【ガルパン】アンチョビ「総帥お悩み相談ダイヤル」 (41)


プルルルル…

プルルルル…

ガチャッ


アンチョビ「もしもし、こちら総帥お悩み相談ダイヤルだ!」

アンチョビ「何か相談か?」

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『…あ、あのぅ…』

アンチョビ「どうした?」

『あ、これって、匿名でいいんですよね…?』

アンチョビ「あぁ、ムリに名乗らなくていいぞ」

アンチョビ「それに、ここの相談は絶対に外に漏らしたりしないからな」

『あ、ありがとうございます…』

アンチョビ「それで?今日はどうしたんだ?」

『あの…私、高校で戦車道をやってるんですけど』

アンチョビ「うん」

『それで、今、私1年生なんですけど…チームの隊長がすっごくカッコ良くて』

アンチョビ「うんうん」

『戦車道もそうなんですけど、普段から相談に乗ってくれるし…』

『凄く優しくて、カッコ良くて…』

『私たちみんなのあこがれで…私も凄く尊敬してて、好きな人なんです』

アンチョビ「うん、わかるぞ」


『あ、その隊長、今2年生なんですけど』

『あと2年したら、先輩も卒業しちゃうじゃないですか』

アンチョビ「あー…そうだなぁ…」

『それで…ちょっと前に噂で聞いたんですけど』

『その後の隊長が私になるって、そう聞いてて…』

アンチョビ「へぇー、凄いじゃないか」

『あ、ありがとうございます』

『でも、私…ホントは、自信なくって』

アンチョビ「あぁ…」

『私なんかに、隊長なんてできるって思えなくって』

『でも、チームのほかのみんなは私のことを…』

『…その、自分で言いにくいですけど、凄く慕ってくれて』

アンチョビ「あー、それは断りづらいよなぁ」

『はい…』


『私も、隊長の頼みですから、次期隊長はやらなきゃと思ってるんです』

『でも、隊長の作った歴史にドロを塗るのが嫌で…』

『私、どうすればいいんでしょうか…?』

アンチョビ「うん。そうだな。その気持ちもわかるぞ」

アンチョビ「でもさ、そんなに難しく考えなくていいんじゃないか?」

『え?』

アンチョビ「その隊長から、優勝しろとか、今年以上の成績を残せとか、そういわれたわけじゃないんだろ?」

『それは、はい』

アンチョビ「じゃあ、もっと気楽にやればいいんだよ」

アンチョビ「もっと楽しく、自分のやりたい戦車道を突き進めばいいんだ」

アンチョビ「それに、その隊長も、キミにはもっと楽しんで戦車道を続けてほしいと思ってるハズだぞ」

『あ…』

アンチョビ「ごめんな、こんな答えで。でも、隊長には隊長の、君には君の戦車道があるはずなんだ」

『あの…あ、ありがとうございます!』


『そうですよね…私、ちょっと悩み過ぎてたのかもしれません!』

アンチョビ「あぁ!」

『私には、私の戦車道があるんですよね!』

アンチョビ「そうだ!」

『本当にありがとうございました!このタンクジャケットは返してきますね!』

アンチョビ「あぁ、そうして…」

アンチョビ「…ん?ジャケット?」

『あ、隊長のタンクジャケットなんですけど…よく隊長のロッカーから持ってきちゃってて』

『これを着てると、何か隊長に抱きしめられてる気分っていうか、気持ちがおちついて…』

『それで、よく借りてきちゃうんですけど…えへへ…』

アンチョビ「」

『んっ…たいちょぉ……んぅ…』

アンチョビ「」

『あ!すみません!今日は本当にありがとうございました!失礼します!』

ガチャッ

アンチョビ「」

アンチョビ「」

アンチョビ「………大洗の風紀委員は何してるんだよ……」



~~~~~~


プルルルル…

プルルルル…

ガチャッ


アンチョビ「もしもし、こちら総帥お悩み相談ダイヤルだ!」

アンチョビ「何か相談か?」

『あら、ごきげんよう』

アンチョビ「あぁ、ごきげんよう」

『ん…』

アンチョビ「? どうした?」

『いえ、なんでもありませんわ』


アンチョビ「おう、今日はどんな悩みだ?」

『あの…ですね』

アンチョビ「?」

『その…今、ちょっと…』

アンチョビ「なんだなんだ、ずいぶん歯切れが悪いな」

アンチョビ「言いにくいことなのか? ゆっくり、自分のペースでいいぞ」

『そんな余裕はないのだけれど』

アンチョビ「うん…?」

『その…今、戦車に乗っているの』

アンチョビ「あー、戦車道か」

『…戦車って、その…』

『お、お手洗いはないのかしら?』

アンチョビ「ないぞ」

『は、ハッキリというわね』


アンチョビ「いや、当たり前だろ!」

アンチョビ「そもそも、あったところで戦車って一人乗りじゃないだろ!?そこでするつもりなのか?」

『一刻を争うのよ』

アンチョビ「あぁ、余裕がないってそういう…」

『なら、せめて代替案を教えてくれないかしら?』

アンチョビ「代替案っても、何をどうするつもりなんだよ…」

アンチョビ「そもそも、なんでそんな切羽詰まってるんだ?」

アンチョビ「乗車前に済ませてなかったのか?」

『えぇ、もちろん済ませていますわ』

『…ただ、車内で紅茶をいつもより多く飲んでしまって、その…』

アンチョビ「…前々から思ってたんだけど、車内のティータイムはないとダメなのか…?」

『…わが校の伝統にも、困ったものね』

アンチョビ「まぁ、気持ちはわからないじゃないけどさぁ…」

『それで、どうにか』ガタガタッ

『あぉっ、おぅっふ』

アンチョビ「優雅さのかけらもない声が出てるけど、大丈夫か?」

『いや、ちょっ、マジにヤベェですわこれ』

アンチョビ「よし、ちょっと落ち着こう」

『エジプト人は恋愛と戦争では手段を』

アンチョビ「イギリス人だろ」


『あぁ、でも、話しているとちょっとだけ気分が紛れてマシになるわね』

アンチョビ「そうか、それなら良かっ…」

『あぁっ!ダージリン様!危ない!』

アンチョビ「ん?」

『落ち着きなさいオレンジペコ。聖グロはいかなる時にもゆうg』ドーン!

『きゃああ!』

『あ…』

『…え?ダージリン様?』

『あ…あ、嘘っ、いや…!』

『あ…』

『いや…いやぁ…!』

『…』

『ペコぉ…』

『あ、あの…私、何も見てませんから…』

『うぇぇ…』

ガチャッ

アンチョビ「…」

アンチョビ「…聞かなかったことにしよう…」



~~~~~~~


プルルルル…

プルルルル…

ガチャッ


アンチョビ「もしもし、こちら総帥お悩み相談ダイヤルだ!」

アンチョビ「何か相談か?」

『あー、いいかしら?』

アンチョビ「おう、何でも聞いてくれ」

『その…れ、恋愛の話なんだけど』

アンチョビ「れ、れんあっ…」

『ちょっと、そんな様子で大丈夫なの?』

アンチョビ「え、あ、あぁ。ゴメンゴメン」


『それで、その…どうしたら、私のことを見てくれるのかしら』

アンチョビ「好きなヤツがいるのか?」

『まぁね』

『ただ、ソイツは別の子が好きっていうし…』

『私もずっとアプローチしてるのに、全然こっちを見てくれないし…』

アンチョビ「ほぉー…そうか…ほほぉー…」

『…ちょっとアンタ、私の話聞く気あるの?』

アンチョビ「ほぇ!? あ、いや、ごめん」

『まったく…』

アンチョビ「いや、その…なんだ、そいつにも好きな子がいるんだろ?」

アンチョビ「こんな回答で悪いけど、その意見を尊重してやるのも、好きな人に対する接し方なんじゃないか?」

『そんなこと、頭ではわかってるわよ』

『でも、好きになっちゃったんだから、しょうがないじゃない…』

アンチョビ「そ、そうだな…うん、あはは…」

『…はー、何か、アンタに相談したのが間違いだったのかもしれないわね』

アンチョビ「そ、そんなことはない…と思いたいんだけど…」


『アンタ、恋したことあるの?』

アンチョビ「へぁ!?」

『ないみたいね』

アンチョビ「わ、私のことはいいだろ!」

『相談相手を間違えたのかもしれないでしょ』

アンチョビ「そうだけどぉ…」

『好きな人がいるとね、毎日苦しいけど、それが楽しいのよ』

『わからないでしょ?この気持ち』

アンチョビ「あれ?何か私が相談してる感じになってないか?」

『アンタがここまでウブだとは思ってなかったのよ』

アンチョビ「それは…だって、そういうの、私にはまだ早いっていうか…あの…」

『はぁー…』

アンチョビ「そ、そういうそっちだって…」


『ガチャン』

アンチョビ「ん?どうし…」

『あっ!ちょっと静かに!』

アンチョビ「え?」

『タカシが帰ってきたわ!全く、今日はいつもより遅いわね』

アンチョビ「え!?同棲してるのか!?」

『はぁ?片思いって言ったじゃない。同棲なんてしてないわよ』

アンチョビ「だって、今帰ってきたんだろ?」

『ちょっと、静かにしてよ。マイク遠いんだから聞こえないじゃない』

アンチョビ「マイク?え?」

『…んー…またカメラがズレてるわね。仕掛けてる場所が悪いのかしら。今度直しに行かないと』

アンチョビ「え? え?」

『え?電話…あぁ、同級生の男子ね。じゃあ良いわ』

『あぁ!なんでそっちに行くのよ!カメラ映らないじゃない!』

『…あ、ていうかもう切るわ!じゃあね!』ブツッ

ガチャッ

アンチョビ「」

アンチョビ「」

アンチョビ「…ケイに告げ口しようかな…」



~~~~~~


プルルルル…

プルルルル…

ガチャッ


アンチョビ「もしもし、こちら総帥お悩み相談ダイヤルだ!」

アンチョビ「何か相談か?」

『…』

アンチョビ「…?」

『…』

アンチョビ「あれ?もしもし?」

『…風が…』

アンチョビ「え?」

『風が、止んでしまったよ』

アンチョビ「お、おう…」


『ねぇ、総帥さん』

『私はこれから、何を寄る辺にすればいいのかな』

アンチョビ「えーと…ど、どういう意味だ?」

『私は、風に運ばれてここにやってきたんだ』

『なのに、今、その風が応えてくれないのさ』

アンチョビ「んー…あっ」

アンチョビ「そうか。道に迷って帰れなくなったのか」

『…』

アンチョビ「…」

『ポロローン』

アンチョビ「ごまかすなよ…」

『いや、ちょっと…本当に困ってるんだよ』

アンチョビ「キャラぶれてるぞ…」


『どこなんだろうねここは』

『まるで、世界に私だけになったような気分だよ』

アンチョビ「まだ余裕っぽいな」

『あの…早く帰らないと、本当に困るんだけど…』

アンチョビ「いや、確かに相談は受け付けてるけど、できることとできないことがあるだろ…」

『はー』

アンチョビ「ため息つかれてもなぁ…」

アンチョビ「というか、ケータイ持ってたんだな」

『携帯電話くらいは持つさ』

アンチョビ「そのケータイで、仲間と連絡を取ればいいじゃないか」

『いや、その…』

アンチョビ「うん?」

『人は失敗する生き物だと、私は思うんだ』

アンチョビ「うん」

『かといって、同じ過ちを繰り返すのは、あまり美しいことではないな』

アンチョビ「そうだな」


『…』

アンチョビ「え?終わり?」

『ポロローン』

アンチョビ「…うーん、うーん…」

アンチョビ「あ、わかった」

アンチョビ「こうやって遭難するたびに仲間に助けてもらってたけど、あまりに前科が多すぎてもう頼れないのか」

『…総帥さんには、なんでもお見通しだね…』

アンチョビ「いや、ホメられても状況は良くならないぞ…」

『だから、できれば自力で…』

アンチョビ「…」

『…あーっ!ミカ!こんなところにいた!』

アンチョビ「ん?」


『あ、アキ』

『また一人でどっか行っちゃうんだから!今日という今日はもー許さないから!』

『あ、あの』

『ミカ、次に遭難したらどうするか、私言ったよね?』

『ご、ごめんなさ』

『ミッコ』

『鞭だよね?拾ってきたけど、こんなんでいい?』

『ミカ、お尻出して』

『あ、あの、アキ』

『ペシーン!』

『痛いぃ!』

ガチャッ

アンチョビ「…」

アンチョビ「あの子、怒らせると怖いんだな…」

アンチョビ「…あ、あれ!?私の鞭がない!?」



~~~~~~


プルルルル…

プルルルル…

ガチャッ


アンチョビ「もしもし、こちら総帥お悩み相談ダイヤルだ!」

アンチョビ「何か相談か?」

『あ、あの…』

アンチョビ「おう、どうしたんだ?」

『ね、ねぇ。私、今3年生なんだけど…』

『…身長って、どうしたら大きくなるのかしら…?』

アンチョビ「え?身長?」

『な、何よ!本気で悩んでるんだから!』

アンチョビ「ああ、ゴメン」


『いろいろ試しているのに、全然効果がないのよね』

アンチョビ「まぁ、身長って3年になるともうほとんど伸びないからなぁ…」

『ねぇ、どうにかして伸ばせないの?』

アンチョビ「そうだなぁ、牛乳飲むとか…」

『毎日飲んでるわ』

アンチョビ「いっぱい食べるとか…」

『食べてるわよ』

アンチョビ「ちゃんと夜寝るとか…」

『8時間は寝てるわ』

アンチョビ「うーん…悪いけど、これくらいしか…」

『やっぱりそうよね』

アンチョビ「牛乳とか料理とか、ちゃんとしたものなんだよな?」

『あたり前じゃない!』

『ノン…あ、ウチの戦車道の副隊長が選んだ牛乳とか、作ってくれた料理とか食べてるわよ』

アンチョビ「へぇ。全部その副隊長がやってるのか?」

『私が好きなボルシチとか、牛乳とかだけ用意してもらってるわ』

『普段のご飯は学食とかで食べてるわね』


アンチョビ「へぇー、いい副隊長じゃないか」

『そうでしょう?』

『あと、寝る前にもココアを飲んでるわ』

アンチョビ「それも副隊長が用意してるのか?」

『ええ、そうよ。よく眠れるの』

アンチョビ「そこまでしても、身長が伸びないのか…」

『だから困ってるんじゃない!』

アンチョビ「そうだなぁ」

アンチョビ「そこまで副隊長にいろいろしてもらって…ん?」

『え?』

アンチョビ「なぁ、その副隊長が用意したものって、信用していいんだよな?」

『どういうことよ?』

アンチョビ「だから、そのココアとかボルシチのせいで、身長が伸びないってことはないよな?」

『ちょっと、どういう意味――うっ!?』

『ドサッ』

アンチョビ「え?どうした?」


『……ああ、申し訳ありません、同志カチューシャ』

『ですが、これもあなたのため、プラウダのためなのです』

『あなたは、何も知らないままで良いのです』

『ああ、かわいいカチューシャ。かわいいかわいい、私のカチューシャ…』

アンチョビ「もしもし!?どうした!?」

『あなたも、少し知りすぎてしまいましたね』

アンチョビ「おい!誰だお前!?」

『クラーラ』

アンチョビ「な、なん…」ゾクッ

アンチョビ「…ウッ!?」ドスッ

ドサッ


・・・・・・・・


アンチョビ「んぅ…」

アンチョビ「あ、あれ!?私寝ちゃってた!?」

アンチョビ「えーと、確か、最後に継続と電話して…それで寝ちゃってたのか」

アンチョビ「いかんいかん。ちゃんとしなきゃ」



~~~~~~


プルルルル…

プルルルル…

ガチャッ


アンチョビ「もしもし、こちら総帥お悩み相談ダイヤルだ!」

アンチョビ「何か相談か?」

『失礼!わたくし、知波単学園の西絹代と申します!』

アンチョビ「あー、匿名で良かったんだが…」

『これは心得違いを!失礼いたしました!』

アンチョビ「あぁ、別にいいぞ」

アンチョビ「それで?どういう相談かな?」


『あー、それは、その、ですね…』

アンチョビ「ん?」

『え、え…と…』

『に……かも、しれません…』

アンチョビ「…え?なんだって?」

『に、妊娠…してしまったかも、しれません…』

アンチョビ「」

『あ、あの…』

アンチョビ「お、おめで、とう…?」

アンチョビ「え、ええと…それで、相手はどんな人なんだ…?」

『それがですね…実は、わからなくて…』

アンチョビ「…は?どういうこと?」


『というのも、実は先日、道を歩いているときに転んでしまって…』

アンチョビ「うん」

『それで、近くの殿方に手を貸していただいたんですが』

アンチョビ「うんうん」

『その時に、妊娠してしまったのかも…』

アンチョビ「うんうん…う゛ん!?」

『は…?総帥殿…?』

アンチョビ「…あ、あのさぁ、西隊長」

アンチョビ「に、妊娠って…その、どうすれば赤ちゃんができるか、知ってるか?」

『その…殿方と手をつないだり、触れ合うとできるのでは…?』

アンチョビ「」

『…あの…』

アンチョビ「…ゴホン、いいか、西隊長」

アンチョビ「手をつないだくらいじゃ、赤ちゃんはできないぞ」

『な、なんと…!』

『では、どのようにすれば、子を授かることができるのですか!?』

アンチョビ「えぁ!? そ、それは…」

アンチョビ「そ、それは、その…えっと…」

『総帥殿?』

アンチョビ「あぅ…」


『…ん? どうした福田?』

アンチョビ「ん?」

『…何ィ!それは本当か福田ァ!』

アンチョビ「どうした?」

『総帥殿!またも心得違いを!部下に教えてもらいました!』

アンチョビ「え?」

『はい!妊娠とは、手をつなぐことではなく…』

アンチョビ「うん」

『男女が、寝床で接吻することで妊娠するのですね!』

アンチョビ「」

『いやぁ、これはお恥ずかしい!』

『それでは、失礼いたします!』ガチャン

アンチョビ「あっ」

アンチョビ「…」

ガチャッ

アンチョビ「…」

アンチョビ「…今度、知波単で性教育でもするか…」



~~~~~~


プルルルル…

プルルルル…

ガチャッ


アンチョビ「もしもし、こちら総帥お悩み相談ダイヤルだ!」

アンチョビ「何か相談か?」

『あの…』

アンチョビ「え!?男子!?」

『あ、すみません、男子禁制ですか…』

アンチョビ「あぁ、すまん。ちょっとビックリしただけだ」

『はぁ』

アンチョビ「それで、どういう相談だ?」

『その…俺、お役所仕事なんですけど』

『なんか、俺、何のために働いてるのかなー…とか思っちゃって…』

アンチョビ「…私、まだ学生なんだけど…」


『いやね、あの…学園艦、あるじゃないですか。学園艦』

『何か、あんま目立たない学園艦を廃艦にしろとか、上司にせっつかれて…』

アンチョビ「おう…」

『何やかんやあって失敗するし…学園艦の生徒には恨まれるし…』

『そもそも別に廃艦とかしなくていいじゃないですか…』

『いや、俺は別にあの学校に恨みなんかないんですよ…』

『上に言われて仕方なく、ホントしかたなーくやっただけなのに、何か俺ばっか悪いみたいな感じだし…』

アンチョビ「つ、つらかったな…」

『結局その一件のせいで上司には小言言われて…』

『そんで、結局なんで俺働いてるのかなーって…』

アンチョビ「(うわぁ、思ったより重くてコメントしづらいぞ…)」


『この事件もそうですけど、もう普段から仕事がつらくてつらくて』

アンチョビ「うん、うん」

『給料安くて残業代は出ないし、土曜日は当たり前に出勤だし、』

『日曜日は上司の接待ゴルフで潰れるし、』

『女房には愛想つかされるし、離婚の慰謝料は高いし、』

『毎日コンビニ弁当だし、栄養剤の飲み過ぎで肝臓壊すし、』

『ほどほどの地位の同期や後輩は結婚してそこそこ幸せそうにやってるし、』

『学園艦の住民やらには恨まれるし、』

『電車じゃ痴漢に間違われるし、近所のおばさんにゴミの分別とかで叱られるし』

『あと…あと…』

『うっ…う゛っ…う゛う゛う゛う゛~゛~゛~゛~゛~゛』ボロボロ

アンチョビ「(いい年したオジサンのガチ泣きなんて聞きたくなかった…)」


『う゛ぇ゛ぇ゛~~~』

アンチョビ「うん、そうだな。つらかったな。よく頑張ったな」

アンチョビ「今日はいくらでも話聞いてやるから」

アンチョビ「今日いっぱい泣いて、明日からまた頑張ろう?」

『あ゛…あ゛ぁ゛~~~~』

『マ゛マ゛ぁ゛~゛~゛~゛~゛~゛!』ボロボロ

アンチョビ「よーし、よしよしよし…」

『あ゛ぁ゛~~~』

『あ゛~…』

『…ぐぅー…ぐぅー…』

アンチョビ「…」

ガチャッ

アンチョビ「…」

アンチョビ「…あのメガネのオッサンも…結構苦労してるんだな…」



~~~~~~


プルルルル…

プルルルル…

ガチャッ


アンチョビ「もしもし、こちら総帥お悩み相談ダイヤr」

『ちょっと姐さん!いつまでやってるんスか!』

アンチョビ「うわぁ!?急に大きい声を出すな!」

『ほら、もう練習始まりますよ!』

アンチョビ「あ、もうこんな時間か、今行くよ!」

ガチャッ





おしまい

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