女「好きになった方が負けなのかもしれない」(11)

夜、男の家

女「お邪魔します」

母「いらっしゃい。またお仕事の帰りに寄ってくれたの?」

女「はいおばさん。あ、これお土産です」

母「いつもありがとうね。……きっと、男も喜んでいると思うわ」

女「……」

母「……ああ、またぼんやりしてたわ。ほら、上がって下さいな」

女「はい」スタ、スタ

母「それじゃあ、私はリビングに居るから」スタ、スタ

女「はい」

女「……こんばんは、男」ニコ

女「あれから、もう三年かぁ」

女「……」

女「あ、そういえばパーマかけたんだよ、私」

女「職場でも評判良いんだから! ふふ、見たいでしょ!」

女「……」

女「ねえ、男」

女「……ねえ、そろそろ部屋から出よう?」

扉「……」

女「もう三年だよ? いい加減外に出てさ、また遊んだりしようよ」

扉「……」

女「男は大学だって出てるんだからさ、就職先だって沢山あるって」

扉「……」

女「ほら、私のパーマだってみたいでしょ? 出ておいで?」ニコ

扉「……パーマか」ボソ

女「ッ! うん! パーマだよ! ほら、鍵を開けてみてごらん」

扉「……パーマかぁ……ふッ」

女「……え」

扉「……」シーン

女「え、ちょ! なにそれ!? パーマだからなにさ!!」

扉「……」

女「パーマだからなに!? おい! 文句あるの!? なんだよ!! おいコラ!!」ドンドン!

居間

弟「おいおい、また兄ちゃんの部屋の前で女さん暴れてるぞ」

母「元気があるのねぇ」

弟「元気って、なんか部屋の扉ぶち破りそうな勢いだけど」

母「男の心の扉も開けてくれると良いわねぇ」

弟「……いやいやいや。別に上手くないから、それ」

翌日、夜、男の家2階

女「またきたよ、男」

扉「……」

女「昨日は怒鳴ってごめんね。ほら、仕事でストレス溜まっててさ」

扉「……」

女「お詫びにほら、男の好きだったあれ買ってきたよ。なんかトランプみたいなやつ」

扉「……遊戯王?」ボソ

女「そうそう! ほら、5枚入りのやつだよ。出ておいで、一緒に開けようじゃないか」

扉「……」ガタ

女「ッ! ほら、鍵を開けなよ。美味しいお菓子もあるからさ、食べながら一緒に開けよう」ニコ

扉「……扉の下」ボソ

女「え?」

扉「扉の下の隙間から差込んでみて」ボソ

女「あ、うん。はい」スー

扉「……」シーン

女「え……えぇ!? ちょ、え!? 開けてよ!」

扉「……」

女「開けろ! おい!! 開けろこら!! 持ち逃げかよ!!」ドンドン!

居間

弟「でっけー声だよな、女さん」

母「胸も大きければ、男は扉を開けるかもね」

弟「……うん、上手いとかじゃなくてそれただの悪口だぜ」

母「なに言ってるの? 胸って、バストのことよ?」

弟「ああ、そっちか……いやいやいや、だからそれただの悪口だぜ」

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