ラフィエル「サターニャさんサターニャさん」 (28)

ラフィエル「サターニャさんサターニャさん」

サターニャ「ラフィエルじゃない、何か用?」

ラフィエル「一緒に帰りませんか?」

サターニャ「はあ?一緒に?また何か企んでるんでしょ」

ラフィエル「そんな、企んでるなんて……私なりにサターニャさんが悪魔的な行いを出来るように考えた結果なのに」

サターニャ「なにそれ?どういうこと?」

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ラフィエル「いいですかサターニャさん。私は天使ですよね?」

サターニャ「……まあ、一応そうだったわね」

ラフィエル「であれば当然、私は帰り道で善をなします。道に迷っている人がいれば案内し、お財布が落ちていれば交番に届ける……それこそ天使のあり方と言えるでしょう」

サターニャ「それがどうしたのよ」

ラフィエル「ですがサターニャさんと一緒に帰れば、大悪魔であるサターニャさんを警戒してそのようなことは出来ないかもしれません。天使が善をなすことを阻む……これこそ、サターニャさんにふさわしい悪魔的な行いと言えると思ったのですが、どうやら私の勘違いだったようですね。それではサターニャさん、また明日……」スタスタ

サターニャ「待ちなさいラフィエル」ガシッ

ラフィエル「はい?」

サターニャ「大悪魔として、あんたをむざむざと帰らせることはできないわ!このサタニキア様があんたを監視して、あんたの天使的な行いを食い止めてやるんだから!」

ラフィエル「わー、困りましたー」

サターニャ「後悔するなら今のうちよ!」

ラフィエル「怖いですー。私はなんということをしてしまったのでしょうー」

サターニャ「ほら、行くわよ!恐怖するがいいわ!」

ラフィエル「はーい」

~~~~

ラフィエル「サターニャさんサターニャさん」

サターニャ「なに?」

ラフィエル「あそこにクレープ屋さんがありますね。少し寄っていきませんか?」

サターニャ「クレープ?別に、今はそんな気分じゃないわね」

ラフィエル「そうですか……わかりました。そのような反社会な行いは、サターニャさんにはまだ難しい、ということでしょうか」

サターニャ「は、反社会的……?」ドキドキ

ラフィエル「まっすぐ帰るべき学生が寄り道、あまつさえ買い食いだなんて反社会的、いえ、社会への反逆と言っても過言ではありません。……ですが、私の見込み違いだったようですね。さあサターニャさん、早く帰りましょうか」

サターニャ「待ちなさいラフィエル」ガシッ

ラフィエル「はい?」

サターニャ「大悪魔たるこの私が、まっすぐ家に帰るなんてするわけがないわ!寄り道する上に、買い食いまでしてやるんだから」

ラフィエル「ああ、なんということでしょうー。恐ろしいですー」

サターニャ「今さら怖がっても遅いわ!」

ラフィエル「ああ、二人で別の味のものを買って、少しずつ分けて食べる……一つ分の料金で二種類の味を味わうという悪の極みのような行為もされてしまうのでしょうか……」

サターニャ「一種類の料金で二種類……当然じゃない!ほら、行くわよ!」

ラフィエル「はーい」

~~~~

ラフィエル「はい、あーん」

サターニャ「あーん……へー、あんたの選んだやつも意外とおいしいじゃない。ほら、あーん」

ラフィエル「あむっ……サターニャさんのも美味しいですー」

サターニャ「当然よ!このサタニキア様の選択に間違いはないわ!」

ラフィエル「もう一口ずつ交換しませんか?」

サターニャ「仕方ないわね!どうしても食べたいって言うなら、食べさせてあげようじゃない。ほら、あーん」

ラフィエル「はーい」

~~~~

ラフィエル「サターニャさんサターニャさん」

サターニャ「なに?」

ラフィエル「次の日曜日なのですが、一緒に遊園地に行きませんか?」

サターニャ「遊園地!?……はっ、べ、別に行きたくなんてないし。遊園地なんて、しょせん子供向けの遊び場でしょ?このサタニキア様には刺激が足りないと思うのよね」

ラフィエル「なるほど……遊園地こそ大悪魔にふさわしい場所だと思ったのですが、お分かりいただけなかったようで残念です」

サターニャ「なにそれ?どういうことよ」

ラフィエル「あら?ご存知ではないのですか?」

サターニャ「な、なに言ってんのよ。知らないはずないじゃない。あー、遊園地ー。最高に悪魔的なスポットだわー」

ラフィエル「それでしたら、一緒に行ってくださるんですか?」

サターニャ「あったりまえじゃない!サタニキア様の悪魔的行動に、恐れをなすがいいわ」

ラフィエル「それでは、集合時間と場所については後で連絡しますね」

サターニャ「え?ヴィネットとガヴリールは誘わないの?」

ラフィエル「えっ……サターニャさん。遊園地であれをするには、二人きりで行かないとなりませんよね?」

サターニャ「そ、そうだったわね!あれは二人じゃないとできなかったわね!当然知ってるし!」

ラフィエル「わー、怖いですー。いったい、どうなってしまうのでしょうー」

~~~~

ラフィエル「サターニャさんサターニャさん!」

サターニャ「なに!?」

ラフィエル「ジェットコースター、とても悪魔的ですね!もうすぐ上り終わりますよ!」

サターニャ「ちょっと!ここから一気に降りるなんて聞いてないわよ!」

ラフィエル「あれ?そうでしたっけ?」

サターニャ「だ、だって、こんなところから下って、もしものことがあったら……」

ラフィエル「そう言えばサターニャさん、ご存知ですか?」

サターニャ「な、何よ!?」

ラフィエル「年に何件かは、この固定ベルトが外れてしまって途中で落とされてしまう事故が起きるらしいですよ」

サターニャ「ちょっと、何でこのタイミングでそんなこと言うのよ!」

ラフィエル「あっ、てっぺんに着きましたね」

サタラフィ「「きゃー!」」

~~~~

ラフィエル「サターニャさんサターニャさん」

サターニャ「なに?」

ラフィエル「次はあれに乗りませんか?」

サターニャ「なにあれ?メリーゴーランド?」

ラフィエル「はい。とても悪魔的だとは思いませんか?」

サターニャ「そ、そうね!使い魔を酷使して延々と同じ所を回らせるなんて、まさに悪魔的な行為だわ!」

ラフィエル「はい。そうですね……ただ乗ってもつまらないので、勝負しませんか?」

サターニャ「勝負?」

ラフィエル「はい。メリーゴーランドが止まったとき、自分の選んだ馬が相手より前にいた方が勝ちという勝負です」

サターニャ「いいわ!その勝負、受けてたとうじゃない!」

~~~~

ラフィエル「サターニャさんはその子を選ぶんですか?」

サターニャ「そうよ!あんたも早く選ぶがいいわ」

ラフィエル「そうですね……では、私はこの子にします」

サターニャ「へえ、なかなかいい馬じゃない。でも、私のケルベロスに勝てるかしら?」

~~♪

ラフィエル「あっ、回り始めましたね」

サターニャ(かかったわねラフィエル。スタートで前にいるからって、外側の馬を選ぶなんて。外側ほど一周の距離は大きくなるんだから、ゴールは私の方が早いに決まっているわ!)

サターニャ「さあ、進みなさいケルベロス!」

~~~~

ラフィエル「サターニャさんサターニャさん」

サターニャ「……なによ」

ラフィエル「私の勝ちですね」

サターニャ「むー……なんで私のケルベロスが負けるのよ!」

ラフィエル「そうですね……それでは敗者のサターニャさんの罰ゲームは、熱湯風呂でよろしいですか?」

サターニャ「よろしくないわよ!」



ラフィエル「ですが、勝負に負けたのに何の罰も受けないというのは、大悪魔としていかがなものかと」

サターニャ「で、でも、熱湯風呂なんてできるわけ無いじゃない!」

ラフィエル「そうですね……それでしたら、これを飲むのでしたらいかがでしょう」

サターニャ「こ、これ……一つののグラスに二本のストローって、こんなのを飲むの!?」

ラフィエル「あっ、安心してください。中身は普通のジュースですよ?」


サターニャ「だ、だからってこんなの……」

ラフィエル「さあさあサターニャさん」パクッ

サターニャ「う、うう……」パクッ

ラフィエル「~~♪」ニコニコ

サターニャ(めちゃめちゃ恥ずかしいじゃない……さっさと飲み干さないと)チュー

ラフィエル「美味しいですね、サターニャさん」ニコニコ

サターニャ「あ、あんたも早く飲みなさいよ!」チュー

ラフィエル「ですが、勿体ないですー」ニコニコ

~~~~

ラフィエル「サターニャさんサターニャさん」

サターニャ「んー、なに?」

ラフィエル「観覧車、ずいぶん上まで来ましたね。素晴らしい景色です」

サターニャ「そうね。いずれ私に支配されるとも知らず、人間たちが呑気にしてるのが丸見えだわ!」

ラフィエル「今日はいっぱい悪魔的な行いをしましたね、サターニャさん」

サターニャ「当然よ!」

ラフィエル「あっ、もうすぐてっぺんみたいですね」

サターニャ「そうね……はっ、思い出したわ!」

ラフィエル「どうしたんですか?」

サターニャ「観覧車のてっぺんと言えばあれじゃない!ラフィエル、少しそのままでいなさい!」

ラフィエル「えっ?はい……」

チュッ

サターニャ「ふー、思い出して良かったー。危うく悪魔的行動をしそこねる所だったわ」

ラフィエル「」

サターニャ「そろそろ下に着くわね」

ラフィエル「」

~~~~

サターニャ「ヴィネットとガヴリールへのお土産はこれでいいかしら」

ラフィエル「」

~~~~

サターニャ「バスの時間にはまだちょっとあるわね」

ラフィエル「」

~~~

サターニャ「あっ、来た来た。ほら、乗るわよ」

ラフィエル「」

~~~~

ラフィエル「……はっ!サ、サターニャさん、サターニャさん!?」

サターニャ「……zzz」

ラフィエル「え、えええ?ちょっと、サターニャさん?えっ?」

サターニャ「んかー……ガ、ガヴリールぅ……今日こそ負けないわよぉ……」

ラフィエル「……サターニャさん?」ムニー

サターニャ「むにゃ、やめなさいよヴィネットぉ……」

ラフィエル「…………」ムスー

~~~~

ラフィエル「サターニャさんサターニャさん」

サターニャ「なに?」

ラフィエル「今日は一日、楽しかったですね」

サターニャ「ま、悪くなかったんじゃない?感謝してあげるわ」

ラフィエル「うふふ。ところでサターニャさん」

サターニャ「なに?」

ラフィエル「……いえ、なんでもありません。それではまた明日、学校で」

サターニャ「わかったわ。それじゃね、ラフィエル」

~~~~

サターニャ「あっ、ヴィネットー!」

ヴィーネ「あらサターニャ。こんなところでどうしたの?」

サターニャ「ラフィエルと遊園地に行ってたのよ」

ヴィーネ「へー。いいわね」

サターニャ「でしょう?あっこれ、お土産ね」

ヴィーネ「あっ、ありがとサターニャ。……ちょっ、ちょっと、サターニャ!?」

サターニャ「なによ?」

ヴィーネ「あ、あんた、首のそれ……」

サターニャ「首?」ナデナデ

サターニャ「別に、何ともないじゃない」

ヴィーネ「そ、そう……いい?サターニャ。明日は髪を下ろして来た方が良いわよ」

サターニャ「下ろす?なんでよ」

ヴィーネ「い、いいから!明日は髪を下ろすのよ!良いわね?」

サターニャ「?……まあ、別にいいけど……」

ヴィーネ「絶対だからね!忘れちゃダメよ!じゃあね、サターニャ」

サターニャ「あっ、ヴィネット!……言っちゃったわね。何だって言うのよ」

ヴィーネ(あ、あれ……キスマーク、よね?ラフィエル、いくらなんでもやり過ぎよ……!でも、うらやましいなぁ……)

おわり

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