ガヴリール「どう思ってんだろ」サターニャ「何か気になる」 (60)


ガヴリール宅

ガヴリール「うーん…」

ヴィネット「お邪魔しまーす。あ、休みなのにゲームしてないなんて珍しい」

ガヴリール「うーん…」

ヴィネット「ガヴリール?おーい」

ガヴリール「うわ!?…なんだヴィーネか」

ヴィネット「なんだとは失礼な。呼んだのはそっちじゃない」

ガヴリール「そうだっけ?」

ヴィネット「そうよ。なんか話があるとか」

ガヴリール「言われてみたらそんな気もしてきた。そうそう、ちょっと聞きたい事があるんだよ」

ヴィネット「なに?宿題なら自分でやってよ」

ガヴリール「そうじゃなくて、サターニャって私の事どう思ってるか分かる?」



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ヴィネット「サターニャ?うーん、そうね、ライバルとか、そんなところじゃないかしら」

ガヴリール「ライバルって事は、やっぱり敵って事か…」

ヴィネット「いやいやそんな大袈裟な。ライバルって言っても友達の延長みたいなもんよ、きっと」

ガヴリール「友達…か。なんかスッゲーモヤモヤする」

ヴィネット「え、ガヴってそんなサターニャの事嫌いだったの?」

ガヴリール「はぁ?!何でそうなるんだよ!」

ヴィネット「わっ!?もう、いきなり大声出さないでよ」


ガヴリール「だってヴィネットが変な事言うからじゃん」


ヴィネット「それはガヴが友達なのがモヤモヤするなんて言うからよ」

ガヴリール「…とにかく、私はサターニャの事嫌いなんかじゃないから!」

ヴィネット「はいはい。それで、何でサターニャがアンタの事どう思ってるか気になってるの?」

ガヴリール「…私、サターニャが勝負だーとか言ってきても、適当に流したりしてきたじゃん?」

ヴィネット「そうね」

ガヴリール「だから、実は嫌われてたりしてないかな、なんて…」シュン…

ヴィネット「え?え?」

ヴィネット(そんなあからさまに落ち込んで、友達だとモヤモヤしてって……まさか、そうゆう事?そうゆう事なの!?)


ヴィネット「ねえガヴ、サターニャがアンタの事大好きって言ってきたらどうする?」

ガヴリール「な、な!?あいつがそんな事言うわけないじゃん!」カーッ////

ヴィネット「じゃあガヴはサターニャの事好きなの?」

ガヴリール「す!?そんな、好きとかそういうんじゃないって!」ブンブン

ヴィネット(この反応、私の悪魔的頭脳が囁くに、無意識の内では好きと認めてるのに、理性ではそれを拒否してるって感じね)

ヴィネット「はいはい、そんな焦んなくても分かったわよ」

ガヴリール「それならいいんだけど」

ヴィネット(そういうのって大抵自爆するパターンだし、ここは私が見守ってあげるとしましょう)

ガヴリール「サターニャ…」


サターニャ宅

サターニャ「はぁ…」

ラフィエル「どうかしたんですか?」

サターニャ「それが…ってアンタどっから入って来たのよ!?」

ラフィエル「ヒミツです。それよりも、サターニャさんが溜め息なんて珍しいですね。なにか面白…じゃなくて、悩み事ですか?」

サターニャ「ヒミツって…まあいいわ。最近、ガヴリールの事が何か気になるのよね」



ラフィエル「?以前から勝負勝負と気にしてたじゃないですか」

サターニャ「そうじゃなくて、今何してんのかなーとか、何考えてるのかなーとか、そんな感じよ」

ラフィエル「!それって…」

サターニャ「何でガヴリールの事なのかしら。もー、訳分かんない!」

ラフィエル(あらあらまあまあ…これは面白い事になってますね。しかも自覚無しだなんて…)

ラフィエル(ここは私が天使の心で生暖かく見守ってあげましょう)

サターニャ「ガヴリール…」


翌日

ガヴリール(昨日はサターニャの事考えてたら寝落ちして、早起きしちゃったよ)テクテク

ガヴリール(そういえば、いつもヴィーネに起こして貰ってたし、一人で登校なんていつぶりだっけ?)

ガヴリール(…ん?あの後ろ姿って、サターニャじゃん!)

ガヴリール(どうしよ、昨日ヴィーネが変な事言うから、声かけ難いな)

サターニャ(??何か視線が…あ、ガヴリールじゃない!)


サターニャ「おはよう、ガヴリール。アンタが一人でこんな時間に登校なんて珍しいわね!」

ガヴリール「お、おー!おはようサターニャ!今日は何か目が覚めちゃってさー!」

サターニャ「そんな事言って、どうせ朝までゲームしてたんでしょ?」

ガヴリール「違うっつーの!私にだってゲーム以外にも色々あんだよ」

サターニャ「そうなの?」

ガヴリール「当たり前だろ!」

ガヴリール(今、普段通りに喋れてるか?う…自信ない…)

サターニャ(色々って何かしら、気になる)


ガヴリール「…」

サターニャ「…」


ガヴリール(う、黙っちゃったよ。取り敢えず、何か話しないと)

ガヴリール「さ、サターニャさ、今日の宿題やってきた?ま、どうせお前の事だからやってないんだろうけど」

サターニャ「宿題?ああ、それならやってきたわよ」

ガヴリール「私さ、昨日たまたま宿題やったから……え?」



サターニャ「何か昨日ラフィエルの奴が突然家に来たんだけど、妙に優しくて、教えてもらいながらやったわ」

ガヴリール「そっか、ラフィエルがね、ふーん。まあ、やってんならいいんじゃん」

ガヴリール(昨日はラフィエルと一緒に居たんだ…何だろ、胸がチクチクする…)シュン…

サターニャ(ん?何か様子が…顔色も悪いし、体調不良とか?)

サターニャ「ちょっと、ガヴリール」スッ

ガヴリール「え?!」


サターニャ「熱は…ちょっとある、ような」ぴとっ

ガヴリール「ちょっ、サターニャ急に、なっ!?」////

サターニャ「こっからなら学校のが近いわね。ほら、行くわよ」パシッ

ガヴリール「!?」

ガヴリール(うわ!急に手繋ぐとか、な、何なんだよ!)ドキドキ

サターニャ(手が熱いし、やっぱり風邪?取り敢えず学校行って、保健室に連れてって)

ガヴリール「あの、サターニャ!」

サターニャ「いいから黙ってついて来なさい。分かった?」グッ

ガヴリール「う…はい…////」




先生「…そう、熱はないみたいね。でも顔は赤いから、取り敢えず一限は休んでみて様子見ましょうか」

ガヴリール「私は別に」

サターニャ「いいから休んでなさいよ。さっきなんてすっごい顔色悪かったんだから」

ガヴリール「わ、分かった」

サターニャ「それじゃあ私は教室行くわ」

ガヴリール「おう」

サターニャ(熱はなかったみたいね。顔色もさっきよりはマシになったし、良かったわ)ほっ

ガヴリール(ま、まだ心臓がドキドキする…さ、サターニャは気付いてないよな?もしバレてたら…うぅ////)ドキドキ


教室

ヴィネット「あ、サターニャ、おはよう」

サターニャ「おはようヴィネット」

ヴィネット「そうだ、ガヴリール知らない?今朝メールが来て、迎えは大丈夫って言ってたんだけど」

サターニャ「ガヴリールなら、さっき私が保健室に連れてったわ」

ヴィネット「え?ガヴリール風邪?」

サターニャ「熱はないって言ってたわよ」

ヴィネット「そう。なら寝不足とかそんなとこかしら」

サターニャ「そうね」ソワソワ

ヴィネット(ん?)


ヴィネット「なんかソワソワしてるけど、どうかした?」

サターニャ「別にソワソワなんて、ただちょっとガヴリールの事が気になるだけで」ソワソワ

ヴィネット(ん?)

ヴィネット「ガヴが気になるって、どうしてまた?」

サターニャ「さっきは大丈夫って言ってたけど、変な病気だったりしたら大変じゃない!」

ヴィネット「そ、そうね」


ヴィネット(これは…あ、あれはラフィ)

ラフィエル(ヴィネットさん。サターニャさんはガヴちゃんの事が気になるみたいです)アイコンタクト

ヴィネット(そうなの!?昨日ガヴも、サターニャがどう思ってるかで一日中悩んでたわ)

ラフィエル(あらあら、これはまた面白い事に…取り敢えずサターニャさんの事は私に任せてください)

ヴィネット(分かったわ。ガヴの事はこっちで面倒見るから。何かあったら、メールで話しましょう)

ラフィエル(はい)



ガヴリール(一限終わったから出て来たけど、教室入りづらい…)

ガヴリール(あいつの顔、まともに見れる気がしないんだけど。いっそ帰るか?)

ガラッ

サターニャ「あ、ガヴリール!もう平気なの?」

ガヴリール「っ!あ、あーっと…そう、ちょっと寝たら治ったよ。早起きなんて久し振りだったから、寝不足だったっぽいわー」

サターニャ「そう。何事もないならいいのよ」ニコッ

ガヴリール「うっ////」ドキッ

ガヴリール「ほら、早く教室入れろよ!邪魔になるし」

サターニャ「それもそうね」パシッ

ガヴリール「ちょっ、何でまた手!」

サターニャ「別に手繋ぐくらいいいでしょ」

ガヴリール「い、いいけどさぁ…////」

ヴィネット(な、なんなのあれは?!)


ヴィネット(と、とにかくラフィにメールを…)

ヴィネット(『サターニャは自覚してやってるの?』っと…)

ブーッ

ヴィネット(わっ、早!)

ラフィエル『サターニャさんは自分の気持ちに全く気付いてません。なので、何かしてるとしたらそれは完全に無自覚か本能でやってますね』

ヴィネット(うわあ、無自覚であんな…あのガヴが恋する乙女みたいな目になってるじゃない。なんて恐ろしい…)

ヴィネット(というか、あんな目を向けられて何か勘付いたりしないのかしら。うーん、サターニャって妙に鋭かったり、妙に鈍かったりするし、何とも言えないわね)

ヴィネット(これはガヴの方をどうにかしないと、永遠にあのままって事にも…)

ヴィネット(まあ悪い方向に進んでるわけじゃないし、私がどうこうするのも違うわよね)



放課後

ガヴリール(結局あれからうまく話せなかった…)

ガヴリール(今朝だって心配してくれたみたいだし、一応お礼言っときたかったのに…)

ガヴリール「よし!」ガタッ

サターニャ「うわ!?」

ガヴリール「サターニャ?!」

サターニャ「急に立ち上がるんじゃないわよ、もう!」

ガヴリール「あ、えと、ごめん」

サターニャ「まあいいわ。さっさと帰るわよ」

ガヴリール「え、それって一緒にって事?」

サターニャ「何よ改まって。いつもみんなで帰ってるじゃない」

ガヴリール「あ、そっか」

ガヴリール(そうだよな、みんなでだよな。てっきり二人きりかと思った////)

サターニャ「それじゃあさっさと行くわよ」

ガヴリール「分かったって」ドキドキ





サターニャ「それで、またあの犬が私のメロンパンをさー!」

ラフィエル「あらあら、それは楽し…じゃなくて災難でしたね」

サターニャ「今楽しいとか言わなかった?」

ラフィエル「気のせいですよ。そんな聞き間違いするなんて、サターニャさんは私を何だと思ってるんですか?」

サターニャ「そりゃあ天使よ!」

ラフィエル「ほら、天使ならそんな酷い事は言いませんよね?」

サターニャ「うん。……あれ?」

ガヴリール「……」

ヴィネット(サターニャ!後ろ!気が付きなさいよ!)


ヴィネット(さっきからずっとラフィとばっかり話してるから、ガヴが落ち込んでるじゃない!)

ヴィネット(ガヴの事ちょっとは気にしなさいよ!?)

サターニャ「あ、もうこんなとこか。それじゃあ家こっちだから、また明日ね!」タタッ

ラフィエル「はい、また明日」

ガヴリール「おー…」

ヴィネット(また明日ね、じゃないわよ!ガヴリールの様子を…って、ん?)


サターニャ「ガヴリール!」

ガヴリール「?」

サターニャ「あんたさえ良かったら、また明日、同じ時間にここで!」

ガヴリール「!」

ガヴリール「わ、分かった!約束な!」

サターニャ「ん、また明日!」タタッ

ガヴリール「また、明日」ヒラヒラ

ヴィネット(これで無自覚って、サターニャ…アンタは少女漫画のヒーローかなんかなの?)

ラフィエル(あらまあ、これはホントに面白くなってきましたねぇ)

ガヴリール(また明日か…)



翌朝

サターニャ(勢いで言っちゃったけど、あいつホントに来るのかしら)

サターニャ(昨日はガヴリールの事が妙に可愛く見えて、皆の前じゃ話しかけられなかったのよね)

サターニャ(でも、別れ際に約束した時は笑顔だったし)

サターニャ(それにしても、30分も前に着くなんて早過ぎたわ……って、あれ?)

サターニャ「ガヴリール?」

ガヴリール「あ、サターニャ」

サターニャ(な、何でもう居るのよ!?)




ガヴリール「サターニャ、早かったじゃん」

サターニャ「ちょっ、まだ30分前よ?アンタいつから居るのよ?」

ガヴリール「えっと、さっきだよ、さっき!」

サターニャ「ホントに?」じーっ

ガヴリール「う、ホントは30分くらい前に…」

サターニャ「30分て、約束の1時間前じゃない!」

ガヴリール「だって、楽しみだったから…」ボソッ

サターニャ「ん?」

ガヴリール「何でもない!っていうか、サターニャだって早いし」

サターニャ「それはまあ、誘った側として当然よ!」

ガヴリール「ふーん」

サターニャ(う…何とかして話を変えないと…)



サターニャ「そう言えばアンタ、いつもと雰囲気違うわね」

ガヴリール「え、そ、そう?」

サターニャ「うーん、何と言うか、可愛いって感じ?」

ガヴリール「か、かわっ!?」////

サターニャ「あ、そっか、今日は髪梳かしてきたのね」

ガヴリール(わ、わ、気付かれたし!気合い入り過ぎとか思われてないよな?)

サターニャ「そっちも新鮮でいいわね。ま、私はいつものでも十分可愛いと思うけど」

ガヴリール(また可愛いって!)

ガヴリール「ほ、ほら、冗談言ってないで、さっさと学校行くぞ」ドキドキ

サターニャ「あ、ちょっと、待ちなさいよ!」




ヴィネット「ねぇ、あいつホントに自覚してないの?」

ラフィエル「間違いないです。あれは恐らく、普段の後先考えない言動とガヴちゃんへの好意が融合した結果、天然たらしみたくなってるのでしょう」

ヴィネット「…今ならサターニャの事を大悪魔様って呼べそうだわ」




今回はここまで
続きは近日中に



翌々日、ガヴリール宅

ガヴリール「明日は金曜か」

ガヴリール「って事は、明日が過ぎたら二日間サターニャと顔合わさないのか」

ガヴリール「うーん…」

ガヴリール「ヴィーネに相談しよ」プルルルルル

ヴィネット『電話なんて珍しいわね、どうかした?』

ガヴリール「いや、明日って金曜じゃん?」

ヴィネット『そうね』

ガヴリール「そしたら二日休みでしょ?」

ヴィネット『そうね』

ガヴリール「だから…」

ヴィネット『?…あ、なるほど、サターニャと二日間会えないから寂しいって事ね』

ガヴリール「なっ!?ち、違うから!寂しいとか全然そんな事ないしっ////」



ヴィネット『はいはい、それで、アンタはどうしたいの?』

ガヴリール「それが分かんないから電話したんだよ」

ヴィネット『そう。というか、二日間会えないのが気になるなら、デートに誘うなりすればいいじゃない』

ガヴリール「ば、バカ!デートって、それじゃ私があいつの事好きみたいだろ!」////

ヴィネット『……私が悪かったわ。まあデート云々は抜きにしても、普通に遊びに誘うなりすればいい事でしょ』

ガヴリール「なんて誘うんだよ」

ヴィネット『買い物とか食事とか、色々あるし、その辺は自分で考えなさいよ』

ガヴリール「な、ヴィーネ!」

ヴィネット『それじゃ、私はこれから宿題するから切るわね』ブツッ

ガヴリール「ホントに切りやがった…」

ガヴリール「明日、何て言って誘おう…」



金曜、放課後

ガヴリール(まだ誘えてない…)

ガヴリール(そもそも何て誘うかも思いつかないし…)

ガヴリール(急に二人きりで遊ぼうとか、嫌がられるかもだし…)

サターニャ「ガヴリール?」

ガヴリール「うーん…」

サターニャ「おーい」

ガヴリール「ぬぬぬ…」

サターニャ「聞こえてないわね」


サターニャ「私を無視するなんて、いい度胸ね!」

サターニャ「ちょっとイタズラしてやるわ」

サターニャ「そうね」シュルッ、パサ

サターニャ「わ、髪サラサラ」

サターニャ「よし、んで最後に髪留めを…」

ガヴリール「…え?」

サターニャ「完成よ!」



ガヴリール「え、サタ、な、何っ?」アセアセ

サターニャ「はい」手鏡

ガヴリール「わ、わ!これって////」

ガヴリール(サターニャと同じ髪型だ////)

サターニャ「私のことを無視した罰よ!」

ガヴリール(罰って、これじゃ全然罰になってないし…////)

サターニャ「それじゃあ帰るわよ」

ガヴリール「ラフィエルとヴィーネは?」

サターニャ「何か用事だとかで先に帰ったわ」

ガヴリール「え?」


ガヴリール「それって二人で帰るってこと?」

サターニャ「そうだけど、何?朝は二人なんだし、別に普通じゃない」

ガヴリール「それはそうだけど…」

ガヴリール(いつもみんなとなのが急に二人きりになったら、緊張するだろ!)

サターニャ「いいから、ほら」

ガヴリール「あ、待てってば!」

ガヴリール(二人きり…あ、でもそれなら遊びに誘う話もし易いかも?頑張ってみるか!)



ガヴリール(うーん、どう誘うのが一番自然なんだ?)

サターニャ「それでーー」

ガヴリール「んー」

ガヴリール(遊びに行こうぜー、とか?ちょっと軽過ぎるな)

サターニャ「明日ーー」

ガヴリール「おー」

ガヴリール(ちょっと買い物に付き合ってくれない、は何か買う予定もないし…)

サターニャ「それじゃあ明日10時に駅前ね」

ガヴリール「うん…え?今、なんて?」

サターニャ「明日10時に駅前、って…アンタ聞いてなかったのね」じとー

ガヴリール「わ、悪い、考え事してた…」

サターニャ「まったく、最近多いわね…」


サターニャ「それじゃもう一回言うから今度はしっかり聞きなさいよ?」

ガヴリール「分かった」コクコク

サターニャ「明日行きたい所があるから、一緒に行ってくれない?」

ガヴリール「やっぱ聞き間違いじゃなかった…」

サターニャ「それで、行けるの?行けないの?」

ガヴリール「行く!絶対行くから!」

サターニャ「そ、なら良かったわ!明日の10時に駅前だから、忘れるんじゃないわよ!」

ガヴリール(うわー!なんだ、もう、うわー!嬉し過ぎてにやけそう…)



ガヴリール「あっ、そうだサターニャ!」

サターニャ「ん?」

ガヴリール「これ、リボンと髪飾り返さないと!」

サターニャ「それあげるから!」

ガヴリール「え?」

サターニャ「また明日ね!」

ガヴリール「またなー…っていうか、えぇっ?」

ガヴリール(し、私物貰っちゃったよ!)

ガヴリール(あわわ、今更恥ずかしくなってきた////)

ガヴリール(これ、今日一日サターニャが…)サワ

ガヴリール(何してんだ私!これじゃへ、へん…うう、早く帰って明日の準備でもするか…)ドキドキ

今回はここまで
続きはまた近日中に



翌日

ガヴリール(~♪)

ガヴリール(また約束の1時間前に着いちゃったな)

ガヴリール(サターニャから貰ったリボンもつけてきたし)ハ-フアップ

ガヴリール(何て言うかな、あいつ)ドキドキ

サターニャ「だーれだ!」ギュッ

ガヴリール「わっ!サターニャ!?」




サターニャ「ハッハッハッ、正解よ!」

ガヴリール「急になにすんだよー」ドキドキ

サターニャ「私の予想通り、まーた1時間も前に居たからよ!」ビシッ

ガヴリール「あ」

サターニャ「それだけあんたの事が分かってきたって事よ!どう?恐れ入ったか!」フンッ

ガヴリール「んなっ!」

ガヴリール(いきなり何言ってんだよ!は、恥ずかしい…////)

サターニャ(抱きついたのはリボン使ってくれてたからなんだけど、それはナイショって事にしときましょ)


サターニャ「そう言えばそのリボン、使ってくれたのね」

ガヴリール「ま、まあな。折角貰ったんだし、使わなきゃ勿体無いから」

サターニャ「そ、喜んでくれたみたいね!」

ガヴリール「そんなん一言も言ってないだろ!」

サターニャ「顔が言ってるのよ、うれしー、って」

ガヴリール「い、言ってない!」ササッ

サターニャ「…ぷっ、くくっ」プルプル

ガヴリール「!」

ガヴリール「サターニャ!」カァ-ッ

サターニャ「林檎みたいよ、ガヴリール?」

ガヴリール「知らん!ほら、もう行くぞ」パシッ

サターニャ「ちょっ、そんな引っ張らないでよ」

ガヴリール「いいからついてこいよ!」

サターニャ「はいはい、仕方ないわね」



サターニャ「ところでガヴリール?」

ガヴリール「なんだよ?」

サターニャ「今日の目的地、分かるの?」

ガヴリール「あ」

サターニャ「クスクス、どこ行くつもりだったの?」

ガヴリール「う、うるさいなっ////」

サターニャ「まあいいわ、暫くこうしてましょ、店が開くまでまだ時間あるし」

ガヴリール「え?」

サターニャ「どっかの誰かさんが、1時間も早く来るから」クスクス



ガヴリール「ごめん」シュン

サターニャ「気にする事ないわ、こうしてアンタと歩いてるだけでも楽しいし、それに」

ガヴリール「それに?」

サターニャ「ガヴリールの方から引っ張ってくるなんて珍しいじゃない?」

ガヴリール「うぐっ…////」

サターニャ「ほら、ガヴリール?」

ガヴリール「あ、後で文句言うなよ!」グイッ

サターニャ「文句なんて、言うわけないわよ」






サターニャ「そろそろ店も開く頃かしらね」

ガヴリール「もうそんな時間?」

サターニャ「別にまだこうしてたいってなら私は全然構わないけど」

ガヴリール「い、いいよ、別に!」

サターニャ「素直じゃないわね」

ガヴリール「もう疲れたんだよ!」

サターニャ「はいはい」

ガヴリール「サターニャッ!」

サターニャ「疲れたんでしょ?ほら、こっち」

ガヴリール「さらっと流すなっ!」


サターニャ「ほら、ここよ」

ガヴリール「でっけー店だなー」

サターニャ「そうね」

ガヴリール「用事って買い物だったのか」

サターニャ「そんなとこ。ぼーっと突っ立ってても仕方ないし、入りましょ」

ガヴリール「おー」


ガヴリール「で、何買いに来たんだよ?」

サターニャ「服とか小物とか、まあ色々よ」

ガヴリール「へぇー」

ガヴリール(意外…ってほどでもないのか?)

ガヴリール(今日の服だって似合ってるし)ジ-ッ

サターニャ「そんなじっと見て、どうかした?」

ガヴリール「いや、サターニャってオシャレだよなーって」

サターニャ「ちょっ、急に何言い出すのよ!」

ガヴリール「いや、なんとなく」

サターニャ「そ、そう」

サターニャ(び、びっくりした…不意打ちなんて…)ドキドキ



サターニャ「そ、そう言うガヴリールの方こそ、今日の格好可愛いじゃない」

ガヴリール「ふあッ?」

サターニャ「前にみんなで遊んだ時は適当に選んだような服だったし、今日来た時、ちょっと驚いたんだから」

ガヴリール「たまには着ないと、勿体無いから、それだけだから!」

サターニャ「そうなの?」

ガヴリール「そうなんだよ!」グイッ

サターニャ「近い近い!分かったってば!」

ガヴリール「ならいいんだよ」フ-


サターニャ「…って事は、よ?服とか興味ないって事もないわけ?」

ガヴリール「そりゃあ、まあ。前は面倒なのが勝ってただけで」

サターニャ「なら、あんたの服見に行きましょうよ!」

ガヴリール「いや、そっちの買い物は!?」

サターニャ「いいのいいの、どうせ時間はいっぱいあるんだから!」





ガヴリール「つ、疲れた…」

サターニャ「ついはしゃぎ過ぎちゃったわ」

ガヴリール「というか、何も買わずに出てきちゃったんだけど。あれだけ試着したのに」

サターニャ「いいのいいの。それにアンタ天使なんだから、悪い事にはならないわよ」

ガヴリール「いやいや、そんなんあり得ないって」

サターニャ「そう?まあ過ぎた事を気にしても仕方ないわ!」

サターニャ「そろそろ丁度いい時間だし、お昼にしましょうよ」

ガヴリール「うわ、結構長い事居たんだな」




サターニャ「ガヴリールは何食べたい?」

ガヴリール「えー」

サターニャ「何でもいいってのは無しで」

ガヴリール「うわ、先読みすんなし」

サターニャ「やっぱり」

ガヴリール「でもホントにこれってのはないんだよなー」

サターニャ「かく言う私も特にないし、適当に見てから決めればいいわよね」

ガヴリール「そだな」




ガヴリール「ふー、もうお腹いっぱいだわ」

サターニャ「結構美味しかったわね」

ガヴリール「そうだな」

サターニャ「さ、次はどうする?」

ガヴリール「どうするって、サターニャ買い物は?」

サターニャ「あ、そうね」

ガヴリール「あってなんだよ、あって」

サターニャ「なんの事?」

ガヴリール「誤魔化すなし」

サターニャ「いいからいいから」グイグイ

ガヴリール「わっ、押すなっての」

サターニャクスクス





サターニャ「これとかどう?」

ガヴリール「なあ」

サターニャ「こっちもいいわね」

ガヴリール「おい」

サターニャ「ちょっと、動くんじゃないわよ」

ガヴリール「あ、ごめん。…じゃなくて!」

サターニャ「何よ、もう」

ガヴリール「さっきから選んでるの私のばっかじゃん」

サターニャ「いーのいいの。アンタ普段飾りっ気ないし、選びたかったのよねー」


ガヴリール「もしかして最初からそれが目的だったとか?」

サターニャ「そうそう、そんなとこよ」

ガヴリール「なんだよそれー」

サターニャ「気にしないの。そもそも私の用に付き合うって約束なんだから、最後まで責任取りなさいよね」

ガヴリール「たく、今回だけな」

サターニャ「話は決まったわね。それじゃあ次はーー」

ガヴリール(…まあ、サターニャが楽しそうだしいいか)






サターニャ「ふー、楽しかったわね!」

ガヴリール「つ、疲れた…」

サターニャ「普段だらけ過ぎだからよ」

ガヴリール「いやいや、サターニャが振り回し過ぎなんだよ」ジト-

サターニャ「冗談じょーだん。分かってるってば。今日は付き合ってくれてありがとね」

ガヴリール「お、おお。いや、私も楽しかったし、そんな気にしなくてもいいって」

サターニャ「そう?なら良かったわ」




サターニャ「ホントはさ」

ガヴリール「ん?」

サターニャ「誘った時、用なんてなかったのよね」

ガヴリール「は?」

サターニャ「帰ってる途中で次の日土曜って気付いて、二日も会えないのかーってなって、そしたら勢いで誘ってたのよ」

ガヴリール「え?」

サターニャ「それで帰ってから慌ててどうするか考えて…と言っても考えてた通りってわけじゃなかったんだけど」


サターニャ「ガヴリールが楽しかったって言ってくれて、正直ホッとした」

サターニャ「私だけが楽しかったのかもって、ちょっと不安だったのよね」

サターニャ「今日、誘って良かった」

サターニャ「良かったらまた今度も二人で遊びましょ」

サターニャ「それじゃ!」タタッ



ガヴリール「……」ポカン

ガヴリール(あ、あいつ、言うだけ言って)

ガヴリール(今日は普通に話せてたのに、最後の最後で…あー!)カァ-ッ

ガヴリール「今日、普通に寝られるのか…?////」

今回はここまで
次回は近日中に

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