【モバマス】加蓮「……もう無理、限界」 (52)


※百合注意



【モバマス】凛「……もう加蓮は駄目みたいだね」 未央「日に日に酷くなる一方だよ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493565378

これの続きです。

前回は配慮が足りず、不快な思いをされた方には誠に申し訳ございませんでした。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1493633128


―――アイドル寮 食堂

未央「いい加減にしなさーいっ!」

加蓮「奈緒、なんだか未央がうるさいね。なんだろね?」

未央「『なんだろね?』じゃないよ! かみやんとかれんに言ってるの!」

加蓮「え、何? 今、私たち、2人の時間なんだけど」

未央「その2人の時間をいい加減にしてって言ってるの!」

みく「未央チャン、よく言ったにゃ!」

ありす「もう我慢の限界です!」

加蓮「みんなどうしたの? そんなに興奮して」

未央「どうしたもこうしたもそうしたもないよ! かれん、いい?」



未央「今から、寮のみんながいる前でイチャイチャすることを禁止します!」



加蓮「……え、えぇえぇええええ⁉」

奈緒「ついにこうなったか……」


加蓮「ま、待ってよ! なんで⁉ おかしいよ!」

未央「おかしいのはかれんの恋愛脳だよ! よぉ~くもまあ、一日中べたべたいちゃいちゃべたべたいちゃいちゃ……そんなの見せられるこっちの身にもなってよ!」

加蓮「?……あ、嫉妬? みんな恋人いないもんね」

未央「(ぶち)」

みく「……一発ぐらいなら、殴ってもいいんじゃないかにゃ?」

ありす「そうですね、確か法律でもそう決まっていたと思います」

美波「み、みんな落ち着いて! 私も正直イラッとしたけど、暴力は駄目! そしてそんな法律ないよ、ありすちゃん⁉」

未央「か、かれん……寮長権限により、イチャイチャ禁止令を発令します! イチャイチャするなら、自分たちの部屋だけにしなさーいっ!」

加蓮「そ、そんなぁー⁉」ガーン


―――奈緒の部屋

加蓮「意味分かんないよ……横暴だよ……」

奈緒「いや、英断だろ」

加蓮「奈緒は私といちゃいちゃ出来なくてもいいの⁉」

奈緒「いいよ、別に! むしろ今までがやりすぎなんだよ!」

加蓮「そ、そんな……奈緒までそんなことを……ひ、ひっく……」ポロポロ

奈緒「泣くほど⁉」

加蓮「うぇ―――――んっ!」

奈緒「ガチ泣きだし! そこまでイチャイチャしたかったの⁉」

加蓮「うわぁ―――――んっ!」

奈緒「加蓮がこんなに泣いてるの初めて見たぞ⁉ こんなことで⁉ か、加蓮、いい加減泣きやめって!」

加蓮「ぐす……抱きしめてくれたら、泣きやむ」

奈緒「抱きっ⁉ す、するわけないだろ⁉ なに調子に乗ってんだ!」

加蓮「……うぇ―――――んっ!」

奈緒「それ嘘泣きじゃないのか⁉……うぅ……ほ、ほらっ! これでいいだろ!」ギュッ

加蓮「あ……」

奈緒「な、なんで……こんな恥ずかしいことしなきゃ……」

加蓮「……奈緒の……」

奈緒「ん?」

加蓮「奈緒の体、柔らかくて気持ちいいーっ!」ギューッ

奈緒「ひきゃんっ⁉」

加蓮「にへへー、奈―緒―♡」

奈緒「はな、放せっ! や、やめ、変なとこ触るなーっ!」


―――隣、未央の部屋



加蓮『あったかいね、今日はこうやって寝る?』

奈緒『こんなんで寝れるか!』



未央「……これだけいちゃついてるんだから、十分だと思うんだよね」

みく「未央チャン、この部屋ってもしかして、奈緒チャンの部屋の会話丸聞こえなんじゃ……」

未央「別に壁が薄いわけじゃないから、全部聞こえるわけじゃないけどね」

ありす「禁止令を出しても未央さんは、あの2人のイチャイチャから免れることが出来ないんですね……」

未央「自分の部屋以外でやらないでもらえるだけでも有り難いよ」

まゆ「部屋、引っ越したらどうです?」

未央「それは嫌だよ! この部屋は寮に入って以来私の部屋なんだから! 寮を出るときまで、この部屋を明け渡すつもりは無いからね!」

みく「そんなこだわり持ってたんだ⁉」

まゆ「な、なら我慢するしかないですね」

未央「まあ、あの2人……っていうか、主にかれんだね。かれんもいちゃつく頻度が減れば、少しはあの恋愛脳も落ち着くんじゃないかな」


―――翌日の朝、食堂


加蓮「奈緒ー♪ ご飯食べさせあいっこ――」

未央「こほんっ!」

加蓮「⁉……一緒に食べよ、奈緒」

奈緒「なんで不満そうなんだよ! それが普通だからな⁉」


―――共同スペース

加蓮「奈緒―♪ 膝枕―――」

ありす「こほんっ!」

加蓮「⁉……枕投げしよ、奈緒」

奈緒「なんでそれに変わった⁉ 修学旅行か!」

ありす「枕投げ……! いいですね、みなさん呼んでやりましょう!」

奈緒「ありす、乗り気になってるし!」


―――大浴場


加蓮「奈緒―♪ 背中流しっこしよ?」

みく「にゃほんっ!」

加蓮「こ、これくらい友達同士でもやるでしょ⁉」

みく「む、言われてみれば……じゃあいいよ」

加蓮「やった♪ 奈緒、その後は体揉みあいっこね?」

みく「うんうん、それくらいも友達同士で……そんなの友達同士でやらないにゃ!」

奈緒「恋人でもそんな恥ずかしいことできるかーっ!」


―――事務所

加蓮「……」

凛「加蓮、どうしたの? なんだか元気ないような……」

奈緒「いや、実はかくかくしかじかでさ」

凛「なるほど……ってそれじゃ分からないから。ちゃんと説明してよ」

未央「今、寮でイチャイチャ禁止令が発令されてるんだよ」

凛「イチャイチャ……?」

未央「みんなの前でイチャイチャするの、禁止にしたんだ。耐えられなくて」

凛「あー……それは仕方ないよね。あれを毎日は、きつすぎるよ」

加蓮「凛まで未央たちの味方するんだ……」ジトメー

凛「そ、そんな恨みがましい目で見ないでよ……加蓮、それで元気ないの?」

加蓮「……奈緒分が足りないの」

凛「……奈緒分?」

加蓮「私、奈緒にくっついたり、甘えたり、恥ずかしがってる奈緒を見たりすることで奈緒分を摂取してるのに……!」

奈緒「そんなもん摂取してたの⁉ 初耳だよ!」

未央「で、でもさ、かれん。かみやんの部屋で、十分いちゃいちゃしてるんじゃないの?」

加蓮「あれだけじゃ足りないの! もっともっともーっと奈緒分を摂らないと駄目なの! 供給量が消費量を下回ってるの!」

奈緒「知るか! そんなのなくても平気だろ!」

加蓮「平気じゃないの! もう私は奈緒分がないと生きていけないの!」

凛「お、大げさな……」

未央「そのかみやん分、足りなくなったらどうなるって言うの?」

加蓮「それは……」

奈緒・凛・未央『そ、それは……?』

加蓮「……知らないけど」

奈緒「知らないのかよ!」

加蓮「多分、凄く辛いような気がする」

凛「加蓮、テキトーなこと言ってるだけだよね」

未央「真面目に聞いて損した……」

加蓮「もっといちゃいちゃしたいー!」

奈緒「今でも十分してるだろ!」


―――そして、その日の夕食時、ついに加蓮に限界が訪れた

加蓮「……もう無理、限界」

奈緒「どうした? 食べないのか、加蓮?」

加蓮「食べる?……そうだね、じゃあ食べようかな」

奈緒「そうしろって。ちゃんと食べないと体力つかないぞ……って、なんであたしの隣に来るんだ?」

加蓮「奈ー緒っ♪」ギュッ

奈緒「な、なんであたしの頭に両手を回すんだ? か、加蓮――」



加蓮「いただきまぁーすっ♡」チュッ



奈緒「⁉」


未央「かれん⁉」

みく「み、みんないるのに、奈緒チャンにキスしたにゃ⁉」

まゆ「ありすちゃん、見ちゃ駄目です!」メカクシー

美波「あ、アーニャちゃんも見ちゃ駄目!」メカクシー

ありす「え⁉ な、なんですか⁉ 何が起きてるんですか⁉」メカクサレーデス

アーニャ「? どうしたんですか?」メカクサレー

幸子「と、突然何をしているんですか、あの2人は⁉」

蘭子「あ、あわ、あわわわわ」

茜「か、加蓮ちゃんの目が、妖しく燃えています!」



《ぶちゅうぅ――――――――――――――――――――――――――――――――っ》



紗枝「な、長いどすなぁ……」

文香「あ、あれが……フレンチキスというものなのでしょうか……?」

周子「加蓮ちゃん、スイッチ入っちゃってるねー」

美穂「うぅ……加蓮ちゃん、大胆です……!」

響子「こ、これ、止めなくていいんですか⁉」

未央「そ、そうだった! か、かれん、ストップ!」


《ぶちゅうぅ――――――ちゅぱっ♡》


加蓮「ふふっ♡ ごちそうさまでした♡」

奈緒「あ、あぅぅう……きゅぅ……」バタリ

未央「かみやんが気絶した!」

みく「刺激が強すぎたんだにゃ……」

まゆ「ということは、普段はここまでのキスはしていないみたいですね」

美波「そ、そんな考察しなくていいよ!」

加蓮「あれ? 奈緒、寝ちゃったの?……あは♡ じゃあ今なら、奈緒に好きなこと何でも出来るね♡」

未央「ちょ⁉ み、みんな、かれんを止めて!」

みく「目がいっちゃってるにゃ!」

美波「ふ、服を脱がないで、加蓮ちゃん!」


―――加蓮の部屋

奈緒「お願いだから、加蓮といちゃつかせてくれ……」

未央「……うん。私たちも、あんなものを見せられるくらいなら、これまでの方がマシだよ」

みく「まさかあんなことになるなんて思わなかったにゃ……」

加蓮「うぅ、ん……あれ? 私、いつの間に寝ちゃってたの?」

奈緒「か、加蓮⁉」

加蓮「あ、奈緒。……なんだか奈緒と一緒にご飯食べてるとこから、記憶が途切れてるんだけど……私、どうしてたっけ?」

奈緒「き、記憶がないのか……うぅ……な、何もなかったから!」

加蓮「?」

未央「か、かれん、もうイチャイチャ禁止令、解除したから。好きにしていいよ」

加蓮「え、ホントに? やったぁ! 奈緒、また2人の時間いっぱい作ろうね!」

奈緒「う、うん、そうだな……」ウツロナメー

未央(なんだか、かみやんが不憫に思えてきたんだけど……)

みく(みく、気付いたにゃ。イチャイチャしていて一番きついの、みくたちじゃなくて奈緒チャンにゃ……)


 おしまい

前回は謝らないとか言いましたが、やはりスレタイ詐欺についても謝罪します。
ふざけた真似をして申し訳ありませんでした。

ssを投下し始めてまだ日が浅いので、これからもおそらく至らない点が多々あると思われます。

なので、何か目に付きましたら指摘していただけるとありがたいです。


このスレじゃないですが、美嘉の★について指摘してくださった方、ありがとうございます。
書いていて全然気付きませんでした。正直、今まで書いたやつ全部修正したい気分です。


絵文字(★とか♪)ですが、モバマスやデレステでも使われているのでこれからも使います。ご了承ください。


話の内容に関しては指摘されてもどうしようもありません。申し訳ありません。

絵文字の箇所が意味不明になる人には申し訳ありません。
ですが、美嘉の★や、莉嘉の☆、まゆの♪などは無いと違和感があるので、どう言われても使い続けていきます。
ハートは使わないようにしようと思います。

あと次から⁉は!?に変えようと思います。

すみません全然分かってなかったみたいです
わざわざ解説ありがとうございます
機種依存文字使わないようにします

伸ばし棒とダッシュは書いてる時に勝手に変換されることがありまして
チェックしてるんですが見落としがどうしてもあります
これからはもっとちゃんと確認していこうと思います

とりあえず色々と直してみました。


―――アイドル寮 共同スペース

未央「ではこれより、かれん対策会議を始めます」

みく「この前の禁止令は大失敗に終わってしまい、みくたちの心に深い傷を残したにゃ……」

奈緒「あたしの心の傷が一番でかいと思うんだけど! みんながいる前で、あ、あんな……うにゃぁーっ!」

ありす「確かに傷が大きそうですね……」

美波「というか、どうして奈緒ちゃんがこの場にいるの? 当事者なのに」

未央「かみやんは確かにかれんの恋人だけど、一番かれんのイチャイチャを抑えたいと思ってるのがかみやんだからね」

奈緒「……そもそも、みんなの前であたしから加蓮にいちゃついたことなんてないだろ」

幸子「ふむ、確かにそうですね」

まゆ「なら、みんながいないところでは、加蓮ちゃんに甘えてるんですか?」

奈緒「み、みんながいないとこでもしてないっ!」

未央「恥ずかしがり屋のかみやんじゃ、甘えるのはちょっとハードル高いよね」

奈緒「う、うるさいっ!……その通りだけど」

未央「とにかく、今日からはかみやんも加えて会議をしていくよ」

響子「でも奈緒ちゃんがここにいて、加蓮ちゃんはどうしてるんですか?」

未央「かれんは、ここにいないメンバーで相手をしてるよ」


―――加蓮の部屋


加蓮「それでこれが寝起きの奈緒の写真! 目をこすってるのが最高に可愛いでしょ?」

周子・フレデリカ『……そうですね(余計なこと引き受けなきゃ良かった)』


―――アイドル寮 共同スペース

未央「これから会議の度に、かれんの相手役を交代でしてもらうよ。そうしないと、か
みやん探しにやってきちゃうからね」

奈緒「もう寮の中では、ほとんど一緒に過ごしてるからなぁ」

みく「ホントにべったりだよね」

奈緒「だから、それをなんとかしたいんだ。いくら恋人でも、普通ここまで一緒にはいないだろ。せめてもう少し、加蓮の意識を他に向けさせたい」

未央「うん、そのためのこの会議だよ。さあ、誰か何かいいアイデアある人ーっ!」

『…………』

未央「誰も手を挙げないの!? みんなやる気ある!?」

奈緒「いや聞き方が悪いだろ! そんな漠然とした聞き方で意見が出るか!」

未央「そ、そっか。じゃあ……」



ありす「待った!」



未央「あ、ありすちゃん? どうしたの?」

ありす「私に良いアイデアがあります」

奈緒「え、マジで?」

未央「ど、どんなアイデア?」

ありす「発想を逆転させるんです」

奈緒「発想を……」

未央「逆転?」

ありす「『加蓮さんが奈緒さんに甘えるのをやめさせるには?』ではなく、『なぜ加蓮さんはあそこまで奈緒さんに甘えるのか?』を考えればいいんじゃないですか?」

未央「そ、その発想はなかった!」

奈緒「小学生のありすが思いついたのに……!」

ありす「異議あり! 小学生は関係ないです!」

奈緒「あ、今ので分かったぞ! さっきの『待った』といい……ありす、逆転○判やっただろ!」

ありす「ぎくっ!?……そ、そんなゲーム知りません」

奈緒「ゲームって分かってるじゃねーか! 発想を逆転っていうのも、あのゲームのだろ!」

ありす「そ、そんなことはどうでもいいんです! とにかく、そういう方向性で会議を進めてみたらどうですか?」


未央「まあアイデアの出し方はともかく、いいかもね。なんでかれんが、かみやんに甘えるかか……」

美穂「奈緒ちゃんのことが好きだから、じゃないんですか?」

奈緒「げほっ、こほっ! そ、そういうの言うのやめろぉ!」

未央「みほちー……それは議論するまでもないからさ。みんな知ってるよ」

『うんうん』

美穂「あっ、それもそうですよね、すみません」

奈緒「も、もういいから! 別の意見ないのか!」

みく「って言われても……」

まゆ「あ、もしかして……」

みく「まゆチャン、何か思いついたの?」

まゆ「さっき奈緒ちゃんは加蓮ちゃんに甘えてないって言っていましたよね? もしかして、それのせいじゃないですか?」

奈緒「なんでそうなるんだ!?」


まゆ「奈緒ちゃんが甘えてくれないから、その分、加蓮ちゃんが奈緒ちゃんに甘えているのかもしれません」

奈緒「いやいやいやいやいや!」

未央「……一理あるね」

奈緒「あるか!? ないだろ!」

美波「ううん、いい着眼点かも。ほら、相手が甘えてくれば、自分が甘えようとは思わないでしょ?」

奈緒「む、むむむ……」

みく「なんだ、じゃあ話は簡単にゃ。奈緒チャンが加蓮チャンに甘えればいいだけだもんね」

奈緒「あたしが!?」

幸子「奈緒さん以外に誰がやるんですか」

奈緒「でも、あ、甘えるって。そ、そんな恥ずかしいこと無理だっ!」

ありす「またそんなことを……試しに少しの間やってみるだけですよ」

奈緒「少しでもやることには変わらないだろ!」

未央「かみやん、よく考えてみて?」

奈緒「え?」

未央「少しの間、かれんに甘えて恥ずかしい思いをするのと……これからずっと、かれんに甘えられて恥ずかしい思いをし続けるの、どっちがいい?」

奈緒「……」

未央「どっちがいいかなんて、決まってるよね?」

奈緒「く、くぅぅぅう……!」


―――翌朝 食堂


加蓮「奈緒ー、ご飯――」



奈緒「加蓮ー、ご飯食べさせてくれよーっ♪」



加蓮「……え?」

奈緒「はーやーくーっ!」

加蓮「あ、う、うん」

奈緒「あーんっ♪」

加蓮「あ、あーん」

奈緒「もぐもぐ……うん! 加蓮が食べさせてくれると、何倍も美味く感じるなっ♪」

加蓮「……ど、どうしたの、奈緒?」

奈緒「ん? 何がだ? それよりほら、もっと食べさせてっ」

加蓮「? ? う、うん、分かった」



未央「見て! 上手くいってるよ! かれん、全然かみやんに甘えてない!」

みく「ホントだにゃ!」

文香「奈緒さんのあまりに突然の変わりように、混乱しているだけでは……」

ありす「そ、それもあるとは思いますが、それでも一歩前進してます!」


―――共同スペース


奈緒「加蓮、むぎゅーっ♪」

加蓮「ふぇ!? ちょ、奈緒!?」

奈緒「くんくん……加蓮、すっごく良い匂いするーっ!」

加蓮「に、におっ!?」



志希「うむうむ、教えた通りにやってるねー」

美波「あれ、志希ちゃんが教えたんだ……」

アーニャ「ザーパハ。匂い、ですか。美波、私はどんな匂い、しますか?」

美波「アーニャちゃん!? か、嗅がないからっ!」


―――夜 奈緒の部屋

奈緒「かーれーんっ」

加蓮「こ、こんなにくっついて寝るの?」

奈緒「え……嫌なのか?」

加蓮「い、嫌じゃないよ! 全然いいよ!」

奈緒「良かったぁ♪」

加蓮「……っ!」


―――翌日 事務所

奈緒「……死にたい」

未央「かみやん、あの調子だよ! いい感じ!」

奈緒「本当だろうな!? 死ぬほど恥ずかしいんだぞ、あれ!」

みく「でも、そのわりにノリノリじゃない?」

未央「もしかして、本当は普段からああいうことしたかったり?」

奈緒「そそそ、そんなわけあるかぁっ!」

みく「ま、そういうことにしておいてあげるにゃ」

奈緒「だから違くて! 違うんだ! 違うのっ!」

みく「はいはい」

未央「とにかく、このままいけば、かれんの恋愛脳も少しは落ち着くはずだよ」

みく「その台詞前にも聞いたような……なんか若干不安だにゃ」


―――事務所 奈緒から離れた位置

加蓮「……」

凛「加蓮、どうしたの? 何か様子が……また何か寮であったの?」

加蓮「……昨日から、奈緒がね……」

凛「奈緒が?」



加蓮「奈緒が、可愛すぎるのっ!」



凛(聞かなきゃ良かった)

加蓮「もうどうしようもないくらいに可愛くて! あ、いつも可愛いんだけど、それとは違う可愛さなの! ぎゅってしちゃいたいの! するんだけど!」

凛「そ、そうなんだ……」

加蓮「あー、もうどうしよ! これ以上甘えられたら……もう我慢できないかも私!」

凛「……何をとは聞かないでおくよ」


―――その日の夜 奈緒の部屋

奈緒「かーれーんっ、あたしに膝枕して?」

加蓮「うん、もちろんいいよ。ほら奈緒、来て」

奈緒「やたっ! ごろごろー……うん! 加蓮の膝って、寝心地抜群だよなっ♪」

加蓮「そ、それほどでもないよ」

奈緒「あるって。あったかいし、柔らかいし、いい匂いするし」

加蓮「も、もう奈緒ったら……」

奈緒「それに……ほらっ!」

加蓮「え?」



奈緒「こんなに近くで、加蓮の顔見れるじゃんか!」



加蓮「っ!」

奈緒「ふふっ」

加蓮「……。……な、奈緒」

奈緒「んー?」

加蓮「あのさ……いいよね?」

奈緒「……え、何が?」

加蓮「私もう……我慢できないから……っ!」

奈緒「げっ!? こ、この目は、あの時の……うあっ!?」

加蓮「きゃっ、奈緒のこと押し倒しちゃった♪」

奈緒「……こ、この……体勢は……」

加蓮「奈ー緒っ♪」

奈緒「ひぃっ!?」

加蓮「もう、奈緒が可愛すぎるのがいけないんだよ?」

奈緒「よ、よせ、加蓮! 正気に戻れっ!」

加蓮「大丈夫だよ、奈緒……優しくするからね」

奈緒(あ、これ、本気でヤバイ)


―――隣、未央の部屋

未央「いやー、今回は上手くいって良かったね」

みく「これで寮に平和が戻るにゃ」

まゆ「まだ成功したわけでは……」

ありす「このままいけば、問題ないですよ」

未央「うん、このままいけば―――」



奈緒『誰かぁー! 助けてぇー!』


『!?』

未央「今の声は!?」

みく「奈緒チャンの声にゃ!」

ありす「助けてと聞こえましたよ!?」

まゆ「隣の部屋で何かあったんでしょうか?」

未央「み、みんな行くよ!」


―――奈緒の部屋

未央「かみやん! 何があっ―――」ガチャ



奈緒「く、くそ、抜け出せない……なんでこんな力強いんだ!」

加蓮「さあ奈緒、脱ぎ脱ぎしようね♪」

奈緒「だ、誰が脱ぐかーっ!」



未央「たの……」

みく「奈緒チャンがあられもない姿に!?」

まゆ「ありすちゃん、見ちゃ駄目です!」

ありす「え!? な、なんで私は毎回見ちゃ駄目なんですか!?」


加蓮「もう、奈緒は恥ずかしがり屋なんだから」

奈緒「これはそういう問題じゃなーいっ! あ、未央! 見てないで加蓮を止めてくれーっ!」



未央「はっ! まさかの光景に思わずフリーズしてた! みくにゃん、かれんを止めるよ!」

みく「わ、分かったにゃ!」

未央「さくまゆとありすちゃんはみんなを呼んできて! 今のかれん相手だと、私たちだけじゃ時間稼ぎにしかならない!」

まゆ「はい、すぐに呼んできます!」

ありす「見えないのでよく分かりませんが、行ってきます!」



加蓮「――よいしょっ!……ふふっ、これであとは下着だけだね」

奈緒「お、おね……お願いだから……こ、これ以上は……!」

加蓮「もう奈緒、何言ってるの?……ここからが本番なのにっ!」

奈緒「未央、みく、早くしろーっ!」



未央「みくにゃん、行くよっ!」

みく「合点承知にゃ!」



加蓮「うーんと……よし、まずは上からにしよっか?」

奈緒「や、やめ……いやぁ――――――っ!?」


―――10分後

未央「……ぎりぎりでセーフ?」

奈緒「余裕でアウトだよ! 結局上も獲られたんだぞ!?」

みく「みんなが来るのがもう少し遅れてたら、下も獲られてたよね……」

まゆ「最悪の事態だけは免れましたね」

奈緒「うぅ……」

加蓮「……うぅん」

奈緒「お、起きた!?」

加蓮「……ほえ? 私、寝ちゃってた? おかしいな、寝た記憶ないんだけど……」

奈緒「ま、また覚えてないのか……」

未央「か、かれん、きっと疲れてるんだよ」

加蓮「そんなに疲れてたかな……まあいいや。じゃあ、このまま寝よっと。ほら奈緒、ぎゅってして寝よ?」

奈緒「『ぎゅっ』なんてするか!」

加蓮「え? だって昨日は……もしかして、もう甘えん坊モード終わっちゃったの?」

奈緒「そ、そんなモードになった覚えはないっ!」

加蓮「そっか、終わっちゃったんだ……でもいつもの奈緒も可愛いし、いいかな」

奈緒「かわっ!? は、恥ずかしいからそういうこと言うなーっ!」

加蓮「ふふっ。もう、ホントに可愛いんだから♪」



おしまい

とりあえず終わりです。

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