【安価とコンマで】幻想に走り給うⅤ【幻想入り】 (1000)



このスレは幻想郷を舞台に色々やろうっていう安価コンマスレです。
筆者が甘いので色々とご迷惑をお掛けすると思いますがご了承ください。
独自解釈、キャラ崩壊多いと思われます。
更新は基本不定期です。ごめんなさい。
主は遅筆です。
以上で大丈夫だ、付き合ってやるって人がいるならば、よろしくお願いします。

コンマは基本的に>>1の采配で行っています。

どっかで見たことあるとか言わないで。使いやすそうなの。
補正とか色々で+-が付いたりします。

以下、過去スレ

第一幕
主人公:安藤(妖怪・細胞生物)
(始まり~)
【安価とコンマで】幻想に走り給う【幻想入り】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1357661533/)
(~第一幕閉幕)
【安価とコンマで】幻想に走り給う�【幻想入り】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365604576/)
第二幕
主人公:鎌足 零(妖怪・鬼)
(始まり~序章終了)
【安価とコンマで】幻想に走り給う�【幻想入り】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368284855/)
(第二章)
【安価とコンマで】幻想に走り給う�【幻想入り】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373446161/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1375801188


コテ付けた筈なんだがなぁ……

再開しまっせー


※これまでのあらすじ

鎌足零にハーレムフラグが立った。

※現在のリザルト

名前:鎌足 零
読み:かまたり ぜろ
二つ名:妖怪の山の異端鬼
能力:???
種族:妖怪(鬼)
危険度:激高
人間友好度:低
精神:7
潜在能力:9
汚染度:0(すっかり抜け切った状態)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
人間嫌いなので容易に近づくことべからず。障らぬ神に祟り無し。
その反面、困っている相手を放って置けない性格だが、これもまた容易に頼まない様に。
危険度を見ればわかると思うが、彼の場合、どんな手段で助けてもらえるかわからないからだ。
なるべく接点は作らない方が良いだろう。
その本性は、どこか知らない場所にあるだろうが。

特殊設定

■■
■■■■■■
効果:戦闘時の判定に+2  殆どの相手から-補正を受けない

歪み付き(現在無効)
あなたは歪みを持っている。困っている相手を放っておけない。何をしてでも助けようとするが、その手段はーー
使えば使う程その侵食が進み最終的には理性を持たぬ異形と化してしまうが、より強い力を得られるだろう。
だが、条件をクリアすると……?
効果:戦闘時の判定に+0(汚染度により変化) 特殊パラメータ『汚染度』追加

持ち物

アークル(錆):錆びれた不思議なベルト。謎の文様と石が付いている

フラグ

壱 弐 参 四 伍 六 七 八 九 達成

人間嫌い払拭フラグ

完遂

相関図
『博麗神社』
博麗 霊夢:救ってやるわよ。私が、私達が!
伊吹 萃香:零。私は……
『妖怪の山』
射命丸 文:……馬鹿な方です。だからこそ、信じているわけですが
姫海棠 はたて:災厄の異端が、何をいけしゃあしゃあと……
『旧地獄』
星熊 勇儀:昔に戻りたい、か
古明地 こいし:不思議で優しい鬼のお兄さん
『人間の里』
稗田 阿求:大丈夫。私は貴方の味方です
『緋想天』
比那名居 天子:零。私、思い出したよ
永江 衣玖:後は任せましたよ
『魔法の森』
アリス・マーガトロイド:どうしてそんなモノを宿しているの?
森近 霖之助:成程。彼が……
『八雲家』
八雲 紫:欲しいのよ、貴方が※歪
八雲 藍:まあ、良い方ですよね
『命蓮寺』
多々良 小傘:鬼はこれだから嫌になるんです
雲居 一輪:何故、鬼が明王の呪法を……?


※夢判定
コンマ一桁7以上で過去の出来事回想

判定直後

※誤爆多発。何やってんだ俺

>>8 コンマ:5 失敗

二十三日目

―博麗神社(朝)―

 蝉時雨に叩き起されて、朝を向かえる。

 蝉の鳴き声は、風情ではあるが慣れると鬱陶しい。

 昨日、天子を攫って来た。客室に寝泊りしている筈だ。

 祭りの日も近くなっている。

 それはつまり、歪みが再度宿るまでの猶予がなくなって来ているということだ。

 天子は地子の可能性がある。

 なら、彼女の為にも、皆の為にも歪みを乗り越えなければ。

 再度、意味もなく覚悟を固めて、体を起こすために冷水を浴びに行く。

 さて、それからどうするか。

※選択
1:霊夢を起こす
2:天子を起こす
3:朝飯を作る
4:出かける(移動選択肢再出)
5:その他(内容明記)

安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

2

>>11 選択:2 天子を起こす

 さっぱりとした所で、自室に戻る途中に天子の様子でも見に行こうかと、ふと思いつく。

 何回かここに泊まりに来た時に使っていた客間だ。

 襖から少し覗き込むと――。

※判定
1程起きてる 9程熟睡 0・ゾロ目で?

判定直後

>>16 コンマ:1 バッチリ起きてる

天子「ってい」

零「おおおおおおおおおおおお!?」

 目潰しを喰らった。

 目、目は、いくら体が頑丈でもそこは……!

零「何しやがる!?」

天子「女の子の部屋を覗こうとするからでしょ!?」

 いや、それは、確かに悪かったと思うが。

零「心配してやってんのにそれか?」

天子「あら、零には私がそんなやわな女に見えるの?」

 いや、ぜんっぜん。寧ろ、高飛車でじゃじゃ馬な感じがするわ。

天子「……今失礼なこと考えたでしょ」

零「いんや、お前さんがそうなら別に構わんがね」

 一応、攫ったのは俺だ。

 鬼らしいやり方と言えばそうだが、やはり初めてであるし、何より友人なのだ。

 心配するのは、道理だと思うが。

零「……にしても、何時から俺を名前呼びするつもりになった?」

天子「い、良い機会だから、もっと仲良くなろうと思って……」

零「そいつは中々に強かな事で。っつても、俺と仲良くなった所で、な」

 待っている結果は、あまりよくないものだと思うけれど。

 こいつには、まだ歪みが俺の中にあることを伝えていない。

 霊夢の奴にもだが……。

 中々、話せる機会や心境が整わないせいだろう。

 そういうところでは、俺はヘタレていると思う。

零「良いさ。好きに呼べよ」

天子「うんっ!」

 ここ一番で、晴れやかな笑顔を浮かべられた。

 何がそんなに嬉しいのやら……。

 まだ朝食まで時間はあるな。

※何を話そうか?(自由安価)

安価↓3

結構強引に連れてきちまったけど、怪我とかは無いか?

>>19

零「結構強引に連れてきちまったけど、怪我とかは無いのか?」

天子「ないわよ。そもそも、天人だってやわじゃないのよ」

 ああ、そういえばそうだったわな。

 天人の桃には食べると勝手に体が鍛えられる効果があるって聞いた事がある。

零「野暮な話だったか」

天子「でも、心配してくれるのは嬉しいかな。なんて」

零「……カカ、そうかよ」

 そうする理由が、攫って来ただけじゃないから、とは言えないな。

 そうしていると、鼻腔に料理の香りが入ってくる。

天子「あ、良い匂いしてきたわね」

零「ああ、もうそんな時間か」

 なら、そろそろ居間にでも向かうか。

 二人で揃って居間へと向かう。

 そうして、霊夢を混じえて三人の食卓は賑やかに行われた。

※天子の好感度が上がりました


※短いですが今日はここまでで

 お疲れ様です

22:30頃に再開しますー

―博麗神社(昼)―

 朝飯も終わり、各々が自由に自分の時間を過ごし始める。

 俺は俺で適当にそこらへんを動くだけなのだが。

 意外と、やることがない。

 歪みへの対策も実際どうすれば良いのかわからんし、心構えだけしっかりするしかないだろう。

 諦めない、乗り越える。

 その心さえ、忘れなければ、今は良い。

 さて、これからどうするか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に残る
9:天界へ
10:ランダム(判定有り)

安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

コンマが0・ゾロ目でイベント

8
天界へは行けないんじゃないっけか?

8

>>29 消し忘れただけだ。気にするな

>>30 選択:8 コンマ:ゾロ目

※ま た ゾ ロ 目 か

ちょっと待ってて。イベント開始します。


 博麗神社に残って、茶を啜っていた時。

 そういえば、と思って霊夢の部屋に行けば、誰も居なかった。

零「……あいつ、出かけたのか?」

 俺がのんびりとし過ぎていたのか、そういう気配も感じなかったってのに。

 まあ、良い。そう思いつつ踵を返そうと思っていれば、アイツの机の上に『あの鬼面』があるのを見た。

 般若面の様な、額に短い二本の角の生えた鬼面。

 歪みを宿した、謎の鬼面。

 未だに何故あそこにあったのかは知らないが、萃香も同じモノを持っていた。

 それを渡した奴が八雲紫の様だったし、これもアイツが仕掛けたモノだろう。

零「……色々腑に落ちない所もあるが」

 これは、俺にまだ歪みが宿っていた頃に見つけたものである。

 萃香の持っていたものは俺の歪みの一部をうんたらかんたらと言っていたが、これはどうなのだろう。

 手に取って見る。

零「やっぱ、少しだけ感じるな」

 歪み。陰気の集合。俺の中に眠っている、力の塊。

 性質、願いですら捻じ曲げる異能。

零「乗り越えるべき、壁、か」

 そう思いながら、嘆息を吐く。

 瞬間、その鬼面の目の部分が紅く光りを放つ。

零「ッ!?」

 全身に、怖気と悪寒が走る。


零「このっ……!!」

 思わず、陰気に対して陽気をぶつける。

 右手から煙りが上がり、激痛が走るがそれすらも気にしていられない。

 この野郎、『俺の中に』入って来ようとしてきやがった……!!

零「染み付いた場所に戻ろうってか……!?」

 ああ、確かに、この身は生まれついて歪みを抱えた存在ではあるが。

『忘れるな、忘れるな』

 声が頭に響く。

『お前がどういう存在なのかを忘れるな』

 声は言葉を継いでいく。

『そしてお前は、辿り着くのだ』

零「……」

 

   ヾ;'' /;;;;;;;;;;;;;;;', /|          /(   (/ /                       ,、-''"            `''-、   \ヽ,|
 ゞヽ_フ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;|`ヽ,/\ヘ ヘ、/   ノ     〈                    ,、-''"          _____ \  ヽ .|',
  ';, /:::::::::::::::::::::/;;;;;;;|'i 'i ヽ  ヽ´丶ヽ´ヽノ   }   〉,_               ,、-''"      _,,.、-‐'' " ~´           \  ヽ| ,
__/ /:::::ノ;;;;;;;;;ゞゞ/::::::/ー、'iヽ'´`'''´`'''ヽ_ヽヽ| / / ,、-''"´´´          ,、-''"    ,、-‐''"´                    \ | ',
\二 ノ|ゝ;;;;;;;;);;;〉:::丶|  i, i/ヽ 'i 'i  \'‐-、、.,,_ |            ,、 ''",、''" ,、-''"´                        'i .| |

  ヽ o,,ゝ;;;;>;;;;',;;;;::ゞ::::|  .',| .,-‐n´フ|\ 、.\|.   ノヽ_,,       ,,、''" _,.、-‐''´                            .'i.| .|
   〉:::::::::::/\ヽ:::::::::|    片'",~;;;'ii;;;;;ヽ \ \  ┌''"     ,、-''" ,、-''"                                 .i|  |
   ノ 、-´;;;;;;;;;;;ソ::::::::::::|、    '~"`~^"''予、.ゞ\ヽ, ゝ、_   /   /                                    |   |
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 ヽー,:::///|、:::::::::::::ノ、  、  ,、-_-ナ   〉;;;; .\  ーーフ  〉   _,,、-‐''"^"''‐- ,、:::':"`:'::、,                     |   |
    ~ヽ´_,,|、〉::::::::裏|` ´ ,、-''" Y_,/ ̄ ̄ ̄ ̄`~^"''‐-ーーヽ,ノ  ./ "_,,.-‐'"~,、'::::::::::::::::::::::::::':、                   /   |
      >ーゞ:::::::::/影|  /,,'",-''´/               `'‐/_ /  ,、-'"_,,.、、 - ‐:::::::::::::::_,,_,,.、 - ‐、               /   |
      (_::::::::::::::| |、\.^γ',; f´、_ソ 、__      ,,,        `"'‐、.,,_:::::::://:::::::,.、 ''"_,,.、、 - ‐ 、 ヽ、           /   |
        |::::::::::,人',ヽヽi\ iii; |::´_,,.. ー-,,.、 >ゝ、_,,,,,;;;;;,丶          `''‐-、.,,,、-'"            \          //   |
       ノ:::::::/:::ゝ|  ヽ| \_,,|'´,、-‐''",、マ     ,,ー‐、   - 、        `~"''‐- 、iiiiiii;;, / ̄ ''-、,   \       /./   ./
       ヽ/-''"         ト- '´,.-‐     //  / \、,   `"''-、,,_           /       .\   `''-、,  //   /
                    ムオ‐'´ ̄ ̄ ̄`´〕 |;: /  / /`''-、,             /  ャーー  _ ヽ     `''-、, /  ./
                    /  \   ;   ; レ    /   /:::::::、    `''-、   / ,   ヽ       `|ii       /  /
                    /    /|   ',  |/     /   /:::::::::::::`''、,    `''/      |       |´i,`''-、,_  /  ./
                   /   /  |    /      /   |:::::::::::/| {iiii\  /               |::::i,iiiiiii`''-、,/  /
               _,,.、、"   /  _    ,        |   |:::::::::::/;;;| |iiiiiii\,:'             /   /',ii::i,`''-、, /  /
             / ‐ - 、、.,,__,,.-‐' " ̄ ヽ     ノ   |   |:::::::::/;;;;;;| ヽiiiiii/             、     |ii::::i,\  / ./
           /           `''-、,          |   |::::::/;;;;;;;;;|  ヽ/              /     |ii::::::i,\ / /
           //    `         \ ヽ /    |   |:::::/;;;;;;;;;;;|  丿              ´ ./  |iiii:::::::i, ./ ./
           |    \ |          i,  .i゙     |   |:::/;;;;;;;;;;;;;;|ー/|      ,'         .,'    .i,iiii:::::::ii/ /,
           |     \|         `':':、 ,:'     |   |::::|;;;;;;;;;;;;;;;|ii/ |       |         /    .}iii:::::::/ /, '.,
           |',      ':、          ~ | `|    .|   |:::|;;;;;;;;;;;;;;;;ゝ .|       |             .,'iiii::::/./iiiii', ',
          { '、     | ヽ          | └--、,,,|  .|::::|;;;;;;;;;;;;;;/ .|       |         |    i゙ii::::/./:::|iiiiii',
           '、      | 〉、_         ソ      ',  .|::::|;;;;;;;;;;;;;/ iii|       |        /     ,'iii::://::::::|iiiiiii|




                零 『 ―        太          ・         極    ― 』


 何だ、今の映像は。

 何だ、今の言葉は。

 何だ、今の『存在は』。

零「……アレは、俺なのか?」

 何処かで見た誰か。

 何処かで見た鬼。

 何処かで見た、異端。

 俺は何処でそれに気付いた?

 最初から気づいていたのではないか?

 あの時の『アイツ』が、自分自身だってことに。

零「鬼面が……」

 見やれば、手に持っていた鬼面に亀裂が走り、粉々に砕けて消え去っていく。

 塵一つも残さず、まるで役目を終えたと言わんばかりに。

零「……もしも、そうならば」

 辿り着く場所はきっと、先の映像の向こうにあるのかもしれない。

 そう、心の中で何故か確信が付いたのだった。

※フラグ十 達成

※これから強制イベントへと移行します

二十六日目

―博麗神社(昼)―

 あれから三日が経った。

 日々は変わらず、しかして幻想郷に喧騒が渦巻いていた。

零「奉納祭、ねぇ」

霊夢「今日から始まるんだっけ」

天子「妖怪も人間もこぞって参加でしょ?場所は妖怪の山の近くだって聞いたわよ」

 以前から気にはしていたが、とうとう祭りの日が来たのである。

 これが終われば、俺の中に歪みが還ってくるわけだ。

 ……思えば、この祭りの間が俺の一時の平穏の最後なわけで。

 これからまた、歪みに頭を抱える事になるのかもしれない。

 だが、それを乗り越える覚悟も指標もあるのだ。

 以前より、気を確かに持てるだろう。

霊夢「零、あんた先に行って適当に時間潰しなさい」

零「あ?何でだよ」

天子「良いから良いから、先に目星いものとか見ておいて欲しいし」

零「ちょっと待てや。俺は祭りに行く気なんざないんだが」

 そもそも、それまで少し離れた場所で歪みが目覚めるのを待とうと思っていたのに。

 まあ、これは決してこいつらには言えないことだが。

 ……どうせ後でわかることだし、怒られるのは目に見えているけれど。

零「お前らだけで楽しんで来いよ。そもそも俺はな」

霊夢「人間嫌い治したんじゃないのかしらー?」

零「お前以外の人間とまだ仲良くするつもりはねーよ」

霊夢「ま、またそういう事を言う!!」

天子「ちょっとー、二人で良い空気吸ってんじゃないわよー。つか、霊夢そこ代わりなさい」

零「いって!?足踏むな!小指を踏むな!!」

 地味に効くから、そういう事は止めて欲しい。


霊夢「兎に角、私達は準備があるから、先に行けって言ってるのよ」

天子「そういうこと。零に拒否権はなし!」

零「……いや、わけわからんが」

 こうなっては、嫌だ嫌だと言えないだろう。

 寧ろ、そうする方が不毛な事になる。

 まあ、気にはなっていたことだ。

 少しくらい、良いだろう。

 そう思いながら、俺は仕方なく了承して祭りの会場へと向かった。


―奉納祭会場―


 空から見ても、随分と大きな祭りの様だった。

 人間の里より少し狭いくらいの規模か。

 妖怪も人間も入り乱れ、既に祭りは始まっているらしい。

 …・・一応、入口から中に入ろう。

 そう思いつつ、鳥居に似た入口を潜る。

 そうして直ぐに、人だかりがあるのが見えた。

 何やら、誰か一人を囲っているらしい。

※選択
1:覗いてみる
2:いや、先に行くか

安価↓5までで多い方

選択:2 ※安藤なんていなかった

 いや、先に行くか。

 人だかりの中を、俺は進んで行く。

 そうしていると、出会ったのは――。

※選択
1:こいし
2:萃香
3:紫
4:文

安価↓4まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用(イベントはない)

3

>>51 選択:3 紫

零「……おいおい、幻想郷の賢者様がこんな所で何してんだ」

紫「あら、鎌足の。奇遇ですわね」

 出来れば会いたくなかったけどな。

紫「歪みが目覚める前の、最後の平穏でも満喫しに来たのかしら?」

零「そんなところだ。……ま、最後って決めたわけじゃない」

 乗り越え、かつての日溜まりを取り戻せる事が出来れば、これが最後だと思わない。

零「希望は、自ら掴んでやるさ」

紫「……良い心意気だわ。それでこそ、鎌足」

零「……てめえに褒められる筋合いなんかねえよ」

  何がそれでこそだ。裏で何考えてんのかわかんねえ分、更に警戒する。

零「お前こそ、何してんだ、ここで」

 改めて、最初の質問を投げかける。

紫「あら、これでも私この奉納祭の出資者よ。ちゃんとやれてるか見て回っているだけよ」

零「……今度は何企んでんだお前」

紫「人聞きの悪いことを。……ま、楽しみなさいな。私も暇じゃないから、ここらでお暇させてもらいますわね」

 訝しんで目線を送るがどこ吹く風か。

 そう言って彼女は去っていく。

 ……この祭り、本当に大丈夫なのだろうか?

 一抹の不安を抱えることになった。



 紫と別れて、また祭りの喧騒の中を歩いていく。

 途中で買い食いなんかもして、腹を満たしながら歩いていると――。

※選択
1:こいし
2:萃香
3:文

安価↓4まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用(イベントはない)

3

>>55 選択:3 文

文「はい、チーズ!」

零「うぉあっ!?」

 突然、光が俺を包む。

文「どうもどうも、清く正しく文々。新聞の射命丸文、良い写真を撮らせていただいておりまいただだだだだだだ!?」

 有無も言わさず、顔を手で鷲掴んでやった。

 この野郎、許可もなしになにしてんだ。

零「その記録は消せ」

文「割れます割れます!私の頭が割れてしまいますぅぅううう!?」

 ……相変わらず姦しい奴だ。

零「だったら、今のは消せ」

文「消します!はい!」

 その言葉、信じたからな?

 そう思いながら、手を放す。

文「酷いじゃないですか、鎌足さん。いきなりアイアンクローだなんて」

零「いや、まず許可もなしに撮影するんじゃねえよ」

 芋を油で揚げたモノを口にしながら言う。

文「いやー、私と貴方の仲じゃないですかー」

零「親しき仲にも礼儀有りだろ」

文「それを言われると痛いですね……」

 だったら、最初から気をつけろタコ。

文「まあ、あの貴方がこの祭りを楽しんでいるようで何よりで」

零「一応、色々と乗り越えてやろうと思ってな」

文「……ははは、そうですか。そう思える様な出来事や出会いが合った様ですね」

零「何でそんな微妙な表情してんだよ」

 笑顔の中に悔しさを混ぜたみたいな、そんな顔。

文「そもそも、私に全然会いに来てくれませんでしたし」

零「寂しかったとか?」

文「少しだけ、ですがね」

 ああ、そうかい。それは悪いことをしたな。

文「ですが、貴方が前を向けたならそれで良し、としましょう」

零「……心配、掛けてたみたいだな」

文「いえいえ。……では、取材の続きがあるので私はこれにて!」

零「ああ、じゃあな……。っておい!」

 写真消したの確認してねえ!そしてもう居ねえ!!

零「……ま、たまには良いか」

 あいつにも、借りはあるしな。

 そう思いながら、夕暮れに近い空を眺めながら祭りの中を歩き続ける。



零「増えてきたなぁ……」

 時間が経つにつれて、ここに来る人間と妖怪の数も大分増えた。

 軽食やわたあめの屋台なんかには列が出来ている。

 先に食べておいて正解だったかな、と思うがこれから来る霊夢や天子は大丈夫だろうか。

 まあ、そこらへんは気にしなくてもいいだろう。

 そう思っていると――。

※選択
1:こいし
2:萃香

安価↓3

1

>>63 選択:1 こいし

こいし「やっと見つけたー!」

零「おぉっ?」

 背中に軽い衝撃を感じた。

零「こいしか。会うたびに背中に乗るの止めてくれ」

こいし「ここは私の特等席だよ、お兄さん」

零「いや、何時からそう決まった」

 抱きつかれる度に、ああまたかと察する俺も俺だが。

こいし「んー、だってお兄さんの背中大きくて安心するし?」

零「何で疑問形なんだよ……」

 いや、考える前に行動してるから、か?

こいし「それに、お兄さんと一緒に居たかったし」

零「……そうかよ」

 その台詞には、弱い。

 色々と、思い出のある言葉であるし。

零「……約束は出来ないけどな」

こいし「私がそう思ってるだけだから、気にしないで欲しいな」

零「カカ、お前はホント」

 いい子だな、と思う。

 無意識で色々とされるのは困りものだが。

 根はいい子なのだろう。


こいし「他には誰か来るの?」

零「……まあ、予定は未定だが」

 恐らく、霊夢と天子は来るだろう。

 それで一緒に回るかどうかは知らないが。

こいし「ふーん……。良いけどさ」

 っというか、コイツは一緒に回る気満々か。

こいし「お兄さんはモテるから、仕方ないねー」

零「……誰がなんだって?」

 俺がモテる?それはどうなんだよ。

こいし「……気持ちを考えるのは大事だよ?」

零「んなこと言われてもな」

 元々、そういう事には疎いのだ。

 ……しかし、気持ち、か。

 自分の中に確かにある事にはあるが。

零「……悪い、こいし。後で一緒に回るから、今は一人にしてもらってもいいか?」

こいし「良いけど、何処で合流する?」

零「入口の鳥居前で良いだろ。あそこならわかりやすいし」

こいし「ん、わかった。また後でね」

 そう言いつつ、こいしは背中から降りて去っていく。

 俺の気持ち。相手の気持ち、か。

 ……ああ、確かに、あるな。

 俺の中には、確かに。



 夕暮れになった。

 そろそろ霊夢達もこっちに来ているかも知れない。

 そう思いながら、鳥居の方へと向かおうとした時、見慣れた姿の同族と鉢合わせた。

零「お前も居たのか」

萃香「……零」

 浮かない顔で、俺を見つめる萃香。

 嘆息を吐いて、声を掛ける。

零「そんなに俺に歪みが戻るのは嫌、か?」

萃香「当たり前だ!その為に私は……」

零「……なあ、萃香。俺は、俺自身の希望を見出した」

萃香「希望……?」

零「理由があったんだ。俺の中に。逃げていたんだ、きっと今まで」

 だから、俺は自分の中にある希望を自分で気付かないフリをしていたのだ。

零「それをさ、霊夢の奴に気づかされた。だから、もう逃げないと決めた」

萃香「それで、歪みをまた身に宿すのか?」

零「萃香。俺の大事な友人。なあ、今は黙って見ていてくれないか?」

萃香「……それが、お前の今の願いか?」

零「ずっと、話したいことがあった。それも含めて、近いうちに打ち明ける」

 そう。こいつには言わないといけないことがある。

零「ただ、俺は。あの日溜まりを再び手に入れたいんだ。だから、乗り越えて見せる。信じて欲しい。特に、お前には」

 紫にあれだけキレてたって事は、随分と気に掛けてくれていたのだろう。

 こいつの、その思いを、俺は裏切りたくない。

零「色々、背負う事にしたんだ。もう二度と、諦めたくはないから」

 それがどんな罪だろうと。

 それがどんな罰であろうと。


萃香「……変わったな、お前」

零「変わろうとしてんだ。今からでも、遅くないって思えたから」

 それは霊夢のおかげだろうが。

 俺にとって、彼女も日溜まりの一人なのだから。

零「……それに、お前に心配を掛けっぱなしなのも、情けないしな」

 長い間、そうだったのかも知れない。

 そう思うと、胸が痛くなる。

 もしもこれが俺の思い違いだった場合、恥ずかしくて死にたくなるかもしれないが。

萃香「……ああ、わかった。ただし、近くに居させろ。そして、見届けさせてくれ」

零「お安い御用だ」

 そう言って、やっと萃香は笑みを見せる。

 その裏に何を思っているのかは知らないけれど。

 今は、その笑顔が見れただけでも十分だ。

―奉納祭会場(夕方)・鳥居―

 萃香を連れて、鳥居に向かう。

 そうしてその場で、こいしと合流する。

こいし「あれ、あなたは」

萃香「ああ、覚の妹か」

零「なんだ、知り合いか?」

萃香「ああ、地底でたまにな」

こいし「どこにでも居る同士、たまに会うし」

 そういやあ、こいつらそんな存在だったな。

 萃香は気の向くままに、こいしは無意識でどこへでも。

 見た目童女共が会話に花を咲かす。

零「似た者同士、ねぇ」

 ある意味では真逆な気もするが。

こいし「お兄さんには、苦労するよね」

萃香「……お前さんもか」

 裏で何やら不穏な会話が咲いている気がした。

 俺が何をした。

霊夢「あら、萃香に加えて見覚えのある顔がまた」

天子「げ、伊吹の鬼……」

 童女二人の会話に訝しんで居ると、背中に声が掛けられる。

 振り向くと、そこには浴衣姿の霊夢と天子の姿があった。

零「……似合ってんじゃん」

 なんとなく、顔が紅くなる。

霊夢「あら、珍しい。アンタが素直に褒めるなんて」

天子「まあ?霊夢は兎に角私に似合わない服装なんてないわけだけど」

霊夢「はあ?着付けもろくに出来ない奴が何を言ってるのよ」

天子「しょうがないでしょ!?普段絶対に着ないものなんだし!」

零「あー、喧嘩なら余所でやれ、余所で」

 こっちもこっちで姦しい。

零「……あー、お二人さん。こいつらも一緒で良いか?」

 そんな騒がしさも落ち着いた所で、萃香とこいしも呼んで霊夢と天子に尋ねる。

霊夢「……」

天子「……」

萃香「……」

こいし「えいっ」

零「いだぁっ!?」

 三人に、何故か火花が散っていた。

 こいしに何故か後頭部を叩かれた。

 俺が何をした。


霊夢「おお、ナイス。零の交流にはほとほと呆れるというか」

天子「……色々と物申したい所はあるけど」

萃香「まあ、零だしなー」

こいし「あ、ごめんね?」

零「お前ら、言いたいことがあるならしっかり言え。その後ぶっ殺す」

 俺は特にあれだこれだとやった覚えはないぞ?

 いや、確かに友好関係は基本女ばっかだがよ。

 基本的に、女が多い幻想郷だ。

 仕方ないと思うんだがな?

霊夢「ま、コイツがそういう奴だってわかってるし」

天子「しっかりエスコートしなさいよ?零」

萃香「……負けてられないな、これは」

零「何なんだ、お前ら」

 いや、本当に何が言いたいんだ?

こいし「とうっ」

霊夢&天子&萃香「ッ!!」

零「おい、いきなり飛び乗るな」

こいし「ささ、行こう、お兄さん!お祭りに!」

 背中に飛び乗られて、はしゃぐこいし。

 恨めしげな視線を感じるんだが。

霊夢「このロリコン」

天子「ペドフェリア」

萃香「……私にはしてくれないくせに」

零「わけわかんねえ横文字ばっかだが、貶されてるのはわかる!!」

 お前ら、今日は本当になんなの?

 そう思いながらも、祭りへと俺達は足を進めて行く。

※力尽きたのでここまで。

※ヒロイン候補はこの四人。

※零の心の中に居るのは誰なのか、それは安価次第。

※まあ、ハーレムにしたければ……。

お疲れ様でした


零「俺に童女趣味はねえ!!」

安藤「などと供述しており――」

零「お前には言われたくないな、おい!!」

安藤「私の場合は愛を超越した絆だよ。一緒にしないで頂きたい」

 うちにはフラコンも居る。

 あれ?結局ロリk(

 23:30頃に再開します

第二章

【安価とコンマで】幻想に走り給う�【幻想入り】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1373446161/)

↑これです。私もスマホだと飛べない。

あ、前スレは埋めちゃってくだされ

では、再開するぞおおおおおおおおおおおおおおお!!

―奉納祭会場(夜)―

 日が沈んで、空には真紅の月が浮かぶ夜。

 こんな日に、あんな月とはまたなんというか……。

 右には天子。左には萃香。背中にはこいし。前には霊夢。

 女を侍らす、というのはこういう事を言うのだろうか。

 まあ、なんつーか、そういう雰囲気ではない。

霊夢「零ー、早くしなさいよ」

天子「歩くの遅くない?」

萃香「こら、こいし。そこ変われ」

こいし「やだー。お兄さんの背中は私の特等席だもーん」

 祭りの喧騒に加えて、この姦しさ。

 ああ、下手に耳が良いから鬱陶しく感じる……。

零「お前ら、うるせぇ……」

霊夢「えー?そうかしら?」

天子「寧ろ、この雑踏だもの」

萃香「このくらいの大きさじゃ無きゃなぁ」

こいし「聞こえないんじゃないの?」

 ああ、そう。そうですか。俺だけですか、そう思ってるのは。

霊夢「あ、零!まずは射的よ!」

天子「えー?祭りと言えば金魚掬いじゃない?」

萃香「いや、まずは酒だな。目星は付けてあるぞー」

こいし「甘いモノ食べたいかなー?」

 おい、テメエら。好き勝手言ってんじゃねえよ。

霊夢「見事にバラバラね。じゃあ、零。アンタが決めなさい。この中から」

零「俺の要望は」

天子「女の子のお願いは男なら聞くものじゃない?」

 ないんですね。はい。

 あー、なんだろ。尻に敷かれてる感がある。

 腑に落ちん。ムカつく。気に食わん、が。

零「……じゃあ、そうだな」

 こいつらには、借りが多い。

 そうじゃない理由でも頭が上がらない部分がある。

 仕方なく。仕方なくだ。今回は聞いてやるとしよう。

※選択
1:霊夢の要望を聞く
2:萃香の要望を聞く
3:天子の要望を聞く
4:こいしの要望を聞く

安価↓5まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用(ゾロ目でボーナス。0ボーナスはなし)

1

>>86 選択:1 コンマ:00 ボーナス発生

※何なの?他のスレにそのコンマ運渡しなさい?ね?おいたん悪いこと言わないから



 まずは、霊夢の要望に聞く事にする。

 まあ、理由はすぐそこに射的屋台があったからだが。

零「……待て、おい。射的の景品ってこんなに豪華だったか?」

霊夢「随分羽振りの良いことで……」

 米俵半年分引換券、野菜半年引換券、肉半年引換券、その他諸々。

 的は随分と小さいが、半年分の食料引換券が並んでるとかおかしいだろ。

霊夢「こ、これは絶対に落とさなくちゃ……!!」

零「待てコラ。別にテメエ今貧乏巫女じゃねえだろ」

 備えもちゃんとしてるし、色々余裕があるって言ってただろうが。

霊夢「……前までは、ね」

天子「その意味は?」

霊夢「居候が増えたから、計算狂ったのよ!」

 ああ、俺らのせいですか。

霊夢「零!三つの内どれでも良いから、落としなさい!!」

萃香「お、おお。霊夢が燃えてる。他力本願だけど」

こいし「凄い熱気だね。他力本願だけど」

天子「頑張れ、零」

零「結局俺頼みかよ!!」

 いや、落とせるかわからねえから!

霊夢「是が非でも景品手に入れなさい!!」

零「誰が料金払うんだっつの!」

霊夢「勿論アンタが。誰の神社に居候させてもらってるのか、考えなさい?」

 こういう時だけセコイ真似しやがって!!

零「……禄な死に方しねえぜ、クソ巫女」

霊夢「とか言いつつも、キッチリ自分の財布から料金を出す零君でした」

 じゃかあしい!!

「ほい、兄ちゃん。チャンスは五回だ。目玉をきっちり、落とせるかな?」

 額に手ぬぐいを巻いた、角刈りの親父がそう言ってニヤリと笑う。

 ああ、絶対細工してるな、って確信出来る笑い方しやがって。

零「……しゃあねえ、やるだけやるさ」

※判定

8以上が一個:野菜取得
8以上が二個:肉も取得
8以上が三個:米俵も取得

0・ゾロ目で……?

ゾロ目ボーナス:+1
潜在能力【9】:+1

↓5までのコンマ一桁で判定

ほい

前スレ>>1000 把握 アークルの使用は、場面さえ有れば……。

>>90-94 野菜・肉・米 全部取得

零「……どんなもんだ」

「ま、まさか、全部持っていかれるとは……」

 火縄銃の様な形をした射的道具をゆっくりと置きながら、俺は冷静を装いつつ呟く。

 店主の方は完全に膝を曲げ、有り得ないものを見た様な表情でがっくりと項垂れていた。

霊夢「ぜ、ぜ、零!!凄い!!凄い凄い凄い!!!」

零「いや、まさか全部落とせるとは……」

 実際、取れるとは思っていなかった。

 狙った場所が丁度急所だったのでは、って感じで落とせたからな……。

萃香「いやはや、流石だねぇー」

天子「……何でもそつなくこなしちゃうよね、昔からそうだけど」

萃香「……ん?」

天子「い、いや、何でもない何でもない。いやー、零って凄いねー」

 後ろの方で、萃香と天子が感心を寄せる様な視線を送ってくる。

こいし「私の出番無かったね」

 その中で、背中からクスクスと笑うこいし。

 何かしようとしてたのはわかってたが、その前に終わらせてやった。

 こいつの能力を使えばそれこそバレずにイカサマ出来るだろうが。

零「んなこと、俺の流儀に反するだろ」

 根本は正義の味方目指してんだ。

 それで取れたとしても、嬉しくもなんともない。


霊夢「これで暫く、というか来年まで余裕で過ごせるわ!ホント、ありがとう!大好き!!」

零「ばっ!?調子の良いこと言ってんじゃねえよこのアホ巫女がァ!!」

 そんな簡単に大好きとか言うんじゃねえよ!!

霊夢「えー?これでも素直に感謝してるんだけどなー」

零「喧しいわ!」

霊夢「相変わらず、そういうところは初心ねー。うりうりー」

 肘で脇をつつかれる。

 やめろ、恥ずかしい上に鬱陶しい!!

こいし「そいっ」

萃香「たぁッ」

天子「ほいッ」

 刹那、後頭部、腰、膝へと同時に攻撃を喰らう。

 何も身構えていなかったせいか、モロに来た。

零「ずぉぉおい!!」

 倒れそうになるのを堪え、振り向く。

零「何すんだ!!」

こいし「なんとなく?」

天子「同上で」

萃香「ノっただけ」

 何なの?本当に何なの?

「あー、鬼の兄さん。いちゃつくのは良いんだが、景品」

霊夢「そうだったそうだった!」

 ここでようやく立ち直ったのか、店主の親父が券の入った封筒を差し出して来る。

 それを半ばひったくる様にして、霊夢が受け取り小さく何回も跳ねた。

霊夢「ああ、もう零様々だわー!」

零「……まあ、結果的に喜んでくれたなら、それで良いわ」

 満面の笑みで喜ぶ霊夢を見て、俺も小さく笑みをもらす。

 そうね。結局は、そこだ。

 霊夢が喜んでくれたなら、それで良いよな。

※霊夢の好感度がググッとあがった

 



 霊夢が引換券を巾着へ大事そうにしまった後、俺達は再び祭りの中を歩く。

 時間的に言えば、後二・三店回れれば良い方か。

萃香「次は私の要望聞けよー、零ー」

こいし「射的じゃお腹は膨れないよー?」

天子「だから、金魚掬いをー」

霊夢「だ、そうだけど?」

零「……そうだな」

※選択(残り三回)
1:×
2:萃香の要望を聞く
3:天子の要望を聞く
4:こいしの要望を聞く

安価↓5まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用(ゾロ目でボーナス。0ボーナスはなし)

3

>>103 選択:3 天子



 天子の要望を聞いて、金魚掬いに向かう。

 ま、どうせこの規模だ。

 空いてる場所もあるだろう。

 と、探していたら見つけた。

天子「さーって、天子ちゃんの腕前を見せてやるわよー!」

零「おう、頑張れ」

天子「何言ってるの?零も一緒にやるのよ」

零「いや、知るかよ」

 さっき霊夢に嗾けられたばかりだぞ?

零「少しは休ませろ」

天子「あ、おじさん。その掬うやつ二つお願いー」

「あいよーっ!」

 って、言ってる側から頼んでやがる!

零「あのなぁ……」

こいし「良いじゃん、付き合ってあげなよ」

萃香「……勝手に酒でも探しにいこうかなー」

霊夢「ダメよ、萃香。一応、団体行動してるんだから」

零「……わかった、わかった」

 ああ、今日は心底こいつらと付き合ってやろう。

天子「うふふふふ、どっちが多く掬えるか勝負よ!!」

 意気込んで、天子は腕まくりをする。

零「はいはい、お手柔らかになー」

 やる気のない返事をする俺。

天子「ぐぬぬ……!ちゃんとやりなさいよ!!」

 いや、そう言われてもなぁ。

 まあ、やってやるけどさ。

※判定

↓で天子のコンマ判定

↓2で零のコンマ判定

コンマ一桁が大きい方の勝利
 

ここはわざと負けてやるのが
男だと思う

ほい

天子判定
>>106 コンマ:9

零判定
>>107 コンマ:2

※手加減?天子にそんなものは必要なかった!!

天子「舞え!踊れ!金魚達!!」

 仰々しく、しかし精確に金魚を掬い上げる天子。

 一方で、俺はまったく取れずに網が破けた。

 ……何なんだ、この落差。

「な、何だあの子の網捌きは!金魚たちがどんどん器の中に入っていくぞ!!」

「す、すげー……」

「プロだ!金魚掬いのプロが出たぞ!!」

 そして、意味も無く見せびらかすものだから人が集まってくる。

 天子も更に調子に乗っている様で、まるで一人舞台を行う人気役者の様な持て囃されぶりだった。

天子「はーっはっは!ざっとこんなモンよ!!」

零「……正直、すげーな」

 意味もない才能だとは思うが。

天子「はーはっはっは!!」

 その時、天子の肩をそっと掴んだ人物が居た。

「出禁ね」

 店主だった。



天子「何よ何よー!盛り上げたんだから良いじゃないのー!」

霊夢「まあまあ、一匹もらったんだから良いじゃない」

天子「むー!あそこに居るの全部飼うつもりだったのに!」

零「それは無理だ。敷地的な意味で」

 それに、あれだけ居れば餌代も馬鹿にならない。

天子「……ま、一(にのまえ)が居ればいっか」

萃香「一?」

天子「この金魚の名前よ。零が居るんだし、数字で合わせてね」

こいし「一だって。お兄さん、ちゃんと世話しないとダメだよー?」

零「また俺に振るのか!?」

 この場合、それをやる義務は取った天子の役目だろ!?

天子「だって、私居候だし?」

零「俺だって居候だぞ!?」

霊夢「宿主は私だけど?」

 あ、はい。そうですね。

霊夢「ま、世話は交代でやればいいでしょ。さ、次に行くわよー!」

天子「……えへへ。一、これからよろしくね!」

※天子の好感度があがった!

※判定

5以下で零はぐれる

判定直後

迷子とかないない

>>111 コンマ:8 はぐれない

※チッ……



 ◇

 さて、そろそろ酒か食いもんか欲しいと思い始めた頃。

 この集まりに、心地良さを感じる自分が居るのに気付く。

 ああ、まるでかつての日溜まりの頃の様に思えて。

 かつての面々とは違うけれど。

 それでも、きっと。

零「んじゃあ、次は何処行くか」

萃香「酒ー!」

こいし「わたあめー!」

 はいはい、童女共が騒がしいしそろそろそっちにも目を向けるかな。

※選択(残り二回)
1:×
2:萃香の要望を聞く
3:×
4:こいしの要望を聞く

安価↓5まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用(ゾロ目でボーナス。0ボーナスはなし)

それ
っていうか結局全員分やるなら安価の意味はあるのだろうか

2

>>115 イベント挟む判定クリアしてるから、順調に行けば全員やるって感じ

>>116 選択:2 萃香



 先に、近くに見つけた酒の屋台を見つけたのでそっちへ向かう。

萃香「んー、目処付けてた場所じゃないけど、いっかなー」

零「そりゃまた贅沢な事を」

 つか、お前無限に酒の沸く瓢箪持ってるだろ。

萃香「常に同じ酒を飲むのは、流石に飽きるだろー?」

 さもありなん。確かにそうだ。

霊夢「まあ、そろそろ飲みたいとは思ってたし」

こいし「おー、飲み比べだー」

 コイツに飲ませて大丈夫だろうか、と思うが。

零「……それしたら、俺か萃香の勝負になっちまうだろ」

 酒に対する強さだが、鬼という種族という事を差し引いても俺と萃香は郡を抜いている。

 霊夢は以前酔い潰させた事もあるし、天子とこいしがどれくらい飲めるかは知らないが。

萃香「良いじゃないか良いじゃないか。飲み比べも祭りの華だろう」

零「それで他に回れなくなってもしらねえぞ?」

霊夢「……リベンジしたいけど、それはちょっと」

天子「面白そうだけど」

こいし「んー、大丈夫じゃないかな?」

萃香「どうするんだい?零ー」

 決定権は俺にあるらしい。

※選択
飲み比べはする?しない?

安価↓3まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用(ゾロ目でボーナス・0ボーナスはなし)

あ、ごめん。多い方で判定します

※判定:やる

零「萃香の言う通り、飲み比べも華か」

萃香「お、いいね!そう来なくちゃ!」

天子「……大丈夫か不安になってきた」

こいし「出来るかなー?」

霊夢「……今度こそは!」

 おお、意気込みや不安の声がちらほらと。

「なんだい?飲み比べかい?」

萃香「そうだぞおばちゃんー!樽でくれ!!」

「お金は大丈夫かい?」

萃香「あ、現金ないから金の塊で勘弁して?」

 ごと、と。

 どこから取り出したのやら金の塊を屋台の上に置く萃香。

「……純金かい?」

萃香「そうだぞー。疑うなら別にいいけどなー」

「……いんや、勿体無いし良いよ。樽は一つで足りるかい?」

萃香「おう!んじゃあもらっていくなー!」

 そうして、少し離れた場所に移動し、丁度良い広間で酒盛りを始める。

※判定
↓零のコンマ判定

種族【鬼】:+1

↓2 萃香のコンマ判定

種族【鬼】:+1
酒呑童子:+1 

↓3 こいしのコンマ判定

↓4 霊夢のコンマ判定

↓5 天子のコンマ判定

零:生存
萃香:余裕
こいし:脱落
霊夢:生存
天子:危うい



こいし「きゅ~……」

天子「うわ、きっつ……」

霊夢「まだまだ……!」

零「思ったより来るな……」

萃香「ははは!まだまだ序の口だー!」

※続ける?
はい/いいえ

安価↓3までで多い方を選択

※人居なさそうなので、今日はここまでにします。俺も眠いし

※明日は出来れば昼頃に

※安価にこの書き込みは含みません。↓2、お願いします

※あお!?居ねえと思ったらこれか!

もう少し続ける

ようと思ったけど、ごめんさい。やっぱ限界なんで今日は終了で。

お疲れ様です……orz

十分後くらいに再開します

>>132 の続きから

※飲み続けてます

 こいしを横にしてあげて、天子に尋ねる。

零「大丈夫か、お前」

天子「な、なんとか……。久々だから、ちょっとだけキツかっただけだから」

霊夢「あんた、以外と酒に弱い?」

天子「普段はそうでもないんだけどね……」

萃香「カカカ、まだまだいくぞー!」

 生き残った面々で、まだまだ飲み比べは続く。

※判定
↓零のコンマ判定

種族【鬼】:+1

↓2 萃香のコンマ判定

種族【鬼】:+1
酒呑童子:+1 

↓3 霊夢のコンマ判定

↓4 天子のコンマ判定

※相変わらず高コンマの群れだなおい

※全員生存

萃香「おお、おお。良い飲みっぷりだなー、お前さんらー」

霊夢「この程度で飲みつぶれる私じゃないわよ!」

天子「味に慣れてきたみたい。結構イケるわね、これ」

零「……俺達鬼なら兎に角、お前らも大概だな」

 鬼の飲み比べに付いてこれている時点で、すごいと思う。

 まあ、天子は天人であるし、霊夢も酒は飲み慣れているからだろうが。

萃香「これから!……と言いたいが、樽の中の酒ももう少ししかないな。零、行けー」

零「あ?少しって……。まだそこそこあるじゃねえか!!」

霊夢「その量でそこそこって……」

天子「鬼の尺度ってどうなってるの?」

 そりゃあ、お前らから見ればそうだろうが。

 樽の四分の一になってりゃあ、俺らからすればなぁ。

萃香「ほれほれ、私のおごりだぞー!飲め!」

霊夢「ぜーろーの!」

天子「ちょっといいとこ見てみたい!!」

 変なノリをするのは止めろ!うぜぇ!!

 しかし、この空気。覚悟を決めなければいけないようだ。

※判定
4以下でばたんきゅー

種族【鬼】:+1

判定直後

s

>>153 コンマ:7+1=8

零「カハァ……!」

 樽を丸々持ち上げて、直接飲み下す。

 酒気が腹からこみ上げて、熱い息が口から漏れ出す。

 しかし、この程度で潰れる俺ではない。

 一気飲みというのは好みではないが、この場の空気を納めるには丁度良い実演だったと思う。

零「美味かった。ごちそうさん」

萃香「おお、おお。流石は零。良い締め方してくれたねー」

霊夢「見てるだけで酔いそうね……・」

天子「でも、凄い。鬼ってそこまで酒に強いんだ」

 酔いが程よく回ってくる。

 ああ、いい気分だ。

 片膝を上げ、右腕をそこに置きながら萃香を見やる。

零「……なあ、萃香」

萃香「なんだ?零」

零「……かつての様に、笑っていたいよな」

 何でそう呟いたのか、俺にもわからなかった。

 霊夢が疑問符を浮かべている。

 天子の顔は角度的に見れなかったが、萃香はにんまりと笑う。

萃香「それが、希望なんだな」

零「ああ。そうだ」

 だから、これからもその笑顔を見ていたい。

 そう思えたのは、確かだった。

※萃香の好感度が上がりました



 飲み終わり、樽を片付け、酒の余韻も少しばかりに抜けて来た頃。

こいし「ふぁー。お酒はダメだー」

 いつの間にか復活したのか、こいしが背中にもたれ掛かって来た。

零「大丈夫か?」

こいし「大丈夫ー。ただ、口の中変だから甘いモノ食べたい」

霊夢「んー、確かにそうね。おつまみもなかったし」

天子「じゃあ、行きますか」

萃香「おー。祭りも終わりそうだけどなー」

 そう言われて、周囲を見やれば確かに。

 締まっている屋台も多く成り始めている。

 これは、急がねばいかんかもしれん。

こいし「早く行こっ?」

零「はいよ」

 立ち上がって、再び屋台を目指す。

 さて、まだやってるところはあるかな?

※判定(三回まで)
5以上で甘味屋台発見 0・ゾロ目でボーナスイベント

判定直後

ほい

※もう少し判定厳しくしてもイイかな……?

>>156 コンマ:5 発見

 意外にも、早く見つける事が出来た。

 流石にこの広い敷地に屋台がひしめき合っているだけはある。

 まあ、人妖揃って屋台出してたりするからなぁ。

こいし「わたあめー」

零「直接かぶりつくなよ。口の周りベタベタになるぞ」

天子「りんご飴って、何か好きなのよね……」

霊夢「杏も捨てがたいと思わない?」

萃香「ソース煎餅もいいぞー」

 一部、外の世界から流れてきた甘味もあったと思う。

 そもそも、わたあめ事態どうやって作っているのか、とも思うが。

こいし「美味しいね、お兄さん」

 こいしが喜んでいるなら、それでいいか。

 深く考えるのは、野暮というものだろう。

こいし「はい、お兄さん。あーん」

零「あ?くれるなら普通に渡せよ」

こいし「恥ずかしい?」

零「……お前ら、今日に限って積極的だな」

 祭りだからか?夏だからか?開放的なのか?

こいし「だから、お兄さんは気持ちにもう少し敏感にならないと」

零「……そうね」

 いや、別にさ。

 俺の中で確かに膨れ上がっているモノはあっけどさ。

 そうそう整理が付くとは思えねえしさ。

 でもまあ、これも良い機会なんだろうが。

 ここぞという時に、決めるべき事だろうけど。

零「……ま、とりあえずわたあめもらっとくわ」

こいし「はい、あーん」

零「ぐふぉッ!?」

 背中越しに渡されるわたあめを口に突っ込まれる。

 ま、まさか本体の方を差し出されるとは……。

こいし「あ、間違えた」

 無意識って怖いな。

 わたあめの甘さは口の中で広がっていく。

 後で洗いに行かなきゃな、と思いながら。

 まばらになって行く人だかりに、祭りの終わりを刻々と感じた。

※こいしの好感度が上がりました


―奉納祭会場(夜)―

 そろそろ解散の頃合、と思っていた矢先に耳にしたのは、打ち上げ花火の情報だった。

 どうやら、祭りの締めに行うとのことらしい。

 ……この際だ。

 ここで、決める事を決めてしまおう。

 俺の中の歪みが目覚めれば、この日溜まりもまた遠くなってしまう。

 それでも俺は、手にしたい。

 この気持ち、この思いを、伝える相手が居る筈だ。

 他人の思いへの機微は疎いけれど。

 自分の気持ちには、正直になるべきだと思うから。

 花火の前に、連れ出そう。

 ――彼女を。

※ヒロイン決定戦

ヒロインレースです。
最も多く選ばれたヒロインに、零が告白します。
ちなみに、好感度ですが。

霊夢が一位なので票数に+1されます

逆に

こいしは4位なので票数に-1されます

また、まだ選ばないという選択肢も存在します。

以上で説明を終わり。

※では、ヒロインレースを開始します。
※失敗はありません

※選択(アンケート)

1:霊夢
2:萃香
3:天子
4:こいし
5:まだ選ばない

補正
霊夢:票数+1
こいし:票数-1

安価↓10までで一番多い番号を採用

票数

霊夢:7+1=8

天子:4

萃香:0

こいし:1-1=0

※圧倒的世界一位。やはり格は違った

※あ、一つ多かったし間違えがあった。でもまあ結果は変わらない



 鳥居に集まって、花火の話に華を咲かせていた頃。

 意を決して、霊夢へと声を掛ける。

零「霊夢、ちょっと話がある。良いか?」

霊夢「え、何よ……?」

 瞬間、空気が固まった。

 霊夢以外からの視線が突き刺さる。

零「……良いから、来い!!」

霊夢「え、ちょ、まっ!?」

 選ぶ言葉が見つからず、空気も読めていないだろう。

 だが、一度決めた覚悟だ。

 己の不器用さを嘆くのは、後で良い。

 霊夢の手を握り、跳ぶ。

霊夢「零!?」

零「文句は後で幾らでも聞く!」

 そうして俺は、霊夢を連れて妖怪の山へと向かった。



こいし「強引だねー」

天子「悔しいくらいに、ね」

萃香「……零」

こいし「あーあ。ちょっとつまらないかなー?」

天子「って事は、アンタも?」

こいし「ここに居る皆がそうだと思ったけど、違う?」

天子「……ま、色々と思う部分はあるけど」

こいし「でも、お兄さんは優しいからね」

天子「……選んでくれると、思ったんだけどな」

こいし「お姉さん?」

萃香(……そうか。そうだよな。考えてみれば、あの人間嫌いだった零の更生に、人間が関わっていないハズがない。それが、霊夢の可能性が高いのは、一番近くに居たんだから、当たり前じゃないか)

天子「……遅すぎたんだ。きっと、私は」

萃香(霊夢のお節介が、こうさせたのか。……カカ。これなら、あの時からもずっと一緒に居れば良かったのかもな)

天子「零……」

萃香「今更、か。……お前さんの選んだことなら、それで良いと納得しなくちゃ、な」

こいし「……命蓮寺に行こ」




 霊夢の手を握って、走る。

 駆ける。翔ける。飛ぶ。

 そうして、着いた場所はかつて俺が『滅ぼした』村の跡地だった。

 ここなら誰も来ないだろう。そう思ったからここを選んだわけだが。

霊夢「ちょっと、馬鹿鬼。こんな所に連れ込んで何をする気なの?」

零「……すまん。ちょっと、気が動転していたらしい」

 緊張していて焦っているのは、確かだった。

零「でも、話す事があった。誰にも聞かれたくない話が」

霊夢「……それって、どういう意味で?」

零「二つの意味だ」

 そうして、息を深く吸って、吐く。


零「霊夢、お前が好きだ!抱きしめたい!お前をこの腕(かいな)で抱きたい!愛したい!お前を俺に愛させてくれ!!お前のお陰で、俺は変われる!お前が居たから俺は変わる!これから、変わってみせる!そう思わせてくれたのは紛れもなく、お前だ!お前が切欠だった!好きだ!その艶やかな黒髪も、絹の様な柔肌も、何もかも!これからもぶつかる事もあるかもしれない、お前を怒らせる事も多いかもしれない。それでもお前を愛したい。お前を愛しぬきたい!あの晩からお前が気になっていた。ずっと鬱陶しいと思っていたのに、それは俺が弱かったからだとお前が気づかせてくれた。だから、そうだ!俺は、お前が――」




                           零「お 前 が 好 き だ ! 霊 夢 ! !」

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: : : : : : : : : : |_,|: : /´  ヘ:|  ヽ: : / ',: : :/    ヽ:ノ  |: : : : : : : : : : ヘ
: : : : : : : : : : | !:/     ゝ  `´   レ´  r=≠ニ=彡  !: : : : : : : : : : : :〉
: : : : : : : : : : |彡´ノ-‐=メ=ミ-ー'       爻彡三ミ、`ミミf-、_r―ァ: : : : /

: r─-、: : : : :| 爻彡三ミミ:、ヾミ       彳|三三三ハ  !/7  人_r‐く
´|  んヘ∧|彳f三三三三ハ          |三三三ニ.!  ト、::-、ノ   厶
、{⊥」r‐z )ー、 |三三三三三!         iニニγ¨ヽ}  |: :ヽ:::ゞ</
´:::::`ヽ./ !三三ニγ¨ヽ}         ヽ三;ゝ-,   !: :ト、|::::',
:::::::::ヘ  ヽ三三;ゝ、__           `¨¨´    ヽ、ヽ、‥::}
:::‥::‥: ',  ヽミ三彡'            ヽ_  ヽ\\\\|:ヽ|::::|
:‥::‥::‥!        、\\ヽ                     }::::::ノ
:::::::::::|    ヽ\\\                   j/\_, ヘ´-―、
:::::::::::!   l j              _ノ     /}    }   Y´)__
-√`Y´`ヽヘノヽ.  し'   ( ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヾノ    /: :`ー、厂'ー-'": : : : `≡=-'"
ん´Y  f´`廴ノ弋       ` ー―‐一 ' ¨´    ∠:ノ|: : : : : : : : : : : : : 、: ヽ
: : : :`¨´: : : : : : : :丶                  イ   レ|: : : : : :、: :∧: : | \:ヽ
: : : : : : : : : : : : : : : : > 、_                イ:ハ ',     !: : : : / ∨ ヽ: !  `¨
: : : : : : : : : 〈|: : :|\: ヽ | `¨¬ー‐--r=-イ:/i: :/ ゞ-   |: : : /     `

: :.∧: :/\: : : : / .ノ\:]|        }: :,r、: :i !/       |:/
∨ ∨   \乂´   >-、     ノ`ヽ、`ー'




              霊夢「ふぇ……?」


 静寂の中に、俺の荒くなった息だけが響く。

 言った。全部言った。一気に言った。

 全身が熱い。正直、何を言ってるのか自分でも途中からわからなくなった。

 恥ずかしい。穴を掘って埋まりたい。

 これは死ねる。死にたくなる。だが、死にたくはない。

霊夢「……馬鹿なの?え?何?馬鹿なの!?」

零「言うに事欠いて馬鹿とは酷くないか!?」

霊夢「だって、え、私を、え?零が、私を、好き?愛したい?え、ちょっと、待って」

 白い肌を一気に朱に染めていく霊夢。

 それを見て俺まで更に恥ずかしくなる。

零「さっき、全部、言っただろ!」

霊夢「これって、夢?」

零「現実だアホ巫女!!」

 現実逃避してんじゃねえよ!そんなに嫌だったのか!?

 いや、思い返すとあの言葉の羅列は俺でも気持ち悪いと思う。

 ああ、何でちゃんと出来ないかな俺は!!

霊夢「そんな、え、夢じゃないなら」

零「だーかーらー!!」

 ええい、ままよ!これで殺されるなら本望だ!!

 そう思って俺は、霊夢のすぐ前へと移動して――。





                       ――その唇を、奪った。


霊夢「ん!?」

 瞳を閉じて、彼女の小さな唇に俺の唇を重ねる。

 反応からして心底驚いている様だが、俺は長くその接吻を続ける。

 そうして、数秒か、一分か。それとももっと長くか。

 自分でもわからない程の時間を経て、唇を放す。

零「これで、どうだよ」

霊夢「……あんた」

零「この、俺が!人間嫌いだった俺が!お前に惚れてそんなにおかしいか!?」

霊夢「逆ギレ!?」

零「それもこれも、お前がお節介焼きだからだろ!ああ、もう!恥ずかしい!恥ずかしくて死ねるぞおい!!」

 接吻がこうも頭の中を真っ白にするとは思わなんだ。

 ただ、霊夢の柔らかい唇の感触がまだ残っている。

 これだけでも、相当恥ずかしい。

零「これだけやって、まだわからないんだったらな――!!」

霊夢「落ち着きなさい、このうつけ鬼!!」

零「ぐふぉあッ!!」

 内蔵を、抉る様に、殴られる。

霊夢「やっと現実だって実感してたのに、何なの?馬鹿なの?死ぬの!?」

零「ん、なこと、言われてもよぉ」

霊夢「アンタが私の事を好きだってのはわかった!十二分にわかった!ええ、そうね!だったら、私も応える必要があるわよね!!」

 言い放って、霊夢の両手が俺の顔を掴み。

 今度は、向こうから重ねられる。

零「んん!?」

霊夢「んっ……!これが、これが私の……・。答え、よ」

 今度はコチラが呆ける番だった。

 思わぬ返答の仕方だったから、あまりにも現実からかけ離れていて……。

零「お前……」

霊夢「最初にやってきたのは、零。あなたからでしょ?」

 いや、確かにそうだけどさ。

霊夢「……お互いに、テンパってるからこんな事になるのね」

零「ああ、そうかもな……」

 だが、覚悟からの勢いで言いたい事を口に出来たのだ。

 そして、この結果だ。

 これは、非常に喜ばしい事だと思う。

零「……答えは、行動で示された、か」

霊夢「そ、そうよ。……これからも、よろしくお願いしても良い?」

 その言葉に、左手を取って応える。

 

          匀 ̄~/`77'': : .._         _,..: :''7´/ ̄ ̄~乞
         匀'///////////,`ヽ、   ,イ/////////////乞
.         匀//////////>‐: :''  ̄ '': : :‐</////////乞
.         匀'///////: : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ,/////,乞

.          匀'////: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ'///乞
           匀//: : : : : : : : : : : : :l : : : : :l : : : : : : ∨/,乞
             匀': : : : : : l : : :.l : : :,| : : :.l ハ : : ! : : : :'//乞
           〃: : : : l : |.:_,:斗‐:/ | : : /__.| : :.| : : l : l'/,乞

           '.l : : : :.:| : | : :,〃" ノ: :/ノ_/!`寸: :.:| : | ゙̄'ヽ

             ,| : i : : | : レfてハ ,ノ/ f:::::うx リ : :| : ト、'///ヽ
         ,.<::'; :.| : :ャュ、!.V:::リ     .い::リ /; : /: /| \///ヽ
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//l       /./:/: : /: : リ-┤    iニ!. ,': : : :|}乞   ',',  /'///
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//,ミ゙  . /: /,':〃/:〃: :〃{ ./   ノ  /. !: : :.;' }ニr" _,.  ヽ}
 ヾ  ,/: : / ,/:,/: ;' ,イi : ;'匀 /   ,' ヽノ  .!: : ;゙ .}.r゙ '_ - 、 _ヽ
.    ,': : / ,/:,〃:,' .,゙.!|: ,゙-マ     .,'   /:.:.\ '; ;゙ ,/ ',´_',.´-   `.ヽ
.   ,゙: :/. ,': ;゙ i :.{ イ´l/ /     .,'  /v_:_ノ:::ヾ、!,'_,-=―ミ、、   `ヽ
.   {:,/  { ;゙ K__,,ィ "../    . ,゙、/イ:.;':.l:ヘ:::::/'´       ヾ,、    ヘ
    レ  レ  .{ : : :}ニ,/     ,゙'マ;.':.;.':,:.:|:.:ヘ.'          ヾ,、    ヘ
         _j.イ彡'      . ,',//:.;':.:.|/            l,゙、     .ヘ
_  _,,,..- ニ´ //{      /':./:.:.:.;':.:/ 、             |','、ヽ    .',
.. ̄` - ...,,_/ .〃 .l    .,イ:/:.:.:.:.:.;':./  l    i          l .','、 .ヽ   l
.    _,.イ   〃 .  l   .入_jヽ、:.:.:.;':./  . }   .    !   ,  l  ','、  ヽ  l
--‐ '"     .i゙i゙   ゝ‐'´ / .':::'、:.:.:r:/  .ノ! .   ゙! i   i  .,'  .','、  ヽ ',
.          l.l      /  . '::::`ー'::.   ヽ!   .|  . l   ,'  ,'.、   ','、   ヽ',
、.      |.|     /    ':::::;'::::::ヽ  . ゙! Y¨ヽ、 .}  .,' ./ ヽ  .','、   ヽ
. ヽ     .l.l    i゙      '::;':::::::::::::ヽ | '、   ヾ、 .,'./´_ .}   .','、    .ヽ
   ヽ   ノノ    .l        ,':::::::::::::::::::`.|  ト、   \- '´  .l   ヾ,、    ヽ
=== _-,.'.イ    .,'      /::::::::::::::::::::::::::.  .l \   .\   |    ヾ,、    ヽ
             /      ./::::::::::::::::::::::::::::::、 l / /゙l        |     ヾ,、    ヽ
          ノ      r"- 、::::::::::::::::::::::::::¨i._,'゙¨  |       .|      ヾ,、    ヽ


              零「俺の魂に掛けて」


 彼女の事を、愛し守ろう。

 その為にも、歪みを乗り越えよう。




 村の中央にある切り株に座り、遠方から上がる花火を見る。

 落ち着く時間が必要だった。

 互いに、恥ずかしいやら緊張やらでまともに顔も見れなかったから。

 火照った体に心地良い風が吹く。

零「なあ、霊夢」

霊夢「な、何よ……」

 漸く、精神的に落ち着きを取り戻して、俺はもう一つの連れ出した理由を話す事にした。

零「お前にも、話す事がある」

霊夢「……随分、深刻そうな表情(かお)ね」

 そりゃあ、そうだ。

 これは、俺の根幹に関わる事だから。

零「この祭りが終わった後、俺の中に歪みが還ってくる」

霊夢「……ッ!」

零「全て、仕組まれていたのさ。あのスキマ妖怪の良い様に」

霊夢「紫……!あいつ!」

零「そうカッカすんな。……俺は、逆に感謝してるくらいだ」

霊夢「そんな」

 そう、俺は感謝している。

 消え去ったから、霊夢に気付かせてもらえた。

 乗り越える覚悟を決められた。

 かつての罪に贖うと、背負うと決めた。

零「それに、誰かの元で誰かを困らせるわけには、いかないからな」

霊夢「……ねえ、零」

零「自己犠牲の精神じゃねえよ。……これは、俺の持ち込んだ問題だ。それに、その上で乗り越えると決めてる。それだって、お前が思わせてくれた事だ」

霊夢「そう、だったわね」

零「嫌でも周りに頼る事になると思う。だから、その時は」

霊夢「ええ。私が、私達がなんとかする」

 それで何とかなれば、嬉しいのだが。

 だけど、それもまた希望の一つだ。


 刹那の美しさ。今を刻む、出来事に似た光。

 そうして、彼女の手を握り締めながら花火の終わりを迎えた。

 余韻も幾ばくか、遠くから拍手や声援が聞こえてくる。

零「……霊夢」

霊夢「うん」

零「……ありがとうな」

 そう言った瞬間に、地響きが幻想郷を襲った。

 

 かつての日溜まりを、この手に掴む。

 もう二度と諦めない。

 もう二度と、取り零さない。

零「俺の背中、頼むわ」

霊夢「ええ。安心して足掻いて、足掻いて、立ち上がって、やり抜いてみせて」

零「ああ、そうさせてもらうさ。……・それが俺の」

霊夢「それが零の」

 ――正義の味方の道と成るのだから。

 花火が打ち上がり、閃光が夜を照らす。

※違和感があると思ったら、切り取りと貼り付けに失敗してた。

※修正

 かつての日溜まりを、この手に掴む。

 もう二度と諦めない。

 もう二度と、取り零さない。

零「俺の背中、頼むわ」

霊夢「ええ。安心して足掻いて、足掻いて、立ち上がって、やり抜いてみせて」

零「ああ、そうさせてもらうさ。……・それが俺の」

霊夢「それが零の」

 ――正義の味方の道と成るのだから。

 花火が打ち上がり、閃光が夜を照らす。

 刹那の美しさ。今を刻む、出来事に似た光。

 そうして、彼女の手を握り締めながら花火の終わりを迎えた。

 余韻も幾ばくか、遠くから拍手や声援が聞こえてくる。

零「……霊夢」

霊夢「うん」

零「……ありがとうな」

 そう言った瞬間に、地響きが幻想郷を襲った。


零「地震……?」

霊夢「……治まった、わね」

 何処かで地滑りでも起こしたのか。

 祭りの終わりと同時に起こるとはまた、妙な事で。

 それと同時に、体の中から陰気が溢れ出すのを感じた。

零「還って来た、か」

 歪む、歪む。捻れて曲がる。

 俺の中にある何かが歪んで行く。

零「だが」

 そのまま侵食させない。その上で、制御下に置く試みを行う。

 精神の器に陽を持ち。混じり乱れる陰気を抑え込む。

 暴れる。俺の中で暴れ狂う。

 意識が吹き飛びそうになるのを堪える。

霊夢「零っ」

零「大丈夫だ、心配すんな」

 まだこれからである。

 あの時は精神的にも肉体的にもガキだった。

 全てを投げ捨てる要因もあった。

 だけど、今はそうじゃない。

 だから、抵抗する。

 故に、抗う。

 そうする事で、少しでもやりようがあると、足掻けると思うから。

 そうしていると、茂みから音がした。

 こんな場所に誰が来るのだと、視線を向ける。

萃香「零……」

霊夢「萃香……?」

 現れたのは同族であり――大事な友の一人である、伊吹萃香だった。

萃香「歪み、還って来たんだな」

零「ああ。……悪いが、少し静かにしていてくれ。今やってみたいことを――」

 言い掛けた所で、何か異様な感覚が身を駆け巡る。

 それはまるで、何かを呼んでいる様な。

 何かと共に震えている様な。

 全身が、脈打つ。

 その感覚に気を取られている内に、萃香はもう目の前にまで迫っていた。

霊夢「零!離れて!!」
              救って
萃香「だったら、私が『殺して』やるよ」

零「ッ!!!!」

 萃香の腕が、俺の腹を貫く。

※判定
4以下で気絶 0・ゾロ目で……?

精神【7】:+1

判定直後

せい

>>204 コンマ:9+1=0 ブーストイベント

零「がッ……!カァッ!!」

萃香「……ッ」

 無理矢理引き抜き、投げ飛ばす。

 腹に風穴が空いた。

 ゴポリ、と音を立てて血が溢れ出す。

 口からもまた同様だが、それだけで止まる俺じゃない。

零「すい、かぁ……!お前……!!」

萃香「何で、何でだ。私は、ただ零を、助けたい、だけ。救う、零を。殺すのは、でも、手段が、あった筈なのに、何で……!?」

 混乱した。一瞬、持って行かれたと思った。

 一瞬で状況を整える。

 間違いない。萃香の中に、『歪み』が付いている。

 何故、どうしてと思うが、今はそんな状況じゃあない。

 尋ねる暇もない。事実を受け入れて冷静になれ。

 彼女の中に歪みがあって、彼女はまだ汚染に抗える理性がある。

 故の、葛藤。あの様子を見る限り、そうだろう。

 ならば。

零「ここでっ!」

霊夢「零、待って!!」

零「止めるな!」

霊夢「貴方まで飲まれる気!?」

 言われて、右腕を振り上げていることに気付く。

 ずっと俺の中にあっただけはある。馴染むのが早い。

零「だがっ!!」

 それでも、事は急する。

 萃香が飲まれるだけは、論外だ。

零「萃香っ!お前の中の歪みを俺に萃めろ!!」

萃香「ダメだ、それは、ダメだ。それだと、お前を救えない!!」

零「言う事を……!!」

 それでお前が、お前たちが困っていたら意味がない。

 その歪みは持っていてはいけない。

 なら、俺と同化させて然るべき。

 そう思いながら歩こうとするが、体勢を崩しそうになる。

霊夢「零っ!」

 しまった、流石に貫かれたのは不味かった。

 血がどんどん失われていく。

 精神に振り幅の大きい妖怪である俺の体でも、この傷はいけない。

零「だったら、鬼らしいやり方で!!」

霊夢「零ッ!!」

萃香「ダメだ、ダメだ、ダメだ、お前を救うのは、私だ!!」

 萃香の歪みが深く捻じ曲がって行く。

 溢れ出す陰気が周囲の草花を枯らしていく。

 これ程の歪みを、何処から持って来たんだよ、お前は!!

※判定

特殊ルール『三歩必殺の理』

安価三つ↓までのコンマで8以上を三つ出すことが出来れば成功

補正

種族【鬼】:相殺
歪み付き:萃香の歪みの方が大きいので-1
負傷:-1

判定開始

※ごめん、ちょっと負けイベでも0出せば何とか出来る可能性というのを試してみたかったんだ。

 今後はやらないようにするよ。申し訳ない。

                              ――

萃香「お前をこの苦しみから、歪みから、私が救い出す!!」

零「クソ……!!」

 意識が刈り取られそうになる。

 歪みの共振は続いている。

 ここで持っていかれたら、ダメだ。

 それだけは、ダメだ。

 この全てを乗り越えて、俺は前へ進むのだと決めたのだから!

零「諦めるわけには、いかないだろうがぁぁぁぁあああ!!」

萃香「何で、わかってくれないのさ、零ォオオ!!」

 向かい、叫び、陰気の中へと飛び込んで行く。

霊夢「……どうしようもないのなら」

零「霊夢っ!?」

霊夢「せめて、萃香を気絶させる!!」

萃香「邪魔をするな、霊夢!!」

霊夢「ッ!!」

 札が舞い、萃香へと向かって行く。

 しかし、それも萃められた陰気の流れによって弾かれた。

 その波は、霊夢をそのまま襲おうとする。

零「ダメだ」

 傷つけるな。傷つかせるな。

 お前がそれをやってしまうな。

 それは俺が背負うべき業なのだから。

 その罪をお前が背負うべきではないのだから。

 だから、俺は――。

※選択
1:アークルを取り出した
2:歪みの呪詛を叫んだ
3:霊夢の盾になって背中に受け止めた
4:その他(行動明記)

安価↓4まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用

※最後の最後に申し訳ない事をしました。

※今日はここまでにします。

※お疲れ様です

※次回はこの選択の続きから。

読み返して、改めてとんだ判定をしたものだと思う。

いや、ホント何やらかしてんだ……orz

基本は甘々でやってますが、厳しい判定の加減がつかないとかそんなレベルじゃなかったですね。

再三ですが、申し訳ない。

では、気を取り直して再開します。予定があるので昼の更新は少しだけになると思いますが……。

あ、先に言っておきますが夜にもやります。

>>215 選択:2 歪みの呪詛を叫んだ

 汚染が進もうと、最早構わない。

 満身創痍であり、彼女の歪みがアレ程まで深い故に、加減もならない。

 イチかバチかの賭けだ。

 ここで、使わずして何時使う。

 せっかく霊夢と結ばれたのに。

 あの日溜まりを再び手に出来ると確信していたのに。

零「萃香、お前を、俺が!止める!!」

霊夢「ダメ!ダメよ!零ォッ!!」


                ――陰にありて陽を目指し、歪み付いて捻り曲がる――

       ―人を嫌い、人を助け、人を救い、人を害する我が道は、闇に有りて光を目指す邪道也―

           ―鎌の様に無慈悲に、足り得る思ひは誰ぞの為に。零から翔ぶ雷の如く―
 
                    零「―オン・バサラ・ヤキシャ・ウン――」

                 お前が傷付くくらいなら、俺が傷ついた方が良い。 

                零「――オン・ア・オンボッケン・パッタ・ソワカ――」

            誰かが困っているならば、何時でも差し伸べたい思いがあるから。

                     零「――歪み来たり、先祖返せ――」

                    害する者故に、出来る事があるのならば。

                     かつての祖が、そうであったように。

                     この身の理の根源が、そうした様に。

                    我が身を持って、困難を打ち砕くべし。

※判定
3以下で不具合発生

補正

精神【7】:+1
乗り越える覚悟:+1
イベントブースト:+1
汚染【5】:-2

判定直後

>>222 コンマ:0 ボーナス発生

※だから、何でこういう時に0を出すん?零君コンマまで歪めせてるん?

『そうだ、そうだよ。お前はそういう、信念を覚えた筈だ』

 頭の中で、誰かの声が響く。

『だが、一歩足りねえ。だから、少しばかり後押ししてやるよ』

 俺の中の歪みが、円となって駆け巡る。

 陰気を歪め、陽気へ。

 陽気を歪め、陰気へ。

 森羅万象を包み込む、器へ。

 目の網膜へ、そして脳裏へと直接浮かんだのは光の世界。

 手を差し伸べろ。誰かの為で有れ。掴み、離すな。お前がそう有りたいと願うのならば。

 更に息を吸い込み、『萃香の陰気を逆に利用して』大きく言霊を継ぐ。



         零「――金剛夜叉・戦神雷鳴・急々如律令・両面鬼神四腕之宿儺――」

             己の口が勝手に動き、自覚無しにその領域へと繰り上がる。





                  零「 ―― 再 ・ 転 ・ 生 ―― 」





           咆哮するように、陰気を陽気へと歪め、陽気を陰気へと還しながら叫ぶ。

            零「我が抱きし正義におひて、彼の者を救いあげんが為に!!」

                     この理こそが我が道の導。

              子供の頃に憧れ、子供の頃から目指した夢の最果て。

                 諦めない。取り零さない。手を離さない。

           単純で、そして何よりも難しいからこそ、誰もが成る事を諦める理想。

               その思いこそが、その憧れこそが、その優しさこそが。  

           成りたい最高の自分。そして、俺が何よりも忘れたくはない渇望だ。 








                      ――       太   ・   極           ――


 そうして、俺の世界は光へと包まれていった。

 きっと、何もかもが上手く行く。

 そう信じるだけの確信を持って、俺の意識は白く染め上げられていった。




                        幻想に走り給う

                         霊夢ルート

                         鬼神飛翔編

                           開始

※リザルト

名前:鎌足 零
読み:かまたり ぜろ
二つ名:妖怪の山の異端鬼
能力:???
種族:妖怪(鬼)
危険度:激高
人間友好度:低
精神:7
潜在能力:9
汚染度:5(まともでいる方がおかしい)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
かつては人間嫌いであった。巫女との交際の噂が立っているが真偽は不明。
歪み付きであるため、容易に近づくべからず。

特殊設定

■■
■■■■■■
効果:戦闘時の判定に+2  殆どの相手から-補正を受けない

歪み付き
あなたは歪みを持っている。困っている相手を放っておけない。何をしてでも助けようとするが、その手段は――
使えば使う程その侵食が進み最終的には理性を持たぬ異形と化してしまうが、より強い力を得られるだろう。
だが、条件をクリアすると……?
効果:戦闘時の判定に+2(汚染度により変化) 特殊パラメータ『汚染度』追加

変身
あなたは特定のアイテムを所持している。そのアイテムを使い、変身することができる。
その使い方で、あなたは悪にも正義にもなれるだろう。
ただし、他の所持している戦闘補正スキルの補正は無効になる。

「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

現在成れる形態
形態:■■
■■■■■
効果:戦闘判定に+2 3ターン、もしくはファンブルで変身解除
形態:■■
■■■■■
効果:戦闘判定に+3 2ターン、もしくはファンブルで変身解除

持ち物

アークル(覚醒):変身ベルト。謎の文様と石が付いていおり、使用すると仮面の戦士・ヤキシャへと変身出来る

相関図
『博麗神社』
博麗 霊夢:零の為に、出来ることがあるはずだから※恋仲
伊吹 萃香:この苦しみを、零も味わっていたんだな……※歪
『妖怪の山』
射命丸 文:……馬鹿な方です。だからこそ、信じているわけですが
姫海棠 はたて:災厄の異端が、何をいけしゃあしゃあと……
『旧地獄』
星熊 勇儀:ただの同族。歪んでんだよ、異端児
古明地 こいし:ちぇ、悔しいなー
『人間の里』
稗田 阿求:大丈夫。私は貴方の味方です
『緋想天』
比那名居 天子:遅かったんだ。きっと、私は
永江 衣玖:後は任せましたよ
『魔法の森』
アリス・マーガトロイド:どうしてそんなモノを宿しているの?
森近 霖之助:成程。彼が……
『八雲家』
八雲 紫:欲しいのよ、貴方が※歪
八雲 藍:まあ、良い方ですよね
『命蓮寺』
多々良 小傘:鬼はこれだから嫌になるんです
雲居 一輪:何故、鬼が明王の呪法を……?

三十六日目

 ―博麗神社(朝)―

 色々な意味で激動の奉納祭から、十日が経った。

 人間の里で行方不明者が出始めたのが、七日前。

 腹の傷がすっかりと塞がったのが、五日前。

 謎の妖怪が現れた始めたのが、二日前。

 アークルが使える様になったのが、つい昨日の出来事だ。

 謎の妖怪、というのはそのままの意味で、本当に何かもわからない謎の化物の事である。

 曰く、影の中から生まれ出る泥。

 曰く、人妖問わず襲う存在。

 一応、人間でも武器を持てば撃退出来る程の弱さであるらしい。

 ただ、数が増えると厄介らしく、それで最近まで霊夢は御祓の護符を大量に作っていた。

 八雲紫も知りえない存在らしい。それこそ、『その場で新しく生まれてきた』様な存在とは、霊夢談である。



 


 アークルの件であるが、これもまた唐突な出来事だった。

 突然、勝手に腰に現れて我が身が変化したのだ。

 全身に軽装の白い鎧を着た様な姿で、額には俺と同じ二本角。

 両肩にも角があった。

 どうやら、俺の意思で変身、そして解除が出来るらしい。

 その間だけであるが、俺の中の歪みが消沈している印象も覚えた。

 ただ、その代償と言わんばかりにこの体に酷く負担も掛かる。

 まあ、汚染が進むよりは幾分かマシである。歪みに頼るべき事態でない限りは、これを使うのも有りかもしれない。

ファイズに近い感じ?

>>233
そうですね。ただ、ファイズギアと違ってアークルは一体化していますから他の人は使えません。


 さて、十日前の出来事も整理しておく。

 あの時、俺はどうやってあの等級にまで上れたのか、正味な話覚えていない。

 ただ、あのおかげで霊夢を助け、萃香に罪を負わせずに済んだのは事実である。

 しかし、当の萃香には逃げられてしまったと、霊夢は言っていた。

 それは、俺にとって完全なる失態である。

 それだけだとただの悪い報せであるが、霊夢はこうも言っていた。

 ――あの力を使った時、萃香の歪みをごっそりと消し去っていた、と。

 俺の力で、アレ程の歪みを消せた。

 その事実だけで、更なる希望の目が出てきたと言っても良い。

 歪みによって歪みを相殺した、という可能性もあるが俺の歪みは相変わらずのままだ。

 萃香が何故、歪みを抱えることになったのか。

 俺の使ったあの力は何なのか。

 疑問の絶えない所であるが、何時も通りこれから解決していくとしよう。

 ……そして、歪みを乗り越え、彼の日々をこの手に取り戻すのだ。

 諦めない。取り零さない。決して手を離さない。

 萃香を助け、自身を救い、その先へと向かう為に。

 本物の、正義の味方となる為に。


 一通り記憶と情報の整理を終えた所で、まだ時間は朝である。

 そろそろ誰か起きてくる時間だろう。

 何時も通りの日々を過ごす。

 これは、霊夢と交わした約束である。

 さて、これからどうしたものか。

※選択
1:霊夢を起こす
2:天子を起こす
3:朝飯を作る
4:出かける(移動選択肢再出)
5:その他(内容明記)

安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

3

>>238 選択:3

 確か、今日は俺が炊事の当番だったか。

 欠伸を噛み殺しながら、台所へと向かう。

 幸いな事に、野菜・肉・米は祭りの日に手に入れた引換券で貯蔵もばっちりだ。

 種類もあるし、何を作っても良い。

 最近は大雑把な料理の他にもちゃんとした料理を作れる様になろうとも思っている。

 単に、霊夢に不味い料理を食わせるわけにはいかないからという理由からだが……。

 さあ、朝食を作ろうか。

※判定
1程不味い 9程美味い 0・ゾロ目で蝶☆最高

習慣:+2
潜在能力【9】:+1
愛:+1

※ここで8以上が出れば、今後零は蝶☆最高状態の料理を提供します

判定直後

ほい

>>241 コンマ:どっちに転んでも蝶☆最高

 会心の出来だった。

 コツも掴んだし、今後色んな料理にも使えるだろう。

 これもまた、習慣と霊夢への……いかん、自分で言いかけて恥ずかしくなってきた。

零「さって」

 そろそろ霊夢と天子が起きて来る頃だろう。

 この出来に舌を巻くが良い。

 そう思いながら、一人笑顔を浮かべながら居間へと朝食を運ぶ不審な鬼が居た。

 ――というか、俺だった。

※今後、料理判定が無くなりました。


―博麗神社(昼)―

 腹ごしらえも住んで、昼前の頃。

 一人のんびりと茶を啜りながら空を眺める。

 風鈴の音が茶請け代わり。熱いお茶は、気分が落ち着く。夏であろうと、それは変わらない。

零「……とは言え、何もしない事にはな」

 普段通り過ごす、と言えど問題は多い。

 天子の件も有れば、萃香を探すべきとも思う。

 例の謎の妖怪も放っておけないし、八雲紫を問い詰める必要もある。

 八雲家の場所が変わっていなければ、向かえば会えるかもしれない。

 ただ、簡単に会えるかどうかはまた、別問題だが。

 さて、これからどうするか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に残る
9:八雲家へ

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【壱】へ

※そろそろ出掛けるので、続きは夜にやります

6


※軒並み一桁コンマが大きいかゾロ目だな、おい。

 こんばんは。夜の部、22:30頃に始めます


再開しますー

>>247 選択:6 ※しかしイベントには一足りない

―香霖堂(昼)―

 何か目星いモノはないものかと、寄ってみることにする。

 要は、暇つぶしだ。

 考えていても、何も解決出来そうにないから買い物に出る。

 またの名を、現実逃避というかもしれない。

霖之助「いらっしゃい。珍しいね、君が来るなんて」

零「暇潰しだよ。……特に意味はないぞ」

霖之助「だろうね。……表品を見る。もしくは僕と話すかい?」

零「適当に、ぶらつくさ」

 ま、話すにしてもコイツに話した所でなぁ。

 というわけで、店内を見渡す。

※判定
7以上で何か発見する

判定直後

ほい

>>258 コンマ:8 発見

※何を見つけた?

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

ただし、メタ的なモノや私が無理そうだな、と思ったモノは繰り下げます。ご了承ください

ワイン

※寝落ちとか。寝落ちをかますとは……

>>264 ワイン

霖之助「……掘り出し物を見つけるとは、君は目利きかもしれないなぁ」

零「……読めねえな。異邦の酒か?」

霖之助「白ワインだね。白蒲萄から作れれたヴィンテージ……ああ、つまり古いワインだ」

零「飲めるのか?」

霖之助「保存状態は良かったけど、そこそこ放置されてたみたいだから、味の方は保証出来ないかな」

 だから、僕も開けてないんだけど、と霖之助は継ぐ。

零「……へぇ」

霖之助「どうだい?買っていくかい?」

 価格の方は――。ああ、それくらいなら良いかな。

※買う?買わない?

安価↓3までで多い方を採用

選択:買う

 まあ、酒は好きだ。

 それに、霊夢のやつも好きだろう。

 何だかんだで酒好きが多い博麗神社。

 異邦の酒にも興味がある、っていう理由もあるが。

零「もらうわ」

霖之助「まいどあり」

 代金を渡して、硝子の瓶子を受け取る。

 ……ちょっとした楽しみだ。

霖之助「んー、しかし」

零「何だ?」

霖之助「君って、良い客だよね」

 それはどう言う意味で、と問おうかと思ったが、その表情で察する。

 ああ、そうですか。自分でも思うけど、良い客だな、確かに。

零「欲しいと思ったら買う。それで良いだろ」

霖之助「君はお客さんの鏡だねー」

 いい意味でも、悪い意味でもそうだろうな。

※ヴィンテージワインを手に入れました。誰かに贈る事ができます


※眠気がバタフライして来たので寝ます。短いですが、申し訳ない。

※明日は来れないので、更新はまた後日書き込みます。

※お疲れ様でした


※雷が降り注いでます。こんばんは、19:30頃に再開します

再開の時間だああああああああああああああああ

※落書きですが、蓮座で座禅を組んでいる安藤を描いてみた。色とか知らん。ラフ画でええやん

※貼り付けに失敗した。

※自分の中のイメージです。その程度でお考えを


※んじゃあ、改めて再開します

―幻想郷(昼2)―

 洋酒を袋に入れ、持ち帰る。

 とりあえず、術式で服の中にでも収納しておけば良いだろう。

 収縮の呪法は、こういう時に便利である。

 さて、まだまだ真昼間だ。これからどうしようか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:×
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に残る
9:八雲家へ

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【壱】へ

7

>>286 選択:7 妖怪の山へ

 何か、手掛かりになるようなモノはないものかと。

 妖怪の山へと足を運ぶ事にした。

 謎の妖怪が出始めてから、ここもまた陰気の濃くなったものである。

 ……いや、違うな。

 歪んでいるのだ。きっと、あの時のせいだろう。

 あの時、俺が萃香を止められれば――。

零「……過ぎたこと、か」

 今は前を向こう。あの時、ではなく今からどうすれば良いかを考えなければ。

 そんな事を考えていると――。

※誰と出会った?
5以上で誰かと遭遇 0・ゾロ目でも遭遇(イベントはない)

ファンブルで謎の妖怪襲来


判定直後

ほい

>>289 コンマ:6 遭遇

※キャラ名をお書きください(萃香・華扇・神霊廟キャラ以外で)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

>>292 文

 浮かない顔をした文を見つけた。

零「おう。文じゃねえか」

文「……こんにちは、鎌足さん」

 何時もの姦しさの感じない、元気のない挨拶が帰ってくる。

文「その雰囲気。また、歪みを宿した様ですね」

零「ああ、まあな。……元気ねえじゃんか。どうかしたのか?」

文「……え、ホントですか?あやややや、困りました。貴方の前でまでこんな醜態を晒すとは」

零「何かあったのか?」

文「件の妖怪のせいで、天魔様からお達しが来まして。連日、その原因を探っているんですが」

 ほう?あの天魔がそんな事を、ね。

 大方、天狗社会の秩序の為か何かだろうが。

零「つっても、弱いんだろ?あいつら」

文「一体一体は、人間でも倒せる程度です。ただ、何処にでも現れるのでそっちが問題なんですよ」

 成程な。それで原因の探索、か。

零「……霊夢の奴も、護符の制作で随分と疲れてたな」

 ああ、近い内に労ってやる必要があるだろう。

文「まあ、この件でわかったことは号外で知らせますので」

零「ああ、助かるわ」

 新聞記者の腕の見せどころ、だな。

 心の中で応援してやる。

 さて。

※何か話すことはあったかな?

安価↓3まででコンマ二桁の一番大きな書き込みを採用 

(霊夢のために)女性が喜びそうなことを聞く

※コンマ低空。今までがおかしかっただけか。それともイベント絡んでないからなのか

>>298

 丁度いい、こいつに聞いてみるか。

零「なあ、文。ちょっと話が変わるんだが」

文「なんでしょうか?」

零「女が、こう、喜びそうなことってなんだ?」

文「それはまた、抽象的な質問ですね」

 いや、まあ自分でもそう思うがな?

 正味、そういう機微に疎いのとこういう関係が初めてだから、上手く言葉に出来ん。

文「んー、そうですね。誰もが驚くネタや最新鋭のカメラを頂ければ、喜びますね」

零「そりゃあテメエ限定だ鳥野郎」

文「鳥野郎!?」

 幾らなんでも、それは限定的過ぎるだろ。

 さすがの俺でもそれくらいはわかるぞ……。

零「結構真面目な話なんだが」

文「……貴方がそこまで考える相手が居るんですね」

零「最近、出来たばっかだよ。……ほら、正直俺自身、こんなだろ?なるべく、こう、尽くしてやりたいんだ」

 最悪の場合、俺は俺でなくなるかもしれないから。

 この歪みを超えると決めたが、その最果てにどうなるか、わからないから。

文「そうですね……。なら、なるべく一緒に居て上げてください」

零「……それだけでいいのか?」

文「はい。女性というのは、愛してもらっていると感じた時に幸せを得るものです。一緒に居て、何かしてあげて、互の知らない部分を知り、そうして更に積み上げる。サプライズやプレゼントなどは、そのついでです」

 そんなものなのかね、と思う。

 しっかし、あの霊夢がそれで喜ぶかどうか……・。

 いや、寧ろ俺が何かやらかさないか、が問題か。

文「特に、貴方は結構危なっかしいというか、危ういですから。……なるべく、近くに居たいのではないでしょうか?」

零「……そうね。肝に銘じておくわ」

 ああ、そうだな。流石は親友。俺の事を良くわかってらっしゃる。

文「では、私はまたこれから取材がありますので。お暇させていただきます」

零「ああ、ありがとうな。文」

文「いえいえ。……頑張ってくださいね、親友」

 応。言われなくても、そうするさ。

※博麗神社に居る時、選択肢に霊夢と居る が追加されました

―妖怪の山(夕方)―

 夕暮れだ。世界は、黄昏の色に染め上げられる。

 地平線に沈む太陽を見ながら、霊夢の事を考える。

 俺がしてやれること。俺のできる事。そんなもん、限られている。

 俺には、背負うモノが多くて、数え切れない罪もある。

 そしてきっと、これからも背負う事になる。

 あいつを悲しませない為にも。

 俺は――。


※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山に残る
8:博麗神社に帰る
9:八雲家へ

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【壱】へ

1

>>304 選択:1 旧都へ

 帰る前に、何かあるかな、と思って旧都の方に顔を出す。

 歪みが還ってきたことにより、同族達からまた嫌な目で見られるだろうが、気にしない。

 最早、それはもう良い。勇儀のあの言動だって、表面上だけだとわかっているから。

 あいつの裏さえわかれば、他はぶっちゃけどうでもいいのだ。

零「……萃香の問題もあるだろうが」

 あいつ、本当に今何をしているんだろうか。

 ……俺と同じ歪み付きになってまで、そこまでして願った事があるのか。

 馬鹿野郎が。それだと、何も意味がないんだよ。

 そんな事を思っていると――。

※誰と出会った?
5以上で誰かと遭遇 0・ゾロ目で本編イベント【壱】へ

ファンブルで謎の妖怪襲来


判定直後

>>309 コンマ:8 遭遇

※キャラ名をお書きください(萃香・華扇・神霊廟キャラ以外で)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

勇儀

>>312 選択:勇儀 コンマ:00 ※イベント付けます

勇儀「よう、鎌足の。お前のせいで色々と大変なことになってるぞ」

 上から声を掛けられた。

 酒屋の二階屋根に座る勇儀が、盃を片手にこちらを見ている。

勇儀「ちょっと上がって来い。お前に話す事がある」

零「……あいわかった」

 呼び出しを直々にもらい、酒屋へと邪魔する事にする。

 中に入ると誰もおらず、勇儀の居るであろう個室に入れば、重苦しい圧力が掛かって来た。

 臓腑が軋む様な、心の蔵を鷲掴みされた様な、血の気の引く威圧。

 これは、ただ事ではないと察するのも容易なことだった。


勇儀「……そこに座りな。酒も出そう」

 言われて、畏まりながら敷かれた座布団に正座をする。

 そして朱色に染められた大きな盃へいっぱいに注がれた酒が、勇儀から手渡された。

 右の掌でそれを受け取り、対面に勇儀が座る。

勇儀「歪みが戻って来たこと、祝うべきか悔やむべきか」

零「わかるか?」

勇儀「お前さんのソレは、常軌を逸してるからな。そりゃあ、わかるさ」

 その言葉の後に、沈黙が降りる。

 外の喧騒が嫌に耳に響いた。

零「……して、大変なこと、とはなんだ?」

勇儀「歪み付きが新たに産まれちまった」

零「それは、萃香の事か?」

勇儀「わかってるなら、話は早い」

 耳の早い事だ。

 先の言い分だと、同族に知れ渡っていることだろう。

 そも、俺の起こした厄災のせいで歪み付きに対する警戒は、未だに強い。

 根深い事だ。まあ、アレだけの事をしてしまったのだ。さもありなん、か。

勇儀「皆と話した結果、討伐令が出た」

零「ッ!!」

勇儀「萃香もあれで、四天王の一角だ。鬼の中でも郡を抜いているところがある。それに加えて歪みを宿したとなると、同族達は安心出来ないそうだ」

零「討、伐令って……。おい、ざけんな!!何を言ってるのかお前、わかってんのか!?」

 立ち上がり、盃を落として割るのも厭わず、俺は勇儀に詰め寄る。

零「萃香だぞ!?伊吹萃香だ!お前、何をそんな淡々と語ってんだ!!」

勇儀「落ち着きな、鎌足の。何をささくれ立ってんだ」

零「お前っ……!」

勇儀「話は最後まで聞きな。……『零』、このあたしが何も感じてないと思うのかい?」

 ジッ、と。瞳を覗き込まれ、覗き返す。

 その目に映る色には、激しい怒気を感じた。

零「……ああ、そうだな。そうだよな、お前、特に萃香と仲が良いもんな」

勇儀「盃、片付けな。そしたら、酒を注げ。話は、それからだ」

 再び、沈黙が降りる。


 割れた盃を片し、新しい物を取り出して、酒を注ぐ。

 そうして、座布団の上に勢い良く腰を下ろし、膝を立てて座る。

 盃を傾けて酒を飲む。味がまったく感じられない。不味い。

零「……それで、力の勇儀はそれになんとする?」

勇儀「さあ。本当にやばい、と思ったら、その通りにするだろうさ」

零「……冷淡な答えだな」

勇儀「上に、立っちまったからね。鬼にとって力を持っているってことは、そのまま地位になっちまうから」

 故の、四天王。

 その一角が、勇儀と萃香。

勇儀「歪みに関わり過ぎたのさ、アイツは……」

零「だから、俺のせい、か」

勇儀「皆、そう口にしているよ。お前が帰って来たから、そうなったって」

 ……ああ、そうかよ。

零「胸糞の悪い」

勇儀「だろうね。あたしだって、胸糞悪いさ」

 互いに言い合って、酒を飲む。

勇儀「……おかしいね、星熊盃使ってんのに、酒が不味い」

零「……俺だって、こんなに酒を不味く感じたのは初めてだ」

勇儀「……何で、こんなことになっちまったのかね」

零「……さあな」

 全ての元凶は、俺なのか、歪みなのか。

 罪は勝手に増えて行く。背負うものも、大きくなっていく。

零「これも、業……か」

勇儀「……なあ、零」

 そこで、勇儀が杯に目を向けたまま話し掛けて来る。


勇儀「お前の望み、叶えられたら、またあの日々に戻れるのかね」

零「……ああ」

 その言葉に、肯定で返す。

零「歪みを越えて、その先に俺はあの日溜まりがあると、取り戻せると信じている」

 そこには、霊夢もこいしも居るだろうけど。

零「……萃香の事は、任せろ」

勇儀「……他の連中がもしかすると躍起になるかも知れない。なるべく、早くにな」

 ああ、できるならばそうするさ。

 歪み付いた願いがどうなるかは、俺が良く知っている。

 そして、今なおそうしようとしている自分がいる。

零「……因果なもんさ」

 救う為に傷付けるなら、嫌われ者になれば良いと思っていた。

 助ける為に怯えられるなら、忌避されて遠ざければ良いと思っていた。

 だが、違う。

 それは違うのだ。

 やり方があるはずなのだ。

 一つではないのだ。攻撃的であっても、できる事はあるはずなのだ。

 ただ、黙々と助けるのではない。

零「今度もまた、助けてやる」

 かつて、彼女は俺が助けてくれたと言っていた。

 だったら、また救ってやるのも、大事な友人として、やるべきことである。

勇儀「頼んだよ」

零「ああ」

 任せろ。その言葉に様々な覚悟を孕ませ、俺はそう応えた。

※本編イベント【壱】 終了


―博麗神社(夜)・自室―

 帰ってから霊夢と夕飯を作り、天子が絶賛する。

 共同で作るのは、楽しいし役割が分担出来るから楽だ。

 まあ、酒臭いと言われたけれど。

 さて、夜だ。

 眠る前に何か出来るだろう。

※夜はどうする?

1:霊夢に会いに行く
2:天子に会いに行く
3:月見酒(判定有り)
4:その他(行動表記)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

0・ゾロ目でサブイベント有り

1

>>323 選択:1

 霊夢の部屋に向かう。

 最近、夜更けまで護符を書いている事が多かった。

 今日もまた、そうだろう。

零「おい、アホ巫女。俺が来たぞ」

霊夢「何よ、馬鹿鬼。入るなら勝手に入りなさい」

 軽口を叩き合って、部屋の中へと入って行く。

零「……また護符を作ってたのか?」

霊夢「今ひと段落付けた所よ。……大分作ったから、もう暫くは大丈夫だと思うけど」

零「それでお前が無茶するか?」

霊夢「無茶じゃないわよ。慈善事業ではあるけど、巫女としての働きもたまにはしないと」

 ……お前も大概、だよな。

零「このお人好しめ」

霊夢「零にだけは言われたくないわね」

 カカ、うっせーよタコ。

零「お互い、苦労すんな」

霊夢「私は自由にそうしたいからそうしてるだけよ。……いいえ、考えてみると、確かにそうかもしれないわね」

 似た者同士、ってか?

零「似て非なるもんだろうがな」

霊夢「性質的に見ても、そうでしょうね」

 俺は、救わずにはいられない。

 霊夢は、そうしたいから救う。

 要は、俺はそれが当たり前で、霊夢はそうじゃない。

 単純な話、それだけのことだ。

霊夢「それで?何か用かしら?」

 ああ、そうだった。何か話そうと思ってたんだったわ。

※何を話す?

安価↓3まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用


 話す事、と言えば。

零「……なあ、霊夢。大事な話がある」

霊夢「……了解。何かわかったの?」

零「ああ、萃香の事だ」

 これしかない。

零「旧地獄に居る同族が、萃香の討伐を掲げている」

萃香「っ……!待ちなさい、鬼って同族意識の強い種族じゃないの?」

零「故に、だ」

 俺という例があった。

 歪み付きは、最早彼らにとって厄災の象徴になっているのだろう。

零「勇儀からの話だと、討伐令が出た、って段階らしいが」

霊夢「……まだ、誰も乗り出していない、と?」

零「そもそも、萃香は山の四天王の一角だ。鬼の社会は力社会。そこに歪みまで付いたら、殆どアイツを止められる者はいないだろうさ」

 そう。力の勇儀以外には。他の四天王が今何をしているのかわからない以上、勇儀が乗り出さない事にはどうにもならないだろう。

 嘘や騙し討ちを嫌い、正々堂々を是とする俺達鬼だ。

 数に任せて萃香を襲う、とは考えにくい。

霊夢「……ねえ、零」

零「だから、任せろって言ってやった」

霊夢「だろうと思った」

 親指を立てて、笑みを浮かべながら霊夢にそう言えば、呆れた様に嘆息を付いてから彼女は笑う。

霊夢「寧ろ、これの適任が零以外にいるのかしら?」

零「いないだろうな。目には目を、歯には歯を」

 歪みには歪みを、だ。

零「あの時に、俺はどうやったかは知らない。だが、何処か引っ掛かる部分はある。それがきっと、切っ掛けだわな」

霊夢「それを引き出して、操る事が出来れば」

 ああ、萃香を救える光となるかもしれない。

零「……全部が終わったら、宴会でもやりたいな」

霊夢「あら、良いわね。みんなで色々持ち込んだりして」

零「飲んで騒いで酔って笑って」

 かつて、俺が全てだと思っていたあの日溜まりを、再びここに取り戻す。

 ああ、それが俺の夢でもある。希望でもある。

 救う事が渇望なれば、この腕、この瞳に出来る事があるだろう。

零「神社の片隅で泣くのはもう、御免だしな」

霊夢「……何の話?」

零「こっちの話だ」

 気にされたくはない。
  

※リザルト

名前:鎌足 零
読み:かまたり ぜろ
二つ名:妖怪の山の異端鬼
能力:???
種族:妖怪(鬼)
危険度:激高
人間友好度:低
精神:7
潜在能力:9
汚染度:5(まともでいる方がおかしい)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
かつては人間嫌いであった。巫女との交際の噂が立っているが真偽は不明。
歪み付きであるため、容易に近づくべからず。

特殊設定

■■
■■■■■■
効果:戦闘時の判定に+2  殆どの相手から-補正を受けない

歪み付き
あなたは歪みを持っている。困っている相手を放っておけない。何をしてでも助けようとするが、その手段は――
使えば使う程その侵食が進み最終的には理性を持たぬ異形と化してしまうが、より強い力を得られるだろう。
だが、条件をクリアすると……?
効果:戦闘時の判定に+2(汚染度により変化) 特殊パラメータ『汚染度』追加

変身
あなたは特定のアイテムを所持している。そのアイテムを使い、変身することができる。
その使い方で、あなたは悪にも正義にもなれるだろう。
ただし、他の所持している戦闘補正スキルの補正は無効になる。

「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

現在成れる形態
形態:■■
■■■■■
効果:戦闘判定に+2 3ターン、もしくはファンブルで変身解除
形態:■■
■■■■■
効果:戦闘判定に+3 2ターン、もしくはファンブルで変身解除

持ち物

アークル(覚醒):変身ベルト。謎の文様と石が付いていおり、使用すると仮面の戦士・ヤキシャへと変身出来る
ヴィンテージワイン(白):最高級品だが、味は不明。銘にはラテン語でカロルス・マグヌスに捧ぐと書かれている。誰かに渡すことが出来る。

相関図
『博麗神社』
博麗 霊夢:零の為に、出来ることがあるはずだから※恋仲
伊吹 萃香:この苦しみを、零も味わっていたんだな……※歪
『妖怪の山』
射命丸 文:……馬鹿な方です。だからこそ、信じているわけですが
姫海棠 はたて:災厄の異端が、何をいけしゃあしゃあと……
『旧地獄』
星熊 勇儀:かつての日々、か。……任せたよ
古明地 こいし:ちぇ、悔しいなー
『人間の里』
稗田 阿求:大丈夫。私は貴方の味方です
『緋想天』
比那名居 天子:遅かったんだ。きっと、私は
永江 衣玖:後は任せましたよ
『魔法の森』
アリス・マーガトロイド:どうしてそんなモノを宿しているの?
森近 霖之助:成程。彼が……
『八雲家』
八雲 紫:欲しいのよ、貴方が※歪
八雲 藍:まあ、良い方ですよね
『命蓮寺』
多々良 小傘:鬼はこれだから嫌になるんです
雲居 一輪:何故、鬼が明王の呪法を……?

※■■判定

7以上で誰かの現在を見れます

判定直後

ほい

>>333 コンマ:4 失敗

三十七日目

 ―博麗神社(朝)―

 朝が来た。

 夜の内に、霊夢と少しばかり対策を練ろうとしたが、それも無為と終わる。

 そもそも、希望は見えているがそこに至る手法がわからないのだ。

 こればかりは、修行やそういった事ではたどり着けない。

 アレは、そういうモノではないと、俺は知っている。

 知っているけれど、だからどうすれば良いかまではわからない。

 ないない尽くしで、嫌になるが、諦めるという手段は存在しない。

 二度と、諦めたくはないから。

 掴むまで、何度でも足掻く。

 ……さて、朝はどうするかな。

※選択
1:霊夢を起こす
2:天子を起こす
3:朝飯を作る(霊夢か天子を誘えます)
4:出かける(移動選択肢再出)
5:その他(内容明記)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

1

>>336 選択:1

 何時も通り、霊夢を叩き起してやることにする。

 寝起きで驚かすのもありか。

 しっかりと眠っているなら、だが。

 さあて、どうだろうか。

※判定
1程寝ている 9程起きている 0・ゾロ目でサブイベント

判定直後

ほい

>>341 コンマ:99 ゾロ目 サブイベ

 襖をゆっくりと開きながら、中を見ると霊夢がしっかりと眠っているようだった。

 起こさないように、そして物音を立てないようにしながら侵入する。

 昨日の夜にも来たが、相変わらず綺麗に整えてある。

 こういうところは本当にこまめだな、と思う。

霊夢「すー……」

 薄い掛け布団を一枚だけ、しかし殆どとっぱらっている様な状態で眠っている霊夢の顔を覗き込む。

 さて、何をしてやろうか……。

※自由安価(これは無理、というのはズラすこともあり)

安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

やさしく撫でる

>>343

 悪戯、と呼べる程のことじゃない。

 ただ、まあ、なんだ。

 この寝顔を見ていると、そういう気分も霧散する、というかなんというか。

零「……お疲れ、だろうしな」

 軽く、髪を撫でてみる。

 艶やかな黒髪が、俺の指からさらさらと流れていく。

 気持ちいい。

零「……」

 軽く微笑みつつ、延々とその動きをしていると、急に霊夢の両手が俺に向かって伸びてくる。

零「っ!?」

 声を上げそうになったが、何とか抑えた。

 が、状況が最悪方面へと転んでいく。

霊夢「んー……」

 がっちりと、捕まえられる。俺は抱き枕じゃあ、ない!

 が、これで叩き起すと何をされるかわかったものじゃない。

 しかし、だからといって簡単に抜け出せる様な状況でもない。

零「どうするか……」

※選択

1:やっぱり叩き起す(判定有り)
2:頑張って抜け出す(判定有り)
3:そのまま添い寝
4:その他(内容明記)

安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

3

>>351 選択:3 コンマ:ゾロ目 ボーナス付けるよ

 ……もう、面倒くさくなってきた。

 無理に起こすとか、抜け出すとかするよりも一緒に寝てやろうかと思う。

 ……ぶっちゃけ、そういう願望がないってわけでもない。

 俺だって男だ。そういう欲だって持っている。

零「……それに」

 良い匂いがするし、暑苦しさを感じない。

 寧ろ、気分が落ち着く位だ。

 だから、眠くなる。

零「南無三、ってか」

 起きた後に叱りを受けるなり、罰せられても別にいいか。

 そう思いながら、俺は眠りに落ちた。

 余談であるが、起きた後お互いに恥ずかしくなって小一時間まともに顔が見れなくなったのは、また別の話である。


※今日はここまでで。

明日、出来れば昼と夜にやるかも

本編イベントは全部で5つです

では、お疲れ様です


※他の東方安価スレを見るのも好きです。もう五スレ目も中盤なのに、二代目なウチはストーリー重視なんだと、信じたい。

※12:00頃に再開予定です。早まるかもしれませんが


※人居れば再開しますー


―博麗神社(昼)―

 縁側に座って空を眺める。

 最早、この時間ここに居るのが当たり前になっている気がする。

 慣習というか、なんというか。

 まあ、ここが一番落ち着くというのが強い。

 まったりと、ゆったりと。

 そんな事をしている場合ではないかもしれないが。

 こんな、落ち着く時間と余裕というものは、精神に振り幅の大きい妖怪には必要なことだ。

 っと、最もらしいことを言ってみるが、結局は茫然としているだけである。

 さて、これからどうするか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:霊夢と一緒に居る
9:天子と過ごす
9:八雲家へ


安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【弐】へ

5

>>368 選択:5 人間の里へ コンマ:0 本編イベント【弐】 開始

※もう驚かない。ここのコンマ神の導きはどうなってんだ、ホント

―人間の里(昼)―

 人間の里に訪れる。

 かつて、ここに来ることすら億劫だったと思えば、変わったものだと思える。

 今はまた歪みを宿しているが故に気をつけなければいけないが、いざとなればアークルによる変身もある。

 そんな事を考えながら歩いていると――。

※選択
1:こいしが背中に抱きついてきた
2:何かを探している天子を見つけた

安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

1

>>371 選択:1 ※こういう選択肢は多数決にするかなぁ

 とん、と軽く背中に衝撃を覚えた。

こいし「こんにちは、お兄さん」

零「こいしか。毎回、背中に乗るの止めろよ」

こいし「前にも言ったけど、ここは私の特等席だもん」

 はいはい、そうですか。

こいし「……あれ?お兄さん、ちょっと変わった?」

零「何がだよ」

こいし「お兄さんの無意識から、変な感じがする」

零「……なんだそりゃ」

こいし「光?……うんん、導?まるで、日溜まり?違うなぁ、いや、でも、これは……」

 俺の中から何かを察しているのか、こいしは俺の背中でうんうんと唸る。

零「……俺の無意識を勝手にいじるな」

こいし「あー、ごめんね。これも私、無意識でやってた」

 だろうけど、んなことされる身にもなってみろ。

零「あまり、よろしくはねぇな」

 例えそれが、彼女の在り方だとしても。

 普段ならば特に気にすることはないだろう。

 ただ、彼女の発した言葉の中に俺の求めるモノがあった。

零(俺の無意識の中に、あの世界があるのだろうか)

 そりゃあ、そうか。

 あの日々は俺の最も求めているものなのだ。

こいし「……お兄さんってさ、やっぱり不思議だよ」

零「何処がだよ」

こいし「お兄さんの無意識は歪んでるけど、それって自分の為じゃなくて誰かの為じゃないの?」

零「……質問の意図がわからんのだが」

 人間の里を歩きながら、こいしの言葉にそう返す。



 


こいし「前は、うん。少し前までは、すっかり閉ざしてたみたいだった。だけど、今は入口は開いてる感じ、かな」

零「……まあ、色々と考えは改めたからな」

 そういう意味であれば、ああ、確かに俺は変わった。

 人間を――霊夢を愛した。彼女のお陰で人間を嫌いなままでいるのを止めた。

 理由は確かにあった。だけど、その理由は逃げだったと自覚した。

 関わることで、歪みで傷付けるならば関わらない方が良いというのは、俺が弱かったからだ。

 歪みを克服することを諦めていたから、そんな考え方をしていたのだ。

 だが、今は違う。

こいし「でも、やっぱり奥は歪んでて入れない……。というより、入るのを拒まれてる?」

零「そりゃあ、誰もがそうだろ。無意識に入り込まれるのは」

こいし「ううん。そういうことじゃないの。普通なら私の事なんて誰もが認識しない。そもそも、無意識を操るんだからそれ自体認識出来ない筈なのに」

零「前から俺はお前を認識しているけどな」

こいし「だから、お兄さんは不思議なの。それに、優しいからお気に入りだし」

零「俺はモノじゃねえぞ」

こいし「好きだってことなんだけど?」

零「……はいはい、ありがとさん」

 無意識でからかってくんじゃねえよ。マセガキ。

 


こいし「……・お兄さんのバカ」

零「バカ言うな」

こいし「まあ、良いけどさ」

 何が良いんだよ。今日はいつにも増してわけわかんねえな。

こいし「それで、さっきの拒まれてるって話なんだけど」

零「いきなり戻すな」

こいし「……なんていうのかな。お兄さんの中に真っ黒なお兄さんが居るというかなんというか」

 真っ黒な、俺?

 ……待てよ?俺は何時か、それを見たことがあるぞ。

こいし「陰と陽、って言えば良いのかな?日溜まりと、暗闇みたいな」

零「……なるほどな。まさに俺らしい話だ」

こいし「どういうこと?」

零「俺の能力的な意味で、ってことだ」

 ――陰陽を操る、もしくは歪める程度の能力。

 俺は俺の中にある陰気を変換し、陽気とすることも。

 作り出した陽気を、陰気に変換することも出来る。

零「……まるで太極図だな」

こいし「そうだねー。お兄さんの中で、光と闇が共存してるみたいだもん」

零「……いや、そうか。太極図、か」

 口に出して、気づくことが一つあった。

零「もしもそうだとすれば、ああ、成程な」

 それが色々な意味での希望を加速させる。

零「何で気づかなかったのやら」

 あまりにも当たり前のことだったから、見落としていたのだろうか。

 こいしが俺の無意識を口にしてくれたから、気づけたと言っても良い。

零「……こいし、ありがとな。ちょっと、気づけた事があるわ」

こいし「どう、いたしまして?」

 首を傾げて、なんのことやらと思っているのだろう。

 だが、これで少しだけ糸口が見えた。

 もしもこれが、そうだとすれば――。

※■■フラグ(弐)を達成しました
※本編イベント【弐】を達成しました


―人間の里(昼2)―

 それから、人間の里を歩きながらこいしが満足するまで雑談をした。

 満足した後は、こいしが気ままに俺の背中から降りて別れるだけ。

 挨拶をして、互いに別の方へと歩き出す。

 しかし、俺の中がそんな事になっているとは。

 気づかなかったのは、不覚としか言い様がない。

 灯台下暗しとは、まさにこのことか。

 ……とは言え、それに近づくにもまた手段がない。

 気付いたとしても、そこに到れるわけではない。

 またもやないない尽くしである。

 ……ま、それで思い悩んでも仕方がない。

 今はとりあえず、何処かへ行くか何かをしようか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里に残る
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に戻る
10:八雲家へ


安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目でサブイベント

2

>>377 選択:2 旧地獄の繁華街へ


―旧地獄(昼2)・繁華街―

 旧都の手前。幾多も店が並ぶ繁華街。

 最近は人間の里に継いで良く来る場所だ。

 同族以外からは歪みに対して寛容というのもまた、前から来ていた理由だが。

零「……まあ」

 暇つぶしとして最適な場所でもある。

 先にも言ったが、色んな店がここにはあるのだ。

 さて、これからどうするかな。

※判定
コンマ5以上で誰かと遭遇

判定直後

n

>>382 コンマ:6 成功

※キャラ名をお書きください(萃香・華扇・神霊廟キャラ以外で)

安価↓4までのコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

天子

>>384 選択:天子

 そうしていると、天子を見かけた。

零「……何やってんだ、お前」

天子「あ、零だ」

零「おう、俺だが。質問に答えろよ」

天子「適当に散歩。神社にずっと居るだけなのもつまらないし」

 ああ、そうですか。

零「……まあ、何かあったら俺と霊夢でお前を守るが」

天子「……カップルに守ってもらってもなぁ」

 はあ、と溜息を大げさに吐く天子。

零「何か悪いことでも?」

天子「ないわよ。ないない。アンタ、ほんと鈍いわよね」

零「……自覚はあるがな」

 ああ、他人への機微はどうも疎い。

 それは、存分に理解しているつもりだ。

零「それとこれじゃあ、話は違うだろ?」

天子「はいはい、そうですね、そうですね。イーっだ」

 何故か嫌な顔をされた。理不尽だと思う。

 さて、こいつと何か話すことはあったかな?

※何を話す?

安価↓3まででコンマ二桁が一番高い書き込みを採用

何がどう鈍いのか事細かに正直に聞いてしまおう

>>390

零「……というか、だ」

 俺は確かに、鈍いというか、察せない所もあるし、色々とヘタレることも多い男だ。

 それは先にも言ったが十分自覚しているし、理解している。

零「その鈍さ、っていうのを治したいとは思っているさ」

天子「……へえ、良い心がけじゃないの」

零「だから、俺がどう鈍いのか教えてくれ。全部」

天子「全部って」

零「いや、その方が良いだろう。まずは全を聞いて、その一から取り組んで治そうと思うんだが」

 効率的なやり方なんざ知らないが、掻い摘んで話されると何か知らないところでヘマをするだろう。

 だったら、まずは正直に全部聞いた方が良いと思ったんだが。

天子「そういうところがまず、ダメだと思うんだけど」

零「いきなり駄目出しを喰らった!?」

天子「というか、そういうのは人に聞くより自分で分析して解明するものじゃないの?」

 いや、確かにそうかもしれないが。

零「まずは、悪いところをと思ったんだがね」

天子「……はい、今鈍さを発揮しました」

零「……本当か?」

天子「あのね。聞かれても話せないことなんて、誰にでもあるでしょ?それを察するのも重要だと思うんだけど?」

零「……確かに」

 尤もな事だ。俺だって、それについて体験した事が沢山ある。

 主に、歪みに関係することばかりだが。

天子「つまるところの、『言わせんな、恥ずかしい』ってやつよ」

零「随分と俗な言い方してくれるな、お前……」

天子「でもわかりやすいでしょ?」

 ええ、そりゃあもう。

天子「……寧ろ、前からそんな風に考えてくれれば良かったのに」

零「はいはい。鈍いのは昔からですよ。だから治そうとしてんじゃないか」

天子「う、ううううるさい!このバカマタリ!!」

零「やめろ!」

 馬鹿と名前を合わせんな、このバカ天子!

※あ、今はボーナスないです。

―旧地獄(夕方)・繁華街―

 天子がずっとバカマタリバカマタリと言い続けるのを宥め、甘味を奢ってなんとか許してもらった。

 というか、最近アイツからの風当たりが強い。

 俺、何かしたかなと思うと同時にこの鈍さのせいかな、と思うが。

零「やっぱ、自覚無しになんかやらかしたのか……?」

 見覚えがない。

 ああ、やめとこやめとこ。考えるだけ無駄そうだ。

 さて、時間は夕方くらいだろう。そろそろ日が暮れる。

 その前に、何処か行くかこのまま神社に帰るか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街に残る
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に戻る
9:八雲家へ


安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用
採用されたレスのコンマが0・ゾロ目でサブイベント

9

>>397 選択:9 コンマ:末尾0 ※サブイベント

―八雲家(夕方)―

 そろそろ、こっちから顔を出してやろうと思って向かった先は八雲紫の棲家。

 武家屋敷よろしく、横に広い造りの、しかして住むにはうってつけの家だ。

 客人が多くとも対応出来、その上で寝食するに適した大きさと言える。

 なんて、そんな今更な感想を漏らす為にここへ来たわけではない。

 玄関先に立ち、声を張り上げる。

零「おいこらすきま妖怪。居るなら出てこい!」

 まるで、何処かの悪ガキの様な言葉である。

※判定
3以上で橙登場 6以上で藍登場 9で紫登場 0・ゾロ目で……

判定直後

ksk

>>400 コンマ:9 紫登場

※やはりイベントの時にコンマ神がデレまくる

紫「そう騒がないでくださるかしら?」

零「……おう、悪いな」

 意外な事だった。

 正直、面と向かって会えるとは思っていなかった。

零「カカ、お前の事だから居ないと思っていたんだがな」

紫「あら、それじゃあまるで私が悪いことをしたみたいじゃないの」

零「……どの口が言いやがる」

 俺の中に歪みをそのまま残した張本人が。

紫「立ち話もなんだし、中に入りなさい。お茶も用意させますわ」

零「……俺の前でその口調は止めろ」

 怖気が走る。

紫「あら、そんなに嫌かしら?」

零「かつての事を思い出せ。あの時ほど、身の危険を感じたことはなかったぞ」

紫「あら、童貞には刺激が強すぎたかしら?」

 いや、ホント死ねば良いのにこのスキマ妖怪。

 そんな他愛もない会話をしながら、八雲家の敷居をまたぐ。

前スレのエロネタと話つながってんの?


―八雲家(夕方)・居間―

 居間で、敷かれた座布団に胡座をかきながら座る。

 その内に藍がやって来て、茶を出してくれた。

藍「君からここへ来るなんて、珍しいことがあったものだ」

零「色々問いただす事があるからな。……ま、なるべく大事にはしないよう心掛けるさ」

藍「ああ、そうしてくれ。今の君は歪み付きだ。暴れられたら、ひとたまりもない」

 それも、八雲紫の態度と答え次第ではあるが。

紫「お待たせ、鎌足の。それで、今日はどういった要件で?」

零「しらばっくれるな。ある程度予想は付くだろ」

紫「あら、そんな事を言われても身に覚えはないけれど?」

 あくまで、その態度は崩さずか。

 まあ、予想はしていた。こいつがその程度で狼狽えることはないだろう。

零「……萃香に何をした」

紫「何も?」

零「それこそしらばっくれるな。あの鬼面についてもそうだ。お前、何がしたくて萃香にアレを渡した」

 歪みの宿った鬼面。俺が見つけたモノはもう残っていないが、萃香はアレと瓜二つの鬼面をこいつからもらったと言っていた。

 そもそも、こいつは俺から歪みを抜こうと思えば出来た存在だ。

 境界を操れば、それこそこいつは何でも出来る。

零「約束、と言っていたよな」

紫「ええ。私と萃香で交わした約束。貴方を歪みから救う、というね」

零「……ああ、それは今はどうでも良い。それで、先の質問を変えようか」

紫「……何を言われても、私から言える答えは一つしかないのだけれど」

零「萃香に、何が起こっている」

 その言葉で、紫は一瞬目を丸くした。

 まるで予想していなかったのだろう。珍しい表情だ。良いものを見れた。

紫「……冷静ね。それで良い。私は何もしていないけれど、彼女の状態はわかっているし、どうしてそうなったのかも知っている」

零「やっぱり、か」

 表面を崩さない、というのはこいつにとって本当に何もやっていない、という事を表している。

 こいつは胡散くせえし、信用の置けないいけ好かない奴だが、こと幻想郷の事には誰よりも真摯だ。

 そして、何だかんだで交友関係に気を掛ける様な見掛けもある。

 それは、萃香とこいつの言葉を交わしているのを見れば、なんとなくわかる。

零「最初はお前が何かした、と思っていたんだが」

紫「まあ、そう思われても仕方ないわよね。貴方、私の事が嫌いでしょうし」

零「ああ、嫌いだよ。お前なんて」

 俺を襲い、俺を縛り、俺を式にしようとした事は、今でも許すことはない。

零「ただ、お前の知識や経験の多さは認めている。だから」

紫「ここに来た、と。良い心がけね。やっぱり、欲しいわね。貴方が」

零「断る。俺はもう、守るべきと決めた奴が居るしな」

 だから、絶対にこいつに靡くことはない。それは、霊夢への裏切りだ。

>>403 それよりも、もっと過去の話です。本編中に何度か出ている紫と零との関係に由来してます

 昼の部、時間切れ。続きは夜にやります。

 恐らく、11時頃に再開するかと。では、一旦お疲れ様です

※引けない時はとことん引けないのに、最近コンマ神がデレデレでこっちの想定を覆そうとしてくる。

※それはそうとお盆ですね。幽霊が溢れ帰る時期です。皆さん気をつけましょう。

人が居たら再開します

※御祓いの際は、是非諏訪大社に御参りしてください(直球)

※では再開しますー


紫「一途というか、なんというか。……他の子が気の毒になるわね」

零「なんのことだよ」

紫「鎌足の。自覚がないのは、罪よ」

 何故か知らないが、新しい罪を背負わされた。

 閑話休題。

零「ああ、話が脱線した。俺が聞きたいのはそういうことじゃあない」

紫「わかっているわよ。……だけど、そうね。貴方には、まだ教えられない」

零「……てめぇ」

 知っていると公言して、それを教えないってのはどんな了見だ。

 眉間に皺を寄せ、睨む。

紫「睨まないで頂戴。事には段階というものがあるでしょう?」

零「……俺に何をさせたい」

紫「そういう話でもないの。……今の貴方に話した所で、何もできないから話さないのよ」

 今の俺、か。

零「そこまで深刻なのか?」

紫「……ある意味、厄介以外のなんでもないわね」

 成程。

 ……まあ、考えてみれば歪みに対する対策も手段も何もないのが現状だ。

 腹立たしい限りであるけれど、以前の俺なら何も考えずに突っ走っていたかもしれない。

零「お前の力ですら、及ばないってことか」

紫「あの陰気の境界を弄るには、根気が居るわね」

零「……ああ、そうかい」

 かつて、俺が境界すらも歪めてぐちゃぐちゃにすることにより紫から逃げ出した様に。

 そういう手法を、今の萃香は使えるってことか。

紫「……どうしても聞きたい、と言うなら後日また来なさい。その時に話すわ」

零「ああ、そうさせてもらおうか」

 夜の時間は直ぐそこまで迫っていた。

 そろそろ神社に帰らねばいけない時間でもある。

零「……消えんなよ」

紫「するわけないでしょう」

 意味の無い言質を取った所で、俺は八雲家を後にした。

※翌日以降、八雲家へ行くと本編イベントに入れます

―博麗神社(夜)・自室―

 飯を食っている間も、風呂に浸かっている間も、今でも考えることがある。

 それは、今の状態では萃香を歪みから開放できない、という現実。

 その現実を乗り越えるには、あの等級にまで昇る必要がある。

 しかして、その手段も何も見つかっていない。

 それ以外に方法があるならば知りたいくらいだが、そんなものが有れば俺が困ることはなかっただろう。

 俺だって、歪み付きとして数百年に渡る程生きてきた。

 ……まあ、昔の内に早々と諦めていた、というのもあるかもしれないが。

 今は、そうではない。

零「……だー、もう、全然思いつかん」

 どうやれば良いのか。どうすれば良いのか。どうしたら良いのか。

 これから俺は、どう進めば良いのか。

 完全な手探り故に、頭を抱える。

零「……一旦休もう。寝る前にまた、考えれば良い」

※夜はどうする?

1:霊夢に会いに行く
2:天子に会いに行く
3:月見酒(判定有り)
4:その他(行動表記)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

0・ゾロ目でサブイベント有り

1

>>419 選択:1 コンマ:末尾0

※またサブイベかよぉっ!!

 気分転換に霊夢と話そうか、と思って部屋から出ようとすれば、勝手に襖が開いた。

 目の前には霊夢が居る。

零「……今会いに行こうと思ってた所なんだがなぁ」

霊夢「あら、じゃあ丁度良かったんじゃない?」

 ああ、確かにそうかもしれないが。

零「珍しいな。お前から俺の所に来るなんて」

霊夢「今朝のこと、聞きたくて」

零「……ありゃあ、事故みたいなもんだぞ」

 いや、確かに悪戯してやろうとは思ってたけどよ。

 寝相というか、寝惚けてがっちり俺を捕まえて来たのは霊夢の方だ。

 俺は別に、悪いかもしれんが悪くはない。

霊夢「わ、わかってるわよ」

零「……あと、思い出させんな。恥ずかしくてまたお前の顔を見れそうにない」

 全身が熱くなるのを感じる。

 真夏の夜だってのに、勘弁してくれ。

霊夢「そ、そのことなんだけど」

零「なんだよ」

 妙に、もじもじとしてしおらしい態度を取られる。

霊夢「……今日、一緒に寝ない?」

 声にならない叫び声を上げそうになった。

※選択

1:断る
2:受け入れる

安価↓5までで多い方を選択

※満場一致か。まあ、そりゃあそうだわな。

選択:2 受け入れる



 布団を霊夢の部屋から持って来てから隣合わせに敷く。

 流石に一つの布団に寝るのは、色々と不味いと思ったからだ。

 今朝はまだ眠気が残っていた、というのもあって何もしなかったがこの時間になると抑えられるかわからない。

 何が、とは言わないが、俺も男だ。そこは察して欲しい。

霊夢「……あ、灯り。消すわよ」

零「お、おう……」

 そして、この緊張もまた、知っていて欲しい。

 やべえ、こんな心臓の高鳴り、初めてだ。

 直ぐ横には霊夢が居て、いやまあ布団越しではあるけれど。

零(眠れるのか……?いや、つーか霊夢は平気なのか……?)

 ふと疑問に思う。

 ……いや、それを考えている時点でおかしいのか?

零(ああ、なんていうか、ああ、もう)

 叫びたいのに叫べない。こういう時どうすれば良いのかわからない。

霊夢「ねえ、鎌足」

零「ひゃいっ!?」

霊夢「……何声を裏返してるのよ。可笑しなやつ」

 うっせ!!うっせ!!こっちの気も知らないで!!

霊夢「……やっぱ、そっち行ってもいい?」

零「え、ええええええっと!!?」

 ど、どうする!?これ、どうすればいいんだ!?

※選択
1:承諾
2:拒否

安価↓5までで多い方を選択

※お前らに戸惑いが見えない

選択:1 承諾

零「お、おう……」

 小声で、かなりか細い声で呟く。

 ああ、ダメだ。何でこう、こういう時というかこういう場面で男らしく出来ないのか。

 嘆かわしいというか、悲しいというか……。

霊夢「お、お邪魔します……」

零「お、お邪魔させてやるよ……」

霊夢「……そういうとこ、ぶれないわね」

 しゃあねえだろ、こっちだって強気保つのに精一杯なんだっつうの。

 とは、口に出せない俺である。

霊夢「手、熱いわね」

零「お前だって、そうだろ」

 放っていた手を握られる。

 体温か、それとも夏の熱気か。

 最早、どうでもいい。

零「……なあ、霊夢」

霊夢「なに?零」

 手を握る、という動作がこうも気を落ち着けるとは思わなんだが。

 何か、話さなければまた緊張してしまう気がするので口を動かす。

※何を話す?or何をする?

安価↓4まででコンマ二桁の大きい書き込みを採用


眠気がストライクなのでここで落ちますー

明日も昼から出来るかと。では、お疲れ様です

自分(零)の事が全部解決したら、一緒にしてみたい事などを聞いてみる

霊夢の胸に顔をうずめて甘えてみる


※昼にやると言ったな。あれは嘘だ。

ちょっと立て込んでました。22:30頃に再開しますー

※再開します。

>>442の続きで、内容は>>448からですね


零「全部解決したら、さ。一緒にしてみたい事ってあるか?」

霊夢「そう、ね……」

 それが果たせるのは、きっとまだまだ先になるだろう。

 苦し紛れに聞いた質問だが、そこに興味がないわけでじゃあない。

霊夢「とりあえず、現状維持、かな」

零「……何時も通り、ってか?」

霊夢「そうよ。今が大変過ぎて、先のことなんてわからない。だから、そう。今の願いは、そんなものよ」

 カカ、欲のないことで。

 とは言え、俺も他人のことを言えたもんじゃない、か。

 歪みに萃香。天子に、紫。解決すべき事柄が多い。

 謎の妖怪だって、何時何処で現れるかもわからない。

零「……まあ、目下の目標は、宴会をするってことくらいか」

霊夢「萃香を助けて、また一緒にバカみたいに騒いで」

 天子が地子でなくても、そこに居て欲しいと思うし。

 勇儀のやつも、その時くらいはこっちに顔を出して欲しい。

 こいしは酒には弱いだろうけど、その日溜まりを感じて欲しいと考える。

 そこに、萃香が居ないなんて、考えられないわけで。

 霊夢にも、俺の幸せを感じてもらいたい。

零「……成し遂げなくちゃあな」

 霊夢の手を、しっかりと握り締める。

零「……お前にも、苦労を掛けると思うけど」

霊夢「バカ。そんなの気にしないでよ。アンタが望むことを、私は拒否しないから」

零「……ありがとうな」

霊夢「……ううん。頑張りなさいな、正義の味方さん」

 応。

 そう答えて、俺は瞳を閉じる。

 良い感じに緊張感も忘れて、眠気も襲い掛かってきた。

 霊夢が隣に居る。緊張感の無い今、感じるのは安心だけ。

 この手の温もりを感じながら。

 俺達は、深い眠りへと誘われた。

※見間違えた。内容は>>447のままです。はい。


※■■判定

7以上で誰かの現在を見る

判定直後

hoi

>>455 コンマ:6 失敗

そしてリザルトを忘れたのでそい

名前:鎌足 零
読み:かまたり ぜろ
二つ名:妖怪の山の異端鬼
能力:陰陽を操る(歪める)程度の能力
種族:妖怪(鬼)
危険度:激高
人間友好度:低
精神:7
潜在能力:9
汚染度:5(まともでいる方がおかしい)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
かつては人間嫌いであった。巫女との交際の噂が立っているが真偽は不明。
歪み付きであるため、容易に近づくべからず。

特殊設定

■■
■■■■■■
効果:戦闘時の判定に+2  殆どの相手から-補正を受けない

歪み付き
あなたは歪みを持っている。困っている相手を放っておけない。何をしてでも助けようとするが、その手段は――
使えば使う程その侵食が進み最終的には理性を持たぬ異形と化してしまうが、より強い力を得られるだろう。
だが、条件をクリアすると……?
効果:戦闘時の判定に+2(汚染度により変化) 特殊パラメータ『汚染度』追加

変身
あなたは特定のアイテムを所持している。そのアイテムを使い、変身することができる。
その使い方で、あなたは悪にも正義にもなれるだろう。
ただし、他の所持している戦闘補正スキルの補正は無効になる。

「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

現在成れる形態
形態:■■
■■■■■
効果:戦闘判定に+2 3ターン、もしくはファンブルで変身解除
形態:■■
■■■■■
効果:戦闘判定に+3 2ターン、もしくはファンブルで変身解除

持ち物

アークル(覚醒):変身ベルト。謎の文様と石が付いていおり、使用すると仮面の戦士・ヤキシャへと変身出来る
ヴィンテージワイン(白):最高級品だが、味は不明。銘にはラテン語でカロルス・マグヌスに捧ぐと書かれている。誰かに渡すことが出来る。

相関図
『博麗神社』
博麗 霊夢:零の為に、出来ることがあるはずだから※恋仲
伊吹 萃香:この苦しみを、零も味わっていたんだな……※歪
『妖怪の山』
射命丸 文:……馬鹿な方です。だからこそ、信じているわけですが
姫海棠 はたて:災厄の異端が、何をいけしゃあしゃあと……
『旧地獄』
星熊 勇儀:かつての日々、か。……任せたよ
古明地 こいし:ちぇ、悔しいなー
『人間の里』
稗田 阿求:大丈夫。私は貴方の味方です
『緋想天』
比那名居 天子:遅かったんだ。きっと、私は
永江 衣玖:後は任せましたよ
『魔法の森』
アリス・マーガトロイド:どうしてそんなモノを宿しているの?
森近 霖之助:成程。彼が……
『八雲家』
八雲 紫:欲しいのよ、貴方が※歪
八雲 藍:まあ、良い方ですよね
『命蓮寺』
多々良 小傘:鬼はこれだから嫌になるんです
雲居 一輪:何故、鬼が明王の呪法を……?


―博麗神社(朝)・自室―

 目が覚めると、目の前には霊夢の顔。

 顔を真っ赤にして、後ずさりそうになるが深呼吸をして気持ちを抑える。

零(昨日、一緒に寝たんだったな……)

 間違いを起こさなくて、本当に良かった。

 心底そう思う。

零「……でもまあ」

 こんなに、良い寝顔をしてくれているんだ。

 一緒に寝た甲斐があったものだ。

 さて、と。

 これからどうすっかね。

※選択
1:霊夢に悪戯
2:天子を起こしにいく
3:朝飯を作りにいく
4:出掛ける(再安価)
5:その他(内容明記)

安価↓4まででコンマ二桁の大きい書き込みを採用

2

1

>>458 コンマ:71

>>460 コンマ:71

同数につき、再判定

偶数なら1
奇数なら2

判定直後

ほい

>>463 コンマ:奇数 選択:2

 ここに居たままだと、霊夢にいらんことをしてしまいそうなので部屋を出る事にする。

 そのまま、天子の奴を起こしてやろうかと思い立つ。

 先に叩き起し、霊夢が俺の部屋から出てくるという状況を目にしないようにしよう。

 それでからかわれるのは、恥ずかしいを通り越すかもしれないから。

 さてと。どうしてやろうか。

※判定
1程寝ている 9程起きている 0・ゾロ目でサブイベ

判定直後

ほい

>>465 コンマ:0ォォォオオ!!

 天子の部屋の前に立てば、襖を開かれた。

天子「昨日はお楽しみでしたね」

零「俺は何もしてねえよ」

天子「バッチリバレてるので、気にしないで」

零「逆に気にするわ!」

 いや、最初からバレてるとは思わなかった。

 そもそも、それでいじられるのが嫌でバレない様に起こしに来たってのに。

零「……企みも何もないなぁ」

天子「そもそも、部屋が向かい側なのにわからない方がおかしいでしょ」

零「……霊夢の部屋に行くべきだったか」

天子「いや、そういう問題じゃないから」

 そう、なのか?

天子「イチャイチャするのは良いけど、二人だけの時にして欲しいものね」

零「……まあ、気をつけるさ」


※ちょっと調子が悪いのでここまでで……


※昨日は再開出来なく、申し訳ない。

※天子のお話の続きからぽつぽつやっていきます


 そうまで言われると、気恥かしさ云々というよりも申し訳なくなる。

 はぁ、と嘆息を吐いて呆れる天子に向かって口を開く。

零「悪いな。迷惑掛けてたみたいで」

天子「別に、迷惑じゃあないわよ。ただ、自重して、って話」

 霊夢と恋人同士である、というのはこいつを始めとして親しい者達は知っている。

 だが、恋人同士だからどこででもそういう雰囲気でいるな、という事だろう。

天子「……ただでさえ、今はキツイっていうのに」

零「……何かあったのか?」

天子「アンタには関係ないから!」

零「ぐふっ!?」

 何故か腹に正拳突きを喰らった。

霊夢「……何よ、やかましいわね」

天子「おはよう、巫女。昨晩はお楽しみでしたね」

霊夢「べ、別に何もしてないわよ!?」

 ああ、何だか既視感がある。

 これ、さっきの俺の状況と同じだろ。

零「あんまりこいつをからかってやらんでくれ」

天子「除け者にされた者の特権はこれくらいだもの」

霊夢「……天子、あんたまだ」

天子「簡単に割り切れっていう方が、難しいと思うけど?」

霊夢「……む」

 火花が両者の間に見えた気がした。

天子「……というのは、まあ、忠告みたいなもんね」

霊夢「忠告って……」

天子「アンタは特に縛られたり縛ったり出来ない存在なんだから、気の持ち方には気をつけなさいって話」

霊夢「……天子、あんた」

天子「悪い子には、なりたくないもん」

 それだけ言って、天子は部屋に戻っていく。

 何が何だかわからない俺は、ただ難しい顔をする霊夢を見ていることしか出来なかった。

―博麗神社(昼)―

 縁側にて、何時も通りの時間を過ごす。

 季節は、もうすぐ秋に差し掛かっているが残暑も酷い。

 まだ暫くはこの熱気と共に過ごさなければならないだろう。

 さて、昼だ。

 これからどうしようか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:霊夢と一緒に居る
9:天子と過ごす
9:八雲家へ


安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【参】へ
八雲家を選択した場合でも本編イベント【参】へ

8

>>478 選択:8 霊夢と一緒に居る



 霊夢を探して、博麗神社の中を歩く。

 そうしていると、彼女は境内を箒で掃いているところだった。

 手すりを両手で掴み、身を乗り出しながら声を掛ける。

零「精が出るなぁ、巫女さんよ」

霊夢「なぁに?冷やかしに来たなら少しは手伝いなさい」

 それでも良いが、まあ、何だ。

零「少しばかり、一緒に居たくてな」

霊夢「……私は別に構わないけど、今朝天子に言われたばかりじゃない?」

零「別に、元々見せつけようなんて考えがあるわけじゃない。俺がお前と一緒に居たいだけだ」

霊夢「そういうところが……。ああ、いいや。私だって望むところだし」

零「お前だって、人のこと言えねえな」

霊夢「あんたには言われたくないわ」

 カカ、そうだな。それにゃあ同意するわ。

 喉を鳴らして笑い、彼女へと近づく。

 さて、何か話すか、それともどっかへ誘うか。

※自由安価(内容明記)

※これは無理、これはアカンと判断したらずらします

安価↓3

人里デート

>>483

零「一区切り付いたら、人里にでも行くか?」

霊夢「んー、別に構わないけど」

零「逢引きと洒落込むかい?」

霊夢「……そういうことを堂々と言うから、天子にああ言われるじゃない?」

 耳の痛いことで。

零「つってもな。イマイチ、こういう誘い文句の言い方というか、そういうのがよくわからんくてな」

霊夢「学ぶ必要なんてないわよ。私だって、正味な話慣れてないし」

零「お互い、初めて同士ってか」

霊夢「そ、その発言はちょっと何か嫌なものを感じる!!」

 あ?何だそりゃあ。

霊夢「とりあえず、少し待ってなさい。直ぐに終わらせて準備するから」

零「おう。んじゃあ、縁側で待ってるわ」

 そうして、昼間は霊夢と一緒に人里へ向かう事と相成った。





―人間の里(昼)―

 さて、一緒に来る事もほぼほぼ久しいことだろうか。

 ここに霊夢と来た時は、まだ俺が人間嫌いだった頃の話で。

 そしてその日に、彼女によって本当に自分が望んでいる事に気付かせてもらった。

 今思えば、恥ずかしい限りであるが。

 そういうことも経て、今霊夢と共に有れる事は、喜ばしい限りだと思う。

霊夢「何よ、ニヤニヤしちゃって気持ち悪い」

零「いや、ちょっとばかり思い出し笑いをな」

 まあ、その事についてちょくちょくと口に出すことはない。

 その必要はないのだし、そうしなくても彼女は隣にいるのだから。

零「さて、材料に関しては心配のない現博麗神社の財政は?」

霊夢「余裕がある、と言っても無駄遣いは出来ないわね。そこはあんたの財布に掛かってるわけだけど」

零「いや、流石に萃香みたいに金を萃められるわけじゃねえからな」

 アイツの能力は、応用の幅が効き過ぎる。

 金に困ることはないだろう。俗な考えではあるけれど。

霊夢「……萃香、か」

零「どうした?」

霊夢「……何とかしてやりたいわよね」

零「何言ってんだ。んなこと、当たり前だろ」

 軽く額を小突きながら、呟く。

霊夢「あいたっ」

零「そもそも、俺は諦めない。決して取り零さない。救い上げると決めた。なら、後はそうするだけだろ」

 その手段もやり方も確立出来て、わかっているわけじゃあないけれど。

 そういう気持ちが大事なのだ。

 決して、折ってはならない。そうすれば、希望が絶対にあるはずだから。

零「心気臭い話はなしだ、なし。決めた事をグチグチ言っても仕方ねえ」

霊夢「……そういうところは、ホントブレないわね」

零「正義の味方なめんな」

 まあ、目指している身、という方が正しいけれど。

 さて、これからどうするか。

 連れ出して来たけれど、何かあっただろうか?

※選択
1:阿求の屋敷
2:甘味処
3:寺子屋方面へ
4:その他(内容明記)

安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

1

>>490 選択:1

―人間の里(昼)・稗田家―

 霊夢を連れて、そこらを歩いていると気付けばあの屋敷の近場へとやってきていた。

零「ああ、そういや」

霊夢「あら、阿求の家じゃない」

零「ここにも暫く来てなかったな」

 戻ってきて、少しした頃くらいか。

 思えば彼女にも随分、親切にしてもらっていたものだ。

零「ちょっと、寄ってもいいか?」

霊夢「あら、知り合いだったの?」

零「何代か前、からだな。その頃から、世話を掛けっぱなしだ」

霊夢「へぇー……」

 あ、すげえ嫌な感じの笑みを浮かべやがった。

霊夢「零の恥ずかしい話でも知ってないかしら」

零「いや、ねえから。絶対ないから」

 あったとしたら、あいつ絶対覚えてるから聞くのは止めろ。

 そんなことを思いつつ、稗田家の呼び鈴を鳴らす。

 そうして、すぐに門が開いて阿求が出てくる。

阿求「あ、鎌足さん。それと、霊夢さん?珍しい組み合わせ……というわけではないですね」

零「おい、そりゃあどう言う意味だ阿余」

阿求「今は阿求です。……噂になってますよ。随分と、仲睦まじいことで。お祝いして差し上げましょうか?」

零「嫌味か?それは嫌味と取っても良いのか?」

阿求「ふふ、霊夢さん。こんな方ですが、末永くお付き合いしてあげてください」

霊夢「え、ええ。そのつもりよ」

 お前は俺の母親か!!

阿求「……とまあ、外で立ち話もなんです。中へどうぞ。お茶も出しますよ」




霊夢「へぇー、やっぱり零ってば昔からそんななのね」

阿求「そうなんですよ。昔から、強情っ張りといいますか」

 稗田家の居間で、姦しい会話が華を咲かせる。

 こいつ、やっぱり覚えてやがった……。

阿求「あの頃は不安定だった、という事もありますが。私も手を焼いたものです」

霊夢「代越しに覚えられてるっていうのも難儀なことねー」

零「うっせー!」

 あの頃は、色々とあったんだよ!

零「……でもまあ、あの時は本当に世話を掛けたとは思ってるけどさ」

阿求「ふふ、その鎌足さんも成長したものです。磨きが掛かった、ということでしょうか」

 その意味は、なんだ?

阿求「……貴方が目指すものは、決して安易な道ではない。それでも往くのでしょう?」

零「当たり前だ」

 それが例え、修羅の道であり、茨にまみれていたとしても。

阿求「それを決意させたのが、霊夢さんですか」

霊夢「い、いやいやいや。そんな大層な事はしてないわよ?」

阿求「いえいえ。あの鎌足さんを変えたのは、間違いなく霊夢さんのようですから。だったら、それは誇るべきところでしょう」

霊夢「そういうものなのかしら……」

阿求「そういうものですよ。……しかし、色恋というものは何時の時代もいいものです。私も、そろそろ世継ぎを考えなければ」

 いや、それには早い、とも言い切れんか。

 稗田の子の寿命は、常人よりも短い。

 その大半以上を幻想郷縁起の編集に当てられるのが、阿礼の子の宿命だと記憶している。

零「……お前も、いい相手が見つかると良いな」

阿求「お二人の子の顔を見れるまで生きてはいたいですがね」

霊夢「ぶふっ!!!」

零「気が早い!それはいくらなんでも!!」

 つか、本当にお前は俺のなんなんだって話だ!!

 さて、そんな話も半ば。

 そろそろ話題も無くなって来た所で、阿求が一枚の紙を俺へと差し出す。


阿求「貴方の目録の編集ができました。最新のものとしては、こんなものですね」

零「どれどれ……?」


名前:鎌足 零
読み:かまたり ぜろ
二つ名:博麗神社の守護鬼
能力:陰陽を操る(歪める)程度の能力
種族:妖怪(鬼)
危険度:激高
人間友好度:普
精神:7
潜在能力:9
汚染度:5(まともでいる方がおかしい)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
彼の能力は、本来陰気の塊である妖怪が人間側の力の行使を可能とする。
陰気を、陽気へ。其れ故に、私は陰陽を操る(歪める)程度の能力と呼んでいる。
そも、我々は皆根源に太極図を持っている。
彼はそこへの干渉が可能だと思われる。
かつては人間嫌いであった。巫女との交際の噂が立っているが真偽は不明。
しかし、それでも歪み付きであるため、容易に近づくべからず。
以前ほどのささくれ立った雰囲気は消え去っている。
歪みの其の先へと越える事を望んでいるとのことらしい。


零「また大層な二つ名を付けやがって……」

阿求「問題はないかと」

霊夢「守護鬼っていうと、善鬼や護鬼を思い出すわね」

阿求「ああ、役小角(えんの おづの)様ですか。あの方も何かと鬼に縁のある方でしたね」

零「夫婦鬼か。……あの方等の話は、よく知らんのよな」

 俺が生まれる前の話である。

 その頃は、鬼も人間と対等な世界だった筈だ。

 面と向かって対決しあえる。そういう、正々堂々とした世界。

零「今の世の方が、俺は良いと思うが」

霊夢「そうね。考え方次第だけど、共存出来ているわけだし」

阿求「それでも、人間の被害もまた多いわけですけどね」

霊夢「食物連鎖、と言えばそこまでだけど」

零「妖怪には妖怪の事情があるからな」

 相容れない者は、やはり存在するものだ。

零「対極、か」

霊夢「零?」

零「結局、別れちまうもんだもんな。陰と陽に属する違いだけでも」

 光に住まう者。闇に住まう者。

 俺は、そのどっちなのだろうか。

 陰でありながら、陽を目指す者。

零「難しいもんだ」

阿求「それは、永遠の命題でしょうね。決して、これが正しいと言える正解など存在しないでしょうけど」

霊夢「だから、悩むでこれで良いと思うところに落とす。そうするしかないでしょ、結局はさ」

 そうなんだろうけどさ。

零「あの日溜まりが、誰にでも訪れれば良いのにな」

 そう思う気持ちに、偽りは無かった。




―人間の里(昼2)―

霊夢「随分と、長居しちゃったわね」

零「あれでまた来てくだいって言ってくれんだ。やっぱ、良い奴だよなぁ」

 まあ、基本的には家から出ない奴だ。

 誰かと話す事に餓えている所もあるのだろうけど。

霊夢「さて、これからどうする?いい時間だし、私は神社に戻ってもいいけど」

零「あー、そうだな……」

 こいつと別行動するか、それとももっと一緒にどっか回るか。

 どうするかな。

※選択
1:霊夢とまだ一緒にいる
2:別行動

安価↓3までで多い方を選択

選択:2 別行動



 霊夢が神社の方へと飛んで行くのを見送って、さて、と息を吐く。

 とりあえず、何もなくて良かった。

 歪みがあるだけで、こんな心配を抱える、という自分に嫌になる。

 まあ、当面の間だけだ。

 この問題も乗り越えると決めている。

 さて、これからどうするか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里に残る
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に戻る
9:八雲家へ


安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【参】へ
八雲家を選択した場合でも本編イベント【参】へ
採用されたレスのコンマが1で謎の妖怪襲撃

9

※イベントとイベントが重なりやがった!!

>>503 選択:9 コンマ:末尾1(ファンブル) 襲撃

―八雲家(昼2)―

 八雲家に着くと、そこで異様な気配が周囲から感じた。

 木々の影から、生まれ出ずる黒い泡。

 それは、八雲家の中からも感じる。

 刹那、迎いの庭の方から二つの影が飛び上がるのが見えた。

紫「見境なし、ねぇ。ここにまで来るだなんて、本当に傍迷惑な存在ですわ」

藍「そんなことを言っている場合じゃありませんよ。……橙がここに居なくて、良かったと思うべきか否か」

零「おい、お前ら。どうやらここにも現れたようだな」

 追うようにして跳び上がり、二人に近づいて声を掛ける。

 目下には件の謎の妖怪が多数。

 見た目で言えば、無貌の黒い人型、って所か。

 なんとも、気味の悪いことだ。

紫「アレに喰われない様にしなさい。アレは、記憶を喰うわよ」

零「どういうことだ?」

紫「アレはそういう存在なのよ。忘れろ、消えろ。構うな、失せろ。その理から発生した者に汚染された存在の成れの果て、かしらね」

零「……何にしても、退治するべきってのはわかる」

紫「そうね。貴方がここに来たってことを幸いと思うべきでしょう」

零「この後、話す事もあるしな」

紫「そうね。――それじゃあ、塵掃除と行きましょうか」

 目下には、犇めく黒の群れ。

 この全てを滅するのには、骨が折れそうな気もするが。

※選択
1:変身する
2:変身しない

安価↓3までで多い方を選択

選択:変身する

 奴らは、単体は弱いとされている。

 数だけが厄介な、そういう類の妖怪だ。

 昔から、数というのは戦いの際に最も比重を置くものとされている。

 まあ、人間からしてみれば、だろう。

零「おい、紫。背中は任せるぞ。癪だがな」

紫「あら、そういうこと言っちゃうの?」

零「っせーよ。黙って俺の援護しろって言ってんだ」

 腰に精神を集中させ、アークルを顕現させる。

紫「まあ、任せなさい。この幻想郷の賢者に」

零「信用はするが、信頼はしねえけどな」

紫「これは手厳しい」

 舌を小さく出して、肩を竦ませる紫。

 そういう態度がまず、胡散くせえんだっつうの。

零「行くぞ」

紫「何時でも良くてよ」

藍「こちらも、行けます」

 それぞれ構えを取り、眼下を見据える。

零「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

 真言から、呪詛を叫ぶ。

 すると、般若を象った様な紋章が俺の足元と頭上に展開され、体を包んで行く。

 紋章が通った部分から、俺の姿が変化する。

 変身が終えると同時に、地上へと急降下して蹴りを放つ。

零「はぁぁぁぁあああッ!!」

 地面に激突する勢いで、周囲に及ぶ衝撃波で黒の群れを吹き飛ばす。

 そして、土煙が晴れたところで俺は体をほぐした。

零「ヤキシャ。テメエらを潰す者の名だ。刻み付けろ」

 言った後、黒の群れへと突っ込む。

※謎の妖怪戦 開始

謎の妖怪には残数が設定されています。

計算式はコンマ値+零の攻撃力+αで基本的に残数を減らします

零の状態

ヤキシャ【形態:夜叉】:攻撃力【50】

必殺【夜叉鎌墜閃】:追加ダメージ+【50】

変化可能形態:宿儺

謎の妖怪:残数【300】

必殺宣言は判定時に行ってください

ターン毎の判定がファンブルで変身解除されます

また、必殺技を使った後の変身判定では-2を受けます

思いつきなので、甘いかもしれませんがこんな感じです。

では、戦闘を開始します


零「好き勝手やらせるかよ!!」

 溢れ出て、蠢く謎の妖怪達を殴り、蹴りながら数を減らしていく。

 軽く撫でただけども、その体は崩壊しているのを見ると随分と脆いものだ。

 だから、人間でも倒せると言われているのだろう。

 しかし、この数は厄介以外の何でもない、か。

「「■■■■■――――――」」

 聞き取れない声が輪唱される。

 煩い、黙れ。耳障りだ。

※攻撃判定

↓2のコンマ二桁で攻撃力判定

↓3のコンマ二桁で援護攻撃力判定

ほい

ほい

>>514->>515 判定:96+50+3=149

謎の妖怪の残数:151

零「おいこらスキマァッ!!もっと真面目にやれやこら!!」

紫「貴方だけを援護してるわけじゃないの。藍の方が少し厄介なのよ!」

 それでも、しっかりと両方へと弾幕は降り注いでいる。

 それも的確に、誤射もなく。

 いや、俺が動きやすい様にも成っている。

 あいつ、計算しながらやってやがるな。

零(相変わらず、恐ろしいことだ)

 弾道で奴らが集まり塊が出来たところを殴り、蹴り飛ばす。

 その繰り返しで、奴らの数はあっという間に半数近くまで減ることとなった。

※変身判定

1(ファンブル)で変身解除

判定直後

ほい

>>517 コンマ:6 解除なし

零「このままっ!」

 この調子ならば、特に被害なく押し切れるだろう。

 ならば、力尽くで押し通るのみ。

零「ハァァァァァアッ!!」

 また集まっている妖怪達に向けて、跳び上がる。

※攻撃判定

↓2のコンマ二桁で攻撃力判定(必殺と書き込むと更に追加+50)

↓3のコンマ二桁で援護攻撃力判定

えい

下1と下2で良くない?

>>520-521 13+50+88=151

※ジャストブレイク

零「セイヤァァァァァァァアアアッ!!」

 紫の的確な弾幕が敵を誘導し、最後に急降下からの飛び蹴りによって、俺の周りに居た奴らは霧散していく。

 まるで、泡沫の様に儚く消え去っていく様は何処か悲壮感まであった。

零「……くは、疲れたぁ」

 その後、もう居ないことを確認して変身を解除する。

 全身に掛かる疲労。頭痛が襲い掛かって来やがる。

零「これが、あるから面倒なんだよなぁ……」

 まあ、汚染が進むよりかは遥かにマシであるけれど。

 消沈していた歪みが再び全身を駆け回り、体力に増加を掛ける。

紫「一件落着ね。……やっぱり、そこまで強い、というわけじゃないのね」

零「ああ。触れれば消える様な脆さだった。……もっとも、どんどん増えて来るのは厄介だが」

紫「それにも上限があるようね。……まったく、迷惑極まりないわ」

藍「中もさほど荒れてはいません。零君、お疲れ様です」

零「ああ、ありがとさん」

紫「とりあえず、少し休憩しましょう。話はそれからで、良いわよね?」

 ああ、そうしてくれ。

 こっちも、今は疲れてそれどころじゃないしな。

>>523 ※んー、そうでしたね。今後はそうしようかな。加えて、こちらのダメージステップがないのを今更になって気付いた

※本編イベント【参】を開始します



―八雲家(昼2)・居間―

 さて。

 茶を啜りながら、机を挟んで対面に座るのは八雲紫。

 その一歩後ろに下がって立っているのが、八雲藍。

 なんつーか、今更であるが威圧感のある面々である。

 片や幻想郷の賢者。片や式神であるが元は白面金剛九尾。

 もしも、この二人を一気に相手取る場合になった時、窮地は必死なことだろう。

 まあ、事を構えるつもりは、こちらには一切ないわけだが。

紫「それで、萃香の現状、だったわね」

零「ああ、そうだ。教えてもらおうか」

紫「今の貴方だと、どうすることも出来ないと思うのだけど」

零「それでも、だ」

 あいつの現状を知る、というのは必要な事だ。

 それが、悪い考えに繋がることであれ。

 良いことに繋がることであれ。

 どちらにせよ、俺は知りたいと思っている。

零「あいつが何かしていないか、って心配はして当然だろう」

紫「罪を背負わせない為に?」

零「それは、俺が持つべき業だからな」

 歪みは、本来の願いを攻撃的な事でしか行えない。

 助けたいと願って、壊してしまう様に。

 救いたいと願って、潰してしまう様に。

 手を差し伸べたいと願って、傷つけてしまう様に。

零「バカと笑うかい?」

紫「いいえ。至極貴方らしいわ」

 それは果たして、褒めているのか貶しているのか。

紫「……良いわ、話して差し上げましょう。幻想に走り給う者よ。伊吹萃香の現状を」

零「ああ、頼む」

 一気に、雰囲気が真剣なものへと変化していく。

 空気が張り詰め、凍る。

紫「彼女は今――」

※判定
4以下で人を攫っている

判定直後

>>526 コンマ:ゾロ目 ※ボーナスを差し上げよう

紫「――抗ってるわよ、歪みに」

零「は……?」

紫「飲まれない様に、引き込まれない様に。大した精神力よ。貴方とは地が違うというのに」

零「あいつ……・」

紫「でも、それも時間の問題ね。あの苦しみに延々耐えられるわけがないもの。それは、貴方が一番知っているのではなくて?」

零「……ああ、そうだな」

 無理に抑え込もうとすれば、それ相応の反動がある。

 それを、あいつは今、感じ続けてるのか……。

零「……何で、んなことになっちまったんだかなぁ」

紫「歪みに長く触れ続けたせい、かもしれないわね。だって、貴方から歪みを少しずつ萃めて霧にして放っていたようだし」

零「……おい、待て。今なんつった?」

 俺から歪みを萃めて、霧散させていた?

紫「まさか、気付いていなかったの?……その鈍感さは流石にいけないわね」

零「ちょっと待て。それじゃあ」

紫「残酷な話だけど、結局は貴方が原因ってことになるわね」

 おい、おいおいおいおいおい。

零「……本当かよ」

 とどのつまり、俺がこっちに戻って来たからあいつが苦しむ事になったってことか?

 それで、その結果が今を生み出してるっていうのかよ。

零「……ああ、これは効くわ」

 精神的に、来るものがあった。


紫「それで?そのまま諦める、なんて言わないわよね?」

零「んなの当たり前だろ!!」

 思わず、脊髄反射に近い形で声を荒げる。

零「俺が、諦める?んなこと、するわけねえだろ。決めたんだ。救う、取り零さない、どう足掻いても前に進む。そして、あの日溜まりを掴むって」

紫「それでも、歪みを超える手段も、手立てもない」

零「カカッ!それがどうしたさ。それでもやり切るって、もう決めてんだ。だから」

 諦めない。絶対に、手を離さない。この絆を、思いを断ち切らせない。

零「……その事を、お前に兎や角言われる筋合いはねえよ」

紫「……なら、一つだけお節介をしてあげましょう」

零「お節介だ?」

紫「ええ。……その渇望を、抱き続けなさい。強く、強く望み続けなさい。それが、貴方の力になる」

零「……なんだ、そりゃあ」

紫「貴方の芯がぶれなければ、それで良いのよ。きっと、それが必要になるから」

零「……そうかよ」

 言いたい事は良くわからないが、要は今まで通りで良いんだろ?

零「んなの、お節介でも何でもねえよ」

 この思いを、変えるハズがない。

 変わるハズがないのだ。

 これが、俺の心から望むことなのだから。

零「俺は、『誰をも救える自分で有りたい』。そう思っているのだから」

紫「……ふふ、その思いが成就すること、願ってるわね」

 もしも、この手が届くなら。

 もしも、この瞳に映るなら。

 そこが、俺の救える範囲なのだ。

 その中で、取りこぼしたくはない。

 その中で、俺は助けたい。

 だから、この思いは絶対に変えない。

 お前に言われるまでもない。

 これこそが、俺の、鎌足零の『在り方』なのだ。

※本編イベント【参】を達成しました
※■■フラグ【参】を達成しました


※一旦休憩します。再開は夜になるかと。その時に告知します



※ちょいと遅れました。22:00頃に再開しまっせー

                      ,、-''"/:::::::ヽ::\
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            ーー'"´.//::::://::::/ヘ/:::::::|:::::',::::::::::',           ヘ、

               / /::::::/:.:イ::/ヒッx/:::イ::::|:::::::|::::::|:::',       __ノ´,、ーー`''‐-、,
             _,/´  /::::::/:.:/:|::':,  /|/ |:::/ °/:::::::::::|ヽ     ”ぅ,、-''",、-''_/γ ノ \
          _/´    /:::::::/:./ヽ|、 .,__´ リ /::/|::::::::::::| ヽ      ー`´ `''-、, ノ /   \ _
        _/´     /:.:.:.:::|.:|:;:;:;:|':、 `'''‐`-'- /;/:::::/:::::|              </ ヽ    \>i
      //     /:.:.:.:.:.:.:|:.|:;:;:;:;:;:;|\   ,/;;;;ノ::::::::::::::|               ',`;;-、, /,、-;;";;|
    .//      /:.:.:.:.:.:./|:.|;:;:;:;:;:ヘ  ヽ-'",、|V:::::::::/:::|:|                ヽ,ミミ三三三彡',
   //      /:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.リ__μ〈  >, ヘ´   ソ:::::::/ |::|                 ',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
 //      /¨二ー=--‐ャ ||;;;;;;;'; i; / | | 〉 /:://;;|::|ーーーー、―――‐-、.,,_;;;;;;;;;;,,,|',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l,
//      /| | / /ー'´フ_||;;;;;;;;;;';ヽ/:::|_//V/:./;;;;/:/|;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;> 〉/////〉 〉;;;;;;;;;;;;;;;;;|;ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;,i,
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       |/   | .   /;;;;;;| ||||||;;;;;;;;'; 〉;;;;ス /:/;;;;;|/:/|| |;;;/;;;;;;;;;;;/ //\'// /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`''-、,,.、-‐''"
     /:|    / ./;;;;;;;;;;/ _, -'"'ー-';/;;;;;;;;',/:./ー/:./__|;;;;;;;;;;;,-'/ /ヽ _ノ/ /__,,.、-‐'' "^´ ̄
   /:.:,,.|. _/./;;;;;',;;;;;γ´;> || <'"´`i,;;;;;;;;/:./;;;;;/:./,\;;;;;;;/;,./ ̄ ̄ ̄ ̄

  /|`''-、,    <;;;;;;;;;;;;ゝ;;;;;;//,   ',;;;;;;;;i,;;/:./;;;;//;;;\\;;;;;;;|
../:.:.:.|//////`''ーゝ;;;;;;;;∧//;;;;;',ー‐',;;;;;;/:.//:./,、-''",.-'";;;;;|  我らが観客達よ 集まるがよい
´:.:.:.:.:.|///////////|;;;;;;;/:.:ト、`'-、'.:::::::::',/:.:.:./:.:/-'",、-''",/;;;;;;;;;|
:.:.:.:.:.:.:.|''-、,///////|;;;;;;/:.:.:|;;;;;`''-、,',:::::::ソ:.:./:.:/,、-''";;´'l l´;;;;;;;;;;|   今宵の展開は如何なるものか
:.:.:.:.:.:.:.|;;;;;;;;;;;;;; ̄;;7";;;;;/:.:/|;;;;;;;;;;;;;;;;;',/:.:.//´;;;;;;;;;;;;;;;;|::::|;;;;;;;;;;;|

:.:.:.:.:.:.:.|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;/:.:./  |;;;;;;;;;;;;;;;/:.:.:/ヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::|;;;;;;;;;;;|     喜劇か、されとも愛憎劇か
:.:.:.:.:.:.:.|;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;/:.:./   |;;;;;;;;;;/:.:./ />;;;;;;;;;;;;;;;;;|:::|;;;;;;;;;;;|
:.:.:.:.:.:.:|;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;/:.:/    |;;;;;/:.:/|::|ヽ:::::::::',;;;;;;;;;;;;;;|:::|;;;;;;;;;;|     何はともあれ、間幕を開けよう
:.:.:.:.:.:〈;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;|.:/     ',/:./;;;;;;|::|;;;;;',:::::::::',;;;;;;;;;;;|:::|;;;;;;;;;|
:.:.:.:.:.:.:'i;;;;;;;;;;;;;;;;;//     //;;;;;;;;;;;|::|;;;;;;;;',:::::::::>;;;;;;;;|:::|;;;;;;;;;|     さあ、この地平は何を生み出すか

:.:.:.:.:.:.:.:.\;;;;/:.:./     //|;;;;;;;;;;;;;;|:::|;;;;;;;;;;',<ヽ>,>.,;;;;i,::'i;;;;;;;;;',
:.:.:.∥:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/    // /;;;;;;;;;;;;;;;|:::|;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、:::::\;;;i,::'i;;;;;;;;;',   それは、諸君らの手に委ねられるぞ


―幻想郷(夕方)―

 とんだ厄介事もあったが、無事に紫から萃香の情報を得る事が出来た。

 彼女はまだ、歪みに飲まれていない。

 それこそ、僥倖。まだ望みがあると見てもいいだろう。

 だが、時間がないのも確かであり。

 俺の歪みもまた、どうなるかわかったものではない。

 ……未だ、変身の後遺症である疲れも完全に取れていないわけで。

 さて、もう黄昏の時間だ。

 これからどうするか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に戻る
9:八雲家へ

安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【四】へ
採用されたレスのコンマが1で謎の妖怪襲撃

>>540 選択:1 旧都へ

※Dies iraeは色んな意味で衝撃を受けた、っていうのが大きい。何より、メルクリウスが好き過ぎる

―旧地獄・旧都―

 体力の乱れは、おそらく陰気の流れが悪いせいだろう。

 ならばと思って向かった先は旧地獄の旧都。

 ここは陰気が充満しているので、地上に比べて物凄く過ごしやすい。

 まあ、普段ならば地上で過ごすのに苦はないのだが。

 何より、博麗神社は俺の帰る場所でもある。

 だから、ここには小休止、といった意味で立ち寄ったに過ぎない。

 という、誰に言うまでもなく言い訳がましい説明は置いておこう。

零「あっついなぁ」

 それにしても、である。

 確かに残暑が厳しいとは言え、そろそろこの時間でも涼しくあって欲しいものである。

 着物の裾をパタパタさせながら呟き、歩いていると。

※キャラ登場判定
コンマ一桁5以上で遭遇

0・ゾロ目で本編イベント【四】へ(その場合キャラは固定)


判定直後

ほい

>>544 コンマ:1 失敗

 結局、時間を潰しているだけになってしまった。

 まあ、たまにはこんな時間も良いだろう。

 最近は、誰かと常に一緒にいる様な状態だったしな。

 そんな事を思うと、ふと過去の自分は常にそうだったのだと思って吹き出しそうになる。

零(……変われてるんだな、俺も)

 鼻を小さく鳴らして笑いを溢し、そのまま地底の出口を向いて、宙へと飛ぶ。

 帰ろう。そろそろ、夜だ。霊夢に怒られたくないしな。


―博麗神社(夜)・自室―

 さてさて、夜だ。

 昨日の様な心臓に悪い事が無いように祈りながら、それでも少しは有ってもいいかな、と思いつつ布団の上に胡座をかく。

 遠くから、風鈴の鳴る音が聞こえる。

 蝉時雨も、気付けば静かになったものだ。

 ……秋、か。

零「それはともかくとして」

 さて、これからどうするかな。

※夜はどうする?

1:霊夢に会いに行く
2:天子に会いに行く
3:月見酒(判定有り)
4:その他(行動表記)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

0・ゾロ目でサブイベント有り

3

>>549 選択:3 月見酒



 久々に、月を愛でる事にした。

 台所から瓶子と盃を取り出して、縁側に向かう。

 並々と注ぐ酒に、朧月が映る。

零「この酒もまた、量が心許なくなってきたな……」

 とはいえ、鬼から見た感想であるけれど。

 萃香の残していってくれた酒も、そろそろ飲むのを自重を掛けるべきか。

零「……この空もまた」

 萃香は見ているのだろうか。

 歪みに苦しんでいるのだろうか。

 瞳を瞑り、盃に唇を当てて酒を飲む。

零「……今宵の月を何処で愛でようか、か」

 そんな、ふと思い付いた呟きをポツリと漏らす。

※判定
コンマ一桁5以上で誰かが来る

0・ゾロ目で本編イベント【四】へ(その場合キャラは固定)

判定直後

ほい

>>553 コンマ:1 失敗

 月を愛でながら、ゆっくりと盃を傾ける。

 ああ、酒をただ飲むだけ。

 どうも、最近酒が不味くて感じて仕方がない。

 ……カカ。独りで飲んでるからなのだろうか。

 寂しがってるとでも言うのだろうか。

 ……あの日溜まりまでは、まだ、遠い、か。

※リザルト

名前:鎌足 零
読み:かまたり ぜろ
二つ名:博麗神社の守護鬼
能力:陰陽を操る(歪める)程度の能力
種族:妖怪(鬼)
危険度:激高
人間友好度:普
精神:7
潜在能力:9
汚染度:5(まともでいる方がおかしい)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
彼の能力は、本来陰気の塊である妖怪が人間側の力の行使を可能とする。
陰気を、陽気へ。其れ故に、私は陰陽を操る(歪める)程度の能力と呼んでいる。
そも、我々は皆根源に太極図を持っている。
彼はそこへの干渉が可能だと思われる。
かつては人間嫌いであった。巫女との交際の噂が立っているが真偽は不明。
しかし、それでも歪み付きであるため、容易に近づくべからず。
以前ほどのささくれ立った雰囲気は消え去っている。
歪みの其の先へと越える事を望んでいるとのことらしい。


特殊設定

■■
■■■■■■
効果:戦闘時の判定に+2  殆どの相手から-補正を受けない

歪み付き
あなたは歪みを持っている。困っている相手を放っておけない。何をしてでも助けようとするが、その手段は――
使えば使う程その侵食が進み最終的には理性を持たぬ異形と化してしまうが、より強い力を得られるだろう。
だが、条件をクリアすると……?
効果:戦闘時の判定に+2(汚染度により変化) 特殊パラメータ『汚染度』追加

変身
あなたは特定のアイテムを所持している。そのアイテムを使い、変身することができる。
その使い方で、あなたは悪にも正義にもなれるだろう。
ただし、他の所持している戦闘補正スキルの補正は無効になる。

「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

現在成れる形態
形態:夜叉
所謂【通常】形態。額に二本の角を持つ、青い装甲の鬼装。両肩に角が二本ある。
効果:戦闘判定に+2 3ターン、もしくはファンブルで変身解除
形態:宿儺
所謂【強化】形態。両肩の角が鬼面に代わり、背中に二本の腕が追加される。
効果:戦闘判定に+3 2ターン、もしくはファンブルで変身解除

持ち物

アークル(覚醒):変身ベルト。謎の文様と石が付いていおり、使用すると仮面の戦士・ヤキシャへと変身出来る
ヴィンテージワイン(白):最高級品だが、味は不明。銘にはラテン語でカロルス・マグヌスに捧ぐと書かれている。誰かに渡すことが出来る。

相関図
『博麗神社』
博麗 霊夢:零の為に、出来ることがあるはずだから※恋仲
伊吹 萃香:この苦しみを、零も味わっていたんだな……※歪
『妖怪の山』
射命丸 文:……馬鹿な方です。だからこそ、信じているわけですが
姫海棠 はたて:災厄の異端が、何をいけしゃあしゃあと……
『旧地獄』
星熊 勇儀:かつての日々、か。……任せたよ
古明地 こいし:ちぇ、悔しいなー
『人間の里』
稗田 阿求:大丈夫。私は貴方の味方です
『緋想天』
比那名居 天子:遅かったんだ。きっと、私は
永江 衣玖:後は任せましたよ
『魔法の森』
アリス・マーガトロイド:どうしてそんなモノを宿しているの?
森近 霖之助:成程。彼が……
『八雲家』
八雲 紫:欲しいのよ、貴方が※歪
八雲 藍:まあ、良い方ですよね
『命蓮寺』
多々良 小傘:鬼はこれだから嫌になるんです
雲居 一輪:何故、鬼が明王の呪法を……?


※■■判定

7以上で誰かの現在を見れます

判定直後

あう

※コンマ大低空

>>558 コンマ:2 失敗

三十九日目

 ―博麗神社(朝)―

 朝だ。昨日はあのまま、縁側で眠ってしまったらしい。

 いけない、いけない。とりあえず片さなければと思って出していた瓶子や盃を台所へと持っていく。

 つまみもなしに飲むからこうなるのだ。

 俺も、萃香の事を兎や角言えんな。

零「ん、んーっ」

 背筋を伸ばし、あくびを噛み殺す。

 さて、朝はどうしたものか。

※選択
1:霊夢を起こす
2:天子を起こす
3:朝飯を作る(霊夢か天子を誘えます)
4:出かける(移動選択肢再出)
5:その他(内容明記)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

1

>>563 選択:1 コンマ:ゾロ目 サブイベント

※さっき大低空と言ったな。あれは嘘だ

 今から自室に戻るのも、なんだ。

 霊夢でも起こしてやるかな。

 料理に変わって、これが最近の日課になっている様な気もする。

 そんな事を思いつつ、霊夢の部屋へ向かうと。

※判定
1程起きてる 9程寝ている 0・ゾロ目で……?

判定直後

 

ほい

>>567 コンマ:3 寝坊助

零「おい。起きろ、おい」

 部屋に入り込んで、声を掛ける。

霊夢「……零?」

零「もう朝だぞ。そろそろ起きろ」

 まあ、普段の時間からしてれば若干早いくらいではあるだろうが。

霊夢「……ねむい」

零「起きろ。顔洗え」

霊夢「……めんど」

 眠気眼で目をこすりながら、上目遣いでかたことの霊夢。

 可愛い。

零「じゃなくてだな」

※コンマ判定

1:まだ寝る
23:手、つないで
456:だっこ
78:そぃ(抱き付き)
9:接吻
0・ゾロ目:ラキスケ

判定直後

はい

>>569 コンマ:4 だっこ

霊夢「だっこ」

 両手を開かれて、せがまれる。

 お前は童女か。

零「……どうしてもか?」

霊夢「だっこ」

 ……どうやら、どうしてもらしい。

 嘆息を吐きながら、俗に言うお姫様抱っこという抱え方をしてやる。

霊夢「……落ち着くわぁ」

零「……お前、実は起きてるだろ」

霊夢「……眠いけど」

 確信犯なのか?そうなのか?

霊夢「良いじゃない、別に」

零「……はいはい」

 そのまま、洗面所まで連れて行ってやった。



天子「……」

 一部始終を見て、天子は嘆息を吐く。

 その手には、握り拳。

 その瞳には、迷いと後悔。

天子「ダメよ、ダメ」

 ――だって、零が選んだのは霊夢で。

 ――私は、選ばれなかったのだから。

 抑え込む気持ち。

 決して、前に出せない気持ち。

 最近、決まって二人が仲良くしているのを見ていると胸がチクチクと痛む。

 それが決して良い感情ではないと知っているのに。

 それが、嫉妬だっていうのはわかっているのに。

天子「……私の、バカ」

 気付いていてからでは遅かったのだ。

 思い出してからでは遅かったのだ。

 もっと、早く自覚していれば良かったのだ。

 この恋は、絶対に実らない。

 なのに、どうして。

天子「私、嫌な子だ」

 ――ずっと一緒に居ようね!

 ――うん、当たり前だよ!!

 かつての日の約束を思い出して、彼の隣に自分が居ないことを、天子は苛んでいた。

※本編イベント【四】のフラグが立ちました

※以降、天子を誘って例の跡地に向かうとイベントが起きます。

ここからハーレム可能?

>>575 やり方次第。というか、考えてるENDが既に擬似ハーレムに近い


―博麗神社(昼)―

 何時も通り、騒がしい朝食を終えてからの小休止の時間。

 熱い緑茶が、身に染み渡る。

零「はー、やっぱ落ち着くなぁ」

 どこぞの年寄りの様な感想である。

 が、もう千年以上生きている身だ。

 体は少年か青年くらいであるが、精神は老け込んでいるのかもしれない。

 いや、若い連中には負ける気はしないけれど。

 というか、この歳で色恋が初めて、というのも少々問題があると思うが。

零「いや、まあそんなことはどうでも良い」

 この疑問は不毛だと、即座に切り捨てる。

 さて、これからどうするか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:霊夢と一緒に居る
9:天子と過ごす
10:八雲家へ


安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【四】へ
天子と過ごすを選択した際、どこへ向かうかで本編イベント【四】へ


>>579 選択:1 旧都へ

 ―旧地獄(昼)・旧都―

 昨日の今日であるが、この地である。

 もう、空でここを歩き回れる位、来ている気がする。

 ……実際、時間を潰すにはうってつけの場所だろう。

 霊夢を連れてきた場合、どうなるかはわかったものじゃないが。

零「さて」

 露天を冷やかしながら散歩する。

 そんな事をしていると――。

※判定
コンマ一桁5以上で誰かと遭遇

0・ゾロ目で本編イベント【四】へ(その場合キャラは天子固定)

判定直後

ほい

>>583 コンマ:1 失敗

 ――誰とも会うことなく、腹の虫が昼過ぎを告げた。

 どっかの定食屋にでも行って、腹を満たすかな。

 さて、どこにするか。

※あ、襲撃のシステムすっかり忘れてた。次回から入れよう


―旧地獄(昼2)・旧都―

 腹も満たしたところで、これからどうするかを考える。

 歪みについては既に考え尽くした感があるし、紫の言うことを鵜呑みにするならば俺の望みがブレなければそれで良いと言っていた。

 ……まあ、それでも、何か出来る事があるかと言えば、無いわけだが。

零「歯痒いな」

 ああ、歯痒い。

 何か出来る事がないかと、探しても見つからないことが。

 今でも萃香が苦しんでいるだろう状況が。

 クソ、無意味にイラついても仕方ないっていうのに。

 ああ、とりあえず、これからどうすっか。

※選択

1:旧都に留まる
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に戻る
9:八雲家へ


安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【四】へ
採用されたレスのコンマが1で襲撃イベント

8

※人が少なくなってきたようで

>>587 選択:8 博麗神社に戻る

 ―博麗神社(昼2)―

 結局、ここに戻って来るわけで。

 博麗神社。

 ああ、本当に暇ならいっそのこと昼寝でもするべきだろうか。

 ……なんて、現実逃避も良い所なんだよな。

 嘆息を吐いて、賽銭箱の横に座る。

※登場判定
5以上で誰かが来る

判定直後

はい

>>592 コンマ:ゾロ目

※ゾロ目ェ……!

※本編イベント【四】を開始します

天子「……溜め息なんか吐いてると、幸せが逃げるわよー」

 後ろから、俺の肩を掴んだ天子が俺の顔を覗き込んで来る。

零「天子、か」

天子「なによー、この天子様がせっかく声を掛けてやったって言うのに」

零「うっせーよ。つか、重いから寄りかかるの止めろ」

 膝を立てて座る俺、その上に乗る天子の図がそこにある。

天子「あいっかわらず、そういう所のデリカシーがないわね」

零「……んで、何の用だ?」

天子「用が無くちゃ話しかけちゃダメ?」

 ……別に、そういうわけじゃあないけどさ。

天子「霊夢とは人目を憚らずにイチャつく癖に」

零「自重するように心掛けてるっつの」

天子「今朝だってイチャついてた」

零「……見てたのかよ」

天子「たまたま、ね。その前も、ここでデートの約束してたでしょ」

零「……お前」

 おい、待て。その時お前の気配なかったぞ?

天子「意外と、見えてるもんよ。まあ?この尊大な天子様がそんな些細な事を咎めるわけがないけど」

 その言葉に、片眉を顰ませる。

 何か、違和感があるような気がする。

天子「零もさ、気をつけた方が良いよ。霊夢、あんたに心底ゾッコンみたいだし、隙あらばイチャつきたいと思ってるみたいだし」  

零「おい」

天子「零が自重した所で、霊夢が自重しなかったら意味無いよねー。あはは、笑える。そういう面でも、零がしっかりしないとさ」

零「天子」

天子「駄目だよー。零は何だかんだで優しいんだから、ちゃんと厳しくする様にもしないとさー。じゃないと、依存されちゃうよ」

零「天子ッ!!」

天子「な、何よ、零。そんな怒鳴らなくても良いじゃん。私、何か悪いことした?」

零「お前……」

天子「悪いことしたなら、謝るからさ。ほら、ごめん!」

零「」

選択
1:お前、何イラついてんだ?
2:霊夢と何かあったのか?
3:それ以上、言うな
4:その他(内容明記)

安価↓5

1

※台詞考えてくれてもええんやで……?

>>599 選択:1

零「お前、何イラついてんだ?」

 明らかに、今のは様子がおかしかった。

 幾ら鈍感だ、気持ちへの機微に欠けるだと言われる俺でも分かる。

零「今日のお前、何か変だぞ?」

天子「そ、そう……?」

零「ああ。何かあったなら、愚痴でも何でも――」

天子「じゃあ、何で気付いてくれないの?」

 そう言って、帽子を取る天子。

 長く、細い青色の髪が風に揺れる。

天子「何で気付いてくれなかったの?」

零「……お前の言ってる事の意味がわからねえよ」

天子「嘘。それ、絶対に嘘。だって、忘れるなんて嘘だもん。君が、忘れるだなんて、嘘だもん」

 そう言って、天子は服の裾を握り締めながら俯く。

天子「……そりゃあ、忘れてた私がいけないんだけどさ。でも、やっと思い出した時にはもう遅くて」

零「……おい」

 その口振りだと、お前。

天子「君は霊夢を選んだ。君の隣に何時も居たのは、彼女だったから」

零「っ……」

 胸が、キツく締められる。

天子「負け犬の遠吠えだけど。そう思われても仕方ないけど」

 涙が、彼女の頬を伝っていく。

天子「ずっと一緒だって、約束したじゃん、零ぉ……」

零「……地子」

 自然と、天子の――地子の名前を、呟く。

天子「言えなかった。言い出せなかった。だって、こんなの卑怯だもん。萃香が居なくて、霊夢もわかりやすいし、それで私が名乗り出たら、そんなの卑怯だと思った」

零「……なんで」

天子「でも、こんな状況になってから、それでも私は、君が好きだったって、更に強く思ったんだよ。抑えられるわけないじゃん!一つ屋根の下で一緒に暮らしてるのに、我慢出来る方がおかしいよ!!」

 自然と、地子の声が大きく荒れていく。

零「……なんで、今更」

天子「今更……。そうだよ、今更だよ。今更なのよ!今更になって、こんなこと言って、勝手にイラついて、本当、バカみたいじゃん……」

零「……地子」

天子「優しくしないでよ!そこは叱ってよ!!拒絶してよ!!この卑怯者って!!このバカ天人って!!」

 そんなこと、出来る筈がなかった。

零「なあ、地子」

天子「ばかまたり!こんなことなら、思い出さない方が良かった……」

零「聞けよ、このバカ天人!!」

 今度は、俺が声を荒げる。


零「うだうだと垂れ流しに聞いてりゃあ、何だそりゃあ!俺が何時、お前を蔑ろにしたよ!!」

天子「してるよ!!でも、仕方ないじゃない!だって、君は霊夢と恋人になったんだから!!」

零「それでも俺は、約束を忘れた日なんてなかったぞ!!」

天子「それが、今更なのよ!」

零「それに、俺はお前にも傍に居てほしいと思ってる!!」

天子「なにそれ、二股宣言?バカにしないでよ、そんなの私嫌だよ!霊夢にだって失礼だ!!」

零「そういう意味じゃねえよ!!このバカ!!」

天子「バカ!!?どっちの方がバカよ、この鈍感!!唐変木!!」

零「この、人が気にしてる事を……!!」

天子「はい、これで私の勝ち!!これでお話は終わり!!」

零「いや待てやゴラァ!!何勝手に終わらせようとしてんだこのアマ!!」

天子「終わり、終わりなの!!終わらせないと、ダメなのよ……」

零「いいや、終わりじゃねえ。俺はまだ言いたい事が残ってるからな」

天子「ダメ、ダメ!それ以上言わないで!もう、止めて……!!」

零「なあ、地子――」

※選択
1:今まで、辛かったんだろ。気付いてやれなくて、本当に、すまん
2:お前は、俺の、大事な日溜まりの一員なんだ。だから、そんな泣かないでくれよ
3:その他(内容表記)

安価↓3

>>604 選択:2



零「お前は、俺の、大事な日溜まりの一員なんだ。だから、そんな泣かないでくれよ」

 零の手が、私の目尻から涙を拭き取る。

 それってつまり――。

天子「……大事な」

零「ああ。お前は、俺の大事な『仲間』なんだ。誰一人として、欠いちゃいけないんだ」

天子「……そっか」

 そうだよね。わかってた。ずっと、わかってたんだ。

 零が私を思ってくれる理由は、それなんだ。

 優しくしてくれる理由もそれなんだ。

 全ては、あの日々に繋がってる。

零「……お前の気持ちには、応えてやれん。正直、最低な話をしてると思ってる」

 そうだよ、最低だよ。

 女の子の好意をふっておいて、それで、大事な仲間だなんて。

零「虫の良い男だ、と思われるかもしれない」

天子「それでも、君は」

零「ああ。……俺は、あの日溜まりを取り戻したい。そう、心の底から願っている」

 それが、零の願いで、彼の起源。

 知ってるよ。だって、その中に私は居たのだから。

 知ってるよ。だって、君を連れ出したのは私なのだから。

零「……地子」

天子「その名前で、呼ばないで」

 もう、千年近く、あれから経っちゃったもの。

 零がどんな風な生き方をして、どんな風に成長してきたのかを、私は知らないから。

天子「……君は、変わっちゃったね」

零「……ああ、お前も、随分と変わっちまった」

天子「昔はもっと、可愛げがあったのにな」

 ――今は、断然かっこよくなっちゃって。

零「お前こそ、随分わがままになった」

天子「それに、全然素直じゃなくなってるし」

 ――でも、優しい所は変わらない。

零「でも、昔よりも可愛くなったし、綺麗になった」

天子「そういう発言は、浮気になるわよ?」

 ――でも、凄く嬉しい。

零「……せっかくの機会だしな。言っておかないと、と思ってな」

天子「まったく……」

 ――そういうところは、男の子してるんだから。

天子「……零」

零「なんだ?」


天子「私、天界に帰るね」

零「……大丈夫なのか?」

天子「何か言われても、実力行使で押し切る。もう、お父様の過保護さにはうんざりしてたし」

 ――だから、ここから、変わろう。

零「……心配だな」

天子「何よ、これでも結構強いんだからね」

零「へいへい。そうですか」

天子「あー、信じてないな!」

 ――かつての地子(自分)に、さよならを。

零「……でもま、攫って来たのは俺だし。謝りに行かないとな」

天子「その時には、彼氏として紹介してあげてもいいわよ?」

零「……そいつは、質の悪い冗談だ」

 ――かつての地子(自分)に、決別を。

天子「私が、頑張るんだから」

 ――ばいばい、幼い頃の地子(想い)。

天子「あん、たも、絶対……!やり、遂げなさい!!」

 ――ばいばい、人間の頃の地子(思い)。

零「ああ。魂はもう、霊夢に賭けちまったが。……この思いに、誓ってやる」

天子「そうよ、この、天子様を、ふったんだから……!!ちゃんと、掴まないと!!」

 ――ばいばい。私の初恋。

天子「許さないんだから!!」

零「……天子。ごめんな。そして、ありがとう」

天子「バカ!この、ばかまたり!!絶対後悔させてやるんだから!!」

 ――そうして、私も変わろう。

 ――今からでも、彼の様に。

 ――強く、優しくなろう。

零「はいはい。やれるもんなら、やってみろや」

天子「う、ひっく……!うう……!」









                       「うわああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」


 神社の縁側から風鈴の音が鳴る。

 近くの林から、ひぐらしが静かに鳴いている。

 晴天の続く、夏の終わりの頃。

 背中を軽く叩く彼の手は大きくて。

 彼が隣に居てくれるだけでも安心出来たけど。

 それだけで私は、この涙を押さえきれなくて。

 その涙がこの思いを洗い流すかの様に。

 幼い頃に抱いた、その残滓の様で本物だと思えた私の初恋は。

 ――ここに、終わりを告げた。


※本編イベント【四】達成
※博麗神社から天子が去りました


※本日はここまでです。お付き合いいただき、ありがとうございます。

 では、お疲れ様です。

※追記

定番で使い古されているかもしれませんが、この曲を置いていきます

夏影 -summer lights-
http://www.youtube.com/watch?v=KmNmW0JBSDg

では、おやすみなさいませ


23:30頃に再開します


 サイカイスルノディス!!


 ―博麗神社(夕方)―

 鴉の鳴く声の響く夕暮れ。

 天子を見送ってから、俺はその場で暫く呆然としていた。

 ……ずっと一緒に居ようね、か。

零「ガキの頃は、ああ、何も知らなかったから」

 しかし、現実を知った。

 天子の奴があれからどういう風に生きてきたかは、俺が知る由もない。

 あの頃を忘れざるを得ない状況になっていたのか、それとも忘れさせられたのか。

 ……あれから、千年も経ってるってのに。

零「……ああ、良い奴だよ、ホント」

 俺には勿体無いくらいに、良いやつらばかりが周りに居る。

 俺が出来る事は何だろうか。

 俺がしてやれることはなんだろうか。

 俺には、その手段が思いつかない。

零「……とりあえずは」

 歪みを越えてから、だ。

 それが終わったら、それから考えよう。

 さて、これからどうするかな。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に残る
9:八雲家へ


安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目でサブイベ
採用されたレスのコンマが1で襲撃イベント

※零君!霊夢関連のコンマを歪ませるのはやめなさい!!



霊夢「あんたも、罪な男ねー」

零「……なんだよ、藪から棒に」

 賽銭箱の隣に座り続けて居れば、いつの間にかやって来た霊夢がそんな事を言う。

 罪な男、ね。

零「どれだけ積み上げて来たかも、わかんねえよ……」

霊夢「言葉通りに受け取るな、バカ」

 軽く、後頭部を小突かれる。

零「……どういう意味だよ」

霊夢「天子と何かあったでしょ」

 ……ああ、成程。

零「何か聞いたのか」

霊夢「清々しい程の笑顔で、振られたって言ってたわ」

 ……あいつ。

零「……恨んでくれても、良いはずなんだけどな」

霊夢「そんなことになったら、私が怒るわよ」

零「……それは困る」

 ああ、困る。二重に困る。

 どっちにしろ困る。

零「……救われるのは、慣れないなぁ」

 今後あいつには、頭が上がらんだろう。

霊夢「結局は」

零「あ?」

霊夢「天子は、あんたが探してた『地子』って子だったの?」

※返答選択

1:ああ、そうだったよ
2:……いいや、他人の空似だったわ
3:そうだったけど、違ったわ

安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

3 いや、俺もあいつも『変わってた』………それがいい事か悪い事かはわからんな

>>629

零「……そうだったけど、違ったわ」

 空を眺めながら、呟く。

霊夢「……何よそれ」

零「地子はもう、居ないってこった」

霊夢「それは、どう言う意味で?」

零「……さあな」

 地子は天子だった。天子は地子だった。

 変わっていた。既に彼女は、『天子』になっていた。

 人間の地子はもう居ない。

 天人の天子へと変わっていたから。

零「……昔みたいに、出来るかわからんな」

 知ってしまった事は、仕方ない。

 だから、これから何が出来るかが問題で。

霊夢「……あんた、前からわかってけどバカでしょ」

零「んだよ」

霊夢「いや、何面倒な方に考えを倒錯させてるのよ」

零「そんなつもりは……」

 ない、筈なんだが。

霊夢「というか、あんたがそんな調子でどうするのよ」

 ……。

霊夢「あんたはあんたの言う日溜まりを再び手にするんでしょ?」

零「……霊夢」

 励まして、くれているのか。


霊夢「だったら、その為にまずは邁進してみせないさいよ。何時ものあんたで、やってみなさいよ」

零「何時もの自分……」

 ああ、そう言えば言われたな。

零「やり遂げなさい、か」

 ……ついさっき、そう言われて誓ったばかりじゃないか。

零「……カカ、本当に俺は、馬鹿だ」

 別に、思い悩んで暗くなるつもりはなかったんだがねぇ。

 どうやら自分にとって先の天子とのやり取りは、結構来るものがあったようだ。

零「……霊夢」

霊夢「何?」

零「俺の日溜まりに、お前も居てくれよ」

霊夢「寧ろ、私が中心じゃないの?」

 ……ははは、そうだわなぁ。

零「お前の事、好きになって本当に良かったわ」

霊夢「な、ななな何よ!藪から棒に!!?」

 隣で支えてくれる奴が居る。

 一緒に笑ってくれる奴が居る。

零「言いたくなっただけだ、気にするな」

霊夢「は、はぁっ!?」

 萃香を救って、歪みを越えて。

 かつての日溜まりを再び手にする。

 ――いや、違うな。

零「かつてよりも温かい、日溜まりを作ろう」

 そうだ。昔に何時までも囚われるわけじゃあなく。

 先に、前へ。

 霊夢が居て、萃香が居て、天子が居て、こいしが居て、勇儀も誘って。

 文とか、これから出会うかもしれない誰かをも照らせる場所を。

これもう立派なギャルゲ(絵rゲ)だよね。一つ買おうか


―博麗神社(夜)・自室―

 天子の居ない食卓は、何時もより静かだった。

 しかし、それで寂しいというわけではない。

 ……いや、若干そう思う所もあるけど。

 あの時とは、違う。会おうと思えば、また会えるのだから。

零「上手くやれてるよな」

 唯一の心配は、父親や衣玖さんとぶつかっていないだろうかということくらいか。

 まあ、あいつのことだ。

 芯の強さで何とかしていることだろう。

零「さて」

 夜だ。これからどうするかな。

※夜はどうする?

1:霊夢に会いに行く
2:月見酒(判定有り)
3:その他(行動表記)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

0・ゾロ目でサブイベント有り

>>634 選択:1



霊夢「結局さ」

零「なんだ?」

霊夢「二人きりになっちゃったな、と思って」

 霊夢の部屋に行って、にべもない会話をしていた時。

 急に、そんな事を口にするものだから、驚いた。

零「う、うっせーよ。気にしないようにしてたのによ……」

霊夢「私は別に構わないんだけど」

零「恥ずかしいから、止めろ」

霊夢「……良い加減慣れなさいよ」

 いや、こればかりは、ちょっと、流石になぁ?

零「元々免疫が無いんだ。そこは、察してくれ」

霊夢「……あんたの初心さは底知れないわね」

 俺だって、ここまで苦手だとは思ってなかったさ。ああ、本当に。

 このままこの話を続けると、嫌な話題になりそうだ。

 何か話題を変えよう。そうしよう。

※自由安価(内容明記)

安価↓3

そろそろこの演劇に幕を下ろす準備を(つーかもう終わるよね?)……って事で『決意を表明』

近い将来遠い未来、とにかく幸せな計画を立ててみる


>>642

零「なあ、霊夢。この問題が終わったら、何か思い出を作ろう」

霊夢「思い出?」

零「ああ。一生忘れられないような、そんな思い出を一緒にさ」

 俺にとって、あの日溜まりの様な日々がそうである様に。

 霊夢にも、そう思える様な日々を感じて欲しい。

零「釣りしたり、宴会したり、喧嘩もするかもしれねえけど、その後一緒に笑ったりしてさ」

霊夢「……なんというか、平穏そのものね」

零「それが良いんだよ。……それで、暫くしてから、ああ、そんなこともあったな、なんて酒の肴にするんだ」

 天子とも、萃香とも、勇儀とも、文とも、それをしてみたい。

 あいつらとは、古く長い付き合いだ。

零「何より、俺がお前と一緒にそういう風に過ごしたい」

霊夢「結婚は?」

零「……お前が、そう望んでそう成れるなら」

 ボソッと、そっぽを向きながら答えを口にする。

霊夢「その調子だと、まだまだ先になりそうね」

零「うるせえ!」

 そういうのは、もっと付き合いを重ねてからだ。

零「……でもまあ、遠い将来、そう成りたいな」

霊夢「だったら、零の心をずっと掴んでおかないとね」

零「そうするまでもないと思うんだが……?」

 寧ろ、その心配の方が余計だと思う。

霊夢「だって、あんた好かれるんだもの」

零「誰に?」

霊夢「女の子に」

 ……そういう自覚はない、んだが。

零「天子にも言われたな」

霊夢「……だから、時々怖いのよ」


 怖いって、お前。

零「俺がお前以外に靡くとでも?」

霊夢「……今は良いかもしれないけどさ」

零「……大丈夫だよ。俺は、お前に魂を掛けた」

霊夢「そういう問題でもないんだけど……」

零「信頼してくれないのか?」

霊夢「信頼してるけど……」

 なら、それで良いだろ。

霊夢「うう、あんたが他の女の子と凄い仲良くするからでしょ!?」

零「お前以外を恋人にしたいとは思ってないけどな」

霊夢「そういうことをシレっと言わないで!!」

零「……なんなんだよ」

霊夢「ああ、もう……。私が馬鹿みたいじゃないの」

 ……いや、何なんだよ、ホント。

霊夢「……将来、か」

零「……どうなるか、わからないけどな」

 それでも、前の事を、先の事に胸を膨らませるのは良いことだと思う。

 種族が違う故に、何時か別れの時は訪れるかもしれないけれど。

 ……それでも、これからずっと。

 隣に立って、笑っていて欲しいと俺は思う。

※リザルト

名前:鎌足 零
読み:かまたり ぜろ
二つ名:博麗神社の守護鬼
能力:陰陽を操る(歪める)程度の能力
種族:妖怪(鬼)
危険度:激高
人間友好度:普
精神:7
潜在能力:9
汚染度:5(まともでいる方がおかしい)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
彼の能力は、本来陰気の塊である妖怪が人間側の力の行使を可能とする。
陰気を、陽気へ。其れ故に、私は陰陽を操る(歪める)程度の能力と呼んでいる。
そも、我々は皆根源に太極図を持っている。
彼はそこへの干渉が可能だと思われる。
かつては人間嫌いであった。巫女との交際の噂が立っているが真偽は不明。
しかし、それでも歪み付きであるため、容易に近づくべからず。
以前ほどのささくれ立った雰囲気は消え去っている。
歪みの其の先へと越える事を望んでいるとのことらしい。


特殊設定

■■
■■■■■■
効果:戦闘時の判定に+2  殆どの相手から-補正を受けない

歪み付き
あなたは歪みを持っている。困っている相手を放っておけない。何をしてでも助けようとするが、その手段は――
使えば使う程その侵食が進み最終的には理性を持たぬ異形と化してしまうが、より強い力を得られるだろう。
だが、条件をクリアすると……?
効果:戦闘時の判定に+2(汚染度により変化) 特殊パラメータ『汚染度』追加

変身
あなたは特定のアイテムを所持している。そのアイテムを使い、変身することができる。
その使い方で、あなたは悪にも正義にもなれるだろう。
ただし、他の所持している戦闘補正スキルの補正は無効になる。

「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

現在成れる形態
形態:夜叉
所謂【通常】形態。額に二本の角を持つ、青い装甲の鬼装。両肩に角が二本ある。
効果:戦闘判定に+2 3ターン、もしくはファンブルで変身解除
形態:宿儺
所謂【強化】形態。両肩の角が鬼面に代わり、背中に二本の腕が追加される。
効果:戦闘判定に+3 2ターン、もしくはファンブルで変身解除

持ち物

アークル(覚醒):変身ベルト。謎の文様と石が付いていおり、使用すると仮面の戦士・ヤキシャへと変身出来る
ヴィンテージワイン(白):最高級品だが、味は不明。銘にはラテン語でカロルス・マグヌスに捧ぐと書かれている。誰かに渡すことが出来る。

相関図
『博麗神社』
博麗 霊夢:零の為に、出来ることがあるはずだから※恋仲
伊吹 萃香:この苦しみを、零も味わっていたんだな……※歪
『妖怪の山』
射命丸 文:……馬鹿な方です。だからこそ、信じているわけですが
姫海棠 はたて:災厄の異端が、何をいけしゃあしゃあと……
『旧地獄』
星熊 勇儀:かつての日々、か。……任せたよ
古明地 こいし:ちぇ、悔しいなー
『人間の里』
稗田 阿求:大丈夫。私は貴方の味方です
『緋想天』
比那名居 天子:――ばいばい、私の初恋
永江 衣玖:後は任せましたよ
『魔法の森』
アリス・マーガトロイド:どうしてそんなモノを宿しているの?
森近 霖之助:成程。彼が……
『八雲家』
八雲 紫:欲しいのよ、貴方が※歪
八雲 藍:まあ、良い方ですよね
『命蓮寺』
多々良 小傘:鬼はこれだから嫌になるんです
雲居 一輪:何故、鬼が明王の呪法を……?


※キリが良いので今日はここまで。明日は出来ないです。

 出来れば明後日の夜にやります。

 お付き合いいただきありがとうございます。

 お疲れ様です。


 そんな結末は認めないで寿命迎えてない尼僧がいるくらいだからなぁ。

 命題ではあるけれど、そう心のそこから思うのかどうかが問題だろうが。

 23:30から再開します


 人が居れば嬉しいものです。再開します


※■■判定

7以上で誰かの現在を見れます

判定直後

ほい

>>655 コンマ:1 失敗

 ―博麗神社(朝)―

 最近は、夢を見ることがない。

 特に何かあるわけじゃあないけれど、ふと気になると思うことでもあった。

零「……ま、どうでもいいことでもあるけれど」

 夢、というのは記憶の反芻であるとされている。

 最近見ていた夢は、もう数百年と昔のことであったけれど。

 それで思い出す事も多かったわけで。

零「……何を言っても仕方ねえか」

 さて、これからどうするかな。

※選択
1:霊夢を起こす
2:朝飯を作る(霊夢を誘えます)
3:出かける(移動選択肢再出)
4:その他(内容明記)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

 

誘って2

>>657 選択:1

 霊夢を起こしに行くことにする。

 さて、今日は大人しく寝ていれば良いんだが……。

 いや、別に起きていてくれてもいいだけどさ。

 特に何をしてやろう……という企みが無いわけじゃないけど。

 襖を開けて、中へと足を進め――。

※判定
1程起きてる 9程寝ている 0・ゾロ目で……?

判定直後


 

にゃは

>>663 コンマ:5 丁度寝起き

霊夢「……ちょっとそこで待ちなさい」

 ――ようとした所で、声を掛けられた。

霊夢「ふぁあ。おはよう、零」

零「何だ、起きてたのか。おはようさん」

霊夢「あんたが入ってきた時、丁度ね」

 ああ、成程。襖を開く音で起こしちまったのかな。

霊夢「……まったく、何するつもりだったの?」

零「さあ、何をするつもりだったかな」

 特に何も考えてはいない。

 さて、何か話せるだろう。どうするかな。

※自由安価(内容明記)

安価↓3


 あ、間違えてる。書き直します。申し訳ない


 霊夢を誘って、朝飯でも作ろうかと思う。

 少し日が上がって来た所で彼女の部屋に行くと、丁度部屋から出てくるのを見つけた。

霊夢「あら、おはよう」

零「おはようさん。お前も早起きだなぁ」

霊夢「誰かさんが何時も起こしに来るからね」

零「カカッ、健康に良いじゃないか」

 霊夢から冷ややかな呆れた様な目線を向けられる。

 悪いことしてるわけじゃないだろ?

霊夢「……まあ、良いわ。それで?」

零「ああ、一緒に朝飯でも作ろうかと思ってな」

霊夢「あら、珍しいわね」

零「たまには、な?」

 お互い料理ができるのだから、そうしても良いだろう?

 というわけで、二人で台所に立つことになった。




 包丁の軽快な音と、水の煮える音と、食材を焼く火の音の三重奏。

 朝飯なのでそこまで気合を入れてはいないが、二人でここに立つというのは新鮮な気持ちである。

零「楽しいな」

霊夢「楽でもあるわねー」

 役割を分担しているわけだから、そりゃあそうだわな。

霊夢「あ、塩取って」

零「はいよ」

 棚から塩の入った小瓶を取って渡す。

 こうして、着々と朝飯は出来上がっていく。

※判定
コンマ4以下でハプニング

判定直後

ほっ


>>669 コンマ:3 ハプニング発生

※自由安価
何が起きた?

安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

コスプレ風味な偽ヤキシャ登場

>>671

 台所に備え付けてある窓を何となく見てみると、どっかで見たことのある何かが居た。

霊夢「ちょっ」

零「……何だアレ」

 怪訝な目で、俺が変身した時の姿の様な何かを見据える。

 何かを探している様な、挙動不審な動きでどんどんこっちへと向かって来ている。

零「霊夢さん」

霊夢「何ですか、零さん」

零「あれ」

霊夢「好きになさい」

零「はい」

※選択
1:何となくむかつくので退治
2:どうでも良いので無視
3:その他(再安価)

安価↓3

※人いないようですね。
 ちょっと疲れているので今日はここまでで。
 お疲れ様です。

 安価なら↓

2


※すいません、今日は出来ないので明日やります。出来れば昼ごろからやります


※昼には出来ませんでしたが、これから再開しようかと思います。

※ウチの需要も無くなってきたようですし、ひっそりとやっていきましょうかねー

>>677 選択:2

 とはいえ、あんなもん妖精の悪戯かなんかだろう。

 実際、こっちに被害がないのだからどうでも良いし無視を決め込むことにした。

 朝食は、言わずもがな完璧な出来栄えだった。

 ま、霊夢と一緒に作ったのだ。失敗するなんてありえないわな。


―博麗神社(昼)―

 後片付けを終えて、縁側で茶を啜る。

 今日は焙茶だ。緑茶と違った香ばしさが、これまた美味い。

 霊夢の奴は自室で何かしてるのか、朝食の後すぐに戻って行ったっけか。

 今朝の不細工な着ぐるみは一体全体なんだったのか、とも思うが。

 さて、これからどうするかな。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:霊夢と一緒に居る
9:八雲家へ


安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【五】へ
採用されたレスのコンマが1で襲撃イベント

8

>>686 選択:8



 霊夢が何かしているのであれば、手伝えないものかと思い立って部屋へと向かう。

 まあ、せめて茶くらいは持って行こうとも考え、台所で湯を沸かして急須に注いでからであるが。

 盆に二人分の湯呑も持ち、彼女の部屋の前に立つ。

零「おい、霊夢。今大丈夫か?」

 問い掛けるが、返事はない。

 今居ないのか、それとも聞こえていないのか。

※判定
3以下でお出かけ
0・ゾロ目で本編イベント【五】へ

判定直後

n

>>688 コンマ:3 お出かけ

 部屋を覗いてみたが、どうやら出掛けているようだ。

零「……出掛けるなら、一言くれてもいいじゃねえか」

 眉間に皺を寄せながら、台所へと踵を返して戻っていく。

 そうした後にまた居座るのは、縁側。

 風鈴の音を聞き、茶を飲みながら過ごす正午前。

 あいつが帰って来たのは午後を回った頃だった。

 どうやら、野暮用があってらしい。

 ごめんね、と素直に謝られたので許そう。うん。

―博麗神社(昼2)―

 少し遅い昼食を食べて、居間に寝転ぶ。

 残暑は相変わらず厳しく、油断すれば汗まみれになる今日この頃。

 じっとして居ると意味もなくダレてしまいそうなので、起き上がる。

 どっか行くか、それとも霊夢と過ごすか。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:香霖堂へ
7:妖怪の山へ
8:霊夢と一緒に居る
9:八雲家へ


安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【五】へ
採用されたレスのコンマが1で襲撃イベント
※11の場合は本編イベントへ

6

>>691 選択:6 香霖堂へ

―香霖堂(昼2)―

 理由も特になく、香霖堂へ。

 未だあのわいんは空けていないけれど、また何かないかなという感覚でここに足を運ぶ。

 暖簾を押して店内へと入れば、相変わらずごちゃごちゃとしていた。

零「綺麗にならんもんだねー、ここは」

霖之助「なら、買い取っていってくれても構わないんだけど?」

 ひょっこりと、店の奥から霖之助が出てくる。

 どうやら聞こえていたらしい。

霖之助「在庫処分は、まあ難しいからね。僕も困っていたところだ」

零「やめろその言い方。店ごとぶっ飛ばしかねないぞ」

 一瞬、俺の中で歪みがざわついたのは言うまでもない。

霖之助「おっと、それは御免被るかな。……所で、どうかな?何か目星いものでもあったかい?」

零「まだ来たばかりだっつの。録に見ちゃいねえよ」

霖之助「それはまた失敬」

 口ではああ言っているが、心ではそう思っていないのだろう。

 片目を瞑り、口角を上げている所を見る限りそう思える。

零「……何もなかったら買わんからな」

霖之助「僕はそれでも構わないけどね」

 ……食えない奴だな、お前。

※判定
6以上で何か発見

判定直後

くっ

>>695 コンマ:0

※0カヨォ!!

零「ん……?」

 何か、俺の中にある歪みに近い感覚を何処からか感じる。

 これは、店の奥からか……?

 後で霖之助にでも聞いてみるか。

零「それはそうとして」

 目の前には、別の掘り出し物っぽい何かがある。

※何を発見した?

安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用


 見た目は随分と大層な……絡繰の雲、という感想が出てきた。

 店の端に埋もれているこれだが、まあ、随分とまあ。

零「おい、霖之助。こりゃあなんだ」

霖之助「筋斗雲だね」

零「……?斗雲?馬鹿言うんじゃねえよ」

霖之助「あー、君の言っているのと違うものだと思うんだけど」

 この得体の知れない金属で出来た絡繰の何処が?斗雲なんだっつの。

霖之助「それ自体の名前が筋斗雲なのさ」

零「……随分と大それた名前だな」

霖之助「勿論、空も飛べるけどね。君には必要ないものだと思うよ」

 確かに、空を飛べる俺からしてみればそうかもしれないが。

 ヤキシャの状態だと、それが出来んからなぁ。

霖之助「どうする?それでもご購入していただけるかな?」

 そう言った後、霖之助は価格を表示する。

零「……ずいぶんと安値だな」

霖之助「僕にも必要ないものだしね」

※買う?買わない?

安価↓3で多い方を選択

選択:買う

 霖之助に代金を渡して、外へと運び出す。

 重いよー、とは彼の言葉だがこちとら鬼だ。そんじょそこらの妖怪と比べて欲しくはないものだ。

 さて、それはそれとして。

零「おい、霖之助。奥に何か新しいモノあんだろ」

霖之助「……よくわかったね。少し見てみるかい?」

 俺はそれに、首を縦に振った。




 店の奥。おそらく、この香霖堂の物置か何かだろう。

 その入口に立つ俺に、中へ入っていた霖之助が何かを持って出てくる。

霖之助「ちょっと置く場所がなくて店には置いてなかったんだ。これなんだけど」

零「……これまた」

 なんの運命の悪戯か。

霖之助「この前、少し散歩に出たときに拾ったんだ。どうだろうか、インテリアとして良いと思うんだけど」

零「やめとけやめとけ。つか、寄越せそれ。歪み付きだよ、そいつは」

霖之助「……やっぱりかい?」

零「何の因果で繋がってるのやら。この鬼面様はどうも俺の手元に戻って来るらしいな」

 霖之助の手から取って掲げて、この鬼面を見やる。

 八雲紫が作ったものか、萃香が持っていたアレか、それとも……。

零「これの処分は俺に任せな」

霖之助「……タダでかい?」

零「金は取らねえ、金を取らせねえ。……今回はそれで良いんじゃねえの?」

霖之助「まあ、危険なものならば」

 それも致し方ないか。

 そう言って、霖之助は溜息を吐いた。

※筋斗雲(メカ)を手に入れました
※鬼面を手に入れました


※最近疲れているのか眠くて仕方ない。寝落ちする前に、寝ます。お疲れ様です


※鬼だと思ったら斉天大聖だったでござる。まあ、明王の呪法使ってるしイイよね。

人いれば再開しまっせい

※ゆっくり再開しますね

―幻想郷(夕方)―

 試しに筋斗雲に乗って空を駆けてみたが、俺よりも早いけれど小回りが効かないという欠点があった。

 普段の状態ならば、使わなくても良いだろう。変身した時用の道具としておこう。

 とりあえずあの鬼面が再びこの手に戻って来たのは何かの兆候なのか、それとも偶然か。

 どちらにせよ、放っておくことはできない。これが害悪を振りまく前で良かった。

 さて、これからどうするかな。

※選択

1:旧都へ
2:旧地獄の繁華街へ
3:守矢神社へ
4:命蓮寺へ
5:人間の里へ
6:×
7:妖怪の山へ
8:博麗神社に戻る
9:八雲家へ


安価↓4まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用されたレスのコンマが0・ゾロ目で本編イベント【五】へ
採用されたレスのコンマが1で襲撃イベント
※11の場合は本編イベントへ

5

>>718 選択:5 人間のへ

 筋斗雲を呪法で小さくして袖にしまい、人間の里に足を踏み入れる。

 夕暮れ時である為、夕飯の匂いが鼻腔を擽る。

零「今日の夕飯はどうするか……」

 などと、そんな事を思いながら人間の里の中を歩いていると。

※自由安価(内容明記)

安価↓3

※飯食ってました



「さようなら!けーねせんせー!」

「ああ、気をつけて帰るんだぞー!」

 歩いていれば、そんな誰かの挨拶が聞こえて来た。

 見れば長い髪の女性と複数の子供達が手を振って分かれている所だった。

 女性は腰に手を当てて和やかな笑みを浮かべている。

零(ああ、寺子屋か)

 その後ろにある家屋と掛けられた看板で判断する。

 彼女はそこの教師なのだろう。

「ん?何だお前は。鬼が何か用かな?」

零「ああ、いやいや。平和なものだと思ってな」

「……子供が笑顔なのは何よりもの証拠だな。最近は、謎の妖怪の被害もあると聞くが」

 ああ、あいつらか。……まあ、人間の里には霊夢の護符による結界が張ってあるはずだ。

 里の中での襲撃事件も少なくなったものだろう。

「……それで、お前は」

※慧音の印象判定
1程悪い 9程良い 0・ゾロ目で……?
霊夢と恋仲なので、一目惚れとかはないです

判定直後

n

>>725 コンマ:4 お前は何がしたいんだ?

「何をしに来たんだ。妖怪の山の異端鬼殿が」

零「特に何もないさ」

 どうやら、向こうは俺の事を知っているらしい。

零「人間の里には、よく暇潰しに来ているんだがね」

「害を為すことはないと?」

零「さて。俗に異端鬼と呼ばれている身だ。何時何をやらかすかはわからんが……。そういう考えは、今のところないよ」

 それは本心からの言葉である。

 何かしようものならば、最初からそうしている。

 そうならない様に色々と機敏になっている所もある。

慧音「阿求の話通りの輩だな。疑って済まない。私は上白沢慧音という。この寺子屋で教鞭を執っている者だ」

零「俺は……。知っているか。阿求と知り合いの様だし」

慧音「それ以外、でもな。お前とは近々話したい事がある。暇であれば、ここに来てくれ」

 ほう?何か俺が語ることでもあったかな?

慧音「かつて、お前が厄災と呼ばれる様になった事件の事だ。腑に落ちない事も多くてな」

零「……そこまで知っているのか」

慧音「私は歴史が好きなんだよ」

 ……その言葉に、俺は口元を歪める事しか出来なかった。

※ 上白沢 慧音:お前は何がしたいんだ? を取得しました


―博麗神社(夜)・自室―

 夜だ。

 蒸し暑さは何時消えていくのだろうか、という疑問を覚えながら部屋の中で寝転ぶ。

 酒でも飲むか、それとも霊夢にでも会いに行くか。

 それとも夜の散歩にでも行くか。

 どうすっかねぇ……。

※夜はどうする?

1:霊夢に会いに行く
2:月見酒(判定有り)
3:その他(行動表記)

安価↓5まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用された書き込みのコンマが末尾0・ゾロ目で本編イベント【五】へ

1

>>729 選択:1 霊夢に会いに行く



 霊夢の所へと足を運ぶ。

霊夢「今日はどうかしたのかしら?」

零「いんや、別に。ただ、昼に会えなかったしな」

霊夢「あの事はもう謝ったでしょ……」

 まあ、その野暮用とやらがどんな内容かは知らないけど。

零「俺に隠れて浮気されたらたまったもんじゃないからな」

霊夢「そ、そんな事するわけないでしょ!!?それに、男の知り合いと呼べる知り合いなんて霖之助さんしかいないわよ!!」

零「あいつとは知り合いなのな」

 それに、こいつがさん付けする相手なんて珍しい。

 ……あれ、そう思ったらちょっとムカついて来たぞ。

零「……なら、イイんだけどよ」

霊夢「急に不機嫌になったわね」

 じゃかあしい。勝手に妬いてるだけだ。察してくれ。

 さて、そんなどうでもいい話もここまでにして、と。

 他にこいつと話すことはあっただろうか。

安価↓3 まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

オニメン

>>735

零「ああ、そういやあ」

 そう言いながら、袖の中から鬼面を取り出す。

霊夢「あんた、それって」

零「回収してきた。霖之助の店で見つけたんでな」

霊夢「……どういう事なの?」

零「どうやら、こういう縁が俺にはあるらしい」

 歪み関連には、とことん付き合う覚悟であるけれど。

 向こうから近づいてきているのでは、と思う節まである。

零「解決の為の道具になるかもしれないしな」

霊夢「そう簡単にいくかしら……」

零「ま、やっていくしかねえさ」

 不安材料が増えた、と思っているかもしれないが。

 これもまた、俺に必要なものなのかもしれないから。

 今回は俺の手で保管しておく事にする。

 霊夢とそう話合って決めて、この日はお開きとした。

※リザルト

名前:鎌足 零
読み:かまたり ぜろ
二つ名:博麗神社の守護鬼
能力:陰陽を操る(歪める)程度の能力
種族:妖怪(鬼)
危険度:激高
人間友好度:普
精神:7
潜在能力:9
汚染度:5(まともでいる方がおかしい)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
彼の能力は、本来陰気の塊である妖怪が人間側の力の行使を可能とする。
陰気を、陽気へ。其れ故に、私は陰陽を操る(歪める)程度の能力と呼んでいる。
そも、我々は皆根源に太極図を持っている。
彼はそこへの干渉が可能だと思われる。
かつては人間嫌いであった。巫女との交際の噂が立っているが真偽は不明。
しかし、それでも歪み付きであるため、容易に近づくべからず。
以前ほどのささくれ立った雰囲気は消え去っている。
歪みの其の先へと越える事を望んでいるとのことらしい。

特殊設定

■■
■■■■■■
効果:戦闘時の判定に+2  殆どの相手から-補正を受けない

歪み付き
あなたは歪みを持っている。困っている相手を放っておけない。何をしてでも助けようとするが、その手段は――
使えば使う程その侵食が進み最終的には理性を持たぬ異形と化してしまうが、より強い力を得られるだろう。
だが、条件をクリアすると……?
効果:戦闘時の判定に+2(汚染度により変化) 特殊パラメータ『汚染度』追加

変身
あなたは特定のアイテムを所持している。そのアイテムを使い、変身することができる。
その使い方で、あなたは悪にも正義にもなれるだろう。
ただし、他の所持している戦闘補正スキルの補正は無効になる。

「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

現在成れる形態
形態:夜叉
所謂【通常】形態。額に二本の角を持つ、青い装甲の鬼装。両肩に角が二本ある。
効果:戦闘判定に+2 3ターン、もしくはファンブルで変身解除
形態:宿儺
所謂【強化】形態。両肩の角が鬼面に代わり、背中に二本の腕が追加される。
効果:戦闘判定に+3 2ターン、もしくはファンブルで変身解除

持ち物
アークル(覚醒):変身ベルト。謎の文様と石が付いていおり、使用すると仮面の戦士・ヤキシャへと変身出来る
ヴィンテージワイン(白):最高級品だが、味は不明。銘にはラテン語でカロルス・マグヌスに捧ぐと書かれている。誰かに渡すことが出来る
筋斗雲(メカ):メカメカしい雲の絡繰。空を駆ける事が出来る
鬼面(歪):歪み付きの鬼面


相関図
『博麗神社』
博麗 霊夢:零の為に、出来ることがあるはずだから※恋仲
伊吹 萃香:この苦しみを、零も味わっていたんだな……※歪
『妖怪の山』
射命丸 文:……馬鹿な方です。だからこそ、信じているわけですが
姫海棠 はたて:災厄の異端が、何をいけしゃあしゃあと……
『旧地獄』
星熊 勇儀:かつての日々、か。……任せたよ
古明地 こいし:ちぇ、悔しいなー
『人間の里』
稗田 阿求:大丈夫。私は貴方の味方です
上白沢 慧音:お前は何がしたいんだ?
『緋想天』
比那名居 天子:――ばいばい、私の初恋
永江 衣玖:後は任せましたよ
『魔法の森』
アリス・マーガトロイド:どうしてそんなモノを宿しているの?
森近 霖之助:成程。彼が……
『八雲家』
八雲 紫:欲しいのよ、貴方が※歪
八雲 藍:まあ、良い方ですよね
『命蓮寺』
多々良 小傘:鬼はこれだから嫌になるんです
雲居 一輪:何故、鬼が明王の呪法を……?


※文章が思いつかない件について。ちょっと日付が変わるまで休憩させてくださいorz

※再開します

※■■判定

7以上で誰かの現在を見れます

判定直後

ほい

>>742 コンマ:2 失敗

四十一日目

 ―博麗神社(朝)―

 朝日が昇る。

 最近は、昼間よりかこの時間は幾分も気温が下がってきている。

 秋が近い、ということだろうか。

 さて、何時も通りの朝なので、やることも何時も通り行おう。

※選択
1:霊夢を起こす
2:朝飯を作る(霊夢を誘えます)
3:出かける(移動選択肢再出)
4:その他(内容明記)

安価↓3まででコンマ二桁で一番高い数値の書き込み採用

採用された書き込みのコンマが末尾0・ゾロ目で本編イベント【五】へ

>>744 選択:1 コンマ:00

※本編イベント【五】を開始します。

※そろそろ来るかと思ったら本当に来やがった

※早苗さぁぁぁぁん!!こんな時に奇跡を無駄遣いしないでぇぇぇぇえええ!!



 何時も通り霊夢の奴を起こしに行ってやろう、と思って部屋を出た時だ。

 縁側の方から、最近感じていなかった気配を感じた。

零「……これは」

 歪みと鬼を織り交ぜた、俺と同じ存在の気配。

 間違いない。この幻想郷に今、こんな気配を持ちうるのは俺と――。

 そう心の中で呟きながら、縁側に向かえば。

霊夢「何の用よ、萃香……!」

萃香「……零を出してもらおうか」

 符と御祓棒を構えた霊夢と、普段の童女の姿ではなく、勇儀程まで大人びた姿の萃香の姿があった。

 縁側にある庭に立つ二人を見やりながら、俺もその場に混ざり込む。

零「物騒なこったな」

霊夢「零!さがって!!」

萃香「……零」

零「嫌なこった。……萃香の狙いは恐らく俺だろ。違うか?」

 さっきの言葉を聞く限りはそうだと思っている。

霊夢「だからこそ、よ!前にお腹を穿たれたの忘れたの!?」

零「忘れちゃいねーさ。でもま、今の萃香から殺気やらは感じねえ」

 だから、何かあるんだろうと俺は継ぐ。

 そうじゃなけりゃあ、コイツは今頃俺を神社ごと殺れるだろう。

 歪み付きの力ってのは、そうやって振るわれるものだ。

萃香「……零、一緒に来てもらおうか」

零「カカッ!……んなこと、答えるまでもねえだろうがさ」

萃香「……そうだろうな」

 静かなやり取りだが、この場の空気は死んでいる。

 萃香の放つ重圧、霊夢と俺がそれに対抗する為に放つ威圧。

 周囲から動物達の気配が断たれ、静寂が舞い降りる。

零「まあ、立ち話もなんだ。朝飯、食って行けよ」

霊夢「零!!?」

萃香「……良いのか?」

零「シラフのテメエは、余程重要な時しか見れねえしな。……何かやろうって気がありゃあ、もうしてるだろうしな」

萃香「……零」

零「あー、霊夢。見張り頼むは。俺は朝飯作ってくる」

霊夢「ちょ、ちょっと!!」

零「わりいな」

 それだけ言って、俺は台所へと向かった。




 無言の朝食が終わり、重苦しい雰囲気の中で茶を啜る。

 霊夢はずっと萃香を睨めつけているが、当の萃香はどこ吹く風だ。

霊夢「それで、アンタは何の為にここに来たのよ」

萃香「零に会う為だが?」

霊夢「……それで、何しようとしてるのって話よ!!」

 飄々とした態度の萃香に、霊夢が声を荒げる。

 卓袱台をダンッ!と大きな音と共に叩いて彼女は立ち上がった。

零「落ち着けって、霊夢」

霊夢「これが落ち着いてられますかって!!」

萃香「やるのか?」

零「お前もお前で――」

霊夢「今、アンタが何を考えているかわからない以上、私は――」

零「落ち着けって言ってんだよテメエら!!」

 怒号を飛ばす。

 今の萃香が信用できないのは、俺だってそうだが。

 それでこいつの目的を分からず終いで事を起こす気もない。

零「座れよ。……んで、萃香も良い加減話せ」

霊夢「な、何よ……。何よ何よ」

零「大丈夫だ。俺だって、今お前と同じ気持ちなんだ」

 何かしようモノならば、俺はコイツを殺さずに抑え付ける自信はない。

 そもそもだ。今の俺がこいつを倒せるという確信もない。

零「だから、落ち着け。とりあえず、茶でも飲みながらよ」

 少しずつ聞けばいいだろう。

 幸いまだまだ朝だ。時間はたっぷりあるのだから。


萃香「……私は」

 そこで口を開いたのは、萃香だ。

萃香「私は、零を救いたいと願った」

 その一言で、俺はああそうかと納得する。

 歪み付きの願いは、攻撃的な方法でしか行えない。

 それについては、俺が嫌という程に体験してきている。

 助けたいから傷つけ、救いたいから潰し、手を差し伸べたいから払う。

 つまりは、そういうことだ。

零「だから」

萃香「……あの時の事は、本当に済まないと思っている」

零「だったら、その歪みを俺に渡せ」

 それが、一番の解決策になる筈だから、俺にその歪みを宿せと言う。

霊夢「でも……!それじゃあ――」

萃香「零が更に、歪むだけだ。……私はそれを望まない」

零「だろうな」

 ああ、わかってるよ。紫が説明してくれた萃香のやってた事を考えると、そう答えると思っていた。

萃香「……ここには、最後通告をしに来たつもりだ」

 最後通告。その言葉で、空気が凍る。

萃香「私はお前から歪みを抜き取りたい。だから私はお前が素直に歪みを萃めさせてくれればソレでいい。――その後は、どうとでも出来るんだ。『例えお前を殺しても』、一度や二度くらいじゃあ死にはしないだろ?」

霊夢「……あんた、今なんて言った?」

萃香「そもそも私達妖怪はそう出来ている筈だ。精神に比重が大きく傾いてるのだから、『殺される』くらいじゃあ死なないし、復活出来る筈だ」

霊夢「――ッ!!」

零「やめろ、霊夢」

霊夢「でもっ!!」

零「……お前の言い分はよくわかった」

 そして、何れ程歪んでいるかも今ので十分わかった。

 俺を殺すと迷いなく言い切りやがった。

 成程成程。そこまでして俺を救いたいのかお前は。

零「だが――」

※選択
1:俺はお前に歪みを渡すつもりはない
2:霊夢が悲しむ事を、させるわけにはいかない
3:それをするとして。……お前はその後を考えているのか?

安価↓5までで多い選択を採用

選択:3

零「それをするとして。……お前はその後を考えているのか?」

 その言葉に、返答はない。

 それはつまり。

零「平行線になるのは、わかってただろうがよ」

 一縷の希望もない、ということだ。

萃香「……私は」

零「皆まで言うな。そうなってまで救いたいと思ってくれるのは嬉しいけどさ」

 それでも、俺はあくまで『救う側』なのだ。

 救われたあの日に繋がり、そう有りたいと願ったのだ。

萃香「……だったら、後は鬼らしいやり方でやるしかないじゃないか」

零「応。鬼の社会は力社会。弱者に発言も否定も許されない」

萃香「……そうなると分かっていたような口振りだな」

零「最後にはそうするしかないと思っていたからな」

 そう。口でわからないなら力で。

 それが俺たちの古くからのやり方で、風習なのだから。

零「っつーわけだ。情けも容赦も無用の寵物と相成った。ならばどうする?」

萃香「奪うも攫うも好き勝手やれと?なら、私はお前を招待するべきだろう」

霊夢「ちょっと……」

萃香「……夜に、私は異変を起こそう。この歪みの限界も、近いから」

零「犯行予告とは痛み入るな」

 それが、全ての終わりとなる導だろう。



 萃香が去って行く。律儀に、妖怪の山の山頂で待つと言い残して。

霊夢「零……」

零「悪いな。こうなっちまった」

 縁側で胡座をかきながら、後頭部を手でガシガシとする。

霊夢「零が決めたことなら、私はそれに付いて行くだけよ」

零「……ホント、頭上がらねえわ」

霊夢「だから、お願い」

 背中から、抱きつかれる。強く、強く、後ろから霊夢は俺を抱きしめる。

霊夢「絶対に、死なないで」

零「……そいつは」

 無理な相談だな、と言いかける。

 死なない保証なんてない。萃香がああ言った以上、俺と相対した場合行うのは弾幕ごっこではなく殺し合いとなるだろう。

 無理も無茶も総動員で戦いに挑まねばならない。

零「出来る限り、頑張ってみるさ」

霊夢「誓いなさい」

零「それはできない」

霊夢「誓え」

零「凄んでもダメなもんはダメだ」

 保証出来る要素なんて何処にもないのだ。

 だから、ここで霊夢を安心させるよりも、現実を先にわからせないといけない。

零「殺し合いだ。ただの喧嘩じゃねえ。……俺にあいつを殺す気はないが、向こうは俺を躊躇なく殺せる」

 それが、歪み付きの歪み付きたる由縁とも言える。

 俺だって油断すれば殺す事になるだろう。向こうの汚染度がどうなっているかもわからんが。

 大人の姿になって押さえないといけないとなると、ヤバイってのは確かなのだろう。

霊夢「それでも、死なないで」

零「……霊夢」

霊夢「アンタは死なないで、全て越えてみせなさい。そうするためなら、私はなんだってする。してみせる」

 ……何でもする、ね。

零「……ばーか。そんな滅多なこと言ってんじゃねえよ」

霊夢「ば、バカってアンタ!こっちは真剣に――」

零「真剣に――俺は、アイツを救いたい。俺はあの日溜まりを再び作りたい。だから、俺は死にたくない。その為なら、俺は全てを乗り越える」

霊夢「……零」

零「死ぬ可能性は絶対に有るんだ。それは変わらねえさ。どうしようもねえことだ。そこは割り切る」

 だが、それで諦めるとは俺は一言も口にしていない。

零「足掻くさ。どんなに無様でも、どんなに醜くても。俺は、この願いを掴むまで前に進む」

霊夢「……私は、それを傍で見続ける。それが私の役目だから」

零「頼むぜ、我が最愛の女。最後には、大大円と洒落こもうじゃねえか」

霊夢「……そうね、正義の味方さん。その終わりこそが至高の幕引きと成るならば」

 共にあろう。共にゆこう。

 そして、飛翔しよう。目指す先は、輝かしき曙光の未来なのだから。

※次回くらいから異変できそうですね。それが終われば零君編はエンディングです。

※が、ちょっと来週まで更新出来ないと思います。予定立て込み過ぎ

※今日はここまでで。お付き合いいただきありがとうございました。

※お疲れ様です

※飛ばします

―博麗神社(夕方)・境内―

霊夢「これで良し、っと」

零「出来る限りの準備は整った、な」

 札を纏めたモノを袖に入れ、御祓棒を持った霊夢の首には何時か渡した勾玉が一つ。

 俺の後ろには、筋斗雲が振動しながら心臓部を動かしている。

霊夢「何処でそんなモノを手に入れたやら」

零「霖之助の所で、な」

 見つけたモノを易く譲ってもらったものだ。

 萃香の所に行くまでは歪みを使わないつもりであるし、移動手段としてはこれで良いだろう。

 黄昏の逢魔ヶ時。この太陽が沈んだ時、萃香が異変を起こす。

零「……これで終われば良いのだが」

霊夢「とりあえず、萃香との問題はここで終わらせないと、ね」

 ああ、そうだなと俺は首を縦に振るう。

 萃香の問題を越えて、歪みという問題を解決し、その先へ。

 霊夢の方を見やる。

 彼女も、少しばかり緊張した面持ちをしている。

 ……異変解決の第一人者であっても、そういう所はあるものなのか。

 何か、声を掛けてやろう。

※自由安価(内容明記)

※これはアカンと思った奴は安価↓にします

安価↓2 

無事帰ってこれたら結婚しようキリッ

>>772

 ま、少しくらい気持ちを和らげられるなら。

零「なあ、霊夢」

霊夢「なに?」

零「無事帰ってこれたら結婚しよう」

 キメ顔で俺はそう言った。

霊夢「……はい?」

零「何時何があるかわかったもんじゃねえしな。腰を据えても良いかと思ってよ」

 これは本音である。

霊夢「……零、アンタ。それ死亡フラグって言うのよ?」

零「いや、そんなつもりは毛頭ないんだがね」

霊夢「このタイミングで何を言い出すかと思ったら……」

零「呆れてくれんなよ。こっちは本気だぜ?」

 いや、まあ当初は緊張感を解すためであったけれど。

霊夢「……バカね。そう焦ることはなにのに」

零「うっせーよ」

霊夢「でも、それなら尚更乗り越えないと」

零「……だな」

 小さく微笑んで、霊夢はそう言う。

 彼女の言う事は尤もな事だ。

 ああ、ここで躓くわけにはいかない。

 そう、心の中に再度強く思うのだった。

 

  


※諸用で抜けます。更新出来ず申し訳ない……。

※また週末まで更新出来そうにないのです。ごめんなさい。

※お疲れ様です


※忙しかった期間も終わりが見えてきた。こんにちは。15:30頃に再開します


※人居ないのかな・・・・・・?

再開しつつ人待ってみようと思います。寝落ちしたらすんません

―博麗神社(夜)―

 天には紅月。砕かれた様な三日月の夜。

 歪みが、幻想郷に降り注いだ。

 空気が澱み、空が歪み、星の輝きが無くなる。

 これが合図か、萃香。これを異変とするのか。

霊夢「なんだか、容赦ないわね。これ。」

零「幻想郷全体に、これだ。あいつの能力は相変わらず規格外だな」

 歪みで強化されている分もあるだろう。

 しかし、だからといって。

零「やりすぎ感がある」

霊夢「なら、さっさと解決しないとね、正義の味方さん」

 その言葉に、俺は応と答えて気を引き締める。

 そして、言霊を紡ぐ。

零「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

 歪みを抑え、鬼装を纏う。

 あいつの所に行くまでは、これだ。

零「行くぞ」

霊夢「ええ」

 筋斗雲に乗って、霊夢と共に妖怪の山の山頂を目指す。

※遭遇判定

4以下で襲撃(再安価)

7以上・ゾロ目でこいし合流

判定直後

うん

>>780 コンマ:3 襲撃

※あ、異変の名前書くの忘れた


 湖の方へと、出ることとなった。

 筋斗雲が風を切り、隣を霊夢が滑空する様に飛ぶ。

 刹那、何かの気配を感じた。

※判定

1:???
2:フランドール
34:咲夜
56:ルーミア
78:チルノ
90ゾロ目:こいし合流

判定直後

ほい

>>783 コンマ:6 ルーミア

 闇夜の中を彷徨う、更に深淵な暗闇。

 紅月に照らされて赤黒くなっているその球体は、突如として俺達の眼前へと飛び出してきた。

ルーミア「なんだか嫌な感じがする。イライラ?」

 そんな言葉を残して、暗闇が俺達を覆っていく。

霊夢「ルーミア!?こんな時に!!」

零「おいおいおい、なんだよこりゃあ」

ルーミア「お腹も空いてるし、憂さ晴らしに食べたげるの」

 至極物騒なこと言ってんな、おい!!

※弾幕ごっこを開始します

コンマ表

1ファンブル
2~3 ルーミア有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

現在の姿
形態:夜叉
所謂【通常】形態。額に二本の角を持つ、青い装甲の鬼装。両肩に角が二本ある。
効果:戦闘判定に+2 ファンブルで変身解除(コンマ修正関係なしに)
※イベント中なのでターン経過で変身解除しない

変化可能
形態:宿儺
所謂【強化】形態。両肩の角が鬼面に代わり、背中に二本の腕が追加される。
効果:戦闘判定に+3 判定時1・2・3で変身解除
(コンマ修正関係なしに)

現在のスペルカード(必殺技)
夜叉「鎌墜閃」
夜叉「雷光拳」
夜叉「電光脚」

残命:3
残機:3

三回撃破で次に進みます。
形態変化が可能です。

夜叉から宿儺へと鬼装を変えますか?

※選択
はい か いいえ で

安価↓2

いいえ

※放置ごめんなさい。やっていきます。
スペカを使う際は『必殺』と書き込んでください。+2の補正を受けます

>>787 選択:いいえ

 暗闇の中、陰気を探って敵の居場所を割り出そうとする。

 なんともまあ、何も見えない完璧な暗闇だ。

 さて、どう対応できるかな、と。

判定
1ファンブル
2~3 ルーミア有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

判定直後

おかえr-

>>789 コンマ:0 クリティカル

※補正書くの忘れてた。でもクリティカル

 精神を集中、気配を糸の様に周囲へと張り巡らせる。

 陰気の塊である妖怪は、それなりに強い気配を持つものだ。

零「まずは」

 故に、その挙動さえ分かれば的確に捉えるに、造作もない。

零「一撃だ」

 筋斗雲から跳躍し、蹴りを放てば柔らかい感触が右足に感じる。

ルーミア「ッ!?」

零「ズェアッ!!」

 そのまま蹴り飛ばせば、暗闇が晴れた。

 視界に映る世界は元の風景を取り戻す。

ルーミア「な、なんで……?」

 少し離れた場所に、驚いて目を丸くしながら腹部を抑えている少女の姿が見えた。

零「一回撃墜だな」

霊夢「女の子の腹部に飛び蹴りってあんた……」

零「言うな。俺だってそんな趣味はない」

 第一、相手は妖怪である。

ルーミア「くう……!ならこれで!」

 そんな事をしていれば、向こうの体勢を整えさせてしまった様だ。

ルーミア「夜符「ナイトバード」!!」

 宣言と同時に、ノの字に光弾と光線が何重にもなって畳み掛けて来る。

判定
1ファンブル
2~3 ルーミア有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
宵闇の妖怪:-1
夜符「ナイトバード」:-1
鬼:+1
形態【夜叉】:+2

判定直後 

ほい

>>791 コンマ:9+1=10(0) クリティカル

 だが、それも俺たちには届かない。

 霊夢にも、筋斗雲に乗っている俺にも当たる事はない。

零「ハァァァァアッ!!」

 駆動する絡繰の音が、俺の精神に感応して少女へと勢いを付けて近づいていく。

ルーミア「きゃう!?」

零「二?目!!」

 そのまま、拳を振り抜く。

霊夢「容赦ないわね……」

零「元々、鬼っつーのは力社会の住人だ。……勝負事で手は抜かねえよ」

 それが例え、誰であってもだ。これは変えられない根幹である。

ルーミア「うう……!このままやられないわ!」

零「次で最後だ」

ルーミア「闇符「ディマーケイション」」

判定
1ファンブル
2~3 ルーミア有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
宵闇の妖怪:-1
闇符「ディマーケイション」:-2
鬼:+1
形態【夜叉】:+2

判定直後

にゃ

※寝落ちからの仕事コンボ 進めます。

>>795 コンマ:9 
※優勢で二連で取得してるし撃破にします

 闇が迫り、弾幕が展開される。

 しかし、これもまた――。

零「無意味だ」

 展開されきる前に、封殺するべく跳躍する。

 そのまま少女へと飛び移るようにして肩に脚を付ける。

ルーミア「へ?え?」

零「飛べよ」

 そのまま下へと叩きつける様に脚部によって少女を蹴り飛ばした。

 彼女はそのまま勢い良く地面へと落下していった。

霊夢「……ご愁傷様ね」

 手を合掌させて、筋斗雲に着地した俺の隣へと移動してくる霊夢が言う。

零「ま、死にはしねえだろ」

霊夢「……正義の味方とはなんだったのか」

零「襲って来るなら容赦はしねえさ」

 それが俺のやり方だし、それしか知らないし、思いつかない。

ルーミア「そーなのかー……」

 その中で、地面から上がる砂埃が晴れて少女の姿が見えた。

 目を回して、ああ言っているのだから大丈夫そうだ。

零「進むぞ」

霊夢「……気にしても仕方ない、か。行きましょう」

 そうして、泉を越えて先へと進む。

―妖怪の山・麓付近―

 さて、入口付近まで来た。

 ここから先に行くにあたり、天狗の領域に侵入することもあるだろう。

零「誰にも会わなきゃあ、良いんだがな」

霊夢「そうは問屋が卸さないと思うけどね」

 まあ、今考えても仕方ない。

 俺たちの目的は山頂に向かう事だ。

 だから、飛ぼう。道を進もう。

※遭遇判定

4以下で襲撃(再安価)

7以上・ゾロ目でこいし・天子合流

判定直後

ほい

>>801 コンマ:2 襲撃

 麓を飛行していれば、また誰かの気配を感じる。

 迫って来ている……?

 さっきみたいな敵か?それとも……。

※判定

1:???
2:紫
34:早苗
56:ミスティア
78:チルノ
90ゾロ目:こいし・天子合流

判定直後

gs

>>803 コンマ:8 チルノ

チルノ「何だ何だ?変な格好の奴がいるぞ?」

 迫って来ていたのは、氷の羽を持つ少女だった。

チルノ「何だか変な空もようだし、変な感じがするし……」

霊夢「……今度はチルノか」

零「……童女に良く会うな、今日は」

チルノ「どうじょってなんだよ!あたいはりっぱなれでぃーだぞ!!」

 いや、そう言われてもな。どう見たって子供なわけだし。

チルノ「もう怒った!さいきょーのあたいが勝って、子供じゃないことを見せつけてやるんだから!」

零「……だそうだが」

霊夢「相手してやりなさいな。手加減抜きで」

 いや、向かってくるなら最初からそうするつもりだが。

霊夢「最近、悪戯が頻発してるし。お灸を据えてやりなさい」

零「まさか、お前さんが居なかった時って」

霊夢「あいつらの悪戯の事後処理よ……!」

チルノ「ヒィッ!?」

 ああ、それで今回はそう言ったわけか。

零「……お前に恨みはないが」

チルノ「ふ、ふん!凍り付けにしてやる!」

零「墜とさせてもらうぞ」

 ま、妖精のようだから死ぬことはないだろう。

コンマ表

1 ファンブル(被弾)
2~3 チルノ有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0 クリティカル(撃墜)

現在の姿
形態:夜叉
所謂【通常】形態。額に二本の角を持つ、青い装甲の鬼装。両肩に角が二本ある。
効果:戦闘判定に+2 ファンブルで変身解除(コンマ修正関係なしに)
※イベント中なのでターン経過で変身解除しない

変化可能
形態:宿儺
所謂【強化】形態。両肩の角が鬼面に代わり、背中に二本の腕が追加される。
効果:戦闘判定に+3 判定時1・2・3で変身解除
(コンマ修正関係なしに)

現在のスペルカード(必殺技)
夜叉「鎌墜閃」
夜叉「雷光拳」
夜叉「電光脚」

残命:3
残機:3

三回撃破で次に進みます。
形態変化が可能です。

夜叉から宿儺へと鬼装を変えますか?

※選択
はい か いいえ で

安価↓

いいえ

>>805 選択:いいえ

 さて。

 どう見たって隙だらけな構えに加えて弾幕も驚異に感じるほどでもない。

 だったら、速効でかたを付けるべきだろう。

零「行くぞ」

チルノ「来いッ!!」

判定
1ファンブル
2~3 ルーミア有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
あたいったら最強ね!!:-1
種族差:+1
鬼:+1
形態【夜叉】:+2

判定直後 

ひゃー

>>808 コンマ:6+3=9 優勢

チルノ「このおおお!」

 ……妖精としては、確かに強い方かもしれないな。

零「だが」

チルノ「まったく当たらない!?」

 おざなりだ。この程度じゃあ俺には届かないし届くこともない。

零「そろそろ満足か?」

チルノ「くっ……!あんたもまた強敵ってことなのか!」

 じゃあ、やらせてもらおうか。

判定
1ファンブル
2~3 チルノ有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
あたいったら最強ね!!:-1
種族差:+1
鬼:+1
形態【夜叉】:+2

判定直後 

0000

>>810 コンマ:7+3=10(0)

零「ズェェイ!!」

チルノ「だ、弾幕ごっこでそれ!?」

 先の少女の様に、筋斗雲からの飛び蹴りをかます。

 そのままの蹴りではなく、横から振るうモノを放つ。

チルノ「っ!!」

 両腕で防御しようとしていた様だが、そのまま振り抜いてぶっ飛ばした。

霊夢「おお、見事な力技」

零「俺にはそれしかねえだろ、元々」

 強引に、思いっきり、攻撃する。

零「さあ、まだまだ行くぞ」

チルノ「近づけさせない!!」

判定
3以下でアイシクルフォール―easy―

※すいません、途中ですが落ちます。次回は判定結果の続きから
お疲れ様です

おつおつ

身内が亡くなって、通夜やら葬儀やらで忙しかったのです。

17:00頃に再開します。

再開します。
>>811 の続きからですね

>>812 コンマ:9 

 妖精とは言え、馬鹿というわけではないのだろう。

 それとも、攻撃されたくないという心根でそうしているのか。

 降り注ぐ氷柱と、連続で射出される氷の礫が童女の手から放たれる。

チルノ「氷符「アイシクルフォール」ッ!!」

零「諸余怨敵・皆悉摧滅ッ!!」

 来るのならば、徹底的に、墜とすのみ!!

判定
1ファンブル
2~3 チルノ有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
あたいったら最強ね!!:-1
氷符「アイシクルフォール」:-1
種族差:+1
鬼:+1
優勢:+1
形態【夜叉】:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り3)

判定直後

※ファンブルとか出さなければ絶対に負けない

>>820 コンマ:7+3=10(0) クリティカル

 被弾することも、防ぐ事もない。

 ただ、前へ。前へと進む。

 力の限り前へと。全ての弾幕の隙間を伝い、その先へと。

チルノ「なんで……!」

零「開け……」

チルノ「なんで当たらないのさァァァァアア!!」

零「ごま」

 握り締める拳。筋斗雲による加速の勢いに任せて振り抜く。

チルノ「ぐぉっ……!!?」

 空中で何回転もしただろうか。

 霊夢の横に並ぶと、ドン引きしている彼女の視線を浴びることとなった。

霊夢「あんたってやつは……」

零「手加減抜きでのお灸だった筈だが」

霊夢「見てると、相手を心配するわ」

 ……いや、確かに聞こえちゃいけない音が聞こえた気もするけれど。

チルノ「く、そぉぉぉぉおお」

零「……まだやる気なら、もう一撃見舞うが?」

 その言葉で、氷精の体がビクついた。

 ふむ。恐怖心は埋まっているようだ。

※判定
5以下で退却する

判定直後

n

>>823 コンマ:9 氷精、撤退セズ

チルノ「あたいは、最強なんだ」

 ほう?

チルノ「最強のあたいが、負ける筈なんかないんだぁぁぁああ!!」

零「変なものを呼び起こしたか?」

霊夢「……私、知らないわよ?」

 まあ、どちらにせよ。

零「煩わしい小蝿は、叩き落とす」

霊夢「あら、口の悪い」

 うるせえ。

チルノ「凍符「パーフェクトフリーズ」ッ!!」

判定

1ファンブル
2~3 チルノ有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
あたいったら最強ね!!:-1
凍符「パーフェクトフリーズ」:-2
種族差:+1
鬼:+1
優勢:+2
形態【夜叉】:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り3)

判定直後

えい

>>825 コンマ:7+3=10(0) クリティカル

 弾幕を凍らせ、その間にも礫を放つ氷精。

 その後、時間差で降り注ぐ氷柱や大玉が襲い掛かってくる。

零「遊びは終わりだ」

チルノ「ヒィッ!?」

零「これにて、終演と飾るが良い」

 筋斗雲から飛び立ち、弾幕を砕きながら氷精へと接近する。

零「ハァァァァァア――」

チルノ「来るな、来るなぁぁぁああああ!!」

 足に陽気を貯め、そのまま蹴りを放たんとして。

零「この場は、俺の勝ちだ」

チルノ「ふぇ?」

 そう言い残し、筋斗雲を呼んでその上へと着地する。

霊夢「……今回は止めを刺さないのね」

零「毎度やれば、疲れる。ただそれだけだ」

霊夢「ふーん、そう」

零「行くぞ。時間はないんだ」

 そうして、後方から聞こえてくる泣き声を背中に聞きながら次へと飛び立った。

―妖怪の山・中腹―

 そろそろ天狗の領域も近づいて来た頃。

 周囲の様子も、雰囲気も、気配も皆歪みの影響を受けているのが目に見えた。

 木々は枯れ、動物の気配など一切無く、冷たく嫌な空気が充満している。

霊夢「……酷いものね」

零「歪みってのはそういうものさ。……元々は万物の陰を司る部分だ。それが濃くなりすぎれば、こうもなる」

 そう。これは俺の抱えている醜悪さそのものだ。

 誰かを救うという建前、攻撃的な方法で何をしてもでも助けるという行動の何処が正義であろうか。

 ……これを乗り越えて、行かねばならない。

 超えなければ、ならない。

※遭遇判定

4以下で襲撃(再安価)

5以上・ゾロ目でこいし・天子合流

判定直後

どうだ

>>828 コンマ:6 こいし・天子合流

 そんなことを思っていれば、背中に重みを感じた。

こいし「やっと追いついたー」

零「こいし!?」

こいし「んー、背中冷たいー」

零「お前、いつの間に……」

こいし「こんな変な感じの夜にジッとなんかしてられないよ。……お兄さんが心配だったし」

 ……お前。ああ、そうか。そう言ってくれるのか。

零「危険な事に首を突っ込むが」

こいし「この場に居る時点で危険だけど?」

 まあ、歪みの中に居るようなもんだしな……。

霊夢「こいし、あんた」

こいし「わかってるよー、迷惑を掛けるつもりなんてないから、私達」

零「達って」

 こいしの言葉に、疑問を覚えて尋ねようとする。

 そうすれば、遅れて上空から見慣れた石の塊が降ってきた。

天子「ちょっとちょっとちょっとー!こんな一大イベントに誘わないなんてどんな神経してるのよ!!このばかまたり!!」

零「天子!!?」

 急降下から急上昇を行い、要石に座った天子が調子の良さそうな声で罵ってきやがった。


零「お前、天界に居るんじゃ」

天子「無理矢理捩じ伏せて、言い負かせてやったわよ!全く、いつまでも子供じゃないっていうのに……」

 おいおい、それはちゃんと話した結果の事なんだろうな。

天子「勿論、出てくる時は力尽く、だけどさ。……旧知の友人がこうなってれば、助けに行くのが人情でしょ」

霊夢「……大丈夫なの?」

天子「何が?……寧ろ、こんな時に仲間外れになんかされた方が許さないわよ。これが例え、どんな状況でどんな風に起こった異変でもさ」

 肩を竦めて、呆れた様に呟いてから俺の方を見る天子。

 ああ、こいつ知ってやがるな。天界から覗いてたのか、それとも犯人を見ているからか。

零「つっても、これは俺の戦いだぞ」

こいし「それを見届ける為に来たんだよ、お兄さん」

天子「そして越えて行くところを、ね」

霊夢「あんた達……」

 その言葉が胸に染みる。

 ああ、こんなにも慕ってくれる人が、存在が居るのかと。

 不意に涙腺が緩みそうになるが、グッと堪える。

零「日溜まりは、何時作れるかは知らんがな」

天子「でも、その前にあの酔っ払いを止めないとさ」

こいし「一つずつ越えて」

霊夢「最後には大大円?」

零「……だな」

 ああ、そうするさ。

 お前たちが居るなら、お前たちを守り通して最後まで突き進めれば。

 俺たちに待つのは、あの日溜まりなのだ。

―妖怪の山・天狗の領域―

 そのまま突き進めば、天狗の領域だ。

 ここを抜ければ山頂付近へと出る事となる。

 そこがアイツの待つ場所だろう。

 そう、そこは、俺たちにとって、始まりの場であるが故に、そこに待っているのだとわかる。

※遭遇判定

4以下で襲撃(再安価)

判定直後

はい

>>832 コンマ:0 ※ボーナス差し上げますねー

文「あやややや、お待ちしておりました、皆さん」

 天狗の領域内を飛行していると、その途中で翼を羽ばたき現れる鴉天狗。

 礼装に身を包んだ射命丸文はそう言って、軽く会釈をした。

 俺達は一度進むのを止めて、彼女と向き合う。

霊夢「待って居た?」

天子「何?やる気?」

文「いえいえいえいえ、滅相もございません。流石に四人同時に相手は骨が折れます故」

 ああ、それでも相手取ることは出来るのか、と心の中で思うが口には出さない。

こいし「それでー?」

零「じゃあ、どういうつもりでここに居る」

文「近道にご案内を、と思いまして」

 その言葉に、俺達は皆怪訝な表情を浮かべる。

文「状況は察しております。……と言いますか、萃香さんから既に天魔様へお達しが出ておりまして」

零「成程な。それで、か。……何か企んでいるんじゃないのか?」

文「これは私個人の意思ですよ、鎌足さん。……この歪みの中、何が起こるかもわかりかねます。友人として、手助けをしたいという心根ですかね」

天子「狡猾なあんたがそんなことを、ねぇ」

文「あややや、天子さん。そこはほら、旧知の仲ということで」

天子「……あんた」

文「余計な事は一切無用。ここから先へは頂点への一本道。……とはいえ『何が出るかは』私も知りませんが」

 その言葉に首を傾げる。

 まあ、どちらにせよ、早い道があるに越したことはない。

零「信用してるぜ、文」

文「はい、そうしていただけると嬉しいです」

 それだけ交わして、俺達は文の示した道を行く。



文「そう、私は道を示す事しかできない」

文「ここから先は、貴方達が切り拓く道」

文「鬼が出るか、それとも邪が出るか」

文「待ち構えるのは、どちらなんでしょうかね……」



―妖怪の山・抜け道―

 頂上への抜け道は、山中から伸びる洞窟だった。

 整備されていないのか、薄暗くジメジメとしている。

 霊夢の陰陽玉が周囲を照明の代わりに周囲を照らす。

霊夢「こんな場所があったなんて……」

天子「なんだかワクワクするわね」

こいし「お兄さん、それ解除しないの?」

零「まだ、もうちょっとだけな」

 そう、ここを抜けるまでは、アイツの前に立つまではこの鎧を脱がない。

 歪みの乱用は控えるべきだからだ。

 萃香に辿り着く前に汚染が深く進めば世話ない話であるし。

 反動はあるだろうが、それはそれだ。

 兎に角、今は前へ――。

※遭遇判定

奇数:勇儀
偶数:紫
0・ゾロ目:???

判定直後

n

>>836 コンマ:9 勇儀
※???だったら安藤飛んで来てた


 そう思った瞬間、出口の方角から多大な殺気を感じた。

 そして迫り来る、重圧な空気と質量の流れ。

「カァァァァアアアアッ!!」

零「おぉぉぉぉおおおおおッ!!」

 まず最初に、膝が目の前に来た。

 目の前で両手を交差させ、掴み防御する。

零「こいし!!」

こいし「う、うん!」

 その状態で、こいしに声を発して避難させる。

 援護ではない。避難だ。

「ズェイッ!!」

零「ズェアッ!!」

 そのまま、肘鉄を振り降ろされそうになった所で後ろへと放り投げる。

 そして、筋斗雲から後転するように捻りを加えながら跳び、その先へと追い打つ。

零「カッ!カカカッ!!」

「フンッ!ハァァアッ!!」

 空中で連続蹴りを浴びせるが、全て拳で捌かれた。

 そのまま俺達は地面へと着地する。

霊夢「零!!」

零「そこで待ってろ、霊夢!お前ら!!……こいつとは、ここでキッチリやり合うからよ」

 心配そうに頭上から声を掛けて来る霊夢に、顔を向けながらそう言って、前を向きなおす。

 ああ、そうかい。待ってられないってことか。

零「なぁ、勇儀ィ……」

勇儀「鎌足の。悪いけど、この先に行くのは、私さね」

 眼前に立ち、拳を構えた山の四天王が一角――『力の勇儀』はそう言って口から息を深く吐き出した。


零「何だよ、待ち伏せか?趣味が悪いな」

勇儀「違うよ、射命丸に話は通したつもりなんだが」

零「聞いてねえな……」

 大方、要らぬお節介でも焼いたって所か。

 あいつも、大概俺の事を気に掛けていてくれたが。

零「決着は俺の手で付けたいんだがね」

勇儀「鬼の総意は討伐だよ。……こんなこと起こされたら、もうどうしようもない」

零「歪みに対して、そうするのはまあ、わかるさ。……ま、させやしねえが」

勇儀「あんたとは、ちゃんとやるのは初めてだったかね」

零「そうだな。……なあ、勇儀」

勇儀「なんだい?」

零「悪いが、本気で行かせてもらうぞ」

勇儀「良いね、来なよ。受け止めてやるから!!」

コンマ表

1 ファンブル(被弾)
2~3 チルノ有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0 クリティカル(撃墜)

現在の姿
形態:夜叉
所謂【通常】形態。額に二本の角を持つ、青い装甲の鬼装。両肩に角が二本ある。
効果:戦闘判定に+2 ファンブルで変身解除(コンマ修正関係なしに)
※イベント中なのでターン経過で変身解除しない

変化可能
形態:宿儺
所謂【強化】形態。両肩の角が鬼面に代わり、背中に二本の腕が追加される。
効果:戦闘判定に+3 判定時1・2・3で変身解除
(コンマ修正関係なしに)

現在のスペルカード(必殺技)
夜叉「鎌墜閃」
夜叉「雷光拳」
夜叉「電光脚」

残命:3
残機:3

三回撃破で次に進みます。
形態変化が可能です。

夜叉から宿儺へと鬼装を変えますか?
もしくは、鬼装を解除しますか?

※選択
はい か いいえ もしくは 解除 で

安価↓

いいえ

>>840 いいえ

勇儀「そのへんてこりんなのは、解かないのかい?」

零「ああ、別に俺が弱くなるわけじゃあないしな」

 歪み自体は、最後まで取っておく。

 それこそ最後の切り札だ。だから、今尚こいつを前にしてもこの姿のままでいいだろう。

勇儀「……歪みの威力、感じておきたかったんだがね」

零「残念ながら、お前がそれを味わうことはない」

勇儀「なぜだい?」

零「先に進むには、俺達だからだ」

 そう言って、地面を砕きながら肉薄する。

判定

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
語られる怪力乱神:-2
鬼(同族):±0
形態【夜叉】:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り3)

判定直後

開幕必殺

>>842 必殺発動 コンマ:2+2=4 接戦 必殺使用可能回数:3→2

零「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!」

勇儀「良いね、接近戦かい!!」

零「オン・ア・オンボッケン・パッタ・ソワカ――!!」

 右へ、左へと短く跳び、拳に陽気を溜め込みながら呪詛を紡ぐ。

 勇儀は両手を広げて無防御で迎え撃つつもりらしいが――。

零「雷閃必殺!!」

勇儀「コォォォォオオオオッ!!」

零「夜叉「雷光閃」ッ!!」

勇儀「カァァァアアッ!!」

 雷を纏う拳を放った瞬間、呼吸を合わせられ、半歩引かれて俺の勢いを殺される。

 その上で拳と拳がぶつかり合い、そこからは乱打戦だ。

勇儀「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァッ!!」

零「ドラララララララララララララァッ!!」

 最後に、また拳が打ち合わされて両者を後方へと吹き飛ばす。

零「やるじゃねえか……!!」

勇儀「そっちこそな……!!」

 ったく、メゲるぜ。開幕、早速必殺技使ったってのによ……。

 まあ、良い。油断すれば直ぐに持っていかれる。

 鬼の理を体現している様な奴だ。力技は向こうの分野だろう。

零「だが」

 負けるわけにはいかないのだ!!

判定

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
語られる怪力乱神:-2
鬼(同族):±0
形態【夜叉】:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り2)

判定直後


 跳べ、駆けろ、決して捕まるな。

勇儀「お、おお?早いね……」

 閃光の様に、零から翔ぶ雷の様に。

勇儀「……そこかッ!」

零「残念だが――」

勇儀「懐に入られた!?」

零「まずは一撃だ」

 腹に向けて、強烈であろう一撃を見舞う。

 一瞬宙に浮いた体は、随分後方へと飛んだ。

 腰を深く落としてからの正拳突きだ。

 いくら勇儀の体が頑丈だからといって、効かないことはないだろう。

勇儀「カッ、カァ……!やるじゃないか、零」

零「嬉しそうにしてんじゃねえよ、タコが」

勇儀「そう見えるかい?」

 ああ、見えるね。

 口元を思いっきり上げやがって。

 目なんかキラキラしてんじゃねえか。

勇儀「あんたがそんなに骨のあるやつなら、もっと早く手を出しておくべきだったよ!!」

零「なんだ、そりゃあよぉ!」

 それからまた、肉弾戦である。

 しばらく打ち合い、互に距離が空いた所で動いたのは勇儀だった。

勇儀「こいつは、よけられるかな?」

 刹那、彼女は腕を振り上げてニヤリと笑う。

勇儀「力業「大江山颪」」

判定

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
語られる怪力乱神:-2
力業「大江山颪」:-1
鬼(同族):±0
形態【夜叉】:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り2)

判定直後

へい

>>846 コンマ:5-1

 地響きが鳴り、揺れる世界。

 そして現れるのは、大量の大玉だ。

零「……正気か?」

勇儀「受け止めな!私の力業ァッ!!」

 そして動き出す、大玉の弾幕。

 それはまるで、水溜まった桶をひっくり返した様に俺のいる場所を通過点として斜めに降り注いでくる。

 掠る。掠る。それでも接近を諦めない。まだ避ける事は出来る。

勇儀「まだまだぁぁあっ!!」

零「このぉぉおおお!!」

判定

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
語られる怪力乱神:-2
力業「大江山颪」:-1
鬼(同族):±0
形態【夜叉】:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り2)

判定直後

必殺で勝負!

>>848 必殺発動 コンマ:9-1+2=10(0) クリティカル 必殺使用可能回数:2→1

 避けて、避けて、跳んで、弾いて。

 そうしていれば、見えた。

零「その道を翔ぶ!!」

勇儀「なんっ!?」

 脚部に陽気を溜め込み、雷を嘶かせて跳躍。

 地面を砕き、削り、大玉の僅かな隙間を掻い潜り接近。

零「必殺!夜叉「雷光脚」ッ!!」

勇儀「ぐぅ、あぁぁあああ!?」

 そのまま何度も横に回転し、遠心力を加えて速度の増した蹴りを放つ。

 咄嗟に防御を取った所で、遅い。

 その前に俺の蹴りは勇儀の体へと直撃し、吹き飛ばす。

勇儀「が、ゴホッ……!」

零「これで、二?目だ」

勇儀「やるねえ、流石だよ」

 口元から血を流す勇儀の表情は、それでも笑顔だった。

 寧ろ、凶悪さを感じる程だ。

 好戦的な性格なのは知っているが、こうまでとは。

勇儀「か、カカ。……良いね、零。見込みのある男児はそうでないと」

零「……なあ、勇儀」

勇儀「さあ、まだ行くよ。とっておきがあるんだ。こいつは強烈だ。身を持って感じな。そして、覚えろ。お前はそれに足る者だから」

 止まらない。星熊勇儀は、止まらない。

 腰を深く落として、拳がコチラへと向けられる。

 ああ、来るのか。まだ、やるのか。

 ならば、言葉は最早不要か。

零「来いよ、四天王」

勇儀「四天王奥義「三歩必殺」」

判定

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
語られる怪力乱神:-2
四天王奥義「三歩必殺」:-2
鬼(同族):±0
形態【夜叉】:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り1)

判定直後

必殺!

>>850 コンマ:1 ファンブル

 発生の一段階目は、彼女の周囲に固定された様な大玉が現れた。

 二段階目は、更にその外へと高密度の大玉が現れた。

勇儀「はぁぁぁぁぁぁああああっ!!」

 最後には、世界が白く染まる程の弾幕が俺へと襲い掛かって来ていた。

零「チィッ!!」

 防御の体勢を取るも、その衝撃は如何なるものも突き崩さんと襲い掛かって来る。

 倒れるな、倒れるな。しかしそれでも、俺の体力は削られていく。

 その刹那、腰の部分から鳴ってはいけない音が響いた。

零(あーくるが!?)

 浮き出ていたそこにも衝撃が走っていたのだろう。

 耐え切れなくなったのか、砕けるのを感じた。

 体はみるみる元の姿へと戻っていく。

 そして、反動もまた体に突き刺さる。

零「ぐっ、かぁっ……!!」

勇儀「随分苦しそうじゃないか。……倒れなかっただけ、褒めてやるよ」

零「カカ、うっせえよこのスカタン。俺の腰帯壊しやがって……」

 身の内に沸き立つ、歪みを感じる。

 周囲の歪みと共鳴しているのか、どうも普段より感覚が強い。

※判定
5以上でイベント

日溜まりへの誓い:+2

判定直後

m


※ちょっと外食するので抜けます。

※ただいまです

>>852 コンマ:6+2=8

勇儀「さて、ようやくお前さんの顔が見れたね……」

零「テメエのせいでな。……こうなったら、止められないぞ?」

 押さえ付けていた陰気が、充満する歪みに感応して大きく膨れ上がっていく。

 壊せ、殺せ。救いたいならば、そうしたいのならば潰せ、墜とせ。

 そうした言葉の羅列が、頭の中に流れ込んでくる。

 うるせえ、黙れ。それを俺はもう望まねえ。こんな破壊衝動はもう要らない。

 俺は知った。思い出した。かつての日溜まりにこの思いは要らない。

零「速攻で、片を付けさせてもらう」

勇儀「……それが、歪みの力かい?」

零「……どうだろうな。だが」

 これは、俺の持つ力の一部と言うのは変わりない。

 だから、ここで見せる。

 ここでケリをつける。




               陰にありて陽を目指し、歪み付いて捻り曲がる。
      人を嫌い人を助け人を救い人を害する我が道は、闇に有りて光を目指す邪道也。
       鎌の様に無慈悲に、足り得る思ひは誰ぞの為に。零から翔ぶ雷の如く。

                 ――オン・バサラ・ヤキシャ・ウン――

              ――オン・ア・オンボッケン・パッタ・ソワカ――

                  ――歪み来たり、先祖返せ――


 後頭部に、鬼面が顕れる。

 両肩に一本ずつ新たな腕が現れ、拳が握られる。

勇儀「両面宿儺……。成程、お前はそういう存在か」

零「行くぞ、あまり保つ自信はねえから」

勇儀「来い。そして、越えて見せろ、零ォッ!!」

零「鬼神「宿儺夜叉」ァッ!!」

勇儀「四天王奥義「三歩必殺」ッ!!」

判定

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
語られる怪力乱神:-2
四天王奥義「三歩必殺」:-2
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
鬼神「宿儺夜叉」:+2

判定直後


 先の行動は、目に焼き付いている。

 しかし、これでどうにかできるほどこの『三歩必殺』は簡単ではない。

零「それでもなぁっ!」

 両腕両足に歪みによる陰気を纏わせて、その中を掻き分ける。

 邪魔だ、退け。道を空けろ。この宿儺の進む道を!!

零「届かせてやるさ、力尽くでもォッ!!」

勇儀「弾幕をかき分けて……!?」

判定

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
語られる怪力乱神:-2
四天王奥義「三歩必殺」:-2
鬼(同族):±0
優勢:+1
汚染度【5】:+2
鬼神「宿儺夜叉」:+2

判定直後

ススス

>>859 コンマ:ゾロ目

零「さあ」

 一歩。

 歩みを進めて、第三の腕を使い打ち払う。

零「これで」

 二歩。

 歩みを進めて、第四の腕を振るって消し飛ばす。

零「お前を」

 三歩。

 歩みを進めて、勇儀の懐へ。

零「捕まえた」

勇儀「……ここまで、かい」

零「ああ、安心して、眠っていろ」

 必殺。

 両腕を引き、そのまま前へと撃ちだすように放つ。

 そのまま彼女の体へと拳は直撃した。

勇儀「……萃香を頼んだよ」

零「ああ、頼まれた」

 ゆっくりと、勇儀の体から力が抜けて行き俺の体にもたれ掛かる形になる。

 そして、俺は彼女を寝かせると霊夢たちの元へと飛び立った。

 目が覚めた頃には全て終わっている事だろう。

零「……またな」

 次は、日溜まりの中で会おう。

 そう、静かに思う俺だった。


霊夢「勝ったの?」

零「辛勝だがな」

 霊夢達に並んで、空中を浮遊する。

 正味、体はぼろぼろと言っても良いだろう。

 あーくるも壊されちまった。今後変身出来るかもわからんし。

こいし「お疲れ様だけど、もうひと踏ん張りだね」

 そう言って、こいしは俺の背中にまたしがみついてくる。

天子「そんなんで大丈夫なの?」

零「……やるさ。やらなきゃあいけない」

 勇儀の思いも託された。ここに居る面子の願いもある。

 何よりも、今この胸に抱える渇望がある。

 誰もを助けられる自分でありたい。

 だったら、萃香も救わなければならない。

 歪みに負けず、克服し、ひたすらに前へと。

零「進むぞ。萃香も待っているだろうしな」

 俺の言葉に、それぞれが首を縦に振った。

※明日早いので今日はここまで

※出来れば今日くらいの時間にまたやります

※お疲れ様です




 遠い空。紅月は頭上に君臨し、世界を赤く妖しく照らすこの夜。

 歪みを疎に巻いて幻想郷を覆うことに、何の躊躇いも労力もなかった。

 普段の頃なら、こんなことをすれば私の体力はなくなるだろう。

 だからこれは、私の汚染が進み比例して力が増していることを示している。

 痛いよ。苦しいよ。誰か助けてよ、と泣き叫びたい程の苦痛は今尚続いている。

 それは内側から漏れ出す毒の様に。

 徐々に綿へと染み渡った毒素が溢れ出す様に。

 私の体は蝕まれ、汚染され続ける。

萃香「凄いな、零は……。この痛みに、苦しみに、ずっと耐えていたのか」

 あいつと同じ感覚を共有していると思えば、愛しささえ覚える。

 ああ、零。ようやく今日お前を救えるのだ。

 ああ、零。ようやく今日お前を解放出来るのだ。

 ああ、零。零。零零。

 呟く。漏らす。

 その名さえ呟いていれば、堪えられる。

 その笑顔さえ思い出せれば、堪えられる。

 零。零。ぜろ、ゼロ……。

萃香「零零零零零零零零零零零零零零零零零零ぜろゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロゼロ殺零零零零零零零零零零零零零零零零零零零零零零零零零零ぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろゼロゼロゼロゼろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろぜろ」




 近道も、そろそろ出口の様だ。

 淡く赤い輝きが、この抜け道に差し込んで来ている。

 全身に鈍痛が走る。

 宿儺夜叉は勇儀との勝負が終えた時点で解除しているから、まだ良い方か。

 ……何故、あの姿に成れたと最早疑問には思わない。

 あれは、俺の中にずっと居たのだ。

 あれが、俺の超えるべき姿なのだ。

 だから、俺は――。

霊夢「……大丈夫?」

零「心配すんな」

霊夢「顔色、悪いわよ」

 隣を飛ぶ霊夢に指摘されて、顔にまで出てたかと頭を振る。

零「気のせいだろ。外の光が赤いからだろ」

天子「あんた、流石にその言い訳は苦しいわよ……」

こいし「無理全開だねー」

 じゃかあしい。そういうのは黙ってろ。

零「何が何でも俺が決着を付けるんだ。だから、行かせろ」

霊夢「わかってるわよ、そんなことくらい。今更何を言ってるのよ」

 だったら、それで良いだろ。

天子「でも、心配くらいさせてよ」

こいし「口では言うけどー、ってね」


 皆のわいわいとした言葉に、俺は小さく笑みを漏らす。

 緊張感のないやつらめ。

 だが、ああ。これはこれで良い。

 険しい顔でぐちぐちと漏らすなんて俺達には似合わない。

 俺達の日溜まりは、こうでなければ――。

霊夢「出るわよ、そろそろ」

天子「萃香……」


―妖怪の山・頂上―

 外に出た。

 歪みの気配がより一層、そして深く濃く強くなる。

こいし「なに、ここ……」

霊夢「くっ……!」

 普通では有り得ない程にまで歪んだ空気にこいしがまず反応した。

 それを察した霊夢が札を取り出し、俺以外の周囲に浮かばせる。

霊夢「罨ッ!!」

 そして発声された言葉で、結界が張られる。

零「こいし、向こう行ってろ」

こいし「……うん」

天子「ほら、こっちに来なさい」

 手招きをする天子に、こいしはふらふらとしながら近づいていく。

霊夢「零」

零「ああ、居るな」

 その中で霊夢の言葉で振り返れば、歪みの流れの大元を探り出す。

 萃香……。


零「ここを選んだお前は、正しいのかもな」

霊夢「え?」

 呟いて、眼下を見下ろす。

 崩れ落ちた様な廃村。ここはかつて、俺たちが過ごした世界。

 ここが始まりで、ここが終わり。

 鬼たちが地上で暮らしていた事を示す証明。

 誰かが踏み入ることの出来ない、隔離された場所。

 その中で、ゆらりとこちらへと向かってくる影が一つあった。

萃香「零」

零「萃香……」

 その影は萃香だった。

 雰囲気は昼間見た時よりも重圧にして黒く、歪みによる陰気が漏れ出している。

零「始めようか」

萃香「ああ、はじめよう」

 最早語る事はない。

 顔を合わせた。語ることは昼間に済ませた。

 だったら後は。

萃香「殺し合いを」

零「奪い合いを」

萃香「お前を救う」

零「お前を助ける」

 ――譲れない。譲らない。

萃香「行くぞ、零」

零「――お前を、救ってやる」

コンマ表

1 ファンブル(被弾)
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0 クリティカル(撃墜)

現在のスペルカード(必殺技)
鬼「夜叉の舞踏」
鬼「宿儺の咆哮」
鬼神「宿儺夜叉」

三回撃破で終了

残命:3
残機:3


霊夢「零、行きなさい」

天子「あの馬鹿をぶっ飛ばしなさい」

こいし「頑張れ、お兄さん」

 背中に受ける声援。

 張り詰めた空気に、緊張の中でも、ちゃんと耳に入る俺の大事な仲間の声。

萃香「お前の為にお前を救いお前を殺してでも歪みから助ける……」

零「萃香……。お前の歪み、この場で叩くッ!!」

萃香「零ォォォオオオオオッ!!」

零「その為にも――」

判定

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り3)

判定直後

はい

>>878 コンマ:ゾロ目 ※ボーナス行っちゃうよ

※横着はいけないという戒め

 飛び交うのは歪み付いた空気を密に萃められて形成された、空気弾。

 ドス黒い弾幕が世界を埋め尽くす中で、俺は精神を研ぎ澄ます。

零「――罨――」

 呟くは始動の呪詛。

 歪みにより発声した陰気を全身に張り巡らす。

零「年期の違いを見せてやる」

 そうして、跳び立つ。

 駆ける、雷光のごとく。

零「カァッ!!」

※判定
4以下で萃香 スペルカード発動

判定直後

ほい

>>881 コンマ:3 発動

 だが、その刹那のことだ。

 萃香の手に、小粒程度の石が集まっていた。

萃香「簡単に先手を取らせるわけがないだろう?」

 粒はやがて礫となり、礫は速やかに大石と化し、更に集まって岩と成って、最後には大岩を形成する。

 密に集められた巨大な岩は、まるで山の様な巨大さを誇っていた。

萃香「潰れたら、お前の細胞をちゃんと萃めて作り直してあげるから」

 カカ、流石にこれは想定外。

 まさか山を作り出すとは、思わなんだ。

零「それでも」

 それすら砕いてみせようぞ。こんな事で、俺が止まるわけにはいかないのだから。

萃香「萃符「戸隠山投げ」」

 目の前に、大地が迫る。

1ファンブル
2~3 勇儀有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
萃符「戸隠山投げ」:-1
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り3)

判定直後

てす

※また勇儀になっとる……

>>884 コンマ:2-2=1 ファンブル

萃香「安心して潰れてしまえ、零ォッ!!」

 正面から突撃して砕き切ると意気込んでみたけれど、しかし相手は山の様な岩である。

 生半可な攻撃では、通るハズもない。

零「グゥ、オォォォォオオオオオオッ!!」

 故に、圧される。

 全身に重量を感じ、激痛が駆け巡る。

※残機:3→2


※途中ですが今日はここまでで。お疲れ様です


※19:30頃に再開します


※続きからー

            ――――

霊夢「零!!」

零「心配すんな、こんな石ころ一つくらい……!!」

 歪みを更に深く引き上げ、陰気の流れを強く思い浮かべる。

 両腕には血管が浮き上がり、筋肉が太く膨張する。

 歯を噛み締めて、まだまだと押し返す。

萃香「まだ抗うの!!」

零「諦めないと決めてるからなぁ!!」

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
萃符「戸隠山投げ」:-1
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り3)

判定直後

>>893 コンマ:5-2=3 萃香有利

萃香「これを押し返せる力を、零が持ってる筈がないじゃないかぁぁぁあ!!」

零「舐めるなよ、勇儀からも託されてるんだからよぉぉおおおお!!」

 吼える。強く、哮る。

 口ではどうとでも言える。

 しかし、現状はどうだ。萃香に圧されっ放しだ。

 だから、弱い考えなど捨てろ。

 負けられない。負けるわけにはいかない。

 捨てろ。そして、抗え。

零「カァァァァァァァァァアアアアッ!!」

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
萃符「戸隠山投げ」:-1
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り3)

判定直後

ほい

>>897 コンマ:9-2=7 零有利

 少しずつ、ほんの、少しずつ。

 目の前の壁の様な岩を、押し返す。

 血管が切れて、血が吹き出しそうだ。

 体中にそれくらい力を入れているものだから、意識も遠のき始めている。

 だが、それで気を失う様な阿呆な事はしない。

 このまま、砕く。このまま、押し返す。

 このまま、萃香の所へと――。

零「萃香ァァァァァァァアアア!!」

萃香「なんで、だ。なんで、お前はぁぁぁああ!!」

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
萃符「戸隠山投げ」:-1
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2
有利:+1

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り3)

判定直後

必殺

>>899 コンマ:8+1=9 連続有利 スペカ使用可能回数3→2

零「俺は、諦めない。俺は、取り零さない。俺は、進む」

 例え、この身が歪みに蝕まれていようとも。

零「克服すると誓った。霊夢に魂を賭けた。天子に心を賭けた。だから、お前も!!」

萃香「その思いまで歪んだら、お前は!!」

零「鍵は最初から手の内にあったんだよ!だから、俺は!!」

 お前をその歪みから救い出し、あの日溜まりへと還る。

 その思いの許に、呪詛を紡ぐ。



             陰にありて陽を目指し、歪み付いて捻り曲がる。

   人を嫌い人を助け人を救い人を害する我が道は、闇に有りて光を目指す邪道也。

       鎌の様に無慈悲に、足り得る思ひは誰ぞの為に。零から翔ぶ雷の如く。

             ――オン・バサラ・ヤキシャ・ウン――

         ――オン・ア・オンボッケン・パッタ・ソワカ――

          ――歪み産まれよ、四つ腕の異端――


 陰気を体内に溜め込み、全身へと巡らせて纏う。

 そうして背中から生えるのは、陰気で創られた二つの腕だ。

萃香「その力は――!」

零「出し惜しみは、無しだ」

 まずは、これからだ。

 そうして叩き付ける、四つ腕から放つ拳。

零「鬼「宿儺の咆哮」ッ!!」

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
萃符「戸隠山投げ」:-1
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2
有利:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り2)

判定直後

高く

>>903 コンマ:9 連続有利×2 の為ブレイク

 叩き込まれた拳は壁に亀裂を入れる。

萃香「なっ……!?」

天子「零があれを砕けないわけないわよ」

霊夢「そうね、あいつはこの程度じゃ止まらない」

こいし「そういうお兄さんだからねー」

零「ハァァァァアア――」

 もう一度全ての腕を引いて、亀裂に狙いを定める。

 周囲の歪みによって発声した陰気を利用し、威力を更に高めた一撃を放つ為に。

 そうして、打ち出されるのは大砲。

零「セイヤァァァァァァァァアアアアアアアッ!!」

萃香「突破され――!」

零「お返しだぁぁぁあああ!!」

 粉々に砕かれた岩が霧散する中、俺はそのまま直進して萃香を捉える。

萃香「かっ――!」

零「まずは、一撃ィッ!!」

 振り抜いて、萃香を空中高くに殴り上げた。


萃香「まだ、まだ……!」

 体勢を立て直す萃香は呟きながら、拳を構える。

 やっぱこの程度じゃあ墜ちねえよな……。

 だったら、ここのまま――。

零「追撃させてもらうぞ、萃香」

萃香「くぅ……!」

 高度を上げて、最速で接近する。

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2
有利:+1

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り2)

判定直後

必殺

>>906 コンマ:5+2=7 零有利 スペカ使用可能回数2→1


零「――歪み来たれ、金剛の一閃――」

萃香「くそ、零……!!」

 脚部に陰気を収束させ、呪詛によって雷へと変換する。

 迸る雷を纏った蹴り。

 縦に回転しながら、前宙の要領で踵を振り下ろす!!

零「鬼「夜叉の舞踏ッ!!」

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2
鬼「夜叉の舞踏」
有利:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り1)

判定直後

はい


身内の不幸が重なる年です。なんやねん

しばらく無気力だったんですがなんとか回復してきたんで再開してみます

>>908 判定:3+1=4 接戦

 夜叉の舞踏による、前宙踵落としが萃香の頭上まで迫ったところで。

萃香「そう、易々となぁ――」

 右手を出され、雷迸る右足の袴の裾を掴まれる。

 焼ける音を上げ、激痛が走っている筈だが萃香の手は俺を離す気配がない。

 歯を強く噛み締め、脂汗を浮かび上がらせて俺の攻撃に抗ってくる。

萃香「私の思いを砕かれたら、堪らんだろう!零ォッ!!」 

零「それでも、俺はお前を止める!!」

 歪み付いて、歪み捻れて、この場の空気はまさに異界そのものだ。

 そう、この場を利用するならば、もっと強く、もっと大きく世界を捻じ曲げなければならない。

 この『俺』を、特異点とする為に。

 だから、萃香。お前を止める為に、俺は何度でも歪み、墜とす!!

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
鬼(同族):±0
汚染度【5】:+2
日溜まりへの誓い:+2
鬼「夜叉の舞踏」
有利:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り1)

判定直後

おかえり

※ただいまです。また一週間に何度か、という不定期で再開させていただきます。
 というか、早速補正入れ忘れてるミスがあるという体たらく。

>>918 判定:8+3=11(0) クリティカル

汚染度進行:【5】→【6】 補正が更に+1されます

 更に歪みを畳かけて、足に纏う雷を強く迸らせる。

 輝け、強く。もっとだ。もっとだ、もっと。

零「もっと、輝けぇぇぇぇぇぇぇええええッ!!」

萃香「ッ!!?」

 雷も歪み、陰気に汚染されたのかその輝きは黒く変色した。

 萃香の手から俺の足が解放されて、そのまま頭蓋へと振り下ろす。

 同時に周囲へと稲妻が駆け巡り、粒子となって霧散する。

 萃香は地面に直撃した。

 轟音と共に土煙がもくもくと上がっている。

零「来いよ、なあ、萃香」

 それでなお、まだ倒せていたいと俺は確信していた。

 俺の中で今尚増長し始めた歪みが、彼女の歪みと共鳴をしていたからだ。

 二回、懇親の一撃を浴びせることが出来た。

 だが、もう一撃。

 萃香の負けを決定づける一撃を、当てなければならない。

萃香「鬼符――!!」

 刹那、萃香の体が俺の懐へ『萃まり』作られていく。

 そうして両腕で俺の胴をしっかり掴んだ萃香は、そのまま地面へと急降下を始める。

 喋ってる余裕もなくなって来たか――!

霊夢「零ッ!逃げなさい!!」

萃香「大江山悉皆殺しッ!!」

零「やらせるかよォッ!!」

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
鬼符「大江山悉皆殺し」:-2
鬼(同族):±0
汚染度【6】:+3
日溜まりへの誓い:+2
有利:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り1)

判定直後

ほい

>>920 判定:5 接戦

萃香「眠っていてくれ、頼むからァッ!!」

零「そんな願い、お断り、だァッ!!」

 急降下からの叩きつけだが、両腕を地面に突き立て、そのまま衝撃を曲げて去なす。

 そうしてもう一度突き返すように押し上げ、空中へと跳び上がる。

萃香「もう一度だ!」

零(どうにか抜け出さなければ……!!)

 もう一度、迫り来るのは大いなる大地という名の壁。

天子「なにやってんのよばかまたりッ!!」

 俺だってどうにかしてえよ、馬鹿天子!!

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
鬼符「大江山悉皆殺し」:-2
鬼(同族):±0
汚染度【6】:+3
日溜まりへの誓い:+2
有利:+2

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り1)

判定直後

待ってた

>>922 判定:9 零有利

萃香「他の女にうつつを抜かしている暇があるのか、零!!」

零「誰も、んなこと、してねえよ!!」

萃香「そうやってなぁ、お前は昔から色んな――!?」

 上昇の限界まで来て、急降下が始まるその時だった。

 何故か、萃香の拘束が一瞬だけ緩んだのだ。

 俺はその隙を逃さなかった。

 そのまま萃香の頭を両足で挟み、変則的な投げを使って放り飛ばす。

零「で?俺が昔から、なんだって?」

萃香「うるさい、このスケこまし……!」

零「おい、待て。俺が愛したのは霊夢が最初で初めてだぞ」

 萃香の様子が、少しばかり変な気がした。

 汚染されてから見る、久々の何時も通りな顔だった気がする。

萃香「お前はなぁ!私たちのなぁ!!許さぁぁぁああん!!」

零「支離滅裂だぞ、おい!!」

 それは、多分。

 あいつの『抱えてた』気持ち、ってやつなのかもしれない。

 歪みの中で、歪んだ中で、隠してきたモノが表層に出てきたと。

零「だったら……」

 それこそ、掬い上げて聞かなければならない話だ。

 こんな状況じゃなくて、もっとしっかりと耳を傾けれられる様な場所で聞かなければならない話だ。

零「お前だって、色々と霧に巻きすぎなんだよ、この馬鹿がッ!!」

 歪み付き。その宿命になど、負けてはならない。

 この闇から、この大切な友人を、救い上げる!!

 判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
鬼(同族):±0
汚染度【6】:+3
日溜まりへの誓い:+2
有利:+3

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り1)

判定直後

>>924 判定:8+1=9

 攻勢は逆転した。

 萃香の様子が普段の『ソレ』を思わせる様になってから、攻めの手が緩んだのだ。

 堅い防御の上からでも、俺はお構いなしに手を、足を使い続けた。

 壱撃。彼女の小さな体を浮かせる程の力で、殴り抜ける。

 弐連。そのまま飛び蹴りによる追い打ち。

 参発。最後に、歪みで引き寄せる様にしてから、懇親の拳を振り下ろす。

零「しぶといな、ああ。しぶとい」

 それも全て、防がれてしまったが。

 遥か後方で、両腕をぷらぷらとさせる萃香を見やる。

萃香「痛い…・・。痛いねえ」

零「おいおい、嬉しそうに言ってんじゃねえぞ」

 勇儀の奴もそうだったが、何が嬉しくて口角を吊り上げるのか俺にはわからん。

 戦いが楽しくて仕方ない、とでも言うのか。

萃香「この痛みの何倍もの苦痛を、お前はずっと味わってきたんだ……」

零「それがどうした」

萃香「私は愛したい。この痛みを。零が受けた苦しみを。そうすれば、お前を救える。救える筈なんだ」

 歪みがまた、濃くなった。

 波の様に、素の状態から歪んだあの顔へと変わっていく。

 思わず、溜息を吐く。

零「一言だけ、言わせてくれ」

萃香「なんだ?」

零「余計なお世話だ」

 地面を砕くほどに強く、蹴り出す。

判定

1ファンブル
2~3 萃香有利
4~6 接戦
7~9 零有利
0クリティカル

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
鬼(同族):±0
汚染度【6】:+3
日溜まりへの誓い:+2
有利:+3

書き込み時、必殺と書き込むとでスペカ使用(残り1)

判定直後

はい

>>926 判定:0 クリティカル 三回撃墜により勝利

 迫り来る『萃められて』つくられた弾幕を回避し、肉薄しながら俺は呟く。

零「俺を救いたいって願いは、よくわかった」

萃香「零、なら……!!」

零「十二分に、嬉しいよ。お前が俺の事を、そこまで深く考えてくれていたなんてさ」

萃香「なら、受け入れてくれ!私の思いを、私の気持ちを!!」

 嬉しそうに、喜びながら弾幕を展開し続ける萃香。

 その威力は、俺を殺すに足りるだろう。俺を穿つに足りるだろう。

 しかし、恐れず向かう。

零「だが、俺は言った」

 目の前に迫る横一閃の弾を潜り抜ける。

零「俺は『知っていた』」

 宙返りで、萃香の頭上を飛び越える。

零「俺は、そういう歪み付きとして生まれてきたのだから」

 深く、深く。

零「俺は、歪みに負けたりしない」

萃香「ッ!?」

 萃香の懐へと、踏み込む。

零「俺は、お前に負けない」

 そのまま拳を握り、息を整える。

零「ここにある歪み全てを、俺が『受け止め』て」

萃香「そんな、ことしたら――」

零「俺が、歪み付き(お前ら)まとめて、救ってやっから」

 一歩、踏み入る。

零「安心して、寝てろ。萃香」

 腰を回し、全体重を拳に乗せる。

萃香「お前が、どうなるか……」

零「大丈夫だ」

 一筋の涙が、萃香の頬を伝うのが見えた。

零「俺は、大丈夫だ」

 だから、信じて欲しい。

 信じて、待って居てほしい。

 お前ら全員と、日溜まりの中で笑っていたいから。

 そう思いながら、萃香の鳩尾へと拳を叩き込む。

 小さな呻き声が聞こえると同時に、萃香は後方へと飛んでいく。

零「……結局、俺にはこうするしか出来ない、か」

 傷付けてでも、誰かを救う。

 これが、俺に唯一許された手段なのだ。 


霊夢「終わった、の?」

 呆然と横たわる萃香を見ていると、結界を張った状態で霊夢達が俺の隣近くへ降り立ってくる。

 俺が小さく頷くと、良かった、とだけ添えて霊夢は胸をなで下ろした。

天子「ヒヤヒヤさせないでよ、ばかまたり」

こいし「お兄さんが勝つって信じてたよ」

 一方で、天子は腰に手を当てて呆れた風に、こいしが笑顔を浮かべて嬉しそうに呟く。

零「まだ、何も始まっちゃいないけどな」

天子「どういうこと?」

霊夢「そうね。準備するわ」

 俺の言葉に天子が首を傾げる中、霊夢が巫女服の袖から数珠と簡素な箱を取り出す。

 中にはお焚き上げ用の線香の様な物の束と、小さな祭壇が入っていた。

こいし「何が始まるの?」

零「霊夢の祈祷で、この妖怪の山一帯に広まった歪みを俺の中に取り込ませる」

天子「……それでどうするの?」

零「さあな。……なるようになる、とは思うんだが」

 問われて、てきとうにぼかす。

 こればかりは、賭けだ。一世一代、正真正銘の命を賭けた大勝負。

 成功すれば歪みを消すことが出来るだろうし、失敗すればどうなるかなんて予想も付かない。

天子「……結局何も考えてないんじゃない」

こいし「お兄さんらしいって言えば、そうだね」

 くすくすと笑う二人。

 おい、まるで俺が馬鹿みたいじゃなんかよ、やめろ笑うの。

零「ただ、これが鍵になるんだ。きっと、成功する。俺はそう信じて疑わない」

天子「ま、そんなことだろうとは思ってたけど」

こいし「ちゃんと見てるからね、お兄さん」

 そう言って、ちょっとした談笑を交えていれば霊夢からそろそろという声が掛かってきた。

 結界の中に居る二人から頑張れ、という声援を背中に受けて俺はまた個別の結界を張っている霊夢へと歩み寄る。


霊夢「零は甘いわね」

零「何がだよ」

霊夢「もしかしたら皆巻き込んで死ぬかもしれないのよ?」

零「んなこたあさせねえよ」

 きょとんとしながら即答する。

霊夢「……さいですか」

零「おい。その呆れて見下げた奴を見るような目を止めろ」

霊夢「ほとほと、あんたってホント、馬鹿よね」

 馬鹿。馬鹿。馬鹿。

 全員揃いも揃って何を言うんだ、と思う。

 いや、決して頭が良いわけではないけれど。俺はそこまで馬鹿じゃないと思いたい。

霊夢「成功させる気しかないんでしょ?」

零「当たり前だ、霊夢」

霊夢「だったら、聞かないわ。この大勝負、絶対に勝ちなさい」

 応、と拳を打ち鳴らして答える。

 霊夢のやつ、心配してくれているのだろうか。

 なら、そうだって言ってくれれば良いのに。

 まあ、俺もあいつの立場だったら素直には言わないだろうけど。

 互いに素直じゃないって言えばいいのだろうか。

 そういう性格だが、それがあいつの可愛いところでもある。

零「準備は?」

霊夢「万端よ」

零「んじゃ、早速やりま――」

 その、全ての始まりをやろうとした時。

 寝ている筈の萃香から、俺が声を中断する程とてつもない陰気を感じ取った。

 それは、まるで執念の様に感じられた。

 起き上がり、力なく立つ彼女の双眸は、俺を捉えて離さなかった。


萃香「零、零ゼロ零ぜろぜろぜろ零ゼロ零――」

 呪詛の様に呟かれる、俺の名前。

 気味が悪いとかいう話ではなく、その様子には狂気に染まっているとしか思えなかった。

零「霊夢!!」

霊夢「わかってる、萃香を!」

零「違う!儀式を始めろ!!」

霊夢「この状況で!?」

零「俺が、萃香を取り押さえるから!!」

霊夢「零、待って!!――ああ、もう!!」

 言うが早いか、俺は霊夢がぼやくのを背中に聞きながら走り始める。

 あの状態の萃香は、不味い。

 歪みに完全に取り込まれている。

 だったら、他の奴らには手を出させるわけにはいかない。

 俺がどうにかしなければならない。

萃香「ぜろ、零、ゼロ、ぜろぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

零「良い加減、目を覚ませってんだよ!このアホウが!!」

萃香「四天王奥義――」

零「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン! オン・ア・オンボッケン・パッタ・ソワカ――歪み来たり、先祖返せ!!」

萃香「三歩、壊廃ッ!!」

零「宿儺夜叉ッ!!」

 これが、最後の攻防となるだろう。

 全力で、勝ち取る!!

特殊判定
四天王奥義「三歩壊廃」
三回の判定までに6以上が一つでもあれば勝利

補正
萃まる夢、幻、そして百鬼夜行:-2
汚染度【?】:-3
暴走:-1
鬼(同族):±0
汚染度【6】:+3
日溜まりへの誓い:+2
宿儺夜叉:+3

>>+1~3までで判定

ほい

>>931-933 全員成功とかなんなん?

 四天王奥義「三歩壊廃」。

 勇儀と同じく、山の四天王である伊吹萃香の持つ奥義である。

 その体を巨大化させつつ前進し、拳を三発放つという豪胆な技であるが。

 歪みを宿し、その力を全面的に使っているであろうその技は、あまりにも歪なモノと化していた。

 纏う空気が、違うのだ。

 今までにあった救うという願いの反転ではなく、ただ単純な、殺意だけが顕現している。

 だが、それで俺は止まらない。止めてはならない。

零「壱の腕には、信念を宿し」

 山を削らんばかりの勢いで振るわれた左拳に、右上の腕で弾き飛ばす。

零「弐の腕には、理念を宿す」

 負けじと襲い来るもう片方の拳へ、今度は左上の腕で迎撃する。

零「参の腕には激情を、四の腕には衝動を。我が祖先の在り方、ここに示さん」

萃香「零、私は、私は、お前を――!!」

 ああ、重々承知しているよ。

 さっきまで、ずっと言ってたじゃないか。

 諦めきれないんだろ? 掴み取りたかったんだろ?

 それは、俺と一緒だ。

 俺がずっと、思ってた事だ。

零「――オン・バサラ・ヤキシャ・ウン・オン・アラタンノウ・ウン・ソワカ――」

 見ているだけってのは、辛いかもしれない。

 何かしてやれないかって思うのは、仕方ないのかもしれない。

 だけど、こればかりは。

零「――バサラダトバン・ナウマクサマンダボダナン・アビラウンケンソワカ――」

 ――譲れない、思いだ。

 最後の一発が訪れる。

 両腕に歪みを纏い、黒雷を発生させる。

零「宿儺秘技「夜叉・黒雷閃」ッ!!」

萃香「――ッ!!」

 放たれた拳は、萃香の拳を弾いて尚前進する。

 彼女の胴へと叩き込まれたこの拳は、黒雷を拡散させながら萃香の技を打ち破った。

 巨大化も解け、何時もの大きさに戻る萃香の体を受け止める。

 最後の仕事を、お前には見て欲しくはない。

 これまで頑張ったお前には、安心して、俺を迎えて欲しいから。

 霊夢と一緒に、あの神社で。

 俺の事を、待っていてくれ。

 俺の腕の中で眠る萃香はボロボロだったが、その穏やかな寝息にそう心の中で呟くのだった。


霊夢「零、今からあんたに歪みを集める!」

 その直後、霊夢から最後の仕事の開始を告げられる。

 急いで彼女のもとに萃香を預けると、そのまま結界から少し離れた場所にたつ。

零「萃香のこと、頼むわ」

霊夢「こいつの歪みも、これで」

零「ああ。俺が全部、持っていくからよ」

 くつくつと喉を鳴らして笑う。

 ああ、これで終わり。ここで終わり。

 そして始まり。俺の、日溜まりがここから始まる。

天子「かまた――零ォッ!!絶対成功させない!じゃないと許さないから!絶対!!絶対許さないから!!」

こいし「お兄さん!わたし、信じてるからね!!」

 意識を集中させている最中で、天子とこいしが叫ぶ。

 わかってる。わかってるから、心配すんな。

 そう思いながら右腕を掲げて、親指を突き立てる。

霊夢「行くわよ、私の大事なひと!!」

零「応、我が最愛の汝!」

 互いに高く呼び交し、息を合わせて呪詛の開始を呟く。








                         零・霊夢「――罨――」




                     アバカベイロシャノウ    マカボダラマニ   ハンドマ  ジンバリ ハラバリタヤウン
                 霊夢「阿謨伽尾盧左曩 摩訶母捺■摩■ 鉢納摩 人■■ 鉢■韈■野吽 」

                                    バサラダトバン
                        霊夢「地・水・火・風・空に偏在する金剛界尊よ 」

                            ナウマクサマンダボダナン・アビラウンケンソワカ
                            霊夢「今ぞ遍く光に滅相し奉る! 」


 霊夢の言霊により、俺を中心にした『卍』型の渦が生まれ始める。

 博麗神社に何故か残っていた、経典の様な書物。

 そこに描かれていた理を、霊夢が俺へと繋がる様に変革させたのがこの呪詛だ。

 元々は『唯我』がどうたら、とかいうものらしいが、そんなこと今はどうでもいい。

 渦は周囲の歪みを巻き込み、その中心に居る俺へと集まっていく。

 遍く光とは、俺のこと。

 滅相するは、歪みし陰気。

 我が身、我が魂全てでもって、この厄災をここで断ち切らん。




                         ―― 陰にありて陽を目指し、歪み付いて捻り曲がる ――

             ―― 人を愛し、人を助け、人を救い、人の為と成らん我が道は、闇を照らす曙光の輝き也――

                 ―― 鎌の様に無慈悲に、足り得る思ひは誰ぞの為に。零から翔ぶ雷の如く ――


                           ――オン・キリキリ・バサラバ・ウンハッタ――

                            ――オン・アラタンノウ・ウン・ソワカ――

                             ――オン・バサラ・ヤキシャ・ウン――

                          ――オン・ア・オンボッケン・パッタ・ソワカ――

 世界が白く染まっていく。

 世界が光に満ちていく。

 この場の歪みが全て俺の能力によって変換され、生命の糧へと変わっていく。

 しかし、このままでは駄目だ。

 俺の能力は『陰陽を歪める程度の能力』。

 この場に生まれた陽気だけでは、陰気が片寄り生命としての器を保てない。

 だから、俺が操る。俺が救う。

 取り零さない。手を離さない。もう二度と諦めない。

 そう、決めてここに居るのだ。こうしているのだ。

 この曙光の輝きこそが、俺の魂の輝きだ!!




                            ――金剛夜叉・戦神雷鳴・両面鬼神四腕之宿儺――





                     ――       再       ・        転       ・       生 ――





                            我が抱きし正義におひて、彼の者共を救いあげんが為に


天子「光が……」

こいし「空から、雪みたいに……」

霊夢「萃香の体から、歪みが抜けていく……?」

こいし「お兄さん、やっぱり凄いひとだったんだなぁ」

天子「人っていうか、鬼だけど。……ま、私たちの幼馴染だもの。これくらい、当然よ」

こいし「ふられてるのに、なんでそんな偉そうなの?」

天子「なんですってこの……!!」

霊夢「そこ、それを言うなら博麗の零でしょうが」

天子「そ、それを言わないで……。現実を見させないで……」

霊夢「緊張感、なさすぎよ。あんたら」

天子「でも、まあ?」

こいし「それがこの集まりらしいと言えば、そうじゃないかな?」

霊夢「……」

 博麗霊夢は、二人の言葉になにも言えなかった。

 内心、とてつもない心配が渦巻いているのだから、それも致し方ない。

 だが、そんな事を知らぬ天子とこいしは零の巻き起こしている歪みの渦を眺めながらそう言ったのだ。

 この先が本当にあるのだろうか。

 これで零が戻って来なければ。

 そんな、考えたくもない考えが浮かんでは消える。

萃香「……れい、む」

霊夢「萃香、目を覚ましたの……?」

 その折り、微かな息遣いながら萃香が目覚めて霊夢に語りかけた。

萃香「すっかりと、抜け落ちてしまったな……。こりゃあ、かなわんわ……」

 横になりながら、手を開いては握ってはかっかと笑う萃香。

萃香「あいつが、やると決めた事だ。お前さん、あいつと約束はしたのか?」

霊夢「したけど……」

萃香「だったら信じて、やってくれ。あいつが約束を破るなんて、滅多にない」

 だから今は、待ち続けろ。

 言うだけ言って、萃香は再び目を閉じて寝息を立てる。

霊夢(そんなこと、わかってるわよ……)

 言われなくても、彼女は彼の事を心の底から信じていた。

 だからこそ、心配になるのだと、霊夢は思う。

 霊夢は首から下げた零からもらった勾玉を握りしめて、渦を見る。

霊夢「……零、あんたを、信じてるから」

 


 ――あんたを、信じてるから。

零「霊夢……?」

 声が、聞こえた気がした。

 それも、渦の中から。

零「どうやら、心配かけちまってる様だな……」

 その呟きが、幻聴だとしても。

 どっちにしろ、俺はこの声に何度も救われてきた。

 その声が、俺を信じているというのだ。

零「男を、魅せなきゃな」

 呟き、気合を更に入れ直す。

 陰気を陽気へと変換し。

 適度な陰気を陽気に乗せて打ち上げる。

 俺の中の歪みが悲鳴をあげていた。

 全身に酷い疲労感と痛みが走っていた。

 だが。

 この先に未来があるのだから。

 今は少しの無茶は無理を、やらせてもらう。

零「……仕上げといこうぜ。なあ、『歪み(俺)』よ」

 これまで、生まれてこの方ずっと共に歩んで来た存在に別れを告げる。

 この力を憎み、恨んだことも多々あった。

 この力で救えた命も多々あった。

 この力で生き抜けた時も、多々あった。

 それも、ここでサヨナラだ。

零「日溜まりは、もうすぐそこだ」

 大きく、歪みを強く発動させる。

 自分自身を器とする様に。

 この渦全てを、己という宇宙に納める様に。








                                ――       太   ・   極           ――




 始まりは、小さなモノでした。

 とある人間の女の子が、とある忌み子の少年を連れ出したのが、このものがたりの始まりでした。

 少年は、鬼でした。

 鬼の中でも『いたん』と呼ばれ、少年は村からかくりされていました。

 少年は初めてやさしさを知りました。

 少年は初めてぬくもりを知りました。

 少年は初めてともだちを得ました。

 そうした輪を、あたたかさを、少年は日溜まりのようだと思いました。

 時は経ち、少年は女の子を元の場所に戻してあげようと思いました。

 女の子は鬼に攫われて来た子供でした。

 だから、お父さんとお母さんに会わせてあげようとしました。

 少年は仲間の鬼の少女と、女の子と一緒に人里へ向かいました。

 しかし、待っていたのはひどい出来事ばかりでした。

 村の人間たちは、少年と少女を見るなりぼうりょくをふるったのです。

 女の子はお父さんの部下に連れて行かれ、少年と少女は危機におちいってしまいました。

 そして、少年は自分の知らない、自分の中にあった力を使ってしまいます。

 『歪み』。

 その力は、村をかいめつさせてしまうほど、強く恐ろしい力でした。

 それから少年は、鬼がちじょうから居なくなるまでまた独りで過ごし、幻想郷から姿を消しました。


 それから、何百年と経った頃。

 鬼の少年は、青年になってこの幻想郷に戻ってきました。

 しかし、青年は現実を知って、人間が大嫌いになっていました。

 だけど、青年は最初に再開した鬼の少女のお願いで神社に住むことになりました。

 神社には、ひとりの巫女さんがいました。

 彼女はしぶしぶとそれを了承していましたが、やがて彼におかしな点を見つけます。

 人間が嫌いな筈なのに、誰かを助けることばかりを考えているのに気付いたからです。

 そこには勿論、人間の事も含まれていました。

 だから、それがおかしくて巫女は鬼の青年に興味が湧きました。

 青年は青年で、気付けば巫女のことを気になっていました。

 心の中にいる彼女に、少しずつ惹かれていきます。

 彼は幻想郷で、かつて見知った数多の友人や新しい住人達と出会いました。

 それが、彼の心を少しずつ変えていっていました。

 そんなある日、青年は歪みを失いました。

 今までずっとあったものがなくなって、青年はどうしたら良いのかわからなくなりました。

 失くなって、初めて彼は今までの自分の行ってきたことに恐怖しました。

 それをとがめた天人の女の子がいました。

 女の子の言葉に、青年は気づきます。

 今までの事を、なかったことにしたらいけない。

 だから、これからどうするのかを考える。

 そうすることで、未来に進む事を、彼は決めました。

 罪を背負い、それで尚、生き続ける。

 今まで信じてきたことを、揺らがせてはならない。

 青年は歪みの行方をさがしました。

 そうして、彼はよく知る女性のところへと行き着きました。

 幻想郷の賢者。そう呼ばれる女性に、歪みの行方を尋ねました。

 彼女は今はどこにもない、と答えます。

 時が来れば、歪みは目覚めると。

 青年は巫女や天人の少女、それに新しく友人となったさとり妖怪だった少女と幻想郷を探し回りました。

 そうしている内に、探しているものが自分の中にあることを知ります。

 そうすると、青年は安堵すると同時にこの歪みをどう越えて行くかを考え始めます。

 一人でずっと、悩み続けました。彼は誰かを救うことに自分をかえりみませんでした。

 正義の味方。それになりたかった青年には、それが当たり前でした。

 巫女はそれを心配していました。

 鬼の少女もそうです。天界の少女も。

 やがて、巫女が青年に尋ねます。

 それで最後には、誰があなたを救うの?

 青年は答えられませんでした。

 誰かを頼るということを拒んでいた彼は、巫女に怒られてしまいました。

 そして、自分は誰かを頼っていいということを知って涙を流しました。


 やがて、運命の時はやって来ます。

 お祭りの日。青年たちは一緒に縁日へと行きました。

 遊び、さわぎ、飲み、笑う。

 そんな当たり前が目の前にあって、青年は自分の作りたいものを確信しました。

 それは、子供の頃に感じた日溜まりでした。

 そこに皆と一緒に居たいと青年は思いました。

 その中で、一番大切だと思った巫女に彼は愛を告げました。

 巫女は、それを受け入れて二人は晴れて恋人になりました。

 そうしてその夜、日付が変わった頃に、青年に歪みが再び目覚めます。

 歪みが戻って来たことにより、より強く乗り越える決意を固める青年でしたが、目覚めていたのは彼だけではありませんでした。

 鬼の少女。彼女もまた、歪み付きとなっていたのです。

 二人は戦います。

 少女は青年を救いたくて、青年は少女を助けたくて。

 歪んでいるから、互いに戦うことしかできませんでした。

 しかし、その戦いの終わりに青年は歪みの越え方のきっかけを得ます。

 そうして、また日が経ちました。

 鬼の少女の行方もわからなくなり、様々な場所を探していたある日。

 天界の少女が、かつて一緒に居た女の子だと青年は知りました。

 女の子は青年の事が好きでした。

 しかし、青年は巫女のことを愛しています。

 女の子は泣きました。青年はそれでも、一緒にいたいと言いました。

 あの時の日溜まりよりも温かい場所を作りたい。お前にも、そこに居てほしいと青年は言いました。

 女の子は最初泣きじゃくりましたが、青年の言葉に落ち着きを取り戻していきました。

 そうして、過去の自分と決別することを決めた少女は一度、天界へと帰っていきました。

 それからまたしばらく経って、神社に鬼の少女がやってきました。

 少女は自分がこの夜に異変を起こすと告げます。

 巫女は最初、鬼の少女が青年を奪いにきたと思い警戒しました。

 しかし、少年は普段通りで鬼の少女の言葉に耳を傾けます。

 鬼の少女のやりたいことをさせて、その上でお互い満足して全てを終わらせると青年は言いました。

 その言葉を巫女はしぶしぶと了承して、鬼の少女は消えて行きます。

 その夜。妖怪の山に異変が発生しました。

 山全体を歪みが覆う。そんな異変を、鬼の少女は起こしました。

 それを解決する為に、青年は巫女と、それに途中で合流した天界の少女と元さとり妖怪の少女と共に山頂を目指します。

 その途中で、鴉天狗の少女と出会いました。

 彼女も青年の友人でした。鴉天狗は秘密の道を彼らに教え、その背中を信じて見送りました。

 秘密の道を彼らが進んでいると、鬼の女性と出会い、青年が戦うことになりました。

 少女のことを巡った戦いでした。

 女性も青年の友人でしたが、鬼の代表でもありました。

 少女を倒す為に来た女性と激闘を繰り広げた青年は、最後に託されます。

 彼女を頼む、と。

 そうして、最後の戦いの舞台へと彼らはたどり着きました。

 鬼の少女と青年は、正面からぶつかり合いました。

 拳を交え、強く信念を叩きつけ、己が願いを競い合いました。

 青年は、鬼の少女の思いを深く受け止めました。

 その上で、自分の願いを思いました。

 一緒に居たい。みんなと一緒に、笑える様になりたい。

 日溜まりの中で、かつての様に。

 最後に勝ったのは、青年でした。

 青年は巫女の少女と一緒に歪みの浄化を始めました。

 そうして――。




零「 ――  太  ・  極 ―― 」

 世界を染め上げる。

 俺の願いを、自分に向けて思い放つ。

 誰でも助けられる自分になりたい。

 誰でも救える自分になりたい。

 そして、霊夢を――彼女達を守れる自分になりたい。

 それが俺の願い。

 それが俺の目指す正義の味方の姿。

 かつて俺の先祖がそうであったように。

 かつて俺の根源がそうであったように。

 異端と呼ばれようと、人に害を成していたとしても。

 それでも、まだ出来る事があるのだから。

零「鬼神「金剛夜叉・両面宿儺之鬼」ッ!!」

 ここに生まれ出てろ、そして至れ、太極の果へ!!




霊夢「歪みが、消えていく」

 私の目に見える景色は、まさに生命の溢れる様だった。

 黒々として重苦しかった空気は浄化され、周囲の木々や花々は生気を取り戻して生い茂る。

 それが、この妖怪の山だけじゃない。

 幻想郷全土へと、拡がっているようだった。

萃香「……痛みが、なくなった。なんだ、これ、ハハ、すごいな、これ」

天子「やりすぎ感がこれまたすごいっていうか、なんていうか」

こいし「お兄さんらしいね、あはっ」



はたて「うわ、すご……。ちょっと文、見てみなさいよ。……って、何泣いてるの!?」

文「やりきったんですね、鎌足さん……。はは、漸く、ようやくですか。長かった。本当に、長かった」



勇儀「……暖かい光だ。ああ、そう言えば、地上であいつらと一緒にいた時も、こんな感覚を味わっていたんだっけか」

勇儀「お前さんにゃあかなわないねえ、零。今回も、勝ちは譲ってやるさね」



アリス「この光は……。暖かい」

霖之助「成程。どうやら終わらせられたようだね。……お疲れ様、零君」



一輪「これは、陽気……?こんな濃い陽気をいったい誰が……」

小傘「驚いた。これは驚いた。……こんな凄い驚かせ方があったのか」




衣玖「これほどの神気と陽気を、あの方が放出した。……ふふ、これは大騒ぎになりますね」

衣玖「総領娘様も、随分と友人に恵まれたもので。総領様への言い訳が立つ、というものです」



紫「良き哉。ええ、なんと良き哉。これぞ最上の終わりが一幕。これ程胸躍る瞬間はない」

藍「これが、太極……。彼の宇宙と?」

紫「そう。ここに一つ特異点が生まれた。そうして彼は、この幻想を走り給うた」

紫「惜しむらくはまた私の手で育てられなかった、という点か。ああ、しかしそれでも良い」

紫「祝言を述べよう。……鎌足の。汝が舞台に、喝采を!」

藍(……この瞬間を、私は何度か見たことがある気がする)

藍(知らない筈なのに、既に知っている様なこの感覚は何だ?)

藍(紫様は何か知っているようだが、語られる事はない、か)

藍「鎌足くん、君に祝いを」

藍(ただ、これだけは言っておこう。それで、いい気がするのだ)




 その日、幻想郷に光の雪が降る、という現象が起きた。

 それはとても暖かく、雪に当たった者は皆、負っていた怪我や病気が治ったと報告されている。

 何故そのような現象が起こったのか。

 夜中に起きた異変はどうなったのか。

 誰も、知る由がない。

阿求「ふふ、しかし、心当たりはあるんですけど」

 雪に当たったせいか、私の体調もすこぶるよかった。

 ああ、阿余の頃から彼の事を心配していましたが、今でようやく終わりのようで。

阿求「鎌足さん。これから歩み出すんですね」

 小さく呟いて、庭を駆ける。

 こんな事をするのも、久々だ。

 年甲斐もなく、私ははしゃいでいるらしい。
 
 しかし、こんな目出度い日なのだ。

 少しくらい、大目に見て欲しいものです。

 夜中の内、朝日が昇るまで降り続けた光の雪は午前中にはすっかりなくなっていた。

 しかし、幻想郷中の草花や果実、稲穂が全て最高の状態になっていたとも言われている。

 鎌足零。彼の起こしたであろう奇跡は、すぐに忘れられることだろう。

 しかし、私は忘れない。この出来事を。

 そして、彼の存在も。






                                    終章




 


 伝え聞かせるのは、彼が辿ったそれまでの物語。

 異端として生まれ、歪み付きと蔑まされ、それでもなお誰かを救う為に生きた不器用な男の物語。

「ねえねえ、お母さん。それで?それで?」

「はいはい、それからは貴女もよく知ってるはずよ?」

 膝の上に座る娘に急かされて、語るのはそれから少しのこと。

 戻ってから落ち着いてすぐに、私――博麗霊夢は零と結婚をした。

 自分の神社で行う結婚式程滑稽なものはなく、結局はただの飲み会になったんだけど。

 あ、ちなみに零を婿養子に迎える形で、となっている。

 まあ、それもなんていうか、すぐに曖昧になっちゃったっていうか……。

「おい、霊夢。少しはこっち手伝え」

「あら、私はこの子の相手で忙しいのだけど」

 包丁を持って割烹着姿の鬼――ああ、今は『鬼神』か。

 私の旦那である博麗 零(旧姓:鎌足)が不機嫌そうに台所から出てくる。

「一応俺、この神社の守護神なんだけどな……」

「祀ってあげないと、あんた消えちゃうでしょ?ま、信仰してるのは基本妖怪とかばっかだけど」

「あー、命蓮寺にも誘われたな……。一応、金剛夜叉明王の眷族みたいなもんだしな、俺」

「行ったら絶対許さないわよ?」

 その言葉に、へいへいと肩を竦める零。

「おーい、  。少し母さん借りていいかー?」

「やっ!」

「即答かよ……」

 そして、零の立場はこの中で一番低かったりする。

 いい笑顔して言ったわね、この子。

「……霊夢、たまには俺も構えよ」

「えー……」

「いや、うん。いいや。飯の続き作ってくる」

 渋々と戻っていく零の背中には、お父さん特有の哀愁が漂っていた気がした。

 まあ、少し意地悪しすぎると後が面倒なのよね……。

「……一緒にお父さんのお手伝い、しましょっか」

「うん!お手伝いするー!」

 立ち上がり、娘と手を繋いで台所へと向かう。

 今がこんなに幸せなのを、昔の私だったら信じないでしょうけど。

 それはきっと、彼も一緒で。

 娘までちゃんと居るこの日常が、とてもとても暖かで。

 天子も、萃香も、こいしも、たまに勇儀や文も遊びに来て騒いだりしたり。

 これが、彼の望んでいた日溜まりであるのなら、私はそれが凄く嬉しい。

「零ー、やっぱ手伝うわ」

「わたしもてつだうー!」

「おう!それじゃあみんなで夕飯作るか!!」

 こいつと、この先ずっと、幸せでありますように。

 そう、私は強く願った。



                      幻想に走り給う

                        鎌足零

                       博麗 霊夢√

                         終幕

※リザルト

名前:博霊 零(旧姓:鎌足)
読み:はくれい ぜろ(かまたり)
二つ名:博麗神社の守護鬼神
能力:陰陽を操る(歪める)程度の能力
種族:鬼神
危険度:激高
人間友好度:高
精神:7
潜在能力:9
汚染度:0(克服)

縁起目録
妖怪の山の異端児。
生まれついて歪みを抱えた、嫌われ者と言われている者。
幻想郷から去っていった鬼だが、彼はまた戻ってきた鬼の一体である。
彼の能力は、本来陰気の塊である妖怪が人間側の力の行使を可能とする。
陰気を、陽気へ。其れ故に、私は陰陽を操る(歪める)程度の能力と呼んでいる。
そも、我々は皆根源に太極図を持っている。
彼はそこへの干渉が可能だと思われる。
かつては人間嫌いであったが、今はその逆である。
巫女と結婚し、鬼神と人間のハーフの娘を授かった。
博霊の跡継ぎであり、サラブレッドである。
神、と言っても我々の思う神とは系統が違うらしい。
現在は博霊神社に祀られていると同時に住んでいる。


特殊設定

神格
あなたは神格としての資格を所持している。
条件:『潜在能力』特殊判定
効果:『覇道』または『求道』を取得可能

求道
あなたは求道の神格だ。あなたの持つ理そのものである。
世界から隔離された歩く特異点そのものとも言える。
故に、あなたは外界からの影響をほぼ受けることは無いだろう。
効果:戦闘時の判定に+2  殆どの相手から-補正を受けない

変身
あなたは特定のアイテムを所持している。そのアイテムを使い、変身することができる。
その使い方で、あなたは悪にも正義にもなれるだろう。
ただし、他の所持している戦闘補正スキルの補正は無効になる。

「オン・バサラ・ヤキシャ・ウン!――鬼装変身、急々如律令ッ!!」

現在成れる形態
形態:夜叉
所謂【通常】形態。額に二本の角を持つ、青い装甲の鬼装。両肩に角が二本ある。
効果:戦闘判定に+2 3ターン、もしくはファンブルで変身解除
形態:宿儺
所謂【強化】形態。両肩の角が鬼面に代わり、背中に二本の腕が追加される。
効果:戦闘判定に+3 2ターン、もしくはファンブルで変身解除

持ち物

アークル(覚醒):変身ベルト。謎の文様と石が付いていおり、使用すると仮面の戦士・ヤキシャへと変身出来る
ヴィンテージワイン(白):最高級品だが、味は不明。銘にはラテン語でカロルス・マグヌスに捧ぐと書かれている。誰かに渡すことが出来る。
筋斗雲(メカ):メカメカしい雲の絡繰。空を駆ける事が出来る
鬼面(歪):歪み付きの鬼面

相関図
『博麗神社』
博麗 霊夢:あなたと一緒に、どこまでも行くわ※妻
伊吹 萃香:結局はこうなる宿命だったということか……
『妖怪の山』
射命丸 文:ご結婚、おめでとうございます!!
姫海棠 はたて:災厄の異端が、何をいけしゃあしゃあと……
『旧地獄』
星熊 勇儀:酒が飲めればなんでもいいさね。ま、祝ってやるさ
古明地 こいし:みんなと遊ぶの、楽しいよ!
『人間の里』
稗田 阿求:ああ、貴方が結婚までするなんて……
上白沢 慧音:お前は何がしたいんだ?
『緋想天』
比那名居 天子:くぅぅぅうう!悔しいぃぃぃぃいいいい!!
永江 衣玖:総領娘様、いけませんよ、ちゃんと祝わないと
『魔法の森』
アリス・マーガトロイド:どうしてそんなモノを宿しているの?
森近 霖之助:入用の時は僕の店に来てくれ
『八雲家』
八雲 紫:さあ、貴方もこれで……
八雲 藍:この既知感は一体……
『命蓮寺』
多々良 小傘:鬼はこれだから嫌になるんです
雲居 一輪:金剛夜叉明王様のご眷属だったんですか!?


はい、というわけで長きに渡る零君のお話も一旦これにて終幕。

後日談とかはまた後日、という感じで出していきます。

明日は出来れば夜の23時頃に参上するかと。

まあ、次スレ立ててキャラメイクする感じになると思います。

では、お疲れ様です




                 幻想に走り給う

                 鎌足 零 外伝

                 霊夢編後日譚

     この日溜まりこそが、俺の掴んだ永遠の絆だと、信じている




 歪みを祓ってから、数ヶ月。

 寒々とした気候が幻想郷の地表全体へと訪れ、景色を白く染め上げている。

 冬。生命の眠る季節である。

 紅葉の頃も既に過去の話であり、今は降り積もる雪をどうしてくれようかと悩む始末だ。

霊夢「ゆーきやこんこん、あーられやこんこん。降っても降ってもまーだ降り止まぬ」

 隣に座る霊夢が、俺の肩へと体を預けながら鼻唄を歌う。

 俺達は博麗神社の倉庫に眠っていた炬燵に入り、縁側から雪の積もる庭を眺めている。

 今朝早く、雪掻きをしたというのに雪はまた深く積もり始めていた。

零「迷惑な話だ」

霊夢「あら、良いじゃない。季節を楽しめるのだから」

零「誰が博麗神社全体の雪掻きをしてると思ってるんだ?」

霊夢「零でしょ」

 あっけらかんと、さも当たり前の様に言われた。

 小さく溜め息を吐く。

零「そうでござんすね。……一応俺、この神社の神様なんだけど」

霊夢「その前に、私の夫でしょ?」

零「そうだけどさ」

 悪戯に笑う、我が妻。愛しいけれど、腑に落ちない。

 ――あの日。

 萃香との決着と、歪みとの決別を果たしたあの日。

 俺は自らの太極を完成させ、鬼神へと変貌した。

 金剛夜叉・両面宿儺乃鬼。それが俺の神号である。

 俺の持つ理とは、救済。救うという行為に対し、絶対の行動権と力を発揮する事が出来る。

 俺がその相手を救いたいと願えば、その願いは叶えられる。

 これは、俺が世界全体ではなく自分自身にそう願ったからだ。

 言うなれば、求道。こうだったらいいのに、ではなく、こうあれたらと願った結果である。

 俺の手は、もう取り零すことも摺り抜ける事もない。

 二度と、あんな思いをする事もない。


 ……とはいえ、それは二の次の話であり、俺が本当に求めたのは別のものである。

 神となったのは、歪みを祓い、昇華させた際の副産物。

 俺が求めたものは、誰もが本来持つべきものであり。

 それは、誰にでも許されたものである。

霊夢「そういえば、夜に宴会するんだっけ。皆は来るのかしら」

零「この雪だ。嬉々として来るだろ、あいつらなら」

 霊夢の問いに、半ば呆れながら返す。

 雪景色を肴にして、それを理由にばかすかと飲み、騒ぐだろう。

 それはまあ、良い。いつも通りだ。俺も飲むし、こいつも飲む。そこが一番居心地の良い空間ならば、尚更だ。

 だが、その後の片付けを全て俺に任されるであろうと思えば、呆れたくもなる。

 ……ま、それでも構わないと思う自分が居るのも確かだが。

 この集まりを、俺は日溜まりと呼ぶ。

 誰にでも許された、心の底から楽しめる空間。

 誰にでも持ちうるべき、温かい世界。

 それを俺はこれまで、こよなく求め続けていた。




 雪が一度治まった頃には、夕刻頃となっていた。

 客が来るのだから、と雪の降る中先に雪掻きを済ませておいて正解だったかもしれない。

 霊夢は台所で食事と酒の準備に慌ただしく動いている。

 俺はというと、宴会場となる居間の掃除をしていた。

 その最中、地響きのない轟音が庭の方からけたたましく鳴り響いた。

零「来たな、一人目」

 もう慣れたもので、この音が既に呼び鈴代わりにしか思えなくなった。

 掃除を中断して、庭に顔を出す。

 すると、握り拳程の大きさの雪玉が俺目掛けて飛来してきた。

 避ける間もなく、直撃する。

「よっし!!」

 拳を握り、喜びを顕にする少女が、俺の顔にぶちまけられた雪の隙間から見えた。

零「天子、この野郎……!!」

天子「こんばんは、ばかまたり!いい格好ね」

 比那名居 天子。それが、俺の事を小馬鹿にしたような態度で笑っている少女の名前である。

 こいつとは、色々とあった。それを今更語ろうなどとは思わないが。

 彼女もまた、俺の日溜まりの一人だ。

零「今は博麗だ、馬鹿天子」

天子「良いのよ、私にとってあんたは何時までもばかまたりなんだから」

 ばかまたり、ばかまたりとうるせえ奴だ。

 俺の旧姓ーー鎌足に馬鹿を合わせてばかまたり。こいつが俺をおちょくる時のあだ名みたいなものである。

 俺が神様になってすぐ。つまりあの日が終わってから数日後、俺は博麗神社の婿養子として、霊夢と結婚を果たした。

 元々そういう約束をしていた、というのもある。

 あの日の事は、昨日の事の様に今でも思い出せる。

 俺にとっての、本当の意味で日溜まりが作られ始まった日でもあるのだから。

天子「それで、霊夢はどこ?せっかくこの天子様が来たのに、出迎えがばかまたりだけなんて失礼じゃない?」

零「誰が『天子様』、だ。位で言えば俺の方が偉いだろうが」

天子「うっさい!お父様は気にしてるみたいだけど、私にそんなもの通用しないわよ。そもそも、私とあんたにそんなもん関係ないでしょ?」

 と、幼馴染みの天子様は仰り申す。


 まあ、そもそも地位関係に関して俺はよく仕組みがわかっていないから、関係ないという意見にはかねがね賛成であるけれど。

 天界の非想非非想天――『有頂天』と呼ばれる場所の総領よりも、何故俺が上なのかもわからん。

 俺はあくまで仏門における『金剛夜叉明王』の眷属、と言われているだけだ。徳もなにも積んでいないし、そもそもそんな自覚もない。

 ……そのおかげで、天子を攫った事も、これまでの事も、全てお咎めなしとなったわけだが。

零「そのせいで、お前の『不良天人』っていう呼び名に箔が付いているけどな」

天子「そ、それをあんたにだけは言われたくないわ……」

 少々尻込み気味に、天子は言う。

 ま、お互い天人としてや神様としての『在り方』を全うしてないしな。言いたい事は良く分かる。

 そんな風に雑談に花を咲かせていれば、また誰かが庭から入ってきたようだ。

「ぜろぉ、霊夢以外とイチャついててだいじょーぶなのかー?」

「ははは、英雄色を好む、と言うだろ。ま、こいつにそんな度胸があるとは思えんがねぇ」

 余計なお世話だと、開口一番に言いたくなったが自重した。

零「うるせえよ、萃香、勇儀。……つか、てめえら玄関から来やがれ。なんで庭から入ってくんだよ」

萃香「一々遠回りするのはめんどーだろ」

 間延びした声の酔っ払い童女――鬼にして山の四天王が一角、伊吹 萃香はそう言って縁側に腰を掛ける。

勇儀「違いない違いない。……鎌足の、久しいな。土産を持ってきてやったぞ」

 その隣で、二升瓶を持ったこれまた鬼の女――萃香と同じくして山の四天王の一角、星熊 勇儀はカッカと笑った。

勇儀「天子、お前さんも諦めが悪いねえ」

天子「ちっ、ちっ、違うわよ!ただ、こいつが余りにも暇そうだから話に付き合ってあげただけよ!」

 いや、俺、今し方お前らの為に宴会場になる居間の掃除していた所なんだが。

 と、心の中でぼんやりと呟くが口には出さない。

勇儀「萃香もそうだが、お前さんらこいつのどこがいいんさね」

萃香「んー?零は零だから良いんだろ」

天子「……伊の一番に諦めたあんたに答える義理があるかしら?」

 ……何だか、勇儀からとんでもない質問が飛び出た気がする。

 ああ、これは関わったら駄目だ。早急に掃除の続きをしよう。

勇儀「萃香は素直過ぎだが、天子はひねくれ過ぎじゃないかい?」

萃香「カカカッ、今更隠すことでもないだろー?」

天子「誰がひねくれ者かぁっ!?」

 楽しそうにしている様で何よりだ、と傍から見ていて思う。

 面倒なことになる前に、霊夢。頼むから飯の準備を早く済ませてくれ。

 俺の話の筈なのに、俺の居心地が最悪だから。

天子「零!あんたからも何か言いなさいよ!」

零「知らぬ存ぜぬだ。少しは静かにしてろよお前ら……」

勇儀「つれない事言うなよ、零。ほら、こいつで先に一杯やろうじゃないか」

零「まだ準備も出来てないのに、先に飲むやつがあるか!?」

萃香「おう?なんだ、そんな細かいことを気にするのか。私達の酒が飲めないのか?」

零「黙れ酔っ払い!俺を出汁に使うな!まだ面子は揃ってねえんだよ!」

 一人一人に合わせてツッコミを入れる。

 ……かつての日々の様にこうやって騒げるのは楽しいもんだが、標的を俺に定められると些か疲れるというものだ。

「たぁっ」

零「ぜぇあっ!?」

 刹那、肩で息をしている俺の後頭部に衝撃が襲いかかった。

 地団駄を踏み、前のめりに倒れそうになるのを堪え、勢い良く振り返る。

「こんばんは、お兄さんっ!」

零「こんばんは……。なんて、悠長に挨拶してんじゃねえよ、こいしぃ……!」

 無意識を操る元さとり妖怪の少女、古明地 こいしが元気良く笑顔を浮かべてから頭を小さく下げた。

こいし「巫女じゃなくて、色んなお姉さんとべったりしてるからだよー」

零「誰もべったりなんかしてねえよ!こちとら、掃除進めてる最中なんだよ!」

こいし「えー、でも傍から見るとそうだったんだけどなー」

 声を荒らげれば、こいしが唇を尖らせてぶーたれる。

天子「いやー、やっぱりばかまたりはばかまたりよねー」

勇儀「距離の取り方が相変わらず下手だね、零は」

萃香「いやはや、幼馴染み冥利に尽きると言えばそうだがなー」

 俺とこいしのやり取りを見ていた三方が、そんな風に言って三者三様に笑う。

こいし「この空間には女の子しかいないから、選り取りみどりだもんねー」

天子「ば、馬鹿なこと言わないでちょうだいよ!」

勇儀「はは、この男にそんな甲斐性があるか?」

萃香「いやー、しかし零からじゃあなく私達から迫ればあるいは……」

こいし「……無意識、操る?」

勇儀「それはそれは……。カカっ、悪くない提案だなぁ」

萃香「ほうほう、こいしも随分と悪いことを考えるねー……」

天子「……私から?え、でも、えっと、そうすると……。うーん、でも、悪くない……?寧ろ、良い?その後理性の効かない零に……」

零「おい、聞こえてるぞバカども」

 何を企んでるのか知らないが、無意識操ったところで俺にはバレるだろ。

 つーか、不穏な空気垂れ流しでアホな相談してんじゃねえよ。

 あと天子、鼻血出てる。拭け。畳汚すつもりかお前は。

勇儀「そも、男の友人のいない零が悪いよな」

こいし「だから女の子侍らせてるとか言われちゃうんだよー」

 余計なお世話過ぎる話だった。

 思い付く相手は、霖之助くらいだった。

 反論しようとして、虚しくなる。

霊夢「……あんたたち、うるさいわよ。手が空いてるならこっちの手伝いでもしなさい」

 そうして居れば、料理も一段落したのか霊夢がやってくる。

 おお、救いの手。都合が良い。

零「だ、そうだ。お前ら何人か霊夢の手伝いやってろ。残ったやつは掃除の手伝いな」

萃香「……急に生き生きとし始めたな」

勇儀「博麗の巫女と言う名の監視役が居るからだろう。なんとも情けない」

天子「……こんな奴が私の初恋の相手とか」

こいし「罪なお兄さんだーねー」

 だから、聞こえてるっつーの!!



 酒の席、というのは基本的に飲み、騒ぎ、たまに真面目な話を交え、笑うのが定石である。

 萃香の持つ『伊吹瓢』により俺達鬼の飲む酒は無限に湧き出るし、勇儀の持つ『星熊盃』によって酒は何でも品質が最高の状態へと昇華する。

 そんな二つが酒の席に揃って有れば、勿論これを使った所謂飲み比べなんかも行われた。

 無論、俺が意地で飲み勝った。

 それだけが華ではないが、語ると途方もない。

 気が付けば、博麗神社は静まり返っていた。時間は既に、宵闇の頃。

 こいしや天子は真っ先に酔い潰れた。その次に勇儀が飲み疲れたのか眠りに就いた。

 萃香は手強かったが、元々常に酔っ払いみたいなものである。勇儀が寝ると継いで眠りこけていた。

霊夢「はー、やっと運び終わった……」

零「片付けも一段落ついたぞ。……お疲れさん」

 今回、霊夢にはあまり酒を飲まさない様に仕向けていた。

 俺達以外が、こうなることを何となく予見していたからだ。

 本人は飲み足りなさそうにしていたが、まあ、会場を提供している側だ。

 他の連中の介護を俺がするのも、何かと問題があるしな。

霊夢「何で私に丸投げして、全員布団に寝かし就けさせたのよ。おかげで酔いも抜けちゃったじゃないの……」

零「酔っ払いとはいえ、女のあいつらを俺が運んで良かったのか?」

霊夢「……良くない」

零「だろ?」

 愚痴たれた口が、ムスっとした表情に変わる。

 つまりは、そういうことだ。

零「あいつらがまだ、俺にそういう好意を向けてくれんのは嬉しいんだけどな。……妻に迎えた女が目の前に居るってのに、応えられるかよ」

霊夢「……あんた、気付いてたの?」

零「あんだけ露骨にされれば、俺でもわかるっての。……なんつーか、概念が違うからな。隙あらば、なんて思っちまってる所があんじゃねえかなぁ」

 種族の違いは、考え方の違いに通ずる。

 一夫多妻が別に悪いとも俺は思わない。だが、俺は不器用だ。

 愛せる相手は、一人で限界。

 誰もを救える理を持っていても、女心は一つしか掴めない。

零「それでも俺は、お前の心で手一杯だから」

霊夢「零……」

零「……あいつらは、大切な仲間だ。この日溜まりの、掛け替えのない、大切な」


 異端という根っこの部分は、未だに俺の中にあるのだろう。

 鬼にして神であるこの身の心根がそう思わせるのか。

 それとも、かつて人間の優しさに憧れていたばかりに、考え方まで人間くさくなっちまったのか。

霊夢「……難しく考えないの。あんたらしくないわよ」

零「これでも、どう対応すれば良いのか真剣に悩んでんだが?」

霊夢「それで最後には空回りするじゃん」

 そう言われると、何も言い返せない。

霊夢「……私を一番に思っていてくれれば、それで私は満足で幸せだから」

零「霊夢……」

霊夢「あんたはどう?今、幸せ?」

 んなこと、答えるまでもねえだろ。

零「当たり前だ。お前が居て、あいつらが居て、日溜まりを感じられるこの日常が幸せじゃないなんて、有り得ないだろ」

 自分の望んだ世界がここにある。

 日溜まりの中に、俺はいる。

 霊夢は俺の言葉を聞くと、くすくすと笑う。

霊夢「だったら、今はそれで良いのよ。いいえ、それが良いの、きっと」

 そうして、霊夢は満面の笑顔を浮かべた。


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         ヾ、 ヘ,  /:,/;:::::::::::::::::::::::_ -l‐─´´l`::::';:::::lヘ:::::::ヽ::::::::::::::::::::::::ヘヘ::::',    ./ー-',
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           ヘr、/ ヽ,'::::::;'::;'::::::;':::::::,'l:::::;' ';::;' .';:::| ヘ::',  `ヾヾ、:::::::';::::::::::::',::::::::',  /  /゙´
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              「私の幸せ 貴方の幸せ これだけあれば 十分じゃない」


 ……能天気と言うべきか、それとも楽観的過ぎると言うべきか、はたまた自由すぎるというべきか。

 でも、ああ、確かにそうかもしれない。

零「今はまだ、始まったばかりだからな」

霊夢「これからも、私達で解決していけばいいのよ。夫婦なんだから、ね?」

 その言葉に、鼻を小さく鳴らしながら笑みをこぼす。

零「そうだな……。夫婦だもんな」

霊夢「絶対、あいつらになんて渡さないわよ。零は私の夫ですもの」

 笑いながら霊夢は言うが、それはこいつが俺の事を信頼しているからだろう。

 ……あいつらも、難儀なもんだ。

 これからも続くであろう毎日に、胸を躍らせ期待を膨らませながら俺は思った。

 霊夢から俺を引き剥がすのは、無理な話だ。

 あいつがもしも、そういうことを許したならば話は別だろうけれど。

 そんなこと、万に一つもないだろう。

 夜の帳は更に深く降りていく。

 そうして朝はやってくる。

 これからも、何度でも。

 この日溜まりには多くの問題があるかもしれないけれど。

 こういう『騒がしい』日常を送れる俺は、間違いなく、幸せだった。

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「俺は、守ると決めた。それは今も、変わらない」

 曼荼羅の前。幾つも空席が目立つその図を眺めながら、俺は呟く。

「例え皆が俺の事を忘れていても、俺は何時でも見守っていよう」

 光り輝く体は、粒子となって消えていく。

「あの日溜まりを、俺は忘れない」

 ――この繰り返す幕劇が終わろうとも。

「あの日溜まりを、穢させはしない」

 ――例え強大な敵が立ちはだかろうとも。

「俺は、正義の味方なのだから」

 ――絶対に、何があっても助けに行くから。

「何時でも、俺の名前を呼んでくれ」

 ――絶対に、何があっても護るから。

 体が消えていく。

 世界が白く染まっていく。

 この身の理が、曼荼羅の中へと刻み込まれていく。

 ――我が名は、鎌足 零。

 ――金剛夜叉・両面宿儺之鬼。

 ――鎌の様に無慈悲に、そして足り得る思いは彼女達の為に。

 ――零から翔ぶ、雷の如く。

 ――我が魂は、あの日溜まりと共に有り。


―???―

 幻想に走り給う者よ。

 汝が名はこの場にて刻まれた。

 その絆、例え如何なる存在でさえ断ち切る事能わず。

 我は待つ。因子の揃う日を。

 我は待つ。彼の日を乗り越える為の光を持つ者達を。

 複数、円を描くように並べられた無色の石碑。

 その中の一つが黄土色に染まり、二つの鬼面の装飾が付けられたモノへと変化していく。

 そして、そこに浮かび上がる名は――。




         其の者、歪み祓い絆を紡がん

               鎌足 零

          鬼神にして正義の味方也


※霊夢ルートクリアおめでとうございます。

※追加で閲覧出来る情報はございません。

※これにて、鎌足零の幕劇の最後とさせて頂きます。

※このスレは埋めていただいて構いません。

※また、>>1000では小ネタ、要望など書いて頂ければ出来る限りやらせていただきます

※出来る限りで

では、お疲れ様です。本編の再開は明日、23:00過ぎから日が変わるくらい目処にしております

>>1000なら末永くこのスレが続きますように

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