楓「姉と」モバP「弟と」肇「時々いもうと?」 (32)


楓さんがお姉さんで、肇ちゃんと付き合いはじめたPの話。短め。

・独自設定多め
・いつもの肇ちゃんSSのパラレルワールドの話です

↓関連作(時系列的には今作の数年後です)

肇「お義姉さんは…楓さん!?」 楓「お義姉さんでーす♪」
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ジリリリリ…


モバP(以下P)(ん…休日なのにタイマーかけちゃったのか…)


P「よいしょっと…」ムクッ


P「…ん?」


楓「……スゥ……」


P「おい姉さん。起きろ」ユサユサ


楓「んぅ……?……あ、Pくん。おはようございます…」


P「はい、おはよう。それで?」


楓「?」ウツラウツラ


P「どうして俺の布団に姉さんが寝てるの?」


楓「あー…それはですね、昔みたいに姉弟で同じ布団で寝てみたいなと思ったので」


P「小学生の頃の話だろそれ。いい大人が、というかアラサーふたりがする事じゃないだろ」


楓「いや、私もほんの少しだけ一緒に寝たら向こうのお部屋で寝ようと思ったんですけど…」


P「けど?」


楓「Pくんが抱きついて、離してくれなかったので…」


P「あっ…」


楓「抱きつきグセは抜けてませんね。危うくお姉さんは実の弟に唇を奪われるところでしたよ」


P「…ごめんなさい」


楓「大丈夫ですよ。きちんと回避しましたから…ふふふ、それにしてもPくん」


P「な、何だよ」


楓「寝言には、気をつけた方がいいですよ?」


P「え」


楓「さて、それでは朝ご飯にしましょうか。一宿一飯のお礼に、私が朝ご飯を作りますね」


P「ちょ、ちょっと待って!俺、寝言で何言ってたの!?」


楓「……肇ちゃんとは順調そうですね?」


P「は、肇の事!?ぐ、具体的に!」


楓「…姉の口から、そんな卑猥な事を言わせたいのですか?」


P「ひ、卑猥な事!?待って、そんなはずは…!まだ手は出してなー」


楓「ふふ、ジョーダンですよ」


P「え…」


楓「Pくん、肇ちゃんとの事あまり教えてくれないんですもの。だから、ちょっとカマをかけてみました。なるほど。まだ手は出していない、と。肇ちゃんが成人するまで手は出さないという誓いはちゃんと守ってるんですね。感心感心♪」


P「」


楓「さて、それじゃあ朝ご飯を…サンドイッチでも作りましょうか」スタスタ


P「…」


P「姉さ…楓ェ!ふざけるなー!!」


楓(相変わらずからかい甲斐がありますね♪)



ーーーーーーーーーーーーー


P「…ごちそうさまでした」


楓「はい、お粗末様でした」


P「…」ムスッ


楓「あら、まだ拗ねてるんですか?」


P「うるさい」


楓「もう、機嫌直して下さいよ。お詫びにひとつ、いい事を教えてあげますから」


P「……いい事?」


楓「はい。実はですね…」コソッ


P「う、うん」


楓「……肇ちゃん、背中が弱いんです」


P「え……本当?」


楓「はい。指でなぞると「ひゃん!」と可愛い声で驚きます」


P「……」


楓「……これで、許してくれます?」


P「……許す」


楓「ふふっ♪まだまだお姉さんには敵いませんね?」


P「そうだね…」


P(…ごめん、肇。俺はダメな恋人だ…)



ーーーーーーーーーーーーー


P「…それで、姉さんは今日はいつまでいるの?」カタカタ


楓「んー…夜ご飯まで一緒にいたいのですが、駄目ですか?」ゴロゴロ


P「まあ今日は出かける予定もないし別にいいけど。めっちゃ寛いでるし」カタカタ


楓「ありがとうございます♪」


P「それにしても、姉さんが俺の部屋に来るのも久しぶりだね」カタカタ


楓「昨日の夜、久しぶりに遊びに行きたくなったんですよ」


P「飲みに行ってくれる人が捕まらなかったんだろ?」カタカタ


楓「そーなんですよ。久しぶりのお休みだから、オールも辞さない覚悟だったのに、みんなお仕事で」


P「オールする人を探してたと」カタカタ


楓「そしたら、ここにおーるじゃないかと。ふふっ♪」


P「んー…今のは読めたかな」カタカタ


楓「あら、ちょっと安直でしたか」


P「でも、ごめんね。酒弱くて早めにダウンしちゃって」カタカタ


楓「いえいえ。楽しかったですよ。ところで、Pくんは先ほどから何を?」


P「んー?担当アイドルの写真の整理」


楓「あら、という事は、私も?」


P「勿論。広報用に使ったり、衣装コンセプトのイメージにしたり。寝っ転がりながらでも、結構真剣に作業してんだよ?」


楓「私も見ても?」


P「いいよ。大分整理したし」


楓「では失礼しまーす♪」ゴロゴロ


P「おお、姉が転がってきた。じゃあ、俺はちょっと雑誌読んでるから、何かあったら呼んでね」


楓「はーい♪」


P(……見られちゃいけない写真とか無いよな?)


楓「〜♪」ポチポチ


P(…あ、これ、姉さんが特集されてる雑誌だ)


P(…姉さん、本当に変わったなあ。人見知りもすっかり克服して、今では事務所を代表する歌姫か)


P(…本人には言えないけど、弟として、いや、プロデューサーとして尊敬する…絶対に本人には言わないけど)


楓「あら、Pくん?」


P「あ、な、何?」


楓「この写真なんですけど」


P「ええっと…この、藍子の写真?」


楓「ええ。失礼ですけど、藍子ちゃん、こんなに大きかったでしたっけ?ああ、これが噂のあらー」


P「それ以上いけない」



ーーーーーーーーーーーーー


P「…で、姉さん」モグモグ


楓「何ですかPくん?」モグモグ


P「「夜ご飯まで」って言ってたよね?」


楓「あー…そうでしたっけ?…あ、この肉じゃが美味しい♪」


P「ありがとう…で、何で俺と晩飯食べてんのさ。たまたま多めに作っちゃったから良かったものの」


楓「ダラダラしている内に夜になっちゃったんですもの。帰る気が失せちゃいました。ゲコゲコ」


P「?…あ、「帰る」と「カエル」ね」


楓「せいかーい♪あー…お酒も美味しい」コクッ


P「というか、その大量の酒を買い出しに行った時に帰れば良かったのでは。ドアを開けて両手いっぱいに酒を持つ、帰ったはずの姉を見た弟の衝撃たるや」


楓「ひとりで飲むお酒よりふたりで飲むお酒の方が美味しいじゃないですか」


P「いや、俺酒弱いからそんな飲めないよ」


楓「下戸下戸」


P「だまらっしゃい。まったく、料理も俺が全部作ったし」


楓「久しぶりにPくんの手料理が食べたかったんですっ」


P「そうですか。でも、流石に二泊はダメだからね。それ食べて少ししたら帰ってよ」


楓「えー」


P「えーじゃない。明日レッスンあるでしょ?」


楓「午後からだもん…」


P「俺は朝から仕事なの」


楓「むう…わかりましたよ」


P「よろしい……あ、おかわりする?」


楓「はい、お願いします」


P「いつ見ても姉さん細過ぎるよ。もっと食べなきゃさ」


楓「Pくん、まるでお母さんみたいですね」


P「母さんね…そういや母さんも細かったな…」


楓「食べても飲んでも太らない体質なんですよ」


P「羨ましい…」


楓「ふふ、それにしても、なんだかんだでPくんは優しいですね」


P「え?」


楓「姉ですもの。本当に帰って欲しいのかそうでないのかくらいわかりますよ。今日も、私が戻ってくるのをわかって、料理を多めに作っていたんじゃないですか?」


P「…さあ、何の事だか」


楓「もうっ、可愛い♪」スリスリ


P「わ、ちょっと、体擦りつけるなよ暑いんだから」


楓「PくんPくん〜♪」スリスリ


P「うわ、酒くさい!姉さん、飲み過ぎだって」


楓「んふふ〜」


P「まったく、いい歳して子どもっぽいんだから」


楓「見かけも女子大生くらいならイケるもんっ」


P「…まあ、それは否定しないけど。いい加減に弟離れしなさいよ。俺の事大好きかよ」


楓「はい、大好きですよ?」キョトン


P「…そんなピュアな瞳で見られても」


楓「だって、子どもの時からずっと一緒だったのだし、何より家族じゃないですか。Pくんは、お姉さんの事、嫌いですか?」


P「そりゃ…嫌いじゃ、ないけど」


楓「じゃあ好き?ちゅーしてあげましょうか?」


P「いらん!そ、そういう会話は彼氏としなさい!」


楓「アイドルですから無理です」


P「うっ…」


楓(あ、肇ちゃんとお付き合いをしているPくんに流れ弾が…)


楓「…Pくんの事を責めてはいませんよ?肇ちゃんととってもお似合いじゃないですか」


P「…そ、そうかな。でも、冷静になってみれば、俺は担当アイドルと…」


楓「…まだ、立場を気にしてるんですか?仕方ないじゃないですか。アイドルとプロデューサー以前に、男女として惚れ合ったのですから。その気持ちに蓋をしてしまうのもどうかと思いますよ?」


P「うーん…」


楓「スキャンダルには気をつけているみたいですし、ぶっちゃけ、事務所のみんなも知っていますし」


P「え、ちょっと待って。事務所のみんな知ってるの?」


楓「ふたりとも、わかりやすいですから。暗黙の了解、というやつですね」


P「…そ、そうなんだ…やっぱりわかりやすいのかな…」


楓「まさかとは思いますが、肇ちゃんとお付き合いした事を後悔していたりは」


P「それはない。肇と付き合えて本当に幸せだと思ってる」


楓「…ふふ、そんなに即答できるなら本当のようですね。それならPくんは堂々としてればいいんです。肇ちゃんの恋人として」


P「…」


楓「私、楽しみにしているんですからね?肇ちゃんが義理の妹になるの♪…私がPくんのお姉さんだと知ったらどんな顔するでしょうか?ふふ、楽しみです」


P「…ありがとう。姉さん」


楓「いえいえ」


P「やっぱり姉さんには敵わないなあ」


楓「Pくんの事は誰より詳しいつもりですよ」


P「はは、そうだね」


楓「というわけで…ごろーん♪」


P「わ、おい、俺の膝で寝るなよ」


楓「ちょうどいいところにPくんの膝があったので♪」


P「しょうがないな…」


楓「あら、珍しく素直ですね」


P「たまにはね。さっきのお礼も兼ねて」


楓「そうですか。では遠慮なく…」


P「食べてすぐ寝ると牛になるからね。寝るなよ。ていうか、ちゃんと帰りなね」


楓「はーい…」


P(あ、これ、寝るパターンだ)


P(あ、これ、寝るパターンだ)


楓「…」


P(…本当に、しょうがないなあ…そういえば、最近事務所でしか会わないから「姉さん」って呼んでなかったな…)


P(…肇、最近どんどん姉さんに似てきてるよな…酒を飲んだら姉さんみたいになったりして)


P(…姉さんみたいな肇か…)



肇『Pさーん、おさけー♪』


肇『もう一杯飲みましょうよ。いっぱい、でもいいですけど。ふふっ♪』


肇『Pさん、大好きですよ。ちゅーしてあげましょうか?』


肇『ごろーん♪』


P(…あれ?思ったよりアリだ…まあ、姉さんもなんだかんだ可愛いからな…)


P(…姉にこういう事を思うのって、俺、シスコンなのだろうか…)


P(いや、違う!俺はそんなんじゃ…!)ブンブン


楓「……んぅ〜?……」


P「あ、ご、ごめん。姉さん。起こしちゃったね」


楓「あー…寝ちゃってましたか…」


P「寝ちゃってましたね」


楓「んんー…」ノビー


P「姉さん、疲れ溜まってるんじゃないの?布団貸してやるから寝てきなって」


楓「あ…でも…」


P「…二泊したっていいから」


楓「!…ありがとう、Pくん。それじゃあ、お言葉に甘えてー」



ティロン♪



P「あ、俺のスマホだ。誰からだろ?姉さん、取ってもらっていい?」


楓「ええ、勿論……あ」


P「ん、誰から?」


楓「……「藤原肇」」


P「え」


楓「ふふ、面白い事になってきましたね、Pくん!」ズイッ


P「うわ、一気に目が覚めやがった!」


楓「さあさあ、電話に出て下さい!」ワクワク


P「いや、何で聞く気マンマンなんだよ!寝ろよ!」


楓「ヤ!」


P「ヤじゃない!」


楓「Pくんがきちんと肇ちゃんをリードできてるか見届けます!」


P「余計なお世話ベストイヤーかよ!寝てろ!」


楓「ほら、早く出ないと電話切られちゃいますよ?」


P「ああ、もう!…ええい!」ピッ


肇『あ、こんばんは、Pさん』


P「こ、こんばんは、肇」


肇『どうしたんですか?そんな他人行儀で。どこかの現場ですか?…でも、今日はオフですよね?』


楓「スケジュールの管理もバッチリされてるんですね…」


P「シッ!」


肇『え?あ、ごめんなさい』


P「あ、ああいや、何でもない」


肇『…』


P「肇?」


肇『あ、話してもいいですか?「シッ!」と言われたので…』


P「ああ、ごめん、大丈夫。ちょっと犬にまとわりつかれちゃって」


楓「わんわん♪」


P「姉さん!」


肇『ネイサン、ですか。外国の方のお名前みたいですね』


P「あ、ああ、そうなんだよ。知り合いの犬を預かってて。もう向こうに行ったから。あはは」グイグイ


楓「〜〜!」


P(耐えてるだと!?意外と力強い…!)


肇『Pさん、何か様子が変ですよ?』


P「いや!大丈夫だぞ!?うん!」


肇『そ、そうですか…それでは、用件をお話ししても?』


P(頼むから、無難な会話で終わってくれ…!)


P「あ、ああ。どうしたんだ?」


肇『あ、はい、あの、こんな事で電話をするのも恥ずかしいのですが…』


P「う、うん」


楓「…」


P(姉さん、シッ、シッ!)パタパタ


楓「…」ベー


P(こいつ…!)


肇『その、Pさんに、ですね』


肇『ー愛してると、言って欲しくて…』


P「」


楓「〜!!」キラキラ


P(ああ…姉さんが宝物を見るような目でこっちを見ている…電話を切った途端、尋問コースだな…)


P(……今夜は、眠らせてくれなさそうだ…)



…………………

………………………

……………………………



P「ちなみに、どうして急にそんな電話を?」


肇『そ、その…たまたま観ていた映画で、恋人に電話越しで愛の言葉を囁いてもらうというシーンがあって…それがとっても素敵だったので…それで…』


P「は?可愛い」


楓(藤原ならぬ、Cuじ原肇ちゃんですね♪)


よろしければ、夫婦になった後のふたりの話も
藤原肇「良き人とふたり、桜の下で」 - SSまとめ速報
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楓さんと肇ちゃん、ふたりとも総選挙頑張ってほしいですね!

それでは今回もお付き合い下さり、ありがとうございました。

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