梨子「曜ちゃんに手料理を振舞うわ (37)

前作:鞠莉「鍋パーティ?」
…の話と並行している同じ日の別視点のお話。

過去作:花丸「苦手を克服するずら」
…の続編(?)ですが、読んでなくても問題無いです。


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梨子「今日は行けなくてごめんね、鍋パーティ楽しんできてね」

千歌「急に誘ったししょうがないよ、写真撮るからあとで見せるね!」

梨子「うん、楽しみにしてるね」

千歌「それじゃいってきまーす!」フリフリ

梨子「行ってらっしゃい」

梨子(今日はダイヤさんの家で鍋パーティをやるらしいです)

梨子(Aqoursのみんなにも声はかけたんだけど、急だった事もあり私も含めて既に予定が入ってるメンバーも多く、今回は千歌ちゃんと三年生組だけになってしまったみたい)

梨子(μ'sが作った鍋か…どんな鍋なんだろう?)

梨子(鍋の話はさておいて、私の用事は何なのかと言いますと…)

梨子(これから曜ちゃんが桜内家にやってきます!)

梨子(そして曜ちゃんに私が作ったハンバーグを食べてもらうのです!)

梨子(曜ちゃんのおかげでピーマンを食べられるようになり、それから自分でも少しずつ克服してきました)

梨子(曜ちゃん特製ハンバーグに始まり、今ではピーマンの肉詰めまで食べられるようになったのです!)

梨子(…まぁ味付けは多少濃い目だけど。。。)

梨子(とにかく!ピーマンを食べられるようになったキッカケを与えれくれた曜ちゃんにお礼をしようと思って、今日は手作りハンバーグをご馳走しようと思ったのです)

梨子(そしてあわよくば、ダイヤさんと千歌ちゃんたちみたいな関係に…///)

梨子「曜ちゃんが来るのはお昼頃だから…うん、まだまだ時間はあるわね」

梨子「焼くのは当然食べる前にするけど、下準備は今のうちにしっかりやっておかないとね」

梨子「大丈夫、私なら作れる…中の人とは違うのよ…!」

梨子「初心者のくせに変に凝った物を作ろうとすると失敗してしまいそうだし、今回はオーソドックスな物にしましょう」

梨子「そのかわり愛情はしっかりと、ね♪」

梨子「…一人で何を言ってるんだろう///」

梨子「まずは玉ねぎをみじん切りにするわ」

梨子「端を残すように切れ目を入れてから向きを変えて切ると…うん、いい感じね」

梨子「同じくピーマンも細かく切って、っと」

梨子「次にボウルにパン粉と牛乳を入れて混ぜて…」

梨子「さぁひき肉を混ぜるわ!」

梨子「体温でも肉の脂が溶けてしまうから手を冷やしてからやるといい、って何かで聞いた事あるけど…どうしよう?」

梨子「曜ちゃんがこの前作ってくれた時はやって無かったよね」

梨子「…素早くやれば大丈夫!さぁ混ぜるわよ!」

梨子「塩コショウを入れて…卵を入れて…ここまで出てきた材料を入れて…」グニグニ

梨子「よし、これでタネは完成!あとは曜ちゃんが来るまで寝かせておけば大丈夫ね」

梨子「そろそろお昼になるけど…曜ちゃん遅いなぁ」

梨子「家を出るときに連絡はきたけど、だったらもう着いてもいいはずなのに…」

梨子「まさか何かあった…!?連絡してみようかな…」

\ピンポーン/

梨子「!」ダッ

梨子「曜ちゃん!」ガチャッ

曜「わ!ビックリしたぁ…そんな勢いよく玄関があくとは思わ」

ギュッ

曜「えっ!?///」

梨子「無事で良かった…てっきり事故にでも遭ったのかと…」

曜「遅くなっちゃってごめんね…説明したいから離してもらえるとありがたいかな…///」アハハ

梨子「え、あ…///」パッ

曜「実は家を出てすぐなんだけど、道端で蹲ってる妊婦さんがいてその助けをしてたんだ」

梨子「え!そうだったんだ」

曜「って言っても救急車を呼んで一緒に待ってただけなんだけどね、その間に善子ちゃんとも会って何故か一緒に待っててくれたよ」

梨子「そういえば一年生の三人で今日は遊ぶって言ってたわね」

曜「そうそう、それで集合場所に向かってたみたいだね」

梨子「第三者ポジションなのに一緒に待つなんて、やっぱり善い子だね」

曜「ホントにね、アレで何で堕天使を名乗るのかわからないよね」ハハハ

曜「ところで今日はお昼をご馳走してくれるんだよね?」

梨子「ええ、ピーマン克服の手助けをしてもらったからそのお礼にと思ってね」

曜「気にしなくていいのに…でもありがとう、すっごく楽しみにしてたから今日はまだ何も食べてないんだ!」

梨子「そんな曜ちゃんの為に今日は手作りハンバーグを用意させていただきました」

曜「!」グッ←無言のガッツポーズ

梨子「タネはもう作ってあるからあとは焼くだけだよ」

曜「朝食抜いてきて良かった!楽しみに待ってるね、梨子ちゃん!」ワクワク

梨子(ワクワクが抑えきれない曜ちゃんカワイイ)

梨子「では作っていきますか」

梨子「適量を手に取って、空気を抜いて…」パンッ パンッ

梨子「形を整えたら真ん中を少しへこませて…」グニグニ

梨子「薄く油を敷いて熱したフライパンへ…投入!」サッ

\ジューッ/

曜「わぁ良い音、そして良い匂い」

梨子「まずは中火で表面に焼き目が付くくらいまで焼いて…」ジュー

梨子「そろそろいいかな?裏返し…ます」ヨッ

梨子「そしたら火を弱めてから少し水を入れて蓋をして蒸し焼きにします」ジュー

梨子「確認の為に竹串で刺してみて…うん、いい感じ」

梨子「あとはソースを作って…完成!」

曜「早くっ、早く」ワクワク

梨子「お待たせ曜ちゃん、お口に合うといいんだけど…」

曜「大丈夫!食べなくてもわかる、美味しいに決まってるよ!」

梨子「曜ちゃん…」

曜「それでは、いっただっきまーす♪」

曜「美味しい!」

曜「表面は程よいこんがり、それでいて中はしっかりと火が通っている」

曜「肉汁もいい感じだしそれにソースも美味しい!」

曜「梨子ちゃん、すっごく美味しいよ!」

梨子「ありがとう、曜ちゃん」

曜「このハンバーグなら毎日でも食べたいよ」モグモグ

梨子「!」

梨子(これはチャンス…!?攻めるならきっと今…!)

曜「梨子ちゃんみたいなお嫁さんがいたらいいなー」モグモグ

梨子「…じ、じゃあ曜ちゃんにもらってもらおうかな…」

曜「!?」ブーッ!

梨子「曜ちゃんだったら…ううん、曜ちゃんがいいの」

曜「それって…」

梨子「曜ちゃん…好き…」

曜「ほ、本当に…?」

梨子「こんなこと冗談じゃ言えないよ…///」

曜「…少し話をしてもいいかな」

梨子「え?う、うん…」

曜「私ね、千歌ちゃんが好きだったんだ」

梨子(…やっぱりそうだったんだ)ズキッ

曜「だからダイヤさんと付き合う事になったって聞いた時、すっごく驚いたんだよね」

曜「でもね、実はショックでは無かったんだ」

梨子(…?)

曜「そこでようやく気付いたの、千歌ちゃんに対する好きはそういう好きじゃなかったんだって」

曜「いや…もしかしたら前はそうだったのかもしれないけど、でも今は違う」

曜「それはね、千歌ちゃん以上に好きな人ができたから」

曜「その人とは出会ってまだそんなに経ってないんだけど、その短い間に色々な事を知った」

曜「とっても美人さんで、それでいて可愛いところもあって」

曜「何にでも一生懸命で色々な事を頑張っていて」

曜「悩んでる私に気付いて助けてくれたり、苦手を克服しようと私を頼ってくれたり」

梨子(え、もしかして…!)

曜「ピアノがとっても上手で、作った曲はどれもキラキラ輝いて…」

曜「そして今日はこんな美味しいハンバーグを作ってくれた」

梨子「曜…ちゃん…」ポロポロ

曜「梨子ちゃん、私も梨子ちゃんの事が好き」

曜「だから改めてこれからもよろしくね!」

梨子「曜ちゃーん!」ダキッ

曜「回りくどい言い方になっちゃってごめんね」ギュッ

梨子「バカ…千歌ちゃんが好きなんて言うからもうダメかと思ったんだからね…」

曜「イチから説明しようと思ったらこんな事になっちゃって…ごめんごめん」ハハ

梨子「許さない…」

曜「え~、何でも言うこと聞くから許して!」

梨子「…じゃあキスして」

曜「!?///」

梨子「キスしてくれなきゃ許さない…」

曜「ええええええいいいやでででもももももキキキキキキスはさすがにににに…」

梨子「そっか、やっぱり私より千歌ちゃんの方が…」シュン

曜「!」

チュッ

曜「こ、これで信じてもらえたでしょうか…?///」

梨子「…うん」

曜「ようやく冷静になってきてさっきの自分の言動を振り返ってるんだけど」

梨子「うん?」

曜「結構恥ずかしいこと言ってたような気がするんだけど…」

梨子「いっぱい私のことを褒めてくれてたね♪」

曜「全部本当の事ではあるんだけど…今になって恥ずかしくなってきた…///」

梨子「なんでそこで恥ずかしがっちゃうのよ、さっきまであんなにカッコ良かったのに」

梨子(まあそういうところも含めて好きなんだけどね♪)



梨子(片想いの切なさを超えた二人のこの恋は…)

梨子(最初じゃなく最高でもないかもしれないけれど、やがて愛にかわる最後の恋と呼べる…そう思うよ)

梨子「これからもずーっとよろしくね、曜ちゃん」



おわり

ダイちかに続いてシリアス(?)な恋愛シーンを書いてみましたが、わかった事があります。
慣れない事はするもんじゃない。

想像力と創造力があれば残る一年生組のお話も書いてみたいと思います。

おつ
出来合いで済ませたバットエンドも見てみたい

>>19
面白そう
スレが生きてる間に浮かんだら書く。
ダメだった場合は一年生組のスレにおまけで書く。

出来合いで済ませたバッドエンドパターンについてご意見を伺いたい。
出来合いの物だという事に気付いた曜ちゃんがその事を指摘するパターンと指摘しないパターンどっちがいい?
すぐ書くわけじゃないけど方向性だけ決めておきたい

両方書けばええんやで(ニッコリ

>>23
そう言われると思ったww


>>19でバッドエンドルート案が出たので、書いてみます。
出来合い物を出され、それに気付いた曜ちゃんが指摘するルートとしないルートの2つを書いてみます。

>>11から分岐、焼きに失敗したルートです。

梨子「そろそろいいかな…じゃあ蓋を取って…ってえぇ!?」

曜「梨子ちゃん?どうしたの?」

梨子「ナ、ナンデモナイノヨナンデモ」アセアセ

曜「すっごい早口だけど本当に大丈夫!?」

梨子「OK、無問題よ。曜ちゃんはテレビでも見てて」キリッ

曜「そ、そう?じゃあリビングで待ってるね?」

梨子「お、おぅ…」

梨子(どうしよう…真っ黒焦げ…なんで…)

梨子(って弱火にしたつもりが弱火になって無かったのね!…そりゃ焦げるわよ…)

梨子(YAVAI YAVAI かなりYAVAI、YAVAI YAVAI かなりMAZUI…!)

梨子(一気に全部やっちゃったから材料も残ってない…)

梨子(冷蔵庫には…あっ、レトルトのならある…)

梨子(コレを出すのは失礼よね…でも朝から何も食べて無いって言うし…)

梨子(幸いキッチンはリビングから死角、レンジじゃなくて鍋で温めればバレないはず)

梨子(せめてソースだけは手作りして、それをかければきっと大丈夫よ!)

梨子(曜ちゃんごめん!今日はこれで許して!)

―――

――

梨子「曜ちゃんお待たせ、焼くのにちょっと時間かかっちゃった」

曜「梨子ちゃん遅ーい、もうお腹ペコペコだよ」グッタリ

梨子「そんなに!?きっと今なら何を食べても美味しいかもね」クスクス

曜「美味しいに決まってるよ、梨子ちゃんの手作りだもんね!」

梨子「(ズキッ)そ、そんなに期待されると困るなぁ…」ハハハ

曜「あれ、私そんなに変なこと言っちゃったかな…?」

梨子「ううん、気にしないで!それよりお腹すいてるんでしょ?どうぞ召し上がれ」

曜「そうだった!冷めないうちにいただきまーす!」

曜(んー、出された時から思ってたけど、さっき焼いてたのと形が何か違うような…)

曜(っていうか手作りにしてはキレイすぎない?)

曜(まさか…いやいや、そんな事は無いよ!)ブンブン

梨子「よ、曜ちゃん?」

曜「ハッ、何でもないよ!」

梨子「そ、そう…ならいいんだけど」

曜(え~い、迷っててもしょうがない!とりあえず食べてみよう!)

曜「それでは改めて、いただきまーす」パクパク

曜(こ、これは…近所のスーパーで売ってるレトルトの味がする…!)

曜(ソースは違うっぽいけど、ハンバーグの方は味といい食感といい絶対間違いない)

曜(梨子ちゃん…どうして…)

ここから更に分岐。
まずAパターン。



曜「あ、あの…」

梨子「な、何?美味しくなかった?」ビクッ

曜「…ううん、美味しいよ」ニコッ

梨子「なら良かった…」ホッ

曜(…きっと梨子ちゃんにも事情があったんだよね、追求するのも野暮ってもんだ)

曜(でも…期待してただけにちょっと…いや、かなりショックだ…)

曜「ごちそうさまでした、とっても美味しかったよ」ニコッ

梨子「お口に合ったようで良かったわ、特にソースは曜ちゃんの好みに合うか心配だったけど…」

曜「ソースも美味しかったよ、良ければ今度作り方を教えてほしいな」

梨子「うん、じゃあ今度レシピを書いて渡すね」

曜「ありがとう!」

曜「それでね、食べたばかりで申し訳無いんだけどこれから用事があって行かなくちゃいけないんだ」

梨子「え、そうなの?」

曜「遅れてこなければもうちょっと長く一緒にいられたんだけどね」

梨子「遅れたのは人助けをしてたからだしそれはしょうがないわ」

曜「という事でゴメンね、それじゃもう行くね」

梨子「今日は来てくれてありがとね、また学校で」

曜「こちらこそありがとう、じゃあ…バイバイ…」

ガチャ バタン

梨子「…ふぅ、なんとかバレなかったようね」

梨子「でも胸が痛いわ…」

梨子「曜ちゃんごめんね…今度はちゃんと手作りのものを食べさせてあげるね…」

Pi Pi Pi プルルルルルル

曜「もしもし、鞠莉ちゃん?」

曜「鍋パーティってまだやってる?なら今から合流してもいいかな?」

曜「うん、予定が早く終わっちゃって…うん」

曜「ダイヤさんの家だよね?じゃあ今から行くね」

曜「それと…また相談したい事があるんだけど、いいかな…?」



Bad End1
モヤモヤEnd

>>30 から分岐のBパターン

曜「あ、あの…」

梨子「な、何?美味しくなかった?」ビクッ

曜「いや、美味しいんだけど…」

梨子「なら良かった…」ホッ

曜「これってあのスーパーで売ってるレトルトのだよね…?」

梨子「」

曜「別にレトルトがダメっていうつもりはないよ?」

曜「でも手作りをたべさせてくれるって言ってたよね?」

曜「なのに…何で?」

梨子「あの、それは…その…」

曜「なんかちょっと残念…というか、かなりショック…」

梨子「あ…あ…」ガクガク

曜「いや、梨子ちゃんは悪くないよ。勝手に期待しすぎた私が悪いんだ」ハハ…

曜「ごめん、今日はもう帰るね」

曜「頭ごちゃごちゃで…どんなふうに梨子ちゃんと接していいかわからないや…」

梨子「よ、ちゃ…まっ…」

曜「今言う事じゃないかもしれないけど…私、梨子ちゃんのこと好きだったんだ」

梨子「!」

曜「でも今は…ちょっと信用できない、ゴメン…」

梨子「!!」

曜「じゃあ、また学校で…」

ガチャ バタン

梨子「…違うの、曜ちゃんを騙すつもりなんてなかったの…」

梨子「そりゃね、結果的には騙す事になっちゃったけど…でも本当に手作りのハンバーグを食べてもらいたかったの…」

梨子「でも失敗しちゃって…失敗したなんて言い出せなくて…」

梨子「自分から手料理を食べさせるなんて言っておいて失敗しただなんて恥ずかしいし、それに曜ちゃんをガッカリさせたくなかったし…」

梨子「だから…私…わたし…」

梨子「あああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


Bad End2
梨子後悔End

こんな感じでいいのかな?
バッドエンドなんて初めて書いたからシリアス恋愛ものより難しかった。
機会を与えてくれた >>19 ありがとう。

もっと精進します。

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