ライヴ会場

瑞樹「アイドルLIVEロワイヤルバトル第３４６回戦！！」

瑞樹「にゃんにゃんにゃんvs L.M.B.G.チームＬ、第１ターンの結果は……ドローよ！！」

紗南「お互い開幕は手堅く牽制技をって感じだったね、もっと崩してこ！！」

由愛「光さん、雪美ちゃん次はどうしましょう？」

雪美「いつも通りで…勝てない…なら…、光さんの言う通り…次は…」

光（えっ、なんでさんづけ？）

由愛「次は、ｶｯｺｲｲ系でいってみます。光さん、ｶｯｺｲｲを教えてください！」

光「う、うん！行くよふたりとも！」

のあ「こっちもいつも通りじゃ勝てないようね。仕方ないわ、前川さんの言うとおり」

みく「なんでさん付け！？」

アーニャ「マエカワサン。かわいい猫ちゃん、教えてください！」

みく「アーニャチャンそんな片言じゃなかったよね？」

瑞樹「どうやら第二ターンはお互いスタイルを変えて勝負するようね」

紗南「高度な読み合いが発生してるね、いいよ！熱いよ！」

瑞樹「……両者準備が整ったようね」

紗南「あっ、あたしにコールやらせて！」

瑞樹「いいわよ」

紗南「それではッ！アイドルファイト！レディー…ゴー！」

瑞樹（気持ちはわかるわ。でもこれロワイヤルなのよね）

光「先行は貰った！」

光「行くよみんな！行進戦隊マーチングレンジャーだ！！」

光「正義を掲げて突き進む！マーチングレッド！」

雪美「ゆらめく……紺青の…音色……マーチング………ベロリン…ブルー…………」

由愛「ふっ、吹き抜ける軽やかな風…マーチンググリーンです…」

瑞樹「先程の可愛らしいマーチングバンドとは打って変わって、今度は戦隊モノね」

紗南「やっぱり複数キャラ使える人は強いよね、つまりそういうこと！」

瑞樹「対するにゃんにゃんにゃんはどう出る！？」

のあ「迫り来る強敵をいなしてこそ強者、後攻を譲ってもらったことに感謝するわ」

紗南「くぅ～かっこいい！やっぱのあさんがこういうこと言うと絵になるよね！」

みく「その意気にゃ！今度はみくたちからいっくよ～」

のあ「駆け抜ける銀弾……マーチングシルバー」

みく「えっ」

アーニャ「北の銀世界に舞い降りし歌姫……マーチングシルバー、です」

みく「ちょっとまって」

瑞樹「これはどうやら勝負が決まったようね」

紗南「まさに一撃必殺って感じだね」

みく「おかしくにゃい！？」

のあ「敵も相当の手練だったということね」

アーニャ「ダー、つい乗っかってしまいました、ね」

瑞樹「第二ターン、勝ったのは…… L.M.B.G.チームＬ」

光「ｶｯｺｲｲ系で正解だな！ふふっ、上手く行って良かったよ！みんなありがとう！」

由愛「かっこよく決められたなら…よかったです！光さん、ありがとうございます」

雪美「かっこよく……難しい……。でも…光さん……………居たから…出来た……………」

光（あれ？またさん付け？）

――――――――――

光「ってことがあってさー」

麗奈「ふーん」

光「ってちゃんと真面目に聞いてくれよ～」

麗奈「光のほうが年上なんだから当たり前なんじゃないの？」

光「まぁそうなんだけどさぁ。でも雪美ちゃんって皆呼び捨てじゃん？」

麗奈「あぁ、そういえばそうね」

光「アタシだけさん付けってなんかよそよそしいじゃん」

光「アタシ、近寄りがたいかな」

麗奈「当たり前じゃない、暑苦しいし」

光「その割にはアタシの隣に座るんだな」

麗奈「こっ、ここしか空いてなかったからに決まってんでしょ！」

光「どうしてアタシだけさん付けなんだろ」

麗奈「直接聴けばいいじゃないアンタらしくないわね」

光「う～ん、そうなんだけどさぁ」

麗奈「よし、今から行くわよ」

光「えぇ…」

麗奈「わかったらすぐ立つ！」

光「う、うん……」

みりあ「雪美ちゃん今日はお仕事で居ないよ」

麗奈「そう」

光「よかった」

みりあ「何のお話してたの？」

光「雪美ちゃんがアタシのことだけさん付けで呼ぶのはなんで？って話だよ」

麗奈「それで直接聞きに行こうと思ってたの」

みりあ「ん～、気まぐれじゃないかなぁ」

光「き、きまぐれ！？」

みりあ「うん、だって雪美ちゃんって猫さんみたいだもん」

麗奈「どういうことよそれ」

みりあ「この前一緒にテレビ見てて京都タワーが映った時に雪美ちゃん自分のおうちーって言ってたのに」

みりあ「昨日はぎんかくじ？が自分のおうちーっていってたもん」

麗奈「なによそれ」

光「猫さんというよりフレデリカさんみたいなんじゃ」

みりあ「そう！そうなの！」

麗奈「そうなの？」

光「ん～気まぐれカフェ・オ・レかぁ」

麗奈「ちょっとフレデリカに引っ張られすぎじゃない？」

みりあ「気まぐれな雪美ちゃんの特別な秘密だね！」

麗奈「いい感じに言わなくていいの！」

――――――――――

光（みりあちゃんは気まぐれだなんて言ってたけど）

光（アタシにはそうは思えない）

若葉「何か悩み事ですか？」

光「あぁ、若葉ちゃん」

若葉「若葉お姉”さん”ですよ」

光「そう、それなんだよ」

若葉「えっ？」

光「実は雪美ちゃんにアタシだけちゃん付けされちゃって」

若葉「そうなんですか～」

光「みりあちゃんは気まぐれだって言ってくれたけど」

光「アタシはやっぱりなんだか理由があるような気がしてさ」

光「かと言って直接聞くのも怖いし」

若葉「確かに雪美ちゃんがなんとなくで”さん”づけするとは思えませんね～」

光「でしょ？だからなんでかなって思ってさ」

若葉「ちなみにさんづけされたのはどんな時でしたか？」

光「そのときはLIVEバトルでアタシは雪美ちゃんと由愛ちゃんと一緒ににゃんにゃんにゃんと戦ってたんだ」

光「それでアタシがかっこいい系でいこう！って言った時に光さんの言うとおりにって言われてさ」

若葉「う～ん、謎は深まるばかりですね～」

光「もしかしてかっこいい系って言ったからなのか……？」

若葉「あっ！それかもしれません～」

光「そう言われればそうかも」

若葉「やりました！これで難事件解決です～。えっへん」

光（解決………なのか？）

光（やっぱりここは勇気を出して直接聞いてみよう）

――――――――――

薫「次のLIVEは二人一組だってー！ももかちゃん、よろしくおねがいしまー！」

桃華「よろしくですわ薫さん」

雪美「私………コンビ………光…………。よろしく………ね…………」

光（あれ？呼び捨て？）

雪美「…………光………どうした…の………？」

光「雪美ちゃん、この前のLIVE覚えてる？」

雪美「ロワイヤル………？」

光「うん。あのときはさんづけだったよね？」

雪美「………そう…………？」

光（覚えてないの！？）

雪美「あっ………」

光「な、何か思い出した！？」

雪美「由愛………光………、光さんって…呼ぶ………」

雪美「だから……私………、釣られて…さんって……、おかしい………？」

光「ううん、おかしくないよ」

雪美「呼び捨て…失礼………、だめ……？」

光（このような上目遣いで言われて呼び捨てを断れる人が居るだろうか、いや居ない）

光「ううん、大丈夫だよ！よーし雪美ちゃん、今日のLIVE頑張ろう！」

雪美「うん……………」

光「前回はかっこいい系で勝ったから、今日は可愛い系で勝てるように頑張ろう！」

雪美「わかった……光の言う通り……ね」

終わり