モバP「なっちゃんとメイド」 (21)

1作目 モバP「なっちゃんという同級生」(モバP「なっちゃんという同級生」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434111292/))
2作目 モバP「なっちゃんという担当アイドル」(モバP「なっちゃんという担当アイドル」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434292580/))
3作目 モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」(モバP「ナナ先生のメルヘンデビュー」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434535556/))
4作目 モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」(モバP「なっちゃんと恋人ごっこ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434708764/))
5作目 モバP「なっちゃんと後輩アイドル」(モバP「なっちゃんと後輩アイドル」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1434898915/))
6作目 モバP「なっちゃん達のガールズトーク」(モバP「なっちゃん達のガールズトーク」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436281527/))
7作目 モバP「なっちゃんと俺」(モバP「なっちゃんと俺」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1436613831/))
8作目 モバP「なっちゃんとその後」(モバP「なっちゃんとその後」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1445267426/))
9作目 モバP「なっちゃんと年越し」 鷹富士茄子「思い出話、追加注文です♪」(モバP「なっちゃんと年越し」 鷹富士茄子「思い出話、追加注文です♪」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451298456/))
10作目 モバP「なっちゃんと春休み」(モバP「なっちゃんと春休み」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458315705/))
11作目 モバP「なっちゃんと梅雨」(モバP「なっちゃんと梅雨」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466864378/))
12作目 モバP「なっちゃんと夏の事務所」(モバP「なっちゃんと夏の事務所」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1472359089/))
13作目 モバP「なっちゃんと秋の風物詩」(モバP「なっちゃんと秋の風物詩」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477203469/))
14作目 モバP「なっちゃんと年末年始」(モバP「なっちゃんと年末年始」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1483620583/))

の、続きです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1493904964

ある日の事務所


P「………」カタカタ

P「………あー、肩凝った」コキッコキッ


ガチャリ

茄子「P君、レッスン終わりましたよー」

凛「ただいま」

P「おかえり、ふたりとも」

茄子「P君はデスクワーク中ですか」

P「うん。次のライブに向けて、資料をまとめてるところ」

茄子「いつもお疲れ様です♪」

P「ああ、サンキュー」

P「………ふう」

茄子(P君、なんだか眠そう……そうだ、ここは素早く温かいコーヒーを淹れてあげて『できる彼女』であることをアピールして)

茄子「Pく――」

凛「コーヒーでも淹れようか? 眠そうだし」

P「ん? おお、頼むよ。ちょうど飲みたいと思ってたところなんだ」

凛「了解。すぐ持ってくるから」

P「ありがとう、凛」

凛「たいしたことじゃないよ」


茄子「………」

茄子「………」ジーーーーーー

凛「……なんだか恨めし気な視線を感じるんだけど」

茄子「お嫁さんポイントを横取りされました……凛ちゃん、やはり恐ろしい子」

凛「いやいや、なにそのポイント」

茄子「ハンカチを口で噛んでムキーってしたい気分です」

P「姑ポイントが貯まりそうな行動だな」

凛「心配しなくても、ちょっとやそっとのポイントで、プロデューサーが茄子さんから離れるなんてありえないと思う」

凛「普段のいちゃいちゃっぷりを見てるとね」

P「そんなにいちゃいちゃしてたっけ?」

茄子「してましたっけ?」

凛「菜々さんを呼んできたら、いくらでも恨み節とお説教を聞かせてくれると思うよ」

P「お説教まではいかないだろう。怒られるほど公然といちゃいちゃしてた記憶ないし」

茄子「まったくです。あ、P君ネクタイが曲がってますよ」

P「ん? あ、ほんとだ。いつの間に」

茄子「身だしなみはきちんと、ですよ? ほら、ちゃんと締めなおしてあげます♪」

P「悪いな」

茄子「いえいえ♪ はい、ぎゅーっと」

P「いててっ。ちょっと、なっちゃん力強い!」

茄子「ふふふ、イタズラ成功♪」

P「お前なあ……」

茄子「いつでも寝首を掻く準備はできているという意思表示です」

P「怖いな! アイドルとプロデューサーの関係じゃないだろ!」

茄子「うふふっ……」

茄子「………」ジーー

P「………」ジーー

茄子「………」ポッ

凛「ひとしきり子供みたいなやりとりを楽しんだ後にお互いの顔が近いことに気づいて見つめ合いながら赤面している状況について、どう思う? 菜々さん」

菜々「純度120パーセントのバカップルですね」ニュッ

P「うわっ! どこから出てきたんだ菜々さん」

菜々「ウサミン星人なのでいきなり現れても問題ありません」

P「説明雑だな!」

光「アタシもヒーローだからどこからともなく現れても問題ないぞ!」ニュッ

P「光も菜々さんのそういうところは見習わなくていいから」

茄子「他に見習うべき部分はたくさんありますもんね~」

光「確かに、毎日みんなからいろんなことを学ばせてもらってる!」

光「菜々さんからは、レッスンで身体が悲鳴をあげてもへこたれないガッツを!」

菜々「あ、あはは……褒められてるのはわかるんですけど、ちょっと複雑ですね」

光「凛さんからは、なんかかっこいいクールな雰囲気を!」

凛「かっこいい、クールか……役に立っているのならいいけど」

光「茄子さんからは、早着替えの技術を!」

茄子「どやぁ」

P「意味不明なことを学ばせてるのにひとりだけドヤ顔するな」

茄子「なに言ってるんですか。ヒーローは変身が早くないとみんなのピンチに駆けつけられませんよ?」

P「それはそうかもしれないけどさ」

光「茄子さん見てくれ! この前教えてもらった『服を着たまま水着に着替えるワザ』の特訓の成果だ!」シュバババ

菜々「ちょっ!? 光ちゃん今はダメですよ! せめてPくんが部屋を出てからにしないと!」

光「え? でも服着たまま着替えるから問題は」

凛「いや、問題あるから……」

茄子「というわけでP君。弟子の特訓の成果を見たいので、申し訳ないんですけど」

P「しょうがないな。ちょっとジュースでも買ってくるよ」

茄子「ありがとうございます♪ お礼といってはなんですけど、あとで耳掃除してあげますね」

P「ジュースに加えてアイスも買ってこよう」

茄子「下心満々ですね~♪」

菜々「Pくーん。ナナはブラックコーヒーでお願いします。いつも通り砂糖が多い空間にいるので」

光の早着替え終了後


P「さて。特訓も終わったところで、光に新しいお仕事のお知らせだ」

光「おおっ! どんなお仕事?」

P「今回のお仕事は……『メイドでご奉仕LIVE』だ」

光「め、メイドでご奉仕……!?」

P「簡単に言えば、メイドの衣装を着てライブをするってことだな」

光「な、なるほど……でもアタシ、メイドのことなんて全然知らないぞ」

P「だからこそ、だ。今までの『メイドのイメージからは程遠い南条光』にあえてメイドをさせることで、新たな境地を開拓できる」

光「新たな境地……そう言われると、ワクワクしてきた!」

P「やってくれるか」

光「もちろん!」

茄子「がんばってくださいね~」

光「新たな境地、目指してみせるっ」

凛「とはいっても、メイドのことがわからないのは事実でしょ。今から少しは勉強しておいたほうがいいんじゃ」

菜々「そうすると、メイド関係のお仕事の経験がある人に教えてもらうのがいいですかね」

茄子「メイド関係のお仕事の経験者……」

P「メイド……」チラ

凛「メイド……」チラ

菜々「……あれ?」

光「というわけで菜々さん! アタシにメイドのなんたるかを教えてくれ!」

菜々「まさかこんなところで、学生時代にメイド喫茶でアルバイトしていた経験が役に立つとは……」

光「学生時代?」

菜々「い、いえいえなんでもありませんよっ!? ナナはピッチピチの17歳ですから!」

茄子「一緒に頑張りましょうね、光ちゃん♪」

光「ああ!」

凛「どうして私まで?」

茄子「どうせなら、みんなで特訓したほうが楽しいかと思いまして」

凛「まあ、いいけど。私もそのうち、そういう仕事が来るかもしれないし」

P「みんなの指導お願いします、ナナ先生」

菜々「だから先生って呼ぶのは……ああでも、今は確かに先生ですね」

光「よろしくお願いします! ナナ先生!」

凛「ナナ先生、お願いします」←実は言ってみたかった

茄子「お願いしますね、安部先生」

菜々「そこはナナ先生で合わせません?」

茄子「でも、私は昔安部先生って呼んでましたから……」

菜々「確かに、ナナもそう呼ばれるほうがしっくりきますけど」

茄子「なら、いいじゃないですか。せっかく先生の授業をもう一度受けられるんですし。ね?」

菜々「……それもそうですね」エヘヘ

P「いっそ俺も懐かしいつながりで混ざっていい? メイドの授業」

茄子「気持ち悪いと思います」

凛「やめておいたほうがいいよ」

光「Pは執事のほうが似合うと思う」

菜々「入校拒否で」

P「冗談なのにひどい」

菜々「むかーし手を焼かされたお返しです♪」

光「お帰りなさいませ、ご主人! 荷物持とうか? あとお風呂溜まってるよっ!」

P「なんかメイドというより気のいい使い魔みたいだな」

菜々「元気がいいのはもちろん褒めるところなんですけど、もう少しだけ落ち着きと丁寧さがほしいですね」



凛「お、お帰りなさい……ませ? ご主人様」

P「こっちは逆に覇気が足りないな」

凛「なんだか、こういう言葉遣いに慣れなくて」

菜々「もっと元気出していきましょう! メイドらしく!」

凛「メイドらしく……元気に……よし」

凛「キャハッ♪」

P「………」

凛「ごめん、今のなし」

菜々「メイドらしくとは言いましたけど、ナナらしくしろとまでは言ってませんよ……」

凛「だ、だって……」カアァ





茄子「お帰りなさいませ、ご主人様♪ お荷物、お持ちしますね」

P「お、なっちゃんはいい感じだな」

茄子「うふ。私にとっては、ご主人様にお仕えすることがなによりの幸せですから」

P「はは、なんか気分よくなってきた」

茄子「ああ、そうです。ご主人様、ひとつお聞きしてもよろしいでしょうか?」

P「うん?」

スッ


茄子「他の女の匂いがします……あれほど私以外の女には近づくなと言っておいたのに」スンスン

P「えっ」

茄子「うふふ、本当にしょうがないご主人様……でも大丈夫ですよ? メイドの私が、たーっぷり教育してさしあげますから……♪」ビッ!

P「え、なにその鞭。何に使うの」

茄子「決まってるじゃないですか♪ 口で申し上げても理解していただけないのなら、身体に直接刻み込んであげるだけですよ……」

P「ちょ、ちょっと待て! なんだそのキャラ! こんなメイドありかよ!」

菜々「ありですね!」

P「ありなの!?」

茄子「学生時代を思い出すついでに冷たく尖ったナイフ時代のキャラも思い出してみました♪」

P「冷たいっていうかヤンデレのSだよな」

茄子「ほら、お腹にいる獅子闘(ししとう)も父親であるご主人様がしっかりしてくれないと不安でしょうから……」

P「息子のシシトウ久しぶりに出てきたな!?」


光「えっと。元気に、けれど少しだけ丁寧な感じを忘れずに……」

光「お帰りなさいませ、ご主人! 温かい夕ご飯、用意していますよ」

P「ああ、ありがとう。光に出迎えてもらうと疲れが吹き飛ぶよ」

光「本当!? よーし、まだまだ頑張るぞ! ご主人の家の平和はアタシが守る!」

P「そうそう、その調子」

菜々「だいぶいい感じにメイドさんができるようになりましたねえ」

凛「一般的なメイドのイメージとは少し違うけど、こういうのもありかな」

茄子「形は違いますけど、平和を守るヒーローとしての在り方をメイドにも応用しているみたいですね」

光「うん! これがアタシのメイドヒーロー! つかんだよ」

P「これなら、次の仕事も安心だな」

菜々「先生も鼻が高いです」

茄子「はい♪ ひと段落ついたところで、コーヒーとお菓子を持ってきましたよ~」

P「おお、さすがなっちゃん。気が利くな」

茄子「ふっ、今度は勝ちました」

凛「なんで私のほう見て勝ち誇った顔してるの」


夕方


茄子「いやあ、無事お嫁さんポイントを取り戻せてよかったです♪」

P「お嫁さんポイントねえ。凛も言ってたけど、いちいち気にしなくても俺は乗り換えたりしないぞ?」

茄子「もちろんわかってますよ。P君、バカだけど一途ですもんね」

茄子「いえ、むしろバカだから一途なのかも。バカだからこそ一途……でも、やっぱりバカでありながら一途……」

P「あんまりバカバカ言わないで」

茄子「ふふ、ごめんなさい」



茄子「けれど、まあ。バカなのは私のほうかもしれませんね」

P「え?」

茄子「あなたの気持ちがわかっていて、直接言葉で伝えてもらって。それでもやっぱり、私は不安なんです」

茄子「いつか、この幸せな日々が終わってしまうんじゃないかって。崩れてしまうんじゃないかって。時々、思ってしまうんです」

茄子「不思議ですよね。幸運に恵まれて、今まで何もしなくてもいろいろ受け取っていた私が、いざ大きな幸せを手にすると、それを失うことをなにより恐れてしまっている」

茄子「逆に言えば。幸運だからこそ、幸せを手放すのがものすごく怖いのかな……なんて」

P「………」

P「そりゃあ、俺だって怖いよ。不幸なんてどこから降りかかるかわからないし、特に今の俺たちの関係は危ない橋を渡っているようなものだし」

P「でも、こうして互いに不安を吐き出せる。吐き出せれば、分かち合える。俺はそれで、十分心が楽になる」

茄子「あ………」

P「なっちゃんはどうだ? 俺やみんなと、いいことや悪いことをわかち合えること、どう思う?」

茄子「………」

茄子「そうですね。それが、なにより幸せなのかもしれません」

茄子「本当に、周りの人たちに恵まれていますね。私は」

P「俺もだ。凛に菜々さんに光、それにちひろさんも……いい人ばかりだ」

茄子「じゃあ、恩返ししなくちゃ、ですね♪」

P「そうだな。みんなをトップアイドルにすることが、一番の恩返しだ」

茄子「私も、みんなでそうなれるように頑張ります!」

P「おう!」

茄子「それと、P君に対してもです。あなたと一緒に歩んできた時間を裏切らないように、これからもずっと」

茄子「ずっと、ご奉仕してくださいね♪」

P「おう……って、あれ? 俺がご奉仕する側?」

茄子「だって、私が幸運をあげるから、P君はリターンとしてご奉仕をしてくれないと♪ まずはカレーパン買ってきてください♪」

P「ただのパシリだろそれ!」

茄子「くすっ♪ 冗談です」

P「まったく………」

茄子「………」

P「………」

茄子「ふふっ」

P「あははっ」

茄子「ご奉仕というのは違いますけど。ずっと、あなたを支えさせてください」

P「俺も、同じことを言おうと思ってた」

茄子「……はい♪」

P「あ、そうそう。なっちゃん、ひとつ言いたいことがあるんだけど」

茄子「なんですか?」

P「俺、子供の名前がリアルに獅子闘になるのは嫌だからな」

茄子「それは私だって嫌ですよ……なんかバトル漫画の主人公になっちゃいそうですし」

P「じゃあ実際はどんな名前がいいんだ?」

茄子「パプリカくん」

P「結局ナスの仲間」



おしまい

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
茄子さん、凛、菜々さん、光、みんな総選挙で頑張っていますね。応援してます。

過去作
的場梨沙「このロリコンっ」
的場梨沙「私のプロデューサーは、ロリコンです」

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