モバP「小日向アップデート!」 (67)



カタカタ……

カタカタ……

カタカ――

P「ん?」

カチカチッ

P「おわ」



P「……マジかよ」

P「自動更新しはじめやがった」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1492345804



――更新を構成しています――
――    1%完了    ――


P「……」

P「あー」

P「これ、ぜったい長いやつだ」

P「うあー、仕事できひん」

P「朝からテンション下がるわー」



――更新を構成しています――
――    2%完了    ――


P「……」

P「コーヒーでも、いれてくるか……」



ガチャッ


ドンッ

美穂「きゃっ」

P「おうっ」

美穂「ご、ごめんなさいっ、あの」

P「お、美穂じゃん」

P「おはよう」

美穂「あっ、P、Pさんっ」

美穂「お、おはようございますっ!」


P「おう、今日早いな」

P「いまからコーヒー買いに行くんだけど、一緒に行く?」

P「なんかおごるよ」

美穂「えっ、あのっ」

美穂「あ、じゃ、じゃあご一緒しますっ」

美穂「……」ソワソワ

P「……?」

P「ま、いいか」



ガコン


P「ほい」

P「オレンジジュース、好きだったよな?」

美穂「あ、ありがとうございますっ!」

美穂「でも、いいんですか? ごちそうになっちゃって」

P「いま休憩中なんだ」

P「暇だし、話し相手になってくれると嬉しい」

P「その見返りってことで、な?」

美穂「見返り、ですか?」

美穂「ふふっ、わかりました、私でよければっ」

P「おう、ありがとう」


P「しかし、週明けからばかに早いじゃないか」

美穂「あの、ちょっと早起きしてきたんです」

美穂「昨日緊張して、あんまり眠れなかったから……」

P「緊張?」

美穂「い、いえ、なんでもないんですっ」

美穂「……」チラッ

P「……なんだ?」

美穂「い、いえっ」

美穂「……」チラッ

P「……なんじゃい」

美穂「いえ、あの」

美穂「き、今日、涼しいですねっ」


P「涼しい?」

P「いや、別に普通だと思うけど……」

美穂「そ、そうですか?」

P「ま、4月にしては――」

P「――あっ」

美穂「……」


P「美穂、その服、初めて見るな」

P「ひょっとして、新作?」

美穂「!」

美穂「は、はいっ! そうなんです!」

美穂「えへへ……」


美穂「週末に加蓮ちゃんに誘われて原宿に行って」

美穂「そこで上下一式見繕ってもらったんです」

P「あー」

P「加蓮の趣味なのね」

P「どうりで……」

美穂「加蓮ちゃん、すごくって」

美穂「いろんなお店知ってて、店員さんとも仲が良くって」

美穂「私、あんなにたくさん試着したの初めてでした」

P「で、今着てるやつを選んできたと」

美穂「はいっ、あの」

美穂「……ど、どうですか?」


P「いいじゃん」

美穂「ほ、本当ですかっ?」

P「かわいい感じだよな」

P「さすが加蓮セレクトだわ」

美穂「えへへ、あの、ちょっと派手かなって思ったんですけど」

美穂「Pさんにそう言ってもらえると、私も冒険した甲斐が――」

P「でも」

P「寒くない? その格好」


美穂「えっ」

P「だってさ、肩なんて丸出しだし」

P「羽織ってるやつも薄くて透けてるし……」

ジー……

美穂「あ、あの」

美穂「じっと見つめられると、は、恥ずかしいですよ~」

P「いや、心配でさ」

P「やっぱ寒いって思うわ、その格好」

美穂「そ、そうですか……?」

P「うん」

P「まだインフルの季節だし」

P「もうちょい着た方がいいな」

P「いつも着てるパーカーあるじゃん? あれなんてどうだ?」


美穂「いつも着てる……」

P「そう、薄いピンクのやつ」

P「やっぱあれまだ必要な気がするな」

P「なによりさ」

P「あれ着てる方が、美穂っぽいって思うしな」

美穂「えっ」

美穂「私っぽい……?」

P「たまにはそういう格好もいいけど」

P「見慣れてないからなんだか落ち着かないし」

美穂「……落ち着かない、です、か?」

P「ああ、いや悪い意味じゃなくて」

P「その格好もいいんだぞ? でもなんつーかな」

P「俺の中の美穂のイメージとはちょっと違うというか」

P「まぁ加蓮のセンスが入ってるからなんだろうけど」

美穂「……」

美穂「イメージと、違う……」


P「だから――」

美穂「……ごちそうさまでした」

美穂「あの、私、レッスンがあるので」

美穂「すみません、えと、し、失礼しますっ!」

P「え」

P「あ」


タタタタッ……



P「……美穂?」



ガチャッ



P「……」


――更新を構成しています――
――    45%完了   ――


P「……まーだやってるよ」

P「はぁ」

P「別に使えりゃあな」

P「アップデートなんていらないって思うんだけど――」


――――

美穂「……」


美穂「イメージと、違う……」


美穂「あの、私、レッスンがあるので――」

――――


P「……」

P「なんか、なんだろ」

P「俺、ひょっとして」

P「……盛大にやらかしてしまったのでは」




――――
――




加蓮「さいっ」


加蓮「てー」


加蓮「だからね!」


加蓮「Pさん!」


P「さ、さようでございますか」

加蓮「茶化さない!」

P「はいっ」

加蓮「もーどうして……はぁ」

加蓮「ほんっと、Pさんてさぁ……」

P「あの」

P「なんかわかんないけど」

P「ごめん」

加蓮「あのね、ごめんじゃすまないから、これ」

P「う」


P「その、具体的にどこが悪かったのでしょうか」

P「俺の言動の」

加蓮「全部でしょ! ぜ・ん・ぶ!」

P「ぜんぶ」

加蓮「あのね、美穂はほんと楽しみにしてたんだからね!」

加蓮「この服見せたらPさんがどういう反応するかって」

加蓮「買い物してるときからずっと気にしてたんだから!」

加蓮「それを悪く言われたら誰だって落ち込むに決まってるでしょ!」

P「む、う」

P「悪く言ったつもりはないんだが……」

P「ただちょっと寒そうだなーって……」


加蓮「普通そんなこと女の子に言う?」

P「え」

加蓮「Pさんあのね、女の子には見栄って言うものがあるの」

加蓮「多少寒くてもお洒落のためなら肩も見せるし」

加蓮「スカートだって短くするの! そういうものなの!」

P「はあ」

加蓮「せっかく美穂ががんばって見栄はったっていうのに」

加蓮「ほんっとPさんて女心がわからないんだから!」

P「あの、別に見栄はらなくても」

P「あったかくてかわいい格好をめざせばよいのでは……」

加蓮「……はぁーー」

P「(あ、まずい)」


加蓮「たとえばね」

加蓮「Pさん最近車を買い換えたよね?」

P「あ、うん」

P「最新のSUVな」

P「かっこいいだろ」

P「これでみんなの送迎も捗るぞ」

加蓮「でも狭くなったよね」

加蓮「車の中」

P「え」

加蓮「まわりのアイドルたちからは不評だよ」

加蓮「前の車より狭いって」

加蓮「前の車のが快適だったって」

P「」

P「なにおう」


P「そりゃ居住性はちょい悪いかもしれないがな」

P「前の車とは加速がダンチなんだって!」

P「悪路の走破性もいいし、そこらのなんちゃってSUVとはわけが違うんだぞ」

P「外見だって前のよりはるかにかっこいいし――」

加蓮「はいストップ」

加蓮「ね?」

P「へ?」

加蓮「わかったでしょ? 美穂の気持ち」

加蓮「誰にだって見栄があるんだってば」

加蓮「そこを突かれたらイヤな気持ちになるでしょ?」

加蓮「頑張ってるところは茶化すんじゃなくて、認めてあげなくちゃ」

P「いや、俺の車は外見だけの見栄じゃなくて」

P「きちんと性能が伴って――」

加蓮「……」ジトー

P「あ、すいません」

P「やめますこの話やめます」


P「……まぁでも、なんとなく言わんとすることはわかったよ」

P「見栄ね、確かにそういう部分はあるよな」

P「あとで謝んなきゃな、美穂に」

加蓮「うふふ」

加蓮「そういうPさんの素直なとこ、アタシ好きだよ」

P「そりゃどうも」

P「しかし助かったよ、加蓮」

加蓮「いえいえ、どういたしまして」

P「今度何かお礼しなきゃな」

P「そうだ! 加蓮、フライドポテトとか好きだったよな」

加蓮「え」

P「まかせろ、どっか美味しいところ探して――」

P「……」

P「なんじゃい、その顔は、どうした?」

加蓮「ううん」

加蓮「Pさんってば、繰り返すなあって思って」

加蓮「また同じミスしちゃってるよ」

P「同じ、ミス?」


加蓮「そう」

加蓮「Pさん、美穂にもうひとつ、やっちゃいけないことしたんだよね」

加蓮「それがなんだか分かる?」

P「え」

加蓮「ヒントね」

加蓮「確かにアタシはフライドポテト、好きだよ」

加蓮「一時期本当にポテトばっかたべてたよね」

P「なんの話……」

加蓮「でもそれ結構昔の話だよね」

加蓮「今はもう前ほどポテト食べないし、好きなものも全然違うよ」

P「え」

P「そ、そうなの?」

加蓮「凛も奈緒も知ってることだよ?」

加蓮「Pさん知らなかったでしょ」

P「う」

加蓮「ね、Pさん」

加蓮「Pさんはちゃんとアタシたちのこと、見てる?」



加蓮「アタシたちの今に、追いついてる?」





――――
――




――夕刻


テクテク……


美穂「……はぁ」

美穂「Pさん、あんなこと言っちゃって怒ってないかな」

美穂「……やっぱり変だよね、この服」

美穂「前みたいな、いつも通りの服の方が、いいんだよね」



ブロロロ……


美穂「?」


ブッブー


美穂「ひゃっ」

P「よっ」

美穂「あっ」

美穂「P、Pさん?」

美穂「この車、Pさんの……?」

P「ああ、美穂は初めて見るのか」

P「寮に帰るんだよな? 乗っていかないか?」

美穂「え、あの……」

P「遠慮することない」

P「絶対快適だぞ、前の車よりさ」



ブロロロロ……


P「……」

美穂「……」

P「……」

美穂「……あの」

P「今日な、加蓮に叱られちゃってさ」

美穂「えっ?」

P「女心がわかってないってさ」

P「プロデューサーは朴念仁の唐変木だって」

美穂「とう……?」


P「ま、冗談はおいといて」

P「朝話してたよな、美穂の服について」

P「それについて加蓮からお説教を受けていたんだ」

美穂「お説教、ですか?」

美穂「えっと……?」

P「あのー、その、つまりだな」

P「今朝はデリカシーのないことを言って、ごめん」

P「その服、本当にいいと思うよ」

P「今後も定期的に見たいって、そう思う」

美穂「!」

美穂「ほ、本当ですか?」

P「おう」

P「本心だよ」


P「めっちゃかわいいし」

P「露出も多めだし」

P「それでいて清楚な感じもするし」

P「なんかいい香りもするし」

P「よくよく考えたら俺の好みドストライクだったわ」

美穂「」

P「美穂の容姿でその服装だもんな」

P「このギャップはもはや犯罪だよな」

美穂「あ、あの……」

P「完全にかわいい」

P「もはやかわいい以外の語彙を失うわ」

P「かわいい」

P「可憐だ」

P「キュートだ」

P「kawaii」

P「セクs――」

美穂「P、Pさんっ!」

美穂「もういいです、もういいですから~~!!」



ブロロロ……


P「……あの」

美穂「……」プクー

P「美穂さん」

美穂「……」

P「ご機嫌を直していただけないでしょうか」

美穂「……もうからかったりしないって約束するなら」

美穂「あの、いいですよ、許して、あげますっ」

P「半分くらい本音なんですけどね」

美穂「う、うう~! ダメですっ!」

美穂「ちょめです! ちょめ!」

P「やった、ちょめ頂きました」

美穂「や、約束ですよっ」

P「わかったよ、悪かった」


P「じゃ、ちょっと真面目な話をするか」

美穂「えっ?」


P「俺さ、そろそろ米寿を迎える祖母がいるんだ」

美穂「おばあちゃん……ですか?」

P「そう、もうだいぶボケが進行しててな」

P「俺を見ても、自分の孫だと認識できないときがあるくらいだ」

美穂「……」

P「いきなりなんの話始めてんだって思うよな」

P「まあ少しの間、我慢して聞いてくれると嬉しい」

美穂「は、はいっ」


P「うちの祖母は昔から進歩しない人でな」

P「家に行くといつも同じお菓子を出してくるんだ」

美穂「同じ……お菓子?」

P「そう、いっつも同じお菓子出してくんだよ」

P「なんでいつもこれなの? って聞くとさ」

P「"Pくんが言ったんでしょ、これが好きって"とか言うんだよ」

P「いやいや、言ったかもしんないけどさ」

P「それ俺が小学生のころとかの話だろって」

P「何年前の話してんだよってさ」

美穂「ふふふっ」

美穂「ありますよね、そういうこと」


P「そう、つまりその頃から全く更新されてないんだよな」

P「祖母から見た俺の姿ってのはさ」

P「いつまで経っても小さいままなんだよ」

美穂「……」

P「最近じゃそれに加えボケてきてるからさ」

P「俺を見て言うんだよ」

P「私にはあなたに似た孫がいるのよって」

P「まだこんなに小さいんですけどねってさ」

美穂「……」

P「それ聞くと何となく寂しくなってな」

P「ちょっと、やるせない感じになる」


P「でもさ、ついこの間会ったらな」

P「どうも意識がはっきりしていたみたいで」

P「俺のことちゃんと認識してくれたんだよな」

P「そんで言ってくれたんだ」

P「"Pくん、大きくなったのねえ"ってさ」

美穂「……」

P「わけわかんないけど、何か救われた感じになってな」

P「その日は久々に外に連れ出してさ」

P「思う存分孝行してやったもんだよ」

美穂「ふふ」

美穂「いいお話ですね」


P「今になって思うと、俺は分かってほしかったんだろうな」

P「俺はこんなに立派になったんだぞってさ」

P「もう小学生じゃないんだぞって」

P「祖母に認めてほしかったんだろうな」

P「……俺の記憶を、更新してほしかったんだろうな」

美穂「……」

P「誰だって、多分そうなんだろうな」

P「今を必死に生きていて、成長し続けてるやつなら誰だってそうだろう」

P「昔の自分じゃなくて、今の自分を見てほしいって思うはずだよな」

美穂「……」

P「すまなかったな、美穂」

P「俺はずっと、美穂について更新するのをサボってた」


美穂「私について……?」

P「そう」

P「何年も前に、美穂が上京してきて初めて事務所に来たとき」

P「あのときのまま、俺の中の美穂はずっと止まってたんだ」

P「熊だかなんだかわかんねえTシャツ着てさ」

P「やたら派手な色のスーツケース押してきて」

P「挨拶も自己アピールもしっちゃかめっちゃかで」

P「めちゃくちゃキョドってる姿が、印象深すぎてな」

美穂「あ、あうう……」


P「だから今朝美穂の服装を見たときも、違和感しかなかった」

P「野暮ったい格好している、昔の美穂しか頭になかったからな」

美穂「……」

P「恥ずかしい話だよ、担当プロデューサーなのにさ」

P「ずっと一番近くで美穂を見てきたはずなのに」

P「ステージの上で、成長してきた姿を見てきたはずなのに」

P「今日になるまで、いっさい更新してこなかったんだってんだからな」

美穂「Pさん……」


P「だから今日、加蓮に説教された後な」

P「美穂のこれまでの軌跡を全部辿ることにしたんだ」

美穂「私の、軌跡……?」

P「そう、古いポスターやら宣材写真やら全部ひっくり返して」

P「HDDにぎっしりつまった画像を一枚一枚見返してな」

P「ライブの映像も、一から見直してみて」

P「遅くなったけど、全部アップデートすることにしたんだ」

P「今の美穂を、ちゃんと掴むために」

美穂「……」


P「なんせいままでサボってたもんだから」

P「やたら時間はかかったし、まだ足りないような気もする」

P「でも、今日で少しは追いつけたような気がするんだ」

美穂「……」

P「だから、改めて言うよ」

P「なんというか、その……」

P「美穂は本当に可愛くなったなって思う」

P「その服も、マジでいいと思う」

P「最高に似合ってる」

美穂「Pさん……」

P「これからもずっと、そういう姿を見せてほしいって思う」

P「変わっていく美穂を、俺は見たい」

P「成長していく美穂を、一番近くで見ていたいんだ」

P「俺は何よりも、今の美穂を尊重するからさ」


美穂「……Pさん」

美穂「あの、なんて言えばいいか……」

美穂「そんな風にPさんが思ってくれてるなんて思わなくて、それで」

美穂「その、私、すごく嬉しくて」

美穂「それで、あの、私も……」

美穂「私も、変わっていく自分を見てもらいたい、です」

美穂「その、誰よりも――」



美穂「――誰よりも先に、Pさんに見てもらいたいって」

美穂「そう、思います」



ブロロロ……



美穂「……」

P「……」

美穂「……」

P「やばい」

P「めっちゃ恥ずかしい……」

美穂「うう~」

美穂「わ、私もです……」

P「なんか、ごめん」

美穂「い、いいんです」

美穂「もとはといえば私がですね……」

P「いやいや俺がな」

美穂「いえあの私が――あっ」

P「え」

美穂「さっきのところを右です、右」

P「あ、やべ」



キキーッ


P「よし、着いた」

美穂「はいっ、今日はありがとうございました」

P「うん」

P「また明日な」

美穂「はい、あの」

P「ん?」

美穂「Pさん、私この車好きですよ」

P「おっ?」

P「美穂、違いが分かるのか」

美穂「はいっ、前のよりも可愛いですっ」

P「えっ」

美穂「うふふ、なんだか顔が犬みたいで、可愛いなって」

P「……」

P「そうか、うん」

P「そりゃありがとう、嬉しいよ」

美穂「はいっ、それじゃ、お休みなさいっ」


タタタタ・・・


――――
――


ブロロロ……


P「……」

P「……」


P「犬、かぁ……」


ブロロロ……



――――
――3日後




カタカタ……

カタカタ……

カタカ――

P「む」

P「……自動更新、か」


P「……」

P「ま、これも必要なことだ」

P「よっし、コーヒーでも入れてくるか」


ガチャッ


ドンッ

美穂「きゃっ」

P「おうっ」


美穂「ご、ごめんなさいっ、あの」

P「あ、美……」

P「……穂?」

美穂「あ、ああっ、P、Pさんっ!」

美穂「見、見ちゃダメですっ、めっ!!」

P「あ、やっぱり美穂だよな?」

P「ええと……」

P「全体的に、何だそれ?」


美穂「うう~、いえ、あのですね……」

P「なんだ、その」

P「猫耳ヘッドフォンは?」

美穂「あの、これは李衣菜ちゃんから借りたんです」

美穂「これがロックなんだよって言われて……」

P「じゃ、その尻尾と手袋は?」

美穂「あの、みくちゃんが無理矢理……」

美穂「猫キャラが今アツいとかなんとかって」

P「そのメガネは?」

美穂「これは――」

P「あ、いや、いいや」

P「メガネはわかるわ」

美穂「あ、はい」


P「じゃあ、そのゴスロリ服と眼帯も」

美穂「これは蘭子ちゃんと小梅ちゃんが……」

P「でしょうね」

P「……で、なんだこれは?」

美穂「え」

P「一体誰にそそのかされたんだ、美穂」

P「イメチェンにしちゃ度が過ぎてるぞ」

美穂「い、いえ~あの~」

美穂「加蓮ちゃんがその、えと……」

P「やっぱ加蓮か」


美穂「この間の車での一部始終を話したら」

美穂「加蓮ちゃん、何かすごく喜んじゃって」

P「(好きそうだもんな、ああいう話)」

美穂「女子寮のみんなにも同じ話をしたらしくて」

美穂「何故かこの機会にもっと冒険してみようってことになって」

美穂「それから私の大改造計画が始まって……」

美穂「こんなことに、うう……」

P「ひでえ」

P「(首謀者は加蓮と紗枝かな)」


美穂「それで、あの、ど、どうでしょうっ?」

P「へ?」

美穂「あの、私、似合って……ますか?」

美穂「変じゃない、でしょうか?」

P「……」

P「あのな」

P「確かにアップデートしていくとは言った」

P「言ったけどな」

P「いくら何でも、いきなり変わりすぎだわっ」


美穂「で、でもPさん言ってくださいましたよね?」

美穂「今の私を尊重してくれるって」

P「いやまあ」

P「言ったけど、あの……」

美穂「……」ジーッ

P「……」

P「わ、わかった」

P「言ったもんな、責任はとらなきゃな」

美穂「ふふっ」

美穂「それじゃあ評価のほど、よろしくお願いしますっ!」

P「う、うん」

P「……はあ」

P「小日向アップデート、か」



P「まだもうちょい、かかりそうかな」





――更新を構成しています――
――   100%完了   ――




終わり


総選挙もがんばってほしいです

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みなさんコメントありがとうございます、うれしいです
過去にはこんなのを書いていました

モバP「脱・響子宣言」
モバP「脱・響子宣言」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1480844995/)

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モバP「ファイヤーボンバーバーニング」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1477315830/)

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モバP「年末楓さんと酒飲んで過ごし隊」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1451222108/)

お暇であればご一読ください
ありがとうございました

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