恒一「何か家具増えてない?」鳴「そう?」 (49)

よみたそ・地下

鳴「気のせいでしょ?」

恒一「こんなベットあったっけ? 前は机と椅子だけだったよね?」

鳴「あったよ」

恒一「うーん…そうだっけ」

鳴「うん。気付いてなかったの?」

恒一「そうみたいだね。それで、今日は何の話だっけ?」

鳴「聞かせてあげようか…霧果が酔っ払って全裸で深夜徘徊した話」

鳴「――それで結局、私が警察まで迎えに行ったの」

恒一「へぇ…」フムフム

鳴「ふぅ…ちょっと長くなっちゃったね」

恒一「疲れた?」

鳴「少しね。一休みしようか?」

恒一「うん。じゃあ上に――」

鳴「ベットでいいよ」ギシッ

恒一「う、ん?」

鳴「ふー…」ノビー

恒一「…」

鳴「榊原君も来たら?」

恒一「え?」ドキッ

鳴「椅子にずっと座ってると疲れるでしょ?」

恒一「あ、ああ、そうだね。じゃあ…」チョコン

鳴「そんな端に座らなくてもいいのに。このベット二人用だし」ポンポン

恒一「へ、へぇ…」

恒一(二人用…)ドキドキ

鳴「そろそろ次の話しようか?」

恒一「あ、うん」

鳴「その前に飲み物…榊原君、何がいい?」ガチャ

恒一「見崎と同じのでいいよ」

鳴「わかった」ガチャガチャ

恒一「ん?」

鳴「ん?」バァン

恒一「…冷蔵庫、あったっけ?」

鳴「あった。小さいから気付かなかったんじゃない?」

恒一「そう…なのかな?」

鳴「はい。紅茶でいいよね」ヒョイ

恒一「ありがとう…」

鳴「じゃあ次の話ね。あれは一昨年、霧果と買い物に行った時――」

鳴「――胸パッド付けたら? なんて余計なお世話を…自分がちょっと大きいからって…」ブツブツ

恒一(うーん…前来た時には椅子と机だけだった…よね。こんな立派なベッド気付かないわけないし…)

鳴「榊原君? 聞いてる?」

恒一(冷蔵庫も駆動音とかするだろうし…うーん…)

鳴「さ・か・き・ば・ら・君?」ズイッ

恒一「え!?」ツルッ

鳴「あ」

恒一「あ…」ビチャ

鳴「紅茶、勿体ない…」

恒一「ご、ごめん! えっと…布巾、えっと…」ワタワタ

鳴「シーツはいいよ。それより榊原君大丈夫?」

恒一「う、うん…」

鳴「制服、だいぶ濡れてるね。洗濯していく?」

恒一「いや、そこまでしてもらうわけには…」

鳴「染みになっちゃうよ? 遠慮しないで」

恒一「う…お、おねがいします…」

恒一(恥ずかしい…何をしてるんだ僕は、見崎の前でこんな…)

鳴「じゃあ脱いで」

恒一「へ?」

鳴「脱がないと洗濯出来ない」

恒一「そ、そうだね。じゃあ上に――」

鳴「洗濯機、そこにあるから。ここで脱いで」ズイッ

恒一「はぁ!?///」

恒一「な、何でここに洗濯機があるの!? 地下だよ!?」

鳴「前からあったよ」グイッ

恒一「あそこには見崎そっくりの人形があっただろ!?」

鳴「…気のせいだよ」グイグイ

恒一「気のせいじゃないよ! 君そこに入ったりしてたじゃないか!」グイッ

鳴「…脱ぐの? 脱がないの?」

恒一「脱がないよ!」

鳴「風邪ひくよ?」

恒一「それは…」

鳴「私、榊原君に病気とかして欲しくないんだけど」

恒一「う…」

鳴「ね?」

恒一「…わ、分かったよ、もう…///」

鳴「…」ジー

恒一「み、見ないでよ!」ヌギヌギ

鳴「気にしなくていいから」

恒一「なるって…」

鳴「あ、着替え右のタンスにあるから」

恒一「これも前は――」

鳴「あったよ」

恒一「…この丁度いいサイズの服は…」

鳴「たまたまじゃない?」シラー

恒一「…」

鳴「えっと…洗剤…」ダバー

恒一「ちょっ!? 入れ過ぎ入れ過ぎ!」

鳴「え?」

恒一「一杯ぐらいでいいんだよ。書いてあるだろ?」

鳴「だからいっぱいでしょ?」

恒一「はぁ…」


鳴「終わるまでしばらくかかる?」

恒一「その後乾かさないといけないからね。乾燥機でもあればいいんだけど…無いよね?」

鳴「流石に無いかな」

鳴「…今度用意しとこ」ボソッ

鳴「着替え似合ってるよ」

恒一「あはは…ありがとう」

鳴「ちょっと気が抜けちゃったね。何か食べる?」

恒一「そうだね。もう時間も遅いし」

鳴「待ってて。何かあったかな…」ゴソゴソ

恒一「食べ物あるの?」

鳴「カップ麺とか置いてあるから。ポットも。お菓子もあるよ」

恒一(衣食住揃ってるな…)

鳴「おいちい」ズルズル

恒一「…」ズルズル

鳴「どうかした?」モグモグ

恒一「いや…本当ここ何でもあったんだなーって」

鳴「――住んじゃえば?」ゴックン

恒一「…冗談だろ?」

鳴「嫌? ここ他に色々あるよ? 榊原君の好きな本とか、映画とか」ズイッ

鳴「お風呂は上の使えばいいし、エレベーターで移動も楽だし。好きな時に人形見れるし」ズイッ

鳴「…私も、好きな時に会えるし」ズイッ

恒一「あ、あの、見崎?」

鳴「ほら、別にここに住んでも困らないよね?」ノシッ

恒一「あの…馬乗りは…えっと…///」ソワソワ

鳴「ダメ?」

恒一「ダメじゃないよ。でもこういうのは僕からと言うか…///」ボソボソ

鳴「じゃあいいのね。決まりね。今日からここが榊原君の家だよ」

恒一「え? あ、そっち?」

鳴「良かった…色々用意した甲斐があった…」ムフー

恒一「用意したって…やっぱり前は無かったんじゃないか」

鳴「前からありました」キッパリ

恒一「いやさっき…」

鳴「前からあったの。気付かれない様に少しづつ運び込んだから、榊原君が気付かなかっただけ」

恒一「見崎、その行動力はもっと別の場所に生かそう」

恒一「はぁ…それにしても何でこんな事したの? 見崎の部屋でいいじゃないか。広いんだし」

鳴「こういうの秘密基地みたいでいいじゃない」

恒一「まぁ言われれば…」

鳴「ほら疑問解決」

恒一「あ、洗濯終わったね。じゃあ僕そろそろ帰ろうかな…」

鳴「ん?」

恒一「え?」

鳴「ここに住むんでしょ?」

恒一「冗談じゃないの!?」

鳴「え? え? 何? 何でもあるよ?」

恒一「いや…常識的に無理でしょ…」

鳴「さっき良いって…」

恒一「言ってないよ!」

鳴「何で…未咲は家具さえ揃えてそれっぽい雰囲気にすれば流れで同棲生活スタートって…」ブツブツ

恒一(あのアマ見崎に妙な知識吹き込みやがって…)

恒一「とにかくど、同棲は無理だよ…まだ」ボソッ

鳴「…」ショボーン

恒一「そ、そんなに僕と、その…///」

鳴「…榊原君と一緒だと、私…///」

恒一(こっ、これは…!///)ドキドキ

鳴「美味しいご飯沢山食べれる…///」ジュルリ

恒一「………………デスヨネー」

鳴(あと一緒だと無性に嬉しいし…ま、これはよく分かんないから言わないでおこっと)

メーイ! メーイ!! ドコニイッタコラー!

鳴「!」ビクッ

恒一「この声…霧果さん?」

霧果「鳴!」バーン

鳴「…」

霧果「あら榊原君いらっしゃい。鳴! あなたまた色々持ちだしたでしょう!」

鳴「知りません」

霧果「しらばっくれてもネタは上がってんの! お母さんのベットと冷蔵庫と洗濯機どこにやったの!?」

恒一「…見崎? もしかしてここにあるのって…」

鳴「…」プイッ

霧果「この子はまた! 勝手にお母さんのモノを持ちだして! どうやって持って来たのこんな場所までもう…」

霧果「榊原君にも迷惑かけて! 今日と言う今日はお父さんに言うからね!」

鳴「…榊原君、今日泊めて?」

恒一「…おばあちゃんに聞いてみるよ」


お・わ・り

Sの鳴ちゃん可愛過ぎてもうアカン
おやすみ

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