めぐねえ「焦って薬投与したらワクチンじゃなかった件」【安価】 (128)

・めぐねえ生存(?)ルート
・原作読んでるわけじゃありません(アニメのみ)

それでもかなり叫んで下さるのであればどうぞ
(ただし発狂、てめーは駄目だ)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492858082

めぐねえ(ある日平凡な日常が残酷な非日常に変わってしまった)

めぐねえ(街は彼方此方で死体がうごめき、ただただ人間を食らうだけ)

めぐねえ(それでも学校に取り残された生徒達と協力し合いながら乗り越えてきた…)

めぐねえ(そう…あの日までは)




由紀「待って!まだめぐねえが!!」

胡桃「駄目だ!もう…」

悠里「由紀ちゃん……」


めぐねえ(ようやく学校での生活が安定し出してきた頃かれらが雨宿りをしに校内に侵入してきた)

めぐねえ(かれらの特性とか…まだ詳しい事までは把握し切れていなかったからこんな状況に陥るとは思っていなかった)

めぐねえ(作っていたバリケードも破られてしまって、とうとう侵入してきたかれらに取り囲まれてしまった)

めぐねえ(……本来はこの方法使いたくはなかったのだけれど…)

めぐねえ(一刻の猶予もないわ。地下に行くしかない…)

めぐねえ(とりあえず残っていた生徒達を放送室に避難させた)

めぐねえ(無茶をしてでも、命を張ってでも彼女達を守る義務がある)

めぐねえ(その後私は放送室から出来るだけ離れている場所までかれらを誘導させる)

めぐねえ(大きな音とかに釣られてそこに向かう習性は大分前から分かっていた事だったから本当に助かった)

めぐねえ(後防犯ブザー学校に持参していてくれていた子…ありがとう)

めぐねえ(道中3、4か所噛まれた…痛いよ)

めぐねえ(だけどこれ位は想定済み…というか予想以上に負傷が少なくて安心した)

めぐねえ(お腹辺りを狙われなかったのは幸いだった)

めぐねえ(そして2、3時間奮闘し、ようやく夜になって多数のかれらは下校していった)

めぐねえ(もし午前中に侵入されていたらきっと私は今頃お陀仏だろう。運がいいというか何というか…)

めぐねえ(とは言え噛まれてしまっては感染は必至。じきにかれらと化してしまうだろう)



めぐねえ「という訳なので…」

めぐねえ「避難区域まで走れー!」ダダ–




めぐねえ「えっと薬品薬品」ガサゴソ

めぐねえ(確かマニュアルには感染者用の治療薬があったはず)

めぐねえ(正直今までの感染の仕方を見る限りこんなに時間経った後で効くか分からないし…)

めぐねえ(第一これは生徒達の為に残しておくべき物…だけど)

めぐねえ(万が一の事があった場合私が助けになってあげないと)

めぐねえ「……それにしても目がぼんやりして文字がよく見えない」

めぐねえ「……染…治療…これかな」

めぐねえ「それじゃ急いで注射打って…」

めぐねえ(…注射か…怖いなぁ…)

めぐねえ「…って、迷ってる場合じゃないわね」プスッ

めぐねえ「さてと、後は地下のトイレに閉じこもるだけ…かぁ」

めぐねえ(地下にかれらがいるかも知れないし…もし手遅れになった時私が彼女達の所向かったら最悪だ)

めぐねえ「しばらくはてあらいぐらしかぁ…汚い」

めぐねえ「お風呂入りたいなぁ。後お腹も空いた」

めぐねえ「……皆今頃どうしてるのかな」ガチャ





めぐねえ(その後疲れが溜まっていたせいか便座に座ってから直ぐに眠りについてしまった)

めぐねえ(3人の不安もあったけどまずは自分の身を案じる他ない)

めぐねえ(寝ながら遺書書く為の筆記用具とか持ってくれば良かったとかコンビニでもっとタダ買いすれば良かったとか)

めぐねえ(色々後悔しながらその夜を過ごした)

めぐねえ「……んん」

めぐねえ(朝だか昼だか夜だか分からない時間に起きたわね)

めぐねえ(…由紀さん?胡桃さん?悠里さん?)

めぐねえ(あ。そうだ…確か私今…)

めぐねえ「…?という事は……」

めぐねえ「やった!感染する前にワクチン打てたんだ!」

めぐねえ「良かった…私生きてるよ……」ブワッ

めぐねえ「………でも……」

めぐねえ「何か違和感感じるなぁ。なんというか…うーん」

めぐねえ「確かに何処もかしこも腐って………」

めぐねえ「…………え」




めぐねえ(実は打ったワクチンはワクチンでもそれはただの失敗作だった)

めぐねえ(確かに治療には成功しているものの…これ……)

めぐねえ(使ったら>>5なのよ)

イケメンになる

めぐねえ「……」

めぐねえ「あれ…胸が小さい」

めぐねえ「というかこれ真っ平ら…」

めぐねえ「後手とか握った感じゴツゴツしてる」

めぐねえ(……何か下半身に身に覚えの無いモノが搭載されてるような…)

ヌギヌギ

めぐねえ「ここここここれは…生涯生で見る事は無かったであろうお、お、おお…」

めぐねえ「皮付きバナナ!?」

ガチャ

めぐねえ「そんな馬鹿な…いえきっとこれは感染者特有の幻覚とかそういう……」

めぐねえ(鏡

めぐねえ「…………」


めぐねえ「えーーーっ!?」




めぐねえ(なんと…私が誤って打ってしまったワクチンの副作用は)

めぐねえ(性転換。つまり私は…)



めぐねえ(こうなった)

♀→♂

めぐねえ(♂)「ど、どうすればいいの?これ…」

めぐねえ「一体全体何がどう……」

めぐねえ「昨日打った薬の概要もう一度見てみましょう」



めぐねえ「初期症状感染者専用治療薬(失敗)」

めぐねえ「調合の失敗により対象の人物が性転換してしまう副作用が出来てしまった」

めぐねえ「ただしパンデミック発生時にそんな細かい事気にしていられないと思うから念の為置いておくよ……て」

めぐねえ「これ作ったの誰ぇー!?」

めぐねえ「お陰で治ったのに尚更由紀さん達の所へ戻れなくなっちゃったじゃない!」

めぐねえ「どうしましょう」

めぐねえ「お腹は減ったわ然程地下は設備がいいわけでは無いわで懲り懲りよ」

めぐねえ「………」

めぐねえ「そうだ。最初に>>11しましょう」

男性用の服探し

めぐねえ「男性がこんなブラとか着ている訳にもいかないしね」

めぐねえ「でも…何処に行けばいいのかしら」

めぐねえ「近場ならショッピングモールでしょうけど」

めぐねえ「…車で行く為にはかれらがウジャウジャいる1F2Fと3Fの職員室に行く必要がある」

めぐねえ「最悪もう既にキーが3人の誰かの手に渡ってる可能性もあるのよねぇ」

めぐねえ(念の為誰かが運転できるようにと敢えて置きっ放しにしてた結果が…トホホ)

めぐねえ「どうしましょう」

1.車でショッピングモールまで
2.徒歩で頑張る
3.実は地下とショッピングモール繋がってますた

>>14

3

めぐねえ「うーん…困ったわね」

めぐねえ「徒歩で行く訳にもいかないし、かと言って車で行くにしてもそれまでの道のりが険しすぎる」スタスタ…

めぐねえ「あー…都合よくこことデパートが繋がってたりしないかしらね」

めぐねえ「…」ピタッ

めぐねえ「ここの見取り図?」スタスタ…

めぐねえ「あっ!ここの通路…デパートの地下駐車場と繋がってる!」

めぐねえ「流石ね!災害時も物資不足を見据えてこんな親切設計を…」

めぐねえ「まぁこんな事態を想定していたウチはどちらかというと心折設計だろうけど」ショボーン

めぐねえ「善は急げね!早速出発

めぐねえ「したい所だけど流石に丸腰じゃね…」スタスタ…

めぐねえ「あ、物資調達に丁度良さそうなリュック発見」

めぐねえ「えと…これに救急箱と常備灯…防犯ブザー」ガサゴソ…

めぐねえ「後必要そうなのは……お」

めぐねえ「>>16があったわ。持っていこっと」

めぐねえ「鉈…!ショベルよりかは殺傷能力高そうな武器ね」

めぐねえ「……でも戦う前提なの?これ…」

めぐねえ「出来るだけ戦闘避けて無事帰ってきたいけど」

めぐねえ「とりあえず何かあった時の為にリュックの中じゃなくて常に手に持ってましょう」

めぐねえ「」ブンブンッ

めぐねえ「倒せるかなぁ?」

めぐねえ「いや…私はもう女じゃなくて立派な男の子…」

めぐねえ「うじうじしてたって仕方ないわね」


めぐねえ「あれ…という事はこの口調はまずいのでは………」




~青年移動中…~



めぐねえ「え、えいっ」ズバッ

ゾンビ「ア゙~」ブシュゥ…

ドサドサッ

めぐねえ「すごい…一太刀で軽く2人やっつけた!」

めぐねえ「男の子と女の子ってこんなに力の差あったのかしら…」

めぐねえ(…これも薬の副作用…って事は無いわよね)

ゾンビ「ア゙~」

めぐねえ「わわっ…早くエスカレーター使って1Fに上がろう!」ダダッ




ダダッ…

めぐねえ「はぁ…はぁ…着いた!」

めぐねえ「男性用服売場…」

めぐねえ「…ここには居なさそうね」キョロキョロ

めぐねえ「早めに済ましちゃいましょ」スタスタ…

めぐねえ「………」

めぐねえ「男の子の私服ってどんな感じだろ…」



めぐねえ「ひとまず半袖と長袖のTシャツと半袖のTシャツ…後はズボンと下着類」

めぐねえ「これでOKかな」

めぐねえ「必要な物は揃ったしこれで帰るかな…」

めぐねえ「……………」

めぐねえ(今から行ったらもしかすると食料が有り余ってるかも…)

めぐねえ(流石に1日中何も食べなかったらそれこそ餓死しちゃう)

めぐねえ(それにあの子達の分も……)

めぐねえ「でもなぁ…これでも結構重いリュック意外とパンパンだから入るのもほんの僅かの量」ズッシリ

めぐねえ「日を改めようかしら」


1.行く
2.帰る

>>19

1

めぐねえ「でも今の内に行った方が良いわよね…」

めぐねえ「後々行ったら全部無くなってたりとか…或いはかれらが増えるかもしれない」

めぐねえ「急ごう…今なら……」



めぐねえ「おー!いっぱいある!」

めぐねえ「…とはいえ缶詰やお菓子以外はほとんど全滅かぁ」

めぐねえ「とりあえず主食系統のを中心に色々掻っ攫ってって…」ガサゴソ…

めぐねえ「あ、カップラーメンとかもいいなぁ」

めぐねえ「お!豚の角煮発見!」

めぐねえ「持ち帰ったら由紀さん喜ぶだろうなぁ……」

めぐねえ「……とりあえず余分に倍の数は持っていこう。6人分…結構重いなぁ」ガサゴソ

めぐねえ「後1…」ガシッ
ガブッ

めぐねえ「ふぇ?」
太郎丸「ヴ~」

めぐねえ「……え、っと…ん?」

めぐねえ(子犬?なんで?故意に缶詰を取ったから一応感染しては…)

めぐねえ「えい」グイッ…

太郎丸「ヴ~!」グイッ

めぐねえ「ふんぐぐぐ…」

めぐねえ「あだ!?」ドサッ

めぐみん「痛たたた」

ダダッ …

めぐねえ(足音?でも感染者は走らないんじゃ…)

圭「あ、太郎丸!こんな所にいた……」

めぐねえ「え」

圭「あ」

めぐねえ 圭「「ぎゃああああ死体が喋ったあああああぁぁぁぁ………?」」

めぐねえ「…えっと…貴方は…もしかしなくとも……」

圭「人間…です。はい」

太郎丸「ワン!」

めぐねえ(まだ私達以外にも生存者が居たなんて…)

めぐねえ(驚きだわ……てあれ……この子達どこかで見覚えが)

圭「あの…貴方は一体……」

めぐねえ「あ…私は……」

めぐねえ(そうだ。外見完璧男の子なんだからちゃんとそれなりに演じないと…えと…)

???「私はしばらく家に立て籠もってたんですけど…その……やつらが侵入してきて…」

???「それで慌てて……命からがら」

圭「そう…ですか」

圭「あのぅ…お名前とかは」

???「私の……ええ…私は佐倉…」

めぐねえ(慈じゃあからさま女の子っぽい名前よねぇ…)

めぐねえ(…ここで改めて命名しようかしら)

めぐねえの♂verの名前を考えよう>>22

慈「…いつき…佐倉慈です」

圭「慈さん…ですか」

慈「あの、君はなんでここに?」

圭「……やつらが現れたあの日、偶々私は友達連れてここに来ていたんですけど…」

圭「それで…偶然」

めぐねえ(下校途中寄り道してたのね…きっと)

めぐねえ(寧ろそれが幸いして物資が揃ってるここに留まることが出来たと)

慈「それで…君は?」

圭「あ……巡々丘学院の生徒で、高2の祠堂圭って言います」

圭「さっきの太郎丸っていうのはこの仔犬の名前で…」

太郎丸「ワン!」

慈「なるほどね」

圭「すみません。この仔無邪気なもので…」

慈「あ、いいのいいの。逆にそれ位元気が有り余ってるなら安心するよ」

圭「…あのっ、避難所とか…今どうなっているのか分かりませんか?」

圭「もうここに閉じ込められて2、3週間経つんです。ここもいつまで持つか分からない…!」

圭「早くもっと安全な場所に……」

慈「…避難所は……」

めぐねえ(多分うちの学校とマニュアルに書いてあったいずれか…)

めぐねえ(何にせよ今やるべき事はこの子達を自分らの学校に誘導させる事)

めぐねえ(そういえば2年生で居たわね…祠堂さん……今更だけど)

慈「まだ寄ってないけど、やっぱり1番安全なのは近場の高校なんじゃないかなぁ」

慈「警察署とかに向かうよりかはそっちの方が生存者がいる確率が高いと思う」

圭「…というと…今言った巡々丘高校?」

慈「…だったかな?多分」

めぐねえ(知らない素振りをしつつ彼女達を連れて学校に戻ろう。やり方によっては或いは…)

めぐねえ(……達?)

慈「そ、そういえば祠堂さん!その…友達も連れてきてたって言いましたよね?」

圭「え…あ、はい!」

圭「デパートの職員とか…多分係の人の休憩所?みたいな部屋が奥にあって」

圭「そこに今居るんです!」

慈「ok。分かった」

慈「まずそこに戻って荷物をまとめてから移動しよう」

圭「わ、分かりました!」

めぐねえ(急がないと…もしデパートの周りをやつらに囲まれたら今度こそおしまい)

めぐねえ(それだけは避けたい!)ダダッ

圭「ここでっ…!」

慈「ぞ、ゾンビが部屋の周りに…」

ゾンビ「ア゙~!」

圭「ど、どうしよう…追っ払うにしても武器も何も…」

慈「祠堂さん。下がってて」

慈「私が行く」ダダッ

圭「えっ…佐倉さん!?」

めぐねえ(居るのは4体…比較的少ない方!)

めぐねえ(まずは一列に並んでるゾンビ達を横から蹴り飛ばして…)ガンッ

ドサッドサッ

めぐねえ(ドミノみたいに連鎖して倒れたから起き上がるのに時間がかかる!)

慈「その内にゾンビを…」ザシュッザシュッ

ゾンビ「ア゙~」

めぐねえ(1、2体倒し損ねて残っちゃってるけどその位の数なら問題ない)

慈「えいっ!」ズバッズバッ

ドサッ…

慈「ふぅ…」

めぐねえ(あれ…何だか怖くなくなってきた)

めぐねえ(1対4なんて誰が考えても不利な筈だけどなぁ)

圭「す、すごい…」

太郎丸「ワンワン!」

慈「さ、今の内に!早く!!」








美紀「ここを離れて学校に?」

圭「うん。ここにずっと居たって何も始まらないし」

圭「現にこうして他の人とも会えた。もしかしたらこの人以外にも生存者が…」

美紀「じょ、冗談やめてよ圭…ここより安全な場所なんてある訳……」

美紀「ここは食料も水もまだ沢山あるし」

美紀「そんな何も確証無しに危険な外を歩くのはただの自殺行為だよ?」

圭「でも…」

慈「ちょっと待って。祠堂さん」

慈「ねぇ、直樹さん。少し聞かせて」

慈「佐倉めぐみ先生って知ってるかな」

美紀「え……あ、ぁぁ…なんとなく…」

美紀「でも…なんで貴方が?」

慈「実はその人、私の姉なんですよ」

美紀「そ、そうだったんですか?」

慈「うん。だからあの学校の状況についても多少知ってる」

慈「まぁ…あくまで可能性に過ぎない話だけど」

慈「…この騒動が起きてから1週間後、姉さんから通知が来てね」

慈「確認したら位置情報だけ載ってたんだよ。まさかとは思ったんだけどさ」

圭「それってつまり…」

慈「少なくとも1週間以上は持ち堪えられるような避難所だったって事だろうね」

慈「多分…何の音沙汰も無ければ今も無事だと思う」

圭「お、おぉ…」

めぐねえ(まぁ位置情報については実際知り合い全員に送ったし焦ってて携帯落としたとでもいえば誤魔化しは効くわ)

美紀「でも、もしその後その音沙汰があってゾンビの巣窟になってたら…!」

慈「そしたらここに戻ればいいよ」

慈「どちらにせよ中を調べれば何か助かる手がかりを掴めるかもしれないし」

美紀「……」

圭「行こ?美紀」

美紀「…わかったよ」

圭「…こんな感じでいいですか?」

慈「多分大丈夫…だと思います」

美紀「ガムテープで防犯ブザーとピアノの前框を固定してどうするんですか?」

慈「…まぁ起きてからのお楽しみって事で」

慈「後はブザーの紐の所に二重に糸をかけてと…」ギュッ

慈「後は走って駐車場に向かお」ダダッ

美紀「え…糸持ってたら……あ」ダダッ

圭「なるほど」




グイッ

ビビビビ…

ゾンビ「ア゙~」

圭「いっぱい集まってる!」

美紀「ピアノが弾ける状態だから更にピアノの騒音に釣られて…」

美紀「この隙に逃げると」

慈「入口が見えたよ!後少し…」ダダッ



ウィィ…

美紀「何とか出れた…」

圭「でも…ここから徒歩で学校まで歩くのかぁ」

圭「ハードル高いな」

慈「多分…その必要は無いと思う」スタスタ…

圭「車の横に人が倒れ……」

美紀「うっ…死体」

慈「ちょっとポケットの中お邪魔します」ガサゴソ

慈「…あった。鍵」

美紀「その自動車の…ですか?」

慈「多分。車で逃げようとしてたら襲われたんだと思う」

慈「早く乗って、すぐ出発するよ」

圭「はい!」

太郎丸「ワン!」

めぐねえ(これで学校に戻れば自然な形であの子達の元に戻れる…)

めぐねえ(唯一心配なのは…今の彼女達の精神面の状況ね)




ブロロロ…

慈「…とりあえず一安心、ですかね」

慈「走行中奴らが窓割って入ってくる事なんて滅多に無いだろうし」

美紀「あの…さっきお姉さんからメッセージが送られた…って言ってましたけど」

美紀「やっぱり電波類が死んでない以上まだ国内全域が壊滅してるって訳じゃないんですよね…?」

慈「さぁ…私も急いでこっちに来たので何とも」

めぐねえ(実際どうなのかしらね)

めぐねえ(世界各国とまでは言わなくてもこんな長期間待ってもヘリの1つも見当たらないって事は……)

めぐねえ(最低でも国家機関はもう機能していない可能性が高いかも)

圭「すみません…あまり飲食料持てずに」

慈「大丈夫大丈夫。念の為予め地下の食品コーナーに行って調達してたから」

慈「少なくとも2週間は持ちますよ」

慈「あ、そろそろ着きますよ」





キキーッ

慈「さて…校門前には着いたものの」

ゾンビ「ア゙~」

圭「あ~やっぱりいるよ!!たくさん!」

美紀「どうするんですか?車で突破?」

慈「いや…あんなに居たら轢きれ切れない」

めぐねえ(どうしよう。車の音に気づいて多分奴らこっちに来るだろうし…)

めぐねえ(校舎内にいる3人に助けを求める訳にも…)

圭「ぅぅ…」

慈「……>>30しましょう」

ヒットアンドアウェイ
轢いて逃げて隠れて、を繰り返して数を減らす

慈「やっぱり強行突破」

圭 美紀「え、ええええっ!?」

慈「捕まっててください!」ブロロロ!

グシャッグシャッ…

美紀「ち、血が…」

圭「離れちゃダメだよ…太郎丸」ギュッ

太郎丸「クゥン…」




胡桃「粗方3階に居たのは片付けたぜ。りーさん」ガラ…

悠里「……お疲れ様」

胡桃「今の所由紀も3階から出ようとはしてなさそうだから大丈夫だとは思うけどさ…」

胡桃「やっぱしめぐねえが死んだショックがデカすぎたのかな」

悠里「元々片鱗は少し前から現れてだけどね…もう精神的に限界なのよきっと」

悠里「仕方ないわ…」

悠里「そう…仕方ないのよ」

胡桃「…」

悠里「ひとまずこれk
由紀「りーさん!大変大変!」ガラ…

胡桃「おま…」

悠里「どうしたの?由紀ちゃん」

由紀「来たの!転校生が!!」

胡桃「転校生?誰だそりゃ」

由紀「外見て外!」

胡桃「こんな夕暮れ時にいる奴なんて運動部員以外いる訳…」


ブロロロ!

慈「退いてください退いてください!!」

慈「轢かれますよー」

圭「もう10人以上轢いてますよ!」

美紀「そういう問題!?」

ブロロロ…


胡桃「」

悠里「……………」

由紀「ね、居たでしょ?」

悠里「…胡桃ちゃん?」

胡桃「おう」

悠里「少し迎えに行ってくれない?あの子達」

胡桃「おー」スタスタ

由紀「あ、私も私もー!」

悠里「由紀ちゃんはダーメ」ギュッ

由紀「らんへ~!?」グイ~

悠里「駄目なものは駄目なの」ゴゴゴ

由紀「は、はひ…!」

ブロロロ!

めぐねえ(大分減った…そろそろ校舎へ避難したいんだけど)

めぐねえ(どうやって入ろう)

圭「い、慈さん!あそこあそこ!」

慈「?」ウィィ…

胡桃「おい!あんたら!!早くこっちに!!」

美紀「人間!?まさか本当に生存者が…」

ブロロロ…

胡桃「え、ちょっ…馬鹿!こっちに近づい……」キキーッ!

胡桃「……っと…?」

慈「2人とも!早くこっちから…」ガチャ…

圭「はい!」

胡桃(横向きで入口キワキワのとこで止めやがった)

胡桃(ドリフト上手っ!?)

慈「どうせかなり凹んでもう人を乗せて走れるような代物じゃない!」

慈「バリケードがわりにでもして下さい!」

胡桃「あ、ああ」

胡桃(この人妙に冷静だなおい)

胡桃「とにかく話は後だ!校舎の中もあいつらいるから!!」

圭「えー!?」




悠里「そう…デパートに身を潜めてたのね」

圭「はい…けどいつ食料が無くなるか分からないし、奴らも増えていく一方だし…」

圭「とにかく、動かなければ何も始まらないと思ってここに」

悠里「……とりあえず事情は分かったわ」

悠里「幸い食料も貴方達が調達してくれたお陰でひとまず足りるし、何より生存者を見殺しにするような真似は出来ないわ」

悠里「しばらくはここでかくまいましょう」

美紀「あっ…ありがとうございます」

めぐねえ(良かった良かった…これで無事また皆の所に戻ってこれた)

めぐねえ(それにしても胡桃さんも悠里さんも思ったよりも元気そうで安心したわ)

めぐねえ(由紀さん…はまぁ後でもいっか)

悠里「あ、慈さん…少しお話させて下さい」

慈「え…いいですけど」

慈「2人でですか?」

悠里「胡桃ちゃんも連れていきます。念の為」

めぐねえ(念の為?)

慈「……」

悠里「…」

胡桃「…」

慈「あの…教室?に来て何を?」

悠里「慈さん、さっき貴方は慈先生の兄弟だ…」

悠里「そう仰いましたよね?」

慈「あ…ま、まぁ」

悠里「……実は…先日慈先生は奴らに襲われて…」

悠里「死んじゃったん……です」

胡桃「あたしらが危うく全滅する…ホントその瀬戸際だったんだ」

胡桃「それで…めぐねえは……」

悠里「由紀ちゃんや胡桃ちゃんに代わって…ごめんなさい……!」ペコッ

悠里「貴方の家族を見殺しにしてしまって…」

慈「…………」

めぐねえ(ど、どうしよう。嫌な予感はしてたけど思いの外反応に困るわ)

めぐねえ(死んでいないのに故人扱いされるのってこうも悲しいというか虚しいというか)

めぐねえ(とりあえずそれっぽく悲しんでみましょう…)

慈「…そうですか。もしかしたらって思いましたが……」

慈「一足遅かったか…」

悠里「本当に、すみません」

慈「顔を上げてください。貴方が謝るべきことじゃない」

慈「姉は子どもが大好きだった…生徒の為に生を終えられただけでもせめてもの救いです」

悠里「…恐縮です」

胡桃「しっかしよ…めぐねえに弟さんが居たとは驚きだったな」スタスタ…

胡桃「てっきり1人っ子だと思ったよ。そういう話題振った事無かったからさ」

慈「ま、まぁ…こんな状況で遠くにいる家族の心配なんてしている余裕なんて無いし」

慈「触れたら触れたらかえって哀しくなる話題じゃないかな?」

胡桃「ははっ…生憎この状況下で明るくなれるような話題なんて無ぇよ」

胡桃「それにしてもそのアホ毛…やっぱり遺伝なんすか?」

慈「あー…よく似ているって言われてますよ。周りから」ピヨーンピヨーン

慈「生まれつきなんで」

胡桃「へー…DNA一致しすぎて凄いを通り越して逆に引くわ」

慈「ヒク!?」

胡桃「はっはっはっ!本当めぐねえみたく面白い人で安心したよ!!」

めぐねえ(え…私ってそんなイメージ?というか胡桃さんやたらとフレンドリー)













胡桃「じゃあこの傷は生まれつきじゃねぇよな?ん?」ガシッ

慈「おろ?」

めぐねえ(腕の傷…しまった!?)

めぐねえ(皮膚を噛まれたのよ!?いくら傷が塞がろうが跡は残るに決まってるじゃない!)

めぐねえ(動きやすさ重視で安直に半袖を選んだのは間違いだったわね…)

胡桃「返答によっちゃ追い出すorシャベルで成仏って未来が待ってるんだけど」

胡桃「9割方そーなりそうなんだよなこれが」

慈「………」

悠里「…流石に有無を知らずにここに居座せる訳にも行きませんからね」

悠里「案の定、腕に噛み跡があった訳ですが」

悠里「どう説明しますか?慈さん」

慈「…!」

悠里「貴方がいつどこで噛まれたかは定かではありませんが」

悠里「感染者の可能性が1%でもあるのならば即刻下校してもらう」

悠里「いいわね」

めぐねえ(迂闊だった…あんな事があった翌日じゃ少しでも怪しく思われればすぐに追い出すに決まってるじゃない……)

めぐねえ(ワクチンを使ったって言えばそれこそ話がこじれてしまうし…)

めぐねえ(何とか説得力のある説明をしてあげないと………)

胡桃「で?どうなんだよっ!?」

悠里「胡桃ちゃん、脅してもダメよ。ひとまず…」

慈「違います」

悠里「?」

慈「噛まれたんじゃないんです」

胡桃「じゃあ何だってんだよ…この擦り傷とは到底思えねぇ深い傷は!?」

慈「これは…」

慈「>>39

この傷跡をよく見てくれないか?こいつを見てどう思う?

慈「そんな事よりもこの傷を見てくれ。こいつをどう思う?」

胡桃「すごく…大きいです」

悠里「……………?????」

悠里「えっと…これはつまり…どういう事?」

胡桃「い、いやっ…その…」

慈「BL漫画のネタです」

胡桃「ちょっ待った!!」

悠里「……胡桃ちゃん…」

悠里「とりあえず一歩退くわ」ザ…

胡桃「引かないでーー!?」

慈「恵比須沢さんは腐女子になるのが得意なフレンズなんだね」

胡桃「誰がノンケパークじゃコラ!!」

胡桃「ホモなんて気持ち悪いの見るか!」

慈「駄目だよ。恵比須沢さん…そんな差別するような発言しちゃ」

胡桃「お前だって腐女子って差別しただろが!!」

慈「腐女子は差別用語じゃない。いわゆるスキルの1つなんだよ!」

胡桃「意味分からんわ!!!」

悠里「え…い…あ、う……お?」

めぐねえ(と、とにかく話を脱線させて話題を忘れさせましょう)

めぐねえ(何か凄い無理がある作戦だけど……後)

めぐねえ(すっごい泣きたい)

慈「だいたい、私はホモは気持ち悪いって発言に対して差別の要素が入ってたからツッコんだだけであり…」

慈「腐女子がキモいとか醜いとかゲロ以下の匂いがプンプンするとか一言も言ってないよ」

胡桃「~!!」

胡桃「殺す!!」ブンッ

悠里「ちょ…根本的な解決にならないわよ胡桃ちゃん!?」

胡桃「うるさい!散々馬鹿にしやがって畜生!!」ドバババ

胡桃「許せん…許せんぞ!!」ドバババ

慈「ひぃっ!?」

めぐねえ(あっちが泣いちゃった!?弄りすぎた!?)

めぐねえ(かえってまずい状況にーー!)

胡桃「覚悟ぉぉっ!」ブンッ

慈「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
由紀「りーさーん!2人の学校案内終わったよぅ」ガラ…

胡桃「………」

慈「………」

悠里「…………えっ………と………」

由紀「……むむむ…もしや御三方……」





由紀「私達に黙ってチャンバラごっこして楽しんでたね!?ずるーい!」

圭「えええええ!?」

美紀「これを見てどうやったらそんな解釈を…」

由紀「酷いよー2人とも!」

由紀「私が説明してる間に隠れて遊んでるなんて!」

胡桃「お、おう。悪り…」

胡桃「ただ待ってるのも暇だったんでな」

悠里「ご苦労様由紀ちゃん」

由紀「へへー」

由紀「あ、でももう1人の転校生君には説明してなかったねぇ!」

由紀「今から行ってくるよ!めぐねえと一緒に!」

美紀「…あの…悠里先輩」ヒソヒソ…

悠里「何?美紀ちゃん」

美紀(ちゃん…)

美紀「その……めぐねえという方は一体」

美紀「由紀先輩があたかも隣にいるような話し方で…でもそんな人は……」

悠里「慈先生の事よ。ただのあだ名」

美紀「でも…その人ってもう……」

慈「……」

胡桃「…どした?慈さん」

胡桃(雪の隣じっと見てるな……)

由紀「めぐねえ!またサポー!よろしくねー」

由紀「私全部把握し切れてる訳じゃないからさ」

めぐねえ「ええ、勿論よ。由紀さん」

慈「……………」






めぐねえ(あれ…霊映ってね?)


由紀「楽し~楽し~」スタスタ…

由紀「学校は楽し~なー♪」

めぐねえ「ふふ。はしゃぎ過ぎたら転ぶわよ?由紀さん」

由紀「あ、そだね」

慈「……」

めぐねえ(なんで私の霊が私の目に映っているのだろう…)

めぐねえ(え…これ実はもう現世じゃなくてあの世視点で見てたりとか?)

めぐねえ(でも実際生きてるしなぁ…)

由紀「あ、転校生君ってさ!ここの学校に入学したら1番楽しみだった事とか何かある?」

慈「え…」

由紀「ほら、学祭とかさ!運動会とか!」

由紀「何でもいいから1つ挙げてみてよ!」

慈「そ、そうです…ね」

慈「部活かな?ここの学校色々な部活動あるし」

由紀「そーなのかー」

由紀「私的には学園生活部が1番おすすめだよっ!」

由紀「何たって25時間366日ずーっと学校で暮らせるんだからね!」

由紀「わくわくするでしょ!?」

慈「そうです…かね」

めぐねえ「ねぇ由紀さん」

めぐねえ「転校生君…じゃなくてちゃんとこの人の名前で呼んであげないと」

めぐねえ(また喋った!?)

由紀「あ、そーだそーだもっこりしてた!」

めぐねえ「それを言うならうっかりでしょ…」

由紀「あ、りーさん言ってたけど転校生君ってめぐねえの弟なの?」

めぐねえ「ええ、そうよ。私のかわいい弟よ」

めぐねえ(何か自分で自分が紹介している所を見ると腹立たしいわね)

めぐねえ(偶然にも嘘ついて誤魔化してくれたし)

由紀「君の名前は?」

慈「……慈って書いていつきって言います」

由紀「ぉぉー!めぐねえと漢字一緒!!」

由紀「仲良しなんだね!慈君!」

慈「え…ま、まぁ……あまり関係ないかもだけど」

由紀「そうだね…いつき…つき…にぃ」

由紀「決めた!君のコードネームはつきにい!」

つきにい「……え?」

由紀「私達よりちょっと年上みたいだしめぐねえがめぐねえならつきにいはつきにいだよ!」

由紀「よろしくねつきにい!」

つきにい「……」

めぐねえ(出来れば慈って呼んでもらいたかったわね…)



めぐねえ(まぁ、いつもの事だけど)

つきにい「はい。よろしくお願いしますっ」ギュッ

悠里「ご飯出来ましたー」コト…

「おーー!」

美紀「角煮に…カレー、後フルーツ!?」

圭 由紀「OH!ゴーカー!!」

胡桃「あいつら…会って間もねぇってのに早速意気投合してるよ」<キャッキャッ

つきにい「仲が良いのは良い事じゃないですか」

つきにい「なぁ、太郎丸」
太郎丸「」ガツガツ

めぐねえ(こちらも早速がっついてる!)

由紀「おーっと!うかうかしてられない!私達も冷める前に食さないと!」

由紀「けーちゃん食べよ!」

圭「ラジャー!先輩!」

ガツガツガツガツ…

胡桃「おいおい…飯は逃げねーっての」

胡桃「早食いした所でって話だよなぁ?慈…」

慈「」ガツガツガツ

胡桃「……あたしらがおかしいのかな…」

美紀「あの人等が非常識なだけです」

悠里「まぁ…元気あるのに越した事は無いんじゃない?」

圭 由紀「おかーり!」スッスッ…

太郎丸「ワンワン!」スッ…

悠里「あらあら」

胡桃「行動早ぇな」

美紀「え…おかわりって……大丈夫なんですか?食糧」

悠里「大丈夫よ。初日の夕食だし…少し旺盛にしてあげましょ?」

つきにい「おかわりおねがい…し……ます
悠里「えー…」

胡桃(犬以下の扱いよ)

美紀(格差社会って怖い)

つきにい「何故私は拒否され……」

悠里「いや、生理的にというか…色々」

つきにい「酷ないですか!?」

胡桃(…まぁりーさんの反応も分かるけどな)

胡桃(感染者の手助けをした所で私等にメリットは無い。むしろデメリットしかない)

胡桃(可能性があるってだけにしろ私はまだこの男の在住には納得ならねぇ)

胡桃(とは言え由紀に邪魔され有耶無耶にされちまったからなぁ…)ガクッ

胡桃(由紀に見られなけりゃまだ対処のしようはあったってのに……)

美紀「…胡桃先輩?」

胡桃「ん?どした美紀」

美紀「何悩んでるか分かりませんけど…」

美紀「とりあえず…食べましょう?ご飯」

胡桃(考えても埒あかない…か)

胡桃(それも仕方ないか)

胡桃「そーだな。食べよう食べよう」

つきにい「…ふぅ満腹満腹」

由紀「美味しかったねぇ、カレー」

圭「うんうん」

胡桃「お前らはもっとおしとやかに食べれんのかおしとやかに!」

胡桃「見ろよ美紀の!」

美紀「…」パクッ

美紀「はふっ…」

美紀(食べ始めてから結構立ってたから油断してふーふーするの忘れてた!)

美紀(あっつい…でもおいしー!)

美紀(こんな非常事態だからこそ一見手抜きのようなこの食事も…)

美紀(牛肉が舌でとろけ、ホクホクと柔らかいジャガイモ…ほんのりと甘みを感じさせる人参…)モグモグ…

美紀(全てが調和して完成するのがこのカレーなんだ…正に極上の味!)

美紀「あ~幸せー」

胡桃「ほら、見ろ見ろこの美紀のエレガントな食いっぷりを」

つきにい「完全にトリコですね」

美紀「~」ブシャァァ!!

胡桃「美紀ぃぃっ!!」

美紀「げっほ…うおっえほ!」

胡桃「何やっとんじゃ己は!?」

つきにい「ごちそうさまでした」

胡桃「だからなんでBLばっか持ってくるんだよ!!」

つきにい「トリコはれっきとしたジャン○を代表する少年漫画ですよ」

つきにい「ホモなんて気味悪いものと同列に並べないでください」

胡桃「おいっ!!さっき差別すんなっつったよな!?話違ってんぞ!?」

つきにい「だいたい何ですかその言いようは…まるで私がホモ関連の話題しか出してないような…」

胡桃「11割方合ってんだろっ!!」

つきにい「…………………!!!???」

胡桃「なんで今更驚いてんの!?」

由紀「はははーっ!胡桃ちゃん面白ーい!」

由紀「コントやってるみたい!」

圭「先輩方コンビ組んだらどーですか!?」

胡桃「こ、コンビって何だよ…そりゃ……」

つきにい「自分はこの人に料理する側もハント側も無理です」

胡桃「もういい加減美食屋の話はやめろ!!」

由紀「胡桃ちゃんにリョウリ…」

圭「ハント…!」

胡桃「変な妄想すなーっ!!」

つきにい「あー…馬鹿笑いしたら何か疲れた」

つきにい「ちょっと手洗い使用しますね」ガラ…

胡桃「あ…っの野郎……逃げやがった!」バタン

由紀「賑やかなのはいい事だよ胡桃ちゃん!」

胡桃「度が過ぎるのはアウトなんだよっ!」

つきにい「いや~楽しそうで何より何より」

めぐねえ(少しいじりすぎたかな?でもこんな時だからこそこれ位じゃれ合えるような仲がいいのかな)

めぐねえ(…生徒と教師の距離間…か)

めぐねえ(今後の課題ね。まぁ…今じゃ教師ですらない訳だけど)ヌギヌギ…

めぐねえ(………)

つきにい「この石棒でどうやって排尿すればいいんだろう」





悠里「はーい皆盛り上がってる所悪いけど集合集合」

由紀「え?つきにいまだ帰ってきてないよ?」

悠里「居ない方が簡単に済むお話だからよ」

「???」

悠里「えーと…皆多分想像はついてるとは思うけど寝室に人6人寝かせる程のスペースは無いのよ」

悠里「だから隣の部屋で誰か慈さんと寝て欲しいんだけど」

胡桃「ちょっと待て」

胡桃「なんで別室に慈さん移動が確定なんだよ」

悠里「そりゃ強姦する可能性があるからに決まってるじゃない」

美紀(えー…犯す前提?)

胡桃(そりゃ感染の危険性があるの考えりゃ隔離すんのは分かるけどさ…)

胡桃「だからって態々もう1人移動させなくても…」

悠里「いや、そこは真面目に寝室の面積上の問題」

胡桃「ですよねぇ」

美紀「でも夜中に奇襲とかあったら…」

悠里「大丈夫よ。今日1日見たけどあの人胡桃ちゃん×10の戦力はあるから」

悠里「むしろ強姦を除けば安全なの別室よ」

圭(まずその先輩1人分の戦力の基準がワカラナイ…)

由紀「きしゅー?誰か襲ってくるの?」

胡桃「最近の深夜の痴漢が多くてな」

悠里「という訳で誰かこの中で1人熱い夜を過ごしたい人は挙手ー」

「…………」

悠里(まぁ…いきなり男女水入らずで一夜過ごすっていうのも無理あるわよね)

由紀(2人と5人だったら5人の方が絶対楽しいって決まってるしなぁ)

悠里「仕方がないわね。くじで決めましょ」

「えぇーー!?」


くじで当たった奴(太郎丸除くぞ勿論)
>>57

りーさん

「同居者だーれだ!」スポッ

「………」ジ~ッ

悠里「…」チラッ

胡桃「?」

悠里「」つ×慈

胡桃「……まぁ…言い出しっぺだからな」つgirls

美紀「言い出しっぺですからね」つgirls

圭「言い出しっぺですネェ」<怠惰怠惰

由紀「だね~」つgirls

太郎丸「ワンワン!」

悠里「はべあっ!?」







悠里「という訳で今(23:00)に至る訳ですが」

つきにい「すみません。よく聞けなかったんでもう一度説明してください」

悠里「そう言って彼此もう5回目なんですけど…説明したの」

つきにい「いや~私が糞闘してる間にそんな事があったとは」

つきにい「驚きでしたね」

悠里(今何か悪意のあるような誤植を見た気がする)

悠里「予め言っておきますけど不審な素振りをしたらすぐにここを出てってもらいますから」

悠里「肝に銘じておきなさい。まだ疑いが晴れた訳じゃないのだから」ゴゴゴ

つきにい「は、はぃぃぃ…」

悠里「明日から早速お仕事いっぱいしてもらいますから早めに寝てください。今日色々と忙しかったでしょうし」モゾモゾ

つきにい「……」モゾモゾ…

めぐねえ(ぅぅ…今日の悠里さんいつもに増して怖い……)

めぐねえ(あんな事あった直後じゃ多少取り乱すのも無理はない…かな)

めぐねえ(いずれにせよ恐らくバレていたでしょうからある意味早めにバラしておいて正解だったか否か……)

めぐねえ(まぁ…今はこんな傷跡の事よりも救援を呼ぶ方法を考えるのが先決でしょうけど)

めぐねえ(……この子達にあの事が知れ渡る前に、できれば)

つきにい「……」

悠里「……」



~1:00

めぐねえ 悠里((眠れん!!))

めぐねえ(どうしよう…ワクチンの副作用だか何だか知らないけどいつまで経っても眠気がやって来ない)

悠里(流石に歳上の男性と2人で寝るなんてできる訳ないよ…)

悠里(寝てる間に何かされてると思うと怖いし万が一発症も……)

悠里(ぅぅ…どうしよう……)

悠里(そうだ…こんな時こそ>>62しましょう)




読経

悠里(こんな時こそお経を唱えて精神統一…!)

悠里「もろもろの雑行雑修自力のこころをふりすてて、一心に阿弥陀如来、われらが今度の一大事の後生、御たすけ候へとたのみまうして候ふ。たのむ
めぐねえ(ぅわぁぁ何かお経読み始めたぁぁぁ)

めぐねえ(怖くて尚更眠れないよー)





<この御ことわり聴聞申しわけ候ふこと、御開山聖人…

胡桃(うるせーー!?)

美紀(隣から不気味な声が……)

圭(こんな夜中まで勤勉だね)

由紀「zzz」

太郎丸「zzz」







~7:00

胡桃「……おはよー、りーさん」ボーッ

悠里「…おはよぅ……」ボーッ

胡桃「昨日全っ然寝れなかったんだけど」

胡桃「つーかあんたらの部屋から何か物騒な声してたんだが」

悠里「え、ぇぇ…そそんなの聞こえなかったわよ?ねぇ慈さ…」クルッ

つきにい「zzz~zzz」

悠里(10秒でノックアウト!?)

胡桃「いびきかきながら歩くって…どんな曲芸だよ」

悠里「さっき叩き起こしたと思ったら即ニ度寝三度寝されるもんだから困っちゃうわねぇ」

胡桃「こりゃまるでめぐねぇそっ……

悠里「………」

胡桃「……悪りぃ…」

「………」

美紀「」オロオロ…

圭「あ、そういえば先輩…何か慈さんにセクシャルハラスメントされませんでしたか?」

悠里「」ブシャァァ!!

胡桃「りーさぁぁんっ!?」

美紀「ちょっ…圭!何言ってんのこんな時に!」

圭「へ、へへ…少し魔が差して」

美紀「少しどころじゃないよな!?おい!?少しじゃ済まないよコレ!」ユサユサ…

悠里「げほっ…けほっ」

胡桃「だ…ダイジョブ?りーさん」

悠里「これ見て大丈夫だと思う?」

胡桃「ううん。全く」

悠里「でしょうね」




胡桃「で…昨日一晩つきあってみてどうだった?りーさん」ヒソヒソ…

悠里「どうも何も…とりあえず異常は見られなかったわね」ヒソヒソ…

胡桃「症状の悪化とかは…」

悠里「いいえ。ご覧の通りピンピンよ」

胡桃「そっか…じゃあ本当にこいつの言った通り奴らには………」

悠里「だからってこんな大きい傷跡どう説明するのよ…じゃあ」

胡桃「……そりゃ………」

胡桃「もしかして1度噛まれた後に治ったとか?」

悠里「……或いは、ね」

胡桃「じゃ、じゃあもしその仮説が当たってるとすれば…」

悠里「どこかにワクチンが存在するかもしれないわね…本当にごく僅かな可能性だけど」

胡桃「そっか…!もう医療機関が機能してるのかも」

胡桃「ヤベェ…希望見えてきたよ!」

美紀「…あの胡桃先輩、今なんて…」

胡桃「あ、いや…それがさ」

悠里「胡桃ちゃん」

胡桃「………」

悠里(今そんな事話した所で状況は変わらないわよ)

悠里(大体まだ慈さんが発症してないだけで症状の悪化が遅いだけかもしれない)

胡桃(……)コクッ

胡桃「今日の朝飯、パスタみたいでさ」

胡桃「あたし大好物なんだよねー…ていう」

美紀「そ、そうでしたか」

圭「朝からパスタって重くないかなぁ」

美紀「そういう問題…?」

悠里「朝カレーも時々あったけどね」

美紀「それは……ちょっと」

「wwww」


胡桃(うまく話題は逸れた、か)

胡桃(めぐねえの弟さんねぇ……もう少し詳しく知る必要があるみたいだな)

つきにい「zzz…」

美紀「……この人椅子に座り込んでまだ尚寝続けてますよ」

圭「何か寝顔可愛いよねぇ」

胡桃「確か何だっけ?昨日だか一昨日だかに自宅から出発して命からがらここに逃げ込んできた訳だろ?」

胡桃「そりゃ疲労溜まってて当然だわな」

美紀「ここまでの道のりの事を考えると1番ハードだったのは慈さんだったかもしれませんね」

圭「実際慈さんが助けてくれなきゃ私達今頃…」

悠里「少なくともここほど設備が整った所なんて市内には無いんじゃないかしら?」トクトク…

悠里「自家発電、自家用菜園、浄水システム…」

胡桃「何かこう…出来すぎてる感が半端ないんだよなぁ」

美紀「…確かに最初ここの説明受けた時は万全過ぎ…っていうか」

美紀「かなり違和感を覚えましたね」

「……」

悠里「まぁ今考えても埒があかないし…特に貴方達3人は整理する時間も必要でしょう」

悠里「とりあえず今は生きる事に専念しましょ?」コト…

美紀「…同意です」

圭「……肝心のもう1人はおねんね中なのですが」

つきにい「zzz」

ガラ…

由紀「おはよー皆」

悠里「あ、由紀ちゃん。もうパスタ出来てるわよ」

由紀「おー!今日の朝食麺なんだ!」

由紀「おいひほ~」ダラダラ

胡桃「涎拭けよ」つティッシュ

つきにい「…いい香り……ぉ!」

つきにい「パスタ!美味しそう…」

つきにい「あれ?なんで私寝室じゃなくていきなりここに…」

美紀「寝ながら移動したんですよ…先輩」

つきにい「ええっ!?寝ながら!?」

圭「本人が1番驚いとる…」

胡桃(地味に由紀が最遅記録抜かされてるなおい)

悠里「さてと…それじゃ皆揃った事だし」

悠里「食べましょっか」

つきにい「…この世のすべての食
胡桃「もうええ」


「いただきます!」

つきにい「」ガツガツ

圭「」ガツガツ

太郎丸「」ガツガツ

胡桃「……💧」

胡桃「あれでがっついてんじゃなくて巻きの作業も入ってるってんだ」

胡桃「どうかしてるぜ」モグモグ

美紀「手先器用とかそんな問題じゃないですよね」

美紀(圭、この間まではそこまで食欲旺盛じゃなかったけどなぁ…)モグモグ

悠里「そうね…今日やる事と言えば野菜の収穫といつもの見回り位かな」

悠里「後人も沢山増えたから食糧の数の見直しとかも…」

由紀「!」ピンポーン

由紀「そーだ!折角だから6人で体育祭やろうよ!」


ピタッ


つきにい「…体育祭?」

由紀「そーそー!新しい部員も増えたし最近ろくに運動してなかったからね!」

由紀「皆で身体動かそー!」

美紀「え?」

胡桃「…へぇ。いんじゃね?」

圭「面白そう!やりましょやりましょ!」

美紀「え?え?」

悠里「まぁ…今から準備するとなると少しグラウンドは厳しいけどね」

つきにい「室内でもできる競技なんていくらでもありますよー」

ワイワイ…

美紀(えーーっ!?何故私だけ置いてけぼり!?)

美紀(大体何!?体育祭って!)






つきにい「という訳で3時間がかりで作りました!」

つきにい「臨時体育祭場!」パンパカパーン

由紀「会場から作り出すってのも学園生活部の醍醐味だよね!」

美紀「もっとやるべき事があると思います」

由紀「やるべき事よりやりたい事!」

美紀(ただのニート論じゃねえか)

胡桃「ポスターも貼っつけたし…早速始めるか!」

「おー!」

悠里「はーいそれじゃ赤白に組み分けたから指示通りに分かれてねー」




白チーム

つきにい「…」

美紀「…」

圭「…」

つきにい「…あの…」

つきにい「そっちずるくないっスか…?」

赤チーム

悠里「ん?何の事かしら?」

悠里「これでも公平に分けた方よ」

由紀「だって胡桃ちゃんとつきにいすっごい強いし…」

由紀「分けて当然だと思うよ?」

胡桃「本当だぜ、りーさん」

胡桃「 合 理 的 な ジ ャ ッ ジ 感 謝 す る ぜ 」ゴゴゴ

めぐねえ(ひぃっ!?)

めぐねえ(赤チーム怖い!)

圭「あっちの威圧感半端じゃないね」

美紀「いや…だからそういう問題じゃ……」

悠里(丁度いいわ…ストレスも溜まっていた事だし…)ゴゴゴ

胡桃(あのウェ○カー野郎に一矢報いてやるよ…昨日のお礼も込めてな)ゴゴゴ

由紀(後輩だからって手加減しないぞー)ゴゴゴ

めぐねえ(あの3人いつのまに火ついちゃって……)

めぐねえ(…まぁ楽しいからいいのだけれど)

めぐねえ(流石にはいはいと敗ける訳にはいかないわね…)ゴゴゴ

つきにい「…そっちがその気ならやってやりますよ…」

圭「ええ…望むところ!」

美紀「…もう何でもいいよ…」

悠里「じゃあまず私と圭ちゃんで第1種目やりましょうか」バチバチ…

圭「もちろん、いいですとも」バチバチ…

悠里「はい、圭ちゃん1枚紙取って」

圭「え?箱?」

悠里「競技くじ。最初から決まってたらつまらないでしょ?」

圭「ぇぇえーーー!?」

胡桃「うっわ…りーさんの事だからロクなの書いてねぇよ多分」

由紀「でもR18的な展開は起きないと思うから大丈夫だ思うよ!」

胡桃「メタ発言で釘さしてくスタイルなのなコレ…」

つきにい「圭さんファイトー!」

美紀「…ガンバレ…」

圭「む、むむむ…」ゴソゴソ…

ガシッ

圭「こぅぇぇだぁぁぁあっ!!」スポッ

めぐねえ(小枝?)

圭「ど、どうですか?」スッ…

悠里「…ぇーっと…」

悠里「あー、コレは>>72ね」

第1種目>>72


ムカデ競争

圭「え、ムカデ競争て…」

胡桃「普通団体競技だよな」

胡桃「あのうにゃうにゃするヤツ」

美紀「個人じゃムカデになんて…」

悠里「あら…ムカデ競争なんだから」

悠里「頭にムカデを乗せながら走るに決まってるじゃない」

「…………え?」




圭「えっと…悠里先輩?」

悠里「なぁに?圭ちゃん」

圭「本当に…乗せるんですか?ムカデ……」

悠里「当然でしょ?何…頭に虫を載せるか乗せないかの違いだけよ」

圭(かなり違ってきますよね部長!?)

胡桃「まぁその…なんだ」

由紀「首領Michael」

つきにい「……」ニコッ

圭(皆ハイライトオフしなさってるぅーー!?)

圭「美紀!Help meeee」

美紀(……勝手にやってろ…もう)

美紀「はいそれじゃムカデ乗った瞬間スタートでーす」

圭「み、美紀?私達親友だよね!?ムカデを大親友の頭に乗せ
ポトッ

美紀「スタート」

圭「きぇぇぇぇーー!!?」ダダダダダッ

悠里「……あらあら」

圭「きぇぇぇぇ!?きぇぇえぇえ!!」グシャグシャ

訳:ムカデムカッデェェ!?キショイキショイキショ嫌ぁーー!!

ポトッ

胡桃「おーおー速ぇな。ありゃ陸上選手の素質あるぜ」

美紀「9.9割方起因ムカデなんですけどね」

悠里「コレは追いつけないわねぇ…仕方ない」

悠里「この子と戯れ合ってましょう」

由紀「…」<よしよし…可愛いわねぇ

由紀「つきにい…」

つきにい「何?由紀さん」

由紀「ムカデって可愛いのかなぁ」

つきにい「……少なくとも私は見ただけで拒絶反応起こしますが」

由紀「だよねぇ」

圭「ぜぇ…ぜぇ……」

圭「何とか…100m走り切った……!」

悠里「その分だとコーナー曲がるのきつかったでしょ」

圭「そっちじゃねえよ!!」

由紀「ソッチジャネーヨ?」

つきにい「ありましたねそんな国」

美紀(無いだろ)

胡桃「とりあえず…圭が先にゴールしたから白の勝ちか?1種目目は」

悠里「お待ちなさい。結論を出すにはまだ早いわよ」

悠里「圭ちゃん…貴方ムカデ途中ではらったわね?」

圭「は、はい…あ」

悠里「ムカデ競争なんだからムカデ乗っけてなきゃ失格でしょ」

悠里「コレは赤チームの不戦勝よ」

圭「え、ぇぇぇ!?」

美紀「ちょっと待って下さい!悠里先輩だってムカデを頭から…」

悠里「あら?私はちゃんと彼女からムカデが落ちたのを確認してから手に移したのよ?」

悠里「それに結果的には身体に乗せてるからセーフじゃないかしらそれも」

胡桃「言いくるめにしちゃ上出来だな…何ら間違っちゃいねぇよ」

悠里「という訳で赤チームに10ポイントね」

圭「そ、そんなぁ……」フラフラ…

ドサッ

つきにい「…圭さん!圭さぁーん!?」

圭「ぅ…ぅぅ」

つきにい「しっかりして下さい!圭さん!」

圭「…っ……慈さん」

圭「最後の朝餐は…できればカルボナーラじゃなくてペペロンチーノが良かった…です」

圭「がくっ…」

つきにい「…圭さん……」


美紀(……遺言それ……?)



つきにい「貴方の頑張り無駄にはしませんよ…!」

つきにい「第2ラウンド始めようか……」バチバチ

胡桃「いいぜかかってこいや」バチバチ

胡桃「出番だ由紀」

由紀「らじゃー!」

つきにい「由紀さんか…」

美紀(……馬鹿らしい…)

美紀「とっとと終わらせてやりますよ先輩」

つきにい「…美紀さん」

悠里「ふぅん…由紀ちゃんと美紀ちゃんね」

悠里「最初そっち引いたから次競技選ぶのは由紀ちゃんでいいわよね?」

美紀「異論無いです」

由紀「負けないよみーくん!」

由紀「先輩としての威厳もかかってくるからね!」ゴソゴソ…

美紀「み…え?」

由紀「どれにしようかな天のか

由紀「これでいいや」スポッ

めぐねえ(神様のいう通りにはしないのね…)

悠里「んーと…これは……」

胡桃「>>78か?」

第2種目 >>78

スイカ割り

つきにい「スイカ割りですか…」

胡桃「そもそもここにスイカなんてあんのか?」

悠里「この間大きなスイカが収穫できたのよ」

悠里「皆で分けるのもいいと思ったけどこっちの方が面白かったから」

胡桃「こっちって……」

悠里「この体育祭の優勝チームにこのスイカ2個を贈呈しましょう」

悠里「夏っぽいイベントでしょ?」

美紀「少し過ぎてますけどねシーズン」

由紀「うぉぉ!デザート取るぞおお!」

胡桃「ファイト由紀!……」

胡桃(両チームのスイカを貰うって…)

胡桃(逆に言うとあまりに粉々にするとその処理係になるって訳だ)

胡桃(考えてんなぁりーさん)

悠里「ふふ…で、どっちが先に挑戦するかしら?」

美紀「じゃあ…こっち先攻で」

つきにい「頑張って下さいよ美紀さん!」

美紀(あまり期待はしない方がいいですよ)ギュッ

美紀「目隠し完了」

悠里「じゃあこっちに来て」スタスタ…

悠里「ここから3m圏内にスイカがあるわ」

悠里「さて見つかるかしら」

美紀「…」

胡桃「ほんじゃまスタート!」

美紀「…スイカスイカ…」スタスタ

つきにい「頑張れー美紀さん!」

圭「そのまま真っ直ぐー!…あ!少しずれた右右!!」

胡桃(アレ…ダウンしてた筈の人が生き返ってるぞ)

美紀「こ、こっち?」ピタッ

つきにい「…あー2歩右!」

美紀「これは?」ピタッ

圭「んー左1!」

美紀「えーっと?」ピタッ

圭「右に半歩?」

美紀「ぇぇ…ここ!?」ピタッ

つきにい「……0.12歩右」

美紀「出来るかそんな事!!」ブンッ

つきにい「あ」
圭「あ」
美紀「あ」スカッ

胡桃「…お前ら自爆好きだな」

悠里「はいはい。一本空振りしちゃったから交代」

つきにい「ぇぇええー!?」

美紀「慈さんの馬鹿ーー!」

悠里「次はこっちの番よ」

悠里「由紀ちゃん頑張ってね」

由紀「おー!」ギュッ

美紀「うう…0.12歩右に行けば……」

圭「まぁまぁ仕方ないよ…私なんかムカデだし」

圭「ほ、ほら…由紀先輩も空振ったら2回戦目あるから」

胡桃「ふはは…果たしてそんな余裕があるのかな?」

悠里「よーいスタート!」

由紀「ぉぉぉー」スタスタ…

美紀「あれ…先輩方指示しなくていいんですか?」

悠里「由紀ちゃんはね…とても鼻がきくのよ」

圭「鼻?」

めぐねえ(そうだ…由紀さんは警察犬にも引けを取らない嗅覚の持ち主だ…)

めぐねえ(番が回った瞬間私達の敗北は必至……)

胡桃「由紀はトリコ?」

由紀「ふむふむ…」クンクン…
<マッテローヨ!

由紀「!」スタスタ…
<イッテイーヨ!

由紀「発見!」

美紀「わっ…ドンピシャ!?」

胡桃「行けぇ!由紀ーー!」

由紀「えーーい!」ブンッ

グシャ!



胡桃「……」

悠里「あらあら」

由紀「いい手応え~さてスイカちゃんはどう…」シュル…

グチャグチャ…

由紀「はぐぅっ」

圭「腕力までトリコだったらそりゃ粉々なるね」

めぐねえ(勝負に勝って戦いに負けたって感じね)

美紀「残飯処理…よろしくお願いしますよ」

胡桃「残飯処理言うな!」

胡桃「まぁお前らのおかげでまだ傷1つ付いてないスイカが貰える事になったけどな!」

つきにい「おっと…まだ私と胡桃さんの競技が終わってませんよ?」

胡桃「3種目目勝ったところで10対20じゃウチらの勝ちだろ」

悠里「それはそれでつまらないから3種目目勝ったチームには100ポイントあげましょう」カキカキ

胡桃「え、ちょ…りーさん!?こいつに勝てる訳ないんだから序盤2戦でケリつけに行ったんじゃねえの!?」

悠里「まぁまぁ…余興みたいなものよ余興」

悠里「それに万が一負けてもこのスイカミンチの処理もチャラになるわよ?」

胡桃「だからってよ~」

つきにい「あれ…さっきはあんなに殺気立っていたのに今頃怖気付きましたか?」

つきにい「なんちゃって」

胡桃「ぁあん!?」

つきにい「…失敬失敬。大の成人が大人気ないですよねこれじゃ」

つきにい「いやいや…陸上部員ともあろう方がかなり取り乱していたものですから…」

めぐねえ「お可愛いですこと」クスクス

胡桃「…表出ろや」

胡桃「陸上部コケにしたの後悔させてやるよ」

胡桃「その鼻先へし折ってやらぁ…」ゴゴゴ

つきにい「おお、怖い怖い…」ゴゴゴ

悠里「あらあら」

悠里「2人して熱くなっちゃって」

由紀「……」

圭「どうしたんですか?由紀先輩」

由紀「んーん?何でもない」

美紀「それでは最後の競技決めてもらいましょうか」

胡桃「アンタでいいよ。さっき引いたからなウチらは」

つきにい「はーい」ゴソゴソ

めぐねえ(ノリで引きに来てしまったけどまずかったのでは…)

めぐねえ(もしかしたらまたムカデ競争みたいに変なの当たったら…)ゴソゴソ…

つきにい「…ぬわーっ!」スポッ

胡桃「よし。引いたな…どれどれ」スッ…

胡桃「……」

つきにい「…?」

悠里「>>84ね」

最終種目 >>84

玉入れ

つきにい「玉入れ…か」

めぐねえ(良かった…ごく普通のだ)

悠里「何か味気ないわね」

胡桃「あまり陸上と関係ないしな…」

悠里 胡桃「「…はぁ……」」

めぐねえ(あれ…逆に呆れられた)

胡桃「まぁいいさ。球技も別に専門外って訳じゃねぇよ?慈さんよ」

つきにい「さぁ…どうでしょうかね」



由紀「さぁやってまいりました最終種目グレート玉入れ大会!」

由紀「実況は私丈槍由紀がお送り致します!」

由紀「ルールは簡単!鍋の中にどんどんボールを入れてって最終的に入ってるボールが多かった方のチームが勝者となります!」

由紀「お鍋は1つしかないのでのろのろしてると相手のボールで一杯になってしまうのでご注意ください!」

由紀「お二人共準備はよろしいでしょうか!?」

胡桃「いいぜ。いつでも」

つきにい「勿論」

由紀「ではよーい…」

由紀「スタート!!」

胡桃「よっと」ブンッ

カランカラン…

胡桃「っしゃ!」

由紀「おーっと!開始直後くるみ選手が1個投げていく!」

由紀「ただでさえ天井と然程距離が無いから入りにくあの鍋の中に難無く入れてみせたー!」

由紀「これは試合の行方はどうなると思いますか?解説のりーさん」

ゆうりおねえさん「くるみちゃんはですね、基本的には陸上部の競争の種目に所属してまして」

ゆうりおねえさん「若干ゃ足が速い人達の集まりなので…まぁその中でも群を抜く速さの持ち主でかなり脚鍛えられてるんですよ、ええ」

ゆうりおねえさん「で身長も中の中と言ったところで高過ぎず低過ぎずと言ったところで」

ゆうりおねえさん「射撃力…ですかねぇ…」

ゆうりおねえさん「標的に向かって、スッと、投擲できる女の子でして結構狙い撃ちが好きでして」

ゆうりおねえさん「遠い所…1m2m位ターゲットが離れてても余裕で投げつけてくれますね」

由紀「……えっと…つまり?」

悠里「まぁ彼女の有利という点は否めないのではないでしょうか」

由紀「そ、そうですか…ね?」カランカラン

由紀「あ、また入った」

胡桃「どーだ…さっきから球がやってこねぇぞ?ん?」

胡桃「あたしなんかもう4個…ん?」

つきにい「よいっしょ…このくらいでいいかな?」ガッ

由紀「うわわっ…つきにい選手まさかの一気投げ!?」

胡桃「」

由紀「あの量だとボール10個は下らないのではないでしょうか!?」

悠里「15個はありますねぇ」


つきにい「えいっ」ブンッ

ガラガラ…

由紀「おーっと無数のボールを豪快に鍋に向かって放り投げるーー!」

由紀「しかし半分近くボールが落ちていくー!?」

悠里「逆に言うと半分は入っちゃってるのよねぇ」

悠里「意外と球1個ずつ入れるよりかはこういう風にまとめて入れた方が効率いいし入る確率も高いのよ」

圭「へー」

美紀(関心するのそこかよ)

胡桃「っの…負けてられっか畜生ぉぉ…!」ブンブン…

つきにい「えーい!」ブンブン…




悠里「えーっと白15個の赤8個なので」

悠里「白チームの勝ちよ!」

つきにい「ヤター!勝ったーー!!」

美紀「お、おめでとうございます…慈さん……!」

圭「すごかったですよ!」

胡桃「くそぅ…おのれアルバート…」

由紀「くるみちゃんもすごい頑張ってたよ!最後白熱してたし!」

胡桃「…そ、そー…かな」

悠里「さーてと、それじゃスイカを彼らに渡してそれから片付けに入りましょうか」

つきにい「あ、そのスイカ…6等分にしてもらえませんか?」

悠里「え?3人で2回に分けて食べるの?」

つきにい「いえ……」チラッ…

圭「」コクコク

つきにい「運動後に皆で食べる時の方が美味しいかなって」

悠里「……そうね。貴方達がそういうならお言葉に甘えてそうさせてもらうわよ」

悠里「あくまで所有権は貴方達のだし」

胡桃「…」

由紀「よーし!それじゃ皆!早速会場の撤去始めよー!」

「おー!」




由紀「私ゴミ捨て行ってくるねぇ」ガラ

胡桃「おぅ!早めに戻ってこいよ」

由紀「はーい!」スタスタ…

胡桃「…」

悠里「どう?少しは慣れた?3人共」

美紀「まぁ、少しは…」

圭「楽しいですよ!滅茶苦茶!」

圭「こうやって鈍った身体を動かして尚且つ学校の行事を楽しめるんだから!」

圭「由紀先輩すごいと思います!」

つきにい「…そうですね」

つきにい「彼女といると何だか…元気がもらえます」

胡桃「そりゃ良かった」

胡桃「あいつ…変な事言うけどかなり面白い奴だろ?」

胡桃「あたし達が何をどうすればいいか考え込んでる時にあいつは助言をくれるんだ」

胡桃「今までもこれからもずっと由紀には支え続けられるんだと思う」

胡桃「少し…辛いかもしれないけど少なくともここにいる間は出来ればあいつに合わせてやってくれないか?」

つきにい「……私はい
美紀「私は反対です」

胡桃「…なんでだ?」

美紀「確かに…楽しかったですよ?でもっ、ずっと楽しかったら何でもいい訳じゃないでしょう」

美紀「このままどうするつもりなんですか?」

美紀「由紀先輩、放っとくんですか?」

胡桃「放っとくって…そんなんじゃ……」

悠里「……」

美紀「何も変わりないでしょう?結局言い分つけて放棄してるだけじゃないですか」

圭「ちょ…み、美紀っ今は……」

美紀「このままじゃダメですよね?」

胡桃「別に…ダメじゃないだろ」

胡桃「だって
悠里「由紀ちゃんは学園生活部に欠かせない子よ」

悠里「彼女が楽しい事いっぱい思いついてくれるから私も胡桃もかなり助かってる」

悠里「それじゃダメ?」

美紀「そうやって甘やかしてるから治るのも治らないんじゃないですか?」

悠里「……甘やかすとか治るとかそういうものじゃないのよ、美紀ちゃん」

美紀「どう違うんですか」

悠里「………」

悠里「…あなたは由紀の事まだよく知らないから…」

悠里「由紀のお陰でどれだけ私達3人が助かっていたのか……」

めぐねえ(…悠里さん……)

美紀「…」

美紀「そんなのっただの共依存じゃないですか」

悠里「…あなたねっ……!」

圭「…」オロオロ

美紀「何か、間違った事言ってますか私」

胡桃「おい、よせよ2人とも!」

胡桃「そんな事言ってる場合じゃ…」

つきにい「…由紀さん、帰ってきましたよ」

胡桃「え?」

由紀「ただいまー!」ガラ

由紀「ん?何してるの?皆」

胡桃「いや?何でも…」

胡桃「由紀そこにあるボール取ってくれ」

由紀「はーい」

美紀「……はぁ……」

つきにい「…」




由紀「」ガツガツ

圭「…」モグモグ…

胡桃(…どうせどっかで誰かと衝突するとは思ってたけどさぁ…)モグモグ…

胡桃(こりゃまた面倒な…)

太郎丸「?」

悠里「…」モグモグモグモグ

美紀「……」

つきにい「…美紀さん。箸が進んでないよ」

由紀「つきにい…それを言うならスプーンだよぅ」

つきにい「ははっ…そうでしたね」

由紀「みーくんもみーくんだよ!もっと美味しく食べなきゃ!」

由紀「折角のお昼ご飯なんだから!」

美紀「……すみません」

美紀「少し考え事してて」

胡桃「考え事?」

美紀「今と同じ事したままだって駄目だから」

美紀「この先どうするべきかなって」

圭「美紀…だから……」

悠里「この先ね……確かに人も増えたし」

悠里「やれる事もあるわよね」

由紀「やれる事…この先かぁ」<むむむ

由紀「確かに悩むなぁ」

由紀「ねぇ、みーくんは進学?就職?」

美紀「え?」

由紀「やっぱり進学かな!?みーくん頭良さそうだし」

悠里「由紀ちゃん、就職にも試験はあるのよ?」

由紀「えっ!?そうなの!?」

つきにい「…多分勉強しなくてもいい進路は無いと思うなぁ」

由紀「ぅぅ…先が思いやられるよぅ」

ガタッ!

美紀「食べ終わったのでお先失礼します」スタスタ…

由紀「え…まだこんなに残ってるよ?いいの?」

ガチャ…

美紀「今は…一杯一杯なんで」

美紀「ごちそうさまでした」ペコッ

バタン…

悠里「…美紀……」

圭「…っ…」




悠里「ごめんなさいね々さっきは強く当たっちゃって」

圭「そんな…悠里先輩のせいじゃ」

圭「むしろ私達のせいで…」

悠里「こんな状況だもの…お互いぶつけたい思いとかもあるでしょう」

悠里「多分その内慣れてくると思うわ、あの子も」

悠里「もう夕方になっちゃうし…今日はもうあがりでいいわよ」

悠里「身体動かしてクタクタだろうから」

圭「はーい…」

圭「…」スタスタ…

つきにい「…あらら…」

めぐねえ(ピリッとした雰囲気になっちゃって…美紀さんはどこかに行っちゃうし)

めぐねえ(何とかならないかしら……)

めぐねえ(……とりあえずこの後何をしよう)

1.みーくんの後を追う
2.地下に一旦戻る
3.屋上の菜園に行く

>>93



3

つきにい「ここが…屋上」

めぐねえ(久々に来たわね)

めぐねえ(確か彼女達とここであの時…)

つきにい「おろ?」

胡桃「…」ガッガッ

つきにい「胡桃さん、何してるんですか?」スタスタ

胡桃「あ…何だ。慈さんかよ」

胡桃「りーさんかと思った」

つきにい「悠里さんなら今は家計簿つけてますよ…せっせと」

つきにい「…何してるんですか?土掘ったりして」

胡桃「……これか?」

胡桃「アンタんトコの姉さんの墓だよ」

つきにい「…!」

胡桃「……あれから…丸2日経ったけどめぐねえが戻ってくる気配が無い」

胡桃「1階と2階も試しに探してみたけど、人が居るような形跡は見当たらなかった」

胡桃「多分食べられちゃったんだろうな…やっぱり」

つきにい「なんで今になって?」

胡桃「そりゃついこの前の事でドタバタしてたし」

胡桃「………」


胡桃「信じられないんだ。今でも」

つきにい「信じられない?」

胡桃「いや…そりゃ由紀が見てるのは幻覚なんだろうし死んじゃったって心の中では思っていても……」

胡桃「まだ、その…なんて言うんだ」

胡桃「なんとなくめぐねえは実はまだ生きてるんじゃないかって思って…」

胡桃「そんな気が…して」

めぐねえ(……)

胡桃「ぁぁっ…!悪い……辛気臭い顔しちまって」

胡桃「アンタはここ来て間も無いのにな」

胡桃「あたしが慌てちゃ意味ねぇよな、うん」

つきにい「……立派です。そうしようと思うだけでも」

つきにい「私なんて男で皆より歳上で貴女方を引っ張るべきなのにそれでもまだ怖くなる時があります」

つきにい「最初の方は辛いかもしれませんが、頑張りましょう」

つきにい「6人で」

胡桃「…仰る通りでございますよ先輩」

つきにい「え?せ、先輩?私が?」

胡桃「自分から歳上て言ったじゃねぇかよ。人生的にはあたし達より豊富な筈だろ?慈さんよ」

つきにい「…むむむ…何かもどかしいというか」

胡桃「まぁ私が一人称なんて男性滅多にいないけど」

めぐねえ(はぶあ!)ビクッ

つきにい「そ、そうかなぁ」

めぐねえ(そうね…)

めぐねえ(思えば3人の中で1番接点が無かったのって胡桃さんじゃないかしら「

めぐねえ(いい機会だわ。折角だし何か交流して仲を深めましょう)

めぐねえ(元先生としてもこの子達の事は出来るだけ把握しておきたいし)

めぐねえ(…何しよう)

>>96

故人(めぐねえ)の生前の行動を聞く

つきにい「…あの、少しお聞きしてもいいですか?」

胡桃「ん?」

つきにい「めぐねえ……その、姉さんはどう…でした?」

胡桃「ど、どうって言われても…」

つきにい「知っておくべきかと思ったんです」

つきにい「最後の数日間姉さんがどんなふうに過ごしてたのか」

つきにい「貴女達にとってどんな影響を与えてたのか」

胡桃「……そうかい」

胡桃「そうだな…何から話そう」

胡桃「…まぁ一言で言うとよく分からないな」

つきにい「分からない?」

胡桃「あの人フワフワしている雰囲気の割にはかなり几帳面だし計画性あるし」

胡桃「意外と頼り甲斐がある…って言えばどこか抜けてる所もあるし考えてる事よく分からねぇ事あるしおっちょこちょいだし」

めぐねえ(へぶば!)グサグサグサッ

胡桃「とにかく面白い先生だったよ。あの人は」

つきにい「へ、へぇ…そうなん…です、か」

胡桃「……最初にこの学園生活部を立ち上げようって言い出したのもめぐねえなんだ」

胡桃「ただ怯えながらここで留まっているよりも当たり前のような日常を過ごす方が楽しいって魂胆だと」

胡桃「あたしはそれこそ否定はしなかったけど肯定もしてなかったさ。そんな馬鹿げた事したって虚しいだけだって」

胡桃「だからって必死こいて反対する気力も無いしそれをした所で別に意味は無かったし」

つきにい「…」

胡桃「美紀と同じだったよ、あの時は」

胡桃「最初の頃はりーさんとギクシャクしてた時もあったし色々面倒くさかった」

胡桃「けど、それまでの生活と明らかに変化していた事が1つだけあったよ」

つきにい「変化?」



胡桃「ついこの間ではさ、元気もクソも無かったってのに」

胡桃「今じゃこんなに笑ってられるんだ」

胡桃「これも全部めぐねえのお陰だよ」ニコッ

めぐねえ(……私の…お陰?)

胡桃「由紀にとって1番の理解者だったし」

胡桃「めぐねえには最初から最後まで助けられっぱなしだったよ」

胡桃「学園生活部の柱でもあった」

胡桃「……せめて…も少し立派な墓にしてやりたかったよ」

胡桃「菜園の隅っこにただ十字架ポツンと置いただけなんて多分めぐねえ相当怒るだろうなぁ」

胡桃「そもそもの話死体が無いし」

つきにい「…そんな事、無いと思います」

胡桃「なんで分かるんだ?」

つきにい「教師の義務も全うして…生徒達からもこんなに愛されて…」

つきにい「姉さんはきっと今でも幸せで胸いっぱいだと思いますよ」

つきにい「…あの人らしいピリオドの打ち方だったんじゃないかな」

胡桃「……そうかな」

胡桃「そうだと嬉しい…けど」

胡桃「まぁめぐねえの事だからひょこっと帰ってくるかもな!」

胡桃「実はあいつらから逃げ切ってて一旦学校から出てるとかw」

つきにい「……少し下の様子を見に行ってきます」

つきにい「美紀さんも心配だし」スタスタ…

胡桃「……おう」

ガチャ…


めぐねえ(…私の、お陰…)

めぐねえ(こんな酷い事態に追い込んだのも私達のせいなのに…ね)

めぐねえ(……)バタン…




つきにい「只今帰りましたー」ガラ…

悠里「あ、お帰りなさい。慈さんに美紀ちゃん」

つきにい「おろ?」クルッ

美紀「…前で立ち塞がられると困るんですが」

つきにい「ご、ごめんなさい」

由紀「おかえりーみーくん!」

美紀「だからみーくんじゃないですって…」スタスタ…

ドサッ

悠里(…むー…)<ガサゴソ

美紀「あった…これこれ」

悠里「美紀ちゃん、もしかして」

つきにい「あ…本だ。美紀さん何か借りたんだ」

美紀「ええ、図書室から拝借させていただきました」

悠里「ちょっと…あれ程1人で行かないでって言ったじゃない」

美紀「いいんですよ。もう習性も大方把握しているから1人でも」

悠里「ちゃんと部の規則は守ってよ」

美紀「この部活に入部した覚えは無いです」

由紀「えぇーー!?みーくん学園生活部に入らないの!?」

美紀「ちょっと先輩は黙ってください」

由紀「なぬっ!理不尽な!?」

悠里「だから美紀ちゃん…」

つきにい「危ないよ美紀さん…図書室って」




つきにい「下の階にある部屋じゃないですか」

「………」

めぐねえ(あ、あれ…私何か変な事言ったかしら?)

めぐねえ(何この冷たい空気!)

由紀「つきにい…すごい!」

由紀「私昨日1階と2階の説明省いてたのに…」

由紀「もう把握してたんだね!」

めぐねえ(……あ……)

つきにい「そ、そうなんですよ~…ここより下はヒミツ☆なんて言われたものでしたから」

つきにい「3階にあった校内地図を参考に…」

由紀「へー」

めぐねえ(ヤバイヤバイ…そうだ。まだ私は昨日初めてここに訪れた事になっている)

めぐねえ(学校内の構造をきっちり把握しているのはあまりにも不自然だわ)

悠里「………」

悠里「えっと…何の話をしてたかしら」

美紀「あー…夕食の献立ですね」

悠里「あ、それよそれ」

めぐねえ(セーフ!何とか追求されなかった!!?)

めぐねえ(とりあえず退部は免れた…)

美紀「……」ドッサリ

めぐねえ(…それにしてもかなりの数の本持って来たわね)

めぐねえ(多分こんな状況じゃマニュアルなんて残っていないと思うけど…)

めぐねえ(念には念をね)

つきにい「ねぇ美紀さん」

美紀「はい?」

つきにい「私にも一つ貸してくれませんか?」

つきにい「何もしないのもあれだし少しは独学したいなー…みたいな」

美紀「…いいですよ」

つきにい「恩に切ります!」

めぐねえ(1冊ずつ借りて読む事にしましょう)

めぐねえ(もしかすると奴らに関する情報も載っているかもしれない)

めぐねえ(逆に言うと借りてきた本がそんな危険な物か確認する為でもあるけどね…)

めぐねえ(何読も……)

めぐねえ(あ…>>103があった。これにしよう)

つきにい「ねぇ美紀さん、これ借りてもい…」

美紀「……」ゴゴゴ

つきにい「はうっ!?」

めぐねえ(そりゃそうよね…この現状じゃこの本に目がつくのも仕方ない…)

美紀「…いいですよ、ご自由に」ニコッ

つきにい「…え?いいの?」

美紀「はい。私しばらく別の本を読もうと思うので」

つきにい「………あ、はい」

つきにい「それじゃ、遠慮なく」

めぐねえ(あれ…予想よりも反応が薄かったわね)

めぐねえ(こんな本よりももっと重要なものなんて…)

美紀「……主人公……」

めぐねえ(多重人格の実態…?)





つきにい「ふむふむ…」ペラッ…

つきにい「応急手当の方法、薬の調合…簡易的な動植物辞典」

つきにい「これだけの薄さでなんて情報量…まさに百人力だなぁ」

悠里「zzz…」

つきにい「ふぁぁ…」

めぐねえ(悠里さんは…今日は普通に寝込んでるか)

めぐねえ(眠くなってきたしそろそろ私も休もうかしら)

つきにい「その前にト~イレ」ガチャ…



つきにい「むむ…?」スタスタ…

つきにい「部室にまだ明かりが…」

つきにい「誰か起きてるのかなぁ」

ガラ…

美紀「わわっ…な、何ですか慈さん!?💧」

美紀「ノックしてから入ってくださいよ…驚くじゃないですか」

つきにい「そりゃこっちの台詞ですよ…」

つきにい「もう日をまたぐのにまだ読書ですか?」

美紀「あはは…少し面白かったから没頭しちゃって」

美紀「もう数ページ読んだら寝るつもりです」

つきにい「そっか」

つきにい「夜更かしは控えるようにね」

美紀「はーい」

バタン…

美紀「……さ、続き続き」







『多重人格の実態と伝説』

ペラッ

ーーー主人格は自己を守るために人格交代時の記憶を持っていない事が多く、結果として無謀な行動をする事があります。

ペラッ

ーーー救済人格とは交代人格の一つであり主人格をサポートする機能を持ちます。

ペラッ

ーーー主人格が無謀な行動をしようとした場合、交代して現実的な対処をする訳です。

美紀「………」

美紀「ひとまずこんなもんかな」パタン…

美紀「もう0:30か…少し見入っちゃったかな」ゴシゴシ…

美紀「そろそろ…」

ガラ…

美紀(また!?)

由紀「ふわ~…」

由紀「あ、みーくんまだ起きてたんだ」

美紀「先輩…なんで今頃」

由紀「おトイレ」

美紀「そ、そうですか」

胡桃「何だよ…もう」スタスタ…

胡桃「いきなり飛び跳ねるから何かと思ったじゃねえか」

圭「ん…」ゴシゴシ

由紀「ありゃりゃ…皆起きちゃったかぁ」

胡桃「お前が騒がしんだよ」ペシッ

由紀「ごみん」

胡桃「お、こんな時間まで読書かよ美紀…」

胡桃「何の本だ?それ」

美紀「勉強の本です」

由紀「こ、これが進学組の心がけか!?」ササッ

由紀「オソロシヤ…」

美紀「別にそういうのじゃ…」

美紀「…はぁ」ガタッ

由紀「ん、どこ行くの?みーくん」

美紀「ただのお手洗いですよ…それが何か?」スタスタ…

由紀「学園生活部心得第三条!!」ビシッ

美紀「…?」ピタッ

由紀「夜間の行動は単独を慎み常に複数で連帯すべし!」

美紀「だから私は部員じゃないですってば」

由紀「まぁまぁ!私も丁度行きたかっからさ!折角だから一緒に、ね!?」


圭「…な、なら?…」スッ

胡桃「……まぁ待て」

圭「…胡桃先輩?」

美紀「……勝手にしてください」

由紀「やっほー!」

胡桃「馬っ鹿…りーさん達も起きるだろ!」

由紀「ごみん…」

胡桃「早めに戻ってくるんだぞー?」

由紀「はーい!」

美紀「……」スタスタ…

バタン

圭「大丈夫…ですかね。2人で」

胡桃「んー…まぁいざって時にゃ由紀いるし大丈夫っしょ」

胡桃「……」

胡桃「た、多分」




保守してくれるお前らDie好き
そろそろ投下するわ

「……ぐぅぐぅ…すやすや…」



めぐねえ(あれから2日経ったけど…)

めぐねえ(こんな身体からかまだ生きた心地がしないわね…一度は死んでもおかしくない状況だったしなぁ)

めぐねえ(数人の女子高生に1人男の子が囲まれるなんてある意味1番危ない場面かもしれないけど、早くあの子達に溶け込まないとね)

めぐねえ(………直樹さん大丈夫かしら……)





…全部嘘なんでしょう?

めぐねえ(……?)

この学校には誰もいないんです。もう終わってるんですよ。

めぐねえ(この声は…直樹さん?)

だからもういいんですよ、隠さなくて。



「………」

由紀「ねーめぐねぇ!」

めぐねえ(………ん……丈槍さん…かしら)

めぐねえ(なんで私達の寝室に)

めぐねえ(というか、何か身体に馴染みのある?違和感が…)

由紀「めぐねえったら起きてよー」グィィ

めぐねぇ「ふぇびたたたた…由紀ちゃん頬!頬引っ張らはいへ!」

由紀「あ、やっと起きた」

めぐねぇ「む、むぅ…そんな乱暴な起こし方じゃなくても…」

めぐねぇ「それに由紀ちゃん?私はめぐねえじゃなくて佐く………」

めぐねぇ「………?」

由紀「どしたの?めぐねえ」

めぐねえ(…あれ……)

モミモミ…

由紀「い、いきなりどしたの!?めぐねえ!」

由紀「おっぱいなんか揉んだりして…」

めぐねえ(これ…私の……身体?)

めぐねえ(なんでまた♂から♀に性転換したの?それに…なんで私廊下に立って…え?)

めぐねえ(状況がよく判断できないわ…)

めぐねえ(………あれ…丈槍さんに私の姿が見えているって事は…………)

めぐねえ(………え………)

由紀「なんかいつもとおかしいよ?めぐねえ…」

由紀「そわそわしちゃって」

めぐねぇ「そ、そうかしら…ごめんなさいね」


めぐねぇ「……あーっと…それで今私に何か用事があってここに呼んできたのよね」

めぐねぇ「一体どうしたのかな?多分もう日にち跨いじゃってると思うけど」

由紀「あ、そうそう!」

由紀「あのね…めぐねえ。今ね、みーくんと一緒にトイレ行ってたの」

由紀「それで廊下渡ってる途中でちょっと喧嘩しちゃってね…」

由紀「……2階行っちゃった…みーくん」

めぐねぇ「!?」

めぐねえ(そういえばここ…机の山って)

めぐねえ(バリケードの前じゃない!?)

由紀「どうしたらいいかなぁ…って思って」

由紀「私追いかけようとも思ったけど勝手に行ったらめぐねえに怒られそうだから…」

めぐねえ(……直樹さんは何を考えているの?)

めぐねえ(まさかここまでやつらを引きつけて丈槍さんに見せようと…)

めぐねえ(……っ……)

由紀「どうしよ…めぐねえ」

めぐねぇ「…>>121


    おれ逃げた犬探してくるわ。
       ∧,,∧  ∧,,∧
    ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
   ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` ) オレがいく。
   | U (  ´・) (・`  ) と ノ

    u-u (l    ) (   ノu-u
        `u-u'. `u-u'   俺はこの間に風呂に・・。
    オレちょっとだけ仮眠取る。



   【翌日】

       ∧_∧
       ( ´・ω・)  そしてだいぶいなくなった
       ( つ旦O
       と_)_)

【最悪のSS作者】ゴンベッサこと先原直樹、ついに謝罪
http://i.imgur.com/Kx4KYDR.jpg

あの痛いSSコピペ「で、無視...と。」の作者。

2013年、人気ss「涼宮ハルヒの微笑」の作者を詐称し、
売名を目論むも炎上。一言の謝罪もない、そのあまりに身勝手なナルシズムに
パー速、2chにヲチを立てられるにいたる。

以来、ヲチに逆恨みを起こし、2018年に至るまでの5年間、ヲチスレを毎日監視。

自分はヲチスレで自演などしていない、別人だ、などとしつこく粘着を続けてきたが、
その過程でヲチに顔写真を押さえられ、自演も暴かれ続け、晒し者にされた挙句、
とうとう謝罪に追い込まれた→ http://www65.atwiki.jp/utagyaku/

2011年に女子大生を手錠で監禁する事件を引き起こし、
警察により逮捕されていたことが判明している。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2017年06月10日 (土) 03:03:07   ID: 3ntBeHdb

面白かった

2 :  SS好きの774さん   2017年06月11日 (日) 11:51:29   ID: 1fTkt0Km

面白かった!

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