんなさい・・・)パクパク



カランコロンカラーン


「こちらのお席へどうぞ」

かな子「何にしましょうか? プロデューサーさん」スト パカッ…

武内P「そう、ですね・・・」ジッ…

智絵里「・・・!」

奏(3人席の向かい合った6人テーブル―)

奏(一番奥に座ったと思ったらすぐに彼を隣に・・・!)

杏(かな子ちゃんが早すぎる・・・)

奏(―じゃなかった)

奏「私は、どうしようかしら?」グイッ

杏(! プ、プロデューサーの隣を抑えたぁ・・・!?)

奏(乱戦になるのは避けたい・・・となると、両隣と正面にかな子・唯・智絵里ちゃんは揃えたくないの・・・!)

杏「ほ、ほら智絵里ちゃん!こっちこっち!」スト

智絵里「! う、うん・・・!」スト

唯「じゃあ唯こーこ!」スト

奏(! 正面を智絵里ちゃんに・・・)

杏(杏の立場も考えて!)



杏「か、かな子ちゃん! おすすめってある? 杏、もうお腹ペコペコだよ~」ニコニコ

かな子「ここはね~、ハニートーストがすっごく美味しいの~♪」

かな子「ああ、でもでも! フレンチトーストも美味しいし、パンケーキも絶品で・・・!」

杏「迷っちゃうね~。智絵里ちゃんは決めた?」ニコニコ

智絵里「私は・・・えと・・・」ヨミヨミ

杏「どれも美味しそうだし、量も多そうだからね~。そうだっ! それならプロデューサーと分け―」ニコニコ


美波「あっ、やっぱり・・・プロデューサーさ~ん♪」フリフリ

杏(なにぃっ!?)ニコニコギクリ

武内P「新田さん、お疲れ様です」


武内P「それに皆さんも」


アナスタシア「プリヴィエート♪」フリフリ

前川みく「Pチャ~ン♥」フリフリ



奏(CPの部屋に居たんじゃ・・・この様子だと、愛梨とはすれ違ったのかしら・・・?)

「お席、お繋げいたしましょうか?」

美波「あ、お願いします」

武内P「皆さんでなにかされていたのですか?」

美波「みんなでお話ししてたんです」

多田李衣菜「き、近況報告とかです」

本田未央「そ、そうそう! あと、これからのこととか・・・!」

武内P「なるほど。なにか必要でしたらご相談ください」

美波「うふふ、ありがとうございます♪」



みく(じー・・・♥)

武内P「? 前川さん・・・?」チラッ

みく「んーん♥ 何でもないよ♪」

みく(ふふー♪ やっぱりみくが見てるとすぐ気がつくにゃ♥)


イラッ


アーニャ「・・・!」ジー

武内P「・・・迷う。・・・? アナスタシアさん?」チラッ

アーニャ「! スパシーバ♪ 何でもありません♪」

武内P「はぁ・・・?」




杏(さ、最悪だ・・・!)ニコニコキリキリ

杏(ここからかな子ちゃんと智絵里ちゃんにプロデューサーとの会話を均等に振る予定だったのに・・・!)ニコニコキリキリ

杏(奏ちゃんと唯ちゃん? それは杏の管轄外だよ!)ニコニコキリキリ

杏(あっ・・・! き、きらりがいない・・・! やっぱりちびっ子3人を連れ出したままか・・・!)ニコニコキリキリ

杏(いいのきらり・・・!? きらりもプロデューサーのこと・・・! で、でもかな子ちゃんと智絵里ちゃんが・・・!)ニコニコキリキリ

杏(ああああ本当に杏はどうしたらいいんだああぁぁ!!!)ニコニコキリキリ



美波(・・・我慢、我慢よ美波)

美波(プロデューサーさんは私の婚約者・・・つまり、みくちゃんやアーニャちゃん達が甘えられるのは今だけ・・・)ムム

美波(コンディションへの影響もあるだろうし、多少のことは目を瞑ってあげなくちゃよね。妻として夫を信じ、どっしりと構えて・・・)

美波(でも待って―)ムムーン

美波(いずれプロデューサーさんと私は結婚する。その時、ちゃんと諦められるように私達の仲を見せること、勝てないと分からせてあげることも必要なんじゃないかしら・・・?)ムムムーン

美波(次へ進めるようにしてあげること。それがリーダーとして、一人の女としての責任・・・!)

美波(ああでも婚約してることは内緒にしなくちゃだし、どう加減すればいいのかしら・・・)ムムムーン



唯「あっ! こ、この人数・・・!」ピコーン

唯「プロデューサーちゃんプロデューサーちゃん! あれ、できるんじゃない!?」

武内P「あれ・・・ですか? もしかして、先ほどは相川さんに止められた・・・」

唯「そう、あれ! すみませーん!」ピンポーン



「お待たせいたしました。ご注文はお決まりでしょうか?」

武内P「メニューのここから」スッ

唯「ここまでくださーい☆」ビシッ

武内P「一品ずつでお願いします」

「はい、メニューのここからここまでですね」ピッピッピッ

「ご注文は以上でしょうか?」

武内P「残りはまた、あらためて」

「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」ペコリ

パタパタパタ…


唯「・・・うおおお~・・・! ヤバすぎっしょこれー☆」キャーキャー

唯「うっひょー!」

みく「あ、李衣菜ちゃんにゃ」

李衣菜「ちょっとぉ!」



奏「初めて見たわ・・・・平気なの?」ヒソッ…

武内P「最後のページだけなので、デザートとドリンクだけです」ヒソッ…

奏「ああ、だから貴方が最初に・・・」

武内P「しー・・・です」シー…

奏「! ふふっ・・・か、可愛いことしないで・・・!」プルプル

武内P「あ、いや、その、これは・・・!」

武内P(お恥ずかしいことを・・・しかし―)

奏「ふふ、うふふふふふ・・・♪」プルプル

武内P(笑顔になっていただけたようなので・・・まあ・・・)フフ




唯「ねーねー! キャンディの3人はさっきまでお仕事だったんでしょ?」

唯「何やってきたのー?」

かな子「あんきランキングの取材だよ」

かな子「今回は杏ちゃんも一緒だったんだ~」

智絵里「杏ちゃん、すごかったよね・・・!」

かな子「うん! あんなに速くてびっくりしちゃった」

智絵里「ぴゅーって、次の人に取材に行っちゃって!」

杏「あ、飴の話ときたら杏だからね!」

杏(二人だけにするのが怖かった・・・なんて言えないに決まってる・・・)

杏「いやーこんなお仕事なら毎日だって望むところだよ!」

かな子「ほ、本当に珍しい・・・!」

杏「まあこれは流石に言いすぎかな? へへっ」

杏(・・・仕事の方が精神的に楽だなんて、知りたくなかったなぁ)



武内P「良いことだと思います。勿論、以前の双葉さんの在り方にも人を惹き付ける魅力があったことは確かですが」

杏(こ、この人はどうしてこう恥ずかしげもなく・・・!)

唯「あんきランキング、最初はチョー初々しかったよねー☆ 可愛かったー♪」

智絵里「い、今はもうちょっとうまくできるようになりました・・・!」

武内P「はい、目を合わせてお話できる時間が増えましたね」

智絵里「プ、プロデューサーさんがいっぱい練習してくれたから・・・♥」

唯「かな子ちゃんも全然落ち着いてるし!」

かな子「ううん、内心ドキドキだよ~」

奏(唯ちゃんのコミュ力すごい・・・!)オオ…

杏(味方か・・・!?)オオ…




唯「これはごほーびが必要なんじゃない? プロデューサーちゃん!」

武内P「ご褒美、ですか? そうですね・・・なにがいいか考えておいてください」

智絵里「そ、そんな・・・!」ブンブンブン

かな子「こ、こんなことでもらうわけには・・・!」ブンブンブン




「お待たせいたしました。お先にドリンク、パンケーキとハニートーストでございます」コトッ

唯「あっ、きたきた☆」

「ごゆっくりおくつろぎくださいませ」イソイソ

唯「ごほーびとい・え・ば? あ~んだよね~☆」

唯「準備はいい? 智絵里ちゃん!」

智絵里「え、ええっ!? そ、そんなみんなの前でなんて、プロデューサーさんに―」ワタワタ




唯「はい、あ~ん☆」グイ

智絵里「むぐっ」

唯「美味しい? まだいくよ~それ~♪」ヒョイ ヒョイ

智絵里(ゆ、唯ちゃんがやるんだ・・・)モッモッ

智絵里「お、美味しいでふ・・・!」モッモッ

唯「智絵里ちゃんかわいい~☆」ヒョイヒョイ




かな子「あ、はは・・・」

かな子「あっ、こっちのハニートースト! 私のオススメなんですよ♪」

かな子「プロデューサーさんも食べてみてください! はい、あ~ん♥」スッ

武内P「えっ!? み、三村さんここでは・・・!」

(・・・ここでは?)

奏「! あむっ!」グイッ パクッ

かな子「わっ、奏さん・・・!」

奏「なるほど・・・絶品ね」モッモッ

奏「ふふっ、ごめんなさいね。つい我慢できなくて」

奏「そのフォークは私が使うわ」

かな子「は、はい・・・」




シュワーシュワーコオーリノーダイヤニーヌレーナガーラソットー♪


武内P「失礼。はい。ああ、これは、お世話になっております」ピッ


武内P「はい。本当ですか。ありがとうございます」

武内P「では詳しい話を・・・分かりました、すぐに伺います」ピッ ツーツー


奏「お仕事かしら?」

武内P「はい。新しい企画が通りそうで」

武内P「すみません、ここで失礼します」スクッ…

アーニャ「ダヴァイ、頑張ってくださいね?」

みく「でも無理しちゃダメだよ?」

武内P「はい。ありがとうございます」

奏「あっ、待って」スクッ

武内P「はい?」




奏「ネクタイ、少し曲がってるわ。髪も整えて・・・」ナオシナオシ ナデナデ

武内P「は、速水さん・・・あの・・・っ」タジ…

奏「勤勉なのはいいことだけど、もう少し自分にも優しくして?」イソイソ

奏「ふふっ、食事をとる話ばかり聞くのよ? それとも食いしん坊なのかしら?」パッパッ




奏「はい、出来た。うん、なかなか素敵じゃない?」

武内P「あ、ありがとうございます・・・」タジタジ

奏「それから・・・はい、あーん」グイッ

武内P「むぐ」ゴクン

かな子「あっ・・・」

奏「ちょっとは食べないとね」グイッ

奏「ふふ、はちみつだから本当にくまさんみたいね♪」グイッ

武内P「も、もう充分ですから・・・」ムグムグ





武内P「で、では失礼します・・・!」

奏「いってらっしゃい」フリフリ



スタコラサッサ…

武内P「すみません、あの席の会計を」

「はい、かしこまりました」



奏「・・・やっぱりチャーミングね、彼♪」

唯「奏ちゃんだいたーん☆」

奏「あっ」


みく「あーん、ってした・・・」

智絵里「間接キス・・・」

美波「まるで奥さんみたいにお世話を・・・」

アーニャ「・・・」

奏「」




みく「さて・・・」

アーニャ「んんっ、アー・・・カナデ?」

美波「詳しく聞かせてもらえるんですよね? 色々調べてること報告してほしいの」

美波「あっ、もちろんさっきのこともね?」

卯月「・・・美穂ちゃん、電話でないんです・・・」ツー ツー

杏(奏ちゃんは迂闊。杏覚えた・・・)ガタガタガタ


かな子(変なの・・・甘いのに、美味しくないや・・・)パクッ…


・・・




・・・


文香「・・・気づかれずに、離れられたようですね・・・」コソッ…

凛「うん。はぁ・・・あのまま、また誰が一番かって話にならなくて良かったよ・・・」

文香「悲劇の歴史を繰り返してはならないのです・・・」

凛「本当にね・・・」



文香「これからの行動ですがなのですが・・・早苗さんのおっしゃっていた、鷹富士茄子さんという方にも接触したいところですね・・・」

文香「まさかまだ、プロデューサーさんが担当していた方がいたなんて・・・」

凛「・・・それなんだけど、一度CPのプロジェクトルームに戻ろうかって思うんだ」

文香「! しょ、正気ですか・・・!? あの地獄にまた・・・あ、ああ・・・!」ガタガタガタ

凛「奏からメールの返信があって、今ならみんな出てるみたい」




凛「今になってなんだけど、ちひろさんに聞いてみようと思うんだ」

文香「な、なるほど、CPのアシスタントの方ですね。何かとお詳しいでしょうし、調べることも確かに私たちよりは容易でしょう」

凛「うん。前のこととか、今のスケジュールとかね」


((あわよくば全部押し付けたい・・・))

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