橘ありす「ジャパネットフレデリカ?」 (47)




前作
橘ありす「ピンチヒッターフレデリカ?」





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~事務所~


橘ありす「……」ペラ

ありす(……あ、もうこんな時間)

ありす(レッスンの準備しなきゃ……)パタン

ありす(時間があったからなんとなく本棚にあった本を読んでいましたが、なかなか面白い作品でしたね)

ありす(入れ替わりネタはよくありますが、まさか少女とおっさんが入れ替わってしまうとは……)

ありす(そこからの発想力もまさに異次元でした……)

ありす(作者の道玄坂さんという作家さんは知りませんでしたが、きっと素敵な方なんでしょう)


ガチャ

宮本フレデリカ「はろはろ~!」

ありす「ああ、フレデリカさんですか、お疲れ様です」

フレデリカ「さ! お仕事の時間だよ~」

ありす「フレデリカさんはお仕事なんですね、お気をつけて。では私はレッスンなので」トコトコ

フレデリカ「ところがどっこいしょ!!!」ガシッ

ありす「わぁぁ!?」


ありす「い、いきなり引っ張らないでください……! しかも掛け声が聴き慣れないし」

フレデリカ「のんのん! ありすちゃんも一緒にお仕事だよー!」

ありす「はい? いえ、私はレッスンですから……」

フレデリカ「そこはだいじょーぶ! もうトレーナーさんには話をしたから!」

ありす「そ、そこまで手を回してるんですか……!?」

フレデリカ「じょーむが!」

ありす「直々に!?」


フレデリカ「これで安心してお仕事に行けるでしょ?」

ありす「いや、内容も知らないのに安心なんてできるわけ……」

フレデリカ「しゅっぱーつ!」トコトコ

ありす「聞いて」


~テレビ局~


ありす(結局連れてこられました……)

ありす「って、テレビ局ってことはテレビの収録ですか? けっこう大きい仕事じゃないですか」

フレデリカ「ううん! 生放送!」

ありす「スクランブルすぎません?」

フレデリカ「ふふふ……サプライズ!」

ありす「単純に心臓に悪いだけですからね」


ありす「というか、せめて番組のジャンルくらいは教えてくれませんか?」

フレデリカ「もちろん! 今回アタシたちがやるのは、通販番組!」

ありす「通販……ですか。私の役割は?」

フレデリカ「ありすちゃんはアシスタント!」

ありす「まあ、そうなりますよね」

フレデリカ「でも心配しなくていいよ! ありすちゃんは、お客さんの立場になって、気になる点とかを聞いてくれればいいからね」

ありす「だからこんないきなり呼ばれたんですか……」

フレデリカ「ごめんね~……? でもでも! 絶対に楽しいから! フレちゃんが保証するよ!」

ありす「まあいいですが……商品はマトモなんですよね?」

フレデリカ「……」

ありす「……」

フレデリカ「……」

ありす「……」

フレデリカ「本番入りまーす!!!」

ありす「答えて!!!」


~スタジオ~


ジャ~パネット♪

ジャ~パネット~♪

夢のジャパネットミシロ~♪


フレデリカ「はい! 始まりました~! ジャパネットミシロ!」

ありす「曲、丸パクリですけどこれ大丈夫なんですか!?」


フレデリカ「司会の宮本フレデリカだよ~♪ よろしくね~」

ありす「あ、アシスタントの、橘ありす……です。よろしくお願いします……」ペコリ

フレデリカ「あれれ? もしかしてありすちゃん、緊張してる?」

ありす「ば、馬鹿にしないでくださいっ!」

フレデリカ「生放送だもんね~、気持ちはわかるよ?」

ありす「ですから!」

フレデリカ「でも大丈夫! そんな時にピッタリな癒しグッズがあるんだよ!」

ありす「!」

ありす(上手い……! 自然に紹介する流れに……! こ、ここはアシスタントとして……)

ありす「そ、そうなんですかー、とってもたのしみですー」

フレデリカ「……」

ありす「……」

フレデリカ「……」

ありす「……?」

フレデリカ(かわいい……!!!!!)


ありす「は、早く紹介してくださいっ」

フレデリカ「おー! あいむそーりー!」

ありす(癒しグッズ……。すぐ浮かぶのは、アロマキャンドルとかでしょうか? ターゲット層を下げれば、ぬいぐるみとかもアリかもしれません)

フレデリカ「突然だけど、ありすちゃんはどんな時に安心する?」

ありす「安心……ですか……」

フレデリカ「えっ!? フレちゃんと一緒にいる時!?」

ありす「それはないです」

フレデリカ「……」ショボーン


ありす「そうですね……興味深い本を読んだり、美味しい食事をしたりでしょうか…」

フレデリカ「うんうん! そうだね! お金だね!」

ありす「……はい?」

フレデリカ「お金さえあれば、なんでもできるもんね!」

ありす「そんなキャラでしたっけ!?」

フレデリカ「そんなお金大好きなみんなのためにこの番組が用意したのはこの商品!」

ありす「番組としての方向性が不純!!!」


『持ってるだけで億万長者!? "幸福の壺"』ババーン


ありす「商品はもっと不純だ!!!!!」


フレデリカ「どうかな~?」

ありす「どうかなじゃないですよ! よく見る詐欺ですよ詐欺!」

フレデリカ「じゃあ、見ている人の反応を見てみよー!」ポチッ

ありす「え?」

[売れ行きゲージ]
□□□□□□□□□□ バーン

ありす「な、なんですか? このゲージは」

フレデリカ「これね! 売れ行きがリアルタイムでわかるの! これがゼロで~」

[売れ行きゲージ]
■■■■■□□□□□ バーン

フレデリカ「これで半分! 一番右までいったら完売だよ!」

ありす(ちょっと面白いシステムなのが腹立ちますね)

フレデリカ「完売したらこんな感じで!」

[売れ行きゲージ]
■■■■■■■■■■ ババババババババババババーン!!!!!

ありす「音うるさいな!」


フレデリカ「じゃあさっそく、幸福の壺の売り上げを見てみよー!」ポチッ

[売れ行きゲージ]
□□□□□□□□□□ シーン……

フレデリカ「ええ!?」ガーン

ありす「いや完全に想定内ですけど!?」


フレデリカ「ほらありすちゃん! 売らなきゃ! なんでも聞いて!」

ありす「私は詐欺の片棒を担ぐためにアイドルになったんじゃありません!」

フレデリカ「ええ~? じゃあ、壺を作ってる場所と中継を繋いでみよっか?」

ありす「そんなことして何になるんですか!」

フレデリカ「工場の、カコちゃーん!」

ありす「……え?」


~幸福の壺工場~


鷹富士茄子『は~い! カコですよ~』

茄子『この工場では完成した壺を、私が1つ1つ丁寧に撫でてから出荷してるんですよ~』ナデナデ


[売れ行きゲージ]
■■■■■■■■■■ ババババババババババババーン!!!!!


ありす「音うるさいな!!!!!」


ありす「……じゃなくて! 茄子さんになにさせてるんですか!」

茄子『詐欺じゃなくてカコですよ~』

ありす「噛み合ってないんで黙っててもらえますか!?」

フレデリカ「1度買うとね! もう2度と忘れられないよ……!」

ありす「それ幸せなんですか?」


~~~~~


フレデリカ「さて! 幸先よく完売したね! ね!」

ありす「いきなり禁じ手だった気もしますが……」

フレデリカ「ところでありすちゃん、おなか空いてない?」

ありす「!」

ありす(次は食べ物系ですか……、これも定番ですね)

ありす「そうですね、少し空いたかもしれません。美味しいものがあるんですか?」

フレデリカ「この放送が終わったらご飯行こうね! じゃ、次はこのオシャレな帽子!」

ありす「納得いかない」


フレデリカ「こちらのブラックのキャスケット帽! オシャレでしょ~」

ありす「ま、まあ素敵だとは思いますが」

フレデリカ「色は4種類! ブラック、ベージュ、ホワイト、チヒロ!」

ありす「黄緑色をちひろさんで形容するのやめてください」

フレデリカ「さらに今回は特別にもう1色! ショッキングチヒロ!」ピカピカー

ありす「目に悪い!!!」

フレデリカ「ちひろさんは最初からショッキングとか言っちゃダメだよ~?」

ありす「事務所に戻るの、覚悟しといた方がいいですよ」


フレデリカ「今回は、モデルさんを呼んでるんだよ!」

ありす(フレデリカさんでも十分務まりそうですが……)

フレデリカ「どうぞ~!」

瀬名詩織「こんにちは……」トコトコ

フレデリカ「帽子の申し子! シオリちゃん!」

ありす「よろしくお願いします詩織さん。帽子、とても似合ってますよ」

詩織「ふふっ……、ありがとう、ありすちゃん」

フレデリカ「じゃあ! じゃあ! つぎはこっちのベージュ!」

詩織「フレちゃんったら、そんなに慌てないでいいのに……」

ありす「……あれ? 詩織さん、"フレちゃん"って呼ぶんですね」

詩織「ええ、同い年ですもの」

フレデリカ「ご飯とか行ったりするんだよ~!」

ありす「同い……年……!? 落ち着いた詩織さんとこのフランス人が……!?」

フレデリカ「酷いっ!?」


ありす「すみません、フレデリカさんは精神年齢が低いぶん、幼く見えるんですね」

フレデリカ「フレちゃんに何か恨みが!?」

詩織「そんなこと言っちゃだめよ……? フレちゃんだって、みんなのことをよく見てるんだから」

ありす「す、すみません……」

フレデリカ「ナイスフォローだよシオリちゃん! ささ! 次はこのショッキングチヒロを」

詩織「遠慮します」

フレデリカ「」

ありす「仲良しなんですか?」


フレデリカ「じゃ、気を取り直して、ゲージを見てみよう!」

ありす(忘れてました)


[売れ行きゲージ]
■■■■■■■□□□ バーン


フレデリカ「悪くないんじゃないかな!」

詩織「お役に立てたのなら何よりです……」

ありす「……これ、黄緑が売れてないだけだと思いますけど」

フレデリカ「じゃあ、チヒロ系は1回カコちゃんに被ってもらってから出荷するしか」

ありす「それ以外に売り方ないんですか!?」


[売れ行きゲージ]
■■■■■■■■■■ ババババババババババババーン!!!!!


ありす「単純か!!!!!」


~~~~~


フレデリカ「また完売……! フレちゃんの才能が怖い……!」

ありす「私は茄子さんの存在が怖いですよ」

フレデリカ「ところでありすちゃん、おなか空いてない?」

ありす「さっき聞きませんでした!?」

フレデリカ「明日、どっかご飯行こうね!」

ありす「着々と私の予定を埋めてくのやめてください!」


フレデリカ「何食べいこっか? 食べたいものある?」

ありす「いや、後にしましょうよ……」

フレデリカ「近くに美味しいチキンカレーを出すお店があるんだよ~」

ありす「カレーは好きですが……」

フレデリカ「あ! あっちのキーマカレーも美味しいんだよね~」

ありす「ですから」

フレデリカ「いや! 向かいのビーフカレーもおすすめ……」

フレデリカ「そうだ! スープカレーが美味しいお店があった!」

フレデリカ「そうなるとポークカレーも考えなきゃ……」

フレデリカ「グリーンカレーもいいカモ!?」

ありす「さっきからカレーへの偏り!!!」

フレデリカ「"偏り"」ズイッ

ありす「!?」

フレデリカ「最近、食生活の偏りにお悩みのみなさん! このサプリメントを飲めば! 1日分の野菜が取れちゃうんです!」

ありす「ツッコミを商品紹介の引き金にするのやめてもらえません!?」


ありす「……私がなんと言うか、予想しながら話してるんですか?」

フレデリカ「フレちゃんはそんな器用なことできないよ~♪」

ありす「食えない人ですね……」

フレデリカ「"食えない"」ズイッ

ありす「また!?」

フレデリカ「最近、胃腸の調子が気になってなかなか油ものが食えないみなさん! このサプリメントには食物繊維も入ってるよ! これを飲めば腸の調子も超グッド!」

ありす「無駄に商売上手なのなんなんですか!?」


フレデリカ「というわけでこのサプリメントの紹介に入るね!」

ありす「まあ、商品がまともならいいんですけど……」

フレデリカ「このサプリメント、生の野菜をそのままミキサーにかけて、そこから独自製法で栄養を閉じ込めてるの!」

ありす「なるほど、ちゃんと栄養は残ってるんですね」

フレデリカ「じゃ、気になるゲージは……」


[売れ行きゲージ]
■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ バーン


ありす「在庫多くないですか!?!?!?」

フレデリカ「発注ミスだね!!!」

ありす「バカ! もう!」


フレデリカ「このサプリメント、特許も取ってる特別製法なんだよ!」

[売れ行きゲージ]
■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ バーン

フレデリカ「1本買ったらもう1本プレゼント!」

[売れ行きゲージ]
■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ バーン

フレデリカ「送料はこっちが負担!!」

[売れ行きゲージ]
■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ バーン

フレデリカ「効果がなかったら返金します!!!」

[売れ行きゲージ]
■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ バーン


フレデリカ「ちなみに、野菜をミキサーにかける工程は、ウチの乙倉悠貴ちゃんが『えいっ! えいっ!』ってやってるよ!」


[売れ行きゲージ]
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□□□ バーン


ありす「客がカモすぎる」


フレデリカ「あ! ユウキちゃんからのメッセージが届いてるよ!」


『ぜひ買ってくださいねっ』


[売れ行きゲージ]
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ババババババババババババーン!!!!!


ありす「なんでみんなノータイムで買っちゃうんですか!!!」


~~~~~


フレデリカ「さてさて、次が残念ながら最後の商品なんだよー……」

ありす「さっさと終わらせちゃいましょうよ……」

フレデリカ「ところでありすちゃん、おなか空いてない?」

ありす「それ以外に会話の始め方のレパートリーないんですか!?」


フレデリカ「ふふふ……! 今度はちゃんと食べ物だよ!」

ありす「さっきこの流れで帽子と錠剤出されてますからね。何を信じろと」

フレデリカ「スタッフさーん! カモーン!」

ありす「どうせ食品サンプルみたいな、斜め上のモノを持ってくるんでしょう?」

フレデリカ「栃木県原産のイチゴ! "とちおとめ"!!!!!」バーン

ありす「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

フレデリカ「すごいビックリしてる!!!」


ありす「これは……この色は……」

フレデリカ「説明なんていらないよね? とちおとめといえばとっても有名な」

ありす「はい、とちおとめといえば、甘味酸味のバランスがよく、果肉も締りがある割りに果汁は十分にあって非常に美味しいイチゴです。香りも収穫後間もないものは甘く強い香りが立っています。また、その果肉の綺麗さや香りの良さからケーキなどのトッピングにも多く利用される大人気の品種です」ペラペラ

フレデリカ「……う、うん」

ありす「やはり色ツヤ香り……食べなくてもこんなにも心惹かれます……」キラキラ

フレデリカ「と、いうわけで、ありすちゃんに試食してもらいまーす!」

ありす「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

フレデリカ「せめて何か言ってよ~」


フレデリカ「じゃ、ありすちゃん、あーん! ……なんてね☆」

ありす「……」アーン

フレデリカ「あ、ありすちゃん!?」

ありす「何してるんですか! 早く!!!」アーン

フレデリカ「これ放送してて大丈夫かな!? ありすちゃんのキャラとか!」

ありす「食べさせてくれないんですか……?」ションボリ

フレデリカ「わー! はい! あげるよ! あーん!」

ありす「あーん……」モグッ

ありす「……」モグモグ

ありす「……」モグモグ

ありす「……」

ありす「おいひぃ……」キラキラ

フレデリカ(たぶん、売り上げゲージは振り切れてると思うな! フレちゃんの直感では!)


ありす「みなさん、ぜひ、ぜひ、食べてください!」

フレデリカ「ありすちゃんがそこまで言うなら食べなきゃだね! みんな! お電話を!」

フレデリカ(もう売り切れてると思うけど……)

ありす「しかし、素晴らしい番組です……。感動しました……」

フレデリカ「ま、全部売れたからフレちゃん的にはオッケーかな!」

ありす「では、また来週!」

フレデリカ「レギュラーじゃないし、毎週イチゴはないからね!?」

ありす「はっ! 今、栃木県に足を向けて寝れないな、と考えていましたが、逆に寝ると北枕です! ど、どうすれば!?」

フレデリカ「急にどうしたの!?」

ありす「はっ! 栃木県に住む……!?」

フレデリカ「ありすちゃんが治らないからこの辺で! じゃあね!」

ありす「はっ! 東西に寝ればよいのでは!?」

フレデリカ「じゃーね!!!!!」


~後日~


ありす「……死にたいです」

速水奏「ま、まあ、ネットとかではけっこうギャップが良かったって話題になってたし……」

ありす「なんですか急に北枕って……フレデリカさんも若干引いてましたよ……」

奏(若干というか、けっこうだったけど……)

ありす「なんであんなにイチゴは美味しいんですか……」

奏「あれ、そんなに美味しかったのね」

ありす「美味しいどころの騒ぎではありません! あれを食べないなんて損してます!」ズイッ

奏(めんどくさい……)



おわり





過去作


【アイマスSS】桜庭薫「手品同盟?」真壁瑞希「ふむふむ」堀裕子「サイキックです!」

渋谷凛「何かお話を」本田未央「書いてみたい?」

三船美優「サイレントマジョリティ」佐藤心「ノイジーマイノリティ」(シリアス系)


などもよろしくお願いします


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