魔王「よう、彼女出来たか?」勇者「そういうてめえはお妃ゲットできたのか?」 (27)

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勇者・魔王『彼女ほぴぃぃいいいい!!!!』
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魔界の酒場

魔王「こんな暗い顔で酒場に現れた時点で察してほしいものだ」

勇者「はっはっは、やーい非モテ魔王」

魔王「貴様に言われたくわないわ非モテ勇者!」

勇者「そんな哀れな二人で今日も乾杯だぜ。この場末の酒場でな!」


魔王のグラスにワインを注ぐ


魔王「汚い場末の酒場だが美味さと品揃えは絶品だぞ。いくら古臭くて汚い酒場でもな」ゴク


マスター「割高にすんぞてめえら」

勇者「そういや前樽いっぱい飲んでたな。それ足りるか?」

魔王「足りるわけないだろう。マスター、黄金スライムウィスキー樽いっぱいくれ」

マスター「あいよ」

勇者「マスター、俺も………んー、よしドラゴンブラッドくれ」

マスター「ベビードラゴンからブラックドラゴンまであるけどどれにする?」

勇者「男なら度数最高の黒龍血だぜ!!」

魔王「それ単体で飲むと魔物ですら喉と胃が焼かれるぞ。つまみ食え、つまみ」

勇者「そうなのか?じゃあ大八つ首の手羽先と唐揚げ、あと荒波カジキの刺身くれ」

魔王「マスター、今の二人分ずつだ。それに我には船食いウナギの蒲焼丼も」

マスター「ほらよ」

勇者「どれどれ」ゴク

勇者「ぶーっ!」

魔王「はっはっは、大抵の奴はそんな反応だ。すごいだろう?ドラゴンブラッドのブラックは」

勇者「と、とんでもねえな…確かにこれはつまみを挟んでちびちび飲まないとヤバいわ…マスター、軍鶏ミドラの親子丼くれ」

勇者「何だこの刺身、寄生虫湧いてんじゃねえか」

魔王「その寄生虫わさび醤油につけると美味いんだぞ。踊り食いとでも思って食え。きちんと噛み千切るか直後にアルコール飲まないと危険だがな」

勇者「なるほど…うん、確かに美味いな。いけるいける」モグモグ

勇者「」ゴクゴク

勇者「かぁーっ!」

魔王「…」ゴクゴク

魔王「ふぅ」

―――――
―――

勇者「ああ、彼女ほしいよぉ、このまま年取りたくねえよぉ!!!」

魔王「何で我がモテぬのだぁ、魔王だぞ!魔王様だぞ!」

勇者「魔王なんて最悪王の特権使って妃選べんだろ!」

魔王「そんな愛の無い結婚なんていやだぁあ!!」

勇者「あるなしにかかわらず結婚してえんだよぉぉぉ」

勇者「そうだ魔王!あの話どうなった!?」

魔王「人間用魔物風俗の話か?魔物風俗から人間界でも働いて良いと言う奴を選び出しておいたぞ」

勇者「おぉぉぉぉおおお!!!」

魔王「大体の魔物娘は取り揃えたぞ。どうだ?貴様ならテストケースとしてタダで招待してもよいぞ」

勇者「まじでか!スキュラ娘とヌルヌル触手プレイしたい!」

魔王「ヌルヌルならスライム娘と触手娘の3Pならどうだ?全身ローションなスライム娘はいいぞぉ」

勇者「うぉおおおお!!」

勇者「はっ、いやいやそっちじゃないんだ」

魔王「何だ違うのか」

勇者「でもそのタダでの招待はいただいておく」

魔王「よろしい。ところで場所はあるのか?それはそっちが用意してくれないと人間界に出陣出来ないぞ」

勇者「それも問題ない。こっちの王様も最初は難色示していたが魔物娘を描いたエロ本渡したらOKしてくれた」

魔王「それでこそ勇者だ!」

勇者「ナーハッハッハ。そうだろうそうだろう」


マスター「せっかくの魔界と人間界を繋ぐ最初の共用施設が風俗か…」


魔王「んだとマスター、それは聞き捨てならぬぞ!」

勇者「そうだそうだ、エロは世界を救うんだよ!」

マスター「悪かった悪かった、酔っ払いどもの愚痴に口を挟んだ俺が悪かったよ」

勇者「どーせ精力減退した老害ジジイにゃ分かんねえよ!」

魔王「我々若者はエロで癒されエロで生きる価値を見出すんだよ、性欲枯れたジジイは引っ込んでおれ」

マスター「黙れジャリガキども!そんなんだから彼女も妃候補も来ないんだろ!」


勇者「」

魔王「」


マスター「…あ」

勇者「クソガァァァアア飲みつぶすぞマスタァァア」

魔王「その上で吐いてやるぞマスター」

マスター「魔王が言う言葉ではねえな」

勇者「魔王!前言った魔物の女の子紹介してくれる話はどうなったんだよぉ」

魔王「残念ながらいなかったな」

勇者「ちきしょぉぉおおお」

魔王「で、魔王と結婚してもよいという人間は?」

勇者「いなかったよ!」

魔王「そうか…」

マスター「だったらいっそ合コンでも開いたらどうだ?」

魔王「合コン、だと?」

勇者「なるほど俺たちも男になる時が来たんだな!」

魔王「大丈夫なのか?メンバー集め」

勇者「任せておけ!それじゃ俺たちの未来を祝して!」


ドポドポ


勇者・魔王『』ゴクゴク

勇者・魔王『ぷはー!』

マスター「ならこっちも席を多目に用意しておくか。人数は前もって言っておけよ」

勇者「あ、ここでやる気は無いんで」

魔王「もっとシャレたところじゃないとな」

マスター「」イラッ

魔王「じゃあメンバー集めとセッティングたのんだぞ合コン勇者様」

勇者「合コンの英雄みたいな言い方やめてくんない?」

魔王「気のせいだろう。ところで今日は宿決まってるのか?」

勇者「いや、今回はまだだ」

魔王「それでは今宵は泊まってゆくといい」

勇者「そうさせてもらうか。酒はあるんだろうな?」

魔王「酒場で飲みすぎただろ。明日帰るなら今日は自重しておけ」

勇者「ちっ」

魔王「自己管理ぐらいきっちりしろ勇者」

~人間界~

勇者「お頼み申し上げまする!」

遊び人「ふふっ、女の子ね。僕に頼んだのは正に英断と言えよう」カッコイイポーズ

遊び人「いいだろう!僕に任せておきたまえ、極上の女の子を揃えていよう!」チョウカッコイイポーズ

勇者「ありがとう。持つべきものはイケメンの元仲間だな」

遊び人「あまり褒めないでくれ、ハッハッハッハ」チョウゼツカッコイイポーズ

勇者「じゃあ俺帰るわ」

遊び人「何だい、愛しきハニーの作る食事でもてなそうかと思ったのにもう帰るのかい?」チョウゼツカッコイイポォォォォズ、キラッ

勇者「わりぃな、元とはいえ勇者は忙しくて」


勇者(何のために女商人がいない時間に来たと思ってんだ、お前らのイチャつきなんて見せられてたまるかよコンチキショォォォッォ)

―――――
―――

数日後

魔王「ゆ、勇者…我は緊張して…胃が…」

勇者「落ち着け…息を整えろ…俺たちは勇者と魔王だ。あの死闘以上に辛いものなどこの世には無い…」

魔王「し、しかしだな…スー、ハー…」

勇者「ななな、何故そんな緊張するんだ。童貞かよ」

魔王「我ら揃って童貞だろが、緊張もやむなしだ…スーハー」

魔王「勇者、ちょっと変身魔法食らって女体化してみる気はないか?大丈夫、ちょっと練習相手になってもらうだけだ…」

勇者「ふざけんな!お前がなれ!」

魔王「我は絶対嫌だ!貴様がなるがいい!」


勇者「いいだろう!数年ぶりに魔法対決と行くかごらあ」

魔王「先手必勝2回行動!」シュバァァ

勇者「ずりぃぞこの野郎!魔法反射!魔法反射!」

魔王「魔法無効!」

勇者「状態変化戻し!」

魔王「変身魔法!」

勇者「特技"魔術流し"」

魔王「追撃だああ!」

勇者「反撃だぁぁあ」

勇者「ゼー、ハー」

魔王「ゼー、ハー…つか、疲れた…」

勇者「無駄な労力と魔力使った…」

魔王「そ、そろそろ時間じゃないのか?」

勇者「だ、大丈夫…まだ二十分ほどある…息整えておけ」

魔王「だ、誰のせいだと…」

勇者「おめえのせいだろがぁ…」

勇者「さて、そろそろだ…髪乱れてないか?」

魔王「大丈夫だ。我も服装乱れてないか?」

勇者「大丈夫、魔物の時点で場違いだ」

魔王「そ、それなら大丈夫だな」

勇者「ってか人間に変身しなくていいのか?」

魔王「そんなの詐欺ではないか…我は魔物の妃になってくれる女性を探しに来たのだ」

勇者「後悔しても知らんぞ?人間の女の子が魔物になびくわけがないんだ」

魔王「さ、さてさて、それは、どうかな?」フフフ

女1「え、えーと…」

勇者「」ガチガチガチガチガチ

女2「…あ、あのー…」

魔王「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

女3「ま、まず自己紹介から始めましょうか。私女3っていいます」

勇者「あ、あのあのあのあの…お、おおお俺俺勇者っていいいいいます」

魔王「魔王だ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

女2「…女2です」

女1「女1ですぅ……」

勇者「」ゴクゴクゴクゴクゴクゴク

勇者「ぷはぁ!よし。俺勇者って言うんだ。これでも世界を救った勇者で英雄で勇者ですからその、勇者です!」

魔王「我こそは魔王、魔界を統べる凶王よ」ゴゴゴゴゴ

女1「…」

女2「…」

女3「よろしくね…」

勇者(お、おい魔王、何凄んでんだよ。そんなんじゃ怯えられるばかりだろうが)ヒソヒソ

魔王(は、しまったしまった。魔物とは違うんだった)ヒソヒソ


魔王「我は、魔王だ」ニタァ

女たち『』ゾクゥゥ!


魔王「あれ?」

女3「じゃ、じゃあ、あの…趣味とかは?」

魔王「」

勇者「」

女2「あ、あの?」


魔王(ゆ、ゆゆゆ勇者、趣味って何だ)ヒソヒソ

勇者(言葉の意味ぐらい知らないわけじゃないだろ。思いだせ絞り出せ)ヒソヒソ

魔王(趣味…趣味…むむむ)ヒソヒソ

魔王「…あ、む…うむ、わ、我は魔族の王であり、魔族全てを統べる王だ」

魔王「つまり、つまりだな趣味に没頭する暇などない」

魔王「あ、いやしかしだ…スー、ハー」


魔王「趣味に使う時間を魔界全体、ひいては愛しき妻のために使える、使う…あー、妻を幸せにするために趣味に使う時間を割ける!」早口


勇者(上手い。趣味が無いことの言い訳をする代わりに自己PRをした…趣味が無いというマイナスを補って余りあるプラスだ。しかも『幸せにする』というワード付きで)

勇者(流石は魔王、とっさの機転がきかなきゃ魔族の王なんて勤まらないってわけか)

勇者(なら、俺も)

勇者「俺、ん、俺は、俺も趣味が無い。しかし、しかしずっと勇者としての旅を続けていたんだ。人間界を救うために魔物を倒す旅を続けてずっと魔界まで旅して趣味に費やす時間が全く無いのだ」早口

勇者「だけど、だからこれから愛しい彼女と一緒に楽しめる趣味を見つけていきたい!!!」早口&大声


魔王(上手い。趣味が無いことの言い訳どころか勇者として人間界のために戦ってきたとアピール。その上で『一緒に楽しめる趣味を探したい』だと!?これほど完璧な落とし文句の一文は早々思いつくものじゃない!)

魔王(流石は勇者、我を倒した男よ)


勇者(こいつら含め全ての人間はずっと俺によって守られていたんだ。それを自覚したなら俺に惚れざるをえないだろう。自己PRも完璧だ)

魔王(しかし人間の女は王という大きな権力に惹かれる(想像)魔王である我に惚れないわけがない!自己PRも完璧だからな!)


勇者・魔王(この勝負!もらったぁぁぁああああ)

―――――
―――

勇者「やった!やった!メアドゲットだぜ!しかも3人」

魔王「我も3人分ゲットした!これで我らはリア充だ!」

勇者「まあ魔王には社交辞令で交換しただけだろうな」

魔王「それは貴様の方だろ。勇者か魔王かといったら魔王に決まっているからな」

勇者「魔物か人間かといったら人間に決まってるだろ」

魔王「ほーう?賭けるか?」

勇者「一週間後、酒場で一杯」

魔王「良いだろう。ついでに我等もメアド交換しとくか」

勇者「そうだな。せっかく魔王も魔導携帯電通機買ったことだし、俺の方に女の子からメール来たら自慢しまくってやる」

魔王「それは我から貴様に送ってやろう。3人とも我にメールくれるに違いないからな」

勇者「ふっふっふ、楽しみじゃないか」

魔王「ああ楽しみだな。ふっふっふ」

勇者・魔王『ふっふっふ、くっくっく、ふわーっはっはっは!!!』

―――――
―――

1週間後、魔界の酒場

勇者・魔王『はぁぁぁぁぁ……………』

マスター「な、何かあったのか?二人してそんなわざとらしいぐらいの大きな溜息ついて」

勇者「…何も無いよ…何も無かったんだよ…」

魔王「一週間…メール一度たりとも来ない…こっちから何度も送ったのに…返ってこない…」

勇者「…はは、俺なんて待ちすぎて寝不足になっちまったよ…」

魔王「…我も寝不足だ…どうせ来ないなら来ないって言えよ…眠っておけばよかった…」

マスター「……まあ、なんだ…その、一杯だけならタダで奢ってやるから元気出せ、な?」


勇者「じゃあこの店で一番高い酒よこせ!!」

マスター「遠慮無しかてめえ!」

魔王「一口でぶっ倒れるようなのよこせ!記憶丸ごと消し去ってくれる!」

マスター「魔王を一口で倒せるような酒なんてねえよバカヤロウ!」



勇者・魔王『いいから強くて美味い酒よこせやマスター!!』


マスター「息ピッタリだなてめえら!」

勇者「ゴクゴクゴクゴク、ぷはーっ」

魔王「ゴキュゴキュゴキュゴキュ、っかーっ!」


勇者・魔王『もう一杯!』

マスター「あいよ。ほんと仲良いなてめえら」

勇者「殺しあった仲だからな!」

魔王「運命づけられた宿敵だからな!」


勇者・魔王『ゴクゴクゴクゴク』

勇者・魔王『っかーっ!』

勇者・魔王『もう一杯!!』

終わり

前作のスレで合コン編がいるというレスがあったので触発されて書いた
元々シリーズとして考えていたわけじゃないので続きは書くかどうかも未定

前作見たことなかったが、これはいいものだ…

乙乙


勇者も魔王も戦闘用ステータスに全振りなんだろうな…
勇者は聴き込みや交渉とかを仲間任せ、魔王は内政や政策とかを側近任せにしてそう

もうこいつら結婚しちまえよ

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