【ガルパン】まほ「ディアンドルを着てくれ」アンチョビ「え?」【リボン】 (43)




アンチョビ 「なんで黒森峰に来た早々、こんな恰好をさせられるんだ…。」(ディアンドル着用)



まほ 「う…」

アンチョビ 「う?」



まほ 「うわぁぁぁぁぁぁ!安斎!安斎かわいい!ディアンドルちょび可愛いぃ!!」

ぺパロニ 「うわぁぁぁぁぁ!姐さん!姐さんその恰好はエッチっス!どスケベっス!だがそれがいい!」

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アンチョビ 「お前ら騒ぎすぎだ!それといくらなんでも、どスケベはないだろ!」

ぺパロニ 「そんなこと言ったって、姐さんの北半球が観測できちゃっているんスよ?」

ペパロニ 「どスケベ衣装以外の何だっていうんスかッ!?」

アンチョビ 「私だってびっくりだよ、こんな衣装!」



カルパッチョ 「… … …。」カシャカシャカシャ

アンチョビ 「カルパッチョ、無言でシャッターを切る続けるのはよせ!」

カルパッチョ 「すみません、ドゥーチェ。私、もう指が抑えられません!」 ティローン♪

アンチョビ 「あー!お、お前!メール送ったな?どこに流した?」

アンチョビ 「いやもう、だいたい想像はつくけどッ!」

カルパッチョ 「はい、大洗のたかちゃんに。」

アンチョビ 「鈴木さぁぁぁん!今すぐメール消してくれぇぇぇ!!」




アンチョビ 「そもそも、ディアンドルはドイツの農村で使われていた民族衣装だろう?」

アンチョビ 「こんなに胸元が開いていたら… その、ダメだろ!」

ペパロニ 「犯してくれと言っているようなもんっスねー。」

アンチョビ 「おかッ! …ペパロニぃ、女の子なんだから、もっと言葉に気を付けろ。」

ペパロニ 「テヘペロっす ☆(ゝω・)v」




まほ 「これはオクトーバーフェス仕様、つまりはお祭り用の衣装だ。」

まほ 「多少、色気が優先されるのもいた仕方あるまい。」

アンチョビ 「そうか、私がこれを着なきゃならないのは仕方のないことではないと思うんだけどな。」



まほ 「ところで安斎、ひとつ頼みがある。」

アンチョビ 「なんだよ悪の元凶。聞くだけなら聞いてやるから言ってみろ。」

まほ 「私のママになってくれッ!」

アンチョビ 「聞かなきゃよかった!!」



アンチョビ 「おい逸見!お前、西住の保護者だろ?なんとかしてくれ!」

エリカ 「すいません、めんどうくさいことになった隊長は誰にも止められませんので。」

アンチョビ 「いきなり職務放棄しやがったよこのアマ。」



まほ 「そんな道端のゲロを見るような目をするな。ただちょっと甘えたいだけなんだ。」

アンチョビ 「そんなこと言ってもな…。あの母ちゃんの代わりなんてできないぞ?」

まほ 「お母様の真似をして欲しいわけじゃないから安心しろ。」

アンチョビ 「何をどう安心しろというのか、この格好で。」




まほ 「なぁ、安斎。私は、その… 少し疲れているんだ。」

アンチョビ 「え?」

まほ 「西住流の跡取り、国際強化選手、黒森峰の隊長と様々な肩書は私の誇りではあるが」

まほ 「ときに重いと感じることもある。」

まほ 「何かと重責を押し付ける母と、自由奔放な妹に挟まれ、振り回されるのも疲れたんだ。」

まほ 「私は私なりに一生懸命やってきたつもりだ。」

まほ 「だが、結果だけを見れば十連覇を逃し、二年続けて負けっぱなしの無能隊長だ。」

エリカ 「そんなことはありません!隊長の戦いを見たうえでそんなことを言うやつがいたら」

エリカ 「それこそ見る目のない能無しです!!」

まほ 「ありがとうエリカ。でもな、世間の悪意に対して鉄面皮を貫くのも結構疲れるんだ。」



まほ 「頼むよ安斎。隊長同士ではなく、友人として。私にひと時の安らぎをくれないか?」

アンチョビ 「ん、まぁ、その… 私にできることがあるなら協力してやりたいが、何をすればいいんだ?」

エリカ 「(チョロい…。」)」

まほ 「おかしな話だが、私も甘え方というものがよくわからなくてな…。」

パパロニ 「とりあえず膝枕なんかどうッスかね?」

まほ 「なるほど、それだ!それしかない!実に甘い、甘ったるいぞ!」

まほ 「さぁ安斎、そこのソファーに座れ!思う存分甘えてやる!」

アンチョビ 「えぇ… そんなんでいいのかぁ?」

まほ 「自信を持て、お前からはバブみを感じる。」

アンチョビ 「わけがわからないよ。」



まほ 「よし、行くぞ安斎!」モソモソ

アンチョビ 「う゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁッ!西住!スカートの中に頭を突っ込むな!!」

まほ 「膝枕とは… こうではないのか?」

アンチョビ 「違うッ!」



カルパッチョ 「… … …。」カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ

アンチョビ 「待てカルパッチョ!その画像だけは流すな!シャレにならない!」

ペパロニ 「黒森峰の隊長が、どスケベ衣装を着たアンツィオ校隊長のスカートに頭突っ込んでいる写真とか」

ペパロニ 「どう考えてもスキャンダルものッスね。」

アンチョビ 「だから止めろと言っているんだッ!」

カルパッチョ 「まほちょびキテる…?」

アンチョビ 「来てねぇよ!」

まほ 「誰もいないところでならいいのか?」

アンチョビ 「お前も誤解を招くような発言はやめろぉ!!」



エリカ 「隊長!僭越ながら、この逸見エリカ。隊長のお望みとあらばいつでも膝をお出ししますッ!」

まほ 「エリカ、その気持ちは嬉しいが… お前には母性や包容力といったものが足りない。」

エリカ 「えぇッ!?」ガーンッ

まほ 「ママと呼ぶにはちょっと無理があるだろ。」プイッ

アンチョビ 「私だってかなり無理があると思うんだが。」



まほ 「だって千代美は私に優しいから…。」

アンチョビ 「妙な言い方をするな!私はアンツィオ校戦車道チームの隊長、鬼の統帥だ!」

アンチョビ 「母性だの優しいだのなんて言葉からかけ離れている存在だぞ!」



まほ 「…アンツィオでは練習後にオヤツを出しているらしいな?」

アンチョビ 「日に2回だ。皆、文句も言わずに頑張ってくれているし、P40の修理が終わったら日に3回にしたいな。」

まほ 「戦車よりも料理のほうに気合が入っているそうだな。」

アンチョビ 「そこはまぁ… アンツィオの校風というか、気風というか。でも、みんないい子たちなんだよ。」

エリカ 「その鞭で出来の悪い隊員を叩いたりしているんですか?」

アンチョビ 「するわけないだろう!?女の子の体に痕でも残ったらどうするんだ!」


エリカ 「ゲロ甘だよこの人。」



まほ 「それで、話を戻すが ───…。」

アンチョビ 「私がこんな恰好をさせられた理由だな?」

まほ 「膝枕とはどうすればいいんだ?」

アンチョビ 「あ、そっち…?」



アンチョビ 「えぇい、私はソファに座る!お前はソファで寝ろ!それで頭を膝に乗せるんだ!」

まほ 「うん… こうか?」モソモソ

アンチョビ 「これが膝枕だ。やってみれば大したことじゃないだろ?」

まほ 「いや、これはなかなかのものだ。安斎の体温と香りが直に感じられて、とてもリラックスできる。」

まほ 「子守唄でも歌われたら、そのまま眠ってしまいそうだな ───…」チラッ

アンチョビ 「やらないぞ。」

まほ 「えぇ…。」 チラッ チラッ

アンチョビ 「やらないからな。」

まほ 「ケチ…。」



アンチョビ 「それで、いい加減答えてくれ。ディアンドルを着なきゃならない理由をだ。」

アンチョビ 「黒森峰がタンカスロンに参戦するから色々教えて欲しいって、そういう話で呼ばれたんだよなぁ?」

まほ 「そうだな、どこから話せばいいものか ───… 」

エリカ 「ちょっと待った。」

まほ 「今度は何だ?」

エリカ 「…その恰好のまま話を続けるんですか?膝枕のままで?」

まほ 「何か問題でも?」

アンチョビ 「問題しかないだろ。」



まほ 「いいじゃないか、この格好はとても落ち着くんだ。あぁ…本当に落ち着く。」スリスリ

まほ 「安斎のウィッグからマイナスイオンとか発生しているんじゃないのか?」

アンチョビ 「地毛だ!」

まほ 「もっと深く顔をうずめたら、おしっこの匂いとかするんじゃないだろうか…。」モソモソ

アンチョビ 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛!それは完全に変態の所業だ!やめろバカぁ!」



カルパッチョ 「憧れの隊長が目の前で壊れていくのって、どんな気持ち?」

エリカ 「く、黒森峰の隊長は重責なのよ!あんたらと違って!」



まほ 「さて、タンカスロン参戦の話だったな。」

まほ 「今は夏の公式戦も終わり、大学選抜戦も終わり、秋大会が始まるまでのいわば空白期間だ。」

まほ 「無論、この時期をのんべんだらりと無駄に過ごす気は無い。色々と改革を進めたいと思っている。」

アンチョビ 「へぇ、黒森峰が戦術改革を?」

まほ 「機動戦術とかやりたい。」

エリカ 「ちょっとぉぉぉ!隊長ぅぅぅ!そういう話を他校の連中の前で話しちゃっていいんですか!?」

まほ 「うるさいぞエリカ。私は今、ママと話をしているんだ。」

アンチョビ 「ママとか言うな。私はお前と同じ女子高生だ、同級生だ!」



まほ 「今回の計画はオープンにしていくつもりだ。話したところでなんら問題はない。」

まほ 「むしろ、これからは機動戦が重要視されるだろうということは誰もが考えることだろう。」

エリカ 「それはそうですが、なにもこちらから手札を晒すことはないかと…。」

まほ 「信頼を得るためには、こちらから晒さねばならないこともある。」

まほ 「私の計画には、安斎とアンツィオ校の協力は絶対不可欠だ。」

アンチョビ 「いやぁ、天下の黒森峰からそこまで頼りにされるとは悪い気はしないな。」

アンチョビ 「そうかー。私たちもそこまでの存在になったか、ハハハ!」

ペパロニ 「流石っす、姐さん!」

カルパッチョ 「本当にそうかしら…?」



まほ 「以前、みほと訓練の質について話したことがあるのだが、大洗では通常の訓練の他に」

まほ 「合宿と称してキャンプをしたり、公式大会中に慰労会を開いたりと」

まほ 「隊員同士の交流を図ることを重視しているそうだ。」

アンチョビ 「計画的にやっているというか、角谷の趣味のような気もするが…。」

まほ 「隊員との交流を図り、信頼関係を築くということを、今まで我々は軽視してきたのではないだろうか?」

エリカ 「私たちは仲良しグループではありません、勝利と栄光を求めて集まった精兵です。」

エリカ 「そのような軟弱な発想は必要ありません!」

まほ 「普段から胸襟を開いて話すことがなかったから、誰もみほを庇ったりしなかったんだよなぁ…。」

エリカ 「うぐっ!」



まほ 「エリカだけじゃない、誰もがわかっているんだろう?」

まほ 「仲間が危機に陥ったので助ける、それ自体は間違っているどころか賞賛されるべきだって。」

エリカ 「それは…ッ!確かに、そうですが…。」

まほ 「だけど黒森峰と西住流の気質、そして十連覇がかかった試合だという背景がそれを許さなかった。」

まほ 「何らかの責を負うことは仕方がないにしても、誰かがみほの味方になっていれば」

まほ 「今とは違った形になっていたと思うんだ。」

まほ 「少なくとも、みほが惨めな気持ちを抱いて追い出されるように転校することも」

まほ 「我々が『あんな優秀な人材を追い出すとかバカジャネーノ』とか陰口を叩かれることもなかったわけだ。」

まほ 「いざというとき誰かに相談できる、話し合えるという環境を作ることは非常に大事だぞ。」



アンチョビ 「それに隊長が信頼できる、仲間を信じられるっていうのは訓練のモチベーションも上がるしな。」

アンチョビ 「うちなんかみーんな仲良しだぞ!休憩中と練習後におやつを食べて」

アンチョビ 「公式試合の時は対戦相手も含めた、関係者を招いてお食事会だぁ!」

まほ 「そう、それだ。私たちもそれをやってみようと思ってな。」

アンチョビ 「え?西住が?」

まほ 「そうだ。」

アンチョビ 「堅物姉貴の西住が?」

まほ 「そうだよ。」

アンチョビ 「…笑ってもいいかな?」

まほ 「構わないぞ。」



アンチョビ 「 ブッフォwww にしずみwww ウェwww 」

まほ 「うわっぷ!こら、唾を飛ばすな!私は真下にいるんだぞ!」

ペパロニ 「ご褒美じゃないっスか。」

まほ 「お前のところの隊員、どこかおかしいぞ!」

アンチョビ 「すまん…。」

カルパッチョ 「膝枕の体勢のまま言われても…。」



まほ 「具体的に言うと、練習後にノンアルコールビール祭りなんかをやりたくてな。」

まほ 「ビール、ソーセージ、それと熊本料理も用意して… 馬刺しなんかいいな。」

まほ 「濃密な訓練と、適度なリラックス。これが黒森峰改革の主題だ。」

アンチョビ 「うん、いいじゃないか。私は応援するぞ!」

エリカ 「つまり、このディアンドルを下級生に着せて配膳、お酌をさせようということですか?」

アンチョビ 「ようやく話がそこにつながったな…。」



まほ 「あー、違う。逆だ。これを着るのは上級生のほうだ。幹部が隊員を楽しませるんだ。」

エリカ 「ふぁっ!?」

ペパロニ 「いいんじゃないッスか?仲良くなるのが目的だっていうなら」

ペパロニ 「上司に無理やり付き合わされる嫌な飲み会、じゃあ意味ないっスからね。」

エリカ 「いいわきゃないでしょ!」



エリカ 「隊員の交流が重要だということは理解しました。」

エリカ 「しかし、黒森峰の強さは鉄の規律によってこそです!」

エリカ 「上下関係を崩せば、それこそなれ合いの集団に堕ちかねません!」

まほ 「確かに、この計画が吉と出るか凶と出るかはわからない。」

まほ 「だからこそ、タンカスロン参戦中の間だけ、試験的に取り入れるという話だ。」



アンチョビ 「あれ?ひょっとして私たちが呼ばれたのは豆戦車の運用法が聞きたかったわけじゃなくて…」

アンチョビ 「宴会の運営について聞きたかっただけかぁ!?」

まほ 「そうだ!」

アンチョビ 「自信たっぷりに言うなぁ!」

まほ 「黒森峰では中等部のころから二号戦車に慣れ親しんでいるので、運用に問題はない。」

アンチョビ 「そうか… そうだよな。戦車のことで黒森峰に教えることなんて何も無いよなー…。」



アンチョビ 「…いや、構わん!どんなことであろうとも必要とされればどこへでも行く!」

アンチョビ 「塩でもパスタでも送ってやる、それがアンツィオの流儀だ!」


アンチョビ 「ボンプル以外にはな!」

ペパロニ 「姐さん誰にでも優しいっスね!ボンプル以外には!」

カルパッチョ 「そうですね、ボンプル以外には。」


エリカ 「…あいつら、何やったのよ?」

アンチョビ 「タンカスロンの試合中に奇襲しかけてきやがった。」

エリカ 「やっぱりタンカスロンなんて野蛮じゃないの!」

アンチョビ 「で、仕返しにあいつらの試合中に乱入してやったが返り討ちにあった(´・ω・`)」

エリカ 「か、かっこわるい…。」



アンチョビ 「これを笑い話で済ませるのは早計だぞ。タンカスロンは基本的に何でもありだ。」

アンチョビ 「まともな試合がしたいと思うなら、あらかじめルールは確認しておけ。」

まほ 「そういえば、プラウダとボンプルが戦ったときは、プラウダが30輌以上投入したらしいな。」

アンチョビ 「物量で押しつぶすことも許される。ルール無用ってそういうことさ。」

アンチョビ 「もっとも、プラウダがフラッグ車を放置していたおかげで負けたらしいけどな。」

まほ 「勝利を確信すると足元が見えなくなる、プラウダの悪癖だ。」

アンチョビ 「問題点を洗い出すのも練習試合の目的さ。」

アンチョビ 「これで反省して、油断しなくなるようならプラウダにとっても価値のある敗北だろ。」



エリカ 「敗北からも学ぶことがある、という考えは好きじゃないわ。」

アンチョビ 「そうかぁ?大事なことだと思うけど。」

エリカ 「負けても学べることがある、だから負けてしまってもいい。」

エリカ 「そういう甘えに繋がる危険性があるわ。」

エリカ 「王者とは、そして西住流とは勝つこと。弱小校とはそこが違うのよ。」

アンチョビ 「ふぅん… 私にはわからん理屈だなぁ。」

エリカ 「…そうでしょうね。」



ペパロニ 「そういえば姐さん。以前、竪琴高校とやったじゃないスか。」

アンチョビ 「うん、戦ったな。」

ペパロニ 「で、負けたら解散って話だったのに、一度解散して再結成!とかナメたことぬかしてましたけど」

ペパロニ 「姐さんとしてはアレ、どうなんスか?」

カルパッチョ 「ある意味、約束を一方的に破られたということにもなりますが…。」


アンチョビ 「う~ん、別に竪琴が解散したからって、うちにメリットがあるわけじゃないしな。」

ペパロニ 「ま、そりゃそうッスけどね。」

アンチョビ 「それにさ、再結成するって宣言したとき、観客からブーイングは上がらず、歓声で迎えられていただろう?」

アンチョビ 「あいつらは人から認められるような戦いをした。自分たちの価値を自ら示したんだ。」

アンチョビ 「だったらもう、私から言うべきことは何もないよ。」

カルパッチョ 「だから何も言わずに立ち去ったんですね?」

アンチョビ 「お前らだってそれで良かったって思っているんじゃないか?あの件で不満を聞いたことがないぞ。」

カルパッチョ 「そうですね。みんないい子たちでしたし、私たちのせいで解散だなんて後味悪いですから。」



ペパロニ 「く~~ッ!」

アンチョビ 「どうしたペパロニ、やっぱまずかったかな?」

ペパロニ 「姐さん渋い!渋すぎるッス!」

ペパロニ 「無言で去るのが女の作法!カッコよすぎっすよぉ姐さん、惚れ直しました!」

アンチョビ 「そ、そうかぁ?なんたって私、お前らのドゥーチェだからな!はっはっは!」

ペパロニ 「どうよ、エリちゃん!あたしらの姐さん素敵だろ?」

エリカ 「エリちゃん言うな!馴れ馴れしい!」



まほ 「言い忘れていたが、タンカスロン隊の隊長はエリカにやってもらうから。よろしく。」

エリカ 「…え?」


まほ 「何を驚くことがある。そろそろ隊長引継ぎについて考えるべき時期だろう?」

まほ 「タンカスロンへの参戦も、その一環に過ぎない。」

アンチョビ 「先の話にあったプラウダも、隊長をニーナに任せていたらしいし」

アンチョビ 「まずは豆戦車競技で全体を指揮することに慣れる、っていうのは悪くないよな。」

まほ 「隊員も二年と一年が中心だ。私たちも訓練に参加はするが」

まほ 「よその学校との練習試合はエリカが指揮してくれ。」

エリカ 「わ、わかりました!不肖、逸見エリカ!タンカスロンでも黒森峰は常勝であると証明してみせます!」



まほ 「最後にもう一つ。これが安斎たちを呼んだ一番の理由なんだが。」

まほ 「試合後に大規模なビール祭りで相手をおもてなし、これをやりたくてな。」

ペパロニ 「うちのパクリっスか?」

エリカ 「弱小校の真似なんかするわけないでしょう!?参考にするだけよ!」

まほ 「他校の良いところは積極的に取り入れる。強くなるためにはなんだってするぞ。」


まほ 「ただ、真似するだけでは芸がないからな。いっそのこと、試合後の反省会も相手校と合同でやりたい。」

エリカ 「え゛え゛え゛え゛ッ!?歴史と伝統と栄光の黒森峰の!ブリーフィングを他校に見せちゃうんですかぁ!?」

ペパロニ 「ゼニが取れるレベルの話っスね。」

まほ 「いっそのこと、ギャラリーも入れてしまうか。」

アンチョビ 「黒森峰が参戦となれば、世間の注目度も違ってくるだろ。」

アンチョビ 「聖グロやサンダースも来るだろうし、本当にいいのか?」

まほ 「構わない、他校との交流も目的の一つだ。」

まほ 「聖グロにいたっては何かやらかすのではないかと楽しみですらある。」


アンチョビ 「基本的にルール無用。しかも戦車道とは別口なので、試合結果は公式記録に残らない。」

アンチョビ 「で、今はタンカスロンが盛り上がっている。これであいつが何もしないわけがないんだよなぁ。」

エリカ 「すっかり悪の黒幕扱いね…。」

アンチョビ 「そう振舞うことを、あいつ自身が楽しんでいる節があるからな。」



まほ 「その交流会のビール祭りを手伝ってほしいんだ。」

アンチョビ 「それはいいけど、この格好はちょっとなぁ…。」

まほ 「頼むよ。材料費は当然、黒森峰が持つし。バイト代も出す。」



アンチョビ 「やろう。」

カルパッチョ 「やりましょう。」

ペパロニ 「やらいでかッ!」



まほ 「お、おう… よろしく。」



アンチョビ 「じゃあ、さっそく帰って準備するか。」

アンチョビ 「あ、具体的な話を詰めてからのほうがいいか?」


まほ 「その前にやることがあるだろう?」

アンチョビ 「え?」

まほ 「私はまだ、甘えきってはいない!」

アンチョビ 「えぇ… この膝枕スタイルだけじゃ不満か?」

まほ 「これはいいものだ。だが、まだ足りない。もっと全力で甘やかしてくれ!」

まほ 「もっと耳元で、息がかかるくらいの距離で囁いてくれ。私を褒めたたえろ!」

アンチョビ 「逸見ぃ~ なんとかしてくれ。」

エリカ 「無理です。」キッパリ

アンチョビ 「トホホ…。」



アンチョビ 「ええと、じゃあ… 褒めるぞ。こんなこと宣言するのもなんだが。」

まほ 「どんとこい!」



アンチョビ 「お前は本当によく頑張っているな。」

まほ 「うん。」

アンチョビ 「二年連続で優勝を逃した無能、なんて言っていたが私はそうは思わない。」

アンチョビ 「むしろこの激動の時代を西住まほ以外の、誰が乗り切れるっていうんだ。」

アンチョビ 「大学選抜戦でのお前は、本当に格好よかったぞ。」

アンチョビ 「最後まで立っていたお前の凛々しい姿を見て、誰もが思うのさ。」

アンチョビ 「なんだかんだで、頂点に立つのは黒森峰なんだって。」



まほ 「私はみほのサポートに徹していただけだ。生き残ったのは結果論だよ。」

アンチョビ 「誰もがあの場所に行きたいと思っていた。」

アンチョビ 「でも、それができたのはお前だけだ。謙遜しなくてもいい。」

アンチョビ 「もう一度言うが、本当に格好良かった。誰もがお前の姿に憧れた。」

アンチョビ 「西住みほの、お前を尊敬する気持ちも本物さ。傍から見ているとそう思うよ。」



まほ 「そ、そうか~。そうかなぁ~///」モソモソ

アンチョビ 「あ゛あ゛あ゛!だからぁ!股に顔をうずめようとするな!」

まほ 「だって恥ずかしいんだもん。」

アンチョビ 「だもん、じゃないだろ!そっちのほうがよほど恥ずかしいぞ!」



まほ 「ふぅ… 実に堪能できた。明日からまた頑張れそうだ。」

まほ 「耳元に息がかかるたびイキそうになったぞ。」

アンチョビ 「私は泣きそうになったよ。」



まほ 「じゃあ、次はエリカにも膝枕をしてやってくれ。」

アンチョビ 「何がじゃあ、なんだよ。」

エリカ 「私は別にしてほしいとは思いませんが…。」

まほ 「戦車道は激務だからな、精神的なサポートも必要になるかもしれない。」

まほ 「それをエリカにも確かめて欲しいんだ。」

エリカ 「そういうことでしたら…。安斎さん、ちょっと膝をお借りしますね。」モフッ

アンチョビ 「お、おう。なんか妙なことになってきたな。」



まほ 「どうだ、エリカ!膝枕の感想は!?」

エリカ 「これは…ッ 予想以上に温かくって、柔らかいです。」

エリカ 「でも、それだけといえばそれだけですね。カウンセリングになるかは疑問が残ります。」

まほ 「ならば安斎、耳元で囁け!」

アンチョビ 「何をッ!?」

まほ 「何でもいい。エリカの心に忍び込んでハートを鷲掴みにするような、そんなトークを期待している。」

アンチョビ 「ハードル高いな!」






アンチョビ 「えぇと…ゴホン。 お前は逸見エリカだ。」

エリカ 「え?そりゃぁそうですけど ───…。」

アンチョビ 「西住みほの代わりじゃない。」

エリカ 「!!!」



エリカ 「アンタいきなり何を言い出すのよ!ふざけないで!!」ガバッ

まほ 「こらエリカ、まだ終わってもいないのに起きるんじゃない。」

まほ 「文句があるなら後で聞こう。もうしばらく、安斎に身も心も委ねてくれ。」

エリカ 「隊長がそう仰るならば…。」ブツブツ…

アンチョビ 「続けていいか?」

エリカ 「どーぞ!好きにしなさいよ!」



アンチョビ 「お前の尊敬する隊長は、いつだって逸見エリカのことを気にかけているぞ。」

エリカ 「そうでしょうね。あの子がいなくなって、副隊長は私しかいないから。」

アンチョビ 「消去法とか、代用品とか、そういうのじゃないんだ。逸見エリカ自身を愛しているんだ。」

アンチョビ 「そもそも今回の一件、タンカスロンへの参加や隊員間の交流など」

アンチョビ 「一体、何のためにやっていると思う?」

エリカ 「黒森峰強化のためでしょう?」

アンチョビ 「半分正解だな。エリカ、お前のためだよ。」ナデナデ

エリカ 「… … …。」






まほ 「ここで頭なでなでかー。安斎は完全にママモードに入っているな。」

ペパロニ 「逸見の奴もなんだかんだで抵抗はしていないッスね。」

カルパッチョ 「… … …。」カシャカシャカシャ



アンチョビ 「隊員の交流会はな、人付き合いの苦手なお前が、西住がいなくなった後でも」

アンチョビ 「うまくやっていけるようにと、そうした意図で提案しているんだ。」チラッ

まほ 「え?あ、ああ、そうだ。ふふっ… 安斎には見抜かれていたか。」

エリカ 「… … …。」


アンチョビ 「他の誰でもない、逸見エリカを中心とした黒森峰の強化。それが西住の狙いだ。」

エリカ 「そ、そんなわけ… ないでしょうが…。」

アンチョビ 「よく考えてみろ。黒森峰の伝統を真っ向から否定するような企画」

アンチョビ 「どうでもいいと思っている奴のためにやると思うか?」

エリカ 「… … …。」


アンチョビ 「逸見エリカ率いる黒森峰が、大洗に勝利することを願っているんだ。」

アンチョビ 「西住まほにとって、お前も大事な妹なんだよ。」

エリカ 「そんな… こと…ッ。」


アンチョビ 「みんな、お前を愛している。」

エリカ 「違うわよ…。」


アンチョビ 「お前は愛されているんだ。」

エリカ 「… … …。」



アンチョビ 「西住、西住!お前からも何か一言!」

まほ 「ふむ、そうだな…。」



まほ 「エリカ、こんな不甲斐ない私についてきてくれてありがとう。」

まほ 「そして来年はエリカが大洗に勝利し、黒森峰の栄光を取り戻すことを期待している。」

エリカ 「うっ… グスッ。だい゛じょ゛ぅぅぅ…。」チーンッ



アンチョビ 「あ゛あ゛あ゛!それはや゛め゛ろ゛ぉぉぉぉ!!」




エリカ 「すいません…つい。洗って返しますから。」

アンチョビ 「返すも何も。この衣装、私のじゃないからな。」



ペパロニ 「うわぁ… ドスケベ衣装のスカートに鼻水がてかてか光って、どうしようもなくドスケベっスね。」

カルパッチョ 「たかちゃんへ、お宝画像添付… っと。」 ティローン♪



まほ 「今日は実に有意義な一日だった。交流会の内容を詰めたら資料を送るので」

まほ 「また改めて黒森峰に来てくれ。」

アンチョビ 「ああ、その時はまたよろしくな。じゃ、私は着替えて帰るから。」

まほ 「えぇ… 着替えるのか?」

アンチョビ 「着替えるよ!このまま帰るわけないだろ!」



~~~~~~~~~~~~



アンチョビ 「あー、疲れた。特に何かしたってわけじゃないけど疲れたぁ~。」

ペパロニ 「姐さん、実は西住さんからお土産を預かっているんスよ。」

アンチョビ 「へぇ、お土産!?何だろう、ソーセージかな?酢漬けキャベツかな?」

カルパッチョ 「じゃーん、ディアンドル~。」

アンチョビ 「…え?」



ペパロニ 「」ニコニコ

カルパッチョ 「」ニコニコ



アンチョビ 「な、なんで…?」



ペパロニ 「」ニコニコ

カルパッチョ 「」ニコニコ





                                         この後、むちゃくちゃ甘やかした
                                                             【 おしまい 】


以上になります。

リボン6巻のチョビいい…。

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