ジェイド「出来ましたルーク!好感度が上昇する薬です!」(34)

ジェイド「さあさあ飲んでください」

ルーク「は?」

ジェイド「ですから、好感度が一気にマックスになるんです」ズイ

ルーク「いや、のまねーよ!!」

ジェイド「何故です?」

ルーク「なんでもクソも、お前の怪しい薬なんて飲めるか!」

ジェイド「そんな……ルークを想って一生懸命作ったのに……よよよ」

ルーク「う、うぜえ……」

ジェイド「まぁまぁそう言わずに、効果の説明くらい聞いてくださいよ」

ジェイド「高感度が上がるといっても条件があります」

ルーク「ほう」

ジェイド「まず相手が異性であること」

ルーク「はぁ」

ジェイド「そして相手がルークの事を知っていること」

ルーク「ふむ」

ジェイド「これが前提条件です。効果が発動するにはまだ条件があります」

ルーク「……」

ジェイド「ルークと相手の目線が合うことです」

ルーク「奇っ怪な条件だな……」

ジェイド「私に不可能はありませんから」ニッコリ

ルーク(冗談に聞こえねえ……)

ジェイド「そしてここからです。好感度の変化についてです」

ルーク「はぁ」

ジェイド「相手がルークを嫌っていれば嫌っているほど好感度が一気に上昇します。突然マックスです。唐突に求婚されるレベルです」

ルーク「……」

ジェイド「逆にルークの事を元から好きだとそれほど上昇しません。あくまで少し素敵にうつるくらいです」

ジェイド「ルークの事を友達程度に思っていれば、惚れてしまうかもってくらいでしょうね」

ルーク「……で?」

ジェイド「というわけで飲んでください!」

ルーク「飲むか!!!」

ルーク「何が「というわけで」だっつーの!」

ルーク「そんな人間関係が崩れるような薬のめるか!」

ジェイド「ふむ……気に入らないと?」

ルーク「気に入らないもクソもあるか!そんなに試したいならジェイドが飲めばいいじゃねえかよ!」

ジェイド「私、面倒な女性関係はまっぴらごめんですから」

ルーク「自分が嫌がることを他人に押し付けちゃいけない!!」

ジェイド「これはルークにとっても耳寄りな情報があるんですよ」

ルーク「は?」

ジェイド「実はですね、この薬は貴方に起こっている音素乖離を防ぐ要素があります」

ルーク「な……!?嘘だろ!?」

ジェイド「嘘でこんなことを言いませんよ。そもそもはそちらの効果を求めて作ったものですから」

ルーク(急に真面目な顔しやがって)

ジェイド「さあさあ、貴方には時間がないのです、すぐに飲んでください」ズイ

ルーク「あ……う……い、いやだあああ!!」

ジェイド「しょうがないですねぇ、なんなら良いんです?」

ルーク「その好感度云々の効果を消してくれ!!」

ジェイド「ソレが出来ないんですよ。貴方の音素乖離を防ぐ為に第七音素を使用してますが、どうやっても効果が消えないんです」

ルーク「じゃあ飲まねえ!」

ジェイド「飲みなさい」

ルーク「いやだ!」

ジェイド「貴方、消えるかもしれないんですよ?」

ルーク「う……じ、時間が経てば効果消えるんだろうな……」

ジェイド「ええ」

ルーク「……」

ジェイド「……たぶん」

ルーク「確証の無いことは嫌いとか言ってたのお前だろ!?」

ジェイド「ええ嫌いです。しかし時間が無いのですよ、貴方は」

ルーク「うぐ……」

ジェイド「どうしますか?どうしても嫌というなら薬は破棄します」

ルーク「嫌そうに言ってんじゃねえよ」

ジェイド『まぁ薬はここに置いておきます、一日考えてみてください』

ジェイド『一応、好感度を元に戻す薬も作れるか試してみますよ』


ルーク「……」

ルーク「俺の命か……」

ルーク「妙な効果か……」

ルーク「なんだよその二択……」

ティア「ルーク、いるかしら」ガチャ

ルーク「わわわノックくらいしろよ!」ガタッ

ティア「ごめんなさい……その薬何?」

ルーク「あ、あぁ……ジェイドが置いてったんだよ」

ティア「大佐が?」

ルーク「あぁ、なんか女の好感度が上がる代わりに音素乖離を防げるんだってさ」

ティア「本当!?」

ルーク「ティア!?」

ティア「今の薬の効果よ!」

ルーク「え、よ、よくわかんねえけど惚れられやすくなるらしいっていうか……」

ティア「そっちじゃないわよ!」

ルーク「へ?」

ティア「音素乖離を防げるって……」

ルーク「……正直、半信半疑」

ティア「飲むべきよ!」

ルーク「えっ」

ティア「きっと大佐は冗談で貴方にこの薬を渡したわけじゃないわ」

ルーク「……っていってもなぁ」

ティア「大佐は好感度の効果だけを消す薬だって作れると思うわ。だから飲んで、お願い」

ルーク「う……」

ティア「……ルーク、貴方は」

ルーク「わかった、わかったよ!!」

ルーク「……の、飲むぞ」

ティア「……えぇ」

ルーク「……」ドキドキドキ

ティア「……」



ルーク「ん!」グィー

ルーク「ゴクリ」

ティア「……ど、どう?」

ルーク「なんか、暖かい感じがあるというか……」

ティア「そう……」ジー

ルーク「……ティア?」

ティア「あ、いえ、何でもないの……」

ルーク「……ティアも、なんともないのか?」

ティア「え?」

ルーク「いや、惚れるとかどーとか言ってたからよ」

ティア「別に変な感じはないわ。いつものルークよ」

ルーク「変なこと言ってアイツ……なんとも無いんじゃねえかよ」

ティア「わ、私部屋に戻ってるわ。一応飲んだこと大佐に言ったほうがいいと思うの」

ルーク「……そうだな」

ジェイド「はっはっは、いやー飲みましたかー!」

ルーク「笑ってんじゃねえ!」

ジェイド「いえ、ティアをそちらに向かわせたかいがあったという物です」

ルーク「おめーの差し金かよ!」

ジェイド「いえ、私はルークが呼んでたと言っただけですよ」

ルーク「いけしゃあしゃあと……」

ジェイド「とにかく、これで音素乖離の心配は無くなったハズですから」

ルーク「……その点についてはありがとよ」

ナタリア「買い出しが終わりましたわ」

アニス「今日超安くグミ買えたよ!いっぱい買っちゃった!」

ルーク「おう、おかえり」

ジェイド「お疲れ様でした」

アニス「……」ジー

ナタリア「……」ジー

ルーク「あっ」

アニス「あわわわわわわルーク!?」

ルーク「あ、アニス!?」

アニス「あやや、こんなはずないの!私部屋戻ってるね!!」ドヒュン

ルーク「……ま、まさか」

ナタリア「ルーク……」ズイ

ルーク「ナタリア!?」

ナタリア「もっとよく顔を見せてください、今日のルークはどこか素敵に見えますの」

ルーク「じぇ、ジェイドォォォォォォ!!!」

ジェイド「いやー、効果はバッチシですね」

ルーク「笑ってんじゃねえ!」

ナタリア「どうかされましたの?」

ルーク「いや、なんでも……なくはないんだけど……ナタリア近い!顔近すぎ!!」

ナタリア「っは!私としたことが、はしたないですわ!」

ルーク(あわわわわわわ)

ナタリア「ちょ、ちょっと私も部屋に戻っていますわ、なんか変ですの」タタタ

ルーク「……」ポカーン

ジェイド「……」ニヤニヤ

ルーク「な、なぁ……」

ジェイド「まぁアレくらいが普通でしょうね」

ルーク「しれっと言うな!」

ジェイド「まぁまぁ、そのうち良くなりますよ。たぶん」

ルーク「はやく解毒剤を作れ!」

ジェイド「毒じゃありませんよ!失敬な!」

ルーク「ウソつけ!」

ジェイド「仕方ありません、老体に鞭打って作りますよ」

ルーク「どの口が……」

ルーク「……なんか疲れた」

ルーク「部屋に戻っても誰かくるかもしれねえし」


ジェイド『相手がルークの事を知っていることが条件です』


ルーク「俺の知り合いなんてこの街にはいないし……散歩でもしてよう……」

ルーク(こうして歩いていると……)

ルーク(本当に俺の事知らないと効果ないんだな)

ルーク(店のねーちゃんと目があってもなんともないし)

ルーク「……」

ルーク(すごいんだけど、迷惑だよな……)

ルーク「ぼー……」

「動くな」ジャキ

ルーク「!?」

ルーク「ま、魔弾のリグレット……!?」

リグレット「こんな所で一人で居るとは不用心だな、レプリカ」

ルーク(し、しまった……)

ルーク「こんな街中で撃つのかよ」

リグレット「撃った後に即離脱できる方法が私にはあるのでな」

ルーク「……」

リグレット「手を上げてゆっくり振り返れ」

ルーク「それだけはダメだ!!」

リグレット「!?」

ルーク「く、詳しくは言えねえんだけど振り返るとお前もひどい目にあうぞ!」

リグレット「ほう、気になるな」

ルーク「だだだだダメなんだってマジなの!!」

リグレット「なら撃つぞ」

ルーク「……!?」

リグレット「みっつ数えるうちに振り返れ」

リグレット「1!」

ルーク「……」

リグレット「2!」

ルーク「わ、わかったよ……」クルリ

リグレット「……」

ルーク「……」

リグレット「貴様、どこを見ている」

ルーク「……」

リグレット「答えろ!」

ルーク「こっち見ないで……」

リグレット「……」イラッ

パーン

ルーク「あぶねえ!」

リグレット「避けただと!?」

ルーク「てめ……」

リグレット「……」ジー

ルーク「あっ」

リグレット「……」

ルーク「……」

リグレット「……」

ルーク「り、リグレットさん……?」

リグレット「ルーク……会いたかった……」ギュウ

ルーク(やっちまったああああああああ!!)

ルーク「あわわわわわ離せって!」

リグレット「んー?」ギュー

ルーク(や、やわらかい……)

ルーク「だめだろってこういうの!!」

リグレット「ふふ、照れているの?」

ルーク「ち、ちが……俺達は敵同士だろ!?」

リグレット「て……き……?」

リグレット「っは!?」バッ

ルーク「!?」

リグレット「き、貴様、レプリカ……何をした!?」ドキドキドキ

ルーク「だ、だから言ったのに……振り返れなんて言うから……」

ルーク(治ったのか!?)

リグレット「そんな……」

ルーク「お、お前が悪いんだぞ!」




リグレット「どうしてそんなこと言うの……」ギュー

ルーク(ダメだ!!)

「何やってるです?リグレット……」

ルーク「っは!?」

リグレット「アリエッタか。邪魔をするな」

アリエッタ「邪魔って何なんです!?どーしてママの敵と抱きしめあってるんです!?」

リグレット「これは大人の話なんだ!」

ルーク「あああああアリエッタだとお!?」

アリエッタ「アリエッタも大人だもん!!」

リグレット「何を……」

アリエッタ「アリエッタもルークに抱きしめてもらいたいです!!」

ルーク「何いってんのぉぉぉ!!?」

アリエッタ「リグレットばっかずるいです!そこ代わってください!」

リグレット「ふん、アリエッタみたいなお子様体質じゃな」

アリエッタ「かっちーん……いいです、アリエッタはルークを後ろから抱きしめます」

ルーク「あの、離して」

アリエッタ「えっへへ、ルーク……」ギュウ

ルーク「あう」

リグレット「む……」ギュ

ギャーギャー

ガイ「なんだ、あっちが騒がしいな」


ルーク「二人とも離せっつう……の!」

アリエッタ「えへへ、ルークったら恥ずかしがってるです」

リグレット「ルーク、今夜は一緒に居ないか?」

ルーク「いいからこの……はなして……」



ガイ「え、え、えぇぇぇぇぇ」

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