古泉「朝比奈さんの淹れてくれるお茶はやはり格別ですね」 朝比奈「それ綾鷹です」 (30)

古泉「この旨みと渋みが絶妙に混ざり合って――え?」

朝比奈「綾鷹です」

古泉「……え?」

朝比奈「……」

古泉「えっと……」

古泉「それはつまり……僕が今飲んでいるのが――」

朝比奈「綾鷹」

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古泉「えーっと……はは」

古泉「あー、綾鷹ですか、これ」

朝比奈「はい」

古泉「そうですか、いや参りましたね。恥ずかしいな、ははは」

古泉「なるほどー、すごいですね、最近の製品って、本当に」

朝比奈「……」

古泉「企業努力の賜物ですかね、これって」

古泉「朝比奈さんの淹れてくれるお茶に迫るほどの味ですよ、これは」ズズ・・・

古泉「ん? いや、でもよく味わってみるとやはり違いますね」

古泉「昨日飲んだ朝比奈さんのお茶に比べるとやはり一歩劣りますね」

朝比奈「1ヶ月前から綾鷹でした」

古泉「え?」

朝比奈「1ヶ月前からずっと綾鷹を温めただけのお茶を出してました」

古泉「……」

朝比奈「……」

古泉「……」

朝比奈「……皆さん、遅いですねぇ」

古泉「え……あぁ……そうですね」

古泉「……」

古泉「……あの」

朝比奈「はい?」

朝比奈「あ、おかわりですか?」

古泉「いえ、そうではなくて……」

古泉「なぜ……綾鷹を?」

朝比奈「あ、ごめんなさい。もしかして嫌いでしたか? 綾鷹」

古泉「……そんなことはありませんよ」

朝比奈「そうなんですか? よかったぁ」

朝比奈「もし綾鷹嫌いだったら、私1ヶ月も古泉君に嫌な思いさせてたのかなって」

古泉「……」

古泉「僕……何か気に障ることをしてしまいましたか?」

朝比奈「え?」

古泉「僕たちは確かに組織間では敵対はしていない」

古泉「かといって完全な友好関係という訳でもありません」

古泉「たしかに僕も初めのうちは貴女自身ともそういう関係になるのだろうと思っていました」

朝比奈「……」

古泉「でも今は違います」

古泉「少なくともこの場では、組織など関係なく、同じSOS団員として接してきたつもりですが」

朝比奈「古泉くん……」

朝比奈「ありがとう……うん、私も、同じ気持ちですよ」

古泉「でしたら……何で僕のお茶は綾鷹なんですか?」

朝比奈「?」

古泉「つまり貴女は1ヶ月も前から僕に綾鷹を出して」

古泉「僕が『朝比奈さんのお茶は格別ですね』とか言うのを見て心の中で笑ってたんですか?」

朝比奈「そんな……私そんなつもりは」

朝比奈「あ、やっぱり綾鷹嫌いでしたか? それなら今度から伊右衛門に――」

古泉「いえ、そうではないんですよ。というかそれでも既製品なんですか?」

古泉「問題は、どうして僕に淹れてくれるお茶が既製品なのかという――」

朝比奈「あ、皆さんのも綾鷹でしたよ」

古泉「」

古泉「え……」

朝比奈「古泉くんだけ違うお茶なんてそんなことしませんよぉ」

朝比奈「皆さんの飲んでたお茶も1ヶ月前から綾鷹でした」

古泉「……」

朝比奈「私、1ヶ月前に新しい茶葉探しにお買い物に出たんですよ」

古泉「え……あ、はい」

朝比奈「美味しそうな緑茶選んで、帰ろうとした時に綾鷹のCMを街頭広告で見てね」

朝比奈「知ってましたか? 100人中27人が急須で淹れたお茶と間違えたらしいですよ」

古泉「……」

朝比奈「私それ見たらなんか気になっちゃって」

古泉「……何をでしょうか」

朝比奈「SOS団でやったら誰が気付くのかなって……」

古泉「……」

朝比奈「うふふ、結果は『長門さん以外誰も気付かない』でしたけどね♪」

古泉「……すみません」

朝比奈「え?」

古泉「すみませんでした」

朝比奈「どうして謝るんですか?」

古泉「怒ってらっしゃるんでしょう?」

古泉「普段貴女のお茶を賛辞しておきながら『違いもわからないのか』と」

古泉「本当にすみませんでした……」

朝比奈「え、やだ、そんなこと思ってませんよぉ」

朝比奈「私はただ思っただけです」

古泉「……?」

朝比奈「こんなに皆喜んでくれるなら今度から綾鷹でもいいかなって」

古泉「……」

朝比奈「涼宮さんなんて『これ美味しいわね、腕をあげたわよ! みくるちゃん』って」

朝比奈「あの顔、嬉しかったなぁ……」

古泉「……」

古泉「それで……いいんですか?」

朝比奈「ふぇ?」

古泉「この1ヶ月ずっと黙っていたのに今、僕に話したのは……」

古泉「気付いて……欲しかったんじゃないですか?」

朝比奈「古泉くん……?」

古泉「情けない話ですが、僕は確かに気付けませんでした」

古泉「でも、僕だけに話した理由は別にあるんじゃないですか?」

古泉「自分の淹れたお茶ではないと言いたかった……」

古泉「けれど涼宮さんや、何より彼には言わずとも気付いて欲しいと言う貴女の気持ちが……!」

朝比奈「私……」

古泉「今日……皆さんが来たら、これとは違うお茶を淹れてくれませんか?」

古泉「貴女が僕たちに飲ませたい……貴女の本当の気持ちが篭ったお茶を」

朝比奈「私は――――」

ハルヒ「ったくキョン! あんたに付き合ってたら私と有希まで遅くなったじゃない!」バーン!!

長門「……」

キョン「へーへー、悪かったよ。長門も悪かったな」

長門「……いい」

ハルヒ「何よその態度の違いは……みくるちゃん、お茶!」

朝比奈「あ……ひ、ひゃい!」

キョン「あ、すみません朝比奈さん。俺にもいいですか?」

朝比奈「あ、はい、もちろんです。長門さんもどうですか?」

長門「頂く」

朝比奈「はい、お待たせしました~」

ハルヒ「ありがと。あーっ、もうキョンは馬鹿だし5月だって言うのに暑いしで……」ズズ

ハルヒ「あら、このお茶いつもと違う?」

古泉「――!」ピク!

キョン「お、本当だ。言われてみればなんか違うな」

朝比奈「あ……わ、わかりました!?」

朝比奈「実は苦味を抑えた淹れ方で暑い日にいいかなって……えへへ」

ハルヒ「なるほどね~道理で旨みが濃いはずだわ。やるじゃない、みくるちゃん」

キョン「ああ……飲みやすくて体に染み渡りますよ。最高です」

古泉「……昨日までのとそんなに違うんですか?」

キョン「なんだお前わからんのか。このお茶を飲む価値も無い奴め」

古泉(朝比奈さん……ふふ、わかりましたか?)

古泉(やはり僕らに必要なのは貴女の淹れてくれたお茶なんですよ)

古泉「いやぁ、僕も精進が足りませんね。もう一杯飲んでみようかな」

キョン「ふんっ。朝比奈さんの真心をしっかり舌で味わえよ」

古泉「心得ました。……朝比奈さん」

朝比奈「あ……は、はい!」

古泉「僕にも、お代わりお願いしてもいいですか?」

朝比奈「はい、もちろんですよ、古泉くん! えへへ!」














長門「……」ズズ

長門「綾鷹 にごりほのか」

長門「低温で丁寧に急須で淹れたときと同じように苦味を抑え、旨みを引き出した一品」

長門「綾鷹ならではのにごりの製法で緑茶本来の飲みごたえを楽しめる」


~終わり~

終わりです
お付き合いいただきありがとうございました!

おつ
だが静岡県民として言いたい
正直ペットの茶は不味い


ほんとの気持ちがにごりほのかってみくるさん・・・

茶のCMスレ



なんてダイレクトな綾鷹のステマスレなんだ……

綾鷹飲みたくなってきた

さすが、綾鷹

選ばれるだけある。


綾鷹ラテのアイスが飲みたくなった

お茶はどれだけ他社がマーケティングしてもなぜかおーいお茶も売上が伸びるらしいな

何これ怖い

綾鷹って凄い
そう思った

結局どういうことなの…

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