都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13 (135) 【現行スレ】

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」とは
  2ちゃんねる - ニュー速VIPで生まれた
  都市伝説と契約して他の都市伝説と戦ってみたりそんな事は気にせず都市伝説とまったりしたりきゃっうふふしたり
  まぁそんな感じで色々やってるSSを書いてみたり妄想してみたりアイディア出してみたりと色々活動しているスレです。
  基本的に世界観は作者それぞれ、何でもあり。
  なお「都市伝説と…」の設定を使って、各作者たちによる【シェアード・ワールド・ノベル】やクロス企画などの活動も行っています。
  舞台の一例としては下記のまとめwikiを参照してください。


まとめwiki
  http://www29.atwiki.jp/legends/
まとめ(途中まで)
  http://nanabatu.web.fc2.com/new_genre/urban_folklore_contractor.html
避難所
  http://jbbs.livedoor.jp/otaku/13199/


■注意
  スレの性質上、スレ進行が滞る事もありますがまったりと待ちましょう。
  本スレとはあまりにもかけ離れた雑談は「避難所」を利用して下さい。
  作品によっては微エロ又は微グロ表現がなされています。

■書き手の皆さんへ
  書き手の方は名前欄にタイトル(もしくはコテハン)とトリップ推奨(どちらも非強制)
  物語の続きを投下する場合は最後に投下したレスへアンカー(>>xxx-xxx)をつけると読み易くなります。
  他作品と関わる作品を書く場合には、キャラ使用の許可をスレで呼びかけるといいかもしれません。
  ネタバレが嫌な方は「避難所」の雑談スレを利用する手もあります。どちらにせよ相手方の作品には十分配慮してあげて下さい。
  これから書こうとする人は、設定を気にせず書いちゃって下さい。

※重要事項
  この板では、一部の単語にフィルターがかかっています。  メール欄に半角で『saga』の入力推奨。
  「書き込めません」と出た時は一度リロードして本当に書き込めなかったかどうか確かめてから改めて書き込みましょう。

◆用語集

 【都市伝説】→超常現象から伝説・神話、それにUMAや妖怪のたぐいまで含んでしまう“不思議な存在”の総称。厳密な意味の都市伝説ではありません。スレ設立当初は違ったんだけど忘れた
 【契約】→都市伝説に心の力を与える代わりにすげえパワーを手に入れた人たち
 【契約者】→都市伝説と契約を交わした人
 【組織】→都市伝説を用いて犯罪を犯したり、人を襲う都市伝説をコロコロしちゃう都市伝説集団
 【黒服】→組織の構成員のこと、色々な集団に分けられている。元人間も居れば純粋培養の黒服も居る
 【No.0】→黒服集団の長、つおい。その気になれば世界を破壊するくらい楽勝な奴らばかり
 【心の器】→人間が都市伝説と契約できる範囲。強大な都市伝説と契約したり、多重契約したりすると容量を喰う。器の大きさは人それぞれである。器から少しでも零れると…
 【都市伝説に飲まれる】→器の限界を迎えた場合に起こる現象。消滅したり、人間を辞めて都市伝説や黒服になったりする。不老になることもある

ここはとある料理教室
女子高生から主婦、嫁入り前からお婆ちゃんまで、殆ど女性だが老若は様々
包丁の音や煮えた音、幾つもの音が飛び交う中、練り歩くのは美しい黒髪の女性
どうやら、この料理教室の先生のようだ

「はい、繰り返しますね皆さん
 今日のテーマは“夏”です
 冷たいもの、逆に熱いものでも構いません
 夏の食卓を彩る素晴らしい料理を考えてください」
「せ、先生! 出来ました!」
「えーホントにこれで良いの?」
「良いから良いから」

そう言って手を挙げたのは、学校帰りだろうか、女子高生2人組
片方は自信満々だが、もう片方はやや自身がなさそう、というよりげんなりしているようだった

「あらあら、元気ですね。どんな料理ですか?」
「はい! カキ氷にかき揚げを乗せてみました!」
「……えっと先生、この子ちょっとおバカなんです」
「ちょっとそれどういう意味!?」
「うふふ、発想は凄く素敵ですね
 シロップの代わりに天つゆをかけてるのも芸が細かいです」
「ほら見て、評価されちゃったよ!」
「でもこれだと“食べ合わせ”が悪いですね」
「「え?」」
「温かい天ぷら、体を冷やすカキ氷
 一緒に食べると胃がビックリしてあまり良くないんですよ」
「そ、そんなぁ」
「凄くクールに否定されてる…」
「その盛り付けは面白いので、氷の代わりに何か使ってみると良いと思います
 大根おろしなんて、カキ氷っぽいと思いませんか?」
「なるほど、天ぷらにも合う! 大根おろし作る!」
「うふふ、頑張って下さい」
「あ、あの…」

恥ずかし気に手を挙げるのは、若い女性だった
左手の薬指に輝く指輪を見るに、結婚したての新妻といったところか

「あらごめんなさい、そちらも出来ましたか?」
「は、はい…トマトやキュウリ、オクラを使った夏野菜のサラダなんですけど…」
「ん、すごく綺麗ですね、とてもいい盛り付け方です!
 それにトマトとキュウリは、どちらも体を冷やす作用があるので夏にはピッタリなんです」
「あ…ありがとうございます」
「でも、これも覚えておいて下さい
 トマトとキュウリ、よく見る組み合わせですが、そのままだと意外に相性が悪いんです」
「えっ…それも、さっきの“食べ合わせ”?」
「「トマトとキュウリも!?」」

“食べ合わせ”というワードを耳に挟んだ女子高生2人が、大根を片手に割り込んできた
うふふ、と“先生”と呼ばれる女性は笑う

「トマトはビタミンCが多く含まれてます
 ビタミンCは癌や脳卒中、心臓疾患など、様々な重い病気を抑えてくれる重要な栄養分です
 しかし、キュウリにアスコルピナーゼは、この大事なビタミンCを壊してしまいます
 その大根も、ビタミンCが多いからキュウリとは相性が悪いですね
 ちなみに、人参もキュウリと同じアスコルピナーゼを含んでいます
 死んでしまうような重大なことではないけれど、折角ならちゃんと摂っておきたいですよね」
「う、うーん……キュウリではなく、何かに変えた方が良いんでしょうか」
「いえ、実は一手間加えるだけで良いんです
 アスコルピナーゼは熱と酸に弱い」

ひょいひょい、と“先生”はお酢とオリーブオイルを取り、
簡単なドレッシングを作り上げ、そのサラダに振りまいた

「こうすれば、ビタミンCも効率よく摂れますし、美味しく頂けるかと思いますよ?」
「「「……お、美味しい」」」
「あら、これでは私が作ったみたいですね;」
「でも、“食べ合わせ”が悪いものって結構あるんですね」
「そうですね、中には一生出会わない組み合わせもありますけど
 一番気をつけた方が良いのは、ドリアンとビールですね」
「ドリアン…テレビでしか見たことない」
「私達はまだビール飲めないけど…どうなっちゃうんですか?」
「ふふ、死にます♪」
「「「えー!?」」」
「まぁ、そうやって色んな“食べ合わせ”を知って気をつけていけば、
 料理はますます面白く、そして美味しくなっていきますよ
 さて、他の皆さんは出来ましたか?」



―――――――――――――






――――――





――









数時間後
料理教室が終わり、女性は帰路についていた

「うふふ、皆さん今日も美味くできていましたね……あら?」

ふと目の前に注目する
いつの間にいたのだろうか、それともふっと突然現れたのだろうか
黒く長い乱れ髪、赤いコート、大きなマスク
そして、目元しか分からないが、それは美しい顔立ちに見えた

「……私って、綺麗?」
「そうですね、綺麗だと思いますよ」
「…これでもぉ?」

マスクを剥ぎ取れば露になる、耳まで裂けた口の醜い顔
学校町恒例の「口裂け女」である

「あらあら、随分久しぶりに出会ってしまいましたね」
「お前の顔も同じにしてやる!!」
「まぁ慌てないで下さい、何かお食事なさいませんか?」
「は?」
「ちょっと待ってて下さいね、えっとお鍋と包丁、ザルとガスコンロ、テーブル」
「ちょっと待てそれどこから出してんの」
「はい、お待たせしました♪ 糸こんにゃくとキュウリの酢の物です
 持ち合わせがなくてこれくらいしか作れませんでしたが…どうぞ、お召し上がりください」

「口裂け女」は盛り付けられた小鉢と箸を押し付けられ、
しぶしぶ、箸をつけ、口に運ぶ

「……ん、美味い」
「うふふ、喜んでいただけて何よりです」
「なんかこう、さっぱり、し、て……」

からん、から、
小鉢と箸が「口裂け女」の手を離れて落ちる
喉を、胸を抑え、崩れ落ちる「口裂け女」
何が起こったのか分からない
まさか

「……こんにゃくとキュウリは、古くより“食べ合わせ”が悪いとされていました」

毒を……盛られた……!?

「でも、何故そう伝えられていたのか、根拠が分からないんです
 昔からあったんですね…そういう都市伝説が」
「ぐ……ぁ……く、そ…女ぁ………」
「うふふ、こう見えて私、男なんですよ」



   ...end

新スレあげてから全くこれなかったという
そして料理できないのに料理教室の先生を書いてみたテスト

前スレの方々乙です
スレタイなんて気にしない! 最近スレタイ無視してる変態がいるからな!(俺
次世代ーズの人も一バトル起きそうだぜヒャッハー! 戦闘最高!(←戦闘に飢えてる

作者全員に質問です♪

【アクマの書き手の人へ】
1 前のスレで学校町の七不思議が話題になってましたが学校ごとにも七不思議ってあるんですか?
2 よく昔話とかで水神様が美少女に化けて村人の前に現れるお約束がありますがそういう展開ってワンチャンありますか?
3 瑞樹さんの学生時代と次世代編のスリーサイズについて詳しく教えてください
4 ヒーローズカフェの従業員と神社組が今日履いてる下着の色を教えてください

【罪深い赤薔薇の花子さんとかの人へ】
1 今後憐きゅんが女装する可能性ってありますか?
2 中央高校の七不思議について教えてください
3 咲夜とかなえの好きなタイプ(男子)を教えてください
4 咲夜とかなえのお気に入りの下着について教えてください
5 咲夜とかなえは友達同士で下着を買いに行ったりしますか?
6 咲夜とかなえが今日着けてる下着の柄を教えてください
7 岩融さんの今日の下着の柄を教えてください

【はないちもんめの人へ】
1 望さん夫婦円満の秘訣ってなんですか?
2 神子のスリーサイズについて教えてください
3 神子は勝負下着を持ってますか?
4 今後愛人が美亜さん相手に勝てる確率はどれくらいですか?

【やの人へ】
1 サキュバスってパンツ履かないって聞きましたが実際はどうなんですか?
2 風俗の仕事は正式には受け付けてないって言ってましたが非公式にはやってるってことですか?
3 葉さんのお気に入りのパンツって何色ですか?

【大王の人へ】
1 沖縄編で水着サービスシーンがありそうな気がしますが実際は出ますか?
2 同じく沖縄編で正義と大王のサービスシーンはありますか?
3 正義と大王の今日の下着は何色か教えてください
4 これからホラー展開ってありますか?(前に聞いた)

【次世代ーズの人へ】
1 ピエロって学校町に何しに来たんですか?
2 早渡含めたキャラの今日履いてる下着について教えてください
3 早渡のお気に入りの下着ってどんな感じですか?

【鳥居の人へ】
1 ノイお母さんの趣味を教えてください
2 澪とキラの今日の下着について教えてください
3 今後澪とキラのお色気シーンはワンチャンありますか?
4 澪の隠れた性癖について教えてください

【シャドーマンの人へ】
1 れっきゅんの子供たちも全員決闘者ですか?
2 子世代が活躍する話ってワンチャンありますか?
3 れっきゅんの今日履いてる下着を教えてください
4 ラブラブですか?

【チキン野郎の人へ】
1 雀きゅんのスリーサイズを教えてください
2 雀きゅんのクラスの女子で雀きゅんのことが好きな泥棒猫っていますか?教えてください
3 雀きゅんの話に今後六本足が登場する可能性はありますか?
4 雀きゅんの下着って緋色さんや姉のと一緒に洗濯してるんですか?教えてください
5 雀きゅんのお色気シーンってワンチャンありますか?

【ソニータイマーの人へ】
1 七つの大罪って何者ですか?
2 堂寺と疾風の履いてる下着を教えてください
3 堂寺と疾風はどういう関係ですか?お互い好きですか?

【Tさんの人へ】
1 Tさんはマヨヒガの裏で家庭菜園やってるイメージがありますが実際はどうなんですか?
2 Tさんと舞はどっちがドスケベですか?教えてください
3 リカちゃんのお婿さん候補は見つかりましたか?

改めてスレ建て乙&前スレの方々乙です
次世代ーズの方は盛り上がってそうですなぁ……追いかけないと

>>8
>1 沖縄編で水着サービスシーンがありそうな気がしますが実際は出ますか?
たぶん……ありません? 割とシリアスがメインです
余裕があったら、大王との日常シリーズで補完しますが、描写は小学生編の夏休みレベルが限度です

>2 同じく沖縄編で正義と大王のサービスシーンはありますか?
正義は無いと思いますが、大王の衣服が破れるシーンはあります

>3 正義と大王の今日の下着は何色か教えてください
正義は、基本的にトランクス派で、黒~紺色系を好みます。靴下は学校指定のものを愛用。
大王は、沖縄編なら靴下以外穿いてません。今は、下着も全部黒系です

>4 これからホラー展開ってありますか?(前に聞いた)
マヤの予言編のアレコレと比べるなら、ちょっとしたアクシデントはあります。死ぬよりはマシです


>>4-6
兄者乙。食べ合わせねぇ、面白い。料理系だと、フグの卵巣の毒抜きとかもある意味使えるかね?

>戦闘最高!(←戦闘に飢えてる
ほう……俺でよければ、ひとつ書き上げたぜ?(食後に上げますの意

けふっ。予告通り、上げますよ~

●前回
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 Part 12 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1483444899/992-995)
このスレの、「「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」という設定をシェア」した作品。
都市伝説に関する様々な設定を引き継ぎながら、学校町とは異なる発展を遂げた世界。

前回は、異形たる存在に襲われ、その同類である異形【メリーさん】と契約を交わした男の物語。
彼らは名乗る、人間と契約して仕える『伝説使徒(アーバント)』と。その存在とは、いったい?

今回は、伝説使徒【こっくりさん】と契約したサッカー少年の物語。
はたして、少年はどのような運命を紡ぐのか……。



 人は噂した、「硬貨と五十音表を使った降霊術により現れる、【こっくりさん】がいる」と。

 人は噂した、「人を襲うため風と共に現れる、【鎌鼬】がいる」と。


 『Meme(ミーム)』。それは人類が進化の過程で獲得した遺伝情報の一種。
 ミームは『文化』『技術』『情報』として人類の生存のために繁栄し、時に姿かたちを変えた。

 そのミームのひとつに、『幽霊』というものがあった。
 それらは未知の現象・事件……情報を理解するために生まれ、情報としての生存能力に長けていた。

 だが、幽霊も『科学』の進歩により不要となった。
 科学が、あらゆる未知の情報を解析してしまったのだ。


「へへへ、今日のテストも100点満点だね。」


 さて、質問である。
 もし仮に……「ミームが意思を持っていたら」、彼らはどのような行動に出るだろうか?

 例えば……『科学のミーム』でも解析できない現象を『幽霊のミーム』が起こす……かもしれない。


「分かってるよ、これもお前のおかげだ。」


 『妖怪のミーム』は、進化の時を迎えていたのだ。


「な、こっくりさん。」


 下校中、ぶつぶつと呟きながら少年が振り向くと、そこには半透明の子どもが居た。
 【こっくりさん】と呼ばれた子どもは、少年に言葉を返す。

「ボクの力を、チャチな事に使わないでほしいな。主様。」
「『あるじさま』なんてカタ苦しい呼び方、やめてよ」

 煙たがる少年に対し、【こっくりさん】は肩をすくめた。

「わざとだよ。たまには『契約者』だって事、思い出してほしいからね。」
「だって、分からないんだもん。けーやくとか、アーバントとか。」

 【こっくりさん】は『伝説使徒(アーバント)』の一種である。

 『伝説使徒』とは、情報によって生まれた生命体である。
 物理的な肉体を持たず、自らの素となる情報と謎の根拠でそこに存在する。
 そのため、人間によっては視認困難な場合もある。

 しかし、媒体も無しにその体と精神を保つのは困難である。
 情報は、時間と人間の手で常に変化し、それは伝説使徒にも影響を与える。
 外見だけでなく、性格や能力さえも、ミームの加減で変化してしまうのだ。

 安定を求める伝説使徒は、人間に契約を持ちかける。
 『人間の脳を、自らのミームを保存する媒体として扱う』契約だ。

「主は、ボクのミーム……つまり記憶を覚えていてくれる。それだけで良いんだ。
 キミが生きている限り、ボクはボクのまま生きていけるからね。」

 媒体があれば、体と精神は安定する。
 ただし、媒体である人間―契約者―の死は自らの破滅に繋がる。
 契約者の吟味は『伝説使徒』の死活を別ける問題である。

 【こっくりさん】は、自分の運命を少年に託した。
 人間であれば、小学生レベルの知能でも契約できるらしい。

「そう言われても……忘れる方が、難しいし。
 オレだって、こっくりさんが居て、うれしいし。」

 少年にとって、契約は苦痛でも負担でもなかった。
 人間の脳はかくも複雑で、1体程度の伝説使徒なら保存できてしまうようだ。
 当然ながら個人差はある。脳の状態や伝説使徒の情報量によっては、命の危険すら考えられる。
 だが、リスクを冒す価値が『契約』にはある。

 伝説使徒を保存した人間の脳は、進化する。
 全ての伝説使徒を知覚しやすくなり、超感覚を獲得する例もある。
 また、契約した伝説使徒の力を多少コントロールしたり、時間をかけてミームを書き換える事もできる。
 そもそもとして、伝説使徒の命を預かるものとして、従者のように使役できるのだ。

 もっとも、少年にとって【こっくりさん】は『友達』でしかない。
 少し不思議な存在であるが、自分と変わりない友として、ただ受け入れていた。

「……ありがとう。」
「じゃあ、帰るとするか―――」
「おーい!」

 ふと、遠くから少年を呼ぶ声が聞こえた。
 声の方からクラスメイトの姿が見えると、【こっくりさん】はその姿を消した。

「なぁ、今から、裏山に行かないか?」
「なんだ? ヤブから棒に。」

 少年のクラスメイトが提案したのは、裏山の探索だった。
 クラスメイトが言うには、裏山には『遭難者の霊』が今も彷徨っているらしい。
 それが最近になって、裏山で遊ぶ子ども達を襲っている……そんな噂が流れているのだ。

「そのウワサが本当か、確かめに行こうぜ?」
「……ふーん。」

 きっと遊びのつもりだったのだろう。だが、少年は知っている。
 【幽霊】というものが実在し、時に、人を襲う事を。

「悪いけど、今日は用事があるからパス。明日にしようぜ。」
「じゃあ、帰って退治するための、準備でもするか。またなー!」

 そう言ってクラスメイトを帰らせたが、少年はひとり呟く。

「悪い、こっくりさん。今日は用事ができた。」







―――裏山


 ある程度整備された道に従えば、ハイキングコースとして利用できる場所である。
 だが少し外れると、獣道ぐらいしかない迷路と化す。
 子ども達にとっては、探検ごっこや秘密基地造りといった、有名な遊び場にもなっている。

 そんな場所に、人を襲う【幽霊】がいる。
 誰かが退治するなら良いが、きっと大人は信じない。
 ……なら、退治できるのは自分だけだ。

「ここら辺かな?」
「うん。気を付けてね。」

 少年と【こっくりさん】は、獣道を進んでいた。
 噂となっている【遭難者の幽霊】がいる場所を目指して。

 しかし、見当はついていた。【こっくりさん】の能力である。
 【こっくりさん】は、十円玉を介して質問することで、あらゆる質問に答える事が可能となる。
 その能力で、事前に居場所を突き止めていたのだ。

「よっと……ふぅ。」
「あっ、危ない!」

 少年を【こっくりさん】が突き飛ばすと、その真上を何かが通過した。
 生き物ではない……『伝説使徒』だ。

《ククク……ボウヤ、コンナ所で、何シテル?》

 ボロ切れを纏った大人の女性に見えたが、その姿はうっすら透けている。
 その声も、少年の頭に直接響くように聞こえた。
 間違いない、彼女が【遭難者の幽霊】だ。

 少年は、思わず手に取った木の棒を投げつける。しかし、木の棒は幽霊をすり抜けてしまった。

「あっ!?」
《オヤオヤ……オイタが、スギルわ……》

 慌てる少年の元へと、ゆっくり、ふわりと、【遭難者の幽霊】は向かって行く。

「主! 実体がない伝説使徒に、そんなのは効かないよ!」

 【こっくりさん】の叫びを聞き、少年は冷静になった。
 すぐさまポケットから手袋を取り出し、両手に取り付ける。

「こっくりさん、こっくりさん……鳥居へ!」

 少年がそう呟くと、【こっくりさん】は吸い込まれるように、手袋の中に入った。

《ボウヤ、アタシが……躾けて、アゲル!》

 【遭難者の幽霊】が、少年に向けてその腕を振り上げる。
 しかし少年はわずかな動きで避け、カウンターの拳を振るう。

「たぁ!」
《ゴフゥ!? ナ、何故……? タダの、パンチで……。》

 その拳は、実体がないはずの幽霊に当たった。

「ふふん、ただのパンチじゃない……『ボク』のパンチ、だよ。」

 少年の口から、【こっくりさん】の声が響いた。

「憑依さ。実体を持つ人間に、ミームであるボクが憑依したら……。
 より強いミームを持つ、伝説使徒のように戦える!」
《ソ、ソンナ……》

 少年が付けている手袋には、十円玉が仕込まれている。
 その十円玉により、【こっくりさん】の第2の能力、『十円玉に触れている者に憑依』が可能となったのだ。
 憑依された人間は、伝説使徒と一心同体となり、より強い力を振るえるようになる。

 少年に憑依した【こっくりさん】は、殴る・蹴るを繰り返す。
 女性の幽霊は、その殴打に圧倒されていた。

《コ、コドモ、如き……。》
「に、圧倒されているのは、誰?」

 そう嘲笑して殴りつけた時、【遭難者の幽霊】は怯まなかった。
 そのまま少年の首を掴み、押し倒す。

《コドモ如きが、アーバントを、ナメルなァッ……!》
「ぐっ、しまっ……!」

 【遭難者の幽霊】は、ギリギリと少年の首を絞める。これは、憑依の弊害ではない。
 幽霊タイプの伝説使徒は、物理的には触れないが、一方的に人間を攻撃できるのだ。
 むしろ憑依のおかげで、少しは丈夫になっているが……。

「(このままでは、主が……)」
《クカカ……サァ、ヒトリで、何が、デキル!》

 抵抗する【こっくりさん】に構わず、女性の幽霊はその力を強めた。
 【こっくりさん】に、なす術はなかった。



「(つまり、『オレ』の番だな。)」



「こっ、くり、さん……こっくり、さん……。」
《ホザけッ……!》

 少年に憑依した【こっくりさん】は、女性の幽霊に抵抗しながら、何かを呟く。

「チェックマークへ……!」
《ナッ、グワァ!?》

 そう呟いた瞬間、手袋から飛び出した【こっくりさん】が、女性の幽霊を頭突きで突き飛ばす。
 そしてそのまま靴の方へを入っていくと、少年は立ち上がった。

《コザカ、シイ……》
「いいか、『ひとり』じゃない……『オレたち』だ!」

 今度は、少年の声に戻っていた。しかし少年が纏う雰囲気は、先ほどのままだ。

《違いナド、ナイ……! マトメテ……!》
「“フリーキック”。」

 少年が呟くと、その両手の間から、黒い球体が現れた。
 それを使い、少年はリフティングを始める。

《……急ニ、アソビ、始めた……?》
「さっきまでは、こっくりさんの番だったが……選手交代さ。」

 リフティングを重ねる毎に、球体はそのエネルギーを高めていく……。
 【遭難者の幽霊】は、そう感じ取った。
 しかし気づいた次の瞬間、球体は自分へ目掛けて、飛んで来ようとしていた。

「カウント10、シュート!」
《クゥッ!? グヌヌ……!》

 とっさに【遭難者の幽霊】は、その球体を掴んだ。しかし今にも弾き飛ばされそうだ。

《コンナ、モノデ……!》
「“ハンド”ォ!」

 少年がそう叫んだ瞬間、球体が爆発し、【遭難者の幽霊】を吹き飛ばした。

《カ……ハッ……?》
「サッカーだよ。オレはただの人間だから、オレの得意なルールで、戦わせてもらう。」

 これは、契約の履行である。伝説使徒は『契約者に力を貸す』、それは伝説使徒の枷とも言える。
 【こっくりさん】は、少年へ一方的に憑依したままにはなれない。
 少年が、【こっくりさん】の力を使う状態に、いつでもシフトできるのだ。

 そのスイッチは、手袋と靴に仕込まれた、十円玉だ。
 鳥居マークが書かれた手袋へ入った時は、格闘する『少年に憑依した【こっくりさん】』
 チェックマークが刻まれた靴へ入った時は、サッカーで戦う『【こっくりさん】を憑依した少年』となる。

《クゥ、クソォ……!》
「待て、逃げるな!……“キックオフ”!」

 少年は、ポケットから取り出した十円玉を指で弾いて、また黒い球体を作る。
 弾いた十円玉が球体に入ると、球体は地面に落ちた。少年はそのまま、獣道でドリブルを始める。

《クソォ、クソォ……!》
「(くっそ、坂でサッカーするのは、つらいな……。)」
「(主、見失わないようにね。『あそこ』に誘導するよ。)」

 【遭難者の幽霊】は、木々をすり抜けて、ただひたすらに逃げていく。
 【こっくりさん】の能力と、遊び場としての記憶から、少年は追跡しつつドリブルする。



《ハァ……ハァ……。》

 【遭難者の幽霊】が辿り着いたのは、ピクニックができる広場であった。
 見晴らしこそいいが、幸いな事にガキ共はいない。音を頼りに、木のそばへ隠れた。

 ……無駄とも知らずに。

「(主、あの木の後ろ!)」
「よっしゃあ!」

 【こっくりさん】の誘導により、その場所は分かった。
 あとはこの足場で、あそこへ的確にシュートするのみ。

 ならば……憑依による身体能力向上を利用した、あれを使う。

「オーバーヘッド……シュート!」

 蹴り上げた球体と共に飛び上がり、宙返りして球体を蹴り飛ばす。
 球体は、すさまじいエネルギーを纏いながら高速で飛び―――【遭難者の幽霊】が居る木を通り過ぎた。

《……バーカ。》

「こっくりさん!」


 はたして、彼女はそれに気づいたのだろうか―――


 彼女の後ろを通り過ぎた球体は―――


 【こっくりさん】が受け止め、今にも炸裂せんと光っていた事に―――


「 “サドンデス” 」


 【遭難者の幽霊】は、跡形もなく消え去った。






―――帰路


「へへへ、今日も快勝だったね。」
「快勝じゃないでしょ、何度かピンチだったし。」

 【遭難者の幽霊】を倒し、少年達は帰路に着いていた。

「あれはオレじゃないしー、こっくりさんだしー。」
「うっ……ごめん。主の身体なのに、調子に乗って。」
「あぁ、そうじゃなくてだな。もっと作戦とかレンケイを考えようぜ。サッカーみたいにさ。」

 契約者と従者という関係でありながら、少年は【こっくりさん】を友と見ていた。
 それが、【こっくりさん】にとっては、たまらないほど嬉しかった。

「……うん! でも、主も無茶はしないでね。オーバーヘッドは危険だから。」
「……あはは。やったオレでもヒヤッとしたぜ。」

 特に、誰に言われたでもないが。少年達はこれからも、伝説使徒と戦っていくだろう。
 自分の世界を、守っていくために。

 さぁ、明日は休みだ。『幽霊なんていない裏山』を探検しよう。



 人は噂した、「『伝説使徒』と契約すれば、その力を行使できる」と。

 人は噂した、「『伝説使徒』は、契約者が得たミームによって、時に進化する」と。



 ―――これは、『伝説使徒』と契約し、『伝説使徒』と戦う者達の物語―――

あう、タイトル入れるの忘れてた……
という訳で、サンプル2『サッカー少年とこっくりさん』でした
ほら戦闘シーンだぞ、兄者喜べよ☆

ちなみに、サンプル1『巻き込まれた男』と各2話ずつ、あと計4話だけプロットがあります
むしろ、残りのサンプルが作れない……いや、その前に沖縄編書けよっていう……
どちらが先に上がるかは、明日の俺に聞いてあげてくださいな

 

改めましてシャドーマンの人と大王の人、お疲れ様です

ミサちゃんが再登場したとなって心が高鳴ったのが私です
もう4年も前かな? 彼女が単発で登場したときは
当時はどういう理由か、岩清水倖子と終音ミサがぶつかると思っていました
「アイドルは排泄しない」の彼女、元気かな……

>>4-6
正直に白状します
てっきりお料理教室の先生は成長した漢クンだとばかり……orz
>>6
頑張ります!
(やばいよやばいよぉぉ……バトルなんて殆ど書けてないよぉぉ……!!)

>>12-18
アーバントという響きが非常に良いですね
人間を媒体として扱うというのも次世代―ズ中の人のイメージと重なる所が多いです
媒体としてはインターネットって打ってつけのものがあるにも関わらず
都市伝説からは未だに人間が選ばれるというのも、そのなんだ、色々考えさせられますね





次世代―ズの方は、【9月】と【11月】のエピソードを不定期不規則に書いており
若干これって混乱しない? 大丈夫? とか考えながらやっています
そして……

>>8
回答します……!!


>1 ピエロって学校町に何しに来たんですか?
 「ピエロ」の真の目的は現時点で【不明】ですが、大雑把に述べると【探しもの】です
 真相は終盤でアンロックします
 早く書かないとだな


>2 早渡含めたキャラの今日履いてる下着について教えてください
 とうとうこれが来ちまった……
 少々お時間くださいませ、再度回答しますわ♥


>3 早渡のお気に入りの下着ってどんな感じですか?
早渡「えっ? お気に入りの下着?」
早渡「……」 ☜ 考え中
早渡(考えたこともなかった……。こだわりも無く普通に売ってるトランクス履いてるんだけど……)
早渡「あっ! 履き心地なら綿100%のがいいかな!?」

 

 



○前回の話

前スレ 901-904 次世代ーズ
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 Part 12 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1483444899/900-904)

※この話は作中時間軸で【9月】の出来事です
※この話は前回の話と繋がりはありません



○時系列

●九月
・早渡、「組織」所属契約者と戦闘

・早渡、東中でいよっち先輩と出会う
・花房らと共に三年前の事件の「再現」に立ち会う
・早渡、診療所で「先生」から話を聞く

・ソレイユ、変態クマに捕まる
・「ピエロ」、学校町を目指す

   ※                ☜ 今回はこのあたりの話

・∂ナンバーの「会合」


・いよっち先輩、自分を取り戻す
 その夜の内に居候先を確保する

・∂ナンバー、「肉屋」の侵入を予知



●十月
・「ピエロ」、学校町へ侵入



●十一月

・戦技披露会開催

・診療所で「人狼」イベント
 「人狼」終了後、いよっち先輩が遊びに来る

・バビロンの大淫婦、死亡
・「狐」本戦?



○三行あらすじ

 色々あって東区の中学校で「繰り返す飛び降り」の東ちゃんと出会った
 東ちゃんはいつの間に消えてた
 後日、ちょっと気になったから東中に行ってみた








 

 



「普通だな……」


 夜の学校町、東区、もう22時前
 中学の校庭に立ち、校舎の方を眺める

 「組織」所属の野郎に追い回された一夜から
 俺は夜中の徘徊を控えていたのだが、今回は特別だ

 此処へ来た理由は一つ、東ちゃんに会うためだ
 さっきまで中学の敷地内を色々見て回って東ちゃんを捜していた
 ひょっとして屋上に居るんじゃないかとも考えたが、その気配も無さそうだ

 あの日、初めて花房君(と「組織」のワイルド野郎)と出会い
 成り行きで三年前の事件について知ることになったあの日、俺は東ちゃんと出会った
 あの事件の犠牲者で、今は都市伝説「繰り返す飛び降り」になった子だ

 結局俺は色々気になって、もう一度東ちゃんに会いに行くことにした
 どうにもあの日の東ちゃんの様子が気に掛かって仕方なかった

 初めて彼女を見たときは虚ろな笑顔、その後に話し掛けられたときの様子は普通だった
 それが事件の再現を見ている途中で東ちゃんの顔は虚ろに戻り
 最後に見たときは泣きそうな顔をしていた
 そして、彼女は唐突に姿を消した

 東ちゃんのあの様子も気になったし
 ついでにあの事件の話を聞きたくて、彼女に会えないかと夜の中学をお邪魔したんだ

 正直、怖くないわけじゃない。いや違う、今は来たことを若干後悔している
 何故って、此処は俺が「組織」所属の刀使い&武者亡霊に襲われた因縁の場所だからだ!
 来る前は東ちゃんの方が心配だし、もう関係ないね! とか考えていたが、甘かった
 思いつきで行動するんじゃなかった、また「組織」の奴とかち合う危険性は大アリなんだから

 仕方ない、もう帰ろう

 結構あちこち捜したが東ちゃんの姿は見えない
 もしかしたら彼女は校舎から抜け出して外出中なのかもしれない
 でもそれも妙だな、自分の“領域”から自由に移動なんて可能だろうか
 東ちゃんがコードから逸脱してるんなら、そういうことも出来るかもしれないけどな

 念のため電話してみるか
 携帯を引っ張り出して、何度も電話した東ちゃんの番号にもう一度掛けてみた

 あの日、彼女から貰った電話番号のメモはそのまま花房君にあげた
 しかーし俺は彼女の電話番号を一切記憶しなかったわけではない
 というわけで俺も東ちゃんの電話番号はバッチリ控えている

 控えているんだが、結果は見えていた
 俺は何度か東ちゃんに電話してみたが彼女に繋がることは無かった


 お掛けになった電話番号は、現在使われておりません


 そう、これだ
 電話しても決まってこのアナウンスが流れる
 俺が番号を記憶し間違えた可能性? 東ちゃんのメモは携帯で撮影しといたのでそれは無い
 というわけで考えられるのは東ちゃんが自分の番号を書き間違えたか
 それとも、この番号は本当に不通か

 花房君も彼女に電話したんじゃないだろうか
 彼に確認した方がいいかもしれない、そっちも繋がらなかったのかどうかを
 今度聞いてみるか、いや今聞こう。電話したいところだが時間も遅いのでメールでいいだろう
 ところで俺はメールを書くのが凄い苦手だ。具体的に言うと携帯で文字をちまちま入力するのが苦手

 とりあえず中学を出てからメールを書いた方がいいかもしれない
 さっきから複数の都市伝説っぽいニオイも感じる、距離はまだ近くないのが幸いだ
 今日はもう立ち去った方がいい、東ちゃん捜しはまた今度にしよう






 

 



          ●



「アイツ、怪しくない?」
「そんなに怪しくないと思うのー」


 東区の中学から出てきた奴は商業高校の制服を着ている
 その怪しい奴の後ろ姿を電柱の陰から監視している連中がいた

 電柱に体を隠すようにして商業生の背中を睨みつけるのは
 闇夜にあっても人の目を引くであろう、鮮やかな赤い髪をした少女だった
 腰までの丈の羽織り物の下からスクール水着のような衣装を着用している怪しい女だ
 おまけに彼女の肩辺りに乗っている羊のぬいぐるみに小声で話し掛けており、輪を掛けて怪しい

 彼女の名はマジカル☆ソレイユ
 露出魔でも自称魔法少女でも無く、れっきとした都市伝説契約者だ
 彼女が何をしているのかというと、先日襲い掛かってきた変態クマの捜索である


「大体、夜の中学で何してるのよアイツ、絶対怪しいわ」
「そこは、うーん……、怪しいなのー、でもぉ……」
「アイツ契約者だと思う? メリー、どう? わかる?」
「もっと近づかないとわかんないなのー」


 何やら羊のぬいぐるみと怪しげな会話を交わしている


「アイツ、絶対クマの本体よ」
「ソレイユちゃん、メリーの勘だけどあの人は犯人じゃないと思うのー」
「そう? 私はアイツが怪しい。うん、絶対」
「なんで怪しいと思うのー?」
「……直観よ」
「あ、今間があったなの! 今絶対ちょっと考えてから言ったなの!」


 ソレイユはあの商業生こそ変態クマの本体では無いかと考えているようだ
 仮に商業生が契約者であったとすれば、疑惑はより深まるというものである
 操作系統の能力でぬいぐるみを操り変態行為に及んでいても不思議ではない


「必ず尻尾を掴んでボコボコにしてやるわ……!」


 ソレイユの言葉に恨みが籠る
 卑猥な触手で狼藉に及ぶ不埒な契約者を野放しにしてはならない
 このとき、彼女のなかにある妙な正義感は既に燃えに燃え上がっていた

 ソレイユと羊のぬいぐるみは引き続き怪しい商業生を監視すべく
 電柱の陰から陰へと音もなく移動し始めた

 果たして、かの変態テディベアの本体は
 前方を行くあの商業生こと早渡脩寿であるのか
 それはまだ、不明である








 

 



「なんでサクリじゃないんだろ」


 早渡脩寿が中学から去った後
 東一葉は独り、校舎の屋上に居た

 返しの付いたフェンスの外側に立ち
 屋上の縁から夜の闇に塗りつぶされた下方を覗き見ている

 靴を脱いで
 しかし、後ろ手にフェンスをしっかり掴みながら


「なんでわたしなんだろ」


 その自問は既に彼女が幾度となく繰り返してきたものだ


「戻ってきたのがサクリだったら、みんな喜んだのに」


 最早自分が何を呟いているのか、自覚しているのかすら覚束ない


「これが全部悪い夢で、わたしが死んだのも全部夢でさ」


 最早自分が誰に呟いているのか、それすら分からずに


「ここから飛び降りたら、目が覚めるかな」




 なんてね
 フェンスを掴む手が震える
 本当は飛び降りてみる勇気なんか無い癖に
 そう、心の中で、誰かが嘲るような口調で、馬鹿にしてくる
 それが他ならぬ自分の声であることに気付いたのは、もう少し経ってからだ




「何やってんだろ、わたし」


 東は漸く
 自分が以前と同じようにして、屋上の縁に立っているのだということを理解した

 怖い
 嫌だ、死にたくない
 戻ろう

 もう既に自分が[ピーーー]でいることを、半ば忘れたままで
 彼女は震える手でフェンスを強く握りしめながら、フェンスの内側へと戻ろうとして


「――ふぇ?」


 どういうわけか、足を滑らせて


「   ぅ、あ」


 校舎の下に広がる闇の中へ、堕ちていった










□□■

 



 今日はここまで



 

>>21-24
次世代ーズさん乙です~。結構昔のお話?この後どこに繋がるのか……
ところで、メールアドレスにsagaを入れていないのは仕様ですか?

>>20
昨日書かれた謎のメモからレスしますー

>アーバントという響きが非常に良いですね
>人間を媒体として扱うというのも次世代ーズ中の人のイメージと重なる所が多いです
 語感は『ドー○ント』から来ていたり。そして漢字は『徒使伝説』
 情報生命体を維持するためには、媒体が必要ですよねーという認識だったんですが、同じイメージの方が居て嬉しいです

>媒体としてはインターネットって打ってつけのものがあるにも関わらず~
 メモによると「サンプル3『伝説使徒を追う者』のプロットができたから、今度書け」とありますね
 それが回答になると思われます……っておい、昨日の俺

ログレスやってる間にいっぱい来てる!
読む前にこれだけ答えよう

>>8
>1 れっきゅんの子供たちも全員決闘者ですか?
上から6人だけ、っていう予定
因みに
●未來:【サイバードラゴン】
●京子:【恐竜族】か【ダイナミスト】
●英哉:【E・HERO】
●琉羽:【サイバーダーク】
●天架:【宝玉獣】
●天美:【A宝玉獣】
みたいな

>2 子世代が活躍する話ってワンチャンありますか?
考えてたら年齢の辺りで訳分からんなったでござる
確かどっかにまとめてた筈なんだが…

>3 れっきゅんの今日履いてる下着を教えてください
あいつの下着は多分黒だわ
あとトランクス派

>4 ラブラブですか?
それはどっちのことだw
裂邪とミナワは相変わらずだけど
俺はかれこれ4年になるなぁ
そういや今月2人で北海道行くんすよ
誰かとニアミスしないかなー

という訳で
大王の乙ですの
戦闘は良い、素晴らしい
最近見た『ウルトラマンサーガ』のバトルシーンは悲しかった
低すぎる空中戦に落とし穴にはまるハイパーゼットン
ゼットンファンを馬鹿にしてるのかと
てか絶対バット星人が憑依するよりゼットン単体で行った方が強かったと思う、『帰マン』の個体は賢かった
じゃなくてあれだな
こっちの世界のキャラがそっちの世界に飛び込んだらどうなるんだろう

次世代ーズの人乙ですの
ぎゃあああ俺の一葉ちゃんが!(
何てタイミングで居なくなったんだ早渡!
しかし繰り返すってぇと…こう、なるのか?(妄想中

呼ばれた気がしたから、回答するぞ。
「アーバンレジェンド・サーヴァント」という正式名称は後付け。そもそも「servant」という単語を知らなかったようだ、彼。
戦闘シーンについては、ちょっと変身ヒーローみたいだな。中学生になると、本格的に成長した姿をお見せできるだろう。

>>29
>こっちの世界のキャラがそっちの世界に飛び込んだらどうなるんだろう
 「何も起きない」が正解かね。Test Worldは学校町をモチーフとしているから、高い互換性を持っている。
 『都市伝説=伝説使徒』という点が基本だな。ただ、野良の伝説使徒は人格が不安定だけど、学校町の野良都市伝説が不安定化する訳ではない。
 学校町でのステータスが優先される、と思ってくれていい。【並行世界の住人】という伝説使徒扱いもされるしな。
 ……実はSCPらしき組織のテキストがあるんだが、結構細かい所まで書いてあるぞ。

 ただ、今入ろうとするのは危険だ。Test Worldは未完成。骨組みしかない家でホームパーティはできない。
 そもそもTest Worldは、名前通りの意味しか持たない世界だからなぁ。発展させる時は別の世界を創るかもな。
 入れるようになったら、『あいつ』が歓迎してくれるんじゃないか? 裂邪辺りは特に。

>>28
>そういや今月2人で北海道行くんすよ
 たった今、『そんな暇があるなら親に顔を見せろ』というメモが届いた。

>>30
>「アーバンレジェンド・サーヴァント」という正式名称は後付け。そもそも「servant」という単語を知らなかったようだ、彼。
それでも決闘者か!
『ファラオズ・サーヴァンド(ファラオのしもべ)』とか『D-HEROドレッド・サーヴァンド』とかあったろう!

> 学校町でのステータスが優先される、と思ってくれていい。【並行世界の住人】という伝説使徒扱いもされるしな。
なるほど
『ポケモン赤・緑』に『ポケモンサン・ムーン』のピッピを連れて行ってもフェアリータイプのままだと(意☆味☆不☆明

> 入れるようになったら、『あいつ』が歓迎してくれるんじゃないか? 裂邪辺りは特に。
何故か分からんがそうなのか
今度ちょろっと触れてみてやろう

> たった今、『そんな暇があるなら親に顔を見せろ』というメモが届いた。
だってこんなんだぜ↓

嫁「6月に北海道の叔母ちゃん家行くから」
俺「へぇ、いてら。留守番は任せろ」
嫁「は? お前も行くんだよ」
俺「はい!?」

 

>>26
ありがとうございます……!

>>29
いよっち先輩が自分を取り戻すのはもう暫くですね
その暁には早渡の財布が爆発して枯渇するのだと思います


>>26
>次世代ーズさん乙です~。結構昔のお話?この後どこに繋がるのか……

折角なので次世代の概要をまとめつつ、次世代―ズの言葉で説明したいと思います
花子さんとかの人に「また次世代―ズが思い違いしてる……」と思われたら
中の人は墓穴に飛び込むより他なくなるので、再確認の意味合いもあります



○次世代編
次世代編は学校町を舞台にした諸作者さんのお話(現世代)からおよそ20年後のお話です


>214: 罪深い赤薔薇の花子さんとかの人 ◆nBXmJajMvU :2016/09/19(月) 11:41:44 ID:94yN7BHs
>>>213
>>そういや次世代、何年後ぐらいなんだろう
>大雑把に考えて20年後くらいのイメージで書いてました
>幸太がまだ30代くらいみたいに書いてましたし


次世代編で起こってるのは、まず「狐」の侵入(花子さんとかの人)
盟主様の異変と水神様の企み(アクマの人)、「凍り付いた碧」の暗躍(鳥居の人)です

次世代のある年の春に「狐」とその配下が学校町に侵入しています
実はその三年前にも「狐」は学校町に侵入して大事件を起こしています
それが花子さんとかの人の連載で度々言及される三年前の事件です
そして次世代編現在、花子さんとかの人の次世代組が「狐」を始末しに行く、というのが本筋です
で、次世代ーズは花子さんとかの人の設定に一部乗っかっていますorz



○次世代ーズ
「次世代ーズ」は一言でいうとバトルものの皮をかぶったラブコメを目指しています(本当)
概要をざっくり述べると「次世代の時間軸で、施設出身の子が死に別れた初恋の幼馴染の消息を辿りつつ
頭おかしい奴とか都市伝説新興宗教の連中とかおばけとかをボコボコにしつつ大切なものと出会い直す」話です(予定)
グロよりはエロを目指したいがどうなるかな? なんか他にも色々あった気がしますが
一応、焦点人物の早渡脩寿とマジカル☆ソレイユだけ追ってても話の本筋は掴める、はずです

「次世代ーズ」は「狐」侵入の年の【9月】から開始しています
一応、「次世代ーズ」の過去部分に、国家ぐるみの陰謀やその発動阻止とか
孤児の急増とか、契約者の適性を持つ子供の増加とかがあります
こんなのとかもあります

>一宮テロ
> 「次世代ーズ」開始のおよそ五年ほど前に発生した大規模な殺傷事件
> この事件は惨劇の場となった地方都市の名を取って呼ばれることとなった
> 表向きは当地方を拠点とした暴力団同士の抗争という形で情報統制が行われたが
> 真相は都市伝説関係勢力、「都遣」と「楽団」との間で発生した“エフェクター”を巡る争奪戦である
>
> その市街戦により勢力双方のみならず無関係の民間人を含む大多数の死傷者が発生し
> 事件の余波で当地方一帯と関東地方の一部が停電に陥り、社会インフラが一時混乱を極める事態となった



>>22-24について
>>22-24は【9月】時点のお話です
ちなみに前スレ最後の998-999は【11月】時点のお話です
概要は>>21の時系列をご覧いただけると……この時系列表、穴がある上にざっくりし過ぎた……



○ちなみに
早渡脩寿は次世代の人材として
秘密裡に契約者を養成したり生体実験を実施していた施設で育ちました
この施設は「七尾」の施設で、次世代ーズ開始の4年前に閉鎖というか解体されました
早渡その同期はそこで教師役の研究者から「七つの都市伝説と契約した能力者」の話を聞いて
みんな彼にあこがれ、彼のようになろうとしました
前スレ568で土下座した「黄昏裂邪さんに憧れている子供達」とは、つまりそういうことです
ありがとうございますorz

 

 

>>8
>2 早渡含めたキャラの今日履いてる下着について教えてください
はい
「早渡含めたキャラ」という部分で、これはつまり全員分か……?
と気になりだしたので、ひとまず名前というか固有名が出た分+αで行きます
ではどうぞ



○主要人物ーズ

早渡 「はい、早渡です。はい? 今日履いてる俺の下着を教えろ?
     え、いやあの、普通にイオンで買った紺の無地……ってオイ、それ聞いてどうする積りだ!?」

夜先輩「下着、ですか? 濃い色合いの、紫ですが。それがどうか、しましたか?」 ☜ 小首をかしげてる

ソレイユ「なっ……!! バっ、ッッカじゃないのっ!! 何聞いてるのよっ!! 言うワケないでしょ!?
      大体、下は水着だし別に下着なんか……ッッ!! ああっああああああっっわ、忘れて!! 今のは忘れなさい!!」

メリー「メリーはパンツはく必要ないのー。ぬいぐるみだからもふもふしてるのー」 フンスフンス =3

ありす「……」 ☜ 嫌悪と侮蔑の入り混じったえらい形相で睨みつけている

千十 「っっ!? か、回答を拒否します!!!」 ☜ 顔が真っ赤



○一般ーズ

ユキオ「はあ……、ソレイユお姉さん……。えっ、僕? 何? えっ、パンツの色? 白のパンツだけど……?
     ……実は前に赤い髪のお姉さんに会って、あの人のことを考えるとパンツの中がむずむず 【以下、検閲により削除】

コトリー「ちょ、ちょっと、なんでそんなこと聞くのか、私にはよく分かりませんの……」 ☜ 困惑している
てんちょ「やあ! もしかして『ラルム』で働いてみる気になったかい!? えっ? し、下着の色?
      えっ、私の、下着の色、かい? えっ? ……ええ?」 ☜ 困惑している

おばちゃんズ「「「えぇぇぇ!? アタシらのパンツの色が知りたいのぉぉぉ!?!? 【以下、要請により削除】




○都市伝説ーズ

人面犬「よう、俺だ。北海道犬の血を引くクールガイ、と言えばこの人面犬、半井を置いて他にはいねえ
     ところでお前にいいことを教えてやる。都市伝説ってのはだな、パンツを履かないもんだ ☜ ニヤニヤしてる
     聞こえなかったか? もう一度だけ言うぞ? 都市伝説は、パンツ履かない」 ☜ めっちゃニヤニヤしてる

偽警官「助けてくれ!! どこか暗い所に監禁されてんだ!! 助けてくれよっ!! あ゙あ゙!? 下着の色? 知るか!!
     とにかく此処から出してくれ!! 聞こえてんだろ!? クソッ、下校中のJKを襲ったらこんな目に遭うなんて
     割に合わねえんだよ!! おい!! 聞いてねえでとっとと俺を助けに来やがれ!!」


中之条「さて、我々『朱の匪賊』は世に言う『トンカラトン』から成る戦闘衆である
     であるから、我々は紅き包帯を巻いている故、褌などを締める必要は……」

六郎 「我が姓は包! 名は六郎! 『朱の匪賊』、四番隊隊長であるッ!!
     いかにもッ! 己れはムカデの意匠が入った紅き褌を締めておるッ!!」

中之条「隊長殿!!??」 ☜ 狼狽えている

兄者 「我が名は珍宝! 『朱の匪賊』、四番隊副隊長であるッ!!
     俺は無論、魂よりも激しくッ!紅蓮の如く燃えるッ! 紅き褌だッ!!!」

ヤッコ「そしてオレがヤッコ!! 『朱の匪賊』、四番隊副々隊長だぜェ!!
     勿論オレも包帯の下からはカッチョいい褌締めてるに決まってンだぜェェ!!」

中之条「副隊長殿ッ!!?? 副々隊長殿ォッ!?!?」 ☜ 激しく狼狽えだした
中之条(「十六夜の君」、早くお助け下され……!!)

その他「「「「「「包帯がある故、ふんどし締めておらぬ。さあ、トンカラトンと言え」」」」」」

 

 

○引き続き都市伝説ーズ

ヨグ坂「よ! 『口裂け女』のヨグ坂ルルだ。最近物騒になってきてんなあ、学校町
     ん? 今着てる下着だって? 普通にイオンで売ってたグレーのやつだけど?」

変態クマ「ふっふっふ、クマのパンツについて聞くとは中々良いセンスしてるクマ★
      もっともクマはパンツ履いていないんだクマ! というか私は都市伝説枠ではなく契約者枠なのだが……
      まあいい、いずれこの学校町の女子契約者と都市伝説諸君は我が触手の餌食となって官能の海にゔぼれるのだ……
      ふっふっふ、くっ、くかかかっ、くかかかかかっ、ふはは、はっはっは、アーッハッハッハッハァ!! ア゙ーっは 【以下、削除】



○「組織」ーズ

サスガ「“オサスナ”だ。何? 下着の色? それを知ったところでどうなる」 ☜ 冷静

落武者「ヌゥゥゥゥ……、……」 ☜ もじもじしている

モヒート「“モヒート”です。うん、『組織』所属です
     ……は? 下着、の色……? ……女子に向かっていきなりそれ聞くっていい度胸ね
     上等じゃない……! 『コーラ』で溶かしてやるから覚悟しなさいな!! 逃がさないから!!」 ☜ 能力発動

∂-No.0「はい、∂ナンバーですが……。恐れ入りますが、その質問と我々の任務とにどのような関係があるのか理解しかねますが」
∂-No.0(い、今の下着について教えろ、ですって……!? 何を考えているのこの人は……、い、いやらしいこと考えてるのかしら……) ☜ 内心動揺

∂-秘書「下着の色を教えろ? それセクハラですよね? いいんですか?
      言っとくけど、『組織』の然るべき部署に通報済みですので。覚悟してくださいね?」 ☜ キレてる



○「ピエロ」ーズ

ピエロ「「「オーレーたーちー!! パンツ★履いてませーん!!!」」」
ピエロ「俺は履いてるけど。ショッキングピンクのバタフライ」
ピエロ「ピエロによってマチマチなんじゃね?」
ピエロ「女子ピエロはエロ下着持ってるよなぁ……」
ピエロ「いいよなああいうの、マジ殺した後に犯りたくなる」
ピエロ「の前にお前が殺されてんだろ」

アブラ「やあやあやあ、こんばんは。今宵も元気があっていいねえ
    おや、僕かい? 本体はともかく、義体の方はスタンダードなボクサータイプだが」

海から「俺は花柄のパンツかな。“娘”からの誕生日プレゼントなんだよ。俺のお気に入り♥」



○その他ーズ

東一葉「いよっちだよ。下着の色? 知りたい? 見たいの?」 ☜ 虚ろな笑顔
東一葉(わーばかばか!! 何言ってんのわたし!? あ゙あ゙あ゙!! お嫁に行けなくなっちゃうよぉぉ!!) ☜ 赤面

クル子「オッス、おらクル子。早渡とおんなじで『七尾』出身だよ!
     フルネーム? いいじゃんそんなの。で、なに? ……パンツ、の色?
     え、っと、上も下も白だけど。あ、後さ、 赤 いのと、 青 いの、どっちが 好き ?」 ☜ 顔は笑ってるが眼が笑ってない

まりあ「やあ、まりあだよ。脩寿の幼馴染で親友なの! 元『七尾』でーす
     えっ、今日の下着? えー……。フフン、実はパンツ履いてません」 ☜ ドヤ声

地の文「こんばんわ。地の文おじさんだよ。最近は『こんばんは』と表記するとキレる大人が増えてるようだね
     ダメダメ、そういうことで一々キレないの☆ で、パンツだが。……純白のブリーフを愛用している、と告白したらどうするね? ん?」



最後までお付き合い頂きありがとうございましたorz
こうして見ると主要人物より本編の敵対的なキャラのが律儀に答えてるような気がしなくもない


 

では前座・大王の契約者がお時間を頂きます。

>>12-18
『伝説使途』。都市伝説に関する様々な設定を引き継ぎながら、学校町とは異なる発展を遂げた世界。

前回は、伝説使徒【こっくりさん】と契約したサッカー少年の物語。
少年は、自らの周りを守るため、戦う道を選んだ。独りではなく、【こっくりさん】と双りで。

今回は、しかしなおも理解しがたい『伝説使徒』の秘密に迫る。
さぁ、『科学』が牙を剥く時間だ―――



 人は噂した、「あらゆる質問に答えてくれる【怪人アンサー】がいる」と。

 人は噂した、「あらゆるものを不足させる【妖怪いちたりない】がいる」と。


 『Meme(ミーム)』。それは人類が進化の過程で獲得した遺伝情報の一種。
 ミームは『文化』『技術』『情報』として人類の生存のために繁栄し、時に姿かたちを変えた。

 そのミームのひとつに、『科学』というものがあった。
 それらは世界の万物を解析し、理解し、良いミームとする能力に長けていた。

 だが、科学も『伝説使徒』の登場により、立場が危うくなった。
 伝説使徒は、科学的には理解できないが、実在しているのだ。


《実験を開始します。10人の被験者は、コールする準備をしてください。》


 さて、質問である。
 もし仮に……「ミームが意思を持っていたら」、彼らはどのような行動に出るだろうか?

 例えば……伝説使徒を理解するため、『科学のミーム』が動き出す……かもしれない。


《カウント終了後、10人同時にコールを行います。》


 『科学のミーム』は、進化の時を迎えていたのだ。


《3……、2……、1。》


 無機質な部屋の中、ガラス越しに観測された10人の男女が、輪になって同時に電話を掛けていた。
 その電話は誰とも繋がる事はなかった。ある1人を除いて。

《……質問に答えよう。どんな質問でも、解答してみせる。》
「繋がりました!……【怪人アンサー】です!」

 電話から聞こえた声に対して、被験者の男性が声を上げた。
 ガラス越しに、観察者達の喜ぶ姿が見えた。

「実験は成功だ! 【怪人アンサー】が誕生した!」
「我々が流布した噂を元に、ミームが伝播・成長し、『伝説使徒』と化したのか……。」
「信じがたいが、事実を認めるしかない。」

 各々が意見を言い合っていると被験者の男が指示を仰いだ。
 【怪人アンサー】は質問を求めていたのだ。

 【怪人アンサー】は、研究者が意図的に作り出した噂だった。
 最初は『所定の儀式を行うと、あらゆる質問に答えてくれる怪人と電話できる』という話だった。
 やがて、『9人の質問に答えると、10人目に無理難題な質問を行う』
 『最後の質問に答えられなかった人間は、体の一部をもぎ取られる』
 『【怪人アンサー】は頭部だけの奇形児で、身体を完成させるためのパーツを集めている』
 ……と肉付けされていき、最後には、伝説使徒と化したのだ。

 研究者の1人が、被験者に撤収するよう指示した。
 被験者達が逃げるように部屋を出ると、その研究者が入れ替わりで入ってきた。
 そして、電話をスピーカーモードにして、【怪人アンサー】に話しかける。

「はじめましてだ、【怪人アンサー】よ。」
《この研究所の所長様か。ご丁寧にどうも、私を生み出した科学者様。》
「何もかも見透かされたか。流石だ、アンサー。」


 我が子を愛でるような声で、所長は【怪人アンサー】に語り掛ける。
 身体はどうなのか、視界はどうなっているのか、痛みはあるか……と。
 まだ頭だけだ、携帯電話越しに見ている、痛みはあるが『欲求』の方が強い……と【怪人アンサー】は答える。

「まだ誰にも召喚されていない【怪人アンサー】だったのか。」
「視界についてどうなっているのか、よく分かりませんね。機械のハッキング?」
「『ミームを維持する』という生存欲求は高いのか。痛みすら感じている……?」

 【怪人アンサー】の答えは、1つ1つが研究者を刺激した。
 伝説使徒を『科学』する上で、重要な情報ばかりだった。

「さて、最後に……。」
《おっと、残念ながら質問タイムは終了だ。次は……私の質問に答えてもらおう。》

 それは都市伝説に倣うなら、死刑宣告に近かった。
 思わず、研究員の女性が叫んだ。

「所長! 今すぐ逃げてください!」
「構わない! その代わり、僕が勝ったら……協力してくれ、アンサー。」
《……ふむ、良いだろう。では、所長様なら簡単な問題を出そう。》

 ガラス越しに、研究者達が息を呑む。



《『伝説使徒』を構成する、主な要素を答えよ。》



 無理難題だった。
 それを調べるために、我々は研究しているのだ。逆に聞きたいくらいだ、と研究者達は思う。
 それは、科学への挑戦か―――嘲笑だった。

 だが、それに屈することなく、所長は答える。

「……お前達、『伝説使徒』を構成するには、既存の物理学では不可能だ。
 よって、異なる物理現象を定義する必要がある。」
《ほう……?》
「それを可能にするのは、『集合意識』と『情報エネルギー』だ。」

 所長は説明する。
 『集合意識』とは、全人類の意識が、無意識にリンクし、ひとつのネットワークを形成しているという仮説だ。
 伝説使徒は、その集合意識ネットワークでシミュレートされた世界に生きている。

 『情報エネルギー』とは、情報自体がエネルギーに変換できるという仮説だ。
 この仮説と、集合意識ネットワークを利用すれば、伝説使徒は自らのミームを消費して、物理エネルギーに変換できる。
 そうやって、伝説使徒は現実世界に干渉しているのだ。

「……人間の脳はかくも複雑で、理解しきれない。伝説使徒は、その脳に間借りする事で、自分達を維持している。」
「お、お言葉ですが所長! 人間の脳なんて、いつ・どこが書き変わるか不明では!?」

 研究者の男性が叫ぶが、所長は流暢に答える。

「だから『契約』するんだ。常に書き換わる恐れがある集合意識ネットワークを漂流するより、
 特定の脳で自分の領域を確保した方が良い。そのための契約なんだ。」

 そして集合意識ネットワークを利用するメリットは、まだある。
 人間の脳によるネットワークなら、あらゆる計算・情報にアクセス可能なのだ。
 集合意識を利用すれば、あらゆる質問に、瞬時に解答できる。

「キミのようにね。アンサー。」
《……。》

 ガラスの向こう側で、拍手が鳴り響いた。科学の勝利を確信したのだ。







《あと、1つは?》






「なに?」
《最後の1つは、なんだ?》

 拍手は沈黙に変わった。
 伝説使徒を構成するためには、あと1つピースが欠けている。
 誰ひとり、助言できるものは居なかった

「そんな……。」

 ある女性研究員は、違う視点で事を見ていた。
 実は、先の推論は半ばハッタリだったのだ。

 所長の身体には、いくつかの発信機が取り付けられている。
 それで【怪人アンサー】の居場所を暴く、それが今回の目的だったのだ。
 ……だが、そのハッタリが『当たってしまった』。それは大きな問題を生んでしまうのだ。

「所長! そいつは嘘つきです!」
「な、何かね急に! 【怪人アンサー】を疑うのか!?」

 女性研究員の叫びに驚き、他の研究員達がざわめく。
 だが、構わず女性研究員は叫び続けた。

「だってあり得ないじゃないですか……! 伝説使徒を構成するものが、
 【集合意識】と【情報エネルギー】という伝説使徒なんて!」

 それは、完全な矛盾だった。【集合意識】も【情報エネルギー】も、伝説使徒として観測されているのだ。
 それらを構成するのが『集合意識』と『情報エネルギー』、どちらが先に存在したのだろうか?

「そんなの……『伝説使徒』が先に存在しないとあり得ない……!」

 しばしの沈黙を経て、所長は口を開いた。

「今、何と言った?」
「え?」

 所長は、彼女の言葉を聞いて、ある解答を閃いた。


「お前は……【伝説使徒】という『伝説使徒』が存在する……そう言うのか?」


―――彼女に返事の間も与えず、所長は言葉を続けた。


「答えろ、アンサー!」


.







―――静寂の中、カチカチと歯を鳴らす音が、電話越しに聞こえた。






《流石だ、科学者様。正解だよ。【伝説使徒】、それこそが我々の生みの親。いわば、神。》
「神……だと?」

 またもや研究者達がざわめき出すが、構うことなく【怪人アンサー】は続ける。

《神と言っても、【付喪神】や【八百万の神】のような超人的な存在ではない。
 もっと上! もはや概念として、我々の世界に君臨する存在……!》
「それが……【伝説使徒】。」
「そんなものを……信じろって言うんですかッ……?!」

 【怪人アンサー】は笑いながら答える。
 時間が流れるように、空間が広がるように、命が鼓動するように、伝説使途という概念は『あった』と。
 その概念に従って生まれるものこそが、自分のような『伝説使徒』だと。
 そして、それを食い止める手段は、時を止めるように、空間を押し潰すように、あり得ない……と。

《だが、おそらく【伝説使徒】は、『集合意識ネットワーク』と『情報エネルギー』を利用している。
 それだけは正しいと教えておいてやろう。》
「そんな……集合意識や情報エネルギーという概念ごと、【伝説使徒】は存在『していた』……?」
《尤も、【伝説使徒】の全貌を知る者はいない。私さえも、その存在を信仰しているに等しいのだ。》

 彼女は、床に膝をついて失意した。

《どうした、所長様? 正解なのだから、喜ぶがいい。》

 所長はギリリと歯を鳴らした。
 科学的に『伝説使徒』を解明するはずが、非科学的かつ超常的な存在である事を突き止めてしまった。
 まるで、敗北するために科学してきたようだった。


 だが、やがてニヤリと笑い、口を開く。

「ありがとう、アンサー。良ければ、次の実験にも協力してくれ。」
《……約束だ。多少は協力してやろう。》

 返事を聞いた所長は……ポケットからスイッチを取り出し、ボタンを押す。

《ッ!?な、何ィ!?》
「【集合意識】と【情報エネルギー】……その伝説使徒は研究済みだ!
 僕は今、集合意識ネットワークに参加していない……特殊な装置を使ってね。
 だからこの機械をお前は知らない……僕から君への、誕生日プレゼントだ。」

 【怪人アンサー】は身体が吸い取られるような感覚に襲われた。
 いや事実、携帯電話から飛び出し、謎の機械へと吸われているのだ。

「特製の『電脳契約機』だ! スーパーコンピュータの中でミームを維持し続けるがいい。
 ……僕達に解析可能なコンピュータの世界で、生き続けろ。」
《……きィさまァァァ!》



―――【怪人アンサー】は、機械の中へと封印された―――



「実験は成功だ。各員、伝説使途の解析を始めろ。」
「「 ……は、はいっ! 」」



 科学は、常に進化するミームである。
 非常識だと言われ、笑われた事も、いつしか常識となっていた。それが科学。
 ならば。【伝説使徒】という概念さえも、科学の限りを尽くすしかない。



 伝説使徒を滅ぼす、その時まで。





 人は噂した、「『伝説使徒』を研究する、組織がある」と。

 人は噂した、「『伝説使徒』を利用し、何かを企む者もいる」と。




 ―――これは、『伝説使徒』と契約し、『伝説使徒』と戦う者達の物語―――

という訳で、科学サイドのお話でした。
はたして、電脳の牢獄に囚われた【怪人アンサー】はどうなるのか……。

そして、人間の脳を利用するワケのアンサーです。
集合意識ネットワークで造られた、もうひとつの世界で生き、
情報エネルギーを変換し、光や音、物理衝撃に変えて現実世界に干渉する生命体。それが伝説使徒。
機械よりもはるか昔に、機械以上のものが存在していたのです。この世界には。

次回以降は、巻き込まれてメリーさんと契約した男を進めようかなと。
あの男もまた、次々と妙な事件に巻き込まれるので、期待してくださいな。

だ、誰も来ないならスレを乗っ取るまでよー!(泣

●あらすじ
 その日まで、男は普通の日常を送っていた。
 しかし、都市伝説でしかないはずの【口裂け女】に襲われ、彼の日常は崩壊した。
 窮地の末、男は【メリーさん】と契約し、難を逃れる。
 しかし『伝説使徒』と呼ばれる彼らは、まだまだ無数に存在する。

 さて彼は、その後どのような人生を歩むのか……。




「私、メリー。今ね、あなたの後ろに居るの。」



 俺の後ろから、確かにそう聞こえた。

「あぁ、知っている。」

 そう言いつつ振り返ると、不機嫌そうに頬を膨らませた【メリーさん】が、こちらをじっと見つめていた。

「……ひーまー! 暇ひまヒマ、ひぃ~まぁ~!」

 絶叫しつつゴロゴロを床を転がる【メリーさん】。
 放っておくと近所迷惑……になるかは分からないが、なだめるとしよう。

 この子は、俺の妹や養子ではない。そもそも、『人間』ですらない。
 俺が契約している、『伝説使徒』だ。

 伝説使徒とは、この世界に存在する不思議な生命体。
 人を襲ったり、逆に守る事で生命を維持する、奇妙な生態を持つ。
 そして、普通の人間には見えず、声も聞こえない等の特徴もある。

 こんな幼い女の子だが、いざ戦おうとすると、俺なんかでは比較にもならない。
 伝説使徒は、人間なんかよりも遥かに高い戦闘能力、そして特殊能力を持っている。

「だってマスター! 仕事帰りなのに、ずっと引き籠ってPCばかり触って!
 ちょっとは遊びなさいよ~!」
「あぁもう、これは今度の仕事を、円滑に進めるための準備なんだ。」

 しかし、契約したての頃はもう少し、清楚というか無口な女の子だったのに、何故こうなったのか。
 【メリーさん】と契約してから、俺のライフスタイルは大きく変わった。
 食費も1人分多くなったし、毎日この子に付きまとわれるし、野良の伝説使徒に襲われるし……。

 だが、ボディガードだと思えば、安い出費だ。あんな化け物から逃げ回りつつ生きるのは困難。
 【メリーさん】と契約した事は、ちょっと賑やかなルームシェア程度の感覚だ。

「どこか遊びに行こうよ~?」
「もうこんな時間だぞ。飯の支度する。」

 そう言いながら冷蔵庫を開けると、食材を切らしている事に気づいた。
 まだ2人分の食材を把握しきれていないな……と考えつつ、出かける支度をしようとすると。

「あ、じゃあ買い物行ってあげる! その代わり、今度の休みに遊園地ね!」

 と返されてしまった。




「―――良いか、財布はここ、メモはここで……。」
「子どもじゃないんだから、分かるわよ。」

 子どもだろ、という言葉を飲み込んで、鞄を渡す。
 伝説使徒とはいえ、子どもに買い物を任せるなんて、初めてだ。
 ちゃんとできるだろうか……。

「えっと、駅前のスーパーの場所は……。」
「それも分かるわよ。安心しなさいな。」
「そうか? 迷ったら電話するんだぞ。」

 そう言って再びPCの前に座ると、早速【メリーさん】から電話が掛かる。

「なんだよ、まだ玄関すら出て……。」
「私、メリー。今ね、駅前のスーパーに居るの。」

 とっさに振り向くと、【メリーさん】は居なかった。
 おそらく、もう駅前のスーパーに『転移』したんだろう。

 【メリーさん】の特殊能力『転移』は、電話を掛ける事をトリガーとする。
 掛けた対象が知っている場所へ、瞬時にテレポートできるのだ。
 俺に掛けた場合、俺が行ったことのある場所全てへテレポートできる。

 ただし他人に掛けた場合、【メリーさん】から半径・数百m以内の場所しか行けない。
 地球の反対側から『あなたの後ろに居るの』とは言えないわけだ。

「……まったく、さすが伝説使徒だ。」

 さて、うるさいのが出かけたので、さくっと仕事を終わらせる。
 資料作成なんて慣れたもので、プレゼンの台本もすぐ完成した。
 ……では、最近始めた課題を進めていこうか。

 借りてきたDVDを流しつつ、あるアプリの開発に取り組んでいた。
 『伝説使徒の研究』……とでも言うべきだろうか。

 【メリーさん】の能力は、はっきり言って常識外れだ。
 だが、ITの人間としては、だからこそ理解したいという思いがある。
 せめて、その一端だけでも……。

 最初の課題は、『メリーさんの転移能力』だ。
 別に、転移そのものを再現しようという訳ではない。ただ、その前段階に興味がある。
 『電話相手の記憶から、座標を割り出す』という工程を、どのように行っているのだろうか?
 もしも、記憶へのアクセスに携帯電話を利用しているなら……その情報をアプリケーションで取得できる。
 理屈はどうであれ、脳波をインプットに利用できるのだ。

 ……まぁ、簡単に行く訳もなく。【メリーさん】から情報を取得するアプリさえ、完成のめどが付いていない。
 心当たりを元に、KKD法でトライしてみよう。

「……あれ、静かだな。」

 【メリーさん】が帰ってこない、という意味ではなく。
 DVDが再生されていない? そう思ってTV画面を見た。

 そこには、井戸から這い上がってくる、白い服の女性が映っていた。
 俺はその光景を知っていた。だが、あり得なかった。



 ホラー映画なんて、俺は借りていない。



「の……【呪いのビデオ】か!?」

 マズい、どうにかしないと。とっさにリモコンのボタンを連打する。反応がない。
 TVに近づき、直接電源や、あらゆるボタンを押す。反応がない。
 こうなったらと電源プラグに手を伸ばそうとした瞬間、何かが服に触れた。

「うわっ!?」

 とっさに飛び退くと、白い服の女性が画面から出てきていた。
 混乱しつつも頭は高速回転する。この状況を打破する方法。【メリーさん】がここに来る方法……。

「そうか……!」

 机の上のスマートフォンを手に取る。手を引くと同時に、刃物が机に刺さった。
 ……もはや、この程度で驚いていたら生きていけない。
 とっさに、女性に背を向けて、あのダイヤルへ電話する。

「……。」
「【メリーさん】ッ!」

 数秒後、金属音が部屋に鳴り響いた。

「私、メリー。今ね、あなたの後ろに居るのッ……!」
「……!」

 契約の履行である。俺は、存在しないはずの【メリーさん】の電話番号を知っている。
 それにより【メリーさん】へ電話が可能なのだ。
 応用すれば、このように瞬時にメリーさんを召喚できる。

 振り返ると、買い物を終えた【メリーさん】が、白い服の女性と刃を交えていた。
 白い服の女性は、さっと飛び退いて距離を取る。

「買い物お疲れと言いたいが、さっそく仕事だ。」
「見れば分かるわよ。まったく、人使いの荒いマスター。」

 【メリーさん】が来てくれた事で、より冷静に状況を分析できる。
 俺の記憶では、【呪いのビデオ】の効果は『視聴した7日後』だったはず。
 視聴してすぐ現れるものだろうか? 【メリーさん】に尋ねてみた。

「伝説使徒はミームを維持するために必死よ。多少は自力で、ミームを書き換えようとするの。
 『彼』だって色々苦労しているのよ。」
「だからって襲われる身にも……『彼』?」

 改めて見ると、【呪いのビデオ】から現れた白い服の人間が震えだす。

「……あぁ。私とて、生きるためには、どんな手でも使おう。」

 野太い声が、部屋に響いた。

「お前、……まさか。」
「……そうだ、 男 だ よ ! 」

 冷静になった今、『彼』を観察する。
 確かに髪も長く、女性のような衣服を着ているが……身体つきが男だ。

「……お前達人間のせいで、【呪いのビデオ】と言えば、貞子になってしまった。
 ……そのせいで何をやっても【貞子】のミームが強くなるばかり……。」

 なるほど。伝説使徒はミームを維持するために人間を襲う。
 だが、『襲えばミームを維持できる』とは限らないのか。
 おそらく様々な種類の【呪いのビデオ】があったんだろうが、それが全部【貞子】の手柄になる。
 エサを横取りされ続けているようなものだ。いずれ、【貞子】だけが【呪いのビデオ】となる。

「……ならば、私も【貞子】として生きるしかない! こうやって、女装してでも!」
「―――すーっごい、分かるんですけど!」

 何故か、【メリーさん】が身体を乗り出した。

「私、契約するまでは清楚な女子高生を目指してたのよ。それが今は?!
 どう見ても女児! あいつ、あぁ見えてロリコンよ!」
「……なんと。契約に、そのような弊害があったとは……。」
「人間って本当に、自分勝手にミームを書き換えて!
 きっとさっきも、脳内では『はじめてのおつかい』を妄想していたに違いないわ!」

 ……気が付くと、2人は座り込んで愚痴を言い合い始めた。
 邪魔をする訳にもいかないので、俺は【メリーさん】が買ってくれた物を拾い、台所へ向かう。
 2人の会話をBGMに、慣れた手つきで夕食を作る。作り置き分……と言いたいが、これも無くなるかね。

「おぉい、飯ができたぞー。」

 そう声を掛けた頃には、すっかり意気投合していた。

「あ、はーい。盛り付け手伝うねー。」
「……そうか、ん?」

 食卓に料理を3人分並べると、俺達はいただきますの合図で食べ始めた。……1人を除いて。

「……何を、しているんだ?」
「何って、夕食だよ。」

 【呪いのビデオ】からの質問に、俺は当たり前のように返す。

「アンタも食べなさいよ。せっかく来たんだし。」
「……俺は、お前達を襲おうとしたんだぞ?」

 そういう【呪いのビデオ】が言うので、俺は一旦箸を置く。

「【メリーさん】。こいつ、倒せるか?」
「えっ……。」

 少し迷う素振りを見せたが、【メリーさん】は小さく首を振った。

「だとさ。じゃあ無理だ。」

 俺は再び、箸を進めた。

「……何故?」
「【メリーさん】には倒せない。当然、俺にも倒せない。
 誰にも倒せない以上、こうするしかないだろう。食うか、襲うか。自由にしろよ。」

 そう【呪いのビデオ】に伝えて、俺は飯を掻きこむ。
 【メリーさん】も安心したのか、箸の進みが早くなった。

「……俺は、食事ができない伝説使徒だ。だから、要らない。」
「へぇ、低燃費だな。そっちの方がいいな。」
「……いや、食事ができる伝説使徒の方が、保持できるエネルギーが高い。」

 【呪いのビデオ】曰く、自分は『己のミームを消費して活動する』。
 食事するタイプは、『ミームだけでなく、物理エネルギーを消費して活動できる』。
 ミームを消費、という概念が今ひとつ理解できないが、なんとなく理解した。

 【メリーさん】のような伝説使徒は、転移する際に大きなエネルギーを消費している。
 なんせ、自分が買ってきた食材なんかも転送できるのだから。
 そのエネルギーの出所は、情報として格納された食べ物……という訳だ。

 こいつらと付き合い慣れた俺としては、「興味深い」とさえ思えた。
 【メリーさん】の食事シーンをなんとなく見ていたが、俺達とは異なる現象が中で起きているんだ。

 余分に盛ってしまった食事を食べつつ、色々考え込んでしまう。
 伝説使徒は情報の塊であり、他の物質さえも情報化できる。
 ならば、機械と組み合わせると、どのような事ができるだろうか……。

「あ、マスター。また食べながら考えてる。」
「……いつも、こうなのか?」
「うん。仕事の事とかばっか考えて、あまり喋ってくれないの。」

 などという会話を聞き流しつつ、ごちそうさまをして食器を片付ける。

「えっと、申し訳ないが襲われてやれない。元のレンタル屋に帰ってくれ。」
「……いや、こちらこそ済まない……こんな事は初めてだ。」

 だろうな。だが、慣れてしまったものは仕方がないのだ。
 こいつらだって、俺達のように生きている。
 よほど害意がない限り、無暗な殺生は避けたい。

「じゃあ、縁があったらまたね。」
「……あぁ、うっ!?」

 【呪いのビデオ】が、急に頭を抱えだした。
 俺も【メリーさん】も支えようとするが、振り払われる。

「逃げ、……我が名は貞子。汝らを呪うものなり。」
「は?」

 冗談だろ、と言いかけた時、【メリーさん】に突き飛ばされる。
 【呪いのビデオ】は、俺のいた場所に鋭い爪を振るっていた。

「……冗談だろ?」
「ミームが書き換わったわ。もうアイツは【貞子】なのよ。
 契約をしていない伝説使徒だもの。こうなるって……分かり切ってたのに……。」

 【メリーさん】が抜刀し、対峙する。
 ……科学とか、常識とかでなく、信じられない。これほど簡単に、伝説使徒は『死ぬ』のか?
 こんなの、あんまりじゃないか。ミームが書き換わっただけで……。



―――人間って本当に、自分勝手にミームを書き換えて―――



「そうだ……。」

 思わず、俺は【貞子】を名乗るものに体当たりした。不意打ちだったのか、奴は転倒した。

「ちょっと?!」
「【メリーさん】は足を抑えていてくれ!」

 もがくソイツに向けて、俺は語り掛ける。

「おい! 俺はお前の本当の姿なんて知らない。だが、俺は知っている!
 生きるために必死だった事、そのために変装までした事、……なのに俺を襲わなかった事!
 お前、本当は優しいんだろ! お前だって、無意味な殺生はしたくないんだ!」

 【呪いのビデオ】が、本当にそうだったのか……それは、願望でしかない。
 だが、俺は人間だ。自分勝手に行かせてもらう。

「お前が、お前のままで居たいなら……俺と契約しろォ!」






.







―――長い時の流れを感じる


 気が付くと、【メリーさん】が俺の顔を覗き込んでいた。

「お、よう。俺は……。」
「バカッ! 心配したんだからね!」

 グッと絞められる俺。ちょっと苦しい。
 えっと、確か【呪いのビデオ】が襲い掛かってきて……。

「そうだ、アイツは?」
「……ここだ。」

 TV画面を見ると、ノイズと共に謎の影が映っていた。
 井戸でもなければ、白い服の女性でもない。だが、たぶん本当の姿ですらない。

「えっと……失敗だったか?」
「……いや、成功なんだろう。お望み通り、私は私の人格を維持できた。
 もう、誰も襲う必要はない……。」

 それは良かった。と安堵するも、【メリーさん】に背中を殴られる。

「なんの許可もなく、2体目の伝説使徒と契約するなんて!
 もしも脳がパンクしたら、どうする気だったの!?」
「あ~……すまない、無我夢中だった。」
「ほんっとうに……心配したんだから……。」

 ……この時まで、俺は全く気付いていなかった。
 【メリーさん】は、俺にとって家族と言える存在になっていた事に。
 人間だとか、伝説使徒だとかの垣根は、そこに無かったんだ。

 そして今日、もうひとり家族が増える。

「無茶をしたが、すまない。これから宜しくな、【呪いのビデオ】。」
「ねぇ、それなら名前が必要じゃない?」

 それもそうだな、と数秒考え、パッと出てきたのは。

「じゃあ、[ビデ男]だ。」
「……えぇ……。」

 ……引かれてしまったので、名前はまた考えるとしよう。
 しかし、【呪いのビデオ】……いざ仲間になると思うと、少し気になる点があるんだ。
 これは、研究しがいがあるぞ……。

「あ、マスターが仕事顔。」
「……何故だ、悪寒がする。」






 ―――これは、『伝説使徒』と契約し、『伝説使徒』と戦う者達の物語―――

という訳で、今度は【呪いのビデオ】の事情に巻き込まれた男でした。
ミームの書き換え・ミーム汚染とも言うべき現象は、人間以上に伝説使徒を苦しめる……。

次回は、メリーさんの約束を守るなら遊園地に行くのでしょう。そこで何も起きなければ、いいですね。

 

○前回の話

>>22-24 次世代ーズ
※この話は作中時間軸で【9月】の出来事です



○時系列

●九月
・早渡、人面犬からモスマンの話を聞く
・高奈先輩、偽警官と遭遇し返り討ちに
・早渡、同じ施設出身の千十と再会

・早渡、「組織」所属契約者と戦闘

・早渡、高奈先輩と友達になる

・「怪奇同盟」に挨拶へ

・早渡、東中でいよっち先輩と出会う
 花房らと共に三年前の事件の「再現」に立ち会う
 診療所で「先生」から話を聞く

・ソレイユ、変態クマに捕まる
・「ピエロ」、学校町を目指す

・∂ナンバー、会合
・金曜日、早渡は「ラルム」へ     ☜ 今回の話はここです

・いよっち先輩、自分を取り戻す
 その夜の内に居候先を確保する

・早渡、マジカル☆ソレイユと遭遇

・∂ナンバー、「肉屋」の侵入を予知



●十月
・「ピエロ」、学校町へ侵入



●十一月

・戦技披露会開催

・診療所で「人狼」イベント
 「人狼」終了後、いよっち先輩が遊びに来る

・バビロンの大淫婦、死亡
・「狐」本戦?




 

 



 色々あったけど今週もようやく金曜を迎えた
 というわけでこの日の放課後、俺は「ラルム」にやって来ていた


「ねー教えてよーザベ子の彼氏ってアンタでしょー?」


 いや別に毎日「ラルム」に通い詰めてたってわけじゃない
 ただ何というか、自分の中では既に
 金曜の夕方は「ラルム」で過ごそうっていうのが出来上がっていた


「ねーってばー黙ってないで教えろよー、なー」


 そんなわけでこの日の夕食を「ラルム」で、ってわけだ
 注文したのはクロックムッシュ、コトリーちゃんイチオシのメニューだ


「いーじゃんいーじゃん別に恥ずかしがんなくてもさー、聞いてる?」


 確かに美味しい、うん、美味しいんだ
 ただ、それを伝えようにも、今日はコトリーちゃんもお休みらしい
 もっと言うと千十ちゃんも居ない。代わりに居るのはおばちゃん店員さんと


「てかこのお店に独りで入っといてさー恥ずいとか今更じゃんねー」


 この、さっきからやたら俺に絡んできている女子大生のバイトのお姉さんだ
 「ラルム」の制服の上からでも分かる程なかなか豊かなお胸の持ち主のようですが
 どうしてこんなにも心ときめかないんだろうか、我ながら不思議でならない


「あ、聞いてる? どうなの、ホントにザべ子の彼氏?」
「違います、ていうかザベ子って誰っすか」
「ウソウソ、絶対ウソ! そういうのわかっちゃうんだよね。絶対ザベ子の彼氏でしょ!」


 ダメだこの人、全然話を聞いてくれない
 しかも声が大きいので割と店の中に響いてる
 他のお客さんにもバッチリ聞かれてるんじゃないか?

 バイトさんに悟られぬように店内に眼を走らせるが
 聞こえてないのか、それとも知らない振りしてくれてるのか
 こっちを見ているお客さんは皆無だった
 一見すると、前に会ったオバちゃんズの姿は無いものの
 「ラルム」の客層って、全体的に年配の方々が多いようだな


 いや、待て



 

 

 女の子と目が合った
 見たところ、学校町東区にある高校の制服だ
 あの「怪奇同盟」本部の墓地の近くにある高校の子らしい


 眼鏡の女の子だ

 目が合うどころでは無かった

 女の子は物凄い形相で俺の方を睨み付けていた


 な、なんで!? なんで睨まれてるんだ!?
 こっちのバイトさんに対して、ってわけじゃないよな?
 すると俺か!? 何かまずいことでもしたのか、俺は?


 「ねー、ウチのバイトのどっち狙いなワケ? ザベ子? それとも千十っち?」
 「すいません、もうそろそろ帰るっす」
 「えーなんで!? 食い終わったらそのまま帰るって、ちょっとねえ、アタシと話しよーよー」


 ちょっと睨み付け方が尋常では無い
 特に恨みを買う覚えは、無い、と断言できない所があれだが
 少なくとも、女子に対して何か失礼なことをしでかした覚えは無い
 これは断言していい
 あ、でも「七尾」出身者だった場合はちょっと話が変わるぞ

 少なくとも、ここは早く退いた方が良さげだ
 俺を睨んでるあの子に直接話を聞くってのも手だが
 あの睨み方じゃ穏やかに話が出来るかどうか、全く自信がない

 しかも今日は千十ちゃんもコトリーちゃんも居ない
 仕方がない、もう今日は帰った方がいいだろう


「この店さー若い子あんまし来ないんよー、もっと話しよー?」
「いやホントすいません、もう帰らないとヤバいんで」
「えー!?」

 ブー垂れてるバイトさんを適当にあしらいつつ
 俺はもう席を立った



 俺を睨んでた子、何だか生真面目そうな雰囲気の子だ
 もしかしたらこういう雰囲気の店に
 俺のような商業男子が居ること自体許せないってクチかもしれない
 そうだとしたらやっぱり早々に店を出るに越したことは無い、また日を改めよう








 

 



          ●



「っ違います! そういうんじゃありません!」
「えー違うのー?」


 聞き慣れた声に、日向ありすは顔を上げた
 テーブル席にやって来たのは同じクラスの遠倉千十だ
 急いで来たのか、肩で息している


「ごめんありすちゃん、待った?」
「ううん、全然」


 読みかけの文庫本を閉じて応じる
 時間で言うと日没直後だろうか
 千十がやって来たのは先程の商業男子が店を出て十数分後のことだ


「先生、仕事溜め込んでたみたいでようやく終わったの」
「あー、まあ仕方ないわね、うん」


 親が家を空ける為、ありすは今日の夕食を外で取る積りだった
 すると千十も一緒に行きたいと言うので「ラルム」へ行くことにした、が
 放課後、急に千十が教員に捕まって仕事を手伝わされることになったのだ


「でも千十、今日シフト休みだったんでしょ? いいの?」
「大丈夫だよ、本当は今日お仕事だったんだけど」


 そんなことを口にしながら千十は横目を向ける
 つられてありすが顔を向けると、バイトの女子大生さんがキッチンへ入って行く所だった


「急にシフト交換するように言われちゃって……」
「それで休みになったんだ」
「うん、でも今日はお仕事の方が良かったな」
「へえ。千十、働くの好きなんだ?」


 笑いながらありすはそう尋ねるが
 彼女はむう、と口を曲げてキッチン入口の方を見詰めるだけだ


「それより日も暮れちゃったけど、ありすちゃんは大丈夫なの?」

「平気平気。どうせ母さん、お父さんの所に行ってるし、明日まで帰らないわよ
 愛に飢えてるとかどうとか言ってたし」

「ラブラブっていいね、羨ましいなあ」

「そういうもんでも無いと思うけど。あ、千十はどうなの?
 今日はお姉さん遅いの?」

「うん、上司に居酒屋でお説教されるんだって」

「お説教って……、お姉さんも大変ね」

「お姉ちゃんにはいい薬だよ、ほんとにもう」


 不貞腐れたような表情の千十を見て、思わず笑ってしまう


「あ、千十。帰りは私も一緒に行くからね」
「え、大丈夫だよありすちゃん、心配しないで」
「だーめ、最近は以前より物騒になってるの知ってるでしょ?」
「でも、ありすちゃんのお家と反対側だし、ありすちゃんも危ないよ」


 

 

「私にはメリーがいるし、いざってときは大丈夫だから!
 それに今、ちょっとヤバい奴が居るみたいだから尚更警戒しないと」


 恐らく千十は知らない
 このときのありすの言葉に、僅かに怒りが籠ったことを


「千十ちゃんと、ありすちゃんね、いらっしゃい。ゆっくりしてってね」


 女子大生さんでは無く、おばちゃん店員の方がメニューを持ってきた
 お礼と共にメニューを受け取る
 千十と一緒に何度か来ている所為か、もう名前を覚えられている
 先程の会話は、多分聞かれてはいないだろう
 まあ聞かれていたとしても、今の所は特に当たり障りの無い話なのだが


「最近、変態が活気づいちゃってるみたいでね」

「へん、たい?」


 おばちゃんが立ち去るのを確認した後でありすは切り出した
 彼女の言葉に、水の入ったグラスを握ったまま
 千十はきょとんとした表情で聞き返した


「そ。性質悪いことにそいつ、契約者よ
 早く『首塚』に捕縛されてほしいんだけどね
 でなきゃ『組織』に仕事してほしい所なんだけど」

「怖いね……」

「大丈夫よ、目星は付いてる」

「え?」


 このとき、ようやく千十も気づいたようだった
 ありすの言葉に、明確な敵意が滲んでいることに


「この手で始末するわ、必ずね……!」


 静かにそう告げるありすの眼は
 真っ直ぐ、「ラルム」の入口に向けられていた







 
 続く……?
 

 













「何だろうな、今の寒気は」


 南区に向けて歩道を行く早渡はこのとき、謎の悪寒に襲われていた
 生来勘が鋭いというわけでは無い早渡だが
 時折このような嫌な予感に襲われることがあるらしい


「やっぱ今日はすぐ家に戻った方が、って、うん?」


 早渡の携帯が震え出したのは丁度そのときだった
 表示を確認すると「半井」からの着信だった
 人面犬、半井のおっさんだ


「もしもし、早渡です。うん、半井のおっちゃん? うん」


 通話に応じた早渡だったが、彼はすぐに眉をひそめた


「迷子? え、何? はあ、『コロポックル』ね
 俺は多分、まだ会ったこと無い子だよね、うん
 今日なの? ああ、そう。分かった。南区ね、おうよ」


 早渡は通話を切る


「家に戻ってシャワー浴びる時間は、無いよなあ」


 独り言ちた後、暫し黙考し
 やがて早渡は走り出した


「まあ、このままでも問題は、無いか……!」








□■□

 



早渡脩寿
 南区の商業高校に在籍する一年生
 同世代の女子の身体への興味が尽きないお年頃
 「次世代ーズ」が開始する年の四月に学校町へ越してきた
 彼は「組織」と関わり合いになりたくないようだが運命がそれを許さないようだ

 最近ハマっていることは自炊、らしい

 好きな物:女体、スケベコンテンツ、料理
 嫌いな物:「組織」、「教会」、「狐」、クソ野郎





 

明日中には何とか投下します…よぼよぼ
スレ見返したら見逃してましたので回答
1 ノイお母さんの趣味を教えてください
ノイ「趣味?柳かなー?あと、音が好きでピアノたまに弾くよ!」
2 澪とキラの今日の下着について教えてください
澪「私のは言えませんがキラの下着なら言えます。黄色地にイチゴ柄です」
キラ「あたしのは言えないけど澪のなら知ってるわ。水色に白のチェックよ!」
こいつら本当に親友だろうか
3 今後澪とキラのお色気シーンはワンチャンありますか?
水着くらいならありかなー(その前にいろいろ書くものが)
4 澪の隠れた性癖について教えてください
隠れSです

「ひかりちゃん、危ない!」
「真降お兄ちゃま!」
後方の気配にいち早く気づいた真降が、ひかりを背後に庇い、手を前に翳す。
100メートルほど距離の空いていたひかり達と、「アブラカダブラ」の契約者達の間に、分厚い氷の壁が築かれ、それぞれを隔てた。
「これは面白いね。ひかりちゃんというお姫様には、ちゃんとナイトがついてたとはね」
「どうする?『海から』の。あの氷使い、なかなか厄介そうだよ。頭も切れそうだ」
「そうだね。じゃあ…」
「あたしがさきよ!」
叫んでひかりが「槍」を掲げる。
「ダメだ、ひかりちゃん」
制したのは轟九。いったんは掲げた槍を下ろし、ひかりは轟九の顔を見上げる。
「あれはダメだ。なんかわかんねぇけど、危険な気がする」
「ライダーのおじちゃまも、同じこと言ってた。轟九お兄ちゃま、勘に自信ある?」
「テストのヤマは、外したことねぇ」
「じゃあ、こっちだね」
ひかりは手鏡を取り出し、照準を二人の男に定める。
「そうさせるわけには行かないから、こちらも動かせてもらうよ」
二人の男が、不敵に笑う。


続く

とりあえず、戦闘のさわりだけ書かせていただきましたー。
続きは次世代ーズの人にいったん投げます!よろしく!
キャラ描写とかでわからない事があったらどんどん聞いてください

 


鳥居の人お疲れ様です!!
今続きを書いてるけど、これちょっと今夜中に間に合うか分からない……!

すいません、確認したいのは一つです
・真降君は普段から(対「ピエロ」戦でも)「七星剣」を持ち歩いているかどうか
前スレと避難所を調べてたんですがちょっと自信が無かったです
今の所、氷の剣を生成して頂く感じで書いています


>>67
>隠れSです
何故だろう
これ見た瞬間に直ぐ思い浮かんだのは澪ちゃんではなく緑君だった
彼の淡い何とかがどうなるか見守りたい所ですが
作中の時間軸的にそれどころじゃないですね
ひかりちゃんと桐生院兄弟が頑張ってる数時間後には
確か「凍り付いた碧」が襲撃される予定(のはず)
緑君にも藍ちゃんにも何とか生き延びてほしい……
アダムさんにも生き延びてほしかったが
こうなってしまった今では今度誰がドロップするか分からない

「次世代ーズ」の中の人の対応スピードがもう少し速ければ
早い内に「凍り付いた碧」配下の下位メンバーと絡みたかったのですが
だが今はそれでどころではない、>>68の続きを書きます!


 

ナユタと恭一は、京也達に連れられ、とある教室に辿り着く
がらがらと扉を開けた瞬間、ナユタは驚愕した
ソリッドビジョンのモンスター達が消え、その場に崩れゆく男子生徒
それを見て、やかましく笑う恰幅のいい青い制服――オベリスクブルーの男子生徒

「だーっはっはっはっはっは!!
 こりゃ良いぜぇ、これであのにっくきゼロの野郎を――――」
「俺がどうかしたのか? 霧島団布」
「フルネームで呼ぶんじゃねぇ!?…って、良いところに来たなぁ、ゼロ」

恰幅のいい生徒――霧島団布はにやぁっ、と笑いながらデュエルディスクを構える

「今日こそお前の鼻をへし折ってやるぜ」
「ハァ、あのね団布くん、その前に今まで被害にあった生徒について説明をして欲しいんだが」
「フン! あいつらはこの俺の新しい切り札にのされて気を失っちまったのさ
 お前もこれから保健室送りだ!!」
「ええ加減目ぇ覚ましや! おかしいと思わへんのか!?」
「団布! どう考えても、超常的な力が介入してるとしか思えない!
 その例のカードを手放せ!」
「ぶっちゃけ見てみたいんだけどよー(ガッ!!)ぐふっ……そうだ手放せー!」
「ていうかお前等……俺はオベリスクブルー2年だぞ!?
 1年の、しかもオシリスレッドのドロップアウト共が呼び捨てにしやがって!!
 団布“様”といえ!!」
「んーじゃあ、仕方ないね」
「待ちたまえ恭一君、僕は例の未知のカードを知っている
 君では不利だ、ここは僕に」
「有難うナユタ、でもこの決闘―――――「俺がやる」」

恭一と赤トカゲ――もとい、ブレイズの声が重なると、
ブレイズの姿が赤い光に変わり、恭一の身体に入り込んだ
カッと見開いた彼の眼は、燃え盛る炎のように赤く輝いていた

「俺、炎上!!」
(あ、『電王』だこれ)

ビシッ!!と決まるポージング
見慣れているのだろうか、周囲の反応は恐ろしく薄い
その反応が、逆にナユタの正気度を失わせる

「へっ! やっとやる気になったようだなぁ、ゼロ!」
「何言ってやがる、俺のやる気はいつだってレッドゾーンだぜぇ!?」
「あぁもう『電王』だこれ」
「ナユタ、どうかしたのか?」
「いや、何でもない、気にしないでくれたまえ…ん? 彼、デュエル・ディスクはないのかね?」
「いやいや何言うてんねん、ずっとつけてるで、両腕に」

あまりに恭一が裂邪そっくりだったことに驚いていたせいか、ナユタは気づいていなかった
恭一の両腕に、ヒレのような突起物が特徴的な、機械的なグローブが装着されている
右腕にはデッキがセットされ、左腕には墓地となるであろうエリアがあった
さらに彼が、パン!と両掌を打ち鳴らせば、ヒレは展開し、デュエルフィールドを作り出す

「あれが、恭一君のデュエルディスク?」
「『決闘爪(デュエル・クロー)』っていうらしい
 考古学者の親戚が遺跡の採掘中に発見したオーパーツだそうだ」
「へぇ…(「オーパーツ」……この世界にも都市伝説のようなものが存在するのか?)」
「「決闘!!」」

話しているうちに、団布と恭一の決闘が開始され、
2人のデュエルディスクに、ランダムで順番が表示される
先攻は恭一のようだった

「俺の先攻! まずはお手並み拝見だ、『ヴォルカニック・ロケット』を召喚!」

恭一の目の前、地面から溶岩が噴出し、中から何かが飛び出した
天をも貫かんとする勢いで飛ぶそれは、炎の如き荒々しさと美しさを纏った、
名の通り“ロケット”のようなモンスターだった

恭一 手札5→4
ヴォルカニック・ロケット ATK1900

「『ヴォルカニック・ロケット』のモンスター効果、発動!
 召喚に成功した時、俺のデッキか墓地から『ブレイズ・キャノン』カードを手札に加える
 俺が手札に加えるのは『ブレイズ・キャノン・マガジン』!」

恭一 手札4→5

「さらに手札から魔法カード『おろかな埋葬』!
 俺はデッキから、『ヴォルカニック・クイーン』を墓地に送る
 カードを2枚伏せて、俺はターンエンドだ」

恭一 LP8000 手札5→2

「だーっはっはっは! えらく慎重だな? 俺のターン、ドロー!
 俺は『メカ・ハンター』を召喚だ!」

団布の場に現れたのは、翼と細長い幾つもの腕が生えた、球体型のロボット
その腕の先には、剣や鎌、槍など、狩りの道具が備わっている

団布 手札5→6→5
メカ・ハンター ATK1850

「へっ、大口叩いた割には大したことねぇな
 そいつの攻撃力は1850、俺の『ヴォルカニック・ロケット』には届かねぇ!」
「あぁそうだ、真っ向からじゃ、な
 永続魔法『ウィルスメール』発動! このカードは1ターンに1度だけ、
 自分のレベル4以下のモンスター1体に直接攻撃する権利を与えられる!
 まあ、そのモンスターはバトルフェイズ終了時に墓地に送られるがな
 当然対象は『メカ・ハンター』だ!」

団布 手札5→4

「何ちゅうヤラしいカードや!」
「全くだ……だがあいつ、あんなカード持ってたか?」
(ふむ…ここで攻撃を許すとは思えないね)
「なら俺は永続罠『ブレイズ・キャノン・マガジン』発動!
 自分か相手のメインフェイズに1度、手札の『ヴォルカニック』カードを墓地に送り、
 カードを1枚ドローする!
 俺は『ヴォルカニック・カウンター』を捨て、カードドロー!」

恭一 手札2→1→2

「無駄なことを! バトルフェイズだ!
 『メカ・ハンター』でダイレクト・アタック!!」

恭一 LP8000→6150

「この瞬間、さっき墓地に送った『ヴォルカニック・カウンター』の効果が発動するぜ!
 こいつは俺が戦闘ダメージを受けた時に墓地から除外され、
 その時に墓地に他の炎属性モンスターがいる場合、
 受けた分と同じダメージをお前にも与える!」

団布 LP8000→6150

「ちっ……やっぱタダじゃおかねぇか
 バトルフェイズ終了時、『メカ・ハンター』は墓地に送られる
 俺はこれでターンエンドか」

団布 LP6150 手札4

「なっ…ターンエンドだと?」
「お? 何もしねーのか、チャンスだぜ!」
「これで団布君の場はガラ空き……ふむ、何かを誘っているのか」
「または、何かを待っているのか、ね」

ふと、ナユタが声のした方を見ると、青いトカゲがふわふわと浮いていた
先程紹介された、フリーズという名の精霊だった

「なんや、結局来たんかいな」
「心配だったからね
 先輩のことも、黒いモンスターカードのことも……それを知っている君のこともね」
「僕のことはさておき。先輩って、あの……ブレイズ君、だったかな?」
「そ、先輩は脳筋だから馬鹿みたいにすぐ突っ走るんでね」
「お前もっぺん言ってみろ!?」
「あ、聞こえてた」
「誰と喋ってんだ、さっさとターンを進めろゼロぉ!」
「慌てんなって、どうせ何も出来ねぇんだからよ
 俺のターン、ドロー!」

恭一 手札2→3

「俺は『ブレイズ・キャノン・マガジン』の効果を発動するぜ
 手札の『ヴォルカニック・バレット』を捨て、1枚ドロー」

恭一 手札3→2→3

「そして、たった今墓地に送った『ヴォルカニック・バレット』の効果!
 このカードが墓地に存在する時に、自分メインフェイズに一度だけ、
 LPを500払うことで、デッキから『ヴォルカニック・バレット』1体を手札に加える!」

恭一 LP6150→5650 手札3→4

「さらに俺は、『ヴォルカニック・エッジ』を召喚!」

恭一の場に現れたのは、小型の肉食恐竜のような姿をした二足歩行のモンスター
同じ“ヴォルカニック”の名を冠するだけあって、
先程の『ロケット』のような燃え滾る甲殻に包まれているが、
こちらは目はなく、代わりに口から轟々と炎を噴出していた

ヴォルカニック・エッジ ATK1800
恭一 手札4→3

「待たせたな、バトルだ!
 『ロケット』、『エッジ』の2体で、ダイレクトアタック!!」

2体の『ヴォルカニック』モンスターが、団布目がけて襲い掛かる
ナユタが思い描いたのは、裂邪達との決闘シーンだった
意外にも、フィールドが何もない状態で、手札から発動できるカードというのは数多く存在する
そういったカードが、団布の手札にもあるのではないかと
だが、案外にも2体の攻撃はすんなりと通ってしまった
それと同時に、フリーズが提言した“もう一つの可能性”が濃厚になって来たのだ

団布 LP6150→4250→2450

「ぐあっ……!!」
「あーあ、また俺の勝ちだな、俺はターンエンドだ」

恭一 LP5650 手札3

「おっしゃあ! 次のターンでゼロの勝ちだな!」
「なんや、余計な心配やったなあ」
「いやいや…お前等、まだ決闘は終わってないぞ?」
「英雄君の言うとおりだ。彼はまだ……」

団布 手札4→5

「…手札が5枚もある」

静かに、団布はデッキからカードを1枚引き、それを確認した
瞬間、彼は目を見開き、大きな声で笑い出した
それは嬉しさというよりも、何処か狂気じみており、ナユタ達は思わず身震いした

「おいおいどうした? この危機的状況にとうとう頭がやられちまったか?」
「だーっはははははははは!! やられちまうのはお前だ、ゼロ!!
 俺は『KA-2デス・シザース』を召喚!!」

“KA-2”、即ち“カニ”
名の通りで、団布の前に現れたのはカニの形をした青いロボットだった
特徴的な鋭く大きな2本のハサミが備わった腕には、形式番号“Ka-2”と表記されている

団布 手札5→4
KA-2デス・シザース ATK1000

「ハァ? たった攻撃力1000のモンスターでなにが」
「さらに俺は! 手札から『ネジマキシキガミ』を特殊召喚!!
 こいつはレベル8で、通常召喚はできないが、
 自分の墓地のモンスターが機械族だけの場合に特殊召喚できる!!」

次に現れたのは、藤色の衣に包まれた、大きな2本のねじまきがついた案山子のようなモンスター
そのモンスターは機械族だが、その印象は幽霊に近かった

団布 手札4→3
ネジマキシキガミ ATK100

「うげっ…なんちゅう気色悪いモンスターや」
「おかしい、団布のデッキにあんなモンスターはいなかった筈だ」
「…誰かに渡された?」
「『ネジマキシキガミ』の効果!
 相手フィールド上のモンスター1体の攻撃力を、ターン終了時まで0にする!
 対象は、『ヴィルカニック・エッジ』!!」

ヴォルカニック・エッジ ATK1800→0

「あー読めたぜ、それで『KA-2デス・シザース』とのコンボか
 確か戦闘で破壊したモンスターのレベルに500をかけた数値分のダメージを与えるんだったな
 まぁお前にしちゃ賢いコンボだな――――――」
「俺は! 手札から魔法カード『ギャラクシー・クィーンズ・ライト』を発動!!」
「―――――――何、だと?」

団布 手札3→2

「このカードは、俺の場のレベル7以上のモンスター1体を選択し、
 俺の場に存在する他のモンスターのレベルを、そのモンスターと同じにする!
 当然、対象はレベル8、『ネジマキシキガミ』!!」

KA-2デス・シザース レベル4→8

「レベルを同じに? それって何の意味があんだよ」
「ちょっと待て、この光景は…」
「先輩! この決闘は無効だ! やはり“何か”がこの世界に干渉してるよ!」
「恭一君! いやブレイズ君か!? フリーズ君の言うとおりだ! ここは退きたまえ!」
「うるせえ! 売られた喧嘩は最後まで付き合うのが礼儀だろ!?
 途中で背中向けるなんざ、俺の……“勇気の炎”を司る俺の名が廃っちまうぜ!!」

「よく言った、その偉そうな口も二度と聞けなくしてやるぜ!!
 俺は『ネジマキシキガミ』と、レベル8になった『KA-2デス・シザース』をオーバーレイ!
 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!
 これが俺の新たな切り札! 不死の鉄槌で弱い奴等をぶちのめせ!!
 出てこい、『No.22不乱健』!!」

現れたのは、強靭な肉体を持った大男
眼光のみしか分からない程に頭部を覆った布切れには、
大きく“22”という数字が示されていた
そして、その身体の周囲を、2つの光がくるくると回っている

No.22不乱健 ATK4500

「攻撃力……4500!?」
「なんでや!? 魔法カードもチューナーもおらんかったやん!?」
「エクシーズ召喚は、融合や儀式のように魔法カードを用いず、
 シンクロのようにチューナーモンスターのような特別なモンスターも必要としない
 フィールドに揃った2体以上の“同じレベルのモンスター”を、“重ねる”ことで成立する特殊召喚だ」
「君はエクシーズ次元の人間かな……いや、スタンダード次元かな?」
「なあ、あの鬱陶しい光は何だ? さっきからくるくる回ってる奴」
「あぁ、あれはオーバーレイユニット……エクシーズ召喚の際、素材になったモンスター達さ
 エクシーズモンスターの大半は、効果の発動の為にあれを使うんだ
 つまり回数制限が存在する訳だが…その分、強力な効果も多い」
「ちっ、よりにもよってデケェ奴出しやがって…」
「だーっはっはっは!! これで終わりだ、ゼロ!!
 バトルフェイズ! 行け『不乱健』! 『ヴォルカニック・エッジ』をぶっ潰せ!!」
「やべぇ、さっきのネジマキ何とかの効果で攻撃力0じゃねーか!?」
「させねぇよ! 罠発動! 『業炎のバリア-ファイヤー・フォース-』!!
 相手モンスターの攻撃宣言時、相手の場の攻撃表示モンスターを全て破壊する!
 その後、俺は破壊したモンスターの攻撃力の合計の、半分のダメージを受けちまうが…
 受けたダメージと同じ数値を、相手にも与える!!」
「ナイスや! これでホンマに勝ちやろ!」
「いや、確か『不乱健』の効果は…!」
「俺は『不乱健』の効果発動!
 オーバーレイユニットを一つ使い、手札の『タイム・イーター』を捨てることで、
 『業炎のバリア』の効果を無効にする!」
「へっ、だが肝心の『不乱健』は、その効果で守備表示になっちまうぜ!?
 よって、この戦闘は無効だ!!」

No.22不乱健 ATK4500→DEF1000 ORU2→1

「…俺はカードを1枚セットし、ターンエンド」
「この瞬間、『ネジマキシキガミ』の効果が解け、『ヴォルカニック・エッジ』の攻撃力も元に戻る」

ヴォルカニック・エッジ ATK0→1800
団布 LP2450 手札0

「攻撃力の割に守備力低いな、こりゃ行けるぜ!」
「君達、さっきからフラグ乱立するのは止めたまえ」
「ほう、ナユタくん、だったかな? 君はどう読む?」
「…僕だったら、あのデメリットを帳消しにするカードを仕組むね」
「俺のターン、ドロー!」

恭一 手札3→4

「行くぜ、まずは墓地の『ヴォルカニック・バレット』の効果発動!
 LPを500払い、デッキから『ヴォルカニック・バレット』を手札に加えるぜ!」
「ところで彼、LPを大切にしないね」
「まあ、脳筋だからね、先輩」
「うるせえ!?」

恭一 LP5650→5150 手札4→5

「永続罠『ブレイズ・キャノン・マガジン』の効果!
 『ヴォルカニック・バレット』を捨て、カードをドロー!」

恭一 手札5→4→5

「さあこっからだ!
 『ブレイズ・キャノン・マガジン』は、場に存在する時に『ブレイズ・キャノン-トライデント』としても扱う!
 俺は『ブレイズ・キャノン-トライデント』を墓地に送り、
 『ヴォルカニック・デビル』を特殊召喚!!」

ごおっ!!と勢いよく溶岩が噴出し、その熱の中から、それは姿を現した
黒曜石のような輝きを放つそれは、身体の至るところから炎を滾らせ、
まさに“火山の悪魔”の名に相応しい様相だった

恭一 手札5→4
ヴォルカニック・デビル ATK3000

「来た! ブレイズのエースカード!」
「しかもあのデカブツは守備表示、楽勝だな!」
「バトルフェイズ! 『ヴォルカニック・エッジ』で『不乱健』を攻撃!!」
「だーっはっはっは!! リバースカード、オープン!
 永続罠『最終突撃命令』!」
「なっ!?」
「効果は知ってるだろ? 場のモンスターは強制的に攻撃表示だ
 当然、俺の『不乱健』もなぁ!!」

No.22不乱健 DEF1000→ATK4500

『ヴォルカニック・エッジ』の火球は、『不乱健』の掌でハエを払うように掻き消され、
逆にその細い首を掴まれると、ごぎり、という鈍い音を立てて消滅してしまった

恭一 LP5150→2450

「ぐうっ……っへへ、なかなかやるじゃねぇか
 俺はこのままターンエンドだ」

恭一 LP2450 手札4

「……ん?」
「どうかしたのかい、ナユタ君?」
「『マガジン』は墓地から除外すれば、デッキから『ヴォルカニック』カードを墓地に送れる筈
 『カウンター』を落とせば、今ので彼の勝利だったんじゃないかな」
「そうだね、ただ勝つだけなら、それが正解だよ」
「…と、いうと?」
「それは見ていた方が早いかな?」

ふふっ、と笑ったフリーズの心中を察する間もなく、団布のターンが開始する

団布 手札0→1

「…あっけなかったなあ、何か忘れてないか?」
「あ? 何がだ?」
「俺は永続魔法『ウィルスメール』を発動!
 対象は…『不乱健』!!」
「はぁ!? 何言ってんだあいつ、『不乱健』のレベルは8―――――なっ、なんだこりゃ!?」
「レベルやない、“ランク”や!?」
「レベルがない………まさかそんな!?」
「「あの、君達?」」
「だーっはっはっは!! 死ね、ゼロ!! 『不乱健』でダイレクトアタック!!」





しーん




「……あれ? ど、どうした『不乱健』?」
「おいおい……何も知らねぇでエクシーズモンスター使ってたのか?」
「は? 何のことだ?」
「あのね…エクシーズモンスターはレベルを持たず、ランクという独自のステータスを持っている
 つまり、レベルに関する効果を受けず、ランクに関する効果のみ影響を受けるんだ」
「「「「何ッ!? レベルがないってことは、“レベル0”ってことじゃないのか!?」」」」
「他のことで考えてみなよ……速さから重さは引けないし、人数と距離は足せないでしょ?」
「くっそ……あ、でも『ロケット』を攻撃すれ、ば……
 だ、だーっはっはっは! これでお終いだ、ゼロ!
 『不乱健』で『ヴォルカニック・ロケット』を攻撃!!」
「焦ってんのモロバレだぜ、バーカ! 『ヴォルカニック・デビル』の効果!
 相手バトルフェイズ時、攻撃可能なモンスターは全て、『デビル』を攻撃しなければならない!」
「くっ、だがこっちは4500! ダメージは受けて貰うぜ!」

恭一 LP2450→950

「うえ、そんでもピンチじゃねぇか!」
「あかん! ゼロまで保健室送りになったらワイらどうすんねん!?」
「お、お前等、落ち着けって…」
「これで俺はターンエンド……さあゼロ、最後の足掻き、楽しませてもらうぜ」

団布 LP2450 手札1

「あぁそうだな、精々足掻かせてもらうぜ」
(いやいやいやいや!? 珍しく大分LP削られてますけど!?
 これ勝てるんすかマジで、ねえブレイズさん!?)
「お前がそんなんでどうすんだよ……トドメ刺すのはお前だぞ?」
(…は? 何言って)
「準備は整った。なぁに、慎重にやりゃ勝てる
 後は任せたぜ――――――」

すぅっ、と恭一の身体から赤い光が抜けていく
と思えば、光は恭一のデッキの一番上に灯っていた
何も考えず、ただ自分のターンの開始だったから、彼はカードを引いた
それを見た時、危うくカードを落としそうになりながら、恭一は驚愕する

「っちょ……これって……!?」

恭一 手札4→5

「何やってんだ、まさかターンエンドか?」
「…俺は、手札の魔法カード『死者蘇生』を発動
 その対象は……お前の墓地の『ネジマキシキガミ』だ」
「なっ!?」
「成程、『不乱健』の攻撃力を0にすれば!」
「『不乱健』の効果! オーバーレイユニットを1つ使い、手札の『可変機獣ガンナードラゴン』を捨て、
 お前の『死者蘇生』の効果を無効にする!
 『不乱健』は守備表示になるが、『最終突撃命令』の効果で攻撃表示に戻るぜ!」

恭一 手札5→4
団布 手札1→0
No.22不乱健 ATK4500→DEF1000→ATK4500 ORU1→0

「あぁ……もう見てられへん」
「君達はフラグ建築士でも目指してるのかね
 あの様子だと、さっき引いたカードは」
「だーっはっはっはっは!! これで勝利の可能性はなくなった訳だな!」
「そうだな…お前の勝利のな!」
「何ぃ!?」
「俺は手札の『ヴォルカニック・バックショット』と『溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム』を除外し、モンスターを特殊召喚する」
「手札のモンスターを…除外だと!?」
「それは業火によって全てを滅する神
 大きな力に屈する事なき“勇気”を、我に与えたまえ
 降臨せよ、『焔滅神エザルブ』!!」

一瞬、現れたのは赤い小さなトカゲだった
が、その姿は刹那の間に燃え上がって人型となり、
大きな剣を携え、炎の翼を頂く、神々しい姿へと変貌した

「な、なんやあれ!?」
「こんなモンスター、今まで見たことがない………フリーズ君、もしや」
「そう、あれこそが先輩…ブレイズの真の姿
 勇気を司る『焔滅神エザルブ』だ」

焔滅神エザルブ 炎 幻神獣族/特殊召喚/効果 ATK2800/DEF2500

恭一 手札4→1

「『焔滅神エザルブ』は、自分のLPが1000以下の時、
 手札の炎属性モンスターを、レベルの合計が10になるように除外することで特殊召喚できる」
「こ、こんなモンスター知らねえ! インチキだ!」
「お前だって、この世に存在しないモンスターを使っただろ?
 これはお前のような決闘者に対する“神”の怒りだ
 バトルフェイズ! 『エザルブ』で、『不乱健』に攻撃!!」
「血迷ったか? そいつは攻撃力2800、返り討ちに―――――――ッ!?」

直後、『エザルブ』の剣が激しく燃え上がる
違う。炎が次々と投げ込まれ、その量がどんどん増しているのだ
恭一の墓地から、手札から
そして、炎へと姿を変えた、彼の場の『ヴォルカニック・ロケット』さえも

「こ、これは……どうなって……」
「『焔滅神エザルブ』が、自身より攻撃力の高いモンスターと攻撃する時、
 このカード以外の自分のフィールド、手札、墓地のカードを全て除外して、
 その中の炎属性モンスターの攻撃力の合計を加算する」
「ハァッ!?……そ、それじゃ…攻撃力は……」

焔滅神エザルブ ATK2800→12300

「い、一万……!?」
【何処の次元から来たか知らねえが、元の世界に返りやがれ!!
 行くぜ、ゼロ!!】
「あぁ! 『焔滅神エザルブ』の攻撃!!」




――――――ブレイヴァリー・スラッシュ!!




団布 LP2450→0



   ...to be continued

なっが!! ひたすら長っ!
そして途中でプロットと見比べて手札の枚数が違ったから3回見直した挙句にプロットが間違っててなんやこれ畜生(

という訳で黒いカードこと『エクシーズモンスター』登場
この世界に存在しなかったカードが現れた理由とは果たして(わざとらしい

 

シャドーマンの人、お疲れ様です!
恥ずかしながら「ヴォルカニック」シリーズをさっきググって知ったのですが、良いものですね
個人的にヴォルカニック・バレットさんがエロかっこ良かったです

その昔は、サイコショッカーとかダークネクロフィアとか
ああいうデザインが好きだったのですがいつの間にか
ファイレクシアの巨大戦車とか召喚獣メガラニカとか
ああいうデザインが好きになっていました、あぶない

 

 



 この話は【11月】の【「バビロンの大淫婦」消滅後】の時間軸です
 この話は前スレ 998-999(次世代ーズ)、本スレ >>68(鳥居の人)の続きになります



 

 

「お兄ちゃまたち気をつけて」


 突如背後に出現した「ピエロ」側の二人組に向けて
 正確にはこちらと彼ら二人を隔てるように生成された氷壁に向けて
 手鏡を構えながら、彼女、新宮ひかりは桐生院の兄弟に警戒を促した


「タートルネックをきてる人は、あたしと同じで現実を上書きする能力だよ
 スーツのふとっちょの方はちょっとむずかしいの
 知ろうとしたり見ようとしたら発動するタイプみたいなんだけど」

「知ろうとしたら発動するタイプ?」

「そうなの轟九お兄ちゃま」


 ひかりの説明は概ね正確だった
 廃工場にて初めて対峙した際、二人組について「ロンギヌスの槍」の能力で読み取っていた
 しかし同時に、彼らについて知り得たのはそこまでだった
 それ以上を読み取ろうとしたとき、「槍」の接続が“切断”された所為だ
 “切断”の原因は不明、恐らくスーツの方の能力であることは検討がつく
 それ故、彼女はそれ以上のリーディングを断念したのだ


「ひかりちゃん、何か他に手がかりは無いかな?
 あの二人組はひかりちゃんに何か言わなかった?」

「えっとね、真降お兄ちゃま
 さいしょにあったとき、あたしの能力がとても都合がわるいって言ってたの
 それから――ライダーのおじちゃまも、あたしの能力にカウンターを掛けるタイプって」

「ひかりちゃんの能力、カウンタータイプ、ということはつまり」

「認識されたら発動するタイプ、ってとこか?
 敵さんの視点で考えりゃ手の内が読まれるのは避けたいってわけか
 見知ったらカウンター……死んだり発狂する系、って言やあ『くねくね』か『夜刀神』の系統か」

「いえ、兄さん。先程から潮風の匂いが増している。海の怪異かもしれない」

「海か、なら『海難法師』かその類か?」


 周囲を油断なく警戒しつつ、真降と轟九の兄弟は思考を巡らせる
 だがそろそろ頃合いだ、二人組が何時仕掛けてきてもおかしくは無い


「真降、俺たちの周囲に氷柱を作ってくれ、それも頑丈な奴な」


 前方から目を離さず、轟九は弟にそれだけを告げる
 氷の壁越しに黒い影が上へ上へ昇っていくのが確認できた


「ああぁぁぁぁぁぁぁ」


 氷壁の頂上より姿を現したのはスーツの方だった
 先程の微笑みとは異質な、無数の皺が刻まれた笑顔だ
 裂けているのではないかと錯覚するほど口角が引き伸ばされている


「ひかひかりちゃん、んんいまそっちにいいいくからねぇぇぇ」


 だが氷壁の上から顔を出したのはスーツの方だけでは無かった
 彼と一緒によじ登ってきたのは、肉が焦げ、皮膚が焼け爛れた道化達だ
 なんということだ、先程の「火遊び」に巻き込まれた筈の「ピエロ」達ではないか
 彼らは焼死した筈では無かったというのか


「ひかりちゃんが俺をまってる、はやくはやく『はいれたはいれた』したいしたい」

「ウフ、ウフフ」「ニンゲン、イッパイ……」「オニク、オニク、うぇるだん、ばーべきゅー」



 

 

『どうにもウチのが見苦しくて悪いね』


何処からともなく響くその声は、あのタートルネックの青年のものだ


『さて、君たちも君たちで随分と厄介そうだ
 正直、高級の馳走を前に僕も如何手を付けようか迷っていたよ
 こんな嬉しい状況は滅多に無いからね。そう、だから、慎重に正攻法で行くことにした』


 当然のことだが

 何の前触れもなく

 彼は、新宮ひかりの真正面に出現した


「ふぁいやー!!!!」


 ひかりが「アルキメデスの鏡」を発動したのは彼の出現と同時だ
 噴出する爆炎が「アブラカダブラ」の契約者を飲み込み、後方の氷壁を一気に蒸発させる


 だが


 「カダブラ」は健在だ、左手を翳して炎を禦いでいるのが辛うじて視認できる
 炎の中に居る彼の顔が、悪意に歪んだ


「まずい!」


 真降が警告を発したとき、ひかりが片手で「槍」を握りしめていた


「――そに害なす者との空間を『虚無』に書き換えよ」


 爆炎の噴出音にかき消されるかのような小さな声で、ひかりは唱える
 その直後、爆炎を引き裂くように金色の矢が乱射された
 機関銃めいて撃ち込まれる幾多の矢は、正確にひかりと真降へ向けられていた

 だが全ての矢はひかりが創造した「虚無」へと飲み込まれていく

 金色の矢には見覚えがある、真降はそう思い起こした
 先刻から東区の上空を飛翔し、次々と「ピエロ」達を射抜いていった、あの矢だ


「なるほど、『矢』を“奪った”のか」


 低い、吐き捨てるような調子でひかりが呟く


「“奪った”とは聞こえが悪い、ただ“拝借”しただけさ」


 遂に爆炎の壁から「カダブラ」の青年が姿を現した

 その瞬間、「カダブラ」の横面が太い氷柱によって殴り飛ばされた


「させるかっ! 阿呆っっ!!」


 桐生院轟九の一撃だ
 弟が生成した氷柱をへし折り、それで殴り付けたのだ

 のだが

 「カダブラ」はその直後に“転移”したようだ
 ひかりと兄弟にやや距離を置く位置に再出現する


 

 

「『カダブラ』のぉぉぉぉぉぉ!! 俺の獲物にぃぃぃ手を出すなぁぁぁぁぁ!!!」


 声が割り込む
 「海からやってくるモノ」の契約者だ
 今や完全に消滅した氷の壁から民家の壁へと
 四つん這いの体で張り付き、不快害虫のように蠢いていた


「ひかりちゃんに『はいれた』するのは俺の仕事だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 更にはゾンビさながらの外見をした「ピエロ」達が
 緩慢な動作ではあるが徐々にひかりと兄弟へ向かっている
 先程の「アルキメデス」により下半身を完全に炭化させられた数名は
 地面を這いながらもこちらへ詰めてくる


「兄さん、ひかりちゃんを!」


 真降は瞬時に氷の剣を生成し「カダブラ」に対し一気に距離を詰める
 振るい上げた剣の間合いはタートネックの襲撃者を捉えた


「人を[ピーーー]したことはあるかい?」


 剣の筋を、しかし「カダブラ」は紙一重で回避する
 つい先程は轟九の膂力で顎を正確に殴り飛ばされた筈だ
 しかし回避の足捌きだけ見てもまるで効いている様子が無いのは何故だ


「[ピーーー]しの味を楽しんでみたくは無いか? 君のことだ、いまに 病 み つ き に な る 」


 「カダブラ」の足が、不意に鈍った
 突きを仕掛けるなら今だ、だがこれは――
 罠の匂いを察知し、真降は寸前で踏みとどまる


「惜しい」


 「カダブラ」の、最早隠すことのない悪意に満ちた声を聞いた
 だが、真降は彼の顔を見てはいなかった

 剣の切っ先は寸前で止められている
 そして、それは「カダブラ」にでは無く、真降と「カダブラ」の間に出現した女性に向けられていた

 スーツ姿のOLだ
 若い女性だ、様子から見て先程仕事が終わって、これから帰るといった体のOLだった
 先程まではこの場に居なかった、というより、そもそもこの場でひかりと落ち合ったとき、他の人の姿は無かった筈だ


「え?」


 呆気に取られた、正しくそのような表情で、彼女はそれだけを口にしていた
 彼女は何処からやって来たのか、何故この場に出現したのか


「君がすべきだったことは、寸止めじゃあ無い」


 それはいきなりだった
 OLの胸から、鋭い氷柱のような物が飛び出した


「[ピーーー]しを味わうことだ、OK?」

「え、へ?」


 状況が未だよく分かっていないスーツの女性は
 やがて、自分のシャツに鮮やかな赤が拡がっていくのに気づいたようだ

 

 

 「カダブラ」は満足そうに薄く嗤うと、まるでゴミを放り捨てるかのように腕を振るう
 真横から響く、堅い物が砕ける音、真降が眼だけを動かして確認する
 先程の女性だ、「カダブラ」に投げ捨てられ、民家のブロック塀に激突したのだ
 先程の破砕音はブロックが破壊された音だ、女性は地面に崩れ、激しく痙攣していた

 その瞬間、嗤う「カダブラ」の体が大きく、ブレた
 彼の立っていた箇所から、アスファルトを貫くように鋭い氷柱が生成されている
 だが「カダブラ」は寸前で回避したのか、大した怪我は無く、その真横に再出現していた


「おやおや、怒ったかな? 氷使い」


 相変わらぬ嘲りを顔面に貼り付かせ、彼は真降と対峙する
 真降は飽くまで平時と変わらぬ冷静な眼差しのままだ


「どうした『契約者』、早く僕を[ピーーー]しに来なよ
 ああ、安心しなって、『肉の楯』なら幾らでも代わりがあるんだから
 それとも、年増は好みでは無いかな? 確か、君は中央高校の子だったかい?
 ブレザーの子は良いものだね、どうせ[ピーーー]なら、君の見知った顔の方が嬉しいかな?」


 「カブラダ」は愉快そうに顔を歪めている
 彼の手にはいつの間にか、氷の剣が握られていた
 「アブラカダブラ」の能力により生成されたものだろうか

 真降は思案する
 ひかりちゃんが話したように彼の能力が事象改竄系だったとしても、だ
 やろうと思えば彼は直接対峙する間でも無く、僕らを[ピーーー]れた筈だ
 であれば、何故それをしない? しないのでは無く、出来ないのか?
 つまり彼の能力は万能では無い?

 真降は能力を発動した
 アスファルトを突き破るにように次々と氷柱を生成
 全て「カダブラ」狙いだ


 眼前の敵は哄笑を響かせながら回避行動を開始した


「真降お兄ちゃま! あの女の人は生きてるよ!」

「危ねぇひかりちゃん! 今は駄目だ!!」


 未だに痙攣を繰り返す女性に駆け寄ろうとしたひかりを、轟九はすんでの所で制止した

 真降が「カダブラ」に踏み込んだのと同時に、「ピエロ」が急に活性化した
 アクロバティックに轟九とひかりを襲い出した「ピエロ」共を
 轟九がほぼ独りで捌いていたのだ


「こんな閉所でさっきみたく『アルキメデス』をぶっ放すワケにもいかねえ――しなあっ!!」

「チョ、待ッ、オボァァァァァァァ……」

「ドウセ死ヌナラ、きれーナオ姉サンニ[ピーーー]サレタカッ、オゴァァァァァ……」

「ナンデコンナイケメン野郎にけつヲ叩カレナキャ、アゴォォォォォォォォ……」


 へし折った新たな氷柱で「ピエロ」共を次々と殴り飛ばしていく
 威勢の良かった「ピエロ」も彼の暴力を侮っていたようだ
 そのお陰で場の道化はほぼ蹴散らされていた


「真降! 油断すん――」


 不意に、先程から漂っていた潮風の匂いが、一際強まった

 轟九は言い掛け、突如大地を蹴る
 スーツの中年男が、ひかりの直ぐ傍に出現していたからだ

 逃がしはしない、「海から」の契約者の腹部に、轟九の蹴りがめり込む

 

 

「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 奇声を上げた「海から」の契約者の体が面白い程に吹っ飛ぶ
 彼はアスファルトの上を転げ回りながら、何とか四つん這いになってこちらを向いた

 その顔面に、轟九は一切攻撃を加えなかった
 だが、まるでギャグ漫画のように顔の中心がめり込んでいるのはどういうわけだ?
 「海から」の契約者は先程から奇声を発しているが、声を上げる口は最早彼の顔面には無かった

 いや、単にめり込んでいるのでは無い
 まるで顔の中心へと顔面の皮膚が呑まれるかのように、表皮が蠢いている


「うううううぅぅぅぅぅうううううぅぅぅぅぅううううぅぅうっぅぅぅぅぅううぅぅぅううううううぅぅぅぅぅぅぅうううぅぅぅっぅぅうううう
 ひかりちゃんひかりちゃんひかりちゃんひかりちゃんひかりちゃんひかりちゃんひかりちゃひかひかひか」


 それは、大地を伝って、それを聞く者の腹の底を揺さぶるような、低い声だった


「ひかりちゃん、あれを見ちゃ駄目な!!」


 「海から」の契約者を睨み付けたまま、手に持っていた氷柱を打ち捨てると
 新たな氷柱をへし折り、肩で担ぐような体勢を取った

 大きく踏み込み、氷柱を投擲する
 切っ先を真っ直ぐ、「海から」の顔面に向けて


「ぼごぉぉぉぉっっ!!!」


 寸分違わぬ正確さで、氷柱は彼の顔面へ突き刺さった
 いや、突き刺さっただけでは無い、それは完全に頭部を貫通していた


(思った通りだな)


 轟九は心の中で舌打ちする
 蹴りを叩き込んだ瞬間、彼は直感めいた違和を覚えていたが
 氷柱の貫通で勘が確信に変わった


(手応えが完全に人間のそれじゃあ無え――!!)


「うふ、うふふふふ、うふふうふふ、そうか、そうかそうか、そういうことか
 とうけつののうりょく、きょうりょくなみつど、οなんばー」


 氷柱が頭部を貫通してなお、スーツの男は低い言葉を発していた
 四つん這いのまま、今や電柱を昇り切って頂上からこちらを見下ろしている


「οナンバー?」


 「海から」の声に反応したのはタートルネックの青年だった
 「カダブラ」の双眸に、先程までは無かった冷たい光が混じる


「そうか、なるほど。するとつまり君は、あれの子息か」


 回避を止め、彼はおもむろに桐生院真降へと向き直った


「真降!! こいつら相手に手加減は無しだ!!」


 「カダブラ」の呟きを掻き消す勢いで轟九の怒号が飛ぶ

 真降は「カダブラ」に対し、構えを取った

 その手に握られていたのは――彼の「七星剣」だ




□■□

いやー胸糞悪い敵ってのはいいな!
ボコボコにしやすいし救いようがないっていうか
そして最期が気になってくるものよ
最期の瞬間こそ悪の輝き!(暴走
次世代ーズの人乙ですのん、これは皆頑張れ


独り反省会をしている場合では無かった
鳥居の人に土下座orz でございます……
真降君が優しいからといって「カダブラ」は彼を挑発し過ぎた
当初の予定よりも野太いフラグが立ったのは決して気の所為では無い

個人的に次か次の次で決着が付くかも、という算段ですが、鳥居の人の沙汰を待ちます
スケジュール等で書けそうに無い場合は私に申し付けください
責任を持って始末を付けますの

 
というわけで、改めまして鳥居の人、ありがとうございます! orz
前回の続きを書くのが遅れて申し訳ないです……!
>>82-86が>>68の続きとなります
ひかりちゃんや真降君と轟九兄さんの言い回しがこれで良いのか自信が無くなってきました
おかしな所やミス等あれば教えて頂けるとありがたいです……!

>>87
この二人は逝く時も愉快そうに笑いながらドロップしそうで
今の時点で次世代ーズの中の人はぐんなりしています
個人的には疾走感あふれる戦闘を描くことが当面の課題です

もう一編書こうとしたが、間に合わなかった……
 


昨夜の一件で思い知ったこと……
それは眠いときに推敲するとほぼ間違いなく誤字る……
にくい、自分がにくい

>>88
読み返すとあまりに冷たい自分の物言いに愕然とした……

鳥居の人、無理はなさらずの方向でお願いします!
続きを書いて下さるのであれば次世代ーズも嬉しいのですが
鳥居の人はお忙しいという話を目にしている手前
無理にお願いするわけには……と思っておりますので!
>>88は「書くのがしんどそうであれば私に投げて貰って全然OKです!」
くらいの意味で捉えて貰えたら、と思います orz

 

   この話には事前警告が必要であると「次世代ーズ」が判断した
   暴力、およびグロテスク描写が含まれています
   苦手な方は>>101までスキップして下さい

   この話は【11月】の時点、>>82-86(次世代―ズ)とほぼ同時刻の出来事になります

 

 



「状況はどうです?」

「上々、といった所でしょうか
 ようやく『組織』も事態を把握したようです
 ここまで粘れたのならベストを尽くした方だと思いますよ」


 女の返答に「ピエロ」は胸を撫で下ろした
 首尾はそこそこ上手くいったようだ


「ただ、そうですね
 『組織』よりも早い段階で
 『レジスタンス』配下と思しき対象が動いた点をどう読むか
 現状、不安材料が無いわけではありませんが、十分に想定の範囲内です」

「『一ツ眼』や『組織』関係者の能力で
 『ピエロ』が若干名、支配権を奪われてます
 我々の方で処理した方がよろしいでしょうか?」

「問題はありません。予定より早く“彼女”が学校町へ到着しました」
「“彼女”? まさか、あの、“女神”さんですか!?」
「あら、隊長さんも気になってました?」


 隊長と呼ばれた「ピエロ」は、取り繕うように笑って誤魔化した


「いやあ、“女神”さんに惚れてる仲間も多いもんで……」
「中々楽しいことになりそうですね。特に今日と明日は」


 女は機嫌良さそうに「ピエロ」からモニターの方へ向き直る
 壁面に設置された複数の画面には様々な映像が表示されていた


「“先生”方の具合はいかがです?」

「こちらもまずまず、と言った所でしょうか
 『アブラカダブラ』と『やってくるモノ』は現在、事象改竄系能力者を追跡中のようです」

「事象改竄に全知の観測、か。おっかねえな、学校町の契約者は」
「まだまだこんなものではありませんよ。序盤ですらありません」


 「ピエロ」の隊長は感嘆したように首を振る一方で、女の声は弾んでいる
 まるで、学校町で現在進行中の事態が楽しくて仕方ないといった雰囲気だ


「ただ、対象の能力者が幼少の女児のようで
 少々『やってくるモノ』が没頭している様子なのは気掛かりですね
 まあ、『カダブラ』の子が一緒なので手綱は握れるでしょう。心配はありません」

「お若い“先生”方はどうでしょうか?
 アシストが必要ならいつでも駒を動かせますが」

「それが……」


 直前まで上機嫌だった女の声色が曇る
 「ピエロ」は彼女の顔色を伺いつつ、モニターの方へ視線を向けた


「こちらの“眼”からロストしたようなのです
 一人は『七尾』出身者なのですが、問題児で……、こちらの指示を聞いているのかどうか……
 まあこちらも“寄生”の子が一緒なので、いざというときはストッパーになってくれると思うのですが……」

「最後にトレースできた座標は残っておりますでしょうか?」
「南区、ですね」
「一応、当該地区で待機している『ピエロ』達に指示を出します」
「すいません、お願いしますね」


 女の言葉を受けて、「ピエロ」の隊長は足早にその場を去った
 女はモニターに目を向けたまま、深い溜息を吐いた


「これだから『七尾』の子は……まったく……」

 

 



 学校町、某所
 其処は廃工場なのか廃ビルなのか
 兎に角人気が全く無い筈のその場所に“彼女”達は居た


 開けたその場の中心に佇むのは“彼女”だ
 胸の一部と腰周りを申し訳程度に隠したと言っても過言ではない装束の他は
 透けるベールのようなものを羽織っており、このまま道を征けば衆目を奪うには十分過ぎる

 と言うより、その格好で出歩けば即座に国家権力が飛んできそうな程に肌の露出は甚だしかった

 いや、露出の多い装束というよりもむしろ全裸の上から局部のみをギリギリ隠した容姿と表現すべきか?

 加えて“彼女”の豊満な肉体が公然猥褻の度合いを弥増しに高めているのは、ある種の必然だった

 それもその筈、“彼女”は愛欲と戦闘の神格と契約を結んだ能力者だったからである


 周囲には大量の「ピエロ」が“彼女”を包囲するかのように平伏している
 この「ピエロ」達は一つの共通点で以ってこの場に集っていた
 「一ツ眼」の“魔”、あるいは契約者による“支配”、あるいは淫魔による“魅了”
 そう、学校町に於いて精神干渉系の能力を受けた「ピエロ」達は自動的にこの場に向かっていたのだ
 全ては“彼女”が事前に仕込んでおいたフラグなのだが、「ピエロ」達がこの事実を知っているのかは明らかでは無い

 いずれにせよこの場の「ピエロ」達は“彼女”の力能によって、今や干渉を完全に“上書き”されていた


「あなた達ニ――」


 “彼女”が口を開く
 その声は「ピエロ」で無くとも心狂わせるには十分過ぎる程の官能を湛えていた


「――“お願い”をしたのは誰カナ? ワタシに教えテネ」


 “彼女”の声に聴覚を擽られた「ピエロ」達は我先に体を起こし
 “彼女”の姿を直視した途端、彼らは性的絶頂に達した


「ああーッッ!! 女神サマーーッッ!!」
「駄目ぇっ♥ シコシコしてないのに♥ いっぱいピュッピュしちゃうよォォォーーーッっ♥♥♥」
「パパが! パパがやれって!♥! 『一ツ眼』のパパがやれって言ったのォォーー!!♥♥」
「俺は悪くないんだ女神サマッ!! あっ♥ 『組織』のっ♥ 女の子がッ! やれって!! だからッ♥」
「女神さまお許しください♥ 俺達は悪くないンだぁぁァァぁァァッッ!!! あっ♥ また出るゥゥっ!♥!」


「みんナ、いい子だヨ♥ 悪い子は独りもいナイ♥ だからいっぱい気持ち良くナぁレ♥」


「あアーーっ♥ 女神サマァァァァぁぁッッ!!♥♥!!」
「うソォォっ!?!?!? 一回出たのにィまだ出るヨぉぉぉぉ♥♥」
「もうオレここで死んでもいいッ!!♥ 死にたいッ気持ちイイッッ!!♥♥ 女神さまン殺してェェェ!!♥♥♥」


 異様な光景であった
 たとえそれがこれから学校町で繰り広げられる惨劇の序章であったとしても

 己の性欲を猛り狂わせながら銘々が欲望に絶叫するその様は
 その光景は異様と呼ぶより他無かった



 「イナンナ」

 それが彼女の契約した神格の名だ
 古のシュメールより伝わる性愛と美、豊穣、そして戦争を司る女神である
 その女神はメソポタミアに於いてイシュタルと、ギリシアではアプロディテと崇められ
 ローマではヴィーナスと、ユダヤ教やキリスト教ではバビロン、あるいは淫婦共の母と見做された存在である

 その神格と契約した能力者は人間の女だったが
 彼女が神格に呑まれてしまったのか、それとも人格のみをこの女神に書き換えられてしまったのか
 今となっては誰にも知り得ぬ話であるし、そのようなことは当事者にとってもどうでも良いことなのだろう

 

 

 “彼女”、「イナンナ」と契約した能力者は大きく二つの力能を有する
 一つは、愛欲の神格としての側面。つまり、己の愛欲により全てを飲み込み、愛する“魅了”の力能
 そしてもう一つが、戦闘の神格としての側面。即ち、敵対した存在全てを嬲り殺しにする“殺戮”の力能である

 そして現在
 “彼女”の能力下にある「ピエロ」達は
 “彼女”の“魅了”により新たな命令を刷り込まれつつあった


「みんなの“パパ”と“ママ”ハ、みんなに愛をくれたヨネ?」

「うんッ! 『一ツ眼』のパパんはいっぱい愛してくれたァァァァァぁぁッッ!!」
「『組織』の子ッ♥ ママんッッ♥♥ ああああンンんンんんっっ♥♥♥ ボク愛されてるぅぅぅぅぅっっ!★!★!」


 「イナンナ」の“魅了”は、神格のそれである為か強力な干渉を誇る
 “彼女”には過去に「狐」による魅了者の乗っ取りを何度か実施したという噂もある程だ
 熟達した契約者であっても、“彼女”の“魅了”を受けてしまえば、その出力と密度により決して長くは“もたない”だろう


「受け取った愛ハ、“パパ”と“ママ”に返さなくチゃネ♥」

「ふぁッ!? ンン♥♥ あっ♥ ああァァーーッっ♥♥ んアアーーっ♥♥!!!!」


 “彼女”の最も近くに居た「ピエロ」の頭を、“彼女”は優しく撫でつけた
 その瞬間、その「ピエロ」は自らの睾丸を握力で握り潰し、白目を剥きながら、文字通り昇天した


「でモ、そのままのやり方じゃあ“パパ”と“ママ”は愛を受け取ってくれなイヨ? そんなノ、悲しいヨネ? 嫌だヨネ?」

「えっ??? やだやだやだァァァァッっ!!」
「女神サマっ!! オレたち、どうすればいいッ!? 助けてヨぉぉッ!!」


「うン♥ だかラ、出来る所からヤればいいんダヨ★ みんなでも出来ルヨ!」


「どぉうすればいいンのォォ??♥♥??♥♥」
「教えて女神さまン! どうやれば、パパにLOVEを怨返し出来るンんッっ!?!?」


「それはネぇ♥」


 “彼女”は「ピエロ」達に向けて、きゅうと笑む
 それを見た「ピエロ」の何人かは更に射精を繰り返した
 敵からの干渉を歪める形で刷り込まれる命令はほぼ完成の域に達しつつある


「『一ツ眼』は今、学校町の大きなお屋敷に食客として迎えられているンだッテ
 でネ、そのお屋敷のお坊ちゃんハ、この町の大きな高校に通ってるって聞いタノ★
 分かるかナ、ブレザーの子どもたちダヨ? その高校の子どもたちなら、愛を受け取ってくれるかモネ♥」


「ほントッ!? ほんトにッっ!? 高校生に愛を返死てもいいンッ!?!?」
「おホぉぉォォンッッッ!! 妊活カーニバルの開催だァァっっっ!!!!」
「高校生……♥ ブレザー……♥ かわいいかわいい……♥」
「高校生ってもう赤ちゃん作れるよねェェっ! ヤっちゃっていいンだよねェェッッ!!」
「いっぱいいっぱい頑張らないとォォ♥♥ 女神サマも頑張れ♥って言ってるんだからァ♥ 頑張らないトぉぉ♥♥」


「みんな頑張レ♥ “パパ”も“ママ”もきっと喜んでくれルヨ♥♥」


「うんンんんンンン!! 頑張るゥゥゥウウゥぅぅううぅうぅゥゥゥぅぅぅううッッ!!!」
「中央高校♥♥ でも危険すぎるッ!! 中央高校は“結界”あるからッっ♥♥ 駄目ぇッッ!!」
「お前バカだろォォ!! 放課後を狙えばいいンだよぉぉぉぉぉぉんんん!!」
「そっかぁぁ、放課後♥ 放課後にデート♥ レッスン♥♥ 種付けレッスン♥♥ 頑張らなくちゃ♥♥♥」



 新たな命令を植え付けられて狂喜の渦に飲まれた「ピエロ」達を満足気に眺めながら
 まるで新しい玩具にはしゃぐ子供達を愛おしく見詰める母親のように、“彼女”は微笑んだ



「そうダヨ♥
 愛を恩返しするなラ、まず弱い所からヤってかなイト♥♥ ダヨ♥♥」


 

 

「全員動くなァァッッ!! 『組織』だぁぁッッ!!」


 「組織」の黒服達が怒号と共に現場を急襲したとき
 既にその場所には誰も存在しなかった

 まるで以前に遺棄されてそのまま時間だけが経過したかのように
 静寂のみが空間を支配している

 二点、違和があるのだとすれば
 矢張り先程まで此処に何者かが、それも多数の者が居たと思わせるぬるい気温と
 男達の体臭のようなそれに加え何やら酷い臭いが混じっている、特有の空気だろうか


「くそッ! 間に合わなかったかッ!?」
「主任、改めて確認しますが」


 悪態をつく黒服に対し、部下と思しき者が声を掛ける


「現場での察知系能力の行使は――」

「許可できない! リスクが大き過ぎる
 くそ、例の報告が無ければ、あわや大惨事だったぞ……」


 主任と呼ばれた黒服は歯噛みしながら頭髪を掻き毟った
 彼ら過激派と言えど、ここまで勝手に振る舞う「ピエロ」達を前に
 全てを穏健派に押し付けて傍観役に徹する真似は出来なかった

 かつて「狐」の案件で過激派と強硬派の一部が暴走した挙句
 貴重な手掛かりを無駄にし、「狐」をも取り逃がしてしまった彼らは
 「狐」の案件に関わることこそ出来ないが「ピエロ」ならば、と対処を開始したのだ


「まさか察知系能力へのカウンターとは、やられましたね」

「感心している場合じゃないッ!! 初動が早ければまだ封じ込めも出来たが、こうもなってはッ!!」

「やはりこの件、裏で『狐』が絡んでいるのでしょうか?」


 部下の一人が疑問を呈する
 その言葉に主任は手を止め、目を閉じた


「まだ判断を出すのは早計、それが現段階での幹部達の判断だ
 だが、状況から推察するに『ピエロ』が『狐』の陽動を担っているという見方を排除することは出来ない――!!」

「『狐』が本格的に学校町制圧に動き出した、とか?
 三年前の件があるでしょうから、『狐』も策を練ってると見るのが自然でしょうし」

「『狐』の案件は穏健派の連中が何とかするだろう
 いや何とかして貰わないことにはこっちだって困るんだッ!!
 俺達は何としてでも『ピエロ』を討伐し、その中枢を押さえるぞッ!! いいなッッ!?」


 主任の言葉にその場の部下全員が首肯した


 此処からは人海戦術だ
 個々の黒服達はこの場に居た筈の大量の「ピエロ」達を見つけ出すべく夜の学校町を奔走することになる


 だが果たして、「狐」と「ピエロ」との間に繋がりなど存在するのだろうか

 彼ら黒服の私見は、最終的にどのような末路を辿ることになるのか

 今はまだ、誰にも分からない






 

 



 学校町南区、某ビル屋上



 彼女は放課後、別の学校の友人と一緒に南区を回っていた
 移動屋台が集まる南区の一角で新作のクレープを楽しんだ後
 キッチンカーに陳列されるお菓子を眺めながら時間までお喋りして
 それから、楽しい気分のまま、友達と別れる――筈だった、筈だったのだ



 彼女は震えながら目の前に横たわる友達を凝視していた
 友達はもう、体を動かすことは無かった。でも、生きてる筈だ
 根拠の無い思い込みだけが、今の彼女にとって唯一希望を繋ぐ糸だった

 生きてる筈だ、生きてなきゃダメなんだ。死んでなんかない。死んでなんか

 友達の顔面には血と肉の花が咲いていた
 最早、何処が眼で何処が口なのかも分からない程、ぐちゃぐちゃにされている
 鼻があった筈の部分は盛り上がりも何も無く、顔面が削り取られたかのような状態だった
 赤い中に見える白い物は骨、いや違う。白い、ご飯粒のような物が、友達の顔の中で蠢いている

 思わず目を背けたくなる。が、出来ない
 出来る筈が無い

 喉の奥から酸っぱい物が込み上げるのを彼女は必死で押し留めた


「それじゃ、もう一度聞くね?」


 自分と友達を、こんな目に遭わせた元凶が
 直ぐ耳元で囁いた


「キミは南区の商業高校、一年生。だから知ってる筈なんだ
 さわたり、しゅうじゅ。名前、知ってるだろ? ホントのこと言ってよ、ねえ」

「うっぐっ、しっ、知らないっ! ほん、とにっ、知らないっ、ぅうン、ですっ!!」

「さわたりしゅうじゅだよ、早渡脩寿。知ってんだろ? なあ!?」

「ごめっ、なさい゙っ、わたっ、しっ、ほんとにっ、知らなっ、ぅあっ」


 元凶の少年は、女子の肢体を優しく撫でつけた
 少女は先刻まで着ていた筈の制服を剥ぎ取られ、今や下着のみの姿で、無理矢理横たえられていた
 彼女の白い腹部は少年の爪で引き裂かれ、裂傷の中から内臓が大きくはみ出ている
 引き裂かれたのは腹だけでは無い、女子のふくらはぎから踵にかけてが、ずたずたに切り刻まれている

 不意に少年は手に取っていた少女のはらわたを指で弄んだ

「ゔっ、ぅぁあっっ、やめ゙っ、ぅぅううあああっっ、お゙ぉ゙ぉ゙っ」

 彼女は顔を背けてお腹の中身を吐き戻した
 先程食べたクレープだったモノが屋上の床を汚した


「あ~あ、きッたないゲロ吐いちゃってさぁ、ホントくッせえな」
「でもこのゲロ、美味しそう」


 別の声は少女の反対側からだ
 女の子だ、少女と年齢は同じ位だ
 ただ、その声は彼女のそれに比べて幼い

 内臓を弄ばれる彼女を挟むようにして
 元凶の少年と、彼の連れである少女が両脇を詰めていた
 吐き戻した側にその少女は詰めていたので、吐瀉物が彼女と少女の間に広がっていた


 おもむろに連れの少女は
 吐いた彼女の口を己の口で塞いだ
 艶めかしく口元が蠢く。彼女の眼は恐怖で見開かれた

 ややあって少女は口を離した
 大量の唾液が白い糸を引いて二人の間を伝う
 少女は蕩けたような表情を浮かべていたが、彼女の方は錯乱したように悲鳴を上げていた

 

 

「お姉ちゃんのゲロ、酸っぱくて、甘くて、美味しい
 女の子の味がする♥」


 少女は囁き声でそっと彼女の耳たぶを噛む


「うぁ、ぅああぁあ゙あ゙ぁ゙ぁ゙っ!!」


 目を見開いたまま、女子生徒は泣いていた
 まるで幼い子供がただ感情のままに泣き叫ぶように


「マヒルの変態、ふ、変態マヒル、ふぅッ」


 その様を前に、少年は押し殺した声で嗤っていた


「じゃあ何、ホントになにも知らないんだ
 早渡脩寿はモテないのな、ゴミはゴミのままで安心だわ」


 少年は満面の笑みに顔を歪め
 泣いている彼女の肩に手を回した
 震える彼女の耳元で彼は、甘く、囁く


「キミのふくらはぎ、柔っかくて、ぷにぷにで
 甘くて、だからとっても、美味しかった」

「いやぁ、ああっ、ああぁぁ゙っ、あ゙あ゙あ゙っ」

「正直今すぐ食っちゃいたい
 優しくするから、ふ、気持ちくしながら、ふッ、ふぅッ
 命令が無ければ、ふぅッ、イかせながら食っちまうのに」


 少年は自分の右手の先を噛んだ
 噛む度に口内からバキバキという音が響く
 事実、彼は自身の指先の骨を歯で噛み砕いていたのだ


「ふぅーッ、我慢しなくっちゃ、クソみたいな命令でも
 ふひッ、命令は絶対だって、ふぅッ、先生も言ってた、くひッ
 だから、だから俺は、ひぃッ、我慢しなくっちゃあなあ、くひぃッ」


 込み上げる笑いを窒息させ
 少年は唸るように押し殺した声を漏らした
 右手の先を噛む口からは血が垂れ始めるが構う様子は無い


「大丈夫、お姉ちゃんのこと、きっと正義の味方が救けに来てくれる」


 耳の縁を何度も舐め上げながら
 少女は女子生徒の耳元でそっと囁いた
 女子の側からは決して見えないのだから分かりはしないだろう
 柔らかく、優しく囁くその少女の目元は、愉快な物を見詰めるかのように歪んでいることを


「だって、正義の味方の好物は恐怖と絶望だもの
 ヒーローの御馳走はね、あなたの泣き叫ぶ声なんだよ
 あなたの苦しむ悲鳴だよ、だから、もっともっと、大きな声で救けを呼ばなくちゃ」

「ごっ、ごろ゙ざな゙い゙でっ!! たっ、たっ、たすっ、たすけてくださいっ!!」

「もっと大きな声で泣かないと、誰にも聞こえないよ?」

「だずげでぐだざ――ぉおおおお゙お゙お゙っ!!」


 彼女の命乞いは途中で遮られた
 少年が彼女の傷口に手を深く押し込んだ所為だ


 その様子を見て、少女は嘲笑った


 

 

「あのなあ、泣けば何もかも許されるって
 本気でそう思ってんのか? なあ? だから泣いてんのか?」

「ごめ゙んなさっっ、ぁぁ、ぁあああ゙っ、ごべっ、ぉ゙ぉ゙っ、ぃやだっ、ごべんっ、あ゙あ゙」


 少年の声は飽くまで静かだ
 内臓を直接弄ばれた少女の吐瀉物には既に血が混じり始めている


「もうお互い子どもじゃ無いんだからさぁ、弁えなよ
 ――で、キミとこの子、俺はどっちを見過ごすべきだと思う?」

「ぃゃ、ぃゃ、やでず、も゙う、ゆる゙してください゙っ」

「選べよ? でなきゃ、俺に聞こえるように命乞いしなきゃ
 ほら、しっかりやれよ、お姉ちゃんもう高校生だよね? 16歳だよねえ!?」

「ごめん゙な゙さい! ゆるじでぐだざい゙っ、うぁぁ゙、ぁああああ゙あ゙」

「もっと大きな声でぇッ!!」

「ごめんな゙ざい゙っ!! ゆどぅ、ぁっ、ぅおおおお゙お゙、お゙お゙っ、ごろ゙さな゙いでくださいっ、ああ、ぁぁぁ゙ぁ゙」

「なんだ、言えるじゃないの」


 少年は無邪気に微笑みながら、横たわった彼女の友人に手を掛けた
 途端に先程まで動かなかった友人の顔面から激しい呼気が聞こえ始めた
 辛うじて鼻があった部分が蠢いて、断続的に血の混じった息を噴き散らした

 息を吹き返したのでは無い、少年に掴まれ、神経に爪を立てられた激痛に呻いているのだ


「じゃあ、この子を、キミの代わりに[ピーーー]していいよね? ねっ?」

「だめ゙でずっ、やっ、やべでっっ、ぅおお゙お゙っ、ああああ゙、いやだあ゙あ゙あ゙」

「さっきから鼻水とか涙とかゲロとか撒き散らしやがって、やる気あんのか? お前?」

「ごの゙ごわ゙っ、だい゙ぜづな゙っ、とも゙っ、ぉぉぉ゙ぉ゙、どぼだぢなん゙でずっ、だがだっ、ごどさだい゙でっ!!」

「はーい、よく言えましたっっ、と」


 少年は急に興が削がれたとでも言いたげな投げやりな口調で立ち上がった
 そしてそのまま、横たわった友人の脇腹を、蹴り込んだ


「や゙べでぐだざい゙っっ!!」


 友人を庇う様に、女子生徒は友人に覆い被さった
 その途端に、彼女は耐えていた嘔吐を繰り返した
 最早吐瀉物では無く、彼女の口から吐き出された血が、友人の顔に掛かった


「お望み通り、お前のオトモダチは助けてやるよ
 それからお前のこともなあ、なあ、嬉しいだろ? ちゃんと感謝しろよ、感謝も出来ねえのかお前はッ!!」


 少年は友人を庇う女子生徒の頭髪を掴んで揺さぶった
 言葉こそキレた調子だが、彼の顔には未だ微笑みが貼り付いている


「ありがどお゙ござい゙ま゙すっ、こどさな゙いでぐでで、あり゙がどお゙ございまっ、ぅぁ、すっ、ぁぁ゙ぁ゙」

「そうそう、感謝は大事だよー? そんなの誰でも知ってるよー
 じゃあ、キミとオトモダチを見逃してあげるんだから、キミのカゾクを[ピーーー]しちゃってもいいよね??」


 突然の少年の提案に
 女子生徒は言葉を吐き出すでも無くただ呼吸を繰り返した
 少年が何を言っているのか、彼女には直ぐには理解出来なかった


 

 

「この世はね、シンプルな理屈で成り立ってるんだ
 トレードオフ、等価交換、何だっていいよ。兎に角、何かを犠牲にしないと何も得られないんだ
 分かるっしょ? 俺はキミとオトモダチを助けたよね? だからその分、俺は何かを奪わなきゃいけない」


 再び、少年の顔が悪意に歪む
 その表情は年頃の悪戯少年のそれと比するには余りにも残忍に過ぎた


「キミはオトモダチとカゾクを天秤に掛けて、オトモダチを選びました!
 だからそのトレードに、俺はキミのカゾクを食っていいってわけ! いいシステムだよなあ、ほんっと」

「えっ、あっ、あの゙っ、なに゙を゙、言ってん゙かっわがっ、ああ゙あ゙あ゙」


 漸く女子が顔を上げ、口を開くが最後までは話せなかった
 少年の蹴りが腹部に直撃したからだ


「だーかーらー、俺は今からキミのカゾクをみんな[ピーーー]しちゃいまーす! ッてわけ!
 楽しいなあ、たッのしいなあ♪ うッきうッき遠ッ足、たッのしいなあ♪ 俺ッてほんッと、あったまいいー♪」

「かぁクンばっかりずるいよ、そろそろ私も混ぜてね」


 直前まで微笑みながら状況を傍観していた少女も、漸く彼に声を掛けた


「よく見てろ、ゲロ女」


 少年が彼女の頭髪を掴み、無理矢理顔を上げさせた
 不意に、彼の顔が溶けた。しかしそれも一瞬だった

 直後、少年の顔は女になっていた
 顔だけではない、体つきも女のそれに変化していた
 正確には、彼の目の前に居る女子生徒の姿と、瓜二つになっていた


「これで」


 少年、いや、直前まで少年だった、自分と同じ顔の少女はきゅうと笑う
 顔面全体に少女に対する嘲りが刻まれているような笑顔だった


「お前のお袋も、親父も、俺の正体を疑わない
 俺はお前の振りをしてお家に帰ればいいんだからなあ
 可哀想に、お前の親は、ここでお前が死にそうになってるのに気づかないんだよ
 そして」


 彼は女子生徒の耳元に顔を近づけた
 押し殺したように嗤うその声も、おぞましいことに彼女のそれと同じだ


「俺に食い[ピーーー]されて、死ぬ。ちょろい人生だよなあ、お前のカゾクはさあ」

「やめ゙っ、やめ゙でぐだざい゙っ!!」

「じゃあ、止めてみろよ、ゲロ女。お前の情報はこっちにあんだからよ」


 ひらひらと彼女の前で見せびらかせる様に振るのは
 女子生徒が持っていた筈の携帯と、生徒手帳だ


「俺は今日からお前に成り代わる。お前はここで震えてろ
 あ、大声で救けを呼べば、正義の味方気取りが来てくれるかもよ♪」

「やべで……、やべでぐだざい゙、だでがっ、たずげで……!」

「ああ、そうだ
 いいこと思いついたよ
 よーく見ててね、ゲロ女」

 

 

 女子生徒の顔をした少年は彼女の携帯を弄り始めた
 少女の方も少年の傍に寄り、携帯を覗き込む


「で、どれだ? こっから見ればいいのか?」

「かぁクン、これだよ、これ。そのままタップして」

「おうおう、なーる。あ、待て。よし、――ああ、お母さん、うん、わたし!
 今から帰るね、うん。今日の晩御飯なぁに? あっ、そうなんだ
 うん、わかった。早く帰るね。うん。えへへ、お母さん、いつもありがとね!」


 携帯に向かって話す少年の声は、普段の彼女のそれだ
 漸く状況が飲み込めた女子生徒の眼が恐怖で見開いた
 今、女子に化けた少年は、何処へ電話を掛けているというのだ


「お前のカゾク、マジでちょろいなあ、ゲロ女。もう攻略完了でつまんねーわ、マジちょろ」


 女子の声で少年はそう言い捨てると、出し抜けに服を脱ぎ始めた
 まるで最初からそうする積りだったかの動作で
 先程引き剥がされた彼女の制服を拾い上げると、そのまま着替え出した


「うは、メス臭え服だな。これで俺はもうお前なんだわ
 誰が見ても完璧な。だろ、マヒル?」

「うん、凄く似合ってるよ」

「そらそーよ、制服は元々このゲロ女のだしなあ!」


 二人の声が、状況を理解した女子の耳に突き刺さる


「じゃあ、俺たちはお前ん家で 夕メシ 食って くっから
 気が向いたら、 お袋の味 って奴を教えに来てやるよ」


 それだけ告げて、少年と少女はビルの屋上から飛び降りて行った



 二人は行ってしまった



 取り残された女子生徒は、震えていた

 あれは幻覚だったのか? あの少年の顔は自分の顔になった
 自分の声に成り代わって、自分の制服を着て、行ってしまった

 魔法か何かなのか? それとも全部、悪い夢なのか?

 混乱する頭の中で、しかし、女子生徒の中で恐怖が膨れ上がる

 自分と友人を襲撃したあの二人は、自分の姿を奪って行ってしまった
 あの男は、私の家族を[ピーーー]と言った。それははっきりしている
 このままでは、家族があの化け物に[ピーーー]されてしまう


「あ、あ゙あ゙……」


 恐怖が、急速に膨れ上がっていく
 不意に、先程、あの男に足を掴まれて
 ゆっくりとふくらはぎを食い千切られる感触が蘇ってきた


 ああやって、私の家族を食い[ピーーー]積りなんだ


「いや゙だ……! だれ゙が……、だれ゙が、ぅお゙っ、だっ、だずげでぐだざい゙……!」


  頭の中が、ぐちゃぐちゃになる
  もう、息が吸えない、苦しい



□■□

 
[   ]

①一部の「ピエロ」達は学校町内の小中高に通う児童生徒の襲撃を企図
②現在、「ピエロ」関係者で学校町で何らかの行動を取っている、もしくは何らかの影響を与えているのは以下の人員



・呪術「アブラカダブラ」の契約者
  ……事象改竄系能力
     本人の設定した通りに世界を改変する
     ★「死毒」から離脱し、現在ひかりちゃんを追跡中

・怪異「海からやってくるモノ」の契約者
  ……察知系能力へのカウンター能力者
     察知系能力者を狂死させる能力を有する
     ★「死毒」から離脱し、現在ひかりちゃんを追跡中

・伝説「サルガッソー」の契約者
  ……不可視の海「サルガッソー」を発現
     圏内の対象を粘度の高い海水で封[ピーーー]る
     不可視の藻類を制御することで対象の扼殺も可能
     彼らの当初の計画では上記「やってくるモノ」の契約者との連携で学校町の住人を鏖[ピーーー]る予定だった
     ※現在、まだ学校町へ到達していない

・神格「イナンナ」の契約者(?)
  ……性愛の神としての側面、強度の精神干渉“魅了”能力と
     軍神としての側面、多数の武器生成と身体強化能力を有する
     また彼女の同僚から借りたという、「カーマの弓矢」を装備している
     今回の計画では前線に出る戦闘要員では無いし、本人もその気は無い
     ※現在、「ピエロ」と共に所在不明

・伝説「███████████」の契約者
  ……下衆
     何らかの変身能力を有する
     「七尾」出身者で「早渡脩寿」を探している
     ※現在、所在不明

・都市伝説「ゴキブリを食べて死んだ男」他の契約者
  ……口内から大量のハエの幼虫・ゴキブリの幼虫を生成する
     上記「███████████」の契約者とバディを組んで行動中
     ※現在、所在不明






 

 
全方位に土下座 orz
特に花子さんとかの人に土下座 orz
前スレ最後の方で話していた嬉しくない方のR-18Gです

恐らく次回辺りでRナンバーの乱野憐子が登場します

あと今だから言いますが
当初のあらすじでは後半登場の二人組に立ち向かうのは
いよっち先輩の予定でした
 

皆様乙でーす
ここんとここっち全然顔出せて無くてごめんよぉおおおまともに続きも読めてねぇ0(:3 )~(  ﹃゚。)

もそもそと続きのようなもん書いてたりはするんで今度こそ近日中に……投下……したい……
気持ち浮き沈みの沈みの最中もあって遅くなったら本当すまぬ
ピエロ誘惑していかなきゃ…

馬鹿なので夏風邪でひっくり返っている鳥居の人参上!
ようやっとポカリの味がわかるようになってきた…
週末は塩バターラーメン食べる予定だったのに、固形物が喉を通らない

次世代ーズの人乙でーす!
キャラ再現完璧っす!ありがとう!
是非続き書かせていただきたいけど、少々お時間いただきたい。
桐生院兄妹の父、蘇芳と「カダブラ」は面識ありという感じですか?

シャドーメンの人もお久しぶり&乙でーす!
カードゲーム詳しくないけど、熱く戦っていることはわかるぜ!
花子さんとかの人もお久しぶりです!まったり行きましょう!

 
皆さまお疲れ様です

>>103
無理は禁物ですぞ
特にこの梅雨から夏に掛けての時期はやばい

>>104
ありがとうございます!
お時間、了解です! ですがご自愛ください!
自分もその昔、丁度この時期にぶっ倒れたことがあり
その時にポカリはちょい濃度高めに作ると良い感じということを学びました
(効き目には個人差があるのでご注意)

>桐生院兄妹の父、蘇芳と「カダブラ」は面識ありという感じですか?
蘇芳さんが彼ら暗殺者を知っているかは……分かりませんが
少なくとも「海からの」も「カダブラ」も蘇芳さんのこともるりさんのことも知っています
基本、「ピエロ」サイドに登場するピエロじゃない人物たちは裏世界の住人なので
「組織」の構成員や鬼灯さんといった方々についても知っている、という感じですね

これからもっと色んな生き物が登場します
そして何か書く度に土下座(特に花子さんとかの人とシャドーマンの人へ土下座)することになりそうです

 
>>108
もっと魅了掛けるんですか!?(いけない)
天地さんのストレスが心配だ
ん?
サキュバスが「ピエロ」魅了→「ピエロ」の魅了を女神が上書き→「ピエロ」は学生を集中的に襲撃か
→サキュバスの魅了激化→「ピエロ」の妊活が加速→天地さんキレる(?)→遂にモンスの天使が解き放たれる
→天使と淫魔が町中に→(見た目が)アルマゲドン勃発
……大丈夫かしら(すっとぼけ)

>>107
一番俺が大丈夫じゃないです(被害出過ぎると収集つけられなくなって今後のこととかうにゃーうにゃーして爆発四散する)

 
あ、あー……
少なくとも「ピエロ」の学校襲撃は
そもそも「ピエロ」が襲撃を実行できるのか、って問題があり
都市伝説「ピエロの誘拐団」からの推測で「子供を狙いそう」って所は見当がつくと思うので
当然「組織」も潜伏で学校近辺の警戒に当たる、っていう風に考えています

問題はその後の方ですが
騒動翌日のニュースで「芽香(?)市内でピエロの仮装集団が出現し暴動が発生、市内は一時騒然」
という感じの記事が地方紙の片隅に載りそう(「組織」が情報操作済み)、という程度で想定しています

今、「夢の国」の時の話を振り返ってるんですが
夢の国勢力が暴れ回ってた時、一般人はそれに気づいてたのか、とか
表向きはどういう風に捉えられてたのか、とか、「組織」がどういう風に情報操作したのか、とか
(たしかあの時も結構収拾がやばそうなことが立て続けに起こってた覚えが)
そういう部分を主に見返して参考にしてます

>>8
亀レスにもほどがあるけど答えますよー

1 七つの大罪って何者ですか?
幼馴染の仲良しグループだったと思います
目的とか経緯とかはそのうち考えようかと……ちょっとデータ消えちゃって色々設定忘れて……

2 堂寺と疾風の履いてる下着を教えてください
そんなん設定してな……たぶんボクサー型とかだと思います
疾風は変装次第で下着も変えたり変えなかったりするよ(見える可能性があると下着も変装するよ)

3 堂寺と疾風はどういう関係ですか?お互い好きですか?
普通に友達です

堂寺「好きってどういう……? そりゃあ友達としては好ましいと思ってるけど。
恋愛的な意味ならないよ。高校生の男子とか守備範囲外だよ~せめて中1までだよね! 小学生のほうがもちろんいいけれど」
疾風「友達で同じ部活のメンバーだよ。堂寺君は物覚えがよくて神経衰弱とか無敵なんだよね……妬ましい。
え? 好きかって? なんで僕と堂寺君に……? もちろん嫌いじゃないよ。それにしても堂寺君の『ゲーム脳』って割とチート能力過ぎない? 妬ましい……」

 なんてこった……
 もう夏が終わってしまった……
 夏が終わったということは一年ももう終わるということだ……
 なんてことだ……

 


「あのう、すいません」

 逢魔ヶ刻を迎えた通学路
 制服姿の少女が、先を行く制服姿の少年に声を掛けた

 少年はおもむろに振り返る

「あの、ちょっといいですか?」

 そう声を掛ける少女の口は異常な程大きなマスクに覆われている
 どこの制服かは知らないが、たぶん、いや絶対市内の高校に違いない

 少年の目が彼女の顔から胸元へと滑った
 うむ、大きい

「あのう、私って、キレイですか?」
「あっはい最高だと思うッス!!」
「えっ、あっ、最高、ですか? ……じゃあ、これでも……」
「あっ、待って!! ストップストップ!!」

 彼女がマスクに手を掛けようとした所を、少年は慌てたように制止した
 彼はとっさに首から提げられたカメラを構える
 それは最早武器ではないかと思わせる程のごつい代物だ
 確実に諭吉君が50枚以上吹っ飛びそうな、そんなやばそうなカメラである

「ふひっ、やっぱファインダー越しが断然いいっッスねー!! 最高ッス!!」
「え、あ、あの……」
「マスク外したらもっと最高だと思うッス!! 良かったら外してもらってもいいッスか!?」
「あ……あの、じゃあ……こ、これでもキレイかーっっ!!!」

 少年の言葉に、彼女はマスクを外しながら叫んだ
 なんと彼女の口は耳元まで大きく裂けているではないか
 そう、彼女の正体は世に噂される都市伝説、「口裂け女」だ

 しかし少年に動ずる様子はない
 彼女がマスクを外し、裂けた口を曝け出した直後

 カメラから鋭いシャッター音が響いた

「ふっ、決まったッス……!!」

 少年の決め台詞とほぼ同時に、マスクを外した少女は後方へと倒れてしまった

 彼は一仕事終えたといった表情で少女を見下ろす

 問題ない、彼女は気を失っているようだ


「ふ……、ふふふっ、ぃいやっピぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃイイイイイイイイイッッ!!!!」

 

 

 通学路に歓喜の絶叫がこだまする
 少年はガッツポーズで小躍りを始めていた

「噂には聞いてたンスよお!! 『最近、制服型の「口裂け女」が徘徊してる』ってなあ!!
 放課後こうして張り込んでた甲斐があったってモンッスよおッ!! まじでっ!!!」

 少年は鼻息も荒く、仰向けに失神している少女に近づいていく
 勿論、その間に彼女にカメラを向けて何度もシャッターが切られた

「はあ……、マジかわいいッス……。ああ、いい……。もう最っ高ッス……!!」

 少年の名は難波津軍次
 実在化した「口裂け女」を瞬時に無力化した彼もまた只者ではない
 まあお察しの通り、彼は「写真を撮影されると魂を抜かれる」の契約者であり
 ついでに言うと「組織」所属であった
 更に言うと思春期であるが故のスケベである

 彼はまず、少女の肢体を、特に顔と胸元を嘗め回すように撮影していた
 やがて気が済んだのか、彼は数歩ほど下がると、唐突に地面にうつ伏せになった
 まるで匍匐前進でもするような姿勢だ
 丁度、倒れた少女のスカートを覗き込むような格好である

「ふっふっふ、あとは『組織』に引き渡すだけなンスけど、俺はそんな素直じゃないッスからね
 万が一『黒服』が到着するにしてもまだまだ時間に余裕はあるし、こっからがお楽しみだぜぇ……!!」

 下衆な声色で何やらいやらしいことを口にしつつ
 彼のレンズは無慈悲にも少女のスカートの中へ向けられた

「ひひひっ!! さ~あ御開帳の時間ッスよぉぉ~!! 『口裂け女』ちゃんはどんなの履痛でぇぇぇっ!!??」

「はーいストップそこまで」

 少年が乙女のスカートを暴こうとフラッシュを焚こうとする直前
 彼の頭頂部に物凄い勢いでヒールがめり込んだ

「痛でぇぇぇぇぇぇぇっっ!!??!!??」
「ったく、駆け付けたら案の定じゃないのよ……」

 彼は痛みを堪えながら、自分の頭をおもっきし踏み潰した元凶を睨んだ
 すぐ傍に立って少年に軽蔑の視線を送っているのはパンツスーツ姿の若い女性だ
 少年より少々年上のお姉さんのようにも見えるが、その正体は説明する間でもなく「組織」の「黒服」である
 つまり、実年齢は不明なのだ

「アンタ、そろそろ本当に担当のメガネに言いつけるわよ?」
「くっ! それで俺の弱みを握ったつもりッスかあ!? 暴力には屈しないッスよ!!」

「確か、『無力化後の必要以上の対象撮影は厳禁』、だっけ?
 カメラは没収、データは処理してナンバー経由で返却するから、覚悟してよね」

「なっ!? あっ俺のカメラがな、無いッ!?!?」

 少年が持っていた筈のカメラは、いつの間にか黒服の首に提げられている

「まったく……いくら相手が都市伝説とはいえ、何やっても許されるとは思わないことね」
「まだ何もしてねえッスよ!!! これからってときに邪魔が入っ、あっ、と、兎に角、まだ何もやってねえッスよ!!!」
「言い訳の上に、邪魔が入らなければそのままセクハラしてたってこと? 最っ低ね」
「ち、違っ!! だ、だって仕方ねえじゃねえッスかあ!!
 そりゃ性欲は自分で処理できるッスけどお!! 俺はファインダー越しじゃねえと興奮できねえンだぁぁぁぁっっっ!!!!」


 

 

 少年の言い訳がましい釈明に、黒服は冷ややかな眼差しで答えつつ
 手早い挙動で失神した「口裂け女」をお姫様だっこした

「精々きっついお仕置きでもされて反省しなさい。……じゃあね」

 最後の挨拶が非常に刺々しい
 黒服は「口裂け女」の少女を抱いて足早にその場を立ち去った

「ちっきしょぉぉ……、来んの速過ぎだろぉぉ、『組織』ィィ……」

 少年の口からは恨みがましい声が漏れ出るが
 実はこのとき、少年は隠し持っていたコンデジを取り出し
 密かにピントを合わせ、現場から立ち去る黒服の尻を、主に尻を執拗に撮影していたのだ

 実に、ものの数秒の犯行であった

「くっ、逆光でなければPラインまで撮影できたが……、いやこれはこれで良し!!」

 黒服が完全に視界から消えたのを見届けた後
 少年はコンデジの画面を覗き込んで撮影の出来を確認する

 そして少年は黒服が消えて行った先を物凄い形相で睨み付けた

「俺は絶対に諦めねえッス……!! 超自我の声(※性欲のこと)に従って撮影道を究めるまでなあっ……!!」








<終>

 
続きをアレすると言ってもう1ヵ月が経過しようとしている
今まで自分は何をしていたんだ
セルフツッコミせずにはいられない……


今夜は【9月】行きます

 

 
○前回の話

>>61-65 次世代ーズ
※この話は作中時間軸で【9月】の出来事です
※この話は特に>>65の後の出来事となります



○時系列

●九月
・早渡、「組織」所属契約者と戦闘

・「怪奇同盟」に挨拶へ

・早渡、東中で東一葉と出会う
 花房直斗、角田慶次、栗井戸星夜から
 三年前の事件について知る

・金曜日、早渡は「ラルム」へ     ☜ 今回はこの後の話です

・東一葉、自分を取り戻す
 その夜の内に居候先を確保


・∂ナンバー、「肉屋」の侵入を予知
・「肉屋」戦


●十月
・「ピエロ」、学校町へ侵入


●十一月
・戦技披露会開催

・診療所で「人狼」イベント
 「人狼」終了後、東と早渡が遊びに来る

・バビロンの大淫婦、死亡

・角田ら、「狐」勢力と交戦
 赤鐘愛百合、アダム・ホワイト死亡、角田は重傷を負う

・新宮ひかり、角田らと「狐」の刺客に介入
 ・「ピエロ」側の暗殺者二名、ひかりらを牽制
・「ピエロ」、東区にて放火活動を開始するも妨害を受ける
・暗殺者二名、ひかり及び桐生院兄弟と交戦     ☜ >>82-86がここ

・上記と同時刻、早渡はモスマンにより重傷を負う
・同じ時間帯、イナンナによる「ピエロ」洗脳(魅了)     ☜ >>92-100がここ


・「狐」本戦?


 

 

「へえ、キミは春先に引っ越して来たばかりなんだ」
「はいまあ、でも直ぐ慣れるもんすよ。住めば都って言いますし」


 日没後、まだ夜の闇が完全には訪れていない頃

 商業高校の制服を着た男子が大きなトランクを持って
 コート姿の女性の後に従うように南区の歩道を進んでいた


「本当に親切で助かる。久し振りの学校町でちょっと戸惑っちゃって」
「いやぁまあ困ったときはお互い様っす」
「でもいいの? 人探してるんでしょう? 着いたらお姉さんも手伝おうかな?」
「そんな、気にしなくて大丈夫ですよ! 行き先も一緒ですし!」


 女性に先導され、商社ビル同士の隙間を進んでいく
 そこは表とは異なり一気に照明の届かなくなる影の世界だ


「ヤマダ君って学校でモテるでしょ? 優しいし気が利くし」
「無いっす! マジ無いっすよそれは! モテるだなんて可能性のカケラも無いっす!」
「そうなの? でも絶対モテるよ、ヤマダ君。意外と女の子たちに目を付けられてるかもよ?」
「えー、ど……どうっすかねー……」


 男子の方は控えめに見ても女性に対してデレデレの様子だ
 無理もない、コート着用のためはっきりと分かるわけでは無いが
 女性の容姿は思春期の男子にとって中々刺激的なスタイルのようだ


「重いトランクも運んで貰ってる訳だし、お姉さんにヤマダ君の人探し手伝わせてね」
「そんな! 悪いですって!」
「いいのいいの、お姉さんの知り合いに人探しのプロがいるから」
「プロ、ですか。探偵みたいな感じっすかね?」
「んーまあそんなとこかな」


 女性と男子は路地裏を縫うように進んでいく
 もう、そこは人気の全く無い一角だ
 繁華街の喧騒が何処か遠くに聞こえる


「ちなみに探してるのってどんな子なの?」
「幼稚園生くらいの男の子っすよ、知り合いの子なんですけど」
「へー、南区で迷子になっちゃったのかな?」
「ええ、もう居なくなって大分経つらしいんで自分のとこにも探してくれって連絡が」
「へー」


 ようやく女性はビルの前で立ち止まった
 陽も落ちており、灯りは遠くからの便り無い光のみだ
 その為おぼろげにしか分からないが兎に角古いビルのようだ

 古いビルの裏口に来ているらしい
 二人は今、やや錆び付いた金属製のドアの前に立っていた


「じゃあ、お姉さんは知り合いに連絡してみるから
 ヤマダ君、悪いけど最期の一仕事お願いできる?」
「任せてください!」
「そのドア開けたら階段があるから、地下のバーまでトランクを運んで欲しいの」
「了解っす!」


 女性の言葉に従い、男子はドアノブに手を掛ける
 意外と抵抗の強いドアは、金属の軋む音と共に押し開けられた
 内部から一気に生温かく、埃臭い空気が男子に向かって押し寄せてきた

 中に照明は無く、闇一色だった

 よし、一仕事だ

 地下へ続く階段へと運び込もうとしたトランクを、男子は横合いへと投げ捨て
 後方より振るい下ろされた警棒を、生成した“黒棒”で振り返ることなく受け止めた

 

 



          ●



「生成が甘いぜお姉さん。それとも“お巡りさん”と呼んだ方がいいか?」
「……っっ!?」


 「ラルム」に行ったものの千十ちゃんとコトリーちゃんには会えず
 おまけにバイトのお姉さんには絡まれるし、東高校の女子には睨まれるしで
 早々に退いた帰りに、「人面犬」の半井のおっさんから連絡があった
 聞けば「知り合いの『コロポックル』のガキンチョが一匹迷子になった」らしい
 で、即答で迷子捜しの手伝いに加わることになったが、早速都市伝説と遭遇だ

 はっきり言えば切っ掛けは偶然だ
 繁華街の手前で堂々と俺に声を掛けてくる都市伝説に会った
 普段なら適当に言い訳してナチュラルにその場を早急に立ち去るんだが
 このお姉さんから問題の『コロポックル』の子の“波”を微かに感知したとなれば話は別だ

 (お前は犬かよ)
 半井のおっさんにはイヤミ言われたが、まあなんだ
 事前に『コロポックル』の子の服から“波”を嗅いどいて正解だったな、うん


「まさか……っ、契約者だったなんて……!?」
「俺をこんな所まで誘い込んでどうする積りだったんだ、『偽警官』さん」
「くッ……!!」


 動揺を振り切るようにお姉さん、「偽警官」はコートを脱ぎ捨てた
 コートの下は警官の制服だったようだ

 「偽警官」の手が腰へと動いた、だが、その動きは予想出来てる

 “黒棒”の形成を崩し鞭のようにしならせる

 彼女の手を打ち据えると同時に得物を奪い取った
 旧式の回転式拳銃だ


「ぐぅ……っ!」
「 跪け 」
「うっ、ああっ!?」


 一気に畳み掛ける
 「偽警官」は膝から崩れ落ちた


「ちょっ、調子に乗るなよぉぉっ、ヤマダぁぁっ!!」
「 這い蹲れ 」
「ぐっ、んんッ♥ うっ、あ゙っ♥」


 一応断っておくが俺の名前は山田では無く早渡だ
 山田ってのは「偽警官」に会ったとき咄嗟に名乗った偽名だ

 彼女は完全にうつ伏せ状態になっていた
 時折痙攣したように身を震わせるが、もう立ち上がることは出来ないだろう


「こっ、……こんな、餓、鬼にぃぃっっ……っ♥♥」


 何処となくエロっぽい声を上げてるのは気の所為ですかね?
 まあいい、倒れた「偽警官」を見下ろし
 そのとき初めて彼女の傍らに注射器が落ちているのに気づいた

 彼女の右手の直ぐ傍だ、直前まで隠し持っていたものか
 周囲の気配に警戒しながら、それを拾い上げ、遠くの灯りを元に確認してみる

 赤い薬剤が詰まった注射器だった


 

 

 「偽警官」のトランクに入っていたのは謎の白い粉の詰まった無数の袋
 色々疑惑と想像が働くものの、今俺が探しているのは「コロポックル」の少年だ

 廃ビルの中に踏み入り、階下へと進んでいく
 当然ながら灯りは無い、そして当然ながらその先に何らかの気配を感じる

 間違いなく都市伝説がいる、こちらを待ち構えているようだ
 だがそれだけじゃない、先程よりも件の「コロポックル」の子の“波”が強くなってる気がする

 恐らくここだ、ここにいる

 階段を下り切った直ぐ横にあったのは木製のドアだ


 蹴破るように中へ押し入る


 空間を無数の殺気が奔った

 だがあまりにも直線的、おまけに殺気の元は全てある一点だ

 手に持った“黒棒”を振るい、鞭のようにしならせる

 警戒しろ、油断するな、罠かもしれない

 “波の先触れ”に警戒しながら

 殺気の源へと“黒棒”の先端をやたらめったらにぶち込んでいく

 手応えは、あった


「げほっ、ンがっ、あ゙っ、ごっ!!」


 暗闇の向こうから押し殺した呻き声が断続的に響いた
 何というか、軽い、軽過ぎる

 気配と呻きの響き方からして相手は床に倒れているようだ
 少なくとも直前までの殺気は完全に消え失せていた

 ポケットをまさぐり携帯を引っ張り出す
 相手をボコボコに叩き伏せたとはいえ、こうも暗いと流石にやり辛い
 ライトを点けようと携帯を弄って、で、どれだ? あ、これか
 一瞬の眩しさの後に映ったのは真っ黒の塊が床に蹲っている光景だった
 いや、真っ黒の塊というより真っ黒に汚れた男がそこに居た
 よく確認すれば、何というか普通に居そうな髭面のおっさんだった


「ぐはっ、ごほっ、くっ、まさか、こんな、餓鬼に」
「上でも聞いたぜ、おんなじセリフ」


 “黒棒”を解き、鞭の形状にすると天井へと振り上げた
 先端が天井を突き破り、裏に這わされていた配線を掴んだ
 これを使おう、再び天井を突き破り一直線におっさんへ突き刺すと
 配線コードを利用する形でおっさんの体をがんじがらめにした
 そのまま一気に引っ張り上げる


「ぐおおおおっ、貴様ぁっ!?」


 丁度問題のおっさんは今、天井から吊り下げられるように縛り上げられていた
 見たか、これが修行の成果だ

 

 

「あんた、『臓器泥棒』だろ? 何だよ『漁って』たのか?」
「……ほう、餓鬼の分際で、ぐっ、俺のことを、ごほっ、知ってるような、口振りだな」
「臭いで分かんだよ、あんたにこびり付いた血の臭いがな」


 おっさん、正しくは「臓器泥棒」は闇の中で嗤っていた
 口から垂れ出た血反吐が荒い息で噴き飛ばされていた


「く、ごふっ……、これでは、どっちが化け物か、はぁ、分からんな」
「うるせえ俺は人間だ」


 「臓器泥棒」のぼやきに殆ど無意識で返していた
 ライトに照らされた「臓器泥棒」の目が敵意と憎悪で揺れている


「どこの手のモンだ、『組織』か、『首塚』か?」
「犯罪者に話す情報は無い」


 「臓器泥棒」が僅かに身動ぎしたが大きな呻きが漏れただけだった
 関節と骨を縫い付けるようにして配線コードを貫通させたので
 頑丈な都市伝説とはいえ、動くのは容易じゃないだろう
 ましてや天井から吊り下げられてるんじゃ尚更だ


「おっさん、あんた『コロポックル』の子供を誘拐したろ」
「さあ、知らんな」
「とぼけんなよ、市場で売り飛ばせば高い額になるからな。その子をどこへやった?」
「横からくすねに来たのか、糞餓鬼が。話すことは何も無い、何もな」


 「臓器泥棒」は無理矢理口角を吊り上げるようにして嗤っている
 汚い笑顔を俺に見せ付けるかのようにだ

 息を吐いた

 一応周囲の“波”に警戒してみせたが
 目の前の「臓器泥棒」以外に伏兵の気配は無さそうだ
 いや、部屋の隅の方が微妙に怪しい

 ライトを「臓器泥棒」の顔面に当てたまま、おもむろに周囲を見回す
 此処は長らく使われていないバーのようだった
 テーブルと椅子が床に転がっており大分埃が堆積していたらしい

 突如携帯が震える、「人面犬」の半井さんからだ
 即座に着信に応答する


『どうだ早渡! 見つかったか?』
「おっさん、ビンゴだ! 入ってきてくれ!」
『今行く!!』


 通話が切れた直後、階上からバタバタと大きな物音が響いた
 階段を何かが転がり込むように音がこちらへ近づいてきた


「早渡、どうだ!?」「れおん見つかったか兄ちゃん!?」


 異なる声が二つ、一つは北海道犬な「人面犬」の半井のおっさん
 もう一つはホワイトシェパードな「人面犬」の新谷さんだ


「なっ、何だよコイツは!? 誰なの!?」
「人身売買やってる犯罪者だよ。新谷さん悪い、こいつ見張っててくれ」
「ええ!? 見張る!?」
「大丈夫、近接タイプみたいだ。直接触れなきゃ問題は無いよ」


 殺した声で新谷さんにそう伝え、「臓器泥棒」の監視を任せた



 

 

「なあ早渡、上で転がってた姉ちゃんをやったのはお前か? 容赦ねえな」
「言っとくけどあの婦警さん俺を後ろからブン殴ろうとしたからね? [ピーーー]積りで来てたからね?」
「うへ、おっかねえ」


 先程気になった部屋の隅は、丁度バーのカウンター裏の部分だった
 半井さんと一緒に回り込むと、床に大きなバッグが放置されていた
 まるで子供が一人だけ入れそうなサイズのバッグだ


「ビンゴだ早渡」
「無事だよな?」


 ファスナーのには簡易的な気配殺しの結界が取り付けてあった
 誘拐屋が商品を隠すために使う初歩的な手だ
 むしり取るようにして引き千切った

 無事で居てくれよ
 ファスナーを一気に開き、ライトを照らす

 口をガムテープで塞がれた子供が居た
 顔面は涙と鼻水で汚れているが怪我は無さそうだ

 手を差し入れてそいつを抱き上げた










 もう用は済んだ、これ以上此処に留まる必要は無い
 階段を駆け上がって外へ出たとき、辺りは完全に夜の闇に染まっていた

 「偽警官」はまだ地面に倒れたままだった
 様子を見るにあのまま意識が落ちたらしい


「ったく、メソメソすんじゃねえ!」


 背後から半井のおっさんの押し殺した怒号が飛んだ
 顔だけ後ろへ向けると「コロポックル」の少年、れおんが何度も目を擦っている


「っとーにテメーってやつはよ、勝手に飛び出しやがって」
「まあいいじゃん、おっさん。無事で済んだんだしさ」
「駄目だ早渡、こういうときに甘やかすとつけあがんだよ!」


 口を塞いだガムテープと手足の拘束は既に解いてある
 一応“波”も確かめたがあの連中に何かされた形跡は無いようだった

 この子は自分で立てると言ったんだからそれだけで立派なもんだと思うがな
 俺がこれくらいの子供のときに同じことされたら間違いなく漏らしてる自信がある


「おい小僧、こいつにお礼言ったか!?」
「ごめんな、兄ちゃん、迷惑、かけて、ごめんな」


 まあ現に泣いてるんだから怖いもんは怖かったんだろう
 めっちゃ目玉をうるうるさせて謝られた


「気にすんなって、こういう日もあるさ」
「うん、ありがとな」


 それだけ言うとれおんはまた両目を激しく擦り出した
 これを可愛いと言ったら、まあ不謹慎だな、不謹慎だろうか

 

 

「で、どうする早渡。こいつらはほっとくか」
「後のことは『組織』に任せよう。もう捕捉されてるかもしれない。俺たちも此処に居ちゃまずい」
「よし、とっととずらかるか」


 新谷さんはれおんを慰めようとしてんのか、彼の手をしきりに舐め回している
 それを見て己のきゅんきゅんゲージの高まりを感じながら、半井のおっさんに生返事した


「じゃ、おっさん、念のため先行して様子を――」
「駄目だ! もう来てる!! 『組織』だ!!」
「ッッ!?」


 完全に不意を突かれた
 おっさんが睨んでる方向に視線をくれると、ビルの谷間から二名がこちらに向かっていた
 一人は女子だ、東区中学の制服を着ている
 もう一人は男子――なんてことだ!? 先日やり合った刀使いじゃねえか!?
 やべーぞ速く逃げないと!!


「新谷さんとおっさんはれおん連れて先に行け! 俺は、あれだ、何とかする!」
「よっしゃ、新谷! れおん乗せて走れ! 急げ!!」
「あっ、こらっ、待ちなさい!!」


 俺たちのやり取りが聞こえたのか聞こえなかったのか知らないが
 その場を走り去ろうとしたおっさんズを見てか、女子の方がこっちへ走り出した
 大丈夫だ、新谷さんと半井のおっさんは逃げ足が速い。問題ない
 するとヤバいのは俺か、俺だな


「そこから動かないで!!」


 女子の声が迫って来た
 咄嗟に“黒棒”、では無く、“黒棒”を一気に潰した布状の帯をがむしゃらに顔面に巻き付けた
 一応即席の覆面だ、大丈夫、まだ顔をはっきり見られた訳じゃない、無問題だ!

 女子の後方、刀使い男子の方を睨んだ
 奴もこっちを見ていた、完全に視線がかち合った

 あちらも俺が誰なのかに気付いている
 確実に

 大地を蹴る
 俺はビルの壁を走るように、上方へと駆け出した
 目指すは屋上だ、上に逃げてその後のことはそれから考える!


「あっ、待てっっ!!!」


 女子の可愛いらしい声を下方に聞きながら
 俺は滅茶苦茶に脚を動かした











□□■

 

前から登場している人物

・早渡脩寿
 学校町の商業高校一年
 契約者で、学校町の都市伝説勢力には所属してない
 以前からの悩みは「不良と勘違いされること、特に妙なのに絡まれること」

・半井
 人面犬
 自称北海道犬の血を引くクールガイ
 直接の登場は次世代ーズ第1話振りになる



新しく登場する人物

・新谷
 人面犬、の筈だが口吻があり眉毛がある程度なので
 ほぼ犬にしか見えない。ホワイトシェパード
 半井のおっちゃんを慕っている
 近畿地方出身らしい

・れおん
 コロポックルの少年
 外見だけでなく本当に少年だそうだ
 新谷さんの背中に乗れる程にちんまい
 本当の名前は別にあるらしいが、本人曰く「れおんが本当の名前」
 コロポックルは闇市場で「珍しいため高く売れる」らしく、業者に狙われやすいという
 

 
今回はここまで
今週中にまた頑張りたい

なお……>>123-125にかけてタイトルにミスがあり
トリップが狂ってますが完全にこちらの不手際です……

 

○前回の話

>>123-128 次世代ーズ
※この話は作中時間軸で【9月】の出来事です



 

 

 この部屋は照明があるとはいえ、暗い
 「組織」所属の契約者、サスガは椅子に座ったまま思案していた
 数時間前の件は先にメールで報告を済ませてある
 あとは担当の黒服に直接口頭で引き継ぎを行うだけだ


「フリーの契約者なのかなあの人達、『首塚』って雰囲気でも無かったし」


 サスガからやや距離を置いて佇んでいるのが
 先刻行動を共にした“モヒート”こと見辺 加賀実(みべ かがみ)だ
 彼女はサスガと異なる中学に通学する一年生で「コークロア」の契約者だ
 サスガの二つ下の後輩に当たり、「組織」の仕事では組まされることが多い

 数時間前、彼らは南区の繁華街を巡回していた
 その際に裏路地から都市伝説の気配を複数察知し
 追跡したところ、現場から逃走する契約者と都市伝説を発見した
 所謂“野良”の契約者による襲撃かと現場に駆け付けたところ、「偽警官」が倒れていた

 更に気配を感じ、付近の廃ビルを確認して地下のバー跡から
 天井より吊り下げられるように拘束されている「臓器泥棒」を発見
 この都市伝説二名の身元が近年発生していた人身売買事件の有力容疑者として
 「組織」のデータベースに登録されていたため、「臓器泥棒」と「偽警官」の捕獲を優先したのである

 この他、「偽警官」が所持していたと思しきトランクからは大量の白い粉末が
 バー跡からは複数の監禁用具が発見されており、二名の身柄と共に「組織」付の黒服へ引き渡してある
 詳細はこれより調査が進むだろうが
 この二名は恐らく「赤マント」や「狐」関連事件の裏で密かに活動していた人身売買の犯罪者だろう


「自警団のつもりか知らないけど、危ないからほんと止めて欲しいわ。まったく」


 “モヒート”は苛立ったようにそう独り言ちる
 やや置いて、彼女はちらとサスガを盗み見たが
 サスガは彼女の様子など意に介さず黙考を続けていた


 現場から逃走した契約者と都市伝説
 契約者には見覚えがあった、忘れもしない
 あれは以前、夜の東区中学で遭遇した契約者だった
 逃走の際に「人面犬」が一緒のようだったが、あれは契約者の仲間だろうか

 あれは何故あの場に居たのか
 あれは一体あの場で何をしていたのか

 都市伝説犯罪者との小競り合いだったのか、それとも
 あるいは仲間割れという線も否定できなくはない
 しかしサスガの直感がそれを否定していた
 ならば

 今回は容疑者の捕獲を優先し、現場から逃走した者の追跡は行わなかった
 一応メールでの報告には逃走者の存在を記載しているし口頭でも報告を行うつもりだ
 しかし


 

 

「先輩、ねえ。ねえったら。……“オサスナ”」


 “モヒート”の声に現実へ引き戻される
 僅かに首を捻り彼女の方を見やれば、半眼でこちらを睨んでいた


「先輩、まただんまり?」
「じき担当が到着する時分だ、報告を終え次第本日は解散する」


 相変わらず彼女はじっとりサスガを睨んだままだ


「報告は俺がやる。お前は先に帰っても良い」
「そうじゃなくて」


 続きを口にしかけ、不意に“モヒート”は黙った
 代わりに部屋の入口へと視線を注いでいる

 視線の先を追うと、ドアの間から少女がこちらを覗いていた
 サスガと目が合ったのか、少女は小さな悲鳴を上げて引っ込んでしまった


「もう、いつから居たの」


 ドア越しの少女に声を掛ける“モヒート”の声は
 直前のサスガに向けた言葉と違って幾分か柔らかい


「来てたんなら挨拶してくれたっていいでしょ?」
「だって、真面目なお話、してたみたいだったし……」
「他の黒服さんに見つかったら怒られちゃうよ? 入って入って」


 もじもじしながら入って来たのは割烹着姿の少女だ
 外見は小学生中学年ほどだが実態は「組織」所属の都市伝説
 独り身の老人が入浴中に死亡し、追い炊きされ続けて死体が煮崩れを起こしたという怪談
 世に言う「人肉シチュー」が顕在化した存在である

 彼女は割烹着の裾をいじいじしながら頻繁にサスガの方をちらちら見ているようだ


「こんな所に来たら大変だから、ね?」
「ううー、でもー」
「“穏健派”所属が此処に居たら面倒だ。“モヒート”、送れ」


 突如サスガが口を開いたためか
 割烹着の少女はうぴゃいと謎の小さな叫びを上げて硬直してしまった

 言われた“モヒート”は半眼で冷たい一瞥をサスガに投げる
 フンと鼻を鳴らし割烹着の少女を連れ足早に部屋を出た

 

 









「普通女子に向かってあんな口の利き方ってあり得ないわ、ほんと」
「仕方ないよ、お兄ちゃんもお姉ちゃんもお仕事終わったばかりなんだよね」
「アイツってば、いつもあんな感じだし。あれは絶対女子にモテないわね。うん絶対」


 暗い廊下を割烹着の少女が“モヒート”に連れられて行く
 目指すは少女が所属する穏健派のオフィスだ
 “モヒート”は実質サスガに帰れと言われたのを口実にもう帰るつもりだ
 折角待ってやってたのが馬鹿みたいだったと彼女は若干キレていた


「今日はどうしたの? 私たちに会いたくなっちゃった?」
「うん、あのね。黒服さんがいっぱいドーナツ買って来てて
 いっぱいあるから、お姉ちゃん達もおなか空いてないかなって」
「ああんもう、優しいなあ!」


 歩きながら“モヒート”は割烹着の少女を抱き締める
 もふもふされながら少女は先程よりボリュームを落とした声でもじもじし始めた


「えっと、それでね、お兄ちゃんの分も、持って行った方がいいかなー、って……」
「え、アイツ? 先輩のこと?」
「うん……」


 うーん
 少女の優しさに“モヒート”は苦笑を浮かべる


 “モヒート”は知っていた
 “オサスナ”ことサスガ先輩は甘いものが苦手であることを
















□□■

 
前から登場していたの

サスガ
 フルネームは流石 丈(さすが たけし)、コードネームは“オサスナ”
 「組織」強硬派所属の中学三年生男子
 契約した都市伝説は「校庭に現れる落ち武者の霊」
 甘いものが苦手で、食は淡泊
 過去に早渡と交戦済み
 彼の活躍は以下を参照されたい
 早渡と交戦した回(早渡視点)
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 Part 12 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1483444899/206-211)
 早渡と交戦した回(サスガ視点)
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 Part 12 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1483444899/216-220)
 「偽警官」と交戦した回(“モヒート”と)
「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 Part 12 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1483444899/610-611)

モヒート
 本名は見辺 加賀実(みべ かがみ)、“モヒート”はコードネーム
 「組織」強硬派所属の中学一年生女子
 契約した都市伝説は「コークロア(_Mod.A)」
 彼女も過去に登場済み(詳しくは上記リンクをチェック)



今回初登場の

 割烹着の少女
 「組織」穏健派所属の女の子
 「人肉シチュー」の都市伝説である
 まるで給食の時間に割烹着を着た小学生の女の子といった容姿をしている
 彼女の外見は上記都市伝説からの関連が想定しえない形態だが真相は不明

 彼女は今回のように
 時折穏健派のオフィスを抜け出しては強硬派所属の彼らに会いに行く






 

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