マクギリス「心の隙間を埋めるだと…?」 (23)

喪黒「私の名は喪黒福造…人呼んで笑ゥせぇるすまん」


喪黒「ただのセールスマンじゃございません」


喪黒「私の取り扱う品物は心…人間のココロでございます」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1493695079

喪黒「この世は老いも若きも男も女も、心の寂しい人ばかり」

喪黒「そんな皆さんの心のスキマをお埋めいたします」

喪黒「いいえ、お金は一銭もいただきません」

喪黒「お客様が満足されたら、それがなによりの報酬でございます」

喪黒「さて、今回のお客様は…」


マクギリス・ファリド 「ギャラルホルン」監査局特務三佐


オーホッホッホッホッホ……

―ギャラルホルン地球支部―

ガエリオ「すまないな、今日も妹の我侭につき合わせて」

マクギリス「気にするな。許嫁自らお茶を誘ってくれるなど、歓喜この上ないよ、優雅な時間を過ごさせて貰った」

ガエリオ「せっかくの休日を妹のために潰してしまったな…」


………

……



マクギリス「まったくだ。はぁ…。くだらない激務の後に許嫁とは言え子守をさせられるとは…やはり人生は楽では無いな…」

MS博物館にて

マクギリス「レプリカとは言え何時見ても心が奮い立つよ…」

??「バエルですかぁ。凛々しいMSですねぇ、さすがはアグニカ・カイエル」<ぬっ

マクギリス「!」

マクギリス「あなたは…?」

喪黒「これは失意礼しました…ついこのバエルのレプリカを魅入ってるあなたの姿が目立ってしまいまして」

マクギリス「これは失礼した」

喪黒「バエル。お好きなんですか?」

マクギリス「私の命の拠り所。と言っても過言では無いな、ギャラルホルンの創設者、アグニカ・カイエルの魂が宿ると言われているバエル。ふふ、手に届くのならどれだけ至福だろうか」

喪黒「歴史にも詳しいようで尊敬いたしますよ。さすがはギャラルホルン監査局特務三佐殿ですねぇ。マクギリス・ファリドさん」

マクギリス「私を知っているのか?」

喪黒「そりゃもう有名人ですからねあなたは。組織を根本から変えて乗っ取りたいなんて思ってるんじゃあないですか?」

マクギリス「…!?」

喪黒「オーホッホッホ。冗談ですよ冗談。まあ立ち話もなんですしどうですか?一杯」

マクギリス「あなたは一体…」

―BAR魔の巣―

マスター「…」<キュッキュ

マクギリス「あなたの言ったとおりだ」

マクギリス「私は今のこの腐敗したギャラルホルンを疎ましく思っている」

喪黒「そうですかそうですか。ですがたしかに民衆からの風当たりは非常に悪いですねぇ今のギャラルホルンは」

喪黒「武力を以って武力を制す世界平和維持のための暴力装置なんて呼ばれてるくらいですからねぇ…と。これは失礼しました。本職の方の目の前で申し訳ありません」

マクギリス「ははは、構わないさ。外部の人間のほうが余程組織の現状を把握している。恥ずかしいことこの上ない」

喪黒「色々とあるみたいですが組織を変えようとするには様々な努力が必要で一筋縄ではいかないでしょう」

喪黒「当然ストレスもたまるはずです。あなた、顔には出しませんが私にははっきり分りますよ」

喪黒「組織を変える事以上に欲しい物がありますね。それがストレスになっています」

マクギリス「…」

喪黒「もし宜しければそんなあなたのストレスを解消してあげましょう」

マクギリス「私のストレスを解消?つくづく不思議な人だ。あなたは一体何者だ?」

喪黒「おっと失礼しました。自己紹介が遅れましたね。私、こう言うものです」<スッ

マクギリス「ココロのスキマ、お埋めします?ふ、新手のキャッチセールか?面白いな」

喪黒「いいえ、ボランティアですよ。お金は一切いただきません」

マクギリス「ここまで単刀直入とは。余程自信があるのだな」

喪黒「オーホッホッホ。騙されたと思って一度でいいので後日この地図に書かれた建物へ来てください。あなたを必ずや満足させてさしあげましょう」

マクギリス「何をするのだ?そこで」

喪黒「来ればわかります。それとあなたの立ち位置もありますゆえ、一応モンタークに変装して来るように」

マクギリス「そこまで調べているとはな、恐れ入ったよ。わかった明日時間を作って向かおう」

喪黒「お時間はいつでも構いません。お待ちしていますよ」

後日、地図に書かれた―建物―にて

喪黒「オーホッホッホ!疑わずに来てくれるとは思いませんでした!」

マクギリス「疑っているさ。だからこそ来た。モンタークの事まで把握されていてはこちらもただ事では無いからな」

喪黒「けっこうけっこう。最初は誰だってそうなのです。でもここから先を進んだ所にあなたの心のもやもやを打ち消す素晴らしい物があります」

マクギリス「見せてもらおうか…その素晴らしい『物』とやらを」

………

テクテク


マクギリス「どうみても廃墟のだ…こんな所に何がある」

喪黒「ここの扉を開けてみてください」

マクギリス「ん…この扉だけ新しい…しかも電源も生きている…」<ポチ

ヴィーン

マクギリス「なんだ…この広い部屋は…それにあれは…バエル!?」

喪黒「気に入っていただけましたか?ファリドさん。そう、あなたが喉から手が出るほど欲しがっていた『ガンダムバエル』です」

マクギリス「おお…」

マクギリス「本物と区別がつかないくらい神々しい…博物館のレプリカとは訳が違う…」

喪黒「システムから素材。全てにかけて本物のバエルと一緒です。専門家が作り上げた言わばもう一つのバエルなんです」

マクギリス「素晴らしい…こんな事が…。だが、私は禁忌の力である『阿頼耶識』をまだ身につけては居ない…バエルを動かすことは」

喪黒「ご安心ください。このバエルが本物と違う所は、阿頼耶識無しでも操縦できる所です。訓練を積んでいるファリドさんなら簡単に動かす事が出来るでしょう」

マクギリス「そ、そうなのか…」

喪黒「あまりの興奮に手が震えてますよ?さあコクピットに…」

マクギリス「ああ…」

コクピット

マクギリス「アグニカ・カイエルの魂が宿ると言われたバエル…まさかこんなにも簡単に手に入れることが出来るとは…」<ピピピ

マクギリス「凄い…このシステムは300年前の…本当にバエルだ…」

喪黒「どうぞ、ご自由に操縦なさってください」

マクギリス「動いた…いや動かした!この私…いやこの俺が!バエルを!!!!」

喪黒「オーホッホッホ!良かったですねぇファリドさん!」

マクギリス「この機動性!」

マクギリス「そしてこのバエルブレードの切れ味…」

マクギリス「これら躍動感…これが…アグニカ・カイエル!!!!!」

喪黒「まるで子供のようにはしゃいじゃってますねぇ」

マクギリス「素晴らしい。このような施しを私にしてくれるとは…感謝する。喪黒福造」

喪黒「いえいえ、ファリドさんが喜んでくれたのならそれは何よりです。それと…」

喪黒「このバエルはファリドさんに差し上げましょう」

マクギリス「!?」

喪黒「ただし条件があります」

マクギリス「ふ、なんとなくだがわかっていたよ…いくら必要なのだ?」

喪黒「以前もおっしゃったとおりお金は一切いただきません。その代わりと言ってはなんですが忠告を」

喪黒「バエルを操縦するのはあくまでこの建物のドーム内だけにしてください」

喪黒「間違っても仕事などで外に持ち出すなどはやめるように」

マクギリス「それもそうか。バエルが2体も存在するなど、世間がとんでもない事になるだろうからな」

喪黒「その通りです。このバエルはあくまであなたの欲求を満たすための言わばストレス解消用の機体なのです。くれぐれもその事を忘れずに」

マクギリス「わかった。約束しよう…」

後日

マクギリス「アインの様態はどうだ?」

ガエリオ「駄目だ…体の損傷が激しすぎてこのままでは…」

マクギリス「そうか…惜しい男だった…」

ガエリオ「なんとか…なんとか無念を晴らす方法はないのか!?」

マクギリス「私達にできる事…それは彼を苦しませず行かせてやる事だ」

ガエリオ「マクギリス…」

ガエリオ「だが無念すぎる…宇宙ネズミどもに一矢報えないままアインが一生を終えるなんて!」

マクギリス「ガエリオ…少し勘違いをしているようだ」

ガエリオ「何?どういう事だマクギリス」

―休憩室―

ガエリオ「宇宙ネズミどもも被害者だと?本気で言っているのかお前は!!!」

マクギリス「ああ、彼らは我々ギャラルホルンの理不尽な襲撃で仲間を多く失ったそうだ。元はと言えば我々に落ち度がある…」

ガエリオ「アインが…アインが悪いと言うのか!」

マクギリス「気持ちは分るが落ち着けガエリオ。冷静になって考えるんだ。もし君の家族が理不尽にテロ組織に襲撃され殺されたらどう思う?」

ガエリオ「それは…だが、だがしかし!」

マクギリス「彼らにとって君らの行動は理不尽な報復でしかないだろう。アインの言い分や君の言い分も十分に分るがな」

ガエリオ「それじゃあ…無駄死にじゃないかアインは…」<クタ

マクギリス「組織の空気に飲み込まれすぎたな…ガエリオ…もう少し自分らしくなれ」

ガエリオ「どうしてだ…どうしてお前はこうも冷静で居られるんだ…」

マクギリス「こう言うときだからこそだ…取り乱しても仕方があるまい。正しい事も間違いも受け入れ前へ進む。私と君ならそれが出来るはずだ」

ガエリオ「マクギリス…」

―廃墟の建物にて―

マクギリス「どうしてこうも冷静で居られる…?そんな事は決まっているだろう…」<ピピピ

マクギリス「そう…私は手に入れてしまったからだ!このバエルを!!!」<ヴィーン

マクギリス「禁忌の力無しで!このアグニカ・カイエルを!バエルを我が物にした!」

マクギリス「素晴らしい…素晴らしすぎる!!目的に一瞬で到達したも当然!!!!あははははは!!!」

マクギリス「ふ、このドームだけでしか動かせない事が惜しいよ…出来れば何時もそばに置いて置きたい…俺のバエル…」



喪黒「…」

そしてさらに後日

モンターク「カルタ・イシューを止めてくれて例を言う、オルガ・イツカ」

オルガ「仕留めそこなったがな」

モンターク「大丈夫だ、彼女は両手両足を複雑骨折。全治まで最低4ヶ月は掛かるそうだ。しばらく表舞台には出れないさ」

オルガ「それで、作戦ってなんだ?」

モンターク「蒔苗東護ノ介を送迎する際、恐らくガエリオ・ボードウィンの横槍が入るだろう」

三日月「ガリガリが?懲りないねあいつも」

モンターク「彼の相手は私にさせて欲しい」

オルガ「なんかあるのか作戦が」

モンターク「ああ、命すら落とさず戦意を喪失させる秘策がな…」

―廃墟の建物にて―

マクギリス「戦いは始まったか…アインは結局あのまま帰らぬ存在となった…そしてガエリオは必死で鉄華団を妨害するだろう」

マクギリス「そんな最中私がこのバエルを用いてガエリオの前に立ちはだかる」

マクギリス「やつに本音を話して説得すれば俺のことも理解してくれるだろう」

マクギリス「そして父、イズナリオを失脚させバエルを操縦している私は組織内でも輝く存在となる…もう一つのバエルの所持者として…!」

マクギリス「さあ行くぞバエル…こんな窮屈な場所でさぞかし退屈だっただろう…」

マクギリス「エネルギーダウン…どういう事だ!バエル!」

マクギリス「何…モニターの電源が落ちた…どういう事だ…!」

カチャカチャカチャ

マクギリス「何故だ…何故動かん!!!」

突如モニターが再起動しそこに映し出されたのはどアップの喪黒福造

マクギリス「うお!?」

喪黒「ファリドさん。私はあれほど忠告しましたよね。このバエルを外に持ち出すようなマネは控えるようにと」

マクギリス「関係ないな…」

マクギリス「もうこのバエルは私の物になった。それをどう使うかは私の勝手であろう」

喪黒「私はあなたを信用してこのバエルを差し上げることにしたのに…残念です」

マクギリス「ふ、今更何を…俺はもはやバエルと一心同体だ。たとえ誰が何と言おうと渡さん!」

喪黒「そうですかそうですか。そんなにMSと一緒になりたいのなら望み通りにしてさしあげましょう…」

喪黒「ドーーーーーン!!!!!!!!!」


マクギリス「うおおおおおおおおお!?!??!?!?!?!?!」

数年後

――アリアンロッド艦隊によるテロ組織駆逐任務にて――

テロリスト「なんだ…あの白いMS!!!」

マクギリス『今や私は阿頼耶識にてバエルと一つになった!!!』

マクギリス『私はこのバエルを授けてくれたラスタル・エリオンの剣となりこの世の不浄を切り裂こう!』

マクギリス『さあ、このバエルの元に集え!!ラスタル様のもとで、鉄華団と共に我々は敵を討つ!』

一同「うおおおおおおおおおお!!!!」

イオク「よく言った!マクギリス・ファリド!!!!」


ジュリエッタ「良いのですか…ラスタル様…」

ラスタル「まさか本当にバエルが欲しいだけだったとは…あれはギャラルホルンの象徴だ。使用許可の申請を通すのには骨が折れた。その代わりマクギリスには私の右上でとしてしっかり働いてもらう…そして鉄華団にもな」


オルガ「あいつに感謝すりゃいいのか…それともラスタル・エリオンに感謝すりゃ良いのか…良くわかんねーな…」

三日月「どっちでも良いんじゃない。穏便に済めば」



喪黒「いやぁ。野心家かと思ったのに、あまり何も考えていないようでしたねぇ…まあ望みが叶って良かったじゃないですか」

喪黒「男の子と言うものは何歳になっても『男の子』。今の立場は彼にピッタリだと思いますよ」

喪黒「私もたまには良い事するでしょう?オーホッホッホッホ!!!!」


短いし微妙な内容になってすみません。
終わります。

修正しますすみません…

× ラスタル「まさか本当にバエルが欲しいだけだったとは…あれはギャラルホルンの象徴だ。使用許可の申請を通すのには骨が折れた。その代わりマクギリ       スには私の右上でとしてしっかり働いてもらう…そして鉄華団にもな」

〇 ラスタル「まさか本当にバエルが欲しいだけだったとは…あれはギャラルホルンの象徴だ。使用許可の申請を通すのには骨が折れた。その代わりマクギリ       スには私の右腕でとしてしっかり働いてもらう…そして鉄華団にもな」


マッキー☆本人がバエルと融合しちゃったってこと?

>>18
阿頼耶識システムを施されて
バエルを与えられラスタルの部下にされちゃうENDです
見方によっちゃバッドエンドなのかもって内容でございます
お目汚し申し訳ありません

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom