男妹「この学校にきて良かった...そう思うよ」(364)

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このssは
1.美少女「君にどうしても言いたいことがある...」 美少女「君にどうしても言いたいことがある...」 - SSまとめ速報
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2.男「この学校...やばすぎだろ...」 男「この学校...やばすぎだろ...」 - SSまとめ速報
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3.女「この学校に常識は通じない!」 女「この学校で常識は通じない!」 - SSまとめ速報
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4.男5「人生って何があるかわからないから面白いよな」 男5「人生って何が起こるかわからないから面白いよな」 - SSまとめ速報
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の続きです これらを読んでから読むことを推奨します 駄文、誤入力、誤変換など多いですがそれでもよろしければどうぞ

~簡単な登場人物紹介~

男.主人公 後述する美少女と付き合っている 生徒会副会長 神力を視ることが出来る 特有に保持している神力は『神力を奪う』

美少女.もう1人の主人公 未来の男であり、生徒会長 彼女もまた男と同様に神力を視ることが出来る ファンクラブがあり、彼女公認である 『本気モード』と『女神モード』という2つのモードを持っている 人間離れした身体能力を持つ

女.美少女の幼馴染であり、男達の先祖 広報委員 その過去はかなり重い 本名はツクヨミ 特有に保持している神力は『時間の時を操る』しかし、あまり長い時間は操れない模様

男5.女の弟 美少女ファンクラブの会長 基本的な写真は彼が撮っている その身体は頑丈でかなり滅多打ちにされても2、3日すれば治る程 その為、女や後述する担任と喧嘩した場合、大抵は半殺しにされる 本名はスサノオ 何気に子供が多い人物

勇者.女によって異世界から召喚された人物 並行世界の男 後述するメイドと同棲している 剣道部主将 喫茶店のバイトをしている 一応姫である為、言葉遣いは丁寧

女4.男の再従姉妹 神力を聴くことが出来る 男とは別の女の子供を先祖に持つ 喫茶店、郵便局、ホームセンターのバイトを掛け持ちしており、多忙 その目的は後述する曽祖父の腰の病気を治す為

メイド.女の子供 耳が物凄く良い 過去に旅をしている時に偶々通りすがった人にメイド服を買ってもらい、以降それを着てメイドと名乗っている 無類のアニメ好き 学食でバイトをしている 幽体だが、死んでいる訳ではない 父親似らしい 本名は女

男7.女の子供 メイドの弟 女4の曽祖父 女4の自由研究と評した召喚により召喚された 元軍人 目がとても良い 女の真の姿にとても似ている 礼儀正しく誰に対しても丁寧な口調で話す 本名は男

男妹.勇者の世界の神であり、創造神 人との別れに耐えきれなくなり暴走し、紆余曲折を経て男の妹になった 特有に保持している神力は『知っている物の創造』

男妹2.勇者の世界の神であり、破壊神 男妹の妹 つい最近まで寝ていた 天衣無縫な性格で、人に馴れ馴れしい態度を取る 語尾を伸ばすのが癖 後述する美少女妹2をよく振り回している 特有に保持している神力は『物体の核を壊すことによる破壊』

男父.剣道部顧問 体育教師 名は一 オーディンに取り憑かれる形で生きていて、一としての意識は無い 過去に生徒会副会長を務めていた

男母.調理部顧問 家庭科教師 男父と同様にフリッグに取り憑かれる形で生きている 男父とは従姉妹の関係 過去に生徒会長を務めていた 料理が上手く、最近 男に料理を教えている

担任.古典教師 学年主任 女と男5と後述する現国先生の姉 本名はアマテラス 後述する美少女母に主に仕事を押し付けられる苦労人 男5との子供が多く、店長や店長兄などがそう 男5とは結婚はしてはいないが妻としての意識はあり、彼の結婚相手であるクシナダに対してライバル意識を持っている

美少女母.校長であり、一代にして学校を発展させ名門校にした のほほんとした性格 深い人脈を持ち、何処からか情報を入手する 悪戯好きで思いついたことを実行に移そうとする為、皆を振り回すことが多い サボり癖が強く、仕事の途中でよく姿をくらます またその際には誰かに仕事を押し付ける 家事をするのが好き 男母とは週末に買い物を共にする程の仲 子供達を大切に想っている 本名はイザナミ 女や担任達の母 初代閻魔にして、冥界を創った張本人 昔の彼女は今と違って威厳に満ちていて本気で怒ると当時の性格に戻る また怒った際には何かしらの災害が起こる 特有に保持している神力は『創造』男妹や男妹2、後述する女6とは浅からぬ因縁を持つ 彼女の過去は運命神でも全てを視ることが出来ない

美少女父.教頭 美少女母の代わりに行事の挨拶などをする為、一部の人からは彼が校長なのではないかと思われている 本名はイザナギ 女や担任達の父 彼も怒ると災害が起こる 多分、美少女の家族の中で一番美少女母に振り回されている人物 喧嘩はしても、彼が折れることが多い 美少女母との出会いはあまり良いものではなかったが、彼の方から告白をし、結婚をした とても妻想い 特有に保持している神力は『創造』

美少女妹.次女 吹奏楽部所属 性格は明るく、家事をするのが好き 主に美少女の後始末をすることが多い

美少女妹2.三女 テニス部所属 その実力は高く、全国大会に出場する程 口は悪いがお節介焼きで困っている人を放って置けない俗に言うツンデレ 情に訴える行動に弱い また、美少女妹に撫でられると凄くデレる 大抵はその後に自らの行為に後悔し落ち込む

美少女弟.長男 サッカー部所属 美少女ファンクラブ副会長 悪戯好きでよく美少女母と何か企てることが多い

美少女弟2.次男 卓球部所属 末っ子 生まれた順番は美少女→美少女弟→美少女妹→美少女妹2→美少女弟2という順になっている 美少女の家族の中で唯一、中学生 よく勉強を教える友人を持ち、最近、彼女が出来たがその彼女にも一緒に教えている

現国先生.美少女妹達の担任 本名はカグツチ 女達とは別居しているが後述する女5と同居している 彼女に振り回されることが多い

保健先生.女の幼馴染 美少女を今の容姿にする際に女と一緒に色々弄った人 美少女の変な特徴は彼女がつけた 本名はフレイヤ 豊穣の神で、後述する女7とは親友の仲 北欧神話の神の中では最も苦労している

男3.物静かで読書をすることが好きであり、邪魔をされると機嫌を損ねる 本名はバルドル 光の神であり、不死である なお、不死であることはコンプレックスである為そのことを話題にされるのは好きではない

男4.男3の親友 本名はロキ 悪戯好きで知られているがそれは彼に流れている『巨人の血』による破壊衝動を紛らわせる為 後述する女3と夫婦である 子供達や妻のことを愛している

女2.剣道部副将で、ヴァルキリー ヴァルキリーになる以前の記憶が無い 男父に命じられて男4の監視役になる その為、彼が悪戯をすればその後始末をするのは彼女

女3.男4の妻 本名はアングルボザ 巨人であったが結婚する際に神になった 男4とはよく喧嘩をするがその分夫婦仲は良い

ヨルム.並行世界のヨルムンガンド 突如男5の部屋に現れ、呼ばれた男4と女3により保護された 彼女が居た世界はラグナロクを迎えており、その世界のロキが巨人の血を解放することにより何とか争いを終わらせられた しかし、その代償は大きく、破壊に魅入られた彼に世界を喰らい尽くすことを虐げられていた その為、当初は男4を怖がっていた

男6.美少女の写真を最も持っている 学生でありながら株をやっており、その金で写真を買っている 本名はファーブニル かつてはドワーフであったがドラゴンになった 一人暮らしをしているが、最近 部屋を掃除することを煩わしく思っており、ハウスクリーニングを雇おうか悩んでいる また、独自の情報網を持っており、美少女母が如何にして学校を今の状態にしたかを知っている

女6.保健委員長 学生でありながら医師免許を持ち、病院の院長をしている その腕は彼女でないと出来ない手術があったと言われる程 本名はエイル 医療の神 彼女の過去も美少女母と同様に運命神であっても全てを視ることが出来ない

女7.神出鬼没でいつ何処に現れるかよくわからない人物 本名はヴェルダンディ 運命神三姉妹の次女で、現在を司る 時の流れに乗ることで、一瞬で何処へでも行くことが出来る 最近、男達に勉強を教わるようになった

店長.女4のバイト先のホームセンター店長 本名はアメノホヒ 商業の神 店や従業員のことを大切に思っている

店長兄.スーパーの店長 本名はアメノオシホミミ 農業の神 弟である店長に対し、ライバル意識を持ち対抗してスーパーの店長になった 店長とよく喧嘩をするがいざという時は一致団結するらしい

マスター.勇者と女4がバイトする喫茶店のマスター 例え、不況になったとしても値段を変えることはしない 過去に何かあったらしいが現段階ではまだ不明 彼の作るオムライスは非常に美味しく、店を開けるレベル

局長.女4のバイト先の郵便局局長 八百万の神の1人で、空間の神 特有の神力は『扉を媒体に何処へでも一瞬で行く』

女4祖父.警察官 名前は音 昔はよくヤンチャをしていた 警察官になった理由はまだ赤ん坊だった頃に男7に町を守るように言われたこと 成長速度と老化が遅く、本当は年金を貰える年齢にも関わらず見た目が若い 女4が過去に両親に実験道具として使われた間接的な原因を作った 本人もそのことを反省しており、女4に対して申し訳なく思っている 現在は義理の父親である女4曽祖父の腰の病気の治療の為に金を貯めている

女4曽祖父.男7の旧友 名前は友 彼に一生の願いとして子供と妻、女4祖父と後述する女4曽祖母を託された 腰の病気を患っておりそれを理由に仕事を辞めた 今は畑で野菜を育てている

女4曽祖母.男7のかつての妻 話をすると2時間は話す かなり歳を召しているにも関わらず未だボケていない 夫である女4曽祖父のことを愛しているが、同様にかつての夫である男7のことも愛している その為、彼が生きていると知った時に一番喜んだ

男曽祖父.男7の弟 女4祖父と同様に老化が遅く見た目が若い 植林の仕事をしており、山の中でひっそりと生きている その暮らしは質素で山に生えた植物で生活を送っている 兄である男7のことを尊敬しており彼の話をすると生き生きとなる

書道部顧問.八百万の神の1人で文字の神 彼が書く字はとても丁寧である

玉藻.言わずと知れた伏見稲荷大社に祀られた神 狐を式として使っている為本人も狐だろうと思われたのが理由で狐の耳と尻尾を持つ

~用語説明~

神力.主に2種類に分けられ、神なら誰でも使える神力と特有の神しか使えない神力(または誰でも使える神力の一部に特化した神力)である 使うと人の力を越えたことを出来るが代償はあり、使用者の体力を引き換えに使う その神力の力が強い程、使う体力も大きくなる為、あまり乱用は出来ない

学校.男達が通う学校 教育制度は良く、施設はかなり充実している 中高一貫校であり、途中入学も受け入れている 良い学校であるが同時に超難関校の1つであり、入るにはかなりの学力が必要 留年制度があるため、成績が悪いともう一年同じ学年を過ごすことになる 昔はここまで良い学校ではなく、むしろ悪い意味で有名な学校であった

巫女の血.メイドを祖とする男の一族に流れる血 メイドがかつて大巫女と呼ばれる巫女であったことが由来 神力を視ることが出来るのが特徴

冥界.黄泉比良坂にある神とその血が流れている者にしか見えない穴を通ることでしか生きている者が行けない世界 死者は閻魔によって裁きを受けた後、天国か地獄に行く 現在の閻魔は3代目であり、死神長が現在、4代目閻魔になるべく勉強をしている また、ゼウスの父である時間神クロノスが封印されている場所があるのも此処

一旦切ります 思っている以上に設定が濃くなったなと書いてて思いました 最初はここまで詳しく考えていなかったのですがね...

女5の説明が抜けていたので追加します

女5.ダンス部部長 本名はアメノウズメ 踊りの神 学校に入ったまではいいが住む場所のことを考えていなかった為、知り合いである現国先生の元に押し掛け、同棲することにした 過去の実績により八百万の神の中では上位の神に当たる存在 担任との仲は良好 最近は喫茶店のオムライスにハマった為、よく部活終わりに同級生や後輩を連れて喫茶店に行っている

~学校 廊下~

女4「やばい...何とかお母さん達が来る前に入学テスト受けることは出来たけど...このままだとバレるのも時間の問題だ...どうしよう」

担任「お前が口を滑らせたからこんなことになったんだろ 参ったな...取り敢えず校長室で受けさせているが...終わるまでにあいつらが来るだろう...」

女「おっ、姉さんも一緒か 時間が惜しいから単刀直入に言うぞ 男は何処だ しらばっくれたって無駄だぞ ここら辺からあの子の気配を感じるからな」

男5「姉さんがあいつに一番会いたがってるって知ってるだろ?勿体ぶらずに会わせてやれよ」

担任「やれやれ...案の定こうなったか 今はお前を会わせる訳にはいかん テスト中だからな」

男「やはり...男7はお前のひいおじいさんなんだな?女4」

女4「あの...先生 皆、私達が思っていた以上に知っているんですけど..これ、もう隠さずに言った方が良いんじゃないんですか?」

担任「...そうだな 思っていたより立ち直りが早かったし 会わせてみるのも悪くないかもしれん 今のあいつには味方は多い方がいいしな そこで待ってろ テストが終わったら会わせてやる」

女「ああ頼む 私はあの子に謝らなきゃならないからな...あの時代に飛ばしてしまったことを...」

~数分後~

ガチャ

男7「...失礼しました」

バタン

男(あれが...女の行方不明だった方か...確かに神の姿にそっくりだな)

女「男...お前なんだろ?」

男7「やはり...ずっと感じていたこの気配は母様のものでしたか お久し振りです」

女「私はお前に謝らないといけない お前をあんな時代に飛ばしてしまった...人が人を傷つけ合うあんな時代に...許さないだろう それが当然だ あの場を凌ぐ為とはいえ...私は母親としてあるまじきことをしたからな...」

男7「顔を上げて下さい 私は母様を恨んでなんかいません 仕方なかったのでしょう? あの時、私が居たら姉様まで危うかった...致し方なかったことですよ」

一旦切ります

女「でもそれは言い訳だ 本来なら違う時代に飛ばすなんてことはするべきではない それは私が心の何処かで後ろめたいと思う気持ちがあったからだ」

男5「あの後の姉さんは酷かったな 月に幽閉されて暫くはずっと泣いていたよ 一時の感情で子供を違う時代に飛ばすなんてやってはならないことだってな 俺も人と結婚しようとした身だからさ 気持ちは痛い程理解出来たんだよ だからお前が飛ばされた時代を色々な神に問い掛けて探し出して姉さんに伝えたんだ 辛かったがな...」

担任「無論、私も手伝ったよ 妹であるこいつの為に出来ることは無いかとな 幸い、飛ばされた先が判明したから出来るだけ良い環境に拾われるようにしたんだが...まさか、女の子孫もその後に拾われるとは思わなかったよ」

男「つまり、偶然が重なって僕のひいおじいちゃんと兄弟になったってことですね」

担任「ああ...そういうことだ 幸い見た目は同年齢だったから兄弟と言っても通じたしな」

男7「見た目は同年齢? 一体どういうことですか?」

担任「知らないのか?お前は戸籍上ではあいつの兄ということになっているが本当はあいつの方が兄なんだぞ? 昨日改めて調べたことでわかったことだが、お前の本当の年齢は16歳 弟であるあいつより歳上にする為に鯖読みされていたんだ」

女「そうなのか? 知らなかったな...ということはお前は男や女4と同い年なのか お前の誕生日はもうすぐだしな」

男「衝撃の事実が明らかになったところでもう1つ言っておくことがあるんじゃないか? 姉について」

女「そうだな...女に会った方がいいだろう あいつはお前と会う為にずっと旅をしていたからな...」

男7「姉様も居るのですか?」

女「ああ この町に居る ただ...格好がかなり変わっているがな お前も気配は感じているだろ? ここから北に30m先の家の中を見てみろ そこに居る」

男「そんなアバウトな情報でわかるものなのか? 大体それ、透視出来なきゃ見つけられないだろ」

男7「あの...この人で合っているのですか? 以前私が買って差し上げたメイド服を着ているこの人が...」

女「ああ そいつがお前の姉の女だ 男、こいつは目がいいというのは以前言ったよな?同時にこいつは透視も出来るんだ」

男「お前の子供、メイドさんといい...この人といい...ハイスペック過ぎだろ ん?待てよ メイドさんが着ている服を買ってあげたってことは...一度、この人はメイドさんと会っているのか?」

男5「確かに...そう考えると辻褄が合うな お前が買った服で間違い無いんだろ?」

男7「ええ...以前買って差し上げたメイド服で間違いありません しかし...あの時のお方がまさか姉様だったとは...」

一旦切ります

なんかしらんがわろた

>>15 自分を捜していた姉に気付いてないけどその時の格好がボロボロだったから服を買ってあげたら今もずっと着続けているってことですな ぶっ飛んでやがる...

女4「あの...私、昨日そのこと言おうとしたんだけど...」

女「そうか お前も知っていたんだったな 女がメイド服を着ている理由 あいつ、お前が買ったとは知らずにあの服、気に入って替えが利くように追加して買ったんだよ」

男「ネーミングセンスだけでなく、ファッションセンスまで遺伝してたのか...とんでもない一族だな 僕達」

女4「何か似てるなと思ったらお母さんに似てたんだもんね...」

女「悪かったな ネーミングセンスだけじゃなくて、ファッションセンスも無くて お前も私に似なくていいだぞ?」

男7「別に似たくて似た訳ではないのですが...」

担任「まぁお前の感覚がずれていることは後にして、女もずっと会いたがっていたし あいつに会いに行ったらどうだ? まだテストの結果出ないしな」

男「珍しいですね...採点するのにここまで時間がかかってるなんて...誰が採点しているんですか?」

担任「母さんだが...まさかサボってないよな?」

ガチャ

美少女母 ( ?ω?)スヤァ

男5「ね、寝てやがる...」

担任「おい母さん 何寝てんだ起きろ」ユサユサ

美少女母「...ふぁ~ ん?アマちゃんどうしたの? もしかして...テスト終わった?」

担任「ああ...誰かが寝ている間にな」

美少女母「今日は日向ぼっこにちょうどいい日だったからね~ ちょっと寝ちゃったわ~」

男「あ、相変わらずのほほんとしているな...校長先生は」

女「まぁ...母さんらしいがな...」

美少女母「ちょっと待っててね~ すぐ採点するから~」

担任「ちょっと待て そこ、合ってるぞ なに間違いにしてるんだ」

美少女母「え~ そう? まだ頭が働かないのよ~」

担任「まったく...世話が焼けるな 母さんは しっかりしてくれよ」

男5「この様子だとあと30分はかかるな...今のうちに行くとしようぜ」

女「...そうだな」

~勇者の家前~

男5「...で、何で俺達が隠れなきゃならないんだ?」

女「馬鹿野郎 向かってる時に話したじゃないか こういうのは一対一で会った方がいいって もう忘れたのか?」

男「男5は忘れやすいもんな...仕方ないよ」

女4「3人とも静かにして さっきからずっとこっち見てるよ」

男7「あの...押していいですか?」

3人「「「どうぞ」」」

男7「それでは...参ります」

ピンポーン

『はい 今行きます』

男(来るぞ...)

ガチャ

メイド「はい どなたでしょうか...って貴方は あの時、服を買って下さった...どうして此処に?」

男7「あの...姉様 私ですけど、わかりませんか? 男です」

メイド「えっ? 男!? ちょっと待って...頭の中整理するから...ドッキリじゃないよね そっくりさんにしては神力まで一緒なのはおかしいし...」

男7「正真正銘 私ですよ 昔、姉様と一緒に障子を破って母様に怒られたじゃないですか」

女(ああ...そんなこともあったな...懐かしい)

メイド「確かにそんなこともしたけど...こんなに話し方丁寧だったっけ? 私のこと、お姉ちゃんって呼んでいたよね?」

男7「あの頃は...まだ無知でしたので無礼な態度を取ってしまいました 今となっては忘れたいことですよ」

メイド「はぇ~ 変わったね~ いい子だったのは知ってるけどここまで真面目になっちゃって...お姉ちゃん嬉しいよ えらいえらい」ナデナデ

男5(そういえば女は男のこと、溺愛してたっけ...)

女4「お、お母さん! あまりのギャップ差に男が固まっちゃったよ!」ヒソヒソ

男「」

女「うわ...本当だ...もしもーし 男、聞こえるか? ...駄目だ死んでる」ヒソヒソ

男7「あ、あの...姉様...恥ずかしいのですが...」

メイド「もう少しやらせてよ 久し振りに会えたんだから 今まで何処に居たの 捜したんだよ?」ナデナデ

男7「い、色々ありましてね...」

メイド「まさかあの時、服を買ってくれたのが男だとは思わなかったよ...いいセンスしてるね」

男5「姉さん...やっぱり男が言った通り ファッションセンス、あいつらに遺伝してるわ」ヒソヒソ

女「マジかよ...」ヒソヒソ

女4「わ、私は良いと思うよ?」ヒソヒソ

男5「その言葉...ネーミングセンス無いって話になった時の会長とまったく一緒の台詞だぞ」ヒソヒソ

男「...やはり 僕の仮説は正しかったな」ヒソヒソ

男7「そうですかね...場違いなものを買ってしまったと思いますが...」

メイド「そんなことないよー 男が買ってくれたならお姉ちゃん何でも嬉しいけど これ、なかなか良いよと思うよ?」

女「やめろ女...それ以上何も言わないでくれ...」プルプル

男「お、女 大丈夫か?涙目になってるけど...」ヒソヒソ

女「大丈夫な訳無いだろ! 娘がセンス無いのに褒めてるんだぞ! 親である私からどう見ても遺伝してるじゃないか!」

メイド「あっ...母さん...居たんだ...」

女4「最悪な形でバレちゃったね...」

~勇者の家 居間~

女「どうせ私なんかネーミングセンスも無ければファッションセンスも無いんだ...もう嫌だ 死のう...」ズーン

メイド「そ、そんなこと無いって 私がズレてるだけだから」アセアセ

男7「やはり...駄目でしたよね...幾らなんでもそんな服を買うなんて...」ズーン

メイド「い、良いと思うよ? お姉ちゃん、この服気に入ってるし」アセアセ

男「メイドさんがこれ以上に無いくらい焦ってる...」

男5「母親と弟の板挟みになってるな...」

女4「が、頑張れ...」

一旦切ります

メイド(参ったな...母さんを立てれば男が落ち込み、男を立てれば母さんが落ち込む 文字通り彼方を立てれば此方が立たずの状況...せめて、何方かが元に戻れば何とかなるのに...)チラッ

男(僕? 無理無理)ブンブン

女4(流石に今の状況は私もフォローし切れないかな...)

男5「仕方ねえなぁ...お前ら、辛気臭い顔すんなよ 姉さん、話したいことがあったんだろ? 男、お前はずっと家族に会いたがっていたよな? なのにどうした たかが服を選ぶセンスや名前を付けるセンスが無いことで落ち込んで 俺なんか両方無えよ ほら、さっさとシャキッとしろ ったく...俺の手を煩わせるなよ」

メイド「叔父さん...ありがとう」

男5「学食1食代出してもらうからな 忘れんなよ」

男「安上がりな借りだな...」

男5「今のこいつは勇者との食費で精一杯だからな これくらいで勘弁してやらないと」

女4「ほら...お母さん しっかりして」

男7「ずっと気になっていたのですが...何故貴女は母様のことをそう呼ぶんですか?実の母親ではないですし」

女「そのことか...話すと長くなるんだがな...簡潔に言うと私がこいつの母親代わりだったんだよ 学校でしがみつかれていた時に女に見られた時は流石に焦ったがな...」

男「ああ...あの支離滅裂な発言をした時のことか」

メイド「あれ?男は記憶が読めたよね? 女4の記憶を読めば一瞬でわかるんじゃないの?」

男7「確かに私は人の記憶を読むことが出来ますし、ここに来た際に女4さんの記憶を失礼ながら少しだけ読ませてもらいました しかし、それはほんの少しだけで基本的な知識しか読んでいません 勝手に他人の記憶を覗くことは失礼なことですから」

女「そ、そうだな 確かに失礼なことだ 偉いぞ男 立派になったな」

男「おい 勝手に他人の心や記憶を読んだ挙句意識を入れ替えた奴が言う台詞じゃないだろ しかも私事でな」

女に 「あの時は仕方なかったろ 美少女とお前の意識を入れ替えなきゃあの大会で優勝は出来なかった お前もその後の打ち上げを楽しんでたじゃないか お前には言われたくないわ」

男「ま、まぁ...確かに...焼肉美味しかったけど...だったら前以て言ってくれよ」

男5「じゃあお前 明日、あいつと意識入れ替えるからと言ったら承知するか? する訳ないだろ 姉さんはそう言われるのを知ってたから敢えて言わなかったんだよ そうだろ?」

女「えっ?...あ、ああ そうだよ」

女4(絶対考えてなかったよね...)

男7「あの...話がすり替わっているのですが...戻してもいいですか?」

メイド「いいよ 母さん達はすぐ話を脱線させるんだから...それで、女4が母さんのことをああ呼ぶ理由だったよね」

女4「さっきお母さんが言った通り、かつてお母さんが私の両親の助手をしていた頃...私が幼稚園通っていた時からかな...ずっと行事に来てくれて本当のお母さんのように優しくしてくれたんだ あの頃の記憶はあまり良いものじゃないけど...お母さんが側に居てくれたことで何とか私はあの時代を乗り越えることが出来た だから私はそう呼んでいるんだよ」

女「こいつの両親は非人道的な研究をしていてな...女4を実験道具としか見ていなかったんだ...母さんに命じられて助手という形で潜入していたんだが私にはそれが耐えられなくてな...事故という形であの2人を殺したんだ...なのにこいつは私を母親のように慕ってくれている おかしい話だろ?」

男「僕達も最初、その話を聞かされた時は驚いたよ まさか、女がそんなことをしていたとは思わなかったからね...」

男7「女?どうして姉様の名前が...」

メイド「今の母さんは私の名前を名乗っているんだよ 人殺しを正当化することは出来ない だけど、母さんがやったことは私には間違っていないと思うんだよ あのまま放置していたら今より更に悪化していたかもしれないからね...」

男7「私も...同じですよ...沢山の人の命を自らの命を守る為だけに奪ってしまいました...私のこの手は血で染まっている...」

男5「そんな訳ないだろ 綺麗じゃねえか 人は多かれ少なかれ何かしらの罪を背負って生きているもんだ あの時代、そうしなきゃ生きていけなかったんだからな」

メイド「戦争というものは残酷なものだ...何方かが降伏をするまでお互いを殺しあう...血を血で洗うのが普通...そんな時代に人を殺すことに罪悪感を抱く正常な感覚を持ち続けた それだけで充分だよ 男...やっぱり優しいね」

スタスタスタ ガラッ

美少女「困るんだよね 来て早々こんな重い雰囲気じゃ 悪いけど換気させてもらうよ」

男「美少女...いつの間に...」

美少女「男を捜してあちこち行ってた時に、これを渡してくれって先生から頼まれたからまいったよ...その時に先生から男達が何処に行ったか教えてくれたからこれ以上無意味な体力の浪費はせずに済んだけど...で、来たら鍵が開いてて尚且つこれだからね...疲れている上にどんよりしてる雰囲気とか最悪だ...これ、誰に渡せばいいの?取り敢えずテーブルの上に置いとくけど はぁ...疲れた...」

女「お、おう...ご苦労だったな...恐らくこれはテスト結果だろうな...」

メイド「どれどれ...どうなったの?」

男7「姉様...そういうのはあまり読まない方がよいのでは...」

メイド「ほい 合格だってさ まぁ、男ならそうだと思ったけどね」

女「ちょっと待て まだもう一枚紙が入ってないか?これは何だ?」

美少女「さぁ?何か男7にうってつけのバイト先とか言ってたような...」

女4「見せて これは...」

男「どうした?何が書いてあるんだ? 何だこれ...住所しか書いてないぞ」

男5「これは男6が済んでるマンションの住所だな 女4、お前 郵便局のバイトやってるから知ってるだろ? あいつが一人暮らしだって」

女4「うん 知ってるけど...でもそれがどうしてひいおじいちゃんのバイトに繋がるんだろうと思うと不思議でね」

女「わからんが...美少女、これは誰が入れたんだ? 母さんじゃないのか?」

美少女「おっ よく分かったね この紙はお母さんが入れたものだよ それを先生が届けようとしてちょうど私に会ったから渡したって訳」

男5「なるほど...母さんか...なら大丈夫だな またどっかから情報仕入れたんだろ で、どうするんだ? 学校に手続きしなくちゃならないし、男6の所にも行かなきゃいけないだろ? 2つに分かれる必要があるぞ」

女「じゃあ...美少女と女4とバイトする本人の男は、男6の所、私と女と男5は学校に行くとしよう」

男「おい 僕が抜けてるぞ」

女「好きな方にしろ...お前はどっちに行ってもいい存在だからな」

男7「無理に付き合ってくれなくても結構ですよ?」

男「いや、ここまで来たんだ 最後まで付き合わせてもらうよ じゃあ僕は...学校に行くとしよう」

メイド「珍しい...終始イチャイチャすることを生き甲斐としているような人が違う場所に行こうとするなんて...」

男「あの...女? メイドさんってお前の毒もかなり受け継いでるんだな...かなり傷付いたんだけど...」

女「まぁ...そうだな 女は見た目こそ父親似だが性格は私に似たと言ってもいいだろう」

美少女「で、どうして私と一緒に行こうと思わなかったの?」

女4「声は普通にしてるけど、半端ない神力を感じる辺り...これ、絶対怒ってるよね」

男「えっ?だってそっちは美少女が居るから大丈夫だろ? 僕が付き添っても足を引っ張りそうだかさ...一緒に行かなくてもいいかなと思ったんだ 安心出来るし」

美少女「えっ...私が居て大丈夫? 安心出来る? もしかして...信用してくれてるの?」

男「何を今更...最初からそうだよ 付き合う前からずっとね」

美少女「男...」

ギュー

男「痛い痛い痛い ちょっと美少女!? いきなり抱きしめるの辞めてくれないかな 苦しいんだけど」

美少女「最近ずっと男とこうすることが出来なかったから不安だったんだ...男はもう、私のこと好きじゃなくなったのかなって...」

男「そんな訳ないだろ 僕は美少女のことが大好きだよ ...でもちょっと苦しいからもう少し弱めてくれるかな このままだと助骨が折れる」

3人「「「• • • • • • • •」」」ポカーン

女「はぁ...確かに最近イチャイチャしてなかったけど あそこまで重症だったとはな...やれやれ で、お前はこんな時でも写真撮ってるのか」

男5「こんなシャッターチャンス 逃す訳にはいかないだろ」カシャカシャ

女「相変わらず平常運転だな... お前も... セコム入りますよっと お前らもうそこら辺にしとけ このままだと日が暮れる こんな甘いもんいつまでも見せんな」

メイド「うわ...余りに甘過ぎて口から砂糖が出て来た...」

女4「エェ!? 本当だ...メイドさんが砂糖製造機みたいになってる....」

女「...このように砂糖を製造するやつが出る程だ いつでも出来るだろ そんなこと」

美少女「えー でも...人目がつくところは出来るだけ避けたいんだけど...」

女「お前、私達の前なら大丈夫なのかよ 男、お前も釣られるんじゃない」

男「だって...こんな風に思ってくれるの美少女だけだし...可愛いなって思ったらつい」

女「つい じゃねーよ ほら、さっさと2つに分かれて行くぞ」

男7「あの...母様...」

女「ん?どうした?」

男7「私の名前と男さんの名前 どっちを呼んでるか皆さんには紛らわしいと思うのですが...大丈夫ですか?」

女「そんなもん、話の流れから判断しろ 言っておくがお前のことを男7なんて呼ぶ気は無いからな お前は男だ あいつも男 そういうことだ」

男7「は、はぁ....」

~男6の部屋~

男6「それで私の所に来たと...何処から知られたのかね...このことは誰にも話していないんだが...まぁいい で、君がツクヨミのもう1人の子供の男かね 母親にそっくりだな...」

男7「母様を知ってる人からはよく言われます」

美少女「それで...バイトのことなんだけど...」

男6「まだ決めた訳じゃないんだが...知り合いの方が気軽に言えるか じゃあ君にはここの掃除を頼もう とは言っても単に掃除するだけじゃ駄目だ 幾つか触れて欲しくない物があるからね...それはまた追って話すとしよう 見ての通り、ここはリビング、私の部屋、浴室、キッチン、ベランダ、それぞれを結ぶ廊下という構造になっている キッチンのところは私が洗い物をする際に軽く掃除をしているので細かくやってくれなくていい ここまでで何か質問はあるかい?」

女4「はい あの...バイトというから給料を払うと思うんだけど...大丈夫なの?」

男6「そのことか 安心してくれ とは言っても証拠が無きゃ信用出来ないか じゃあ、ほら 前金ということで40万」ポン

美少女「よ、40万!? そんな大金をポンポン出していいの? 生活費は...」

男6「生活費ならここに入る際に3年分払っておいたよライフライン関係も勿論ね 無論、これは端金だ これを渡したところで私は何も困らない 遠慮せずに受け取ってくれ」

女4「わ、私のバイト代何ヶ月分だろ...あ、あれ? 何か頭が混乱してきた...」

男7「まだ金銭感覚を掴めないのでこの金額がどれ程なのかはまだ理解出来ませんが...これは流石に受け取れません...まだ私は働いていませんから...評価をした上で正当な報酬を渡して下さい」

男6「なるほど 受け取らないか まぁ、君ならそう言ってくれると思っていたよ もし君がこの金を受け取ろうとしたらそこでこの話は無かったことにしていた 金の切れ目が縁の切れ目 そういう関係はあまりしたくないからね」

美少女「つまり、男7を試したの?」

男6「言い方を変えるとそうなるな 悪かったね こんな真似して」

男7「いえ 大丈夫です 私もそういう関係にはしたくないですので」

男6「君とは良い関係を築ける気がするよ それじゃあ話を戻そうか さっき言った触れて欲しくない物のことだが...まぁ、見てくれた方が早いか そこが私の部屋だからちょっと覗いてみてくれ」

美少女「じゃあ遠慮なく...」

ガチャ

男7「これは...壁一面に美少女さんの写真が貼ってありますね...」

美少女「そ、そういえば私の写真を一番買ってたんだったね...忘れてたよ...」

男6「そっちじゃない このクローゼットの中だよ」ギィッ

美少女「な、何これ...色々なものが入ってる...」

男6「私の宝物だよ 無論、これも汚れないように定期的に掃除して欲しいのだが...誤って壊さないでくれよ? どれも、もうこの世には無いものばかりだ 例えば...そうだな この石は変わった石でね 一欠片あるだけで世界を変えられる程の力が手に入る」

女4「これ全部売ったとしたらどれ位のお金になるの?」

男6「そうだね...地球が滅びるまでずっと側からずに生きていけるだけの金額にはなると思うよ」

女4「そ、そんなに!?」

男7「あの...触れて欲しくない物のことなのですが...どれのことを仰っているのでしょうか」

男6「ああ...このアルバムとこの剣のことだよ」

美少女「うん アルバムのタイトルからしてどんなものか推測出来る 私の写真だね」

男6「正解 流石、会長だ このアルバムには今まで買った中で選りすぐりの写真を入れてある」

女4「うわぁ...キモい...」

男6「常人には理解出来んだろうな この人が一瞬見せる輝きの素晴らしさを それはどんな宝石でもどんな絵画でも置き換えられないものだ」

美少女「ほ、褒められてるのかな...」

男7「ではそちらの剣は一体どういうものなのですか?」

男6「この剣か...なに、何処にでもあるチンケな剣だよ でも私が唯一作った剣でね 離したくても離せない...そういうものなんだ」

美少女「思い入れがある品物ってことだね」

男6「ああ 私がドラゴンになる以前の品物は全てドラゴンなった時に売り払ったのだが...これだけはどうしても無理だった これには私の思い出が詰まっているからな...」

男7「そうでしたか...ではこの2つには触れないように気をつけて掃除させてもらいます」

男6「よろしく頼むよ ああ...来てくれる間隔なんだが 週に一度くらいのペースで結構だ そう頻繁に来てもらっても困るだろうしね」

男7「承知しました」

男6「服装に関しても特に問わない 動きやすくて汚れてもいい格好にしてくれ 給料は月末に払うことにしよう 金額は...じゃあさっき君が言ったように働きぶりを見てそれに応じた分にしよう」

女4「合鍵とか無いの? もし来た時に居なかったら入れないだろうし、こういうのは大抵は部屋主が不在の時に掃除しに来るようなものでしょ?」

男6「合鍵か...ここは声紋と指紋で開くようになってるからな...そのことは考えて居なかったな...来た時に扉に鍵穴が無かっただろ?」

美少女「言われてみればそうだった...うーん どうする?」

男7「指紋は難しいですが、声紋なら大丈夫ですよ 再現することは難くはないです」

女4「えっ?出来るの?声真似」

男6「神力を使えば容易いだろう 君には私の声域が見えるだろうからそれを基に再現すればいいだけだからな」

美少女「ああ...目がいいんだっけ ...えっ?声域見えるの? それって凄いよね」

一旦切ります

男7「別に大したことではないですよ 生まれつきそういう体質だっただけです」

男6「でも大変だったろうな その体質じゃ 飛ばされた時代が時代だっただけに...見たくないものも沢山見ただろ? 殺した相手の心とか あっ、あまりこの話はして欲しくなかったか すまないね、昔から無神経な奴って言われるんだよ 直す努力はしているんだが...どうも出来ないな」

美少女「殺した相手って...そ、そうなの?」

男7「...ええ そうですよ 私は戦争時、戦った相手の心を読んでいました 読む気は無かったのですがね...」

男6「まだ君が幼く力が制御出来なかったからだろう それにしても...酷い話だな そんな幼い時期から戦争を経験しているなんて...ツクヨミも罪なことをしてくれたよ 本人が反省してるからあまり責められないがな」

女4「やけに詳しいけど...どうして知ってるの? ひいおじいちゃんの過去のこと」

男6「この世には金さえ出せば幾らでも語ってくれる奴がごまんと居てね 情報屋って奴だ そいつから聞いた話さ 無論、これも信頼関係の上でやり取りしてるから確かだよ 現に...さっきから話が通じているだろ?」

美少女「なんてことを...そうやって人の知られたくない過去を聞いて何が楽しいんだよ」

男6「好奇心だよ 好奇心 この人にはどんな過去があるんだろうというね 知られたくないかなんてその人の勝手だ 本当は知られなくちゃならないのかもしれない 君の母親のようにね」

美少女「私の母親? お母さんのこと?」

男6「さあね どっちのことだろうか 生憎私はそこまで親切な人ではない ヒントは教えても答えはそう易々と教えるつもりは無いよ それに...自分で知るってのも悪くないんじゃないか? 君が校長のことを探っているのも知っていたよ 別に教えても良かったのだが...教えなかったことで女4の記憶が戻った な?悪くないだろ?」

女4「ふ、ふざけてる...」

男6「だからさっき言ったろ 私は無神経な奴だと言われているってね 謝って済むなら謝ろう だがね、誰かが汚れ役を演じなきゃ真実は永久に葬られたままだ 幾ら残酷でもそれが真実ならいつかは明らかにされなければならない」

男7「...嘘ですね 嘘つく時、人は饒舌になる 貴方は必死に本心を隠そうとしている 自分に言い聞かせながら 本当はそうやって人から嫌われようとしているのでしょう?もうすぐ自分が死んでしまうから」

2人「「えっ?」」

男6「...はぁ やはり君は面倒な人間だな そういう所は母親譲りか」

美少女「し、死んじゃうって一体どういうこと?」

男6「文字通りだよ 私は死ぬ 神話に詳しいなら知っているだろう ファーブニルはシグルドにグラムで殺されることを」

女4「で、でもそれは神話の中の話だけじゃ...」

男6「ラグナロクが記されてる預言書の中にはそのことが書いてあった 最初は誰もが作り話だと思い信じはしなかった 主神が轢き殺されそうになるまではね...」

美少女「父さんと母さんが身体を張って守ったあのこと!?」

男6「実はあのことも記されていたんだよ 厳密にはあの出来事で死ぬことになっていたがな...君の両親が助けなければ実際、そうなっていただろう それ以降、あの預言書を信じない者は居なくなった」

女4「だから敢えて死んでも悲しむ人が居ないようにそんな振る舞いをしていたの?」

男6「そういえば聞こえはいいか...まぁ、そういう意図があってのは事実だ 近いうちに私は死ぬ こればかりは避けられない運命らしいんでね まったく...とんでもない人生だよ 好きでもないのにドラゴンにさせられて好きでもないのに殺される まぁ、私にはぴったりか」

男7「そうやって諦めるのですね 足掻こうともせずあるがまま受け入れる」

男6「私が死んでも悲しむ者は誰も居ない むしろ、清々するだろう 忌々しい存在が消え失せたんだ そうだろう?」

美少女「そんなことない 貴方が死んだら誰が私の写真を買うの」

女4「会長...」

美少女「最初は物好きだなと思ったよ 私なんかの写真を死ぬ物狂いで買うなんて...でもさっき言っていた言葉は本気だった あんな豪華なアルバムに入れてずっと保管しようとしていた あの時の貴方の顔に偽りは無かった」

男6「何を言っているんだか...あんなのはただの気まぐれだよ」

美少女「じゃあ聞くけど いつも限定写真がオークションで出たら最高額で買ってるのはどうして?」

男6「そ、それは...」

美少女「死のうと考えてる人がそんなことをするとは思えない そう思ってるのなら男7のバイトを受け入れたりなんかしない 来た時にもう蹴ってる筈だよ 認めてよ...貴方は本当はもっと生きたいんだよ」

男6「しかしな...幾ら生きたいと願っても私が死ぬことは決まってる どうしようもないことだよ...」

男7「足掻くか足掻かないは貴方次第ですよ しかし...定められた運命に従うのは...そうですね...今の人の言い方で言うなら...ダサいです」

男6「だ、ダサいか...」

男7「ええ」

女4「はぁ...バイトの話で来たのにこんな話になるとはね...お母さん達にはなんて話せばいいか...」

~学校 職員室~

女「そうか...男のクラスは私達のクラスか」

担任「ああ...母さんの提案でな...父さんも賛成したから断り切れなかったよ」

現国先生「因みに俺も賛成したよ 別にいいだろ?ツクヨミ姉さん、あいつに会いたがってたろ?」

担任「幾ら会いたがってても同じクラスにする必要はないだろ 馬鹿かお前」

女「別にそのことは気にしてないさ だが...なんて言えばいいかね...息子と同じクラスになるのはちょっと照れるな...常に授業参観しているようなものだし」

男「おい 子孫である僕はいいのかよ」

女「お前は慣れた」

男「な、慣れたって...」

男5「男、気にすんな どうせ姉さんのことだからすぐに慣れる」

メイド「確かにそうだね...私に再会しても次会った時にはもう普通に接していたし」

女「そ、そうだったか?」

メイド「うん 内心驚いたよ 再会した時は優しい口調だったのに次会ったらその口調全開だったからね」

男父「まぁ、仕方ないな お前らは全員、校長に似てるから...大雑把なのは当然だろう」

男「おっ、父さん 居たんだ おにぎりどうだった?」

男父「あんなの1つあれば充分だ 部員にも幾つか分けたがまだ残ってな...ちょうど腹を空かせていた現国先生が通りかかったからあげたら喜んで全部食ってくれたよ」

現国先生「あれ、お前が作ったのか 美味かったよ」

男父「ところで男5 お前、何で今日の練習に来なかったんだ? 休むって連絡来なかったし」

男5「えっ? ああ...えっと...忘れて...ました...ははは」

女「はははじゃないだろ 馬鹿野郎 部活サボんな」ガツン

メイド「うわぁ...あれは痛いな...」

男「うん...あの音がするとかなり痛いよ...」

担任「何だお前ら その様子からしてツクヨミに殴られたことがあるのか?」

メイド「ええ...幼少期に男と障子を破った時に...あれは痛かった...1週間腫れが引きませんでした」

男「僕はしょっちゅう殴られてるよ...最近なんかツッコミの代わりに殴られてるような感じだし...」

担任「ツクヨミ...お前、いつからそんな暴力女になったんだよ」

女「知らないよそんなの...いつの間にかこうなってたんだ」

担任「昔のお前はそんなんじゃなかったろ もっとこう...お淑やかだったじゃないか」

男5「えっ?姉さんがお淑やかだった頃あったっけ?カグツチ」

現国先生「いや...無かったな...いつもこんな感じだったぞ」

ガツンガツン

女「正直に言い過ぎだ お前ら」

男5「痛ェ...ほらまた殴った 口より先に手が出るんだもんな 姉さんって...」

担任「2回も殴る必要無いだろ...ツクヨミ、お前 今月の小遣い無しな」

女「ハァ!? どうして...」

担任「どうしてもこうしても無い お前はもっと大人しくしろ わかったな」

女「そ、そんな...」

バタン

男「あ、倒れた」

~保健室~

女「...ハッ 夢か」

女6「そんな訳ないだろ ったく...帰ろうとしたのに倒れやがって...貧弱かお前は」

女「だ、だってよ...エイル 今月、小遣い2倍だったんだぞー それなのに姉さんと来たら..少し殴っただけで.小遣い無しって...この1ヶ月どうすればいいんだよ...うわーん」

女6「泣くな泣くな 白衣が汚れる お前は昔からすぐそうだよな...周りの目を気にせずに泣く よく見ろ、弟や娘が見てるんだぞ」

女「ふぇ?」

男5「その...姉さん? 良かったら帰りに姉さんの好きなもの買ってやろうか?」

メイド「わ、私も買うよ その...何か悪いし...」

女「...殺せェェェ 殺してくれェェェ 辱めを受けるくらいなら死んだ方がマシだァァァァァァ」

男「...どうしてこうなった?」

女6「あられもない姿を弟や娘に見られて気遣われたらこうなった」

メイド「こんな母さん初めて見た...」

男5「そうか?俺はしょっちゅうだよ 姉さんは弱ってる時に優しくされるとこうだからな...すぐ泣いて駄々こねて...」

現国先生「幾ら何でも夏休みに小遣い無しは酷いよな...ほら、少ないけど...これやるよ」

女「...1000円じゃ足りないィィィィ あと一桁は欲しいよォォォォォォ」

男5「そして我儘だ...どうすればいいのやら...」

男「ん?そんなのこうすれば一発だろ」

パーン

メイド「び、ビンタした...」

男「優しくするからこうなるんだ 下手に出る必要はないよ ほら、しっかりしろ」パーンパーン

パシッ

女「お前...さっきから傷ついてる人にビンタしやがって...お前に思い遣りって言葉は無いのか」

男「そのままそっくり返すわ ツッコミの代わりに殴りやがって...いい機会だ 日頃の恨み辛みまとめて返してやる」

女「かかってこい 返り討ちにしてくれる」

ギャーギャー ワーワー

女6「おいおい...保健室で喧嘩は止してくれよ...誰がお前らの治療をするんだよ」

男5「結構荒手だが...効果はてきめんだな もういつもの姉さんに戻った これからはそうするか」

現国先生「野蛮だな...俺も人のこと言えないけど...」

~数分後~

男「や、やるじゃねえか...」

女「お前もな...」

2人 バタン

メイド「何この少年漫画みたいな仲直りの仕方...」

男5「拳と拳の会話が一番良いんだよ 俺達にはな」

担任「やっと静かになったか...あれ?男まで倒れてる どういうことだ?」

女6「恥ずかしいところ見られた女が騒いで男かビンタしまくったらこうなった やれやれ...私はボランティアじゃ無いんだけど...」

一旦切ります

~校長室~

美少女母「もう何回この流れを経験したんだろうな...流石の私でもこればかりは覚えられんよ...しかし、今回はいつも傍観に徹していた君が本腰を入れたんだ 私も最善を尽くさせてもらう」

トントン

美少女母「はい どうぞ~」

女2「失礼します」

美少女母「あら~女2じゃない~ 何の用かしら~」

女2「いえ 特別なことではないのですが...今日、家のポストに私宛ての手紙がありまして...中身を見てたら白紙なんです そして、この手紙の差出人が校長先生だったので...何か知ってるかなと思いまして」

美少女母「私が貴女に手紙を? 出した覚えが無いんだけどな~ 悪いけど詳しく見せてもらえる?」

女2「はい、こちらです」スッ

美少女母「どれどれ~ ...これは!?」

女2「何か書いてあったのですか?」

美少女母「いえ...驚く程真っ白だな~って思ってね~ つい声を荒らげちゃったわ~ うーん 特に変わった所は無いわね~ また何かわかったら教えるわ~ ありがとね~」

女2「は、はぁ...それでは失礼します」

ガチャ バタン

美少女母「...特殊な神力で文字を書き、私を差出人にすることで自分から持ってくるようにした これなら記憶が無くても問題が無いな 前々から不思議に思っていたが...やはりそうだったか... 疑惑が確信に変わったよ...やれやれ 味な真似をしてくれる この時代の君はあの子か...次はどんな形で私の前に現れるのかね...楽しみだよ」

美少女母「さてと...いい加減積もりに積もった仕事を終わらせましょうかね~ またアマちゃんに怒られちゃうし~」

担任「おい 母さん ビックニュースだぞ」

美少女母「噂をすれば影ね...ノックぐらいしてよ~ で、何なの?ビックニュースって」

担任「男5がな 私と今度の休みに遊園地に行くんだよ」

美少女母「...えっ? それがどうしてビックニュースなの? アマちゃんが遊園地好きなのは知ってるし、しょっちゅう誰かと一緒に行ってるじゃない~」

担任「違うんだよ 今回はな」

美少女母「...あっ もしかして...えっ? でも違うわよね...」

担任「多分それで合ってるぞ」

美少女母「えっ...嘘でしょ~ あのクシちゃん一筋のスサちゃんが...本当に? 他の人も一緒じゃないの?」

担任「ああ 2人っきりだ」

美少女母「おめでと~ 良かったじゃない~ アプローチがやっと通じたのね~よく愚痴を聞かされていた身としては喜ばしいことよ~ 今日は赤飯にする?」

担任「いやいやそこまでする程じゃないよ」

美少女母「照れちゃって~ このこの~」ツンツン

~公園~

美少女「女の小遣いを返す条件に先生とデートすることになった!? どうしてそんなことに...」

男5「俺が殴られてからアマ姉さんの機嫌が途端に悪くなったからさ...軽い気持ちで姉さんの小遣いを返すのを条件に今度の休みに夫として遊園地でデートしようって言ってみたんだ そしたらアマ姉さん大喜びでさ...二つ返事した後で母さんの所に走っていったよ...」

女「すまないな...私なんかのために...」

男5「いいんだよ 家族内でギクシャクしてるのは俺も不本意だったからな...でもまさかあそこまで喜ぶとは思わなかったが...」

メイド「アマテラス様は叔父さんのこと、弟とも夫とも思ってるからな~ 最近、構ってあげなかったからその分嬉しかったんじゃない?」

女4「そういえばこの前、喫茶店に先生が来たんだけど その時、マスターに夫がどうたらとか言ってたような...」

男「欲求不満だったんだろうね...そんな時にお前の方から誘いが来たんだ 喜ばない訳がないだろ」

女「最近やたらと酒飲んでたもんな 姉さんは堅いから酔わなきゃお前に甘えられなかったんだろ でも、大抵は私が身代わりになっていたがな...」

男7「因みに叔母様の今度の休みはいつなのですか?」

男5「今週の日曜だよ わざわざ剣道部休むって連絡入れたしな...」

男「でも今週の日曜って確か雨だったような...」

美少女「先生のことだから神力使って晴れにするでしょ」

男「ああ...太陽神だもんな...あり得る」

女「じゃあお前ら...万が一 姉さんが変な気を犯さないように遠くから見守ってくれないか?」

美少女「えっ? どうして私達なの? 女も一緒に来ればいいじゃない」

女「馬鹿 身内が居たら怪しむだろ お前達なら恋人同士だし居たって別に変じゃないだろ?適任だよ 何故かわからないけどあの遊園地、土日祝日はカップル割とかいうのがあるらしくてな...今となっては狙ったのかとしか思えんよ...」

女4「もしも誘われたとしてもちょうどいい日にするためだったりして...」

メイド「流石にそれは考え過ぎじゃ...」

一旦切ります

~数日後 遊園地~

男「来たはいいけど...」

美少女「どうして父さん達も居るの?」

男父「それはこっちの台詞だよ 何でお前達がここに居るんだ?」

男母「私達は今日がこの入場券の有効期限だったから来たんだけど...」

男「そういえばくじ引きでそんなの引いたとか言ってたね...忘れてたよ あれ?妹達は?」

男父「家で留守番してるよ で、お前達はどうしてここに居るんだ?」

美少女「リア充が遊園地に来るのに理由が必要? 遊ぶために決まってるでしょ」

男母「そう てっきり他の用があって来たのかと思ったんだけど...」

男「そ、そういえば今日は雨って予報だったのによく晴れたよね 昨日までは凄い雷雨だったのに」

男父「そうだな...神力でも使わなきゃこんなことにならないが....まさかあいつがそんなことをする筈も無いしな」

美少女「ねぇ、男 さっきから探してるんだけど 先生の姿が見えないよ 先生って背が高いからすぐ見つかると思ったんだけど...」ヒソヒソ

男「えっ!? じゃあ、あそこに居る男5の隣の綺麗な人は誰だ?」ヒソヒソ

美少女「お母さんを若くしたような風貌...まさか...」ヒソヒソ

男5「ね、姉さん...幾ら身内バレしたくないとはいえ...そんな若い見た目でいいのか?」

担任「だってこうしないとカップルって言えないだろ それに...今日の私はお前の妻だからな ちゃんとエスコートしてくれよ?」

男5「はいはい...じゃあ行こうかね...あっ、なんて呼ぼうか 流石に姉さんは良くないだろ?」

担任「そうだな...じゃあ今日だけ特別だ アマちゃんと呼んでくれ」

男5「母さんが呼んでる呼び方じゃないか...わかったよ アマちゃん」

男5(男達...ちゃんと来てくれているだろうか...一応メール来てないか確認してみるか...あっ、やっぱり来てる)

担任「どうした?携帯なんか見て」

男5「い、いや...姉さんからお土産何買って欲しいかメール送ったんだよ」

担任「お土産なんて帰りに適当に買えばいいだろ...」

男「まさか母さん達が居るとはな...おっ?男5からメールが返ってきた ...やっぱり先生の見た目、いつもと違うらしい」

美少女「あの人が先生なんだ...で、今は何処に居るの?」

男「なんでも食べ物を買いに走ってるらしい...先生は近くにあるアトラクションに乗るために並んでいるとか」

美少女「ふーん じゃあ順番に探してみようか」

男4「あっ、男! それに会長も ヨルム見なかったか?」

男「男4...お前も来てたのか」

女3「ヨルムが遊びに行きたいって駄々捏ねたからね...女2にヨルムを見ているように頼んだら女2共々どっか行っちゃって 探してるのよ」

美少女「電話したの?」

男4「あいつ...持ってるの忘れたんだよ だから電話掛けても出ないんだ」

男「マジかよ...」

一旦切ります

男4「迷子の呼び出しをしようか悩んだが あいつの名前、結構変わってるからさ 呼び出されたら恥ずかしいだろ?」

美少女「まぁ...子供の名前にしては変わり過ぎてるね キラキラネームもびっくりだよ」

女3「もし2人を見つけたら電話して 私達は向こうに行くから」

男「おう わかった」

タタタタタッ

美少女「先生だけでなく女2も探す羽目になるとはね...今日は厄日かな」

男「愚痴るなよ 人探しくらいどうということ無いだろ お昼に沢山奢ってあげるからさ」

美少女「本当!? よっしゃやる気出て来た さっさと探すよ」

男(食べ物関連になるとすぐ元気になるな...まぁそこが可愛いんだけど)

男父「さて母さん...何処に行こうか」

男母「うーん...じゃあ、あそこに見えるお化け屋敷にしましょ」

男父「お化け屋敷か...あまり好きじゃないんだけどな...ん?あそこでうろうろしてるのは女2じゃないか 今日は知り合いによく会うな...どうしたお前 誰か探してるみたいだけど...」

女2「あっ、オーディン様 それにフリッグ様も ロキ様を探しているのです はぐれてしまって...」

ヨルム「女2お姉ちゃん...この人、怖い...」プルプル

男母「お父さん、強面だからねー よく小さい子に怖がられるから迂闊に近寄ったら駄目よ あれ?よく見たらその子、ヨルムンガンドじゃない どうしてここに?」

女2「話をすると長くなるのですが...この子はこの世界のヨルムンガンドじゃないのです」

男父「違う世界のヨルムンガンド? どういうことだ?」

ヨルム「ひぃ...」プルプル

男母「ほら、顔見せない お父さんとも初対面のようだし本当みたいね...それで、ロキを探してるんだっけ?携帯は?」

女2「家に忘れてしまいました...」

一旦切ります

男父「...もしもし 今何処だ 女2がお前を探しているぞ ...ああ、そいつも居る 場所はお化け屋敷前だ すぐに来い」

ピッ

男父「場所を伝えておいた すぐに来るだろう」

女2「ご迷惑をお掛けして申し訳ございません...」

男母「これくらい気にしない こんなに広いんだから迷子になるなんてよくあるわ」

男4「あっ、居た 女2、探したぞ 何処をほっつき歩いてたんだ じっとしてろって言っただろ」

女2「それは...」

ヨルム「私がトイレ行きたくなったからついてもらったの お姉ちゃんは悪くないよ」

女3「そういえば朝、沢山水飲んでたもんね...トイレ行きたくなっても仕方ないか...」

男母「急いで行ったんでしょ あなた達を待ってたら漏らしてたから そうでしょ?」

女2「ええ...その通りです...」

男父「で、その間お前らは何処行ってたんだ? 女2 1人に小さい子任せて」

男4「フリーパス取りに行ってたんだよ...」

男父「なら、2人で行く必要は無いだろ これからはこんなことにならないように気を付けろ 女2も遊園地に行くなら携帯を忘れるな 今回は偶然私達に会えたからまだ大事には至らなかったが...」

男母「そこまでにしてあげて みんな反省してるし」

男父「じゃあ最後に1つだけ言わせてくれ このことを無かったことにするくらい、今日は楽しめ わかったな」

女3「はい ありがとうございました ほら、あなたも」

男4「助かったよ また迷惑を掛けちまったな」

男父「これからは気をつけてくれればそれでいい そろそろ行け」

男4「ああ 行くぞお前ら」

女2「本当にありがとうございました それではこれで」

スタスタスタスタ

男母「珍しいわね あなたが本気で怒るなんて」

男父「あいつらの姿を見ていたら昔の自分を思い出してな...」

男母「バルドルが大怪我をした時のこと?」

男父「ああ あの状況は私が目を離していなければ起こらなかった 不注意だったよ...だからあいつらもそんなことを起こさないか心配なんだ」

男母「気にし過ぎよ 大丈夫 あの子達ならきっとね ほら、そろそろ私達も入りましょお化け屋敷」

男父「...途中で逃げたらすまん」

男母「あなたは昔からこういうのに耐性無いものね...」

~レストラン~

美少女「すみません クリームパスタとオムライス2つ」

男「それで何回目だ?おかわりするの」

美少女「多分7回目かな」

男「はぁ...君はブラックホールかよ わかってはいたけどさ」

美少女「ところで...いいの? こんなに食べて お金払える?」

男「女に渡されていたからな 昼食代 どうせ沢山食うだろうって」

美少女「早過ぎる昼食だね...自分で言うのもなんだけど」

男「僕達が何の為にここに来たのかを忘れないでくれよ ...どうやら男5達もこのレストランに居るらしい 今メールが来た」

美少女「嘘!? おかわり頼んじゃったよ」

男「あまり目立たないようにしてくれよ...でも、こんなに食べてたらもう手遅れか...」


担任「なぁ あそこに居るのって男と美少女じゃないか?」

男5「何言ってんだよ よく食べる人なんて何処にでも居るだろ それにどうしてあの2人がここに居るんだよ 勉強一筋のあいつらが 他人の空似だろ」

担任「そうかね...女性であんなに食べるのは美少女くらいだと思うんだが...私の考え過ぎか」

一旦切ります

男5(不味いな...姉さんも薄々勘付いている...違う話題にしないと...)

男5「あっ、そういえばアマちゃん 最近、ホームセンターとかスーパーとか行ってないんだけどあいつらの調子はどうだった?」

担任「元気そうだったよ この前、アマノホヒが学校に来てたしな」

男5「マジか 教えてくれれば会いに行ったのに...どうして教えてくれなかったんだ?」

担任「あいつがお前を呼ぶなって言ってな...」

男5「大分会わないうちに嫌われちまったかぁ...はぁ...」

担任「いや、そういう訳じゃないぞ 事情が事情だったからな」

ウエイター「お待たせ致しました シーフードピザです それではごゆっくりどうぞ」

スタスタスタ

担任「お、おい スサ君」

男5「何その呼び方...男5でいいだろ」

担任「夫婦でその呼び方は変だろ それより今のウエイター、見たか?」

男5「ん?普通の人だっただろ?」

担任「あれ、どう見てもツクヨミだったろ 神の姿だったけど」

男5「アマちゃん...疲れてないか? 男と美少女の次は姉さんかよ...今日はもう帰るか?」

担任「つ、疲れてない 本当だって」アセアセ

~~~

ウエイター「どうやら誤魔化せているようだな...」

男「まさかお前がこんな所に居るとはな...女」

ウエイター「神力使えばこんなこと余裕だよ それより美少女...食い過ぎだぞ さっき姉さんが気付きかけたぞ」

美少女「だってこれ美味しいんだもん...」

一旦切ります

男「それより女 お前がここに居るということは...他にも誰かスタッフに混じっているのか?」

ウエイター「鋭いなお前 その通りだよ 受付通ったろ?あそこに居たのが女だ」

美少女「えっ!? あれ、メイドさんなの? 気付かなかった...見た目全然違うし...」モグモグ

ウエイター「まぁ、容姿変えろって言っておいたからな 言われなきゃ気付かないだろう おっと、いつまでもここに居たら怪しまれるな そろそろ戻るとするよ それじゃあな」

スタスタスタ

男「ひょっとしてここ...僕達の知ってる人、沢山居るんじゃないか? 女に頼まれてメイドさんが居るんだし、他にも居そうだぞ」

美少女「その可能性は充分あるね 私達は遠くからあの2人を見てるのが役割だけど ご馳走様」コトッ

男「相変わらず食べる速さが尋常じゃないなぁ...」

~お化け屋敷前~

男父「まだ足が震えている...」ガクガク

男母「おばけ嫌い克服したって言ってなかった? もしかしてあれは嘘だったの?」

男父「いざという時は我慢できるようになったとは言ったよ...だがあそこまで作り込まれているとな...少々きつい」

男母「それでも主神? 男やバルドルに見られたら笑われちゃうわよ?」

男父「そういうけどなぁ...お前だって高い所苦手だろ あれの何処が駄目なんだよ」

男母「私はいいの あなたが守ってくれるから」

男父「何だそれ...それで次は何処に行くんだ? まだ昼にするには早いし もう1つ行けるだろ?」

男母「そうね...じゃあ今度は劇見ましょ すぐそこにあるからそこまで歩く必要は無いわ」

男父「どれどれ...おい、これ子供向けの奴じゃないか?」

男母「いいじゃない 人気なのよ?早めに行かないと席取れないらしいし」

男父「やけに詳しいな...調べたのか?」

男母「ちょっとね」

~ステージ~

ガヤガヤ ワイワイ

男父「10分前なのにこんなに人が多いとは...しかも子供連れだけじゃなく若い人も沢山居るぞ」

男母「遅く来過ぎたわね...1時間前ならもっとゆとりを持って座れたのに...」

男父「そんなに人気なのか!? これ」

男母「さっき言ったじゃない 人気だって」

男父「ここまでとは思わなかったんだ...部活に専念して世間に対して疎かになっているからか? 最近の若者の趣味の傾向がさっぱりわからん」

『あの...すみません もう少し詰めてもらえますか?』

男父「ああ 失礼 母さん、もう少し奥行ってくれ」

男母「了解 ちょっときついけどね...」

担任「ありがとうございます」

男5(おいおい...何でこの人達がここに居るんだ? 姉さんが頼んだ訳でもないし...今の所は気付いてないだろうけど俺を見たら絶対わかるだろうな...あまり視線を送らないようにしよっと)

男父「...ん?もしかして男5か?」

男5(速攻バレたァァァァァァ 速過ぎだろォォォォォォ)

男5「えっ?もしかして先生? 奇遇ですねこんな所で会うなんて」

男母「妙に声が震えてるけど...もしかして気付かれたくなかった?」

男5「い、いえ 別に」

男父「ところで...さっきから顔を背けているそちらの女性は誰だ?見たことないな」

担任「わ、私のことはお気になさらず」

男母「何処かで聞いたことがある声ね...さっき話しかけられた時も不思議に思ったんだけど...」

担任「そ、そうですか?」

男5(姉さん...誤魔化しきれてないぞ...ここはフォローしないと...)

男5「この人は俺の女友達のアマちゃんっていうんだよ 結構人見知りなんだよ」

担任「いいえ 妻です」キリッ

男5(何言ってんのォォォ それ、姉さんって遠回しに言ってるようなもんだろォォォォォォ)

男父「今、妻って聞こえたけど...気のせいだよな クシナダさんは高天原だし...」

男母「ほら、よく居るじゃない 結婚を前提に付き合ってるって それじゃない? 女友達にしては腕を組むほど親しい訳だし」

男5(い、いつの間に腕組まれてる!)

担任(スサ君、聞こえるか? この席はマズい そのうち私が誰かバレてしまう 頃合いを見計らって違うところに行くとしよう)

男5(結局、その呼び方なのね...わかったよ)

担任「...トイレ 一緒に来て」

男5「と、トイレ!? 仕方ないな もうすぐ始まるんだけど...」

男父「荷物置いてくなら見てようか?」

男5「い、いえ お気遣いなく 席空けるので 」

スタスタスタ

男父「...母さん 撮ったか?」

男母「ええ 勿論よ バッチリ残ってるわ」

男父「私達を欺こうとするにはまだまだだな アマテラス あんな見た目にしても神力出しっ放しならすぐわかるだろ 明日が楽しみだな」

男母「お父さんも悪いわねー わざと気付かないふりをするなんて」

男父「反応が気になったからな 母さんもノリノリだったじゃないか」

男母「そりゃいつもはクールなあの人があんな言動を取るなんて思わなかったからね...年甲斐も無く興奮しちゃったわ」

男父「帰ったら男達にも見せてやろうか それ」

男母「いいえ やめておきましょ 私達だけならまだしも男達まで弄ったら泣いちゃうわよ きっと」

男父「それもそうか...じゃあ止しておこう」


男「父さん達が先生をおちょくった件についてどう思われますか?美少女さん」

美少女「誠に遺憾である」ニコニコ

男「表情と言葉が一致して無いんですが...それより追いかけないのか?」

美少女「大丈夫でしょ すぐそこに移動したし」

男「さっきの男5は凄かったな...冷や汗出しっ放しだったよ...」

美少女「2つ後ろに私達が居ることに気付いてなかったしね...まさか父さん達が座るとは思わなかったけど」

男「しかし...先生もついてないなぁ...移動した先の席、隣は男4達だぞ?」

美少女「どうなるかは火を見るよりも明らかだね」


男5 タラタラ

男4 タラタラ

2人((き、気不味い...))

男5(何で移動した先にお前ら居んだよ 移動した意味ないだろうが)

男4(男に会った時点で何となくそんな気はしたがお前も居たのかよ というか、隣の女の人誰だよ 気になるだろ)

女3「あ、あの...」

担任「は、はい 何でしょう」

女3「これ...使いますか? お尻汚れちゃいますし...」

担任「あ、ありがとうございます」

女2「なぁ お前 男5だよな 隣の人 誰だ?」

男4「何言ってんのお前 ぶっ殺すよ?」

女3「こらあなた ヨルムの前でそんな言葉遣いは駄目でしょ」

男4「し、しかしな...」

男5(はぁ...今日はついてないな 先生だけでなくこいつらにまで遭遇するとは...姉さんは大丈夫なのか...)

担任「...ん? どうした?」

男5(あっ、思ったより大丈夫っぽい)

女2「おーい 聞こえるかー 隣の女の人は誰だと尋ねてるんだ 答えろ」

男4「うるさいぞ 女2 話しかけられたくないんだろ 黙ってろよ」ヒソヒソ

女2「そう言いますが...気になります」ヒソヒソ

男4「俺だって気になるわ でもあっち見ろ 明らかに顔背けてるだろ 察してやれ」ヒソヒソ

女3「間に私が居ること忘れないで欲しいんだけど...」

ヨルム「ねぇ ママ ぶっ殺すってどういう意味?」

女3「あなた! ヨルムに悪影響与えちゃったじゃない どうするのよ!」

男4「わ、悪かったって...」

男5(こいつも大変だな...色々と 姉さんだって気付かれてないし このままでも大丈夫か)

担任「...なぁ」ツンツン ヒソヒソ

男5「ん?どうした?」ヒソヒソ

担任「こいつら、見てて面白い」ヒソヒソ

男5「面白がるなよ...あいつも大変だよ」ヒソヒソ

担任「そういうけど...さっきから笑い堪えるのが大変なんだよ」プルプル ヒソヒソ

男5「おい 絶対笑うなよ もうすぐショーが始まるし」ヒソヒソ

担任「努力はするが...約束は出来んな...」プルプル

アナウンス『大変長らくお待たせしました もうすぐショーが始まります もう暫くお待ち下さい』

担任「...この声 女4じゃないか?」

男5「そんな訳ないだろ あいつ、今日もバイトやってるって」

担任「そうかな...」

男4(絶対女4だろ...声色変えてるけど何となくわかるぞ)

~数分後~

男父「なかなか面白かったな 母さん」

男母「そうね でも進行役のお姉さんを見た時は驚いたわね 勇者でしょ?あの人」

男父「ああ...あの緑髪は間違いなく勇者だ あいつ、こんな所でもバイトやってたんだな...知らなかったよ」


男「おいおい...何で勇者まで居るんだよ 女が頼んだからだろうけど...あんな目立つ立ち位置で良かったのか?妙に慣れてたし」

美少女「最初は恥ずかしがってたよね...服装が結構露出高いものだったからかな でも最後ら辺になってくるともう堂々としてたね」

男「それにしても...用意周到過ぎないか? 男5がデートするって決まったの昨日だよな それにしてはこんなに知り合いをあちこちで見かけるとは...下手なドッキリより凄いぞ」

美少女「もしかして...お母さんが携わってるんじゃない?」

男「校長先生が? ...あり得るな あの人ならやりかねん...」

美少女「もしかしたらお父さんや妹達も居たりして...」

男「まさかね...流石にそれはあり得ないって」

美少女「あっ、先生達が移動するよ」


担任「今日はやけに顔見知りと会うな...スサ君 私に隠し事してないか?」

男5「する訳ないだろ 俺も不思議に思ってるって」

担任「そうか?昨日、お前が私を誘った時から腑に落ちなかったんだよな...前々から私を嵌めようと計画してたんじゃないかと思えてきてさ...」

男5「ドッキリを仕掛けるにしてもこんな大掛かりなこと、俺が出来ると思うか? 母さんじゃあるまいし...」

担任「もしかして...母さんが何処かから見てたりしないよな?」キョロキョロ

男5「流石にそれは考え過ぎだろ...」

~警備員室~

美少女母「ふふ 慌ててるわね~ アマちゃん 知り合いをこんなに見かけるとは思わなかったでしょ~」

美少女父「いいのか?母さん こんなことして...偶にはゆっくりさせてやるのも...」

美少女母「甘いわね お父さん 私がこんな良い機会をみすみす逃す訳がないじゃない この日の為にあの2人がクジ引きで入場券を引くように仕向けたし、男4達にここに来させるようにCMを多めに流したのよ?それでやっぱりやめにするとか白けるようなこと出来ないわよ~」

美少女父「まるで今日、あいつらが此処に来るとわかってたかのような口振りだな...相変わらず勘が冴えてるよ」

美少女母「私を舐めないで欲しいわね 物事を予測して行動出来ないと校長は務まらないわよ さて...次はどうしようかな~」

美少女父(その情熱を仕事にも注いで欲しいのだが...)

~ジェットコースター乗り場~

男「やっぱりここに来ちゃうか...はぁ...」

美少女「あっ、そっか ジェットコースター苦手だったね」

男「あの心臓が持ち上げられるような感覚がどうも苦手でね...言わなくてもわかるか」

美少女「うん 今はもう平気になったけどその気持ちはわからなくもないよ」

男「さっきから男5の顔色が悪いが...あいつもそうか?」


男5「なぁ...やっぱりよそう 危ないって」

担任「こういうのだから良いんだろ 昔は楽しんでたじゃないか」

男5「昔はな...あの頃はまだ大丈夫だったよ...だが今は違うんだ」

担任「何が違うんだよ...」

男5「あのGって奴がな...強過ぎるんだ 今の奴は」

担任「それが醍醐味だろうが むしろそれを否定するのは寿司食べるのにネタが無いのと同じだぞ 酢飯だけ食べるようなものだ 観念しろ」

男5「えぇ...嫌だなぁ...」

~ジェットコースター~

男5「うわっ...もうてっぺんまで来たよ...終わったな 俺の人生...」

担任「何言ってんだ 来るぞ」

ゴオオオオオオオオ

男5「うぉぉぉぉぉぉぉぉ つ、強い...意識が持ってかれる...」

担任「えっ?なんて言った?聞こえんぞ」

男「ヒィィィィィィィ 怖いよォォォォォォ」

美少女「我慢して あともう少しだから」

男「で、出来るかァァァァァァァァ」

担任「ほら、カメラあるぞ」

男5「えっ?こ、こうか?」

担任「...うーん まあまあの表情じゃないか?」

男5「何で冷静なんだよぉぉぉぉぉぉ」

美少女「男! 男! ...駄目だ 白目向いちゃってる」

男5「ふぅ...やっと終わる...」

担任「ん?待て 今、看板が見たんだが もう一周するキャンペーンがやってるらしいぞ」

男5「ハァァァァァァ!? ふざけんなよ もう一周とかやってられるか」

男「う、うーん 終わったのか?」

美少女「残念 もう一回だよ」

男「えっ?もう一回? ...何か見覚えがある景色が見えるんだけど...」

美少女「はい ご明察の通り 落ちます」

男「ギャァァァァァァァ や、やばい 今度こそ死ぬよこれ...」

~~~

男「」

美少女「あらら...完全に気絶してる...救護室あるかな...」


男5「ひ、酷い目に遭ったな...まさか2周するとは...」

担任「そうか?結構面白かったぞ ほら、写真」

男5(この俺の後ろに写ってるの男だよな...何か後ろがうるさかったんだがあれ、あいつが叫んでたのか...白目向いてるし...)

担任「お前...怖がってた割には写真映りは良いな 日頃撮ってるからか?」

男5「そうかもしれんな...」

一旦切ります

男5が誘ったのは数日前だろ...なに昨日って書いてんだ俺...

~救護室~

美少女「男...あともう少しだからね...すみませーん 誰か居ますかー」

「はい どうしましたか?」

美少女「あの...連れが具合悪くなって...ん?女6?」

救護スタッフ「いいえ しがない救護スタッフです」

美少女「どう見ても女6だよね ちょっと見た目違うけど神力一緒だし」

救護スタッフ「人違いですよ それでお連れの方の具合が悪いと言われましたよね?」

美少女「あくまでも違うって言い通すんだ...うん ジェットコースターに乗ったら2周して...さっきからずっとこの調子なんだよ」

救護スタッフ「イザナミの毒牙にかかったか...」

美少女「やっぱり女6だよね お母さんをそう呼ぶし」

救護スタッフ「否定する気力すら出ないな...はぁ...こういう後始末はどうして私がやらされるのかね...」パチン

男「...うぅ 気持ち悪い...ここは?」

美少女「男! 目が覚めたんだね」

男「冥界の三途の川が見えたんだけど いきなり誰かに背中を引っ張られたんだよ」

救護スタッフ「流石に全快とまではいかなかったか...まぁ、そのまま横になってたらすぐに治るでしょう じっとして居なさい」

美少女「お医者さんの言いつけだからね 男、横にならなきゃ駄目みたいだよ」

男「その格好で誰だかわからなかったけど神の姿の女6か 君も女に頼まれたのか?」

救護室スタッフ「いや、私は違う」

美少女「遂に認めちゃったよ...やるなら最後までやり切ってよね」

救護室スタッフ「こんな茶番に付き合わされる身にもなってみろ 本当なら今日は家でゆっくりしていたはずなんだぞ 唯一の休日がこんな形で潰されるなんて...」

美少女「院長と学生の二足のわらじ履いてるもんね...」

~観覧車前~

担任「ったく...スサ君め...トイレに行きたいからって私を1人にさせるとは...」

エーンエーン

担任「ん?泣いてる声が聞こえるな...あんな所に小さい子が...どうしたの?お母さんとお父さんとはぐれちゃった?」

「うん...」グスッ

担任「お名前は?」

女童「...女童」

担任(随分と古風な名前だな...)

担任「そっか 女童ちゃんって言うんだ お父さんとお母さんってどんな感じか教えてくれる?見つけられるかもしれないから」

女童「お姉ちゃん...探してくれるの?」

担任「勿論だよ こんな所に一人きりなんて危ないからね」

女童「お母さんはね...とっても優しいんだ でも怒ると怖いの」

担任「へぇー そうなんだー」

担任(違う...私はどんな見た目なのか知りたいんだよ...)

女童「お姉ちゃんのお母さんはどんな人なの?」

担任「えっ?私の? そうだね...いつものほほんとしてよく仕事をサボって目を離せばすぐ居なくなるし 何をしでかすかわからなくて... でもやる時はちゃんとやる そういう所はキッチリしてて誇りの母さんだよ 今年の母の日に贈り物を送れなかったのが心残りかな...あっ、こんなことを言ってもわからないか ごめんね」

女童「どういう意味かはわからなかったけど話をしている時のお姉ちゃんの顔、笑ってたよ?」

担任「笑ってた?私が?」

女童「うん そうだよ ...あっ、お母さんとお父さんだー」

女童母「こら、1人で何処か行かないって言ったでしょ すみませんね...ご迷惑をお掛けして...」

女童父「本当にありがとうございます 娘の側に居て下さって ほら、お礼言いなさい」

女童「ありがとう お姉ちゃん」

担任「今度は1人にならないように気をつけてね」

女童「うん それじゃあね~ アマちゃん」

スタスタスタスタ

担任「ふぅ...無事見つかって良かった...ん?私、あの子に自分の名前名乗ったっけ? しかもアマちゃんって...まさかあの子!?」

~~~

女童母「まったく...こういうことに私を付き合わせないでくれよ イザナミ」

ピカッ

美少女母「アマちゃんが日頃私に対してどう思ってるのか気になってね~ ありがとうね エイル 私の芝居の為に抜き出してくれて」

女童父「僕はこういうことならいつでも言ってれれば引き受けますけどね」

美少女母「貴方も忙しい時期に悪いわね~ 次期閻魔の教育で大変なのにわざわざ呼び出したりして~」

閻魔「別に大丈夫ですよ 今は補佐君が主に教えていますから」

女6「なぁ、私はもう帰っていいんだよな? これ以上は居なくてもいいんだろ?」

美少女母「ええ 大丈夫よ~ 貴重な休日を潰してごめんね~」

女6「わかってるならやるなよ...それじゃあな」

スタスタスタ

閻魔「それじゃあ僕も戻るとしますよ」

美少女母「帰る前に寄ったら?弟君の所」

閻魔「あいつに会いに行くような用は無いですよ どうせ今も何処かで女性にお茶しようとか声掛けてるでしょう」

美少女母「彼ならあり得るわね~」

閻魔「昔からそういう奴ですから...神の面汚しですよ...それでは僕もこれで 失礼します」

美少女母「ありがとね~」

~観覧車前~

男5「えっ!? 母さんに会った?」

担任「ああ...しかも小さい子に姿を変えてな...まんまと騙されたよ...」

男5「母さんは変装が得意だもんなぁ...気付けなくても仕方ないよ」

担任「問題なのは言った内容だ 母さんだと気付いていたらあんなことは言わなかった...恥ずかしくて顔から火が出そうだよ...」

男5「なんて言ったんだ?」

担任「やる時はちゃんとやる誇りの母親って言ったんだ...まさか本人が目の前に居たとは...くっ...」

一旦切ります

男5「いつも言いそびれていたことじゃないか あれだけ言いたがってたのに言ったら言ったでくよくよするのかよ」

担任「あんな形で言いたくはなかった...もっと正式な場で...きちんとした形で言いたかったのに...」

男5「...バカ」コツン

担任「痛っ 何すんだよ」

男5「伝える形なんてどうでもいいだろ 問題なのはその想いがちゃんと母さんに伝わったかどうか そうだろ? あんな性格でも俺達を産んでくれた母さんであることには変わらないんだからな 明日になればわかるだろ 嫌でも顔合わせるんだからさ」

担任「実は明日、学校行くの辞めようかと思ってるんだが...」

男5「逃げんじゃねーよ 俺の妻を名乗りたいんだったら自分の言ったことがどんな結果をもたらすであれ、ちゃんと見届けろ わかったな」

担任「...わかった」

男5「じゃあ乗ろうか 観覧車 最後に乗ることは前以て決めていたからな」

~観覧車~

担任「こんな形でデートさせるなんて卑怯だよな...私って」

男5「そもそもの言い出しっぺは俺だからアマちゃんは悪くないさ それに姉さんが暴力的なのも事実だしな いいお灸になったろ 悪くなかったぜ?今日こうして過ごしたの 邪魔が途中で入ったこともあったが」

担任「...私が子供を産んだ理由、知ってるか?」

男5「そりゃ子供達に罪は無いからじゃ...」

担任「あれは表向きの理由だ 本当は...その...」

男5「モジモジすんなよ 言うならはっきり言ってくれ」

担任「す...好きな人との間に出来た子供だったからだ 間違ってると思うが...私はお前のことを愛している 弟としてではなく...異性として...それもお前に酔った勢いで行為をされる以前から...だからあんな形だったとはいえ嬉しかったんだ...」

男5「し、知らなかった...いつもツンケンな態度されてるからてっきりクシナダとの対抗意識の為にやってるのかと思ったんだが..

担任「それだけの為にあそこまでの行為は出来んよ... 本当は優しく接したいんだが...いざ目の前にすると心が意地悪になって...」

男5「大丈夫だ 無理に言葉にしなくていい 充分伝わったよ」

一旦切ります

担任「で、でも...」

男5「俺はさ、アマちゃん 姉さんとして尊敬してるし奥さんとして愛してるんだよ でもな、この想いは完全に伝えることは出来ない 幾ら言葉を並べてもそれは俺の本心を完璧に表現出来ないんだよ こんな不甲斐ない俺をいつも支えてくれていることは感謝してもし尽くせないんだ」

担任「じ、じゃあさ...行動で表して欲しいな 私を愛してるってこと」

男5「こ、ここでか? ...おほん じゃあ行くぞ...」

チュッ

担任「不束者ですがこれからもよろしくお願いします」

男5「こちらこそよろしくお願いします」

リアジュウバクハツシロー

男5「おい、誰だ 今変なこと言った奴」

男「美少女 抑えて抑えて どうどう」

美少女「これが抑えられるか いきなりキスしやがって...こうなったら男 私達もするよ!」

男「えぇ...あの...もっと雰囲気作ってからそういうのはするんじゃ...」

美少女「問答無用!」

チュッ

男(もしこれを誰かに見られてたら死ねる というか死ぬしかない...)

美少女(やりたかったんだよねー 観覧車の中でキスするの)

~観覧車乗り場~

男「乗りるまでずっとする羽目になるとは思わなかったんだけど...」

美少女「いいじゃない いい思い出になったって」

女「いや~ お疲れさん」

男「女 その見た目ということはもういいのか?」

女「ああ もう姉さん達も帰るみたいだしな 撤退だ 最後にいい写真も撮れたしな」

男「ま、まさか...見てたのか?」

女「キスする瞬間から辞める時まで一部始終見てました テヘッ」

美少女「男の顔色がどんどん悪くなっていく...そんなにショックだった?」

男「一思いにやってくれ...もうお婿に行けない...」ズーン

女「いや、お前はどちらかといえば嫁がれる側だろ」

~女の家~

担任「さて...ツクヨミ 色々お前に聞きたいことがあるが...まず第一にお前、遊園地居たよな」

女「私が肯定しても否定しても慈悲が無いんですが...正座させられてる上に漬物石乗せられてるんですけど...何これ罰ゲーム?」

担任「答えろ 居たよな」

女「居ません ずっと家でゴロゴロしてました」

担任「神の姿で居たのはもうわかってるんだ 勇者や女4も巻き込んだだろ」

女「いいえ 私はやってません」

担任「強情だな...じゃあ母さんを小さい子にしてわざと私に話しかけたのもお前の仕業か?」

女「何それ 私、そんなの知らないんだけど」

担任「やはり母さんとお前は繋がってなかったみたいだな...じゃあ最後の質問だ 私達が観覧車でキスした後にリア充爆発しろって言ったのはお前か?」

女「それは美少女だよ ...あっ」

男5「最後の最後でボロを出しちゃったな 姉さん...」

女「男5 お前、まさか...」

男5「すまん姉さん 姉さん達が俺達を遠くから見てたこと 帰りに言っちゃったよ」

担任「スサ君は特別に許したが...首謀者であるお前は許すつもりは無い 人のデートの邪魔しやがって...」

女「邪魔をする気は無かったんだ 遠くからそーっと見守ってただけなんだよ 私は何も...」

男「ごめん女 先生が怖くてお前に頼まれて後ろから尾行してたこと言っちゃった」

美少女「ごめんね テヘッ」

担任「そういうことだ 仮にお前がボロを出さなかったとしても既に詰みだったんだよ」

女「お、お前ら...揃いに揃って私を嵌めやがったなァァァァァァァァ」

担任「口が効けないくらいの罰をお前に与えてやる 覚悟しろ」

女「ふ、ふん もう何を言われても私は動じないからな」

担任「それじゃあこれを男達に見てもらおう お前が幽閉されていた頃、私がゲームの差し入れをした時のことを撮ったものだ」

女「今更そんなもの見せたって...」

カチッ

ツクヨミ『えへへ...凄い? もっと褒めてー お姉ちゃん』

カチッ

女「あ、ああ...」ワナワナ

担任「どうやら思い出したようだな あの時お前は私に褒められてデレデレになっていたんだ その一部始終を撮ったものがこれだ」

女「や、辞めてくれ...お願いだ...」プルプル

男「是非とも続きを聞かせて欲しいものですな なぁ、美少女さん」ニヤニヤ

美少女「そうですね だって私達は女とは長い付き合いですから お互い隠し事は無しってことで」ニヤニヤ

男5「姉さんにもそういう可愛いところがあったとはなー 早く続きを聞こうぜ」ニヤニヤ

女「や、辞めて...それだけは...い、嫌ァァァァァァァァァァァァァァ」

~数分後~

女「もうお姉ちゃんなんて知らないもん...みんな死んじゃえバーカ」グスン

男「女が元の性格の原型留めてないぞ...完全に愚図ってる子供だよ これ」

美少女「精神崩壊しちゃったね それ程知られたくなかったことだったのかな」

男5「まぁ、あんなの他人に知られたらそうなるわな」

担任「まぁ、これでこいつも完全に懲りたろ」

男5「取り敢えず漬物石退かせてやるか こうなったらもう置いておく意味も無いしな よいしょっと」

男「でもどうします? このまま放っておくのも良くないと思いますけど...」

担任「こうなることは分かった上でアレを流したんだ 対処法は知っている 取り敢えず撫でればこいつは機嫌を直す」

美少女「どれどれ...怖かったねー もう大丈夫だよー」ナデナデ

女「ふん そんなことしても駄目だもんね」

美少女「これじゃあ駄目なのかな...だったら久し振りにあのモード使うとしよう」

ピカッ

男「金髪ロングに白い聖女服...『女神モード』か 久しいな」

美少女「ほら...女 こっちに御出でなさい」ポンポン

女「お、お母さーん」タタタタタタッ ボフン

美少女「怖かったでしょう もう大丈夫ですからね...」ナデナデ

男5「こ、これが『女神モード』...後光とバブみを感じる...」

男「そりゃそうさ ただでさえも完璧な美少女が更にアップグレードされた姿があれだ 見ろ女がもう機嫌を直してる」

担任「凄まじい力だな...そんなものをあいつは隠してたのか...」

男「その分、体力を膨大に使うらしいですけどね...人を駄目にするクッションと同じくらいの魔力を持ってますよ...今の彼女は...」

~~~

男「女...もう大丈夫か?」

女「ああ...気が付いたら心の傷が全て癒されていた...『女神モード』は凄いな...改めて思い知ったよ」

美少女「はぁ...疲れた...」

男5「写真、撮ってみたんだがどれも逆光で姿が見えなくなってるな...うーん惜しいなぁ...撮れればかなりのレアものになったと思うんだが...」

男「商魂猛々しいなお前...」

一旦切ります

女「それは残念だったな だがその方がいいだろ?特徴は聞けても実際にどうなのかは自分の目で見ないと不明 その方がな」

男5「まさか...姉さん...」

女「お前の予想している通りだよ 私があの姿の美少女の姿を撮れないように細工した 絵に描こうとしても無駄だ 描こうとしたら絶対に下手になるようにしたからな」

担任「徹底した対策の施しようだな」

女「実物がどうなのかはわからないからいいんだよ 仮に男が特徴を言ったとしても口下手だから上手くは伝わらんし私が否定してしまえばそこまでだからな 『女神モード』の美少女が勇者の世界で信仰されているならそれ相応のものでなければならない そう考えたからこうしたんだ」

男「てことはつい最近までは自由に撮れてたのか?」

女「ああ 魔王娘によって美少女が崇拝されてるって聞かされて私が調整するまではな」

美少女「でも寝る前にほんの少しだけなったぐらいだし誰にも見られてなかったから多分、存在そのものを知らない人が過半数じゃないかな」

男5「くっ...じゃあ会長の『女神モード』の姿を求めてる奴らに俺は何て言えばいいんだよ...このままじゃ俺はあいつに合わせる顔がねぇ...」

担任「ツクヨミ...一回だけ撮れるように出来ないのか?」

女「姉さんはこいつのことになると本当に甘いよな...駄目だ この設定のオンオフをするには32桁の数字を打ち込まなければならない ただしチャンスは一回だけ ミスをしたらその瞬間、永遠に切り替えは出来なくなる」

担任「その数字は?」

女「私も知らん あの数字を決めたのは男妹2だからな」

男「妹2にそんなことさせてたのか?いつ?」

女「あいつに入学テストを受けさせる少し前だ コーヒーキャンディをあげたら喜んで引き受けてくれたよ」

美少女「えっ?でもその時、私は男と一緒に行動してたよ?」

女「私の神力のことを忘れてないか?時を止めてやったんだよ 妹2は動けるようにしてな」

男「本当にろくな使い方してないな...お前...」

担任「神力の無駄遣いしやがって...」

女「なんとでも言え ともかく妹2に決めさせたんだ 私は知らないからな」

パチン

男妹2「あれ?ここ何処?」

担任「連れてきたぞ」

男「うわっ...人のこと言えない奴だわこれ...」

男妹2「あっ、お兄ちゃんだー」

男「相変わらずのんきだよなー 妹2は」

美少女「本当にそうだよねー よしよし」ナデナデ

男妹2「えへへ...」

男5「何か小動物見てる気分だよなー」

担任「心がほんわかするな...ってそうじゃないだろ こいつを連れてきた理由を忘れるな」

女「え? 心を和ませるんじゃないのか?」

担任「違うわ なぁ 美少女に設定した番号を教えてくれよ」

男妹2「??? 何のこと?」

男「先生 聞くだけ無駄ですよ 忘れてますから」

美少女「昨日の夕ご飯何食べたんだっけー」

男妹2「うーん...わかんない 忘れちゃった でも美味しかったよー」

美少女「ね?」

男5「八方塞がりか...」

担任「こいつの頭の中を覗けばわかるだろ...何だこれ こいつの頭の中...全部0と1で構成されてる...」

女「二進法だな こいつ、無駄に頭はいいからそういう風になってるんだろ なぁ、もう諦めろよ」

担任「いや...まだだ...諦めんぞ くっ...何言ってんだこれ...」

男「...男5 先生の顔見ろよ あんなに真剣な表情、見たことないよ それも全部お前のためにやってるんだからな」

男5「...そうだな」

~数分後~

担任「や、やっと解除方法のところまで漕ぎ着けた...こいつ...考えてることが一定してないからすぐ変わるんだよ...」

女「...で? わかったのか?」

担任「それはこれから見る...な、何だと!?」

男5「どうかしたのか?」

担任「ふ、フィボナッチ数列の最後から32番目の数から最後の数までの頭の数字が暗証番号だと書いてある...」

美少女「フィボナッチ数列って...」

男「あの意味わかんない数列のことか...」

担任「参ったな...あの数列はまだ最後があるのかわかってない奴だ...多分こいつは知ってるのだろうけど...これ以上はわからん...くそっ...どうしても無理なのかよ...」

男5「もういい...ありがとう 姉さん」

担任「で、でも...」

男5「いいんだ...俺がタコ殴りにされればそれで済む話だから...」

女「...あーもう 見てられないな そんなもの見せつけられたらさ ほらよ 持ってけ」スッ

男「それは?」

女「私が以前何となく撮った『女神モード』の写真だ あまりに出来が良かったからずっと取っておこうと思ってたんだが...ここまでやられたらな...それがあったらいいんだろ?持ってけよ」

男5「でも大切なものなんじゃ...」

女「替えは無い だがな、姉さんがお前を思う気持ちに比べたらこんなもん 大したことないものだよ 参ったよ...姉さんにはな...」

担任「ツクヨミ...」

女「早くしろ 私が心変わりする前にな」

担任「すまん...感謝する」

女「はぁ...大切にしろよ?」

美少女「それ...私が被写体なんだけどね...」

男「今はそれに触れちゃ駄目だよ」

男妹2「何だかよくわからないけどほんのりした気持ちになるなぁ...どうして?」

男「うーん もう少ししたらわかるんじゃない?」

男妹2「そうかなー」

~数日後~

男5「おいおい 姉さん凄いぞあの写真」

女「ん?どうした 血相変えて...どの写真のこと言ってんだ?」

男5「姉さんがこの前くれたあの『女神モード』の写真だよ」

女「ああ...やったな そういえば...で、それがどうしたんだ?」

男5「あの後、欲しがってた奴らに見せたらよ いつもの100倍の値段で書いたいとか言ってな...そしたらいつもならそういうのを好まない連中まで何処から聞いたのか来てさ じゃあ1000倍で買うとか言い出して...収拾がつかない状況になったんだよ」

女「いつものことだろ...で、オークションで決着つけたんだろ?」

男5「ああ...結局な...でもそこからが凄いんだ いつもなら男6が出した金額で終わりなんだけど 今回はそれに張り合ってるんだよ」

女「はぁ!? あいつら...遂に頭がトチ狂ったか 敵う訳が無いだろ あいつに...」

男5「現在、金額を出してる奴は男6と愛でたい派のリーダー、言い出しっぺである拝みたい派のリーダーの3人だな」

女「どうせ御神体にしたいとかそういうのだろ で、金額はどうなってるんだ?ちゃんと払えるんだよな...」

男5「国家予算の3倍を上回る金額になってる...臓器を売ってでも買うとか言ってるよ...」

女「国家予算の3倍とか...全身売っても買えんだろ...」

男5「流石にそう言ってた奴は止めたがな...アラブの石油王の息子じゃあるまいし...どうせもうすぐ決着がつくだろう」

ピンポーン

女「誰だ?こんな時に...」

ガチャ

男4「よっ」

女「男4か...どうした」

男4「リーダーから受け取っていてな どうせ出せないだろとか思ってるだろうから見せてやれって言われて ほら、現在提示されてるまでの金額だよ かなり重いぞ」ガタン

女「そういやお前 愛でたい派所属だったな...国家予算の3倍だぞ? 本当なのか?これ」

男4「疑うなら数えてくれ 俺は昨日1日掛けて数えたけど間違ってなかったよ」

女「確かにあいつの家、金持ちだけど...よく親が許したな...こんな金額」

男4「親に事情を話したら最初は怒られたんだけど写真の画像見せたら二つ返事で了承されたってよ」

女「マジかよ...とんでもない力持ってんな...あの写真...」

男3「男4...君も居たのか」

男4「ん?男3じゃないか 一昨日から姿を見せなかったけどどうしてたんだ?」

男3「リーダーからこれを託されてね 確認してたんだ...派閥全員の全財産を掻き集めたものだよ ほら、これがそう」ドスン

女「お前は拝みたい派所属だもんな...ということはこれ...あれか?現在提示されてる...」

男3「それの2倍の金額だよ」

女「お前ら本気かよ...男6に張り合うなんて...」

男3「死んででも負けてはならない時がある それが今だとリーダーは言ってたよ」

女「...わかったよ お前らの覚悟は伝わった ただし、絶対逃げるなよ 地獄の果てまで追いかけてやるからな」

男4「する訳ないだろ あのリーダーが腰を上げだんだぞ?」

男3「メンバーから厳しいけどまだ出せるってメールが今来たよ 大丈夫さ きっと」

女「はぁ...お前らの美少女愛はとんでもないな...」

~~~

男「急遽呼び出されたから何だと思ったけど...まさかあの写真がそんな事態を招いていたとは...」

女「正直、こうなるとは予想していなかった...どうせいつもの2、3倍の値段になるだろうなーって思ってたんだ...まさかこうなるなんて...」

美少女「でもみんな、本気なんでしょ? 男6からは連絡来てるの?」

男5「それが...いつもならすぐに来るんだが...あいつも想定外だったのかなかなか来ないんだよ...」

男「あの男6が迷うなんて...」

ピンポーン

女「今度は誰だ?」

ガチャ

男6「はぁ...はぁ...待たせたな」

男5「男6! どうしたんだよ 連絡が来なかったから心配したんだぞ」

男6「まさかこうな事態になるとは私も想定していなかったからね...背に腹は変えられないから宝物を幾つか売って来たんだ ほら、現在提示されてる金額の10倍だよ」ドッスーン

女「おいおい...床にヒビ入るぞ...これ...」

男6「こうでもしないとあの二大派閥が諦めんだろうからな...さぁ、更新してくれ 多分これで決着がつくはずさ...」

美少女「大丈夫なの?今まで大切にしてきたものだったんでしょ?アレって」

男6「あの写真に比べれば大したことないさ あれは厳重に保管しておかなければならない代物だ 薄汚い手で触れるような馬鹿どもに渡してはならないものだよ 国宝にしてもいいくらいの価値はある いや、それ以上か」

男「く、狂ってる...」

男6「お前にはわからんだろうな 男 いつも側に居るから慣れてしまっているお前には」

男5「...結果が出たよ」

男6「どうなった」

男5「ギリギリお前の勝ちだ あともう少しで負けていたよ」

男6「ふぅ...売った甲斐があったってもんだ...これで今夜も熟睡出来るな...」

女「お前のことだから大丈夫だと思うが後で念の為に確認しておく」

男6「そうしてくれ...私は帰らせてもらうよ...おっと」クラッ

男「おい...大丈夫か?」

男6「なに、ちょっとフラッと来ただけさ 少し休めば治るものだよ では失礼させてもらう」

スタ...スタ...スタ...

美少女「大丈夫かな...」

男5「そんな訳ないだろ 炎天下の中、こんな大金運んで来たんだぞ 無事でいられる訳がない」

男「だよな 途中で倒れてないか見てくるよ」

美少女「あっ 私も...」

男「君はここに居てくれ 万が一、君に倒れてる所を見られたらあいつのことだから暫く元気を無くすだろうからね」

女「あり得るな...あいつだったらそうなるに違いない」

男「じゃあ行ってくる」

男5「ミイラ取りがミイラになるようなことにはなるなよ」

男「勿論だよ 僕がそんなヘマをすると思うかい?」

3人「「「思う」」」

男「信用されてないな...相変わらず...」

~公園~

男「多分この辺に...」

男6「くっ...なかなか疲れが取れないものだな...」

男「居た! やっぱり倒れてるな...」

男6「男...ついて来たのか...」

男「お前が心配だったからな...ほら、僕の背中に乗れ」

男6「誰がお前なんかに...」

男「美少女は元々は僕だぞ? いわば美少女におんぶされるようなもんだ」

男6「体格が全然違うが...まぁいい このまま力尽きるよりはマシか...」

男「...うおっ 思った以上に重いな...お前」

男6「当然だ 私はドラゴンだからな...姿こそは人間のそれと変わらんが体重は元々の姿と同じだよ...」

男「それならいつもはどうしてるんだよ」

男6「少しだけ飛んでいる...」

男「ドラえもんかよ...」

男6「お前こそよく私をおんぶ出来たな...」

男「これくらいどうということは無いよ 女と美少女と妹2をおんぶしたことに比べればね」

男6「お前...人間離れしてるな...」

男「よく言われるよ で、どっちに行けばいいんだ?」

男6「まずその坂を登ってくれ」

男「いきなりヘビーなこと言ってくれるな...」

男6「だがこれが一番早い道のりだ」

男「わかったよ...登ればいいんだろ 登れば」

~マンション前~

男「はぁ...疲れた...」

男6「助かったよ お陰で手遅れになる前に帰って来れた」

男「そこから先は大丈夫なのか?」

男6「ああ エレベーターに乗って部屋に入れば終了だ」

男「そうか...じゃあ僕は帰るとするよ」

男6「まぁ待て せっかく来たんだ お茶の1つは飲んでから帰れ」

男「は? 何を言ってるんだ...僕はお前の部屋なんかに寄るつもりは...」

男6「そうか...君が高いアイスを好きだと聞いていたんだがな...ちょうど冷蔵庫にあるからあげようと思ったんだが...嫌なら仕方ないか...」

男「帰るなんてそんなこと言ったっけ?酷いな~男6も そういうことならもっと早く言ってくれよ ほら、行くよ」

男6(急に目の色変えたな...噂は本当だったのか)

~男6の部屋~

男6「閉まる前に入ってくれよ ここはオートロックだから閉まったら君だけじゃ入れないからね」

男「了解 お邪魔しまーす」

男6「冷蔵庫はリビングに入ってすぐ横にある アイスは上から3段目だ」

男「ご丁寧にどうも ...おおっ 本当だ...しかも100個限定の奴じゃないか よくこんな代物手に入ったな」

男6「そのアイスを作ってる会社の株を持っていてね 時々、そうやって送られてくるんだよ」

男「ああ...株主に優待券送るみたいなものか...」

男6「各県に100個ずつしか売ってないってCMで流れているそれだがな...株主には別に作って送ってるらしい 同封されていた手紙にそう書いてあったよ」

男「マジかよ でもちょっと株持ってるだけじゃ送られてこないよな...どれだけ持ってるんだ?」

男6「さあな...忘れたよ...」

男「ふーん...まぁ僕はアイスを食べられればそれでいいけどね いただきます」

男6「会長の素だから一気に食べると思ったんだが...意外とチビチビ食べるんだな」

男「そりゃこんな高級品滅多に食べられないからね...味わって食べないと...」パクッ

男6「...どうだ?」

男「とても美味しいよ よく食べてるのか?これ」

男6「新しいフレーバーが出たら必ず送られてくるな...」

男「スゲェ...羨ましいな...」パクッ

男6「正直食べ飽きてるよ 君みたいな人に食べられる方がアイスも幸せなんじゃないか?」

男「アイスは人じゃないんだけどね...」

男6「他にも色々なものが送られてくるよ 最近、ふるさと納税ってものをやってみたんだが... 色々な所に少し金額を寄付しただけで沢山送られてくるとはな...もう少し早くにやれば良かったよ」

男「金持ちはいいねぇ...庶民派の僕には理解出来ない心持ちだよ」

男6「別に特別なことはしてないさ 適当な頃合いで株を買って売ってるだけだ」

男「でも失敗してないんだろ? そんな沢山お金持ってるってことは」

男6「今はな 昔は痛い目に遭ったよ ニュースを確認していなかったばかりに多額の借金をしたからね...返すまでが大変だった...今では欠かさずニュースを見ているよ」

男「お前もそういう過去があるんだな...へぇ...」

一旦切ります

男6「誰にだってそういう過去はあるさ 語らないだけであってな お前だってそうだろ?中学時代の話をお前の口から聞いたことが無いしな」

男「僕の中学時代か...確かにあまり語りたくないものだね でもそれがあってこそ今の僕がある」

男6「ポジティブだな...お前...」

男「いや、よく落ち込むけどね...」

男6「• • • • • •」

男「ん?どうした?」

男6「私がお前に言った言葉が別のものにすり替えられている...」

男「はぁ?いきなり何の話してんだよ」

男6「そうだな...この会話が何者かに検閲されていてある部分が適切なものではなかった為、時間を巻き戻して始まりの部分を書き換えられたと言えばわかるか?お前にも経験があるだろ 本当は違うことを話そうとしたのに...ってことが」

男「確かに...思い返せばそういうことは何回かあったけど...そんな芸当が出来る奴が居るのかよ」

男6「八百万の神が1人、言葉の神なら容易いことだろう...」

男「また八百万かよ 本当に色んなのが居るな」

男6「八百万だからな 自然の物全てに神が宿っていると考えていたのが日本人だ アニミズムって奴だよ」

男「説明してくれなくてもわかってるけど...で、その言葉の神が僕達の会話の内容を変えてるっていうのか?」

男6「私達だけではないだろう 恐らく全員が変えられているんじゃないか?」

男「全員?」

男6「ああ...この物語に出てくる登場人物...」

ピタッ

?「カット 駄目だよ~ 2回もNG出しちゃ...今話してた内容嘘ね それじゃあ説明された男の台詞、変えようか はい行くよ~ スタート」

ピタッ

男「説明しなくていいよ...知ってるから...で、一体どうやって変えているんだ?」

男6「わからん...その方法がわかれば何とか対処出来るんだが...」

男「...変えられてる」

男6「まさか...またやられたのか」

男「ああ...ついさっき僕はお前の言ったことを聞き返したはずなんだ...それなのに実際に僕の口から出たのはそのやり方を問う言葉だった...」

男6「言葉の神め...何が気に入らないというんだ...」

女『おーい 男6 無事着いたかー 写真、持って来たぞ開けてくれー』ドンドン

男6「いつもなら配送されてくるんだが...今出るから待ってくれ」

スタスタスタスタ ガチャ

女「おっ、顔色が大分良くなってるな 安心したよ それで、写真なんだがな お前が払った金を使って私の考えうる最高の形で保存してみた この箱がそうだよ」スッ

男6「桐箱か...確かに湿気は写真の敵だからその選択は間違っていない 中身は...小さな額縁の中に入っているが...これは?」

女「空気に触れないようにな 安心しろ 写真を入れる時は神力を使って絶対に空気に触れないようにした 気に入ってくれると嬉しい」

男「お前にしては随分と手厚いな...」

女「 当然だろ こんなに大金を渡されるとは思わなかったし、それに相当するやり方で返してるだけだ というか、お前居たのか」

男6「私が招いたんだよ お茶の一杯も飲まずに帰すなんて水臭いことは出来ないのでね あっ、そうだ お前が居るならアレも何とかなるかもしれん 女、ちょっと耳を貸してくれ」

女「何だ?...ふむふむ なるほど 確かにやる価値はあるな」

男「何の話をしたんだ?」

男6「まぁ、見てればわかるさ」

一旦切ります

男「見てればって...何かするのか?」

男6「なに、ちょっとした実験だよ 男、さっきの話の続きをしてもいいか?」

男「別に構わないけど...女が居るぞ」

女「話を聞いていればわかるだろ 話してくれ」

男6「言葉の神のことなんだがな...聞いた話に寄るとそいつは他の神とはどうやら違うらしい」

男「違うって...何処が?」

男6「例えば...そうだなストーリーに縛られるようなことはされん その場に居るはずが無いのに出てこれたり出来るんだ 他にも...」

ピタッ

?「ストップストップ 流石にこれは駄目でしょ はぁ...この場面でNG3回とか辞めてよね...あれ?体が動かない...」

ツクヨミ「当然だ 私が時を止めたからな まさかこんな形でお前と再会するとはな...言葉の神の嘘の方か 確か...名前は霊だったよな」

霊「うん 言ちゃんと合わせて言霊って意味でね 私の力に干渉出来たんだ ツクちゃんの能力って 知らなかったよ...」

ツクヨミ「私も通じるとは思ってなかった だが、何故お前がこんなことを...ともかくお前には色々聞かせてもらうぞ 時を元の流れに戻す」

ピタッ

男6「ほう...こいつがそうか」

男「取り敢えず縛り上げとくか 何縛りにする?」

ツクヨミ「適当にキツイのにしとけ」

男「了解」グイッグイッ

霊「あう...痛い...絶対に言ちゃん助けにくれないよ...あっ、でも来てくれたら多分助かる!」

ツクヨミ「お前...自分の力忘れてるだろ お前は嘘の神 言った言葉が嘘になるんだ つまり逆になるということをな」

霊「あっ、じゃあさっきの取り消...」

男6「猿ぐつわ噛ませればいいだろう ほら」グイッ

霊「うー うー」

ドスン

女「どうやらもう1人の方もさっきこいつが言ったことで来たみたいだな しかも縛られてた状態とは...結ぶ手間が省けたな」

言「この馬鹿...あたし達裏方は表舞台に出て来ちゃ駄目って言われてるのに...」

ツクヨミ「おや?逃げ出さないんだなお前は」

言「どうせこうなるのも想定内なんでしょ あの馬鹿にとっては だから逃げても無駄ってことよ はぁ...何処まで話させられるのかね...」

~~~

女「取り敢えず男に神力を奪わせといた これでお前らは男が返すまで何を言っても本当にも嘘にもならん 返して欲しければ私達の質問に答えろ わかったな」

言「やるだけ無駄なんだけどね...ここに落ちて来た時点で話さなきゃ帰れないことは確定している訳だし で、何を聞きたいの?」

男6「まず始めに...お前らは何が目的だ?」

言「何が目的って...設定上の役割とメタ的な役割 どっちが聞きたい?」

男「何だそりゃ...」

霊「設定上は私達はアカシックレコードに則って歴史を正しい方向に導く役割になってるんだよ」

女「で、メタ的な役割は?」

言「ss書いてて『やっぱこれは違うな』と思ったあの馬鹿の思った通りに編集する役割」

男6「思い切り第四の壁壊してるな...制作側か君達は」

霊「そういうこと つまり本当ならこの物語に出てくる予定は無かったんだよ」

男「そういうのって自重するものじゃないのか?」

言「散々著作権に触れまくってるんだしこれくらい大丈夫だろって考えた馬鹿に聞いて 一旦切りますってそろそろ言うから続きはまた後になるけど」

一旦切ります

言「やっと書く気になったか...さっさと書けよ」

霊「そんなこと言わないであげて...あの人なりに考えがあってのことなんだし...」

言「ある訳ないでしょあの馬鹿に あいつ、ぶっつけ本番で考えて書いてるんだから 一応、前以て考えてはあるらしいけど...この台本に沿って書かれたのって男が美少女に告白したあの最初の奴だけだし」

女「おいおい 台本なんてあるのかよ」

言「ある まぁ、あんた達は役者じゃないからそんなこと知らなくていいけど 一応、最後までの流れを書いたものがこれだよ ...そうだね、男6ならこれを読んでもいい あっ、でも最後のところだけね」スッ

男6「どれどれ...は?何だこれは...誰なんだ?この部分に書かれてる人物達って 大半は知らんぞ」

霊「知らなくて当然だよ だってその人達は続編のキャラだし」

男「おい、今サラッと言ったけど...続編って...」

言「今までの伏線全部この時代で回収すると思ってんの?甘い甘い まだまだ続くよ いい機会だからもう一つ言っておくけど 3年の部分は9割カットするからそこんところ宜しく」

男「おいおいちょっと待て これって時間軸は告白した後から高校卒業するまでの2年間じゃないのか? 言ってること変わってるぞ」

言「あんたらだけ2年書くなんて贔屓出来ないからだってさ だったら何故1年の終わりから書いたしと言いたいけど...もう書いちまったことは仕方ないってことで目を瞑ってやってくれ あいつ、すぐコロコロ考え変える奴だから」

女「おいおい...さっきからメタい話しかしてないけど...読者の人のこと考えろよ」

言「そもそも読んでる人居るの?あいつが下手なこと言って荒らしを沸かせた時点で大半の人は読むの辞めたんじゃない? 居ても2、3人ぐらいでしょ 他の人のssとか区切ると大抵は幾つかコメ来るのにここ、一切そういうの無いし 支援コメ貰えるだけありがたいけどさ」

男6「なぁ男 もうこの2人解放した方がいいんじゃないか?まだまだ続きそうな気がするぞこれ...」ヒソヒソ

男「誰が作者の愚痴聞かされて喜ぶんだよ...女、この2人の神力返すからさっさと何処か違う所に飛ばしてくれ...」ヒソヒソ

女「そうだな...こいつらが出て来なかった理由が何となくわかったよ...こいつら居ると先進まんもんな...」ヒソヒソ

ピカッ

男6「ふぅ...疲れた...あっ、台本忘れたままじゃないか 消した方がいいよなこれ」

男「その方がいいと思うよ...万が一人の目に触れたらとんでもないことになりそうだし...」

女「私が処理しておこう 適当なところに捨てておけばいいだろ 冥界の三途の河とか」

男「いや、ここは無難に焼却炉でしょ ちょうど今日は燃えるゴミの日だし」

女「あっ、そっか 忘れてたよ じゃあ破いてゴミと一緒にするか...」

ビリッビリッ

女「それでゴミ箱に入れればよしっと はぁ~スッキリしたー」

男「触れちゃいけないものもあるって身を以て知ったよ...」

男6「多分あの2人出て来ないだろうな...出て来て欲しくないし」

男「それじゃあ僕はそろそろ帰るとするよ ここに居座ってたらまた変なこと起きそうだし」

女「流石にそれは無いと思うが...まぁ、人の家に用も無いのに居るってのも悪いしな また何かあったら電話してくれ」

男6「ああ そうするよ 男、家まで付き添ってくれて助かったよ この恩は一生忘れん」

男「そこまでのことじゃないんだけどな...まぁいいや ツッコむ気力も出ないし」

~美少女の家~

美少女「で、うちに来たと」

女「ここならゆっくりくつろげるからな...あの2人の顔は暫く拝みたくないよ...特に言の顔はな...」

男「編集する側も結構ストレス抱えてるんだな...だからといって愚痴を聞く気にはなれないけど」

美少女「そう考えるとお父さんって凄いよね あんなに大変なのに愚痴言わないし」

女「そうだな...母さんがヘマしないように配慮したりと大変だもんな...縁の下の力持ちってああいう人のことを指すんだろうな」

男「と言われていますが実際のところ、どうなんですか?」

美少女父「そりゃ疲れるさ でも私が愚痴を言う訳にはいかないだろ?私だけが辛いんじゃないからな」

女「まぁ、姉さんも母さんの仕事の大半を押し付けられているしな...ん?どうして父さんが居るんだ?」

美少女父「どうしてって今日は休みだからだが?」

女「じゃあ母さんは?」

美少女父「学校で仕事してる」

女「何で居んだよ 校長が仕事してるのに教頭が休みとか駄目だろ」

美少女「まあまあ これはお母さんが言ったんだよ お父さんは最近、休みを取ってないから偶にはゆっくりしてってね」

女「母さんが? 珍しいな...そんなこと言うような性格じゃないんだが...」

美少女父「いや、お前が知らないだけだぞ? 母さんは休まない人には休みを取らせるからな この前、アマテラスが家に居たろ?あれも母さんが休みを取らせたからだよ 倒れたら一大事だからな」

女「ちゃんと考えてるんだな...母さんって...いつもサボってお茶や菓子を食べてるからそういうところもズボラなのかと思ったよ」

美少女父「そうだったら母さんはとっくの昔に校長職を追われてるよ 管理職を舐めてもらっては困るな 母さんが何年校長やってると思ってるんだ」

一旦切ります

美少女「いつからやってたっけ? もう覚えてないな...確か...大正?」

女「開校した当初と現代だもんなぁ...空白が多過ぎるよ...合計で何年なのかは私も数えてない」

美少女父「はぁ...今年で50年だよ 母さんが校長職をやっているのは」

男「長っ...あれ?短いのか?」

女「短い方だ 今代の校長としてはまだ30年しかやってないよ」

美少女「充分長いでしょ...30年もやってれば...」

美少女父「無論これからもやり続けるだろうな...母さんは校長という職が好きだし」

男「職務放棄が多々見受けられますけどね...」

女「それはご愛嬌ってことで勘弁してやってくれよ 完璧な存在より不完全の方が親しみやすいだろ?」

男「まぁ...そうだけどさ...」

美少女母「あら~話をしてるなら私も混ぜてちょうだいよ~ 除け者は困るわね~」

美少女「お母さん...また先生に仕事押し付けて帰ってきたでしょ」

美少女母「酷いわね~ ちゃんとやってきたわよ~ ところでヨミちゃん 貴女、最近とんでもない大金を手に入れたそうね しかも...私の娘の写真で」

女「私も母さんの娘だろ 撮った当初は売るつもりは無かったんだよ 男5と姉さんのアレを見せつけられてからな...」

美少女母「アレって夫婦睦じい光景でしょ~? そんなの貴女もつい最近やってきたじゃない 死にかけた時に~」

女「見てたのかよ あの時のこと...」

美少女母「そりゃ私が頼んだんだものあの子に 貴女が死んじゃいそうだから夫君を遣わしてやれってね~」

女「道理で無間地獄に居る筈のあいつがあの時、私の深層意識の中に入れた訳だ...」

男「ストップストップ ちょっと待った 教頭先生や僕達が置いてかれているぞ 2人だけで進めないでくれよ」

美少女「多分、女が私達にメイドさんと会った時のことを知られて倒れた時のことを言ってるんだろうけど...生憎、その時私達は女に向かって呼び掛けていたからさっぱりわかんないんだよね...」

美少女父「まぁ、話の内容からしてまた母さんが初代閻魔の権現で何かやったってことだろうが...で?結局、何が言いたいんだ?」

美少女母「色々と掻い摘んで言うとそうね~ 分け前、私にもちょうだいってことよ~」

女「あ、呆れた...そんなことのためにわざわざあの時のことを掘り返したのかよ...」

一旦切ります

はよ

>>150 催促コメありがとうございます

美少女母「あれはヨミちゃんもやってたでしょ~って意味であって...ともかく お金、分けてくれない? 詳しいことは言えないんだけど必要なのよ~」

女「だからって娘に金たかるか?普通」

美少女父「まぁ そう言ってやるな 母さんだって考えがあって言ってるんだ どうせ使い道が無いだろ?お前は無駄遣いするような気質じゃないしな」

美少女「でも...あのお金って女のじゃないよね?」

女「その通りだ あんな金額 私1人じゃ管理出来ないからな...男5と姉さんにもその話をしてもらわんと返事は出来んよ」

美少女母「実はもうしてあるのよね~ そしたら2人ともヨミちゃんの返答にするって言ったのよ~ だからここに来たって訳」

女「私の返答ってどういうことだよ」

男「ファンクラブで出た利益全部お前が受け取ってるからじゃないのか? 使い道もお前が一番熟知してると思ったんだろ」

美少女「大抵は私達に奢ってるけどね あれ?最近、奢ってもらった覚えが無いな...」

女「また今度奢ってやるから待ってろ そうか...結局、私に決定権が回されたか...詳しいことは言えないって言ったけど どんなのに使うんだ?それを教えてもらわないと渡す気にはなれないな」

美少女母「そうね~ これから起こることに備えてあれこれ使うわ~ それをしないとかなりマズイ状況になるわね~ この街が滅ぶかも」

男「それって...ラグナロクのことですか?」

美少女母「いや、それはそこまで対策しなくても大丈夫よ だって今こうしている間に少しでも被害が出ないように尽力してくれている人が居るもの~ 私が言っているのはもっと未来の話よ~」

美少女「ラグナロクじゃない対策しないとやばいことが未来に起こるって...防ぐことは出来ないの?」

美少女母「無理ね あれは自然災害の形で訪れるから...完全に防ぐことは出来ないわ」

女「またお得意の勘か...いや、今回の場合は未来予知になるのか で?それに対策するのに具体的にはどれくらい必要なんだ?」

美少女母「そうね~ 今計算するから待って...はい出ました 5兆円です」

女「とんでもない金額をサラッと言ってくれるな...本当にそんなに必要なのか?」

美少女母「ええ 施設を補強したり、起こった後の復興支援金や人を呼び戻すイベントの開催金とかいっぱい使うわ~」

女「対策しても被害が出るのか...となると、対策しないと更に悪化するんだな?」

美少女母「ええ 私達神と貴女の血が流れてる人以外は間違いなく全員死ぬわ」

美少女「それってほぼ全員じゃない...」

男「起こる時期ってわかるんですか?それがわかればある程度は被害が減らせるんじゃ...」

美少女父「わからん 人為的なものなのは確かだが...いつ起こるかはな... でもここ数年のうちに起こることではない そうだな...お前達の子供が産まれた辺りじゃないか?」

女「結構後だな...」

美少女母「そんな悠長なこと言ってられないわよ 今のうちから対策しないと本当に死んじゃうからね」

女「...もしもし 男5 母さんに話された件だが...ああ そのことだ 持って来てくれ 20個あれば足りるだろ えっ?もっと欲しい? じゃあそれで持ってこい ああ頼む じゃあな」ピッ

男「何の電話をしたんだ?」

女「仕方ないから承諾したんだよ 事が事だからな...今から対策すれば被害が減るんだろ?」

美少女母「ええ 本来出る8割の被害は防げるわ ありがとねヨミちゃん」

女「私もこの街が好きだからな...無残に人が死ぬ姿は見たくはないよ」

一旦切ります

ピンポーン

美少女「おっ?もう来たのかな?はーい 今出るよー」スタスタスタスタ

女「男5ってそんなに歩くの早かったか?男、万が一のことに備えて印鑑持ってけ 母さん」

美少女母「はい」スッ

男「どうも 待って美少女ー」タタタタタタッ

~玄関~

美少女「...えっ?」

宅配員「あ、あの...宅配便です...判子かサインを下さい」

男「はぁはぁ追いついた...やっぱり違ったか...ほら美少女 印鑑だよ」スッ ゼエゼエ

美少女「ありがとう男 えーとここだったかな」ポン

宅配員「ありがとうございます それでは...」

男「ちょっと待った」

宅配員「はい?何でしょう」

男「あなた...妙に美少女にそっくりな顔立ちだね...そんな人見たこと無いぞ」

美少女「確かに...言われてみれば似てるような...」

男「微かだが...神力も感じる...誰だ?」

宅配員「誰だと言われましても...しがない宅配員ですよ」

美少女「それにしてもおっぱい大きいねー」フニフニ

男「さりげなくセクハラするな」スパーン

宅配員「...変わってない」

男「えっ?何が?」

宅配員「いえ 何でも無いです それでは私はこれで 荷物、ここに置いときますね では」

バタン

美少女「男...痛いじゃないか...」

男「君が初対面の人にセクハラかましたからだろ 全くいつだって君は...」

美少女「まぁ、おかげであの人のネームタグ見れたけどね」

男「見れたのか?あの状況で」

美少女「私を誰だと思ってる?生徒会長だよ?」

男「それは関係無いだろ...で、なんて名前だったんだ?」

美少女「それはね...耳貸して」

男「お、おう」

ヒソヒソ

男「何だそりゃ 本当にそんな名前だったのか?」

美少女「間違いない 確かにそう書いてあったよ」

男「ネーミングセンス皆無な名前だな...一体誰がつけたんだよそんな名前 まぁいいや 取り敢えず女4に聞いてさっきの人について聞いてみよう 君は荷物を持って行ってくれ」

美少女「人使い荒いなぁ...」

~居間~

女「は?お前に似た輩が配達してきた?」

美少女「うん 最初は私も気付かなかったんだけど男に言われてわかったんだ」

女「お前は誰にも似ない唯一無二の存在になるようにしたんだが...そいつは誰だ?名前はわかってるのか?」

美少女「ネームタグを見たけど...ちょっと言いづらいから耳貸して」

女「そんな変な名前なのか?」

ヒソヒソ

女「ぷっ 何だそんな名前 私でもつけないぞ」

美少女母「届いた荷物の中身は赤本ね~ お父さん頼んだ?」

美少女父「ああ 頼んだよ 数日前に頼んだんだが妙に来るのが遅くてな...やっと来たか」

女「赤本なんて頼んで何に使うんだ?」

美少女父「決まってるだろ お前らの勉強道具に使うんだ」

美少女「まぁ それしか無いよね」

男「女4に連絡して聞いたんだが...」スタスタスタスタ

女「歩きながら話しかけて来るなよ で、どうだったんだ?」

男「そんな人、知らないってさ 一応名簿確認もしたけど名前が載ってないらしいし」

美少女「でも間違いなくあの服は郵便局の制服だったよね...何処から調達したんだろう...」

女「まぁ あんな名前をつける奴だ 親も似たような奴だろ」

男「少なくとも女には言われたくないと思うよ...」

女「酷いな 私でもそんな名前はつけん もっとマシな名前にするぞ」

美少女「子供に男と女ってつけた癖に?」

女「それは...まぁ...そういう時もあるだろ?」

男「ある訳ないだろ」

一旦切ります

美少女母「はい また似たような展開になりそうだからこの話はここでおしまいね~」

美少女「また女が泣くか落ち込むのかがオチだしね」

女「私を弄るのが最近の流行りみたいに言うなよ...」

男5『おーい 重くて開けられないから開けてくれー』ドンドンドン

男「ここまで聞こえるとは...凄い声だな...あいつ」

女「まぁ、剣道部だからな あれくらい出せないと困るよ 開けて来る」スタスタスタスタ

美少女「剣道部ってそんなに声出たっけ?」

男「父さんは凄く大きい声が出せるよな 怒る時に実感するだろ?」

美少女「ああ...そうだね...」

男5「はぁ...疲れた...母さん、ここに置けばいいか?」

美少女母「もう少し隅に置いて 通る時に邪魔になるから~」

女「だってよ ほら、少しは持っててやるから頑張れ」

男5「そう言うけどよ...あっ、そういえば...会長、バイト始めたのか?」

美少女「いや、やってないけど...」

男「まさか...お前 さっき美少女に似た配達員を見たのか?」

男5「ああ見たよ 姿が消えたから会長かと思ったんだが...違ったのか 姉さんの神力もその時感じたんだがな...言っておくがアマ姉さんじゃない方だぞ」

女「私の神力?...まさかそいつ...未来から来たとかそういう系か?」

男「どういうことだ?」

女「前に話しただろ?私の神力について 私の神力は時を操るものだ 無論、時を司る神には及ぶものではないからそこまでは操れないって」

美少女「うん 言ってたね」

女「一つだけ例外があるんだ 神力を使う日と同じ日付なら過去であろうと未来であろうと行くことが出来るし、送り込んだり戻したりすることが出来る 美少女を戻したようにな」

美少女「えっ?あれって女がやったの?先生がやったんじゃ...」

女「実行したのは私だ お前が送り込まれる直前にやり取りした相手や意識を失うように仕向けたのは姉さんだよ だから本当は私と姉さんの2人でお前を過去に戻したってことだ 言いづらかったから今までは姉さんがやったことにしてたがな」

男「もっと早い段階で言えよ...そういうことはさ」

美少女父「姉を立てたかったんだよ こいつなりにな わかってやってくれ」

女「おい父さん 勝手に美化するなよ 単に面倒だったから言わなかっただけだからな」

男「おい本音で出てるぞ」

一旦切ります

美少女「で、どうしてそんな例外があるの?」

女「私が月の神だからだよ 昔は太陰暦だった つまり月の周期から暦を決めていたんだ それは知ってるだろ?」

男「ああなるほどな...だから同じ日付ならという条件付きなら自由に時を操れるのか...でもそれなら解釈次第で幾らでもやれるんじゃないか?」

女「そういう所は知らん 偶然出来ただけだからな...恐らくその配達員は未来から私の力で来たんだろう...となると...娘か?」

美少女「む、娘って...」

美少女父「まぁ、お前ら2人の子供ってことだな」

男「美少女に似過ぎじゃないかね...僕の要素少しも無かったぞ...」

美少女母「まぁ、とにかくこれで解決したじゃない~ 多分両親の昔の姿を見たかったんじゃないの~?」

男「よりによっておっちょこちょいな場面を見られたけどね...」

男5「そういや母さん そろそろあいつを迎えに行く頃じゃないのか?もうすぐ3時だぞ?」

美少女母「あらもうこんな時間ね~ 車を出せるように準備しなきゃ~ 忘れてたわ~」

男「ん?誰を迎えに行くんだ?」

美少女「男7だよ 確か...天童市じゃなかったっけ?」

男「天童市って将棋の名産地じゃないか...どうしてそんな場所に...」

女「まぁ、ちょっとした準備の為にな あいつ...達筆だろ?それを何かに活かせないかと思ってな...そしたら母さんの知り合いに将棋の駒を作ってる職人が居ることがわかったから弟子入りさせたんだ」

男「本当に人脈広いな校長...だから最近、あいつの姿が見えなかったのか...ん?でもどうして弟子入りさせたんだ?」

女「決まってるだろ 将棋の駒と将棋盤を作るんだよ」

男「はぁ!? 何を言ってるんだお前」

男5「将棋盤と駒って高いものだと何百万もするんだよ で、あいつが弟子入りした所はそういう匠の所」

男「ま、まさか...作ったのを売るとか言わないよな?」

美少女父「そのまさかだよ あいつは手が器用だし字も上手い ちょうど私の知り合いに将棋を始めたいという奴が居たからそいつに話したらトントン拍子で話が進んでな...こうなったんだ」

男「ちょっと出来過ぎじゃないですかね...」

一旦切ります

美少女母「それじゃあ準備も出来たしちょっと行ってくるわね~」

男「あの...ここから天童市ってかなり遠いですけど...大丈夫なんですか?」

美少女「大丈夫だよ お母さんならね」

男「えっ?どういうこと?」

美少女母「こういうことよ~」

パチン ウワン

女「相変わらず神力でワープホール作ってるな...疲れて倒れないか心配だよ」

美少女母「大丈夫よ~ 精密な形を作るのはかなり疲れるけどこういう風に大きくて簡単な形のものはあまり疲れないから~ じゃあ迎えに行ってくるわね~」

ブウウウウン

男「あっ 車で行くんだ...」

男5「流石に直接行くような真似はしねえよ いきなり行ったら驚くからな...」

美少女父「さて、じゃあ私はあいつが帰って来るのに備えて準備をするか...」

美少女「何をするの?」

美少女父「将棋盤を作る材料とかな 本来なら随分と自然乾燥させた榧を使うのが一番なんだがそこまで待つのは無理だ だからツクヨミ お前の力を貸してくれ」

女「はぁ...人使いが荒いな...父さんも 別にいいがそう都合よく榧なんてあるのか?」

男「あっ! もしかして...」

美少女父「勘付いたようだな男 多分合ってるぞ」

男「ひいおじいちゃんの所か...確かに彼処なら色々な種類の木を植林してるから榧もある 考えましたね」

美少女父「そういう所も考えないと教頭はやっていけんよ ましてや母さんのサポートとなるとな そういう訳だ 前以て連絡してあるから後は受け取りに行くだけだな 美少女、受け取りに行ってくれ 私は他の物の準備をする 心配なら男も付き添ってもいいぞ」

男「じゃあ付き添います 将棋盤となると結構大きなサイズになるからな...君1人だとどっかに無くしそうで心配だよ」

美少女「そこまで私は抜けてないけど...」

~数十分後 男曽祖父の家~

男曽祖父「いや~ よく来たのう しかも遥々歩いてきて...最近の若い人は何かと楽をすると聞いていたんじゃがどうやら違ったみたいじゃな」

美少女「自転車だと男が途中でへばるからね...こうしないと」

男「悪かったな 体力が無くて それでひいおじいちゃん 教頭先生から頼まれた物、ある?」

男曽祖父「ああそのことか ちょっと待っとれ 倉庫にしまってあるからのう...えーと確かここら辺に...おお あったあった ほれこれじゃ 重いから気をつけてな」スッ

美少女「思ったよりかなり大きいね...」

男「ほら やっぱり僕が居て正解だったろ?」

男曽祖父「あの...そろそろ耐えきれないから持って欲しいんじゃが...」

美少女「ああ ごめんごめん 今持つよ ...おお 結構重い」

男「そりゃ木だから 倉庫に入れて幾分かはマシになってるとは思うけどそれでもこの様子だとまだ水分を含んでるだろうしね」

男曽祖父「大丈夫かの? しんどいなら裏にリアカーがあるからそれに乗せていくといい」

男「リアカーか...あれ、バランス崩しやすいんだよね...しかもちょっとした揺れで結構揺れるし...」

美少女「まぁそれでもこのまま持っていくより随分と楽になるでしょ じゃあ借りていくよ ありがとう」

~数分後~

ゴトンゴトン

美少女「ほら男 ここから更に揺れが激しくなるからしっかり持ってね」

男「う、うん...というかさっきから進んでるこの道で合ってるのか?行きと違う道だけど...」

美少女「た、多分...」

男「おいおい 困るな...ここは結構広いから道に迷ったらかなりやばいことになるぞ...」

美少女「だ、大丈夫だって こっちの方が近道だし ほら!彼処に看板があるもん」

男「声が裏返ってるぞ...これであの看板が案内の物じゃなかったら...」

美少女「へ、変なこと言わないでよね 怖くなるじゃない」

男「さて...看板の前まで来たが...美少女 読んでみろよほら」

美少女「で、出口まであと300m」

男「嘘つけ ぬかるみに注意って書いてあるだろ 何処にそんなものが書いてあるんだよ」

美少女「お、男...大丈夫かな ちゃんと帰れるかな...」

男「わからないけど...道が続いてるんだし行けるだけ行ってみよう 駄目だったら引き返せばいいし」

美少女「体力無いのに無駄にポジティブだね...」

男「心を抉る一言を言うなよ...大分疲れてるんだぞ僕は」

美少女「私はかなり怖いよ...生きて帰れるかな...」

男「頑張れよ 僕がついているだろ?」

美少女「この状況だと頼りにならない」

男「傷つくなぁ...」

~数分後~

男「おっ!なぁ美少女 彼処の景色見覚えが無いか?」

美少女「入って来た時と同じ場所だね ということは私達、戻って来れたんだね やったー」

男「ほら、万歳するのはいいけど手を離さない 僕の負担が多くなるんだから」

美少女「あっ、ごめん」

男「別にそこまで気にしてないからいいよ」

~更に数分後 美少女の家前~

男「流石にリアカーだと人目についたね...かなり見られたよ...」

美少女「途中から応援されたしね...お菓子も貰ったし...まぁ何はともあれ 無事に戻って来れたんだ まずはそれを祝おう」

女「おっ 帰って来たみたいだな」

男「女...帰り道の途中から美少女が泣き言を言って来たんだが...」

美少女「あー 何を言ってるのかわかんないなー」

女「...美少女 私が女の親だってこと知ってるよな? これくらいなら聞き取ることは容易いぞ?」

美少女 ショボン

男「ああ...美少女が扉の近くで丸くなった...女、お前のせいだぞ」

女「いや責任転嫁するなよ お前が言ったことがきっかけだろ で、何を言いたかったんだ?」

男「いや...まぁ...お前の理想の美少女像とかけ離れてないかと懸念したんだ...」

女「離れてないぞ いつもは強気な美少女が臆病になる 最高に萌えるじゃないか だろ?」

男「ま、まぁそうだな...お前の言いたいことは分からなくはないな」

美少女「もうやだこの2人...」

一旦切ります

美少女父「おお2人とも帰って来たみたいだな...って美少女、そんな所でうずくまってどうしたんだ?気分が悪いのか?」

美少女「いや...今は現実逃避したいんだ...」

美少女父「そ、そうか...詳しく聞かない方が得策だなこりゃ ともかく、ツクヨミ 木材が来たんだ さっさと終わらせるぞ」

女「へーい」スチャ

ピカッ

ツクヨミ「それじゃ、とっと終わらせますかー ほい」パチン

男「...おお 何か色が変わったな...」

ツクヨミ「ちょっと休憩させてもらうぞ...これはかなり疲れるからな...」ゼエゼエ

美少女父「お疲れ 次は...スサノオ お前の出番だ」

男5「俺かー はぁ、面倒だなー 適当にやっていいか?」

美少女父「杜撰なことはするなよ?」

男5「わかってるって これは本当はこういう使い方じゃないんだが...」シャキン

美少女「何それ」

男5「ん?これか? 草薙の剣」

男「三種の神器の一つじゃねーか とんでもないもの取り出すなお前」

男5「でもこれが一番俺が持ってる中で切れ味が良い奴なんだよ...父さん、打ち上げてくれ」

美少女父「こうか?」ポイッ

シャキン ズバズバズバ ボトン

男「ほへー 綺麗な形になったなぁ 流石、剣道部」

男5「褒めても何も出んぞ まぁこんなもんかね 後は男が加工する時に微調整するから少しは荒れていても大丈夫だろ」

美少女父「そうだな これで私達が準備することは終わりか 後はあいつが男を連れて帰ってくれば...」

ブウウウン

美少女父「噂をすれば影だな 帰って来たか」

美少女母「ただいま~ いや~遅くなっちゃったわね~ 駒の材料を受け取りに行ったら時間がかかっちゃって~」

男7「ただいま戻りました」

ツクヨミ「おっ男 その様子からするとちゃんと学んで来たみたいだな」

男7「まだまだですよ...それより母様...本当の姿で居ますけど...大丈夫なんですか?」

ツクヨミ「ん?ああ 構わんよ もう少ししたらまた眼鏡掛けるからな」

美少女「人間態になることってそう呼んでるんだ...」

ツクヨミ「だって実際そうだろ?この姿だと眼鏡要らんし」

男「でもこうして並べて見ると...本当にそっくりだな 男7と女って」

美少女母「まぁ親子だもんね~ 似ていて当然よ~」

ツクヨミ「私と母さんは全然似てないがな...」

男5「俺は姉さんは父さんに似ていると思うぞ?」

美少女「苦労役だったりする所とかね」

ツクヨミ「自覚してるなら手を煩わせるなよ...」

美少女父「そうか?母さんに似ていると思うが...無論、今ではなく昔のな」

美少女母「昔の私? ヨミちゃんはあそこまで酷くはないわよ~?」

美少女父「冷徹な所を言ってるんじゃない 世話焼きな所を言ってるんだ」

ツクヨミ「昔の母さんって世話焼きだったっけ? 厳しかったことしか覚えてないぞ...」

美少女父「いや、そうでもないぞ 例えば閻魔を2代目に引き継いだ後でもちょくちょく冥界に行ってたしな まだ任せておけとか言ってたが」

美少女母「だってあの頃はまだあの子は慣れていなかったからね~ それが今となっては同じ職場で働くことになったんだから何があるかわからないわよね~」

男「えっ?2代目の閻魔って学校に居るんですか?」

美少女母「あれ~? 貴方達、冥界に行ってたのよね?その時、歴代閻魔の名前が書いてある巻物見せてもらったってヨミちゃんが言ってたけど...見なかった?2代目の部分」

美少女「いや...見てないけど」

美少女母「え~そうなの? じゃあ言っておこうかしら~ 2代目閻魔は男母に取り憑いてるフリッグよ~」

男「へっ?母さんって元閻魔なんですか?」

美少女母「うん そうよ~」

美少女「女...知ってた?」

ツクヨミ「いや...初耳だな まさかフリッグが2代目閻魔だったとは...」

男「急いで家に帰ろう 詳しい話を聞かないと」

~男の家~

男母「知られなたくなかったんだけどな...あの人、口が軽いから ええそうよ 私は閻魔をやってた」

女「だから母さんの昔の話を聞いた時に苦い顔をしたのか...」

男母「このことはお父さんにも話してないことなんだけどね...あの時は驚いたわ そろそろ引退したいんだけど代わりにやってくれないかって言われて 突然だったのもあったけど私、それまであの人がどんなことをやっていたのか知らなかったから尚更ね ある時から姿をくらませて...そしたらある日突然現れて言ったのよ」

美少女「閻魔にならないかって?」

男母「ええ 死者の魂を裁くとか私の性に合わないと思ったんだけど ほら...私って正しい生活を送った夫婦を宮殿に迎えていたじゃない? あれと似たようなものかなと思って結局引き受けたのよ」

男「えっ...あの神話で書いてあったことって本当だったんだ...」

男母「私は結婚の神だからね 夫婦の仲を引き裂くような真似は出来ないのよ」

女「そういうところは律儀なんだな...自分はともかく」

男母「まぁ、お父さんには少しの間、友達の家に滞在するって言ったし 納得してくれたからね」

美少女「う、疑わなかったんだ...」

男母「あの人はそんなことしないわよ 優しいから」

一旦切ります

美少女「ということは...今の閻魔は母さんが選んだってこと?」

男母「そうでもあるし...そうではないとも言えるわね...」

男「??? どういうこと?」

男母「彼の場合は自分で名乗り出たのよ 閻魔をやらせてくれってね そろそろ頃合いだと思ったしあの頃は補佐の子が居たから変わってもいいかなと思って基本事項を教えて交代したの」

女「なるほどな...まぁ、あいつなら名乗り出てもおかしくない あいつ、二つ名をいつも気にしてたしな」

美少女「二つ名?どういうこと?」

女「ほら...あるだろ? 〇〇の神っていう 私の場合、月の神の」

男「ああ...それか えっ?今の閻魔って神なのか?」

女「そうだ そういえばお前らには言ってなかったな...あいつが誰かってこと」

男母「えっ?知らなかったの?閻魔であること以外」

2人「「全然知らない」」

美少女「あっ、でも ノリが軽いことは知ってるよ」

女「それは人物像だろ...」

男「じゃあ女 今の閻魔って誰なんだ?教えてくれよ」

女「教えてくれと言われて教える程私は優しくない」

美少女「ケチー それでも私達の先祖か」

女「お前達の先祖だからこそケチなんだよ」ドヤァ

男「ドヤ顔すんな」ボコッ

女「痛いな...せっかくヒントやろうかと思ったのに...」

男母「面倒だから私が言うわよ あの子はハデス クロノスの子よ」

男「ああ 冥王か」

女「その呼び名をあいつが一番気にしていたんだよ...実際は違うからな...冥界は閻魔が実質実権を持ってるのと同然 だからあいつは閻魔になりたがってたんだ」ヒリヒリ

美少女「なるほど...あれ?でもさ クロノスの子供に閻魔の座を明け渡すなんて...お母さんが怒らなかったの?」

男母「怒らないわよ だってクロノス封印には彼等子供達の手もあったから成功したからね」

男「クロノス封印にその子供達が手伝った? どういうこと?」

男母「ギリシャ神話にあるでしょ? ゼウスとそれ以前の古の神、ティタン達の戦い あれ、本当はクロノスと私達神の戦いなのよ」

男「そ、そうなんだ...えっ?ということはその戦いは女も?」

女「いや...その頃はまだ私達は生まれてなかったから参加してない」

一旦切ります

男「そうなのか?母さん」

男母「ええ 当時はまだ日本列島というものが無かったわ まだ大陸と繋がっていたからね」

美少女「そんなに前のことなんだ...あれ?でも随分と前に女が言ってたよね?クロノスが封印されたのは私達神の血を継ぐ人間の存在が気に入らなくて消そうとしたからだって」

男母「そんなこと言ったの?」

女「あの時はそう言うしか無かったんだ...真実を言うには早過ぎたからな その話は嘘だよ 」

《良くないなぁ そういうのは》

男「何だこの感じ 背筋が凍りつくような神力を感じる...」ゾゾゾッ

ピカッ

女「お前...どうして此処に...」

?「俺が何処に居ようと構わないだろ? それに...近いうちに知り合うことになる人達が居るからね 挨拶も兼ねて来たんだ 相変わらず美しいね フリッグ」

男母「すぐナンパして...また奥さんに怒られるわよ?」

?「あいつとの鬼ごっこには慣れている 大丈夫さ さて...君達とはこれが初めましてかな? まぁ、名前くらいは知っているだろう?」

男「...えっ?誰? 美少女、わかるか?」

美少女「わからない...でもそこら辺に居るような神とは違う...それだけはわかるよ」

?「おいおい参ったなぁ...俺ってそんなに知名度低かったか?ツクヨミ」

女「これを言えばわかるだろ ビッグバンパンチ」

美少女「あっ、ゼウスか」

ゼウス「何でそれでわかるんだよ...」

男「だって、放つ前に言うじゃないか 輝くゼウスの名の下にって」

男母「それより貴方が挨拶しに来るなんて...どういう風の吹き回し?」

ゼウス「まず一つ目は現時点での安否を確認する為 見ているからわかるが、直接確認したくてな 二つ目はそのままだよ 俺は君達の息子のクラスメイトになる存在だからな 早めに知っておいた方がいいだろ?」

女「お前...まさか学校に入学するのか!?」

ゼウス「今はしないさ 今はな さっき会っただろ?息子に あれが入学する時にする」

男「えっ!? あれって息子なの?!」

ゼウス「ああ、そうだ あいつの女体化は母親そっくりだからな 実際そうだったろ?」

美少女「私より胸が大きかったけど...」

ゼウス「それはこいつに言ってくれ あれにして送ったのは未来のこいつだからな」

女「やっぱり私か...」

ゼウス「そして三つ目だが...これは別件だな フリッグ 君、いやヴァルハラの神への警告だ 近いうちにラグナロクが起こる 既に奴は潜り込んでいるぞ 気を付けろよ」

一旦切ります

美少女「奴って?」

ゼウス「異世界から来たもう1人のヨルムンガンドの父と言えばわかるか?」

男「巨人の血の力を解放した結果力に溺れたあいつか...えっ?既に潜り込んでいるってあのヨルムンガンドが来る前から?」

ゼウス「ああ...あのヨルムンガンドが来たのは呼び寄せられたからだ 誰かまではわからんが学校に職員として紛れ込んでいるということまではわかっている」

男母「でも職員として働けるのは卒業生だけよ?」

ゼウス「そんなの簡単だろ 既に働いている職員に取り憑けばいい 君達2人がしたようにな」

男母「あれは他に手段が無いから止むを得ずしたことで他意は無いわ」

ゼウス「あくまでも例として挙げただけだ 君のやったことを非難するつもりは無い」

女「職員に紛れ込んでるということは...いきなり闇討ちされることもあり得るってことか?」

ゼウス「充分あり得るだろうな...男、君は神力の感知能力がずば抜けて高い 君ならば微かな神力を基に見つけられるんじゃないか?」

男「僕が? 女4は駄目なんですか?彼女の方が血が濃いですよ?」

ゼウス「血が濃いのは関係無い 君がその気になればな 例えば...美少女が危険な身になると思えば力が出るだろう?」

女「まぁ、そうだな 男は美少女が関わって来ると段違いの力を出すよな」

男「そ、そんなこと無いよ」

ゼウス「謙遜することは無い 君はスサノオを保健室前で背後から脅して気絶させたじゃないか」

美少女「えっ?あれって男5が気分が悪くなったから連れて来たんじゃないの?」

ゼウス「凄まじい神力を感じただろ?あれは男が発したものだ 君を守る為にね」

女「あー だからあの時、エイルに呼び出されたのか...というかよくそんなこと知ってるな」

ゼウス「さっき言っただろ? 俺は君達2人の息子のクラスメイトになる男だって 君達2人のどちらかが欠けたらあいつは生まれて来なくなる それを防ぐ為にいつも見ているんだよ まぁ、俺が守らなくても大丈夫そうだがな」

女「そうだな こいつの妹2人は創造神と破壊神 学校には私含め神が何人も居る お前の出番は無さそうだな」

ゼウス「まぁその方が嬉しいけどな 俺も羽根を伸ばすことが出来るし」

男母「だからナンパ辞めといた方がいいわよ ヘラの嫉妬については貴方も知っているでしょ?」

男「ああ...ヤンデレだもんなぁ...いや、メンヘラも混じってるか 確か、妹でもあったよね?美少女」

美少女「正直言ってあんな神が実在するなんて身の毛もよだつことだよね」

ゼウス「おいおい あいつのことを悪く言うなよ あいつは俺のことが大好きなだけだ」

女「多分こいつだからあんな奴と夫婦をやっていけるんだろうな...私だったらさっさと逃げてるよ」

ゼウス「そんなことしたら地の果てまで追いかけて来るさ あいつはそういう奴なんだ」

一旦切ります

男母「あったわね 一度こっちまで逃げてみたら本当に追いかけてきたってこと あの時のヘラは怖かった」

ゼウス「ちゃんと置き手紙置いておけば大丈夫だけどな 待ってくれるし」

男「それ多分、ずっとテーブルの前で体育座りしてると思うんだけど...」

美少女「どれくらい会ってないの?」

ゼウス「多分...5年は会ってないんじゃないか?」

男母「今すぐ戻りなさい 餓死寸前まで追い詰められてると思うから」

ゼウス「えー あいつ、会うと面倒なんだけどな...」

男母「いいから戻りなさい いいから」

ゼウス「はぁ...わかったよ じゃあな また会おうや」

ピカッ

女「どうしてあそこまでまくし立てたんだ?」

男母「ヘラはね...愛されてないと思うとすぐ自殺しようとするのよ...」

男「やばい奴じゃないか」

男母「溺愛してるだけよ それを除けばちゃんとしたいい神だから」

美少女「除く要素があまりにも大き過ぎると思うんだけど...」

女「それよりもだ もう1人のロキが既にこの世界に居るんだろ? どうしてそいつは破壊活動をしないんだ?」

男母「確かにそうね 何かあったのかしら」

男「うーん...父さんに聞けば何かわかるんじゃないか? 考えてあるんだろ?父さんなりにラグナロクを防ぐ方法を」

男母「そうね ちょっと電話してみるわ 出ればいいんだけど...」

女「この時間はちょうど休憩時間だから大丈夫じゃないか?」

男母「...あっ、もしもし お父さん? 今大丈夫? 少しだけならいいの?」

美少女「ちょっと代わって」

男母「ちょっと代わるわね はい」スッ

美少女「もしもし 父さん?」

男父『美少女か どうした?』

美少女「ラグナロクのことなんだけど」

男父『ちょっと待った その話ならここでするのは不味い 少し待て 話していい場所に移動するから』

美少女「わかった」

男父『...よしいいぞ で、ラグナロクのことと言ったな』

美少女「父さんも聞いたでしょ? もう1人のヨルムンガンドのこと 今は男4の家に居るけど」

男父『ああ 先日、遊園地で見たあの子か それがどうした?』

美少女「その父親が既にこの世界に居るみたいなんだけど...知ってる?」

男父『...知ってる』

美少女「ええ!?」

男「どうした美少女」

美少女「父さん...既に居ること知ってたみたい」

女「マジかよ...」

一旦切ります

異世界のヨルムンガンドを8匹集めて

>>196 何それ物凄い既視感を感じますね

美少女「じゃあ父さん、大方誰がそうなのかわかる?」

男父『うーん...まぁ...知ってるといえば知ってるんだが...彼がそうとは思えないんだよなあ...』

美少女「...そう わかった...ありがとう」

男父『ん?どうした? まだ質問に答えてないんだが』

美少女「いや...充分だよ もうすぐ休憩終わるんでしょ? それじゃあね」

男父「お、おう...そうだな じゃあまた」

ピッ

男「どうした?深刻な顔してるけど...」

女「で 誰が異世界のロキなのかわかったのか?」

美少女「まぁね でも皆には言えないかな...」

男「おいおい...僕達に隠し事は無し だろ?」

美少女「ごめん...これは僕の問題でもあるんだ だから...どうしても言えないんだよ」

男母「貴女がその一人称を使うということは余程のことなんでしょうね... いいわよ 無理に話さなくて」

美少女「ありがとう 母さん」

男(僕が親しい人に隠し事をするのはそれがかなりやばいことじゃないと有り得ない...美少女...君は何を抱えている 僕達じゃ力になれないことなのか?)

女(そういえば...美少女を過去に戻す事になった時、何故か姉さん、中学時代に飛ばしてしてくれと懇願してきたな もしかして...これは私が考えている以上に複雑なんじゃないのか? いや...流石に考え過ぎか)

美少女「ともかく この話は今はこれでおしまい! それより女~ 何か奢ってー 考え事したらお腹空いちゃったよー」

女「はぁ!? ...ったく 奢ってやるって言った側からこれかよ... 仕方ないな じゃあ何処か行くか」

男「お金入ったからゆとりあるもんな」

女「...余計なこと言ったらお前だけ自腹にさせるぞ」

男「またまた~ 冗談きついよー ...えっ?何その顔 嘘だよね? いや,,,,気分を損ねたなら謝るよ ごめん」

女「...ぷっ ちょっと真顔になっただけで真に受けてやんの ホント、お前 騙し甲斐があるよな」

男「なにぃ!? 僕をからかったのか?」

女「だってお前、単純なんだもん 少しは人を疑えって」

『君、本当に単純だよな 騙し易くて楽だったよ...おかげさまで誰にも邪魔されずに無事に目的を達せられたしね ありがとう男君』

美少女「・・・・・・・・」グッ

女「ん? どうした美少女 気に触れたか? でも男って本当に単純で...」

美少女「いいから! 行こうよ...」

女「わ、わかった じゃあ行くか それじゃあフレイヤ、話聞かせてくれてありがとな」

男母「お父さんには内緒にね」

女「わぁかってるって 私の口は堅いことで有名なんだ」

男「嘘つけ かなり軽いじゃないか」ガチャ

女「そうか~? でもお前に美少女には内緒にしてくれって言われたあのことはまだ言ってないぞ?」ガチャン

美少女『何それ 詳しい話聞かせてよ』ゴゴゴゴゴゴゴゴ

男『うわっ...『本気モード』になってるし』

ワイワイガヤガヤ

男母「...行ったわね それじゃあ私もそろそろ妹の迎えに行こうかな 迎えに来てって頼まれたし」

男母(それにしても...あの声を荒げた美少女...『本気モード』のそれとは別格の怖さだったわね...)

一旦切ります

昨日の俺...疲れてたんだな フリッグをフレイヤと間違えるなんて...

~喫茶店~

女「お前...本当にそのオムライス好きなんだな...もう8皿は食べてるよな...」ズズッ

美少女「だってこれ美味しいんだもん 色々なオムライス食べてきたけど此処が一番だね」モグモグ

男「そういう女はコーヒー、それで何杯目だ? もう二桁いってると思うが...」

勇者「間違ってなければ多分それで20杯目だと思いますよ」

女「えっ?もうそんなに飲んだのか...此処のコーヒーは飲みやすいからつい飲みすぎてしまうな...」

マスター「気に入ってくれたなら嬉しいよ 最近はオムライスを食べる人は多いんだけどコーヒーはあまり飲まれなくてね...内心不安だったんだ」

一旦切ります

勇者「ところで...女に聞きたいことがあるのですが...いいですか?」

女「ん?何だ? 私が答えられることなら答えるぞ?」

勇者「女の家族構成についてあまり知らないので...出来れば教えてもらえないかなと」

女「ああそんなことか 別にいいぞ 母さん、父さん、アマ姉さん、男5、カグツチだな」

勇者「最後言ったカグツチとは誰のことですか?」

男「現国先生のことだよ」

マスター「えっ? 家族なのかい? いつもよく店に来てくれるよ お兄さんによろしく言ってくれるかな?」

女「あっ、はい わかりました」

女(弟なんだがなぁ...)

勇者「...あれ? おかしいな...」

女「ん?どうした?」

勇者「もう一人居ませんか? この前古事記について調べた時にたまたま目に入ったのですが...一番最初に生まれたのは先生じゃないですよね?」

美少女「あー 居るね 確か名前は...」

女「ヒルコだ だが...私はあんな奴を姉とは認めん」

男「おいおい...まだ家族が居るのかよ...何で言ってくれなかったんだ?」

女「あいつはお前達に紹介出来るような奴じゃない...あいつは...女を堕落させたんだ...」

マスター「何か話が長くなりそうだね...でも気になるな 差し支えが無ければ教えてもらえるかい?」

女「直接会ったほうが早い というか...もう会ってるがな 気付いてないだけで 言っただろ?家族は全員学校に居るって」

男「マジかよ...どのクラスに居るんだ?」

女「私達のクラスだ 私と姉さんが目立つなと釘を刺しているから地味な印象だと思うがな...」

美少女「名前は? なんて名乗ってるの?」

女「許嫁」

勇者「えっ!? あの...いつも隅に居るあの?」

女「ああ...そいつだ 本性は全く反対だがな 行きたくないんだが...会いに行くか?」

3人「「「もちろん」」」

女「だと思ったよ...」

マスター「私も同行してよろしいかな? その場合はちょっと早い閉店になるけど」

女「ああ...もちろんいいですよ...」

マスター「ありがとう じゃあ勇者ちゃん 今日はちょっと早いけど...」

勇者「あっ もう準備終わらせました」

マスター「相変わらず行動が早くて助かるよ...」

一旦切ります

>>210 今年中に終わればなと考えております 続編を含めてになると来年になっても終わらないと思います まぁ、その前にギアスの方を書きますがね いい加減書かないといけないと感じていますから 男と美少女が主人公の物語が終わり次第、書く予定です

~車内~

男「すみません...お言葉に甘えちゃって...」

マスター「気にしないで こんな暑い日に歩いて行く方が大変だからね それで...この後はどっちに曲がればいいのかな?」

女「右に曲がって後は道なりに行けば着きます」

マスター「了解」

美少女「何かこの道来たことあるなぁ...」

男「知ってるのか?美少女」

美少女「うん 以前、お母さんに頼まれてね もしかして...町工場に向かってない?」

女「よくわかったな その通りだよ あいつは町工場に居る あいつが誰の許嫁か考えればすぐわかるだろ?」

勇者「...すみません 私、わからないです」

男「僕も同じく」

女「居るだろ サッカー部のあいつが この前、救急車で運ばれた」

男「いや知らないんだけど...」

美少女「男8だよ 知らないの?」

勇者「聞いたこと無い名前ですね...」

女「そこまで影薄くないと思うんだが...まあいい 知らないならこの際に知っておけ」

マスター「到着したよ ここに停めればいいかな」

女「多分、大丈夫だと思います」

男「じゃあ降りるか」

~町工場~

美少女「ここに許嫁が居るの?」

女「ああ ここで間違いな..」

許嫁「ヨ~ミちゃん~」

ピカッ モミッ モニュ

許嫁「もにゅ? あれ?ヨミちゃんってこんなにおっぱいあったっけ?」

美少女「あの...いきなり胸揉むのは止めてくれるかな...」

男『おい 美少女から離れろよ』

女「おお怒ってる怒ってる」

許嫁「おかしいな...確かにヨミちゃんだと思ったんだけど... ごめん すぐ離れるよ」

勇者「あの...」

女「ん?どうした?」

マスター「私達の目が間違ってなかったらなんだけど...今、美少女さんの位置が女さんと入れ替わっていたんだよね」

男「女...まさかお前...神力を使ったな?」

女 ギクッ

女「そ、そんな訳無いだろ こんなことで使う訳ないじゃないか」アセアセ

美少女『じゃあどうしてそんなに息が上がっていて冷や汗を流しているのかな?』ゴゴゴゴゴ

男「『本気モード』...いや。違う 髪の毛が逆立っていて赤いオーラ纏ってるし...それに何か怖い」

許嫁「こりゃ進化したね~ 昔のお母たまみたいになってるし...そうだね...安っぽいけど『閻魔モード』ってのがしっくりくるかな~」

女「お、落ち着けよ 別にそこまで怒らなくったっていいじゃないか」

美少女『黙れ』ゴゴゴゴゴゴ

女「ヒッ...」

マスター「えーと...一体どういう状況になっているのかな」

男「簡潔に言うと美少女は今、女に対して物凄く怒っています」

マスター「なるほど...」

美少女『何故私が怒っているのかわかるな?』ゴゴゴゴゴ

女「え、えっと...嘘をついたから?」

美少女『違う!』ゴゴゴゴゴ

女「ヒッ...じ、じゃあどうして?」

美少女『神力を使って位置を入れ替え、私が触られたと錯覚させることで皆を騙し、そして白を切ったからだ! その罪は重い』ゴゴゴゴゴ

許嫁「ちょっと待った このままだとやばい展開になりそうだからそこまでにしようか ヨミちゃんの言い分を聞いてあげなきゃ このままだと一方的だからね~ 話してくれる?」

女「会うたびに揉まれるから...だから痛い目に遭えば止めるかなと思ったんだ まさかこうなるなんて...」

許嫁「言ってくれなきゃわからないよ~」

男「さっきから思ってたんだけど何か喋り方が校長先生に似ているよね....」

許嫁「お母たまがあたいに似たっていうのが正確かな~ 昔はアマちゃんみたいな喋り方だったんだけどね~」

許嫁「まぁ、あたいは気にしてないよ~ だからさ、許してあげてよ ヨミちゃんのこと これでも可愛い妹なんだ」

美少女「...本人がいいと言うなら...」

許嫁「ありがとね~ ほら、もう大丈夫だよ ヨミちゃん」

女「ね、姉やんー 怖かったよー」ギュウウウウウ

3人「「「姉やん!?」」」

許嫁「もう...怖い目に遭うといつもこうなんだから...よしよし」

~5分後~

許嫁「落ち着いた?」

女「...うん」

許嫁「そう 良かった...いつも妹がおせわになっております 良ければ今後とも仲良くしていただければ嬉しいです」

男「い、意外としっかりしているお姉さんをお持ちで...」

許嫁「まぁ、こんな所で話すのはなんです 何も無いですが中へどうぞ」

美少女「あっ、どうも」

勇者「美少女...落ち着きましたか?」

美少女「まぁ何とかね...頭に血が上った後のこと...あまり覚えてないんだよね...」

マスター「ちょっと怖かったね」

~許嫁の部屋~

許嫁「ここがあたいの部屋だよ~ まぁ、適当に座って 何か持ってくるから」

スタスタスタスタ

男「まさか、工場の二階に家があるとは...驚いたなぁ...」

美少女「綺麗だね...部屋」

勇者「それより思った以上に明るいですね...学校だと不幸オーラ出してますけど...」

女「私が来たからだろうな あいつは私達妹のことが大好きだからな」

マスター「そういえば...さっき、姉やんって呼んでたけどあれは一体どういうこと?」

女「あれは...」

許嫁「昔からヨミちゃんはあたいのことをそう呼ぶんだよ はい、麦茶」スッ

男「ありがとう えっ?そうなのか?女」

女「あ、ああ...そうだよ」

許嫁「昔のヨミちゃんは可愛かったな~ 夜中に一緒にトイレ行ってくれってせがまれたっけ~」


女「む、昔の話だろ 今は一人で行けるわ」

勇者「寧ろ行けない方が怖いですよ 高校生にもなって」

美少女「でもこの前、ホラー映画観た後、男5と一緒にトイレに行ったんだよね? 先生が言ってたよ」

女「姉さんめ...余計なことを...」

許嫁「やっぱり昔から何も変わってないね~ ヨミちゃん」

女「ヨミちゃん言うなって」

男「改めて思ったけど...学校とは全然違うな 許嫁」

許嫁「学校だと妹二人に睨まれてるからね~ 改めて自己紹介しようかな~ あたいは許嫁 本名はヒルコ 七福神の恵比寿やってます」

美少女「あそっか...恵比寿でもあったね」

許嫁「うん 商業の神様だよ~」

女「お前みたいな軽い神がいてたまるか」

男「いや、校長先生そっくりだよな」

女「母さんを持ってくるな ややこしくなる」

マスター「へぇー 神様なんだ そりゃ凄いね」

勇者「あまり驚きませんよね マスターって」

マスター「色々な人に職業柄会うからね この程度じゃあ驚かないよ」

一旦切ります

許嫁「ふーん あたいが神だって知って驚かなかったのはこれで二人目かな~」

女「一人目は?」

許嫁「そりゃ~ わかるでしょ」

美少女「男8だね」

許嫁「正解~ 流石会長だね~」

男「なぁ..何で神である君が人間の男8の許嫁なんだ? 校長先生が決めたのか?そんなこと」

許嫁「あっ聞いちゃう? まぁいいけどね~ あれは3年前だったかな~ あたいがたまたま行き倒れになった時にね」

勇者「どういう状況になったら行き倒れになるんですか...」

許嫁「ご飯食べるの忘れてたんだよ~ 3ヶ月ぐらいね~」

女「抜けてるんだよ...こいつ これが長女だから困るよな」

美少女「話の腰を折らないの 続き話して」

許嫁「意識が朦朧してね~ ああ...こりゃ死んだなと思った時に何かおにぎりと水が目の前に差し出されてるんだよね で、その差し出してた人が男8だったって訳 いや~惚れたね」

女「そして単純なんだよ...はぁ...よりによって男8に惚れるとはな...姉さん、頭を抱えてたよ」

勇者「えっ?どうして先生がそこで出てくるんですか?」

許嫁「そりゃアマちゃんの子孫だからだよ~ ほら、天孫降臨の」

女「そうそれだ それが理由で姉さんはお前を憎んでるんだよ」

美少女「えっ? どういうこと?」

女「何で天孫降臨なんかしたと思う? 姉さんが三種の神器なんてものを渡した理由はな...こいつが原因なんだよ」

許嫁「だってあの頃のニニギちゃんってさ 何でもかんでも責任背負っちゃってたんだよ~ 何か病み気味でさ だからあたい、助言したんだよ ちょっとは周りに頼れってね」

女「そしたらあいつ...今度は皆に頼りっぱなしになったんだよ...もうあの時の姉さんは鬼の形相だったな...」

許嫁「そんなニニギちゃん 今は副担任だよ? 立派になったよね~ その父はスーパーの店長なんかやってるけど」

美少女「えっ...副担任の先生って先生の孫なの?」

勇者「えっ...スーパーの店長さんって副担任の先生のお父さんなんですか?」

男「何かここにきて新事実がどばどば開示されてるよな...」

許嫁「ヨミちゃんは秘密主義だもんね~ 駄目だよ?ちゃんと言わなきゃ」

女「お前みたいに何でもかんでも人に言う奴が居るからこうなったんだよ」

許嫁「まぁ話が逸れたから戻すけどね 惚れたあたいは何とか知り合えないかな~って色々調べてみたんだよ そしたら町工場が倒れそうってわかってね ちょっとだけ支援したんだ~」

女「よく言うよ 母さんから聞いたぞ? お前、分身したんだってな で、娘を助けてくれたお礼にってことで工場を持ち直して...頼みが断れない関係にしてそれで許嫁になるとは...いやはやとんでもない姉を持っちまったよ」

男「一人二役ってことか」

女「そういうことだな」

許嫁「ヨミちゃんには言われたくないな~ 巫女のフリして近寄った挙句、本気で恋しちゃってさ それで子供二人産んだんでしょ~?」

女「話を端折り過ぎだ 私とお前を一緒にするな」

男「でも事実だよな?」

女「まぁ...そうだな...」

美少女「その片割れが私達の先祖にあたるメイドさんなんだよね...」

許嫁「ヨミちゃんから大巫女と呼ばれたあんな子が生まれるとは思わなかったね~ 鳶が鷹を産むってまさにこのことだよね」

女「悪かったな...鳶で でもお前が女にしたことは忘れないぞ...あの子にサボり癖をつけたのはお前なんだからな」

許嫁「え~ あたいのせい? でもあのままだったら間違いなくあの子は過労死してたよ? 寧ろ感謝して欲しいくらいなんだけどな~ 別にしてくれなくてもいいけどね~」

女「どういうことだ?」


許嫁「ヨミちゃんが月に幽閉されて暫く経ってあたいがあの子の様子を見に行った時のこと 覚えてる?」

女「当然だ 掃除をしている女に何か話したと思ったら...急にサボり出したんだ」

許嫁「言い方が酷いな~ あの頃のあの子、ヨミちゃんが居なくなって心神喪失だったんだよ で、取った行動がずっと掃除し続けるってこと それも一睡もしないでね」

女「えっ? 初耳だ....」

許嫁「あたいが口止めしたからね 絶対にヨミちゃんに言うなって だって知ったらヨミちゃん、絶対会いに行くもん」

美少女「女なら有り得るね...」

許嫁「でしょ? アマちゃんに支えてあげてって頼んだのもあたいだよ~ おかげであの子の精神状態は安定したよ そりゃそうだよね~ いきなり母と父と弟を失ったら絶対気が狂うもん」

男「女...お前...」

女「私は今まで誤解していたのか...本当なら感謝しなきゃいけなかったのに...」

許嫁「まぁ、言わなかったあたいも悪いんだけどね~ でも感謝されたくてしたんじゃないよ? だって困った時はお互い様でしょ? それが家族なら尚更ね~」

勇者「いいお姉さんじゃないですか...」

女「その...すまなかった...まさかそんな意図があったなんて...」

許嫁「ヨミちゃん...顔を上げてよ そういうことされると困るんだよな~ 何か涙が込み上げて来るじゃない」

一旦切ります

マスター「何かいい話みたいになってるけどちょっとおかしい所があるね 裏がありそうそうな感じがする...」

勇者「いきなり何を言うんですか そんなこと無いですよ」

マスター「言い過ぎだと思うけど、商業って信頼を得てナンボみたいな所があるんだよね...まだ私達に隠してることがあると思うんだよ」

男「...そういえば不思議に思ってたことが一つあるんだよな 幾らファンクラブ内といえどオークションで写真の売買、しかも生徒会長のものを売るのは嫌悪する人も居ると思うんだよね でも、誰もそんなこと言わない おかしいと思わないか?」

美少女「確かに...当たり前になってたから気にしたこと無かったけど...情報工作でもされてないとそんなことにはならないね」

男「あくまでもこれは僕の予想に過ぎないけど...そもそも女は許嫁と険悪な関係になっていなくて僕達を騙すために一芝居打っていたとしたら...」

美少女「私達はまんまとそれに騙されたことになるね...さっきから何も言わないけど...そこの所どうなの?まぁ、嘘をついたらどうなるかはわかってるよね?」ニコッ

女(不味いぞ姉やん...このままだと二人仲良く顔だけ残して地面に埋められるのがオチだ...どうする)アセアセ

許嫁(あたいに頼らないでよ...でも下手なこと言ったら間違いなくそうなりそうだね...)アセアセ

女(だから言ったんだ 最初からいつもみたいに接しようって)

美少女「あの~ 神力で話し合ってるところ遮って悪いけどさ」

男「全部聞こえてるんだよね」

2人「「」」

美少女「それじゃあお望みどおり埋めてあげるよ 私自らね」

2人「「ギャアアアアアアアアアアアア」」

~外~

許嫁「悪かったよ~ ちょっとした出来心でやったんだって~ 許してよ~」

美少女「ダ メ そこで反省しなさい」

男「それにしても...よくわかりましたね 演技してたって どの辺りで気付きましたか?」

マスター「メイドさんの話になった辺りからかな 何かきな臭いなと思ったんだよ」

勇者「すっかり騙されてしまいましたよ...で、実際のところはどういう関係なんですか?」

女「そうだな...仲良し姉妹 かな? まぁ、姉やんのことを誤解してたのは本当だよ カグツチが口を滑らせて言わなかったらきっと今でも怨んでいただろうな」

男「埋められてるのに平然と答えてるのがシュールだな...」

美少女「面白いから写真撮って先生に送ろっと」カシャ ポチポチ

女「おい止めろ 姉さんにこのことがバレたら...」

美少女「ん?もう送ったけど?」

許嫁「うえ~ん アマちゃんに怒られちゃうよ~」

男8「ただいま...って何してんだ許嫁 日向ぼっこか?」

許嫁「いやどう見たらそう思えるの 違うよ~」

男「えっ?あれが男8?」

美少女「うんそうだけど?」

勇者「あれが...先生の子孫なんですね...もっとなんか凄い感じかと思ったのですが普通の人ですね...」

女「こいつ、お前と同じ現人神だぞ?勿論、先天性だ しかも結構凄い この前救急車に運ばれたって言ったよな? 傷口、病院に搬送された時にはもう塞がっていたんだってよ そうだろ?」

男8「ああそうだよ あれは痛かったなぁ...久々に風穴開いちまったし...」

男「いや、まず風穴開くなんてことそうそう無いよね...」

勇者「また濃い人が出て来ましたね...」

美少女「神の血を継いでる人って何処か変わってるよね...」

女「それ 遠回しに自分のことも言ってるぞー」

男「あと、僕のこともね...」

美少女「あっ、男は違うよ 誤解しないでね」

男8「相変わらずって様子だな お二人さん 男4から聞いてるよ いつもイチャついてるってな 弟からも愚痴られてるし」

男「えっ? 男4ってサッカー部なのか?」

美少女「そうだけど...知らなかったの?」

男「何それ...僕だけ知らなかったみたいになってるけど...」

女「この前の大会で活躍してたろ 副会長なのに知らないのか?」

男「事務仕事ばかりやってるからね...あっ!思い出した! 許嫁って生徒会の会計やってるよな」

許嫁「それ...今、思い出す? いつも会議やる前に打ち合わせしてるじゃない~」

男「許嫁について忘れてるなってもやもやしてたんだよね あーすっきりした」

美少女「...ん? ちょっと待って さっき女、勇者になんて言った?」

女「へ? どの話の時だ?」

美少女「男8を紹介した時に言ったことだよ お前と同じ現人神って言ったよね?」

女「ああ言ったな...それがどうした?」

勇者「えっ?...私って現人神なんですか?」

女「自分のことなのに知らなかったのか? ヴァルキリーの女2に幾ら幼少期から訓練しているからって普通の人間が敵う訳が無いだろ まぁそれもあるが...現人神としての力があるからなんだ この前、妹がそう言ってた」

美少女「何それ ということは女も最近まで知らなかったってことじゃない」

女「ははは...すまん 実はそうなんだよ 何気無く言ったから私もびっくりしたんだよ」

男「現人神のバーゲンセールかよ...」

美少女「で、どっちなの?勇者は 先天性?後天性?」

女「後天性だってよ 私に召喚された時になったんじゃないかって言ってたな 性別も変わってたし...」

男「結局、お前が原因なんじゃねーか」

女「あっ...本当だ 私が原因だわ」

美少女「気付いてなかったんだ...流石、女...」

許嫁「ヨミちゃんは思い立ったらすぐ行動に移すもんね~ それも後先考えずに~」

男8「それはお前もそうじゃないか」

許嫁「え~ そう~?」

ピカッ

女7「似てるもんね...女と許嫁は これぞ姉妹ってくらいに」

マスター「また新しい人が出て来たね...今度は誰かな?」

勇者「何か楽しんでませんか?マスター」

マスター「ちょっとだけね」

男8「よう女7 ホント、いきなり出てくるよなお前」

女7「私が出てきて驚かないのは貴方とマスターさんぐらいだよね 肝が据わってるなぁ」

男8「そうか? 普通だと思うけどな」

女「あの....お前がここに来たってことは何か用があってきたってことだよな 痴話話してていいのか?」

女7「頭だけ出してる女にだけは言われたくないよ」

女「これは美少女に埋められたからなんだがな...」

女7「ああそうそう その美少女に用で来たんだよ」

美少女「ん? 私に用?」

女7「今すぐ学校に行かないと取り返しがつかないことになるよ 忘れてるようだったから伝えに来たんだ それじゃあ私はこれで」

ピカッ

美少女「...不味い このままじゃ父さんが危ない 急がないと」

タタタタタタタタタタッ

男「....凄い勢いで走っていったな 何か父さんがどうとか言ってたけど」

許嫁「ヨミちゃん...」

女「ああそうだな...男、すまないがすぐに私を掘り起こしてくれ」

男「えっ...でも...」

女「美少女がどうなってもいいのか!?」

男「どういうことだ?」

女「説明してる時間が無いんだ!あの馬鹿...勝手に一人で行きやがって...そういうことかよ...」

男「...わかったすぐに掘り起こすよ でも行きながら説明してくれよ?」ザクザクザク

女「その時間があったらな...間に合ってくれればいいんだが...」

~学校~

美少女「ま、間に合ってくれ...」

男4 スッ

美少女「居た!待った男4!そのまま動くな」

クルッ

男4「...何だ美少女か 何の用だ?今、急いでいてな...そこを通してくれないか?」

美少女「ここを通すわけにはいかない...5年前のあの惨劇は絶対に起こさせないぞ」

男4「5年前?何のことを言っているんだ?」

美少女「とぼけるな! お前が男4じゃないことはとっくにわかっているんだ 男4は僕のことを会長って呼ぶからね...」

男4?「じゃあ俺は誰だっていうんだ?そんなことを言うならそれも知ってるってことになるんだろ?」

美少女「異世界の男4...ロキ またの名を...剣道部副顧問」

ロキ「あちゃー...そこまでバレていたか....いつから気付いていた?」

美少女「僕が未来から来たってことは知ってるだろ? 父さんと母さんが殺され...男4が逮捕された...その時に副顧問であるあんたが居なくなった時だよ まさか、異世界から来ていたとは思わなかったけどね...」

ロキ「そうか...既に完了していた未来から来たんだったな...君は」

美少女「あの時の僕は指を咥えて見ているしか出来なかった...でも今なら...」

ヒュン

ロキ「今なら...何だって?」

美少女(は、速い...駄目だ...避けれない...)

ロキ「俺の正体を知ってるお前を殺せばもう誰も俺を止めることは出来ない 多少計画が狂ったが...まぁ支障は出ないだろう...死ね」

美少女(ごめんね...男...大学まで勉強教えるって約束...守れないや...)

ブンッ ガシッ

男『俺の彼女に何しようとしてんだお前...』

美少女「男! どうしてここに...」

ツクヨミ「間一髪ってとこだな...間に合って良かったよ...」ゼエゼエ

男『お前が男4じゃないのは何となくわかってる...だがな、美少女を傷付けることは俺が許さん!』

ロキ「ちっ...思わぬ邪魔が入ったな...」

ツクヨミ「勿論私達だけじゃないぞ 美少女の記憶を見たのは私だけじゃないからな...」

男4「お前が異世界の俺か...まさか副顧問の先生だとは思わなかったよ 全然そんな人柄じゃなかったからな...」スタスタ

女3「ヨルムが話してくれなきゃ気付かなかったわよ...それと保健先生もね」スタスタ

男父「信じたくなかったんだがな...残念だよ」スタスタ

保健先生「連れて来たわよツクヨミ」スタスタ

ツクヨミ「グッジョブだ」

ロキ「チッ...既にわかっていたということか...」

男父「私を狙っているということはフレイヤから聞かされていたからな...君は人助けを常にしたから勘違いであって欲しいと思っていたよ...」

ロキ「あんたは騙しやすいからな...あのトラックの時に死ねばまだ良かったのに...あのバカ夫婦め...あいつらが体張って止めた所為で直前で止まっちまったよ...」

男『4年前の事故もお前の仕業か!』

ロキ「ああそうか...お前はあの夫婦の息子だったな 見せてやりたかったよ あいつらの死に際ってヤツをさ」

男『父さんと母さんの悪口を言うな!お前だけは...お前だけは絶対許さねぇ!』

ロキ「口だけは威勢がいいが...力で俺に勝てるか?」

男『勝って見せるさ...これ以上の悪行はさせない!』グググッ

ガキーン

男4「そうは言ってるけどよ...押し負けてるぜ?ここは俺に任せろよ」

男「す、すまん...」バタン

美少女「男!」タタタッ

男「大丈夫だよ...ちょっと疲れただけだ」ハァ...ハァ...

ツクヨミ「嘘つけ 全身の力を使ったくせに ゆっくり休んでろ」

男4「その剣...男6の剣だな どうやって手に入れた?」

ロキ「なに...譲ってもらったのさ」

女2「た、大変です! ファーブニルが部屋で倒れています!」タタタッ

男4「野郎...あいつに何しやがった!」

ロキ「お前のフリをして後ろからバサッてな 呆気無かったよ」

一旦切ります

男4「げ、外道め...」

ロキ「おいおい...俺はお前なんだぜ? お前だっていつもそうやってるじゃねえか」

男4「俺は道を外れることはしない!」キーン

ロキ「脇が甘いな...剣ってもんはな こう使うんだよ!」

ズバッ

男4「ぐはっ...これが『巨人の血』の力か...一撃が重い...」

ロキ「もっとやれると思ったんだがなぁ...とんだ期待外れだな...じゃあ止めだ」

男4(くっ...)

ドスン

男4(あ、あれ? 痛みが来ないぞ?)

男3「よ、よかった...こんな僕でも役に立てることがあって...」

男4「バルドル!? どうして庇った!」

男3「僕は昔からこの死ねない身体が憎くてね...いつも死ねる方法を調べてたんだ...そんな僕に...君は生きろと言ってくれた...友達になってくれた...嬉しかったよ...」

男4「お、おい...まるでこれが最期みたいなこと言うなよ...」

男3「そ...そんな君が苦しんでいたって知って辛かった...悩んでいた自分が...間抜けに思えたんだ...なぁロキ...仮に僕がこれで死んだとしても...絶対に『巨人の血』の力を解放しないでくれ...こいつみたいになってしまうからね...」

ロキ「ごちゃごちゃ煩い奴だな...死ぬならさっさと死ねよ」

ズシュ ズバン

男3「ガハッ...」バタン

男4「バルドル!」

男3「絶対に...開放しないでくれ...君は...僕の...たった一人だけの親友なんだから...ね...」」

男4「き、貴様ァァァァァァァァ よくも...よくも俺のダチを...」

ロキ「こんな奴が友達? 自分の身も守れそうも無い奴が?」

男4「俺の悪口を言うのは構わねぇ...だがな...バルドルの悪口を言うな! こいつはな...弱い者のことを思い遣れる優しいヤツなんだ...」

ロキ「随分と甘いことを抜かすんだなこの世界の俺は...自分の身は自分で守れなきゃ死ぬしかねえーんだよ!」

キーン

男4「お前だって...家族が居ただろ...守るべき家族が...」

ロキ「あんな奴ら...荷物にしかならなかったよ 結局な!」

カーン

男4「くっ...剣が...」

ロキ「所詮この世は弱肉強食...弱い奴は...さっさと死ね」

ザシュ

ヨルム「私は...そうは思わないよ...」ポタ...ポタ...

女3「ヨルム!」

保健先生「どうして此処に?!」

女2「どうしても付いてくるって言うことを聞かなかったんです...それで...」

男父「連れてきたというのか...」

女2「はい...」

ロキ「言うことも聞けない木偶の坊が...俺の邪魔をするなよ...」

ドン ズザザザザザザザザ バタン

男4「ヨルム!」

ツクヨミ「安心しろ 男3と同様に回収済みだ エイル...治せるか?」

女6「わからん...でも最善は尽くす」

ヨルム「パ...パ...」

女6「おい!声を出すな!死ぬぞ!」

ヨルム「私はどうなってもいいの! パパ!聞いて!絶対に力を解放しちゃ駄目!そんなことしたら...そいつみたいになっちゃう...パパがパパじゃなくなっちゃう...」

女3「もうそれ以上喋らないで...貴女が死んじゃう...」ウルウル

ヨルム「ママ...こんな私に優しくしてくれて...ありがとう...できたらもう一度だけ...ママの焼きそばを食べたかった...な...」ガクッ

女3「ヨルム?...ヨルム! しっかりして!」ユサユサ

女6「駄目だ...脈が無い...手遅れだ...」

男4「お前...実の娘に手を出すのかよ 唯一生き残った家族だろ..」

ロキ「利用価値があったから生かしただけだ それが使えなくなったらもう生かす理由は無いだろ? 親として引導を渡してやったんだ あいつも満足だろ?」

ゴゴゴゴゴゴゴ...

男4「お前に...お前に...あいつの父親を名乗る権利は無い...あいつは俺の4人目の娘だ...これ以上...家族に手出しはさせない!」キッ

ロキ「ほぉ...開放するのか?あんなに止められたというのに...」

男4「家族を守る為には仕方ないことだ...女2...命令だ...俺がこいつを倒したら...俺を殺せ わかったな」

女2「卑怯ですよ...こんな状況でそんなこと言うなんて...無理難題を言わないで下さい...出来る訳無いじゃないですか...」

男4「やるんだ...頼んだぞ...」

ドンッ 

男4「えっ?...」

バタン

男父「そんなことを私が許すと思うのか? この大馬鹿者! 娘が最後の力を振り絞っていった言葉を無碍にするな!」

保健先生「あの...オーディン様...もう気絶してます」

ヒュン

ロキ「悠長なこと言ってる場合か?先生 ガラ空きだぜ?」

男父「なにっ...」

バキッ

男「父さんに手を出させない...」

ロキ「痛ぇなぁ...雑魚は引っ込んでろよ!」ブンッ

パシッ

美少女「僕が居ることを忘れないで欲しいね 男は僕が守る」

ロキ「あーもう お前らウぜーな...2人まとめて殺してやるよ」ドンッ ブンッ

男父「止めろォォォォォォォォォォ」

サァァァァン キィィィィン

『じゃあ俺が父ちゃんと母ちゃんを護るぜ』

美少女「えっ?...男が...2人?」

ロキ「誰だ...お前...」

?「俺か? 俺は男二 男父ちゃんと美少女母ちゃんの息子だ!」

男「お、男二!? なんじゃそりゃぁぁぁ」

男二「おいおい父ちゃんが付けたんだぜ? この名前...まぁ今はこいつをどうにかすることが第一だな」

ビュウウウウウウ カッチーン

美少女「風を起こして飛ばした上に凍らせた...」

男二「まぁこれでちょっとは時間稼ぎ出来るだろ 大丈夫か?2人とも」

男「えっ...本当に君は僕達の息子なのか?」

男二「ああそうだぜ? 正真正銘2人の息子だ 何か危ない状況だったから急いできたんだが...ここは父ちゃんと母ちゃんの時代か?」

ツクヨミ「その言動からして...何者かにこの時代に飛ばされたみたいだな...」スタスタスタ

男二「おおーヨミさん 何だあんたも居るのか」

ツクヨミ「よ、ヨミさん? 私はそう呼ばれているのか?」

男二「あんたがそう呼べって言ったんじゃねーか 女と呼び方被るからって」

男「ヨミさんって...フハハハハ...女、未来ではお前、そう名乗ってんのかよ」

ツクヨミ「笑うなよ...一応本当に本人か確認するが...お前、私にこの時代に飛ばされたことあるか?」

男二「ああ...あれか よりによって女にして飛ばしたよな...いや~あの時は本当に焦ったね 父ちゃんにバレかけたし」

美少女「じゃあ、あれは本当に君だったんだ...」

男二「やめてくれよ...その呼び方 俺は母ちゃんの息子なんだぜ?」

男「でもどうしてお前はここに飛ばされたんだ?」

男二「それは...いや...今は言わないほうがいいか どうせそのうち知るし」

美少女「えっ?どういうこと?」

男二「近いうちに否が応でも知ることになるからだよ ほっ」ブンッ

バリバリバリバリ

男二「おお出来た出来た...じゃあ俺はこれでな また未来で会おう じゃあな父ちゃん母ちゃん」

シューン

ツクヨミ「あれは...次元の裂け目...」

美少女母「時の狭間に行ったわね~」

美少女「お母さん!?いつから居たの?」


美少女母「男4が気絶された辺りからよ~ 外が何か騒がしいから来たのよ~ それにしても酷い有り様ね~」

ツクヨミ「それよりも母さん 男3と異世界のヨルムンガントが...」

美少女母「大丈夫よ~もう処置したから~」

ツクヨミ「えっ?」

女6「改めて思い知らされたよ...創造の力は凄いな...まさか失われた命を創ってしまうとは...」

ヨルム スゥ...スゥ...

女3「よかった...よかった...本当にありがとうございます」

美少女母「ね?」

ツクヨミ「ち、チートかよ...」

男「でも命を創るってなると、とんでもない量の神力を使いますよね? 大丈夫なんですか?」

美少女父「大丈夫だったらこうして私が支えとらんよ 無茶なことを平気でするから困る ちょっとは自分の身体を大切にしろ」

美少女母「そんなこと言われてもね~ 皆が頑張ってるのに私だけがサボってる訳にはいかないじゃない~」

一旦切ります

ここまでのあらすじ...
美少女の『女神モード』の写真がとんでもない値段で売れたぞー→この物語を編集する奴って居たんだ...へぇ...→男7が将棋盤と駒作るから材料持ってきました→許嫁って女のお姉ちゃんだったのかよ...騙されたの腹立つから埋めてやろ→あれ?何か男4が主人公みたいになってね?

ちなみにここまでのこと...全て同じ日のうちに起こってることです

~???~

『とこ...きなさい...起きなさい...男4...』

男4「誰だ?...俺を呼ぶ奴は...確か俺は...『巨人の血』を開放しようとして...先生に気絶させられたのか...ん?ここは何処だ?皆は...あいつは何処だ?」

『ここは貴方の頭の中...今、現実の貴方は意識を失っていて治療されているわ...』

男4「はぁ!?俺の頭の中? じゃあお前は誰だ 隠れてないで姿を見せろ!」キョロキョロ

ピカッ

男4「うおっ...まぶしっ...」

女2?『初めまして...になるかしら?』

男4「女2? ...いや違うな あいつはこんなに綺麗な格好はしない」

女2?『どういう識別の仕方よ...はぁ...まぁいいわ 私は女2であって女2にではない者 いや...これは正確な表現ではないわね 私は彼女の中に存在する者よ』

男4「つまり...どういうことだ? お前は本当の女2なのか? あいつはヴァルキリーになる以前の記憶が無いらしいしな...」

女2?『まぁ...その言葉はあながち間違っていないわね...でも彼女にはヴァルキリー以前の記憶は存在しないわ』

男4「えっ!?じゃあ、あいつは...」

女2?『今、貴方が考えていることが真実よ 彼女は存在しない記憶を懸命になって思い出そうとしているの』

男4「でもあいつ...言ってたぞ? 何かうっすらと覚えていることがあるって それはどういうことだ?」

女2?『それは多分...私の記憶の断片ね...』

男4「はぁ?...まぁいい で?本当の女2が俺に何の用だ?俺はさっさと起きないとならないんだ お前と話している場合じゃねえんだよ...家族を守らないと...」

女2?『そう まさにその件で会いに来たのよ 気絶していて尚且つ女2が近くに居るこの瞬間じゃないと助言が出来ないからね...』

男4「助言? 秘策でもあるのか?」

女2?『貴方の身体に流れている血は『巨人の血』だけかしら? それだけだと貴方は破壊衝動を抑えることはできないと思うけど』

男4「そりゃ俺には『巨人の血』だけじゃなくて『神の血』も流れているからな...俺は巨人と神のハーフだからそれが抑制しているんだよ...あっ!」

女2?『どうやら気付いたようね...あいつの力の源は『巨人の血』 貴方は目には目をってことで同等の力を引き出そうとしたみたいだけど...残念ね それじゃあ勝てないわ 寧ろあの2人が言ったように力に乗っ取られるのがオチよ あいつみたいにね』

男4「だから『巨人の血』ではなく『神の血』を...ということか?」

女2?『そういうこと でも開放するには条件があるのよ まぁ今の貴方には関係ないかもしれないけど...』

男4「条件?何だそれ」

女2?『『巨人の血』を開放しようとした時の貴方は怒りに囚われていた...それが『巨人の血』を開放する条件よ 怒りを極限まで高めることがね』

男4「感情が関係するのか...で、『神の血』の方は?」

女2?『家族を守ろうとする思い よ まぁこの場合は守ろうとするなら何でもいいみたいだけど』

男4「なるほどな...だからさっき俺には関係無いって言ったのか えっ?本当にそれだけでいいのか?」

女2?『ええ...初めて開放するにはね 美少女が『女神モード』と『閻魔モード』を開放した時のように』

男4「なるほどな...えっ?『女神モード』なら知ってるが...『閻魔モード』?何だそれ」

女2?『貴方がトラウマになった『本気モード』が進化したものよ さっき女がその餌食になったわね』

男4「マジかよ...あれの強化版とかとんでもねえな...」

女2?『まぁそれは今は関係無いわね...家族を守ろうとする思いを極限まで高めること いいわね? 急がないとそろそろあいつが復活するわ』

男4「ああわかった...でも最後に一つだけいいか?何で俺に助言なんかした?」

女2?『この先、男と美少女、それと一が必要になるの 今、彼らに死んでもらったら困るのよ』

男4「なるほどな...それでこの状況を打破するのは俺だけだから助言をしたと 女2みたいな見た目なのが癪だが...助かったよ」

女2?『じゃあ今度は違う見た目にするわね 次があったらだけど』

男4「ははは...じゃあ次は無いように気をつけるよ」

なるほどなの回数多すぎだろ...それしか言えないのかい...

~学校~

女3「あなた!あなた!目を覚まして!」ユサユサ

ロキ「まさか凍らされるとはな...で、そっちの俺は呑気におねんねかよ じゃあ俺が永眠させてやるか」スタスタスタ

女3「この人には指一本触れさせない!」バッ

ロキ「おいおい...止めといた方がいいぜ?俺の邪魔をすると...死ぬ順番がそいつよりお前の方が先になるだけだぜ?こんな風にな!」ブンッ

女3(うっ...)

ピカッ パシッ

女3(あれ?...止まった?)

男4『俺の嫁に手を出すんじゃねえよ...このそっくり野郎が...』

女3「あなた!」

女2「ロキ様!」

男父「やれやれ...やっと目を覚ましたか...」

美少女「でも何か見た目が変わってない?それに神力も感じるし...」

美少女母「神化したわね...」

男「神化?何ですかそれ」

ツクヨミ「文字通り神になることだよ 美少女みたいな擬似的なものではなく本当にな...『神の血』を開放させるとは...考えたなあいつ」

美少女母(いいえ...恐らくあの子が助言したんだわ...女2の中に居るあの子が...)

男母「どうやら間に合ったようね...」

男「母さん! 今まで何処に居たんだよ...それに妹も! お前、美少女妹と旅行してたんじゃなかったのか?」

男母「ちょっとね...色々な人を迎えに行ってたのよ」

男妹「いきなりお母さんが来た時は驚いたよ でも緊急事態だって聞いたから急いで帰ってきたんだ」

美少女妹「成り行きで私も一緒に帰ることになったけどね...」

男6「やれやれ...まだ傷が完全に塞がってないんだがな...」

美少女「男6!? あいつに斬られたんじゃ...」

男6「ああ斬られたよ でも死んだとは言ってないだろ?死んだフリは私の十八番でね...それに彼が心臓の直前で刃を止めてくれたのもあるかな まさか虫に変身していたとは思わなかったよ」

保健先生「兄さん! こっちに来てたんだ...」

フレイ「フリッグ様に頼まれてね...まさかこんなことになるとは思わなかったけどね それよりも...ロキ!これを受け取ってくれ!」ブンッ

パシッ

男4『これは!?勝利の剣?!』

フレイ「以前の君は無理だったが...今の君ならそれを抜けるはずだ!」

ロキ「出来るはずが無い! この俺でも抜けなかったんだぞ?」ブンッ

シャキィィィン キーン

男4『それが...出来るんだよな 今の俺ならな!』グッ

ドンッ ズバッ

ロキ「グッ...何故だ...何故俺が押し負けるんだ!力なら負けないはずがないのに!」ブンッ

キーン

男4『力だけじゃ勝てねえよ...それがお前の限界だ』

ザンッザンッ

ロキ「ごはっ...くっ...何故だ...力が抜けていく...」

男「すげえ...圧倒的だ...」

男4『今の俺は『神の血』を開放している それが破壊衝動を...『巨人の血』を抑えていたんだ なら『巨人の血』を力の源としているお前の力を抑えるなんて造作もないことだろ?』

ロキ「お前...何者なんだよ...」

男4『俺は男4 狡知の神、そして...家族を守る父親だ!』

女3「あなた...」

クルッ

男4『結婚する時に言っただろ? お前は俺が守るってな その気持ちは今も変わっていないよ...』

チラッ

男4『お前だってその『血』を開放した時は家族を守ろうとしてたんだよな...一体何処で俺達は道を違えてしまんだろうな...まぁこれで終わりだ』ブンッ

ロキ「くっ...」

ピタッ

ロキ「...どうした どうして止めをささない」

男4『お前の力はもう全部抑えた...お前の悪行は力に飲まれてやったことだ それに...お前を殺したら罪を償う機会が無くなるじゃねえか...死んでその罪を償うより生きて償え それが俺の頼みだ...』

ロキ「俺が...お前を襲うかもしれないんだぞ?」

男4『それはもう有り得ねえよ...お前は...あんたは先生じゃねえか...剣道部の皆を副顧問として支えたな...』

男父「だがあれは演技だったんだぞ?私を騙まし討ちする為の」

男4『演技であそこまで出来るかよ...本心だってあったはずだ こいつの本当の優しさがな...俺はそれを信じる...』

男4『でも...会長には悪いことをしたな 仇だったんだろ?』

美少女「ああそうだよ でも...男4の判断は合ってると思う 復讐からは...悲しみと虚しさしか生まれないからね...」

男「美少女...」

美少女「だって今はもう男じゃないんだからね 私は美少女 お母さんの娘で妹のお姉ちゃんで生徒会長で...それで...男の恋人だよ」

美少女母「吹っ切れたわね...それでこそ私の娘よ~」

美少女妹「うんうん やっぱりお姉ちゃんはそうでなくちゃ」

美少女「そういうこと だから私はもう貴方を憎んでないよ あっでも男を傷付けたことはまた別のことかなー」

ツクヨミ「こいつ...またいつもの調子に戻ってやがる」

女3「ヨルムを傷付けたことは許せないけど...でも夫が貴方を許したし、校長先生がヨルムの命を取り戻してくれたから...私が貴方を憎む理由は見当たらないわね」

ロキ「俺を...許すというのか? この俺を...」

男4『相手を殺すだけが戦いの終わりじゃない 許すことでも終われるんだ...あんたはまだやり直せるはずだ...』

男6「まぁ斬られたのは痛かったが死んでないしな ところで...男3 いつまで寝ているつもりだ?」

男3「あっ...バレちゃった? あんなこと言った手前、実は生きてましたとかなかなか言い出せなかったんだよね...はぁーやっと起きられる あっ、僕も憎んでないよ 親友が許したからね それに...さっき貴方が言った言葉は自分の行為を後悔していると感じ取れたしね」ムクッ

男5「やれやれ...これじゃあ俺が来た意味ねえなぁ...な、姉貴?」スタスタスタ

許嫁「まあまあ...いいじゃない~ 和解ってのも悪くないと思うよ あっ、でも悪いと思うなら謝礼金を...」

担任「ここぞとばかりに弱った相手に言うんじゃない」ガツン

許嫁「痛っ...アマちゃん、慰謝料」

担任「図に乗るな、バカ姉貴」パーン

男「うーん...多分、先生 女のこと言えないんじゃないかな,,,」

ツクヨミ「仕方ないさ...姉さんは姉やんのこと嫌ってるからな...」

ヒューン

ロキ「!! 男4 危ない!」ドンッ

男4『おうっ...』ドスン

ダーン

ロキ「ぐほっ...」

男4『!? どうして俺を押した...気付いていたなら自分だけ避けることも出来たはず...』

ロキ「お、お前が...俺のことを...先生って...呼んでくれたから...かな...」ダラ...ダラ...

女6「風穴が開いてる...致命傷だ...」

男4『馬鹿野郎...その身体であんなことしたらどうなるかわかっていただろ...』

ロキ「いざという時は...生徒を命懸けで守るのが教師だと...顧問の先生が仰っていたからだ...お前も...生徒...だろ?..」ゼエ...ゼエ...

男父「覚えていたのか...」

男4『もういい喋るな...あんたは生きなきゃならないんだよ...』

ロキ「『巨人の血』の力を...開放することは...死ぬことを...意味する...どうせもうすぐ死ぬ身体だったんだ...役に立てただけ...本望だよ...」ハァ...ハァ...

女3「そんな...」

ロキ「なぁ...男4...もう一人の俺として...お前に...最後の願いがある...文字通り...な...聞いて...くれるか?...」ダラ...ダラ...

男4『何だ...言ってくれ』

ロキ「娘に...ヨルムに...ごめんと言ってくれないか...父親として...あるまじきことを...してしまった...それと...」ハァ...ハァ...

男4『それと? 続きを言ってくれ』

ロキ「それと...ヨルムを頼む...お前なら...託せると...思うんだ...それが...あいつのために...なるだろうしな...ぐっ...」ゼェ...ゼェ...

男4『わかった...最後の願いじゃ断れないしな 責任持って育てるよ』

ロキ「ありが...とう...あいつにとっていい父親にはなれなかったが...きっとお前なら大丈夫だろう...でも...出来ればお前が言ったように...生きて罪を償いたかった...な...それが唯一の心残り..だ...」

ガクッ

男4『先生!?...くっ...』

美少女母「逝ったわね...さぁ...ここからが本番よ この騒動の黒幕が遂に現れたのだから...」

一旦切ります

『やれたれ...誰がこの世界に連れてきてやったと思うんだ...任務も遂行出来ないとは...この恩知らずめ...』

男父「スルト!?...いやこの禍々しいまでの神力は...クロノスか!」

男母「でも彼は今、冥界に封印されているんじゃ...」

美少女父「あれは本人じゃない...奴の神力の一部がスルトに取り憑いているのだ...」

保健先生「一部って...あれで!?」

美少女母「ええ...本人はあんなもんじゃないわよ...でも彼であることには変わりはない...気をつけて」

女3「随分の間、姿を見せないと思ったら...取り憑かれていたとはね...スルト様...」

男3「ラグナロクは世界が彼女の炎で覆われることで終わる...それをあの火球でやろうとしているのか...」

男4『先生はそれまでの時間稼ぎということかよ...』

スルト『奴がオーディンとフリッグを殺していればわざわざ手を下すことにはならなかったのだがな...』

男「やっぱり...狙いは父さんと母さんか!」

ツクヨミ「クロノスの封印には全ての神話の主神が関わっていたと聞く...つまり手っ取り早く復活するなら封印した者を全員殺すのが早い...あわよくば父さんと母さんも殺す気かよ...」

許嫁「スサちゃん...来た意味あったわね~」

男5「そんなこと言ってる場合かよ...あんな火の玉が落ちたら...仮に父さん達が死ななくてもこの町が消し飛ぶぞ!」

担任「勿論...そんなことはさせんがな...」

スルト『虫けらが何か喋っているな...煩いぞ』

ヒューン

ツクヨミ「姉さん!」

バーン

現国先生「俺が炎の神だってこと...忘れないで欲しいな...例え炎の巨人とはいえ...司る俺には勝てん!」

男5「カグツチ!」

担任「すまん...助かったよ」

現国先生「既に母さんから話は聞いている...男妹2、お前の出番だぞ」

男妹2「あっ、やっと来たかー待ちくたびれていたんだよねー」

美少女妹2「途中で昼寝してたもんね...」

男妹「妹2!! 居たの!?」

男妹2「随分と前から居たよー でもまだ加勢するなって言われてたからなかなか行けなかったんだよねー」

美少女妹2「それまでの間が大変だったけどね...妹姉さんが居てくれたらなと何度も思ったよ...」ジィー

美少女妹「ははは...それは大変だったね...」

男妹2「えーと...あれを破壊すればいいの?ならもう核の位置わかってるからやるねー ほいっ」パキッ

サァァァァァァァ....

スルト『何!? 一体どうやって...』

男妹2「私は破壊神だからねー これくらい他愛もないよー」

美少女妹2「えっ!? あんた破壊神なの?!」

美少女「いや寧ろ知らない方が驚きだよ...あんなに仲良くしてたのに..」

男妹2「まぁこれで私のやることは終わったからねー後はお兄ちゃん達次第だね...ふぁ~眠くなっちゃったよ...」

美少女妹2「はいはい...じゃあ、あっちで寝ようね...」

スタスタスタ

男「えっ...マジであれだけの為にあいつ来たのかよ...」

美少女「でもこれで町が消し飛ぶことは無くなったよ! で...どうすればあいつを倒せるの?」

男父「あいつはスルトの身体に取り憑いている...神力でな...だから男、お前があいつの神力を全部奪え!」

男母「私達はそれまでの援護をするわ」

ツクヨミ「で、奪った神力を美少女が『女神モード』で浄化すれば一件落着ってことか」

美少女「あっ私の出番あるんだね...」

男「でもあいつ飛んでるぞ...どうやって行くんだよ...」

男妹「それは簡単じゃない」

ピカッ

女神「足場が無いなら創ればいいんだよ」

男「あそっか お前、創造神だったな...忘れてたよ」

女神「忘れないで欲しいんだけど...」アセアセ

スルト『無論そんなことはさせんがな!』

ヒューンヒューン

男5「ちっ...隕石みたいに火の玉を降らせやがって...」

バシン

勇者「やれやれ...物騒なことになっていますね...」

男4『勇者! お前も来たか』

勇者「私にも何か出来ることがあると思いましてね...ほっ」バシン

担任「皆、火の玉に当たらないように気をつけろ 戦える者は女子供を守るようにするんだ 私たちは父さんと母さんを守るぞ ツクヨミ、お前は男と美少女の援護だがな」

ツクヨミ「了解 行くぞお前ら」

男「ああ!」

美少女「男...こんな時に言うのはなんだけどさ...」タタタタタタッ

男「ん?どうした?」タタタタタタッ

美少女「明日、海に行こうよ 実はもう選んであるんだよね水着」タタタタタタタタッ

ツクヨミ「私とこの前選んだあれか...はぁ...相変わらず緊張感が無い奴だな..お前」

男「別にいいじゃないか...そこが美少女の良い所なんだからさ いいよ行こう じゃあその明日を勝ち取るために頑張りますか!」タタタタタタタッ

男母「お父さん...その...」タタタタタタッ

男父「私達も行くか?」タタタタタタタッ

男母「えっ?」タタタタタタタタッ

男父「随分と前から行きたがっていたもんな...お前...」タタタタタタッ

男母「もぅ...わかってたならもっと早く言ってよね...」タタタタタタタタッ

男父「フッ...こんな時じゃなきゃ言えんさ...いつもは恥ずかしいからな...」タタタタタタタッ

男「さて...やっと顔を拝めたな...」

美少女「ただでさえも禍々しかったのに...近づいたら更に濃くなったね...」

スルト『まさかここまで来るとはな...まぁいい...そっちから来てくれた方が好都合だ』

ブンッ カーン

男父「その行動は予測済みだ お前なら必ず炎の剣を使うと思ったからな」

ガシッ

男母「そしてこれで身動きは取れないわね...」

スルト『くっ...離せェェェェェェェェ』

男父「離す訳が無いだろ 男、今だ!」


男「わかった! ウオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォ」コォォォォォォォ

スルト『グゥ...吸い取られる...だが...』ブンッ


ガシッ

男7「おっと そうはさせませんよ...往生際が悪いお方ですね...」

ツクヨミ「男!」

メイド「勿論私も居るよ さっ、美少女 さっさと浄化しちゃおっか 私も手伝うからね」

ピカッ

美少女『はい!』

女4「え、えーと...皆頑張れー」

ツクヨミ「あいつは何をやってんだか...まぁいいや 行くぞ女!美少女!」

3人『『『ハァァァァァァァァァァァァァァ!!!!』』』シュウウウウウン

スルト『くそ...だがまだ終わった訳ではないぞ...近いうちに必ず...必ず...復活してやる...』

男「その時は...何度だって倒してやる お前は絶対に僕達には勝てん」

スルト『男か...その名前...覚えておこう...』

シュン バタン

男父「おっと...終わったか」

男母「ええ...今度こそね...」

ツクヨミ「男の浄化も終わった もうクロノスの神力は存在しない」

ピカッ

美少女「はぁ...終わったね...」

女「ああ...そうだな...おっ女、お前巫女服じゃないか なかなか似合ってるぞ」

メイド「そりゃあの状況でメイド服は変だからね...この格好の方が力が出せるし」

男「ふぁー疲れた...おっともう夜じゃないか...」

美少女「月が...綺麗だね...」

女「当然だ 私が司っているんだからな」

男7「母様...そこで威張るのはおかしいと思いますよ?」

メイド「母さんはいつも月を自分のものみたいに言うよね...」

女「違うのか?」

男「いや違うだろ...」

ガヤガヤワイワイ

男父「ったく...ちょっとは成長したかと思ったら...何も変わってないな...こいつら」

男母「男が言ったじゃない...そこがこの子達の良い所 でしょ?」

男父「フッ...そうだな...」

一旦切ります

~帰り道~

女「はぁ...疲れたな...今日は本当に色々なことがあった...姉やんを男達に紹介したし...危機を退いだしなぁ...あれ?これは私の役じゃないぞ 姉さんの役じゃないか」

担任「私はスサノオ達を迎えに行ってたからな...偶々居合わせたお前が悪い ところでツクヨミ...美少女から送られてきたメールに添付されてた写真、あれは何だ?」

女「メール?何のことだ?」

許嫁「ほら~埋められた時、会長に撮られたじゃない~」

担任「やっぱり隣に居たのはバカ姉貴だったか...で、どうして埋められていたんだ?」

男5「そういや随分と前に姉貴と姉さんが何か相談してたな...それが原因なんじゃないか?」

担任「はぁ...何で私の妹と姉と母親は皆、馬鹿ばかりなんだよ...」

美少女母「あらアマちゃん 今、聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど気のせいかしら~?」ヌルゥ

担任「あの距離で聞き取れたのかよ...地獄耳だな...」

美少女母「そりゃ私、元閻魔だもの~」

美少女父「やれやれ...アマテラス、今日の母さんは機嫌が良いからまだいいが口には気をつけろよ 下手すればお前の給料、0だからな」

男5「えっ...それは困る これからは控えてくれよ姉さん」

担任「弟もバカだったことを忘れてたよ...はぁ...」

男「前方の先生...大変そうだな....」

男妹「大変なのは私だよ...妹2、全然起きないし...お兄ちゃん、交代」

男「その姿だとおんぶは大変だもんな...わかったよ よいしょっと」

男父「男...海に行くなら私が連れて行こうか?」

男「えっ?父さんが?どうして?」

男父「ちょうど釣りに行こうかと思ってたんだ お前達も行くなら一緒に乗せて行ってやるよ」

美少女「やったー じゃあよろしくね」

男母「(ねぇ...お父さん!)」トントン

男父「(大丈夫だよ お前との約束は忘れてない)」

男父「(ならいいけど...)」

女4「私、応援しか出来なかったなぁ...」

男7「何を言っているんですか 貴女が教えてくれなければ姉様と一緒に母様を援護することは出来ませんでしたよ?」

メイド「そうだよ もっと自信を持ちなって」

女4「そうかな...私、昔から何をやって失敗ばかりだからさ 今回もまたやらかしちゃったかなと思ったんだけど...」

女「そんなことは無いさ お前はちゃんとやっていたよ」

メイド「母さんも忙しいね あっちこっち行って」

女「なに 口を出さなきゃならない会話だから来ているだけさ 女4、お前はやれば出来る子なんだ 女が言ったようにもっと自分に自信を持て」

女4「お母さんが言うのなら...」

メイド「ホント、母さんって色々な人から信頼されてるよな」

女「私の人柄が良いからだろ」

男7「自分で言ってはいけないことだと思いますがね...それ...」

男4「本当にもう大丈夫なのか?ヨルム」

ヨルム「うん 何処も痛くないよ」

女3「校長先生には感謝してもし切れないね...何たってヨルムの命の恩人なんだから」

保健先生「でも死んだ命の創造なんて...咄嗟の判断にしては凄いことだと思うけど...」

女6「一度あれと似た状況を経験しているからな...イザナミは...」

男3「エイル 昔から思ってたんだけど君がどうしてそこまで校長先生のことを知っているんだ?そろそろ答えてくれたっていいと思うんだけど」

女6「じゃあ一つだけ言っておくか...イザナミは私を神にしてくれた命の恩人だ」

フレイ「君は僕達よりもずっと昔から居た神だとオーディン様から聞いている...じゃあ君は...」

男6「はい 考察はそこまでだ 人の過去をあまり詮索するもんじゃないと親から言われてなかったのか?フレイ」

フレイ「やれやれ...ファーブニル 君には勝てないよ 斬られた時、わかってたんだろ?僕が君の懐に居て急所を防ごうとしていたってことは」

男6「さぁ...どうかな? 私はそういうことは一々覚えようとはしないんでね」

男4「まぁ、皆 生きれたからいいじゃないか あいつも最期には改心してくれたし...」

ヨルム「パパ...」

女3「先生はいつも人のことを気遣ってくれる良い人だった...まさかあんなことを考えていたとは思わなかったけど...ヨルム、貴女のパパは決して悪い人ではないわ 人のことを思い遣れる良い人よ」

ヨルム「...うん」

女2「惜しい人だった...もう少し教えてもらいたかったな...」

保健先生「さてと 今日は焼きそばねー 誰かさんがもう一回女3の焼きそばを食べたいって言っていたもの」

ヨルム「あ、あれは...」アセアセ

男4「食べたかったんだろ?ママの焼きそば」

ヨルム「う、うん...」

男4「女2 後で2人きりで話したいことがある 出来るか?」

女2「はい 大丈夫です」

~男の家~

男「で、どうして君がここに居るんだ?美少女」

美少女「お母さんが行けって言ったんだよ」

男母「そういえば帰りに校長から今日は多目に料理を作ってやれって言われたけど...そういうことだったのね やれやれ...」

男父「美少女は沢山食べるもんな...」

美少女「えへへへ 照れるな...」

男「褒めてないだろ...」

男妹「仕方ないね 美少女さんはそういう人だもの」

男妹2「あっ! 夜の分の歯磨きするの忘れてたー」ガバッ

男「起きて最初に言う言葉がそれかよ...食べた後に磨けばいいじゃないか」

男妹2「おおー お兄ちゃん頭良いー」

男妹「あんたが馬鹿なだけでしょ...」

美少女「何か妹って妹2に辛辣だよね...」

男妹2「仕方ないねーだって私は馬鹿だもの」

男「自覚してるなら治そうとしてくれよ...」

男妹「それは無理だね 妹2の力は馬鹿になることが引き換えで手に入れたものだもの...」

男「えっ?どういうことだ?」

男妹「え? いや、何でもないよ ところで、ご飯はまだかな ちょっと見に行ってくるよ」スタスタスタスタ

美少女「お母さんと妹は昔からお互いを知っているような雰囲気だった...妹2は確か、お母さんのことを『蛇さん』っ呼んでたよね」

男妹2「うんそうだよー だって蛇さんは蛇さんでしょー?」

男「確かに校長先生は蛇みたいにのらりくらりとした性格だけど...」

男妹2「昔はこんなに豊かな生活は送れなかったかなー でもお父さんとお母さんは優しかったし、蛇さんは色んなことを私に教えてくれたから楽しかったよー」

美少女「男 私の予想だと妹と妹2はこの世界出身だよ」

男「それは薄々僕も感じていた...妹の創造の力は校長先生を模倣したようなものだ...もしかして妹と妹2は元人間なんじゃ...」

男妹「ご飯出来たよー あれ?どうしたの?2人とも」

美少女「い、いや 何でもないよ 明日、何しようか話してただけ」

男「そ、そうだよ 何でもないって あそうだ 西瓜、持ってこうよ 西瓜割りやってみたかったんだけなー」

美少女「いいね やろうやろう 確か、家に西瓜あったから持ってくよ」

男妹(怪しい...)

男妹2「えっ? でもさっき...」

男「妹2 余計なこと言ったら明日の分のおにぎり作ってあげないぞ」

男妹2「えー それは困るなー じゃあ言うのやめるー」

男妹「妹2 言いなさい」

男妹2「ごめんお姉ちゃん おにぎりは美少女妹2と一緒に食べることが日課なんだよー だからどうしても欲しいの だから...言えない...ごめん...」

男妹「お兄ちゃん...卑怯な真似を...」

男「お前に知られたら困るんだよ わかってくれ妹」

男父「おいおい...兄妹喧嘩は止してくれよ 夕飯が不味くなる」

男母「男、家族の間で隠し事は駄目よ 妹もね」

2人「「で、でも...」」

男母「わかったわね?」

2人「「はい...」」シュン

美少女(やっぱり兄妹だな...この2人...動作も同じだし...)

~~~

男妹「えっ?そんなことを話してたの?」

男「ああ...お前のその力はどうも校長先生の下位互換のように思えて仕方がないんだよ...それに勇者の世界をお前が創ったにしてはあっちの世界の地理はこっちの世界のそれとそっくりだったし...」

美少女「こっちの世界に来た時もあまり驚きが無かった...まるで一度経験したことがあるみたいだったし...」

男「こっちとあっちの行き来をお前がしていてその性質を知っていたのならばお前が勇者が現人神になったってわかったのも納得がつく」

男妹「...ああそうだよ 私と妹2はこっちの世界出身だよ ある出来事が理由であっちの世界に行き、何も無い状態からあの世界を創ったんだ」

男「やっぱり...でもどうしてそのことを言ってくれなかったんだ?」

男妹「言っても信じてくれると思わなかったから...お兄ちゃんはそういう人だし...」

男「馬鹿だなーお前 出会ったばかりならまだしも今の僕がお前のことを信じない訳が無いだろ お前は僕の妹なんだから」

男妹「そ、そうだよね...ごめん...」

美少女「でも妹と妹2がこの世界を出て行く程の出来事って一体...」

男妹「それは...私の一存では話せないかな 校長先生の許可が無いと...」

男「また校長かよ...あの人、何者なんだよ本当に...」

美少女「娘の私でもお母さんのことは完全に把握は出来ないしね...」

男父「まぁ無理もないな...妹の話については私も初耳だ となると校長は私達にさえ隠していることがあるということだ...」

男母「あの人は女以上の秘密主義だものね...」

~美少女の家~

美少女母「クシュン!」

美少女父「おいおい大丈夫か? もしかして神力を使い過ぎて風邪を引いたんじゃ...夏風邪は大変だぞ...」

美少女母「大丈夫よ~多分、誰かが私のことを噂しているのよ~」

美少女妹「そういえばお姉ちゃんを男さんの家に行かせたよね...あれってどういう意図で行かせたの?」

美少女母「あんなに頑張ったからね~こういう時は私じゃなくて本当のお母さんの料理が一番じゃないかと思ったのよ~」

美少女妹2「美少女姉さんは男さんだったな...忘れてたよ...」

美少女弟「未だに信じ難いけどな...あんなに大人しい男さんと美少女姉さんが同一人物だなんて...しかも付き合ってるし...付き合ってるといえば弟2、お前の方はどうなんだ?」

美少女弟2「どうなんだって...どういうこと?」

美少女弟「ほら、お前も最近付き合い始めただろ?あれからどうなったんだ?」

美少女弟2「あれって付き合ってるって言えるのかな...やってることは勉強教えてるだけだけど...」

美少女弟「充分付き合ってるじゃねーか 姉さんだってやってるよ 帰り道も一緒だったりするんだろ?」

美少女弟2「うん そうだけど...」

美少女弟「おいおい...リア充はいいねぇ したり顔で言いやがって...」

美少女妹「弟兄さんはモテるからいいでしょ 何が不満なの?」

美少女弟「俺はそんなに長く付き合ってたことが無えんだよ だから姉さんだけでなくこいつにまで遅れを取るとは思わなかったんだ...」

美少女妹2「あれあれ?弟2にジェラシー感じてんの?弟兄貴」

美少女母「こらこら 皆して弟を虐めないの~」

美少女妹「姉さんが居なくても我が家は賑やかだね...さてと私は皿洗いしてくるよ ...どうせ誰も洗わないだろうし」スタスタスタスタ

ピンポーン

美少女母「あら~ こんな時間に誰~?」スタスタスタ ガチャ

?「夜分遅く失礼...おや、これはこれは...校長先生ではありませんか」

美少女母「そんな...私は道楽でやっているだけですよ 貴方には劣りますわ」

美少女弟「どうしたんだ?母さん」

美少女父「ちょっと様子を見に行ってくるよ...どうした母さん あ、貴方が何故ここに...」

?「ちょっと娘さんに用があってね...今回の件で礼を言おうと思ったのですよ 愚息がご迷惑をお掛けしましたから...」

美少女弟「??? 父さんまでどうした...そんなに偉い人なんてなのか?その人」

美少女母「この人はこの市の長 市長さんよ」

美少女弟「し、市長!? どうしてここに...」

市長「お姉さんに用があってね...ご不在のようだけど...何処に居るか知ってるかな」

美少女弟「姉さん? 姉さんなら男さんの家に居るけど...」

市長「ありがとう それじゃあ校長先生、教頭先生 今後とも宜しくお願いします それではこれで失礼します」

カタン...

美少女母「はぁ...疲れた~」

美少女父「まさか、彼が来るとはな...」

美少女弟「それ程なのか?あの人 丁寧な物腰だったけど」

美少女母「侮っては駄目よ~ あの人が本気を出したら私なんかあっという間で負けちゃうんだから~」

美少女弟「おいおい...冗談よせよ 母さんが負ける訳ないだろ」

美少女父「いや...母さんの言う通りだ...何故なら彼は...」

スタスタスタスタ...

市長「確か、ここのお宅だったかな」

ピンポーン

男母「はーい...えっ!?」ガチャ

市長「夜分遅く失礼します 男さんと美少女さんはご在宅でしょうか?」

男母「す、すぐに呼んできます」

男「どうしたんだ?母さん...すぐに玄関に行けって...ん?貴方は...」

美少女「確か...市長さんだったかな」

市長「こうしてお会いするのは初めてだったかな 私はこの市の市長だよ 名前を聞けばわかると思うが...私の名前はウラノス」

男「ウラノス!? じゃあ貴方は...」

市長「...先程、愚息の神力を感じてね...外に出たら巨大な火球が空に浮かんでいて驚いたよ でもその後、火球は崩れ、君達がやっつけてくれた...君達には感謝してもし切れない程の恩を感じるよ...息子の悪行を止めてくれてありがとう それに危うくこの町が地図上から消える所だったのを防いでくれた 重ね合わせて感謝したい」

美少女「そんな...当然のことをしたまでですよ それに火球を壊したのは私達ではなく男の妹2です でもまさか貴方があのクロノスのお父さんだなんて...」

市長「昼頃、ゼウスが君達を訪ねたことは既に聞いていてね いい機会だから挨拶しようと思っていたんだ まさかそれがお礼を言いに行くことになるとはね...本当にありがとう」

男「でもどうして天空神である貴方がこの町の市長なんかを...」

市長「なに...ちょっとした年寄りの道楽だよ 最近、暇を持て余していてね...ならいっそのこと市長になるのはどうかと考えたんだ」

美少女「無所属である貴方が何のバックアップも無しにいきなり市長になるのは些か疑問がありましたが...神様なら合点が行きましたよ」

市長「いや、君の考えているようなことはしていないよ ただ...君のお母さんの手は借りたけどね」

男「政界まで影響与えられるとか...人脈広過ぎだろ...校長先生...」

市長「まぁ、彼女は誰とも仲良くなるのが得意だからね...交友関係が広いのも無理は無いだろう...おっと、話が逸れてしまったね 実は君達が悪くなければ市を代表して表彰したいと考えているんだ この町の危機を救ってくれたのは君達だからね」

男「そんな...わざわざそこまでしなくても...」

美少女「日にちはいつですか?」

市長「そうだね...早くても明後日にはなるかな...まだ明確には決まってないよ」

美少女「明日では無いんですね?なら良かった」

男「美少女...まさか...」

美少女「こんな機会、滅多に無いよ 折角表彰してくれるんだからさ 好意を無下には出来ないでしょ?」

男「はぁ...やれやれ まぁ、君なら受けると思ったよ」

市長「では受けてくれるのかい?」

男「ええ...謹んでお受けしましょう」

市長「ありがとう では日付が決まり次第、追って連絡するよ それでは私はこれで 夜分遅くにすまなかったね...」

美少女「あっ、ちょっと待って下さい」

市長「? 何かな」

美少女「一つだけ...お願いしてもいいですか?」

~次の日~

女「はぁ!? 私も表彰することになった?」

美少女「だって女が居なければ浄化は出来なかった訳だし...やるなら女も一緒じゃなきゃ」

女「まぁ...そうだが...」

男父「まさか市長がわざわざ足を運んで訪ねに来るとは思わなかったよ...」

男母「ええ...出たらあの人だったから驚いたわ いつもなら職員の人を使いに出すのに...」

男「僕達が昨日したことってそんなに凄いことなのか?」

女「まぁ、簡単なことではないのは確かだな ある意味この世界を救ったといってもいい」

男「流石にそれは言い過ぎだろ...」

男父「ところで...クロノスに操られていたスルトのことだが、あの後無事に目を覚ましたらしい 当然だが操られていた時の記憶は全く無いと言っている」

男母「あともう一つ 校長からも男達を表彰したいと先程メールが来たわ こっちは学校を破壊されることから守ってくれたからだって」

女「おいおい...それじゃあ大勢を表彰することになるぞ?」

男母「勿論、関わった全員よ?まぁ、私達教員は抜きだけどね」

一旦切ります

男「話は変わるけど女、お前に見てもらいたいものがあるんだ これ」スッ

女「あーそれか...2回目に女に会った時に見せつけられたよ...あいつがアニメ好きなのは知ってるだろ?」

美少女「女がゲーム好きなのと同じようにね で、何それ アニメなのは確かだけど...」

女「なんて言えばいいかな...最近、神話をゲームやアニメに使うことが多いだろ?それの一例だよ そのアニメは...その...私が主人公なんだ...」

美少女「女が?ツクヨミって祀られてる神社も別宮ばかりであまり待遇良くないよね あっ、世間一般論的な意味でだよ?気を悪くしないでね女には感謝してるし」

女「そうだな...姉さんの方が私なんかより遥かに待遇いいしな」

男母「そりゃそうよ あの人は主神で天孫の祖母 そして太陽神なんだから」

男「そう考えるとそんな人が担任ってのは凄いことだよね...」

女「教えてることは古文だけどな まぁ、分かりやすくていいけど」

美少女「で、女にそのアニメを見せて何を言おうとしたの?」

男「その...最近、バタバタしてたからさ 女には沢山礼になってるだろ?だから少しでも返したくてさ 受けてるばかりだと気が引けてね...」

女「気にするなって言ったろ?私がやりたいからやってるんだ でもどうして私を荷物持ち係にしたんだ? 動くのは得意だが体力は無いぞ?」

男「嘘つけ お前が去年のマラソン大会で入賞したことは覚えているぞ」

美少女「5位だったよね~」

女「よくそんなこと覚えてたなお前ら」

美少女「だって表彰したの私だしー」

男「お前の名前を書いたのは僕だからねー」

2人「「ねー」」

女「おいおい...本当にこいつら、私の子孫かよ」

男父「お前そっくりじゃないか 正確には結婚してた時のお前 フレイヤからよく話は聞いているからな」

女「マジかよ...今度あいつに会ったらしばいてやる」

保健先生「私がなんだってー?」

女「ん?今、フレイヤの声が聞こえたが...気の所為か?」

男「おい女 何で頑なに後ろを見ないようにしてるんだよ」

女「さ、さぁ? 私にはわからんなぁ」

保健先生「私が見えるからでしょ オーディン様から誘いを受けてね 私達も行くことにしたのよ で、ツクヨミ 今度私に会ったらしばくんだっけ?」

女「あ、ありゃ言葉の綾さ お前をどうこうするつもりは無い それより良いのか?余所見運転は危険だぞ?それに並列で運転するのも 対向車線から車が来てるぞ?」

保健先生「おっと危ない」キキー

男4「やれやれ...女が絡むといつもこうだからな...ヨルム、頭打ってないか?」

ヨルム「うん 大丈夫だよパパ」

男4「なら良かった 怪我したら大変だからな」

女2「フレイヤ様 しっかりして下さいよ 事故なんか起こしたら大目玉ですよ?」

保健先生「わかってるわよ...最近、ツクヨミと話す機会が無いのよ...だからこうでもしないと話せなくてね...」

女2「親友でしたね お二人は...」

女3「幼い頃からよく遊んでいたって女から聞いてるよ でも神話が違いますよね?どうして2人がよく遊んでいたのですか?」

保健先生「ああ見えて昔のツクヨミは恐ろしい程繊細でね...よく一人きりで絵を描いてたのよ それを見かねた校長先生がオーディン様と相談した結果、私と遊ぶようになったってわけ 性格が真反対だったのに何故か気が合ってね あの子が結婚した時は私が仲人をしたのよ あの時のツクヨミは綺麗だったなー」

男3「僕と男4みたいなものか」

男4「よせよ 照れるじゃねーか へへ」

女3「貴方は昔から何も変わっていないもんね...自分勝手で...すぐ何処か行って...でも大切な時はすぐに戻って来る そこに私は惚れたんだから」

女「おいおい...今度はあっちから惚気話が聞こえ始めたぞ...美少女、何か言ってやれ」

美少女「リア充爆発しろぉぉぉぉぉぉ」

男「何でまぁ、僕の彼女と祖先はちょっかい出すのと悪乗りするのが好きなのかね...」

2人「「男にだけは言われたくない」」

男父「息ぴったりだな...流石、幼馴染なだけはある」

女「当然だ 私達は中学から一緒なんだからな」

美少女「あの頃はよくお世話になりました」

女「気にするなって でも大変だったぞ?知らないフリをしながらお前に教えるのは」

美少女「ああ...よく不自然なタイミングで割り込んで来たもんね...怪しいとは思ってたよ」

男「中学時代の美少女ってどんな感じだったんだ?」

女「あの頃の美少女は...そうだな...あまりお前と変わってなかったな そりゃまだ転生したばかりってのもあったけど...今程おっちょこちょいではなかった」

美少女「えっ?そうだっけ?」

女「今だってお前 時々、何もない場所で転ぶだろ?この前なんか女7と勉強してた時もトイレ行こうとして思い切り転んだし」

男「あれは痛そうだった...頭から入ったよな」

美少女「うん 痛かった でもその後に男に撫でてもらったら治ったよ」

女「すぐ話題を惚気話に持ってこうとする所がお前の悪い所だ 砂糖が口から出るわ」ペシッ

男「おい 美少女に手を出していいのは僕だけだぞ」

美少女「男...」キュン

男母「どうしてそこでそんな表情になるのよ...」

男4「おいおい...前方から何か変なムードが漂って来るんだが...会長と男が発生源か?」

男5「ああそうだな 思い切りイチャイチャしている」カシャカシャ

女2「声はすれど姿は見せず...! そこか」

男3「屋根の上に乗るとか身体張るね君は...そこまでして会長の写真を撮りたいか」

男5「本当だったら一緒に乗る予定だったんだが...寝坊しちまってな ちょうどお前達の車が見えたから屋根の上に乗ることにしたんだよ」

男4「馬鹿だろお前...」

保健先生「別に乗るのはいいけど...視界の邪魔はしないでね いきなり見えたら驚くし」

女2「いやそこは普通止めましょうよ」

保健先生「この高速道路の真ん中で? 流石にそれはおかしいでしょ」

男5「まぁ、この程度の風圧は本気のアマ姉さんに比べたら可愛いもんだからな 最低限怪我しないように気をつけるよ」

女3「そこは最大限でしょ...」

~海~

美少女「海だー 泳ぐぞー」

女「はぁ...隙あらばすぐくっつこうとするからなお前ら...磁石のS極とN極かよ」

男5「よう姉さん お疲れ」

女「お前はなに、人の車の上に乗っかってんだよ 寝坊したなら姉さんに送ってもらえよ」

男5「いや、起こしてくれれば良かったじゃないか そうすれば寝坊しなずに済んだんだし それに起きたらアマ姉さんはもう学校に行ってたからな...偶々あいつらの車が見えたから良かったものの...」

男4「だからって乗るか?普通 お前、常識に反した行動すんなよ」

女2「次やったらお前をバラすからな」

男5「おお怖い怖い この子殺気出してるよ...男4、しっかり見張ってろよそのワン公」

女2「誰がワン公だ!」

ブンッ キーン

勇者「おっと 長物を振り回すのは止めようか女2」

女2「勇者...何故ここに...」

メイド「私が母さんから誘われたからだよ いやー助かったよ 実は今日食べる分の食材無くて困ってたんだよねー」

女「お前が居ないと危なっかしいからな...こいつら...万が一に備えてってことだ で...お前達の車が見当たらないが...どうやって来たんだ?」

メイド「ん?自転車だけど」

男「じ、自転車!?ここまで結構遠いですけど...」

メイド「事前に下見しているからねー行き方はもう知ってるよ 伊達に男探して旅してたんじゃないよ 足腰はそのこともあってまだ衰えてないし」

女「お前は無駄に体力あるもんな...誰に似たんだか...」

保健先生「そりゃツクヨミ...あんたでしょ」

女「フレイヤ...ってお前 なんて格好してんだ 露出高いなおい」

保健先生「別にいいでしょ 私の水着のことなんて そういうあんたは着替えてないけど...いいの?」

女「ああ 私は月の神だからな...長い間太陽に当たってて無事な訳がないだろうし 日陰に居ることにするよ」

保健先生「えっ...あんた、何しに来たのよ...」

女「そりゃ...騒いでるこいつらを遠目で見ながらゆっくりゲームする為さ 勿論、充電器もバッテリーも持ってきているぞ」

保健先生「あのね...折角海に来たんだから泳ぎなさいよ ったく...念の為にあんたの水着も持って来て正解ね ほら、着替えに行くわよ」グイッ

女「えっ?あっ...おい! やめろ!私は泳ぎたくないんだァァァァァァ」ズルズル

男「完全に母親に駄々こねて無理矢理連れていかれてる子供だよね...あれ...」

メイド「うん...母さん、未だに子供染みた所あるし...」

許嫁「おっ 男じゃない~ やっほー 元気~?」

男「許嫁!? どうしてお前がここに...」

許嫁「そりゃ~ ここの海の家の経営者はあたいだからね~ そこの女ちゃんのバイト先もあたいが関わってるってわけ」

男「えっ!?バイトしに来たんですか?メイドさん」

メイド「まぁ...食費が切羽詰まってね...急遽バイトすることにしたんだよ」

許嫁「ほらほら~ さっさと行かなきゃ~ そろそろお客さんがいっぱい来るよ~」

メイド「それじゃあ私はこれで 勇者さんのこと、頼んだよ」スタスタスタスタ

男「えっ?! メイドさん!...行っちゃった」

男父「どうした男...浮かない顔して 父さんと釣りでもするか?」

男「父さん...じゃあ美少女達が着替えてくる間までね」

男父「こうしてお前と釣りをするのは久し振りだな いつ以来だっけ?」

男「確か...小学校以来だよ」

男父「もうそんなに経ったかー時が経つのは早いなー おっ、かかった ほっ」ザバッ

男「おお...大きい...」

男父「ほら お前もやってみろ 餌もある」スッ

男「えっ...僕はいいよ...」

男父「何事も経験だぞ?やっておいた方がいいって」

男「そこまで言うなら...ちょっとだけね」

男父「まずは餌を針につけるところからだな...おっ 上手いな」

男「これくらい、誰でも出来るよ で、魚の居そうなところに投げればいいんだよね?」

男父「おっとまぁ待て あまり音を立てたら魚が逃げるからな...私が指す場所に投げろ そうだな...彼処なんかどうだ?」

男「わかった ...よっと」ヒュン

ボチャン

男父「黙って垂らしていればいいわけじゃないぞ 偶には揺らしてやらないとな」

男「それってここじゃなくて海に出た時のことじゃないの?ここは堤防だし...」

グィー

男父「おっかかったぞ!」

男「えっ!?でもまだ入れたばかりだよ こんなに早くかかるはずが...」

男父「かかったものはかかったんだ いいから引き上げろ 糸が切れないように注意しろよ 獲物が逃げるからな」

男「わかってるって...くぅ...重い...持ってかれる...」

男父「ここいらでそんなに大きいのは釣れないと思うんだがな...何か怪しいな...男、気を付けろよ」

男「う、うん...うぐぐ...はっ」ザバァ

ピチピチ

男「えっ!?」

男父「これは...まさかな...」

2人「「に、人魚...」」

人魚「えへへ...釣られちゃった...」

男「まさか本当に実在するなんて...」

男父「...ん?お前、ポセイドンの所の奴じゃないか 何でお前がここに...」

人魚「えっ?どうして私のことを知っているの?」

男父「そりゃお前...私は今はこんななりだがオーディンだからだよ 家来のお前が居るとなると...あいつも居ることになるのか...」

男「おいおい...まさか父さん...」

男父「ああ...ゼウスの家族にまた会うことになるな...」

男「近場に神が集中し過ぎだろ...」

~海の家~

許嫁「これで挨拶は終わったね~ じゃあ営業開始といこうか~」

メイド「あの...先輩...」

先輩「ん?どうした?」

メイド「貴方...もしかして...」

男「ポセイドン...だよね?」ゼエ...ゼエ...

メイド「男? どうして此処に...」

男父「さっきこいつを男が釣り上げたからだよ...」ゼエ...ゼエ...

人魚「いや~ 釣られちゃいましたー」

先輩「ったく...だからもっと遠くで泳げと言ったのに...」

メイド「やっぱり...先輩から神力を感じたんですよね しかもかなり強めの」

男父「当然だな こいつは海の神 そしてゼウスの兄でもある そんなお前がまさか海の家でバイトしてるとは...予想外にも程があるだろ...」

先輩「まさかバイトしたての子にこうも早くバレてしまうとはな...すみません ちょっとの間、抜けますがいいですか?」

許嫁「ん? ...ああ、大丈夫だよ~ まだそこまで人は入ってないしね~ でも出来るだけ早く戻って来てよ~」

先輩「わかってます ...ほら、行くぞ」

男「わわっ...押される...」

~店の裏~

男父「何でお前がここに...」

先輩「お前が先生をやってるのと同じだよ オーディン」

男「じゃあ貴方が...」

先輩「ああそうだ...昨日、愚弟が迷惑を掛けたな 俺はポセイドン 確か、お前はハデスの兄貴にも会ってるんだろ?話は聞いてるよ」

メイド「でもどうして海の神がバイトなんか...」

先輩「ここの海は綺麗だからな...餌も豊富で人もよく来る賑やかで良い場所だ ゴミも無いしな そんな所に俺も何かしたくなったのさ だからこのシーズンは毎年こうやってバイトをしているんだ」

男父「なるほどな...まぁ、海を誰よりも愛しているお前のことだ そういうことだろうと思ったよ いつも通りで安心した」

先輩「それにしても...これで何回目だ? 数年前からずっとこいつが俺がバイトしている時に来るんだよ いい加減にしろよお前」

人魚「で、でも...会いたかったんですよ~」

先輩「バイトが終わればいつでも会えるだろ お前は俺の右腕なんだからな」

男「えっ?右腕なの?」

男父「ああ事実だ...だからこいつだってわかった時、不思議に思ったんだ 男を海に引き摺り込んだり、糸を断ち切ることなんて容易のはず...それを何故、こいつがしなずに大人しく釣られたのかをな...どういうことだ?セイレーン」

メイド「せ、セイレーンって...」

男「ギリシア神話に出てくる海の怪物...」

セイレーン「あっ、そんな目で見ないでね 私、船を沈めたことなんて一回も無いから 寧ろ、沈んで溺れてる人を陸地に助けてるし」

先輩「こいつは人懐っこい奴でな...溺れてる奴を見るとすぐに助けに行くんだよ...まぁ、実力もある だから右腕にしたんだが...そんなこいつが数年前、偶々海の中にあるワイヤーに絡まって身動きを取れなくなったんだ 俺がすぐに駆けつけて助けたから大事には至らなかったが...それ以降、何故か片時も俺の側を離れようとしなくなって参ってるんだよ...」

メイド「ははーん...さては惚れたな?」

セイレーン ギクッ

セイレーン「そ、そんな訳ないじゃない ポセイドン様は確かに凛々しくてカッコ良くて優しいけど...た、タイプじゃないもの」

男父「いや、お前 随分と前に主神全員で宴会やってた時に言ってたよな 凛々しくてカッコ良くて優しい人がタイプだって」

男「ピンポイントで当たってるじゃないか...流石、女たらしで有名な主神のお兄さんなだけはある...部下のハートを射止めるなんて...」

先輩「おい 俺をゼウスと一緒にするな ...本当なのか?」

セイレーン「は、はい...キャッ、言っちゃった...」

男「おいおいこりゃとんでもない事態になったな...どうする父さん」

男父「どうするってそりゃ解決するのが一番だが...参ったな ポセイドン、お前はどう感じている」

先輩「い、いや...俺は生まれて人に好かれたことが無いからな...まぁ一度だけあったが...あいつは、アテナによって怪物にされて結果、殺されてしまったし...だから人を好きにならないようにしてきたんだが...まさか、こんなことになるとは...」

セイレーン「わ、私はポセイドン様のことを尊敬していますし、忘れろと言われたら忘れます で、でもこの胸の高鳴りは...どうしても押さられないのです...」

男「...父さん こりゃ当事者同士で解決出来そうだぞ 僕達は出汁にされたようだ」

男父「ああ...この様子からすると恐らくそうだな...やれやれ...ポセイドン、このことは借りだからな 覚えておけよ はぁ...じゃあ行くとするか...とんだ茶番を見せられた気分だよ...」

スタスタスタスタ

メイド「え、えーと では私は先に戻ってますね」

スタスタスタスタ

~海~

美少女「男ー男ー」

男母「お父さーん 何処なのー?」

男「やぁごめんごめん ちょっとあってね」

美少女「おっそーい 今まで何処行ってたの」

男「まぁ、聞けよ さっきさ...」

男母「お父さんも どうしたの?そんな顔して」

男父「なに...歩きながら話すとするよ...はぁ...」

一旦切ります

美少女「えっ...そんなことあったの?」

男「ああ...どうせ今頃イチャイチャしてるよ...」

美少女「よし ぶん殴ってこよう」

男「止めんかい」バシッ

美少女「痛っ...もう 冗談だって」

男「いや、顔が怒ってる顔だったぞ ところで...女はまだ着替えてるのか?」

美少女「なんか物凄く抵抗してる声が聞こえたね 着たくないって」

男「あーやっぱりか...おっ?何か引きずられてる音がしないか?」

美少女「...うん 聞こえるね こっちに来てる」

「やだァァァァァァ 行きたくないィィィィィ」ズリズリズリ

男「...これ、女の声だな」

美少女「何か叫んでるし...あっ、来たね」

保健先生「いやー なかなか言うこと聞かないから困ったわよ」

女「よりによってこんな水着なんて...お前、嫌がらせだろ しかもサイズぴったりだし」

美少女「ブッ...スク水...しかも平仮名でおんなとか...アハハハハハハ」

男「...これ、旧式の奴だよな 今じゃ使ってる学校無いぞ うちの学校のは最新式だし」

保健先生「そうよ? この前、私が取り寄せたの ツクヨミに着せようと思ってね」

女「やっぱり嫌がらせじゃねーか ふざけんなよお前」

男「でも似合ってるぞ? 眼鏡が合わないが...」

美少女「何言ってんの 眼鏡があるからいいんでしょ!これだから素人は...」

女「何の素人だよ...」

保健先生「はいはい それじゃあ3人とも着替えたことだし私はあっちの方を見守りに行くからね じゃ」

スタスタスタスタスタスタ

女「ちくしょう...日陰でゆっくりとゲームするつもりだったのに...」

男「まぁ、いいじゃないか 着替えたんだし遊ぼうよ 美少女がさっきから鼻息荒いし」

美少女「ずっと待ってたからね やろうやろう」フンス

女「はぁ...わかったよ で?何をやるんだ?」

美少女「ビーチフラッグ」

女「えっ?ビーチフラッグ?」

美少女「うん はい男 この旗を遠くに挿してきて」スッ

男「ぼ、僕が?...何だよその目...わかったよやってくればいいんだろ」スタスタスタスタ

ザクッ

美少女「じゃあそこで開始の合図やってー」

女「おいおい まさか私とお前がか?」

美少女「うん」

女「やれやれ...仕方ないな でもやるからには本気で行くからな」

男「よーい ドン」

ダダダダダダダダダダダダッ

男「は、速っ...2人とも一歩も譲らないぞ...」

バッ パシッ シュタッ

女「ふっ...勝った まだまだ甘いな美少女」

美少女「く、くぅ...もう一回!」

女「いいだろう...男、もう一回頼む」 スッ

男「わ、わかったよ...僕じゃ到底相手にならない次元だもんね...」

~数分後~

美少女「ハァハァ...やっと勝てた...」

女「お前...勝つまでやるとかありかよ...」

男「かれこれ30回はやったんじゃないか?砂浜にボコボコとクレーターが出来てるし...」

男父「さっきから凄い音が聞こえると思ったら...お前ら何やってるんだ?」

男「ビーチフラッグ」

男父「ビーチフラッグってそこまで激しいものじゃないだろ...」

男母「スイカ持ってきたわよー」

美少女「よし、じゃあ次はスイカ割りしよっか」

女「じゃあ今度は男が割る役だな 私達が誘導するから」

男「まぁ、ここで僕がやらなかったら何の為に僕が居るんだってなるしね よーしいいよ」ギュッ

美少女「前前前...あー、右右右右」

女「左だ左...ん?男、上だ」

男「上?女...からかってるのか?スイカが上にある訳無いだろ」

女「いや...本当に上なんだよ...な、美少女」

美少女「う、うん...スイカに...翼が生えてる...」

男「はぁ!?どうしてスイカに翼が生えるんだよ で?どうしたら割れるんだ?」

女「前に30cm程進んで1m程飛んで垂直に叩けば割れる 急げ男! スイカが逃げるぞ!」

男「も、もうどうにでもなれー」タタタタッ ピョン バシン

パッカーン

美少女「わ、割れた...」

女「おいフリッグ スイカに何かしただろ」

男母「ちょっとだけ神力使ったわ スイカ割りすると思ったからね」

男父「やっぱり母さんの仕業か...」

男「...おお 割れてる割れてる 本当に飛んでたんだな...」

男4「おっ?でかいスイカだなー 食っていいか?」

ヨルム「もぐもぐ...甘い...」

女3「こらヨルム 勝手に食べちゃ駄目でしょ」

女「お前ら来るの早すぎだろ...まぁ、呼ぼうとは思っていたから手間が省けたが」

男5「いやー いい画だったよ グッジョブ男」

女「予想通りだな お前のことだ このことを見逃さないと思ってたよ」

男5「当然だ あんな光景、見たくても見れないからな ほら、決定的な瞬間が撮れたよ」スッ

美少女「おーよく撮れてるねー ...男5、カメラマンになったら?」

男5「俺も何かそうした方がいい気がしてきたな...撮る方の腕ばかり上達してる気がするし...」

女「じゃあ今年の修学旅行の集合写真はお前が撮ったらどうだ?」

男5「馬鹿言え そしたら俺が映らなくなるだろ タイマーだと良い写真は撮れんしな」

許嫁「代役が居ればいいでしょ~ 例えばスーパーの店長やってるあの子とか~ はい、注文のジュースだよ~」スッ

男「あぁ...確かに...スーパーの店長、男5そっくりだもんな 代役出来そうだ」

男5「そんなこと言ってもなぁ...あいつが引き受ける訳が...」

店長兄「いいぞ?代役しても」

男5「...は? どうしてお前、ここに居るんだ?」

店長兄「どうしてって、ここの材料仕入れ先がうちだからだよ それで、持って来たらたまたま父さんの声が聞こえたから来たんだ」

男4「なるほど...確かにそっくりだな男5と」

女「性格は姉さんそっくりだがな...」

一旦切ります

女3「えっ?この人が...先生と男5の子供?ということは...」

男4「女3...察してやれ あの時はこいつも酒に酔ってたんだとよ 故意でやった訳じゃないんだしこいつも反省しているんだからいいだろ」

男5「どーもこの話になると毎回白い目で見られるな俺...」

店長兄「仕方ねえだろ父さん 俺達はあの行為で産まれたんだからさ」

女「私が言うのも何だけどな...お前、結構ヤバい奴だよな」

男5「今頃言うか!? あの時、姉さん応援してくれたじゃねえか」

女「い、いやぁ...あの時はとんでもないことが起こって動転してたからな...」

男「わかるわかる 姉弟で子供産むとかあり得ないもんな」

男5「おい さりげなくギリシア神話の神総員をディスるのやめろよ」

美少女「でもさ よく肉塊にする程度で許してくれたよねお母さん」

許嫁「お母たまはそれで許したけどお父たまはね...あれは酷かった...」

男5「四肢引き千切って海に放り出されたもんな...あれは地獄だった...まぁ、それがクシナダとの出会いだったんだけどな」

男「あぁ...助けて貰った時にってやつか...」

美少女「ここまでの流れをまとめてみたんだけど...えーと、まず男5が酒に酔って先生を孕ます→お父さんとお母さん激怒→肉塊にされて回復後四肢を引き裂かれて海に追放→その時、通りすがったクシナダ姫が助ける→結婚 これでいい?」

男5「ああ...それで合ってるよ」

女「尚、その前に酔って馬の皮を剥ぎ、神殿で大きな方をするなど悪行を尽くして姉さんを怒らせ引きこもらせました」

女2「お前...酒癖悪過ぎだろ...」

保健先生「寧ろ怖いのはここまでしてるのに酒を勧めた校長先生達よ...何故過ちを繰り返すとわかってたのに飲ませたのか...」

許嫁「ああそのこと?まぁ、お母たま達が勧めたのもらあったけど、最終的にあたいがスサ君に飲ませたんだよ めでたいことがあったからね~」

男「やっぱりお前が元凶か」

女「このことで男5は姉やんのことを憎んでいます」

男5「無理矢理飲ませた姉貴の罪は重い...」

許嫁「いや~悪かったって~ この通り、反省してるよ~」

美少女「いや、絶対反省してないでしょ...」

男4「ところでさっきから気になってたんだが、許嫁 お前、校長と教頭のこと...何でそんな呼び方してんだ?」

許嫁「この呼び方がお母たまとお父たまを喜ばせられたからだよ~ 産まれた時のあたいは骨がふにゃふにゃだったのは知ってるでしょ~ で、その頃に初めて2人を呼んだ呼び方がお母たまとお父たまって訳~」

男3「いや、それ 初めて声を出して呼んだから喜んだだけじゃないのかな...」

男4「そうだな 俺も子供達が初めて俺を呼んだ時は嬉しかったし」

男「勘違いだよ...きっと...」

許嫁「え~ そう~?」

女「駄目だな この様子だと理解しないよ はぁ...父さん迷惑してたんだよな 学校であの呼び方されると恥ずかしいって」

男5「姉貴にも何回も改めろと言ってるんだが...本人が改める気が無いからな...参ったよ」

美少女「あっ、じゃあ昨日のアレやる?」ゴゴゴゴゴゴ

女「それだけはやめろォォォォォォォォォォ」ガタガタガタガタガタガタガタ

男「まぁ、あんな目に遭えばトラウマにもなるわな...」

一旦切ります

まぁ、誰だって過ちの一つや二つは犯すもんさ...俺は犯し過ぎるけどな...大切なのはそれを繰り返さないように心掛けることじゃないかな ということで続き書きますわ

男5「あんな目って何だ?」

男4「『閻魔モード』のことだな」

許嫁「えっ?どうして男4がそのこと知ってるの~?」

男4「まぁ...色々あってな ついでにこいつのことも色々知ったよ」チラッ

女2「えぇ...まぁ...」

勇者「女2について?詳しく聞かせてもらえませんかね?」ペタペタペタペタ

男「お?もう波乗りはいいのか?勇者」

勇者「いえ まだまだしますよ?でも、風に乗って先程の声が聞こえたので来ました」

女「母さん程ではないが...地獄耳だなお前」

勇者「いえいえ...メイドさんには負けますよ それで、女2についてどのようなことを知ったのですか?」

男4「まぁ、こういうことは順を追って説明した方がいいかな あれは俺が先生に背後から殴られて気絶した時のことなんだよ」

男3「ああ...思い切り殴られてたね...」

保健先生「えっ...あの時から目を覚ましていたの?」

男3「あっ、はい 治療をされた直後から意識を取り戻していました」

男「す、すげぇな...不死って言うだけあって再生能力も半端じゃない」

男4「おい 俺の話の腰を折るな」

男「す、すまん...続けてくれ」

男4「その時に俺は誰かの声に起こされたんだよ で、その時に現れたのがこいつそっくりな奴 でも口調も服装も全然違ったからすぐ違うってわかったけどな」

女3「どういう見極め方よ...」

男4「その時もそいつにそんなこと言われたなー で、そいつが本当の女2だったんだよ」

美少女「本当の女2?じゃあ今の女2は偽物?」

男4「違う会長 そういう意味じゃないんだよ なんて言えばいいかな...」

女「女2の中に存在する奴が出てきたってことだろ?言い換えると...真の女2ってところか」

男4「そうそうそれだ で、その真の女2が俺に『神の血』を解放させることとその条件 それと、女2について教えたんだよ で、目を覚ましたら女3が危なかったから急いで解放して防いだってことだ」

男5「なるほどなー まぁ、そうだよな 気絶させられてた奴が目を覚ますと同時に『神の血』を解放させるなんて誰かが入れ知恵しないと出来ない芸当だもんな で、女2について何のことを聞いたんだよ」

男4「そのことだが...女2 お前の口から話せ 昨日話したろ?」

女2「未だに信じられないのですが...おほん 私は今はこうしてヴァルキリーをしているがそれ以前の記憶は無い そのことは皆も知っていると思う」

勇者「えっ!?知りませんでした...」

美少女「勇者 今は口を挟まない」

勇者「は、はい...」

女2「私が目を覚ました時、初めて会った人はフレイヤ様だ 右も左も分からない私に一から全てを教えてくれた...」

女「そうなのか?フレイヤ」

保健先生「ええそうよ その時の女2は裸だったわね 家の外からドスンって音がしたから見に行ったら大きな穴とその中心にうつ伏せで倒れている女2が居たのよ」

男母「だからあの時、私に服をくれって言ったのね...やっとわかったわ」

女2「あの...話を続けてもいいですか?」

保健先生「あっ ごめんなさいね 邪魔するつもりは無かったんだけど...続けて」

女2「何も覚えていない私は行く当ても無く、取り敢えず暫くの間はフレイヤ様の家に居た...そんなある日、たまたま遊びに来ていたオーディン様の目に留まり、勧められる形で剣を振るってみたら思ったほか使いこなせてな...そこからはトントン拍子で事が進み...気が付いたらヴァルキリーになってロキ様の監視役になっていた」

男父「それが今では剣道部の副将になっているんだから何が起こるかわからないもんだな...」

男「なるほど...ヴァルキリーになる前の記憶が無いならどうしてヴァルキリーになったのかと思ったら父さんのお陰だったのか」

男父「最初に会った時から女2からは只者では無いオーラを感じてな...試しに剣を持たせてみたらこれが凄く上手かったんだよ だから母さんと相談して...ヴァルキリーにすることにしたんだ 知識の方はフレイヤから教えられているなら充分だし、実技は既に見ているから合格 だからテストを飛ばして認定したんだよ」

美少女「その頃から女2は強かったんだ...」

男父「簡潔に言うとそうなるな」

男5「...女2が申し訳ない目で見てるぞ 察してやれよ先生」

男父「おっと 私まで邪魔をしてすまないな どうぞ続けてくれ」

女2「何も覚えてない私だったが...何と無くうっすらと覚えていることがあったんだ...誰かと共に何かに向かって戦い、敗れ...そしてまた戦い続ける...」

店長兄「その誰かは複数人なのか?」

女2「いや...1人だ そしてその時の私はその誰かと親しげに話していた... でもそれは私ではなく、先程ロキ様が言った真の私の記憶の断片だということが昨日わかった...しかも私にはそもそも記憶が存在しないということも...」

美少女「じゃあ女2は裸でうつ伏せに倒れて誕生したってこと!?」

男4「恐らくそうなんだろうな...でも最後にあいつ、気掛かりなこと言ったんだよな 今度会う時は違う姿で会いに行くって」

男「違う姿? どういうことだ?」

男4「さぁ?詳しいことは俺もわからん ただ、俺は女2そっくりの姿で助言をされるのは癪だと言ったらそう言ったんだよ」

男母「...昔、校長先生に聞かれたわ ある神が賭けで自分を複数体に分けて様々な時代に飛ばしたって話を信じるかって あの時は取り留めの無いことだと思って聞き流したけど...もしかしてそのことと関係するのかもしれない...」

男「じゃあ女2はその神の一部ってこと?」

男母「多分...」

男5「でも、ある神って誰だ? それに賭けって何の?」

女「母さんに聞いてもはぐかされるだけだろうな...こればかりは考えるしかないか...」

男父「校長は本当に考えが読めない人だからな...とんでもないことをふとしたことで口にするから大変なんだ...」

男「そうだ!女7! あいつ、運命神だろ?あいつなら何か知ってるんじゃないか?その神について」

ピカッ

女7「知っていると言えば知ってるけど、知らないと言えば知らないかな...」プカプカ

美少女「アヒルの浮き輪に乗ってる...」

女「楽しいか?お前」

女7「楽しいよ?必死に考えてる皆の姿を眺めながら漂うのはね~」

保健先生「ヴェル! 茶化さないの」

女7「わかってるって で、その神のことなんだけどさ 言いたいのは山々なんだけど...名前やら能力やらがNGワードになっててさ 口にしたり文字に書いたりしたら私、他の2人からコテンパンにされるんだよね だから言えないんだよ」

美少女「そこをどうにか出来ないかな...」ウワメ

女7「う、うーん...上目遣いされてもねぇ...あっ!これなら大丈夫かもしれない その神はクロノスが関係してるよ じゃあ私はこれでね モタモタしてたら2人に見つかっちゃうから」

ピカッ

男「クロノスが関係している?ますますわからなくなったな...」

男4「そういえば...」

女3「何か思い出したの?」

男4「まぁ、勘違いかもしれないがな 別れ際に聞いたんだよ 真の女2、つまりNGワードになってる神にな どうして俺に助言なんかするのかって そしたら、あいつ...男と会長と先生...あの時は一って呼んでたな この3人が今居なくなると都合が悪いからって答えたんだよ それがヒントなのかもしれん...」

男「僕と美少女と父さん? 一体どういうことだ?」

女「共通点といったら...全員私の子孫だってことだが」

許嫁「もしかしたらそれが正解なのかもしれないね~ヨミちゃん ヨミちゃんの子孫だーかーらー 居なくなる...つまり死んで欲しく無かったのよ~」

女「??? どういうことだ?姉やん」

許嫁「昨日、ヨミちゃん会ったんでしょ?言葉の神姉妹に その時に『続編』って言ってたのよね?」

女「あ、ああ...言ってたが...姉やんがどうしてそれを?」

許嫁「男6から聞いたのよ~ で、続編となると少なからず前の作品からの登場人物が出てくるでしょ?出てこない時もあるけど~ その時にキーマンとなるから3人には居なくなったら困るんじゃない?」

男5「姉貴にしてはまともなこと言ってるな...熱中症か?」

許嫁「あたいだって考える時は真面目だよ?やだな~スサちゃんたら~」

男5「ああ...その調子だと大丈夫そうだな」

男「続編か...確か、昨日 僕と美少女の息子とか名乗ってたのが現れたよな」

美少女「1回目は宅配人...女だったけど 2回目は私と男が斬られそうになった時 もしかしてそれが?」

女「...続編の主人公ってヤツなのかもしれんな 名前も男二だし」

勇者「男2?どうしてその名前が?」

女「勇者 お前のことじゃない 漢数字で二だ 紛らわしいがな」

男「それに...ゼウスが会いに来た時も何かそんなことを言ってたよな 息子のクラスメイトになるとかどうとか...」

男母「ああ言ってたわね...ヘラに5年近く会ってないとか言ってたからすぐに会いに行かせたけど...」

男父「ゼウスに会ったのか!?母さん」

男母「たまたまね...」

男父「あいつめ...今度会ったらタコ殴りにしてやる...」

男「何か物凄く怒ってるな...父さん」

男3「お父さんはゼウスさんのことが嫌いだからね...会う度にお母さんをナンパされるから...」ヒソヒソ

男「あぁ...なるほど...」

女「まぁ、今は分からなくてもそのうち分かる時が来るだろ その続編とやらでな ところで...私達の分のスイカはどうした?」

ヨルム「ゲプッ...お腹いっぱい...」

女3「ヨルムが全部食べちゃったみたい...」

女「マジかよ...スイカまるまる一つ食べるなんて美少女と張れるんじゃないか?」

美少女「失礼な!スイカ一つで私のお腹が満たされると思ってるの?」

男「君ならそう言うと思ったよ...」

一旦切ります

>>214で怒るのは男の方かと思った

>>348 あぁ...そのことですか そう受け取られるとは思いませんでしたが...読み返すと確かにそう思えますね 実はあの時、男も怒っていたのですが美少女が初めて『閻魔モード』を発現したことで怒りよりも驚きの方が勝ったということです 誤解させてしまい申し訳ありません

男母「そう言うと思って追加分も持ってきたわ はい」スッ

男父「今度は翼が生えるなんてことは無いよな?」

男母「大丈夫よ 翼は生えないわ」

男5「よし じゃあ今度は俺が割ろう」ギュッ

男「....前方に向かって思いっきり走れ」

男5「は?どういう指示だよ」

女「だってよ...スイカが浜辺を駆け巡ってるんだぞ?」

男父「おい、母さん...」

男母「言ったでしょ?翼は生えないって」

男3「こういう時に悪戯するの、お母さん好きだよね...はぁ...」

女3「でも男5はまだ鉢巻したまま...まさか」

美少女「頑張れ男5 君なら出来る」

男5「そんなこと言われてもなぁ...目隠しして走り回ってる標的を叩くことがどれだけ大変なのかわかってるのか?会長」

女2「お前だから出来るのさ 子供の前で恥はかけんだろ?」

店長兄「無理すんなよ父さん...」

男5「...あーもう 考えるのは止めだ 直感でいく....そこだ!」バンッ

パカッ

男5「よっしゃー 割ったぜ」

勇者「来るタイミングを見極め...的確に叩く それも目隠しした状態で...伊達に3番手を名乗っていませんね...」

女「当然だろ...なんたって...」

許嫁「あたいの弟だもんね~ えっへん」

女「姉やん...それ、私の台詞...」

許嫁「あっ...ごめんね~ヨミちゃん つい嬉しくてさ~」

ヨルム「おかわり...」

女3「ヨルム、駄目よ?さっき一人で全部食べたんだから それにお腹いっぱいなんでしょ?」

ヨルム「あっでも...はい...」ショボン

男4「ほらよ 俺の分、食べろよ 俺、スイカ嫌いだからさ」スッ

男3「えっ?でもさっきあんなに楽しみに...」

男4「バルドル...余計なことを言うな ヨルムが遠慮するだろ」

女3「あなた...またそうやって...」

男4「俺はヨルムが悲しむ顔を見たくないんだよ こいつはもう充分悲しんだからな...俺のことは気にすんな どうせ家に帰れば食べれると思うし」

男「溺愛してんな...男4は...他の子供達にもそうなのか?父さん」

男父「ああそうだ 怪我をした時なんて気が動転してたしな...」

男母「昨日のお父さんだってそうでしょ?バルドルが倒れてた時、オロオロしてたし...遠目でもわかったわよ」

美少女「あの...母さん?頭に刺さってるのは...」

男母「ああこれ?グングニルよ?」

女「よくもまぁ...そんなものが頭に刺さっていて平気に会話が出来るな...矢じゃないんだぞ?」

男母「喧嘩する時はいつもこうよ?だからもう慣れたわ」スポッ

男5「そんな当たり前みたいに言うなよ...」

店長兄「父さんだって喧嘩したら母さんにいつも肉塊にされてるだろ それと同じだよ」

女2「えっ...お前、いつもそんな目に遭ってるのか?」

男5「そうだが...普通じゃないのか?」

女2「いや、異常だろ...」

一旦切ります

男3「話題を変えるけどいいかな?こうして皆が集まっているからさ」

男「ん?どうした?」モグモグ

男3「勇者 君さ、少し前から僕達に対して敬語使うようになったよね?どうしてなのかな」

勇者「そのことですか...えーと...なんと言えばいいですかね...」

美少女「最初にあっちの世界に行った時からちょくちょく敬語混じってたけどね~ あっでも二回目行った辺りから完全に敬語オンリーになったね」

女2「確かに...最近、何処か違和感を感じていたんだよな その喋り方に」

女「男ならまだわかるぞ?あいつは義理堅い奴だからな」

男「僕って義理堅かったっけ...」

女「お前じゃない!私の息子の方だよ」

男「ああ...男7か...女が言ったことを守ってるんだっけ」

男5「母親思いの良い奴だよ...何処かの誰かさんも見習って欲しいけどな...」チラッ

許嫁「え~ あたいはいつも家族のことを思ってるよ~?」

男5「まぁ...姉貴についても思ってるが俺はそっちの方の奴にも言ってるんだよな...」

店長兄「え?俺?」

男5「お前、この前の母の日に姉さんに何かあげたか?長男であるお前があげないってどういうことだよ」

店長兄「ちゃんとやったぞ?花束」

男5「あのな...それが駄目だって言ってるんだよ だいだいさ...」

クドクドクドクド

男父「何か説教し始めたぞあいつ...」

男母「日頃思ってることがあるんでしょ...一応父親だし」

保健先生「ほっときましょうそのうちに終わるだろうし 確か勇者の言葉遣いのことだったわね」

勇者「この状況で話すのは抵抗がありますね...」

男4「そうそうそれだよそれ その話し方だ 前はもっと親しげに話してたじゃねえかどうしたんだよお前 何か悩み事でもあるのか?」

勇者「いえ...ありませんよ?元々私は王族の者ですからこれが普通の話し方なんですよ」

女「だからって急に戻すことは無いだろ...あっ、さては魔王娘が原因だな?あいつに再会してから様子おかしいし」

男4「魔王娘?誰だそいつ?」

美少女「勇者の幼馴染だよ 家族絡みの付き合いだからかなり幼い頃からの知り合いだと思うよ?」

男3「勇者?そんな人のこと一言も聞いたことが無いんだけど...」ジィー

男4「水臭いぞお前...聞いても向こうの話全然してくれないしさ...そんな奴居たのかよ」ジィー

勇者「他愛も無いことなので話す必要は無いと思ったんです」

女2「魔王娘って...もしかして文字通り魔王の娘なのか?勇者って名前なのに?」

勇者「私の世界は人間と魔族が共存する世界なのですよ 先日まで戦争してましたが...」

男「その戦争の元凶が僕の妹なんだよね」

男4「えっ...マジで?」

男「マジだよ」

男3「君もとんでもない子を妹にしたな...」

男「そう言うなって...今はあいつも反省しているし それに男4も人のこと言えないだろ?そいつだって強制とはいえやっちゃたんだからさ」

男4「ヨルムを悪く言うな 幾らお前だからって言って良いことと悪いことがあるだろ」

男父「例え話だろ?そうかっかするなよ 落ち着け」

保健先生「勇者の世界といえば...気になることがあるわね...多分勇者に聞いてもわからないと思うけど...」

女「どうした?フレイヤ」

保健先生「ほら...最初に男達が勇者の世界に行った時、一泊したでしょ?」

女「あぁ...勇者の胸が大きかったことだな ほらこれ」ツンツン

美少女「何触ってんの」パーン

男「同姓だからって触って良い訳無いだろうが」パーン

女「お前ら...最近私に対して扱い酷くないか?」

2人「「えっ?全然」」

女「無駄に息合わせやがって...」

保健先生「でもこの前聞いた話だと向こうで一日過ごしたらこっちで25日経つことがわかったのよね...でも最初の時は滞在した時間しか経過してない..これってどういうこと?」

女「えっ...無視?私、泣いていい?」

許嫁「お姉ちゃんのここ、空いてるよ~?」

女「姉やんのは超低反発だから結構だ」

許嫁「えぇ...傷付くなぁ...」

男「ゲート使ったからでは?確かこの前ゲート使えば滞在した時間しか経過しないって...」

女「あれな 妹だから出来たんだよ」

男「は?どういうことだ?」

女「簡単に言うと創造神クラスの神力じゃないと普通に25日経つんだよ この前、母さんが言ってた」

美少女「何その後付設定...」

保健先生「あの時、私がそっちに向かった時に作ったゲート あれ、自分で作ったのよ?私には勿論創造神クラスの神力なんて無いし、そのこっちの25日が向こうの1日に相当するってズレが当てはまるとなるとおかしいことになるのよね...」

女「じゃあお前は母さんが間違ったことを言ったと言うのか?」

保健先生「いいえ...校長の言ったことは間違っていないわ...試しにゲート作って向こうの時間見てみたら少ししか経ってなかったし...だから不思議なのよ...」

美少女「ちょっと思いついたんだけど...あでも違うかもしれないな...」

男4「何だよ会長...言ってみてくれよ歯切れが悪いな...」

美少女「じゃあ言うよ?もしかしたら...そのズレってさ 妹がこっちに来たから発生したんじゃないの?」

男「じゃあ妹がこっちに来る前はズレは無かったってこと?」

美少女「多分ね...」

女2「会長の推測は合ってるんじゃないか?そう考えれば疑問は解決する」

男3「向こうの世界ってそんなに神は居ないのかい?」

男「ぶっちゃけて言うと今、向こうの世界に神は一人も居ないよ」

美少女「2人とも男の妹になってこっちに来たからね」

男3「そうか...じゃあ会長の考えで間違い無いね」

男父「どういうことだ?バルドル」」


男3「だって向こうに神は居ないってことは次元を管理する者が居ないってことでしょ?だからズレが出来ても向こうの方から直す神が居ないからズレが拡大していく...こういうことじゃないかな」

男4「お前...何かスゲーな 本で読んだのか?」

男3「ちょっとだけね...」

男母「バルドルが言った事が本当のことだとするとこの状況を放置してはいけないわね...だって勇者、再来年の春に向こうに帰るんでしょ?」

勇者「ええ...そうです」

男母「今はまだズレだけで済んでるけど...下手すると二度と戻れなくなるわよ...」

男「じゃあどうすれば,,,」

男父「最良案は...妹が向こうに戻ることだな...そうすれば元の鞘に収まり全てが元に戻る...」

美少女「そ、そんな...じゃあ妹は戻らないといけないの!?」

男父「現段階ではな...勿論私はこれで良いとは思わん 義理とはいえ、妹は家族の一員だ それに...男が別れることを許さないだろうしな」

~旅行先 ホテル~

男妹「ごめんね...私の我侭でまた行くことになっちゃって...」

美少女妹「大丈夫だよ 私もまた行こうと誘おうと思ったし でも母さんが宿泊代も食事代も何もかも出してくれるとは思わなかったねー」

男妹「また校長先生に貸しが出来ちゃったな...」

美少女妹「そういえば男妹は母さんとずっと前から知り合いだったんだっけ?」

男妹「うん あの人は私と...妹2を助けてくれたんだ 頭が上がらないよ」

美少女妹「へぇ~あの母さんが...意外だな」

男妹「お兄ちゃんの妹になってこっちに来て...友達が出来た 姉思いの」

美少女妹「私のこと?照れるなーおだてないでよもう」

男妹「本心だよ この学校に通ったから今の私が居る...この学校に来て良かった...そう思うよ」

~続く~

続きのスレは明日立てます

遅くなりました 続きです
勇者「世界が違っても変わらないものはありますよ」勇者「世界が違っても変わらないものはありますよ」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1502034385/)

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