【艦これ安価】金剛「提督に構ってもらいたいデース……」 (167)

金剛「最近の提督は私に冷たいデス……着任したての頃みたいに甘えたい! 構ってもらいたいデース!」

金剛「ということで、↓2をして提督の気を引きマース!」

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金剛「こうなったら家出しマス! 私のことを気にかけてくれるなら」

金剛「きっと探してくれるはずデス!」

金剛「早速書き置きを残しマス」カリカリ

金剛「……でも、あまり長引いてお仕事の邪魔になると悪いので」

金剛「念のためどこにいるか書いておきまショウ」カリカリ

金剛「準備オーケー! 心おきなく家出してやりマース!」

スタタタッ


――数十分後――


金剛「海辺の小屋で待機デース」

金剛「ふふふ、今頃提督は大慌てしてるに違いないネー」クスクス

コンコン

金剛「Oh! 来まシタ!」

金剛「ヘイ提督ぅ! 私を探しに来てくれるなんて、やっぱりラブの力なんデスね!」ダキッ

加賀「……」

金剛「What? なんか柔らかい……って加賀!?」

金剛「そんな! 描いたシナリオと違いマス! 何で加賀がここに来るんデス!?」

加賀「書き置きを見たのよ。丁寧に居場所を記すなんて、家出する気あるのかしら」ピラッ

金剛「提督はどうしたんデス?」

加賀「仕事中じゃないかしら。それよりあなたに頼みたいことがあるのだけれど」

金剛「……」


――――


金剛「やってしまいまシタ。提督よりも加賀が先に見つけるなんて」

金剛「書き置きじゃなくて、提督に直接言えばよかったかもしれまセンね」

金剛「ひとまず家出は置いておきマス。次の作戦を考えまショウ↓2」

金剛「あっ、いいアイデアが浮かびまシタ!」

金剛「いつもの私と違う一面を見せたら、不思議に思って気にかけてくれるかもしれまセン!」

金剛「んーそうデスね……ツンデレっぽく迫ってみるというのはどうでショウ?」

金剛「こほん。べ、別にあんたのためじゃないんだからネっ!」プイッ

金剛「おお、結構いける感じデス!? 自信が出てきまシタ!」

金剛「予行演習はバッチリデス! 執務室へGOデス!」

スタタタッ


――――


コンコン

金剛「提督? 今お時間大丈夫デス?」ガチャ

提督「ああ、ちょうど休憩中だよ」

金剛「良かった! ……じゃなくて」

金剛「あっそ」スタスタ

提督「?」

提督「えっと、何か用か?」

金剛「用がないと来ちゃダメなんデスか」ツーン

提督「そういうわけじゃないが」

金剛「まあ、一応あるんデスけど……これ」スッ

提督「え」

金剛「疲れた時には甘い物を摂取したほうがいいと聞いたので」

金剛「クッキーデス」

提督「俺にくれるのか?」

金剛「い、嫌なら受け取らなくてもいいネ」

提督「嬉しいよ。ありがとう」ニコッ

金剛「!!」ドキッ

金剛(はう……やっぱり提督の笑顔、とっても素敵デース……)ポー

提督「ひょっとして手作りか?」

金剛「はっ! そ、そうデス! でもそれは自分用に作ってたら失敗してしまった物ばかりデス!」

金剛「念のため言っておきマスけど、提督のために焼いたんじゃないデスから!」プイッ

提督(失敗作にしては綺麗に焼けてるな)

提督「それでも嬉しいよ。ありがたくいただこう」

金剛(……あれ? 私のことを不思議に思わないデス?)

提督「ところで金剛。なんか様子がおかしいが、どうしたんだ」

金剛(来まシタ!)

金剛「別に? 私はいつも通りデスけど」

提督「いや、なんかお前らしくない。熱があるのか?」ピタッ

金剛(お、おでこに手を!)

提督「平熱っぽいな……寒くないか?」ナデナデ

金剛「っ……大丈夫デス」

提督「そうか。何かあったらすぐに言えよ」

金剛「提督に言われなくても分かってマス!!」


――――

金剛「……へへっ」

金剛「えへへっ! 頭を撫でてもらったネー! 嬉しいデース!」ピョンピョン

金剛「ただ、具合の悪い人を見る目で見られたのが気がかりデスけど……」

金剛「とにかくこの調子で、身も心もドンドン提督に接近して行くネー!」

金剛「さて、次は↓2をしまマース!」

榛名「提督! あの……お願いがあるんですけど」

金剛(! この声は榛名! 提督も近くにいるんデス?)コソコソ

提督「どうした?」

榛名「え、えっと……今週の日曜日、デートしませんか?」

金剛「!!」

提督「デート?」

榛名「といっても、少しお買い物に付き合っていただくだけでいいんです!」

提督「まあ構わないが……」

金剛(え、引き受けるんデス?)

榛名「よかった! ありがとうございます!」

金剛(……ま、まあ提督の自由デスし……)


スタスタ

比叡「ここにいたんですね、司令!」

金剛(今度は比叡……?)コソコソ

提督「ああ、どうかしたのか」

比叡「えっとですね……実は、鳳翔さんに習って料理を勉強してるんですけど」

比叡「頑張りに頑張って、肉じゃがを作ってみたんです」

提督「ほう」

比叡「なので……よ、よかったら食べてもらえませんか?」スッ

提督「え……」

比叡「大丈夫です! 気絶するようなことはないと思います!」

提督「……」

金剛(手料理デスか。いつものような黒いオーラは出てないみたいデスけど)


提督「もらおう」

金剛「!?」


比叡「本当ですか? それじゃあ……あーん」

金剛「!!?」

提督「じ、自分で食べるよ」

比叡「いえ……食べさせさせてください」

提督「そうか? 恥ずかしいな」


パクッ

提督「……」モグモグ

比叡「ど、どうでしょうか」ドキドキ

提督「……うまい」

比叡「本当ですか!?」

提督「嘘じゃないよ、うまい。頑張ったんだな」ナデナデ

比叡「えへへ」

金剛「……」

金剛(わ……私だって頑張ってクッキーを……!)

金剛(いえ……でも、あの比叡が美味しい料理を作るなんて……撫でたい気持ちも分かりマス)


霧島「提督! ここにいらっしゃったんですね」

金剛「……!」

金剛(今度は霧島デス……)

提督「どうした?」

霧島「はい、あの……比叡お姉様? ちょっと外してもらえないでしょうか」

比叡「え? うん、いいけど」

霧島「すみません」ペコリ

スタスタ

提督「他の艦娘には言えないようなことか?」

霧島「そうでもないんですけど」

霧島「実は、その……コンタクトレンズにしようか迷ってるんです」

提督「は?」

霧島「メガネだと出撃の時に落としてしまったりする可能性がありますし」

提督「まあそうだが……落ちないように工夫はできないのか?」

霧島「……どうしてです?」

提督「いや、これは個人的な意見というか、身勝手な気持ちなんだが……霧島はメガネが似合っているから」

霧島「……」

提督「良い意味でだぞ? メガネ美人というか……」

霧島「あ、ありがとうございます。提督は……どっちがいいと思いますか?」モゾモジ

提督「俺が決めていいことじゃないだろう」

霧島「いえ、提督の意見を大切にしたいんです。メガネでも落ちないようにすることは可能ですから」

提督「そうなのか? じゃあ……メガネがいいかな」

霧島「……分かりました。それじゃあ、提督のためにメガネをかけますね」

提督「俺のためにって」

霧島「ふふっ、それではこれで」


金剛「……」

金剛(提督はメガネフェチだったんデス!?)

金剛(ってそうじゃないデス! 榛名も、比叡も、霧島も)

金剛(みんな提督のことが好きなんデスね)

金剛(……だから提督は、最近冷たいんでショウか。私に構う暇がないというか)

金剛(提督は誰のものでもないネ。けど……ひとり占めしたいデス)

金剛(昔みたいに、たくさんお話して……ちょっぴりふざけ合って)

金剛(……)

金剛(……もしも)

金剛(もしもデスけど、提督が何か大きな失敗をして)

金剛(今の地位を失ってしまったら、どうなるんでショウ)

金剛(艦娘たちといられなくなって、本土で普通の生活をする……?)

金剛(そうなれば、私も艦娘をやめて提督と2人きりになれるでショウか……)

金剛(たくさんたくさん構ってもらえるでショウか……)


――――


提督「……」ボー

金剛「……へ、へい提督ぅ! 今日は提督の大好きな料理を作りまシタ!」

金剛「こっちに来て一緒に食べまショウ! さあ!」

提督「……なあ、金剛。もう無理はしなくていいんだぞ」

金剛「な、何言ってるんデス?」

提督「今の俺は、提督でも何でもないんだ。ただの一般人に過ぎない」

提督「お前が慕う提督の姿はどこにもないんだよ。だから……」グスッ

金剛「……」

金剛「ソーリー……失言でシタね」ギュッ

提督「!」

金剛「もう提督と呼ぶのはやめマスね……『あなた』」

提督「……金剛……」

金剛「全く、何のために私が艦娘をやめたと思ってるんデス?」ナデナデ

金剛「あなたのことが大好きだから……愛しているからデス」ナデナデ

金剛「提督なんて肩書き、どうでもいいネ。私はあなたという人と、一生を共にしたいんデス」ニコッ

提督「こ……んごう……ううっ……! ありがとう……ありがとう……!」

金剛「辛かったデスね……今はたくさん泣いてくだサイ」


ウワァァァァ


――――


金剛「……って」

金剛「私は何を考えてるんデス!? 提督が提督じゃなくなるなんて、そんな酷いことを!」

金剛「……まあ仮に提督じゃなくなったら、そういう覚悟はできてマスけど……」

金剛「そもそも、榛名も比叡も霧島も、そして私も! みんな提督のことが好きでいいんデス!」

金剛「はぁ、嫉妬で思わぬ方向に考えがいってしまいまシタ。ちょっと間宮で休憩しマス……」

スタスタ



――――


金剛(と思ったら)

提督「間宮アイスを一つ」

間宮「はい、少々お待ちください」

金剛(タイミングよく出会ってしまったネ!)

金剛(んー……何か奇をてらったアピールをしまショウか?↓2)

金剛(ここは一風変わった刺激を与えマス。パン用意!)パクッ

スタタタッ

提督「ふぅ、いい天気だな。こんな日は何か良いことが起きそう…」


金剛「きゃっ!?」ドンッ

提督「だぁッ!?」ドシーン!


提督「痛たた……一体誰が……って金剛か」

金剛「うーん……て、提督? もう! どこ見て歩いてるんデース!」

提督「こっちのセリフだ!!」

金剛(おお、それっぽいネ!)

提督「ったく、そもそも歩いてないし、お前が一方的……に……」

金剛「?」

提督「……」ジー

金剛(一体どこを見て……あっ)

金剛「……」ササッ

提督「ご、ごめん」アセアセ

金剛「……私のパンツ、見まシタか?」

提督「……」

金剛「提督のえっち」

提督「ふ、不可抗力だ! お前がぶつかってきたからこうなったんだろ?」

金剛「あっ! このままじゃ遅刻してしまいマース!」

提督「遅刻?」

スタタタッ

提督「……何がしたいんだ、あいつ」


――――


金剛「美少女転校生という設定を守りすぎまシタ」モグモグ

金剛「でも、提督はまだアイスを食べてマス。今のうちに↓2をして、提督との心の距離を詰めマス」ゴクン

一時中断します

提督「うん、やっぱり間宮アイスは最高だ」ペロペロ

金剛「……」ソー


ギュッ


提督「!」ドキッ

金剛「提督の背中、大きいデース……」

提督「金剛か」

金剛「Oh! 何で私だって分かったんデス?」

提督「声だよ。というか、さっきどこかに行ったのにまたここに来たのか」

金剛「はい、提督とお話したいなーと思いまシテ」

提督「何か聞きたいことが?」

金剛「いえ……いわゆる雑談というやつネ!」

金剛「何でもいいから楽しくお喋りしたいんデース!」ニコニコ

提督「……そうだな。近頃お前と2人きりになることが無かったからな」

金剛「その通りネ! じゃあまずは……私のパンツを見て、どうでしたか?」

提督「……」

金剛「提督の好みデス?」

提督「その話はやめてくれ」



――――


金剛「ふー、久々に提督と話をして有意義な時間を過ごせたネー」

金剛「……なんか、会話をしてたら寂しい思いも吹き飛んでしまいまシタ」

金剛「もうアピールはする必要ないデスね! 今日はゆっくり眠れそうデース!」



???「ちょっと待ってください!!」

金剛「!?」



金剛「だ、誰デス!?」

???「ここですよ、金剛お姉様」

金剛「この声は……榛名!?」

榛名「そうです。あなたの可愛い妹、榛名です」スタスタ

榛名「そして同時に、お姉様の恋敵でもあります」

金剛「恋敵?」

榛名「分かっているでしょう。お姉様、さっき提督と楽しそうに会話をしてましたね」

金剛「それの何がいけないんデス?」

榛名「いけませんよ……だって提督の正妻は」

榛名「この私なんですから!」ババンッ!

金剛「正妻……デス?」

榛名「よくお姉様が言っている、『提督と結ばれる権利は全艦娘にある』というハーレム的思考」

榛名「榛名も否定はしませんよ。けど、やっぱり好きな人には自分だけを見ていて欲しいものですよね?」

金剛「そ、そうデスね」

榛名「だから、金剛お姉様と提督が仲良くなってもらっては困るんです」

榛名「なぜって? 提督の1番は、この私なのだから!」ババンッ!

金剛「その変なポーズは必要なんデスか?」

榛名「いいですかお姉様。もう提督とあまり親しくしちゃダメですからね」

金剛「なっ!? そんなの無理に決まってマース!」

金剛「私だって提督の1番になりたいという気持ちはあるんデス!」

榛名「……ですよね。そう言うと思ってました」

榛名「では、決着をつけませんか?」

金剛「何を決めるんデスか」

榛名「もちろん、提督の1番は誰なのかですよ」

榛名「負けたほうが正妻の座を譲るんです。どうですか」

金剛「そもそも正妻って、私たちじゃなく提督が決めるんじゃないんデス?」

榛名「……。さあ! 勝負を受けるんですか受けないんですか!?」

金剛(図星を突かれまシタね)

金剛(けど、恋の戦いデスか。確かにそういうのも必要なのかもしれまセンね)

金剛(みんな幸せになるなんて、虫のいい話だとは分かってマス。少なからず優劣はついてしまうものなんデス)

金剛(これは……避けては通れない道デス)


金剛「オーケー、受けまショウ」

榛名「さすがお姉様」

金剛「で、何で決着をつけるんデス?」

榛名「↓2」

榛名「ふふふ、とっておきの対決方法ですよ」

金剛「……!」ゴクリ


榛名「その名も、コスプレ対決!」

金剛「コ、コスプレ?」


榛名「はい。今からお互いに何のコスプレをするかお題を出し合い」

榛名「1時間以内にコスプレの衣装を作ってもらいます」

金剛「作るんデスか!?」

榛名「もちろん。素材は鎮守府内ならどこから調達しても構いませんよ」

榛名「そして1時間経ったら、提督がお仕事している執務室の前に集合です」

金剛「……ま、まさか」

榛名「ええ、出来上がったコスプレを見て、提督にどちらが完成度が高いかジャッジしてもらいます」

金剛「Oh……」

榛名「説明は以上です! 呑み込めましたか?」

金剛「大丈夫デスけど……」

榛名「それでは、お題を出し合いましょう! お姉さまは↓1のコスプレをしてください!」

金剛「!? じ、じゃあ榛名は↓2のコスプレデース!」

榛名「ええ!? プ、プラグスーツって……あのピチピチしたやつですか!?」カァァ

金剛「そうデス! っていうか、重巡型って……結構簡単じゃないデス?」

榛名「い、言っておきますけど、重巡の娘の服を借りるのは無しですからね!」

金剛「えっ」

榛名「作らなきゃダメですから! よーいスタート!」

金剛「そんな……私、お裁縫あまり得意じゃないデース……」スタスタ

榛名「プラグスーツ、どうやって作れば……」スタスタ


コンマ判定、コスプレの完成度

↓1 金剛

↓2 榛名

00は0で



――――


金剛「布や装飾は何とかかき集めまシタ」

金剛「問題はどの重巡のを作るか……古鷹や青葉、摩耶、最上たちの衣装が比較的密度が少ないデス」

金剛「一応4つとも借りて来たんデスけど……うー、上手くできるでショウか……」


――――


榛名「プラグスーツ……全身タイツを使ったほうが……いや、でも……」

榛名「と、とりあえず資料をパッと見て、作れそうな物を……」


――――



『1時間後』


金剛「……は、榛名ー? まだ来てないデス?」

榛名「いえ……ここにいます」

金剛「!」


金剛「……どうして布で全身を隠してるんデス?」

榛名「……お姉様もじゃないですか」


金剛「あ、あはは……実は、あまりに完成度が高すぎて、榛名を驚かせようかと」

榛名「き、奇遇ですね。榛名も同じことを考えてたんです」

金剛「……」

榛名「……」

金剛「……えっと、これで執務室に入ればいいんデス?」

榛名「……」

金剛「榛名?」

榛名「……あの」

榛名「提案なんですけど……この勝負、無効というわけには……」

金剛「え?」

榛名「け、決して私のコスプレの完成度がドン引くほど低いなんてことはないんですよ?」

榛名「ただ、このままだと私の圧勝というか、完璧すぎてお姉様のメンタルがボロボロに打ちのめされないか心配なんですよ」

金剛「……」

榛名「あの……ダメ、ですよね。今更こんなこと……」ハァ…

金剛「いえ、いいデスよ」

榛名「!」

金剛「ちょうど私も全く同じことを考えていたところデス。やめましょうこの勝負」

榛名「そ、そうですか。ありがと…」

榛名「じゃなくて、残念ですねー! この素晴らしいコスプレが見せられなくて!」

金剛「本当デース! かなり自信があるのに!」

アハハハハ! ウフフフフ!


ガチャ

提督「おい誰だ? さっきからうるさいぞ」

金剛・榛名「!!」


パラッ

金剛・榛名「あ」


提督「金剛と榛名? 布で全身を隠して何……を……!?」


金剛「あ……ああ……」ボロ…

榛名「……っ……!」ボロボロ…

提督「お、お前ら……何だその格好!?」



金剛・榛名「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」スタタタタタッ



提督「……な、何かの催しの準備か……?」



――――


榛名「さ、さて! 気を取り直して、ここからが本当の勝負ですよ!」

金剛「切り替えが早いデスね」

榛名「榛名は大丈夫です! メンタルとっても強いので!」

金剛「……ほとんど裸だったのに?」

榛名「ぐうっ……お、お姉さまだって、ツギハギのボロボロだったじゃないですか!!」

金剛「まあお互い様ネ。で、もう1回やるんデス?」

榛名「ええ。次が本当の戦いですよ」

金剛「またあんなことにならなきゃいいデスけど……」

榛名「発表します! ↓2で勝負です!」

金剛「カラオケ……デスか」

榛名「提督へのラブソングを歌って点数が高い方が勝ちです!」

金剛「もしかして、また提督に評価してもらうんじゃ……」

榛名「……どうしますか?」

金剛(さっきのがショックだったせいか弱気になってマス)

金剛「まあカラオケの機械でいいんじゃないデスか?」

榛名「でも、それだとラブソングの意味が……」

金剛「お互い聞いてるじゃないデスか」

榛名「っ!」

金剛「提督を想う気持ちがあれば、恋敵とは言え何か感じるものがあるはずネ」

榛名「……それもそうですね」

榛名「じゃ、カラオケボックスに移動しましょう!」



――――


金剛「カラオケに来たのはいいデスけど」

金剛「ラブソングって、既存の曲を歌うんデス?」

榛名「お任せします。オリジナルでも全然いいですよ?」

金剛「ちなみに榛名は何を歌うんデス?」

榛名「↓1です」

金剛「なるほど……じゃあ私は↓2を歌いマス」

山崎ハコ 呪い

>>57
怖い曲…ラブソングか分からないので再安価↓1
すみません…

榛名「榛名は純恋歌を歌います!」

金剛「おお……あれって男性が女性に歌う曲じゃないんデス?」

榛名「愛があればいけます!」

金剛「そうデスか……じゃあ私は『呪い』という歌を……」

榛名「え……それ、どんな曲ですか……?」

金剛「これが歌詞ネー」

榛名「……ひぃっ!」ゾワッ

榛名「ここ、これを歌うんですか!? 恋愛の曲なんですかこれ!?」

金剛「じ、冗談デース! 私はaikosさんの花火を歌いマース!」

榛名「はー、ビックリしました。にしても……すごく怖い……」

ここまでで
続きは今日の夕方頃に

金剛「ところで、どっちが先に歌うんデス?」

榛名「私からです!」

金剛「決定済みデスか……」

榛名「歌い終わったら、お姉様は私の歌に点数をつけてくださいね」

金剛「え、機械に任せるんじゃないんデスか?」

榛名「愛情ポイントです! 機械と、お互いにつけた愛情ポイントを合計して、より高かった方の勝利です!」

金剛「ほほう、単純な歌唱力では測れないというわけネー。オーケー」

榛名「理解していただけたところで、早速始めますね」ピッピッピ

金剛(そういえば、榛名は歌が得意だったでショウか?)


榛名「……目を閉じれば 億千の星♪ 一番光る お前がいる♪」

榛名「始めて 一途になれたよ♪ 夜空へ響け 愛の歌♪」

金剛(なんか可愛いデスね)


コンマ判定、榛名の点数

↓1 歌唱力

↓2 愛情ポイント



――――


榛名「……ふぅ、どうでしたか?」

金剛「う、うん……とってもキュートでシタ」パチパチ

榛名「そうでしょうそうでしょう! じゃ、愛情ポイントをどうぞ!」

金剛「……35点デス」

榛名「ええ!? 低くないですか!?」

金剛「提督に捧げる歌なのに、歌うのが楽しくなったのかウキウキになってたネ」

榛名「うっ……た、確かに……。でもまだ歌唱力で挽回できます! 点数は!?」


『13点』ジャンッ!


榛名「低いっ!!」ガーン

金剛「あはは……でも可愛くて良かったネ」

榛名「そんな褒め言葉いりません……」ショボーン

金剛(……榛名には悪いデスけど、これは大チャンスデス)

金剛(歌唱力はともかく、愛情はありったけを込めマース!)ピッピッピ


金剛「……眠りにつくかつかないか シーツの中の瞬間はいつも♪」

金剛「あなたのこと 考えてて♪」

金剛「夢は夢で目が覚めれば ひどく悲しいものデス♪」

金剛「花火は今日も上がらない♪」


――――


金剛「夏の星座にぶらさがって上から花火を見下ろして♪」

金剛「こんなに好きなんデス 仕方ないんデス♪」

金剛「夏の星座にぶら下がって上から花火を見下ろして♪」

金剛「涙を落として 火を消した♪」


コンマ判定、金剛の点数

↓1 歌唱力

↓2 愛情ポイント

歌詞を貼ると某カスラックが管理人にメールよこすみたいだからやめたほうがいいよ

>>74
そうなんですか…分かりました、ありがとうございます



――――


金剛「……なんとか歌いきりまシタ」

榛名「……」

金剛「どうデスか榛名? 点数をお願いしマス!」

榛名「……お姉様の気持ち、伝わってきましたよ」

榛名「72点です」

金剛「おお! 高いネー! でも、この時点で榛名の負けが……」

榛名「ウソはつきたくないので! 潔く負けを認めます!」

金剛「榛名……ありがとうございマス。あ、そういえば点数は?」


『81点』ジャンッ!


金剛「ワオ!?」

榛名「お姉様は歌もお上手なんですね……完敗です」

榛名「提督のこと、よろしくお願いしますね」グスッ

金剛「あの……榛名? さっきも言いまシタけど」

金剛「正妻がどうのこうのなんて私たちが決めることじゃないネ」

金剛「提督が決めることなんデス。だから……何というか」

金剛「私たちの戦いは、これからデース!」

榛名「これから?」

金剛「Yes! 共に提督へアピールして、ラブラブになりまショウ!」

榛名「……そう、ですね。その通りです。まだ榛名にはチャンスがある!」

金剛「なので、元気出してくだサイ」ニコッ

榛名「出ました! というわけで、榛名はこれから提督に愛のこもったお菓子を作ります!」

金剛「へ?」

榛名「胃袋を掴む作戦です! いざ!」スタタタッ

金剛「ちょっ!? やたら行動的デスね!?」

金剛「んー……これは私も、またアピールをした方がいいデスね……」



???「その前に、私がお姉様を叩きます」

金剛「!?」



金剛「また謎の声デス! 姿を現してくだサイ!」

???「ふっふっふ」スタスタ

比叡「ここです!!」ジャーン!

金剛「比叡!!」

金剛「……カラオケの機械の後ろから出てきまシタけど」

金剛「まさか、ずっとそこにいたんデス?」

比叡「榛名のオンチもお姉様の美声も、全部聞いてましたよ」フフフ

比叡「もちろん、何故カラオケ勝負をすることになったのかということもね」ニヤリ

金剛「盗聴なんてして何が目的なんデス」

比叡「イヤな言い方はやめてください! 登場する時に言ったじゃないですか、お姉様を叩くって」

金剛「……ひょっとして」

比叡「勝負ですお姉様! 提督の正妻の座をかけた熱い戦いを繰り広げましょう!」

金剛「……はぁ……」

金剛「あのデスね比叡、榛名との会話を聞いていたなら理解してるはずネ」

金剛「全てを決めるのは提督なので、艦娘同士で勝負をしても無意味だと」

比叡「↓2で勝負しましょう!!」

金剛(ちっとも聞いてねぇデス)

金剛「って、男装コンテスト?」

比叡「はいっ! 今から1時間後に開催予定の、男装コンテストに」

比叡「勝手ながら私とお姉様の名前をエントリーしておきました」

金剛「本当に勝手デスね!? というか急なイベントデスけど、そんな告知とかありまシタか?」

比叡「ありましたよ! 青葉ちゃんの新聞に載ってました!」

金剛「ああ……青葉の新聞はあんまり見てないから、知らないのも当然ネ」

比叡「とにかく、そこでより点数の高かった方が勝ちです!」

金剛「んー、エントリーしてしまったのなら出るしかないデスね。分かりまシタ」

金剛「どんな男装でもいいんデス?」

比叡「ええ、男の人の格好なら何でもいいそうですよ」

金剛「了解デース!」

金剛(コスプレとは違って、完成品を着ていいんデスから、そんなに酷くはならないと思いマスけど)

金剛(問題はコーディネートデス。何をテーマに、どう着こなしまショウか)


↓2 どんな格好をするか

金剛(黒で統一して、カッコよくクールに決めたいデス!)

金剛「あ、そうデス。場所はどこなんデスか…」

金剛「って居ない!? 男装の準備に入ったんデス? せめて一声かけて欲しいネ……」

金剛「まあ新聞を確認すればいいデス。とりあえず衣装を調達しまショウ」スタスタ


――――


ワイワイ ガヤガヤ

那珂「それでは参りましょう!エントリーナンバー1! 木曾ちゃんです!」

木曾「お帰りなさいませお嬢様」ペコリ

キャーキャー! カッコイイー!

那珂「テーマは“執事”! 似合ってますねー! 惚れちゃいそうです!」



金剛「……き、緊張してきまシタ」ドキドキ

金剛「というか、比叡はどこにいるんデス? 見当たりまセン」


比叡「お姉様! 準備が早いですね!」スタスタ

金剛「!」


↓2 比叡の格好

比叡「わー! 黒でビシッと決まってますね!」

金剛「比叡は……何の格好デス?」

比叡「前田慶次ですよ! 花の慶次、知りませんか?」

金剛「聞いたことはありマス」


ワーワー! ステキー!

那珂「さて、お次はエントリーナンバー4! 比叡さんです!」

比叡「ひえっ!? もう出番!?」

金剛「自分の順番くらい覚えてくだサイ! さあ早く!」

比叡「はい、行ってきます!!」

スタタタッ


那珂「……おっとぉ! これは他の参加者とは少し違う格好です!」

比叡「前田慶次です!! よろしくお願いします!!」ペコリ

金剛(頭下げちゃったネ!? 成りきらなくてどうするんデス!?)

那珂「前田慶次さんですか! 歴史上の人物ですよね? 何かの作品で……」

比叡「……」ジー

那珂「……比叡さん? なんで私を見つめて……」


比叡「ほれた!」

那珂「えっ」ドキッ


比叡「腹の底からほれたぞ!!」グイッ

キャァァァァ!

那珂「あ……え?」ドキドキ

那珂「わ、私……告白されてしまいました……」ドキドキ

ダイタンー! イイゾモットヤレー!


金剛「おおう……かなり人気がありマスね」

金剛「これはちょっとマズいかもしれないデス」



――――


那珂「え、えっと……比叡さん! ありがとうございました!」

比叡「華やかな舞台だねぇ! こういう祭りは大好きさ!」

キャーキャー! パチパチパチ


比叡「……ふー、心臓バクバクしたー」

金剛「やりマスね」

比叡「お姉様! 次はお姉様の番ですよ!」

金剛「ええ……」

金剛(この後に出るのは不利な気がしマス。でもやるしかないネ!)


那珂「続いてエントリーナンバー5! 金剛さんです!」

金剛「……」スタスタ


キャーキャー!

金剛「……」キリッ

那珂「おお? いつもの金剛さんとは雰囲気が違います! ずばり、テーマは何でしょう?」

金剛「そうだな……スタイリッシュ。そしてニヒルな男、かな?」キリッ

那珂「……。ちょっと、金剛さん」ヒソヒソ

金剛「何だ?」

那珂「これ笑いを取る大会じゃないですよ?」

金剛「は? そ、そんなつもりはないデs……ないぜ?」

キャーキャー!

金剛「ほら見ろ、子猫ちゃんたちが歓喜の声をあげてんじゃねえか」

那珂(何でちょっと面白いんだろう。金剛さんだから?)

那珂(まあカッコイイにはカッコイイけど……)

金剛「……」ガサゴソ

金剛「ふー……」スパー

那珂「おっと! タバコをふかして大人の男性を演出です!」

金剛(オモチャなんデスけどね)スー

キャーキャー! カッコイイー!



――――


那珂「さて! いよいよ結果発表です!」

那珂「審査員5名と観客の皆さんは、それぞれ誰が1番良かったかを選んでお手元のボタンを押してください!」

那珂「合計して1番ポイントの高かった参加者が、男装コンテスト優勝です!」

金剛(……別に優勝しなくてもいいネ)

比叡(お姉様より上の点数なら)

金剛・比叡(それで決着はつく!)

那珂「では、ボタンを押してください!」


コンマ判定

↓1、2 金剛の点数

↓3、4 比叡の点数

可哀想過ぎるから下一桁にしません?結果は変わらないし

那珂「お、集計が終わったようです! では、結果発表ー!」

金剛・比叡「……」ドキドキ


那珂「第6位! 比叡さん!」

比叡「えっ」

那珂「『前田慶次』、4点!」

比叡「4点!? みんなあんなに騒いでくれたのに!!」ガーン

那珂「私は心を打ち抜かれちゃいましたけどね……」ドキドキ

金剛(もっと上かと思いまシタ。結構よかったと思うんデスけど……ちょっと可哀想デスね)

那珂「第5位! 不知火さんの『警察官』、15点!」

不知火「……納得いきません」

那珂「第4位! 天龍さんの『バーテンダー』、22点!」

天龍「マジかよっ! もっと上かと思ったのに!」

那珂「いよいよトップ3です!」

那珂「第3! 那智さんの『ホスト』、43点!」

那智「まあまあだな」

>>104
すみません、今気づきました
確かに下一桁にすればよかったですね…

金剛(あれ? 私、かなり上の順位デス?)

那珂「そして第2位!」

那珂「木曾さんの『執事』、57点!!」

木曾「うん、満足だ」

金剛(え……これ、マジデス? 私が……)

那珂「ということで、皆さんお気づきの通り!」


那珂「第1位は金剛さんの『ニヒルな男』! かなりの大差です、なんと159点!!」

キャーキャー! コンゴウサーン!

金剛「……」


那珂「おめでとうございます金剛さん! トロフィーと優勝賞金の10万円です!」

金剛「あ……はい」

那珂「今のお気持ちをどうぞ!」

金剛「え、えっと……」


金剛「ありがとう、子猫ちゃんたち」


キャーキャー! ステキー! ワーワー!



――――


比叡「さすがですお姉様! まさか優勝までしてしまうなんて!」

金剛「私自身もビックリしてマス……」

比叡「正妻勝負も負けちゃいましたね、へへ」

金剛「……比叡」

金剛「もう一度言いマスが、正妻は私たちが決めることじゃないデス」

比叡「え?」

金剛「提督の心次第ではないデスか? 本当に勝負しなければならないのは」

金剛「私とではなく、提督とデス」

比叡「!!」

比叡「た、確かに! その通りですお姉様!」

金剛「まさか素で気づいてなかったんデス!? 榛名とも話したことなのに!」

比叡「あー……実はその時、ちょっとウトウトしてて……」エヘヘ

金剛「はぁ、仕方ない妹デス」

比叡「けど、気づくことができました!」

比叡「早速提督に手料理を振る舞ってきますね!」スタタタッ


金剛「え? ちょ、ちょっと待つネ!」

比叡「何ですか?」


金剛「手料理って、さっき肉じゃがを食べさせてたじゃないデスか!」

金剛「もっと違うアピールをした方が、変化がついていいと思いマスよ」

比叡「おお! そうですね! ……あれ? どうして肉じゃがのこと知ってるんですか?」

金剛「ギクッ……そ、それは……」

比叡「まあいいです! では何か違うアピールを考えてみます!」スタタタッ


金剛「ちょっと待つネ!」

比叡「な、何ですか?」


金剛「これ、あげマス」スッ

比叡「優勝賞金!? そ、そんな、もらえませんよ……」

金剛「いいから貰ってくだサイ。元々あなたが紹介してくれたコンテストデスから」

比叡「……無理やりですけど……」

金剛「素直に受け取るべきネ! 自由に使ってくだサイ!」

比叡「お姉様……ありがとうございますっ!」ギュッ


スタタタ…

金剛「ふぅ、全く……揃いも揃って困った妹たちネ」


???「全くですね」

金剛「……」


???「榛名お姉様も比叡お姉様も、厄介な金剛お姉様をどうにかすることはできなかった」

???「やはり私が直接手を下すしかないようですね」

金剛「霧島、黒幕みたいなこと言ってないでさっさと出てくるネ」

霧島「おや、気づきましたか」スタスタ

金剛「声と言ってることと流れで完璧に分かりマス。で、あなたも私と勝負を?」

霧島「もちろん」

金剛「……霧島なら分かっているはずネ。私と勝負しても無駄だということを」

霧島「いいえ、無駄ではありませんよ」

金剛「?」

霧島「確かに、提督へアピールすることも方法の一つだとは思いますが」

霧島「私は艦娘たちの恋を諦めさせることを第一に考えますね」

金剛「な、何故デス!?」

霧島「だって、そうすれば確実でしょう? 提督と結ばれた後でも」

霧島「諦めきれずアタックするような艦娘もいなくなるじゃないですか」

金剛「……」

霧島「そもそも私は、お姉様の考えるようなハーレム思考に賛同できないんです」

霧島「愛した人は、ずっと自分だけを見ていて欲しい。他の女性は見ないで欲しい」

霧島「つまり、お姉様にも諦めて欲しいってことですよ」

金剛「……なるほど。だから私と勝負をしたいと」

霧島「はい。私が勝ったら、提督を完全に諦めてもらいます」

金剛「言い換えれば、これは真剣ラブバトルデスね」

霧島「真剣も真剣ですよ。ズルは一切なしです」

金剛「……」

金剛「避けられないみたいデスね」

霧島「ええ」

金剛「オーケー、引き受けマス。何で勝負するんデス?」

霧島「↓2はどうでしょうか」

霧島「演習で雌雄を決しましょう」

霧島「随伴艦として駆逐艦を2隻選び、3対3で戦います」

霧島「そして先に相手を大破させた方が勝利」

金剛「オーケー」

霧島「では、1時間後に演習場で。ちゃんと駆逐艦を2隻連れてきてくださいね」

スタスタ

金剛「……」

金剛(何だか大変なことになってしまいまシタ。これで負けたら……提督を諦める……)

金剛(絶対に嫌デス! 何としても勝ちマス!)

金剛「そのためには、まず戦力を揃えないと……」


↓1、2 金剛の選んだ駆逐艦

ここまでで
比叡は提督じゃなくて司令だった…

続きは今日の夜に



――――


金剛「というわけで、2人に力を貸して欲しいんデス」

綾波「そんな重大な勝負に……」

初霜「私たちでいいんですか?」

金剛「どうかお願いしマス」ペコリ

初霜「……分かりました」

金剛「!」

初霜「お役に立てるか不安ですけど、尽力します」

綾波「綾波も、金剛さんのために頑張りますね!」

金剛「あ、ありがとうございマース……」ジーン



――――


霧島「逃げずにやってきましたね」

金剛「私はそんな臆病じゃありまセン!」

綾波「負けませんよ!」フンス

初霜「金剛さんを勝たせます!」

霧島「……綾波ちゃんと初霜ちゃんですか。なるほど」

金剛「そっちの駆逐艦は……↓1、2」

金剛「漣と島風デスか」

漣「間宮アイス楽しみー!」キラキラ

島風「これが終わったら、かけっこしてくれるんだよねっ? ねっ?」

金剛「……エサで釣ったんデス?」

霧島「やる気を出させるためですよ」メガネクイッ

金剛「なるほど……」チラッ

綾波「い、いえ! 綾波は何もいりませんから!」ブンブン

初霜「私もです。戦いに集中しましょう!」ニコッ

金剛(いい子たちデスね。勝ったらアイス買ってあげまショウ)ホッコリ

霧島「おっと、そろそろ時間ですね。始めましょうか」

金剛「デスね……」

霧島「それでは、よーい」


霧島「……始め!」ドンッ

金剛「ふふ、読みやすい砲撃デース!」ササッ

金剛「綾波! 初霜! 作戦通りに陣形を維持して戦いマス!」

綾波・初霜「了解!」


霧島(まあ、それが基本ですよね)

霧島「漣ちゃん、島風ちゃん」

漣「ほいさっさー!」スー

島風「言われたとおりやればいいんだよね?」スー

霧島「頼みましたよ!」

金剛(3つに分かれた? 何が目的か知りまセンけど)

金剛「チャンスデス! 霧島に集中砲撃!」


漣「すきありぃ!」ドーンッ

綾波「!? くっ!」ササッ

金剛「綾波!?」


島風「おっそーい!」ドドンッ

初霜「!!」ササッ

金剛「初霜!」

初霜「大丈夫です!」

綾波「当たってません!」


霧島「私を忘れずに!」ドドーンッ

綾波・初霜「きゃあっ!?」ササッ

金剛「あぶっ!?」ササッ

霧島「ほらほらほらぁ!!」ドンドンドンドン!!

島風「おぅおぅおぅおぅー!」ドンドンドンドン!

漣「ふははははははー!」ドンドンドンドン!

金剛(うぐぅ! 何てデタラメな戦い方……!)

漣「ヘイヘイそこのぷにぷにほっぺー! かかって来んかーい!」オシリペンペン

綾波「ぷ、ぷに……!? もう違うもん!」ドドンッ

漣「おっとっと!」ササッ

金剛「綾波、落ち着くんデス!」

綾波「は、はい……すみませ…」

漣「やーいぷにぷにー! マシュマロみたいに柔らかいほっぺー!」

綾波「む、むむむっ……!!」プクーッ


綾波「違うったらぁーーー!!」ドドンッ ドンッ

漣「へーい! ここだよー!」ワハハハ!

綾波「待てーーー!!」ドンドンッ


金剛「綾波!? 戻って来てくだサイ!!」

初霜「ダメです金剛さん! 私たちまで離れたら…」

島風「おぅ!」ヒョコッ

初霜「!?」

初霜「島風さん! いつの間にこんな近距離に……!」ドンッ

島風「おっそーい!」ササッ

島風「おぅ! おぅ!」

初霜「くっ!」ドドンッ

島風「おっそーい!」サササッ


島風「おぅ! おぅ! おぅ!」

初霜「……」イラッ


初霜「」ドンドンドン

島風「おっそおっそおっそーい!」ササササッ

初霜「」ドドドドドンッ

島風「おおおおおっそーい!」サササササッ

島風「おぅおぅおぅおぅ!」

初霜「……金剛さん」

金剛「What?」


初霜「少し時間をください」

金剛「え」

初霜「アザラシ狩りです!!」ドドドドドド

島風「避けるのたのしーい!」ヒュンヒュンヒュン

金剛「ええ?! 初霜まで!?」


霧島「これで一対一の勝負ですね」スー

金剛「! 霧島、まさかこれを狙って……」


霧島「ええ、お姉様との一騎打ちがしたかったんです」

金剛(じゃあ最初からサシで良かったのでは)

霧島「……」

霧島(よし。作戦通り、駆逐艦同士で戦い始めたわね)

霧島(戦力が分断したと思わせつつ、隙を見て綾波ちゃんと初霜ちゃんを狙う……そして残ったお姉様を3人で!)スッ


金剛「」ドーンッ

霧島「!?」ササッ


金剛「させまセン」

霧島「……気づきましたか」

金剛「霧島の考えることはお見通しデース」ニヤリ

霧島「全く……厄介な人ですよ、お姉様は」

霧島「……」

霧島「……ふ」

霧島「ふふっ……お姉様は凄いですね」

霧島「羨ましいです。愛情だけで、ひたすら前に突き進むことができるんですから」

金剛「……?」

霧島「嘘偽りない気持ちを提督にぶつけ続ける。それがどれだけ難しいことか」

霧島「消極的な艦娘たちの誰もが望むでしょう! お姉様のようになりたいと!」

霧島「お姉様のようでありたいと!」

金剛「急に何を言い出すんデス?」

霧島「ゆえに許されない、お姉様という存在を!」

金剛「何でデス!? というか、別に素直さが恋愛の全てじゃないデス!」

霧島「それが誰に分かるんですか! 何が分かるんですか!」

霧島「分かりませんよ、誰にも!」

金剛「そんなことないと思いマスけど……」

霧島「お姉様の作るお菓子は好きですけどね」

金剛「?」

霧島「でも恋愛は、お菓子のように甘くはないんです!!」ドーンッ

金剛「!!」ササッ


金剛「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」ドドンッ

霧島「いくら攻撃しようが無駄です!!」ササッ

金剛「くっ……!」


霧島「これが宿命ですよ。知りながらも突き進んだ道でしょう!」ドーンッ

金剛「何がデス!?」ヒュンッ

霧島「ハーレムを信じ、恋敵同士仲良くできると逃げ、知らず、聞かず! その果ての終局です!」

霧島「もはや止める術などないんです! そして滅ぶ。ハーレムは……滅ぶべくしてね!!」

金剛「そんな……霧島の理屈……!」ドドドンッ

霧島「常識ですよお姉様」サササッ

金剛「違いマス! ハーレムは……ハーレムはそんなものじゃないデス!」ドーンッ ドドンッ

霧島「ふっ! 何が違うんです!? なぜ違うんです!? 1人の男性と女性が出会い、仲が進展し」ササッ

霧島「やがて恋人となり、結婚をし、家庭を築くという人の理! その繰り返しの世界で何を信じるんです! なぜ信じるんです!」

金剛「それしか認めない霧島が!!」

霧島「認めませんよ!! 所詮、ハーレムなんて空想の産物!」

霧島「まだ夢を見てるんですか! いつかは、やがてはいつかはと」

霧島「そんな甘い毒に踊らされ、一体どれほどの時を重ねてきたんです!」ドドンッ

金剛「きゃっ!?」ドガァァァァンッ

金剛「うぅ……っ」小破

霧島「!」

霧島「ふふ……ふふふふ……!」

金剛「な、何がおかしいんデス。まだ勝負は……」

霧島「いえ、どうやら私の勝ちみたいですよ」

霧島「後ろを見てください? あなたの選んだ駆逐艦たちも押されてます」

金剛「そんな……!?」


漣「そこなのねっ!」ドドンッ

島風「私には誰にも追いつけないよ!」ドンッ

綾波「きゃっ!?」

初霜「くぅっ!」


金剛「綾波!! 初霜!!」

霧島「私が狙う必要もなかったですね」ククク

霧島「これで終わりです、お姉様」

金剛「そんなこと……!」

霧島「こうなる原因を作ったのは、種をまいてきたのは誰ですか」

霧島「お姉様でしょう!!」

金剛「……」

金剛「……れでも……!」

霧島「?」



金剛「それでも、守りたい世界(ハーレム)があるんデース!!!!」ギュンッ


霧島「なっ!? 速い!!」

金剛「バァァァァニングゥゥゥ……」


金剛「ラァァァァァァァァァァァブ!!!!」


ドドドドンッ!!!!



コンマ判定 数値の大きい方が勝利


↓1、2 金剛

↓3、4 霧島

霧島「ぐはあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ドガァァァァァン!!

霧島「くっ……ば、馬鹿な……一撃大破なんて……!」大破

金剛「や、やりまシタ……! やりまシタ!! の、残るは……」ゼェ ゼェ


初霜「金剛さんの気持ちは、私が守ります!」ドドンッ

島風「ひゃっ!?」ドガァァァンッ 中破

綾波「よく狙って……てーーーーーい!!」ドンッ

漣「はにゃーっ!」ドガァァァンッ 小破


金剛「Oh、形勢逆転ってやつデス!?」

島風「うぐぐ……ってあれ? 霧島さん大破!?」

漣「うっそー!!」ガーン

金剛「漣! 島風!」

漣・島風「!」

金剛「今から私たち3人で、あなたたちを大破まで追い込むつもりデス」

金剛「どうしマスか?」

漣「どうするって……」

金剛「あなたたちは練度が高いとはいえ駆逐艦デス」

金剛「霧島という戦艦を失って、どこまで戦えマスか」

島風「……」

金剛「もし降参するなら…」

漣「しません!」

金剛「!」

島風「私、霧島さんのために最後まで頑張るもん!」

漣「やってやりますよ!」シュッ シュッ

霧島「……2人とも……」

金剛「愚問だったようデスね」

金剛「では、覚悟してくだサイ!」


――――



――――


漣「あー、惜しかったなぁ……」アイスペロペロ

島風「綾波ちゃんを中破まで追い込んだもんね!」アイスパクパク

初霜「いい戦いでしたね」アイスガリガリ

綾波(そんなにマシュマロかなぁ)アイスモグモグ


霧島「……ふふ」

金剛「霧島」

霧島「! お姉様……」

金剛「私が勝った時の約束を言ってなかったデスね」

霧島「そういえばそうですね……提督を諦めろ、ですか?」フフ

金剛「いいえ、違いマス」


金剛「これまで通り、提督と仲良くしてくだサイ」

霧島「えっ……」


霧島「い、言ったはずですよ。私はハーレムを…」

金剛「というか、ハーレムとか純愛だとか、今はどうでもいいネ」

霧島「は?」

金剛「私は提督と艦娘のみんなが、それぞれずっと仲良くしていて欲しいんデス!」

金剛「目指せ仲の良い鎮守府デース!」ビシッ

霧島「……」

霧島(ひょっとしてお姉様、ラブではなくライクなのでは?)

霧島(いや、でもバーニング『ラブ』って言ってるし……)


金剛「ということで、この話はおしまい!」

霧島「待ってください。今は穏便に済んでいても」

霧島「提督の心次第では、ハーレムにはならない場合もあるんですよ」

霧島「その時お姉様はどうするんですか?」

金剛「んー、その時はその時デス! 今はみんな仲良くネ!」ニコニコ

霧島「結局先延ばしにしてるだけじゃないですか」ハァ…

金剛「まあそうデスけど、これが私の願いだから仕方ないデス」

霧島「はは……全く……」

霧島(でも、こんなお姉様だからこそ)

霧島(時にキラキラと輝いて、魅力的に見えるのかもしれませんね)フフ



――

――――

――――――


――夜の提督の部屋――


ガチャ

金剛「……失礼しマース……」ソー

提督「zzz……zzz……」

金剛「寝息が聞こえる、ということは……ぐっすりデスね」フフフ

金剛「さて、今日は妹たちとのバトルですごく疲れたので」

金剛「提督に久々の添い寝で癒してもらいマース」ニヤニヤ

提督「zzz……んん……」

金剛「はー……分かっていまシタけど寝顔もカッコイイデス……」ポー

金剛「では、失礼してお布団を……ん?」

金剛「何でこんなに盛り上がってるんデス」ガバッ



榛名「あっ」 比叡「!?」 霧島「……」


金剛「……ヘイ妹たち、ここで何してるネ」

榛名「お姉様も添い寝ですか? 残念ですが、もうスペースが無いんですよ」エヘヘ

金剛「質問に答えなサイ」

比叡「お姉様と同じ考えですよ! 提督の人肌が恋しくてここに来たんです!」

金剛「しっ……! 提督が寝てるネ……!」

金剛「まあ榛名と比叡はさて置き」

霧島「……」

金剛「霧島はどういうことデス? ハーレム反対とか何とか聞いたはずデスけど」

霧島「……zzz」

金剛「寝てるんデス?」

榛名「霧島が1番乗りでした。その時点でもう眠っていて」

金剛「あ、なるほどネ」

比叡「というか、何でそんなに不機嫌そうなんですか」

榛名「そうですよ。ハーレムを提唱しているお姉様なのに、おかしくないですか?」

金剛「提唱はしてないデスし、不機嫌というわけでもないデス」

金剛「ただ……」

比叡「ただ?」

金剛「……私も添い寝したかったので……」シュン

比叡「ああ、スペースがないですもんね」

金剛「残念デス」

榛名「……いえ」


榛名「詰めればいけます」

金剛「え?」


榛名「ほら、榛名がこうやって提督の上に乗っかれば」

提督「んぐッ」

金剛「変な声が出たけど大丈夫デス!?」

榛名「榛名は大丈夫です!」ギュー

金剛「榛名のことじゃねぇデス! 提督が苦しそうネ!」

比叡「本当だ、きっと榛名が重いから……」

榛名「お、重いとか言わないでください!」カァァ

金剛「いいから早く降りてくだサイ」

榛名「はい……じゃあどうしましょうか」

比叡「うーん、超ギリギリまで詰めてみますか?」

金剛「超ギリギリ?」


――――


提督「……zzz」

比叡「ほら、何とかいけたでしょ?」

金剛「た、確かにいけまシタけど」

榛名「私たちがキツいですね」

霧島「zzz……」

比叡「でも、提督と霧島は安らかな顔ですし」

比叡「きっと寝ちゃえばこっちのもんですよ」

金剛「……」

金剛(果たしてこれは添い寝なんでショウか)

金剛(でもまあ……提督と妹たちと一緒に睡眠……)

金剛(たまにはこういうのもあり、デスか)フフッ



――30分後――


榛名「むにゃ……ん……」

比叡「zzz……」

霧島「提督……そこは、らめぇ……」

提督「うっ……体が……潰される……」

金剛「……」

金剛(やっぱりキツいデス。こんな事はもうこれっきりネ)



おわり

お付き合いありがとうございました
金剛の可愛さを伝えたいだけのつもりがこんなことに…

また色々書きたいと思います、依頼出してきます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年05月02日 (火) 10:22:44   ID: FRZTXQKO

よかった

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