ココア「百物語をしよう」リゼ「妙案だな」 (12)

ココア(私たちは夏休みに、少しは青春らしいことをしたいと思って)

ココア「……それでまた電話してて)

ココア(だけどしなければよかった)

ココア「今どこどこにいるのってまた言ってて……メリーさんが」

ココア(青山さんの家で百物語なんか)

ココア「近づいてきてて」

ココア「で、また電話で話して、今後ろにいるのみたいなこと言ってて」

ココア(しなければよかったんだ)

ココア「それで最後どうなったか忘れたけど、凄い怖かったって話」

リゼ「じゃあ次は私の番だな」

リゼ「これは私が実際に体験した話なんだが」

リゼ「スーパーには必ずアイス売り場があるだろ?」

リゼ「それでどれを買おうか迷って……扉を開けて迷ってたんだ」

リゼ「そしたら、明らかにお店の人じゃない知らないおばさんが」

リゼ「長いこと開けっ放しにしちゃダメだって注意してきたんだ」

リゼ「それが怖かったって話」

ココア「怖い話ってそういうのじゃないよね!?」

ココア「知らないおばさんが怖いとかじゃなくて!」

ココア「ホラー系の不気味な話とか!」

ココア「そういうのを順番に100個話すのが百物語だよ!?」

ココア「そして100個話し終えた時、本当に怪奇現象が起きるという」ブルブル

リゼ「いや、この話には続きがあるんだ」

リゼ「ここからが不思議なところで」

リゼ「そのおばさん、思い返してみると私より小さくて」

リゼ「背が150くらいなんだが、その時はやけに大きく見えたんだ!」

青山さん「もういいです次は私です」

ココア(千夜ちゃんを呼べばよかった)

青山さん「とっておきのお話をしましょう」キリッ

ココア「頼んだよ青山さん!」

青山さん「少し長い話になるのですが――」

――――――

――――

――


青山さん「――というわけなのです」

ココア「怖いけど長いよーーーーっ!!」

リゼ「そりゃ『オーメン』は怖いけども! なんで映画の話丸々一本聞かされないといけないんだよ!」

ココア「私と違って話を細かく覚えてるのはいいよ?」

ココア「改善に再現するから、一時間以上もかかったよ!?」

ココア「あまりに長いからチノちゃん寝ちゃったよ!」

チノ「ううん……ユーラシア大陸……zzzz」

ココア「それだったらもうDVD見たいよ!?」

青山さん「なんですかなんなんですか何故今日はシャロさんがいないんですか」

ココア「千夜ちゃんとお泊りだよ! シャロちゃんのことしか考えてないからそうなるんだよ、このレズ山さん!」

青山さん「!?」

リゼ「映画の話でもいいけど、もう少しまとめないとな」呆れ

ココア「……次はまた私だね」

ココア「これは確か、マヤちゃんから聞いた気がする話なんだけど」

ココア「なんか凄い……なんか話してきてて、真剣に聞いてたら最後のオチのところで」

ココア「急に大きい声で」

ココア「お前だーーーーーーーーーーーーーっ!」

ココア「って言ってきて」

ココア「凄い怖かった」

リゼ「お前がお前だーって言われたことしか伝わってこないぞ!?」

リゼ「ったく、どうしようもない奴らだな」

リゼ「私に任せろ!」

リゼ「とっておきの話をしてやる!」

ココア「リゼちゃんがさっきのターンダントツでどうしようもなかったよ!?」

リゼ「これは私が本当に体験した話なんだが」

青山さん「またおばさんに怒られた話なのでしょうか」

リゼ「いや、違う」

リゼ「あれは雨の日、私はワイルドギースの散歩をしていたんだ」

リゼ「だけどフンの始末の用意を忘れて」

リゼ「家に取りに帰ろうとしたんだ」

リゼ「するとワイルドギースは、すいませんみたいな顔をして、もうしはじめちゃってて」

リゼ「やめろお前!」

リゼ「って言ったんだけどやめてくれなくて」

リゼ「私は慌ててその場から走り去ろうとした」

リゼ「すると近くにいた若い女性に見られていて、注意された」

ココア「お姉さんに怒られた話じゃん!」

リゼ「いや、怖いのはここからなんだ」

リゼ「怒られて、夢なら覚めてくれてばかりにうつむいていた私だが」

リゼ「ふいにちらっと、その女性の顔をうかがったんだ」

リゼ「どこかで見た顔なんだ」

リゼ「すぐにそれがある人のお姉さんだと気付いた」

ココア「ある人って?」

リゼ「お前だあああああああああああああああ」

ココア「ヴェアアアアアアアアアアア」

ココア「び、びっくりした」

青山さん「誰だってそんな大声を出されたら驚きます」

青山さん「次は私ですね」

青山さん「怖い話のなんたるかを教えてあげましょう」キリッ

リゼ「なんたるかって、映画だろ」

リゼ「まとめろよ、今度は」

青山さん「わかっています」

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