【安価コンマ】男「時空管理局に入局して魔導師になろう14」【リリカル】 (1000)

・安価コンマスレです
・リリカルシリーズのニ次SSとなります
・システム現在改正中です
・戦闘中、取り返しのつかない行動(リミットブレイク。ブラスターなど)を選択された時。>>1の判断で状況や意見によって多数決による承認制を行う時があります。ご了承ください



前スレ
【安価コンマ】男「時空管理局に入局して魔導師になろう13」【リリカル】
【安価コンマ】男「時空管理局に入局して魔導師になろう13」【リリカル】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492427935

【プロフィール:主人公】


■総合魔力:【A】→【B-】(リンカーコア欠損による魔力低下)
■暫定魔導師ランク(戦闘力に限る):【S+】
■魔法体系:【古代ベルカ式】
■適正:  【空戦魔導師】
■デバイス:【アームドデバイス『槍型』 AI:『非人格型?』】
     :【ストレージ型の記憶媒体機能一部参考、搭載】
■希少技能:【脳内物質操作】
■容姿:全身に火傷跡。左目失明(平時:包帯着用)。左腕壊死(平時:義肢を接続)。25~歳
■後遺症:【定期的な手足の痺れ】【記憶障害の前兆】【色覚異常の前兆】【五感異常の前兆】

【技能1:戦闘コマンド】


【戦闘技能ーLv5】
■『近接戦闘』(ベルカ式)
┗A:コンマ補正+50
■『回避』:下記を参照してコンマ判定を行う
┣A:偶数時。回避成功(0ダメージ)
┗B:奇数時。回避失敗。その数値でコンマ判定を行う
       ┗回避失敗時。【雷速の模倣】が発動
③【無銘の槍】
┣A:【希少技能】を任意の回数使用する(最大3回まで)
┣B:使用した【希少技能】の回数分【コンマ判定(+25)】を行う。その合計値がコンマ補正値となる
┗C:戦闘開始より【3ターン目以降】にのみ一度だけ選択出来る



【魔力放出技能ーLv5】
■『砲撃魔法(全体)』
┣A:コンマ補正+30
┗B:行動選択中の敵全てに対して判定
■『拘束魔法』
┣A:判定勝利。次のターンの相手の行動補正値を0にする
┗B:判定敗北。効果なし
■『障壁魔法』
┣A:コンマ補正+30
┗B:判定敗北後3ターン使用不可

□技能2:(任意で発動可能な技能)


①【脳内物質操作(希少技能)】
 耐久数値65以下時に任意の判断で発動可能
 A:コンマ偶数成功ーコンマ補正×3
 B:コンマ奇数失敗ー行動不能
 C:行動不能時にダメージを受けても必ず現在の耐久数値から一割残存確定
 二回目以降の奇数時では一割残存は発生しない。

②【カートリッジロード:装弾数3】【リロード】
 1ターンに1度、使用可能
 A:コンマ補正+15。デメリット補正-10(1ターン)
 ※『リロード』戦闘後に装弾数が全て再装填される。一度のみ

③【魔力伝導:高倍率】
 装弾数を任意の判断で消費することで使用可能
 A:使用した装弾数×15の数値がコンマ補正になる
 B:判定後に耐久数値ー【20】の自己ダメージ発生

④【肉体再編成:再生】
 A:耐久数値が『70以下』の時に一度だけ使用可能。コンマ判定を行う
 B:上記のコンマ判定結果『/2』の数値が耐久数値に加算される
 (戦闘後にも使用可能)(二回目以降の使用には生命判定)
 (耐久数値の上限は超えない)

⑤【リミットブレイク(肉体破損無視)】
 装弾数を任意の判断で消費することで使用可能(戦闘終了まで強制持続)
 A:使用した装弾数の数×15の数値を全ての行動補正値に加算する(戦闘終了まで)
 B:判定後に耐久数値-【50】の自己ダメージ発生(戦闘終了まで)
 (自己ダメージで耐久数値【0】になった場合『中枢神経麻痺』は発動する)
 (自己ダメージで【0】になる時、希少一回目と併用しててた場合。『1割』残存する)
 
⑥【Blaster System:鋼の撃鉄】
■『リロード』分のカートリッジを全弾消費することで使用可能
■戦闘終了後に生命判定
■コンマ判定を行う。下記を参照してコンマ判定結果の効果が反映される
 ブラスター1(01~30):全ての行動補正値にコンマ補正+30(三ターン)
 ブラスター2(31~60):『近接戦闘』に(全体)を付与。コンマ補正+50(一ターン)
 ブラスター3(61~90):『近接戦闘』に(全体)を付与。コンマ補正×2
 〝F〟ブラスター(コンマ範囲91~99):???



■技能3:(条件を満たすと自動で発動する技能)

①【中枢神経麻痺(痛覚)】
 耐久数値0になった時に自動で発動する
 A:1ターン行動猶予発生。次の判定後、相手の耐久数値が1以上の場合敗北する
 B:【希少一回目】と併用するとさらに1ターン行動猶予発生

②【雷速の模倣】【習得】
 『回避』失敗時に自動で発動する
 A:『回避』の再判定を行う
 B:戦闘中に『一度』だけ発動する

 【好感度表1】
(好感度は信頼度のようなもので高ければ高いほどはやく悩みや秘密を打ち明けてくれます)


【250:上限到達】ギンガ──(そうですよね。ずっと、ずっと。一緒ですよね)
【206】フェイト──(優しい人ですね、あなたは。でもその優しさが少し怖いです…)
【181】レジアス中将──(お前の優さは【諸刃】だ。だがそれよって誰かが救われてきたのだ)
【156】陸士隊員s──(久しぶりに会えて楽しかったぜ!今度皆で墓参りにでも行くか!)
【156】はやて──(楽しかったですね!またやりましょうか!?)(男「お断りします」)
【155】ティアナ──(ありがと…心配してくれて。ちょっと嬉しかった、かな?)
【144】ルーテシア──(あの変態ドクター、変わんないなー。死ねばいいのに…)
【131】なのは──(喜びも悲しみも。友達なら分けあえる。あなたともきっと!)
【119】ヴィヴィオ──(なんで【ママ】の前で【パパ】って言っちゃダメなのー?なんでー!?)
【109】ゲンヤ──(ギンガも大きくなってきたし、いろいろお似合いかもな?なんてな!)
【108】シャリオ──(なのはさんといい…あなたといい。身体は大事にしてください!)
【94】スバル──(模擬戦楽しかったなぁ。またやりたい!陸士さんおねがいしますね!)


【83】カリム──(新しい同志が…いえ、友人が出来たようでとても嬉しいです…!)
【79】エリオ──(同じ槍使いの先達として…勉強させてもらいます!)
【75】ヴィータ──(なんか似た匂いがする…もしかして同郷か!?)
【74】シャマル──(今日みたいに傷付かない戦いがベストですね!)
【70】キャロ──(外見はちょっと怖いけど…、話してみると優しそうなだったなあ)
【67】ユーノ──(再生の補給はそちらの医務官さんに打診するといいよ!)
【65】シグナム──(久しぶりに猛り狂うような戦いが出来て楽しかったぞ?)
【44】ヴァイス──(礼儀正しいが無理してるように見えるぜ?もっと肩の力を抜いてきましょ!)
【28】ザフィーラ──(想像以上に傷だらけの男だ。…少しでも俺が盾になってやらねばな)

[好感度表2]


■『コミュ可能』
【203】ドゥーエ──(本当にバカな人ですね。そんなあなただから…)
【132】ゼスト──(ありがとう。お前に救われた。今度は俺が力になってやりたい…だが)
【96】チンク──(ありがとう。正面から立ち向かってきてくれて)
【68】トーレ──(うむ。楽しかった。さて【自閉モード】にでも入るか。あとは任せたぞ【妹達】)
【32】クアットロ──(まだ、……まだ諦めないわ。あなたは必ずこの手で…!)

■『コミュ不可』
【122】スカリエッティ──(久しぶりに【彼】に会えてよかったよ!次はどうしてやろうか!?)

【あらすじ】


【空白期編】
1スレ目 【レジアス、直談判、入局、陸上部隊、銀行強盗事件】
2スレ目 【大きな特殊イベント 湖 ナンバーズ、長期リハビリ】
3スレ目 【大きな特殊イベント 病院 ナンバーズ】
4スレ目 【ドゥーエ 火災事故】
5スレ目 【大きな特殊イベント 護送任務】
6スレ目 【大きな特殊イベント 護送任務 第一級希少個体 運命の分かれ道】
7スレ目 【大きな特殊イベント 護送任務 転移デバイス 崩れる世界】
8スレ目 【大きな特殊イベント 護送任務 崩れる世界 未来へ】

【原作:Sts編】
9スレ目 【傷痕 機動六課】
10スレ目 【大きな特殊イベント ホテルアグスタ ゼスト】
11スレ目 【ティアナイベント ガジェット】
12スレ目 【大きな特殊イベント 休日  聖王】
13スレ目 【大きな特殊イベント 公開意見陳述会 ドゥーエの真実 因縁の決着】

   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


レ■アス「ま■…お前の■格面は知■ない。信用に値する■■かもわから■」

男「……」

レ■ア■「正直弱■やつなら■■な雑務をさせて■■していたところだ。そし■それの方が■だった」

男「……」

■ジアス「……」

レジアス「■■、感謝■する。陸を選ん■こと。適当■気持■だったとしてもな」


   □□□□□□⌘□□□□□□
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──【先端技術医療センター】【医務室】
──【ニュース】


『こちらは昨日テロ事件の被害を受けた時空管理局ミッドチルダ地上本部の上空です』

『施設の被害や負傷者の数、事件の詳細についてはいまだ管理局側からの発表はありません』

『事件直後に犯人らしき人物からの犯行声明があった模様ですか、その内容については慎重な検討の後に公表すると広報部からの報告がありました』

『レジアス・ゲイズ中将が中央の先端医療センターに搬送された模様。実行犯と思われるテロリストの身柄を数人確保したなどという情報などは逐次公開を──』



男「……」

男「……ヴィヴィオ」

──【機動六課】【跡地】


男「…ここが、機動六課」

 【公開意見陳述会の事件】からおよそ五日ほど経過した。

 自分はその期間の間、八神陸佐の進言により半ば強引に医療センターで手術とリハビリを繰り返していた。今までのダメージに比べれば大した怪我ではなく、回復は早かった。

男「ヴィヴィオ……」

 だが他の機動六課のメンバーはそうではなかった。
 特に機動六課に常駐していた隊員が奇襲により大きなダメージを受けてしまった。
 ヴァイス陸曹。シャマル医務官。ザフィーラさん。シャーリー。ロングアーチのメンバー。
 ──そして、ヴィヴィオも消息不明に。


ギンガ「先輩! 病室から出ていくなら連絡下さいって言ったじゃないですか!」

男「…ギンガ?」

──【フリーパート】【残り:4回】


男「酷いな。この惨状は…」

ギンガ「はい……、みんなの思い出の場所ですからね」

ギンガ「でも悪いことばかりじゃないです! 【研究所】の駆動炉は止められましたし、ルーテシアのお母さんも奪還出来たようです。何よりナンバーズを確保出来たのは大きい」

 ゼストさんは現在【重要参考人】として。
 二乃さん、クアットロ、チンクも施設に勾留中…もとい拘束されている。
 レジアス中将は未だ医療センターで治療中。大事はないようだが……
 


男「そうだな、暗くなってても仕方ない。やるべきことをやるんだ」

ギンガ「はい! 先輩と私なら。みんなとなら絶対やれますよ!」

 奪われたのなら奪い返す。
 待っててくれ、ヴィヴィオ。
 

【安価】 午前はどうする? ↓2
1、戦闘訓練(経験値↑)
2、コミュ(好感度↑ 知り合いキャラ安価指定>>5 >>6)
3、散策(???)
4、自由安価(不可能なものは安価下)

──【フリーパート】【残り:4回】


男「そうだ。二乃さん……【ドゥーエ】と面会出来るかな?」

ギンガ「……ああ、例の人ですね」

 そう簡単にはいかないだろうか?
 手続きがあるようだし、現在も取り調べを受けてるという話だ。
 ──だが彼女とは一度会っておきたい。話したいことが一杯ある。


ギンガ「むしろ先輩じゃないとダメっていうか…。先輩のとこに私が来たのもその為って言うか…」

男「…?」

ギンガ「あまり捜査に協力的じゃないんですよ! そのドゥーエという人は!」

ギンガ「先輩を呼んで来ないと【話】する気ないって言うんです! 更生する気ないですよ!」

 ……。
 彼女らしい?、のだろうか。とりあえず勾留施設に向かってみよう

──【フリーパート】【残り:3回】



【安価】 午後はどうする? ↓2
1、戦闘訓練(経験値↑)
2、コミュ(好感度↑ 知り合いキャラ安価指定>>5 >>6)
3、散策(???)
4、自由安価(不可能なものは安価下)

──【フリーパート】【残り:3回】


■【午前】【コミュ:ドゥーエ】
■【午後】【コミュ:なのは】

──【ミッドチルダ】【拘置所】


ドゥーエ「はい、ご苦労さまです。よく連れて来てくれましたね、ギンガ捜査官」

ギンガ「人を小間使いみたいに言わないで下さい……もう。先輩も鼻の下伸びてますよ?」

男「…え!?」

 むう、と頰を膨らませながら何故かこちらを見つめて非難している。
 どうやらあまり相性が良くないようだ。
 …というより二乃さんが妹をからかってるように見える。


男「…二乃さん、お久しぶりです」

二乃「はい、陸士さん。……本当は二人きりが良かったのですが、立場的に無理は言いません」

 クスッ、と小さく笑って見つめてくる。
 昔より彼女の棘が抜けたような感覚がする。


ドゥーエ「あなたにとって有用な情報。何から話したものか……、」

ドゥーエ「…時間も五分しかありませんしね」

男「あの、出来れば捜査官の方にも情報をですね?」

ドゥーエ「局員はあなた以外と会話する気はありません。……以前にも伝えましたが、家族とあなた以外特に興味は示せない。これは生来の性格なのでどうしようもありません」

 どうやら嘘ではなく事実のようだ。
 自分としては二乃さんには更生を志して欲しい。少し長い説得になりそうだが…。

 
ドゥーエ「あなたがどうしても言うなら……。そうですね、一晩ベッドの上で語り合っても」

ギンガ「ゴホン、ごほごほん! 先輩! 尋問を続けて下さいね!?」

ドゥーエ「普通にジョークです」

 めっちゃ、後ろでギンガが咳き込んでる。
 
【次に情報安価になります】

──【安価:先取り2つになります】


1、【ヴィヴィオ】【聖王】について:【一部ステータス開示】
2、【スカリエッティ】について:【一部ステータス開示】
3、その他の質問(不可能なものは安価下)

──【②スカリエッティについて】


ドゥーエ「ドクターについてですか……。──正直」

 正直?

ドゥーエ「彼が何を考えているのか。私も正確には掴めませんね」

ドゥーエ「結構あの人【アレ】ですから」

 確かに、スカリエッティとして会った彼はだいぶ【アレ】だった気がする。
 【スカリエッティ】と【先生】が同一人物だとはあまり思いたくない。
 ──デバイス:無銘の作成者であり、その無銘に助けられてきたから。


ドゥーエ「彼は【アルハザード】の遺児……最高評議会の負の遺産──と言われてもすぐには理解出来ないでしょうし大した役にも立ちませんね。使えそうな情報といえば」

ドゥーエ「結論から言えばですね。ドクター、スカリエッティは【あなたに成ろうと】してます」

──【ステータス開示:スカリエッティ】


①【脳内物質操作(劣化):仮想再現】
 任意の判断で発動可能。
 A:コンマ偶数成功ーコンマ補正×2。耐久数値が半分になる
 B:コンマ奇数失敗ー行動不能
 C:行動不能時にダメージを受けても必ず現在の耐久数値から一割残存確定
 二回目以降の奇数時では一割残存は発生しない。


男「……!」

ドゥーエ「彼は常々あなたのことを視ていました。あらゆる事件を自ら引き起こし、あなたを」

ドゥーエ「ドクターは、あなたとは対極のような存在です。あなたという存在をまるで理解出来ない」

 よく、わからない。
 【自分に成る?】 理解出来ない存在だから? どういう意味で言ってるんだ?

ドゥーエ「何かあなたから感じるものがあったのかもしれません…。こればかり彼の心の内ですから」

ドゥーエ「あなたの理想を吐き捨てるようにゴミのようだと言ってました。でもそれはとても嬉しそうで……あなたの視ている【景色】を理解したいとも」

ギンガ「……??」


ドゥーエ「【理解出来ないものを理解したい】。ドクターは今までになかった【己を改造実験】に着手しました。──あなたのデータを元にして」

ドクター「実験は丁度【四年前】。あのロストロギアの事件後から行われてます」

──【ステータス開示:スカリエッティ】


■近接戦闘【強制同期】:コンマ補正+50。判定敗北で大きく補正値が劣化します
 (主人公の近接技能と同期しています)



男「……」

ギンガ「先輩……、あまり深刻に捉える必要ありませんよ。ハッタリかもしれませんし」

ギンガ「仮に事実だとしても先輩は先輩だけです! 

ドゥーエ「まあ……確かに。戯言かもしれまんせん。ですが彼の【欲望】は本物です。注意するに越したことはない。──確実に彼はあなたの前に現れますから」



ドゥーエ「陸士さん。私はあなたを愛してます。叶うならば一緒に歩みたいとさえ思ってます」

ドゥーエ「──でもあなたの枷にはなりたくありません。私のことはもう忘れていいですから」

男「二乃さん……」

ドゥーエ「姉妹達のことも、そしてドクター……父親のことも愛してます」

ドゥーエ「もし。最期に一つ望めるのであれば、ドクター達を──」


──【午前】【コミュ終了:ドゥーエ】

(中途半端ですが、今日はここまでになります)
(見てくださってありがとうございます)
(次回は明日~明々後日20:30予定になります)

(次回で【ラストイベント】目前まで更新できたらあとは【最終決戦】になります)

──【午後】【コミュ:なのは】
──【機動六課:跡地】【屋上】


なのは「……あ、」

男「高町空尉…、こんなところで一人で何を?」

なのは「あはは、ちょっと風に当たりたくてね」

 そう言って再び彼女は空を見上げた。
 ぼんやりとした瞳で。自分に背を向けてただ空を。
 ──その姿が無性に寂しそうに見えた。


男「ヴィヴィオ…」

なのは「……」
 
 あの子が拐われた。理由はどうあれ、自分のことを『父』として慕ってくれてた子を。
 同じように『母』と呼ばれていた高町空尉も、自分以上にヴィヴィオに慕われていた。いつも彼女の側にいた。だからこそ、優しい人だからこそ強い『喪失感』に苛まれているようだ。


──【次に好感度コンマになります】

──【好感度:コンマ判定】
──【170以上で???】【170以下で通常】


コンマ判定↓ (好感度:+131)

──【131】+【42】=【173】
──【■なのはの心の内】


なのは「あの子との約束……守れなかったなぁ」

男「約束……?」

なのは「はい。あの子が攫われる前に……別れた際に約束したんです」

 ぽつりぽつり。小さく呟くような声で彼女は【心の中】を語ってくれた。
 いつも年齢以上に大人びている高町空尉がとても小さく見えて、年相応の子供のように見える。


なのは「私がママの代わりだよって、守っていくよって約束したのに…、側にいてあげられなかった。守ってあげられなかった…!」

なのは「あの子、きっと泣いてる…!!」


なのは「ヴィヴィオが一人で泣いてるって、苦しい思いをしてるって思うと……身体が震えてどうにかなりそうなのっ!! 今すぐにでも助けに行きたい…! ──でも、私は」


──【次に安価になります】

──【最終イベント分岐点安価:先取り3つ】


①【ゆりかごルートへ】 「一緒にあの子を助けよう」と彼女と誓い合う
②【ルート保留】 「仲間と共に必ず助けに行こう」と彼女を強く励ます
③自由安価 (不可能なものは安価下)

──【①ゆりかごルートへ】【最終決戦の一部イベントが確定します】


男「高町空──いや、なのは」

なのは「……!」

 【なのは】と呼ぶべきだ。彼女は自分に本音を明かしてくれた。
 ならばこちらもその【心】に正面から向き合うべきだ。


男「四年前のことを覚えてますか? 【ロストロギア】の事件」

男「ギンガが敵に拉致されて、仲間が傷ついて、先輩が亡くなって……108部隊が消えてしまった事件」

なのは「……うん」

男「あの時……自分は命令を無視して独断専行しました。君はそんな自分に付いてきてくれた。自分のエゴになのはを付き合わせてしまった後悔も正直あるけれど、それ以上に──」

 一体それがどれほど心強かったか。どれほど嬉しかったか。
 貴女がいなければギンガを救うことも、ロストロギアを止めることも出来なかったかもしれない。


 上手く言葉に出来ないけれど、言葉にしてみる。
 

男「改めて『ありがとう』、なのは。君がいてくれて本当に……よかった」

男「そして『一緒にあの子を助けよう』。自分がなのはの力になってみせる」

 今度は自分の番だ。自分がなのはを、ヴィヴィオを助ける──いや、助けたいのだ。
 ギンガが、先輩が、ゲンヤさんが。自分を助けてくれてきたように。
 ──自分も目の前の誰かを助けたい。それが自分の原点だった。


なのは「ありがとう……陸士さん」

なのは「そうだね。助けに行こう。一緒に──挫けてる場合じゃないですよね!」

 彼女から強い信頼の瞳を感じる。
 どうやら気持ちを持ち直してくれたようだ。


なのは「それにしても……ようやく名前で呼んでくれましたね。少し達成感が──」

男「じゃあそういうわけで! 作戦室でまた会いましょう高町空尉!」

なのは「ちょっ!? だからなんで呼ぶの一瞬だけなんですか!?」

 階級的にあまり馴れ馴れしくするのは少し問題かな、と。
 気恥ずかしくなったのでそろそろ逃げるとしよう。


なのは「私の背中。あなたに預けます」

なのは「だからあなたの背中も私に預けてくださいね。あなたも一人じゃないんですから!」

 去り際に背後から高町空尉の声が聞こえた。
 小さく頷いて自分はその場を去った。彼女の重荷が少しでも軽くなったのなら嬉しい。



男「待っててくれ、ヴィヴィオ」

男「スカリエッティ…」


──ヴィヴィオは必ずみんなと共に助け出す。
──奪われたのなら奪い返すまでだ。
──例えこの身体が。記憶が灰になろうとも、必ず。





──【コミュ(なのは):終了】

──【???】【スカリエッティ:私室】


 意図が不明のケーブルと資料と装置だらけの一室。
 その中央の台座でスカリエッティは目を瞑りながら時を待っていた。
 ──数多のケーブル回路がスカリエッティの身体に打ち込まれてながらも。


スカリエッティ「……」

ウーノ「ドクター。【聖王の鍵】、移植準備が整いました」

ウーノ「あとは移植手術を行い、聖王の器を玉座へと導けばいつでも【ゆりかご】は起動出来ます」

スカリエッティ「…■■、……ん? なんだい、もう時間かい!? あと三日は準備に時間が掛かると踏んでいたんだが。思ったよりも早く──」


ウーノ「既にその三日が経過してます。お気を確かに、ドクター」

スカリエッティ「おっと、既に【記憶の損耗】が見られるね。進行は思ったより早いや!」

 心底楽しそうな笑みを浮かべながら立ち上がる。
 向かう先は聖王の元。もとい玩具の一つの所へ。

──【???】【通路】


ウーノ「何故そのような無意味なことを? 己の肉体を変質させるなど」

ウーノ「クアットロ無き今。聖王の洗脳制御も御自分でなく、私に任せてくだされば…」

スカリエッティ「いいのさ! 可能性は少しでもあげておきたいんでね」

スカリエッティ「彼とはどこで相対するのかまだ読めないが、その時が来れば【分かる】」


スカリエッティ「しかし特に戦闘をこなしてない私でもこのザマ。そろそろ陸士君の身体は限界かな?」

スカリエッティ「ま! その方が面白そうだし結構なことだがね! 記憶を破壊され尽くした彼が【自分】でいられるかどうかも興味深い。それを見たいが為の【自己改造】さ!」

ウーノ「…相変わらず。ドクターの考えていることは読めません」

──【???】【???】


ヴィヴィオ「わああああ!! いやああああ!!」

ヴィヴィオ「ママあああああ!! パパあああああ!」

ディエチ「バイタル良好…魔力安定よし。移植準備オーケー」

スカリエッティ「うんうん! いいタイミングだ」


ヴィヴィオ「なのはママ……! 陸士パパぁ…!」

スカリエッティ「さて始めようか。聖王の器に【印】を譲り渡す。ヴィヴィオ、君は私の最高傑作になるんだ。──そして私と彼の最高の舞台装置にね」

スカリエッティ「楽しみだなァ……どんな顔をするのかァ、陸士君は。フフ、ハハハハハッ!」


──【特殊イベント:終了】

──【好感度:推移】


【203+20】ドゥーエ──(あなたを愛しています。昔から。そしてこれからも)
【131+30】なのは──(私の背中を預けます。だからあなたの背中も私に。必ずあの子を救い出す!)

──【フリーパート】【残り:2回】


男「……【巡航船アースラ】? 今後そこが【本部】になるんですか?」

はやて「はい! 正確に言えば本部やないですけれどいつまでも宿無しでは都合が悪いからですね」

はやて「過去に色々あって思い入れのある艦です。特になのはちゃんとフェイトちゃんは」

 昔の思い出し、物思いに耽るような仕草で八神陸佐は微笑んだ。
 そういえばユーノ君が【昔の写真】を持っていたことを思い出す。
 ハラオウン執務官の話が事実なら、よほど大きな出来事だったのだろう。


はやて「ただ艦に搭乗したら暫く地上には戻ってこれません。作戦会議もアースラで行います」

はやて「悔いのないように……用事は済ませておいてくださいね?」

 最後の自由な時間になりそうだ。
 それが終われば【最終決戦】へ。

──【最後のフリーパート】【残り:2回】



【安価】 午前はどうする? ↓2
1、戦闘訓練(経験値↑)
2、コミュ(好感度↑ 知り合いキャラ安価指定>>5 >>6)
3、散策(???)
4、自由安価(不可能なものは安価下)

──【最後のフリーパート】【残り:1回】
──■【午前】【コミュ:チンク】



【安価】 午後はどうする? ↓2
1、戦闘訓練(経験値↑)
2、コミュ(好感度↑ 知り合いキャラ安価指定>>5 >>6)
3、散策(???)
4、自由安価(不可能なものは安価下)



──■【午前】【コミュ:チンク】
──■【午後】【コミュ:ギンガ】
──■【特殊イベント】【陸士108部隊】


──■【最終決戦】【ゆりかごへ】

(中途半端ですが、今日はここまでになります)
(見てくださってありがとうございます)
(次回は明日~明々後日20:30予定になります)

──【後遺症:コンマ判定↓1】【現在で最も酷い症状】
──【今後の主人公の描写に関わります】


①00~30 【手足の定期的な痺れ:吐き気】
②31~60 【脳髄に異状:強い記憶障害】
③61~80 【五感異状:コンマ判定】
④81~99 【???】

──【午前】【コミュ(チンク)】
──【ミッドチルダ】【拘置所】


チンク「──で、そんな大切な時間を使ってまで私に会いに来たのか」

チンク「相変わらず読めん奴だな…。だが私もお前と会いたいと思ってたところだ」

 ふっ、とガラスの向こうの彼女は微笑んだ。
 表情は以前より優しく、雰囲気は幾分か柔らかくなっている。

 情報によるとチンクはナンバーズで唯一【更生プログラム】を受ける余地があるほど協力的な姿勢を見せているらしい。──クアットロ……は、ともかく二乃さんも見習ってほしいところです。


チンク「しかし仮にも強く殺し合った関係だというのに……気にしてないのかお前は」

男「チンクもあまり気にしてないように見えるけど?」

チンク「……そうだな。別にお前個人が憎かったわけでもないし」


 憎しみ合って戦ったわけではない。
 互いに【守りたい者の為に戦った】だけだ。

 彼女と三度刃を交えた。その結果互いに大きな傷が生まれるほどの痕跡が残った。
 それでも不思議なほど憎悪や怒りに囚われることはなかった。
 ──むしろ意地と誇りのぶつかり合いだった気さえする。


男「おこがましいって言われるかもしれないけど…戦う度に少しだけ君の気持ちが分かった気がしたから。自分も君を【憎む】って気持ちにはなれなかった」

チンク「…私は家族を守る為ならば死んでもいいと思ってた」

 ──そういう思いでお前との戦いに臨んでいた。
 ──だからこそお前に勝つ為に、己の身体を兵器として特化させた。


チンク「もし私とお前が似ているというのならば……お前もそう思っているのか?」

チンク「本心が聞きたいな」

【安価:先取り2つ】


①死んでもいい、なんて思っていない。約束した
②命に代えても守りたいものがある。先輩のように
③自由安価

──【②命に代えても守りたいものがある。先輩のように】


 人はいつか死ぬ。それは悲しいものだ。
 それでも何も残らないなんてことは決してないと信じてる。

 ──死んだら全てが無価値。

 そんな悲しい結論は好きじゃない。
 自分の先輩は死の間際まで【誰かのことを想っていた】。
 自分はそんな彼の想いを無にしたくなかった。彼のようになりたかった。


男「チンクと初めて会ったあの【湖の戦い】から想いは固まってたんだ」

男「あの時から【先輩達のように誰かの為に戦いたい】って、そう思った」


チンク「そうか…。ありがとう、話してくれて」


チンク「お前辿るであろう【道】は酷く歪んでいて、険しい道なんだろうな…」

チンク「管理局としても褒められたものでない理想で自己犠牲の精神だ」


チンク「だが、そんな優しいお前だからこそ……こんなにも惹かれてしまったのだろうな」

チンク「今更何を言ってるのかと笑われるかもしれないが……──お前と肩を並べて戦う未来を思い浮かべてしまったよ。もし叶うなら……本当にそうなりたいとさえ思ってる」


チンク「お前のことをまだまだ知りたい。だからまた会おう。【約束】だ」

男「ああ。必ずまた来るよ。スカリエッティの手に縄つけてね!」

チンク「ふふ……期待してるぞ。陸士」


──【午前】【コミュ(チンク):終了】

──【午後】【コミュ(ギンガ)】
──【機動六課:跡地】【屋上】


男「……雨か」

 見上げると景色が曇天で満たされていた。
 もう夕陽は落ち、夜だと言うのに星一つ見えない。
 ──曇り空は昔から嫌いだった。


   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


男「……っ」

 屋内に戻ろうと踵を返そうとした時、脳髄の奥から嫌な音がした。

 ──吐き気が胃から込み上げてくる。
 ──手足の感覚が消え、平衡感覚が保てない。

男「ごほっ…! うえ…」

 えづき上げる口を押さえてなんとか飲み込む。
 膝から崩れ落ちて地面に手をついて、なんとか体を支える。
 ──後遺症の波が段々と短くなってきた。まずい予兆だ。


ギンガ「先輩」

男「……ギンガ…?」


ギンガ「先輩…! 先輩っ!」

男「大丈夫…、なんでもないよギンガ」

ギンガ「なんでもないわけないでしょう!? すぐに医務室に戻りましょう!」

男「……」

 その言葉を否定するように首を横に振った。
 この後アースラへと搭乗準備があるのだ。いまさら慣れ親しんだ病室に戻る気はない。
 もし八神陸佐の耳に入れば出撃出来なくなるかもしれない。それだけは。

 頭の奥から嫌な音が鳴り響く。
 だがこれにはもう慣れつつある。耐性がついたのか…【痛みを感じなくなってきた】


男「本当に大丈夫。ちょっと疲れが出ただけだから。

ギンガ「……嘘ですよ。そんなの」

 ──ああ。嘘だ。
 



ギンガ「先輩。私と出会った日のこと…本当に覚えてるんですか?」

男「覚えてる…日記にも書いてあったろう?」

ギンガ「……」

──嘘だ。もう四年前の記憶は欠損で【虚ろ】になりつつある。



ギンガ「みん…なの為なら…、…死んでもいいなんて…思ってないですよね?」

男「ああ…思ってないよ」

──嘘だ。誰かの為にこの命を全て使う覚悟は出来ている。
 



ギンガ「嘘つき…っ! 先輩…昔から、ずっと……嘘つきです…!」

男「ごめん…ギンガ。本当に、ごめんな」

ギンガ「うっ…ぐすっ……うあああ、あ」

 
 

──【■特殊イベント:陸士108部隊】


 自分が守りたいもの
 自分が決して失いたくないもの

 その一つが目の前の女の子で
 その女の子が自分の前で泣いていた

ギンガ「好きなのに…っ、…こんなにも大好きなのに…なんで…こんな酷いことが…!」

ギンガ「ずっと一緒に……笑って生きててほしいのに…!」

男「…ありがとう、ギンガ」

 自分のことをこんなにも慕ってくれている後輩が誇らしくて。嬉しくて仕方なかった。
 たけど……だからこそ強く願ってしまう。


 ──例え自分がいない【未来】が訪れたとしても、
 ──この子が誰かと共に幸せになれますように、と。


ギンガ「ずっと思ってたことがあるんです。四年前のあの事件で…私が攫われてなければって」

男「……」

 降り注ぐ雫を二人で受けながら、ギンガは小さな声で話し始めた。
 繋いだ彼女の手のひらの体温を感じながら耳を傾けた。


ギンガ「もし…やり直しが効くなら……って、先輩がいなくなっちゃうくらいなら…」

ギンガ「こんな思いをするくらいなら…先輩との出会いをなかったことにしたい…とさえ…!」

男「…自分はなかったことになんてしたくないよ。絶対に」

ギンガ「…え?」

 え? じゃないよ。当たり前だ。
 ギンガとの出会いを。みんなとの出会いを勝手になかったことにされたら自分も泣いてしまう。
 

   □□□□□□⌘□□□□□□
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男「──どうしたの?」

ギンガ「ひゃいっ!? あ、あの、すいません…私、その……!」

男「……大丈夫だよ、落ち着いて」

ギンガ「は、はい…」


ギンガ「じ、自己紹介しますね!」

ギンガ「先日、陸士候補生から昇格した【ギンガ=ナカジマ】三等陸士です!」

ギンガ「今日付けで地上108部隊に配属されました! よろしくお願いします、先輩!」


   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


 なかったことになんてしたくない。
 これまでの人生で蓄積された思い出を。

 この痛みを。悲しみを。憎しみを。
 この喜びを。嬉しさを。愛しさを。

 ──決して忘れたくない。
 ──この想いは他でもない【自分のもの】なのだから。

 そんな幻想に縋るよりも自分は、ギンガに。


男「これからの未来を。君には笑って過ごしてほしいんだ」

ギンガ「…っ、! ワガママですよ…! ずるい…ですっ。そんな顔で言われたら…私は…!」

 先輩はズルいものだから仕方ない。と笑って伝えた。
 薄情でも、非情であったとしても。望まずにはいられない。
 ──この子の未来が光輝くものでありますように。


男「行こう、ギンガ。一緒に」

男「スカリエッティを殴りに行くんだ。あいつには言いたいことが山ほどある」

ギンガ「うっ…ぐすっ…はい…!」

 

 今までずっと歪な道を歩いて来た。
 きっとこれからもその道をを歩いて行くだろう。
 その先にある自分の【物語の終わり】が来たとしても、きっと自分は後悔などしない。


男「自分は【陸上108部隊。嘱託魔導師】だからな!」

 それだけは。決して忘れないと信じているから。


──【■特殊イベント:陸士108部隊】【終了】
──【最後のフリーパート】【終了】

──【聖王のゆりかご】【玉座】


スカリエッティ「準備は整った。長い間の夢がやっと叶うんだ」

スカリエッティ「培養槽で生まれた時から変わらずに揺らめいていた私の願い。刷り込まれたものなのかもしれんが、それでもこの手で叶えたい夢には違いない」

スカリエッティ「我々が望む、我々の世界。自由な世界。襲いかかって、奪い取ろうじゃないか!」

 ──素晴らしき我々の夢を


スカリエッティ「ああ! ああああ! そして早く会いに来てくれ!」

スカリエッティ「私の最後の欲望を満たしてくれよ!」

スカリエッティ「──最後の幕が上がるよ、陸士君!」

 

(今日はここまでになります)
(見てくださってありがとうございます)
(次回は【土曜日】もしくは【日曜日】の20:30予定になります)

(たぶん最後の戦闘になると思います)
(最後の最後で特殊な戦闘も入るかもしれません)
(スカリエッティ戦で終了です。今月中に終わる…かな?)

──【ミッドチルダ:上空】


 【鍵】を介することで長年の眠りから目覚めた。
 かつて古代ベルカの時代を終結させた究極の兵器であり、極めて危険度の高いロストロギアが。
 ──【聖王のゆりかご】と呼ばれる箱舟が。

 その真価は衛星軌道上に達すると二つの月から魔力を受け、高い防御性能を発揮。
 同時に精密狙撃や魔力爆撃など強力な対地・対艦攻撃が可能になり、次元跳躍攻撃さえも行えるようになる。また、大気圏内、宇宙空間だけでなく、次元空間でも航行可能かつ戦闘可能な戦闘艦。


 ──鍵となっているヴィヴィオの生命を供給源として、ゆりかごは進んで行く。月へ。



ヴィヴィオ「うあ…! 痛いよぉ…、パパ…ママぁ!」

ヴィヴィオ「う、わああああああ!!」
 

──【アースラ艦船:内部】【会議室】


はやて「【聖王のゆりかご】は二つの月の魔力に当てられて真価を発揮するロストロギア…」

はやて「もしそうなったら殲滅砲撃や艦隊兵装によって局の主力艦隊とも互角以上に渡り合えてしまう…、ゆりかごの攻撃射程圏を考えるとミッドチルダ全体が人質に取られるようなもんやな」

カリム『…ごめんなさい、はやて。予言の解釈が不十分でした』

はやて「未来なんて元々誰にもわからへん。カリムや教会のせいやないよ。…さて、どないしよか」

男「……」

なのは「ヴィヴィオ……」

 機動六課の隊長メンバーが会議室に集められた。状況はあまり良くない。
 特に問題はヴィヴィオだ。彼女の悲痛な声がスカリエッティから届けられ高町空尉が酷く動揺している。ともすれば今すぐ飛び出しかねないほど。
 

はやて「戦力を別ける必要があるなぁ…。ちょっと心配の人もいるけど」


──【ゆりかごルートへ:前回より確定】

──【ゆりかごルートへ:前回より確定】


 ゆりかごは現在浮上中。内部に攫われたヴィヴィオと大量の防衛ガジェットが存在している。
 確認された残りの【ナンバーズ】は現在地上本部へと再侵攻中。アインヘリアルは落とされた。
 監査官の活躍により【スカリエッティの研究所】を発見。

 【ゆりかご侵攻班】【首都防衛班】【スカリエッティの研究所】
 戦力上どうしてもその三班に隊員を振り分ける必要がある。

 自分は【なのは】【ヴィータさん】【八神陸佐】と共にゆりかご侵攻班へと配属された。

ギンガ「わ、わたしもゆりかごへ──!」

はやて「ギンガはフォワード陣と共に首都防衛に当たってもらうで。ゆりかごの構造上、空戦適性がないと厳しい戦いになりそうやからね」

ギンガ「…でもっ! 先輩は体がもう──」

男「地上を頼んだよ、ギンガ」

 悲痛な声で叫びそうになるギンガの言葉を遮った。


はやて「無茶するな──なんてもはや言える状況ではないですし、耳にタコが出来るくらい言われてると思います。でも言わせてくださいね、陸士さん」

はやて「なのはちゃんも…ヴィータも。そしてヴィヴィオも──みんな無事で帰って来てな?」

 部隊長としてではなく。一人の人間としてお願いされた気がした。
 誰一人欠けずに帰って来てほしい、と。
 安易にそれに対して頷くことは出来なかったけれど、確かにそれを守りたいと思えた。


ヴィータ「任せろ、はやて! わたしがこの無茶しいどもをキチンと帰還させてやるから!」

なのは「えっ? もしかしてヴィータちゃんの中ではわたしと陸士さんと同じカテゴリーなの!?」

 同じカテゴリーかどうかは別として彼女が心配されるのはわかる。確か過去に彼女は──


男「地上は思い出深い場所だから防衛班のギンガはとても重要な班だよ」

男「例え自分達がゆりかごを落とせたとしても地上をめちゃくちゃにされたら意味がない」

ギンガ「……」

 首都防衛班には元108部隊の面々も機動六課に助力を見せる姿勢を示しているらしい。
 確かに先輩達。ゲンヤさんは前線に立てる体ではない。だけど目の前で蹂躙されようとしている地上を看過出来るほど大人しい性格ではないらしい。それは自分もよく分かっている。

ギンガ「わ…たしは…、先輩が壊れる方が…、……同じくらい…」


男「──必ず帰ってくるよ。その時はまたみんなで先輩のお墓まいりに行こう」

男「スカリエッティのバカをぶっ飛ばしたから安心してほしい、って報告するんだ!」

 だからそんな悲しい顔をしないでほしい。
 ──きっと、必ず帰ってくるから。

──【アースラ艦船:降下ハッチ】


なのは「必ずヴィヴィオを──みんなを守りましょう!」

なのは「──奪われたのなら奪い返す。そうですよね、陸士さん」

ヴィータ「なのははもう落とさせねぇ…。今度はぜってえ守る」

ヴィータ「おめえもぜってえ死ぬんじゃねーぞ!? 正直一番心配なんだかんな!」


はやて「降下ハッチ開けます! 各員準備──!」


 ──行こう。全てに決着をつけるんだ

──【ゆりかご内部:玉座の間】


ウーノ『アースラ艦隊から高魔力が三人降りて来ました。周囲に散開している防衛ガジェットでは足止めにさえならないと思われます。──本当にいいんですか、ドクター?』

スカリエッティ「ああ、こっちは私と『この子』で十分さ。むしろそっちの方が都合がいい」

スカリエッティ「ディエチは最後まで渋っていたが首都へと向かわせたよ。ふふ、親思いの子だ」

ウーノ『……」

スカリエッティ『心配かい? 確かに『禁忌兵器』の一部で遊ぶかもしれないがその対処法は各々に──』



ウーノ『死なないでくださいね、ドクター。そして我々を忘れないで』

スカリエッティ「あはははは! 善処はするさ! 彼との遊びに夢中になりすぎなければね!」

ウーノ『……ドクターの悪い癖は死んでも直りそうにありませんね』
 

──【ゆりかご:外周】


はやて「叩ける小型機は空で落とす! 潰せる砲門はここで潰す!」

はやて「ミッドチルダ地上航空部隊魔導師、勇気と力の見せ所や!」

 外周付近の防衛ガジェットと思われる機械兵器を八神陸佐達は次から次へと落としていく。
 自分も無銘の槍でガジェット共を分解していく。

 ──戦闘開始から十数分後。ゆりかご内部への突入口が発見されたと報告が入った。

ヴィータ「なのは、陸士! 一気にゆりかごへ突入行くぞォ!」

なのは「了解!」
男「了解!」





──【ゆりかご:内部】

ヴィータ「なんだこりゃ!? ゆりかご内部全域に高濃度のAMFが張られてやがる!」

なのは「飛ぶのは…支障はないけど、厳しい戦闘になりそうだね」

男「……」



──【次に分岐点安価になります】


 ゆりかごの詳細ルートによると船首付近に【玉座の間】。船尾付近に【駆動炉】が存在する。
 玉座の間では【聖王】が、ヴィヴィオが待っているはずだ。

ヴィータ「突入隊が揃うまで40分以上…。駆動炉と玉座の間。片方叩けば止まるかもしれねえし、片方止めただけでは止まらないかもしれない」

男「……」

ヴィータ「陸士。あんたの情報を加味するとヴィヴィオは操作されてる可能性がある。楽観出来ない以上あらゆる可能性は潰しときたいところだ」


ヴィータ「あんたり時間食ってるとゆりかごが本格的に起きる前に『本局次元航行部隊』の艦隊砲撃で塵にされちまう。そうなったら中のわたしら諸共お陀仏だ。時間は掛けられねえ」

ヴィータ「【駆動炉】は任せろ。なのははヴィヴィオを迎えに行ってやれ。……そんで、あんたは」

 自分が行くべき場所は──

──【分岐点安価:先取り3つ】


①なのはと【玉座の間】へ向かう (【???】戦の可能性。【聖王との再会】)
②スカリエッティの元へ (──【最終戦闘】へ)

──【①なのはと【玉座の間】へ向かう】


男「──玉座の間へ。自分もヴィヴィオを迎えに行ってあげます」

ヴィータ「! へへ、そうかい。二人で向かいに行ってやれよ、夫婦らしくな!」

なのは「ふ、夫婦とかではないよ!? そりゃあ、パパとママって呼ばれてはいるけど…!」

ヴィータ「…なんかすげー歪な関係だな。ヴィヴィオが戻ったら矯正しないとな!」

 確かに一理ある。ヴィヴィオにとって本当に『父親』と言える人はきっと別にいる。
 だけど今は──自分が父親だから。だからこそあの子を。
 

なのは「冗談言ってないで行くよ! ヴィータちゃんも気をつけて!」

ヴィータ「お前らほど無茶しねーさ! しっかりやれよ!」

男「……はい!」

 ヴィータ副隊長が天真爛漫な少女のような微笑みを見せてくれた。初めてみる笑顔だ。
 きっと向こうも相当厳しい戦闘になるだろう。ガジェットの気配がする。
 ──こちらも一秒でも早くヴィヴィオの元へ向かわなければ。

──【ゆりかご:内部】【玉座の間まであと数分】


なのは「…また二人きりになりましたね。四年前も似た状況でした」

男「…ギンガが拐われたあの時ですね。高町空尉には救われました」

 互いに並走するようにゆりかごを内部を高速で飛翔していく。
 流れていくゆりかごの景色を視界に収めながら警戒は解かない。
 だが敵の気配は未だにない。

 自分が捕らえたナンバーズは【二乃さん】【トーレ】【クアットロ】。
 情報によると【ナンバーズ】は12人。残り9人は存在しているはず。
 ゆりかごにも多くの【ナンバーズ】を配置していると踏んでいたのだが。


男「あなたはギンガを助けてくれる為に動いてくれた。だから今度は自分の番」

男「自分があなたとヴィヴィオを守る。──そう決めてここを選んだんです」

なのは「……ありがとう、陸士さん」


 ──玉座の間へと辿り着いた。

(チンクさん忘れてた…! 脳内補完をお願いします!)

──【玉座の間】


男「──!」

なのは「──バスター!」

 【玉座の間】への扉を無銘の槍で斬り裂き、桜色の閃光がそれを強引に破壊しながらこじ開けた。
 高町空尉と共に玉座の間へと共に辿り着き、ほぼ同時にその玉座へと目を向けた。



 ──そこには眠るように玉座へと座らされたヴィヴィオ。
 その横にスカリエッティが笑みを浮かべながら自分達を招き入れるように両手を開いて待っていた


スカリエッティ「やあ、諸君。思ったより早く来てくれたねェ」


なのは「……ヴィヴィオっ」

 ギュッと無銘を握り込む手に力が入る。
 血が滴りそうなほど強く。──全ての元凶。先輩の仇。ヴィヴィオを誘拐した男が目の前に。


男「スカリエッティ…」

スカリエッティ「ああ、私だよ。陸士くん」


男「お前を…!」

なのは「──どいて陸士さん!」

 レイジングハートから閃光の奔流が発せられ、真っ直ぐスカリエッティへと叩きつけられた。
 だがそれは空を切った。残像思わせるようにスカリエッティの身体がブレ、そして消えた。

なのは「…本体じゃない。投影…っ」

男「どこだ…! 逃げ隠れするなっ!」



スカリエッティ『おやおや、警告なしで砲撃かい。本来なら罪状を述べて警告してからだろうに…』

スカリエッティ『陸士くんと沢山お喋りしたいことがあるんだが、これでは会話もままならないなー』

 だから会話しやすくしようかなー!とスカリエッティの声が玉座の間に響き渡る。
 同時にヴィヴィオの身体が──


ヴィヴィオ「ああ…ママ…! パパ…! 助けてっ!」


ヴィヴィオ「あああ゛あ…!」

なのは「──っ、ヴィヴィオっ!」

男「…これは!?」

 身体ごと吹き飛ばされそうな膨大なエネルギーの奔流が吹き荒れる。
 ヴィヴィオの悲痛な声が耳に届く。今すぐ駆け寄って抱きしめてあげたい。
 だがこのエネルギーの奔流の中では近づけない。──あの子に何かが起こってる。



スカリエッティ『いい事を教えてあげるよ、陸士君。その子は究極の生態兵器』

スカリエッティ『レリックとの融合を果たす事でその力を完全に取り戻す。古代ベルカの王族が自らその身を作り替えた究極の生態兵器『レリックウェポン』としての力を!』

スカリエッティ『すぐに完成するよ、ナンバーズの王が…、ゆりかごの力を得て無限の力を振るう王』


ヴィヴィオ「う、ああああ゛あ゛あ゛!!!」


──【次に重大な分岐点安価になります】


スカリエッティ「さあいつまでも泣いてないで陛下のママとパパが助けて欲しいと泣いてるよ」

スカリエッティ「陛下のママとパパを攫っていった怖い悪魔が目の前にいるんだ。頑張ってそいつらをやっつけて本当の両親を助けてあげようじゃないか」

ヴィヴィオ「──」


男「てめえ、いい加減にしろよっ! 今すぐこの子を解放しろっ!」

スカリエッティ『はははははははは! 憎いかい!? この私が!?』

スカリエッティ『君が苦しんでくれてとても嬉しいなァ! もっと強く憎んでくれ! 焦がれてくれ! その憎悪がこの身を浸してると思うと心が大きく滾るんだ!』

男「お前…、お前は…! 許さない…絶対に…」




ヴィヴィオ「──」

 力の奔流が収まり、静寂が玉座の間を満たした。
 そこには。玉座には【聖王】が立っていた。
 ──ヴィヴィオをそのまま二十歳前後へと成長させたような大人の姿で。
 虹色の魔力光を通わせなながら、そのオッドアイの瞳でこちらを見据えている。


ヴィヴィオ「──パパはどこ…? ママは…?」

 ゆらりとその体躯を揺らしながら、ゆっくりとこちらへ歩み始めた。
 彼女の瞳は意思を宿しておらず、だがそれでも感じられるものがある。
 ──【敵意】だ。ヴィヴィオは自分達を敵だと認識している。

男「…ヴィヴィ──」

なのは「陸士さん……聞いて。決断すべき場面だよ。ヴィヴィオは正気じゃない」


ヴィヴィオ「あなた達が…ヴィヴィオのパパとママを拐った人たち…」


なのは「陸士さんの情報の【ルーテシア】や【ゼストさん】さんと同じ症状に見える。【洗脳装置】……そしてあの【聖王の鎧】を砕かなければいけない。鎧だけを壊しても洗脳は解けない可能性がある」

なのは「その【装置】はスカリエッティが所持してる可能性が非常に高い。……私の言いたいこと、分かりますよね? ──あなたの判断に任せたいんです」

男「……っ」


 二人でこの場に残り、ヴィヴィオの【洗脳状態】をなんとか打破し【聖王の鎧】を砕く。
 もしくはスカリエッティの元へと自分が赴き、確実に【洗脳装置】を破壊する、のか。


──【次に重大な分岐点安価になります】

──【重大な分岐点:先取り3つ】


①玉座の間に残り、なのはと共にヴィヴィオを止める (【ヴィヴィオと戦闘or説得戦】)
②スカリエッティの元へ (──【最終決戦へ】

(…そうですね。確かに分岐点が二度あるのは少し気にかかりますね。皆さんの意見もありますし)
(ヴィヴィオのステータスも用意してるのでいつでも戦闘には移れはするんですが…どうすべきか)

(最後にもう一度。分岐点安価を行うか、このまま>>329通り続行したいか……)
(手間取らせて申し訳ありませんが…最後にまた分岐点安価してもいいでしょうか?)

(そうですね!手っ取り早く偶数:奇数で決定してもよろしいでしょうか?)
(偶数:玉座の間。奇数:スカリエッティの元へ。という風に決定させてもらっても?)

(少し休憩で23:50分に分岐コンマを行います)

(手間取せて本当に申し訳ありません…)

>>1に質問ですけど

仮に本部防衛やアジト襲撃ルート立った場合、仲間や敵候補はどうなっていました?
ってかぶっちゃけルールー無事なの?

──【分岐点コンマ判定:↓1】


①偶数:【玉座の間】
②奇数:【スカリエッティの元へ】

──【①玉座の間】


男「──戦いましょう。二人で」

なのは「……!」

 スカリエッティの元へと向かい、奴との因縁に決着をつけたい気持ちも確かにある。
 ──だけど今はまだその時ではない。


ヴィヴィオ「許せない…、許せない…っ!」


 目の前のヴィヴィオの目には見覚えがあるる。
 ルーテシアの時のように。ゼストさんと時のように。
 本人の意思さえもスカリエッティの掌で弄ばれてるかのような、酷い瞳。

男「あの子を置いて……、──娘を置いて背は向けられない」

なのは「…そうだね、戦おう。そしてヴィヴィオを取り戻そう!──二人で!」

 隣の彼女がレイジングハートを強く構えた。
 戦い方は幾つかある。洗脳を打ち破り、聖王の鎧を砕く。
 どれも容易ではないけれど、諦める気は微塵もない。



男「……すぐに助ける。待っててくれ、ヴィヴィオ」

ヴィヴィオ「──っ、!」

 
 

(今日はここまでになります)
(見てくださってありがとうございます)
(次回は明日~明後日20:30予定になります)

(バックアップありの通常戦闘。もしくは例の説得コンマ判定の戦い方をするのか安価で決定します)

(>>364 首都防衛、研究所では原作通りのナンバーズの顔ぶれで戦闘です。首都防衛にはディエチが+されるくらいで。最後には色々のイベントを経てスカリエッティに辿り着きます)

(実は公開意見陳述会でラスボス候補二人倒し、その前のゼストの説得も成功したのでラスボス候補がもはやスカリエッティしかいないという……あれです)

(参考までにヴィヴィオのステータスです)
(通常戦闘の場合【なのは】からは強いバックアップがつきます)
(ではこれで終わりです)


聖王(ヴィヴィオ):耐久数値【150】
【戦闘技術(?)】
■近接戦闘(古代ベルカ式):コンマ補正+55
■砲撃魔法(古代ベルカ式):コンマ補正+40。判定結果を問わず相手に【10】のダメージ発生
■防御装甲:コンマ補正+30。耐久数値が必ず【1】残存する
■セイクリッドクラスター:コンマ判定を二度行う。その合計値が補正値となる。


①【聖王の鎧】
 戦闘開始時に自動で発動する。耐久数値【50】以下になった時【A】の効果無効になる
A:『30』以下のダメージ発生を無効にする
B:耐久数値が【0】になるダメージを受けた時、偶数:奇数で戦闘続行コンマ判定を行う


②【聖王のゆりかご:エネルギー供給】
 条件が満たされた時、自動で発動する
A:【五ターン目】【十ターン目】に全ての行動にコンマ補正+50を【1ターン】付与する

(今日は都合により早く退社出来そうなので18:00から投下開始させてもらいます)

(↓参考まで【通常戦闘】を行う場合のバックアップ技能です)
(18:00に【通常戦闘】or【説得】で先取り安価を行います)

(説得はコンマ:55以上を二回成功させる、という以前よりやや難易度が高くなってます)
(【スカリエッティ戦】があるならば一対一になります。当然ダメージを受けていれば不利になります)



(【なのは】:【バックアップ技能】)

①【アクセルシューター(援護射撃)】
 戦闘中に自動で発動する
A:主人公の『近接戦闘』にコンマ補正+30
B:主人公の『砲撃魔法』にコンマ補正+40

②【不屈の意志】
 主人公の耐久数値が【0】になるダメージが発生した時に発動する
A:???

③【スターライトブレイカー:ex-fb】
 条件を満たした時に自動で発動する
A:【主人公が敗北した時】もしくは【五ターン目】に選択肢が発生
B:コンマ補正×3(集束魔法)。コンマ補正+50(砲撃魔法)の攻撃を行う

──【安価:先取り3つになります】


①なのはと共に通常戦闘で止める (【戦闘開始】【なのはのバックアップ】
②言葉でヴィヴィオを止める (【コンマ判定:55以上】を二回出す。失敗時に【10】のダメージ発生)

──【②言葉でヴィヴィオを止める】
──【玉座の間】


男「高町空尉は索敵魔法に集中して、このゆりかごを出来るだけサーチして下さい…」

男「自分より高町空尉の方が索敵出来る【サーチャー】が優れてる」

なのは「……スカリエッティだね?」

男「それと、あなたには力を温存してもらいたいんです」

 自分が万一【説得に失敗】した場合、高町空尉に全てを委ねることになる。
 その時までに出来るだけ選択肢は増やしておきたい。
 ヤツが【洗脳装置】を所持しているのならば居場所を突き止めておくに越したことはない。


ヴィヴィオ「──っ、……うあ」

男「自分はヴィヴィオを動きを止める…っ!」

男「──最後の【鎧】は高町空尉に任せます!」



──【説得戦。開始】

+++


ヴィヴィオ「ああああああ゛あ゛あ゛!」

男「ヴィヴィオ…!」

 悲鳴のような──泣き声のような声を上げ、ヴィヴィオは一直線に迫ってきた。
 悲壮な表情と共に繰り出されたその【拳】を身体を捻り回避、距離を一つ取る。だが──


ヴィヴィオ「──っ、ママを、返せっ!」


 認識した瞬間、間近までヴィヴィオが再度寄られてることに気づく。距離を詰められた。
 単純な移動速度でさえ音速に迫っている。
 放たれた虹色の魔力光を纏った拳撃に対して防御する。

ヴィヴィオ「あなたが…っ! パパを…ママをどこかにやったんだ…!」

男「──ぐっ、!?」

 己の真下の地面が大きく陥没した。
 受け止めたこちらの腕ごと砕け散りそうなほどの衝撃が訪れた。

 ──【聖王】と化した今のヴィヴィオの力は、確実に自分よりも遥か上。

──【コンマ判定】【男の耐久数値:100】
──【55以上で一度目成功。失敗時に10のダメージ】


──男の判定↓1

──【コンマ:63】【一度目:成功】
──【男の耐久数値:100】


男「ぎっ、──!、……ヴィヴィオ」

ヴィヴィオ「……っ、気安く──」

 
ヴィヴィオ「──呼ばないでよっ!」

男「……呼ぶさっ! 親なんだからっ!」

 後ろへ強引に押し戻されるような蹴りを、さらに受け止めた。
 衝撃で体の内側から骨が軋むような音を立てたがダメージはない。

 ゼストさん。二乃さん。ルーテシアの時を思い出せ。
 ──言葉で伝え続けるんだ。そこに洗脳を打破する余地がある。


男「──ヴィヴィオ。覚えてるか。自分と初めて会った日のことを」

ヴィヴィオ「……っ、やめろ!」

 ヴィヴィオの右拳から魔力の収束を感じる。

   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


男「……」

ヴィヴィオ「……」

男「……」

ヴィヴィオ「……」

 特に理由もないのに見つめ合う。
 【動いたら負け】みたいな雰囲気になってきた。

 誰か早くきて下さい。


   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■





+++

ヴィヴィオ「──うっ…!」

男「ヴィヴィオっ……」

 膨大な魔力の塊が、空間を押しつぶすほどの圧縮精度で迫る。

──【コンマ判定】【男の耐久数値:100】
──【55以上で二度目成功。失敗時に10のダメージ】


──男の判定↓1

──【コンマ:42】【二度目:失敗】
──【男の耐久数値:90】


ヴィヴィオ「うわ、……あああっ! ああああああああ!!」

男「がっ、──は!」

なのは「陸士さんっ!」

 練り上げられた高純度の魔力が己の顔面に突き刺さった。
 頬骨と頭蓋骨が砕け散る錯覚に陥るほどの威力。
 焼けるようなその【力】は今まで受けてきたダメージとは質が違う。
 ──追撃が来る。


なのは「ヴィヴィオ…! それ以上は止めなさいっ!」

ヴィヴィオ「うるさい…、うるさい…!」


 さらに突き出された拳が腹に殴打される。
 打ち付けらる度に、視界に火花が走る。

ヴィヴィオ「…ゆ、許さないんだから」

男「…あ、」

 だが、確実にヴィヴィオは動揺している。効果は見られる。

   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


 このま■■■ラチがあかない。
 この空■を変えるには。──よ■。十八番のバク転だ。

男「……!」

ヴィヴィ■「……?」


男「ていっ!」

ヴィヴィオ「わー!すご■■!」

 一回転。■回転。三回転。とバク転を繰り返す。
 どう■■声からしてヴィ■■■からは好評のようだ。
 最後に着地を──


   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


ヴィヴィオ「なんで…笑ってるの!? 何が可笑しいの!?」

男「……っ」

 【まだ】思い出せるからだ。
 幸い記憶の損壊の速度は最初期より緩慢になっている。
 これならばきっとみんなのことを頭の奥に書き留めておける。
 ──それだけじゃない。自分は笑っていなければいけない。
 

男「全然痛くない…、だから、気にするな。ヴィヴィオ」

ヴィヴィオ「……!?……あ、」

 出来るだけ優しく、そう言葉にした。
 正気に戻ったヴィヴィオに【罪悪感】など与えたくないからだ。



──【コンマ判定】【男の耐久数値:90】
──【55以上で二度目成功。失敗時に10のダメージ】

──男の判定↓1

──【コンマ:40】【二度目:失敗】
──【男の耐久数値:80】


ヴィヴィオ「──っ!──!」

男「…ぐっ、ぎっ…ぃ!」

 まるで【棘の付いたメイス】をひたすら体に打ち付けられるかのようだ。
 打たれた箇所から稲妻のような痛みがせり上がってくる。

 ヴィヴィオの連撃は止まらない。止められない。
 ──根本的にスペックが違いすぎるのだ。

 戦闘態勢ではない生半可な状態では。
 ──回避が許されない。距離を詰められる。
 ──防御も許されない。防御越しにダメージが浸透する。


なのは「ヴィヴィオ…、──陸士さん!もう…手を出します!」

男「やめろっ…! 手を出すなっ!」

なのは「……っ、!?」

 高町空尉に余計な力は使わせられない。
 借りに強引に【鎧】を砕けても、その後の【洗脳】まで解除されるかわからない。

   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


 バシッ、とオリ■■■■選手さな■■の着地を披露。
 我ながら上手■いったと思う。
 人見知りのあの子も■■■召したようで、目■キラキラ■■■せている。

ヴィヴ■■「すごいすごー■!もっかいやってー!」

 ごめ■なさい。もう一■■勘弁してください。
 シャマル医務官に見つかったら大目■■は済まないので。

ヴィヴィオ「ぶー!……でも楽しかったです!またいつか見せてね!」

 あ■。約束だ。
 とこ■■、この子は自分のことを覚えているのだろうか。


   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


ヴィヴィオ「なんで…! 笑うの…!」

男「──っ、あ、!」

ヴィヴィオ「笑わないでよ…! 笑わないでぇ!」

男「……ヴィヴィオ」


 自分には受け止めるしか。話すしか出来ない。
 今、最も苦しんでいるのは【ヴィヴィオ】だ。
 
 人を暴力で傷つけることなんて出来ないほど、優しくて泣き虫なこの子が。
 ──どうか泣かないように。笑い続ける。



──【コンマ判定】【男の耐久数値:80】
──【55以上で二度目成功。失敗時に10のダメージ】

──男の判定↓1

──【コンマ:30】【二度目:失敗】
──【男の耐久数値:70】


 喉の奥からせり上がってくる血の塊を吐き捨てる。
 無銘を持つ右手が痺れてきた。──後遺症が表面化しつつある。

ヴィヴィオ「──、■■っ!」

なのは「…■■さ、ん! 気をしっか■持って!」

 耳も少し鈍くなってきた。だがそれだけだ。
 無銘を握り続ける【力】はまだまだ残っている。
 ──気力はまるで衰えていない。


男「……」

ヴィヴィオ「しつこいのっ!! もう倒れてよっ!」

男「ごぼっ──!」

 轟音を響かせてゆりかごの壁へと打ち付けられた。
 背中が壁にめり込んでる。肺に衝撃が……息が出来ない。


ヴィヴィオ「これで…──!」

男「ヴィヴィオ…、自分は君を…」


 ──セイクリッドクラスター。と彼女は読み上げた。
 ヴィヴィオの掌で凝縮される虹色の魔力光【カイゼル・ファルベ】が唸りを上げる。

 あれは当たってはいけない。直撃すれば確実に瀕死になる。
 だが体が言うことを聞かない。震える膝がこの場への静止を求めてる。
 ──肋骨が折れてる。



男「本当の…娘だったらっ、…て」

ヴィヴィオ「──ああああああああ!!!」


──【コンマ判定】【男の耐久数値:70】
──【55以上で二度目成功。失敗時に10のダメージ】

──男の判定↓1

──【ゾロ目:特殊コンマ判定↓1】


①偶数:コンマ再判定を行う
②奇数:次の判定失敗時のダメージが【20】になる
③ゾロ目:説得成功

──【男の耐久数値:70】
──【特殊コンマ判定:66】【ゾロ目:特殊勝利判定】



──【ヴィヴィオ:説得成功】【説得戦を終了します】



ヴィヴィオ「う──、」


 ゆりかごから供給された膨大な魔力が、
 綺麗とさえ思わせるほど流麗な軌跡を描きながら自分へと向かってくる。


ヴィヴィオ「うわ…あ、ああ」


 身体は指先一つ動かない。前後のダメージが。
 今までの戦いのダメージが剥き出しになってしまった。
 これを受けたら自分は死ぬ。
 諦める気はない。だけど万一がある。だから自分は。



男「──ヴィヴィオ」

 ──彼女の名前を、笑顔で呼びかけた。
 

ヴィヴィオ「……パ、パ……!

──【玉座の間】

男「……」

男「……?」

 痛みがない。確かに破壊音が鳴り響いたはずだが、痛みが襲ってこない。
 瞑っていた目を開けると、目の前にはヴィヴィオが立ちはだかっていた。
 
 彼女から放たれた【セイクリッド・クラスター】は自分横の壁を貫いていった。
 当てられなかった。──いや、当てなかったのは明白だ。
 他ならぬ彼女の意思で。自分を救ってくれたのだ。──つまりヴィヴィオはもう。


ヴィヴィオ「ごめんなさい……ごめんなさいっ! 酷いことして、ごめんなさい!」

男「…ヴィヴィオ。──よかった…、本当に…っ!」

なのは「…ありがとう、陸士さん」

 その光彩色の瞳から大きな涙が溢れ出していた。
 


男「……ヴィヴィオ!」

ヴィヴィオ「! 駄目、逃げてパパっ!」

男「ごほっ!? うごご……!」

 また思い切り顔面を殴られた。体が地面を滑る。
 さっきほどの威力ではない、ヴィヴィオがセーブしてくれたようだが……。
 ──【洗脳】は解けても【聖王の鎧】は健在だ。それが強制動作させている。


ヴィヴィオ「駄目なの…、止められないの」


『駆動経路破損 管理者不在 聖王陛下 戦意喪失 』
『これより、自動防衛モードに入ります 』


なのは「大丈夫だよ、ヴィヴィオ。私に任せて──今度は私が命を張る番だから!」


──【次にコンマ判定になります】


ヴィヴィオ「分かったの、私はずっと昔の人のコピーで。陸士さん、なのはさんも、フェイトさんも、ホントのパパとママじゃないんだよね…。──私はこの船を守る、生きてる兵器」

男「……」

 成長したヴィヴィオの姿。だけど精神は何も変わっていない。
 泣きじゃくるように、ヴィヴィオはその感情を吐露し始めた。
 ──悲しいのも、痛いのも全部偽物で。私はこの世界にいてはいけないものだと。


なのは「違うよ、ヴィヴィオ。生まれ方は違っても今のヴィヴィオは。そうやって泣いてるヴィヴィオは偽物でもなんでもない。──確かに私達は本当のパパとママじゃないけど、」


 ──これからはあなたの本当の両親になってあげるから。


 高町空尉は笑顔で、そう微笑んだ。
 ヴィヴィオはその言葉を受けてさらに泣いた。

 同時に【聖王の鎧】を砕くための準備が整ったようだ。
 ヴィヴィオを救う。最後の詰め。


男「これが…なのはさんの全力…!」

男「──自分も、少しでも力添えを」


 ──この世に天と地の狭間があるのならば、その空間ごと貫き通す。
 【ブラスター3】の自己ブーストが大きく効いている。身体の負荷は大きそうだが、自分よりは致命打になり得ない魔力制御。そして確実に己のそれより出力が上。

 ──常世の星を砕き得る力が、目の前で光の柱を立てていた。


なのは「ヴィヴィオ、ちょっとだけ痛いの我慢できる…?」

ヴィヴィオ「…!…うん!」




──【聖王の鎧:破壊コンマ判定】【コンマ:150以上で成功】

──【男】と【なのは】のコンマ判定↓1
──(【スターライトブレイカー:コンマ×3】【なのはの砲撃魔法+50】【男の近接戦闘+50】

──【8×3】+【50】+【50】=【124】
──【聖王の鎧:破壊失敗】


なのは「だ、駄目…っ! 固すぎるっ!」

ヴィヴィオ「う、あああああ!」

 恐らく鎧へのダメージ蓄積がなさすぎた。
 なまじ言葉のみの説得に成功しただけに、鎧へのダメージ。そしてゆりかごの魔力消費が少なかった。
 ──だからって、こんなところでは終われない。


男「──そのまま維持しろっ、なのはァ!」

なのは「待って!それは──!」


 収束された星砕きの光へと飛び込んだ。
 最後の一押しでこいつは壊れる。ヴィヴィオを助けられる。
 ──ここまで来て、全てを無駄に出来るかっ!



──【聖王の鎧:破壊コンマ判定】【コンマ:26以上で成功】
──【男】のコンマ判定↓1 (【近接戦闘+50】【奇数の場合:ダメージ発生【20】)

   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


ヴィヴィオ「……?……、んー。ごめんなさい、なんかよく覚えてないです…」

 無理もない。酷く衰弱してたから。
 むしろあんな悪い記憶は忘れてしまった方がいいのだ。

ヴィヴィオ「でも…」

男「ん?」

 ぽふっ、と自分のお腹に飛び込んできた。
 くんくん、と匂いを嗅いでるようだが。

ヴィヴィオ「…なんか安心する」

男「…そっか」

 僅かながら記憶があるのもかもしれない。
 ずっと抱きしめて走っていたから。


   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■



 焼けるような光の痛みなど無視した。
 無銘を握る掌から血が溢れてる。
 脳髄の音など、後遺症などもはやどうでもいい。

 ──【無銘の槍】で、【聖王の鎧】を砕く。

 例え自分の存在の痕跡が灰になろうとも
 ──それでも、目の前のこの子だけは、救い出す


 

──【56】+【50】=【156】
──【聖王の鎧:破壊成功】



男「──ぶっ、壊れろォ!!」

ヴィヴィオ「ありがとう……、パパ」



 


──【玉座の間】


 意識が点滅してる。ヴィヴィオは、【聖王の鎧】はどうなった?
 壊せたのか、壊せなかったのか。
 後者ならばまた希少技能を使ってでも──



なのは「──バカっ! 本当に…っ、バカとしか言えません! この、バカァ!」

男「…高町──空尉?」

なのは「バカバカ…バカ!」

ヴィヴィオ「な、なのはママ。その辺にしてあげようよ…、パパ泣いちゃうよ?」

はやて「ええねん。ええねん! 存分に言わせてあげ!」


 目を開くと高町空尉が、ヴィータ副隊長を背負った八神陸佐が、ヴィヴィオが。──そこにいた。
 自分の頭に負担が掛からないように高町空尉が膝枕をしてくれているようだ。


 子供が泣きじゃくるように、高町空尉がなじってくる。
 こんな高町空尉を見るのは初めてだ。──とりあえず謝り倒した。

 想像よりダメージはないようだが、完全回復まで相当な時間を要するだろう。
  

なのは「──でも、本当に……ありがとう」

 誰にも聞こえないような、か細い小さな声が耳に届いた。


はやて「さて……じゃあそろそろ脱出するで!!──どうにかしてな!」

男「……?」

なのは「実は魔力結合が出来ないみたいなの。通信も厳しくて……これじゃあ飛べないんだ」

 困ったように高町空尉は呟いた。
 確かにここに来るまでのゆりかごの構造上、飛翔なしでは帰還は難しい。
 自分はともかくヴィヴィオ達をこのままにしておくわけにはいかない。どうすれば。


 『 これより破損内壁の応急処置を開始します。破損内壁及び非常隔壁から離れてください 』
 ──大きなアラートまで鳴り始めた。これは本格的にまずいぞ。


ティアナ「お待たせしましたァ!」

スバル「みんな無事ですか!?」

なのは「スバル、ティアナ!? バイク!? それでゆりかご走って来たの!?」


スバル「戦闘機人モードの私ならこんなAMFもへっちゃらですよ!」

ティアナ「【ウイングロード】に乗ってください! 崩壊までもう数十分です!」

はやて「でかした! 数十分、それなら航空艦隊の一斉砲撃がゆりかごに及ぶ前に脱出出来そうや!」

 なのはさんがヴィヴィオを抱えて、ウイングロードに乗った。
 脱出の準備は出来た。全員でゆりかご内部からの脱出の為に走り出した。


なのは「スカリエッティは──結局捕まえられなかったね」

はやて「……それは仕方ないよ、なのはちゃん。これ以上このゆりかごにいられへん。あいつもきっと既に逃亡してるはずや。【聖王】を失ったゆりかごはもう使えへんから」




男「……」

──【ゆりかご:内部通路】【脱出まであと?分】


 瓦礫が頭上から落ちて来る。
 ゆりかごの【崩壊】によって高度するスピードが大幅に遅くなり、浮上に難を見せている。
 このペースなら確実に脱出出来る。高町空尉達もその表情は綻んでいる。

 ──みんなで、ミッドチルダへ帰れる。


男「ヴィヴィオ、気分はどうだい?」

ヴィヴィオ「うん! 全然へっちゃらだよ、パパ!」

男「そうか。強いな、ヴィヴィオは。──きっと大きくなったらもっと強くなれるよ」

ヴィヴィオ「ホント…!? じゃあ、私が大きくなったらパパを守ってあげる!」

ヴィヴィオ「パパだけじゃないよ? なのはママもフェイトさんも! 大切な人をみんな!」

男「…うん。そうだよな。守りたいよな、みんなを」



男「──」

   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■



ドゥーエ「陸士さん。私はあなたを愛してます。叶うならば一緒に歩みたいとさえ思ってます」

ドゥーエ「──でもあなたの枷にはなりたくありません。私のことはもう忘れていいですから」


ドゥーエ「姉妹達のことも、そしてドクター……父親のことも愛してます」

ドゥーエ「もし。最期に一つ望めるのであれば、ドクター達を──」



   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■



 ──どうか、助けてあげてください


 

ドゥーエルートなら「お義父さん娘さんをぼくに下さい (物理)」
だったな…

──【聖王のゆりかご:脱出口】


ティアナ「着いた! 全員脱出しました!」

スバル「よっしゃあ! 太陽だ! 外だァ!」

はやて「これでやっと一息つけるわ…!」




ヴィヴィオ「……?……??」

ヴィヴィオ「──パパは?」

なのは「えっ…? パパって、陸士さんは私の後ろに──」

 




なのは「……」



なのは「なんで…?」


──【本局次元航空部隊:ゆりかごへの一斉射撃まで残り7分】

野垂れ死にかな? (遠い眼)

自分的にはドゥーエさんの保護司として強制的に前線から外されて…的なエンドが良い
あくまで個人的にだけれど

──【玉座の間】


スカリエッティ「主を失った【聖王のゆりかご】は崩壊し、落ちる──だがそれだけではつまらない」

スカリエッティ「せっかく【遊園地】として起こしたんだ。最後にもう一つギミックを加えてみた」


 ──どういうことだ?


スカリエッティ「【禁忌兵器:フェアレーター】って知ってるかい? 古代ベルカの時代の負の遺産」

スカリエッティ「海を猛毒に変え。空を汚し。人の命を摘み取ることだけが目的の兵器」

スカリエッティ「せっかくのオモチャが壊されるくらいなら、嫌がらせしてやろうと思ってね」


 ──何故そんなことをする必要がある。


スカリエッティ「だって君が悲しむだろう? 嘆くでだろう? そして私を強く憎むだろう?」

スカリエッティ「君が強く苦しんでくれる──それで十分じゃないか」

スカリエッティ「そして君の見てる景色を識りたいんだ」

 


スカリエッティ「逆に尋ねたいんだ。君こそ何でこんなところに戻ってきたんだい?」

スカリエッティ「これ以上ゆりかごの高度が上がると戻れなくなるよ? 艦隊砲で死ぬか、禁忌兵器を近距離で受けて死ぬか。──そのどちらかしかない」


 ──身勝手をしに来ただけだ。


スカリエッティ「君の為に祈ってる子達が泣かせてもすべきことかい?」

スカリエッティ「禁忌兵器は拡散するが…、それでもミッドチルダは完全には滅びないだろう。そんな安い土地ではない。一緒な機動六課の面子と逃げる、という選択肢は間違いではなかったのに」


 ──あんたを倒して、禁忌兵器の発動は止める。
 ──そして、
 


男「あんたを殴る。力いっぱい──ぶん殴る」

男「そしてミッドチルダに連れて帰る。全ての人に、先輩に謝罪させる」


男「──あんたをこのまま死なせる気はない」



スカリエッティ「──は、は」

スカリエッティ「はははははははは! よく理解してくれてるね、私のことを!」

スカリエッティ「嬉しいよ、陸士君──ならばこちらもその想いに応えてあげるよ」


 

巧妙なスカリエッティエンド…だと


 なのは ヴィヴィオ 八神陸佐 ヴィータ副隊長
 二乃さん ルーテシア チンク
 先輩 ゲンヤさん レジアス中将

 ──ギンガ



 全てを置き去りにする覚悟で【最後の我】を通しにここへやってきた。
 完全に己のエゴで。他のことを考えずに、一直線でこの玉座へと戻ってきた。

 そこにいるのは何となくわかっていたから。
 様々な思いが心の内を錯綜しているけれども、結局そのどれもが自分の足を止めることはなかった。


 ──スカリエッティを連れて帰る。これが最後の、
 ──己に課した陸士としての最後の仕事だ。



スカリエッティ「──殺してあげよう、陸士君」

スカリエッティ「──その目をくり抜いて、最後の景色を私に見せてくれ」


男「──終わりにする、全てを」





──【最終戦闘:開始】
 

──【戦闘開始】


男:【70】 >>3 >>4
【戦闘敗北時に???選択肢発生】



スカリエッティ:【100】 【戦闘敗北時に???が発生】
■近接戦闘【強制同期】:コンマ補正+50。判定敗北で大きく補正値が劣化します
■無限の欲望:コンマ補正+122(主人公への好感度と同期)。耐久数値が【半分】になる
■強化グローブ【防御固定】:コンマ補正+30。耐久数値が必ず【1】残存する


①【???】
 耐久数値が【0】になった時に発動
 ???=???

②【脳内物質操作(劣化):仮想再現】
 任意の判断で発動可能。
 A:コンマ偶数成功ーコンマ補正×2。耐久数値が半分になる
 B:コンマ奇数失敗ー行動不能
 C:行動不能時にダメージを受けても必ず現在の耐久数値から一割残存確定
 二回目以降の奇数時では一割残存は発生しない。

③【禁忌兵器の片鱗】
 条件を満たした時、自動で発動する。
■【五ターン目】【十ターン目に】発動。
■???

(今日はここまでになります)
(見てくださってありがとうございます)
(次回は明日~明後日20:30予定になります)


(【最後の戦闘①】になります)
(もうすぐ最終回です。こんな駄文に付き合ってくださってありがとうございます)

(ちなみに①で全力で戦闘してくれても大丈夫です。完全に最後なので)
(②に関してはエクストラマッチのようなものです)

この一連の事件が終わったら男には本当にトラハの士郎さんみたいに隠棲して欲しいです

戦闘開始前に回復の技能使わせてもらえないかしら
2回目以降生命判定ってあるあたりその気になれば二回目も使えそうだな

(>>635そうですね。一応多数決でとっておいたほうがよさそうですね)

(では予定通り20:30から開始します)

──【肉体再編成:再生】【一回目使用しますか?:先取り2つになります】
(二回目以降も使用は可能ですが生命判定が発生します)
(生命判定は判定の度に重くなります)


①使用する 【コンマ判定へ】
②使用しない 【戦闘へ】

──【肉体再編成:再生】


コンマ判定↓1 (コンマ2桁/2の数値が耐久数値に加算されます)

──【戦闘開始】
【27】/【2】=【13.5】【四捨五入】【14】


男:【70+14=84】 >>3 >>4
【戦闘敗北時に???選択肢発生】

──【玉座の間】


男「──っ、! それ、は……」

スカリエッティ「別に驚くことじゃない。仮にも私は君の【無銘】の親だよ?」

 ──ならばそれを量産することも、使いこなすことも出来るさ。
 狂気の様相さえ浮かべた笑みで、自慢げに【無銘】を一つ振るう。

スカリエッティ「──なんて。さすがに【最適】な使い方は君のデータを参考にさせてもらってるよ」

スカリエッティ「陸士君……君の戦いの【データ】はストックしてる全ての槍にプログラムとして刻み込んである。私はそのプログラムにオートで従うことで【最盛期】の君の動きを演じられるのさ」

 得意げに片手で槍を弄ぶ。
 子供のように見せびらかし、自慢するのが楽しくて仕方ないようだ。


男「──所詮は付け焼き刃だろう?」

スカリエッティ「そう思いたいのならば、是非試してみるといい」

 奴が言い終える前に、強く踏み込んだ。
 一歩で射程圏内へ詰め、槍を打突として奔らせる。


 同じ槍。同じ一閃。同じ軌道。
 まるで鏡合わせのような関係。
 同質同等の剣戟が、交錯する度に閃光を散らす。

 ──だが、その均衡は崩れていく。
 ──僅かだが、確実に。【差】が現れ始めたから。


男「──ぐっ、…!」

スカリエッティ「どうしたどうした!? 動きにいつもの精彩がないよ!?」

 一合。二合。三合。四合──瞬間の刹那に互いの矛が殺しあう。
 怒涛のような連撃を重ねれば重ねるほど、身体の内側の骨が悲鳴を上げた。

 ──ヴィヴィオの時に蓄積したダメージが、いやそれ以前の【後遺症】か。
 ──恐らく両方だ。それが己の身体を深く蝕んでいる。
 ──己に許された【戦闘回数】を越えようとしているからだ。


男「──、っ、……っ!」


 眼球が蒸発しそうな錯覚に陥った。視界が真っ赤に染まり始める。
 最後の【右目】が使えなくなったら終わりだ、何も見えなくなる。
 四年前に死んだ【左目】にはもう頼れない。


スカリエッティ「さて、私の力が【本物】だと理解してくれたかな?」

スカリエッティ「自慢ついでにもう一つ面白いものを見せてやろう──頼むからこれで死んでくれるなよ?」


 ──長期戦は不利。どのみち時間は掛けられない。
 ──ここからの攻撃は己の全てを【槍】に乗せる必要がある。
 


──【戦闘安価になります】

──【敵の行動】
①スカリエッティ 【無限の欲望+122】



──【安価:↓2】【耐久数値:84】現在1ターン目
1、戦闘技術(【近接戦闘+50】【回避】)
2、魔法の使用(【砲撃魔法(全体)+30】【障壁魔法+30】【拘束魔法】)
3、技能の使用(【カートリッジ(3)】【魔力伝道】【リミットブレイク】【ブラスター】【再生】複数選択可能)

──【③リミットブレイク:カードリッジ全弾消費】
──【全ての行動補正値に15×3=【45】されます】【判定後に自己ダメージ発生】


──【安価:↓2】【耐久数値:84】【リミットブレイク+45】現在1ターン目
1、戦闘技術(【近接戦闘+50】【回避】)
2、魔法の使用(【砲撃魔法(全体)+30】【障壁魔法+30】【拘束魔法】)
3、技能の使用(【ブラスター】【再生】複数選択可能)

──【安価:先取り二つになります】

①【近接攻撃】
②【回避】


 ──奴が手にしてるのを含めておよそ【7本の無銘】が展開された。
 ──スカリエッティの左右の空間にまるで縫い付けられた杭のように矛先をこちらへとを向けている。その全てから恐ろしいほどの威圧感が感じられた。

 敵の【無銘の槍たち】が内側から徐々に崩れ落ちる。
 あれら全てを使い捨ての一撃として利用する気だ。

スカリエッティ「さて、何本目で君の体が砕け散るかな?」

 ──空間に亀裂が走った。
 肌を焼くような閃光を伴い。玉座の間を暴風で満たし、顕現する。


男「──【無銘】」

 ならばこちらも相応の力で対抗するだけだ。
 四年前より実戦で使用していなかった【切り札】を。


 『魔力出力制御装置』──解除
 『肉体破損防護装置』──解除

スカリエッティ「四年前のそれか。芸がないな、君も…」

男「──言ってろ。この一撃で全て終わる」

スカリエッティ「ふふ、心配してやってるのさ!」

 リンカーコアより精製される魔力を全身の神経回路に流し込む。
 筋組織、神経、リンカーコアに干渉することで得られる【自己ブースト魔法】の極致。
 ──リスクを背負い、勝利を得る。


 肉と骨を、捧げ
 血と神経を、代償に
 命を、糧に──『守る力』を再び。


男「リミットブレイク──最終調整(ファイナルライズ)」

 ──ドライブ・イグニッション。
 


男「──っ、ぐっ、!」

 右腕が文字通り内側から破裂しそうだ。
 恐らく前回同様、一歩でもこの場から動けば骨が破損する。
 だがあの槍の弾幕を掻い潜る為には力の出し惜しみは出来ない。

スカリエッティ「そろそろ君自身の力は脆弱だと理解した方がいい。いくら外付けの増幅機構で一時的に【力】を得ようとも肝心の君が弱いのなら意味がない」

 嘲るように、興味深そうに嗤う。
 あんたの戯言に付き合う気はない。待ってろ、すぐにそこへ辿り着いてやる。


スカリエッティ「身の丈に合わない【力】を振るえば振るうほど【崩壊】が進んでいくよ?」

 彼が手を振り下ろした瞬間。【七本の槍】が暴風を纏いながらこちらへ射出された。
 ──ならば、全て斬り伏せるまでだ。



──【コンマ判定になります】

──【コンマ判定】


男の判定↓1 【近接攻撃+50】【リミットブレイク+45】
スカリエッティの判定↓2 【無限の欲望+122】


男「──っ、」

 放たれ流星のように一直線で玉座に陣取るスカリエッティの元へ駆けた。
 普段の何倍もの速度を有した移動の代償に、右足の爪先が砕けた感触を受ける。

 高速で飛翔して来た【一槍目】【二槍目】を体を捻りながら進み、回避。
 避けられない【三槍目】はその膂力で強引に槍で薙ぎ払った。


スカリエッティ「ここまでは想像通りだね。だけど次は──」


   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


男「がっ──!?」

スカリエッティ「ん?」

 頭の奥から嫌な音がした。
 同時に視界が一度途絶えた。風を切る音がする──残り槍がここに。


 【四槍目】【五槍目】【六槍目】が己の体を貫き、血飛沫が舞い散う感触に襲われた。
 【七本目の槍】が胸を貫いた瞬間、感覚が戻り状況を理解した。
 ──だがもう何もかも遅かった。


 そのまま自分の五体は崩れた瓦礫の元へと叩きつけられた。

 


 男の判定:【23】+【95】=【118】
 スカリエッティの判定:【93】+【122】=【215】

 【総合判定】
 男にダメージ発生:【215】ー【118】=【97】
 スカリエッティの反動効果【半減】
 【男の耐久数値:0】【スカリエッティの耐久数値:0】

 【中枢神経麻痺(痛覚)発動】【一ターン行動猶予発生】
 【希少一回目と併用する場合、ターン延長】
 

──【玉座の間】


スカリエッティ「……っ、さすがに。私のひ弱な体では反動全てを押さえきれないか」

スカリエッティ「君に倣って全力の一撃を最初から放ってみたんだが──効果は覿面だな」

 奴の腕から血が滲み、溢れてるのが見えた。
 呼吸も荒れてるようだ。どうやらなんのリスクも負わずに先ほどの使える技ではない。
 ──乱発出来ないのであれば、まだ勝機は。


スカリエッティ「で、なんだいそのザマは?」

男「…っ、──あ、あああ!」

 そこまでだった。自分が冷静に思考出来たのは。
 ──痛い。痛い。痛い。
 どうしようもない激痛が己の四肢を蝕み始めた。
 


スカリエッティ「……まさか今更気づいたかい? 己の惨状に」

男「ごほっ…──が、ああ、あっ!」


 ──瓦礫は己の血に染まっていた。
 口から血の塊を吐き出した。皮膚が大きく引き裂かれ、出血が止まらない。

 なんてことはない。最初から分かっていたことだ。
 本来の自分は四年前の【あの戦い】で死んだのだ。限界を超えたんだ。
 今の自分の体は残り滓の骸に過ぎない。──骸は脆い。

 ──身体の内側は灼けて。
 ──外側はズタズタに裂かれている。
 ──五感は消える寸前。頭の奥から狂いそうになるほど【嫌な音】がする。


スカリエッティ「──そんな体で戦い続けることなど、元より不可能だったんだよ」
 


男「……」

 指先から熱が消えていく。最後の右腕の触覚も不自然だ。
 不思議と痛みはなくなっていった。自己防衛の為に脳内物質が垂れ流しになり、痛覚が麻痺してる。
 ──夢心地な気分だ。このまま眠ってしまえば一体どれほど楽か。
 

スカリエッティ「──誰かの為に己が欠けてもいい。誰かの為に戦いたい」

スカリエッティ「そういって走り続けてきた男の末路がこれだ。──なんて哀れな結末だ」


 ──どこか遠くの世界に逃げてしまいたい。
 ──きっとこのまま動かなければ。思考を止めれば終われる。
 ──頭から何か大切な『モノ』達が欠け落ちていった気がする。もう疲れた。


スカリエッティ「さよなら。私の最後の友人よ」

 
 

   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


レジアス「お前の仕事は評価に値する」

レジアス「お前のおかげで一つの事件が解決された。銀行強盗の件だ」

男(自分が初めて担当した事件…)


レジアス「少しだけメディアで話題になったが、世間ではもう風化しつつある」

レジアス「だが俺は…いや、私は忘れん。お前とギンガ三等陸士が──108部隊の陸士達が命を懸けて人質の命を救ったことを。お前達は私の中で英雄だ。これは過去、現在の全ての地上部隊に言えることだがな」

男「…」コク

レジアス「…今日はお前に伝えに来たことがある」

レジアス「お前は…もう局員には──」


   □□□□□□⌘□□□□□□
   ■■■■■■〓■■■■■■


スカリエッティ「──は?」

男「──っ、あああああ!!!」

 己の命を刈り取るべく振り下ろされ槍を──左腕の義手で【掴み、払った】。
 奴の目が驚愕の色を浮かべ大きく見開いた。
 
スカリエッティ「ちっ…!」

男「──っ!」

 首めがけて撃ち込まれた相手の槍を、瞬時に振り払った槍の矛先でさらにはじく。
 ──空間に閃光が奔る。



スカリエッティ「君は──まだ」

男「は、…──はあ…はあ…!」

 意思に反して体が勝手に最適解を導き出し──機能した。
 


 怒りで頭がおかしくなりそうだ。殺してやりたいとさえ思ってしまった。
 後輩に嘘までついて、仲間に背を向けて勝手に死地へ向かって。
 ──そこまでして目の前のことを諦め、全てを投げ捨てようと自分自身を。

 意思は砕け、心は折れても──体はまだ吠えていた。
 ──負けられない、と。


 手は砕かれ。足は串刺しにされ。胸は貫かれた。
 己の手足はもう死んでいる。
 ──だけど、それがどうしたというのか。

 この程度のダメージは過去に何度も経験がある。
 ──体に熱が再び吹き込まれた。


──【戦闘安価になります】

──【敵の行動】
①スカリエッティ 【近接戦闘+50】【脳内物質操作:仮装再現発動】【偶数×2。奇数:行動停止】



──【安価:↓2】【耐久数値:0】【リミットブレイク+45】現在2ターン目
1、戦闘技術(【近接戦闘+50】【回避】)
2、魔法の使用(【砲撃魔法(全体)+30】【障壁魔法+30】)
3、技能の使用(【ブラスター】【希少】複数選択可能)

良く考えたら相手希少使ってるからほぼ負けだわ

次のターン倒した上で相手の食い縛りが発動しないことを祈るしかない

スカリエッティの耐久数値って今いくつ?0であってる?

>>743
(修正します。現在は【スカリエッティの耐久数値:50】です)

──【③希少技能+①近接戦闘】
 

 痛覚はとうに麻痺し、手足の砕かれ重く、全身の骨が軋み上げている。
 ──だが痛みがないのは好都合だ。
 ──本来なら激痛でショック死してもおかしくない痛みの嵐の中でも行動できる。


スカリエッティ「自分の体を直視してごらんよ。【反動】で体がぐしゃぐしゃだ」

スカリエッティ「ふふ、それ以上戦闘を行うとどうなると思う…? 【自分】が消えてしまうよ!」


 何度槍で体を砕かれようとも。突き刺されようとも。狂いそうな痛みに塗れても。

 ──もう止まらない。止まれない。その分水嶺はとうに過ぎ去った。
 


──【次にコンマ判定になります】

──【コンマ判定】


男の判定↓1 【近接攻撃+50】【偶数:コンマ×3。奇数:行動停止】【延命発動】
スカリエッティの判定↓2 【近接攻撃+50】【偶数:コンマ×2。奇数:行動停止】【残存発動】


 男の判定:【04×3】+【95】=【107】
 スカリエッティの判定:【奇数:行動停止】

 【総合判定】
 【スカリエッティにダメージ発生【107】【残存発動】
 【男の耐久数値:0】【中枢神経麻痺発動:一ターン行動猶予発生】
 【スカリエッティの耐久数値:1】

 


 空間は槍が鬩ぎ合う度に紅の閃光で満ちた。
 互いの死線。この領域に横から踏み入れたモノは粉々に砕かれるだろう。
 ──強く踏み込み。袈裟斬りで槍を払い。ひたすら槍を穿つ。


スカリエッティ「なぜ……っ、──なぜ押されるっ!?」

男「──■■■、ああ、■あ■ああああ!!」


 己の体はひたすら【静止】を求め叫んでいる。
 これ以上の戦闘は本当に命を散らす、と。
 血が、骨が、肉が。命を繋ぎ止める為に

 ──その全てを意志の力で黙らせた。
 


 彼にはなく、自分にはあるもの。
 ──自分の肉体を支える鍛錬の歴史が。蓄積された強敵との戦闘経験が。
 ──極限状態の中で、その全てが結晶となって効果を表していた。


スカリエッティ「ごっ…は、──ア、ははははははははははははは!」

スカリエッティ「──最高だな!」


 ──怖い。ただ怖いんだ。【失うことが怖い】

 失うことに比べれば。あの時の【悲しみ(痛み)】に比べれば、こんな体の痛みなど──



男「■■■っ、あ、っ、おおおおおお!」

スカリエッティ「があ、あああああああ!」


 

──【最後の戦闘選択肢になります】

──【敵の行動】
①スカリエッティ 【無限の欲望+122】



──【安価:↓2】【耐久数値:0】【リミットブレイク+45】現在3ターン目
1、戦闘技術(【無銘の槍+25:+45】)
2、魔法の使用(【砲撃魔法(全体)+30:+45】【障壁魔法+30:+45】
3、技能の使用(【ブラスター】【希少】複数選択可能)
 

──【無銘の槍】【先取り3つになります】
──【リミットブレイク+45加算されています】


①【希少権:一回使用】【+70】
②【希少権:二回使用】【70+70】
③【希少権:三回使用】【70+70+70】
④【希少権を使用しない】【通常コンマ判定】
 

──【①無銘の槍】


スカリエッティ「ははははははははは!!!」

 【七本】【八本】【九本】──【十二槍の無銘】が展開された。
 完全に捨て身になり、肉片一つすら残す気も見られない。
 一つ一つの槍が【光の柱】となって、切っ先をこちら向けている。【処刑の光】。

 ──空間に断層が発生した。
 ──玉座は揺れ、ゆりかごの崩壊が早まった気がした。
 ──空間はうねり狂い。魔力と魔力で鬩ぎ合い。時間さえも狂わせてるとさえ。


スカリエッティ「──これで、」


 ──スカリエッティの手にある【無銘】が鳴動した。
 ──同時にその槍をこちらへ【投擲】。
 ──それが合図となって全ての槍がこちらへ射出され。


スカリエッティ「──終わりだよ。陸士君」


男「【無銘】」

『──Master』


 己の相棒が。無銘が。久しぶりに応えてくれた。
 それが最後の後押しとなって、覚悟は決まった。
 なんてことはない。あとは行くだけ。

 ──自分には難しいことなんてとても出来ない。
 ──たから己の相棒を信じて、駆け抜ける。それだけでいいのだ。


──【コンマ判定になります】
 

──【コンマ判定】


男の判定↓1 【無銘の槍+70】
男の判定↓2 【無銘の槍+70】
男の判定↓3 【無銘の槍+70】
(1~3合計値が補正値となる)


スカリエッティの判定↓4 【無限の欲望+122】


 【十二の槍】へとただひたすら駆ける。
 それら全てを一つ一つ──躱し、砕き、薙ぎ払う。

 その度【無銘】が欠けて落ちていく。
 それでもこいつは泣き言一つ言わず、淡々と仕事をこなしす。いつものように。

 リンカーコアは破壊寸前。全身の骨は砕け散る寸前。脳内物質が頭の中を犯す。
 槍を撃ち込む度に、筋組織と自我が崩壊する。
 ──それでも、ただ前へと。


男「──」

スカリエッティ「──」


 スカリエッティは笑っていた。
 信じられないものを見るように、とても楽しいものを見るように。ただ笑っていた。

 その顔に無性に腹が立ち──
 



 ──駆け引きもくそもない。ただ真っ直ぐな無銘の槍で。

 ──スカリエッティの馬鹿を、力いっぱいぶっ飛ばした。



 

 


 男の判定:【89】+【70】=【159】
 男の判定:【57】+【70】=【127】
 男の判定:【41】+【70】=【111】
 【159】+【127】+【111】=【397】
 スカリエッティの判定:【85】+【122】=【207】

 【総合判定】
 【スカリエッティにダメージ発生:【397】ー【207】=【100】
 【スカリエッティの耐久数値:0】【男の耐久数値:0】

 【スカリエッティの無力化成功】【男の勝利】
 【???発動】【最終戦闘②へ】


──【戦闘終了】

(今日はここまでになります)
(見てくださってありがとうございます)
(次回は明日~明々後日20:30予定です)

(エクストラマッチです。戦闘はオートですが、コンマ判定は行います)
(最後の戦い。本当にお疲れ様でした)

──【玉座の間】【本局次元航空部隊:ゆりかごへの一斉射撃まで残り1分】


男「──は、…はあ、…はっ」

 痛覚がより強い波となって戻って来た。
 体のあちこちが砕け散り、呼吸する度に喉が焼けそうになる。
 意識が断裂し続け、目の前の視界がぼやける。
 度重なる脳髄は明らかに異変をきたしている。

 ──右腕の、感覚がない。
 ──希少技能の過剰分泌。外部からの物理的ダメージが合わさって、再び神経にダメージが。

男「……勝ったのか…、自分は…?」

 【リミットブレイク】と【無銘】を解除し、体から負荷が取り除かれる。
 砕けた骨や致命的な失血箇所は【再生】で止血出来るだけの『膜』を張ることに集中する。

 足が重い。転びそうになる足に力を入れて、壁に義手でつき半ば這いずるような形で立ち上がる。
 ──逃げなくては、ここから。スカリエッティと一緒に。
 


スカリエッティ「少し気を抜きすぎじゃないかい?」

男「…、え? ──っ、!?」

 体の側面から発生した【一撃】が己の顔面を横合いから殴りつけた。
 ミシリと鈍い音を鼓膜が捉えた時、自分の体が瓦礫の上を転がっているのに気付いた。
 
男「──あ、ぎっ、っ!」

 そうか。二乃さんが言っていた。【希少技能の再現】か。
 ──今のスカリエッティは自分と同じ何十種類もの脳内物質に満たされ痛覚がない。
 

男「お、まえ…。それ以上動いた、ら」

スカリエッティ「他人より自分の心配をしたらどうだい? 【殺傷設定】で私の命を完全に断ち切っていれば最後ので勝負ありだったろうに…」

 そんなことはしない。
 自分はあんたを助けに来たんだ。殺すなど本末転倒もいいところだ。
 ──だが、奴はまだ殺意を見せてる。これではとても時間が。


スカリエッティ「──第ニラウンドと行こうじゃないか。なあ、陸士君?」


スカリエッティ:【─】

①【全能力開放(劣化):希少技能:仮想再現】
 耐久数値が【0】になった時に発動
A、【主人公】が【三回判定勝利するまで】コンマ判定を行う
B、【主人公】が【三回以降】コンマ判定に敗北する度に【生命判定】が発生する
C、戦闘コマンドの選択はオートで行われる

 

──【最終戦闘②】


男「このままじゃ、本当にあんたも死ぬぞ…」

スカリエッティ「取るに足らないことさ──というより、こんな状況でないと君は本気で相手してくれないだろ? ならばここで引く手はないね」

 【無銘】はもう使えない。これ以上の使用は不可能なほど自壊してしまった。
 防護服の着装だけは維持してもらっているがこれ以上、無理はさせられない。
 ──だが武器を碌に使えないのはスカリエッティも同じ。

スカリエッティ「………っ、」

 ストック分の【無銘】を展開しない。──恐らく出来ないのであろう。
 片っ端から奴の武器を叩き砕いてやったから。
 ダメージだって軽くはないはずだ。あれだけの一撃をモロに受けたのだから。

 ──もはや互いに戦える武器はこの両手しかない。
 ──艦隊の砲撃まで残り数十秒。ゆりかごからの脱出は、不可能。
 



スカリエッティ「ゆりかごと共に塵になるか。私の手で終わりにされるか──選ぶんだ」

男「生きて帰って、みんなに殺された方がまだいいな…」


 スカリエッティの狂笑が響き渡る。

 玉座の間で最後の一騎打ち。
 もう戻れない。ならばもう意地を張り続けるしかない。
 ──こいつにだけは負けたくない、と体が叫んでる。


 合図はなく互いに目の前へと走り出し、

スカリエッティ「──」

男「──」

 拳と拳が交錯した。



──【コンマ判定になります】

──【コンマ判定】


男の判定↓1 【近接攻撃+50】
スカリエッティの判定↓2 【近接攻撃:同期+50】【次回から劣化】

──【スカリエッティ:判定勝利】【主人公:判定敗北1回目】


 突き出した右拳が、スカリエッティの右拳と重なり合う。
 互いの衝撃で肩から先が文字通り弾き飛びそうになった。
 ならば何度でも、と。再度拳を打ち付ける。

男「──あ、っ、ぎ!」

スカリエッティ「どうした!? その右腕、使い物になってないぞ!?」

 ──だが砕け散ったのはこちらの拳だった。
 ──甲から血しぶきが撒き散らされ、爪が砕けた。

 それでも怯まず、左の一撃を奴にかまそうとした瞬間──腹部に蹴りが打ち付けられた。


スカリエッティ「君の動きは【再現】してると言ったろう? 私の体より、君の体の方がズタズタなのさ。これはその差かな? ──それとも戦う気をなくしたかい?」

 誰が、だ。まだ終わっちいない。
 右拳が砕けようが、左手も両足も残ってる。
 


スカリエッティ「──っ、ふっ、!」

男「あ゛っ、! ぐっ…!」

 頭蓋を砕かんばかりの一撃が襲う。耳がおかしくなってきた。
 このままではとても勝てない。奴にはまだ余力がある。
 ──長期戦では勝てない、ならば。

男「リミットブレイク──最終調整(ファイナルライズ)」

 ──三十秒だ。
 何があっても、どんな苦痛に苛まれようとも解除しない。
 肉体そのもの自己ブーストの極致。魔力を膂力へと。
 
スカリエッティ「……、っ、君こそそれ以上やると死んでしまうよ?」

男「──ドライブ・イグニッション」


──【次に判定になります】

──【コンマ判定】


男の判定↓1 【近接攻撃+50】【リミットブレイク+45】
スカリエッティの判定↓2 【近接攻撃:+30】

(次スレを立ててきます。しばらくお待ちを)

(次スレになります)
(次の判定後、あたりから次スレに移行したほうが良さそうですね)

【安価コンマ】男「時空管理局に入局して魔導師になろう15」【リリカル】
【安価コンマ】男「時空管理局に入局して魔導師になろう15」【リリカル】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493555453/)

──【主人公:判定勝利1回目】


男「──お、おおおお!!」

スカリエッティ「……、っ、がっ、は!?」

 虚実も何もない、ただ膂力に任せてまっすぐ玉座の間を駆け抜ける。
 そのまま閃光が散るほどの威力でスカリエッティへ再度右手で殴りつけた。

男「……っ、!」

 警告は痛みとなって脳に伝わる。
 だがもう止まれない。一秒だってそんな時間はない。
 刹那の間隙に──二撃目、三撃目を叩き込む。


──【次に判定になります】

──【コンマ判定】


男の判定↓1 【近接攻撃+50】【リミットブレイク+45】
スカリエッティの判定↓2 【近接攻撃:+30】

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