ガヴリール「自分の未来がわかる?」サターニャ「そうよ!」 (26)

ガヴリール「ふうん……」

ガヴリール「私はネトゲしないといけないから、じゃ」

サターニャ「ち、ちょっと!手みあげまで持参して遊びに来たのになによ!!」

サターニャ「もっと興味もちなさいよガヴリールっ!!」

ガヴリール「えー……だるい」

サターニャ「ぅ……そんなこと言わないでよ……」

サターニャ「こ、これ……結構高かったんだからぁ……ぐすっ」

ガヴリール(私と遊ぶためだけにわざわざ購入したのかよ……)

ガヴリール(いじらしいつーかなんつーか……仕方ないな……)

ガヴリール「はぁ……で?」

サターニャ「え?」

ガヴリール「その魔界通販の?持ってきてんだろ?見せてくれよ」

サターニャ「!」

サターニャ「ええ!そこまで言うんなら見せてやってもいいわよガヴリール!!」

ガヴリール(泣き顔から一転、めっちゃ嬉しそうな顔したな)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495114734

サターニャ「じゃじゃーん!」

サターニャ「これがその未来透視マスクー!」

ガヴリール「マスクって……お面かよ」

ガヴリール「てっきり頭につける近未来的な装置かと思ったわ」

サターニャ「ふっふっふっ……これを着ければ自分の未来がわかるのよ!」

ガヴリール「うっさんくせえ……」

ガヴリール(つうか魔界通販すげえな、そんな革新的な商品取り扱ってるくせに何で未だ一介の通販業者に留まってるんだよ)

ガヴリール(だけど、なんだかんだ魔界通販の商品ってちゃんとしてるんだよな)

ガヴリール(マジで自分の未来を確かめられるのか?)

ガヴリール「それで、その未来ってのはいつなんだ?十年後ぐらい?」

サターニャ「えーと説明書によれば……これからの未来で訪れるだろう自分が幸せな瞬間を見られるとのことよ」

ガヴリール「へえ、そりゃいいな」

サターニャ「お値段は三万円!まったく良い買い物をしたものね~」

ガヴリール「安っ!」

ガヴリール「下手すりゃ大富豪が数千万を出してもおかしくない代物なのに……」

ガヴリール「価格破壊ってレベルじゃねーぞ……」

サターニャ「でも何度も見られるわけじゃないみたいよ」

ガヴリール「回数制限があるのか?」

サターニャ「そう!未来を見られるのは三回のみ!……と書いてあったわ」

ガヴリール「単純計算して一回で一万円か……」

ガヴリール「それで、お前は試したのか?」

サターニャ「まだよ?なんか慎重になっちゃうというか、ドキドキしちゃって……」

サターニャ「ま、まあ、私が大悪魔になる未来は確約されてるけど!!」

ガヴリール「いざ使おうとしてみると怖かったんだな」

サターニャ「べ、別にそんなことないわよっ!!」

サターニャ「と、というわけで!せっかくだから貴重な一回を許可してあげるわガヴリール!!」

サターニャ「さあ!マスクをかぶりなさい!」

ガヴリール「やだ」

サターニャ「なんでよ!タダで貴重な体験ができるのよ!?」

ガヴリール「お前に命令されてかぶるのが気に食わない」

サターニャ「ぐっ……」

ガヴリール「まあ、お前の言うとおり一万の体験がタダになるのは良いな」

サターニャ「でしょ!」

ガヴリール「だから、『怖かったので私の代わりに試してくださいガヴリール様』ってお願いすればかぶってやるよ」

サターニャ「な゛っ!?」

ガヴリール「ほらほら、どうした?」

ガヴリール「正直に本心を言ってみろよ」

サターニャ「ぐぬぬ……おのれガヴリールぅ…………こ、怖かったので――――」

…………………………………………

ガヴリール(未来の私ね……)

ガヴリール(一体どうなってんだろ、相変わらず駄天使しててダラダラできてるかな)

ガヴリール(幸せな未来が見えるらしいから辛い内容にならないのは安心だな)

ガヴリール(もしかして誰かと結婚してたりすんのかな……玉の輿ならいいなぁ……)


ガヴリール「……」

ガヴリール「……ん……」

ガヴリール「……意識飛んでた……」

ガヴリール「ここは……さっきまでの私の部屋じゃない……?」

ガヴリール(じゃあホントに今見えてるのは私の未来ってことなのか)


『ガヴリール「ふぁ……ねむ……」』


ガヴリール「おっ、私じゃん」

ガヴリール「……ぜんぜん大っきくなってない」

ガヴリール「た、多分……今の私からあまり離れてない未来なんだろう……」

『ガヴリール「今日も一日がんばりますかー……」』

『ガヴリール「……よし!」』


ガヴリール「起きたあと顔洗ってなんか動き始めたな」

ガヴリール「なんとなく活き活きしてるし……もしかして働いてんのか私?」

ガヴリール「マジか……内面は成長してたんだな……」


『ガヴリール「……」カチャカチャ』

『ガヴリール「……」ペタペタ』


ガヴリール「なにしてんだろ」

ガヴリール「卵かき混ぜてるし、生クリームも取り出して……朝の仕込み?」

ガヴリール「これは……菓子を作ろうとしてんのか?」

ガヴリール「へぇーパティシエなったんだな私」

ガヴリール「意外すぎる、まあ女の子が憧れる職業ではあるけど」

ガヴリール「そういや、サターニャが実家は洋菓子店だって言ってたな」

『ガヴリール「これでよし、と」』

『ガヴリール「~♪」』


ガヴリール「……楽しそうじゃん」

ガヴリール「労働に喜びを見出してる私か……」

ガヴリール「どういう経緯でそうなったのかわからないけど、悪くなさそうな未来だな」


『???「おはよ~……」』

『ガヴリール「おはよ」』

『ガヴリール「朝の支度が今さっき済んだトコ」』


ガヴリール「ん……誰……?」


『サターニャ「お疲れ様、あんたも随分こなれて来たじゃない」』

『ガヴリール「ふふ、まあな」』


ガヴリール「へ……?」

ガヴリール「なんでサターニャ……?」

『ガヴリール「サターニャのおかげだよ」』

『ガヴリール「お前のとこで修行した経験がこうして活きてるんだから」』


ガヴリール「あ、ああ……そういうこと」

ガヴリール「サターニャの実家で見習いさせてもらったのか……」

ガヴリール「そして現在は一人立ちしたってところ?」

ガヴリール「いや、でも……サターニャが居るのはおかしくね?」

ガヴリール「今日みたく私ん家に遊びに来てるのか?」


『サターニャ「パパとママも最初は驚きを通り越して呆れてたわねぇ」』

『サターニャ「あまりにもガヴリールの手際が悪いもんだから、くすくす」』

『ガヴリール「お、おい……あの時のことは突っつくなって……//////」』

『サターニャ「最終的には頼りにされるようになったじゃない、私も見直したわよ」』

『ガヴリール「わ、私だってやるときはやるつーの!」』

『サターニャ「あはははっ!」』


ガヴリール「……なんかこいつら距離近くね?」

ガヴリール「え?私とサターニャこんなんだっけ?ちがくね?」

『ガヴリール「なんやかんやで、お前とこうして店も持てるようになったしさ」』

『サターニャ「ホントによくやったものねーあんたがしっかり頑張ってきた結果よ」』


ガヴリール「お前と……?」

ガヴリール「サターニャと洋菓子屋やってんの?んんん……?」


『ガヴリール「なに言ってんだよサターニャ」』

『ガヴリール「ここまで来れたのは私一人だけの力じゃない」』

『ガヴリール「お前がいてくれたからだ」』

『サターニャ「な、ななっ!?ば、ばかっ!//////」』


ガヴリール「……………………」

ガヴリール「は?」


『ガヴリール「サターニャ……」』

『サターニャ「が、がぶりーるっ!ちょっとまって……」』

『ガヴリール「毎朝してることだろ?そろそろ慣れろって」』


ガヴリール「いやいやいやいやいやいやいやいや、顔近づけてなにすんの?」

ガヴリール「頭突き?」

『ガヴリール「…………ん」』

『サターニャ「が、ガヴリールっ……」』

『……………………………………………………ちゅっ』


ガヴリール「……なん……だと……?」


『……っ……ぁ……………………』

『……んむ………………………ぷはっ……』

『ガヴサタ「……//////」』


ガヴリール「うああああ!!糸引いてる!!キス長いって!!呼吸できなくなるだろ!!」

ガヴリール「事後に見合わせて赤くなんな!!やめろ!!」


『ガヴリール「もっかい……」』

『サターニャ「うん……」』


ガヴリール「に、二回戦してんじゃねえよ!!」

ガヴリール「がっつくな私ー!!うわあああああああああああああああ!!!」

…………………………………………


ガヴリール「ぜぇぜぇ……やっと終わった……」

ガヴリール「なんつーもんを見ちまったんだ……」


『ガヴリール「ごめんな、私ちっちゃいから疲れるだろ?」』

『ガヴリール「せめてサターニャと同じくらいの身長だったら……」』

『サターニャ「そ、そんなことないっ!私はガヴリールと……き、キスするの……好き……」』

『サターニャ「だ、大好きだから……逆に疲れがふっとんじゃう……//////」

『ガヴリール「そっか……じゃあ……もっとしてもいいよな……」』


ガヴリール「もういいって!!!!」

ガヴリール「ど、どうなってんだ……?なんでサターニャとこういうことに……?」

ガヴリール「まるで結婚してるみたいじゃないか……はっ」

ガヴリール「ま、まさか……」


『サターニャ「も、もうダメよ!そろそろ準備しなきゃ!」』

『サターニャ「後は私に任せて?少し休みなさいガヴリール」』

『サターニャ「ね?旦那さま」』

『ガヴリール「む……わかった、仕方ないな……」』


ガヴリール「…………えぇー……うそだろぉ……?」

ガヴリール「えええええええぇぇ…………」

ガヴリール「百歩……いや万歩ゆずって同性と結婚してるのは、まあ良しとしよう」

ガヴリール「なんでサターニャなんだよ!!?」

ガヴリール「相手がラフィやヴィーネならまだわかるけどさ……」

ガヴリール「どうでもいいけど、私が旦那でアイツが嫁なんだな……」

ガヴリール「本当どうでもいい……」


『ガヴリール「じゃ、ご好意に甘えて」』

『ぎゅっ……』

『サターニャ「へぁっ!?」』

『サターニャ「な、なにしてんのガヴリール!?動けないじゃない!」』

『ガヴリール「お前が休めって言ったんだろ」』

『ガヴリール「こうしてサターニャを抱きしめるのが一番安らぐ……」』

『サターニャ「も、もうすぐ開店時間なんだけどぉ……//////」』

『ガヴリール「あと一分……」』

『サターニャ「もー……しかたないわね……」』

『サターニャ「私からも……抱きしめちゃおっかなっ!」』

『ぎゅっ!』

『ガヴリール「ん……」』


ガヴリール「お前ら働けや!!!!!!」

ガヴリール「私の顔と声でサターニャにデレデレすんな!!」

ガヴリール「きもい!きもい!きもい!きもい!」

ガヴリール「さっきから鳥肌が立ちっぱなしだ……!!」


『サターニャ「ガヴリール……愛してるわ……」』

『ガヴリール「サターニャ……愛してるぞ……」』


ガヴリール「ひいいいいいいいいいいいいいぃぃぃ!!!!」

ガヴリール「限界だぁ!元の世界に戻してくれ!!」

ガヴリール「く、くそぉ……ふざけるな……認めてたまるか……!!」

ガヴリール「ありえない!私はサターニャと絶対に結婚しない!!」

ガヴリール「こんな偽りの未来なんて否定してやる!!」」

…………………………………………


「……ール…………」

「……ガヴリール……」

ガヴリール「ぅ…………」

サターニャ「ガヴリール!?良かった!やっと目を覚ました!」

サターニャ「このまま目覚めなかったらどうしようかと……」

ガヴリール「!!」

ガヴリール「うわあっ!!」

サターニャ「きゃあっ!!」

サターニャ「な、なによ急に!ビックリしたじゃないの!!」

ガヴリール「こっちだってビックリしたわ!!」

ガヴリール「ま、まさかあんな…………」

サターニャ「あんな??」

ガヴリール「うっうるさいっ!//////」

サターニャ「うるさいとはなによー!」

サターニャ「こっちはあんたがマスクかぶった途端に倒れたから心配で付き添っててあげたのに!」

ガヴリール「元はと言えばお前がそのヘンテコな魔界通販グッズを持ち込んだせいだろ!」

ガヴリール「わけわかんねえもん見せやがって!」

サターニャ「見……?未来が見えたのガヴリール?」

ガヴリール「ち、ちがっ、あんなの私の未来じゃ……」

サターニャ「ははーん、反応からして余程のものが見れたみたいじゃない」

サターニャ「どんな未来だったのよ?」

ガヴリール「こ、これは不良品だ!未来なんて見えなかった!」

サターニャ「へっ?そうなの?」

ガヴリール「ああ、ただ気を失っただけだ、まったく危なっかしい商品だな……」

サターニャ「でもあんたさっき『わけわかんねえもん見せやがって!』って……」

ガヴリール「い、言ってないっ!」

サターニャ「うーん……わかったわ」

サターニャ「不良品ならしょうがないわね、返品しなきゃ」

サターニャ「じゃそのマスクを……」

ガヴリール「いーや!返さないぞ!」

サターニャ「はっ?な、なんでよ……?」

ガヴリール「こんな危ない代物をお前に持たせてはならない!」

ガヴリール「私の天使第六感がそう告げている!」

サターニャ「なによそれ!?私が買ったものなんだけど!?」

ガヴリール「とりあえず私に渡しとけ!な!」

サターニャ「渡せるわけないでしょ!」

サターニャ「あんたまさか……私を騙してそれをパクる気じゃないでしょうね……?」

ガヴリール「!」ギクッ

ガヴリール「ち、ちげーし!」

サターニャ「図星じゃないの!」

ガヴリール「か、帰れ!!お前の顔なんてもう見たくない!!」

サターニャ「はぁ!?なに逆切れしてんのよ!!」

ガヴリール「うるせえ!!帰れよ!!」

サターニャ「ちょっと強く押さないでよ!痛いじゃない!」

バタンッ!!

サターニャ「なによ感じわる……」

サターニャ「ガヴリールのとこに寄るんじゃなかったわ……」

サターニャ(…………もっと遊びたかったのに、どうしてこうなっちゃったんだろ)


ガヴリール「行ったか……」

ガヴリール(……少し理不尽だったかな……)

ガヴリール(悪い、サターニャ……)

ガヴリール「でも……こいつはどうしても持っておきたかった」

ガヴリール「私の未来を確かめるために……」

ガヴリール「ほ、本当に私はサターニャと……そういうことになるのか?」

ガヴリール「貴重な一回だけど……もう一度確認してみるか……」

…………………………………………


『ガヴサタ「「ありがとうございましたー」」』

『ガヴリール「ふー疲れた疲れた……」』

『サターニャ「お疲れ様、今日も繁盛したわね」』


ガヴリール「サターニャと店を切り盛りしてる私だ……」

ガヴリール「やはりこんな未来になるってのか……」

ガヴリール「……今度は店じまいの時かな」


『ガヴリール「ああ、商品もさばけたし言うことなしだ」』

『サターニャ「最初は不安だったけど、ちゃんと軌道に乗ってきたわね~」』

『ガヴリール「これも通ってくれてる常連さんのおかげだな」』

『ガヴリール「今日も○○さんが来てくれてたし」』

『サターニャ「えっ!あの人また来てたの?」』

『ガヴリール「来てたけど……なんだよ?」』

『サターニャ「……別に、なんでもないけど……」』


ガヴリール「おっ、なんだサターニャ?」

ガヴリール「めっちゃ不機嫌になってるじゃん」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom